説明

濁・泥水の処理方法及びその処理システム

【課題】汚染土壌の洗浄泥水、泥水掘削工法において使用される各種の泥水、その他の土木・建設工事における排水や湧水、河川,湖沼,海,貯水池,ダムにおける濁水処理等の各種の濁・泥水から土粒子等の懸濁物質を除去するための濁・泥水の処理方法及びその処理システムを提供することを目的とする。
【解決手段】処理すべき濁・泥水2に、凝集剤3を添加して濁・泥水2中の微粒子を凝集沈殿させた後に、その上澄み液6を排出し、上澄み液6を排出した後の残部沈殿物9を撹拌して再び泥水に戻すことによって水中サンドポンプ7を使用して吸引排出可能とした濁・泥水の処理方法、及びその処理システムを提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、掘削土に含まれる重金属を除去するための汚染土壌の洗浄、場所打ち杭や地中連続壁の掘削孔を掘削するための泥水掘削工法において使用される各種の泥水、その他の土木・建設工事における排水や湧水、河川,湖沼,海,貯水池,ダムにおける濁水処理等の各種の濁・泥水から土粒子等の懸濁物質を除去するための濁・泥水の処理方法及びその処理システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
工場跡地等の土壌はカドミウム,鉛,銅,亜鉛,ニッケル,クロム,ヒ素といった重金属を始め、揮発性有機塩素化合物,油等の様々な汚染物質によって汚染されていることがある。そのため、これらの汚染土壌に新たな建築物を構築する際等には、汚染物質が掘削土に混じって搬出されることがあるため、環境保護のためにも汚染物質を何らかの方法で除去し、汚染物質の拡散を防ぐ必要がある。その手段として、汚染物質を含む掘削土砂を水で洗浄していったん泥水化した後、振動スクリーン等を使用して74ミクロン以上の粗粒分(礫、粗砂、細砂)を洗浄済みの処理土とするとともに、汚染物質が含まれている残った泥水について、産業廃棄物として適宜処分する分級洗浄の技術が知られている(非特許文献1参照)。
【0003】
また、各種の泥水掘削工法においても使用後の泥水に泥水固化材を混合して固結させて泥水固化壁等として有効利用することが試みられているが、全ての泥水を有効利用することはできないため、最終的には泥水を環境に負荷を与えないように処理することが求められている。その他の土木・建設工事や各種社会生活、或いは自然環境から発生する各種の濁・泥水も同様に環境に負荷を与えないように処理することが求められている。
【0004】
従来、これらの土粒子や有機物或いは汚染物質などの微粒子が水に混合分散している濁・泥水を処理する手段としては、図7に示すように、ステップaで凝集沈殿槽21に濁・泥水22を連続的に供給するとともに、濁・泥水22に凝集剤23を添加・混合することにより、ステップbに示すように濁・泥水22中に懸濁している微粒子を凝集させ、所定サイズのフロックを形成した後に水底に沈降・沈殿させる。これにより、ステップcに示すように凝集沈殿槽21内は凝集沈殿物24を含むフロックの結合物25と清澄な上澄み液26とに分離される。
【0005】
そして、ステップdに示すように上澄み液26を他の処理水槽にオーバーフローさせて排出し、ステップeに示すように凝集沈殿槽21内を凝集沈殿物24を含むフロックの結合物25とした後に、ステップfに示すように凝集沈殿物24を含むフロックの結合物25を掻き寄せ装置やスクリューコンベア等の集積装置を使用して凝集沈殿槽21の水中サンドポンプ28を設置した場所に集積し、その水中サンドポンプ28を使用してステップgに示すように脱水処理原水槽27に移送し、ステップhに示す脱水処理原水槽27に集積した凝集沈殿物24を含むフロックの結合物25をステップiに示すようにフィルタープレス等を使用して脱水処理して、ステップjで除去水分を排出するとともに、ステップkで脱水処理した固体分を産業廃棄物として廃棄処理をする。なお、脱水処理のためのフィルタープレスの打ち込みには打込み圧(5〜6Kg/cm)を確保する必要があり、スラリーポンプを使用してフィルタープレスに供給することが一般的である。スラリーポンプは自給式ではないので吸い込み口にヘッド圧をかける必要があるため、凝集沈殿槽21から脱水処理原水槽27に移送する必要がある。
【0006】
また、汚染土壌を確実に洗浄するために、汚染物質を含む掘削土砂を水と混合して掘削泥水を作製する混練ミキサー及び該混練ミキサーで作製された掘削泥水を貯留する貯留槽からなる泥水作製装置と、貯留槽内の掘削泥水に含まれる土砂を分級する泥水分級装置とで構成した汚染土壌の処理設備も提供されている(特許文献1)。更に、濁・泥水を連続的に高能率に処理するための装置として、水に微粒子が分散した濁水を筒型撹拌装置の供給口に供給するとともに、供給装置から粉粒体状の凝集剤を圧気に乗せて噴射口へ供給し、かつ回転軸を回転させて、供給口から排出口側へ上昇する濁水に対し、回転軸に伴って回転する噴射口から凝集剤を圧気とともに回転噴射して添加するとともに、回転軸に伴って回転する撹拌羽根により混合し、この混合物を排出口から排出する濁水処理装置も提供されている(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2004−130223
【特許文献2】特開2008−114174
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】「土壌・地下水汚染に係る調査・対策指針および運用基準」、環境庁水質保全局、社団法人土壌環境センター、平成11年3月25日発行
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
濁・泥水中の微粒子を凝集させたフロックの結合物25に含まれる凝集沈殿物24は疎水性であるため、粒子間への水の浸入を拒み、そのままでは構成粒子が再度水に分散することはない。また、この凝集沈殿物24は粒径2mm〜10mm程度で比重1.2〜1.25であるため、水中での流動性を有しない。図8は、図7のステップe,f,gの状態を示す説明図である。図8に示すように、上澄み液26を排出した後の凝集沈殿槽21内に水中サンドポンプ28を設置して凝集沈殿物24を含むフロックの結合物25を吸引・排出した場合、水中サンドポンプ28の周囲のフロックの結合物25は吸引できるが、残りの凝集沈殿物24を含むフロックの結合物25は流動性を有さず、そのままでは再度水に分散することができないため、水中サンドポンプ28で吸引することができない。
【0010】
そこで、従来は凝集沈殿物24を水中サンドポンプ28で吸引・排出するためには、凝集沈殿物24の内部に掻き寄せ装置やスクリューコンベア等の集積装置29を設置して凝集沈殿物24を水中サンドポンプ28の近傍に集積させる必要があった。よって、施工現場毎に集積装置29の組立や解体が必要であり、そのための時間と費用を要し、施工能率や経費に直接的な影響を与えていた。また、特許文献1や特許文献2に示す従来例は構造が複雑で種々の施工現場に柔軟に対応する汎用性に欠けており、使い勝手や施工能率が悪く、余分な経費がかかるものであった。
【0011】
そこで、本発明は凝集沈殿物の集積装置を設置することなく、水中サンドポンプを使用して凝集沈殿物を吸引・排出することを可能とすることによって濁・泥水の処理作業を簡便、かつ、効率的に実施することができる濁・泥水の処理方法及びその処理システムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明はその目的を達成するために、処理すべき濁・泥水に、凝集剤を添加して濁・泥水中の微粒子を凝集沈殿させた後に、その上澄み液を排出し、上澄み液を排出した後の残部沈殿物を撹拌して再び泥水に戻すことによって水中サンドポンプを使用して吸引排出可能とした濁・泥水の処理方法を基本として提供する。そして、戻し泥水を水中サンドポンプを使用して吸引排出する。
【0013】
また、処理すべき濁・泥水に、凝集剤を添加して濁・泥水中の懸濁物質を所定サイズのフロックとして凝集沈殿させた後に、フロックが凝集沈殿した濁・泥水の上澄み液を排出し、上澄み液を排出した後の残部を撹拌することによりフロックを破壊して微粒子として懸濁させることによって再び泥水に戻し、該戻し泥水を水中サンドポンプを使用して吸引排出し、吸引排出した戻し泥水を脱水処理する。
【0014】
更に、凝集沈殿槽に処理すべき濁・泥水を供給する手段と、凝集沈殿槽に凝集剤を供給する手段と、凝集剤によって微粒子を凝集沈殿させた凝集沈殿槽における上澄み液を水中サンドポンプによって吸引して処理水槽に排出する手段と、上澄み液を吸引排出した後の凝集沈殿槽内の残部沈殿物を撹拌して、再び戻し泥水とする手段と、凝集沈殿槽から戻し泥水を水中サンドポンプによって吸引して戻し泥水槽に排出する手段とからなる濁・泥水の処理システムを提供する。
【0015】
また、複数槽の凝集沈殿槽と、1槽目の凝集沈殿槽に処理すべき濁・泥水を供給する手段と、1槽目の凝集沈殿槽に凝集剤を供給する手段と、凝集剤によって微粒子を凝集させた濁・泥水を1槽目の凝集沈殿槽から2槽目以降の凝集沈殿槽へ順次オーバーフローによって供給する手段と、凝集剤によって微粒子を凝集沈殿させた凝集沈殿槽における上澄み液を水中サンドポンプによって吸引して処理水槽に排出する手段と、上澄み液を吸引排出した後の凝集沈殿槽内の残部沈殿物を撹拌して、再び戻し泥水とする手段と、凝集沈殿槽から戻し泥水を水中サンドポンプによって吸引して戻し泥水槽に排出する手段とからなる濁・泥水の処理システムを提供し、戻し泥水槽における戻し泥水を脱水処理する構成を提供する。
【発明の効果】
【0016】
上記構成の本発明によれば、処理すべき濁・泥水に凝集剤を添加して、濁・泥水中の微粒子をフロックとして凝集沈殿させて得た上澄み液を吸引・排出した後の残部沈殿物を再び撹拌することによって泥水に戻すため、凝集沈殿した微粒子は戻し泥水中においては、フロックが破壊されているため、再び流動性を取り戻している。よって、凝集沈殿物の集積装置を使用して水中サンドポンプの近傍に集積することなく、凝集沈殿槽内に設置した水中サンドポンプのみを使用して凝集沈殿槽内全域の戻し泥水を吸引・排出することができる。そのため、凝集沈殿槽内に集積装置を設置する手間や費用が不要であり、各施工現場において効率よく濁・泥水を減容化して処理することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明にかかる濁・泥水の処理方法及びその処理システムを概略的に示すシステム図。
【図2】本発明の実施形態を示す要部説明図。
【図3】本発明の実施形態を示す要部説明図。
【図4】本発明の実施形態を示す要部説明図。
【図5】本発明の実施形態を示す要部説明図。
【図6】本発明の実施形態を示す要部説明図。
【図7】従来の濁・泥水の処理システムを概略的に示すシステム図。
【図8】従来の濁・泥水の処理システムの要部説明図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下図面に基づいて本発明にかかる濁・泥水の処理方法及びその処理システムの実施形態を説明する。本発明が対象とする濁・泥水は、74ミクロン以上の粗粒分(礫、粗砂、細砂)が除かれて、土粒子等の微粒子が水に懸濁している液体である。その種類には特に限定はなく、例えば、掘削土に含まれる重金属を除去するための汚染土壌の洗浄後の濁・泥水、場所打ち杭や地中連続壁の掘削孔を掘削するための泥水掘削工法において使用される各種の泥水、その他の土木・建設工事における排水や湧水、河川,湖沼,海,貯水池,ダムにおける濁水処理等の各種の濁・泥水を対象とするものである。
【0019】
本発明は、これらの濁・泥水から土粒子等の懸濁物質を除去し、清澄な上澄み液を分離することにより処理するとともに、濁・泥水の減容化を図って、産業廃棄物として環境に負荷を与えないように最終的に処分するためのものである。なお、濁水は微粒子の濃度が0.1%〜0.5%程度、泥水は2%〜30%程度の範囲として区別することができるが、本発明では74ミクロンを分級点として粗粒分(礫、粗砂、細砂)を除去した後の微粒子が水に懸濁している液体を広く対象としており、特に両者を区別する必要はない。
【0020】
図1は、本発明にかかる濁・泥水の処理方法及びその処理システムを概略的に示すシステム図であり、図2〜図6はその要部説明図である。先ずステップA及びステップAの要部説明図である図2に示すように、所定容量の凝集沈殿槽1内に、濁・泥水2の供給手段から濁・泥水2を連続的又は所定量毎に供給するとともに、凝集剤3の供給手段から凝集剤3を凝集沈殿槽1内に連続的に又は所定量毎に添加して混合する。この凝集沈殿槽1は所定容量を有して、濁・泥水2及び凝集剤3を貯留できる構成を有した水槽でよく、内部に格段の設備を必要としない。
【0021】
凝集沈殿槽1は1槽に限らず、複数設けてもよい。その場合は1槽目の凝集沈殿槽1から2槽目の凝集沈殿槽(図示略)にオーバーフローによって、凝集沈殿槽1に供給された濁・泥水2と凝集剤3を供給すればよく、以後同様にオーバーフローによって、次段の凝集沈殿槽に濁・泥水2と凝集剤3を順次供給すればよい。かかる複数の構成を採用することにより、濁・泥水2及び凝集剤3を連続的に供給することが可能となる。また、濁・泥水2を所定容量毎に処理するバッチ式の処理に際しては、1槽の凝集沈殿槽1を使用して処理するか、或いは独立した構成を有する凝集沈殿槽1を複数使用して同時に或いは処理工程の進行をずらして処理することができる。
【0022】
凝集沈殿槽1内ではステップBに示すように、凝集剤3の作用によって濁・泥水2中に懸濁している微粒子を粒径2mm〜10mm程度のフロックとして凝集させた凝集沈殿物4とした後に水底に沈降させて沈殿させる。なお、凝集剤3は特に限定はなく、凝集させる濁・泥水2の性状に応じて適宜のものを選択すればよく、周知の高分子凝集剤又は無機凝集剤の一方又は双方を適量使用する。
【0023】
これにより、凝集沈殿槽1内はステップC及びステップC,Dの要部説明図である図3に示すように、凝集沈殿物4を含むフロックの結合物5と清澄な上澄み液6とに分離される。そして、ステップDに示すように上澄み液6を水中サンドポンプ7で吸引して排出し、ステップEに示すように、処理水槽8に上澄み液6を移送する。上澄み液6は微粒子を含んでおらず、清澄であるため、そのまま放流することができ、又工業用水として再利用することもできる。
【0024】
この上澄み液6の排出により凝集沈殿槽1内は、ステップF及びステップF,Gの要部説明図である図4に示すように凝集沈殿物4を含むフロックの結合物5からなる残部沈殿物9が貯留されている状態となる。このステップFに示す状態において、凝集沈殿槽1内に撹拌機12を設置し、この撹拌機12を駆動させてステップGに示すように残部沈殿物9を撹拌することにより、ステップH及びステップH,Iの要部説明図である図5に示すように、凝集沈殿物4を含むフロックの結合物5からなる残部沈殿物9を再び泥水に戻して戻し泥水10を得る。撹拌機12は、残部沈殿物9を撹拌して凝集沈殿物4を破壊できるものであれば、特に限定はない。なお、上澄み液6を除去した後の残部沈殿物9から得られる戻し泥水10は1.2以上の比重があるため、濁・泥水2として濁水を使用した場合においても泥水として捉えることができる。なお、前記したように戻し泥水10は水中サンドポンプ7で吸引することのできる流動性を付与することが目的であり、濁水か泥水かについては特に考慮する必要がない。
【0025】
このように残部沈殿物9を撹拌することにより、再び泥水に戻して戻し泥水10を得ることが本願発明の特徴である。戻し泥水10はフロックからなる凝集沈殿物4が破壊されているため、再び流動性を有するようになっている。そこで、ステップIに示すように戻し泥水10を凝集沈殿槽1に設置した水中サンドポンプ7を使用して戻し泥水槽11に移送することができる。すなわち、凝集沈殿槽1の所定の場所に設置した水中サンドポンプ7によって、凝集沈殿槽1の全域の戻し泥水10を移送することができるのである。よって、従来のように流動性を有しない凝集沈殿物4を集積するために掻き寄せ装置やスクリューコンベア等の集積装置を凝集沈殿槽1に設置する必要がなくなる。なお、水中サンドポンプ7は、上澄み液6を吸引するのに使用した水中サンドポンプ7をそのまま使用することができる。
【0026】
図6は戻し泥水10を移送後の凝集沈殿槽1の状態を示すものである。この戻し泥水10を移送し、空となった凝集沈殿槽1に新たな濁・泥水2と凝集剤3を供給し、次の処理を行うものである。
【0027】
次に、ステップJに示す戻し泥水槽11に移送した戻し泥水10をステップKに示すようにフィルタープレス等を使用して脱水処理して、ステップLで除去水分を排出するとともに、ステップMで脱水処理した固体分を産業廃棄物として廃棄処理をする。
【産業上の利用可能性】
【0028】
本発明にかかる濁・泥水の処理方法及びその処理システムによれば、処理すべき濁・泥水に凝集剤を添加して、濁・泥水中の微粒子をフロックとして凝集沈殿させて得た上澄み液を吸引・排出した後の残部沈殿物を再び撹拌することによって泥水に戻すため、凝集沈殿した微粒子は戻し泥水中においては、フロックが破壊されているため、再び流動性を取り戻している。よって、凝集沈殿物の集積装置を使用して水中サンドポンプの近傍に集積することなく、凝集沈殿槽内に設置した水中サンドポンプのみを使用して凝集沈殿槽内全域の戻し泥水を吸引・排出することができる。
【0029】
しかも、本発明は、凝集沈殿槽に水中サンドポンプと撹拌機を設置するのみで濁・泥水の処理を行うことができるので、コストが低廉で、かつ、施工現場毎に組み立て・分解が容易である。しかも、処理すべき濁・泥水の性状に応じて、水中サンドポンプと撹拌機の能力を自由に選定できるため、高い汎用性を有している。よって、従来のように、凝集沈殿槽内に高価な集積装置を設置する手間や費用が不要であり、各施工現場において効率よく濁・泥水を減容化して処理することができる。
【符号の説明】
【0030】
1…凝集沈殿槽
2…濁・泥水
3…凝集剤
4…凝集沈殿物
5…フロックの結合物
6…上澄み液
7…水中サンドポンプ
8…処理水槽
9…残部沈殿物
10…戻し泥水
11…戻し泥水槽
12…撹拌機

【特許請求の範囲】
【請求項1】
処理すべき濁・泥水に、凝集剤を添加して濁・泥水中の微粒子を凝集沈殿させた後に、その上澄み液を排出し、上澄み液を排出した後の残部沈殿物を撹拌して再び泥水に戻すことによって水中サンドポンプを使用して吸引排出可能としたことを特徴とする濁・泥水の処理方法。
【請求項2】
処理すべき濁・泥水に、凝集剤を添加して濁・泥水中の微粒子を凝集沈殿させた後に、その上澄み液を排出し、上澄み液を排出した後の残部沈殿物を撹拌して再び泥水に戻し、該戻し泥水を水中サンドポンプを使用して吸引排出することを特徴とする濁・泥水の処理方法。
【請求項3】
処理すべき濁・泥水に、凝集剤を添加して濁・泥水中の懸濁物質を所定サイズのフロックとして凝集沈殿させた後に、フロックが凝集沈殿した濁・泥水の上澄み液を排出し、上澄み液を排出した後の残部を撹拌することによりフロックを破壊して微粒子として懸濁させることによって再び泥水に戻し、該戻し泥水を水中サンドポンプを使用して吸引排出することを特徴とする濁・泥水の処理方法。
【請求項4】
吸引排出した戻し泥水を脱水処理する請求項2又は3記載の濁・泥水の処理方法。
【請求項5】
凝集沈殿槽に処理すべき濁・泥水を供給する手段と、凝集沈殿槽に凝集剤を供給する手段と、凝集剤によって微粒子を凝集沈殿させた凝集沈殿槽における上澄み液を水中サンドポンプによって吸引して処理水槽に排出する手段と、上澄み液を吸引排出した後の凝集沈殿槽内の残部沈殿物を撹拌して、再び戻し泥水とする手段と、凝集沈殿槽から戻し泥水を水中サンドポンプによって吸引して戻し泥水槽に排出する手段とからなることを特徴とする濁・泥水の処理システム。
【請求項6】
複数槽の凝集沈殿槽と、1槽目の凝集沈殿槽に処理すべき濁・泥水を供給する手段と、1槽目の凝集沈殿槽に凝集剤を供給する手段と、凝集剤によって微粒子を凝集させた濁・泥水を1槽目の凝集沈殿槽から2槽目以降の凝集沈殿槽へ順次オーバーフローによって供給する手段と、凝集剤によって微粒子を凝集沈殿させた凝集沈殿槽における上澄み液を水中サンドポンプによって吸引して処理水槽に排出する手段と、上澄み液を吸引排出した後の凝集沈殿槽内の残部沈殿物を撹拌して、再び戻し泥水とする手段と、凝集沈殿槽から戻し泥水を水中サンドポンプによって吸引して戻し泥水槽に排出する手段とからなることを特徴とする濁・泥水の処理システム。
【請求項7】
戻し泥水槽における戻し泥水を脱水処理する請求項5又は6記載の濁・泥水の処理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−264368(P2010−264368A)
【公開日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−117032(P2009−117032)
【出願日】平成21年5月13日(2009.5.13)
【出願人】(509134569)友弘エコロジー株式会社 (4)
【Fターム(参考)】