濾過装置
【課題】高レベルの濾過を達成し、軽量で製造が簡単な濾過装置を提供する。
【解決手段】本発明は、流体を濾過するための濾過装置、特にオイル濾過器であって、濾過装置は、第1濾過媒体と第2濾過媒体を有し、第1濾過媒体は第2濾過媒体よりも大きい濾過作用を有し、濾過媒体はひだ付形態に折られ、複数の折り目を有し、第1濾過媒体と第2濾過媒体は、折り目の長手方向に互いに連結される。かくして、容易に生産でき且つ高い効果の濾過装置が達成される。
【解決手段】本発明は、流体を濾過するための濾過装置、特にオイル濾過器であって、濾過装置は、第1濾過媒体と第2濾過媒体を有し、第1濾過媒体は第2濾過媒体よりも大きい濾過作用を有し、濾過媒体はひだ付形態に折られ、複数の折り目を有し、第1濾過媒体と第2濾過媒体は、折り目の長手方向に互いに連結される。かくして、容易に生産でき且つ高い効果の濾過装置が達成される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流体を濾過するための濾過装置、特にオイル濾過器に関し、濾過装置は第1濾過媒体及び第2濾過媒体を有し、第1濾過媒体は異なる濾過特性、例えば第2濾過媒体よりも大きな濾過作用を有し、第1濾過媒体はひだ付形態に折られる。
【背景技術】
【0002】
エンジントランスミッションでは、性能、シフト快適性、及び環境性能に関してより高い要求が設定される。これは、例えば連続トランスミッション又はダブルクラッチトランスミッションに適用する。これは、2つの部分的なトランスミッションを用いてけん引力の中断無しに全自動ギアチェンジを可能にする自動シフトトランスミッションである。このタイプのトランスミッションでは、湿式クラッチは、高トルクを有するエンジンとともに使用される。シフト操作中やスタート時に発生する廃棄熱は、冷却オイル流を介して放散される。トランスミッション自身は、典型的にはオイルだめとして使用される。かくして、オイルは、クラッチの冷却用とホイールセットの潤滑用の両方に用いられる。使用される高純度のオイルは円滑な運転に必要である。
【0003】
オイル純度を増すために、吸引オイルフィルターと圧力オイルフィルターが用いられる。現在の入取できるフィルターは良好に且つ信頼性をもって機能する、例えば、多フィルター媒体を有する圧力オイルフィルターの製造努力はしばしばとても高い。さらに、もしこのタイプの圧力オイルフィルターの重量をさらに減少させ、同時に達成可能なオイル純度の損失を許容する必要がないならばそれは望ましい。単純な再利用とみなすと、圧力オイルフィルターは、単純な構造を有するものであり、リサイクル可能なものである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
流体を濾過するための濾過装置を提供することが本発明の目的であり、この濾過装置を用いて高いオイル純度が達成でき、濾過装置は軽量であり、製造が簡単であり、小さなスペースを占有し、リサイクル可能である。
【0005】
この目的は、独立した特許請求の範囲の主題による濾過装置によって達成される。本発明の有利な改良は、サブクレームの主題である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
流体を濾過するための本発明による濾過装置、特にオイル濾過装置は、少なくとも1つの第1濾過媒体(1)と少なくとも1つの第2濾過媒体(2)を有し、第1濾過媒体は第2濾過媒体と異なる濾過特性、例えば第2濾過媒体よりも大きな濾過作用を有し、濾過媒体はひだ形態に折られ、複数の折り目を有し、第1濾過媒体と第2濾過媒体は、折り目の長手方向に互いに連結される。
【0007】
ひだ付き実施形態及び2つの異なるフィルター媒体により、高いオイル純度が、小スペースで達成される。長手方向でのフィルター媒体の連結は、部品をほんのわずか要求し又は追加の部品を要求せず、必要とされる重量と空間は低く維持される。折り目の長手方向でのフィルター媒体の連結は、容易に果せる。流れ抵抗や濾過能力のようなフィルター媒体の異なる特性が、このように単一フィルター装置内で互いによく結合される。
【0008】
濾過装置は、流入開口から流入する流体は、第1に第2濾過媒体よりも大きな濾過作用を有する第1濾過媒体に流入するようにされ、その結果、流体の第1の部分は第1濾過媒体を透過し、流体の第1の部分よりも著しく大きい第2の部分は第1濾過媒体の周りを流れ、第2濾過媒体に透過し、濾過装置の均質な透過を可能にする。このやり方では、濾過媒体の全流れ抵抗によって生じる圧力降下は、もっぱら、より大きな濾過作用を有する第1濾過媒体を収容する濾過装置よりも小さい。しかしながら、同時に、最初に大部分が流入オイルによって達成される第1濾過媒体の透過のため、オイルの良好な濾過が比較的急に起きる。
【0009】
流入開口は、好ましくは、流入開口から濾過装置の流出開口への流体の最も短い流路が、第1フィルター媒体を通って流れるように位置される。このことは、自動的に、流体が先ずより緻密な第1濾過媒体に流入する結果となる。
【0010】
実施形態のさらなるメリットでは、流入開口を結ぶ流入セクションの長手方向軸線は、濾過装置の長手方向軸線と10°と80°の間、好ましくは30°と60°の間の鋭角αをなす。かくして、また、有利な流れ誘導が達成される。
【0011】
さらに、互いに連結された濾過媒体は、それらの前面で端キャップに連結され、第1端キャップは流体密であり、第2端キャップは濾過された流体の流出のための開口を有する。流体密の端キャップは、濾過媒体との簡単な組み立てを可能にし、流体流は、第2端キャップと関連して容易に指向される。さらに、2つの異なる濾過媒体が使用されるが、2つの端キャップだけが必要であるに過ぎない。各濾過媒体が2つの端キャップの間に別々に配置され、且つ段階的な濾過が達成されるようにいくつかの濾過媒体が、濾過装置内に直列に位置される構造、追加的に存在するより高い製造出費及び達成される比較的高い重量は、本発明による濾過装置によって回避される。
【0012】
第1濾過媒体と第2濾過媒体は、好ましくは、クリップ留め、超音波溶接、又は接着することによって折り目の長手方向に互いに連結される。これは製造技術を用いて容易に構成され、ほとんど追加の重量に結びつかない。もし第1濾過媒体が超微細な濾過媒体であり、第2濾過媒体が微細な濾過媒体である場合、高レベルの濾過が達成される。かくして、流入するオイル流は、先ず超微細な濾過媒体に流れ、超微細な濾過媒体は高レベルの濾過を可能にし、オイルが超微細な濾過媒体の周りを流れている間に微細な濾過媒体に流入する。
【0013】
もし互いに連結された濾過媒体が濾過スターを形成するならば、濾過装置の簡単な製造も提供される。かくして、利用可能な空間は、最大限可能な濾過領域にうまく使用される。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明による濾過装置用の濾過スターの側面図を示す。
【図2】図1からの濾過スターの斜視図を示す。
【図3】本発明による濾過装置の実施形態の断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明は、図面に示す例示の実施形態に基づいて以下により詳細に記載される。
【0016】
図1は、本発明による濾過装置100用の濾過スター10の側面図を示し、図2はその斜視図を示す。濾過スター10は第1濾過媒体1及び第2濾過媒体2を有し、第1濾過媒体1は第2濾過媒体よりも大きな濾過作用を有する。第1濾過媒体1及び第2濾過媒体2は、各々ひだ付形態で実行され、且つ複数の折り目7を有する。濾過媒体1のひだ付形態は、例えば、半円3の形態で図1に示す濾過スター内に位置され、濾過媒体2も、概ね同様のやり方で半円4を構成する。濾過媒体1及び2は、折り目7の長手方向に構成された面5及び6で互いに接触する。濾過媒体は、これらの接触面5及び6で互いに連結される。連結は、例えば、締め付け要素(クリップ)8によって、接着剤によって、又は超音波溶接によって実行される。各々半円3及び4をなし、このように連結された濾過媒体1及び2は、このようにして完全な円になる。かくして、側面図では、濾過媒体1及び2は、スター形状形態を形成し、かくして濾過スターと称される。
【0017】
前述のような濾過スター10を有する濾過装置100の実施形態の断面図が図3に示される。濾過スター10は、中空シリンダー11の周りに位置され、中空シリンダーは濾過されるべき流体用の通路開口12を備える。第1端キャップ13及び第2端キャップ14は、濾過スター10の前側に位置される。中空シリンダー11及び端キャップ13及び14により、とりわけ、濾過スター10を濾過装置内の予め決められた位置に保持させる。濾過スター10は、好ましくは、接着接合15で端キャップ13及び14に連結される。接着接合15は、濾過スター10の両前側且つまた濾過スター10の一部周縁に位置され、参照数字16で示す。
【0018】
図3に示す濾過装置の実施形態では、中空シリンダー11は、1端に第2端キャップ14とワンピースに構成される。ワンピース又は一体の実施形態により、作業段階を省き、製造コストを減少させる。組立体中、濾過スターが第2端キャップ14につくまで、濾過スター10を、中空シリンダー11上で押す。引き続いて、第1端キャップ13を、図3に示す実施形態では、中空シリンダ11の反対側の端に付け、第1端キャップ13は、中心領域に受け部17を有し、中空シリンダ11を、例えば、スナップ連結部18を用いて受け部17に係合させる。
【0019】
第2端キャップ14とワンピースに構成された中空シリンダ11は、反対側では、端キャップ14の外に導かれ、円筒形の取付けノズル19を形成し、該取付けノズル19は濾過キャップ20に連結される。濾過キャップ20は、濾過ハウジング40に連結され、濾過ハウジング40は、濾過スター10、第1端キャップ13、及び第2端キャップ14を包囲する。
【0020】
第1端キャップ13は、例えば、低温オイル及びそれに関連した高粘度により起る過圧を散逸する目的で使用され、過圧バルブに備えられてもよく、したがって、濾過装置本体を損傷させない。
【0021】
濾過キャップ20は、流入開口21を有し、流体30は流入開口を通って濾過装置100に流入する。流体30は、最初に、チャンネルタイプ流入セクション26から第1濾過媒体1に流入し(破線及び矢印22参照)、長い流路に沿って第2濾過媒体2に流入する(矢印23参照)。流入セクション26の長手方向軸線27及び濾過装置100の長手方向軸線28は鋭角の角度αをなし、角度αは10°と80°の間であり、好ましくは30°と60°の間である。流体30は、濾過媒体1及び2を透過し、中空シリンダ11に達し、流体は通路開口12を通過して、中空シリンダ11の内側に進入する。第1端キャップ13は、液密であるから、流体は第2端キャップ14に向かう方向に流れ(矢印24を参照)、そこから取付けノズル19に流れる。流体は濾過キャップ20の流出開口25に達し、濾過装置を出る。
【0022】
かくして、第1濾過媒体1は第2濾過媒体2よりも大きな濾過作用を有するので、流体は先ず比較的緻密な濾過媒体の中を浸透し、それによって、良好な濾過が達成される。また、一部の流れはより緻密でない第2濾過媒体2に達するので、全流れ抵抗は、とても緻密な濾過媒体のみを有する濾過装置の抵抗よりも少ない。
【0023】
さらに、本発明による濾過装置は、関連した接着接合15を有するたった1つの第1端キャップ13及びたった1つの第2端キャップ14にもかかわらず、2つの異なる濾過媒体が濾過装置に収容されるというメリットを有する。折り目の長手方向に沿う濾過媒体の連結により、濾過スターが生じ、単一濾過媒体のみで構成される濾過スターとまさに同じくらい簡単に中空シリンダ上に濾過スターが形成される。しかしながら、2つの異なる濾過媒体を有する本発明による濾過装置では、もし第2濾過媒体のみが設けられるよりもより高いレベルの濾過が達成される。しかしながら、もし第1濾過媒体のみが濾過装置に収容される場合よりも低い圧力降下が濾過装置内で存在する。
【0024】
上述の例示の改良として、異なる濾過特性を有する2以上の濾過媒体を濾過スターに組み込んでよい。
【技術分野】
【0001】
本発明は、流体を濾過するための濾過装置、特にオイル濾過器に関し、濾過装置は第1濾過媒体及び第2濾過媒体を有し、第1濾過媒体は異なる濾過特性、例えば第2濾過媒体よりも大きな濾過作用を有し、第1濾過媒体はひだ付形態に折られる。
【背景技術】
【0002】
エンジントランスミッションでは、性能、シフト快適性、及び環境性能に関してより高い要求が設定される。これは、例えば連続トランスミッション又はダブルクラッチトランスミッションに適用する。これは、2つの部分的なトランスミッションを用いてけん引力の中断無しに全自動ギアチェンジを可能にする自動シフトトランスミッションである。このタイプのトランスミッションでは、湿式クラッチは、高トルクを有するエンジンとともに使用される。シフト操作中やスタート時に発生する廃棄熱は、冷却オイル流を介して放散される。トランスミッション自身は、典型的にはオイルだめとして使用される。かくして、オイルは、クラッチの冷却用とホイールセットの潤滑用の両方に用いられる。使用される高純度のオイルは円滑な運転に必要である。
【0003】
オイル純度を増すために、吸引オイルフィルターと圧力オイルフィルターが用いられる。現在の入取できるフィルターは良好に且つ信頼性をもって機能する、例えば、多フィルター媒体を有する圧力オイルフィルターの製造努力はしばしばとても高い。さらに、もしこのタイプの圧力オイルフィルターの重量をさらに減少させ、同時に達成可能なオイル純度の損失を許容する必要がないならばそれは望ましい。単純な再利用とみなすと、圧力オイルフィルターは、単純な構造を有するものであり、リサイクル可能なものである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
流体を濾過するための濾過装置を提供することが本発明の目的であり、この濾過装置を用いて高いオイル純度が達成でき、濾過装置は軽量であり、製造が簡単であり、小さなスペースを占有し、リサイクル可能である。
【0005】
この目的は、独立した特許請求の範囲の主題による濾過装置によって達成される。本発明の有利な改良は、サブクレームの主題である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
流体を濾過するための本発明による濾過装置、特にオイル濾過装置は、少なくとも1つの第1濾過媒体(1)と少なくとも1つの第2濾過媒体(2)を有し、第1濾過媒体は第2濾過媒体と異なる濾過特性、例えば第2濾過媒体よりも大きな濾過作用を有し、濾過媒体はひだ形態に折られ、複数の折り目を有し、第1濾過媒体と第2濾過媒体は、折り目の長手方向に互いに連結される。
【0007】
ひだ付き実施形態及び2つの異なるフィルター媒体により、高いオイル純度が、小スペースで達成される。長手方向でのフィルター媒体の連結は、部品をほんのわずか要求し又は追加の部品を要求せず、必要とされる重量と空間は低く維持される。折り目の長手方向でのフィルター媒体の連結は、容易に果せる。流れ抵抗や濾過能力のようなフィルター媒体の異なる特性が、このように単一フィルター装置内で互いによく結合される。
【0008】
濾過装置は、流入開口から流入する流体は、第1に第2濾過媒体よりも大きな濾過作用を有する第1濾過媒体に流入するようにされ、その結果、流体の第1の部分は第1濾過媒体を透過し、流体の第1の部分よりも著しく大きい第2の部分は第1濾過媒体の周りを流れ、第2濾過媒体に透過し、濾過装置の均質な透過を可能にする。このやり方では、濾過媒体の全流れ抵抗によって生じる圧力降下は、もっぱら、より大きな濾過作用を有する第1濾過媒体を収容する濾過装置よりも小さい。しかしながら、同時に、最初に大部分が流入オイルによって達成される第1濾過媒体の透過のため、オイルの良好な濾過が比較的急に起きる。
【0009】
流入開口は、好ましくは、流入開口から濾過装置の流出開口への流体の最も短い流路が、第1フィルター媒体を通って流れるように位置される。このことは、自動的に、流体が先ずより緻密な第1濾過媒体に流入する結果となる。
【0010】
実施形態のさらなるメリットでは、流入開口を結ぶ流入セクションの長手方向軸線は、濾過装置の長手方向軸線と10°と80°の間、好ましくは30°と60°の間の鋭角αをなす。かくして、また、有利な流れ誘導が達成される。
【0011】
さらに、互いに連結された濾過媒体は、それらの前面で端キャップに連結され、第1端キャップは流体密であり、第2端キャップは濾過された流体の流出のための開口を有する。流体密の端キャップは、濾過媒体との簡単な組み立てを可能にし、流体流は、第2端キャップと関連して容易に指向される。さらに、2つの異なる濾過媒体が使用されるが、2つの端キャップだけが必要であるに過ぎない。各濾過媒体が2つの端キャップの間に別々に配置され、且つ段階的な濾過が達成されるようにいくつかの濾過媒体が、濾過装置内に直列に位置される構造、追加的に存在するより高い製造出費及び達成される比較的高い重量は、本発明による濾過装置によって回避される。
【0012】
第1濾過媒体と第2濾過媒体は、好ましくは、クリップ留め、超音波溶接、又は接着することによって折り目の長手方向に互いに連結される。これは製造技術を用いて容易に構成され、ほとんど追加の重量に結びつかない。もし第1濾過媒体が超微細な濾過媒体であり、第2濾過媒体が微細な濾過媒体である場合、高レベルの濾過が達成される。かくして、流入するオイル流は、先ず超微細な濾過媒体に流れ、超微細な濾過媒体は高レベルの濾過を可能にし、オイルが超微細な濾過媒体の周りを流れている間に微細な濾過媒体に流入する。
【0013】
もし互いに連結された濾過媒体が濾過スターを形成するならば、濾過装置の簡単な製造も提供される。かくして、利用可能な空間は、最大限可能な濾過領域にうまく使用される。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明による濾過装置用の濾過スターの側面図を示す。
【図2】図1からの濾過スターの斜視図を示す。
【図3】本発明による濾過装置の実施形態の断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明は、図面に示す例示の実施形態に基づいて以下により詳細に記載される。
【0016】
図1は、本発明による濾過装置100用の濾過スター10の側面図を示し、図2はその斜視図を示す。濾過スター10は第1濾過媒体1及び第2濾過媒体2を有し、第1濾過媒体1は第2濾過媒体よりも大きな濾過作用を有する。第1濾過媒体1及び第2濾過媒体2は、各々ひだ付形態で実行され、且つ複数の折り目7を有する。濾過媒体1のひだ付形態は、例えば、半円3の形態で図1に示す濾過スター内に位置され、濾過媒体2も、概ね同様のやり方で半円4を構成する。濾過媒体1及び2は、折り目7の長手方向に構成された面5及び6で互いに接触する。濾過媒体は、これらの接触面5及び6で互いに連結される。連結は、例えば、締め付け要素(クリップ)8によって、接着剤によって、又は超音波溶接によって実行される。各々半円3及び4をなし、このように連結された濾過媒体1及び2は、このようにして完全な円になる。かくして、側面図では、濾過媒体1及び2は、スター形状形態を形成し、かくして濾過スターと称される。
【0017】
前述のような濾過スター10を有する濾過装置100の実施形態の断面図が図3に示される。濾過スター10は、中空シリンダー11の周りに位置され、中空シリンダーは濾過されるべき流体用の通路開口12を備える。第1端キャップ13及び第2端キャップ14は、濾過スター10の前側に位置される。中空シリンダー11及び端キャップ13及び14により、とりわけ、濾過スター10を濾過装置内の予め決められた位置に保持させる。濾過スター10は、好ましくは、接着接合15で端キャップ13及び14に連結される。接着接合15は、濾過スター10の両前側且つまた濾過スター10の一部周縁に位置され、参照数字16で示す。
【0018】
図3に示す濾過装置の実施形態では、中空シリンダー11は、1端に第2端キャップ14とワンピースに構成される。ワンピース又は一体の実施形態により、作業段階を省き、製造コストを減少させる。組立体中、濾過スターが第2端キャップ14につくまで、濾過スター10を、中空シリンダー11上で押す。引き続いて、第1端キャップ13を、図3に示す実施形態では、中空シリンダ11の反対側の端に付け、第1端キャップ13は、中心領域に受け部17を有し、中空シリンダ11を、例えば、スナップ連結部18を用いて受け部17に係合させる。
【0019】
第2端キャップ14とワンピースに構成された中空シリンダ11は、反対側では、端キャップ14の外に導かれ、円筒形の取付けノズル19を形成し、該取付けノズル19は濾過キャップ20に連結される。濾過キャップ20は、濾過ハウジング40に連結され、濾過ハウジング40は、濾過スター10、第1端キャップ13、及び第2端キャップ14を包囲する。
【0020】
第1端キャップ13は、例えば、低温オイル及びそれに関連した高粘度により起る過圧を散逸する目的で使用され、過圧バルブに備えられてもよく、したがって、濾過装置本体を損傷させない。
【0021】
濾過キャップ20は、流入開口21を有し、流体30は流入開口を通って濾過装置100に流入する。流体30は、最初に、チャンネルタイプ流入セクション26から第1濾過媒体1に流入し(破線及び矢印22参照)、長い流路に沿って第2濾過媒体2に流入する(矢印23参照)。流入セクション26の長手方向軸線27及び濾過装置100の長手方向軸線28は鋭角の角度αをなし、角度αは10°と80°の間であり、好ましくは30°と60°の間である。流体30は、濾過媒体1及び2を透過し、中空シリンダ11に達し、流体は通路開口12を通過して、中空シリンダ11の内側に進入する。第1端キャップ13は、液密であるから、流体は第2端キャップ14に向かう方向に流れ(矢印24を参照)、そこから取付けノズル19に流れる。流体は濾過キャップ20の流出開口25に達し、濾過装置を出る。
【0022】
かくして、第1濾過媒体1は第2濾過媒体2よりも大きな濾過作用を有するので、流体は先ず比較的緻密な濾過媒体の中を浸透し、それによって、良好な濾過が達成される。また、一部の流れはより緻密でない第2濾過媒体2に達するので、全流れ抵抗は、とても緻密な濾過媒体のみを有する濾過装置の抵抗よりも少ない。
【0023】
さらに、本発明による濾過装置は、関連した接着接合15を有するたった1つの第1端キャップ13及びたった1つの第2端キャップ14にもかかわらず、2つの異なる濾過媒体が濾過装置に収容されるというメリットを有する。折り目の長手方向に沿う濾過媒体の連結により、濾過スターが生じ、単一濾過媒体のみで構成される濾過スターとまさに同じくらい簡単に中空シリンダ上に濾過スターが形成される。しかしながら、2つの異なる濾過媒体を有する本発明による濾過装置では、もし第2濾過媒体のみが設けられるよりもより高いレベルの濾過が達成される。しかしながら、もし第1濾過媒体のみが濾過装置に収容される場合よりも低い圧力降下が濾過装置内で存在する。
【0024】
上述の例示の改良として、異なる濾過特性を有する2以上の濾過媒体を濾過スターに組み込んでよい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体(30)を濾過するための濾過装置(100)、特にオイル濾過器であって、前記濾過装置(100)は、少なくとも1つの第1濾過媒体(1)と少なくとも1つの第2濾過媒体(2)を有し、前記第1濾過媒体(1)は前記第2濾過媒体(2)と異なる濾過特性を有し、前記濾過媒体(1,2)はひだ付形態に折られ、複数の折り目(7)を有し、前記第1濾過媒体(1)と前記第2濾過媒体(2)は、折り目(7)の長手方向に互いに連結される、前記濾過装置(100)において、
前記濾過装置(100)は、流入開口(21)を通って流れる流体(30)が、先ず、前記第2濾過媒体(2)よりも大きな濾過作用を有する前記第1濾過媒体(1)に流入し、前記流体(30)の第1の部分は前記第1濾過媒体(1)を透過し、前記流体(30)の第1の部分よりも流体(30)の著しく大きい第2の部分は前記第2濾過媒体(2)を透過するために、前記第1濾過媒体(1)の周りを流れ、前記濾過装置(100)の均質な透過を可能にすることを特徴とする前記装置。
【請求項2】
流入開口(21)は、流体(30)の最も短い流路が、流入開口(21)から前記第1フィルター媒体(1)を通って前記濾過装置(100)の流出開口(25)に流れるように位置されることを特徴とする、請求項1に記載の濾過装置(100)。
【請求項3】
流入開口(21)を結ぶ流入セクション(26)の長手方向軸線(27)は、前記濾過装置(100)の長手方向軸線(28)と10°と80°の間、好ましくは30°と60°の間の鋭角αをなしていることを特徴とする、請求項1及び2の何れか1項に記載の濾過装置(100)。
【請求項4】
互いに連結された濾過媒体(1,2)は、それらの前側で端キャップ(13,14)に連結され、第1端キャップ(13)は流体密であり、第2端キャップ(14)は濾過された流体(30)の流出用に開口を有することを特徴とする、請求項1乃至3の何れか1項に記載の濾過装置(100)。
【請求項5】
濾過装置(100)は、通路開口(12)を備えた中空シリンダ(11)を有し、濾過媒体(1,2)は、中空シリンダの横面に位置され、中空シリンダ(11)は前記第2端キャップ(14)と一体に構成されることを特徴とする、請求項4に記載の濾過装置(100)。
【請求項6】
前記第1濾過媒体(1)と前記第2濾過媒体(2)は、クリップ留め、超音波溶接、又は接着によって折り目(7)の長手方向に互いに連結されることを特徴とする、請求項1乃至5の何れか1項に記載の濾過装置(100)。
【請求項7】
前記第1濾過媒体(1)は、超微細な濾過媒体であり、前記第2濾過媒体(2)は微細な濾過媒体であることを特徴とする、請求項1乃至6の何れか1項に記載の濾過装置(100)。
【請求項8】
互いに連結された前記濾過媒体(1,2)は、濾過スター(10)を形成することを特徴とする、請求項1乃至7の何れか1項に記載の濾過装置(100)。
【請求項1】
流体(30)を濾過するための濾過装置(100)、特にオイル濾過器であって、前記濾過装置(100)は、少なくとも1つの第1濾過媒体(1)と少なくとも1つの第2濾過媒体(2)を有し、前記第1濾過媒体(1)は前記第2濾過媒体(2)と異なる濾過特性を有し、前記濾過媒体(1,2)はひだ付形態に折られ、複数の折り目(7)を有し、前記第1濾過媒体(1)と前記第2濾過媒体(2)は、折り目(7)の長手方向に互いに連結される、前記濾過装置(100)において、
前記濾過装置(100)は、流入開口(21)を通って流れる流体(30)が、先ず、前記第2濾過媒体(2)よりも大きな濾過作用を有する前記第1濾過媒体(1)に流入し、前記流体(30)の第1の部分は前記第1濾過媒体(1)を透過し、前記流体(30)の第1の部分よりも流体(30)の著しく大きい第2の部分は前記第2濾過媒体(2)を透過するために、前記第1濾過媒体(1)の周りを流れ、前記濾過装置(100)の均質な透過を可能にすることを特徴とする前記装置。
【請求項2】
流入開口(21)は、流体(30)の最も短い流路が、流入開口(21)から前記第1フィルター媒体(1)を通って前記濾過装置(100)の流出開口(25)に流れるように位置されることを特徴とする、請求項1に記載の濾過装置(100)。
【請求項3】
流入開口(21)を結ぶ流入セクション(26)の長手方向軸線(27)は、前記濾過装置(100)の長手方向軸線(28)と10°と80°の間、好ましくは30°と60°の間の鋭角αをなしていることを特徴とする、請求項1及び2の何れか1項に記載の濾過装置(100)。
【請求項4】
互いに連結された濾過媒体(1,2)は、それらの前側で端キャップ(13,14)に連結され、第1端キャップ(13)は流体密であり、第2端キャップ(14)は濾過された流体(30)の流出用に開口を有することを特徴とする、請求項1乃至3の何れか1項に記載の濾過装置(100)。
【請求項5】
濾過装置(100)は、通路開口(12)を備えた中空シリンダ(11)を有し、濾過媒体(1,2)は、中空シリンダの横面に位置され、中空シリンダ(11)は前記第2端キャップ(14)と一体に構成されることを特徴とする、請求項4に記載の濾過装置(100)。
【請求項6】
前記第1濾過媒体(1)と前記第2濾過媒体(2)は、クリップ留め、超音波溶接、又は接着によって折り目(7)の長手方向に互いに連結されることを特徴とする、請求項1乃至5の何れか1項に記載の濾過装置(100)。
【請求項7】
前記第1濾過媒体(1)は、超微細な濾過媒体であり、前記第2濾過媒体(2)は微細な濾過媒体であることを特徴とする、請求項1乃至6の何れか1項に記載の濾過装置(100)。
【請求項8】
互いに連結された前記濾過媒体(1,2)は、濾過スター(10)を形成することを特徴とする、請求項1乃至7の何れか1項に記載の濾過装置(100)。
【図1】
【図2】
【図3】
【図2】
【図3】
【公開番号】特開2010−46662(P2010−46662A)
【公開日】平成22年3月4日(2010.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−191572(P2009−191572)
【出願日】平成21年8月21日(2009.8.21)
【出願人】(503375784)イーベーエスフィルトランクンストシュトッフメタルエルツォイクニッセ ゲーエムベーハー (11)
【氏名又は名称原語表記】IBS Filtran Kunststoff Metallerzeugnisse GmbH
【住所又は居所原語表記】Industriestrasse 19, 51597 Morsbach, GERMANY
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年3月4日(2010.3.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年8月21日(2009.8.21)
【出願人】(503375784)イーベーエスフィルトランクンストシュトッフメタルエルツォイクニッセ ゲーエムベーハー (11)
【氏名又は名称原語表記】IBS Filtran Kunststoff Metallerzeugnisse GmbH
【住所又は居所原語表記】Industriestrasse 19, 51597 Morsbach, GERMANY
【Fターム(参考)】
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