説明

溶融設備

【課題】燃焼排ガスの流路が閉塞したり、狭められたりすることを抑止して燃焼排ガスを安定して循環させることを課題とする。
【解決手段】灰分を燃焼溶融する溶融炉と、前記溶融炉上方に配された二次燃焼室と、前記溶融炉で発生したスラグを下方へ案内するスラグ抜出シュートと、前記スラグ抜出シュートと前記二次燃焼室とを連通するバイパス流路20と、バイパス流路20の間に設けられ、流路断面が狭められた絞り部23を有すると共にバイパス流路20に燃焼排ガスGを吸引するエゼクタ22と、エゼクタ22の内壁面21aに燃焼排ガスGに混入する混入物が付着することを防止する付着防止手段31(41)と、を備えることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、溶融設備に関するものである。
【背景技術】
【0002】
周知のように、都市ごみを始めとして不燃ごみ、焼却残渣、汚泥、埋立ごみ等の廃棄物まで幅広く処理できる技術としてガス化溶融システムがある。このガス化溶融システムは、廃棄物を熱分解してガス化するガス化炉と、このガス化炉の下流側に設けられ、ガス化炉にて生成された熱分解ガスを高温燃焼させ、ガス中の灰分を溶融スラグ化する溶融設備を備えている。
【0003】
下記特許文献1においては、ガス化溶融システムの溶融設備として、熱分解ガス及びチャーを高温燃焼する溶融炉と、溶融炉で生成したスラグを排出させる排出設備と、溶融炉で生成した燃焼排ガスを再燃焼させる二次燃焼室とを備えており、溶融炉のスラグタップ下部に設けた燃焼排ガス抜き出し用配管を通して、燃焼排ガスを吸引するエゼクタを設け、燃焼排ガスをエゼクタに吸引させるための駆動空気をエゼクタに送り込むファンを設けている。このような構成により、高温の燃焼排ガスを循環させ、スラグタップを高温に維持してスラグが凝固することを連続的に抑止すると共に、循環のために燃焼排ガスの温度を低下させることなく良好に循環を継続させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−161411号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の技術においては、低沸点の塩類や燃焼排ガスに同伴するスラグ滴等が燃焼排ガスに混入すると共に燃焼排ガスに同伴し、エゼクタの内壁面に混入物が付着して流路を閉塞したり、流路を狭めたりするために、燃焼排ガスの循環が不安定になってしまうという問題があった。
【0006】
本発明は、このような事情を考慮してなされたもので、燃焼排ガスの流路が閉塞したり、狭められたりすることを抑止して燃焼排ガスを安定して循環させることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明は以下の手段を採用している。
すなわち、本発明に係るガス化溶融炉は、灰分を燃焼溶融する溶融炉と、前記溶融炉上方に配された二次燃焼室と、前記溶融炉で発生したスラグを下方へ案内するスラグ抜出シュートと、前記スラグ抜出シュートと前記二次燃焼室とを連通するバイパス流路と、前記バイパス流路の間に設けられ、流路断面が狭められた絞り部を有すると共に前記バイパス流路に燃焼排ガスを吸引するエゼクタと、前記エゼクタの内壁面に前記燃焼排ガスに混入する混入物が付着することを防止する付着防止手段と、を備えることを特徴とする。
この構成によれば、付着防止手段を備えるので、燃焼排ガスにダストや塩類の混入物がエゼクタの内壁面に付着することを防止する。これにより、燃焼排ガスの流路が閉塞したり、狭められたりすることがなくなるために、燃焼排ガスを安定して循環させることができる。
【0008】
また、付着防止手段は、前記エゼクタの内壁面に付着した付着物を除去する付着物除去部を有することが好ましい。
この構成によれば、エゼクタの内壁面に付着した付着物を除去する付着物除去部を備えるので、燃焼排ガスに含まれる混入物がエゼクタの内壁面に付着したとしても、付着物を除去することができる。
【0009】
また、前記付着物除去部は、前記エゼクタの内壁面に振動を付与することが好ましい。
この構成によれば、付着物除去部がエゼクタの内壁面に振動を付与するので、燃焼排ガスやエゼクタの駆動空気の円滑な流れを阻害しないで、エゼクタの内壁面の付着物を除去することができる。
【0010】
また、前記付着物除去部は、前記エゼクタの内壁面に空気を吹き付けることが好ましい。
この構成によれば、付着物除去部がエゼクタの内壁面に空気を吹き付けるので、エゼクタの内壁面に付着した付着物を吹き付けた空気によって除去すると共に、除去した付着物をエゼクタの流れに合流させる。これにより、付着物をより確実に下流側に流すことができ、清掃等のメンテナンスの手間を軽減することができる。
【0011】
また、前記付着物除去部は、前記エゼクタの内壁面に機械洗浄を行うことが好ましい。
この構成によれば、付着物除去部がエゼクタの内壁面に機械洗浄を行うので、エゼクタの内壁面の付着物を直接的に除去することができる。
【0012】
また、前記付着防止手段は、前記絞り部の上流に設けられ、前記導入された前記燃焼排ガスを旋回させて旋回流を形成すると共に前記旋回流に含まれる混入物を遠心分離する旋回分離部を有することが好ましい。
この構成によれば、絞り部の上流に、旋回流に含まれる混入物を遠心分離する旋回分離部を備えるので、絞り部に到達する混入物を低減することができる。これにより、エゼクタの内壁面に付着する付着物を低減することができる。
【0013】
また、前記旋回分離部は、前記燃焼排ガスの旋回流が沿って流れる内壁を冷却する冷却系を備えることが好ましい。
この構成によれば、燃焼排ガスの旋回流が沿って流れる内壁を冷却する冷却系を備えるので、燃焼排ガスに含まれる揮発した塩類を凝固させて燃焼排ガスに混入した塩類と燃焼排ガスとを分離することができる。これにより、エゼクタの内壁面に付着する付着物をさらに低減することができる。
【0014】
また、前記エゼクタは、直列に複数設けられていることが好ましい。
この構成によれば、エゼクタが直列に複数設けられているので、圧力損失が大きい旋回分離部を絞り部の上流に設けたとしても、バイパス流路に燃焼排ガスを良好に導入することができる。
【0015】
また、前記付着防止手段は、前記エゼクタの内壁面に沿ってフィルム空気を形成するフィルム空気形成部を備えることが好ましい。
この構成によれば、エゼクタの内壁面に沿ってフィルム空気を形成するフィルム空気形成部を備えるので、燃焼排ガスに含まれる混入物がエゼクタの内壁面に到達し難くなる。これにより、絞り部に付着する混入物を低減することができる。
【0016】
また、前記付着防止手段は、前記バイパス流路に設けられ、上流側で分岐すると共に下流側で合流する切替可能な複数の分岐流路を備え、前記複数の分岐流路には、それぞれ前記エゼクタを備えていることが好ましい。
この構成によれば、バイパス流路が、上流側で分岐すると共に下流側で合流する切替可能な複数の分岐流路を備え、エゼクタが各分岐流路に設けられているので、一の分岐流路を用いて燃焼排ガスを循環させると共に、他の分岐流路におけるエゼクタを清掃することができるので、溶融設備の稼働を継続させながらエゼクタを清掃してエゼクタの内壁面の付着物を除去することができる。
【0017】
また、前記付着防止手段は、前記エゼクタの上流に設けられ、前記燃焼排ガスに散液して前記燃焼排ガスに含まれる混入物を除去する散液部を備え、前記エゼクタは、駆動用空気が前記散液された液体が気化する温度以上とされていることが好ましい。
この構成によれば、付着防止手段が散液部を備えると共にエゼクタの駆動用空気が散液された液体が気化する温度以上とされているので、散液により燃焼排ガスにミスト状の液体が含まれることとなっても、この液体を気化させてエゼクタの内壁面及びバイパス流路壁面に液体が付着することを抑止する。これにより、エゼクタの内壁面及びバイパス流路壁面に付着した液体によって、燃焼排ガス中の残留混入物が捕捉されることを抑止するので、燃焼排ガスの流路が閉塞したり、狭められたりすることを防止して燃焼排ガスを安定して循環させることができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明に係る溶融設備によれば、燃焼排ガスの流路が閉塞したり、狭められたりすることを抑止して燃焼排ガスを安定して循環させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施形態に係るガス化溶融システムSの概略図である。
【図2】本発明の第一実施形態に係る溶融設備1Aの要部拡大図である。
【図3】本発明の第一実施形態に係るエゼクタ21の拡大断面図である。
【図4】本発明の第一実施形態の第一変形例に係るエゼクタ21Aの拡大断面図である
【図5】本発明の第一実施形態の第二変形例に係るエゼクタ21Bの拡大断面図である。
【図6】本発明の第二実施形態に係る溶融設備1Bの要部拡大図である。
【図7】本発明の第二実施形態の第一変形例に係る溶融設備1B1の概略構成図である。
【図8】本発明の第二実施形態の第二変形例に係る溶融設備1B2の要部拡大断面図である。
【図9】本発明の第三実施形態に係る溶融設備1Cの要部拡大断面図である。
【図10】本発明の第三実施形態の変形例に係る付着防止手段36Aを示す概略構成図である。
【図11】本発明の第四実施形態に係る溶融設備1Dを示す概略構成図である。
【図12】本発明の第五実施形態に係る溶融設備1Eを示す概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照し、本発明の実施の形態について説明する。
まず最初に、本発明の第一実施形態〜第四実施形態に係るガス化溶融システムSの概略について説明する。
(ガス化溶融システム)
図1は、ガス化溶融システムSの概略図である。
ガス化溶融システムSは、廃棄物を熱分解してガス化する流動床式ガス化炉100と、該流動床式ガス化炉100の下流側に設けられ、流動床式ガス化炉100にて生成された熱分解ガスCを高温燃焼させてガス中の灰分を溶融スラグ化する溶融設備1Aと、溶融設備1Aから排出された燃焼排ガスGを処理する排ガス処理設備200を備えている。
【0021】
流動床式ガス化炉100は、廃棄物Dが投入された廃棄物投入ホッパ101と、廃棄物投入ホッパ101の出口に接続された入口を有し、水平方向に廃棄物Dを押し出すプシャー式の第一給じん装置102aと、上部が第一給じん装置102aの出口に接続され、上下に延びる空間を形成する接続シュート102bと、接続シュート102bの下部に接続された入口を有するスクリュー式の第二給じん装置102cと、第二給じん装置102cから廃棄物Dが定量供給される炉本体103を備えている。
【0022】
炉本体103には、例えば、温度約120〜230℃、空気比0.2〜0.7程度の燃焼空気B1が炉下部から風箱103aを介して炉内に吹き込まれ、流動層温度が450〜600℃程度に維持されており、廃棄物Dを熱分解ガス化して、ガス、ガス状のタール、チャー(炭化物)に分解する。なお不燃物Nは不燃物排出口103bより逐次排出される。
【0023】
チャーは炉本体103の流動層内で徐々に微粉化され、ガス及びガス状のタールに同伴して溶融設備1Aの旋回溶融炉2へ導入される。以下、旋回溶融炉2へ導入されるこれらの成分を総称して熱分解ガスCと呼ぶ。
【0024】
(溶融設備)
図2は、溶融設備1Aの要部拡大図である。
溶融設備1Aは、図2に示すように、竪型の旋回溶融炉(溶融炉)2と、旋回溶融炉2の上方に配された二次燃焼室8と、スラグカットバーナ7aを有していると共に旋回溶融炉2で発生したスラグを下方へ案内するスラグ抜出シュート7と、二次燃焼室8の下流側に配設されたボイラ9と、旋回溶融炉2の下方に設けられた水砕槽10と、スラグ抜出シュート7と二次燃焼室8とを連通するバイパス流路20とを備えている。
【0025】
旋回溶融炉2は、図1及び図2に示すように、流動床式ガス化炉100より排出された熱分解ガスCを燃焼空気B2と混合して炉内に吹き込む熱分解ガスバーナ3を備えている。
旋回溶融炉2では、図2に示すように、混合された熱分解ガスCと燃焼空気B2とが炉内で旋回流を形成しながら燃焼することにより、炉内温度が1300〜1500℃に維持されると共に、熱分解ガスC中の灰分が溶融、スラグ化される。この溶融スラグは、旋回溶融炉2の内壁面に付着、流下し、炉底部のスラグ出滓口6からスラグ抜出シュート7を経て水砕槽10に排出される。
【0026】
ここで、バイパス流路20は、図2に示すように、バイパス流路20の途中に設けられた燃焼排ガスGを吸引するエゼクタ21を備えており、燃焼排ガスGがバイパス流路20を介してスラグ抜出シュート7から二次燃焼室8に導かれるようになっている。すなわち、高温の燃焼排ガスGがスラグ出滓口6を連続的に通過することで、溶融スラグが凝固することを抑止している。このバイパス流路20の詳細については、後に詳述する。
【0027】
図1に示すように、水砕槽10に排出されたスラグは、水砕槽10で急冷され、スラグコンベア10aにより搬出されて水砕スラグとして回収される。回収された水砕スラグは、路盤材等に有効利用することが可能である。
一方、旋回溶融炉2から排出された燃焼排ガスGは連結部5を介して二次燃焼室8へ導入される。二次燃焼室8は、供給された燃焼空気B3により、燃焼排ガスG中の未燃分を燃焼させる。この後、燃焼排ガスGは、ボイラ9で熱回収されて200〜250℃程度まで冷却され、排ガス処理設備200へ送られる。
【0028】
図1に戻って、排ガス処理設備200においては、ボイラ9から排出された燃焼排ガスGが減温塔201へ導入され、直接水噴霧により150〜180℃程度まで冷却された後に、必要に応じて煙道で消石灰、活性炭が噴霧され、反応集塵装置202に導入される。そして、反応集塵装置202において燃焼排ガスG中の煤塵、酸性ガス、DXN類等が除去された後、反応集塵装置202から排出された集塵灰が薬剤処理して埋立処分され、燃焼排ガスGが蒸気式加熱器203で再加熱され、触媒反応装置204でNOxが除去された後、誘引ファン205を介して煙突206より大気放出される。
【0029】
(エゼクタ)
図3は、エゼクタ21の拡大断面図である。
図3に示すように、エゼクタ21は、バイパス流路20と連通して燃焼排ガスGが流入する有底筒状の筒部22と、筒部22の下流側に延びると共に流路断面が狭められた絞り部23と、絞り部23の下流側に連続して設けられた拡径部24と、筒部22と同軸に設けられると共に絞り部23に囲繞された先端開口部から高圧空気Aを下流側に向けて噴出させる駆動空気供給管25とを備えている。
絞り部23は、流路上流から下流に向かうに従って漸次縮径する先細り部23aと先細り部23aの下流側に連続して略一定の径で形成された小径部23bとを備えている。
【0030】
このエゼクタ21は、駆動空気供給管25から高圧空気Aが噴射されると、絞り部23によって高圧空気Aの流速が増大し、周囲の燃焼排ガスGを巻き込んで下流側に押し流すと共にエゼクタ21の上流側を負圧にすることで、燃焼排ガスGがスラグ抜出シュート7から吸引されるようになっている(図2参照)。
なお、エゼクタ21の姿勢は適宜変更して構わないし、高圧空気Aの流れ方向や燃焼排ガスGの導入方向も適宜設定可能である。
【0031】
(付着防止手段)(付着物除去部)
上記構成からなるエゼクタ21には、図3に示すように、燃焼排ガスGに混入する混入物の付着を防止する付着防止手段31が設けられており、この付着防止手段31は、エゼクタ21の内壁面21aに付着した付着物Fを除去するエアノッカ(付着物除去部)41を備えている。
【0032】
エアノッカ41は、図3に示すように、先細り部23aのうち小径部23b側の外壁面を叩いてエゼクタ21の内壁面21aに振動を付与するように配置されている。このエアノッカ41は、常時作動するのではなく、定期的に作動するようになっている。
【0033】
次に、上記の構成からなる付着防止手段31及びエアノッカ41の動作について説明する。
エアノッカ41を停止した状態においてエゼクタ21を駆動すると、図2に示すように、上述した作用により、燃焼排ガスGがバイパス流路20をスラグ抜出シュート7から二次燃焼室8に向けて流れる。エゼクタ21においては、絞り部23の内壁面21aに燃焼排ガスGが衝突を繰り返すことにより、この内壁面21aに燃焼排ガスGに同伴された混合物が付着・堆積して付着物Fが成長していく。
ここで、内壁面21aに付着・堆積した付着物Fは、燃焼排ガスGに含まれるダストや塩類からなり、CaCl、CaSO、NaCl、NaSO、KCl、KSO、SiO、Alが主要な成分となる。
【0034】
所定の時間が経過するとエアノッカ41が作動する。エアノッカ41は、エゼクタ21の外壁面を叩き、エゼクタ21の内壁面21aに振動を付与する。この振動により、内壁面21aに付着していた付着物Fが剥がれる。内壁面21aから剥がれた付着物Fは、高圧空気A及び燃焼排ガスGによって巻き込まれるようにして下流側に押し流され、バイパス流路20を流れ、最終的に二次燃焼室8に到達して燃焼する。または、エゼクタ21の底部に堆積する。このエゼクタ21内の堆積物については、定期的な清掃により、図示しない掃除口からエゼクタ21の外部へ排出される。
【0035】
そして、エアノッカ41は一定時間作動した後に再び停止する。
上記のように付着物Fが除去されたエゼクタ21においては、燃焼排ガスGの流路が閉塞したり、狭められたりすることがなく、燃焼排ガスGが安定して循環する。
【0036】
以上説明したように、溶融設備1Aによれば付着防止手段31を備えるので、エゼクタ21の内壁面21aに燃焼排ガスGに混入する混入物(ダストや塩類等)が付着することを防止する。これにより、燃焼排ガスGの流路が閉塞したり、狭められたりすることがなくなるために、燃焼排ガスGを安定して循環させることができる。
【0037】
また、エアノッカ41を備えるので、燃焼排ガスGの混入物がエゼクタ21の内壁面21aに付着したとしても付着物Fを除去する。これにより、燃焼排ガスGの流路が閉塞したり、狭められたりすることを抑止して燃焼排ガスGを安定して循環させることができる。
【0038】
また、エアノッカ41がエゼクタ21の内壁面21aに振動を付与するので、燃焼排ガスGやエゼクタ21の高圧空気Aの円滑な流れを阻害しないで、エゼクタ21の内壁面21aの付着物Fを除去することができる。さらに、装置構成が簡素なものとなる。
【0039】
なお、上記の構成においては、エアノッカ41を単数用いる構成としたが、複数用いても構わない。複数のエアノッカ41を用いる場合には、ガス流路断面の周方向に沿って略等間隔に設ければ、内壁面21aに均等に振動を付与することができ、付着物Fがエゼクタ21の内壁面21aに局所的に残留することを抑止することができる。
また、上記の構成においては、エアノッカ41を用いる構成としたが、エゼクタ21の内壁面21aに振動を付与することができる構成であれば、油圧で駆動するものであってもよいし、あるいは、モータで振動を与えてもよい。
また、上記の構成においては、定期的にエアノッカ41を作動させる構成にしたが、常時作動させておく構成にしてもよい。
また、エアノッカ41が外壁面を叩くタイミングを変化させることにより、内壁面21aに付与する振動周波数を変化させてもよい。
【0040】
(第一実施形態の第一変形例)
図4は、第一実施形態の第一変形例に係るエゼクタ21Aの拡大断面図である。
エゼクタ21Aには、図3に示すように、付着防止手段32が設けられており、この付着防止手段32は、エゼクタ21Aの内壁面21aに付着した付着物Fを除去するエアブラスタ(付着物除去部)42を備えている。
【0041】
エアブラスタ42は、長尺状に形成されていると共に先端部42aから圧縮空気aを噴出させるものであり、駆動空気供給管25に略沿ってエゼクタ21A(筒部22)の端壁21bから絞り部23(先細り部23a)の近傍まで延出している。
【0042】
エゼクタ21Aの端壁21bは、二重構造となっており、環状孔21eが形成された内端壁21cと、内端壁21cに対して回動可能に設けられていると共にエゼクタ21Aを気密に封止する外端壁21dとが重ねられてなる。
【0043】
エアブラスタ42は、流路断面の周方向に回動可能に内端壁21cの環状孔21eに遊挿されている。また、エアブラスタ42は、外端壁21dとの間の気密性が確保された状態で外端壁21dを貫通すると共に、外端壁21dに対する相対回動が拘束されると共に筒部22の筒軸方向に相対移動可能になっている。
このような構成により、エアブラスタ42の先端部42aが、全周に亘ってエゼクタ21Aの絞り部23に対向可能に構成されており、非作動時には下方に待機するように構成されている。
【0044】
このエアブラスタ42によれば、エゼクタ21Aの内壁面21aに圧縮空気aを吹き付けるので、除去した付着物Fをエゼクタ21Aが噴出する高圧空気Aの流れに速やかに合流させる。これにより、付着物Fをより確実に下流側の二次燃焼室8に流すことができる。さらに、端壁21bに落下して残留する付着物Fを減少させることができ、清掃等のメンテナンスの手間を軽減することができる。
また、エゼクタ21Aの絞り部23の流路断面における周方向略全周に回動可能なので、絞り部23の内壁面21aに付着した付着物Fを流路断面周方向の全周に亘って残留させずに除去することが可能である。また、エアブラスタ42を単数設けるので、エゼクタ21Aのスペースファクタを向上させることが可能である。
【0045】
(第一実施形態の第二変形例)
図5は、第一実施形態の第二変形例に係るエゼクタ21Bの拡大断面図である。
エゼクタ21Bには、図5に示すように、付着防止手段33が設けられており、この付着防止手段33は、エゼクタ21Bの内壁面21aに付着した付着物Fを除去する洗浄ブラシ(付着物除去部)43を備えている。
洗浄ブラシ43は、長尺状に形成されていると共に先端部43aに多数の洗浄毛を有するものであり、駆動空気供給管25に略沿ってエゼクタ21の端壁21bから絞り部23の近傍まで延出している。
この洗浄ブラシ43は、エアブラスタ42と同様に、流路断面の周方向に回動可能かつ筒部22の筒軸方向に移動可能に構成されており、非作動時には下方に待機すると共に、作動時に先端部43aを絞り部23側に移動させて洗浄毛を付着物Fに接触させる。そして、洗浄ブラシ43は、筒部22の筒軸方向に前進及び後進しながら、流路断面の周方向に回動して、付着物Fを機械洗浄する。
【0046】
この構成によれば、洗浄ブラシ43がエゼクタ21の内壁面21aに機械洗浄を行うので、エゼクタ21の内壁面21aの付着物Fを直接的に除去することができ、強固に固着した付着物Fであってもより確実に除去することが可能である。
【0047】
なお、上記の構成においては、エアブラスタ42、洗浄ブラシ43を回動させる構成としたが、静止させてもよい。
また、上記の構成においては、エアブラスタ42、洗浄ブラシ43を単数設ける構成としたが、複数設けてもよい。
また、上記の構成においては、エアブラスタ42、洗浄ブラシ43を設ける構成としたが、相互にあるいはエアノッカ41を重畳的に設けてもよい。
また、上記の構成においては、エアブラスタ42、洗浄ブラシ43を自動的に作動させる構成にしたが、手動で付着物Fを除去してもよい。
【0048】
(第二実施形態)
図6は、本発明の第二実施形態に係る溶融設備1Bの要部拡大図である。なお、図6において、図1から図5と同様の構成要素については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0049】
図6に示すように、この溶融設備1Bは、付着防止手段34を備えている。付着防止手段34は、バイパス流路20においてエゼクタ21の上流に設けられたサイクロン分離器(旋回分離部)44を備えている。
サイクロン分離器44は、導入された燃焼排ガスGを旋回させて旋回流を形成すると共に、旋回流に含まれる混入物を遠心分離する。このサイクロン分離器44は、燃焼排ガスGの旋回流が沿って流れる内壁44aを冷却する冷却系44bを備えている。この冷却系44bは、内壁44aの温度を燃焼排ガスGに含まれる揮発塩類(揮発した塩類)の凝固点以下に冷却する。
【0050】
次に、上記の構成からなる付着防止手段34及びサイクロン分離器44の動作について説明する。
バイパス流路20に燃焼排ガスGが負圧吸引されると、燃焼排ガスGがサイクロン分離器44に導かれる。このサイクロン分離器44は、燃焼排ガスGを内壁44aに沿わして旋回流を形成する。そして、燃焼排ガスGに含まれる混入物が遠心分離され、内壁44aに衝突して螺旋状に移動しながら下方に導かれる。
この際、燃焼排ガスGに含まれる塩類の凝固点以下の温度に内壁44aが冷却されているために、燃焼排ガスG中の揮発塩類が凝固して上記と同様に下方に導かれる。
【0051】
混入物及び揮発塩類が除去された燃焼排ガスGは、サイクロン分離器44から排出されてエゼクタ21に導入される。エゼクタ21に導入された燃焼排ガスGは、駆動空気供給管25から噴出された高圧空気Aに巻き込まれることにより、絞り部23の内壁面21aに沿って下流側に押し流されるが、混入物及び揮発塩類が除去されているために、絞り部23の内壁面21aに付着物Fが付着し難い。
【0052】
以上説明したように、エゼクタ21の絞り部23の上流に、旋回流に含まれる混入物を遠心分離するサイクロン分離器44を備えるので、絞り部23に到達する混入物を低減することができる。これにより、エゼクタ21の絞り部23に付着する付着物F(図3参照)を低減することができる。
また、サイクロン分離器44の内壁44aが冷却されているので、燃焼排ガスGに含まれる揮発塩類を凝固させて分離することができる。これにより、エゼクタ21の絞り部23の内壁面21aに付着する付着物Fをさらに低減することができる。
【0053】
なお、上記の構成においても溶融設備1Bを長時間稼働することにより、エゼクタ21の絞り部23の内壁面21aに付着物Fが生成される可能性がある。この付着物Fを除去するために、サイクロン分離器44と共に、上述した第一実施形態におけるエアノッカ41、エアブラスタ42、洗浄ブラシ43の少なくとも一つを加えて付着防止手段34を構成すれば、燃焼排ガスGの流路が閉塞したり、狭められたりすることをより確実に防止することができ、燃焼排ガスGをさらに安定して循環させることができる。
【0054】
(第二実施形態の第一変形例)
図7は、第二実施形態の第一変形例に係る溶融設備1B1の概略構成図である。
上述した溶融設備1Bにおいては、サイクロン分離器44の下流にエゼクタ21を単数設ける構成にしたが、溶融設備1B1は、図7に示すように、エゼクタ21を複数直列に設けている。
この構成によれば、エゼクタ21が直列に二つ設けられているので、圧力損失が大きいサイクロン分離器44を設けた場合において、エゼクタ21に設定するガス流速を大きくすることができないときでも、サイクロン分離器44の下流側をより大きな負圧にすることができ、バイパス流路20に燃焼排ガスGを良好に導くことができる。
なお、エゼクタ21を直列に三つ以上設けてもよいのは勿論である。
【0055】
(第二実施形態の第二変形例)
図8は、第二実施形態の第二変形例に係る溶融設備1B2の要部拡大断面図である。
溶融設備1B2には、図8に示すように、付着防止手段35を備えている。この付着防止手段35は、エゼクタ26の一部を構成する旋回分離筒(旋回分離部)22xを有している。
エゼクタ26は、エゼクタ21に代えて設けられたものであり、絞り部23及び拡径部24を備える他、旋回分離筒(旋回分離部)22xがエゼクタ21における筒部22に相当する部位に配設されている。
【0056】
この旋回分離筒22xは、筒軸を略鉛直方向に向けており、略一定の径で形成されていると共に燃焼排ガスGを接線方向から導入する導入口26fが形成された定径部26aと、定径部26aの下方に連続すると共に下方に進むに従って漸次縮径するテーパ部26bとから概略構成されており、定径部26aの上部に開口するガス出口26cの縁部全周から垂下する内周隔壁26dと、テーパ部26bの下端に形成された混入物排出部26eとを備えている。
そして、ガス出口26cの上方に絞り部23が配設されると共に、駆動空気供給管25がガス出口26cと混入物排出部26eとを挿通する構成とされている。
【0057】
すなわち、導入口26fから燃焼排ガスGが導入されると、燃焼排ガスGが定径部26aの内周壁に沿って流れることにより燃焼排ガスGの旋回流が形成され、燃焼排ガスGに含まれる混入物が遠心分離される。遠心分離された混入物は、テーパ部26bの内壁44aに衝突して螺旋状に移動しながら下方に導かれ、混入物排出部26eから排出される(図8において符号fで示す。)。一方、混入物が分離された燃焼排ガスGは、上方のガス出口26cから排出される。この際、ガス出口26cから排出される燃焼排ガスGと、導入口26fから導入される燃焼排ガスGとの干渉を内周隔壁26dが防止するため、導入口26fから新たに導入された燃焼排ガスGに含まれる混入物がガス出口26cから排出されることを抑止することができる。
こうして、ガス出口26cから排出された燃焼排ガスGは、駆動空気供給管25から噴出される高圧空気に巻き込まれて下流側に流れていく。
この場合においても、燃焼排ガスGの混入物が除去されているために、エゼクタ26の絞り部23の内壁面21aに付着物Fが生成され難く、上述した効果と同様の効果を得ることができる。
【0058】
なお、このエゼクタ26に加えて、サイクロン分離器44、及び、エアノッカ41、エアブラスタ42、洗浄ブラシ43を設けて付着防止手段35を構成してもよい。なお、エアブラスタ42、洗浄ブラシ43は、定径部26a等に干渉しない位置に設ければよい。
また、上述したサイクロン分離器44と同様に、定径部26a及びテーパ部26bの内周壁を冷却する構成としても構わない。
【0059】
(第三実施形態)
図9は、本発明の第三実施形態に係る溶融設備1Cの要部拡大断面図である。なお、図9において、図1から図8と同様の構成要素については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
図9に示すように、溶融設備1Cは、溶融設備1Aとほぼ同様の構成となっているが、エゼクタ21の代わりにエゼクタ27が設けられている点で異なる。このエゼクタ27には、付着防止手段36が設けられており、この付着防止手段36は、複数の空気供給管(フィルム空気形成部)45を備えている。
【0060】
空気供給管45は、絞り部23の上流側始端に開口して空気sを吐出し、エゼクタ27の内壁面21aに沿ってフィルム空気を形成する。すなわち、空気供給管45から空気sが供給されると、燃焼排ガスGと高圧空気Aとの流れに空気sが引張られ、内壁面21aに沿って下流側に流れるフィルム空気が形成される。
これにより、燃焼排ガスGに含まれる混入物がエゼクタ27の内壁面21aに到達し難くなる。これにより、絞り部23に付着する付着物を低減することができる。
【0061】
(第三実施形態の変形例)
図10は、本発明の第三実施形態の変形例に係る付着防止手段36Aを示す概略構成図である。
図10に示すように、付着防止手段36Aは、エゼクタ28の内壁面21aに沿ってフィルム空気を形成する駆動空気供給管(フィルム空気形成部)46を備えている。
【0062】
駆動空気供給管46は、エゼクタ28の駆動空気として高圧空気Aを供給するものである。すなわち、エゼクタ28においては、筒部22に駆動空気となる高圧空気Aを導入する駆動空気供給管46が開口する一方、燃焼排ガスGを導入するバイパス流路20が筒部22を挿通すると共に先端開口部が絞り部23に囲繞されており、上述したエゼクタ21の駆動空気供給管25及びバイパス流路20に対してそれぞれの位置関係が逆になっている。
【0063】
この付着防止手段36Aによれば、高圧空気Aがエゼクタ28の内壁面21aに沿って流れてフィルム空気を形成すると共に、このフィルム空気に囲繞された状態で燃焼排ガスGがバイパス流路20から下流側に向けて流れていく。これにより、燃焼排ガスGに含まれる混入物がエゼクタ28の内壁面21aに到達し難くなる。よって、エゼクタ28の絞り部23に付着する混入物を低減することができる。
【0064】
(第四実施形態)
図11は、本発明の第四実施形態に係る溶融設備1Dを示す概略構成図である。なお、図11において、図1から図10と同様の構成要素については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0065】
図11に示すように、溶融設備1Dは、付着防止手段37を備えている。この付着防止手段37は、バイパス流路62に並列的に設けられた二つの分岐流路62A,62Bを有する。
これら二つの分岐流路62A,62Bは、分岐流路62A,62Bが上流側の分岐部62aで分岐すると共に下流側の合流部62bで合流しており、それぞれエゼクタ21を備えている。
分岐部62aには、切替弁62cが配設されており、分岐流路62A,62Bのうち一方のみに燃焼排ガスGを流すことが選択可能になっている。
【0066】
この構成によれば、バイパス流路62が分岐流路62A,62Bを備え、エゼクタ21が各分岐流路62A,62Bに設けられているので、分岐流路62A,62Bのうち一方(例えば、分岐流路62A)を用いて燃焼排ガスGを循環させると共に、他方(例えば、分岐流路62B)におけるエゼクタ21を清掃することができるので、溶融設備1Dの稼働を継続させながらエゼクタ21を清掃してエゼクタ21の内壁面21aの付着物Fを除去することができる。
なお、分岐流路を三つ以上設けてもよいのは勿論である。
【0067】
(第五実施形態)
図12は、本発明の第五実施形態に係る溶融設備1Eを示す概略構成図である。なお、図12において、図1から図11と同様の構成要素については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0068】
図12に示すように、溶融設備1Eは、付着防止手段38を備えている。この付着防止手段38は、エゼクタ21の上流に、燃焼排ガスGに散水して燃焼排ガスGに含まれる混入物を除去する洗煙塔(散液部)70を備えている。
この洗煙塔70は、ケーシング71と、ケーシング71下部に貯留された水をケーシング71上部から散水するポンプ72と、例えば、リング状に形成されて散水された水を受けると共に表面に水を保持して気液接触を促進する充填物層73と、ケーシング71の出口に設けられたデミスタ74とを備えている。
エゼクタ21は、沸点以上の温度の高圧空気Aで駆動されるようになっている。
【0069】
この構成によれば、エゼクタ21の上流に洗煙塔70を備えるので、エゼクタ21の絞り部23に到達する混入物を低減することができる。これにより、エゼクタ21の絞り部23に付着する付着物Fを低減することができる。
【0070】
また、ケーシング71の出口に設けられたデミスタ74を備えているので、下流側のエゼクタ21及びバイパス流路20にミスト状の水が流入することを防止することができる。さらに、エゼクタ21の高圧空気Aが沸点以上となっているので、散水により燃焼排ガスGにミスト状の水が含まれることとなっても、この水分を気化させてエゼクタ21の内壁面21a及びバイパス流路20壁面に水が付着することを抑止する。これらにより、エゼクタ21の内壁面21a及びバイパス流路20壁面に付着した水によって、燃焼排ガスG中の残留混入物が捕捉されることを抑止するので、燃焼排ガスGの流路が閉塞したり、狭められたりすることを防止して燃焼排ガスGを安定して循環させることができる。
【0071】
なお、上述した実施の形態において示した動作手順、あるいは各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
【符号の説明】
【0072】
1A,1B,1B1,1B2,1D,1E…溶融設備
2…旋回溶融炉(溶融炉)
7…スラグ抜出シュート
8…二次燃焼室
20…バイパス流路
21(21A,21B),26〜28…エゼクタ
21a…内壁面
22x…旋回分離筒(旋回分離部)
23…絞り部
25…駆動空気供給管
31〜36,36A、37,38…付着防止手段
41…エアノッカ(付着物除去部)
42…エアブラスタ(付着物除去部)
43…洗浄ブラシ(付着物除去部)
44…サイクロン分離器(旋回分離部)
44a…内壁
44b…冷却系
45…空気供給管(フィルム空気形成管)
46…駆動空気供給管(フィルム空気形成管)
62…バイパス流路
62A,62B…分岐流路
70…洗煙塔(散液部)
A…高圧空気
F…付着物
G…燃焼排ガス
s…空気(フィルム空気)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
灰分を燃焼溶融する溶融炉と、
前記溶融炉上方に配された二次燃焼室と、
前記溶融炉で発生したスラグを下方へ案内するスラグ抜出シュートと、
前記スラグ抜出シュートと前記二次燃焼室とを連通するバイパス流路と、
前記バイパス流路の間に設けられ、流路断面が狭められた絞り部を有すると共に前記バイパス流路に燃焼排ガスを吸引するエゼクタと、
前記エゼクタの内壁面に前記燃焼排ガスに混入する混入物が付着することを防止する付着防止手段と、を備えることを特徴とする溶融設備。
【請求項2】
前記付着防止手段は、前記エゼクタの内壁面に付着した付着物を除去する付着物除去部を有することを特徴とする請求項1に記載の溶融設備。
【請求項3】
前記付着物除去部は、前記エゼクタの内壁面に振動を付与することを特徴とする請求項1又は2に記載の溶融設備。
【請求項4】
前記付着物除去部は、前記エゼクタの内壁面に空気を吹き付けることを特徴とする請求項1から3のうちいずれか一項に記載の溶融設備。
【請求項5】
前記付着物除去部は、前記エゼクタの内壁面に機械洗浄を行うことを特徴とする請求項1から4のうちいずれか一項に記載の溶融設備。
【請求項6】
前記付着防止手段は、前記絞り部の上流に設けられ、前記導入された前記燃焼排ガスを旋回させて旋回流を形成すると共に前記旋回流に含まれる混入物を遠心分離する旋回分離部を有することを特徴とする請求項1から5のうちいずれか一項に記載の溶融設備。
【請求項7】
前記旋回分離部は、前記燃焼排ガスの旋回流が沿って流れる内壁を冷却する冷却系を備えることを特徴とする請求項6に記載の溶融設備。
【請求項8】
前記エゼクタは、直列に複数設けられていることを特徴とする請求項6又は7に記載の溶融設備。
【請求項9】
前記付着防止手段は、前記エゼクタの内壁面に沿ってフィルム空気を形成するフィルム空気形成部を備えることを特徴とする請求項1から8のうちいずれか一項に記載の溶融設備。
【請求項10】
前記付着防止手段は、前記バイパス流路に設けられ、上流側で分岐すると共に下流側で合流する切替可能な複数の分岐流路を備え、
前記複数の分岐流路には、それぞれ前記エゼクタを備えていることを特徴とする請求項1から9のうちいずれか一項に記載の溶融設備。
【請求項11】
前記付着防止手段は、前記エゼクタの上流に設けられ、前記燃焼排ガスに散液して前記燃焼排ガスに含まれる混入物を除去する散液部を備え、
前記エゼクタは、駆動用空気が前記散液された液体が気化する温度以上とされていることを特徴とする請求項1から10のうちいずれか一項に記載の溶融設備。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2011−257114(P2011−257114A)
【公開日】平成23年12月22日(2011.12.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−134194(P2010−134194)
【出願日】平成22年6月11日(2010.6.11)
【出願人】(501370370)三菱重工環境・化学エンジニアリング株式会社 (175)
【Fターム(参考)】