説明

濾過システム

【課題】ユーザに、水質の悪化した処理水が極力供給されないようにした濾過システムを提供する。
【解決手段】原水が流通する原水ラインと、前記原水ラインの下流側の端部に設けられ、原水に含まれる懸濁物質を濾材により捕捉して処理水を製造する濾過処理装置と、前記濾過処理装置に接続され、当該濾過処理装置により製造された処理水が流通する処理水ラインと、前記処理水ラインを流通する処理水の水質を計測する処理水用水質計18と、時間情報を計測する時間情報計測手段31と、処理水用水質計18により計測された処理水の水質が所定値を超え、且つ時間情報計測手段31により計測された時間情報が所定の時間情報範囲に含まれるときは、逆洗浄工程及び水洗工程からなる前記濾材の洗浄動作を実行する制御手段32と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、濾過システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、地下水等の原水に含まれる懸濁物質(例えば、微粒子、有機物、溶存鉄の酸化析出物等)を濾材層により捕捉して、処理水を製造する濾過システムが提案されている(例えば、特許文献1,2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開昭62−191014号公報
【特許文献2】特開2003−190973号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような濾過システムに使用される濾材層は、捕捉した懸濁物質の増加に伴い、次第に濾過性能が低下する。そのため、定期的に濾材層を洗浄することにより、濾過性能を回復させている。
【0005】
ところで、濾過システムにおいては、原水の水質が急に悪化したり、処理水の使用量が急増したりする場合がある。その場合は、濾材層の濾過性能が急激に低下することが考えられる。濾材層の濾過性能が低下すると、処理水に懸濁物質が漏れてしまうため、水質の悪化が懸念される。
【0006】
従来の濾過システムにおいては、処理水の製造を一時的に停止して、濾材層の洗浄動作を実行している。この洗浄動作は、一般的に、毎日、同じ時刻(以下、「洗浄時刻」という)に実行している。そのため、設定された洗浄時刻の前に懸濁物質の漏れが生じた場合には、漏れが発生してから洗浄時刻に達するまでの間、水質の悪化した処理水がユーザに供給されてしまう。
【0007】
本発明は、ユーザに、水質の悪化した処理水が極力供給されないようにした濾過システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、原水が流通する原水ラインと、前記原水ラインの下流側の端部に設けられ、原水に含まれる懸濁物質を濾材により捕捉して処理水を製造する濾過処理装置と、前記濾過処理装置に接続され、当該濾過処理装置により製造された処理水が流通する処理水ラインと、前記処理水ラインを流通する処理水の水質を計測する処理水用水質計と、時間情報を計測する時間情報計測手段と、前記処理水用水質計により計測された処理水の水質が所定値を超え、且つ前記時間情報計測手段により計測された時間情報が所定の時間情報範囲に含まれるときは、逆洗浄工程及び水洗工程からなる前記濾材の洗浄動作を実行する制御手段と、を備えた濾過システムに関する。
【0009】
また、前記濾過システムにおいて、前記制御手段は、前記時間情報計測手段により計測された時間情報が前記時間情報範囲に含まれる最終の時間情報であるときは、前記処理水用水質計により計測された処理水の水質に係わらず、前記濾材の洗浄動作を実行することが好ましい。
【0010】
また、前記濾過システムにおいて、前記原水ラインを流通する原水の水質を計測する原水用水質計を更に備え、前記制御手段は、前記原水用水質計により計測された原水の水質が前回の計測値を超えた場合には、前記時間情報範囲に含まれる最初の時間情報を、この最初の時間情報よりも早い時間情報に変更することが好ましい。
【0011】
また、前記濾過システムにおいて、前記原水ラインを流通する原水の水質を計測する原水用水質計を更に備え、前記制御手段は、前記原水用水質計により計測された原水の水質が前回の計測値未満となった場合には、前記時間情報範囲に含まれる最初の時間情報を、この最初の時間情報よりも遅い時間情報であって、前記時間情報範囲に含まれる最終の時間情報よりも早い時間情報に変更することが好ましい。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、ユーザに、水質の悪化した処理水が極力供給されないようにした濾過システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】実施形態の水処理システム1を示す構成図である。
【図2】実施形態の水処理システム1の制御に係る構成を示す機能ブロック図である。
【図3】水処理システム1において洗浄動作を実施するタイミングを示すタイムチャートである。
【図4】水処理システム1において原水W1の水質の計測値が前回の計測値を超えた場合における時間情報の変更例を示すタイムチャートである。
【図5】水処理システム1において原水W1の水質の計測値が前回の計測値未満の場合における時間情報の変更例を示すタイムチャートである。
【図6】本実施形態の制御装置20による洗浄動作の制御手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の濾過システムを水処理システムに適用した場合の実施形態について説明する。図1は、本実施形態の水処理システム1を示す構成図である。図2は、本実施形態の水処理システム1の制御に係る構成を示す機能ブロック図である。
【0015】
図1に示すように、本実施形態の水処理システム1は、地下水等の原水W1が流通する原水ラインL1と、原水ポンプ2と、原水バルブ3と、原水W1に含まれる懸濁物質を濾材層(濾材)により捕捉して処理水W2を製造する濾過処理装置4と、処理水W2が流通する処理水ラインL2と、給水バルブ7と、処理水W2を貯留する処理水タンク8と、処理水配給ラインL3と、処理水配給ポンプ9と、洗浄水供給ラインL5と、洗浄水供給ポンプ15と、逆洗バルブ16と、排水ラインL4と、薬剤添加装置11と、処理水用水質計18と、制御装置20と、入力部19と、を備える。なお、「ライン」とは、流路、経路、管路等の流体の流通が可能なラインの総称である。
【0016】
原水ラインL1は、原水W1が流通するラインである。原水ラインL1の上流側の端部は、原水W1の供給源(不図示)に接続されている。原水ラインL1の下流側の端部は、コントロールバルブ6(後述)を介して、濾過処理装置4に接続されている。原水ポンプ2は、原水ラインL1に設けられている。原水ポンプ2は、地下水等の原水W1を濾過処理装置4に向けて送出することができる。原水ポンプ2の運転(駆動及び停止)は、制御装置20(後述)によって制御される。
【0017】
原水バルブ3は、原水ラインL1に設けられている。原水バルブ3の開閉は、制御装置20(後述)によって制御される。
【0018】
これら原水ラインL1、原水ポンプ2及び原水バルブ3は、逆洗浄された濾過処理装置4の濾材層を原水W1で濯ぎ、濾材層を濯いだ原水W1を系外へ排出する水洗手段として機能する。
【0019】
また、原水ラインL1の添加点J1には、薬剤添加装置11が接続されている。原水ラインL1には、薬剤添加装置11により所定の薬剤が添加される。
【0020】
薬剤添加装置11は、下流側の濾過処理装置4において懸濁物質を除去するために、所定の薬剤を添加する装置である。薬剤は、凝集剤や酸化剤であり、濾過処理装置4の濾過方法に応じて、適宜選択される。
【0021】
薬剤添加装置11は、薬剤貯留部11aと、薬剤添加ポンプ11bと、を備える。薬剤貯留部11aは、薬剤を貯留するタンクである。薬剤添加ポンプ11bは、原水ラインL1の添加点J1において、薬剤貯留部11aに貯留された薬剤を原水W1に送出するポンプである。薬剤添加ポンプ11bの運転(駆動及び停止)は、制御装置20によって制御される。
【0022】
また、原水ラインL1の計測点J2には、原水用水質計17が接続されている。原水用水質計17は、原水ラインL1を流通する原水W1の水質(例えば、濁度又は色度等)を計測する装置である。原水用水質計17は、制御装置20に電気的に接続されている。原水用水質計17は、水質の計測値(水質データ)を、制御装置20に送信する。制御装置20は、原水用水質計17から送信された計測値に基づいて、原水W1の水質を判定することができる。
また、原水ラインL1の合流点J3には、洗浄水供給ラインL5(後述)が合流している。
【0023】
濾過処理装置4は、原水ラインL1の下流側の端部に設けられている。濾過処理装置4は、原水W1に含まれる懸濁物質を濾材層(不図示)により捕捉して、処理水W2を製造する装置である。濾過処理装置4は、濾材層を有する濾過塔5と、逆洗浄手段としてのコントロールバルブ6と、排水ラインL4と、を備える。濾過処理装置4は、これら各部を備えることにより、濾材層の洗浄動作(逆洗浄工程及び水洗工程)を実施することができる。
【0024】
すなわち、濾過処理装置4においては、逆洗浄工程時に、洗浄水供給ラインL5(後述)を介して濾材層に洗浄水が供給される。濾材層によって捕捉された懸濁物質は、洗浄水と共に系外へ排出される。本実施形態においては、洗浄水として、処理水W2が供給される。また、濾過処理装置4においては、水洗工程時に、逆洗浄された濾材層を濯ぐために、濾材層に濯ぎ水が供給される。濾材層を濯いだ濯ぎ水は、系外へ排出される。本実施形態においては、濯ぎ水として原水W1が供給される。
【0025】
濾過塔5は、懸濁物質を濾過するための濾材層(不図示)を有する。コントロールバルブ6は、濾過塔5に対して流入又は流出する水(原水W1、処理水W2、及び洗浄工程時の洗浄水や濯ぎ水等)の流路を制御する。コントロールバルブ6は、制御装置20(後述)によって開閉を制御される。コントロールバルブ6は、逆洗浄手段及び水洗手段として機能する。排水ラインL4は、コントロールバルブ6に接続され、後述する逆洗浄工程において濾材層に供給する洗浄水(処理水W2)や、後述する水洗工程において濾材層に供給する濯ぎ水(原水W1)等を系外に排出する。排水ラインL4は、逆洗浄手段及び水洗手段として機能する。
【0026】
濾過処理装置4は、処理水タンク8から洗浄水供給ラインL5を介して供給される処理水W2(洗浄水)によって、逆洗浄可能に構成されている。洗浄水供給ラインL5は、上流側の端部が処理水タンク8に接続され、下流側の端部が原水ラインL1の合流点J3に合流している。
【0027】
洗浄水供給ラインL5は、洗浄水を送出する逆洗浄手段としての洗浄水供給ポンプ15と、洗浄水供給ラインL5を開閉する逆洗浄手段としての逆洗バルブ16と、を有する。洗浄水供給ポンプ15は、制御装置20に電気的に接続されている。洗浄水供給ポンプ15の運転(駆動及び停止)は、制御装置20によって制御される。逆洗バルブ16は、制御装置20に電気的に接続されている。逆洗バルブ16の開閉は、制御装置20によって制御される。
【0028】
濾過処理装置4の形式は、原水W1中の除去対象物質に応じて種々選択される。濾過処理装置4としては、例えば、次のような砂濾過装置を挙げることができる。
【0029】
砂濾過装置は、原水W1に含まれる微粒子等の懸濁物質を濾材層(不図示)により捕捉して除去する装置である。砂濾過装置としては、例えば、硅石等の粗粒濾材と、アンスラサイト、濾過砂等の細粒濾材と、から形成された濾材層(不図示)を有する塔式のものが挙げられる。濾過処理装置4として、砂濾過装置を使用する場合には、原水W1に含まれる懸濁物質を凝集(フロック化)させて除去し易くする必要がある。そのため、濾過塔の上流側に配置された薬剤添加装置11によって、凝集剤(例えば、ポリ塩化アルミニウム)を添加する。
【0030】
以上のように構成された濾過処理装置4には、処理水ラインL2が接続されている。
次に、処理水ラインL2及び処理水ラインL2に関連する構成要素について説明する。処理水ラインL2の上流側の端部は、濾過処理装置4のコントロールバルブ6に接続されている。処理水ラインL2の下流側の端部は、処理水タンク8に接続されている。処理水ラインL2は、濾過処理装置4によって製造された処理水W2が流通する。
【0031】
処理水ラインL2には、給水バルブ7が設けられている。給水バルブ7は、処理水ラインL2を開閉する。給水バルブ7は、制御装置20に電気的に接続されており、制御装置20によって開閉が制御される。
【0032】
また、処理水ラインL2には、計測点J4において、処理水用水質計18が接続されている。処理水用水質計18は、処理水ラインL2を流通する処理水W2の水質(例えば、濁度又は色度等)を計測する装置である。処理水用水質計18は、制御装置20に電気的に接続されている。処理水用水質計18は、水質の計測値(水質データ)を、制御装置20に送出する。
【0033】
制御装置20(後述)は、処理水用水質計18から送出された計測値に基づいて、処理水W2の水質を判定することができる。制御装置20は、処理水W2の水質が所定値を超えていない場合には、「濁質漏れなし」と判定する。一方、制御装置20は、処理水W2の水質が所定値を超えている場合には、「濁質漏れあり」と判定する。
【0034】
また、処理水ラインL2には、流量計(不図示)が設けられている。この流量計は、処理水ラインL2を流通する処理水W2の流量を計測する装置である。流量計は、計測した流量に対応する信号を、制御装置20に送出する。これにより、制御装置20は、処理水ラインL2を流通する処理水W2の流量を算出することができる。
【0035】
処理水タンク8は、処理水ラインL2の下流側の端部に接続され、処理水ラインL2を介して導入された処理水W2を貯留するものである。
【0036】
処理水タンク8は、水位計8aを備えている。水位計8aは、処理水タンク8に貯留された処理水W2の水位を計測する装置である。水位計8aは、制御装置20に電気的に接続されている。水位計8aは、計測した水位に対応する水位データを、制御装置20に送出する。制御装置20は、水位データに基づいて処理水タンク8の水位を算出することができる。制御装置20は、処理水タンク8の水位が所定の水位を下回った場合には、処理水タンク8への給水処理を実施する。
【0037】
本実施形態においては、処理水タンク8の処理水W2を使用することにより、濾過処理装置4の逆洗浄工程が実施される。
【0038】
なお、処理水タンク8には、バックアップ給水ライン(不図示)が接続されている。バックアップ給水ラインからは、別系統の水処理システム等で製造された処理水や上水等からなるバックアップ水が供給される。バックアップ水は、処理水タンク8における処理水W2の貯留量が、処理水W2の需要量に対して不足する場合(例えば、濾過処理装置4の洗浄動作中等)において、供給される。
【0039】
処理水配給ラインL3は、処理水タンク8から、下流側の需要箇所(不図示)に、処理水W2を流通させるラインである。処理水配給ラインL3の上流側の端部は、処理水タンク8に接続されている。処理水配給ラインL3の下流側の端部は、処理水W2の需要箇所に接続されている。
【0040】
処理水配給ラインL3には、処理水配給ポンプ9が設けられている。処理水配給ポンプ9は、処理水タンク8からの処理水W2を、下流側の需要箇所に送出することができる。処理水配給ポンプ9は、制御装置20に電気的に接続されている。処理水配給ポンプ9の運転(駆動及び停止)は、制御装置20によって制御される。
【0041】
入力部19は、管理者が水処理システム1に対して、時間情報範囲としての洗浄許可時間帯等を入力するための入力手段である。「洗浄許可時間帯」は、1日の時間帯(0時〜24時)において、濾過処理装置4の洗浄動作を実行可能な時間帯をいう。洗浄許可時間帯は、例えば、1日の時間帯において、最も処理水W2の使用量が少ない夜間等に設定される。
【0042】
入力部19は、例えば、水処理システム1の制御盤(不図示)に設けられるキーボードやテンキーにより構成される。水処理システム1の管理者は、制御盤を操作することにより、洗浄許可時間帯を入力することができる。制御盤から入力された洗浄許可時間帯のデータは、メモリ部40(後述)に記憶される。
【0043】
次に、図2を参照して、本実施形態の水処理システム1の制御に係る構成について説明する。
【0044】
制御装置20は、水処理システム1における各部を制御する部位である。制御装置20は、例えば、CPU(中央処理装置)やメモリのほか、入出力ポート等の周辺回路を備えたマイクロプロセッサにより構成される。
【0045】
制御装置20は、図2に示すように、例えば、原水ポンプ2、処理水配給ポンプ9、薬剤添加ポンプ11b、洗浄水供給ポンプ15、原水バルブ3、コントロールバルブ6、給水バルブ7及び逆洗バルブ16に電気的に接続される。また、制御装置20は、図2に示すように、例えば、水位計8a、原水用水質計17、処理水用水質計18及び入力部19に電気的に接続される。なお、図1においては、上記各部が制御装置20と電気的に接続された制御経路を破線で示している。
【0046】
制御装置20は、制御部30と、メモリ部40と、を備える。制御部30は、時間情報計測手段としての時間情報計測部31と、制御手段としての洗浄動作実施制御部32と、を備える。
【0047】
時間情報計測部31は、時間情報として、現在の時間(現在時刻)を計測する時計手段である。
【0048】
洗浄動作実施制御部32は、入力部19から入力された洗浄許可時間帯と、時間情報計測部31によって計測された現在の時間と、に基づいて、現在の時間が、洗浄許可時間帯に含まれるか否かを判定する。
【0049】
ここで、「現在の時間が洗浄許可時間帯に含まれる」とは、時間情報計測部31により計測された現在の時間が、洗浄許可時間帯の時間内に入っていることをいう。例えば、時間情報計測部31により計測された現在の時間が18時であり、洗浄許可時間帯が15時〜24時とする。この場合、現在の時間は、洗浄許可時間帯に含まれる。一方、時間情報計測部31により計測された現在の時間が10時であり、洗浄許可時間帯が15時〜24時とする。この場合、現在の時間は、洗浄許可時間帯に含まれない。
【0050】
また、洗浄動作実施制御部32は、処理水用水質計18により計測された処理水W2の計測値に基づいて、処理水W2における濁質漏れの有無を判定する。洗浄動作実施制御部32は、処理水W2の水質が所定値を超えていない場合には、「濁質漏れなし」と判定する。また、洗浄動作実施制御部32は、処理水W2の水質が所定値を超えている場合には、「濁質漏れあり」と判定する。
【0051】
そして、洗浄動作実施制御部32は、処理水W2に濁質漏れありと判定し、且つ現在の時間が洗浄許可時間帯に含まれると判定したときには、濾過処理装置4の洗浄動作を実施する。一方、洗浄動作実施制御部32は、処理水W2に濁質漏れありと判定した場合において、現在の時間が洗浄許可時間帯に含まれないと判定したときには、濾過処理装置4の洗浄動作を実施しない。
【0052】
また、洗浄動作実施制御部32は、時間情報計測部31により計測された現在の時間が洗浄許可時間帯に含まれる最終の時間であるときは、濾過処理装置4の洗浄動作を実施する。ここで、「洗浄許可時間帯に含まれる最終の時間」とは、例えば、洗浄許可時間帯が15時〜24時である場合には、24時となる。
【0053】
洗浄動作実施制御部32は、洗浄動作(逆洗浄工程及び水洗工程)を実施する場合において、次のような制御を行う。
【0054】
洗浄動作実施制御部32は、逆洗浄工程を実施する場合において、コントロールバルブ6を逆洗浄工程用の流路に切り換える。また、洗浄動作実施制御部32は、原水バルブ3及び給水バルブ7を閉弁すると共に、逆洗バルブ16を開弁する。これにより、洗浄水(処理水W2)が濾材層に対して上昇するように流される。そして、洗浄動作実施制御部32は、設定された逆洗浄時間だけ洗浄水供給ポンプ15を運転してから停止する。
【0055】
洗浄動作実施制御部32は、続いて水洗工程を実施する場合には、コントロールバルブ6を水洗工程用の流路に切り換える。また、洗浄動作実施制御部32は、給水バルブ7を閉弁したまま逆洗バルブ16を閉弁し、原水バルブ3を開弁する。これにより、濯ぎ水(原水W1)が濾材層に対して下降するように流される。そして、洗浄動作実施制御部32は、設定された水洗時間だけ原水ポンプ2を運転してから停止する。
【0056】
また、洗浄動作実施制御部32は、原水用水質計17により計測された原水W1の水質の計測値が、前回の計測値を超えた場合には、洗浄許可時間帯に含まれる最初の時間情報を、この最初の時間情報よりも早い時間情報に変更する。
【0057】
また、洗浄動作実施制御部32は、原水用水質計17により計測された原水W1の水質の計測値が前回の計測値未満となった場合には、洗浄許可時間帯に含まれる最初の時間情報を、この最初の時間情報よりも遅い時間情報であって、洗浄許可時間帯に含まれる最終の時間情報よりも早い時間情報に変更する。洗浄動作実施制御部32において、上述した洗浄許可時間帯に含まれる時間情報を変更する制御については、後述する。
【0058】
メモリ部40は、水処理システム1の制御に必要な制御プログラムや各種データ等を記憶する。具体的には、メモリ部40は、水処理システム1の制御に必要な各種機能を動作させる制御プログラム、入力部19から入力された洗浄許可時間帯のデータ、前記各計測装置によって計測された各種計測データ(例えば、処理水用水質計18により計測された計測値等)、各種閾値等を記憶する。
【0059】
次に、本実施形態の水処理システム1の基本動作(濾過工程、逆洗浄工程及び水洗工程)を、図1を参照しながら説明する。まず、水処理システム1の濾過工程について説明する。
【0060】
制御装置20は、通常の運転モードの濾過工程において、処理水タンク8への給水処理を実施する。具体的には、制御装置20は、原水ラインL1における原水ポンプ2及び薬剤添加ポンプ11bを駆動すると共に、原水バルブ3を開弁する。また、濾過処理装置4のコントロールバルブ6を濾過工程用の流路に設定する。更に、制御装置20は、処理水ラインL2の給水バルブ7を開弁する。この場合、洗浄水供給ラインL5における洗浄水供給ポンプ15は、駆動が停止しているため、逆洗バルブ16は閉弁されたままとなる。
【0061】
原水W1は、原水ポンプ2によって原水ラインL1に供給される。そして、添加点J1において、薬剤添加装置11によって所定の薬剤が添加される。
【0062】
薬剤が添加された原水W1は、濾過処理装置4のコントロールバルブ6を介して濾過塔5の内部に導入される。濾過塔5においては、原水W1が濾材層に対して下降するように流される。これにより、原水W1に含まれる懸濁物質は、濾材層により捕捉され、処理水W2が製造される。製造された処理水W2は、コントロールバルブ6を介して処理水ラインL2を流通し、処理水タンク8に貯留される。
【0063】
処理水ラインL2においては、処理水用水質計18によって処理水W2の水質が計測される。処理水用水質計18により計測された水質の計測値(水質データ)は、制御装置20に送信される。処理水タンク8においては、処理水タンク8に貯留された処理水W2の水位が、水位計8aによって計測される。この水位情報は、水位データとして制御装置20に送信される。処理水タンク8に貯留された処理水W2は、制御装置20によって処理水配給ポンプ9が駆動されることにより、下流側の需要箇所に送出される。
【0064】
次に、濾過処理装置4の洗浄動作(逆洗浄工程及び水洗工程)について説明する。
制御装置20は、逆洗浄工程において、原水ラインL1における原水ポンプ2を停止すると共に、原水バルブ3を閉弁する。また、制御装置20は、濾過処理装置4のコントロールバルブ6を逆洗浄工程用の流路に設定する。更に、制御装置20は、処理水ラインL2の給水バルブ7を閉弁すると共に、洗浄水供給ラインL5における洗浄水供給ポンプ15を駆動し、逆洗バルブ16を開弁する。これにより、濾過塔5において、処理水W2が濾材層に対して上昇するように流され、濾材層に付着した懸濁物質が剥離する。洗浄後の洗浄水は、排水ラインL4を介して、系外に排出される。
【0065】
一方、水洗工程時において、制御装置20は、原水ラインL1における原水ポンプ2を駆動すると共に、原水バルブ3を開弁する。また、制御装置20は、濾過処理装置4のコントロールバルブ6を水洗工程用の流路に設定する。また、制御装置20は、処理水ラインL2の給水バルブ7を閉弁の状態に維持すると共に、洗浄水供給ラインL5における洗浄水供給ポンプ15を停止し、更に、逆洗バルブ16を閉弁する。
【0066】
これにより、濾過塔5において、濯ぎ水としての原水W1が濾材層に対して下降するように流され、濾材層が濯がれる。水洗後の濯ぎ水は、排水ラインL4を介して、系外に排出される。
【0067】
制御装置20は、洗浄動作が終了した後に、通常の運転モードに復帰する。すなわち、濾過工程において、制御装置20は、原水バルブ3及び給水バルブ7を開弁すると共に、原水ポンプ2及び薬剤添加ポンプ11bを駆動する。
【0068】
次に、本実施形態の水処理システム1において、洗浄動作を実施するタイミングを、図3を参照しながら説明する。図3は、水処理システム1において、洗浄動作を実施するタイミングを示すタイムチャートである。図3は、1日の時間帯(0時〜24時)と、濁質漏れの発生時刻との関係を示している。図3において、下向きの矢印は、濁質漏れの発生時間を示している。また、図3において、洗浄許可時間帯は、15時〜24時に設定されている。
【0069】
図3に示すように、濁質漏れAの発生時間である8時は、洗浄許可時間帯(15時〜24時)に含まれない。このため、制御装置20は、濾過処理装置4の洗浄動作を実施しない。このように、1日の時間帯において、比較的早い時間で濁質漏れが発生した場合には、原水W1の水質が急に悪化して、原水ラインL1に添加された薬剤が少ない状態(薬注不良)が生じたと考えられる。また、それ以外に、洗浄水供給ポンプ15の故障等による洗浄不良が原因で、濁質漏れが発生したとも考えられる。従って、このような場合には、洗浄動作を実施しても早期の濁質漏れが繰り返されるため、洗浄動作を実施することなく、処理水W2の水質異常のみを報知する。そして、管理者においては、この水質異常の報知を受けて、薬注量の見直しや修理等の必要なメンテナンスを行う。
【0070】
一方、濁質漏れBの発生時間である18時は、洗浄許可時間帯(15時〜24時)に含まれる。このため、制御装置20は、濾過処理装置4の洗浄動作を実施する。
【0071】
例えば、図3において、特定の時間(例えば、24時)にのみ洗浄動作を実施するようにした場合には、18時に濁質漏れが発生しても、実際に洗浄動作が実施されるまでに4時間が経過してしまう。従って、この間、水質の悪化した処理水W2がユーザに供給されてしまう。しかし、本実施形態のように、15時〜24時の間を洗浄許可時間帯として設定した場合には、18時に発生した濁質漏れに対して速やかに濾過処理装置4の洗浄動作を実施することができる。
【0072】
また、制御装置20は、時間情報計測部31により計測された現在の時間が、洗浄許可時間帯に含まれる最終の時間(この例では、24時)であるときは、濾過処理装置4の洗浄動作を実施する。すなわち、濾過処理装置4の洗浄動作は、少なくとも毎日1回は実施される。従って、処理水用水質計18の故障等により濁質漏れの発生を検知できない場合においても、水質の悪化を極力抑えることができる。
【0073】
次に、本実施形態の水処理システム1において、原水W1の水質に基づいて、洗浄許可時間帯を変更する処理について、図4及び図5を参照しながら説明する。図4は、水処理システム1において、原水W1の水質の計測値が前回の計測値を超えた場合における時間情報の変更例を示すタイムチャートである。図5は、水処理システム1において、原水W1の水質の計測値が前回の計測値未満の場合における時間情報の変更例を示すタイムチャートである。図4及び図5において、洗浄許可時間帯は、18時〜24時に設定されている。
【0074】
制御装置20は、所定の時間間隔(後述するフローチャートの処理間隔)で洗浄動作を実施するか否かを判定している。このときに、制御装置20は、原水用水質計17により計測された原水W1の水質の計測値が、前回の計測値を超えたか否かを判定する。ここで、制御装置20は、原水W1の水質の計測値が前回の計測値を超えていると判定した場合には、洗浄許可時間帯に含まれる最初の時間情報を、この最初の時間情報よりも早い時間情報に変更する。例えば、図4に示すように、洗浄許可時間帯に含まれる最初の時間情報を、18時から15時に変更する。従って、これ以降において、洗浄許可時間帯は15時〜24時となる。
【0075】
このように、原水W1の水質の計測値が前回の計測値を超える場合には、原水ラインL1に薬剤が適正な量で添加されていたとしても、1日の時間帯の中で、比較的早期に濁質漏れが発生する可能性が高いと考えられる。このため、洗浄許可時間帯に含まれる最初の時間情報を、この最初の時間情報よりも早い時間情報に変更することにより、前回の洗浄許可時間帯よりも早期に発生した濁質漏れに対して、速やかに対応することができる。
【0076】
一方、制御装置20は、原水W1の水質の計測値が前回の計測値未満であると判定した場合には、洗浄許可時間帯に含まれる最初の時間情報を、この最初の時間情報よりも遅い時間情報であって、洗浄許可時間帯に含まれる最終の時間情報よりも早い時間情報に変更する。例えば、図5に示すように、洗浄許可時間帯に含まれる最初の時間情報を、18時から21時に変更する。従って、これ以降において、洗浄許可時間帯は21時〜24時となる。
【0077】
このように、原水W1の水質の計測値が前回の計測値未満となる場合には、洗浄動作が正常に行われていれば、1日の時間帯の中で、比較的早期に濁質漏れが発生する可能性は低いと考えられる。このため、洗浄許可時間帯に含まれる最初の時間情報を、この最初の時間情報よりも遅い時間情報であって、洗浄許可時間帯に含まれる最終の時間情報よりも早い時間情報に変更することにより、過度の洗浄動作が行われることを抑制している。すなわち、洗浄動作中には、処理水W2が逆洗水として利用されると共に、バックアップ水が処理水タンク8に供給されるため、これらの水の過剰な消費を抑制することにより、節水を図ることができる。
【0078】
次に、本実施形態の水処理システム1の特徴的な制御について、図6を参照しながら説明する。図6は、本実施形態の制御装置20による洗浄動作の制御手順を示すフローチャートである。本実施形態では、水処理システム1の管理者により、予め洗浄許可時間帯が入力されているものとする。また、このフローチャートの処理は、制御装置20のメモリ部40に記憶している制御プログラムに基づいて、制御部30(時間情報計測部31及び洗浄動作実施制御部32)により実行される。また、このフローチャートの制御は、所定の時間間隔(数ミリ秒〜数秒)毎に繰り返し実行される。
【0079】
図6に示すように、ステップST101において、制御部30は、メモリ部40に記憶されている洗浄許可時間帯のデータ(入力部19を介して設定されたデータ)を取得する。
【0080】
ステップST102において、制御部30は、時間情報計測部31によって計測された現在の時間を取得する。
【0081】
ステップST103において、制御部30は、原水用水質計17により計測された原水W1の水質の計測値、及び処理水用水質計18により計測された処理水W2の水質の計測値を取得する。
【0082】
ステップST104において、制御部30は、上述したように、原水用水質計17により計測された原水W1の水質の計測値に基づいて、洗浄許可時間帯を変更する処理を実行する。
【0083】
ステップST105において、制御部30は、処理水用水質計18により計測された処理水W2の水質の計測値に基づいて、処理水W2の水質が所定値を超えているか否か、すなわち、濁質漏れありか否かを判定する。ここで、制御部30は、濁質漏れあり(YES)と判定した場合には、ステップST106へ進む。また、制御部30は、濁質漏れなし(NO)と判定した場合には、ステップST109へ進む。
【0084】
ステップST106において、制御部30は、時間情報計測部31によって計測された現在の時間が、洗浄許可時間帯に含まれるか否かを判定する。ここで、制御部30は、現在の時間が洗浄許可時間帯に含まれる(YES)と判定した場合には、ステップST107へ進む。また、制御部30は、洗浄許可時間帯に含まれない(NO)と判定した場合には、本フローチャートの処理を終了する。
【0085】
ステップST107において、制御部30は、逆洗浄工程及び水洗工程のそれぞれの洗浄時間を設定する。
【0086】
ステップST108において、制御部30は、ステップST107において設定した各洗浄時間に基づいて、洗浄動作を実施する。その後、本フローチャートの処理を終了する。
【0087】
一方、ステップST105において、制御部30は、濁質漏れなし(NO)と判定した場合には、ステップST109において、現在の時間が洗浄許可時間帯に含まれる最終の時間か否かを判定する。ここで、制御部30は、現在の時間が洗浄許可時間帯に含まれる最終の時間である(YES)と判定した場合には、ステップST107へ進む。また、制御部30は、現在の時間が洗浄許可時間帯に含まれる最終の時間でない(NO)と判定した場合には、本フローチャートの処理を終了する。
【0088】
上述した本実施形態の水処理システム1によれば、例えば、次のような効果が奏される。
本実施形態の水処理システム1は、処理水W2の水質を計測する処理水用水質計18と、現在の時間(時間情報)を計測する時間情報計測部31と、処理水用水質計18により計測された処理水W2の水質が所定値を超え、且つ時間情報計測部31により計測された現在の時間が洗浄許可時間帯に含まれるときには、濾過処理装置4の洗浄動作を実施する洗浄動作実施制御部32と、を備える。
【0089】
そのため、洗浄許可時間帯の時間内に発生した濁質漏れに対して、速やかに洗浄動作を実施することができる。これによれば、例えば、洗浄許可時間帯の早い時期に濁質漏れが発生しても、すぐに洗浄動作が実施されるので、特定の時間にのみ洗浄動作を実施する従来のシステムのように、水質の悪化した処理水W2がユーザに供給されることを抑制することができる。従って、本実施形態の水処理システム1によれば、ユーザに、水質の悪化した処理水W2が極力供給されないようにすることができる。
【0090】
また、制御部30は、時間情報計測部31により計測された現在の時間が、洗浄許可時間帯に含まれる最終の時間であるときは、濾過処理装置4の洗浄動作を実施する。
【0091】
そのため、濾過処理装置4の洗浄動作は、少なくとも毎日1回は実施される。従って、処理水用水質計18の故障等により濁質漏れの発生を検知できない場合においても、水質の悪化を極力抑えることができる。
【0092】
また、本実施形態の水処理システム1は、入力部19を備える。このため、管理者は、システムの運用形態に応じて、洗浄許可時間帯を任意に設定することができる。
【0093】
また、本実施形態の水処理システム1は、原水ラインL1を流通する原水W1の水質を計測する原水用水質計17を備える。そして、制御部30は、原水用水質計17により計測された原水W1の水質の計測値が、前回の計測値を超えた場合には、洗浄許可時間帯に含まれる最初の時間情報を、この最初の時間情報よりも早い時間情報に変更する。そのため、前回の洗浄許可時間帯よりも早期に発生した濁質漏れに対して、速やかに対応することができる。
【0094】
また、原水用水質計17を備えた構成において、制御部30は、原水用水質計17により計測された原水W1の水質の計測値が前回の計測値未満となった場合には、洗浄許可時間帯に含まれる最初の時間情報を、この最初の時間情報よりも遅い時間情報であって、洗浄許可時間帯に含まれる最終の時間情報よりも早い時間情報に変更する。そのため、過度の洗浄動作が行われることを抑制し、節水を図ることができる。
【0095】
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は、前述した実施形態に限定されることなく、種々の形態で実施することができる。
【0096】
例えば、図6に示すフローチャートのステップST109において、制御部30は、現在の時間が洗浄許可時間帯に含まれる最終の時間である(YES)と判定した場合に、続けて、洗浄許可時間帯中に1回でも洗浄動作を実施しているか否かを判定するようにしてもよい。この場合、制御部30は、洗浄許可時間帯中に1回でも洗浄動作を実施していれば、洗浄動作を実施することなくフローチャートの処理を終了する。
【0097】
このように、洗浄許可時間帯中に1回でも洗浄動作を実施している場合には、現在の時間が洗浄許可時間帯に含まれる最終の時間であっても、濾材層の濾過性能がさほど低下していないと考えられる。このため、濾材層の洗浄動作を実施しないようにすることにより、洗浄水の無駄を少なくすることができる。従って、水資源を有効に活用することができる。また、洗浄許可時間帯における洗浄動作の実施が1回に抑えられるので、給水停止の回数を極力少なくすることができる。
なお、洗浄許可時間帯を長く設定した場合には、同じ洗浄許可時間帯中に複数回の洗浄動作を実施するようにしてもよい。
【0098】
また、原水W1の水質に応じて、洗浄許可時間帯を変更する場合(図4及び図5参照)において、日付が変わる毎に、洗浄許可時間帯を初期値(18時〜24時)にリセットするようにしてもよい。
【0099】
洗浄許可時間帯を変更する場合には、本実施形態のように1時間刻みに変更してもよいし、数分〜数十分刻みに変更してもよい。
【0100】
また、洗浄許可時間帯は、1日のうち、単一の時間帯を設定する場合だけでなく、複数の時間帯を設定するようにしてもよい。複数の時間帯を設定する場合には、例えば、第1の時間帯を6時〜12時に設定すると共に、第2の時間帯を18時〜24時に設定する。このように構成した場合には、1日に少なくとも2回の洗浄動作が行われるため、原水水質が定常的に悪い地域においても、水質の悪化した処理水W2が極力供給されないようにすることができる。
【0101】
本実施形態においては、逆洗浄工程の洗浄水に処理水W2を使用し、水洗工程の濯ぎ水に原水W1を使用した例について説明した。しかし、この例に限らず、洗浄水及び濯ぎ水に処理水W2を使用してもよいし、洗浄水及び濯ぎ水に原水W1を使用してもよい。
【符号の説明】
【0102】
1 水処理システム
4 濾過処理装置
17 原水用水質計
18 処理水用水質計
20 制御装置
30 制御部
31 時間情報計測部(時間情報計測手段)
32 洗浄動作実施制御部(制御手段)
L1 原水ライン
L2 処理水ライン
W1 原水
W2 処理水

【特許請求の範囲】
【請求項1】
原水が流通する原水ラインと、
前記原水ラインの下流側の端部に設けられ、原水に含まれる懸濁物質を濾材により捕捉して処理水を製造する濾過処理装置と、
前記濾過処理装置に接続され、当該濾過処理装置により製造された処理水が流通する処理水ラインと、
前記処理水ラインを流通する処理水の水質を計測する処理水用水質計と、
時間情報を計測する時間情報計測手段と、
前記処理水用水質計により計測された処理水の水質が所定値を超え、且つ前記時間情報計測手段により計測された時間情報が所定の時間情報範囲に含まれるときは、逆洗浄工程及び水洗工程からなる前記濾材の洗浄動作を実行する制御手段と、
を備えた濾過システム。
【請求項2】
前記制御手段は、
前記時間情報計測手段により計測された時間情報が前記時間情報範囲に含まれる最終の時間情報であるときは、前記処理水用水質計により計測された処理水の水質に係わらず、前記濾材の洗浄動作を実行する請求項1に記載の濾過システム。
【請求項3】
前記原水ラインを流通する原水の水質を計測する原水用水質計を更に備え、
前記制御手段は、
前記原水用水質計により計測された原水の水質が前回の計測値を超えた場合には、前記時間情報範囲に含まれる最初の時間情報を、この最初の時間情報よりも早い時間情報に変更する請求項2に記載の濾過システム。
【請求項4】
前記原水ラインを流通する原水の水質を計測する原水用水質計を更に備え、
前記制御手段は、
前記原水用水質計により計測された原水の水質が前回の計測値未満となった場合には、前記時間情報範囲に含まれる最初の時間情報を、この最初の時間情報よりも遅い時間情報であって、前記時間情報範囲に含まれる最終の時間情報よりも早い時間情報に変更する請求項2に記載の濾過システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−183310(P2011−183310A)
【公開日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−51781(P2010−51781)
【出願日】平成22年3月9日(2010.3.9)
【出願人】(000175272)三浦工業株式会社 (1,055)
【Fターム(参考)】