説明

災害用保護装置

【課題】本発明は、火災や地震などのような災害発生時、室内に迅速に避難することができる災害用保護装置を提供する。
【解決手段】本発明の一側面によれば、保護機本体と、一側が保護機本体に設けられ、室内外空気が流入されるようにする空気供給部材と、保護機本体の一側に設けられる遮断ドアと、保護機本体の一側に設けられ、地震の発生を感知及び警報する地震報知器とを包含してなされることを特徴とする災害用保護装置を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、災害用保護装置に関するものであって、より詳しくは地震や火災などの災害時に迅速に避難することができるように住宅や建物などの内部に設けられる災害用保護装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、地震(earthquake)とは、地下の地盤や岩盤が、一定の部分を境目にして急にずれ動き、その衝撃によって引き起こされる振動をいう。即ち、地震は、地球内のあるところに急激な地殻変動が生じ、その衝撃により発生した波動、即ち、地震波(seismic wave)が、地表面まで伝わり、地盤を振動させることであって、広い地域でほとんど同時に感じられる。
【0003】
この際、各地域の振動程度、即ち、震度(seismic intensity)を調査してみると、ひずみが発生した震源の真上の地点、つまり震央(epicenter)位置で振動が最も強く、そこから遠くなるほど弱くなり、ある限界点を過ぎると、感じ難くなる。それゆえ、振動が最も強い位置付近の地下で何らかの急激な変動が生じ、それによる振動が四方に広がることによって、多くの地域を揺らすのである。
【0004】
こうした地震の規模は、敏感な地震計のみで検出することができるような小さい規模のものから、多くの地域に大きな被害を与えるような大規模のものまで様々ものがあり、全世界的に毎日地球上に生ずる地震は、おおよそ数千個に至るといえる。多くの地震は、長期間にわたって大陸の移動、海底の拡張、山脈の形成などに作用する地球内の大きな力により発生する。その他、火山活動による地震もあるが、この場合は、その規模が比較的に小さい。また、爆発物による人工的な地震も発生したりする。
【0005】
前述したような地震は、自然災害として区分され、多くの人命被害を伴うと共に財産上の被害を発生させる。そこで、地震などの災害が生じたとき、通常、落下物、つまり建物が傾いたりする状況によって落下や移動する事務室内の事務用品による圧死事故、火災などにより、多くの人命被害が発生する。
【0006】
前述した地震などによる災害から人命を保護するための先行技術が特許文献1の「災害避難用安全机」に開示されている。この先行技術は、長方形の板体形状に形成される上板と、この上板の下部に備えられる中央引出しと、この中央引出しの両側に備えられ、垂直方向に設けられる多数個の補助引出しを有する支持部及びこの支持部間に形成され、使用者の足部が位置するための安全空間を包含する構成からなる机において、各支持部の外側面に楕円形状の吸収部が形成され、安全空間の下部に水平方向に支持板が連結され、支持板の両端部が各支持部の内側面の下側端部に連結され、安全空間の前面に開放可能になされるドアが設けられることを特徴とする災害避難用安全机に関するものである。
【0007】
前記先行技術は、地震などの天災地変やテロ又は外部侵入者が侵し入った場合、安全な空間に緊急避難することによって、避難者に初期応急避難所を提供することができる利点がある。但し、建物が倒壊されたり、閉鎖された場合は、避難者に継続して酸素を供給することができなかったため、避難者が酸欠状態による窒息死が発生した。また、地震などの災害初期に地震発生有無について報知する手段を備えていなかったため、初期対応が遅れるといった問題点があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】韓国登録実用新案第20−0419263号公報(2006.06.16)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、前述したような問題点を解決するために案出されたものであって、本発明の一実施例は、地震や火災などの災害時、迅速で安全に避難することができる災害用保護装置に係る。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の望ましい一実施例は、保護機本体と、一側が保護機本体に設けられ、室内外空気が流入されるようにする空気供給部材と、保護機本体の一側に設けられる遮断ドアと、保護機本体の一側に設けられ、地震の発生を感知及び警報する地震報知器とを包含してなされることを特徴とする災害用保護装置を提供する。
【発明の効果】
【0011】
前述した本発明によれば、第一に、保護機本体に設けられる地震報知器により地震などのような災害が生じた時、迅速に初期対応し避難することができる災害用保護装置を提供することができる。
【0012】
第二に、保護機本体に設けられた空気供給部材により、建物が倒壊した場合にも安定的に酸素を受けることができる。
【0013】
第三に、遮断ドアの構成的特性により外部との遮断効果を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の一実施例による災害用保護装置を示した断面図である。
【図2】図1に図示の災害用保護装置に採用された保護フレームが保護機本体に設けられた状態を示した斜視図である。
【図3A】図1に図示の災害用保護装置に採用された空気供給部材の供給部材保護部を示した断面図である。
【図3B】図1に図示の災害用保護装置に採用された空気供給部材の供給部材保護部を示した断面図である。
【図4】図1に図示の災害用保護装置に採用された遮断ドアを示した分解斜視図である。
【図5】図1に図示の災害用保護装置に採用された地震報知器を示した断面図である。
【図6】図1に図示の災害用保護装置の使用状態図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1は、本発明の一実施例による災害用保護装置を示した断面図であり、図2は、図1に図示の災害用保護装置に採用された保護フレームが保護機本体に設けられた状態を示した斜視図であり、図3A及び図3Bは、図1に図示の災害用保護装置に採用された空気供給部材の供給部材保護部を示した断面図であり、図4は、図1に図示の災害用保護装置に採用された遮断ドアを示した分解斜視図であり、図5は、図1に図示の災害用保護装置に採用された地震報知器を示した断面図である。
【0016】
本発明の望ましい実施例による災害用保護装置1は、保護機本体10、空気供給部材20、遮断ドア30、地震報知器40、保護具50を包含する。
【0017】
保護機本体10は、図1に示したように、六面体形状が望ましく、内部には重量のある落下物から避難者を保護するように望ましくは四角柱の鉄材からなる保護フレーム11が設けられる。また、保護機本体10の内部壁体には図1に示したように避難者を内部衝撃から保護し得るように衝撃吸収スポンジ12が設けられる。
【0018】
前記衝撃吸収スポンジ12は、一般のものに比して衝撃を10倍以上減らす役割を奏しているので、衝撃吸収スポンジ12は、器具それ自体が建物と共に崩壊し、墜落する場合でも、衝撃を全て吸収し、内部の避難者を保護することができる。一方、衝撃吸収スポンジ12を、図1に示したように椅子形状に構成し、避難者が座っていられるように構成することが望ましい。この椅子形状の衝撃吸収スポンジ12には、シートベルトのような保護具50が設けられる。
【0019】
空気供給部材20は、建物などの倒壊に起因して建物内の空気が希薄になった場合、避難者に空気を供給するためのものであって、望ましくは銅管からなり、図1に示したように、一側は、保護機本体10の内部に貫通し、他側は、保護機本体10の外部に貫通する、建物内に設けられた室内空気供給部材21と、一側は、保護機本体10の内部に貫通し、他側は、建物の外部に露出していることにより、室内空気供給部材21が詰まると、室外の空気を保護機本体10に供給させる室外空気供給部材22と、前記室内空気供給部材21と室外空気供給部材22の少なくとも何れか一方に設けられ、流入された空気を浄化させるフィルタ23とを備える。
【0020】
前記空気供給部材20は、建物の破片や火災から保護を受けることができるように地下に埋設することが望ましい。設計上の問題により、地下に埋設することが難しい場合には、図3A及び図3Bに示したように供給部材保護部24を設けることが望ましい。この供給部材保護部24は、コンクリート構造物でもよく、鋼鉄フレームなどの主知の補強材を用いることも可能である。
【0021】
前記室外空気供給部材22は、平常時にはタイマー(図示せず)に連結された換気扇を介して、時間当たり15分間外部空気を吸入できるようにすることが望ましく、外部から新鮮な空気を吸い込む時、必ずその中間にフィルタ23を使用して構成することによって、埃などを除去するようになすことが望ましい。
【0022】
遮断ドア30は、保護器本体10に避難した避難者を外部衝撃体や火炎から保護し得るように完全遮蔽するように構成することが望ましく、図4に示したように保護機本体10の一側に設けられるドア枠31と、このドア枠31に取り付けられ、ドア枠31より広い面積を有するドア支持部材32と、前記ドア枠31の一側に取り付けられ、ドア支持部材32により支持される固定ドア33と、前記ドア枠31の他側に設けられ、下側に少なくとも一つのローラ34aが取り付けられた移動ドア34と、前記ドア枠31にドア支持部材32により支持された移動ドア34が外部に離脱しないように、望ましくは、前記ドア枠31に螺合するドア固定部材35と、前記移動ドア34の一側に設けられる取っ手36とからなる。
【0023】
前記遮断ドア30は引き戸として、設置空間を最小化することができ、従来のドアと違って遮断効果を高めることができる。具体的に、従来のドアは、枠が予め組み立てられているので、先ずドアを持ち上げて上方部を嵌め込み、次いで下方部を嵌めるようになっている。本発明の望ましい実施例に採用された遮断ドア30のドア枠は、ドア枠31とドア支持部材32とドア固定部材35に分離することができる。また、格別な結合方式、即ち、ドア枠31の一側にドア支持部材32を固定し、そこに固定ドア33と移動ドア34を嵌め込んだ後、ドア枠31の他側にドア固定部材35を固定するので、外部との遮断効果をさらに高めることができる。
【0024】
地震報知器40は、図5に示したように、望ましくは、保護機本体10の内部に設けられる報知器本体41と、報知器本体41の底面に設けられる支持ロッド42と、前記支持ロッド42の上端に取り付けられ、望ましくは、螺旋状のばねのような弾性支持体43と、前記弾性支持体43の上側に収容される感知錘44と、前記報知器本体41の底面に設けられ、外部衝撃により弾性支持体43が動くときに接触する、望ましくは圧電素子の感知センサー45と、前記報知器本体41に設けられる非常ベル46とを備える。
【0025】
保護具50は、図1に示したように、保護機本体10に設けられ、望ましくは、ヘルメット、シートベルトなどが挙げられる。
【0026】
図6は、図1に図示の災害用保護装置の使用状態図である。
【0027】
以下で、図6に基づいて本発明の望ましい実施例による災害用保護装置1の使用状態について説明する。先ず、地震などが発生すると、地震報知器40の感知錘44が左右又は前後に振れることになり、この振動により感知錘44が感知センサー45に接触し、この感知センサー45は、前記信号を制御部(図示せず)に伝達する。制御部は、この信号により非常ベル46を鳴らし、このベル音を聞いた使用者は、建物内部にある本発明の望ましい実施例による災害用保護装置1のなかに避難する。大きな衝撃により建物内に閉じこめられた場合にも、空気供給部材20を介して室内外の空気が供給されるので、長時間にわたって保護を受けることができ、且つ、保護フレーム11や衝撃吸収スポンジ12により避難者を外部衝撃からも保護することができる。
【0028】
前記の実施例は、本発明の好適な実施の一例であり、本発明の実施例は、これに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変形や追加があっても本発明に含まれる。
【符号の説明】
【0029】
1 災害用保護装置
10 保護機本体
11 保護フレーム
12 衝撃吸収スポンジ
20 空気供給部材
21 室内空気供給部材
22 室外空気供給部材
23 フィルタ
24 供給部材保護部
30 遮断ドア
31 ドア枠
32 ドア支持部材
33 固定ドア
34 移動ドア
34a ローラ
35 ドア固定部材
36 取っ手
40 地震報知器
41 報知器本体
42 支持ロッド
43 弾性支持体
44 感知錘
45 感知センサー
46 非常ベル
50 保護具

【特許請求の範囲】
【請求項1】
保護機本体、
一側が前記保護機本体に設けられ、室内外空気が流入されるようにする空気供給部材、
前記保護機本体の一側に設けられる遮断ドア、及び、
前記保護機本体の一側に設けられ、地震の発生を感知及び警報する地震報知器を包含してなされることを特徴とする災害用保護装置。
【請求項2】
前記保護機本体には、使用者の安全を確保するための保護具が設けられたことを特徴とする請求項1に記載の災害用保護装置。
【請求項3】
前記空気供給部材は、一側は前記保護機本体の内部に位置し、他側は前記保護機本体の外部に露出する室内空気供給部材と、一側は、前記保護機本体の内部に位置し、他側は、室外に露出する室外空気供給部材とを備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の災害用保護装置。
【請求項4】
前記遮断ドアは、前記保護機本体の一側に設けられるドア枠と、前記ドア枠に取り付けられるドア支持部材と、前記ドア支持部材によりドア枠の一側に支持される固定ドアと、前記ドア枠の他側に支持される移動ドアと、前記ドア枠に固定され、前記移動ドアを支持するドア固定部材とを備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の災害用保護装置。
【請求項5】
前記地震報知器は、保護機本体に設けられる報知器本体と、前記報知器本体の底面に設けられる支持ロッドと、前記支持ロッドの端部に固定される弾性支持体と、前記弾性支持体に収容される感知錘と、前記報知器本体の内部に設けられ、外部衝撃により振動する感知錘を認識する感知センサーと、前記報知器本体に設けられる非常ベルとを備えることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の災害用保護装置。
【請求項6】
前記保護機本体の内部には、衝撃吸収スポンジが設けられたことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載の災害用保護装置。
【請求項7】
前記空気供給部材は、地下に埋設されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載の災害用保護装置。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−12533(P2011−12533A)
【公開日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−220367(P2009−220367)
【出願日】平成21年9月25日(2009.9.25)
【出願人】(509267546)
【Fターム(参考)】