説明

溶融縮合によるポリマーの連続製造のための方法及び装置

モノマーをそれら自身とまたはこれらと少なくとも一種の他のモノマーと溶融縮合することによってポリマーを連続的に製造する方法において、溶融したモノマーを触媒の存在下にエステル化またはエステル交換し; 次いで得られたエステル化生成物/エステル交換生成物を、予備縮合のために、環状ディスク反応器に供給し、その後、得られた予備縮合生成物を、重縮合のためにLVS環状ディスク反応器に供給し、そして最後に得られた重縮合生成物を、最終の重縮合のためにHVS環状ディスク反応器に供給する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヒドロキシカルボニル基、ジカルボン酸基、酸無水物基、リン酸基、ホスホノ基、ホスホネート基、ホスフィノ基、ホスフィネート基、カルボニル基、カルボキシル基、スルホニル基、スルホネート基、シロキサン基及びアミノ基を有するモノマーをそれぞれそれら自身と、またはこれらを、モノマーとしてのジフェノール、ジアルコール、ジアミン及びカーボネートの少なくとも一種と溶融縮合することによって、ポリホスホネート、ポリスルホン、ポリアリーレート、ポリアミド、ポリアリーレンエーテル及びポリエーテルケトンを連続製造するための方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
エステル交換触媒の存在下にモノマー性カーボネート成分と少なくとも一種のジフェノールまたはジアルコールを反応させることによってポリカーボネートを製造する方法がドイツ特許出願公開第10059616号から知られている。この方法では、溶融された上記成分をエステル交換触媒と一緒に攪拌してエステル交換生成物を生じせしめ、そしてこれを重縮合する。製造されるポリカーボネートは、可能な限り狭い分子量分布及び少ない側鎖分枝を有し、可能な限り黒色粒子を含まず、黄変色はごく僅かであり、かつゲル含量は少量のみであるべきである。これは、上記エステル交換生成物を、重縮合のために、予備反応器、少なくとも一基の中間反応器及び最終反応器に導くことによって達成される。直列に接続されたこれらの反応器は、攪拌要素が取り付けられた実質的に水平に駆動する回転軸を有する。予備反応器における温度は220ないし300℃の範囲であり、そして最終反応器中における温度は240ないし350℃の範囲であり、その際、圧力は予備反応器では100ないし800mbarそして最終反応器では0.1ないし50mbarになる。直列に接続された上記中間反応器の数は通常1ないし3基である。生成した蒸気は各反応器から吸引排出する。予備反応器及び最終反応器における溶融物の滞留時間はそれぞれ5ないし120分である。
【0003】
ヒドロキシカルボニル基、ジカルボン酸基、酸無水物基、リン酸基、ホスホノ基、ホスホネート基、ホスフィネート基、カルボニル基、カルボキシル基、スルホニル基、スルホネート基、シロキサン基及びアミノ基を有するモノマーをそれぞれそれら自身と、またはこれらを、モノマーとしてのジフェノール、ジアルコール、ジアミン及びカーボネートの少なくとも一種と溶融縮合することによってポリホスホネート、ポリスルホン、ポリアリーレート、ポリアミド、ポリアリーレンエーテル及びポリエーテルケトンの連続製造についても上記の技術的教示を使用する試みが不足していたわけではないが、所望の結果に至っていない。
【特許文献1】ドイツ特許出願公開第10059616号明細書
【発明の開示】
【0004】
上記ポリマーが、<10のb指数(黄−青帯び性(Gelb-Blau-Sichigkeit))、>80のL指数(光透過性)及び2〜5の多分散性を示し、並びにゲルの含有量が多くとも1000mg/1000kgになりかつ僅かな黒色粒子のみが存在するようにするために、本発明においては次のように規定されるものである: 溶融したモノマーを攪拌反応器に供給し、そしてその中で、添加した触媒の存在下に、150ないし300℃の温度、|500|ないし|5000|mbarの圧力及び10ないし240分の滞留時間で、エステル化もしくはエステル交換し、生じた0.1ないし100Pa・sの粘度を有するエステル化生成物またはエステル交換生成物を、予備縮合のために、環状ディスク反応器(Ringscheibenreaktor)において、上記攪拌反応器中の圧力の5ないし95%の圧力、10ないし90分の滞留時間で、それの進入温度よりも30から120℃高い温度に連続的に加熱、予備縮合し、生じた10ないし1000Pa・sの粘度を有する予備縮合生成物を、重縮合のために、少なくとも一基のLVS環状ディスク反応器中において、上記予備縮合段階における圧力の5ないし95%の低められた圧力下に、10ないし90分の滞留時間及び少なくとも0.05/sの剪断速度で、それの進入温度よりも30から70℃高い温度に連続的に加熱し、そして生じた100ないし10000Pa・sの粘度を有する重縮合生成物を、最終重縮合のために、HVS環状ディスク反応器において、前記LVS環状ディスク反応器中の圧力の5ないし95%の低められた圧力下に、10ないし90分の滞留時間及び少なくとも0.05/sの剪断速度で、それの進入温度よりも5から70℃高い温度に連続的に加熱し、次いで生成物を取り出す。
【0005】
本発明方法の有利な態様を請求項2ないし8に記載する。
【0006】
有利には、上記エステル化/エステル交換、予備縮合、重縮合及び最終重縮合において生じる分裂生成物を含有する蒸気から、分別凝縮または蒸留によってモノマーを得、そしてこれを工程に返送する。この際、攪拌反応器における新鮮なモノマーと返送されたモノマーとのモル比は、各モノマーの蒸気圧に相互に及び反応条件に依存して、1:1.0001ないし1:3.5、好ましくは1:1.1ないし1:2.5である。前記の蒸気は僅かな減圧を用いて吸引排出される。その際、蒸気噴射ポンプ及び液体噴射ポンプが特に安全に稼動できることが判明している。
【0007】
良好な色値、わずかな熱負荷を考慮した場合、また構造粘性挙動を有するポリマーにおいては、重縮合への進入前の予備縮合生成物の温度及び/または最終重縮合への進入前の重縮合生成物の温度は、例えばトレース加熱または熱交換器によって、2〜50℃上昇させることが有利である。
【0008】
本発明の更に別の特徴の一つでは、反応器要素によって生ずる剪断応力によって過大な熱負荷が発生しそしてそれによってポリマーが分解する恐れがあるような場合には、重縮合への進入の前の予備縮合生成物の温度及び/または最終重縮合への進入の前の重縮合生成物の温度を、例えばトレーサー冷却または熱交換器によって2〜30℃低下させることができる。
【0009】
モノマーのほぼ等しい局所的滞留期間及び幅広い滞留期間を伴う栓流を可能にする順番に一列に配置した環状ディスク反応器を用いて、予備重縮合、次いで重縮合及び最終重縮合を介してポリマーを連続的に製造することは、各環状ディスク反応器における温度を段階的に上昇させること、及び分裂生成物の蒸発に必要な低圧を段階的に適合させることを可能にする。このような適合は、ポリマーの粘度が比較的低く及び最終重縮合と比較してポリマーの融点が比較的低い予備縮合において、より低い温度を設定し得るという利点を有する。
【0010】
環状ディスク反応器中において最適な栓流に達成するためには、長さと内部空間の直径の比は0.5:1ないし10:1、好ましくは2:1ないし5:1である。
【0011】
圧力が低下するにつれて増加する分裂生成物の量に適合させる目的で、高速流及びそれによって引き起こされる小さな液体粒子の同伴を避けるために、環状ディスク反応器のうちの一つまたはそれ以上を円錐形にすることができる。この場合、長さと直径の比は、最も狭い所で<1.1:1、好ましくは0.5:1ないし1:1とすることができる。
【0012】
予備縮合を行うために使用される環状ディスク反応器は、反応空間の加熱及びそこで必要な温度の設定のための二重外側ジャケットを有する横置き型の円筒形容器から構成される。エステル化生成物/エステル交換生成物は、上記反応空間の下部に前面から水平に進入する。予備縮合生成物は、反応器の裏面で、軸に対して半径方向に下方に排出され、そして蒸気は、前記の予備縮合生成物の排出とは逆の方に軸に対して半径方向に上方に、または軸方向に後方もしくは下方に抜き出される。反応空間中には、空間内を貫通する回転軸上にスポークによって固定された環状ディスクが、加工される溶融粘度に応じて個別にもしくは組合せで配置される。この環状ディスクは、金属壁によって各々仕切られた容器下部区域の小室中で回転する。これは、反応室内に流入するエステル化/エステル交換生成物が、混合されない状態で反応室を進行して排出されることを防ぐ。上記金属壁には、特別に形成された開口部が設けられ、これは小室から小室への目的とされる生成物の交換を保証する。環状ディスクは、約75%まで満たされた小室からエステル化/エステル交換生成物を載せ取り、そして載せたまま一緒に引き上げる。水平位置を超えると、重力の作用が益々強く現れ、そしてこの重力作用が、粘着性の層を二つの経路で小部屋中に戻しそしてそこで再び混合することを可能にする。こうして、下に落ちるものは当然に、引き上げられる材料とぶつかるので、環状ディスクに沿って淀みが生ずる。このように流れが妨害されることによって、環状ディスクの内縁からの垂直方向の流下及び滴下が大きく促進され、そして大きな表面積を持つ薄い飛沫及び膜が、全自由ディスク表面上に生じる。これらは、液体が溜まっているところに流れ戻りそしてそこで再び混合される。
【0013】
予備縮合生成物は、エステル化/エステル交換生成物と比べて高い溶融粘度を有するので、重縮合の際の分解現象を避けるために強力な混合が必要である。それ故、反応器壁及び攪拌ディスクを清浄するため並びに生成物をあらためて分散もしくは混合するために、容器中に剪断要素を取付けなければならない。これは、加熱可能な二重ジャケット並びに平坦な前面及び裏面を有する横置き型の円筒形容器から構成される、いわゆるLVS環状ディスク反応器(L=Low(低)、V=viscosity(粘度)、S=selfcleaning(自己浄化型))において達成される。予備縮合生成物は、反応器前面から水平に、反応器の下部区域に及び/または蓋のところの軸受けに供給される。蒸気の排気口は、反応空間の末端のところの反応器の周囲にまたは裏面にある。前区域、とりわけ反応器の前部1/3の区域には、スポークによって数個の環状ディスクが固定されたスタブ軸(Wellenstummel)が配置され、そして終端部には、一つの環状ディスクが固定された短いスタブ軸が配置される。これらの環状ディスクは、反応器容器の長さにわたって延びる複数の梁要素によって結ばれ、そして上記両スタブ軸の間の区域において上記梁要素に更なる環状ディスクが固定される。その結果、該攪拌機は1種の自己支持型の籠である。上記梁要素は傾斜しておりそして汲み取り機能を果たす。各自の選択に応じて、ポリマー生成物の排出は、特別な固定子または壁近くのスクレイパーで供され得る。スクレイパー及び環状ディスクは、容器壁に沿って可能な限り密接に掻走する。
【0014】
最終重縮合生成物の製造のためには、予備縮合生成物よりも比較的より高い溶融粘度を有する重縮合生成物を、加熱可能な二重ジャケット並びに前面及び裏面に平坦な蓋を有する円筒形容器から構成される、いわゆるHVS環状ディスク反応器(H=high(高)、V=viscosity(粘度)、S=selfcleaning(自己浄化型))に供給する。蒸気排気口は、要件に応じて、容器の周囲にあるかまたは生成物排出面に当たる容器の裏面にある。HVS環状ディスク反応器は、反応空間中に加熱可能な中空軸を有し、この中空軸は、回転可能な環状ディスク(攪拌要素)を有する。上記環状ディスクの間には、それらに近接させてワイパーが配置される。これらのワイパーは、回転軸と環状ディスクがワイパーの縁の近くを狭い間隔で過ぎるように配置される。この際、ワイパーの一部は、相応して形成された構造的特徴によって同時に阻流要素として働く。最終重縮合生成物は、軸に対して半径方向に配置された排出管を介して排出される。
【0015】
このような環状ディスク反応器はZ.:Kunststoffe 82(1992)1、17〜20頁に記載されている。
【実施の形態】
【0016】
本発明を、添付の図面に略図したプロセスフロー図に基づいて更に詳しく及び例示的に説明する。
【0017】
粉末状のモノマー性ホスフェート成分を、導管1を介して前置容器2に、そして粉末状のジフェノールを、導管3を介して前置容器4に供給し、次いで導管5もしくは6を介して計量スクリュー供給器7もしくは8に装入する。計量スクリュー供給器7、8からの排出物は、導管9、10を介して、熱交換器11、12及び攪拌機13、14を装備した溶融器15もしくは16中に連続的に装入する。トレース加熱された双方の溶融物ポンプ輸送式導管17、18から、溶融されたモノマーを、エステル化/エステル交換反応の化学量論により決定される一定部分(aliquot)の質量流量で、導管19、20を介して、小室21及び攪拌機22を備えた加熱可能なタンク反応器23に供給し、それに導管24を介して前置容器25から混合触媒を供給する。上記両モノマーの反応によって生じたエステル化/エステル交換生成物を、予備縮合するために、導管26を介して、加熱可能な環状ディスク反応器27に供給する。エステル化/エステル交換の際に生成された蒸気は導管28を介して蒸留塔29に流れる。この蒸留塔において、同伴した分裂生成物は塔頂から導管30を介して排出される。蒸気もしくは液体噴射システム(詳述せず)を用いて環状ディスク反応器27から導管31を介して蒸気を吸引し、容器32中で凝縮し、導管33を介して収集容器34に集め、そして導管35を介して蒸留塔29に導く。環状ディスク反応器27を離れた予備縮合生成物は、導管36を介して、攪拌軸の軸受け上からLVS環状ディスク反応器37中に流入する。蒸気は、蒸気もしくは液体噴射システム(詳述せず)を用いて導管38を介して吸引排出し、容器39中で凝縮し、導管40を介して収集容器34に供給し、そしてそこから導管35を介して蒸留塔29に送る。導管41を介してLVS環状ディスク反応器37から流出する重縮合生成物は、少なくとも一つのギヤポンプ42を用いてHVS環状ディスク反応器43に供給する。蒸気または液体噴射システム(これ以上の説明なし)を用いて、導管44を介して蒸気を吸引排出し、容器45中で凝縮し、導管46を介して収集容器47に送り、そしてそれから導管48を介して蒸留塔29に供給する。最終重縮合生成物は、導管49を介して、ギヤポンプ50の使用して取り出しそして二次加工に供給する。
【実施例】
【0018】
以下に、幾つかの実施例により本発明の方法を説明する。予備縮合は、反応空間の体積が50L及び長さ:直径比が6の環状ディスク反応器中で行われる。重縮合は、反応空間の体積が48L及び長さ:直径比が4のLVS環状ディスク反応器中で行われる。最終重縮合には、反応空間の体積が45L及び長さ:直径比が2.5のHVS環状ディスク反応器が使用される。処理量は最終重縮合生成物の量を基準にして50kg/hである。個々の環状ディスク反応器中での材料の平均滞留時間は、トレーサー標識を用いて測定する。
【0019】
実施例1
粉末状のビスフェノールAを前置容器2から、そして粉末状のジフェニルメチルホスフェートを前置容器4から連続的に溶融器15もしくは16に導入し、そして溶融されたモノマーを、反応の化学量論によって定められる一定部分量の質量流量で攪拌タンク反応器23に供給する。前置容器25からビスフェノールのアルカリ塩及び酢酸亜鉛から組成される混合触媒の添加を、上記攪拌タンク反応器23に対して行う。両モノマーの反応は240℃の温度及び800mbarの圧力で行う。その際遊離するフェノールは、反応の進行の測定のために集め、秤量する。攪拌タンク反応器23から流出したエステル交換生成物はなお低い溶融粘度を有し、そしてなお少量の未反応のモノマーを含有する。分子量分布、モノマーの残留含有量及び平均分子量を、クロマトグラフィーを用いて監視する。このエステル交換生成物を200mbarの圧力で稼働される環状ディスク反応器27中に装入する。この反応器では、反応空間長を進行する間に240℃から280℃への連続的加熱が行われる。その際、上記エステル交換生成物は、孔が設けられた回転環状ディスクにより、大きな表面の薄膜の状態及び30分の滞留時間で、繰り返し単位数が10の鎖長まで縮合される。生成した分裂生成物を吸引排出し、凝縮しそして再処理のため蒸留29に供給する。環状ディスク反応器27から、予備縮合生成物が、15mbarの圧力で稼働するLVS環状ディスク反応器37に流入する。この反応器では、予備縮合生成物はその反応空間長を進行するうちに20分の間に305℃の温度に加熱される。繰り返し単位数20〜55の鎖長まで縮合可能な重縮合生成物であるため、予備縮合生成物を、相応する適当な剪断要素による剪断ひずみに付しそしてそれによって強力な混合を得ることが必要である。重縮合生成物はLVS環状ディスク反応器37からHVS環状ディスク反応器43に至り、その中で、反応空間長を進行する間に1.5mbarの圧力及び20分の滞留時間で330℃の温度に連続的に加熱され、そして重縮合が終結させる。重縮合生成物の粘度は、反応空間長を進行する間に連続的に増大するため、該重合生成物は高められた剪断ひずみに付される。HVS環状ディスク反応器43から流出する最終重縮合生成物は、分解生成物による黄着色は僅かであり、ゲル及び黒色粒子の量は極めて少なく、そして狭い分子量分布を有する。
【0020】
実施例2
攪拌タンク反応器23に、テレフタル酸、イソフタル酸及びビスフェノールAを1:0.75:1.75のモル比で装入する。モノマーの反応を280℃の温度及び800mbarの圧力で開始する。その際遊離する水を反応の進行の測定のため集め、秤量する。タンク反応器23から流出するエステル化生成物を環状ディスク反応器27に供給する。この反応器中で、250mbarの圧力及び45分の滞留時間で、反応空間長を進行するうちに280℃の温度から300℃の温度に連続的に加熱し、予備縮合する。生成した分裂生成物を吸引排出しそして蒸留塔29に導く。この予備縮合生成物はLVS環状ディスク反応器37に流入し、そしてその中で、25mbarの圧力及び20分の滞留時間で、反応空間長を進行する間に320℃の温度に連続的に加熱する。このLVS環状ディスク反応器37を離れた重縮合生成物はその後HSV環状ディスク反応器43に至り、その中で0.5mbarの圧力及び25分の滞留時間で反応空間長を進行するうちに330℃の温度に連続的に加熱され、そして重縮合は終結する。HVS環状ディスク反応器43から排出される最終重縮合生成物は、分解生成物による黄着色は僅かであり、ゲル及び黒色粒子の量は極めて少なく、そして狭い分子量分布を有する。触媒としてのテレフタル酸、イソフタル酸及びビスフェノールAからなる上記混合物にビスフェノールのアルカリ塩を更に添加した場合にも、同等の結果が達成される。
【0021】
実施例3
4個の前置容器から、テレフタル酸、イソフタル酸、p−フェニレンジアミン及びo−フェニレンジアミンを1:1:1.03:1のモル比で攪拌タンク反応器23に供給する。更に別の一つの前置容器からチタン有機化合物の形の触媒の添加を行う。モノマーの反応は180℃の温度及び1000mbarの圧力で行われる。その際遊離した水は、反応の進行の測定のため集め、秤量する。エステル化生成物は、攪拌タンク反応器23から環状ディスク反応器27に至り、その中で、500mbarの圧力、25分の滞留時間で及び反応空間長を進行する間に180℃の温度から250℃の温度に連続的に加熱しながら、予備縮合を行う。その際生ずる分裂生成物は吸引排出しそして蒸留塔29に供給する。上記予備縮合生成物は環状ディスク反応器27から、25mbarの圧力下のLVS環状ディスク反応器37に流入する。20分の滞留時間で、上記予備縮合生成物を、反応空間長を進行するうちに270℃の温度に連続的に加熱し、重縮合する。得られた重縮合生成物は、上記LVS環状ディスク反応器37からHSV環状ディスク反応器43に供給され、その中で、0.5mbarの圧力及び15分の滞留時間で、反応空間長を進行する間に300℃の温度に連続的に加熱して重縮合を行い、そして終結させる。得られた最終重縮合生成物は、前記の実施例の重縮合生成物が有するものと同等の有利な性質を有する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明のプロセスフロー図を例示するものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒドロキシカルボニル基、ジカルボン酸基、酸無水物基、リン酸基、ホスホノ基、ホスホネート基、ホスフィノ基、ホスフィネート基、カルボニル基、カルボキシル基、スルホニル基、スルホネート基、シロキサン基及びアミノ基を有するモノマーをそれぞれそれら自身と、またはこれらをモノマーとしてのジフェノール、ジアルコール、ジアミン及びカーボネートの少なくとも一種と溶融縮合することによって、ポリホスホネート、ポリスルホン、ポリアリーレート、ポリアミド、ポリアリーレンエーテル及びポリエーテルケトンを連続的に製造する方法であって、
・溶融したモノマーを攪拌反応器(23)に供給し、そしてその中で、添加した触媒の存在下、150ないし300℃の温度、|500|ないし|5000|mbarの圧力及び10ないし240分の滞留時間でエステル化またはエステル交換し;
・生じた0.1ないし100Pa・sの粘度を有するエステル化またはエステル交換生成物を、予備縮合のために、環状ディスク反応器(27)において、前記攪拌反応器の圧力の5ないし95%の圧力及び10ないし90分の滞留時間で、それの進入温度よりも30から120℃高い温度に連続的に加熱し;
・生じた10ないし1000Pa・sの粘度を有する予備縮合生成物を、重縮合のために、少なくとも一つのLVS環状ディスク反応器(37)において、上記予備縮合段階の圧力の5から95%に低められた圧力、10ないし90分の滞留時間及び少なくとも0.05/sの剪断速度で、それの進入温度よりも30から70℃高い温度に連続的に加熱し; そして
・生じた100ないし10000Pa・sの粘度を有する重縮合生成物を、最終重縮合のために、HVS環状ディスク反応器(43)において、前記LVS環状ディスク反応器の圧力の5から95%の低められた圧力、10ないし90分の滞留時間、及び少なくとも0.05/sの剪断速度で、それの進入温度よりも5から70℃高い温度に連続的に加熱し、次いで生成物を取り出すことを特徴とする上記方法。
【請求項2】
エステル化もしくはエステル交換、予備縮合、重縮合及び最終重縮合において生じる分裂生成物を含有する蒸気から、分別凝縮もしくは蒸留(29)によってモノマーを回収し、そして工程に返送することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
攪拌反応器(23)における新鮮なモノマーと返送されたモノマーとのモル比が、それぞれのモノマーの蒸気圧の相互に及び反応条件に依存して、1:1.0001ないし1:3.5、好ましくは1:1.1ないし1:2.5であることを特徴とする、請求項1及び2のいずれか一つに記載の方法。
【請求項4】
重縮合段階(37)への進入の前の予備縮合生成物の温度及び/または最終重縮合段階(43)への進入の前の重縮合生成物が、2から50℃高められることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一つに記載の方法。
【請求項5】
重縮合段階(37)への進入の前の予備縮合生成物の温度及び/又は最終重縮合段階(43)への進入の前の重縮合生成物が、2から30℃低められることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一つに記載の方法。
【請求項6】
少なくとも1種の固体のモノマーを、少なくとも1種の溶融されたまたは液状のモノマーと混合してペーストまたは懸濁液とし、そしてこの混合物を前記攪拌反応器に供給することを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一つに記載の方法。
【請求項7】
予備縮合段階(27)と重縮合段階(37)との間及び/または重縮合段階と最終重縮合段階(43)との間に熱交換器が配置されることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一つに記載の方法の実施のための装置。
【請求項8】
攪拌反応器(23)と予備縮合段階(27)との間、並びに予備縮合段階及び/または重縮合段階(37)及び/または最終重縮合段階(43)の間に敷設される配管(26,36,41)に加熱ジャケットが備えられることを特徴とする、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
環状ディスク反応器(27、37、43)に供給される生成物が、それぞれ、回転軸の軸受けから供給可能であることを特徴とする、請求項7及び8のいずれか一つに記載の装置。
【請求項10】
環状ディスク反応器(27、37、43)の間に敷設された生成物輸送導管(36、41)に、固定の間隔で組み合わされたギヤを有する少なくとも一つのギヤポンプ(42)が各々組み込まれることを特徴とする、請求項7〜9のいずれか一つに記載の装置。














【図1】
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【公表番号】特表2007−533769(P2007−533769A)
【公表日】平成19年11月22日(2007.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−522242(P2006−522242)
【出願日】平成16年5月26日(2004.5.26)
【国際出願番号】PCT/EP2004/005653
【国際公開番号】WO2005/023905
【国際公開日】平成17年3月17日(2005.3.17)
【出願人】(507143897)ルルギ・ツィンマー・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング (9)
【Fターム(参考)】