説明

濡れ検出機能付おむつシステム

【課題】濡れ検出を行うときの取り扱いを容易にして、一般家庭、老人施設、介護施設などで便利に使用でき、しかも低コストの濡れ検出可能なおむつシステムを提供する。
【解決手段】表面素材と水分吸収素材と水分不透過性フィルム3を積層してなるおむつDであって、該おむつDに複数の導電素材4を所定の間隔をあけて、おむつ前部(腹側)から後部(背中側)まで延出させて配置し、さらに導電素材と水分吸収素材の間に水分拡散層9が配されている構造で、導電素材4,4間に検出装置を接続した状態で導電素材4,4間が濡れている場合に通電することで濡れを検出するおむつDを備える。さらに、表面素材および水分不透過性フィルム3を挟み込んで内部の導電素材4に達する接続端子を有する検出装置を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、濡れ検出を行うときの電気的接続作業が容易でありながら、濡れ検出の信頼性が高く、かつ生産性に優れた濡れ検出可能なおむつシステム、並びに、当該システムに用いられるおむつ及び接続部材に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の高齢化社会の進行により、いわゆる寝たきり老人が増える傾向にあるが、在宅介護および老人健康施設などにおいて、これらの患者の看護にあたっては尿、便の処理が大きな問題であって、簡単に処理できることは患者および看護人の負担軽減に繋がるため、近年は使い捨ての紙おむつの使用が主流である。
【0003】
また、従来からの一般的な尿の処理方法は、おむつを中心とした装具による自然排尿後の処理とバルーン・カテーテル等による留置カテーテルの装用による持続的な排尿の処理とに大別されるが、前者が主流である。上記のおむつなどの装具による処置に関しては、患者、老人または幼児がいつ用便を行ったか不明であるので、看護人は時間を区切って着用者のおむつを取り替える等の処置を行う場合が多い。しかしながら、このような処置を行った場合、患者によっては長時間用便をしたままの状態が継続することになり、不快感をもたらすとともに、おむつかぶれ、冷え、床ずれ等の苦痛を与える結果となっている。また、高齢者、要介護者にとって排泄物が残るおむつを着用し続けることは、人間の尊厳をも損なう大きな問題である。
【0004】
上記の問題に対処するために、おむつの濡れを外部の人間が知ることができるように色の変化や濡れを利用した通電による検出や圧力による検出方法が数多く提案されており、この中でも濡れを検出するセンサーと報知器に関する提案が多くなされている。主なものとして、2本以上の導電素材間が尿などで濡れることにより通電することを利用した検出方法がある(例えば、特許文献2、3参照)。
【0005】
さらに、おむつの濡れを検出する回路と、検出回路からの信号を受けて電波を発信する回路と電波を受信して信号に変換する回路と、受信号により音声またはランプを表示する報知回路を連動させる複数の使用者に対応した装置についても知られている(例えば、特許文献4参照)。
【0006】
また、おむつとは別に綿テープ内に一対の針金を平行に配置した検出センサーを作製し、おむつを使用する前にセットする方法(例えば、特許文献5参照)、シート状に印刷した抵抗体を使用する方法(例えば、特許文献1参照)なども存在する。
【0007】
また、比較的古い提案では、布製の、洗濯して再使用することを前提にしたおむつに関わるものが多かった。しかし、近年は紙おむつによる使い捨て製品が主流であるため、使い捨て紙おむつのセンサーに関する提案がなされてきており、導電糸などがおむつ本体にあらかじめ配置されているものも提案されている(例えば、特許文献6、7および8参照)。
【0008】
さらに、おむつと、このおむつの通電状態を検出する検出装置とを電気的に接続する接続部材については、おむつを構成するおむつ素材の外側から鰐口クリップなどの接続端子で挟み込むことにより、おむつ素材を貫通させ、クリップ部分を内部の導電素材に接触させるものが提案されている(例えば、特許文献9参照)。また、複数の接続部材をそれぞれ装着しなければならない手間を省くために、複数のクリップのオス側端子およびメス側端子をそれぞれ一体的に形成して、接続端子部を一度に開閉できる接続部材も提案されている(同じく特許文献9参照)。
【特許文献1】特開平10−230000号公報
【特許文献2】実開昭52−171988号公報
【特許文献3】実開昭55−42056号公報
【特許文献4】実開昭53−138894号公報
【特許文献5】実開昭57−129160号公報
【特許文献6】実開昭60−136307号公報
【特許文献7】実開昭61−50708号公報
【特許文献8】実開平6−75448号公報
【特許文献9】特開2005−52564号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかし、以上のように多くの技術が提案され、一部は実施されているにも関わらず、一般の家庭や老人健康施設などに普及しているとは言い難いのが現状である。この理由として、本発明者らは価格の問題、手間の問題、検出感度および検出の信頼性の問題が大きいとの認識に至った。すなわち、価格の問題とは、通電素材をおむつ内にセットしたり、検出装置を取り付けやすいように導電素材などの末端を露出させたりするなどの加工を行う場合の製造コストの増加が大きいため、通常のおむつよりも単価がかなり高くなってしまうことである。その結果、使い捨ての紙おむつの使用が主流となった近年では、使用枚数も多くなっていることから、紙おむつの使用コストが大幅に上昇する。一方、手間の問題とは、価格の上昇を抑えるために、おむつとは別に検出装置を作製し、これをおむつに着脱させるようにしたものを採用する場合は、おむつの交換ごとに検出装置の脱着操作を頻繁に行う必要があって、消費者が手間を感じて敬遠することなどを挙げることができる。さらに、検出感度の問題とは、単に電極としての導電素材をおむつ内に配置しただけでは、検出感度を適切に調整することが困難なことである。検出感度が高すぎる場合は、残尿等が極少量排出された場合にも検出してしまったり、低すぎる場合は、おむつからの漏れが生じてしまったり、適切なおむつ交換のタイミングと一致しないケースがある。また、使用者の体位や排尿場所が変わった場合に検出感度が大きくばらつくことがある。すなわち、報知を必要としない程度の少量の尿であっても、それが偶然に導電素材間の近傍に滴下された場合には、検出システムが濡れを検出して警報を発してしまう。あるいは、これとは逆に、上記の少量の尿よりも多量の尿が滴下されても、その場所が、導電素材間の外側の、おむつの側縁部付近であった場合には、システムが濡れを検出しないことがある。
【0010】
また、おむつと検出装置との接続部材として、上記の鰐口クリップのような接続端子を使用した場合には、クリップの把持力がスプリングの伸縮力にのみ依存しており、接続状態が強制的に固定されない。したがって鰐口クリップの把持力が弱く、おむつ着用者のベッド上や車椅子上などでの動きに伴い、クリップが当初の装着位置からずれやすい。この場合、クリップが導電素材の延設方向と同じ方向に延び、装着されていることから、クリップと導電素材との接触部分間の、おむつにおける幅方向の位置ずれに対するマージンが少なくなり、おむつの導電素材と検出装置との接続が容易に外れてしまい、濡れを検出することができなくなる。
【0011】
さらに、導電素材の敷設位置は、製造過程において精密な管理をすることが難しく、ばらつきが生じやすい。したがって、接続部材の装着の手間を省くために複数の鰐口クリップのオス側端子およびメス側端子をそれぞれ一体的に形成して、複数の鰐口クリップを一度に開閉できる接続部材を採用した場合、クリップの位置と導電素材の位置にずれが生じる場合があり、このときはおむつを接続する作業者が接続位置を調整することが必要であり、新たな手間が発生する。
【0012】
また、従来は、濡れが検出されたおむつを交換する際に、検出装置の受信器が受信した濡れの検出信号をリセットして報知状態(例えばLEDの点灯)を元の状態に戻すために、手動のリセットボタンを押してリセットすることが一般的であるが、おむつを交換する作業者がリセットボタンを押し忘れることがある。この場合、おむつの交換後に、実際にはおむつが濡れていないにもかかわらず、おむつの濡れが報知されて、不必要な交換作業が行われることがあった。
【0013】
そこで、本発明の目的は、濡れ位置による検出のバラツキを抑え、おむつ内に放出された尿の量の多少に応じてより的確に濡れを検出することのできるおむつおよびおむつシステムを提供することである。
【0014】
本発明の他の目的は、濡れ検出可能なおむつシステムにおいて、当該システムの濡れ検出の信頼性を優れたものとすべく、おむつと濡れを検出する装置との接続位置がおむつ着用者の動きによってずれた場合にも、接続を確実に維持できる接続部材を提供することである。
【0015】
本発明のさらに他の目的は、おむつ交換時に作業者が濡れの検出および報知状態を手動でリセットし忘れることを防止して、濡れ検出の信頼性を優れたものとすべく、おむつ交換時に自動的に濡れの検出および報知状態がリセットされる濡れ検出可能なおむつシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明者らは、上記の単価が高い問題、手間が掛かる問題、検出感度の問題を解決し、低価格でかつ手間を取らせることの少ない、消費者とって極めて有益な濡れ検出の可能なおむつの製造方法について鋭意検討を行った結果、本発明に到達した。すなわち、本発明にかかる濡れ検出可能なおむつシステムは、表面素材と水分吸収素材と水分拡散層さらに水分不透過性フィルムを積層してなるおむつであって、該おむつに複数の導電素材を所定の間隔をあけて、装着者のおむつ前部(腹部)にあてがわれる部分から少なくとも後部(背中側)にあてがわれる部分に至るまで、相互に接触することなく、ほぼ平行に延出させて配置し、さらに導電素材と水分吸収素材の間に水分拡散層が配されている構造で、導電素材間に検出器を接続した状態で導電素材間が濡れている場合に通電することで濡れを検出するおむつを備え、導電素材の上下両面に接合されている表面素材、水分不透過性フィルムとを挟み込んで内部の導電素材に達する接続端子を有する検出器を備えている。
【0017】
前記した目的を達成するために、本発明に係る濡れ検出機能付おむつは、おむつ内の濡れを検出する複数の導電素材と、前記複数の導電素材よりも前記おむつの表面側に配置され、水分をおむつの水平面方向に拡散させる水分拡散素材からなる水分拡散層とを備えている。なお、本明細書において「表面側」とは、おむつの装着者の肌に接触する面側を指し、「裏面側」とは、おむつ構成素材の積層方向に対して前記表面側と反対方向に向く面側を指す。
【0018】
このおむつによれば、尿が導電素材に達する前に、水分拡散層によっておむつの水平面方向に拡散され、濡れの分布が均一化するので、尿がおむつ内で局所的に放出された場合にも、尿の量に応じて的確に濡れを検出することができる。
【0019】
本発明に用いるおむつ素材としては、後述する検出装置の接続端子が貫通可能な素材であればよく、一般家庭に普及している高齢者向け、幼児向けの通常の使い捨て紙おむつに使用されている素材を使用することができ、このような公知の素材であればどのようなものを用いてもよい。このような紙おむつの素材のうち肌に接触する表面素材としては、目付量が10〜30g/m2 程度のレーヨン、ポリプロピレン、ポリエステル繊維などの不織布などが代表的に使用される。また、水分吸収素材としては、綿状パルプとポリアクリル酸などの高分子吸収体などをブレンドしたもの、綿状パルプとティッシュペーパー等からなる構造体、または超吸水性ポリマーなどが代表的に使用される。水分拡散層はポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル等の不織布やフィルム、にかわ、ロジン(松脂)、アビエチン酸、マレイン化ロジン、合成ロジン等のサイズ剤で処理された耐水紙あるいは防水紙などが代表的に使用される。水分不透過性フィルムとしては、ポリエチレン、ポリエステル等の厚さ15〜40μmのプラスチックフィルムが代表的に使用される。その他の取り付け素材、伸縮素材などの各種パーツ部分についても通常の使い捨て紙おむつに使用される公知の素材を使用できる。以上の表面素材や水分不透過性フィルムなどのおむつ素材は、接着剤を用いるか、または、熱融着などの手段により接合一体化させる。
【0020】
なお、本発明において、以下におむつと記載する場合は、着用者が一枚だけつけるような紙や布でできた従来型のおむつだけでなく、尿とりパッドをも包含する。尿取りパッドとは、従来型のおむつよりも小さく、かつ従来型のおむつの内側に配置し、濡れた場合には該パッドのみを交換して使用するものである。該パッドの使用により、おむつの交換作業が軽減されるだけでなく、おむつの交換頻度も減らすことができるので、資源の節約が可能となる。
【0021】
尿とりパッドの素材としては、水分吸収性が高く、皮膚アレルギー等人体に悪影響を及さず、交換作業等において取り扱いが容易なものであれば、特に限定されないが、一般家庭や老人健康施設などへの普及の観点からは、従来型のおむつと同じ素材であることが好ましい。
【0022】
本発明のおむつでは,水分吸収素材と導電素材の間に適度な水分拡散層を入れることによって、汗や微量の尿程度では検出することがなく適切な尿量で検出するようにコントロールを行う。さらに濡れ位置が上下左右に偏った場合でも導電素材に接触する前に水分拡散層によって尿の濡れ面積が広がるため、導電素材間の橋渡しを行い検出する。従って本発明の効果により、利用者を不快にすることなく、おむつの交換作業の軽減、交換枚数の削減に大きく寄与する。
【0023】
前記水分拡散層の素材としてはポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル等の不織布やフィルム、にかわ、ロジン(松脂)、アビエチン酸、マレイン化ロジン、合成ロジン等のサイズ剤で処理された耐水紙あるいは防水紙などが代表的に使用されるが、好ましくは目付量が5〜50g/m、より好ましくは10〜30g/m程度のポリプロピレン不織布(スパンボンド)が使用される。
【0024】
前記導電素材としては、通電性を有する素材であれば、有機高分子主体の導電繊維、金属線、カーボン繊維、金属蒸着フィルム、金属テープ素材などの公知の通電素材を使用することができるが、おむつの柔軟性を損なわず環境負荷もかけないようにするためには、金属を含む繊維素材、リッツ線のような補強繊維に金属線を絡めたような線材、または金属を含むフィルム素材を使用することが好ましい。また、導電素材は、水分拡散層の裏面側または水分不透過性フィルムの表面側(肌側)に直接形成することができ、特に、プリント、または金属の蒸着により形成することが、おむつの柔軟性を維持する上で好適である。また、導電素材としては、水分吸収可能な適当な厚みをもつ素材の両面に導電材料を配置した1本のテープ状の積層素材を使用することも可能である。
【0025】
さらに、本発明のおむつシステムでは、その検出装置を導電素材に電気的に接続するとき、検出器の接続端子の強い力でおむつを挟み込んで、表面素材や水分不透過性フィルムなどのおむつ素材を貫通させて接続端子を導電素材に直接接触させることが、接続作業の手間を省く上で効果的である。このため、導電素材は接続端子に挟みやすく、かつ挟まれても壊れたり変形したりすることなく、しかも通電性が損なわれにくいものを採用することが好ましい。
【0026】
このような、柔軟性、濡れ検出感度および接続端子との適合性から特に適した導電素材の一例として、有機高分子主体の導電性繊維、またはそれからなる糸が挙げられ、それらの中でも、特開2005−264419号公報に記載されている硫化銅ナノ微粒子を分散状態で含有している導電性ポリビニルアルコール系繊維からなる糸が特に好ましい。
【0027】
前記金属を含むフィルム素材としては、例えば、アルミニウム、亜鉛、銅、錫、銀、金、クロム、ニッケルなどの金属素材をプラスチックフィルムへ蒸着またはラミネートすることによって薄膜状に付着させたものがあり、このようなフィルム素材としてはアルミニウムなどの金属を蒸着した包装材料が広く普及している。また、金属を含む繊維、前記線材、またはフィルムなどを細かく砕いた素材を、ポリオレフィン素材、ポリエステル素材、またはポリウレタン素材などへ分散して、薄膜に加工したシート素材なども挙げることができる。フィルム素材の使用幅は、引っ張り強度、検出感度、またはおむつの風合いを損ねないなどの理由から、適宜選択すればよいが、幅1〜20mm程度、好ましくは幅2〜8mm程度である。
【0028】
前記金属を含む繊維素材としては、例えば、アルミニウム、亜鉛、銅、硫化銅、錫、銀、ニッケル、クロムなどを合成繊維や天然繊維に蒸着したり練り込んでなる素材を挙げることができ、このような繊維素材としては日本蚕毛社製アクリル繊維ないしナイロン繊維からなる有機導電性繊維サンダーロンや三菱マテリアル社製銀被覆ポリエステル繊維シルファイバーなどが市販されている。繊維素材の太さとしては検出感度やおむつの風合いを損ねないなどの理由から、適宜選択すればよいが、概ね10〜5000デシテックスの範囲で好ましくは500〜2500デシテックスである。
【0029】
他の素材としては、前記金属を蒸着したフィルム素材を使用する場合は、蒸着金属が剥がれたり、穴があいたり切れたりする可能性があるので、硬い金属蒸着プラスチックフィルムよりも、金属を含む繊維からなる不織布や金属粉を分散した例えばウレタンフィルムなどを使用することが望ましい。また、前記線材を使用する場合には、端部の導電素材と検出装置間の接続信頼性を向上させるために、端部に幅広の導電性テープを貼り付けたり、導電性の接着剤や導電性の塗料をフィルムの上から染み込ませて接続するポイントを作ったりするなどの方法を採用することもできる。
【0030】
前記導電素材の抵抗値は、濡れ検出装置の検出能力や感度設定によって適宜選択することができるが、導電素材として必要とされる抵抗値は1000kΩ/cm以下が好ましく、より好ましくは200kΩ/cm以下、さらに好ましくは50kΩ/cm以下であり、20kΩ/cm以下が最も好ましい。
【0031】
本発明を適用するおむつにおいて、複数本の導電素材を、おむつの長手方向に沿って所定の間隔を保持して平行に、おむつの製造ラインの流れ方向に連続的に配列して、おむつの前部から後部にかけて貫いていることが好ましい。
【0032】
おむつの製造時には、複数の導電素材を巻き出しロールに巻回しておき、このロールからおむつの製造ラインの流れ方向に沿っておむつ素材上に連続して供給することが、おむつを連続製造する上で好適であり、これにより、導電素材は互いに平行に、おむつの前部から後部に貫通状に配列された構成となる。また、おむつに導電素材を固定する方法としては、単に置いてゆくだけの方法もあるが、置いていくのと同時に導電素材の固定性を高めるために、その一部または全部を接着剤で固定したり、熱で融着したり、導電素材にあらかじめホットメルト成分を含有または付着させておいて、これを熱で固定したり、導電素材にあらかじめ粘着性ないし接着性を付与しておいてフィルム素材に接合するなどの方法も挙げることができる。これらの技術を採用することが製造コスト上からも好適であり、また、販売単価を下げることができる。
【0033】
導電素材の配列パターンは2本を製造ラインの流れ方向に直線的に配列することが基本的に採用されるが、検出効果を高めるためなどの理由から従来の濡れセンサーのために提案されているような櫛状の配列パターンやジグザグの配列パターンなどを採用することもできる。また、導電素材間の幅も導電素材の本数、使用状況、検出装置の感度設定や、男女間の差に基づく濡れ状態の違いなどを考慮して適宜設定すればよいが、検出感度の問題から導電素材間の幅は概ね1〜20cmの範囲が挙げられ、好ましくは幅2〜10cm、さらに好ましくは幅3〜6cmである。
【0034】
導電素材は、濡れ位置が上下左右に偏った場合でも検出領域を広げ且つ検出量を適正化する効果を得るため水分拡散層と水分不透過性フィルムの間に配置される。
【0035】
以上のように導電素材に検出装置を接続した状態で、検出装置により、導電素材間が濡れることで回路が形成されて通電することを検出する方法が好ましく採用される。また、一方の導電素材を被覆することにより水分量の変化を検出するコンデンサーとして用い、静電容量から濡れの程度を検出するものを採用してもよい。その他にもイオン化傾向の異なる素材を使用することで、濡れた場合の電位差を生じさせて見かけの電池回路を形成し、ここで発生した電気を検出する方法などを挙げることができる。また、おむつ内に塩類を添加して通電性を高める方法を併用することもできる。
【0036】
本発明に係る接続部材は、おむつを構成する積層されたおむつ素材の間に、おむつ内の濡れを検出する複数の導電素材が延設されているおむつと、このおむつの導電状態を検出する検出装置とからなる濡れ検出可能なおむつシステムにおいて、前記検出装置を前記導電素材に電気的に接続する、前記おむつを外側から挟み込む接続部材であって、前記おむつを含む面に対して平行で、かつ前記導電素材の延設方向に対してほぼ直交する方向に延びる接続端子部を備えている。
【0037】
この接続部材によれば、接続端子部における導電素材との接触部分を、導電素材の延設方向に対してほぼ直交する方向に沿って長く取れるので、おむつ着用者がベッド上や車椅子上で動くことにより接続端子部の装着位置が装着当初の位置からずれた場合でも、導電素材との接続を維持することが可能であり、濡れ検出の信頼性が向上する。
【0038】
上記の接続部材において、前記接続端子部は、前記おむつ素材を貫通して前記導電素材との接点を形成する爪部を有するメス形端子と、このメス形端子に前記おむつを介して嵌合される突起部を有するオス形端子とを備えており、前記メス形端子の爪部と、前記オス形端子の突起部の突出方向とのなす角が鋭角であることが好ましい。このような構成とした場合には、オス形端子の突起部に沿った状態でメス形端子部の爪部と接触するおむつ素材に対して、爪部からより大きなストレスをかけることが可能となるので、爪部によってより確実におむつ素材が貫通され、導電素材との接点が形成される。
【0039】
また、より好ましくは、上記接続部材の前記オス形端子の突起部の近傍における前記メス形端子に対向する部分に、前記おむつの接続端子部からのずれを抑止する滑り止め部材が設けられている。このような構成とすることで、おむつ着用者の動きによるおむつのずれをより効果的に防止することができ、濡れ検出の信頼性が一層向上する。
【0040】
さらに、本発明に係る接続部材を、前記複数の導電素材にそれぞれ対応する複数のメス形端子が前記導電素材に対応する間隔で配設されたメス側部材と、前記各メス形端子に対向して配設された前記オス形端子を有し、前記メス側部材に回動可能に連結されて、この回動によりすべての接続端子部を同時に開閉させるオス側部材とを有するものとしてもよい。このような構成とすることにより、おむつへの検出装置の着脱作業の手間を省きながら、導電素材位置のばらつきがあっても、確実に導電素材と接続部材とを接続することが可能になる。
【0041】
上記のように、オス側部材を前記メス側部材に対して回動させることによりすべての接続端子部を同時に開閉させる構造を有する接続部材において、前記オス側部材と前記メス側部材に対して回動させてすべての接続端子部を閉じた状態で、前記回動をロックする機構を設けることが好ましい。このようにロック機構を設けることにより、接続端子部が閉じた状態を強制的に固定して、接続端子部の把持力を向上させることができる。
【0042】
本発明に係る濡れ検出可能なおむつシステムは、上記のおむつと、このおむつの通電状態を検出する検出装置とを備え、前記導電素材間に前記検出装置を接続した状態で導電素材間が濡れている場合に通電することで濡れを検出する。このように、水分拡散層を備えたおむつを使用するシステム構成とすることで、濡れ検出の精度を高めることができる。
【0043】
本発明に係る濡れ検出可能なおむつシステムは、上記の本発明に係る接続部材を備えていることが好ましい。このような構成とすることにより、当該システムの濡れ検出の信頼性を向上させることができる。
【0044】
さらに、上記濡れ検出可能なおむつシステムに用いる前記検出装置は、おむつに連結されて前記通電状態を示す検出信号を無線で送信する送信器と、前記検出信号を受信して濡れがあったことを報知する受信器とを備えていることが好ましい。
【0045】
また、本発明に係る濡れ検出可能なおむつシステムにおいて、前記受信器に、前記おむつと前記検出装置との接続が解除されたときに、その直前に受信した検出信号をリセットするリセット回路を設けてもよい。このような構成とすることにより、おむつを交換するときにリセットボタンを押し忘れて、濡れていないおむつであるにも拘らず濡れが報知されることを防止できるので、当該システムの濡れ検出の信頼性が一層向上する。
【発明の効果】
【0046】
本発明によれば、濡れ検出を行うときの取り扱いを容易にして、一般家庭、老人施設、介護施設などで便利に使用でき、しかもおむつを低コストで連続製造できる濡れ検出可能なおむつシステムを提供することができる。さらに本発明は、濡れ位置による検出のバラツキを抑え、適切な検出感度を安定的に保つことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0047】
以下に本発明にかかるおむつ、接続部材および濡れ検出可能なおむつシステムの具体的な構成を説明するが、本発明はこの構成に限定されるものではない。
【0048】
図1は本発明に使用されるおむつの一実施形態を示す平面図であり、図1の手前側をおむつDの装着者の肌に接触する表面とし、同図の奥側を裏面とし、さらに同図の左側を前部(腹側)、右側を後部(背側)としている。おむつDは、最表面側に位置する表面素材からなる表面層1(図2参照。図1では省略。)と、最裏面側に位置する、水分不透過性のフィルム素材からなる水分不透過層3と、表面層1を透過してきた尿などの水分を吸収する素材からなる、表面層1の直裏面側に位置する水分吸収層5とが積層される構造を有している。水分不透過層3の表面側には、おむつDの長さ方向(図1の矢印X方向)に沿ってほぼ平行に、2本の帯状の導電素材4が配置されている。導電素材4は水分不透過層3に貼り付けられて一体となっているため、導電素材4単独では外部に露出しない状態になっている。本実施形態においては、導電素材4として、硫化銅ナノ粒子を分散状態で含有している導電性ポリビニルアルコール系繊維からなる糸を用いている。また、導電素材4と水分吸収層5の間、すなわち導電素材4の直表面側には、水分吸収層5を透過してきた尿などの水分を、おむつDの平面方向に拡散させる水分拡散素材からなる水分拡散層9が配置されている。この水分拡散素材については後に詳述する。おむつDの両側部には、装着性を高めるためのギャザー11が設けられ、またおむつDの背側には、おむつを装着者に固定するための部材である固定帯13が取付けられている。また、おむつDの外周部15には水分吸収層5が存在しない。すなわち、おむつDの両側部においては、表面層1、水分拡散層9および水分不透過層3のみが積層されており、腹側および背側の両端部(X方向の両端部)においては、表面層1、水分拡散層9、導電素材4、および水分不透過層3が積層されている。
【0049】
前記おむつDは、X方向に沿って前方X1へ、中間に水分吸収層5および水分拡散層9を挟み込むようにして表面層1と水分不透過層3を送り出し、この表面層1と水分不透過層3の間を例えば接着剤で接合することにより連続的に積層され、このとき導電素材4が水分不透過層3上にX方向に沿って連続的に供給される。また、前記表面層1、水分吸収層5、水分拡散層9、導電素材4、及び水分不透過層3を含むおむつDが、その前部と後部に相当する部分において、幅方向Yに沿って切断されて、おむつDが連続生産される。このとき、前記導電素材4を水分不透過層3上に事前に蒸着もしくは貼付けておくことにより、既存のメーカーの製造ラインで生産することができて、生産コストの低減化が可能となる。
【0050】
図1の実施形態において、前記2本の導電素材4,4が、おむつDの濡れを検出する電極として機能する。これら2本の導電素材4,4は、好ましくは、おむつDの幅方向(図1のY方向)の中央に対してほぼ対称に配置される。これら導電素材4,4の間隔は、おむつの使用環境や必要な濡れ検出の精度、使用する導電素材の濡れ検出感度等を考慮して適宜決定される。また、導電素材4のX方向の配置範囲は、装着者の排尿を確実に検出するために、装着者の腹部にあてがわれる部分から、少なくとも装着者の臀部にあてがわれる部分までとされる。
【0051】
図2は、図1に示すおむつDの、II−II線に沿った断面図である。上記のとおり、おむつDは表面側(図2の上側)から順に、表面層1、水分吸収層5、水分拡散層9、水分不透過層3が積層され、水分拡散層9と水分不透過層3との間には、水分不透過層3上に貼り付けられた導電素材4が介在する構造となっている。なお、必要に応じて、本発明の効果を損なわない範囲で、水分拡散層9の裏面側にさらに水分吸収層を設けてもよい。ここで水分吸収層5は、図2のY方向および図1のX方向のいずれについても、水分拡散層9に対して外方にはみ出さない大きさに設定されることが望ましく、さらに水分拡散層9は、図2のY方向および図1のX方向のいずれについても、表面層1および水分不透過層3に対して外方にはみ出さない大きさに設定されることが望ましい。
【0052】
水分拡散層9を形成する水分拡散素材としては、水分を透過し、かつ水分を層の水平方向に拡散させる効果を有する材料を用いることが好ましい。このような素材としては、例えば疎水性不織布(例えばポリエチレン系不織布、ポリプロピレン系不織布、ポリエステル系不織布等)、防水紙などが挙げられる。また、疎水性不織布を構成する繊維の繊維径としては、1〜50μmが好ましく、10〜30μmがより好ましい。なお、本実施形態においてはポリプロピレン不織布(スパンボンド)を用いている。
【0053】
水分拡散層9に用いる材料の目付量は、10〜30g/mの範囲にあることが好ましい。以下に、当該好ましい目付量について検討をおこなった試験について説明する。
【実施例1】
【0054】
水分拡散層に、3種類の目付量(=15g/m、20g/m、30g/m)のポリプロピレン不織布(スパンボンド)を用いたおむつを用意し、これをおむつの大きさに合わせて作製した板状の治具の上におむつを載せ、その治具の縦方向の両端部にそれぞれ2つずつ設けられた接続部品を備えるターミナルに、おむつの2本の導電素材の両端を固定する(計4ヶ所)。導電素材を固定した隣接するターミナルに、端子間の直流抵抗値を測定するためのテスタを接続する。テスタはサンワ製PC500を使用した。このように準備したおむつの中央部分に所定量の生理食塩水を滴下した後、当該部分の上におむつパッド部の大きさの板と2Kg分銅を置き、6g/cmの荷重をかけた状態で、生理食塩水添加後1分経過した時点における導電素材間の直流抵抗値を測定した。生理食塩水の添加量は、20ml、30ml、50ml、100ml、150ml、200mlとした。
(比較例1)
【0055】
実施例1で用いたおむつから水分拡散層のみ取り除いたものを作製し、これを用いて実施例1同様の方法により試験を実施した。実施例1および比較例1の試験結果を表1に示す。
【0056】
【表1】

【実施例2】
【0057】
実施例1で使用したものと同様にして、3種類の目付量の水分拡散層を用いたおむつをそれぞれ作製し、これを実際に人体に装着したうえで、検出装置(クラレメディカル(株)試作品)を取り付けた。装着者を仰向けに寝かせた状態で、おむつの隙間から、延長チューブを介して50mlシリンジで生理食塩水を所定量注入し、その後1分間そのままの状態で、検出の有無を音と光で確認した。生理食塩水の注入量は、上記の試験と同様20ml、30ml、50ml、100ml、150ml、200mlとした。
(比較例2)
【0058】
比較例1と同様に水分拡散層なしのおむつを作製し、これを用いて、実施例2と同様の方法で試験を実施した。実施例2および比較例2の試験結果を表2に示す。
【0059】
【表2】

【0060】
本実施形態のおむつDによれば、尿が導電素材4に達する前に、水分拡散層9によっておむつの水平面方向に拡散され、濡れの分布が均一化するので、尿がおむつD内で局所的に放出された場合にも、尿の量に応じて的確に濡れを検出することができる。特に水分拡散層9を導電素材4の直表面に配置することにより、均一化した濡れを効率的に導電素材4によって検出することができる。さらには、水分拡散素材として不織布のような非異方性繊維素材を使用することにより、水分拡散層9においてより効果的に濡れを均一化させることが可能になる。
【0061】
図3は図1のおむつDを用いた濡れ検出可能なおむつシステムSを示す概略図である。このおむつシステムSは、図1のおむつDに、おむつの濡れを検出・報知する濡れ検出装置20を接続したものである。図3において検出装置20は送信器30と受信器40を有しており、導電素材間の抵抗値があらかじめ設定された値よりも低くなり、濡れを検出したときは、送信器30から受信器40に検出信号が送信され、この検出信号を受け取った受信器40はLED、スピーカなどの報知手段によって、おむつに濡れが生じたことを報知する。
【0062】
図4は、前記送信器30の構造を示す模式図である。送信器30は、検出装置20と導電素材4とを接続する2つの接続部32が橋渡し部36によって連結された一体化構造を有している。接続部32は、おむつDの導電素材4と検出装置20とを接続する部材であり、本実施形態において、具体的には各接続部32がクリップ部33を備えている。このクリップ部33は、図5に示すように、クリップレバー34に一体成形された樹脂製のオス形クリップ33aと、接触歯を有する金属製のメス形クリップ33bとで構成されている。メス形クリップ33bは接続部32及び橋渡し部36の内部に収納された送信器回路に接続されている。クリップレバー34は、接続部32にヒンジ35を介して開閉自在に取り付けられている。図6に示すように、おむつD端部の導電素材4が配置されている部分を、クリップ部33によって直接挟み込んで、少なくとも表面層1あるいは水分不透過層3などのおむつ素材の一方を貫通させて、メス形クリップ33bを導電素材4と接触させることにより、接続部32を導電素材4に接続させる。この状態で、導電素材4がメス形クリップ33bを介して接続部32内の電路37(送信器30の回路の一部)に電気的に接続される。
【0063】
図4に示す送信器30は、おむつDの装着者の腹部周りの湾曲状態や、動作に伴う変形に合わせて図4の紙面の裏表方向に屈曲するように、接続部32と橋渡し部36との間に、ヒンジ部38を設けている。また、橋渡し部36の内部には、回路および電池が収納される。
【0064】
図7は、本発明に係る接続部材の一実施形態を示す斜視図、図8は、図7の接続部材が閉じられた状態での、当該接続部材の要部の構造を模式的に示す断面図である。接続部材51は、図3に示すようなおむつ内の濡れ検出が可能なおむつシステムSにおいて、検出装置20をおむつDに電気的に接続するための、おむつDを外側から挟み込む部材であり、図7の実施形態においては送信器30Aの一部として構成されている。
【0065】
具体的には、接続部材51は、送信器30Aのハウジングを形成する、メス形の接続端子55を備えるメス側部材57と、このメス側部材57に、回動支点となるヒンジ59を介して回動可能に連結されたハウジングの蓋である、オス形の接続端子61を備えるオス側部材63とを備えている。これらメス形接続端子55とオス形接続端子61とが、接続部材51とおむつDとの接触部分である接続端子部64を構成している。メス側部材57には、ヒンジ59の回動軸心Oに平行な方向に延びる、おむつの導電素材4と同数(この実施形態では2つ)のメス形接続端子55,55が、回動軸心Oに平行な方向に互いに離間して配設されている。メス側部材57には、図8に示すように、その内方空間を上下に隔てる床57aがあって、この床57aにメス形接続端子55が設置されている。床57aとその下方の底壁57bとの間に、送信器30Aの回路部分(図示せず)が収容されており、メス形接続端子55,55と配線65を介して電気的に接続されている。図7に示すオス側部材63の下面63aのメス形接続端子55,55に対応する位置には、メス形接続端子55,55と同様にヒンジ59の回動軸心Oに平行な方向に延びる2つのオス形接続端子61,61が設けられている。なお、以下の説明において、接続部材51の、接続端子部64が設けられている側を前側、ヒンジ59が設けられている側を後側と呼び、オス側部材63が設けられている側を上側と、メス側部材57が設けられている側を下側と呼ぶ。
【0066】
接続部材51の後側中央付近には、オス側部材63をメス側部材57に対して閉じた状態で、オス側部材63のメス側部材57に対する回動をロックするためのロック機構67が設けられている。このロック機構67は、オス側部材63の後側中央付近に形成された凹部63bの前側に設けられた蓋側係合部69と、この凹部63b内で、メス側部材57に対して前後方向に摺動可能に連結された、蓋側係合部69に係合するハウジング側係合部71aを有するロックレバー71とを有している。ロックレバー71は、メス側部材57に対して、図示しない前後方向に延びた案内溝とこれに嵌合した突起とによって前後方向に案内されて摺動するように設定されている。ロックレバー71の上部には、指でロックレバー71を摺動させる操作部71bが突設されている。図9に示すように、オス側部材63がメス側部材57に対して閉じた状態で、ロックレバー71を前側に摺動させて蓋側係合部69の上面とハウジング側係合部71aの下面とを係合させることにより、オス側部材63のメス側部材57に対する回動がロックされ、閉じた状態が維持・固定される。図7のヒンジ59の近傍には、スプリング73が、上下方向に伸縮する向きに、オス側部材63が閉じた状態において収縮状態で設置されており、図9のロックレバー71を二点鎖線で示すように後側に摺動させてロックを解除したときには、オス側部材63が、二点鎖線で示すように、自動的に上向きに回動される。
【0067】
図8に示すように、メス形接続端子55は、SUSのような導電性材料によって形成されており、基部55aから両先端部55b,55bに向かって先細りとなるほぼコの字形状の横断面を有する。先端部55b、55bは、おむつDの導電素材4との接点を形成する多数の爪を有する爪部55b、55bとして形成されている。
【0068】
オス形接続端子61は、オス側部材63の下面63aに対してほぼ垂直に突出し、メス形端子の両先端部55b、55b間に、おむつD(図示せず)を介して嵌合される突起部61aを有し、突起部61aの基端61aaの近傍であってメス形接続端子55に対向する位置には、滑り止め部材75,75が配設されている。突起部61aはオス側部材63と同じ合成樹脂によって形成されており、一方、滑り止め部材75,75は、メス形接続端子55によって滑り止め部材75に押し付けられるおむつ素材をその形状に沿って受けることのできる柔軟な素材、例えばウレタンスポンジによって形成されている。
【0069】
オス側部材63がメス側部材57に対して閉じられた状態において、メス形接続端子55の両爪部55b、55b間から内方に、オス形接続端子61の突起部61aが入り込み、爪部55bと突起部61aとの間には、おむつDを挟み込むための隙間が形成されている。一方、両爪部55b、55bは、突起部61aの基端61aaの近傍の滑り止め部材75,75に圧接している。爪部55bと、突起部61aの側面61abとのなす角αは鋭角、すなわち0°から90°の間に設定されている。
【0070】
次に、おむつDと接続部材51との接続構造について、図10と共に説明する。図10(A)は、おむつDと接続部材51とが接続された状態のおむつDと接続端子部64(図10(A)ではメス側部材57)との位置関係を示す平面図、図10(B)はおむつDと接続部材51とが接続された状態の断面図である。図10(A)に示すように、接続部材51は、おむつDの長さ方向(X方向)端まで延設されている導電素材4を、おむつDの長さ方向端において、接続部材51の回動軸心Oとおむつの幅方向(Y方向)とがほぼ平行になるように配置された状態でおむつDの外側から挟み込む。すなわち、回動軸心Oと平行に配設された接続端子部64は、おむつDの長さ方向に延設された導電部材4に対して、おむつDを含む面内で直交した状態で接続される。各接続端子部64,64は、その幅方向のほぼ中央に、それぞれに対応する導電素材4,4が配置されるように設定されている。
【0071】
図10(B)に示すように、おむつDは、その外周部15が、接続部材51のオス形接続端子61によって、メス形接続端子55の両爪部55b、55b間からその内方に押し込まれている。押し込まれる過程で、オス形接続端子61の突起部61aにほぼ沿った形状となるおむつDの外周部15に対して、メス形接続端子55の爪部55bが鋭角αをなして接触することにより、外周部15のおむつ素材(この実施形態では水分不透過層3)に突起部61aのメス形接続端子55への挿入方向にほぼ対向する向きに爪部55bから力がかかる結果、おむつ素材に大きなストレスがかかり、爪部55bが確実に水分不透過層3を突き破って、その内側の導電素材4と接点Cを形成する。この接点Cを介して、おむつDの導電部材4と、検出装置20とが電気的に接続されている。また、おむつDの外周部15は、突起部61aの基端61aa付近で、メス形接続端子55の爪部55bによって滑り止め部材75に押し付けられている。なお、おむつDをメス形接続端子55の内方に押し込む過程において、おむつDの外周部15のおむつ素材に、爪部55bによって大きなストレスをかけて確実に接点Cを形成させるためには、突起部61aの長さを1mm以上とすることが好ましい。本実施形態では、突起部61aの長さを2mmとしている。また、互いに向い合う爪部55b,55b間の間隔は、好ましくは2mm以上かつ20mm以下、より好ましくは3mm以上かつ10mm以下である。この間隔が狭すぎると、突起部61aとの噛み合いの調整が困難であり、広すぎると、爪部55bでおむつ素材を貫通することによる接点Cの確実な形成が困難になる。
【0072】
なお、図11に示すように、上記の実施形態では、メス形接続端子55の爪部55bは、多数の三角形状の歯を持つ構造としており、隣合う三角形状間の間隔であるピッチPは、導電素材の幅よりも狭いことが好ましく、5mm以下、好ましくは3mm以下、さらに好ましくは1.5mm以下とすることが望ましい。また、水分不透過性フィルム3を破って導電素材4との接点をより確実に形成させるために、歯の深さLは、0.2mm以上、好ましくは0.5mm以上、さらに好ましくは1mm以上であることが望ましい。
【0073】
この実施形態に係る接続部材51によれば、上記のように、接続端子部64が、おむつDを含む面に対して平行で、かつ導電素材4の延設方向に対してほぼ直交する方向に延びているので、導電素材4と接続端子部64との接触部分が、おむつDの幅方向(Y方向)に対して大きなマージンを有することとなる。したがって、おむつDの着用者の動きによって接続部材51の装着箇所が当初の部分よりずれた場合でも、容易に導電素材4と接続部材51との接続が外れることがなく、おむつの濡れ検出の信頼性が向上する。
【0074】
また、接続端子部64のメス形接続端子55の爪部55bと、オス形接続端子61の突起部61aの側面61abとのなす角αを鋭角に設定しているので、おむつDがメス形接続端子55の内方に押し込まれるときに、爪部55bによっておむつ素材に大きなストレスがかかり、爪部55bがおむつ素材を貫通して確実に導電素材4に接触する。さらには、オス形接続端子61の突起部61aの近傍に、メス形接続端子55に対向する滑り止め部材75を設けているので、接続状態でおむつDがこの滑り止め部材75とメス形接続端子55とによって挟み込まれて、おむつDの接続端子部64からずれることを防止することができる。したがって、導電素材4と検出装置との接続をより安定的に維持することが可能となり、おむつの濡れ検出の信頼性が向上する。
【0075】
また、本実施形態のように、複数の接続端子部64,64を1つの接続部材51に一体的に形成して、オス側部材63をメス側部材57に対して回動させることにより、すべての接続端子部64,64を同時に開閉させる構造とした場合にも、上記のように導電素材4と接続端子部64との接触部分が、おむつDの幅方向(Y方向)に対して大きなマージンを有するので、導電素材4の延設位置の製造上のばらつきに対しても、装着作業者が手動で装着位置を調整する必要がない。
【0076】
さらに、この実施形態では、オス側部材63がメス側部材57に対して閉じた状態で、オス側部材63の回動をロックするロック機構67を設けたので、おむつDがメス形接続端子55とオス形接続端子61との間に挟まれている接続状態が強制的に維持され、接続部材51の把持力が向上する。また、おむつDが、接続部材51の前側で、オス側部材63とメス側部材57との間においても挟まれる状態となるので、おむつDが当初の接続位置から一層ずれにくくなる。
【0077】
なお、上記の実施形態においては、メス形接続端子55の両先端部を導電性材料の爪部55b、55bとしたが、片側を樹脂製の扁平な形状としてもよい。あるいは、メス形接続端子55を、爪部55bが円状に配列された形状とし、オス形接続端子61を棒状の突起部を有するものとしてもよい。
【0078】
図12は、本発明の一実施形態に係る濡れ検出可能なおむつシステムSに用いられる受信器40の構造の一例を示す斜視図である。受信器40は、ボックス形状のケース101内に回路が内蔵されている。ケース101の正面には、電源が入力されていることを報知する装置としてのLED103、おむつ内の濡れを検出したときに報知する装置としてのLED105、濡れを検出してからの経過時間を段階的に(例えば、本実施形態においては15分と30分の2段階で)報知する装置としてのLED107A,107B、送信器30の電池123の消耗を報知する装置としてのLED109が配置されている。また、濡れ検出の報知装置であるブザー(図示せず)の音量を調節する調節ボリューム111がLED107Bの上方に配置されている。ケース101の正面下部には、ナースコールに接続するためのナースコール接続端子113が設けられている。さらに、ケース101の下面には、外部のAC電源を入力するためのACアダプター接続端子115が配設されている。また、必要に応じて、受信器40内部に濡れを検出した日時を記憶する手段と、その記憶されたデータを電子計算機等に取り出すための端子を備えていてもよい。
【0079】
図13は、本実施形態に係る濡れ検出可能なおむつシステムSの検出装置20の回路構成を示すブロック図である。この検出装置20の受信器40は、おむつDと検出装置20との接続が解除されたときに、その直前に受信した検出信号をリセットする、後述するリセット回路を有している。以下検出装置20の具体的な回路構成について説明する。送信器30は、前記した接続部材51の2つの接続端子部64,64から、導電素材4,4間の導通を検出する導通検出回路121、送信器30側の電源である電池123、この電池123の消耗を検出する電池消耗検出回路125、および導通検出回路121と電池消耗検出回路125とからの検出信号を受けて受信器40側に送信する送信回路127を有する。さらに、送信器30には、おむつDの導電素材4から検出装置20の接続部材51が外されることによっておむつDと検出装置20との接続が解除されたときに、接続が解除されたことを検出する接続解除検出回路129が設けられており、この接続解除検出回路からの接続解除検出信号も送信回路127を介して受信器40側に送られる。
【0080】
受信器40は、送信器30側の送信回路127からの信号を受信する受信回路131、この受信回路131から導通検出信号を受けて導通の有無を認識する導通認識回路133、同じく受信回路131から送信器30側の電池消耗有無検出信号を受けて電池消耗の有無を認識する電池消耗認識回路135、導通認識回路133が導通を認識した場合に、認識してからの経過時間を測定および認識する経過時間測定認識回路137、および外部からの電力を受け入れる電源入力部139を備えている。これらの構成部材は、それぞれに対応する報知装置として、図11に示したLEDである導電検出報知装置103、経過時間報知装置107A,107B、電池消耗報知装置109、および電源入力報知装置103に信号に接続されており、各報知装置に信号を送って作動させる。
【0081】
さらに、受信器40には、送信器30の接続解除検出回路129からの接続解除信号を、受信回路131を介して受信して、おむつDと検出装置20との接続が解除されたことを認識する接続解除認識回路141が設けられている。この接続解除認識回路141は、接続解除を認識した場合、導通認識回路133および経過時間測定認識回路137にリセット信号を送って直前の導通検出信号をリセットするリセット回路として機能する。
【0082】
また、この実施形態では、受信情報、リセット情報、日時等を記憶する情報保存回路145、および、この情報保存回路145に記憶されたデータを外部に取り出すための情報伝達用接続端子146を備えている。
【0083】
このように回路構成された検出装置20における検出信号処理の手順は以下のとおりである。おむつの濡れの有無は、導電素材4,4間の導通の有無、すなわち抵抗値、または電流値や電圧値の測定によって検出される。導通検出信号を受信した受信回路131は、これを導通認識回路133へ出力し、この導通認識回路133が、LED103を点灯させて、おむつに濡れが検出されたことを知らせる。さらに導通認識回路133は経過時間測定認識回路137に導通検出信号を出力し、この経過時間測定認識回路137が、導通検出から所定の時間が経過した後に、各経過時間に対応するLED107A,107Bを点灯させる。
【0084】
この場合において、濡れたおむつDの交換作業などによっておむつDと検出装置20との接続が解除されたときには、接続解除検出信号を受信回路131は、これを接続解除認識回路141へ出力する。これを受信した接続解除認識回路141は、導通認識回路133および経過時間測定・認識回路137が直前に受信した導通検出信号をリセットし、対応する各LED103および107A,107Bが消灯される。なお、送信器30の接続解除検出回路129における接続解除の検出は、例えば、所定の短い時間内に、導電素材4,4間の抵抗値が所定の値以上まで急激に上昇したことを検出することによって行うことができる。
【0085】
このように、検出装置20の受信器40に、おむつDと検出装置20との接続が解除されたときに、その直前に受信した検出信号をリセットするリセット回路141を設けたので、濡れたおむつを新品に交換した際には自動的に報知装置の作動が解除されるので、作業者が手動によるリセットをし忘れることによって、誤ったおむつの濡れが検出されることが防止される。
【0086】
また、検出回路20は、送信器30の電池123の消耗を検出・報知する手段を備えている。具体的には、送信器30内に、電池消耗検出回路125が設けられており、この電池消耗検出回路125が、あらかじめ設定された電池123の残容量に達したことを検出すると、電池消耗検出信号を送信回路127に出力し、同信号が送信回路127から無線で受信回路131へ、さらに電池消耗認識回路135へと送信され、電池消耗認識回路135が電池消耗報知装置109であるLEDを点灯させる。本実施形態においては、電池消耗検出回路125としては、電池123の電圧を監視することにより残容量を検出する方式のものを用いることができるが、一般に知られている他の方式のものであってもよい。この構成により、送信器30の電源である電池123の交換時期を適切に知ることができ、夜間などに突然送信器30の電源が切れて、おむつDの濡れ検出機能が停止することを防ぐことができる。
【0087】
なお、複数の着用者のおむつDの濡れを1つの受信器40によって識別受信できるようにするために、送信器30からの導通検出信号に各送信器30毎に割り振った識別番号を乗せて送信してもよい。この場合には、信号が複雑になり、送信器30と受信器40との間の信号の送受信が、1回の信号送信では確実に行われないことがあるので、送信器30を一定時間内に所定の複数回信号送信を行うように設定することにより、受信器40で確実に信号を受信できる。また、所望により、各送信器30の固有の識別信号に対応する受信器40を設けて、各着用者別に送信器30と受信器40の組み合わせを形成してもよい。
【0088】
なお、本発明のおむつ及びおむつシステムは使い捨てタイプのおむつに好適に使用されるが、この他にも繰り返し使用される布おむつなどに適用することもできる。また、本実施形態においては、水分拡散層9を水分吸収層5と導電素材4との間に配置したが、水分拡散層9は導電素材4よりも表面側であればどこに配置されてもよい。さらに本実施形態においては、生産コストと得られる効果のバランスを考慮して、導電素材4の本数を2本としたが、3本以上としても本発明と同様の効果が得られることは明白である。
【図面の簡単な説明】
【0089】
【図1】本発明の一実施形態に係るおむつを示す正面図である。
【図2】図1のII−II線に沿った断面図である。
【図3】本発明の一実施形態に係るおむつシステムを示す概略図である。
【図4】同おむつシステムの送信器の構造を示す模式図である。
【図5】同おむつシステムの送信器のクリップ部を示す模式図である。
【図6】同おむつシステムの接続部と導電素材との接続状態を示す模式図である。
【図7】本発明の一実施形態に係る接続部材を示す斜視図である。
【図8】図7の実施形態に係る接続部材の要部の構造を模式的に示す断面図である。
【図9】図7の実施形態に係る接続部材のロック機構の要部構造を模式的に示す断面図である。
【図10】(A)は図7の実施形態におけるおむつと接続端子部との位置関係を示す平面図、(B)は同実施形態におけるおむつと接続部材とが接続された状態の断面図である。
【図11】図7の実施形態における接続部材の爪部の構造を示す模式図である。
【図12】本発明の一実施形態に係る濡れ検出可能なおむつシステムに用いられる受信器の構造の一例を示す斜視図である
【図13】図10の実施形態に係る濡れ検出可能なおむつシステムの検出装置の回路構成を示すブロック図である
【符号の説明】
【0090】
1…表面層
3…水分不透過層
4…導電素材
5…水分吸収層
9…水分拡散層
20…検出装置
30…送信器
40…受信器
51…接続部材
64…接続端子部
D…おむつ
S…おむつシステム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
おむつ内の濡れを検出する複数の導電素材と、前記複数の導電素材よりも前記おむつの表面側に配置され、水分をおむつの水平面方向に拡散させる水分拡散素材からなる水分拡散層とを備える濡れ検出機能付おむつ。
【請求項2】
請求項1において、最表面側の表面素材、最裏面側の水分不透過性フィルム、および前記表面素材の裏側に位置する水分吸収素材を積層してなるおむつであって、前記水分不透過性フィルムの表面側に、複数の導電素材が所定の間隔をあけて、装着者のおむつ前部(腹部)にあてがわれる部分から少なくとも後部(背中側)にあてがわれる部分に至るまで、相互に接触することなく、ほぼ平行に延出させて配置されており、前記水分拡散層が、前記導電素材と前記水分吸収素材との間に配されているおむつ。
【請求項3】
請求項1または2において、前記水分拡散層はフィルム、疎水性不織布、耐水紙、または防水紙を用いてなるおむつ。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか一項において、前記導電素材が有機高分子を主体とする導電性繊維、または当該導電性繊維からなる糸であるおむつ。
【請求項5】
請求項1から3のいずれか一項において、前記導電素材が金属を含むフィルム素材であるおむつ。
【請求項6】
おむつを構成する積層されたおむつ素材の間に、おむつ内の濡れを検出する複数の導電素材が延設されているおむつと、このおむつの導電状態を検出する検出装置とからなる濡れ検出可能なおむつシステムにおいて、前記検出装置を前記導電素材に電気的に接続する、前記おむつを外側から挟み込む接続部材であって、
前記おむつを含む面に対して平行で、かつ前記導電素材の延設方向に対してほぼ直交する方向に延びる接続端子部を備える接続部材。
【請求項7】
請求項6において、前記接続端子部は、前記おむつ素材を貫通して前記導電素材との接点を形成する爪部を有するメス形端子と、このメス形端子に前記おむつを介して嵌合される突起部を有するオス形端子とを備えており、前記メス形端子の爪部と、前記オス形端子の突起部の側面とのなす角が鋭角である接続部材。
【請求項8】
請求項7において、前記オス形端子の突起部の近傍における前記メス形端子に対向する部分に、前記おむつの接続端子部からのずれを抑止する滑り止め部材が設けられている接続部材。
【請求項9】
請求項7または8において、前記複数の導電素材にそれぞれ対応する複数のメス形端子が前記導電素材に対応する間隔で配設されたメス側部材と、前記各メス形端子に対向して配設された前記オス形端子を有し、前記メス側部材に回動可能に連結されて、この回動によりすべての接続端子部を同時に開閉させるオス側部材とを有する接続部材。
【請求項10】
請求項9において、前記オス側部材と前記メス側部材に対して回動させてすべての接続端子部を閉じた状態で、前記回動をロックする機構を備えた接続部材。
【請求項11】
請求項1から5のいずれか一項に記載のおむつと、このおむつの通電状態を検出する検出装置とを備え、前記導電素材間に前記検出装置を接続した状態で導電素材間が濡れている場合に通電することで濡れを検出する、濡れ検出可能なおむつシステム。
【請求項12】
請求項11において、前記検出装置の接続端子部が金属製鰐口の形状をしたクリップ部分を有している濡れ検出可能なおむつシステム。
【請求項13】
請求項11において、前記検出装置の接続端子部が金属製針を有する濡れ検出可能なおむつシステム。
【請求項14】
請求項11において、前記検出装置が請求項6から9のいずれか一項に記載の接続部材を備えている濡れ検出可能なおむつシステム。
【請求項15】
請求項11から14のいずれか一項において、前記検出装置は、おむつに連結されて前記通電状態を示す検出信号を無線で送信する送信器と、前記検出信号を受信して濡れがあったことを報知する受信器とを備えている濡れ検出可能なおむつシステム。
【請求項16】
請求項15において、前記受信器は、前記おむつと前記検出装置との接続が解除されたときに、その直前に受信した検出信号をリセットするリセット回路を有する濡れ検出可能なおむつシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2008−136859(P2008−136859A)
【公開日】平成20年6月19日(2008.6.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−290920(P2007−290920)
【出願日】平成19年11月8日(2007.11.8)
【出願人】(301069384)クラレメディカル株式会社 (110)
【Fターム(参考)】