説明

溶接部モデル作成装置、反射源位置推定装置、及び溶接部モデル作成方法

【課題】超音波探傷の対象となる溶接部を含む被検査体を模擬した精度の高い溶接部モデルを作成することを目的とする。
【解決手段】情報処理装置は、少なくとも溶接部を含む被検査体を模擬した複数の溶接部モデルを記憶したHDDから、予め超音波探傷が実行された被検査体に対する溶接の仕様を示す溶接条件、及び溶接された被検査体の仕様を示す被検査体条件に応じた溶接部モデルを選択し、選択した溶接部モデルと、被検査体に対して予め実行した超音波探傷で用いた探触子の仕様を示す探傷条件とに基づいて、超音波探傷を模擬した演算を実行し、予め超音波探傷で実測された被検査体の超音波探傷信号である実測探傷信号と、演算によって算出された超音波探傷信号である演算探傷信号との差が小さくなるように、溶接部モデルを修正する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、溶接部モデル作成装置、反射源位置推定装置、及び溶接部モデル作成方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、溶接部モデルを作成するためには、モデル作成対象と同様に溶接施行された溶接部のマクロ組織を採取し、モデルを作成する必要がある。そして、該溶接部モデルを用いたシミュレーションにより、超音波信号の反射源位置を特定する等の、被検査体に対する検証を行う。
【0003】
この一例として、特許文献1には、あらかじめコンピュータシミュレーションにより、物体内部に入射した波動の、物体内部の反射源での反射波の周波数特徴量を抽出し、その周波数特徴量と反射源の形状(形、大きさ、方向、分布など)と入射波動条件の対応をデータベース内に情報として蓄積しておき、その後、実際に調査対象物体内部へ入射した波動の、物体内部の反射源での反射波の周波数特徴量を抽出した後、その周波数特徴量をデータベースに蓄えられている周波数特徴量と入射波動条件を考慮しながら比較し一致する周波数特徴量を持つ反射源形状をさがす技術が記載されている。しかしながら、特許文献1では、溶接部のモデル作成は実施されていない。
【0004】
また、溶接部モデルの作成においては、前述のとおり被検査体に対する溶接の施工条件に基づいて、例えば溶接後の被検査体の断面像等から、被検査体の代表的なマクロ組織(結晶方位や形状)を特定し、特定したマクロ組織を模擬していた。なお、施工条件とは、溶接条件や被検査体条件であり、溶接条件とは、被検査体に対する溶接方法、盛り方、入熱量、及び溶接パス数等であり、被検査体条件とは、被検査体の形状、寸法、被検査体の材質、及び開先形状等である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平5−290019号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、被検査体の溶接部の結晶方位や形状は、溶接条件や被検査体条件によって変化する。このため、代表的なマクロ組織の情報だけから、溶接部の形状や結晶方位を特定し、被検査体を溶接部モデル化することが困難であり、該溶接部モデルを用いた信頼性の高いシミュレーションの結果が得られない場合があった。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、超音波探傷の対象となる溶接部を含む被検査体を模擬した精度の高い溶接部モデルを作成できる溶接部モデル作成装置、反射源位置推定装置、及び溶接部モデル作成方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明の溶接部モデル作成装置、反射源位置推定装置、及び溶接部モデル作成方法は以下の手段を採用する。
【0009】
すなわち、本発明に係る溶接部モデル作成装置は、少なくとも溶接部を含む被検査体を模擬した複数の溶接部モデルを記憶した記憶手段と、予め超音波探傷が実行された被検査体に対する溶接の仕様を示す溶接条件、及び溶接された被検査体の仕様を示す被検査体条件に応じた、前記溶接部モデルを前記記憶手段から選択する選択手段と、前記選択手段で選択された前記溶接部モデルと、被検査体に対して予め実行した超音波探傷で用いた探触子の仕様を示す探傷条件とに基づいて、超音波探傷を模擬した演算を実行する演算手段と、予め超音波探傷で実測された前記被検査体の超音波探傷信号である実測探傷信号と、前記演算手段による演算によって算出された超音波探傷信号である演算探傷信号との差が小さくなるように、前記溶接部モデルを修正する修正手段と、を備える。
【0010】
本発明によれば、溶接部モデル作成装置は、少なくとも溶接部を含む被検査体を模擬した複数の溶接部モデルを記憶した記憶手段を備える。
そして、選択手段によって、予め超音波探傷が実行された被検査体に対する溶接の仕様を示す溶接条件、及び溶接された被検査体の仕様を示す被検査体条件に応じた、溶接部モデルが、記憶手段から選択される。また、演算手段によって、上記選択された溶接部モデルと、被検査体に対して予め実行した超音波探傷で用いた探触子の仕様を示す探傷条件とに基づいて、超音波探傷を模擬した演算が実行される。
なお、溶接条件とは、被検査体に対する溶接方法(例えば、TIG溶接、MAG溶接等)、盛り方(手盛り、自動盛り)、入熱量(例えば、電流量)、及び溶接パス数等である。また、被検査体条件とは、被検査体の形状、被検査体の肉厚、被検査体の材質(例えば、SUS、炭素鋼、及びインコネル等)、及び開先形状等である。探傷条件とは、探触子の形状、被検査体における探触子の位置(超音波の送信位置)、探触子から発生させられる超音波の周波数、ビーム路程、屈折角等である。
【0011】
その後、修正手段によって、予め超音波探傷で実測された被検査体の超音波探傷信号である実測探傷信号と、演算手段による演算によって算出された超音波探傷信号である演算探傷信号との差が小さくなるように、溶接部モデルが修正される。なお、この修正は、実測探傷信号と該演算探傷信号との差が予め定められた所定差となるまで繰り返される。
【0012】
このように、本発明は、実行された溶接の仕様を示す溶接条件及び溶接された被検査体の仕様を示す被検査体条件に応じた溶接部モデルを選択し、実測探傷信号(例えば、V型反射法で実測された被検査体の超音波探傷信号である実測探傷信号)と演算探傷信号との差が小さくなるように、選択した溶接部モデルを修正するので、超音波探傷の対象となる溶接部を含む被検査体を模擬した精度の高い溶接部モデルを作成できる。
【0013】
また、本発明の溶接部モデル作成装置は、前記修正手段が、前記溶接部モデルにおける前記被検査体の溶接部の縦断面方向に複数に分割した領域毎に、結晶方位を修正することによって、前記溶接部モデルを修正してもよい。
【0014】
本発明によれば、より精度の高い溶接部モデルを作成できる。
【0015】
また、本発明の溶接部モデル作成装置は、前記修正手段が、溶接部における結晶方位の変化は連続的であり、溶金中央に近づくほど結晶方位が垂直方向となる関係を示す式を用いて、前記領域毎に結晶方位を修正してもよい。
【0016】
本発明によれば、より精度の高い溶接部モデルを簡易に作成できる。
【0017】
また、本発明の溶接部モデル作成装置は、前記修正手段が、音速と結晶方位との関係に基づいて、前記領域毎に結晶方位を修正することによって、前記溶接部モデルを修正してもよい。
【0018】
本発明によれば、より精度の高い溶接部モデルを簡易に作成できる。
【0019】
また、本発明の溶接部モデル作成装置は、前記修正手段が、前記溶接部モデルにおける前記溶接部の裏波ビートの形状を修正することによって、前記溶接部モデルを修正してもよい。
【0020】
本発明によれば、より精度の高い溶接部モデルを簡易に作成できる。
【0021】
一方、本発明に係る反射源位置推定装置は、上記記載の溶接部モデル作成装置によって作成された溶接部モデルを用いて、被検査体へ送信した超音波の反射位置を推定する。
【0022】
本発明によれば、上記記載の溶接部モデル作成装置によって作成された溶接部モデルを用いて、被検査体へ送信した超音波の反射位置を推定するので、本発明は、より正確に超音波の反射源位置を推定できる。
【0023】
一方、本発明に係る溶接部モデル作成方法は、少なくとも溶接部を含む被検査体を模擬した複数の溶接部モデルを記憶した記憶手段から、予め超音波探傷が実行された被検査体に対する溶接の仕様を示す溶接条件、及び溶接された被検査体の仕様を示す被検査体条件に応じた、前記溶接部モデルを選択する第1工程と、選択された前記溶接部モデルと、被検査体に対して予め実行した超音波探傷で用いた探触子の仕様を示す探傷条件とに基づいて、超音波探傷を模擬した演算を実行する第2工程と、予め超音波探傷で実測された前記被検査体の超音波探傷信号である実測探傷信号と、演算によって算出された超音波探傷信号である演算探傷信号とに基づいて、該実測探傷信号と該演算探傷信号との差が小さくなるように、前記溶接部モデルを修正する第3工程と、を含む。
【0024】
本発明によれば、実行された溶接の仕様を示す溶接条件及び溶接された被検査体の仕様を示す被検査体条件に応じた溶接部モデルが選択し、実測探傷信号と演算探傷信号との差が小さくなるように、選択した溶接部モデルを修正するので、本発明は、超音波探傷の対象となる溶接部を含む被検査体を模擬した精度の高い溶接部モデルを作成できる。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、超音波探傷の対象となる溶接部を含む被検査体を模擬した精度の高い溶接部モデルを作成できる、という優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の実施形態に係る溶接部モデル作成装置の電気的構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施形態に係る溶接部モデルの外略図である。
【図3】本発明の実施形態に係る溶接部モデル作成プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。
【図4】本発明の実施形態に係る溶接部選択プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。
【図5】本発明の実施形態に係る超音波探傷シミュレーションプログラムの処理の流れを示すフローチャートである。
【図6】本発明の実施形態に係る溶接部モデル評価修正プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。
【図7】本発明の実施形態に係る溶接部透過信号測定装置の構成図である。
【図8】本発明の実施形態に係る裏波形状測定装置の構成図である。
【図9】本発明の実施形態に係る結晶方位計算式の説明に要する図である。
【図10】本発明の実施形態に係る結晶方位計算式のモデル図である。
【図11】本発明の実施形態に係る反射源位置推定装置の電気的構成を示すブロック図である。
【図12】本発明の実施形態に係る反射源位置推定プログラムの処理の流れを示すフローチャートである。
【図13】本発明の実施形態に係る反射源位置推定処理によって算出されたシミュレーション結果の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
図1は、本実施形態に係る溶接部モデル作成装置10の電気的構成を示すブロック図である。
なお、本実施形態に係る溶接部モデル作成装置10は、配管や板材等である被検査体の溶接部を超音波探傷で実測し、実測した結果である超音波探傷信号に基づいて、少なくとも溶接部を含む該被検査体の模擬した溶接部モデルを作成するための情報処理装置である。
【0028】
そして、図1に示すように、本実施形態に係る溶接部モデル作成装置10は、溶接部モデル作成装置10全体の動作を司るCPU(Central Processing Unit)12、各種プログラムや各種パラメータ等が予め記憶されたROM(Read Only Memory)14、CPU12による各種プログラムの実行時のワークエリア等として用いられるRAM(Random Access Memory)16、各種プログラム及び各種情報を記憶する記憶手段としてのHDD(Hard Disk Drive)18を備えている。
【0029】
さらに、溶接部モデル作成装置10は、キーボード及びマウス等から構成され、各種操作の入力を受け付ける操作入力部20、各種画像を表示する、例えば液晶ディスプレイ装置等の画像表示部22、通信回線24を介して他の情報処理装置等と接続され、他の情報処理装置等との間で各種情報の送受信を行う外部インタフェース26を備えている。
なお、通信回線24は、電気事業者によって提供される広域通信回線又はLAN(Local Area Network)等の構内通信網等であり、有線回線又は無線回線の何れであってもよい。
【0030】
これらCPU12、ROM14、RAM16、HDD18、操作入力部20、画像表示部22、及び外部インタフェース26は、システムバス28を介して相互に電気的に接続されている。従って、CPU12は、ROM14、RAM16、及びHDD18へのアクセス、操作入力部20に対する操作状態の把握、画像表示部22に対する画像の表示、及び外部インタフェース26を介した他の情報処理装置等との各種情報の送受信等を各々行なうことができる。
【0031】
本実施形態に係るHDD18は、溶接部モデルデータベースを記憶している。溶接部モデルデータベースは、被検査体に対する種々の溶接条件及び溶接される種々の被検査体被検査体条件と、被検査体の溶接部の構造を模擬した種々の溶接部モデルとを関連付けたデータベースである。なお、溶接条件とは、被検査体に対する溶接方法(例えば、TIG溶接、MAG溶接等)、盛り方(手盛り、自動盛り)、入熱量(例えば、電流量)、及び溶接パス数等である。また、被検査体条件とは、被検査体の形状、被検査体の肉厚、被検査体の材質(例えば、SUS、炭素鋼、及びインコネル等)、及び開先形状等である。
なお、以下の説明において、溶接条件及び被検査体条件を総称して施行条件という。
また、本実施形態では、被検査体を一例として配管とし、以下の説明において、被検査体条件を配管条件という。
【0032】
本実施形態に係る溶接部モデルは、図2に示すように、溶接部の形状を示すと共に、溶接部を複数の領域に分割し、該領域毎に結晶モデルが作成されている。結晶モデルは、各領域における結晶の構造がモデル化されていると共に、結晶成長の方向(以下、「結晶方位」という。)が属性として付加されている。
具体的には、溶接部モデルは、縦断面方向(厚さ方向)に複数の領域に分割され、各領域は、溶金中央に近づくほどその結晶方位が垂直方向(0°、厚さ方向と同じ方向)となる。図2の例では、溶接部モデルは、溶金中央に対して左右対称となっており片側5つの領域(領域A〜E、領域A’〜E’)に分割され、溶金中央に最も近い領域から、結晶方位が0°(領域A,A’)、15°(領域B,B’)、30°(領域C,C’)、45°(領域D,D’)、60°(領域E,E’)とされている。
なお、図2に示される溶接部モデルの例は、片側溶接によって溶接され、溶接面に対して裏側の面の裏波ビードが形成された配管のモデルである。
【0033】
本実施形態に係るCPU12は、溶接部モデル作成処理を実行する。
なお、本実施形態では、CPU12によって、溶接部モデル作成処理が実行されるよりも前に、予め被検査体が超音波探傷によって実測され、実測により得られた超音波信号(以下、「実測探傷信号」という。)が取得され、HDD18の所定領域である実測探傷信号記憶領域に記憶されている。
【0034】
図3は、溶接部モデル作成処理を行う場合に、CPU12によって実行される溶接部モデル作成プログラムの処理の流れを示すフローチャートであり、該溶接部モデル作成プログラムはHDD18の所定領域に予め記憶されている。
【0035】
次のステップ100では、溶接部モデル選択処理を実行する。
溶接部モデル選択処理は、HDD18に記憶されている溶接部モデルデータベースから、溶接条件及び配管条件に対応付けられた溶接部モデルを選択する。
なお、溶接部モデル選択処理の詳細については、後述する。
【0036】
次のステップ102では、超音波探傷シミュレーション処理を実行する。
超音波探傷シミュレーション処理は、ステップ100で選択した溶接部モデル又は後述するステップ104で修正された溶接部モデルと、被検査体に対して予め実行した超音波探傷で用いた探触子の仕様を示す探傷条件とに基づいて、超音波探傷を模擬した演算(シミュレーション)を実行し、シミュレーションにより算出された超音波探傷信号(以下、「演算探傷信号」という。)を出力する。
探傷条件とは、実際の超音波探傷に用いられた超音波を発生させる探触子の仕様であり、具体的には、探触子の形状、被検査体における探触子の位置(超音波の送信位置)、探触子から発生させられる超音波の周波数、ビーム路程、屈折角等である。
なお、超音波探傷シミュレーション処理の詳細については、後述する。
【0037】
次のステップ104では、溶接部モデル評価修正処理を実行する。
溶接部モデル評価修正処理は、予め超音波探傷で実測された被検査体の超音波探傷信号である実測探傷信号と、ステップ102によって算出された超音波探傷信号である演算探傷信号との差が小さくなるように、溶接部モデルを修正する。すなわち、この修正によって、超音波探傷の対象となる溶接部を含む被検査体を模擬した精度の高い溶接部モデルが作成される。なお、ステップ104では、実測探傷信号と演算探傷信号との差が所定差内である場合は、溶接部モデルの修正は行わない。
なお、溶接部モデル評価修正処理の詳細については、後述する。
【0038】
次のステップ106では、ステップ104で溶接部モデルが修正された否かを判定し、肯定判定の場合は、ステップ102へ戻り、否定判定の場合は、本プログラムを終了する。
ステップ106からステップ102に戻った場合は、ステップ102において、修正された溶接部モデルと、予め超音波探傷が実行された被検査体に対する該超音波探傷の仕様と同様の仕様を示す探傷条件に基づいて、超音波探傷を模擬したシミュレーションを実行する。
【0039】
図4は、上述した溶接部モデル選択処理を行う場合に、CPU12によって実行される溶接部モデル選択プログラムの処理の流れを示すフローチャートであり、該溶接部モデル選択プログラムはHDD18の所定領域に予め記憶されている。
【0040】
まず、ステップ200では、操作入力部20を介して施行条件である溶接条件及び配管条件の入力を受け付ける。
【0041】
次のステップ202では、ステップ200で受け付けた施行条件とHDD18に記憶されている溶接部モデルデータベースとを照合し、該施行条件に応じた溶接部モデルを選択する。
具体的には、ステップ202では、例えば、配管条件により特定された配管の材質、配管の形状、配管の肉厚、開先形状の順番で、さらに溶接条件により特定された溶接方法、盛り方、入熱量、溶接パス数の順番で、溶接部モデルデータベースと照合し、より後順まで一致する溶接部モデルを選択する。
【0042】
次のステップ204では、ステップ202で選択した溶接部モデルをHDD18の所定領域(溶接部モデル記憶領域)に記憶させる出力処理を行い、本プログラムを終了する。
【0043】
図5は、上述した超音波探傷シミュレーション処理を行う場合に、CPU12によって実行される超音波探傷シミュレーションプログラムの処理の流れを示すフローチャートであり、該超音波探傷シミュレーションプログラムはHDD18の所定領域に予め記憶されている。
【0044】
まず、ステップ300では、操作入力部20を介して探傷条件の入力を受け付ける。
【0045】
次のステップ302では、HDD18の溶接部モデル記憶領域に記憶されている溶接部モデルを読み出す。
【0046】
次のステップ304では、ステップ300で入力された探触条件と、ステップ302で読み出した溶接部モデルとに基づいて、超音波探傷を模擬したシミュレーションを実行し、演算探傷信号を算出する。超音波探傷を模擬したシミュレーションとしては、例えば、有限要素法又は解析回の重ね合わせ手法等を用いた既存の超音波シミュレーションソフトウェアが用いられる。
【0047】
次のステップ306では、ステップ304により算出された演算探傷信号を、HDD18の所定領域である演算探傷信号記憶領域に記憶させる出力処理を行い、本プログラムを終了する。
【0048】
図6は、上述した溶接部モデル評価修正処理を行う場合に、CPU12によって実行される溶接部モデル評価修正プログラムの処理の流れを示すフローチャートであり、該溶接部モデル評価修正プログラムはHDD18の所定領域に予め記憶されている。
【0049】
まず、ステップ400では、HDD18の演算探傷信号記憶領域に記憶されている演算探傷信号、及びHDD18の実測探傷信号記憶領域に記憶されている実測探傷信号を読み出す。
【0050】
次のステップ402では、ステップ400で読み出した実測探傷信号に含まれる裏波信号から求められるビーム路程と、ステップ400で読み出した演算探傷信号に含まれる裏波信号から求められるビーム路程とを比較する。
裏波信号とは、被検査体へ送信した超音波が裏波ビードで反射した信号である。ステップ402では、実測裏波信号から求められるビーム路程と演算裏波信号から求められるビーム路程とを比較することによって、溶接部モデルの裏波ビートの形状(以下、「裏波形状」という。)と被検査体の裏波形状との差異を求める。
【0051】
次のステップ404では、実測探傷信号に含まれる裏波信号から求められるビーム路程と演算探傷信号に含まれる裏波信号から求められるビーム路程との差が所定差(一例として±1mm)以内であるか否かを判定し、肯定判定の場合は、ステップ406へ移行し、否定判定の場合は、ステップ412へ移行する。
【0052】
ステップ406では、実測した溶接部透過信号のビーム路程と演算探傷信号における溶接部透過信号のビーム路程とを比較する。
溶接部透過信号とは、図7に示すように、被検査体50の表面において、超音波を送信する送信部52と反射した超音波を受信する受信部54とを異なる位置に配置するV型反射法(複数の屈折角を有する超音波探傷)を用いて得られた信号である。すなわち、溶接部透過信号は、送信部52から被検査体へ送信された超音波が、溶接部を透過した後に受信部54で受信された信号であり、溶接部の結晶方位の影響がより反映された信号である。
なお、実測した溶接部透過信号は、V型反射法により予め取得され、実測探傷信号の一つとしてHDD18の実測探傷信号記憶領域に予め記憶されているものとする。また、演算した溶接部透過信号は、溶接部透過信号の実測と同様の探傷条件でシミュレーションされて算出された演算探傷信号としてHDD18の溶接探傷信号記憶領域に予め記憶されているものとする。
【0053】
次のステップ408では、実測した溶接部透過信号から求められるビーム路程と演算した実測透過信号から求められるビーム路程との差が所定差(例えば、±1mm)以内であるか否かを判定し、肯定判定の場合は、ステップ410へ移行し、否定判定の場合は、ステップ414へ移行する。
【0054】
ステップ410では、溶接部モデルの作成が完了したことを、例えば画像表示部22を介して溶接部モデルの修正を施すオペレータへ報知し、本プログラムを終了する。
【0055】
一方、ステップ404において否定判定の場合に移行するステップ412では、実測探傷信号から求められるビーム路程と演算探傷信号から求められるビーム路程との差が上記所定差以内になるように、すなわち、実測探傷信号と演算探傷信号との差が小さくなるように、溶接部モデルにおける裏波形状を修正する。
具体的には、ステップ404では、裏波形状の幅や高さ等を修正し、その後ステップ414へ移行する。
【0056】
この場合、図8に示す裏波形状測定装置60によって裏波形状を実測した結果を用いて、溶接部モデルの裏波形状が修正されてもよい。
裏波形状測定装置60は、探触子62と被検査体50との間に柔軟性を有するフレキシブル素材64を配置することで、裏波ビートに対して超音波を垂直に送信し、裏波ビートによって反射した超音波を受信する。このような、裏波形状測定装置60で受信された超音波信号は、溶接部の結晶方位の異方性の影響が小さく、正確な裏波形状を測定することができる。
【0057】
また、ステップ408において否定判定の場合に移行するステップ414では、溶接部モデルにおいて、複数に分割された溶接部の各領域毎の結晶モデルの結晶方位を修正する結晶方位修正処理を実行し、ステップ416へ移行する。
【0058】
ステップ416では、修正した溶接部モデルを、HDD18の溶接部モデル記憶領域に更新して記憶させる出力処理を実施し、本プログラムを終了する。
【0059】
次に、ステップ414で行われる結晶方位修正処理について詳細に説明する。
【0060】
一般的な考え方として、溶接部における結晶方位の変化は、ある程度連続的であり、溶金中央に近づくほど結晶方位は垂直方向となる(図2も参照)。
この考え方を用いて、下記(1)式及び(2)式により、結晶方位を決定するモデル式が提案されており、多数の文献で引用及び適用されている。
【数1】

【数2】

【0061】
図9は、(1)式、(2)式の説明に要する図である。
図9において、下辺が上辺よりも短い台形の領域が溶接部を示す。そして、横方向の軸がy軸であり、縦方向の軸がz軸であり、z=0が溶金中央である。なお、(1)式がy>0の場合を示し、(2)式がy<0の場合を示す。
,Dは、z軸(z=0)を中心とした裏波ビート側における溶接部の長さであり、α,αは、開先角度である。すなわち、開先形状は、長さD,D及び角度α,αによって特定される。また、T,Tは、開先における結晶粒の軸方向の正接(tangent)に比例する値である。さらに、ηは、0以上1以下の範囲における変数である。
そして、F(y,z)は、yz座標の各位置における結晶方位に関係する値であり、値F(y,z)を求めることによって、各溶接部における結晶方位を求めることができる。
なお、(1)式及び(2)式の詳細については、「J.A.Ogilvy、「Computerized ultrasonic ray tracing in austenitic steel」、NDT INTERNATIONAL.VoL 18.No 2.APRIL 1985」に記載されている。
【0062】
図10は、溶接部モデルにおいて溶接部の分割した領域毎に、(1)式及び(2)式に基づいて算出された結晶方位の一例である。
以下の説明において、(1)式及び(2)式を総称して方位推定式という。
【0063】
そして、結晶方位修正処理は、溶接部モデルにおける溶接部の最も溶金中央から離れた領域(開先境界に接する領域であり、図2の例では、領域E,E’)における結晶モデルの結晶方位を修正する。この修正(開先境界の方位修正)は、例えば、溶接部モデルの修正を施すオペレータが、操作入力部20を介して該当領域における結晶モデルの結晶方位の角度を直接入力することによって行われる。
具体的には、開先境界の初期値の方向(0度とする。)に対して離れる方向(プラス方向又はマイナス方向)に変化させる。
【0064】
一方、その他の領域の結晶モデルの結晶方位は、方位推定式を用いて修正する。この修正は、溶接部モデルの修正を施すオペレータが、例えば、操作入力部20を介して、値F(y,z)を算出するために要する値を入力することによって行われる。なお、入力できる値は、結晶位置(y,z)並びに、長さD,D、角度α,α、及び値T,T,ηであるが、長さD,D及び角度α,αは、ステップ412を実行する以前に溶接部モデルの裏波形状が確定しているため、修正する対象とはならない。そのため、オペレータは、値T,T,ηを結晶位置(y,z)に応じて入力することによって、結晶方位を修正する。
【0065】
また、開先境界の方位修正及び方位推定式を用いた修正共に、修正によって溶接部透過信号のビーム路程の差が小さくなる場合、オペレータは、後の修正においても、前回の修正と同じ方向に結晶方位を修正すればよい。しかし、修正によって溶接部透過信号のビーム路程の差が大きくなる場合、オペレータは、後の修正において、前回の修正と異なる方向に結晶方位を修正する。
【0066】
なお、開先境界に接する領域から結晶方位を修正する理由は、開先境界に接する領域の結晶方位が、他の領域の結晶方位の基準となり、オペレータが結晶方位の修正量を直感的に判断し易いためである。一方、その他の領域の結晶方位を方位推定式を用いて修正する理由は、開先境界に接する領域の結晶方位を基準として、より細かく結晶方位を修正するためである。
【0067】
次に、反射源位置推定装置について説明する。
反射源位置推定装置は、溶接部モデル作成装置10によって作成された溶接部モデルを用いて、被検査体へ送信した超音波の反射位置を推定する反射位置推定処理を実行する。すなわち、反射源位置推定処理は、被検査体の溶接部の逆解析を行うための処理である。
【0068】
図11は、本実施形態に係る反射源位置推定装置70の電気的構成を示すブロック図である。
本実施形態に係る反射源位置推定装置70は、反射源位置推定装置70全体の動作を司るCPU72、各種プログラムや各種パラメータ等が予め記憶されたROM74、CPU72による各種プログラムの実行時のワークエリア等として用いられるRAM76、各種プログラム及び各種情報を記憶する記憶手段としてのHDD78を備えている。
【0069】
さらに、反射源位置推定装置70は、キーボード及びマウス等から構成され、各種操作の入力を受け付ける操作入力部80、各種画像を表示する、例えば液晶ディスプレイ装置等の画像表示部82、通信回線84を介して溶接部モデル作成装置10や他の情報処理装置等と接続され、溶接部モデル作成装置10や他の情報処理装置等との間で各種情報の送受信を行う外部インタフェース86を備えている。
【0070】
これらCPU72、ROM74、RAM76、HDD78、操作入力部80、画像表示部82、及び外部インタフェース86は、システムバス88を介して相互に電気的に接続されている。従って、CPU72は、ROM74、RAM76、及びHDD78へのアクセス、操作入力部80に対する操作状態の把握、画像表示部82に対する画像の表示、及び外部インタフェース86を介した溶接部モデル作成装置10や他の情報処理装置等との各種情報の送受信等を各々行なうことができる。
【0071】
そして、反射源位置推定装置70は、外部インタフェース86を介して溶接部モデル作成装置10から、作成された溶接部モデル及び探傷条件を受信し、HDD78の所定領域である溶接部モデル記憶領域に溶接部モデルを記憶し、探傷条件記憶領域に探傷条件を記憶する。
【0072】
図12は、反射源位置推定処理を行う場合に、CPU72によって実行される反射源位置推定プログラムの処理の流れを示すフローチャートであり、該反射源位置推定プログラムはHDD78の所定領域に予め記憶されている。
【0073】
まず、ステップ500では、HDD78の溶接部モデル記憶領域から溶接部モデルを読み出す。
【0074】
次のステップ502では、HDD78の探傷条件記憶領域から探傷条件を読み出す。
【0075】
次のステップ504では、ステップ500で読み出した溶接部モデルとステップ502で読み出した探傷条件に基づいて、被検査体に対する超音波探傷を模擬したシミュレーションを行う。
なお、超音波探傷を模擬したシミュレーションは、有限要素法又は解析回の重ね合わせ手法等を用い、被検査体へ送信した超音波の軌跡をトレースできる機能を有した既存の超音波シミュレーションソフトウェアを用いて行われる。
【0076】
次のステップ506では、ステップ504で行ったシミュレーションによる超音波のトレース結果を画像表示部88又は外部インタフェースを介して印刷装置に出力し、本プログラムを終了する。
図13は、トレース結果の一例であり、出力される結果には、超音波の軌跡と共に、反射源位置が示される。
【0077】
以上説明したように、本実施形態に係る溶接部モデル作成装置10は、複数の溶接部モデルを記憶したHDD18を備え、溶接条件及び配管条件に応じた溶接部モデルをHDD18から選択し、選択した溶接部モデルと探傷条件とに基づいて、超音波探傷を模擬したシミュレーションを実行する。そして、溶接部モデル作成装置10は、実測探傷信号と該演算探傷信号との差が予め定められた所定差となるまで繰り返し溶接部モデルを修正する。
このため、本実施形態に係る溶接部モデル作成装置10は、超音波探傷の対象となる溶接部を含む被検査体を模擬した精度の高い溶接部モデルを作成できる。
【0078】
また、本実施形態に係る溶接部モデル作成装置10は、溶接部モデルにおける被検査体の溶接部の縦断面方向に複数に分割した領域毎に、結晶方位を修正することで溶接部モデルを修正するので、より精度の高い溶接部モデルを作成できる。
【0079】
また、本実施形態に係る溶接部モデル作成装置10は、溶接部における結晶方位の変化は連続的であり、溶金中央に近づくほど結晶方位が垂直方向となる関係を示す方位推定式を用いて、溶接部モデルにおける溶接部を分割した領域毎に結晶方位を修正するので、より精度の高い溶接部モデルを簡易に作成できる。
【0080】
また、本実施形態に係る溶接部モデル作成装置10は、音速と結晶方位との関係に基づいて、溶接部モデルにおける溶接部を分割した領域毎に結晶方位を修正するので、より精度の高い溶接部モデルを簡易に作成できる。
【0081】
また、本実施形態に係る溶接部モデル作成装置10は、溶接部モデルにおける溶接部の裏波ビートの形状を修正するので、より精度の高い溶接部モデルを簡易に作成できる。
【0082】
また、本実施形態に係る反射源位置推定装置70は、溶接部モデル作成装置10によって作成された溶接部モデルを用いて、被検査体へ送信した超音波の反射位置を推定するので、より正確に超音波の反射源位置を推定できる。
【0083】
以上、本発明を、上記実施形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されない。発明の要旨を逸脱しない範囲で上記実施形態に多様な変更または改良を加えることができ、該変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0084】
例えば、上記実施形態では、溶接部モデル選択処理、超音波探傷シミュレーション処理、及び溶接部モデル評価修正処理を全て溶接部モデル作成装置10で実行する形態について説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、溶接部モデル選択処理、超音波探傷シミュレーション処理、及び溶接部モデル評価修正処理を各異なる情報処理装置で実行する形態、又は何れか2つの処理を同一の情報処理装置で実行し、残りの処理を他の情報処理装置で実行する形態としてもよい。この形態の場合、各々の情報所為装置は、例えば、通信回線で接続されており、生成した各種データの送受信が可能とされる。
【0085】
また、上記実施形態では、溶接部モデル作成装置10と反射源位置推定装置70とを異なる情報処理装置とする形態について説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、溶接部モデル作成装置10と反射源位置推定装置70が有する機能を一つの情報処理装置で実現させる形態としてもよい。
【0086】
また、上記実施形態では、結晶モデル修正処理において、溶接部を分割した各領域の結晶方位を修正する形態について説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、各領域の結晶方位を修正するだけでなく、領域の大きさ、分割数等も修正する形態としてもよい。
【0087】
また、上記実施形態では、結晶モデル修正処理において、開先境界の方位修正及び方位推定式を用いて結晶方位を修正する形態について説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、方位推定式のみを用いて結晶方位を修正してもよい。
【符号の説明】
【0088】
10 溶接部モデル作成装置
12 CPU
18 HDD
50 被検査体
62 探触子
70 反射源位置推定装置
72 CPU
78 HDD

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも溶接部を含む被検査体を模擬した複数の溶接部モデルを記憶した記憶手段と、
予め超音波探傷が実行された被検査体に対する溶接の仕様を示す溶接条件、及び溶接された被検査体の仕様を示す被検査体条件に応じた、前記溶接部モデルを前記記憶手段から選択する選択手段と、
前記選択手段で選択された前記溶接部モデルと、被検査体に対して予め実行した超音波探傷で用いた探触子の仕様を示す探傷条件とに基づいて、超音波探傷を模擬した演算を実行する演算手段と、
予め超音波探傷で実測された前記被検査体の超音波探傷信号である実測探傷信号と、前記演算手段による演算によって算出された超音波探傷信号である演算探傷信号との差が小さくなるように、前記溶接部モデルを修正する修正手段と、
を備えた溶接部モデル作成装置。
【請求項2】
前記修正手段は、前記溶接部モデルにおける前記被検査体の溶接部の縦断面方向に複数に分割した領域毎に、結晶方位を修正することによって、前記溶接部モデルを修正する請求項1記載の溶接部モデル作成装置。
【請求項3】
前記修正手段は、溶接部における結晶方位の変化は連続的であり、溶金中央に近づくほど結晶方位が垂直方向となる関係を示す式を用いて、前記領域毎に結晶方位を修正する請求項2記載の溶接部モデル作成装置。
【請求項4】
前記修正手段は、音速と結晶方位との関係に基づいて、前記領域毎に結晶方位を修正することによって、前記溶接部モデルを修正する請求項2又は請求項3記載の溶接部モデル作成装置。
【請求項5】
前記修正手段は、前記溶接部モデルにおける前記溶接部の裏波ビートの形状を修正することによって、前記溶接部モデルを修正する請求項1から請求項4の何れか1項記載の溶接部モデル作成装置。
【請求項6】
請求項1から請求項5の何れか1項記載の溶接部モデル作成装置によって作成された溶接部モデルを用いて、被検査体へ送信した超音波の反射位置を推定する反射源位置推定装置。
【請求項7】
少なくとも溶接部を含む被検査体を模擬した複数の溶接部モデルを記憶した記憶手段から、予め超音波探傷が実行された被検査体に対する溶接の仕様を示す溶接条件、及び溶接された被検査体の仕様を示す被検査体条件に応じた、前記溶接部モデルを選択する第1工程と、
選択された前記溶接部モデルと、被検査体に対して予め実行した超音波探傷で用いた探触子の仕様を示す探傷条件とに基づいて、超音波探傷を模擬した演算を実行する第2工程と、
予め超音波探傷で実測された前記被検査体の超音波探傷信号である実測探傷信号と、演算によって算出された超音波探傷信号である演算探傷信号とに基づいて、該実測探傷信号と該演算探傷信号との差が小さくなるように、前記溶接部モデルを修正する第3工程と、
を含む溶接部モデル作成方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2012−112658(P2012−112658A)
【公開日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−259163(P2010−259163)
【出願日】平成22年11月19日(2010.11.19)
【出願人】(000006208)三菱重工業株式会社 (10,378)
【Fターム(参考)】