説明

測定装置

【課題】太陽電池モジュールに複数形成されたセルの出力値を検出する。
【解決手段】本発明に係る擬似太陽光照射測定装置100は、擬似太陽光を受光して発電する、太陽電池モジュール30に複数形成されたセル31に対して相対的に移動可能に設けられ、セル31の出力値を検出する検出ヘッド26を有する測定部20を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、測定装置に関するものであり、より詳細には、太陽電池などの被測定物の出力特性を測定するための測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
太陽電池は、クリーンなエネルギー源としての重要性が認められ、その需要が高まりつつある。太陽電池の利用分野は、大型機器類のパワーエネルギー源から、精密な電子機器類の小型電源まで、多岐に渡っている。
【0003】
太陽電池が様々な分野で広く利用されるには、太陽電池の特性、とりわけ、太陽電池の発電量などの出力特性が正確に測定されなければならない。出力特性が正確に測定されなければ、太陽電池の使用に際して様々な不都合が予測されるためである。そのため、太陽電池の検査、測定および実験に利用可能な、高精度の擬似太陽光を大面積に照射できる技術の開発が求められている。
【0004】
擬似太陽光に求められる主要な要素は、その擬似太陽光のスペクトル分布が基準太陽光(日本工業規格により制定:JIS C8941)に近いこと、および擬似太陽光の照度が基準太陽光と同程度であることとである。
【0005】
そこで、このような擬似太陽光を照射するための装置として、擬似太陽光照射装置が開発されている。この擬似太陽光照射装置は、一般的に太陽電池の受光面に均一な照度の人工光(擬似太陽光)を照射して、太陽電池の発電量などの出力特性を測定するために使用される。
【0006】
特許文献1には、隣接する個々の室に、ハロゲンランプとキセノンランプとを設置した擬似太陽光照射装置(ソーラーシュミレータ)が開示されている。具体的には、この擬似太陽光照射装置では、フレーム内の下部にハロゲンランプとキセノンランプとが仕切板を介して個々の室に配置されると共に、各室の上方に専用の光学フィルタがそれぞれ配置されている。この光学フィルタによって、各ランプから出射された光のスペクトルを調整し、フレームの上部に配置された太陽電池モジュールの受光面に向けて下方から擬似太陽光を照射している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2002−048704号公報(2002年2月15日公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
近年、太陽電池は、住宅の屋根への設置はもとより、発電プラントなどへも展開されつつある。そして、太陽電池の用途が広がるにつれて、太陽電池の大面積化(例えば、1650mm×1000mm)が進んでいる。
【0009】
そのため、大面積の太陽電池の出力特性を正確に測定するためには、擬似太陽光照射装置の照射面積をできるだけ大きくし、且つ、照射面積内における擬似太陽光のスペクトル分布を均一化する必要がある。
【0010】
例えば、大面積の受光面を有する太陽電池モジュールを薄膜太陽電池で構成する場合、大型のガラス基板上に多数のセルが形成される。このような多数のセルを有する大面積の太陽電池モジュールに、特許文献1に開示された擬似太陽光照射装置を用いて擬似太陽光を照射した場合、個々のセルに対して照射される擬似太陽光のスペクトル分布を均一にすることができない。
【0011】
すなわち、特許文献1に開示された擬似太陽光照射装置では、各セルに対する、ハロゲンランプの距離とキセノンランプの距離とが異なる。言い換えれば、各セルに対する、ハロゲンランプの発光点とキセノンランプの発光点との位置を、完全に一致させる(光学上重ねる)ことができない。また、各光源から光学フィルタに入射する角度が異なるので、光学フィルタの各入射位置において、スペクトルにずれが生じる。
【0012】
そのため、特許文献1に開示された擬似太陽光照射装置を用いて、太陽電池モジュールの出力特性を測定した場合、測定誤差が生じていたとしても、その要因が、擬似太陽光のスペクトル分布の不均一性によるものであるか、或いは、個々のセルの出力特性(I−V特性:電流電圧特性)のばらつきによるものであるかを特定することが困難であるという課題がある。
【0013】
一方、個々のセルに対して、スペクトル分布が均一な擬似太陽光を照射することができれば、上述した測定誤差の要因が個々のセルの出力特性のばらつきによるものであることを特定することができる。セルごとの出力特性にばらつきがある場合、太陽電池モジュール全体としての出力特性が均一にならない。そのため、セルごとの出力特性のばらつきを把握することは、太陽電池の出力特性を均一化する上で非常に重要である。
【0014】
例えば、セルごとの出力特性を測定できれば、その測定結果を次の生産ロットにフィードバックすることで、太陽電池モジュールの出力特性の均一性を向上させることが可能となる。
【0015】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、太陽電池に複数形成されたセルの出力値を検出することが可能な測定装置を実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明に係る測定装置は、上記の課題を解決するために、光を出射する光源と、前記光源から出射された光のスペクトルを調整するスペクトル調整部材と、前記スペクトル調整部材によりスペクトルが調整された光を入射させて導光する導光板と、前記導光板に入射した光を、当該導光板の照射面から被測定物に向けて取り出す光取り出し部材と、前記光取り出し部材により取り出された光を受光して発電する、前記被測定物に複数形成された光起電力セルに対して相対的に移動可能に設けられ、当該光起電力セルの出力値を検出する検出ヘッドを有する測定部と、を備えることを特徴とする。
【0017】
上記の構成では、光源からの光は、スペクトル調整部材により所望のスペクトルに調整された後、導光板に入射する。そして、導光板に入射した光は、光取り出し部材により、導光板の照射面から被測定物に向けて出射される。そのため、被測定物に複数形成された光起電力セルに対して、スペクトル分布が均一な光を照射することが可能となる。
【0018】
さらに、上記の構成では、測定部は、被測定物に複数形成された光起電力セルの出力値を検出する検出ヘッドを有し、この検出ヘッドは、光起電力セルに対して相対的に移動可能に設けられている。そのため、検出ヘッドの移動を制御することで、任意の光起電力セルの出力値を検出ヘッドで検出することが可能となる。
【0019】
それゆえ、上記の構成によれば、被測定物に複数形成された光起電力セルの出力値を検出することが可能な測定装置を実現することができる。
【0020】
また、本発明に係る測定装置では、前記光源として、第1の光を出射する第1の光源と、当該第1の光とは異なるスペクトル分布を有する第2の光を出射する第2の光源とを備え、前記スペクトル調整部材として、前記第1の光のスペクトルを調整する第1のスペクトル調整部材と、前記第2の光のスペクトルを調整する第2のスペクトル調整部材とを備え、前記第1のスペクトル調整部材によりスペクトルが調整された前記第1の光と、前記第2のスペクトル調整部材によりスペクトルが調整された前記第2の光とが入射され、入射した第1の光および第2の光から選択した光を混合して、前記導光板に向けて出射する波長選択部材をさらに備えることが好ましい。
【0021】
上記の構成では、波長選択部材は、第1のスペクトル調整部材によりスペクトルが調整された第1の光と、第2のスペクトル調整部材によりスペクトルが調整された第2の光とから選択した光を混合した後、導光板に向けて出射する。そして、導光板に入射した光は、光取り出し部材により導光板の照射面から被測定物に向けて出射される。
【0022】
したがって、上記の構成によれば、スペクトルが調整された第1の光とスペクトルが調整された第2の光とから所望の光を選択して混合することで、被測定物に照射する光を生成するため、所望のスペクトル分布を有する光を被測定物に照射することができる。
【0023】
また、本発明に係る測定装置では、前記第1の光は、前記第2の光よりも長波長の光であり、前記波長選択部材は、前記第1のスペクトル調整部材によりスペクトルが調整された前記第1の光のうち、所定の境界波長より長波長側の光を透過して前記導光板に向けて出射し、前記第2のスペクトル調整部材によりスペクトルが調整された前記第2の光のうち、所定の境界波長より短波長側の光を反射して前記導光板に向けて出射するものであることが好ましい。
【0024】
上記の構成によれば、第1のスペクトル調整部材によりスペクトルが調整された第1の光および第2のスペクトル調整部材によりペクトルが調整された第2の光から、所望の波長領域の光を選択して混合する波長選択部材を好適に実現することができる。
【0025】
また、本発明に係る測定装置では、前記検出ヘッドは、前記被測定物に接触させる少なくとも1組の検出端子を有し、前記検出端子間の間隔は、1つの前記光起電力セルを挟むセル電極間の間隔に設定されていることが好ましい。
【0026】
上記の構成によれば、検出ヘッドが有する検出端子間の間隔は、1つの光起電力セルを挟むセル電極間の間隔に設定されているので、単一の光起電力セルの出力値を検出ヘッドで検出することができる。
【0027】
また、本発明に係る測定装置では、前記検出ヘッドは、前記被測定物に接触させる少なくとも1組の検出端子を有し、前記検出端子間の間隔は、複数の前記光起電力セルを挟むセル電極間の間隔に設定されていることが好ましい。
【0028】
上記の構成によれば、検出ヘッドが有する検出端子間の間隔は、複数の光起電力セルを挟むセル電極間の間隔に設定されているので、複数の光起電力セルの出力値を検出ヘッドで纏めて検出することができる。
【0029】
また、本発明に係る測定装置では、前記検出ヘッドは、複数組の前記検出端子を有することが好ましい。
【0030】
上記の構成では、検出ヘッドは複数組の検出端子を有するので、同時に複数の光起電力セルの出力値を検出することが可能となる。
【0031】
したがって、上記の構成によれば、複数の光起電力セルの出力値の検出に要する時間を短縮することができる。
【0032】
また、本発明に係る測定装置では、前記測定部は、前記光起電力セルが形成された前記被測定物の面に対して垂直な方向に向けて、前記検出ヘッドを移動させる垂直移動機構をさらに有することが好ましい。
【0033】
上記の構成によれば、測定部は、光起電力セルが形成された被測定物の面に対して垂直な方向に向けて、検出ヘッドを移動させる垂直移動機構をさらに有する。そのため、検出ヘッドを光起電力セルに接触させる、或いは、離間させるなどの動作を、垂直移動機構により制御することができる。
【発明の効果】
【0034】
以上のように、本発明に係る測定装置は、光を出射する光源と、前記光源から出射された光のスペクトルを調整するスペクトル調整部材と、前記スペクトル調整部材によりスペクトルが調整された光を入射させて導光する導光板と、前記導光板に入射した光を、当該導光板の照射面から被測定物に向けて取り出す光取り出し部材と、前記光取り出し部材により取り出された光を受光して発電する、前記被測定物に複数形成された光起電力セルに対して相対的に移動可能に設けられ、当該光起電力セルの出力値を検出する検出ヘッドを有する測定部と、を備える。
【0035】
それゆえ、本発明によれば、被測定物に複数形成された光起電力セルの出力値を検出することが可能な測定装置を提供することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】実施形態1に係る擬似太陽光照射測定装置の要部構成を示す側面図である。
【図2】図1に示される光導入部の一部を示す上面図である。
【図3】図1に示される擬似太陽光照射測定装置を示す斜視図である。
【図4】図3に示される擬似太陽光照射測定装置を示す上面図である。
【図5】図3に示される検出ヘッドを示す斜視図である。
【図6】図5に示される検出ヘッドによって太陽電池モジュールに形成されたセルの出力値を検出する状態を示す模式図である。
【図7】図7は、図5に示される検出ヘッドの変形例を示す斜視図であり、図7(a)は図5に示される検出ヘッドを2つ並べた構成の検出ヘッドを示し、図7(b)は2組の検出端子が設けられた検出ヘッドを示している。
【図8】図7に示される検出ヘッドによって太陽電池モジュールに形成されたセルの出力値を検出する状態を示す模式図である。
【図9】実施形態2に係る擬似太陽光照射測定装置の要部構成を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
〔実施形態1〕
本発明に係る測定装置に関する一実施形態について、図1から図8に基づいて説明すれば、以下のとおりである。本実施形態では、本発明に係る測定装置を用いて、被測定物である太陽電池パネルまたは太陽電池モジュール(以下、単に太陽電池モジュールと称する)の出力特性を測定する場合について説明する。
【0038】
<擬似太陽光照射測定装置の構成>
まず、本実施形態に係る擬似太陽光照射測定装置(測定装置)100の構成について、図1を参照して説明する。本実施形態に係る擬似太陽光照射測定装置100は、太陽電池モジュール30に対してスペクトル分布が均一な擬似太陽光を照射して、太陽電池モジュール30の出力特性を測定するものである。なお、擬似太陽光とは、人工光の一種であり、自然光(太陽光)のスペクトルに限りなく近似したスペクトルを有する光である。
【0039】
図1は、本実施形態に係る擬似太陽光照射測定装置100の要部構成を示す側面図である。なお、図1では、太陽電池モジュール30を保持するための保持部材などを省略して図示している。
【0040】
図1に示されるように、擬似太陽光照射測定装置100は、光導入部40a・40bと、導光板8と、光取り出し部(光取り出し部材)9と、反射シート10と、冷却部18と、測定部20とを備えている。なお、光導入部40a・40bと、導光板8と、光取り出し部9と、反射シート10と、冷却部18とは、太陽電池モジュール30に対してスペクトル分布が均一な擬似太陽光を照射するための光学系を構成する。
【0041】
以下、擬似太陽光照射測定装置100を構成する各部材について説明する。なお、以下の説明では、導光板8の照射面側を上方、照射面と対向する導光板8の下面側を下方と称する。また、図1における上下方向をz軸方向とし、左右方向をx軸方向とし、奥行き方向(前後)をy軸方向とする。
【0042】
(光導入部)
光導入部40a・40bは、ハロゲン光源1およびキセノン光源11からそれぞれ出射された光を波長選択部材5で混合することにより擬似太陽光を生成し、生成した擬似太陽光を導光板8の端面(入射面)に照射するものである。
【0043】
擬似太陽光照射測定装置100では、導光板8の両端面に光導入部40a・40bが設けられている。そのため、より多くの光量(照度)の擬似太陽光を導光板8に入射させ、照射面から出射することができる。
【0044】
ただし、光導入部40a・40bは導光板8の両端面に設ける必要はなく、導光板8の一方の端面にのみ設けられていてもよい。すなわち、擬似太陽光照射測定装置100は、例えば、光導入部40bを備えていなくてもよい。この場合、後述する光取り出し部9の形状などを変更することで、擬似太陽光の照度ムラを調整することができる。
【0045】
なお、光導入部40a・40bの構成は同一である。そのため、ここでは光導入部40aの構成についてのみ説明する。
【0046】
光導入部40aは、ハロゲン光源1(第1の光源)と、集光部材2と、反射部材7と、ランプカバー19と、テーパカプラ3と、光学フィルタ4と、波長選択部材5と、光結合部材6と、キセノン光源11(第2の光源)と、集光部材12と、反射部材17とテーパカプラ13と、光学フィルタ14とを備える。
【0047】
ハロゲン光源1およびキセノン光源11は、擬似太陽光を生成するために必要な分光分布(スペクトル分布)を有する光を照射する。ハロゲン光源1およびキセノン光源11から照射される光は、互いに異なるスペクトル分布を有している。ハロゲン光源1から出射されるハロゲン光(第1の光)は、擬似太陽光に必要な長波長成分の光として利用される。一方、キセノン光源11から出射されるキセノン光(第2の光)は、擬似太陽光に必要な短波長成分の光として利用される。
【0048】
集光部材2は、ハロゲン光源1から出射された光を集めて、テーパカプラ3に向けて反射させるものである。この集光部材2は、ハロゲン光源1のテーパカプラ3への出射方向以外を包囲するように設けられている。これにより、集光部材2によって、ハロゲン光源1から出射された光のうち、テーパカプラ3に向かわない光を、テーパカプラ3に向けて反射させることができる。
【0049】
その結果、ハロゲン光源1から直接出射された光、および集光部材2によって反射された光を、テーパカプラ3の入射面に入射させることが可能となるので、ハロゲン光源1から出射された光の利用効率を向上せることができる。ハロゲン光源1側の集光部材2は、アルミからなり、その楕円状の反射面には金の蒸着膜が形成されている。集光部材2には、例えば、楕円ミラー、放物面ミラーなどを用いることができる。
【0050】
反射部材7は、ハロゲン光源1から出射された光のうち、テーパカプラ3の入射面に入射されなかった光を、集光部材2に向けて反射させるものである。反射部材7は、テーパカプラ3の入射面を包囲して設けられており、テーパカプラ3の入射面に対応する開口部(図示省略)を有している。ハロゲン光源1から直接出射された光、および集光部材2によって反射された光は、この開口部を介して、テーパカプラ3の入射面に入射する。この反射部材7によって、テーパカプラ3の入射面に入射されなかった光を、再度、集光部材2に導くことが可能となるので、ハロゲン光源1から出射された光の利用効率をさらに向上せることができる。
【0051】
ランプカバー19は、ハロゲン光源1からの光をテーパカプラ3に入射させるための開口部を有するカバーである。ランプカバー19は、ハロゲン光源1、集光部材2および反射部材7を包囲するように設けられる。
【0052】
テーパカプラ3は、光導入部40aに設けられた光学素子である。テーパカプラ3は、ハロゲン光源1と光学フィルタ4との間に設けられている。具体的には、テーパカプラ3の一方の端部は、ハロゲン光源1と近接して配置され、他方の端部は、光学フィルタ4に近接して配置されている。テーパカプラ3は、Z軸方向に対向する1組の面がテーパ形状に形成されており、入射した光を内部で全反射させることで、ハロゲン光源1から出射した光に所定の指向性を付与する。
【0053】
光学フィルタ4は、透過させたハロゲン光源1からの光のスペクトル分布を基準太陽光のスペクトル分布に近くするようスペクトルを調整するフィルタである。光学フィルタ4は、テーパカプラ3の出射面に対向して配置され、テーパカプラ3の出射面から出射された光を透過させる。光学フィルタ4は、ガラス基板上に光学多層膜を形成したものである。光学フィルタ4は、波長に応じて変化する透過率を有し、透過するハロゲン光のスペクトル分布を少なくとも部分的に基準太陽光のスペクトル分布に近づける。光学フィルタ4は、通常エアマスフィルタ(スペクトル調整フィルタ)と称される。
【0054】
集光部材12は、集光部材2と同様の機能を有する。集光部材12は、キセノン光源11から出射された光がテーパカプラ13の入射面に入射されるように、キセノン光源11からの光を集光する。
【0055】
反射部材17は、反射部材7と同様の機能および構成を有する。なお、本実施形態のように、キセノン光源11側にはランプカバー19は設けられていなくてもよい。
【0056】
テーパカプラ13は、テーパカプラ3と同様の機能および構成を有する。テーパカプラ13は、キセノン光源11から入射された光の放射指向性を高め、z軸方向の指向性が高い光を光学フィルタ14に対して出射する。
【0057】
光学フィルタ14は、透過させたキセノン光源11からの光のスペクトル分布を基準太陽光のスペクトル分布に近くするようスペクトルを調整するフィルタである。光学フィルタ14は、テーパカプラ13の出射面に対向して配置され、テーパカプラ13の出射面から出射された光を透過させる。光学フィルタ14は、ガラス基板上に光学多層膜を形成したものである。光学フィルタ14は、波長に応じて変化する透過率を有し、透過するキセノン光のスペクトル分布を少なくとも部分的に基準太陽光のスペクトル分布に近づける。
【0058】
このようにして、ハロゲン光源1からの光とキセノン光源11からの光とが、それぞれ波長選択部材5に入射する。なお、波長選択部材5に入射するときの、ハロゲン光源1からの光の光軸とキセノン光源11からの光の光軸とは垂直である。
【0059】
波長選択部材5は、所定の境界波長より短波長側の光を反射し、境界波長より長波長側の光を透過させる部材である。板状の波長選択部材5は、光学フィルタ4を通過した光の光軸に対して入射面が45度傾けられて配置されている。また、波長選択部材5は、光学フィルタ14を通過した光の光軸に対しても入射面が45度傾けられて配置されている。
【0060】
波長選択部材5は、波長選択の機能を有する。すなわち、波長選択部材5は、ハロゲン光源1およびキセノン光源11から出射された光から擬似太陽光に必要な光を選択(抽出)すると共に、選択された光を混合して擬似太陽光を生成する。
【0061】
具体的には、波長選択部材5は、所定波長(例えば、650nm)未満の光を反射する一方、所定波長以上の光を透過する。言い換えれば、波長選択部材5は、擬似太陽光に必要な長波長側の光を透過する一方、短波長側の光を反射する機能を有する。そして、長波長側の光と短波長側の光とを混合して擬似太陽光を生成する。
【0062】
より詳細には、ハロゲン光源1から出射される光は、擬似太陽光に必要な長波長側の成分を多く含む。一方、キセノン光源11から出射される光は、擬似太陽光に必要な短波長側の成分を多く含む。波長選択部材5は、600nm以上、800nm以下の範囲に境界波長を有し、この境界波長未満の光を反射する一方、境界波長以上の光を透過する。
【0063】
つまり、ハロゲン光源1から出射される光のうち、境界波長以上の光(長波長側の成分の光)のみが、波長選択部材5を透過して光結合部材6に入射する。一方、キセノン光源11から出射される光のうち、境界波長未満の光(短波長側の成分の光)のみが、波長選択部材5により反射され、光結合部材6に入射する。
【0064】
例えば、700nm以上の波長の光をハロゲン光源1の光で使用し、キセノン光源11の光を波長700nm未満で使用するとする。この場合、波長選択部材5の反射と透過との境界波長は波長700nmである。つまり、波長選択部材5は、波長700nmより短波長の光を反射させ、700nm以上の長波長の光を透過する特性を持っている。これにより、擬似太陽光に必要な波長の光のみが、波長選択部材5により選択される。
【0065】
そして、選択された光が混合され、擬似太陽光として光結合部材6に出射される。なお、波長選択部材5が反射または透過させる光の境界波長は、任意に設定すればよい。ただし、キセノン光源11のスペクトルの輝線成分を低減するために、600nm以上、700nm以下の範囲で選択することが好ましい。さらに、波長選択部材5としては、波長依存性のある鏡またはフィルタを用いることができる。例えば、波長選択部材5として、コールドミラー、ホットミラーなどを用いることができる。
【0066】
このように、波長選択部材5は、ハロゲン光源1から出射される光に含まれる擬似太陽光の生成に必要な長波長成分の光と、キセノン光源11から出射される光に含まれる擬似太陽光の生成に必要な短波長成分の光とを抽出して、擬似太陽光を生成する。この際、スペクトルが制御されていないハロゲン光の短波長成分の光が除かれ、同様に、スペクトルが制御されていないキセノン光の長波長成分の光が除かれることになる。したがって、擬似太陽光のスペクトル分布を基準太陽光のスペクトル分布に、より近似させることが可能となる。
【0067】
光結合部材6は、入射面から内部に入射された光を壁面で全反射させて対向する出射面まで導光し、出射する光学素子である。光結合部材6の入射面は、波長選択部材5に近接して配置されている。光結合部材6は、y軸方向において対向する1対の面がテーパ形状(台形形状)になっている。すなわち、光結合部材6の入射面から出射面に向かって、光結合部材6の断面積(z軸方向の幅)は徐々に減少する。これにより、波長選択部材5から光結合部材6に入射されたz軸方向に広がった光は、入射面よりz軸方向の幅が狭い出射面から出射される。光結合部材6の出射面から出射された光は、導光板8の端面に入射する。
【0068】
導光板8の端面が光結合部材6の出射面に対向するように、導光板8は、光結合部材6に近接して配置される。光結合部材6によって入射する光のz軸方向の幅を狭くすることができるので、導光板8のz軸方向の厚さを薄くすることができる。導光板8は、透過率を高くするために好ましくは石英ガラスなどで構成される。石英ガラスはコストも高いが、光結合部材6を用いると、光の利用効率を高めながら導光板8の厚さを薄くすることができるので、コストを下げることができる。
【0069】
(冷却部)
冷却部18は、テーパカプラ3・13を冷却するためのものである。テーパカプラ3・13は、ハロゲン光源1からの光が通過するため、温度が上昇する。擬似太陽光照射測定装置100では、大面積の太陽電池モジュール30に太陽光レベルの光を供給する必要があるため、ハロゲン光源1に求められる出力は大きくなる。それに伴い、テーパカプラ3・13の温度上昇も大きなものとなる。テーパカプラ3・13は、形状精度および信頼性を高めるために、樹脂材料などより石英ガラスなどの硝材で構成されることが好ましい。一方で、石英ガラスなどの硝材は、高温になると割れやすいため冷却する必要がある。
【0070】
冷却部18は、y軸方向に延びる細長いパイプを備え、このパイプには、テーパカプラ3・13の上部に対応する箇所に吹き出し孔18aが設けられている。パイプの端部には、パイプに冷却風を送り込むファンなどの送風機(図示せず)が接続されている。冷却風は、吹き出し孔18aからテーパカプラ3・13に対して吹き出される。冷却部18によって、冷却風によりテーパカプラ3・13を冷却することで、テーパカプラ3・13が高温になることおよび割れが発生することを防止する。
【0071】
なお、冷却部18は、ファンによって冷却風を送風するものに限らず、例えば、圧縮空気を冷却が必要な光学部材に供給する(吹き付ける)ものであってもよい。この場合、擬似太陽光照射測定装置100の外部で生成された圧縮空気を、配管を介して冷却部に供給する構成とすることもできる。
【0072】
(導光板)
導光板8は、互いに対向して配置された2つの光導入部40a・40bの間に設けられている。導光板8の両端面には、光導入部40a・40bから擬似太陽光が照射される。導光板8の上面は照射面であり、入射した擬似太陽光を、この照射面から太陽電池モジュール30に向けて出射する。導光板8は、透過率を高くするために好ましくは石英ガラスなどで構成される。
【0073】
(光取り出し部)
光取り出し部9は、導光板8の下面(裏面)に形成されている。光取り出し部9は、光導入部40a・40bから出射された擬似太陽光を、導光板8の照射面に取り出す。具体的には、光導入部40a・40bから導光板8に入射した光(擬似太陽光)は、導光板8内部を伝搬する。このとき、光取り出し部9に当たった光は、導光板8の照射面から出射される。これにより、より広い面積の照射面から、均一な照度の擬似太陽光を照射することが可能となる。
【0074】
なお、光取り出し部9は、例えば、散乱体から形成することができ、導光板8内部の擬似太陽光を散乱させて、照射面へ導くことができる。また、散乱体のパターンを変更すれば、擬似太陽光の照度ムラを調整することもできる。例えば、ドット形状のパターンを、印刷または成形などによって光取り出し部9に形成することができる。
【0075】
(反射シート)
反射シート10は、導光板8または光取り出し部9から下方に漏れ出た光を、導光板8の照射面側に反射する部材である。
【0076】
(測定部)
測定部20は、擬似太陽光が照射された太陽電池モジュール30の出力特性を測定するものである。具体的には、測定部20は、太陽電池モジュール30に複数形成されたセル(光起電力セル)31(図4を参照)の出力値を、太陽電池モジュール30の受光面と反対側の面(以下、背面と称する)側から検出する。
【0077】
測定部20は、セル31の出力値を検出するために、セル31に対して相対的に移動可能に設けられた検出ヘッド26を有している。すなわち、検出ヘッド26は、背面側からセル31の出力値を検出するために、当該背面側を移動可能に設けられている。検出ヘッド26は、検出したセルの出力値を示す検出信号を、配線28を介して制御部27に出力する。
【0078】
制御部27は、測定部20の全体の動作を制御するものである。具体的には、制御部27は、検出ヘッド26から出力された検出信号に基づいて、セル31ごとの出力特性(例えば、I−V特性:電流電圧特性)を測定する。また、制御部27は、太陽電池モジュール30の背面側における検出ヘッド26の移動を制御する。なお、測定部20の詳細については後述する。
【0079】
<擬似太陽光照射の原理>
次に、擬似太陽光照射測定装置100における擬似太陽光照射の原理について、図2を参照して説明する。
【0080】
図2は、図1に示される光導入部40aの一部を示す上面図である。ハロゲン光源1およびキセノン光源11は無指向性の光源であるため、各光源から出射される光は、拡がりを持った拡散光となる。そのため、各光源から出射される光が、所定の角度で波長選択部材5に入射するように、各光源の出射される光の指向性を制御することが好ましい。
【0081】
ここで、テーパカプラ3・13は、z軸方向に対向する1対の面がテーパ形状(台形形状)になっている。すなわち、テーパカプラ3・13の入射面から出射面に向かって、テーパカプラ3・13の断面積(y軸方向の幅)は徐々に増加する。このような構造によって、ハロゲン光源1およびキセノン光源11から出射された光は、テーパカプラ3・13の側面で複数回反射するうちに、指向性(放射角)が改善される。これにより、指向性が揃った(放射角が制御された)光が、テーパカプラ3・13の出射面から出射される。なお、テーパカプラ3・13から出射される光の放射角は、テーパカプラ3・13の側面の傾斜角と、テーパカプラ3・13における光の進行方向の長さとによって制御される。
【0082】
したがって、ハロゲン光源1およびキセノン光源11から出射された光は、集光部材2・12によって放射指向性が揃えられると共に、さらに、テーパカプラ3・13によっても放射指向性が揃えられる。指向性が揃えられた光は、スペクトルを調整する光学フィルタ4・14を透過した後、波長選択部材5に入射する。
【0083】
テーパカプラ3・13によって、光の指向性を揃える利点は、光学フィルタ4・14の構造と関係する。具体的には、光学フィルタ4・14は、複数の薄膜が積層された構造になっている。そのため、光学フィルタ4・14への入射角が光学フィルタ4・14への垂直入射に対してずれが大きいほど、透過率特性も変化してしまう。つまり、光学フィルタ4・14に指向性の低い光が入射すると、基準太陽光のスペクトル分布と乖離したスペクトル分布を有する擬似太陽光が生成されてしまう。
【0084】
しかし、テーパカプラ3・13によれば、光の指向性を揃えれば、基準太陽光のスペクトル分布に近いスペクトル分布を有する擬似太陽光を生成することが可能となる。具体的には、テーパカプラ3・13から出射された光は、光学フィルタ4・14の垂直軸に対して、入射角範囲が±30°以下になる。この光学フィルタ4・14は入射角0°、つまり光学フィルタ4・14に対して垂直で入射する場合に所定の透過特性が得られるように設計されているため、入射光の光学フィルタ4・14への垂直方向の位相ずれ(1−cos30°で近似)は最大で14%であり、入射角が0°から30°まで広がった場合でも、位相ずれは0%から14%までの平均的な値となる。したがって、入射角が0°で入射した場合に対する、光学フィルタ4・14の透過率の変化が小さくなる。
【0085】
このように、光学フィルタ4・14に対して、指向性の高い光が入射するので、スペクトルの制御性が高まり、より基準太陽光に近いスペクトル分布を有する擬似太陽光を生成することができる。その結果、光学フィルタ4・14を通過することで得られる光は、実際の太陽光により近くなり、結果として擬似太陽光を、基準太陽光からのずれ(スペクトル合致度)が±5%以内の日本工業規格(JIS)MS級の光にすることができる。
【0086】
また、擬似太陽光照射測定装置100は、テーパカプラ3・13を備えるため、ハロゲン光源1からの光およびキセノン光源11からの光が所定の角度で光学フィルタ4・14および波長選択部材5に入射するように、光の指向性が制御される。そのため、ハロゲン光源1からの光およびキセノン光源11からの光の光量が、波長選択部材5に到達するまでに損失することが抑制される。
【0087】
なお、テーパカプラ3・13の一方のみでも、ハロゲン光またはキセノン光の指向性を制御し、所定の角度で波長選択部材5に入射できる。また、擬似太陽光照射測定装置100では、擬似太陽光を得るための光源として、ハロゲン光源1およびキセノン光源11を用いた。しかし、ハロゲン光源1の代わりにハロゲンガスを含む高圧放電ランプを用いてもよいし、キセノン光源11の代わりに他の光源を用いてもよい。また、光源の種類としては、棒状光源以外にも点光源などを用いてもよい。
【0088】
<光学系および測定部の詳細>
次に、擬似太陽光照射測定装置100が備える光学系および測定部20の詳細について、図3〜図6を参照して説明する。
【0089】
(光学系の詳細)
まず、擬似太陽光照射測定装置100が備える、太陽電池モジュール30に対して擬似太陽光を照射するための光学系の詳細について、図3を参照して説明する。
【0090】
図3は、図1に示される擬似太陽光照射測定装置100を示す斜視図である。なお、図3では、一部の部材を半透明にして図示し、また、保持部材などは省略している。
【0091】
図3に示されるように、測定時には、導光板8と測定部20との間に、太陽電池モジュール30がセットされる。太陽電池モジュール30は、受光面が導光板8側に、背面が検出ヘッド26側になるようにセットされる。測定には太陽電池モジュール30は封止樹脂による封止前のものが用いられ、背面側にはセル電極が露出している。太陽電池モジュール30の受光面の射面積は、例えば、最大で1400mm×1000mm程度である。
【0092】
この太陽電池モジュール30の受光面と対向する位置に配設された導光板8の両側には、光導入部40a・40bがそれぞれ設置されている。1つの光導入部40a・40bは、y軸方向に沿って16個のハロゲン光源1が並んでおり、複数の集光部材2は、各ハロゲン光源1に対応してそれぞれ設置されている。
【0093】
また、複数のテーパカプラ3は、各ハロゲン光源1に対応して、入射面がハロゲン光源1に対向するようにそれぞれ設置されている。
【0094】
ハロゲン光源1は、その特性上、太陽電池モジュール30の一辺のように長いものは製造が難しいため、フィラメント長が40mm程度のハロゲン光源1を複数並べて使用される。
【0095】
波長選択部材5の下方には、キセノン光源11が配置されている。キセノン光源11は、円筒形状の発光管の中にキセノンが封入されている。
【0096】
集光部材12は、キセノン光源11を囲むように設置されている。キセノン光源11の上方には複数の開口を有する反射部材17が設置されている。また、8個のテーパカプラ13が、反射部材17の複数の開口部に対応して設置されている。
【0097】
ハロゲン光源1からの光およびキセノン光源11からの光は、それぞれテーパカプラ3・13から出射された後、それぞれに対応する光学フィルタ4・14を透過してスペクトルが調整される。その後、ハロゲン光源1からの光およびキセノン光源11からの光は、波長選択部材5による透過または反射によって選択された波長範囲の光が混合され、擬似太陽光として光結合部材6の入射面に入射する。
【0098】
光結合部材6に入射した擬似太陽光は、入射面に対してz軸方向の幅が狭められた出射面から出射され、導光板8に入射する。導光板8に入射した擬似太陽光は、光取り出し部9または反射シート10によって導光板8の上方に出射され、太陽電池モジュール30に対して均一なスルペクトル分布で照射される。
【0099】
(測定部の詳細)
次に、上述のようにして、均一なスルペクトルの擬似太陽光が照射された太陽電池モジュール30の出力特性を測定する測定部20の詳細について、図3〜図6を参照して説明する。擬似太陽光照射測定装置100が備える測定部20は、太陽電池モジュール30に複数形成されたセル31の出力値を検出する。
【0100】
図4は、図3に示される測定部20の上面図である。なお、図4では、図3に示されるz軸方向移動機構(垂直移動機構)25を、説明の便宜上、省略して図示している。
【0101】
図3および図4に示されるように、測定部20は、y軸方向移動機構21と、y軸方向ガイドシャフト22と、x軸方向移動機構23と、x軸方向ガイドシャフト24と、z軸方向移動機構25と、検出ヘッド26とを備えている。
【0102】
検出ヘッド26は、太陽電池モジュール30に複数形成されたセル31に接触して、セル31の出力値を検出するものである。検出ヘッド26は、セル31に対して相対的に移動可能に設けられている。具体的には、検出ヘッド26は、後述する検出ヘッド移動機構に取り付けられている。したがって、検出ヘッド移動機構を制御することで、太陽電池モジュール30に複数形成されたセル31のうち、任意のセル31の位置に検出ヘッド26を移動させることができる。
【0103】
測定部20において、y軸方向移動機構21と、y軸方向ガイドシャフト22と、x軸方向移動機構23と、x軸方向ガイドシャフト24と、z軸方向移動機構25とは、検出ヘッド26を任意のセル31の位置に移動させるための検出ヘッド移動機構を構成している。
【0104】
y軸方向移動機構21およびy軸方向ガイドシャフト22は、検出ヘッド26をy軸方向に沿って移動させるためのものである。2つのy軸方向ガイドシャフト22は、太陽電池モジュール30の各長辺に沿って互いに平行に配設されている。各y軸方向ガイドシャフト22のシャフト部には、x軸方向移動機構23が取り付けられている。また、各y軸方向ガイドシャフト22の両端には、y軸方向移動機構21が連結されており、y軸方向移動機構21は、擬似太陽光照射測定装置100の上面にそれぞれ固定されている。これにより、y軸方向移動機構21は、2つのy軸方向ガイドシャフト22を連動的に駆動することで、各y軸方向ガイドシャフト22に取り付けられたx軸方向移動機構23を、y軸方向に沿って平行移動させることができる。
【0105】
x軸方向移動機構23およびx軸方向ガイドシャフト24は、検出ヘッド26をx軸方向に沿って移動させるためのものである。x軸方向ガイドシャフト24は、太陽電池モジュール30の短辺と平行に配設されている。各x軸方向ガイドシャフト24のシャフト部には、z軸方向移動機構25が取り付けられている。また、x軸方向ガイドシャフト24の両端には、x軸方向移動機構23が連結されており、x軸方向移動機構23は、y軸方向ガイドシャフト22のシャフト部にそれぞれ取り付けられている。これにより、x軸方向移動機構23は、x軸方向ガイドシャフト24を駆動させることで、x軸方向ガイドシャフト24に取り付けられたz軸方向移動機構25を、x軸方向に沿って移動させることができる。
【0106】
z軸方向移動機構25は、検出ヘッド26をz軸方向に沿って移動させるためのものである。すなわち、z軸方向移動機構25は、太陽電池モジュール30の背面に対して垂直な方向に向けて、検出ヘッド26を昇降移動させる。z軸方向移動機構25は、その下面にz軸方向に沿って昇降可能なz軸方向昇降シャフト(図示省略)を有しており、このz軸方向昇降シャフトに先端部(下端部)に検出ヘッド26が吊持されている。これにより、z軸方向移動機構25は、x軸方向昇降シャフトを駆動させることで、z軸方向昇降シャフトの先端部に設けられた検出ヘッド26を、z軸方向に沿って昇降移動させることができる。
【0107】
このような構成の検出ヘッド移動機構によれば、x軸方向、y軸方向およびz軸方向のいずれの方向に対しても、検出ヘッド26を移動させることが可能である。そのため、検出ヘッド移動機構を制御することで、太陽電池モジュール30に複数形成されたセル31のうち、任意のセル31の位置に検出ヘッド26を移動させて、当該セル31の出力値を検出することができる。
【0108】
図5は、図4に示される検出ヘッド26を示す斜視図である。図5に示されるように、検出ヘッド26には、太陽電池モジュール30に形成されたセル電極35a・35b(図6を参照)に接触させるための、+側および−側の端子である1組の検出端子26a・26bが設けられている。
【0109】
この検出端子26aと検出端子26bとの間隔は、太陽電池モジュール30のセル電極35a・35bの間隔に応じて適宜設定される。例えば、この検出端子26aと検出端子26bとの間隔を、1つのセル31を挟むセル電極35a・35bの間隔に設定することで、単一のセル31の出力値を検出ヘッド26で検出することができる。また、検出端子26aと検出端子26bとの間隔を、複数のセル31を挟むセル電極35a・35bの間隔に設定することで、複数の光起電力セルの出力値を検出ヘッド26で纏めて検出することができる。
【0110】
なお、検出端子26a・26bは、内部にばねを有するコンタクトプローブなどで構成されることが好ましい。これにより、セル電極35a・35bとの接触時における急激な加圧を緩和することができるので、太陽電池モジュール30を加圧による損傷から保護することができる。
【0111】
図6は、図5に示される検出ヘッド26によって太陽電池モジュール30に形成されたセル31の出力値を検出する状態を示す模式図である。なお、図6では、検出端子26aと検出端子26bとの間隔が1つのセル31を挟むセル電極35a・35bの間隔に設定された検出ヘッド26を用いて、単一のセル31の出力値を検出する状態を図示している。
【0112】
図6に示されるように、一般的な太陽電池モジュール30は、ガラス基板32の上に、透明電極層33と、α−Siの半導体層34と、背面電極層35とが形成されている。セル31における背面電極層35は、図中右側に隣接するセル31の透明電極層33に内部で接続されている。この構造が連続することで、複数の小さなセル31が直列に接続されている。なお、複数の小さなセルを直列に接続することで、太陽電池モジュール30における電極内部の電圧降下を防ぐことができる。
【0113】
測定に用いられる太陽電池モジュール30は、上述したとおり封止前のものである。そのため、図中破線で示される封止樹脂層36は形成されておらず、セル電極35a・35bが露出している。
【0114】
測定部20によって任意のセル31の出力値を検出する場合、制御部27は、検出対象となるセル31のセル電極35a・35bに、検出端子26a・26bが接触するように、検出ヘッド移動機構の各部を制御する。
【0115】
具体的には、制御部27は、y軸方向移動機構21とx軸方向移動機構23とを制御して、検出対象となるセル31の上方で、検出ヘッド26を停止させる。このとき、セル31のセル電極35a・35bの上方に、検出端子26a・26bが位置するように、それぞれ位置決めされている。
【0116】
次に、制御部27は、z軸方向移動機構25を制御して、検出ヘッド26を下降させ、検出対象となるセル31のセル電極35a・35bに、検出端子26a・26bが接触させる。これにより、検出ヘッド26によって、セル31の出力値を検出することができる。
【0117】
なお、検出ヘッド26によって検出されたセル31の出力値(検出信号)は、配線28を介して制御部27に出力され管理される。これにより、セル31ごとの出力特性のばらつきなどを把握することが可能となるので、例えば、その測定結果を次の生産ロットにフィードバックすることで、太陽電池モジュール30の出力特性の均一性を向上させることが可能となる。
【0118】
<実施形態1の総括>
以上のように、本実施形態に係る擬似太陽光照射測定装置101は、ハロゲン光を出射するハロゲン光源1と、ハロゲン光とは異なるスペクトル分布を有するキセノン光を出射するキセノン光源11と、ハロゲン光のスペクトルを調整する光学フィルタ4と、キセノン光のスペクトルを調整する光学フィルタ14と、光学フィルタ4によりスペクトルが調整されたハロゲン光と、光学フィルタ14によりスペクトルが調整されたキセノン光とが入射され、入射したハロゲン光およびキセノン光から選択した光を混合して擬似太陽光を生成する波長選択部材5と、波長選択部材5に生成された擬似太陽光を入射させて導光する導光板8と、導光板8に入射した擬似太陽光を、導光板8の照射面から太陽電池モジュール30に向けて取り出す光取り出し部9と、光取り出し部9により取り出された擬似太陽光を受光して発電する、太陽電池モジュール30に複数形成されたセル31に対して相対的に移動可能に設けられ、セル31の出力値を検出する検出ヘッド26を有する測定部20と備える。
【0119】
擬似太陽光照射測定装置100では、光学フィルタ4によってスペクトルが調整されたハロゲン光と、光学フィルタ14によってスペクトルが調整されたキセノン光とから選択された光を混合して擬似太陽光を生成し、生成した擬似太陽光を導光板8に向けて出射する。そして、導光板8に入射した光は、光取り出し部9により、導光板8の照射面から太陽電池モジュール30に向けて出射される。
【0120】
そのため、擬似太陽光照射測定装置101によれば、基準太陽光に近いスペクトル分布を有する擬似太陽光を生成して、生成したスペクトルが均一な擬似太陽光を、太陽電池モジュール30に複数形成されたセル31に対して照射することが可能となる。
【0121】
さらに、擬似太陽光照射測定装置100では、測定部20は、太陽電池モジュール30に複数形成されたセル31の出力値を検出する検出ヘッド26を有し、検出ヘッド26は、セル31に対して相対的に移動可能に設けられている。そのため、検出ヘッド26の移動を制御することで、任意のセル31の出力値を検出ヘッド26で検出することが可能となる。
【0122】
それゆえ、本実施形態によれば、太陽電池モジュール30に複数形成されたセル31の出力値を検出することが可能な擬似太陽光照射測定装置100を実現することができる。
【0123】
<変形例>
本実施形態に係る擬似太陽光照射測定装置100が備える検出ヘッド26の変形例について、図7および8を参照して説明する。
【0124】
図7は、図5に示される検出ヘッド26の変形例を示す斜視図であり、図7(a)は図5に示される検出ヘッド26を2つ並べた構成の検出ヘッド126aを示し、図7(b)は2組の検出端子26a・26bが設けられた検出ヘッド126bを示している。
【0125】
図7(a)および図7(b)に示されるように、検出ヘッド126a・126bには、2組の検出端子26a・26bが設けられている。そのため、検出ヘッド126a・126bによれば、2つのセル31の出力値を同時に検出することが可能となる。
【0126】
図8は、図7に示される検出ヘッド126a・126bによって太陽電池モジュール30に形成されたセル31の出力値を検出する状態を示す模式図である。
【0127】
図7に示される検出ヘッド126a・126bによってセル31の出力値を検出する場合、図8に示されるように、2組の検出端子26a・26bのそれぞれをセル電極35a・35bに接触させる。検出ヘッド126a・126bでは、各検出端子26a・26bの間隔が1つのセル31を挟むセル電極35a・35bの間隔に設定されているので、1つのセル31を挿んで配設された2つのセル31の出力値を同時に検出することができる。
【0128】
このように、検出ヘッド126a・126bによれば、2つのセル31の出力値を同時に検出することができるので、複数の光起電力セルの出力値の検出に要する時間を短縮することができる。
【0129】
なお、検出ヘッドに設けられる検出端子26a・26bの端子数および配置位置は必要に応じて適宜変更可能である。例えば、3組以上の検出端子26a・26bを設けてよい。これにより、複数の光起電力セルの出力値の検出に要する時間をさらに短縮することができる。
【0130】
〔実施形態2〕
本発明に係る測定装置に関する他の実施形態について、図9に基づいて説明すれば、以下のとおりである。なお、説明の便宜上、実施形態1にて説明した図面と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
【0131】
本実施形態に係る擬似太陽光照射測定装置101は、キセノン光源11からの光のみを用いて擬似太陽光を生成する点で、実施形態1の擬似太陽光照射測定装置100と異なっている。
【0132】
<擬似太陽光照射測定装置の構成>
図9は、本実施形態に係る擬似太陽光照射測定装置101の要部構成を示す側面図である。なお、図9では、太陽電池モジュール30を保持するための保持部材などを省略して図示している。
【0133】
図9に示されるように、擬似太陽光照射測定装置101は、光導入部41a・41bと、導光板8と、光取り出し部(光取り出し部材)9と、反射シート10と、冷却部18と、測定部20とを備えている。すなわち、擬似太陽光照射測定装置101は、図1に示される擬似太陽光照射測定装置100の光導入部40a・40bに代えて、光導入部41a・41bを備えた構成であり、その他の構成は同一である。そのため、以下では、光導入部41a・41bについて詳細に説明し、その他の部材の説明については省略する。
【0134】
(光導入部)
光導入部41a・41bは、キセノン光源11から出射された光のスペクトルを調整することで擬似太陽光を生成し、生成した擬似太陽光を導光板8に出射するものである。
【0135】
なお、光導入部41aおよび光導入部41bの構成は同一である。そのため、ここでは光導入部41aの構成についてのみ説明する。
【0136】
光導入部41aは、キセノン光源11(光源)と、集光部材12と、反射部材17と、テーパカプラ13と、光学フィルタ14と、光結合部材6とを備える。すなわち、光導入部41aは、図1に示される光導入部40aから、ハロゲン光源1と、集光部材2と、反射部材7と、ランプカバー19と、テーパカプラ3と、光学フィルタ4と、波長選択部材5とが省略された構成である。
【0137】
また、光導入部41aでは、波長選択部材5が省略されているため、キセノン光源11と、集光部材12と、反射部材17と、テーパカプラ13と、光学フィルタ14とは、キセノン光源11からの光が光結合部材6の入射面に対して垂直に入射するように、各部材がx軸方向に沿って配設されている。
【0138】
キセノン光源11は、擬似太陽光を生成するために必要なスペクトル分布(分光分布)を有する光を出射する。なお、擬似太陽光照射測定装置101では、光源としてキセノン光源11を用いているが、擬似太陽光を生成するために必要なスペクトル分布を有する光を出射可能なものであれば、光源の種類は限定されない。例えば、キセノン光源11に代えて、ハロゲン光源などを用いていもよい。
【0139】
光学フィルタ14は、キセノン光源11から出射された光のスペクトル分布を、基準太陽光のスペクトル分布に近似させる。具体的には、光学フィルタ14は、キセノン光源11に対応するテーパカプラ13の出射面に近接して設けられており、テーパカプラ13から出射される光のスペクトルを調整して、擬似太陽光を生成する。これにより、光学フィルタ14によってスペクトルが調整された光が、擬似太陽光として光結合部材6に入射される。
【0140】
このようにして生成された擬似太陽光は、光結合部材6から導光板8に入射し、太陽電池モジュール30に向けて照射される。
【0141】
このように、擬似太陽光照射測定装置101では、キセノン光源11からの光のみを用いて擬似太陽光を生成するので、擬似太陽光を生成する光導入部41a・41Bの部品数を減少させることができる。
【0142】
<実施形態2の総括>
以上のように、本実施形態に係る擬似太陽光照射測定装置101は、光を出射するキセノン光源11と、キセノン光源11から出射された光の光学フィルタ14と、光学フィルタ14によりスペクトルが調整された光を入射させて導光する導光板8と、導光板8に入射した光を、導光板8の照射面から太陽電池モジュール30に向けて取り出す光取り出し部9と、光取り出し部9により取り出された擬似太陽光を受光して発電する、太陽電池モジュール30に複数形成されたセル31に対して相対的に移動可能に設けられ、セル31の出力値を検出する検出ヘッド26を有する測定部20と備える。
【0143】
擬似太陽光照射測定装置101では、キセノン光源11からの光は、光学フィルタ14により所望のスペクトルに調整された後、導光板8に入射する。そして、導光板8に入射した光は、光取り出し部9により、導光板8の照射面から太陽電池モジュール30に向けて出射される。そのため、太陽電池モジュール30に複数形成されたセル31に対して、スペクトル分布が均一な擬似太陽光を照射することが可能となる。
【0144】
さらに、擬似太陽光照射測定装置101では、測定部20は、太陽電池モジュール30に複数形成されたセル31の出力値を検出する検出ヘッド26を有し、検出ヘッド26は、セル31に対して相対的に移動可能に設けられている。そのため、検出ヘッド26の移動を制御することで、任意のセル31の出力値を検出ヘッド26で検出することが可能となる。
【0145】
それゆえ、本実施形態によれば、太陽電池モジュール30に複数形成されたセル31の出力値を検出することが可能な擬似太陽光照射測定装置101を実現することができる。
【0146】
また、本実施形態によれば、擬似太陽光を生成する光導入部41a・41Bの部品数を減少させることができるので、擬似太陽光照射測定装置101を小型化することができると共に、製造コストを低減することができる。
【0147】
本発明は、上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【0148】
〔補足〕
なお、本発明に係る測定装置は、以下のように表現することもできる。すなわち、本発明に係る測定装置は、光源と、光源からの出射光を導光する導光部材と、前記導光部材を出た光のスペクトル調整部材と、前記スペクトル調整部材を出た光が入射する導光板と、前記導光板には、導光板の外部へ光を出射させる光取り出し手段が形成されてなる擬似太陽光照射装置において、被測定物の面内を移動可能な検出ヘッドを設けたことを特徴とする。
【0149】
また、本発明に係る測定装置は、発光スペクトルの異なる第1の光源と、第2の光源とからなり、1の光源の光が入射する第1の導光部材と、2の光源の光が入射する第2の導光部材と、前記第1の光源用の第1のスペクトル調整部材と、前記第2の光源用の第2のスペクトル調整部材と、第1のスペクトル調整部材を出た光を予め定める境界波長より長波長側の光を透過し、第2のスペクトル調整部材を出た光を予め定める境界波長より短波長側の光を反射する波長選択部材を有する擬似太陽光照射装置において、被測定物の面内を移動可能な検出ヘッドを設けたことを特徴とする。
【0150】
また、本発明に係る測定装置は、前記検出ヘッドは、被測定物に接触させる測定端子を有し、測定端子間距離は、単一セル電極間間隔であることを特徴とする。
【0151】
また、本発明に係る測定装置は、前記検出ヘッドは、被測定物に接触させる測定端子を有し、測定端子間距離は、複数セル電極間間隔であることを特徴とする。
【0152】
また、本発明に係る測定装置は、前記測定端子を被測定物に接触ために前記検出ヘッドの昇降機構を有することを特徴とする。
【産業上の利用可能性】
【0153】
本発明は、太陽電池モジュールの検査、測定、および実験などに好適に利用することができる。
【符号の説明】
【0154】
1 ハロゲン光源(第1の光源)
4 光学フィルタ(第1のスペクトル調整部材)
8 導光板
9 光取り出し部(光取り出し部材)
11 キセノン光源(光源・第2の光源)
14 光学フィルタ(スペクトル調整部材・第2のスペクトル調整部材)
20 測定部
25 z軸方向移動機構(垂直移動機構)
26 検出ヘッド
30 太陽電池モジュール(被測定物)
31 セル(光起電力セル)
100 擬似太陽光照射測定装置(測定装置)
101 擬似太陽光照射測定装置(測定装置)
126a 検出ヘッド
126b 検出ヘッド


【特許請求の範囲】
【請求項1】
光を出射する光源と、
前記光源から出射された光のスペクトルを調整するスペクトル調整部材と、
前記スペクトル調整部材によりスペクトルが調整された光を入射させて導光する導光板と、
前記導光板に入射した光を、当該導光板の照射面から被測定物に向けて取り出す光取り出し部材と、
前記光取り出し部材により取り出された光を受光して発電する、前記被測定物に複数形成された光起電力セルに対して相対的に移動可能に設けられ、当該光起電力セルの出力値を検出する検出ヘッドを有する測定部と、
を備えることを特徴とする測定装置。
【請求項2】
前記光源として、第1の光を出射する第1の光源と、当該第1の光とは異なるスペクトル分布を有する第2の光を出射する第2の光源とを備え、
前記スペクトル調整部材として、前記第1の光のスペクトルを調整する第1のスペクトル調整部材と、前記第2の光のスペクトルを調整する第2のスペクトル調整部材とを備え、
前記第1のスペクトル調整部材によりスペクトルが調整された前記第1の光と、前記第2のスペクトル調整部材によりスペクトルが調整された前記第2の光とが入射され、入射した第1の光および第2の光から選択した光を混合して、前記導光板に向けて出射する波長選択部材をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の測定装置。
【請求項3】
前記第1の光は、前記第2の光よりも長波長の光であり、
前記波長選択部材は、前記第1のスペクトル調整部材によりスペクトルが調整された前記第1の光のうち、所定の境界波長より長波長側の光を透過して前記導光板に向けて出射し、前記第2のスペクトル調整部材によりスペクトルが調整された前記第2の光のうち、所定の境界波長より短波長側の光を反射して前記導光板に向けて出射するものであることを特徴とする請求項2に記載の測定装置。
【請求項4】
前記検出ヘッドは、前記被測定物に接触させる少なくとも1組の検出端子を有し、
前記検出端子間の間隔は、1つの前記光起電力セルを挟むセル電極間の間隔に設定されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の測定装置。
【請求項5】
前記検出ヘッドは、前記被測定物に接触させる少なくとも1組の検出端子を有し、
前記検出端子間の間隔は、複数の前記光起電力セルを挟むセル電極間の間隔に設定されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の測定装置。
【請求項6】
前記検出ヘッドは、複数組の前記検出端子を有することを特徴とする請求項4または5に記載の測定装置。
【請求項7】
前記測定部は、前記光起電力セルが形成された前記被測定物の面に対して垂直な方向に向けて、前記検出ヘッドを移動させる垂直移動機構をさらに有することを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の測定装置。

【図1】
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【図2】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図3】
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