炊飯器
【課題】ラッチと内蓋保持具の機能を損なうことなく、奥行き寸法を小さくした炊飯器を得る。
【解決手段】炊飯器本体1に設けられ、外蓋2の前端部に設けられたラッチ係止部2aに係合するラッチ部21a、21bと、炊飯器本体1に設けられ、押下されるとラッチ部21a、21bの係合状態を解除するラッチ解除ボタン30と、外蓋2の前側ほぼ中央位置において内蓋8を外蓋2の下面に保持する内蓋保持具10と、を備え、一対のラッチ部21a、21bを、内釜保持具10を挟んだ左右両側の位置であって、外蓋2を閉じた状態で内釜保持具10と前後方向において少なくとも一部が重複する位置に設けた。
【解決手段】炊飯器本体1に設けられ、外蓋2の前端部に設けられたラッチ係止部2aに係合するラッチ部21a、21bと、炊飯器本体1に設けられ、押下されるとラッチ部21a、21bの係合状態を解除するラッチ解除ボタン30と、外蓋2の前側ほぼ中央位置において内蓋8を外蓋2の下面に保持する内蓋保持具10と、を備え、一対のラッチ部21a、21bを、内釜保持具10を挟んだ左右両側の位置であって、外蓋2を閉じた状態で内釜保持具10と前後方向において少なくとも一部が重複する位置に設けた。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、閉じられた外蓋を炊飯器本体に係止するラッチを備えた炊飯器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の炊飯器として、「蓋体に、前記本体ケースに設けたラッチが係止する係止部を設けると共に、前記内蓋の着脱により移動する内蓋保持具を設けた」ものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−23834号公報(第2頁−第4頁、図2)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に記載の炊飯器によれば、内蓋を取り付けていない状態で外蓋を閉めようとすると、内蓋保持具が内釜に当接して外蓋が閉じられないようになっている。しかし、外蓋を炊飯器本体に係止するためのラッチと、内蓋保持具とが互いに干渉しないようにする必要があるため、ラッチと内蓋保持具とを前後方向にずらした位置に配置しており、炊飯器の奥行き寸法が大きくなってしまっていた。
【0005】
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、ラッチと内蓋保持具の機能を損なうことなく、奥行き寸法を小さくした炊飯器を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る炊飯器は、炊飯器本体と、前記炊飯器本体内に収容され上面が開口した内釜と、前記炊飯器本体に設けたヒンジ部に後部を枢支されて前記炊飯器本体の上部開口部を覆う外蓋と、前記外蓋の上面に設けられ、操作入力を行うための操作部と、前記外蓋の下面に着脱可能に装着されて前記内釜の上部開口部を覆う内蓋と、前記炊飯器本体に設けられ、前記外蓋の前端部に設けられた係止部に係合するラッチと、前記炊飯器本体に設けられ、押下されると前記ラッチの係合状態を解除するラッチ解除ボタンと、前記外蓋の前側ほぼ中央位置において前記内蓋を前記外蓋の下面に保持する内蓋保持具と、を備え、一対の前記ラッチを、前記内釜保持具を挟んだ左右両側の位置であって、前記外蓋を閉じた状態で前記内釜保持具と前後方向において少なくとも一部が重複する位置に設けたものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係る炊飯器は、外蓋の前側ほぼ中央位置において内蓋を外蓋の下面に保持する内蓋保持具を備え、一対のラッチを、内釜保持具を挟んだ左右両側の位置であって、外蓋を閉じた状態で内釜保持具と前後方向において少なくとも一部が重複する位置に設けた。このため、ラッチ及び内蓋保持具の機能を損なうことなく、炊飯器本体の奥行き寸法を小さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】実施の形態に係る炊飯器の外観斜視図である。
【図2】実施の形態に係る炊飯器の一部を破断した平面図である。
【図3】実施の形態に係る炊飯器の内部の主要部を説明する図である。
【図4】実施の形態に係る内蓋保持具を説明する断面図である。
【図5】実施の形態に係る内蓋保持具を説明する断面図であり、内蓋が取り外した状態を示している。
【図6】実施の形態に係るラッチを説明する断面図である。
【図7】実施の形態に係るラッチとラッチ解除ボタンの主要部の平面図である。
【図8】実施の形態に係るラッチとラッチ解除ボタンの断面模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
実施の形態.
図1は実施の形態に係る炊飯器100の外観斜視図、図2は炊飯器100の一部を破断した平面図、図3は炊飯器100の内部の主要部を説明する図である。なお、以下の説明では、図2におけるヒンジ部3側(図2の上側)を後側、ラッチ解除ボタン30側(図2の下側)を前側とし、この前側から後側までの炊飯器100の寸法を、奥行き寸法という。また、一般に、釜内の圧力を炊飯に適した高圧に維持する圧力式の炊飯器と、非圧力式の炊飯器が知られているが、本実施の形態では炊飯器100は非圧力式の炊飯器であるものとする。
【0010】
図1〜図3に示すように、炊飯器100は、炊飯器本体1と、炊飯器本体1の上面開口を覆う外蓋2とを備えている。炊飯器本体1の内部には、上面を開口し、上端周縁部にフランジ7aを有する内釜7が収容されている。内釜7の底部には、内釜7を加熱する電磁誘導コイルなどの加熱手段(図示せず)が設けられている。
【0011】
外蓋2は、炊飯器本体1の後側に設けられたヒンジ部3により、開閉自在に枢支されている。また、炊飯器本体の前側には押圧自在のラッチ解除ボタン30が設けられている。詳細は後述するが、外蓋2が閉じられた状態でラッチ解除ボタン30を押圧すると、外蓋2と炊飯器本体1との前面側におけるロックが解除されて、外蓋2をヒンジ部3により回動させて開けることができる。外蓋2の前端側下面には、後述するラッチ20を係止させるためのラッチ係止部2aが突設されている。
【0012】
外蓋2の上面には、加熱により生じる蒸気を排出するための蒸気孔4が開口している。また、この蒸気孔4の周囲を覆う蒸気孔カバー5が取り付けられている。
また、外蓋2の上面には、電源ボタン等の各種操作スイッチを設けた操作パネル6が設けられている。なお、本実施の形態に係る炊飯器100は非圧力式の炊飯器であるので、圧力式の炊飯器に比べて外蓋2に係る内圧が低く、外蓋2に操作パネル6を設けることが可能になっている。
【0013】
外蓋2の下面には、内釜7の上部開口部を覆う内蓋8が設けられている。内蓋8は外蓋2から着脱可能であり、汚れた場合には取り外して清掃することができるようになっている。また、内蓋8の外周部には、内釜7の上部との気密性を確保するためのパッキン8aが設けられている。
【0014】
次に、内蓋8を外蓋2に保持するための内蓋保持具10について説明する。図4は内蓋保持具10を説明する断面図、図5は内蓋保持具10を説明する断面図であり、内蓋8を取り外した状態を示している。以下、図2〜図5を参照して説明する。
【0015】
図4、図5に示すように、内蓋保持具10は、合成樹脂等で構成され、断面においてほぼ水平な水平部11と、水平部11の前側を下方に折り曲げて構成された折曲部12とを備えている。そして、折曲部12の後側の面には、係止突部13が設けられている。この内蓋保持具10は、外蓋2の前側位置であって左右方向ほぼ中央に(図2参照)おいて、内蓋8を外蓋2の下面に保持するための部材である。内蓋保持具10は、前後方向に摺動可能に取り付けられており、また、図示しないバネにより常時後側へ付勢されている。
【0016】
内蓋8を外蓋2に装着する際には、内蓋保持具10を前側に摺動させて、係止突部13に内蓋8の前端部を係止させる。このようにすると、図4に示すように、前側に移動した内蓋保持具10の水平部11の下面と係止突部13の上面との間に、内蓋8の前端部が保持され、内蓋8が外蓋2に取り付けられることとなる。すなわち、内蓋保持具10は、内蓋8を外蓋2に装着した状態では前進して内蓋8を保持する。このとき、内蓋保持具10の折曲部12の下端部は、内釜7のフランジ7aよりも前側に位置している。
【0017】
内蓋8を外蓋2から取り外すと、図5に示すように、内蓋保持具10はバネ(図示せず)に付勢されて外蓋2の下面において後方向に移動し、最後部に位置する。この状態で外蓋2を閉じると、内蓋保持具10の折曲部12の下端部が、内釜7のフランジ7aに当接し、それ以上は外蓋2を閉じることができない。すなわち、内蓋保持具10は、内蓋8を外蓋2から取り外した状態では外蓋2を閉じたときに内釜7のフランジ7aに当接する位置に後退する。したがって、外蓋2は半開き状態となり、内蓋8が取り付けられていないことをユーザに容易に知らせることができる。
【0018】
次に、外蓋2を炊飯器本体1に係止するためのラッチ20及びラッチ解除ボタン30について説明する。図6は、ラッチ20を説明する断面図、図7は、ラッチ20とラッチ解除ボタン30の主要部の平面図、図8は、ラッチ20とラッチ解除ボタン30の断面模式図である。以下、図2、図3、図6〜図8を参照して説明する。
【0019】
図3、図7に示すように、ラッチ20は、2つのラッチ部21a、21bと、回動軸22a、22bと、平板状の支持板23とが、合成樹脂等により一体に構成されている。ラッチ部21a、21bは、支持板23の上部を二股状に分岐させて形成されている。このラッチ20は、回動軸22a、22bにより、炊飯器本体1に回動可能に取り付けられている。
【0020】
ラッチ部21a、21bは、先端が鉤型に形成されており、この鉤型部が外蓋2の前端側下面に設けられたラッチ係止部2aに引っかかって、外蓋2を炊飯器本体1にロックする。図2、図3に示すように、ラッチ20のラッチ部21a、21bは、内蓋保持具10を中心に左右ほぼ対称の位置に配置されている。また、本実施の形態では、外蓋2を閉じた状態において、内蓋保持具10とラッチ部21a、21bは、左右方向にほぼ一直線に並ぶようになっている。なお、一直線に並ばなくとも、外蓋2を閉じた状態において、内蓋保持具10とラッチ部21a、21bの一部が前後方向に重複する位置に配置してもよい。
【0021】
ラッチ解除ボタン30は、ユーザからの押下操作を受けて、ラッチ20のロック状態を解除するためのボタンである。ラッチ解除ボタン30は、炊飯器本体1の前面側外側の、左右ほぼ中央位置に、前後方向に摺動可能に取り付けられている。また、ラッチ解除ボタン30は、図示しないバネにより、常時前側へ付勢されている。ラッチ解除ボタン30は、ユーザが押圧操作を加えるための面である操作部31と、2つのラッチ押下突部32a、32bとを備えている。
【0022】
ラッチ押下突部32a、32bは、操作部31の裏面(後面)から、後方に向かってほぼ水平に突出する棒状の突起である。ラッチ押下突部32a、32bは、ラッチ解除ボタン30の左右中心からほぼ左右対称の位置に、それぞれ設けられている。操作部31が所定の押圧力で押圧されると、ラッチ解除ボタン30が後退し、ラッチ押下突部32a、32bがラッチ20の支持板23に当接し、ラッチ20に押圧力を伝えることができるようになっている。
【0023】
次に、上記のように構成した炊飯器100の外蓋2の開閉作用について説明する。なお、ここでは、内蓋8が外蓋2に取り付けられているものとして説明する。外蓋2が開いた状態で、外蓋2を下方向に押し下げると、ヒンジ部3を軸として外蓋2は回動し、さらに押圧すると、ラッチ20のラッチ部21a、21bが外蓋2のラッチ係止部2aに引っかかる。このようにすると、ラッチ20を介して、外蓋2と炊飯器本体1とが結合される。
【0024】
外蓋2を開く際には、図8の矢印Xに示すように、ラッチ解除ボタン30の操作部31を押下する。そうすると、ラッチ解除ボタン30が後退し、これに伴ってラッチ押下突部32a、32bも後退し、ラッチ20の支持板23を押圧する。ラッチ解除ボタン30からの押圧力により、ラッチ20は回動軸22a、22bを軸として回動する(図8の矢印Y参照)。これにより、ラッチ部21a、21bのラッチ係止部2aへの係合が解除されて、外蓋2を開くことができる。また、ユーザが、操作部31の左右に偏った位置、例えば操作部31の左端を押下することも考えられる。このような場合、ラッチ押下突部32aが主に後退して支持板23を押圧するため、支持板23の左側が押圧されることとなるが、ラッチ部21a、21bはその下端部が支持板23で接続されているので、両方のラッチ部21a、21bを回動させて係合を解除することができる。なお、ラッチ解除ボタン30は前側へ付勢されているので、ユーザがラッチ解除ボタン30から手を離すと、ラッチ解除ボタン30は前進して前端位置へ戻る。
【0025】
以上のように、本実施の形態では、外蓋2の前側ほぼ中央位置において内蓋8を外蓋2の下面に保持する内蓋保持具10を備え、一対のラッチ部21a、21bを、内釜保持具10を挟んだ左右両側の位置であって、外蓋2を閉じた状態で内釜保持具10と前後方向において少なくとも一部が重複する位置に設けた。このため、ラッチ部21a、21b及び内蓋保持具10の機能を損なうことなく、炊飯器本体1の奥行き寸法を小さくすることができる。また、外蓋2を閉じて一対のラッチ部21a、21bをラッチ係止部2aに係合させたときに、一対のラッチ部21a、21bと内蓋保持具10とが左右方向にほぼ一直線に並ぶように配置したので、炊飯器本体1の奥行き寸法をさらに小さくすることができる。
【0026】
また、一対のラッチ部21a、21bを配置したので、2箇所で外蓋2と炊飯器本体1とを結合することができ、外蓋2と炊飯器本体1との結合状態をより安定させることができる。また、内蓋保持具10を中心として左右ほぼ対称の位置に一対のラッチ部21a、21bを配置したので、外蓋2と炊飯器本体1との隙間の歪みを軽減できる。
【0027】
また、一対のラッチ部21a、21bは、回動軸22a、22bにて回動可能に軸支された支持板23の上部を、二股状に分岐させて構成されている。そして、ラッチ解除ボタン30を押下すると、この押圧力を受けて支持板23が回動し、これに伴って一対のラッチ部21a、21bの係合状態が解除される。このため、1つのラッチ解除ボタン30を押下するだけで、2つのラッチ部21a、21bの係合状態を解除することができ、操作性がよい。また、ラッチ解除ボタン30の左右方向に偏った位置が押下された場合でも、両方のラッチ部21a、21bの係合状態を解除することができる。また、一対のラッチ部21a、21b及び支持板23を、合成樹脂により一体的に形成したので、部品点数を減らすことができるとともに、組み立ての手間も軽減できる。
【符号の説明】
【0028】
1 炊飯器本体、2 外蓋、2a ラッチ係止部、3 ヒンジ部、4 蒸気孔、5 蒸気孔カバー、6 操作パネル、7 内釜、7a フランジ、8 内蓋、8a パッキン、10 内蓋保持具、11 水平部、12 折曲部、13 係止突部、20 ラッチ、21a,21b ラッチ部、22a,22b 回動軸、23 支持板、30 ラッチ解除ボタン、31 操作部、32a,32b ラッチ押下突部、100 炊飯器。
【技術分野】
【0001】
本発明は、閉じられた外蓋を炊飯器本体に係止するラッチを備えた炊飯器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の炊飯器として、「蓋体に、前記本体ケースに設けたラッチが係止する係止部を設けると共に、前記内蓋の着脱により移動する内蓋保持具を設けた」ものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−23834号公報(第2頁−第4頁、図2)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に記載の炊飯器によれば、内蓋を取り付けていない状態で外蓋を閉めようとすると、内蓋保持具が内釜に当接して外蓋が閉じられないようになっている。しかし、外蓋を炊飯器本体に係止するためのラッチと、内蓋保持具とが互いに干渉しないようにする必要があるため、ラッチと内蓋保持具とを前後方向にずらした位置に配置しており、炊飯器の奥行き寸法が大きくなってしまっていた。
【0005】
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、ラッチと内蓋保持具の機能を損なうことなく、奥行き寸法を小さくした炊飯器を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る炊飯器は、炊飯器本体と、前記炊飯器本体内に収容され上面が開口した内釜と、前記炊飯器本体に設けたヒンジ部に後部を枢支されて前記炊飯器本体の上部開口部を覆う外蓋と、前記外蓋の上面に設けられ、操作入力を行うための操作部と、前記外蓋の下面に着脱可能に装着されて前記内釜の上部開口部を覆う内蓋と、前記炊飯器本体に設けられ、前記外蓋の前端部に設けられた係止部に係合するラッチと、前記炊飯器本体に設けられ、押下されると前記ラッチの係合状態を解除するラッチ解除ボタンと、前記外蓋の前側ほぼ中央位置において前記内蓋を前記外蓋の下面に保持する内蓋保持具と、を備え、一対の前記ラッチを、前記内釜保持具を挟んだ左右両側の位置であって、前記外蓋を閉じた状態で前記内釜保持具と前後方向において少なくとも一部が重複する位置に設けたものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係る炊飯器は、外蓋の前側ほぼ中央位置において内蓋を外蓋の下面に保持する内蓋保持具を備え、一対のラッチを、内釜保持具を挟んだ左右両側の位置であって、外蓋を閉じた状態で内釜保持具と前後方向において少なくとも一部が重複する位置に設けた。このため、ラッチ及び内蓋保持具の機能を損なうことなく、炊飯器本体の奥行き寸法を小さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】実施の形態に係る炊飯器の外観斜視図である。
【図2】実施の形態に係る炊飯器の一部を破断した平面図である。
【図3】実施の形態に係る炊飯器の内部の主要部を説明する図である。
【図4】実施の形態に係る内蓋保持具を説明する断面図である。
【図5】実施の形態に係る内蓋保持具を説明する断面図であり、内蓋が取り外した状態を示している。
【図6】実施の形態に係るラッチを説明する断面図である。
【図7】実施の形態に係るラッチとラッチ解除ボタンの主要部の平面図である。
【図8】実施の形態に係るラッチとラッチ解除ボタンの断面模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
実施の形態.
図1は実施の形態に係る炊飯器100の外観斜視図、図2は炊飯器100の一部を破断した平面図、図3は炊飯器100の内部の主要部を説明する図である。なお、以下の説明では、図2におけるヒンジ部3側(図2の上側)を後側、ラッチ解除ボタン30側(図2の下側)を前側とし、この前側から後側までの炊飯器100の寸法を、奥行き寸法という。また、一般に、釜内の圧力を炊飯に適した高圧に維持する圧力式の炊飯器と、非圧力式の炊飯器が知られているが、本実施の形態では炊飯器100は非圧力式の炊飯器であるものとする。
【0010】
図1〜図3に示すように、炊飯器100は、炊飯器本体1と、炊飯器本体1の上面開口を覆う外蓋2とを備えている。炊飯器本体1の内部には、上面を開口し、上端周縁部にフランジ7aを有する内釜7が収容されている。内釜7の底部には、内釜7を加熱する電磁誘導コイルなどの加熱手段(図示せず)が設けられている。
【0011】
外蓋2は、炊飯器本体1の後側に設けられたヒンジ部3により、開閉自在に枢支されている。また、炊飯器本体の前側には押圧自在のラッチ解除ボタン30が設けられている。詳細は後述するが、外蓋2が閉じられた状態でラッチ解除ボタン30を押圧すると、外蓋2と炊飯器本体1との前面側におけるロックが解除されて、外蓋2をヒンジ部3により回動させて開けることができる。外蓋2の前端側下面には、後述するラッチ20を係止させるためのラッチ係止部2aが突設されている。
【0012】
外蓋2の上面には、加熱により生じる蒸気を排出するための蒸気孔4が開口している。また、この蒸気孔4の周囲を覆う蒸気孔カバー5が取り付けられている。
また、外蓋2の上面には、電源ボタン等の各種操作スイッチを設けた操作パネル6が設けられている。なお、本実施の形態に係る炊飯器100は非圧力式の炊飯器であるので、圧力式の炊飯器に比べて外蓋2に係る内圧が低く、外蓋2に操作パネル6を設けることが可能になっている。
【0013】
外蓋2の下面には、内釜7の上部開口部を覆う内蓋8が設けられている。内蓋8は外蓋2から着脱可能であり、汚れた場合には取り外して清掃することができるようになっている。また、内蓋8の外周部には、内釜7の上部との気密性を確保するためのパッキン8aが設けられている。
【0014】
次に、内蓋8を外蓋2に保持するための内蓋保持具10について説明する。図4は内蓋保持具10を説明する断面図、図5は内蓋保持具10を説明する断面図であり、内蓋8を取り外した状態を示している。以下、図2〜図5を参照して説明する。
【0015】
図4、図5に示すように、内蓋保持具10は、合成樹脂等で構成され、断面においてほぼ水平な水平部11と、水平部11の前側を下方に折り曲げて構成された折曲部12とを備えている。そして、折曲部12の後側の面には、係止突部13が設けられている。この内蓋保持具10は、外蓋2の前側位置であって左右方向ほぼ中央に(図2参照)おいて、内蓋8を外蓋2の下面に保持するための部材である。内蓋保持具10は、前後方向に摺動可能に取り付けられており、また、図示しないバネにより常時後側へ付勢されている。
【0016】
内蓋8を外蓋2に装着する際には、内蓋保持具10を前側に摺動させて、係止突部13に内蓋8の前端部を係止させる。このようにすると、図4に示すように、前側に移動した内蓋保持具10の水平部11の下面と係止突部13の上面との間に、内蓋8の前端部が保持され、内蓋8が外蓋2に取り付けられることとなる。すなわち、内蓋保持具10は、内蓋8を外蓋2に装着した状態では前進して内蓋8を保持する。このとき、内蓋保持具10の折曲部12の下端部は、内釜7のフランジ7aよりも前側に位置している。
【0017】
内蓋8を外蓋2から取り外すと、図5に示すように、内蓋保持具10はバネ(図示せず)に付勢されて外蓋2の下面において後方向に移動し、最後部に位置する。この状態で外蓋2を閉じると、内蓋保持具10の折曲部12の下端部が、内釜7のフランジ7aに当接し、それ以上は外蓋2を閉じることができない。すなわち、内蓋保持具10は、内蓋8を外蓋2から取り外した状態では外蓋2を閉じたときに内釜7のフランジ7aに当接する位置に後退する。したがって、外蓋2は半開き状態となり、内蓋8が取り付けられていないことをユーザに容易に知らせることができる。
【0018】
次に、外蓋2を炊飯器本体1に係止するためのラッチ20及びラッチ解除ボタン30について説明する。図6は、ラッチ20を説明する断面図、図7は、ラッチ20とラッチ解除ボタン30の主要部の平面図、図8は、ラッチ20とラッチ解除ボタン30の断面模式図である。以下、図2、図3、図6〜図8を参照して説明する。
【0019】
図3、図7に示すように、ラッチ20は、2つのラッチ部21a、21bと、回動軸22a、22bと、平板状の支持板23とが、合成樹脂等により一体に構成されている。ラッチ部21a、21bは、支持板23の上部を二股状に分岐させて形成されている。このラッチ20は、回動軸22a、22bにより、炊飯器本体1に回動可能に取り付けられている。
【0020】
ラッチ部21a、21bは、先端が鉤型に形成されており、この鉤型部が外蓋2の前端側下面に設けられたラッチ係止部2aに引っかかって、外蓋2を炊飯器本体1にロックする。図2、図3に示すように、ラッチ20のラッチ部21a、21bは、内蓋保持具10を中心に左右ほぼ対称の位置に配置されている。また、本実施の形態では、外蓋2を閉じた状態において、内蓋保持具10とラッチ部21a、21bは、左右方向にほぼ一直線に並ぶようになっている。なお、一直線に並ばなくとも、外蓋2を閉じた状態において、内蓋保持具10とラッチ部21a、21bの一部が前後方向に重複する位置に配置してもよい。
【0021】
ラッチ解除ボタン30は、ユーザからの押下操作を受けて、ラッチ20のロック状態を解除するためのボタンである。ラッチ解除ボタン30は、炊飯器本体1の前面側外側の、左右ほぼ中央位置に、前後方向に摺動可能に取り付けられている。また、ラッチ解除ボタン30は、図示しないバネにより、常時前側へ付勢されている。ラッチ解除ボタン30は、ユーザが押圧操作を加えるための面である操作部31と、2つのラッチ押下突部32a、32bとを備えている。
【0022】
ラッチ押下突部32a、32bは、操作部31の裏面(後面)から、後方に向かってほぼ水平に突出する棒状の突起である。ラッチ押下突部32a、32bは、ラッチ解除ボタン30の左右中心からほぼ左右対称の位置に、それぞれ設けられている。操作部31が所定の押圧力で押圧されると、ラッチ解除ボタン30が後退し、ラッチ押下突部32a、32bがラッチ20の支持板23に当接し、ラッチ20に押圧力を伝えることができるようになっている。
【0023】
次に、上記のように構成した炊飯器100の外蓋2の開閉作用について説明する。なお、ここでは、内蓋8が外蓋2に取り付けられているものとして説明する。外蓋2が開いた状態で、外蓋2を下方向に押し下げると、ヒンジ部3を軸として外蓋2は回動し、さらに押圧すると、ラッチ20のラッチ部21a、21bが外蓋2のラッチ係止部2aに引っかかる。このようにすると、ラッチ20を介して、外蓋2と炊飯器本体1とが結合される。
【0024】
外蓋2を開く際には、図8の矢印Xに示すように、ラッチ解除ボタン30の操作部31を押下する。そうすると、ラッチ解除ボタン30が後退し、これに伴ってラッチ押下突部32a、32bも後退し、ラッチ20の支持板23を押圧する。ラッチ解除ボタン30からの押圧力により、ラッチ20は回動軸22a、22bを軸として回動する(図8の矢印Y参照)。これにより、ラッチ部21a、21bのラッチ係止部2aへの係合が解除されて、外蓋2を開くことができる。また、ユーザが、操作部31の左右に偏った位置、例えば操作部31の左端を押下することも考えられる。このような場合、ラッチ押下突部32aが主に後退して支持板23を押圧するため、支持板23の左側が押圧されることとなるが、ラッチ部21a、21bはその下端部が支持板23で接続されているので、両方のラッチ部21a、21bを回動させて係合を解除することができる。なお、ラッチ解除ボタン30は前側へ付勢されているので、ユーザがラッチ解除ボタン30から手を離すと、ラッチ解除ボタン30は前進して前端位置へ戻る。
【0025】
以上のように、本実施の形態では、外蓋2の前側ほぼ中央位置において内蓋8を外蓋2の下面に保持する内蓋保持具10を備え、一対のラッチ部21a、21bを、内釜保持具10を挟んだ左右両側の位置であって、外蓋2を閉じた状態で内釜保持具10と前後方向において少なくとも一部が重複する位置に設けた。このため、ラッチ部21a、21b及び内蓋保持具10の機能を損なうことなく、炊飯器本体1の奥行き寸法を小さくすることができる。また、外蓋2を閉じて一対のラッチ部21a、21bをラッチ係止部2aに係合させたときに、一対のラッチ部21a、21bと内蓋保持具10とが左右方向にほぼ一直線に並ぶように配置したので、炊飯器本体1の奥行き寸法をさらに小さくすることができる。
【0026】
また、一対のラッチ部21a、21bを配置したので、2箇所で外蓋2と炊飯器本体1とを結合することができ、外蓋2と炊飯器本体1との結合状態をより安定させることができる。また、内蓋保持具10を中心として左右ほぼ対称の位置に一対のラッチ部21a、21bを配置したので、外蓋2と炊飯器本体1との隙間の歪みを軽減できる。
【0027】
また、一対のラッチ部21a、21bは、回動軸22a、22bにて回動可能に軸支された支持板23の上部を、二股状に分岐させて構成されている。そして、ラッチ解除ボタン30を押下すると、この押圧力を受けて支持板23が回動し、これに伴って一対のラッチ部21a、21bの係合状態が解除される。このため、1つのラッチ解除ボタン30を押下するだけで、2つのラッチ部21a、21bの係合状態を解除することができ、操作性がよい。また、ラッチ解除ボタン30の左右方向に偏った位置が押下された場合でも、両方のラッチ部21a、21bの係合状態を解除することができる。また、一対のラッチ部21a、21b及び支持板23を、合成樹脂により一体的に形成したので、部品点数を減らすことができるとともに、組み立ての手間も軽減できる。
【符号の説明】
【0028】
1 炊飯器本体、2 外蓋、2a ラッチ係止部、3 ヒンジ部、4 蒸気孔、5 蒸気孔カバー、6 操作パネル、7 内釜、7a フランジ、8 内蓋、8a パッキン、10 内蓋保持具、11 水平部、12 折曲部、13 係止突部、20 ラッチ、21a,21b ラッチ部、22a,22b 回動軸、23 支持板、30 ラッチ解除ボタン、31 操作部、32a,32b ラッチ押下突部、100 炊飯器。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
炊飯器本体と、
前記炊飯器本体内に収容され上面が開口した内釜と、
前記炊飯器本体に設けたヒンジ部に後部を枢支されて前記炊飯器本体の上部開口部を覆う外蓋と、
前記外蓋の上面に設けられ、操作入力を行うための操作部と、
前記外蓋の下面に着脱可能に装着されて前記内釜の上部開口部を覆う内蓋と、
前記炊飯器本体に設けられ、前記外蓋の前端部に設けられた係止部に係合するラッチと、
前記炊飯器本体に設けられ、押下されると前記ラッチの係合状態を解除するラッチ解除ボタンと、
前記外蓋の前側ほぼ中央位置において前記内蓋を前記外蓋の下面に保持する内蓋保持具と、を備え、
一対の前記ラッチを、前記内釜保持具を挟んだ左右両側の位置であって、前記外蓋を閉じた状態で前記内釜保持具と前後方向において少なくとも一部が重複する位置に設けた
ことを特徴とする炊飯器。
【請求項2】
前記外蓋を閉じて前記一対のラッチを前記係止部に係合させたときに、前記一対のラッチと前記内蓋保持具とが左右方向にほぼ一直線に並ぶように配置した
ことを特徴とする請求項1記載の炊飯器。
【請求項3】
前記一対のラッチは、下部にて回動可能に軸支された支持板の上部を、二股状に分岐させて構成されており、
前記ラッチ解除ボタンを押下すると、この押圧力を受けて前記支持板が回動し、これに伴って前記一対のラッチの係合状態が解除される
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の炊飯器。
【請求項4】
前記ラッチ解除ボタンは、前記支持板に押圧力を伝える一対の突起部を、左右ほぼ対称の位置に備えた
ことを特徴とする請求項3記載の炊飯器。
【請求項5】
前記一対のラッチ及び前記支持板は、合成樹脂により一体的に形成されている
ことを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の炊飯器。
【請求項1】
炊飯器本体と、
前記炊飯器本体内に収容され上面が開口した内釜と、
前記炊飯器本体に設けたヒンジ部に後部を枢支されて前記炊飯器本体の上部開口部を覆う外蓋と、
前記外蓋の上面に設けられ、操作入力を行うための操作部と、
前記外蓋の下面に着脱可能に装着されて前記内釜の上部開口部を覆う内蓋と、
前記炊飯器本体に設けられ、前記外蓋の前端部に設けられた係止部に係合するラッチと、
前記炊飯器本体に設けられ、押下されると前記ラッチの係合状態を解除するラッチ解除ボタンと、
前記外蓋の前側ほぼ中央位置において前記内蓋を前記外蓋の下面に保持する内蓋保持具と、を備え、
一対の前記ラッチを、前記内釜保持具を挟んだ左右両側の位置であって、前記外蓋を閉じた状態で前記内釜保持具と前後方向において少なくとも一部が重複する位置に設けた
ことを特徴とする炊飯器。
【請求項2】
前記外蓋を閉じて前記一対のラッチを前記係止部に係合させたときに、前記一対のラッチと前記内蓋保持具とが左右方向にほぼ一直線に並ぶように配置した
ことを特徴とする請求項1記載の炊飯器。
【請求項3】
前記一対のラッチは、下部にて回動可能に軸支された支持板の上部を、二股状に分岐させて構成されており、
前記ラッチ解除ボタンを押下すると、この押圧力を受けて前記支持板が回動し、これに伴って前記一対のラッチの係合状態が解除される
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の炊飯器。
【請求項4】
前記ラッチ解除ボタンは、前記支持板に押圧力を伝える一対の突起部を、左右ほぼ対称の位置に備えた
ことを特徴とする請求項3記載の炊飯器。
【請求項5】
前記一対のラッチ及び前記支持板は、合成樹脂により一体的に形成されている
ことを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の炊飯器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【公開番号】特開2012−5736(P2012−5736A)
【公開日】平成24年1月12日(2012.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−145872(P2010−145872)
【出願日】平成22年6月28日(2010.6.28)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【出願人】(000176866)三菱電機ホーム機器株式会社 (1,201)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年1月12日(2012.1.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年6月28日(2010.6.28)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【出願人】(000176866)三菱電機ホーム機器株式会社 (1,201)
【Fターム(参考)】
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