説明

溶融金属の温度測定装置及び温度測定方法

【課題】溶融金属による溶損が生じにくく、かつ、溶融金属の温度に対する応答性や精度に優れる温度測定装置及び温度測定方法を提供することにある。また、温度測定方法においては、保持容器の底部近傍の溶融金属の温度を連続的、かつ、経済的に測定できると共に、投入原料による温度測定装置の破損が少ない方法を提供する。
【解決手段】溶融金属Mの温度を測定する温度測定装置1Aにおいて、溶融金属Mと接触する管前端面2aに開口し、その管前端面2aから管後端面2bまで管軸に沿って形成された細径の貫通孔3を有する高融点物質からなる耐熱管2と、溶融金属Mの温度を検知する温度検知体4と、温度検知体4と接続して、温度検知体4からの温度情報を基に溶融金属Mの温度を算出する温度算出部5とを備え、管前端面2aと温度検知体4との間に所定長さ(L)の空間部6を形成したことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、溶融金属の保持容器、例えば、溶融炉等の内部の溶融金属の温度を、光ファイバー等の温度検知体を利用して測定する温度測定装置及びこれを用いた温度測定方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、溶融金属の温度測定装置として、特許文献1では、図8(b)に示すように、先端(前端)において集光し、集光した光を後端まで導く光ファイバー芯線53、及び、光ファイバー芯線53を被覆保護するニッケル基耐熱合金製の金属管52からなる金属管被覆光ファイバー51と、光ファイバー芯線53の後端に接続され、導かれた光の放射エネルギーに応じて温度を算出する温度測定部54とを有する溶融金属温度測定用の浸漬型光ファイバー放射温度計50が記載されている。
【0003】
そして、図8(a)に示すように、溶融金属Mの保持容器100に対して、金属管被覆光ファイバー51が、保持容器100の壁体を貫通し、その先端(前端)部が保持容器100の内面と略同一、又は、内面から所定長さ突出するように設置することが記載されている。
【0004】
また、温度測定装置として消耗浸漬型熱電対を利用し、溶融金属中に消耗浸漬型熱電対を浸漬して溶融金属の温度測定を行うことも従来から広く普及している。
【特許文献1】特開2002−139383号公報(請求項1、図1、図3)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の温度測定装置には、溶融金属の温度測定の際、以下のような問題点があった。
浸漬型光ファイバー放射温度計(以下、温度計と称す)においては、光ファイバー芯線をNi基耐熱合金、例えば、インコネル(登録商標)等からなる金属管で被覆している。しかし、高温かつ反応性の高い溶融金属中では、金属管と溶融金属が反応し、比較的短時間で金属管が溶損するという問題点があった。この溶損により温度計の交換頻度が高くなっていた。なお、金属管の肉厚を厚くすることで、温度計の寿命を確保することもできるが、温度計の熱容量が大きくなり、温度に対する応答性が悪くなることが避けられない。また、温度計の全体サイズが大きくなるために、保持容器への温度計の取付位置やスペースに制約が生じる。したがって、経済的な温度計とはいえなかった。
【0006】
また、光ファイバー芯線が金属管で被覆されているために、直接、溶湯の温度を光ファイバー芯線で検知できないため、温度に対する応答性や精度が劣るという問題点もあった。さらに、通常、保持容器には末溶融の塊状の原料を投入するが、その際、保持容器の内面(底面)から突出している金属管被覆光ファイバーに原料が衝突し、その衝突による機械的な衝撃で金属管被覆光ファイバー(金属管)が破損し易いという問題点もあった。なお、保持容器の内面(底面)に凹陥部を設けて、金属管被覆光ファイバーの先端(前端)部と保持容器の内面とを略同一にした場合でも、凹陥部内では先端(前端)部が突出しているため、原料との直接的な接触を避けることは困難であった。
【0007】
消耗浸漬型熱電対(以下、熱電対と称す)においても、前記温度計と同様に、熱電対が溶損するという問題があった。また、熱電対の溶損が激しいために寿命が短く、溶融金属の温度測定時間が短くなり、温度精度が劣るものであった。そして、測定のインタバルを短くすれば、温度精度は向上するが、測定回数に伴い使用する熱電対の本数も増大しコスト高となる。こうした経済的事情から、実際には、数十分間隔での間欠的な測定が一般的であり、測温結果は、保持容器内部の温度制御にフィードバックされる。しかしながら、測定が間欠的である以上、温度制御にも限界があるため、エネルギーをロスすることとなってしまう。
【0008】
また、熱電対では溶融金属(溶湯)による溶損が激しいため、浸漬深さは比較的温度の低い溶湯表面近傍に限られ、温度の高い溶湯底部の測定するのは通常困難であった。したがって、溶湯表面の温度と溶湯底部の温度が大きく異なる場合、特に、溶湯表面が溶融し、溶湯底部が融点以下の場合(棚吊り状態)、溶湯底部にある原料温度が異常上昇し、一気に溶湯底部の原料が崩れ、溶湯表面の溶融金属が噴出するなどの極めて危険な事態を招くこともある。
【0009】
そこで、本発明は、このような問題を解決すべく創案されたもので、その目的は溶融金属による溶損が生じにくく、かつ、溶融金属の温度に対する応答性や精度に優れる温度測定装置及び温度測定方法を提供することにある。また、温度測定方法においては、保持容器の底部近傍の溶融金属の温度を連続的、かつ、経済的に測定できると共に、投入原料による温度測定装置の破損が少ない方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記課題を解決するために、請求項1に係る発明は、溶融金属の温度を測定する温度測定装置において、前記溶融金属の温度を測定する際に当該溶融金属と接触する管前端面に開口し、その管前端面から当該管前端面の反対側に形成された管後端面まで管軸に沿って形成された細径の貫通孔を有する高融点物質からなる耐熱管と、前記貫通孔の内部に配置され、前記溶融金属の温度を検知する温度検知体と、前記温度検知体と接続して、前記温度検知体からの温度情報を基に前記溶融金属の温度を算出する温度算出部とを備え、前記管前端面と前記温度検知体との間に所定長さ(L)の空間部を形成した温度測定装置として構成したものである。
【0011】
前記構成によれば、耐熱管が高融点物質で構成されているため、溶融金属による溶損が抑制される。また、管前端面と温度検知体との間に所定長さの空間部を形成したため、管前端面側に溶融金属が接触した際、溶融金属のもつ表面張力により空間部が密閉構造となり、空間部の内圧の上昇によって、貫通孔の内部に溶融金属が侵入しない、または、わずかな量にとどまる。その結果、温度検知体が、溶融金属に直接触れることなく、かつ、溶融金属の近傍で温度を検知できるため、温度検知体の熱損傷が少なく、溶融金属の温度を高い応答性及び精度で測定することが可能となる。
【0012】
請求項2に係る発明は、前記温度検知体が光ファイバーで構成され、かつ、前記所定長さ(L)が下式(1)で定義される空間部の限界長さ(Lc)の200倍未満である温度測定装置として構成したものである。
Lc=(Dh−Df)/(2×tan(θ/2))・・・(1)
ここで、Dhは貫通孔の管前端面側の開口径、Dfは光ファイバーの外径、θは光ファイバーの視野角を表す。
【0013】
前記構成によれば、空間部の所定長さ(L)が限界長さ(Lc)の200倍未満であるため、空間部(耐熱管)の温度が溶融金属と略同じ温度となり、溶融金属の温度をさらに高い応答性及び精度で測定することが可能となる。
【0014】
請求項3に係る発明は、前記耐熱管は、前記管前端面に形成された前記貫通孔の開口周辺に向かって、前記温度検知体から放射状に形成された細径の補助孔を有する温度測定装置として構成したものである。
【0015】
前記構成によれば、補助孔が形成されているため、貫通孔からの温度情報に補助孔からの温度情報が加えられることにより、温度情報の精度がさらに向上する。また、補助孔の形成によって、貫通孔および補助孔の径をさらに細くすることが可能となり、貫通孔の管前端面側に形成される空間部および補助孔への溶融金属の侵入がさらに少ないものとなる。その結果、温度検知体の熱損傷がさらに少なく、溶融金属の温度をさらに高い応答性及び精度で測定することが可能となる。
【0016】
請求項4に係る発明は、前記温度検知体が光ファイバーで構成され、かつ、前記補助孔が、前記管前端面において、前記貫通孔を中心にして、下式(2)で定義される外径(Dhc)を持った円形領域内に開口する温度測定装置として構成したものである。
Dhc=2×L×tan(θ/2)+Df・・・(2)
ここで、Lは空間部の所定長さ、θは光ファイバーの視野角、Dfは光ファイバーの外径を表す。
【0017】
前記構成によれば、補助孔が管前端面の所定範囲内に開口しているため、溶融金属の温度情報を効率的に温度検知体に伝達され易くなる。また、補助孔への溶融金属の侵入もさらに少ないものとなる。その結果、温度検知体の熱損傷がさらに少なく、溶融金属の温度をさらに高い応答性及び精度で測定することが可能となる。
【0018】
請求項5に係る発明は、前記耐熱管と前記温度検知体との間に、耐熱性物質からなる封止材を備える温度測定装置として構成したものである。
前記構成によれば、耐熱管の内部に配置した温度検知体の熱損傷がさらに抑制される。
【0019】
請求項6に係る発明は、前記高融点物質が、アルミナ、ジルコニア、窒化ケイ素、サイアロン、炭化ケイ素、窒化ホウ素、ホウ化ジルコニウム、ムライト、シリカ、スピネル、チタン酸アルミニウム、コージエライト、カーボン、モリブデン、タングステン、ニッケル系合金のいずれか一つ、または、それらの複合物である温度測定装置として構成したものである。
前記構成によれば、耐熱管を構成する高融点物質が特定されるため、耐熱管の耐熱性が向上し、耐熱管の溶損をさらに抑制することが可能となる。
【0020】
請求項7に係る発明は、前記貫通孔の前記管前端面側の開口径(Dh)が0.6mm以下である温度測定装置として構成したものである。
前記構成によれば、貫通孔の管前端面側の開口径が所定値以下となるため、空間部への溶融金属の侵入がさらに少ないものとなる。その結果、温度検知体の熱損傷がさらに少ないものとなる。
【0021】
請求項8に係る発明は、前記空間部の内部に、耐熱性物質からなる粉末またはバルク材が充填されている温度測定装置として構成したものである。
前記構成によれば、温度検知体の熱損傷がさらに少ないものとなる。
【0022】
請求項9に係る発明は、前記耐熱管と前記温度検知体との間に、高融点物質からなる保護管を備える温度測定装置として構成したものである。
前記構成によれば、耐熱管の溶損による温度検知体の熱損傷がさらに少ないものとなる。
【0023】
請求項10に係る発明は、前記請求項1ないし請求項9のうちのいずれか一項に記載の温度測定装置を使用して溶融金属の温度を測定する温度測定方法において、前記溶融金属を保持する保持容器の底部壁体を貫通するように前記耐熱管を埋め込み、かつ、前記管前端面が前記底部壁体の内周面とほぼ同一であるように固定することを特徴としたものである。
【0024】
前記測定方法によれば、請求項1ないし請求項9のうちのいずれか一項に記載の溶損性、温度に対する応答性及び精度に優れた温度測定装置を使用するため、保持容器の底部に設置して、溶融金属の温度を、温度測定装置の交換なしに、リアルタイムで測定することが可能となる。また、温度測定装置の管前端面が保持容器の底部内周面とほぼ同一であるため、投入原料の衝突による温度測定装置の破損を少なくすることが可能となる。
【発明の効果】
【0025】
本発明に係る温度測定装置によれば、高融点物質からなる耐熱管、その耐熱管が所定長さ(L)の空間部が形成された細径の貫通孔を備えるため、溶融金属による溶損が生じにくく、寿命が向上し、経済的である。そして、溶融金属の温度情報を、溶融金属に直接触れることなく、かつ近傍で検知できるために、優れた温度応答性及び温度精度が得られる。その結果、溶融金属の保持容器の底部に設置することが可能となる。
【0026】
また、本発明に係る温度装置によれば、貫通孔に形成された空間部の所定長さ(L)が所定値未満である、貫通孔の開口径が所定値以下である、放射状に形成された補助孔を備え、その補助孔の開口範囲が限定されるため、さらに優れた温度応答性及び温度精度が得られる。
【0027】
さらに、本発明に係る温度測定装置によれば、耐熱物質からなる封止材を備える、特定の材質で耐熱管を構成する、空間部に耐熱性物質を充填する、高融点物質からなる保護管を備えるため、温度測定装置の寿命がさらに向上する。なお、保護管を備えるため、可搬型の温度測定装置としても使用でき、その場合、溶損が生じにくく、優れた温度応答性及び温度精度が得られる。
【0028】
本発明に係る測定方法によれば、前記温度測定装置を使用するため、温度測定装置の溶損が生じにくく、温度応答性及び温度精度も優れたものとなる。そして、溶融金属の保持容器の底部に設置して、溶融金属の温度を連続的に、リアルタイムで測定でき、エネルギーロスを減らすことができる。また、温度測定装置の溶損が生じないため、経済的である。さらに、保持容器の底部近傍の温度を正確に、連続して測定できるため、特に、溶融金属(溶湯)の棚吊り状態を即座に検知することができ、一気に底部にある原料が崩れ、溶湯表面の溶融金属が噴出するなど極めて危険な事態を未然に防止できる。なお、温度測定装置の管前端面が保持容器の底部内周面とほぼ同一であるため、投入原料による温度測定装置の破損が少なくできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
本発明に係る温度測定装置の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。図1(a)は保持容器に設置された温度測定装置の構成を示す縦断面図、(b)は(a)の温度測定装置の拡大縦断面図、図2は温度測定装置における貫通孔への溶融金属の侵入状態を示す部分縦断面図、図3(a)、(b)は空間部の所定長さ(L)と限界長さ(Lc)の関係を示す説明図である。また、本発明に係る温度測定装置は、溶融金属として、鉄、ステンレス、銅、銅合金、アルミ、アルミ合金、ニッケル合金、白金、金など何れにも適用することができる。
【0030】
<温度測定装置>
図1(a)、(b)に示すように、温度測定装置1Aは、貫通孔3を有する耐熱管2と、溶融金属Mの温度を検知する温度検知体4と、溶融金属Mの温度を算出する温度算出部5とを備える。以下、各構成について説明する。
【0031】
(耐熱管)
耐熱管2は、高融点物質からなり、溶融金属Mの保持容器100に設置して、溶融金属Mの温度を測定する際に、溶融金属Mと接触する管前端面2aに開口し、その管前端面2aから管前端面2aの反対側に形成された管後端面2bまで管軸に沿って形成された細径の貫通孔3を有するものである。
【0032】
ここで、高融点物質とは、溶融金属Mの融点よりも高い融点を有する物質を意味し、溶融金属Mの融点よりも200〜1000℃高いものが好ましい。高融点物質の融点が200℃未満では耐熱管2の溶損を抑制しにくく、1000℃を超えると高融点物質のコスト自体は高くなり経済性が低下しやすい。具体的には、アルミナ、ジルコニア、窒化ケイ素、サイアロン、炭化ケイ素、窒化ホウ素、ホウ化ジルコニウム、ムライト、シリカ、スピネル、チタン酸アルミニウム、コージエライト、カーボン、モリブデン、タングステン、ニッケル系合金のいずれか一つ、または、それらの複合物であることが好ましい。
【0033】
耐熱管2の大きさは、後記する温度検知体4を配置できる貫通孔3を形成できる大きさで、管軸直交断面における断面形状が楕円を含む円形状であることが好ましいが、円形状に限定されず、角型形状であってもよい。そして、例えば、外径2〜20mm×長さ50〜200mmのものが使用される。
【0034】
耐熱管2の長さは、保持容器100の容器壁体、例えば、底部壁体101の厚み相当以上にしておくことにより、底部壁体101に貫通するように埋め込んで使用した際、底部壁体101の内周面から耐熱管2(管前端面2a)が突出することがなく、内周面とほぼ同一となるため、溶損が生じにくく十分な寿命を得ることができると共に、投入原料との衝突による破損を避けることが可能となる。
【0035】
貫通孔3は、管軸直交断面における断面形状が、その内面に配置する温度検知体4の断面形状にもよるが、楕円を含む円形状であることが好ましいが、円形状に限定されず角型形状であってもよい。そして、貫通孔3の外径は、細径である必要があり、具体的には、1.0mm以下であり、特に、管前端面2a側の外径、すなわち、開口径(Dh)は0.6mm以下であることが好ましい。
【0036】
貫通孔3の外径(管前端面2a側の開口径)が細径であることによって、図2に示すように、管前端面2a側に溶融金属Mが接触した際、溶融金属Mのもつ表面張力により、貫通孔3の管前端面2a側に形成された空間部6が密閉構造となり、空間部6の内圧の上昇によって、貫通孔3(空間部6)の内部に溶融金属が侵入しない、または、わずかな量にとどまる。その結果、貫通孔3の内部に配置される温度検知体4が、溶融金属Mに直接触れることなく、かつ、溶融金属Mの近傍で温度を検知できる。それによって、温度検知体4が一気に侵食されることがなく(熱損傷が少ない)、溶融金属Mの温度を高い温度応答性及び温度精度で測定できる。
【0037】
貫通孔3は、管前端面2aから管後端面2bまで同一径で形成されていることが好ましいが、後記する耐熱性物質からなる封止材8(図1(b)参照)を備える場合には管後端面2b側で拡径、補助孔7(図4(b)参照)を備える場合には管前端面2a側で縮径することが好ましい。
【0038】
(温度検知体)
温度検知体4は、貫通孔3の内部に挿入され、管前端面2a側に所定長さ(L)の空間部6が形成されるように配置されるものである。温度検知体4は、溶融金属Mの温度を検知でき、後記する温度算出部に温度情報を伝達できるものであれば特に限定されない。また、本発明の温度検知には、溶融金属Mからの光を集光および導光することも含まれるものとする。そして、温度検知体4は、特に、温度情報として熱起電力を利用するPt−Rh等からなる熱電対、温度情報として光の放射エネルギーを利用する光ファイバーが好ましい。
【0039】
(温度算出部)
温度算出部5は、温度検知体4の管後端面2b側で接続し、温度検知体4からの温度情報を基に溶融金属Mの温度を算出するものである。温度検知体4の種類によって特定され、従来公知のものが利用される。また、図示しないが、温度算出部5は断熱手段を介して保持容器100に設置されることが好ましい。
【0040】
温度測定装置1Aは、管前端面2aと、温度検知体4(管前端面側)との間に所定長さ(L)の空間部6を形成したものである。
(空間部の所定長さ)
空間部6の所定長さ(L)は、温度検知体4の種類によって特定されるが、10mm以下が好ましい。所定長さ(L)が10mmを超えると、耐熱管2(空間部6)の温度と、溶融金属Mの温度との差が大きくなりやすく、温度応答性及び温度精度が低下しやすい。また、所定長さ(L)は小さすぎると、溶融金属Mの熱損傷を受けやすくなり、温度検知体4の寿命が短くなりやすいため、2mm以上10mm以下であることがさらに好ましい。そして、温度検知体4が熱電対の場合、所定長さ(L)は10mm以下が好ましく、2mm以上10mm以下が好ましい。
【0041】
また、温度検知体4が光ファイバーの場合、空間部6の所定長さ(L)は、下式(1)で定義される空間部の限界長さ(Lc)の200倍未満(L<200Lc)であることが好ましく、2mm以上、かつ、L<200Lcがさらに好ましい。
【0042】
Lc=(Dh−Df)/(2×tan(θ/2))・・・(1)
【0043】
ここで、Dhは管前端面側の貫通孔の開口径、Dfは光ファイバーの外径、θは光ファイバーの視野角を表す。視野角は光ファイバーの材質によって決定されるもので、例えば、石英の光ファイバーでは23度程度である。
【0044】
そして、限界長さ(Lc)は、図3(b)に示すように、光ファイバー4の前方に溶融金属(図示せず)以外の障害がない状態での、空間部6の最大長さである。溶融金属の温度情報の検知にためには、光ファイバー4の前方に溶融金属以外の障害がないことが理想であるが、図3(a)に示すように、L<200Lcの範囲内であれば、耐熱管2(空間部6)の温度が溶融金属の温度と略同じ温度であるので、溶融金属の温度を高い応答性及び精度で検知することが可能となる。
【0045】
温度測定装置1Aは、図1(a)、(b)に示すように、耐熱管2と温度検知体4との間に、耐熱性物質からなる封止材8を備えていてもよい。ここで、耐熱性物質とは、溶融金属Mの融点よりもやや高い融点を有する物質を意味し、溶融金属Mの融点よりも100〜500℃高いものが好ましい。耐熱性物質の融点が100℃未満では温度検知体4の熱損傷を抑制しにくく、500℃を超えると耐熱性物質のコスト自体が高くなり経済性が低下しやすい。具体的には、アロンセラミックス(東亜合成株式会社製)、燐酸アルミニウムとマグネシウムの混合物等が挙げられる。
【0046】
また、温度測定装置1Aは、空間部6の内部に前記耐熱性物質からなる粉末またはバルク材(図示せず)が充填されていてもよい。さらに、温度検知体4として光ファイバーを使用した場合には、耐熱性物質からなる粉末またはバルク材が、溶融金属Mの光を伝達しやすいように、透光性を有するものが好ましい。具体的には、アルミナ、BNまたは炭化ケイ素等の粉末またはバルク材が使用される。
【0047】
次に、本発明に係る温度測定装置の他の実施形態について、図面を参照して説明する。図4は温度測定装置の他の実施形態を示し、(a)平面図、(b)は(a)のX−X線縦断面図、図5は度測定装置の他の実施形態を示す縦断面図である。
【0048】
図4(a)、(b)に示すように、温度測定装置1Bは、前記温度測定装置1A(図1(b)参照) の貫通孔3に加えて、細径の補助孔7を有するものである。図4(a)、(b)において、前記温度測定装置1Aと同一の構成については同一の符号を付した。温度測定装置1Aと同一の構成については、前記のとおりであるので、説明を省略し、補助孔7について説明する。
【0049】
(補助孔)
補助孔7は、管前端面2aに形成された貫通孔3の開口周辺に向かって、温度検知体4(管前端面側)から放射状に形成される。補助孔7は、補助孔7の軸線直交断面における断面形状が、楕円を含む円形状であることが好ましいが、円形状に限定されず角型形状であってもよい。
【0050】
補助孔7の管前端面2a側の外径は細径である必要があり、具体的には、1.0mm以下であり、特に管前端面2a側の外径、すなわち、開口径は0.6mm以下であることが好ましい。そして、温度検知体4の端部4aから管前端面2aまで同一径で形成されていることが好ましい。補助孔7の管前端面2a側の開口径が細径であることによって、管前端面2a側に溶融金属(図示せず)が接触した際、貫通孔3と同様に、溶融金属のもつ表面張力により、補助孔7が密閉構造となり、補助孔7の内圧の上昇によって、補助孔7の内部に溶融金属が侵入しない、または、わずかな量にとどまる。その結果、貫通孔3の内部に配置される温度検知体4が、溶融金属に直接触れることなく、かつ、溶融金属の近傍で、貫通孔3(空間部6)及び補助孔7からの温度情報を検知できる。それによって、温度検知体4が一気に侵食されることがなく(熱損傷が少ない)、溶融金属の温度をさらに高い応答性及び精度で測定できる。
【0051】
前記のような補助孔7を設けることによって、貫通孔3の開口径Df(図3(a)参照)を、温度測定装置1Aよりも細径にすることが可能となる。そして、補助孔7の外径(開口径)は、貫通孔3と同一径であることが好ましく、補助孔7を複数設けた場合にも、貫通孔3と同一径の補助孔7を複数設けることが好ましい。しかしながら、貫通孔3、補助孔7の外径を互いに異なる外径とすることを妨げるものではない。
【0052】
また、温度測定装置1Bの温度検知体4が光ファイバーで構成されている場合には、補助孔7が、管前端面2aにおいて、貫通孔3を中心にして、下式(2)で定義される外径(Dhc)を持った円形領域内に開口することが好ましい。
Dhc=2×L×tan(θ/2)+Df・・・(2)
ここで、Lは貫通孔3(空間部6)の所定長さ、θは光ファイバーの視野角、Dfは光ファイバーの外径を表す。
【0053】
補助孔7が前記円形領域内に開口することによって、溶融金属の温度情報を効率的に温度検知体4に伝達され易くなる。また、補助孔7への溶融金属の侵入もさらに少ないものとなる。その結果、温度検知体4の熱損傷がさらに少なく、溶融金属の温度をさらに高い応答性及び精度で測定することが可能となる。
【0054】
図5に示すように、温度測定装置1Cは、前記温度測定装置1Aの耐熱管2と温度検知体4との間に、保護管9を備えるものである。図5において、前記温度測定装置1Aと同一の構成については同一の符号を付した。温度測定装置1Aと同一の構成については、前記のとおりであるので、説明を省略し、保護管9について説明する。
【0055】
(保護管)
保護管9は高融点物質からなるもので、高融点物質は前記耐熱管2で記載したものを使用する。保護管9は、耐熱管2内に配置できる外径を有すると共に、内部に温度検知体4を配置できる内径を有する。また、保護管9は、耐熱管2と略同じ長さを有することが好ましく、温度検知体4の管前端面2a側の端部4aから管後端面2bまでと略同じ長さを有することがさらに好ましい。
【0056】
そして、保護管9を備えることによって、温度検知体4の熱損傷を少なくすることが可能となる。また、温度測定装置1Cの強度が向上するため、溶湯表面近傍の温度を測定する可搬型温度測定装置としても使用することが可能となる。
【0057】
<温度測定装置の製造方法>
本発明に係る温度測定装置の製造方法について、温度測定装置1Aを例にとって説明する。
【0058】
(A)高融点物質の粉末と、所定量の水、好ましくは、分散剤、バインダーとをボールミル等で混合してスラリーを作製する。所定径のナイロン糸等を中子として石膏型にスラリーを鋳込み、成形、脱型後取出し、所定条件で焼成して、耐熱管を作製する。この耐熱管では、中子として使用したナイロン糸等は焼成過程で消失するため、所定径の貫通孔が形成される。
【0059】
(B)図1(b)に示すように、作製した耐熱管2の貫通孔3の内部へ、管前端面2a側に所定長さの空間部6が形成されるように、温度検知体4としての光ファイバーを配置し、耐熱管2(貫通孔3)と温度検知体4(光ファイバー)との間に封止材8を注入して、耐熱管2(貫通孔3)と温度検知体4を固定する。
【0060】
(C)温度検知体4の管後端面2b側の端部に、光の放射エネルギーから温度を算出する温度算出部5を、既存の接続手段で接続し、温度測定装置1Aとする。
【0061】
また、(A)の代わりに下記(a)で耐熱管2を作製してもよい。
(a)高融点物質の粉末をスプレードライヤーにより造粒し、この粒子を金型プレスして、所定の大きさの複数のプレートを作製する。個々のプレートの中央部に、グリーン加工等により、所定径の穴を形成する。個々のプレートの間にアルミナペースト等を塗布し、穴の中心がずれないように積み重ね、圧力をかけて密着させる。密着させたプレートを所定条件で焼成して、所定径の貫通孔3を有する耐熱管2を作製する。
【0062】
なお、所定径の貫通孔3を有する耐熱管2を作製できれば、耐熱管2の作製方法は前記(A)または(a)に限定されない。また、(B)において、封止材の代わりに既存の接着剤を充填しても、また、封止材を使用しないで、嵌合等によって耐熱管2の内部に温度検知体4(光ファイバー)を固定してもよい。さらに、温度検知体4として熱電対を使用する場合でも、前記と同様な方法で温度測定装置1Aを作製することができる。
【0063】
<温度測定方法>
本発明に係る溶融金属の温度を測定する測定方法について説明する。
図1(a)、(b)に示すように、本発明に係る温度測定方法においては、
前記温度測定装置1A、1Bまたは1Cを使用し、溶融金属Mを保持する保持容器100の底部壁体101を貫通するように耐熱管2を埋め込み、かつ、管前端面2aが底部壁体101の内周面とほぼ同一であるように固定する。
【0064】
前記温度測定方法によって、温度測定装置を保持容器の底部に設置して、溶融金属の温度を、温度測定装置の交換なしに、かつ、高い温度応答性及び温度精度で、リアルタイムで測定することが可能となる。また、投入原料の衝突による温度測定装置の破損を少なくすることが可能となる。
【実施例】
【0065】
本発明に係る温度測定装置の実施例について説明する。
(実施例1)
アルミナ粉末(昭和電工(株)製AL−160SG4):100質量部に対して、分散剤(東亜合成(株)製A6114):0.75質量部、水:20質量部の比率で総計1000gとなるように、約16時間ボールミルを使って混合した。また、生強度を高めるために、アクリル系バインダーを1%添加した。混合終了後、十分な脱気泡処理を行い、スラリーを作製した。このスラリーを、直径が0.8mmのナイロン糸を中子として、石膏型に鋳込み、成形、脱型後取出し、外周の生加工を実施した後、大気中1600℃で焼成した。前記ナイロン糸は焼成過程で消失し、直径φ20mmで、長さ160mm、そして中央部に直径(Dh)約φ0.6mmの貫通孔を有するアルミナ管を作製した。
【0066】
次に、図1(a)、(b)に示すように、溶融金属Mの保持容器100の底部壁体(厚さ50mm)101にアルミナ管(耐熱管2)を埋め込み、貫通孔3内に温度検知体4として直径(Df)約φ0.4mmの石英製光ファイバー(視野角θ=23度)を装入した。アルミナ管と光ファイバーとの隙間には、封止材8としてアロンセラミックス(東亜合成(株)製)を封入した。また、アルミナ管の端面は底部と略同一であり、光ファイバーの前端部は、アルミナ管の端面より約10mm後方になるように配置した(空間部6の所定長さL=10mm)。さらに、光ファイバーの後端部には、温度算出器を接続し、温度測定装置1Aとした。なお、空間部6の限界長さLc=0.49mmであった。
【0067】
次に、保持容器100に純銅のビレット(投入量:約15kg)をいれ、高周波加熱装置で約1400℃まで加熱し、その状態で投入電力をダウンさせた。そのときの温度計測の結果を図6に示す。図6は温度測定装置における温度応答性を示すグラフ図である。
【0068】
(比較例1)
石英製光ファイバーをNi基耐熱合金(インコネル(登録商標))からなる金属管で被覆した浸漬型光ファイバー放射温度計(図8(b)参照)を、実施例1と同様にして、保持容器100の底部壁体101に埋め込み、端部に温度算出器を接続して、温度計測を行った。その結果を図6に示す。
【0069】
図6に示すように、実施例1では、投入電力ダウン後、温度(表示値)は急激に低下した。一方、比較例1では、投入電力ダウン後の温度低下が実施例1に比べて緩やかであった。これより、本発明に係る実施例1の温度測定装置1Aは、従来の温度測定装置(比較例)に比べて、応答性に優れていることが確認された。
【0070】
(実施例2)
実施例1の温度測定装置1Aの耐熱管2の材質、貫通孔3の開口径(Dh)を変えた温度測定装置を準備し、実施例1と同様にして、保持容器100の底部壁体101に埋め込んだ。数種の金属、溶融温度で、金属を溶融した。溶融終了後、温度測定装置1Aの耐熱管2を取り出し、溶融金属Mの貫通孔3(空間部6)への侵入状況を観察した。その結果を表1に示す。なお、表1の溶融金属の侵入状況において、「やや侵入」は空間部6の所定長さ(L)の1/2以下侵入したもの、「侵入あり」は空間部6の所定長さ(L)の1/2以上侵入したものである。
【0071】
【表1】

表1の結果から、溶融金属種、溶融温度によって溶融金属の侵入状況は異なるが、温度測定装置1Aの貫通孔3の開口径(Dh)として0.6mm以下であれば、溶融金属Mの貫通孔3(空間部6)への侵入も少なく、好ましいことが確認された。
【0072】
(実施例3)
図5に示すような温度測定装置1Cを使用して、保持容器内の鋳鉄溶湯の表面近傍に直接浸漬して温度計測を行った。ここで、温度測定装置1Cは、温度検知体4として直径約φ0.4mmの石英製光ファイバー(視野角θ=23度)を使用し、その周囲に保護管9として内径0.5mm、外径が1.2mmのアルミナ管を配した。さらに、その周囲に耐熱管2として外径が2.7mmで内径が1.5mmの窒化ケイ素パイプを配した。このとき光ファイバーの前端部分は窒化ケイ素パイプの管前端面から約10mm後方に配されている(空間部6の所定長さL=10mm)。なお、空間部6の限界長さLc=2.7mmであった。温度計測の結果を図7に示す。図7は温度測定装置における温度応答性を示すグラフ図である。
【0073】
(比較例2)
比較例2として市販の消耗型熱電対を使用して、実施例2と同様にして、鋳鉄溶湯の表面近傍の温度計測を行った。その結果を図7に示す。
【0074】
図7に示すように、比較例2の温度応答性に比べて、本発明に係る実施例3では温度応答性が約2倍に優れていることが確認された。また、実施例3においては貫通孔3(空間部6)への溶融鋳鉄の侵入も確認されなかった。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】(a)は保持容器に設置された本発明に係る温度測定装置の構成を示す縦断面図、(b)は(a)の温度測定装置の拡大縦断面図である。
【図2】本発明に係る温度測定装置における貫通孔(空間部)への溶融金属の侵入状態を示す部分縦断面図である。
【図3】(a)、(b)は空間部の所定長さ(L)と限界長さ(Lc)の関係を示す説明図である。
【図4】本発明に係る温度測定装置の他の実施形態を示し、(a)平面図、(b)は(a)のX−X線縦断面図である。
【図5】本発明に係る温度測定装置の他の実施形態を示す縦断面図である。
【図6】温度測定装置における温度応答性を示すグラフ図である。
【図7】温度測定装置における温度応答性を示すグラフ図である。
【図8】(a)は保持容器に設置された従来の温度測定装置の構成を示す縦断面図、(b)は(a)の温度測定装置の拡大縦断面図である。
【符号の説明】
【0076】
1A、1B、1C 温度測定装置
2 耐熱管
2a 管前端面
2b 管後端面
3 貫通孔
4 温度検知体(光ファイバー)
5 温度算出部
6 空間部
7 補助孔
8 封止材
9 保護管

【特許請求の範囲】
【請求項1】
溶融金属の温度を測定する温度測定装置において、
前記溶融金属の温度を測定する際に当該溶融金属と接触する管前端面に開口し、その管前端面から当該管前端面の反対側に形成された管後端面まで管軸に沿って形成された細径の貫通孔を有する高融点物質からなる耐熱管と、
前記貫通孔の内部に配置され、前記溶融金属の温度を検知する温度検知体と、
前記温度検知体と接続して、前記温度検知体からの温度情報を基に前記溶融金属の温度を算出する温度算出部とを備え、
前記管前端面と前記温度検知体との間に所定長さ(L)の空間部を形成したことを特徴とする温度測定装置。
【請求項2】
前記温度検知体が光ファイバーで構成され、かつ、前記所定長さ(L)が下式(1)で定義される空間部の限界長さ(Lc)の200倍未満であることを特徴とする請求項1に記載の温度測定装置。
Lc=(Dh−Df)/(2×tan(θ/2))・・・(1)
ここで、Dhは管前端面側の貫通孔の開口径、Dfは光ファイバーの外径、θは光ファイバーの視野角を表す。
【請求項3】
前記耐熱管は、前記管前端面に形成された前記貫通孔の開口周辺に向かって、前記温度検知体から放射状に形成された細径の補助孔を有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の温度測定装置。
【請求項4】
前記温度検知体が光ファイバーで構成され、かつ、前記補助孔が、前記管前端面において、前記貫通孔を中心にして、下式(2)で定義される外径(Dhc)を持った円形領域内に開口することを特徴とする請求項3に記載の温度測定装置。
Dhc=2×L×tan(θ/2)+Df・・・(2)
ここで、Lは空間部の所定長さ、θは光ファイバーの視野角、Dfは光ファイバーの外径を表す。
【請求項5】
前記耐熱管と前記温度検知体との間に、耐熱性物質からなる封止材を備えることを特徴とする請求項1ないし請求項4のうちのいずれか一項に記載の温度測定装置。
【請求項6】
前記高融点物質が、アルミナ、ジルコニア、窒化ケイ素、サイアロン、炭化ケイ素、窒化ホウ素、ホウ化ジルコニウム、ムライト、シリカ、スピネル、チタン酸アルミニウム、コージエライト、カーボン、モリブデン、タングステン、ニッケル系合金のいずれか一つ、または、それらの複合物であることを特徴とする請求項1ないし請求項5のうちのいずれか一項に記載の温度測定装置。
【請求項7】
前記貫通孔の前記管前端面側の開口径(Dh)が0.6mm以下であることを特徴とする請求項1ないし請求項6のうちのいずれか一項に記載の温度測定装置。
【請求項8】
前記空間部の内部に、耐熱性物質からなる粉末またはバルク材が充填されていることを特徴とする請求項1ないし請求項7のうちのいずれか一項に記載の温度測定装置。
【請求項9】
前記耐熱管と前記温度検知体との間に、高融点物質からなる保護管を備えることを特徴とする請求項1ないし請求項8のうちのいずれか一項に記載の温度測定装置。
【請求項10】
前記請求項1ないし請求項9のうちのいずれか一項に記載の温度測定装置を使用して溶融金属の温度を測定する温度測定方法において、
前記溶融金属を保持する保持容器の底部壁体を貫通するように前記耐熱管を埋め込み、かつ、前記管前端面が前記底部壁体の内周面とほぼ同一であるように固定することを特徴とする温度測定方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−45971(P2008−45971A)
【公開日】平成20年2月28日(2008.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−221071(P2006−221071)
【出願日】平成18年8月14日(2006.8.14)
【出願人】(301021533)独立行政法人産業技術総合研究所 (6,529)
【出願人】(591081055)神鋼メタルプロダクツ株式会社 (17)
【出願人】(590001991)日新リフラテック株式会社 (3)
【出願人】(000200334)JFEメカニカル株式会社 (48)
【Fターム(参考)】