説明

準直交通信システム中における干渉除去を伴うH−ARQ伝送の受信

【課題】準直交通信システム中における干渉除去を伴うH−ARQ伝送を経由してパケットを受信する方法を提供する。
【解決手段】干渉除去を伴ってパケットを受信するために、パケットのブロック伝送は、これらのパケットによって使用される時間−周波数ブロック上で受信される。レシーバ空間処理は、検出シンボルを得るために入力シンボル上で実行される。正しく復号化されるパケットごとに、そのパケットの伝送は終了させられ、そのパケットに起因した干渉が推定される。レシーバ空間処理は、すべての正しく復号化されたパケットによって使用されるすべての時間−周波数ブロックについて新しい検出シンボルを取得するために干渉除去されたシンボル上で実行される。誤って復号化され、正しく復号化された任意のパケットと少なくとも部分的にオーバーラップする各パケットは、そのパケットの使用可能なすべての検出シンボルに基づいて復調され、復号化される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に通信に関し、より詳細には無線通信システム中においてデータを受信するための技法に関する。
【背景技術】
【0002】
無線多元接続通信システムは、順方向リンクおよび逆方向リンク上で複数の(multiple)端末と同時に通信することができる。順方向リンク(またはダウンリンク)は、基地局から端末への通信リンクを意味し、逆方向リンク(またはアップリンク)は、端末から基地局への通信リンクを意味する。複数の端末は、同時に逆方向リンク上でデータを送信し、かつ/または順方向リンク上でデータを受信することができる。これは、多くの場合に時間ドメイン、周波数ドメイン、および/または符号ドメイン中において互いに直交する各リンク上で、複数の(multiple)データ伝送を多重化することにより達成される。複数のデータ伝送の間の完全な直交性は、一般的にチャネル状態やレシーバ不完全性など、様々なファクタに起因してほとんどの場合において達成されない。それにもかかわらず、直交多重化は、各端末についてのデータ伝送が他の端末についてのデータ伝送と最少に干渉することを保証する。
【0003】
直交多元接続システム中においては、与えられた任意の瞬間において基地局と通信することができる端末の数は、データ伝送について使用可能な直交次元(orthogonal dimension)の数によって制限される。使用可能な直交次元の数は、符号分割多元接続(code division multiple access)(CDMA)システム中における使用可能な直交符号の数、周波数分割多元接続(frequency division multiple access)(FDMA)システム中における使用可能な周波数サブバンドの数、または時分割多元接続(time division multiple access)(TDMA)システム中における使用可能なタイムスロットの数によって決定されることができる。多くの場合において、より多くの端末が、システム容量を改善するために基地局と同時に通信することができるようにすることが望ましい。しかしながら、通信端末の数が使用可能な直交次元の数を超える場合、このときは、これらの端末は互いに干渉することになり、干渉はすべての端末についての性能を悪化させる可能性がある。
【0004】
したがって、多元接続通信システム中における、より多くの端末についての同時通信をサポートする技法についての必要性が当技術分野においては存在する。
【発明の概要】
【0005】
干渉除去(interference cancellation)を伴うパケットを処理するための技法が、ここにおいて説明される。それらのパケットは、周波数ホッピング(frequency hopping)とハイブリッド自動反復要求(hybrid automatic repeat request)(H−ARQ)とを使用して同じ時間周波数リソースを共用する端末によって伝送される(transmitted)ことができる。各パケットは、パケットについて使用される1つまたは複数の時間−周波数ブロック(time-frequency blocks)上の1つまたは複数のブロック中において伝送されることができる。パケットが正しく復号化される、あるいは、ブロックの最大数がそのパケットについて伝送されているときはいつでも、各パケットについてのH−ARQ伝送は終了することができる。
【0006】
レシーバ(例えば、基地局)においては、パケットについてのブロック伝送は、これらのパケットによって使用される時間−周波数ブロック上で受信される。レシーバ空間処理は、以下で説明されるように検出されたシンボルを取得するために入力シンボル上で実行される。各パケットは、そのパケットについて受信されるすべてのブロック伝送について取得されるすべての検出されたシンボルに基づいて復調され、復号化される。少なくとも1つのパケットが正しく復号化される場合、そのときは、正しく復号化された各パケットについてのH−ARQ伝送は、例えばそのパケットについての肯定応答(acknowledgement)(ACK)を送信することにより終了させられる。正しく復号化された各パケットに起因した干渉は、例えば、トランスミッタによって実行される同じ方法でパケットを符号化し変調すること、および、結果のシンボルをそのパケットについてのチャネル推定値と乗算すること、によって推定される。正しく復号化された各パケットに起因した推定された干渉は、そのパケットによって使用される1つ(または複数)の時間−周波数ブロックについての入力シンボルから差し引かれる。次いでレシーバ空間処理は、誤って(in error)復号化され、正しく復号化されたパケットとして同じ時間−周波数ブロック上で伝送されるパケットについての新しい検出されたシンボルを取得するために正しく復号化されたパケットによって使用されるすべての時間周波数ブロックについて干渉除去されたシンボル上で実行される。誤って復号化され、正しく復号化された任意のパケットと少なくとも部分的にオーバーラップする(すなわち、任意の時間−周波数ブロックを共用する)各パケットは、そのパケットについて使用可能なすべての検出されたシンボルに基づいて復調され復号化されることができる。
【0007】
本発明の様々な態様および実施形態が、以下でさらに詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】多元接続通信システムを示す図である。
【図2】時間及び周波数を時間−周波数ブロックへと分割することを示す図である。
【図3】逆方向リンク上のH−ARQ伝送を示す図である。
【図4】3つの端末についてのH−ARQ伝送を示す図である。
【図5】時間−周波数プレーン上のH−ARQ伝送を示す図である。
【図6】H−ARQを用いて送信されるパケットを受信するためのプロセスを示す図である。
【図7】基地局と2つの端末のブロック図である。
【図8】送信(TX)データプロセッサのブロック図である。
【図9】1つのアンテナについてのトランスミッタユニットのブロック図である。
【図10】基地局の一部分のブロック図である。
【図11】受信(RX)データプロセッサのブロック図である。
【発明の詳細な説明】
【0009】
本発明の特徴及び性質は、同様の参照文字が全体にわたって対応して識別する図面と併せて以下に述べられる詳細な説明からより明らかになるであろう。
【0010】
用語「例示の(exemplary)」は、ここにおいては、「例(example)、インスタンス(instance)、または例証(illustration)として機能している」を意味するように使用される。「例示」としてここにおいて説明されるどの実施形態あるいは設計も、他の実施形態または設計よりも、好ましい、あるいは有利であるとして必ずしも解釈されるべきものではない。
【0011】
図1は、準直交多元接続通信システム(quasi-orthogonal multiple-access communication system)100を示しており、この準直交多元接続通信システムは、準直交分割接続(quasi-orthogonal division access)(QODA)システムとも呼ばれる。システム100は、基地局110と端末120とを含んでいる。基地局は、一般に端末と通信する固定された局であり、アクセスポイント、ノードB、または他の何らかの専門用語で呼ばれることもできる。各基地局110は、特定の地理的区域102についての通信カバレージ(communication coverage)を提供する。用語「セル(cell)」は、その用語が使用される情況(context)に応じて基地局(base station)および/またはそのカバレージ区域(coverage area)を意味することができる。システム容量を改善するために基地局カバレージ区域は、複数のより小さな区域、例えば3つのより小さな区域104a、104b、および104cへと分割される(partitioned)ことができる。より小さな各区域は、それぞれのベーストランシーバサブシステム(base transceiver subsystem)(BTS)によってサーブされる(served)。用語「セクタ(sector)」は、その用語が使用される情況に応じてBTSおよび/またはそのカバレージ区域を意味することができる。セクタ化されたセルでは、そのセルのすべてのセクタについてのBTSは、一般的にそのセルについての基地局内に共に設置される。簡単にするために、用語「基地局(base station)」は、セルにサーブする固定された局(a fixed station that serves a cell)と、セクタにサーブする固定された局(a fixed station that serves a sector)の両方についてここにおいては包括的に使用される。中央集中されたアーキテクチャでは、システムコントローラ130は、基地局110についての調整(coordination)および制御(control)を提供する。
【0012】
端末は、固定されていても、または移動可能とすることもでき、移動局、無線デバイス、ユーザ装置、または他の何らかの専門用語で呼ばれることもできる。各端末は、与えられた任意の瞬間にゼロ個、1個、または複数の基地局と通信することができる。以下の説明においては、用語「端末(terminal)」と「ユーザ(user)」とは、交換可能に使用される。
【0013】
システム100は、直交周波数分割多重化(orthogonal frequency division multiplexing)(OFDM)を利用することができ、この直交周波数分割多重化は、全体のシステム帯域幅を複数の(K個の)直交周波数サブバンドへと分割するマルチキャリア変調技法である。これらのサブバンドは、トーン、サブキャリア、ビン、周波数チャネルなどとも呼ばれる。各サブバンドは、データを用いて変調されることができるそれぞれのサブキャリアに関連づけられる。変調シンボルは、OFDMを伴う周波数ドメイン中において効果的に送信される。システム100はまた、インターリーブされたFDMA(interleaved FDMA)(IFDMA)または狭帯域FDMA(narrowband FDMA)(NFDMA)を利用することもできる。IFDMAは、K個のサブバンドにまたがって一様に間隔をあけて配置されるサブバンド上でデータおよび/またはパイロットを伝送する。NFDMAは、K個のサブバンドのうちの隣接するサブバンド上でデータおよび/またはパイロットを伝送する。変調シンボルは、IFDMAおよびNFDMAを伴う時間ドメイン中において効果的に送信される。
【0014】
システム100は、使用可能なシステムリソースの割付けと使用を容易にするためにトラフィックチャネルを定義することができる。トラフィックチャネルは、オーバーザエア(over the air)でデータを送信するための手段であり、チャネル、物理チャネル、データチャネル、伝送チャネルなどと呼ばれることもできる。トラフィックチャネルは、周波数や時間など様々なタイプのシステムリソースについて定義されることができる。
【0015】
図2は、時間及び周波数の時間−周波数ブロックへの例示の分割を示している。時間−周波数ブロックは、伝送ユニット(transmission unit)または他の何らかの専門用語で呼ばれることもできる。各時間−周波数ブロックは、特定のタイムスロット中における特定のサブバンドセット(subband set)に対応する。サブバンドは、OFDM技法、IFDMA技法、NFDMA技法、または他の何らかの変調技法を用いて形成されることができる。サブバンドセットは、1つまたは複数のサブバンドを含むことができ、これらは、システム帯域幅にまたがって隣接していても、分散していてもよい。タイムスロットは、1つまたは複数のシンボル期間にまたがることができ、スロット、時間間隔、ホップ期間などと呼ばれることもできる。シンボル期間は、変調シンボルが伝送される存続時間である。N個の時間−周波数ブロックが、各タイムスロット中において使用可能である、但しN>1である。
【0016】
図2はまた、トラフィックチャネルの特定のシーケンスの時間−周波数ブロックへの例示のマッピングを示してもいる。トラフィックチャネルについての時間−周波数ブロックは、図2に示されるように周波数ダイバーシティ(frequency diversity)を達成するために異なるタイムスロット中における周波数にまたがってホップすることができる。トラフィックチャネルは、データ伝送のために使用可能な各タイムスロット中におけるトラフィックチャネルのために使用する特定の時間−周波数ブロックを示す周波数ホッピング(frequency hopping)(FH)パターンに関連づけられることができる。
【0017】
準直交多重化(quasi-orthogonal multiplexing)(QOM)の一実施形態においては、各組が複数(N個)トラフィックチャネルを含んでいる、複数(M個)組のトラフィックチャネルが定義される。各トラフィックチャネルは、データ伝送のために使用される各タイムスロット中における1つの時間−周波数ブロックにマッピングされ、特定のシーケンスの時間−周波数ブロックに関連づけられる。各組中におけるN個のトラフィックチャネルは、互いに直交しており、その組中におけるどの2つのトラフィックチャネルも、同じ時間−周波数ブロックを使用してはいない。M個のチャネルセット(channel set)は、互いにオーバーラップしており、M個の組中におけるM個のトラフィックチャネルは、各時間周波数に対してマッピングする。ここにおいて使用されるように、「オーバーラップ(overlap)」または「オーバーラッピング(overlapping)」は、複数のトラフィックチャネル、パケット、伝送などについての同じ時間−周波数ブロックの使用を意味する。
【0018】
ランダムオーバーラッピング(random overlapping)または共通オーバーラッピング(common overlapping)が、M個のチャネルセットについて使用されることができる。ランダムオーバーラッピングでは、1つのチャネルセット中におけるトラフィックチャネルについてのチャネルツーリソースマッピング(channel-to-resource mapping)は、他のM−1個のチャネルセットのおのおのにおけるトラフィックチャネルについてのチャネルツーリソースマッピングに関して疑似ランダムである。ランダムオーバーラッピングは、セクタ内の干渉ダイバーシティを実現することができる。共通オーバーラッピングでは、1つのチャネルセット中におけるトラフィックチャネルについてのチャネルツーリソースマッピングは、他のM−1個のチャネルセットのおのおのにおける1つのトラフィックチャネルについてのチャネルツーリソースマッピングと同じである。したがって、M個のトラフィックチャネルは、同じシーケンスの時間−周波数ブロックに対してマッピングし、排他的に同じシーケンスの時間−周波数ブロックを再使用する。共通オーバーラッピングは、空間的に無相関化させられた(decorrelated)端末について使用されることができる。ランダムオーバーラッピングでも共通オーバーラッピングでも、レシーバ空間処理技法が、同じ時間−周波数ブロック上でオーバーラッピング伝送を分離するために使用されることができる。
【0019】
合計M・N個のトラフィックチャネルが、そのシステム中における使用のために利用可能である。簡単のために、以下の説明は、各端末に1つのトラフィックチャネルが割り当てられることができることを仮定している。伝送のためにスケジュールされた所定の数の端末(U)の場合、セクタ内の干渉を最小にするために、最小数のチャネルセット(L)が、これらの端末に対して使用されることができる、ここで
【数1】

【0020】
であり、
【数2】

【0021】
は、x以上の整数値を与えるシーリングオペレータ(ceiling operator)を示す。スケジュールされた各端末には、L個のチャネルセットのうちから1つのトラフィックチャネルが割り当てられることができる。
【0022】
本システムは、H−ARQを使用することができ、このH−ARQは、増分冗長(incremental redundancy)(IR)伝送とも呼ばれる。H−ARQを用いて、トランスミッタは、パケットがレシーバによって正しく復号化されるまで、あるいは伝送の最大数が送信されるまで、データパケットについて1つまたは複数の伝送を送信する。H−ARQは、データ伝送についての信頼性を改善し、チャネル状態の変化が存在する中でパケットについてのレート適応をサポートする。
【0023】
図3は、逆方向リンク上のH−ARQ伝送を示している。端末は、データパケット(パケット1)を処理し(例えば、符号化し、変調し)、複数の(Q)データブロックを生成する、なおここでQ>1である。データブロックは、フレーム、サブパケット、または他の何らかの専門用語で呼ばれることもできる。パケットについての各データブロックは、基地局が、好ましいチャネル状態の下でパケットを正しく復号化することができるようにする十分な情報を含むことができる。Q個のデータブロックは、そのパケットについての異なる冗長情報を含んでいる。各データブロックは、任意数のタイムスロットで送信されることができる。図3に示される例では、各データブロックは、1つのタイムスロット中に送信される。
【0024】
端末は、タイムスロット1においてパケット1についての第1のデータブロック(ブロック1)を送信する。基地局は、ブロック1を受信し、処理し(例えば、復調し、復号化し)、パケット1が誤って復号化されていることを決定し、タイムスロット2において否定応答(negative acknowledgement)(NAK)をその端末に対して送信する。端末は、NAKを受信し、タイムスロット3においてパケット1についての第2のデータブロック(ブロック2)を送信する。基地局は、ブロック2を受信し、ブロック1および2を処理し、パケット1が依然として誤って復号化されていることを決定し、タイムスロット4においてNAKを返信する。ブロック伝送及びNAK応答は、任意数の回数だけ継続することができる。図3に示される例では、端末は、タイムスロットmにおいてパケット1についてのデータブロックq(ブロックq)を送信する、なおここでq≦Qである。基地局は、ブロックqを受信し、パケット1についてブロック1からqまでを処理し、パケットが正しく復号化されていることを決定し、タイムスロットm+1においてACKを返信する。端末は、ACKを受信し、パケット1の伝送を終了させる。端末は、次のデータパケット(パケット2)を処理し、同様な方法でパケット2についてのデータブロックを送信する。
【0025】
図3においては、ブロック伝送ごとにACK/NAK応答についての1つのタイムスロットの遅延が存在する。チャネル利用を改善するために、端末は、インターレースされた方法(interlaced manner)で複数のパケットを送信することができる。例えば、端末は、奇数番号付けされたタイムスロットにおいて1つのパケットを送信し、偶数番号付けされたタイムスロットにおいて別のパケットを送信することができる。2つよりも多いパケットが、より長いACK/NAK遅延の間にインターレースされることもできる。
【0026】
図3は、NAKとACKの両方の伝送を示している。以下の説明の場合に仮定されるACK−ベースのスキームでは、ACKは、パケットが正しく復号化される場合だけに送信され、また、NAKは、送信されずに、ACKの不在によって推定される。
【0027】
図4は、3つの端末a、b、およびcについてのH−ARQ伝送を示している。各端末は、任意のタイムスロットに開始される新しいパケットを送信することができる。各端末は、パケットごとに任意数のデータブロックを送信することもでき、現行のパケットについてのACKを受信するとすぐに別のパケットを送信することができる。したがって、各端末によって送信されるパケットは、他の端末によって送信されるパケットに関して非同期に現れる。
【0028】
共通オーバーラッピングでは、端末a、b、およびcは、同じシーケンスの時間−周波数ブロック上で送信する。その場合には各端末は、ブロック伝送ごとに他の2つの端末と干渉することになる。ランダムオーバーラッピングでは、これらの端末は、異なるシーケンスの時間−周波数ブロック上で送信する。各端末は、ブロック伝送ごとに他の2つの端末のうちのゼロ個、1個、または両方と干渉する可能性がある。
【0029】
図5は、時間−周波数プレーン上の端末aについてのH−ARQ伝送を示している。その端末からのブロック伝送は、異なるタイムスロットにおいて周波数にまたがってホップする。各ブロック伝送は、同じ時間−周波数ブロックが割り当てられる他の端末と干渉する。
【0030】
複数の端末は、準直交多重化を用いて同じ時間−周波数ブロック上で送信することができる。図4および5に示されるように、各端末は、他のオーバーラップする端末からの干渉を観測し、他のオーバーラップする端末に対して干渉を引き起こし、このオーバーラップする端末は、同じ時間−周波数ブロックを使用する端末である。オーバーラップする端末は、ランダムオーバーラッピングと共通オーバーラッピングとでは異なる。オーバーラッピングのタイプとは関係なく、干渉は、すべての影響を受ける端末についての性能を悪化させる可能性がある。干渉の悪影響は、以下に説明されるように緩和されることができる。
【0031】
各基地局は、データの伝送および受信のために使用されることができる複数の(R個の)アンテナを装備している。各端末は、データの送信および受信のための1つまたは複数のアンテナを装備することができる。逆方向リンク上で、基地局は、各時間−周波数ブロック上でゼロ個、1個、または複数の端末からデータを受信することができる。一般に、同じ時間−周波数ブロック上で送信することができる端末の数は、基地局におけるアンテナの数によって制限され、これは、オーバーラップする伝送を分離する基地局の能力を決定する。簡単のために、以下の説明は、各端末が単一のアンテナを装備していること、および基地局が、各時間−周波数ブロック上のL個の端末からの伝送を受信することを仮定している。
【0032】
単一入力マルチ出力(single-input multiple-output)(SIMO)チャネルは、端末における単一のアンテナと基地局におけるR個のアンテナとの間に形成される。SIMOチャネルは、R×1のチャネル応答ベクトル
【数3】

【0033】
によって特徴づけられることができ、この応答ベクトルは、
【数4】

【0034】
として表現されることができる、なお式中で、j=1、...、Rの場合のhu,j(k,t)は、タイムスロットtにおけるサブバンドkについての端末uにおけるアンテナから基地局アンテナjへの複素チャネル利得(complex channel gain)であり、「」は、転置(transpose)を示す。タイムスロットtは、1つまたは複数のシンボル期間にまたがる(span)ことができる。簡単のために、チャネル応答は、タイムスロットtにわたって一定であると仮定され、シンボル期間nの関数ではない。
【0035】
マルチ入力マルチ出力(multiple-input multiple-output)(MIMO)チャネルは、L個の端末におけるL個のアンテナとR個の基地局アンテナとの間に形成される。MIMOチャネルは、R×Lのチャネル応答行列
【数5】

【0036】
によって特徴づけられることができ、このチャネル応答行列は、
【数6】

【0037】
として表現されることができる。
【数7】

【0038】
の各列は、1つの端末についてのチャネル応答ベクトルに対応する。チャネル応答行列
【数8】

【0039】
は、タイムスロットtにおけるサブバンドkを使用した端末の組に依存している。
【0040】
各端末は、そのアンテナから基地局へとデータおよびパイロットを送信することができる。基地局は、L個の端末によって送信される伝送についてのR個のアンテナからの受信シンボルを取得する。受信シンボルは、
【数9】

【0041】
として表現されることができ、式中でs(k,t,n)は、タイムスロットtのシンボル期間n中におけるサブバンドk上の端末uによって送信されるデータシンボルである。
【数10】

【0042】
は、タイムスロットtのシンボル期間n中におけるサブバンドk上のL個の端末によって送信されるL個のデータシンボルを有するL×1のベクトルである。
【数11】

【0043】
は、タイムスロットtのシンボル期間n中におけるサブバンドkについてのR個の基地局アンテナから取得されるR個の受信シンボルを有するR×1のベクトルである。
【数12】

【0044】
は、タイムスロットtのシンボル期間n中におけるサブバンドkについての雑音ベクトルである。
【0045】
ここにおいて使用されるように、データシンボルは、トラフィック/パケットデータについての変調シンボルであり、パイロットシンボルは、パイロット(これは、トランスミッタによってもレシーバによっても先験的に知られているデータである)についてのシンボルであり、変調シンボルは、変調スキーム(例えば、M−PSKまたはM−QAM)についての信号コンステレーション(signal constellation)中におけるポイントについての複素値であり、シンボルは、複素値である。簡単のために、雑音は、ゼロの平均ベクトル(mean vector)と
【数13】

【0046】
の共分散行列(covariance matrix)とを有する加法的ホワイトガウス雑音(additive white Gaussian noise)(AWGN)であると仮定されることができる、なおここでσは、雑音の分散であり、
【数14】

【0047】
は、恒等行列(identity matrix)である。
【0048】
基地局は、同じ時間−周波数ブロック上でオーバーラップする伝送を分離するために様々なレシーバ空間処理技法を使用することができる。これらのレシーバ空間処理技法は、ゼロフォーシング(zero-forcing)(ZF)技法、最小平均2乗誤差(minimum mean square error)技法、最大比結合(maximal ratio combining)(MRC)技法などを含む。基地局は、次のようにZF技法、MMSE技法、またはMRC技法に基づいてL×Rの空間フィルタ行列を導き出すことができる:
【数15】

【0049】
なお式中、
【数16】

【0050】
であり、また、
【数17】

【0051】
である。
基地局は、端末によって送信されるパイロットに基づいて
【数18】

【0052】
の推定値を導き出すことができる。簡単のために、ここにおける説明は、チャネル推定誤りがないことを仮定している。
【0053】
基地局は、次のようにレシーバ空間処理を実行することができる:
【数19】

【0054】
なお式中で、
【数20】

【0055】
は、
【数21】

【0056】

【数22】

【0057】
、または
【数23】

【0058】
に等しくすることができる。
【数24】

【0059】
は、時間スロットtのシンボル期間n中におけるサブバンドkについてのL個の検出シンボルを有するL×1のベクトルである。そして、
【数25】

【0060】
は、レシーバ空間処理後の雑音である。
検出シンボルは、トランスミッタによって送信されるデータシンボルの推定値である。
【0061】
基地局は、そのサブバンドおよびシンボル期間についての検出シンボルを取得するために、各シンボル期間n中における各サブバンドkについて式(7)に示されるようにレシーバ空間処理を実行することができる。基地局は、すべてのサブバンドとシンボル期間についての検出シンボルを個々の端末についての検出シンボルの別々のストリームへと逆多重化することができる。基地局は、端末についての復号化されたパケットを取得するために各端末についての検出シンボルを(例えば、各ブロック伝送後に)処理する(例えば、復調し復号化する)ことができる。
【0062】
基地局は、正しく復号化された各パケットによって引き起こされる干渉を推定し、パケットが伝送される時間−周波数ブロックについての受信シンボルからその推定された干渉を差し引くことができる。推定された干渉が適度に正確である場合、そのときは、その干渉除去されたシンボルは、より高い品質を有することになり、1つまたは複数のこれらの時間−周波数ブロック上で送信される待ち状態のパケットを正しく復号化する可能性は、改善することになる。待ち状態のパケットは、正しく復号化されてはいないが、復号化が試みられることができるパケットである。パケットは、一般的に最後のブロック伝送が受信された後にパージされ、復号化は、そのパケットについてのすべてのQ個のブロック伝送と共に失敗する。
【0063】
端末uについての正しく復号化されたパケットdに起因した干渉を推定するために、基地局は、まず再変調されたデータシンボルを取得するために端末uによって実行される同じ方法でパケットdを処理する(例えば、符号化し、変調する)。次いで基地局は、次のように、端末uについての再変調されたデータシンボルとチャネル応答ベクトルに基づいてパケットdに起因した干渉を推定する:
【数26】

【0064】
なお式中で、
【数27】

【0065】
は、タイムスロットnのシンボル期間t中におけるサブバンドk上のパケットdに起因した推定された干渉のR×1のベクトルである。
【0066】
次いで基地局は、次のように、干渉除去されたシンボルを取得するために入力シンボルから推定された干渉を除去する:
【数28】

【0067】
なお式中で、
【数29】

【0068】
は、タイムスロットtのシンボル期間n中におけるサブバンドkについてのR個の入力シンボルを有するR×1のベクトルである。また、
【数30】

【0069】
は、タイムスロットtのシンボル期間n中におけるサブバンドkについてのR個の干渉除去されたシンボルを有するR×1のベクトルである。
一般に、
【数31】

【0070】
中における入力シンボルは、基地局アンテナから取得される受信シンボル、または先行する干渉除去から取得される干渉除去されたシンボルに等しくすることができる。
【0071】
基地局は、新しい検出シンボルを取得するために干渉除去されたシンボル上でレシーバ空間処理を実行する。端末uだけからの干渉が除去されている場合、そのときは、基地局は、まず端末uについての列を除いて
【数32】

【0072】
のすべての列を含むR×(L−1)のチャネル応答行列
【数33】

【0073】
を形成する。次いで基地局は、
【数34】

【0074】
に基づいて、そしてZF技法、MMSE技法、またはMRC技法を使用して、(L−1)×Rの空間フィルタ行列
【数35】

【0075】
を導き出す。次いで基地局は、次のように、空間フィルタ行列
【数36】

【0076】
を用いて干渉除去されたシンボル上でレシーバ空間処理を実行する:
【数37】

【0077】
なお式中で、
【数38】

【0078】
は、タイムスロットtのシンボル期間n中におけるサブバンドkについてのL−1個の新しい検出シンボルを有する(L−1)×1のベクトルである。これらの新しい検出シンボルは、端末uからのパケットdに起因した干渉を除去している。
【0079】
式(8)、(9)、および(10)は、1つのタイムスロットtの1つのシンボル期間n中における1つのサブバンドkについてのそれぞれ干渉推定、干渉除去、およびレシーバ空間処理についてのものである。基地局は、パケットdを送信するために使用されるすべてのサブバンド、シンボル期間、およびタイムスロットについての干渉推定、干渉除去、およびレシーバ空間処理を実行する。次いで基地局は、パケットdについて使用される時間−周波数ブロック上で送信する端末についての新しい検出シンボルを逆多重化する。基地局は、そのパケットについて使用可能な新しい検出シンボルと他の検出シンボルに基づいてパケットdと少なくとも部分的にオーバーラップする各パケットを復号化することができる。
【0080】
基地局は、パケットが任意の端末について正しく復号化されるときはいつでも、干渉推定、干渉除去、およびレシーバ空間処理を実行することができる。図4に示される例では、基地局は、時刻Tにおける第1のブロック伝送(B1)の後に、そして時刻Tにおける第2のブロック伝送(B2)の後にもう一度、そして時刻Tにおける第3のブロック伝送(B3)の後にもう一度、端末aについてのパケットP1aを復号化することができる。時刻TにおいてパケットP1aを正しく復号化するとすぐに、基地局は、時刻TからTの間の入力シンボルからのこのパケットに起因した干渉を推定し、除去することができる。基地局はまた、各ブロック伝送の後に端末bおよびcについての各パケットを復号化することもできる。時刻Tにおいて、端末cについてのパケットP1cを正しく復号化するとすぐに、基地局は、時刻TからTの間の入力シンボルからのこのパケットに起因した干渉を推定し除去することができる。時刻Tにおいて、端末bについてのパケットP1bを正しく復号化するとすぐに、基地局は、時刻TからTの間の入力シンボルからのこのパケットに起因した干渉を推定し除去することができる。同じ処理は、残りの伝送について実行されることができる。
【0081】
干渉の推定および除去は、与えられた時間−周波数ブロックについての入力シンボル上でL−1回まで実行されることができる。干渉の推定および除去が実行されるたびに、チャネル応答行列は、1列縮小(reduces by one column)し、空間フィルタ行列は、1行縮小し、ダイバーシティ次数(diversity order)は、1増大し、新しい検出シンボルが、より少ない1つの端末についての干渉除去されたシンボルから導き出され、新しい検出シンボルについての信号対雑音干渉比(signal-to-noise-and-interference ratio)(SINR)は改善する。
【0082】
干渉の推定および除去は、与えられた時間−周波数ブロックについての1つまたは複数の正しく復号化されたパケットについて実行されることができる。タイムスロットtのシンボル期間n中におけるサブバンドkについての全干渉
【数39】

【0083】
は、(1)そのサブバンドおよびシンボル期間についてのすべての正しく復号化されたパケットについてのデータシンボルのベクトル
【数40】

【0084】
を形成すること、および(2)
【数41】

【0085】
を、そのサブバンドおよびシンボル期間についてのすべての正しく復号化されたパケットについてのチャネル推定値の行列
【数42】

【0086】
と乗ずること、によって取得されることができ、すなわち
【数43】

【0087】
となる。次いで、全干渉は、干渉除去されたシンボル
【数44】

【0088】
を取得するために、入力シンボル
【数45】

【0089】
から除去されることができ、すなわち
【数46】

【0090】
となる。次いで干渉除去されたシンボル
【数47】

【0091】
は、入力シンボル
【数48】

【0092】
を置き換える(例えば、その入力シンボル上に記憶される)。
【0093】
基地局は、例えばデータ受信のために必要とされる処理の量を低減させるために干渉の推定および除去を選択的に実行することができる。
【0094】
基地局は、様々な方法でパケットを復号化することができる。一実施形態においては、基地局は、各タイムスロット中において逐次的順序で端末からのパケットを復号化する。図4に示される例では、基地局は、最初に端末aからのパケットを、次いで次に端末bからのパケットを、次いで最後に端末cからのパケットを復号化することができる。パケットが正しく復号化されるときはいつでも、基地局は、パケットに起因した干渉を推定し除去することができ、正しく復号化されたパケットからの干渉が除去されて各待ち状態のパケットを復号化することができる。例えば、時刻Tにおいて、基地局は、端末aについての正しく復号化されたパケットP1aに起因した干渉を推定し除去することができ、次いで端末bについてのパケットP1bと端末cについてのパケットP1cとを復号化することができる。時刻Tにおいて、基地局は、端末cについての正しく復号化されたパケットP1cに起因した干渉を推定し除去することができ、次いで端末aについてのパケットP2aと端末bについてのパケットP1bとを再復号化することができる。再復号化は、新しい検出シンボルを用いた新しい復号化の試みを意味する。代わりに、基地局は、時刻TにおいてパケットP2aおよびP1bの再復号化をスキップすることもでき、時刻Tにおいて新しい検出シンボルを用いてこれらのパケットをただ単に復号化することもできる。
【0095】
別の実施形態においては、基地局は、各タイムスロット中において実質的に並列なすべての端末からのパケットを復号化する。次いで基地局は、タイムスロットについてのすべての正しく復号化されたパケットを識別し、これらのパケットに起因した干渉を推定し除去する。次いで基地局は、正しく復号化された任意のパケットと少なくとも部分的にオーバーラップする各パケットを再復号化することができる。
【0096】
さらに別の実施形態においては、基地局は、逐次的な干渉除去および復号化を実行する。基地局は、各タイムスロット中における実質的に並列なすべての端末からのパケットを復号化し、そのタイムスロットについてのすべての正しく復号化されたパケットを識別する。基地局は、最強の端末からの正しく復号化されたパケットに起因した干渉を推定し除去し、次いでこの正しく復号化されたパケットと少なくとも部分的にオーバーラップする各パケットを再復号化する。任意のパケットが依然として誤って復号化される場合、そのときは、基地局は、(もしあれば)次の最強のユーザからの正しく復号化されたパケットに起因した干渉を推定し除去し、次いでこの正しく復号化されたパケットと少なくとも部分的にオーバーラップする各パケットを再復号化する。逐次的なプロセスは、(1)すべての正しく復号化されたパケットが除去されるまで、あるいは(2)すべてのパケットが正しく復号化されるまで、のいずれかまで継続される。
【0097】
一般に、基地局は、(1)正しく復号化されるパケットに起因した干渉を除去する結果として、新しい検出シンボルがそのパケットについて取得されるときにはいつでもパケットを再復号化し、あるいは(2)そのパケットについての次のブロック伝送の後にそのパケットを復号化することができる。新しい検出シンボルが取得されるときはいつでもそのパケットを再復号化することは、パケットのより早期の終了をもたらすことができ、より多くの復号化の試みを犠牲にしてシステム性能を改善することができる。基地局はまた、再復号化を選択的に実行することもできる。例えば、もし、(1)最後のブロック伝送がそのパケットについて受信されており、(2)Bが1以上の任意の値とすることができる場合に、新しい検出シンボルが、B個以上のデータブロックについて取得され、(3)新しい検出シンボルが、そのパケットについて受信されるあらかじめ決定されたパーセンテージ以上のすべてのシンボルについて取得され、あるいは(4)他の何らかの判断基準(criteria)が満たされるのであれば、基地局は、パケットを再復号化することができる。
【0098】
図6は、H−ARQを用いて送信されるパケットを受信するためのプロセス600を示している。プロセス600は、新しいブロック伝送が受信されるタイムスロットごとに基地局によって実行されることができる。基地局は、これらのパケットによって使用される時間−周波数ブロック上でパケットについてのブロック伝送を受信する(ブロック612)。基地局は、ブロック伝送を送信する端末ごとにチャネル応答を推定し、検出シンボルを取得するために、それらのチャネル推定値を用いて入力シンボルに対してレシーバ空間処理を実行する(ブロック614)。次いで基地局は、そのパケットについて受信されるすべてのブロック伝送について取得されたすべての検出シンボルに基づいて各パケットを復調し復号化する(ブロック616)。
【0099】
次いで少なくとも1つのパケットが正しく復号化されているかどうかについての決定が行われる(ブロック618)。その答えが「No(ノー)」である場合、そのときは、その処理は、終了する。そうでなければ、正しく復号化されるパケットごとのH−ARQ伝送は、例えばそのパケットについてのACKを送信することにより終了される(ブロック620)。正しく復号化される各パケットに起因した干渉は、例えばそのパケットを符号化し変調すること、および結果のシンボルをそのパケットについてのチャネル推定値と乗ずることにより推定される(ブロック622)。正しく復号化される各パケットに起因した推定される干渉は、そのパケットによって使用される1つ(または複数)の時間−周波数ブロックについての入力シンボルから差し引かれる(ブロック624)。
【0100】
次いで基地局は、誤って復号化され、正しく復号化された1つ(または複数)のパケットと同じ1つ(または複数)の時間−周波数ブロック上で伝送されるパケットについての新しい検出シンボルを取得するために、正しく復号化された1つ(または複数)のパケットによって使用される1つ(または複数)の時間−周波数ブロックについての干渉除去されたシンボルに対してレシーバ空間処理を実行する(ブロック626)。基地局は、誤って復号化され、正しく復号化された1つ(または複数)のパケットのうちの任意のものと少なくとも部分的にオーバーラップする各パケットを復調し復号化することができる(ブロック628)。1つまたは複数のパケットは、正しく復号化された1つ(または複数)のパケットに起因した干渉を除去する結果としてブロック628において正しく復号化されることができる。次いでプロセスは、任意のパケットがブロック628において正しく復号化されているかどうかを決定するために、そしてyes(そう)である場合にもう一度干渉除去と復号化を実行するために、ブロック618へと戻る。
【0101】
図7は、逆方向リンク上のデータ伝送のための1つの基地局110と2つの端末120xおよび120yとのブロック図を示している。端末120xは、単一のアンテナ718xを装備しており、端末120yは、複数の(T個の)アンテナ718aから718tを装備しており、基地局110は、R個のアンテナ752aから752rを装備している。
【0102】
各端末120において、TXデータプロセッサ710は、トラフィック/パケットデータを処理し(例えば、符号化し変調し)、データシンボルを生成する。端末120xにおいて、マルチプレクサ(Mux)712は、データシンボルをパイロットシンボルと多重化し、送信シンボルのストリームをトランスミッタユニット(transmitter unit)(TMTR)716xへと供給する。各送信シンボルは、1つのシンボル期間中における1つのサブバンド上で1つのアンテナから送信されるべきシンボルである。端末120yにおいて、TX空間プロセッサ714は、データシンボル上で空間処理を実行し、パイロットシンボル中において多重化し、送信シンボルのT個のストリームをT個のトランスミッタユニット716aから716tへと供給する。オーバーラップする端末についてのパイロットシンボルは、異なる直交符号を用いて生成され、あるいは基地局が端末ごとにチャネル応答を推定することができるようにするために他の何らかの方法で多重化されることができる。端末120xでも120yでも、各トランスミッタユニット716は、その送信シンボルストリームを処理し、逆方向リンク(reverse link)(RL)被変調信号を生成し、この被変調信号は、関連するアンテナ718から送信される。
【0103】
基地局110において、R個のアンテナ752aから752rは、端末によって送信されるRL被変調信号を受信し、各アンテナは、受信信号をそれぞれのレシーバユニット(receiver unit)(RCVR)754へと供給する。各レシーバユニット754は、トランスミッタユニット716によって実行される処理と相補的な処理を実行し、受信パイロットシンボルをチャネル推定器(channel estimator)758へと供給し、受信データシンボルを干渉除去器(interference canceller)760へと供給する。チャネル推定器758は、その端末から受信されるパイロットに基づいて端末120ごとにRLチャネル推定値を導き出す。干渉除去器760は、正しく復号化されたパケットに起因した推定された干渉を受け取り、入力シンボルからその推定された干渉を除去し、干渉除去されたシンボルをRX空間プロセッサ762に対して供給する。干渉除去されたシンボルは、干渉除去が実行されない場合には、受信シンボルに等しい。
【0104】
RX空間プロセッサ762は、チャネル推定器758からのRLチャネル推定値を用いて干渉除去されたシンボル上でレシーバ空間処理を実行し、検出シンボルを供給する。RXデータプロセッサ764は、検出シンボルを処理し(例えば、復調し復号化し)、端末ごとに復号化されたパケットを供給する。TXデータプロセッサ766は、正しく復号化された各パケットを処理し(例えば、符号化し変調し)、被再変調信号データシンボルを供給する。干渉推定器768は、正しく復号化された各パケットに起因した干渉を推定し、その推定された干渉を干渉除去器760に対して供給する。
【0105】
H−ARQでは、RXデータプロセッサ764は、パケットについての各ブロック伝送後にパケットを復号化することができる。コントローラ780は、ブロック伝送ごとに復号化結果を受信し、パケットが正しく復号化される場合にはACKを生成する。すべての端末についてのACKは、シグナリングプロセッサ(signaling processor)784とTX空間プロセッサ786によって処理され、トランスミッタユニット754によって条件づけられ、アンテナ752から送信される。各端末120において、基地局110によって送信される順方向リンク信号は、1つ(または複数)のアンテナ718によって受信され、受信シンボルを取得するために1つ(または複数)のレシーバユニット716によって条件づけられる。端末120xにおいて、シグナリング検出器734xは、受信シンボルを処理し、端末120xのために送信されるACKを供給する。端末120yにおいて、受信シンボルは、端末120yのために送信されるACKを取得するためにRX空間プロセッサ732とシグナリング検出器734yによって処理される。コントローラ720xおよび720yは、それぞれシグナリング検出器734xおよび734yによって供給されるACKに基づいて、それぞれ端末120xおよび120yについてのブロックおよびパケットの伝送を制御する。
【0106】
コントローラ720xおよび720yと780は、それぞれ端末120xおよび120yと基地局110において、様々な処理ユニットのオペレーションを制御する。メモリユニット722x、722yおよび782は、それぞれコントローラ720x、720yおよび780によって使用されるデータおよびプログラムコードを記憶する。
【0107】
図8は、TXデータプロセッサ710の一実施形態のブロック図を示しており、このTXデータプロセッサは、図7中におけるTXデータプロセッサ710x、710y、および766のために使用されることができる。明確にするために、1つのデータパケットについての処理は、以下で説明される。TXデータプロセッサ710内において、巡回冗長検査(cyclic redundancy check)(CRC)ジェネレータ812は、データパケットについてのCRC値を生成し、フォーマットされたパケットを形成するためにデータパケットの後にCRC値を追加する。CRC値は、そのパケットが正しく復号化されているか誤って復号化されているかを検査するためにレシーバによって使用される。CRC以外の他の誤り検出符号が使用されてもよい。次いで順方向誤り訂正(forward error correction)(FEC)エンコーダ814は、選択された符号化スキームまたは符号レートに従ってフォーマットされたパケットを符号化し、符号化されたパケットを供給する。FECエンコーダ814は、ブロックコード、重畳コード、ターボコード、他の何らかのコード、またはそれらの組合せをインプリメントすることができる。
【0108】
分割ユニット(partitioning unit)816は、符号化されたパケットをQ個の符号化されたサブパケットへと分割し、ここでQは、そのパケットのために選択されるレートに依存することができる。第1の符号化されたサブパケットは、すべてのシステマティックビット(systematic bit)とゼロ個以上のパリティビット(parity bit)を含むことができる。これにより、レシーバは、好ましいチャネル状態下でちょうど第1の符号化されたサブパケットを有するデータパケットを回復することができるようになる。他のQ−1個の符号化されたサブパケットは、各サブパケットが全体の符号化されたパケットにまたがって取られるパリティビットを含んで、残りのパリティビットを含むことができる。インターリーバ(interleaver)818は、Q個の符号化されたサブパケットを受信し、インターリービングスキーム(interleaving scheme)に従って各サブパケット中における符号ビットをインターリーブし(すなわち、再順序づけし)、一度に1つのインターリーブされたサブパケットを供給する。そのインターリービングは、符号ビットについての時間、周波数、および/または空間のダイバーシティを提供する。シンボルマッパ(symbol mapper)820は、選択された変調スキームに基づいて各サブパケット中におけるインターリーブされたデータを変調シンボルにたいしてマッピングする。シンボルマッパ820は、符号化されたサブパケットごとにデータシンボルのブロックを供給する。
【0109】
マルチアンテナ端末120yは、T個のアンテナから1つまたは複数のストリームを送信することができる。例えば、端末120yは、ビーム形成を実行し、すべてのT個のアンテナからデータおよびパイロットの1つのストリームを送信することができる。次いで基地局110は、すべてのT個のアンテナについての複合RLチャネル推定値を取得することになり、チャネル応答行列
【数49】

【0110】
は、すべてのT個のアンテナについての単一の列を含むことになるであろう。別の例としては、端末120yは、T個のアンテナのおのおのからデータおよびパイロットの1つのストリームを送信することができる。次いで基地局110は、アンテナごとにRLチャネル推定値を取得することになり、チャネル応答行列
【数50】

【0111】
は、T個のアンテナについてのT個の列を含むことになるであろう。端末120yは、また、他の方法でT個のアンテナから複数のストリームを送信することもできる。
【0112】
図9は、1つのアンテナについてのトランスミッタユニット716の一実施形態のブロック図を示している。トランスミッタユニット716内において、シンボルツーサブバンドマッパ(symbol-to-subband mapper)912は、データ伝送のために使用される適切なサブバンド上へと送信シンボルをマッピングし、ゼロシンボル(これはゼロの信号値である)を未使用のサブバンド上へとマッピングし、出力シンボルを供給する。逆高速フーリエ変換(inverse fast Fourier transform)(IFFT)ユニット914は、K個の全サブバンドについてのK個の出力シンボルの各組をK−ポイントIFFTを用いて時間ドメインへと変換し、K個の時間ドメインチップを含む変換されたシンボルを提供する。巡回プレフィックスジェネレータ(cyclic prefix generator)916は、変換された各シンボルのC個のチップを反復し、K+C個のチップを含むOFDMシンボルを生成する。この反復された部分は、巡回プレフィックス(cyclic prefix)と呼ばれ、周波数選択性フェーディング(frequency selective fading)によって引き起こされるシンボル間干渉(intersymbol interference)(ISI)を抑制するために使用される。TX無線周波数(radio frequency)(RF)ユニット918は、ジェネレータ916からのチップのストリームを条件づけ(例えば、アナログへと変換し、フィルタをかけ、増幅し、周波数アップコンバートし)、関連するアンテナからの送信のための被変調信号を生成する。
【0113】
図10は、基地局110の一部分のブロック図を示している。R個のアンテナ752aから752rは、端末120から被変調信号を受信し、それぞれR個のレシーバユニット754aから754rに対してR個の受信信号を供給する。各レシーバユニット754内において、RX RFユニット1012は、受信信号を条件づけデジタル化し、サンプルのストリームを供給する。OFDM復調器(Demod)1014は、(1)受信された変換されたシンボルを取得するために各受信OFDMシンボル中における巡回プレフィックスを取り除くこと、および(2)K個のサブバンドについてのK個の受信シンボルを取得するために、K−ポイントの高速フーリエ変換(FFT)を用いて受信された変換された各シンボルを周波数ドメインへと変換することにより、サンプルストリーム上でOFDM復調を実行する。デマルチプレクサ(Demux)1016は、受信シンボルを逆多重化し、受信パイロットシンボルをチャネル推定器758へと供給し、受信データシンボルを干渉除去器760へと供給する。干渉除去器760は、入力シンボルから推定された干渉を差し引き、干渉除去されたシンボルを供給する。推定された干渉は、干渉除去のない時間−周波数ブロックについてはゼロに等しい。
【0114】
RX空間プロセッサ762は、空間検出器1022と、シンボルツーサブバンド逆マッパ(symbol-to-subband demapper)1024と、行列計算ユニット1026とを含む。ユニット1026は、チャネル推定器758からチャネル推定値を受け取り、各タイムスロット中におけるサブバンドごとにチャネル応答行列を形成し、そのチャネル応答行列に基づいて空間フィルタ行列を生成する。空間検出器1022は、空間フィルタ行列を用いて干渉除去されたシンボル上でレシーバ空間処理を実行し、検出シンボルを供給する。逆マッパ1024は、K個の全サブバンドについての検出シンボルを逆多重化し、端末ごとに検出シンボルのストリームを供給する。
【0115】
干渉推定器768は、シンボルツーサブバンドマッパ1032と乗算器1034とを含んでいる。マッパ1032は、TXデータプロセッサ766から正しく復号化されたパケットについての再変調されたデータシンボルを受け取り、これらのシンボルを適切なサブバンド上へとマッピングする。乗算器1034は、再変調された各データシンボルを適切なチャネル応答ベクトルと乗算し、推定された干渉を供給する。
【0116】
図11は、RXデータプロセッサ764の一実施形態のブロック図を示している。明確にするために、1つの端末からの1つのパケットについての処理が、以下に説明される。RXデータプロセッサ764内において、シンボル逆マッパ1112は、ブロック伝送ごとに検出シンボルを受け取り、ブロックについて使用される変調スキームに従って検出シンボルを復調し、復調されたデータのブロックを逆インターリーバ1114に対して供給する。逆インターリーバ1114は、そのデータパケットについての第1のブロックを受信するのに先立って消去して初期化される。消去値は、失われた符号ビット(例えば、まだ受信されていない符号ビット)についての代わりとなる値であり、復号化プロセスにおいて適切な重みが与えられる。逆インターリーバ1114は、そのブロックについて実行されるインターリービングと相補的な方法で、復調されたデータの各ブロックを逆インターリーブ(deinterleaves)する。
【0117】
ブロック伝送または新しい検出シンボルがパケットについて受信されるときはいつでも、復号化は、そのパケットについて受信されるすべてのブロック上で新たに実行されることができる。再アセンブリユニット1116は、(1)パケットについて受信されるすべてのブロックについての逆インターリーブされたデータと、(2)パケットについて受信されないブロックについての消去値とを含む逆インターリーブされたデータのパケットを形成する。再アセンブリユニット1116は、端末によって実行される分割と相補的な方法で再アセンブリを実行する。FECデコーダ1118は、端末によって実行されるFEC符号化と相補的な方法で逆インターリーブされたデータパケットを復号化し、復号化されたパケットを供給する。例えば、FECデコーダ1118は、端末がターボ符号化または重畳符号化を実行する場合には、それぞれターボデコーダ(Turbo decoder)またはビタビデコーダ(Viterbi decoder)とすることができる。CRCチェッカ1120は、復号化されたパケットを検査し、パケットが正しく復号化されているか誤って復号化されているかを決定し、復号化されたパケットのステータスを供給する。
【0118】
明確にするために、データ受信技法が、逆方向リンク伝送について特に説明されている。これらの技法は、順方向リンク伝送について使用されることもできる。端末は、複数の基地局からパケットを受信することができ、上記の方法における干渉除去を用いてこれらのパケットを処理することができる。
【0119】
ここにおいて説明されるデータ受信技法は、様々な手段によってインプリメントされることができる。例えば、これらの技法は、ハードウェア、ソフトウェア、またはそれらの組合せの形でインプリメントされることができる。ハードウェアインプリメンテーションでは、データ受信のために使用される処理ユニット、例えばプロセッサおよびコントローラは、ここにおいて説明される機能を実行するように設計された1つまたは複数の特定用途向け集積回路(application specific integrated circuit)(ASIC)、デジタル信号処理プロセッサ(digital signal processor)(DSP)、デジタル信号処理デバイス(digital signal processing device)(DSPD)、プログラマブルロジックデバイス(programmable logic device)(PLD)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(field programmable gate array)(FPGA)、プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、電子デバイス、他の電子ユニット、あるいはそれらの組合せの内部にインプリメントされることができる。例えば、干渉推定器768、干渉除去器760、RX空間プロセッサ762、RXデータプロセッサ764、およびTXデータプロセッサ766は、1つまたは複数のプロセッサ、DSPなどの上にインプリメントされることができる。干渉推定器768および干渉除去器760は、干渉プロセッサを用いてインプリメントされることもでき、あるいはRX空間プロセッサ762をインプリメントすることもあるプロセッサの一部分とすることもできる。処理ユニットの様々な他のインプリメンテーションも可能である。
【0120】
ソフトウェアインプリメンテーションでは、それらの技法は、ここにおいて説明される機能を実行するモジュール(例えば、プロシージャ、ファンクションなど)を用いてインプリメントされることができる。ソフトウェアコードは、メモリユニット(例えば、図7におけるメモリユニット782)に記憶され、プロセッサ(例えば、コントローラ780)によって実行されることができる。メモリユニットは、プロセッサ内部に、あるいはプロセッサの外部にインプリメントされることができる。
【0121】
開示された実施形態の以上の説明は、当業者なら誰でも本発明を作り使用することができるようにするために提供されている。これらの実施形態に対する様々な修正は、当業者には容易に明らかであり、ここにおいて定義される包括的な原理は、本発明の趣旨または範囲を逸脱することなく他の実施形態に対しても適用されることができる。したがって、本発明は、ここにおいて示される実施形態だけに限定されるようには意図されておらず、ここにおいて開示される原理および新規特徴と整合する最も広い範囲が与えられるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの時間−周波数ブロックを経由して受信されるパケットに起因した干渉を推定し、干渉除去されたシンボルを取得するために前記少なくとも1つの時間−周波数ブロックについての入力シンボルから前記推定された干渉を差し引くように動作する干渉プロセッサと、なお前記パケットは、正しく復号化される;
前記干渉除去されたシンボルに対してレシーバ空間処理を実行し、前記少なくとも1つの時間−周波数ブロックについての検出シンボルを提供するように動作する空間プロセッサと;
前記パケットと少なくとも部分的にオーバーラップする少なくとも1つのパケットについての検出シンボルを復調し復号化するように動作する受信データプロセッサと;
を備える装置。
【請求項2】
各時間−周波数ブロックは、少なくとも1つのシンボル期間中における少なくとも1つの周波数サブバンドに対応し、時間−周波数ブロックごとの前記少なくとも1つの周波数サブバンドは、直交周波数分割多重化(OFDM)、インターリーブされた周波数分割多元接続(IFDMA)、または狭帯域周波数分割多元接続(NFDMA)を用いて形成される複数の周波数サブバンドのうちにある、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記パケットについて使用される周波数ホッピングパターンに基づいて前記少なくとも1つの時間−周波数ブロックのおのおのについて少なくとも1つの周波数サブバンドの組を決定するように動作するコントローラ、
をさらに備える請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記空間プロセッサは、前記パケットについての検出シンボルを取得するために前記少なくとも1つの時間−周波数ブロックについての前記入力シンボルに対してレシーバ空間処理を実行するように動作し、前記受信データプロセッサは、前記パケットについての前記検出シンボルを復調し復号化するように動作する、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記パケットについてのデータシンボルを生成するように動作する送信データプロセッサをさらに備え、前記干渉プロセッサは、前記パケットに起因した前記推定された干渉を取得するために前記パケットについての前記データシンボルを前記パケットについてのチャネル推定値と乗算するように動作する、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記受信データプロセッサは、前記干渉除去されたシンボルから取得される前記検出シンボルと干渉除去のない受信シンボルから取得される検出シンボルとに基づいて前記少なくとも1つのパケットのおのおのについての検出シンボルをアセンブルするように動作する、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
無線通信システムにおいてデータを処理する方法であって、
少なくとも1つの時間−周波数ブロックを経由して受信され、正しく復号化されるパケットに起因した干渉を推定することと、
干渉除去されたシンボルを取得するために前記少なくとも1つの時間−周波数ブロックについての入力シンボルから前記推定された干渉を差し引くことと、
前記パケットと少なくとも部分的にオーバーラップする少なくとも1つのパケットについての前記干渉除去されたシンボルを処理することと、
を備える方法。
【請求項8】
各時間−周波数ブロックは、少なくとも1つのシンボル期間中における少なくとも1つの周波数サブバンドに対応し、時間−周波数ブロックごとの前記少なくとも1つの周波数サブバンドは、直交周波数分割多重化(OFDM)、インターリーブされた周波数分割多元接続(IFDMA)、または狭帯域周波数分割多元接続(NFDMA)を用いて形成される複数の周波数サブバンドのうちにある、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記パケットについて使用される周波数ホッピングパターンに基づいて前記少なくとも1つの時間−周波数ブロックのおのおのについて少なくとも1つの周波数サブバンドの組を決定すること、
をさらに備える請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記パケットについての検出シンボルを取得するために前記少なくとも1つの時間−周波数ブロックについての前記入力シンボルに対してレシーバ空間処理を実行することと、
前記パケットについての前記検出シンボルを復調し復号化することと、
をさらに備える請求項7に記載の方法。
【請求項11】
前記の前記パケットに起因した前記干渉を推定することは、
前記パケットについて使用される符号化スキームと変調スキームとに基づいて前記パケットについてのデータシンボルを生成することと、
前記パケットについての前記データシンボルを前記パケットについてのチャネル推定値と乗算することと、
を備える、
請求項7に記載の方法。
【請求項12】
前記の前記干渉除去されたシンボルを処理することは、
前記少なくとも1つの時間−周波数ブロックについての検出シンボルを取得するために前記干渉除去されたシンボルに対してレシーバ空間処理を実行することと、
前記少なくとも1つのパケットのおのおのについての検出シンボルを復調し復号化することと、
を備える、
請求項7に記載の方法。
【請求項13】
少なくとも1つの時間−周波数ブロックを経由して受信され、正しく復号化されるパケットに起因した干渉を推定するための手段と、
干渉除去されたシンボルを取得するために前記少なくとも1つの時間−周波数ブロックについての入力シンボルから前記推定された干渉を差し引くための手段と、
前記パケットと少なくとも部分的にオーバーラップする少なくとも1つのパケットについての前記干渉除去されたシンボルを処理するための手段と、
を備える装置。
【請求項14】
前記パケットについて使用される周波数ホッピングパターンに基づいて前記少なくとも1つの時間−周波数ブロックのおのおのについて少なくとも1つの周波数サブバンドの組を決定するための手段、
をさらに備える請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記パケットに起因した前記干渉を推定するための前記手段は、
前記パケットについて使用される符号化スキームと変調スキームとに基づいて前記パケットについてのデータシンボルを生成するための手段と、
前記パケットについての前記データシンボルを前記パケットについてのチャネル推定値と乗算するための手段と、
を備える、
請求項13に記載の装置。
【請求項16】
前記干渉除去されたシンボルを処理するための前記手段は、
前記少なくとも1つの時間−周波数ブロックについての検出シンボルを取得するために前記干渉除去されたシンボルに対してレシーバ空間処理を実行するための手段と、
前記少なくとも1つのパケットのおのおのについての検出シンボルを復調し復号化するための手段と
を備える、
請求項13に記載の装置。
【請求項17】
複数のパケットのおのおのを復号化するように動作する受信データプロセッサと、
前記複数のパケットの間で正しく復号化される少なくとも1つのパケットのおのおのの伝送を終了させる信号を生成するように動作するコントローラと、
正しく復号化される各パケットに起因した干渉を推定し、正しく復号化される各パケットに起因した前記推定された干渉を除去するように動作する干渉プロセッサと、
を備え、前記受信データプロセッサは、正しく復号化される前記少なくとも1つのパケットと少なくとも部分的にオーバーラップする1つまたは複数のパケットのおのおのを復号化するように動作する、
装置。
【請求項18】
前記受信データプロセッサは、前記パケットについてのハイブリッド自動反復要求(H−ARQ)伝送を経由して前記複数のパケットのおのおのを受信するように動作する、請求項17に記載の装置。
【請求項19】
前記コントローラは、前記パケットの前記伝送を終了させるために正しく復号化されるパケットごとに肯定応答(ACK)を送信するように動作する、請求項17に記載の装置。
【請求項20】
前記受信データプロセッサは、前記複数のパケットのおのおのについて少なくとも1つのシンボルブロックを受信し、前記パケットについて受信される前記少なくとも1つのシンボルブロックに基づいて前記複数のパケットのおのおのを復号化するように動作する、請求項17に記載の装置。
【請求項21】
前記パケットについて使用される少なくとも1つの時間−周波数ブロックを経由して前記複数のパケットのおのおのを受信するように動作する複数のレシーバユニット、
をさらに備える請求項17に記載の装置。
【請求項22】
パケットごとの各時間−周波数ブロックは、少なくとも1つのシンボル期間中における少なくとも1つの周波数サブバンドに対応し、時間−周波数ブロックごとの前記少なくとも1つの周波数サブバンドは、直交周波数分割多重化(OFDM)、インターリーブされた周波数分割多元接続(IFDMA)、または狭帯域周波数分割多元接続(NFDMA)を用いて形成される複数の周波数サブバンドのうちにある、請求項21に記載の装置。
【請求項23】
前記複数のパケットのおのおのについての前記少なくとも1つの時間−周波数ブロックは、前記複数のパケットのうちの残りの各パケットについての前記少なくとも1つの時間−周波数ブロックに関して疑似ランダムである、請求項21に記載の装置。
【請求項24】
前記コントローラは、正しく復号化されるパケットごとに使用される少なくとも1つの時間−周波数ブロックを決定するように動作し、前記干渉プロセッサは、正しく復号化される各パケットに起因した前記推定された干渉を正しく復号化される前記パケットについて使用される前記少なくとも1つの時間−周波数ブロックから除去するように動作する、請求項17に記載の装置。
【請求項25】
前記コントローラは、正しく復号化される前記少なくとも1つのパケットのおのおのに起因した干渉の量を推定するように動作し、干渉の前記推定された量があらかじめ決定されたしきい値を超える場合に、前記干渉プロセッサは、正しく復号化される各パケットに起因した前記干渉を推定し、除去するように動作する、請求項17に記載の装置。
【請求項26】
逆方向リンクを経由して複数の端末から前記複数のパケットを受信するように動作する複数のレシーバユニット、
をさらに備える請求項17に記載の装置。
【請求項27】
無線システム中においてデータを受信する方法であって、
複数のパケットのおのおのを復号化することと、
少なくとも1つのパケットが、正しく復号化される場合に、
正しく復号化される各パケットの伝送を終了させることと、
正しく復号化される各パケットに起因した干渉を推定することと、
正しく復号化される各パケットに起因した前記推定された干渉を除去することと、
正しく復号化される前記少なくとも1つのパケットと少なくとも部分的にオーバーラップする1つまたは複数のパケットのおのおのを復号化することと、
を備える方法。
【請求項28】
前記パケットについてのハイブリッド自動反復要求(H−ARQ)伝送を経由して前記複数のパケットのおのおのを受信すること、
をさらに備える請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記複数のパケットのおのおのについて少なくとも1つのブロック伝送を受信することをさらに備え、前記複数のパケットのおのおのは、前記パケットについて受信される前記少なくとも1つのブロック伝送に基づいて復号化される、請求項27に記載の方法。
【請求項30】
前記パケットについて使用される少なくとも1つの時間−周波数ブロックを経由して前記複数のパケットのおのおのを受信することをさらに備え、前記複数のパケットのおのおのについての前記少なくとも1つの時間−周波数ブロックは、前記複数のパケットのうちの残りの各パケットについての前記少なくとも1つの時間−周波数ブロックに関して疑似ランダムである、請求項27に記載の方法。
【請求項31】
複数のパケットのおのおのを復号化するための手段と、
正しく復号化される少なくとも1つのパケットのおのおのの伝送を終了させるための手段と、
正しく復号化される各パケットに起因した干渉を推定するための手段と、
正しく復号化される各パケットに起因した前記推定された干渉を除去するための手段と、
正しく復号化される前記少なくとも1つのパケットと少なくとも部分的にオーバーラップする1つまたは複数のパケットのおのおのを復号化するための手段と、
を備える装置。
【請求項32】
前記パケットについてのハイブリッド自動反復要求(H−ARQ)伝送を経由して前記複数のパケットのおのおのを受信するための手段、
をさらに備える請求項31に記載の装置。
【請求項33】
前記パケットについて使用される少なくとも1つの時間−周波数ブロックを経由して前記複数のパケットのおのおのを受信するための手段をさらに備え、前記複数のパケットのおのおのについての前記少なくとも1つの時間−周波数ブロックは、前記複数のパケットの残りの各パケットについての前記少なくとも1つの時間−周波数ブロックに関して疑似ランダムである、請求項31に記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−120193(P2012−120193A)
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−250(P2012−250)
【出願日】平成24年1月4日(2012.1.4)
【分割の表示】特願2008−515748(P2008−515748)の分割
【原出願日】平成18年5月25日(2006.5.25)
【出願人】(595020643)クゥアルコム・インコーポレイテッド (7,166)
【氏名又は名称原語表記】QUALCOMM INCORPORATED
【Fターム(参考)】