説明

漢字検索システム、漢字検索方法及びプログラム

【課題】読みのわからない検索対象漢字の読みや関連情報等を容易に検索して表示することが可能な漢字検索システム、漢字検索方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】漢字検索システム10は、文字入力制御部11、文字認証部12、表示制御部13、入力文字取得部14、漢字検索部15、ユーザ保存部16、データベース部17、一時記憶部18を備えている。文字入力制御部11は、文字入力部25を制御して、検索対象漢字の中の既知単漢字や既知熟語に対応する入力文字を、漢字位置を指定して入力させ、入力させた入力文字及び漢字位置を一時記憶部18に記憶する。漢字検索部15は、読み漢字検索部151、予測入力文字生成部152、及び熟語検索部153を備え、入力文字取得部14によって取得された入力文字とその漢字位置に基づいて、データベース部17に記憶されている単漢字や熟語の中から検索漢字候補を検索する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンピュータを用いて、検索対象となる単漢字または熟語の読みや関連情報等を検索して表示する漢字検索システム、漢字検索方法及びプログラムに関する。特に、携帯ゲーム装置、携帯電話、電子辞書装置等の携帯型装置を用いて、検索対象となる単漢字または熟語の読みや関連情報等を検索して表示する漢字検索システム、漢字検索方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から単漢字や熟語の意味を検索するための装置として、単漢字または熟語の読みや関連情報等を電子化してデータベースに記憶し、単漢字や熟語の読みを入力することにより、単漢字や熟語の意味を簡単に検索して表示する電子辞書装置、携帯型情報端末(PDA:Personal Digital Assistant)等が開発されている。
【0003】
しかし、従来の電子辞書装置は、検索対象となる単漢字または熟語である検索対象漢字の読みをユーザが入力することによって該検索対象漢字の意味を検索し表示する装置であり、ユーザが検索対象漢字の読みを知らない場合、従来の電子辞書装置では検索対象漢字の意味を検索することができなかった。
【0004】
また、近年、コンピュータの普及により読みが難解な単漢字や熟語が記載された文書等が市場に氾濫し、このような難解な単漢字や熟語の読みを簡単に検索して表示する漢字検索システムの開発が期待されている。
【0005】
そこで、ユーザが検索対象漢字の読みを知らない場合であっても、検索対象漢字の読みや関連情報等を検索する漢字検索システムが提案されている。例えば、特許文献1では、複数の単漢字から構成される検索対象漢字である熟語において、各単漢字に対する読みを入力することにより、各単漢字を含む熟語の候補を単漢字毎に抽出し、各単漢字に対する熟語の候補の中から共通する熟語を抽出して検索対象漢字の候補あるいは検索対象漢字とすることにより、読みのわからない検索対象漢字に対する関連情報を抽出して表示する電子辞書装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006−293676号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に開示されている電子辞書装置では、検索対象漢字を読みのわかる単漢字(以下、既知単漢字と呼ぶ)を、各単漢字の区切れを「スペース」で区別しながら入力したり、あるいは、既知単漢字と読みのわからない単漢字(以下、未知単漢字と呼ぶ)とに分け、未知単漢字の読みを「*」として、ユーザが検索対象漢字を構成する全ての単漢字の読みを、各単漢字の句切れを「スペース」で区別しながら1文字目から順番に入力したりしなければならず、途中で読みを間違って入力した場合は、入力間違いの位置まで入力文字を削除して戻り、再度、その位置から入力をしなおさなければならないという問題があった。
【0008】
また、各単漢字の区切れには必ず「スペース」を入力しなければならず、例えば四字熟語の1文字目と2文字目が連続した読みのわかる熟語(以下、既知熟語と呼ぶ)であっても、1文字毎に読みを入力しなければならず、即ち、1文字目と2文字目とを既知熟語の読みとしてまとめて入力することができないという問題もあった。
【0009】
また、ユーザが未知単漢字の読みを「*」とするルールを忘れた場合は、取扱説明書やヘルプ機能を使用して未知単漢字の読みが「*」であることを、ユーザ自身が調べた後に、検索対象漢字の読みを1文字目から順番に入力しなければならないという問題(作業効率が悪いとういう問題)もあった。
【0010】
本発明は、以上のような問題点を解決するためになされたもので、読みのわからない検索対象漢字の読みや関連情報等を容易に検索して表示することが可能な漢字検索システム、漢字検索方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上述した従来の問題点を解決すべく下記の発明を提供する。
本発明の第1の態様にかかる漢字検索システムは、コンピュータを使用して、検索対象となる単漢字または熟語である検索対象漢字の読みを検索する漢字検索システムであって、前記コンピュータは、文字入力部を制御して、前記検索対象漢字を構成する1個以上の単漢字の中の所望の単漢字の漢字位置を指定させ、指定された前記漢字位置から連続した1個以上の漢字列に対応する入力文字を入力させる入力制御手段と、前記入力制御手段によって入力された漢字、ひらがな、カタカナ、または、ローマ字である前記入力文字と、前記入力文字に対応する前記漢字位置と、を取得する入力文字取得手段と、前記入力文字取得手段によって取得された前記漢字位置を制約条件として、前記入力文字取得手段によって取得された前記入力文字がひらがな、カタカナ、または、ローマ字であるときは、前記入力文字が読みとなる単漢字または熟語を少なくとも含む前記検索対象漢字の候補を、前記入力文字が漢字であるときは、前記入力文字された単漢字を少なくとも含む前記検索対象漢字の候補を、データベース部に記憶されている複数の単漢字または熟語の中から前記制約条件に基づいて検索し、検索された当該検索対象漢字の候補の読みを抽出する漢字検索手段と、表示部を制御して、前記漢字検索手段によって検索された前記検索対象漢字の候補、及び、検索した当該検索対象漢字の候補の読みを表示させる表示制御手段と、を備えていることを特徴とする。
【0012】
ここで、漢字列に対応する入力文字とは、ひらがな、カタカナ、またはローマ字で入力される場合、検索対象となる単漢字または熟語である検索対象漢字の中の既知単漢字や既知熟語の読みであり、漢字手書き入力される場合は、手書きされた検索対象漢字を構成する単漢字である。また、連続した既知単漢字の読みを、既知熟語の読みとしてまとめて入力文字とすることもできる。
【0013】
本発明の第2の態様にかかる漢字検索システムは、本発明の第1の態様にかかる漢字検索システムにおいて、前記入力制御手段は、前記入力部を制御して、前記検索対象漢字を構成する単漢字の漢字文字数を更に入力させ、前記入力文字取得手段は、前記入力制御手段によって入力された前記漢字文字数を更に取得し、前記漢字検索手段は、前記入力文字取得手段によって取得された前記漢字位置及び前記漢字文字数を前記制約条件として、前記入力文字取得手段によって取得された前記入力文字がひらがな、カタカナ、または、ローマ字であるときは、前記入力文字が読みとなる単漢字または熟語を少なくとも含む前記検索対象漢字の候補を、前記入力文字が漢字であるときは、前記入力文字された単漢字を少なくとも含む前記検索対象漢字の候補を、前記データベース部に記憶されている複数の単漢字または熟語の中から前記制約条件に基づいて検索し、検索した当該検索対象漢字の候補の読みを抽出することを特徴とする。
【0014】
本発明の第3の態様にかかる漢字検索システムは、本発明の第1または2の態様にかかる漢字検索システムにおいて、前記漢字検索手段は、前記入力文字取得手段によって取得された前記入力文字がひらがな、カタカナ、または、ローマ字であるときに、前記入力文字取得手段によって取得された前記入力文字を読みとする全ての単漢字または熟語を、前記データベース部に記憶されている複数の単漢字または熟語の中から検索する読み漢字検索手段と、前記入力文字取得手段によって取得された前記入力文字である単漢字を少なくとも含む前記検索対象漢字の候補を、または、前記読み漢字検索手段によって検索された単漢字または熟語を少なくとも含む前記検索対象漢字の候補を、前記データベース部に記憶されている複数の単漢字または熟語の中から前記制約条件に基づいて検索し、検索した当該検索対象漢字の候補の読みを抽出する熟語検索手段と、を備えていることを特徴とする。
【0015】
本発明の第4の態様にかかる漢字検索システムは、本発明の第3の態様にかかる漢字検索システムにおいて、前記漢字検索手段は、前記入力文字取得手段によって取得された前記入力文字がひらがな、カタカナ、または、ローマ字であるときに、前記入力文字に類似した予測入力文字を、所定の予測入力文字検索ルールに基づいて生成する予測入力文字生成手段を、更に備え、前記読み漢字検索手段は、前記予測入力文字生成手段によって生成された前記予測入力文字を読みとする全ての単漢字または熟語を、更に、前記データベース部に記憶されている複数の単漢字または熟語の中から検索することを特徴とする。
【0016】
本発明の第5の態様にかかる漢字検索システムは、本発明の第3または4の態様にかかる漢字検索システムにおいて、前記入力制御手段は、前記入力部を制御して、前記入力文字取得手段によって取得された前記入力文字である単漢字の前記漢字位置、または、前記読み漢字検索手段によって検索された単漢字または熟語を構成する各単漢字の前記漢字位置を、所望の漢字位置に移動させることを特徴とする。
【0017】
本発明の第6の態様にかかる漢字検索システムは、本発明の第1乃至5のいずれか1つの態様にかかる漢字検索システムにおいて、前記入力制御手段は、前記入力部に設けられているひらがな、カタカナ、または、ローマ字である文字を選択させて入力させることを特徴とする。
例えば、タッチパネルやキーボタンとして予め設けられている、ひらがな、カタカナ、または、ローマ字である文字を選択させて入力させることである。
【0018】
本発明の第7の態様にかかる漢字検索システムは、本発明の第1乃至6のいずれか1つの態様にかかる漢字検索システムにおいて、前記入力制御手段は、漢字、ひらがな、カタカナ、または、ローマ字を手書きさせて入力させ、前記コンピュータは、前記入力制御手段によって手書き入力された前記入力文字を、漢字、ひらがな、カタカナ、または、ローマ字毎に認証する文字認証手段を、更に備えていることを特徴とする。
【0019】
本発明の第8の態様にかかる漢字検索システムは、本発明の第1乃至7のいずれか1つの態様にかかる漢字検索システムにおいて、前記表示制御手段は、前記漢字検索手段によって検索された前記検索対象漢字の候補の中から指定された前記検索対象漢字に基づいて、前記データベース部に記憶されている当該検索対象漢字に関連した関連情報を取得し、取得した前記関連情報を、前記表示部を制御して表示させることを特徴とする。
【0020】
本発明の第9の態様にかかる漢字検索システムは、本発明の第1乃至8のいずれか1つの態様にかかる漢字検索システムにおいて、前記コンピュータは、前記漢字検索手段によって検索された前記検索対象漢字の候補の中から指定された前記検索対象漢字に関連した前記関連情報を、前記データベース部に格納するユーザ保存手段を、更に備え、前記表示制御手段は、前記ユーザ保存手段に格納された1個以上の単漢字または熟語の中から選択された1つの単漢字または熟語に関連した前記関連情報を取得し、取得した前記関連情報を、前記表示部を制御して表示させることを特徴とする。
【0021】
本発明の第10の態様にかかる漢字検索システムは、本発明の第1乃至9のいずれか1つの態様にかかる漢字検索システムにおいて、前記入力文字取得手段は、前記入力文字が漢字であるときに、取得した単漢字を一時記憶部に格納し、前記漢字検索手段は、前記入力文字取得手段によって取得されたひらがな、カタカナ、または、ローマ字が読みとなる単漢字または熟語を前記一時記憶部に格納し、前記入力制御手段は、前記入力部を制御して、前記一時記憶部に格納された1個以上の単漢字または熟語の中から選択された漢字または熟語を入力させることを特徴とする。
【0022】
本発明の第1の態様にかかる漢字検索方法は、コンピュータを使用して、検索対象となる単漢字または熟語である検索対象漢字の読みを検索する漢字検索方法であって、前記コンピュータが、(a)前記検索対象漢字を構成する1個以上の単漢字の中の所望の単漢字の漢字位置を指定させ、指定された前記漢字位置から連続した1個以上の漢字列に対応する入力文字を入力させる工程と、(b)前記工程(a)によって入力された漢字、ひらがな、カタカナ、または、ローマ字である前記入力文字と、前記入力文字に対応する前記漢字位置と、を取得する工程と、(c)前記工程(b)によって取得された前記漢字位置を制約条件として、前記工程(b)によって取得された前記入力文字がひらがな、カタカナ、または、ローマ字であるときは、前記入力文字が読みとなる単漢字または熟語を少なくとも含む前記検索対象漢字の候補を、前記入力文字が漢字であるときは、前記入力文字された単漢字を少なくとも含む前記検索対象漢字の候補を、データベース部に記憶されている複数の単漢字または熟語の中から前記制約条件に基づいて検索し、検索された当該検索対象漢字の候補の読みを抽出する工程と、(d)前記工程(c)によって検索された前記検索対象漢字の候補、及び、検索した当該検索対象漢字の候補の読みを表示させる工程と、を備えていることを特徴とする。
【0023】
本発明の第2の態様にかかる漢字検索方法は、本発明の第1の態様にかかる漢字検索方法において、前記工程(a)は、前記検索対象漢字を構成する単漢字の漢字文字数を更に入力させ、前記工程(b)は、前記工程(a)によって入力された前記漢字文字数を更に取得し、前記工程(c)は、前記工程(b)によって取得された前記漢字位置及び前記漢字文字数を前記制約条件として、前記工程(b)によって取得された前記入力文字がひらがな、カタカナ、または、ローマ字であるときは、前記入力文字が読みとなる単漢字または熟語を少なくとも含む前記検索対象漢字の候補を、前記入力文字が漢字であるときは、前記入力文字された単漢字を少なくとも含む前記検索対象漢字の候補を、前記データベース部に記憶されている複数の単漢字または熟語の中から前記制約条件に基づいて検索し、検索した当該検索対象漢字の候補の読みを抽出することを特徴とする。
【0024】
本発明の第3の態様にかかる漢字検索方法は、本発明の第1または2の態様にかかる漢字検索方法において、前記工程(c)は、(c1)前記工程(b)によって取得された前記入力文字がひらがな、カタカナ、または、ローマ字であるときに、前記工程(b)によって取得された前記入力文字を読みとする全ての単漢字または熟語を、前記データベース部に記憶されている複数の単漢字または熟語の中から検索する工程と、(c2)前記工程(b)によって取得された前記入力文字である単漢字を少なくとも含む前記検索対象漢字の候補を、または、前記工程(c1)によって検索された単漢字または熟語を少なくとも含む前記検索対象漢字の候補を、前記データベース部に記憶されている複数の単漢字または熟語の中から前記制約条件に基づいて検索し、検索した当該検索対象漢字の候補の読みを抽出する工程と、を備えていることを特徴とする。
【0025】
本発明の第4の態様にかかる漢字検索方法は、本発明の第3の態様にかかる漢字検索方法において、前記工程(c)は、(c3)前記工程(b)によって取得された前記入力文字がひらがな、カタカナ、または、ローマ字であるときに、前記入力文字に類似した予測入力文字を、所定の予測入力文字検索ルールに基づいて生成する工程を、更に備え、前記工程(c1)は、前記工程(c3)によって生成された前記予測入力文字を読みとする全ての単漢字または熟語を、更に、前記データベース部に記憶されている複数の単漢字または熟語の中から検索することを特徴とする。
【0026】
本発明の第5の態様にかかる漢字検索方法は、本発明の第3または4の態様にかかる漢字検索方法において、前記工程(a)は、前記工程(b)によって取得された前記入力文字である単漢字の前記漢字位置、または、前記工程(c1)によって検索された単漢字または熟語を構成する各単漢字の前記漢字位置を、所望の漢字位置に移動させることを特徴とする。
【0027】
本発明の第6の態様にかかる漢字検索方法は、本発明の第1乃至5のいずれか1つの態様にかかる漢字検索方法において、前記工程(a)は、前記入力部に設けられているひらがな、カタカナ、または、ローマ字である文字を選択させて入力させることを特徴とする。
【0028】
本発明の第7の態様にかかる漢字検索方法は、本発明の第1乃至6のいずれか1つの態様にかかる漢字検索方法において、前記工程(a)は、漢字、ひらがな、カタカナ、または、ローマ字を手書きさせて入力させ、前記コンピュータが、(e)前記工程(a)によって手書き入力された前記入力文字を、漢字、ひらがな、カタカナ、または、ローマ字毎に認証する工程を、更に備えていることを特徴とする。
【0029】
本発明の第8の態様にかかる漢字検索方法は、本発明の第1乃至7のいずれか1つの態様にかかる漢字検索方法において、前記工程(d)は、前記工程(c)によって検索された前記検索対象漢字の候補の中から指定された前記検索対象漢字に基づいて、前記データベース部に記憶されている当該検索対象漢字に関連した関連情報を取得し、取得した前記関連情報を表示させることを特徴とする。
【0030】
本発明の第9の態様にかかる漢字検索方法は、本発明の第1乃至8のいずれか1つの態様にかかる漢字検索方法において、前記コンピュータが、(f)前記工程(c)によって検索された前記検索対象漢字の候補の中から指定された前記検索対象漢字に関連した前記関連情報を、前記データベース部に格納する工程を、更に備え、前記工程(d)は、前記工程(f)に格納された1個以上の単漢字または熟語の中から選択された1つの単漢字または熟語に関連した前記関連情報を取得し、取得した前記関連情報を表示させることを特徴とする。
【0031】
本発明の第10の態様にかかる漢字検索方法は、本発明の第1乃至9のいずれか1つの態様にかかる漢字検索方法において、前記工程(b)は、前記入力文字が漢字であるときに、取得した単漢字を一時記憶部に格納し、前記工程(c)は、前記工程(b)によって取得されたひらがな、カタカナ、または、ローマ字が読みとなる単漢字または熟語を前記一時記憶部に格納し、前前記工程(a)は、前記一時記憶部に格納された1個以上の単漢字または熟語の中から選択された漢字または熟語を入力させることを特徴とする。
【0032】
本発明の第1の態様にかかるプログラムは、検索対象となる単漢字または熟語である検索対象漢字列の読みを検索する処理を、コンピュータに実行させるプログラムであって、本発明の第1乃至第10のいずれか1つの態様にかかる漢字検索システムの各手段を実現させる処理を前記コンピュータに実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0033】
本発明の全ての態様にかかる漢字検索システム、漢字検索方法及びプログラムによれば、検索対象漢字の中の既知単漢字や既知熟語の読みを、漢字位置を指定して入力するだけで、検索対象漢字の候補(以下、検索漢字候補と呼ぶ)を検索し、検索した検索漢字候補とともに該検索漢字候補の読みを表示することが可能である。即ち、未知単漢字を特定する、例えば、「*」や「?」等の記号を使用する必要もない。また、検索対象漢字の中の既知熟語の読みを、漢字位置を指定して入力することにより、ユーザの入力操作を容易にすることができる。即ち、単漢字毎に読みを入力するという操作することなく、熟語の読みとして複数の単漢字の読みを入力することができる。
【0034】
また、本発明の第2の態様にかかる漢字検索システム、及び、本発明の第2の態様にかかる漢字検索方法によれば、上記の他に、検索対象漢字を構成する単漢字の文字数(以下、漢字文字数と呼ぶ)を指定することにより、検索漢字候補を絞り込むことができ、短時間に検索漢字候補を検索することができるとともに、検索漢字候補の中の検索対象漢字を容易にユーザに認識させることができる。
【0035】
また、本発明の第4の態様にかかる漢字検索システム、及び、本発明の第4の態様にかかる漢字検索方法によれば、上記の他に、ユーザが既知単漢字や既知熟語の読みを間違って入力した場合であっても、予測入力文字検索ルールに基づいて、入力文字に類似した予測入力文字を生成し、生成した予測入力文字を読みとする検索漢字候補を検索することができる。例えば、「gakkou(がっこう)」とユーザが入力するところを「gakou(がこう)」とユーザが入力してしまった場合であっても、検索漢字候補として「画工(がこう)」、「画稿(がこう)」等の他に、「がこう」に類似した「学校(がっこう)」も検索して表示することができる。これにより、日本語に不慣れな外国人によって入力された入力文字であっても、間違い易い読みの入力文字であっても、検索漢字候補を検索することができる。
【0036】
また、本発明の第5の態様にかかる漢字検索システム、及び、本発明の第5の態様にかかる漢字検索方法によれば、上記の他に、間違った漢字位置に入力された単漢字を容易に移動させることにより、容易に検索漢字候補を検索することができる。
【0037】
また、本発明の第7の態様にかかる漢字検索システム、及び、本発明の第7の態様にかかる漢字検索方法によれば、上記の他に、手書きされた漢字を認識して入力文字とすることにより、既知単漢字が1つもない場合であっても、検索漢字候補や検索対象漢字の読みを検索することができる。
【0038】
また、本発明の第8の態様にかかる漢字検索システム、及び、本発明の第8の態様にかかる漢字検索方法によれば、上記の他に、検索した検索漢字候補の中から選択された検索対象漢字に関連した関連情報(例えば、意味、英訳等)を抽出して表示することも可能である。
【0039】
また、本発明の第9の態様にかかる漢字検索システム、及び、本発明の第9の態様にかかる漢字検索方法によれば、上記の他に、検索した検索対象漢字の読みや関連情報を保存することにより、ユーザが良く使う単漢字や熟語や、間違い易い単漢字や熟語をまとめたユーザ独自の簡易辞書機能を生成することができる。
【0040】
また、本発明の第10の態様にかかる漢字検索システム、及び、本発明の第10の態様にかかる漢字検索方法によれば、上記の他に、入力文字から変換された単漢字や熟語を履歴情報として記憶することにより、過去に入力された入力文字を再度入力することなく検索漢字候補を検索することができる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明の一実施形態にかかる漢字検索システム10を実行させる携帯ゲーム装置20の概略構成を示す図である。
【図2】本発明の一実施形態にかかる漢字検索システム10におけるシステム構成の一例を示す図である。
【図3】文字入力部25を使用した文字入力を説明するための図であり、(a)は、漢字位置の指定を説明するための図であり、(b)は、タッチ入力部25aを使用したひらがなによる文字入力を説明するための図であり、(c)は、手書き入力部25bを使用した漢字による文字入力を説明するための図であり、(d)は、手書き入力部25bを使用したひらがなによる文字入力を説明するための図であり、(e)は、検索漢字候補とその読みを表示した画面を説明するための図である。
【図4】漢字文字数を入力する画面ウィンドの一例を示した図である。
【図5】漢字位置の移動を説明するための図である。
【図6】履歴情報用データ部181に記憶されている単漢字や熟語が表示された画面ウィンドの一例を示した図である。
【図7】(a)は、検索漢字候補とその読みを表示した画面の一例を示す図であり、(b)は、検索対象漢字とその読みとその関連情報を表示した画面の一例を示す図である。
【図8】漢字変換用データ部171のデータ構成を示した一例である。
【図9】熟語検索用データ部172のデータ構成を示した一例である。
【図10】バイナリ検索を説明するための図である。
【図11】線形検索を説明するための図である。
【図12】本発明の一実施形態にかかる漢字検索方法の各工程をコンピュータに実行させるプログラムの処理手順を示すフローチャート図の一例である。
【図13】図12の続きのフローチャート図である。
【発明を実施するための形態】
【0042】
本発明の一実施形態を、図面を参照しながら説明する。なお、以下に説明する実施形態は説明のためのものであり、本発明の範囲を制限するものではない。従って、当業者であればこれらの各要素もしくは全要素をこれと均等なもので置換した実施形態を採用することが可能であるが、これらの実施形態も本発明の範囲に含まれる。
【0043】
本発明の一実施形態にかかる漢字検索システム10は、ユーザにとって読みのわからない検索対象となる単漢字または熟語である検索対象漢字(例えば、「凌霄花」、「羅漢柏」、「瓢虫」、「蒲公英」等)の読みを、表示部に表示してユーザに認識させ(上記の例では「のうぜんかずら」、「あすなろ」、「てんとうむし」、「たんぽぽ」等)、更に、関連情報表示が指示された検索対象漢字の関連情報(例えば、意味、英訳等)を表示部に表示させるシステムである。例えば、検索対象漢字が「凌霄花」であるとき、3文字目が既知単漢字である「花」である場合、3文字目を指定して「はな」を入力文字とすることにより、3文字目が「花」である検索漢字候補(例えば、紫陽花、女郎花、山茶花、線香花火、凌霄花、鳳仙花等)を検索し、検索した検索漢字候補とともに該検索漢字候補の読みを表示部に表示し、検索対象漢字の「凌霄花」の読みである「のうぜんかずら」をユーザに認識させる。また、検索漢字候補の中から検索対象漢字である「凌霄花」の関連情報表示を指示することにより、検索対象漢字の意味や英訳等の関連情報を表示部に表示するシステムである。また、「花」の読みがわからない場合、即ち、読める単漢字が1つもない場合であっても手書した「花」を入力文字とすることにより、「花」が既知単漢字である場合(入力文字が「はな」である場合)と同様の結果を表示するシステムである。
【0044】
まず、本発明の一実施形態にかかる漢字検索システム10を実行させるコンピュータの概略構成について説明する。尚、本実施形態においては、コンピュータは、電子辞書装置、携帯電話、携帯情報端末(PDA)、携帯ゲーム装置、家庭用ゲーム機、スタンドアローン型のコンピュータ等のCPU、メモリ等を備えた装置であれば良い。また、本明細書では、コンピュータとして、携帯ゲーム装置20を例に挙げて説明する。
【0045】
図1は、本発明の一実施形態にかかる漢字検索システム10を実行させる携帯ゲーム装置20の概略構成を示す図である。図1に示すように、携帯ゲーム装置20は、CPU(中央処理装置)21、ROM22、RAM23、表示部24、及び文字入力部25を備えている。
【0046】
CPU21は、携帯ゲーム装置20で実行させる漢字検索システム10を実現するためのソフトウェアおよびデータを記憶しているROM22から、必要な情報を読み出し、実行することにより、漢字検索システム10を実現する。また、RAM23は、携帯ゲーム装置20で実行させる漢字検索システム10を実現するために必要なデータの記憶装置及びソフトウェアの実行作業領域として機能する。
【0047】
また、表示部24は、CPU21からの命令に従って表示情報(例えば、ユーザに作業を促すための情報、検索漢字候補やその読み、検索対象漢字の読みや関連情報等)を表示する。また、文字入力部25は、CPU21からの命令に従って入力情報(例えば、ユーザによって操作された操作情報、入力された文字情報等)を入力して、RAM23に記憶する。文字入力部25は、予め備えられているひらがな、カタカナ、またはローマ字の各文字を指定することによって入力するタッチ入力部25a、及び、所定の領域に手書きされた漢字、ひらがな、カタカナ、またはローマ字の各文字を入力する手書き入力部25bを備えている。尚、タッチ入力部25aには、ひらがな、カタカナ、またはローマ字の各文字のほかにも、画面切り替え、画面スクロール、検索処理等を実行する各機能アイコンを備えている。また、文字入力部25は、操作ボタン等の操作部25c等も備えている。
【0048】
上述した漢字検索システム10では、漢字検索システム10を実現するためのソフトウェアおよびデータをROM22に記憶しているが、通信装置や外部記憶装置等を使用して、必要なソフトウェアやデータを取得して、携帯ゲーム装置20で実行させるようにしても良い。
【0049】
次に、本発明の一実施形態にかかる漢字検索システム10におけるシステム構成について説明する。図2は、本発明の一実施形態にかかる漢字検索システム10におけるシステム構成の一例を示す図である。
【0050】
図2に示すように、本発明の一実施形態にかかる漢字検索システム10は、文字入力制御部11、文字認証部12、表示制御部13、入力文字取得部14、漢字検索部15、ユーザ保存部16、データベース部17、及び一時記憶部18を備えている。
【0051】
漢字検索システム10の文字入力制御部11は、文字入力部25(タッチ入力部25a、手書き入力部25b、操作部25c等)を制御して、検索対象となる単漢字または熟語である検索対象漢字の中の既知単漢字や既知熟語に対応する入力文字を、漢字位置を指定して入力させ、入力させた入力文字及び漢字位置を一時記憶部18に記憶する。
【0052】
ここで、検索対象漢字の中の既知単漢字や既知熟語に対応する入力文字とは、タッチ入力部25aを使用した場合、または、手書き入力部25bのひらがな入力、カタカナ入力、ローマ字入力を使用した場合においては、検索対象漢字の中の既知単漢字や既知熟語の読みであり、手書き入力部25bの漢字入力を使用した場合においては、手書きされた検索対象漢字を構成する単漢字である。
【0053】
また、読みのわかる熟語(既知熟語)の場合は、既知熟語の読みを入力文字とする、即ち、連続した既知単漢字を、既知熟語の読みとしてまとめて入力文字とすることもできる。また、漢字位置とは、入力文字が、検索対象漢字を構成する単漢字の中の何番目の文字から開始された文字であるかを示す情報である。尚、操作部25cに、文字用のキーボタン(ひらがな、カタカナ、ローマ字)がある場合は、タッチ入力部25aの文字入力と同様な処理を、操作部25cで行うことができる。
【0054】
図3は、文字入力部25を使用した文字入力を説明するための図である。図3(a)は、漢字位置の指定を説明するための図であり、図3(b)は、タッチ入力部25aを使用したひらがなによる文字入力を説明するための図であり、図3(c)は、手書き入力部25bを使用した漢字による文字入力を説明するための図であり、図3(d)は、手書き入力部25bを使用したひらがなによる文字入力を説明するための図であり、図3(e)は、検索漢字候補とその読みを表示した画面を説明するための図である。
【0055】
例えば、検索対象漢字が「線香花火」であり、既知単漢字が「花」と「火」であるとき(即ち、既知熟語が「花火」であるとき)、図3(a)に示すように、漢字位置を3文字目に指定する。その後、図3(b)に示すように、タッチ入力部25aの「は」、「な」、「び」をタッチして「はなび」を入力文字する。このとき、漢字位置を3文字目に指定してタッチ入力部25aの「は」、「な」をタッチして「はな」を入力文字とし、更に、漢字位置を4文字目に指定してタッチ入力部25aの「ひ」をタッチして「ひ」を入力文字とすることもできる。この場合は、まず、「はな」を入力文字として入力して、後述する漢字変換部15により「はな」から「花」を変換し、その後、「ひ」を入力文字として入力して、漢字変換部15により「ひ」から「火」を変換する。
【0056】
また、例えば、図3(c)に示すように、漢字位置を3文字目に指定し、手書き入力部25bに「花」を手書きして「花」を入力文字として入力し、次に、漢字位置を4文字目に指定し、手書き入力部25bに「火」を手書きして「火」を入力文字として入力する。また、例えば、図3(d)に示すように、漢字位置を3文字目に指定し、手書き入力部25bに「は」、「な」、「び」を手書きして「はなび」を入力文字にする。この場合も、図3(b)で説明したように、「はな」と「ひ」に分けて、それぞれを入力文字とすることもできる。上述した文字入力によって、3文字目から「花火」が入力されることで、図3(e)に示すような、検索漢字候補とその読みの一覧が表示部25の画面に表示される。尚、図3(e)の場合は、漢字位置が3文字目である「花火」の検索漢字候補が「線香花火」だけしかなかった場合である。
【0057】
また、文字入力制御部11は、文字入力部25を制御して、検索対象漢字の漢字文字数を入力させ、入力させた漢字文字数を一時記憶部18に記憶する。図4は、漢字文字数を入力する画面ウィンドの一例を示した図である。図4に示した画面ウィンドで、検索対象漢字の漢字文字数を選択することにより、漢字文字数が入力される。
【0058】
また、文字入力制御部11は、文字入力部25を制御して、検索対象漢字の中の既に入力された単漢字または後述する漢字変換部15によって変換された単漢字の漢字位置を移動させ、移動前の漢字位置を移動後の漢字位置に変更して、一時記憶部18に記憶する。例えば、漢字位置を間違って指定したときに、入力文字を再度入力することなく、漢字位置を変更する場合に、この機能を使用する。例えば、検索対象漢字が「瓢虫」であり、既知単漢字が「虫」であるときに、「虫」の漢字位置を間違って1文字目に指定した場合に、「虫」の漢字位置を2文字目に変更する機能である。図5は、漢字位置の移動を説明するための図である。図5に示すように、移動前は、1文字目に「虫」が入力されている(移動前の状態)。1文字目のアイコンを押さえながら2文字目のアイコンにドラッグする(移動作業の操作)と、移動後は、2文字目に「虫」が入力される。このとき、検索される検索漢字候補も、1文字目が「虫」である単漢字または熟語から、2文字目が「虫」である熟語となる。
【0059】
また、文字入力制御部11は、文字入力部25を制御して、一時記憶部18の履歴情報用データ部181に記憶されている過去に入力された1個以上の単漢字や熟語の中から選択された単漢字や熟語を入力文字として入力させ、入力させた入力文字及び漢字位置を一時記憶部18に記憶する。履歴情報用データ部181に記憶されている単漢字や熟語は、検索対象漢字の中の既知単漢字や既知熟語として入力された単漢字や熟語、手書きされた単漢字である。図6は、履歴情報用データ部181に記憶されている単漢字や熟語が表示された画面ウィンドの一例を示した図である。図6に示した画面ウィンドに表示されている単漢字や熟語の中から選択された単漢字や熟語が入力文字となる。
【0060】
上述したように、文字入力制御部11は、文字入力部25を制御して、検索対象漢字の中の既知単漢字や既知熟語に対応する入力文字とその漢字位置を入力させるだけでなく、漢字文字数、漢字位置の移動、履歴情報用データ部181からの入力文字の取り出しを実行させているが、少なくとも検索対象漢字の中の既知単漢字や既知熟語に対応する入力文字とその漢字位置を入力させることができれば良く、例えば、履歴情報用データ部181からの入力文字の取り出しができないような構成であっても、漢字位置の移動ができないような構成であっても、漢字文字数ができないような構成であっても良い。
【0061】
また、タッチ入力部25aと手書き入力部25bとから入力文字を入力できるような構成であるが、タッチ入力部25aから入力文字を入力するだけの構成であっても、手書き入力部25bから入力文字を入力するだけの構成であっても良い。
漢字検索システム10の文字認証部12は、手書き入力された入力文字を漢字、ひらがな、カタカナ、ローマ字毎に認証する。尚、手書き入力部25bの無い構成の場合は、文字認証部12が無い構成であっても良い。
【0062】
漢字検索システム10の表示制御部13は、表示部24を制御して、一時記憶部18やデータベース部17に記憶されている各種情報(例えば、検索漢字候補とその読み、検索対象漢字とその読みとその関連情報、履歴情報、ユーザ保存情報等)を取り出させ、取り出させた情報から表示情報を生成させ表示させる。図7(a)は、検索漢字候補とその読みを表示した画面の一例を示す図であり、図7(b)は、検索対象漢字とその読みとその関連情報を表示した画面の一例を示す図である。例えば、検索対象漢字が「瓢虫」であり、既知単漢字が「虫」であるときに、2文字目に「虫」を入力することにより図7(a)に示すような検索漢字候補が検索され、検索漢字候補とその読みが表示される。また、検索漢字候補の中から検索対象漢字である「瓢虫」を指定することにより、図7(b)に示すような検索対象漢字とその読み(「てんとうむし」)とその関連情報(例えば、意味:「テントウムシ科の昆虫における総称。」、英訳:「a ladybug;a ladybird(bug)」等)が表示される。
【0063】
漢字検索システム10の入力文字取得部14は、文字入力制御部11、文字認証部12、及び表示制御部13を連動させて、検索対象漢字の中の既知単漢字や既知熟語に対応する入力文字とその漢字位置と漢字文字数を取得する。尚、漢字文字数が入力されていない場合は、「文字数指定なし」とする。
【0064】
漢字検索システム10の漢字検索部15は、入力文字取得部14によって取得された検索対象漢字の中の既知単漢字や既知熟語に対応する入力文字とその漢字位置と漢字文字数に基づいて、データベース部17の漢字変換用データ部171に記憶されている複数の単漢字や熟語の中から検索漢字候補を検索する。また、図2に示すように、漢字検索部15は、読み漢字検索部151、予測入力文字生成部152、及び熟語検索部153を備えている。
【0065】
漢字検索部15の読み漢字検索部151は、ひらがな、カタカナ、ローマ字で入力された入力文字から変換される全ての単漢字または熟語を検索する。即ち、漢字変換用データ部171に記憶されている複数の単漢字や熟語の中から入力文字が読みとなる単漢字や熟語を全て検索し、検索した結果を一時記憶部18の検索結果データ部182に記憶する。例えば、入力文字が「きょうどう」であるとき、「共同」、「協同」、「協働」、「経堂」等の変換される全ての単漢字または熟語を検索する。
【0066】
図8は、漢字変換用データ部171のデータ構成を示した一例である。図8に示すように、単漢字及び熟語毎に、漢字(漢字文字コード)、読み(ひらがな文字コード)、関連情報、及びアドレスを対応づけて記憶している。また、各単漢字及び各熟語は、第1キーを読み(ひらがな文字コード)順に第2キーを漢字(漢字文字コード)順にソートされた順番に記憶されている。また、関連情報としては、意味、英訳等が記憶されている。従って、読み漢字検索部151は、カタカナ、ローマ字で入力された入力文字の各文字コードをひらがな文字コードに変換し、ひらがな文字コードをキーワードとして単漢字及び熟語を検索する。検索方法の一例として、本明細書では、後述のバイナリ検索及び線形検索により検索する方法を挙げる。
【0067】
尚、上述した漢字変換用データ部171のデータ構成は、読みがひらがな文字コードで記憶されているが、読みがカタカナ文字コードのデータ部や読みがアルファベット文字コードのデータ部を別に記憶しておいてもよい。この場合、読み漢字検索部151は、カタカナ、ローマ字で入力された入力文字の各文字コードをひらがな文字コードに変換することなく、カタカナ文字コード、あるいは、アルファベット文字コードをキーワードとして単漢字及び熟語を検索する。
【0068】
漢字検索部15の予測入力文字生成部152は、ひらがな、カタカナ、ローマ字で入力された入力文字に対して、該入力文字に類似した予測入力文字を、所定の予測入力検索ルールに基づいて生成する。尚、予測入力文字生成部152によって生成された予測入力文字は、読み漢字検索部151により、予測入力文字を読みとする単漢字または熟語が検索される。
【0069】
次に、予測入力検索ルールについて、例を挙げて説明する。例えば、ローマ字で入力されたとき、予測入力検索ルールによって、下記に示すような修正をした予測入力文字を生成する。
【0070】
(パターン1):子音の超過を修正した予測入力文字
例えば、「kekkka:けkっか」と入力されたときに、「kekka:けっか(結果)」を予測入力文字として生成する。尚、()内の漢字は変換対象となる単漢字または熟語を記載したもので、生成される予測入力文字は、ローマ字、または、ひらがな文字コードに変換されたひらがなである。
【0071】
(パターン2):「N」の過不足を修正した予測入力文字
例えば、「onna:おんあ」と入力されたときに、「onnna:おんな(女)」を予測入力文字として生成する。
【0072】
(パターン3):母音の過不足を修正した予測入力文字
例えば、「nyuryoku:にゅりょく」と入力されたときに、「nyuuryoku:にゅうりょく(入力)」を予測入力文字として生成する。また、「kerei:けれい」と入力されたときに、「keirei:けいれい(敬礼)」を予測入力文字として生成する。
【0073】
(パターン4):子音の過不足を修正した予測入力文字
例えば、「gakou:がこう」と入力されたときに、「gakkou:がっこう(学校)」を予測入力文字として生成する。
【0074】
(パターン5):変則ローマ字を修正した予測入力文字
これは、ローマ字の「b」、「p」、「m」が入力されたとき、その1つ前の文字が「m」と入力されている場合、「m」を「n」に変換した予測入力文字を生成する。例えば、「kampai:かmぱい」と入力されたときに、「kanpai:かんぱい(乾杯)」を予測入力文字として生成する。
また、ローマ字の「t」が入力されたとき、その後の2文字が「ch」と入力されている場合、「t」を「c」に変換した予測入力文字を生成する。例えば、「etchuu:えtちゅう」と入力されたときに、「ecchuu:えっちゅう(越中)」を予測入力文字として生成する。
また、「o」、「u」のような長音が入力されていないときに、「o」、「u」を付けた予測入力文字を生成する。例えば、「ono:おの」と入力されたときに、「oono:おおの(大野)」を予測入力文字として生成したり、「saito:さいと」と入力されたときに、「saitou:さいとう(斉藤)」を予測入力文字として生成したりする。
【0075】
(パターン6):「じ」と「ぢ」、「ず」と「づ」の間違いを修正した予測入力文字
例えば、「tsuzura:つずら」と入力されたときに、「tsudura:つづら(葛籠)」を予測入力文字として生成する。また、「jiditu:じぢつ」と入力されたときに、「jijitu:じじつ(事実)」を予測入力文字として生成する。
【0076】
(パターン7):お段の文字の次の文字が「お」であるときに「う」に置き換える修正をした予測入力文字
例えば、「hooseki:ほおせき」と入力されたときに、「houseki:ほうせき(宝石)」を予測入力文字として生成する。また、「ooenn:おおえん」と入力されたときに、「ouenn:おうえん(応援)」を予測入力文字として生成する。
【0077】
(パターン8):大文字を小文字に変換する修正をした予測入力文字
例えば、「siyougai:しようがい」と入力されたときに、「syougai:しょうがい(障害)」を予測入力文字として生成する。
【0078】
(パターン9):共通ローマ字を統一させる修正をした予測入力文字
例えば、「tu:つ」と入力されたときに、「tsu:つ」を予測入力文字として生成する。「zya:じゃ」と入力されたときに、「ja:じゃ」を予測入力文字として生成する。「xa:ぁ」と入力されたときに、「la:ぁ」を予測入力文字として生成する。「fu:ふ」と入力されたときに、「hu:ふ」を予測入力文字として生成する。「ca:か」と入力されたときに、「ka:か」を予測入力文字として生成する。
【0079】
上述した予測入力検索ルールはローマ字で入力文字が入力された場合であるが、ひらがな、カタカナの場合も同様に予測入力文字を生成する。また、上述したルールは一例であり、この他にも、日本語に不慣れな外国人が入力間違いするようなパターンや、間違い易い読みのパターンをルールとして設定してもよい。また、学習機能を持たせて、ユーザ毎に異なる間違い易いルールを設定し、予測入力文字を生成するようにしても良い。
【0080】
漢字検索部15の熟語検索部153は、読み漢字検索部151によって変換された単漢字または熟語、または、漢字手書き入力によって入力文字取得部14で取得された単漢字に基づいて、入力文字取得部14で取得された漢字位置及び漢字文字数を制約条件として、漢字変換用データ部171に記憶されている複数の単漢字や熟語の中から検索漢字候補を検索する。即ち、単漢字または熟語の漢字文字コードをキーワードにとして、データベース部17の熟語検索用データ部172と漢字変換用データ部171を使用して検索漢字候補を検索し、検索した結果を一時記憶部18の検索結果データ部182に記憶する。尚、漢字文字数が「文字数指定なし」である場合は、制約条件は漢字位置だけとなる。例えば、熟語が「植物」で、漢字位置が3文字目で、漢字文字数が4文字であるとき、検索漢字候補として、「隠花植物(いんかしょくぶつ)」、「観葉植物(かんようしょくぶつ)」、「顕花植物(けいかしょくぶつ)」、「食虫植物(しょくちゅうしょくぶつ)」等の3文字目と4文字目からなる熟語が「植物」である4文字熟語が検索される。
【0081】
図9は、熟語検索用データ部172のデータ構成を示した一例である。図9に示すように、熟語検索用データ部172には、漢字位置を基準に、第1キーを漢字(漢字文字コード)順に第2キーを読み(ひらがな文字コード)順にソートされた順番に、漢字変換用データ部171に記憶されている単漢字または熟語に対応づけられた漢字(漢字文字コード)及びアドレスが記憶されている。
【0082】
例えば、1文字目基準の熟語検索用データ部172(データ部a)は、1文字目の漢字文字コード順(第2キーはひらがな文字コード順である)でソートされた漢字(漢字文字コード)及びアドレスが順番に入っている。2文字目基準の熟語検索用データ部172(データ部b)は、2文字目の漢字文字コード順でソートされた漢字(漢字文字コード)及びアドレスが順番に入っている。3文字目基準の熟語検索用データ部172(データ部c)は、3文字目の漢字文字コード順でソートされた漢字(漢字文字コード)及びアドレスが順番に入っている。
【0083】
従って、漢字位置を基準とした熟語検索用データ部172の中から、単漢字または熟語の漢字文字コードをキーワードとして、検索漢字候補を検索する。検索した検索漢字候補のアドレスから漢字変換用データ部171を使用して検索漢字候補の読み、関連情報等を取得する。検索方法の一例として、本明細書では、後述のバイナリ検索及び線形検索により検索する方法を挙げる。
【0084】
次に、バイナリ検索及び線形検索について説明する。図10は、バイナリ検索を説明するための図であり、図11は、線形検索を説明するための図である。尚、漢字文字コードをキーワードとして、検索漢字候補を検索する場合を例に挙げて説明する。また、検索する漢字が1文字目基準の「合」であり、1文字目基準の熟語検索用データ部172(データ部a)にN個の単漢字または熟語が記憶されている場合を例に挙げて説明する。
【0085】
図10に示すように、バイナリ検索は、まず、データ部aに記憶されている単漢字または熟語の個数NをEに設定し、1をSに設定する。次に、データ部aに記憶されている順にS番目の単漢字または熟語を基準に[E/2]番目の単漢字または熟語を取り出し、取り出した単漢字または熟語の1文字目の漢字文字コードと、「合」の漢字文字コードである「5408」とを比較し、「5408」が大きい場合は、Eに[E/2]−1を設定し、「5408」が小さい場合は、Sに[E/2]+1を設定し、EにE−[E/2]を設定して、1文字目の漢字文字コードが「5408」である単漢字または熟語を検出するまで繰り返す方法である。図10の場合は、3回繰り返すことにより、1文字目の漢字文字コードが「5408」である単漢字または熟語を検出している。尚、[E/2]は、E/2を超えない整数のことである。
【0086】
図11に示すように、線形検索は、バイナリ検索によって検出された単漢字または熟語をi番目としたとき、i−1番目(またはi+1番目)の単漢字または熟語を取り出し、取り出した単漢字または熟語の1文字目の漢字文字コードと「5408」とを比較することを繰り返しながら、1文字目の漢字文字コードが「5408」である単漢字または熟語の先頭アドレスと、1文字目の漢字文字コードが「5408」である単漢字または熟語の個数(検出数)を取り出す方法である。
【0087】
図11の場合は、1文字目の漢字文字コードが「5408」である単漢字または熟語は「合印」、「合鍵」、「合方」であることから、「合印」のアドレスが先頭アドレスとなり、検出数が3となる。従って、先頭アドレスである「合印」のアドレスから昇順に3つのアドレスを取り出し、それぞれのアドレスに対応する漢字変換用データ部171の検索漢字候補を取り出すことにより、検索漢字候補の読みも抽出できる。上述したバイナリ検索及び線形検索によって、熟語検索部153は検索漢字候補を検索し、読み漢字検索部151は単漢字及び熟語を検索する。尚、上記の場合は、先頭アドレスを取り出す場合であったが、後尾アドレスを取り出す場合であっても良い。即ち、後尾アドレスである「合方」のアドレスから降順に3つのアドレスを取り出し、それぞれのアドレスに対応する漢字変換用データ部171の検索漢字候補を取り出すことにより、検索漢字候補の読みも抽出できる。
【0088】
上述した漢字検索システム10の漢字変換部15は、データベース部17に記憶されている全ての単漢字や熟語を対象として、検索漢字候補を検索しているが、検索分野(例えば、地名、駅名、学問分野(経済、IT、物理、生物等)毎に使用される言葉、植物名、魚類名等)を指定する機能を設け、指定された分野に関する単漢字や熟語を検索するようにしても良い。例えば、地名を検索分野に指定したとき(図3(a)の地名アイコン30を指定したとき)は、地名だけを検索対象とする。これにより、ユーザが検索したい検索対象漢字に対する検索漢字候補を短時間に検索するとともに、検索漢字候補の数を絞り込むことができ、ユーザに検索対象漢字を容易に認識させることができる。
【0089】
漢字検索システム10のユーザ保存部16は、熟語検索部153によって検索された検索漢字候補の中から指定された検索対象漢字に対応づけられた漢字(漢字文字コード)、読み(ひらがな文字コード)、関連情報、及びアドレスをデータベース部17のユーザ保存データ部173に記憶する。
【0090】
尚、ユーザ保存データ部173された単漢字や熟語は、タッチ入力部25aの保存データの読み出しタブをタッチすることにより表示部24に表示され、単漢字や熟語を指定することにより、指定された単漢字や熟語の読みや関連情報を表示することができる。即ち、ユーザ保存部16及びユーザ保存データ部173された単漢字や熟語の読みだし機能を使うことにより、ユーザ毎に異なる簡易辞書機能を構築することができる。
【0091】
本発明の一実施形態にかかる漢字検索システム10においては、ユーザ保存部16を備えているが、ユーザ保存部16の無い構成であってもよい。また、本発明の一実施形態にかかる漢字検索システム10においては、漢字検索部15に予測入力文字生成部152を備えているが、予測入力文字生成部152の無い構成であって良い。また、予測入力文字生成部152を実行させるか否かをユーザに指定させるような構成であってもよい。
【0092】
上述した本発明の一実施形態にかかる漢字検索システム10により、検索対象漢字の中の既知単漢字や既知熟語の読みを、漢字位置を指定して入力するだけで、検索対象漢字の候補(以下、検索漢字候補と呼ぶ)を検索し、検索した検索漢字候補とともに該検索漢字候補の読みを表示することが可能である。即ち、未知単漢字を特定する、例えば、「*」や「?」等の記号を使用する必要もない。また、検索対象漢字の中の既知熟語の読みを、漢字位置を指定して入力することにより、ユーザの入力操作を容易にすることができる。即ち、単漢字毎に読みを入力するという操作することなく、熟語の読みとして複数の単漢字の読みを入力することができる。
【0093】
また、検索対象漢字を構成する単漢字の文字数(以下、漢字文字数と呼ぶ)を指定することにより、検索漢字候補を絞り込むことができ、短時間に検索漢字候補を検索することができるとともに、検索漢字候補の中の検索対象漢字を容易にユーザに認識させることができる。
【0094】
また、ユーザが既知単漢字や既知熟語の読みを間違って入力した場合であっても、予測入力文字検索ルールに基づいて、入力文字に類似した予測入力文字を生成し、生成した予測入力文字を読みとする検索漢字候補を検索することができる。これにより、日本語に不慣れな外国人によって入力された入力文字であっても、間違い易い読みの入力文字であっても、検索漢字候補を検索することができる。
【0095】
また、間違った漢字位置に入力された単漢字を容易に移動させることにより、容易に検索漢字候補を検索することができる。
【0096】
また、手書きされた漢字を認識して入力文字とすることにより、既知単漢字が1つもない場合であっても、検索漢字候補や検索対象漢字の読みを検索することができる。
【0097】
また、検索した検索漢字候補の中から選択された検索対象漢字に関連した関連情報(例えば、意味、英訳等)を抽出して表示することも可能である。
【0098】
また、検索した検索対象漢字の読みや関連情報を保存することにより、ユーザが良く使う単漢字や熟語や、間違い易い単漢字や熟語をまとめたユーザ独自の簡易辞書機能を生成することができる。
【0099】
また、入力文字から変換された単漢字や熟語を履歴情報として記憶することにより、過去に入力された入力文字を再度入力することなく検索漢字候補を検索することができる。
【0100】
次に、本発明の一実施形態にかかる漢字検索方法について説明する。
図12及び図13は、本発明の一実施形態にかかる漢字検索方法の各工程をコンピュータに実行させるプログラムの処理手順を示すフローチャート図の一例である。
【0101】
図12及び図13に示すように、漢字検索処理は、まず、検索対象となる単漢字または熟語である検索対象漢字の中の既知単漢字や既知熟語に対応する入力文字を、漢字位置を指定して入力する(ステップ101:S101)。例えば、検索対象漢字が「線香花火」であり、既知単漢字が「花」と「火」であるとき(即ち、既知熟語が「花火」であるとき)、漢字位置を3文字目に指定して(図3(a)を参照)、「はなび」を入力文字として入力する(図3(b)参照)。また、漢字で手書き入力するときは、漢字位置を3文字目に指定して「花」を入力文字として入力し(図3(c)参照)、更に、漢字位置を4文字目に指定して「火」を入力文字として入力する。
【0102】
次に、ステップ101で入力された入力文字が手書き入力された文字であるか否かを判定し(ステップ102:S102)、入力文字が手書き入力された文字である場合(S102:Yes)は、入力文字の文字認証を行う(ステップ103:S103)。次に、検索対象漢字の漢字文字数を入力する(ステップ104:S104)。尚、漢字文字数は入力しなくてもよい。
【0103】
次に、入力された入力文字、漢字位置、及び漢字文字数を取得する(ステップ105:S105)。尚、ステップ104は、ステップ105の前であるならば、ユーザの所望のタイミングで実行することができる。
【0104】
次に、入力文字が漢字であるか否かを判定し(ステップ106:S106)、入力文字が漢字である場合(S106:Yes)は、入力文字に基づいて、漢字位置及び漢字文字数を制約条件として、漢字変換用データ部171に記憶されている複数の単漢字や熟語の中から検索漢字候補を検索する(ステップ107:S107)。即ち、入力文字の漢字文字コードをキーワードにとして、データベース部17の熟語検索用データ部172と漢字変換用データ部171を使用して検索漢字候補を検索し、検索した結果を一時記憶部18の検索結果データ部182に記憶する。
【0105】
一方、入力文字が漢字でない場合(S106:No)は、即ち、入力文字が、ひらがな、カタカナ、ローマ字である場合は、入力文字から変換される全ての単漢字または熟語を検索する(ステップ108:S108)。即ち、漢字変換用データ部171に記憶されている複数の単漢字や熟語の中から入力文字が読みとなる単漢字や熟語を全て検索し、検索した結果を一時記憶部18の検索結果データ部182に記憶する。
【0106】
次に、入力文字に類似した予測入力文字を、所定の予測入力検索ルールに基づいて生成し(ステップ109:S109)、ステップ108と同様に、生成した予測入力文字から変換される全ての単漢字または熟語を検索する(ステップ110:S110)。
【0107】
次に、ステップ108及びステップ110で検索された単漢字または熟語を表示する(ステップ111:S111)。次に、ステップ108及びステップ110で検索された単漢字または熟語の中から選択された単漢字または熟語に基づいて、漢字位置及び漢字文字数を制約条件として、ステップ107と同様に、漢字変換用データ部171に記憶されている複数の単漢字や熟語の中から検索漢字候補を検索する(ステップ112:S112)。
【0108】
次に、ステップ107またはステップ112で検索された検索漢字候補を表示する(ステップ113:S113)。次に、関連情報の表示が指定されたか否かを判定し(ステップ114:S114)、関連情報の表示が指定された場合(S114:Yes)は、検索漢字候補の中の指定された検索対象漢字に対応づけられた関連情報を漢字変換用データ部171から抽出して、検索対象漢字と該検索対象漢字の読みとともに関連情報を表示する(ステップ115:S115)。
【0109】
最後に、検索対象漢字をユーザ保存部16に保存するか否かを判定し(ステップ116:S116)、検索対象漢字をユーザ保存部16に保存する場合(S116:Yes)は、漢字変換用データ部171から抽出した検索対象漢字に対応づけられた漢字(漢字文字コード)、読み(ひらがな文字コード)、関連情報、及びアドレスをデータベース部17のユーザ保存データ部173に記憶して(ステップ117:S117)、漢字検索処理を終了する。
【0110】
上述した本発明の一実施形態にかかる漢字検索方法により、検索対象漢字の中の既知単漢字や既知熟語の読みを、漢字位置を指定して入力するだけで、検索対象漢字の候補(以下、検索漢字候補と呼ぶ)を検索し、検索した検索漢字候補とともに該検索漢字候補の読みを表示することが可能である。即ち、未知単漢字を特定する、例えば、「*」や「?」等の記号を使用する必要もない。また、検索対象漢字の中の既知熟語の読みを、漢字位置を指定して入力することにより、ユーザの入力操作を容易にすることができる。即ち、単漢字毎に読みを入力するという操作することなく、熟語の読みとして複数の単漢字の読みを入力することができる。
【0111】
また、検索対象漢字を構成する単漢字の文字数(以下、漢字文字数と呼ぶ)を指定することにより、検索漢字候補を絞り込むことができ、短時間に検索漢字候補を検索することができるとともに、検索漢字候補の中の検索対象漢字を容易にユーザに認識させることができる。
【0112】
また、ユーザが既知単漢字や既知熟語の読みを間違って入力した場合であっても、予測入力文字検索ルールに基づいて、入力文字に類似した予測入力文字を生成し、生成した予測入力文字を読みとする検索漢字候補を検索することができる。これにより、日本語に不慣れな外国人によって入力された入力文字であっても、間違い易い読みの入力文字であっても、検索漢字候補を検索することができる。
【0113】
また、間違った漢字位置に入力された単漢字を容易に移動させることにより、容易に検索漢字候補を検索することができる。
【0114】
また、手書きされた漢字を認識して入力文字とすることにより、既知単漢字が1つもない場合であっても、検索漢字候補や検索対象漢字の読みを検索することができる。
【0115】
また、検索した検索漢字候補の中から選択された検索対象漢字に関連した関連情報(例えば、意味、英訳等)を抽出して表示することも可能である。
【0116】
また、検索した検索対象漢字の読みや関連情報を保存することにより、ユーザが良く使う単漢字や熟語や、間違い易い単漢字や熟語をまとめたユーザ独自の簡易辞書機能を生成することができる。
【0117】
また、入力文字から変換された単漢字や熟語を履歴情報として記憶することにより、過去に入力された入力文字を再度入力することなく検索漢字候補を検索することができる。
【0118】
また、上述した本発明の一実施形態にかかる漢字検索システム10及び漢字検索方法は、携帯ゲーム装置20を使用したシステム及び方法であるが、これに限定されるものではなく、携帯電話、電子辞書装置、携帯情報端末等の携帯型装置、家庭用ゲーム機、スタンドアローン型のコンピュータ、ワークステーション型のコンピュータシステム、ネットワーク型のコンピュータシステム等にも適用できる。
【符号の説明】
【0119】
10 : 漢字検索システム
11 : 文字入力制御部
12 : 文字認証部
13 : 表示制御部
14 : 入力文字取得部
15 : 漢字検索部
16 : ユーザ保存部
17 : データベース部
18 : 一時記憶部
20 : 携帯ゲーム装置
21 : CPU
22 : ROM
23 : RAM
24 : 表示部
25 : 文字入力部
25a : タッチ入力部
25b : 手書き入力部
25c : 操作部
151 : 読み漢字検索部
152 : 予測入力文字生成部
153 : 熟語検索部
171 : 漢字変換用データ部
172 : 熟語検索用データ部
173 : ユーザ保存データ部
181 : 履歴情報用データ部
182 : 検索結果データ部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータを使用して、検索対象となる単漢字または熟語である検索対象漢字の読みを検索する漢字検索システムであって、
前記コンピュータは、
文字入力部を制御して、前記検索対象漢字を構成する1個以上の単漢字の中の所望の単漢字の漢字位置を指定させ、指定された前記漢字位置から連続した1個以上の漢字列に対応する入力文字を入力させる入力制御手段と、
前記入力制御手段によって入力された漢字、ひらがな、カタカナ、または、ローマ字である前記入力文字と、前記入力文字に対応する前記漢字位置と、を取得する入力文字取得手段と、
前記入力文字取得手段によって取得された前記漢字位置を制約条件として、前記入力文字取得手段によって取得された前記入力文字がひらがな、カタカナ、または、ローマ字であるときは、前記入力文字が読みとなる単漢字または熟語を少なくとも含む前記検索対象漢字の候補を、前記入力文字が漢字であるときは、前記入力文字された単漢字を少なくとも含む前記検索対象漢字の候補を、データベース部に記憶されている複数の単漢字または熟語の中から前記制約条件に基づいて検索し、検索された当該検索対象漢字の候補の読みを抽出する漢字検索手段と、
表示部を制御して、前記漢字検索手段によって検索された前記検索対象漢字の候補、及び、検索した当該検索対象漢字の候補の読みを表示させる表示制御手段と、
を備えていることを特徴とする漢字検索システム。
【請求項2】
前記入力制御手段は、前記入力部を制御して、前記検索対象漢字を構成する単漢字の漢字文字数を更に入力させ、
前記入力文字取得手段は、前記入力制御手段によって入力された前記漢字文字数を更に取得し、
前記漢字検索手段は、前記入力文字取得手段によって取得された前記漢字位置及び前記漢字文字数を前記制約条件として、前記入力文字取得手段によって取得された前記入力文字がひらがな、カタカナ、または、ローマ字であるときは、前記入力文字が読みとなる単漢字または熟語を少なくとも含む前記検索対象漢字の候補を、前記入力文字が漢字であるときは、前記入力文字された単漢字を少なくとも含む前記検索対象漢字の候補を、前記データベース部に記憶されている複数の単漢字または熟語の中から前記制約条件に基づいて検索し、検索した当該検索対象漢字の候補の読みを抽出することを特徴とする請求項1に記載の漢字検索システム。
【請求項3】
前記漢字検索手段は、
前記入力文字取得手段によって取得された前記入力文字がひらがな、カタカナ、または、ローマ字であるときに、前記入力文字取得手段によって取得された前記入力文字を読みとする全ての単漢字または熟語を、前記データベース部に記憶されている複数の単漢字または熟語の中から検索する読み漢字検索手段と、
前記入力文字取得手段によって取得された前記入力文字である単漢字を少なくとも含む前記検索対象漢字の候補を、または、前記読み漢字検索手段によって検索された単漢字または熟語を少なくとも含む前記検索対象漢字の候補を、前記データベース部に記憶されている複数の単漢字または熟語の中から前記制約条件に基づいて検索し、検索した当該検索対象漢字の候補の読みを抽出する熟語検索手段と、
を備えていることを特徴とする請求項1または2に記載の漢字検索システム。
【請求項4】
前記漢字検索手段は、前記入力文字取得手段によって取得された前記入力文字がひらがな、カタカナ、または、ローマ字であるときに、前記入力文字に類似した予測入力文字を、所定の予測入力文字検索ルールに基づいて生成する予測入力文字生成手段を、更に備え、
前記読み漢字検索手段は、前記予測入力文字生成手段によって生成された前記予測入力文字を読みとする全ての単漢字または熟語を、更に、前記データベース部に記憶されている複数の単漢字または熟語の中から検索することを特徴とする請求項3に記載の漢字検索システム。
【請求項5】
前記入力制御手段は、前記入力部を制御して、前記入力文字取得手段によって取得された前記入力文字である単漢字の前記漢字位置、または、前記読み漢字検索手段によって検索された単漢字または熟語を構成する各単漢字の前記漢字位置を、所望の漢字位置に移動させることを特徴とする請求項3または4に記載の漢字検索システム。
【請求項6】
前記入力制御手段は、前記入力部に設けられているひらがな、カタカナ、または、ローマ字である文字を選択させて入力させることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の漢字検索システム。
【請求項7】
前記入力制御手段は、漢字、ひらがな、カタカナ、または、ローマ字を手書きさせて入力させ、
前記コンピュータは、
前記入力制御手段によって手書き入力された前記入力文字を、漢字、ひらがな、カタカナ、または、ローマ字毎に認証する文字認証手段を、更に備えていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の漢字検索システム。
【請求項8】
前記表示制御手段は、前記漢字検索手段によって検索された前記検索対象漢字の候補の中から指定された前記検索対象漢字に基づいて、前記データベース部に記憶されている当該検索対象漢字に関連した関連情報を取得し、取得した前記関連情報を、前記表示部を制御して表示させることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の漢字検索システム。
【請求項9】
前記コンピュータは、
前記漢字検索手段によって検索された前記検索対象漢字の候補の中から指定された前記検索対象漢字に関連した前記関連情報を、前記データベース部に格納するユーザ保存手段を、更に備え、
前記表示制御手段は、前記ユーザ保存手段に格納された1個以上の単漢字または熟語の中から選択された1つの単漢字または熟語に関連した前記関連情報を取得し、取得した前記関連情報を、前記表示部を制御して表示させることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の漢字検索システム。
【請求項10】
前記入力文字取得手段は、前記入力文字が漢字であるときに、取得した単漢字を一時記憶部に格納し、
前記漢字検索手段は、前記入力文字取得手段によって取得されたひらがな、カタカナ、または、ローマ字が読みとなる単漢字または熟語を前記一時記憶部に格納し、
前記入力制御手段は、前記入力部を制御して、前記一時記憶部に格納された1個以上の単漢字または熟語の中から選択された漢字または熟語を入力させることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の漢字検索システム。
【請求項11】
コンピュータを使用して、検索対象となる単漢字または熟語である検索対象漢字の読みを検索する漢字検索方法であって、
前記コンピュータが、
(a)前記検索対象漢字を構成する1個以上の単漢字の中の所望の単漢字の漢字位置を指定させ、指定された前記漢字位置から連続した1個以上の漢字列に対応する入力文字を入力させる工程と、
(b)前記工程(a)によって入力された漢字、ひらがな、カタカナ、または、ローマ字である前記入力文字と、前記入力文字に対応する前記漢字位置と、を取得する工程と、
(c)前記工程(b)によって取得された前記漢字位置を制約条件として、前記工程(b)によって取得された前記入力文字がひらがな、カタカナ、または、ローマ字であるときは、前記入力文字が読みとなる単漢字または熟語を少なくとも含む前記検索対象漢字の候補を、前記入力文字が漢字であるときは、前記入力文字された単漢字を少なくとも含む前記検索対象漢字の候補を、データベース部に記憶されている複数の単漢字または熟語の中から前記制約条件に基づいて検索し、検索された当該検索対象漢字の候補の読みを抽出する工程と、
(d)前記工程(c)によって検索された前記検索対象漢字の候補、及び、検索した当該検索対象漢字の候補の読みを表示させる工程と、
を備えていることを特徴とする漢字検索方法。
【請求項12】
前記工程(a)は、前記検索対象漢字を構成する単漢字の漢字文字数を更に入力させ、
前記工程(b)は、前記工程(a)によって入力された前記漢字文字数を更に取得し、
前記工程(c)は、前記工程(b)によって取得された前記漢字位置及び前記漢字文字数を前記制約条件として、前記工程(b)によって取得された前記入力文字がひらがな、カタカナ、または、ローマ字であるときは、前記入力文字が読みとなる単漢字または熟語を少なくとも含む前記検索対象漢字の候補を、前記入力文字が漢字であるときは、前記入力文字された単漢字を少なくとも含む前記検索対象漢字の候補を、前記データベース部に記憶されている複数の単漢字または熟語の中から前記制約条件に基づいて検索し、検索した当該検索対象漢字の候補の読みを抽出することを特徴とする請求項11に記載の漢字検索方法。
【請求項13】
前記工程(c)は、
(c1)前記工程(b)によって取得された前記入力文字がひらがな、カタカナ、または、ローマ字であるときに、前記工程(b)によって取得された前記入力文字を読みとする全ての単漢字または熟語を、前記データベース部に記憶されている複数の単漢字または熟語の中から検索する工程と、
(c2)前記工程(b)によって取得された前記入力文字である単漢字を少なくとも含む前記検索対象漢字の候補を、または、前記工程(c1)によって検索された単漢字または熟語を少なくとも含む前記検索対象漢字の候補を、前記データベース部に記憶されている複数の単漢字または熟語の中から前記制約条件に基づいて検索し、検索した当該検索対象漢字の候補の読みを抽出する工程と、
を備えていることを特徴とする請求項11または12に記載の漢字検索方法。
【請求項14】
前記工程(c)は、
(c3)前記工程(b)によって取得された前記入力文字がひらがな、カタカナ、または、ローマ字であるときに、前記入力文字に類似した予測入力文字を、所定の予測入力文字検索ルールに基づいて生成する工程を、更に備え、
前記工程(c1)は、前記工程(c3)によって生成された前記予測入力文字を読みとする全ての単漢字または熟語を、更に、前記データベース部に記憶されている複数の単漢字または熟語の中から検索することを特徴とする請求項13に記載の漢字検索方法。
【請求項15】
前記工程(a)は、前記工程(b)によって取得された前記入力文字である単漢字の前記漢字位置、または、前記工程(c1)によって検索された単漢字または熟語を構成する各単漢字の前記漢字位置を、所望の漢字位置に移動させることを特徴とする請求項13または14に記載の漢字検索方法。
【請求項16】
前記工程(a)は、前記入力部に設けられているひらがな、カタカナ、または、ローマ字である文字を選択させて入力させることを特徴とする請求項11乃至15のいずれか1項に記載の漢字検索方法。
【請求項17】
前記工程(a)は、漢字、ひらがな、カタカナ、または、ローマ字を手書きさせて入力させ、
前記コンピュータが、
(e)前記工程(a)によって手書き入力された前記入力文字を、漢字、ひらがな、カタカナ、または、ローマ字毎に認証する工程を、更に備えていることを特徴とする請求項11乃至16のいずれか1項に記載の漢字検索方法。
【請求項18】
前記工程(d)は、前記工程(c)によって検索された前記検索対象漢字の候補の中から指定された前記検索対象漢字に基づいて、前記データベース部に記憶されている当該検索対象漢字に関連した関連情報を取得し、取得した前記関連情報を表示させることを特徴とする請求項11乃至17のいずれか1項に記載の漢字検索方法。
【請求項19】
前記コンピュータが、
(f)前記工程(c)によって検索された前記検索対象漢字の候補の中から指定された前記検索対象漢字に関連した前記関連情報を、前記データベース部に格納する工程を、更に備え、
前記工程(d)は、前記工程(f)に格納された1個以上の単漢字または熟語の中から選択された1つの単漢字または熟語に関連した前記関連情報を取得し、取得した前記関連情報を表示させることを特徴とする請求項11乃至18のいずれか1項に記載の漢字検索方法。
【請求項20】
前記工程(b)は、前記入力文字が漢字であるときに、取得した単漢字を一時記憶部に格納し、
前記工程(c)は、前記工程(b)によって取得されたひらがな、カタカナ、または、ローマ字が読みとなる単漢字または熟語を前記一時記憶部に格納し、
前前記工程(a)は、前記一時記憶部に格納された1個以上の単漢字または熟語の中から選択された漢字または熟語を入力させることを特徴とする請求項11乃至19のいずれか1項に記載の漢字検索方法。
【請求項21】
検索対象となる単漢字または熟語である検索対象漢字列の読みを検索する処理を、コンピュータに実行させるプログラムであって、
請求項1乃至10のいずれか1項に記載の漢字検索システムの各手段を実現させる処理を前記コンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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