説明

炎症性腸疾患(IBD)治療及び予防に使用するヒアルロン酸混合物

【課題】炎症性腸疾患(IBD)の治療及び予防に使用するヒアルロン酸混合物を提供する。
【解決手段】本発明が提供する炎症性腸疾患(IBD)の治療及び予防に使用するヒアルロン酸混合物は、2種以上のヒアルロン酸から混合され、該2種以上のヒアルロン酸は、異なる重量平均分子量(Mw)を備え、即ち、2種以上のヒアルロン酸は、異なる流体変化を備え、組織構造及び隔絶機能及び溶液中の分解性を兼ね備え、得られるヒアルロン酸混合物が好適な治療効果及び時効性を有し、炎症性腸疾患(例えば、潰瘍性結腸炎、急性腸炎、慢性腸炎、クローン病、過敏性腸症候群又は胃腸の傷口の癒合)の治療及び予防に用い、治療の即効性及び緩効性を兼ね備える作用を達成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、炎症性腸疾患(inflammatory bowel disease,IBD)治療及び予防に使用するヒアルロン酸混合物に関し、特に、2種以上の異なる重量平均分子量(Mw)を有し、異なる流体変化を有するヒアルロン酸を利用し混合してなり、得られるヒアルロン酸混合物は、好適な粘着力、隔絶力、組織構造機能及び治療効果時間を備え、炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎、クローン病(crohn’s disease)を含む)に対する治療及び予防に用い、治療即の効性及び緩効性を兼ね備える作用を達成する。
【背景技術】
【0002】
ヒアルロナン(hyaluronan)は、ヒアルロン酸(hyaluronic acid)、その薬理が受け入れることができる塩(hyaluronate)を概括し、「HA」として略称され、以下、統一してリアルロン酸として記載し、グリコサミノグリカン(glycosaminoglycan)であり、交替するN‐アセチル‐D‐グルコサミン(N−acetyl−D−glucosamine)及びD−グルクロン酸基(glucuronic acid moiety)を含む。

ヒアルロン酸(hyaluronan)の分子式
【0003】
通常、そのナトリウム塩形態で存在するヒアルロン酸巨大分子は、既知となり50年を超える化合物である。先ず、「Meyer and etal[J.Biol.Chem.107,629(1934年)]」が記載するヒアルロン酸は、本質上、交替するβ1−3グルクロン酸及びβ1−4グリコサミン部分を含む高粘度グルコサンであり、その重量平均分子量(Mw)は、50,000ダルトン(Dalton.Da)及び数百万ダルトン(Da)の間に介在する。
【0004】
ヒアルロン酸は、哺乳類動物体の結合組織中に存在するが、そのうち、皮膚、眼のガラス状体、関節液帯及び軟骨組織は、比較的高い含量のヒアルロン酸を含む。
【0005】
ヒアルロン酸水溶液は、粘着弾性流体であり、細胞及びコラーゲン繊維空間の中に充填され、且つ某表皮組織上に被覆する。動物体において、その主要な機能は、細胞を保護し、潤滑することであり、細胞のこの粘着弾性基質上の移動を調節し、コラーゲン網状構造を安定させ、それが機械的破壊を受けることを回避するよう保護する。ヒアルロン酸は、天然性潤滑及び吸震性高分子であるので、腱、腱鞘及び粘膜表面において、潤滑剤とすることができる。また、ヒアルロン酸は、組織流体力学、運動及び細胞の増殖を補助し(Delpech,B.,Girard,N., Bertrand,P.,Courel,M.−N.,Chauzy,C.,Delpech,A.,1997年.Hyaluronan:fundamental principles and applications in cancer.J.Intern.Med.242,41−48,Rooney,P.,Kumar,S.,Ponting,J.,Wang,M.,1995.The role of hyaluronan in tumour neovascularization.Int.J.Cancer 60,632−36,Entwistle J,Hall CL,Turley EA.Receptors:regulators of signaling to the cytoskeleton.J Cell Biochem1996年;61:569−77参照)、細胞表面の受容体相互作用に参加し、特に、受容体−CD44を含む。CD44の発現上昇は、既に広く受け入れられ、リンパ球細胞活性化の標記となっており(Teder P,Vandivier RW,Jiang D,Liang J,Cohn L,Pure E,Henson PM,NoblePW.Resolution of lung inflammation by CD44.Science2002年;296:155−158,Sheehan KM,DeLottLB,DaySM,DeHeer DH,Hyalgan hasa dose−dependent differential effect on macrophage proliferationand cell death.J Orthop Res2003年;21:744−51参照)。
【0006】
ヒアルロン酸は、細胞外基質の組織及び修正により、空間を創造及び補充する能力を有し、軟性組織の充填に広く用いられ、年齢と関連する皮膚老化及び光による皮膚老化を制御することができ、且つ顔部脂肪の代謝障害を矯正することに用いることができ、傷跡又はケロイド増加の発生を防止する。
【0007】
また、ヒアルロン酸は、眼科手術補助剤又は関節炎症患者に膝頭及び関節の活動的痛みを減少させることに用いることができる。
【0008】
近年よりヒアルロン酸は、そのナトリウム塩形態により臨床治療に応用され、主要な範囲は、眼科、皮膚科、外科、動脈治療及び化粧品である。ヒアルロン酸及びアルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン(例えば、マグネシウム)、アルミイオン、アンモニアイオン及びアンモニアイオンの置換を経て形成される塩類は、薬物の吸収を促進するキャリアを補充することができる(ベルギー特許第904,547号参照)。ヒアルロン酸の重金属塩類中、銀塩は、殺菌剤として用いられる。金塩は、慢性関節リウマチの治療に用いることができる(WIPO特許WO87/05517参照)。
【0009】
特に、肢潰瘍、床擦れ等に対し治療作用を有する脱プトロンヒアルロン酸及び周期表第4族金属イオンの複合体(錯合物)、例えば、ヒアルロン酸亜鉛及びコバルト塩は、ポルトガル特許出願第203,372号中に論述され、外界使用により既にその治療効果が実証されている。
【0010】
カナダBioniche会社モラレス等の米国特許第5,888,986号は、効率的濃度のヒアルロン酸を使用し、膀胱炎を治療する方法及び関連構造を開示しており、そのうち、ヒアルロン酸が有する重量平均分子量(Mw)は20万ダルトン(Da)より多い。例において、特定の重量平均分子量(Mw)のヒアルロン酸のみを使用し、例えば、重量平均分子量(Mw)650キロダルトン(kDa)又は1,900キロダルトン(kDa)のヒアルロン酸を採用し、膀胱炎を治療しているが、単一剤量のヒアルロン酸は、治療の即効性及び持久性を兼ね備えることができない。
【0011】
カナダのピーター・レイラ・ロバート・ジョンの米国専利出願第2005/0080037(A1)は、ヒアルロン酸を用いて急性及び過度の捻挫及び応変を治療することを開示しており、そのうち、ヒアルロン酸の重量平均分子量(Mw)は、90万ダルトン(Da)〜120万ダルトン(Da)に介在し、同様に単一剤量のヒアルロン酸は、治療の即効性及び持久性を兼ね備えることができない。
【0012】
2008年4月8日、日本Seikagaku Kogyo株式会社が提示する米国特許第7,354,910号-発明名称「炎症性腸疾患の治療薬剤」(Agent for treating inflammatory bowel diseases)は、重量平均分子量(Mw)の600キロダルトン(kDa)〜1,200キロダルトン(kDa)のヒアルロン酸又はその塩が炎症性腸疾患を治療できることを開示している。そのうち、重量平均分子量(Mw)が60〜120万ダルトン(Da)のヒアルロン酸又はその塩を用い、迅速に蔓延し、炎症性腸疾患を治療する特長を有するが、体内に植入後、分解速度が速く(Thorn−ton MH,Johns DB, Campeau JD,Hoehler F, diZerega GS.Human Reproduction 1998年;13:1480−85.参照)、十分な時間の治療効果を保持することができず、臨床において、患者に対する使用は、不便である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
発明者は、上記の問題及び欠陥に鑑みて、関連資料を収集し、多方面の評価及び考慮を経て、業界に従事する長年の研究開発経験を利用し、絶え間ない試作及び修正を経て、炎症性腸疾患(IBD)利用及び予防に使用するヒアルロン酸の混合物を設計する。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の目的は、2種以上の異なる重量平均分子量(Mw)の薬理許可塩形式のヒアルロン酸の生物活性を利用し、消化性潰瘍を治療することにある。 低重量平均分子量(Mw)のヒアルロン酸(略称LMWHA)及び高重量平均分子量(Mw)のヒアルロン酸(略称HMWHA)は、それぞれ異なる分解率を有し、そのうち、重量平均分子量(Mw)が50万〜150万ダルトン(Da)である低重量平均分子量(Mw)のヒアルロン酸(LMWHA)とし、重量平均分子量(Mw)が150万〜500万ダルトン(Da)である高重量平均分子量(Mw)のヒアルロン酸(HMWHA)であり、低重量辺貴分子量(Mw)のヒアルロン酸(HMWHA)及び高重量平均分子量(Mw)のヒアルロン酸(HMWHA)を具える混合物を達成し、低重量平均分子量(Mw)のヒアルロン酸(LMWHA)の迅速な被覆性を利用し、炎症性腸疾患(例えば、潰瘍性結腸炎、急性腸炎、慢性腸炎、クローン病、過敏性腸症候群又は胃腸の傷口の癒合)を治療する利点を有し、高重量平均分子量(Mw)のヒアルロン酸(HMWHA)が具える持久的分解が長時間の薬効を保持でき、治療の即効性及び緩効性の作用を達成する。
【0015】
本発明が使用する高重量平均分子量(Mw)ヒアルロン酸は、好適には、150万〜350万ダルトン(Da)のヒアルロン酸(HMWHA)であり、最も好適には、200万ダルトン(Da)の高重量平均分子量(Mw)ヒアルロン酸(HMWHA)である。本発明が使用する低重量平均分子量(Mw)ヒアルロン酸(は、好適には、50万〜150万ダルトン(Da)のヒアルロン(LMWHA)であり、最も好適には、100万ダルトン(Da)の低重量平均分子量(Mw)のヒアルロン酸(LMWHA)である。
【0016】
本発明のもう1つの目的は、該低重量平均分子量(Mw)のヒアルロン酸(LMWHA)及び高重量平均分子量(Mw)のヒアルロン酸(HMWHA)のヒアルロン酸混合物は、ステロイド、免疫制御剤又は抗発炎薬品を併用し、治療効果を増加することができるようにすることである。
【0017】
本発明のもう1つの目的は、低重量平均分子量(Mw)のヒアルロン酸(LMWHA)及び高重量平均分子量(Mw)のヒアルロン酸(HMWHA)のヒアルロン酸混合物を主成分とし、一般の製薬プロセスにより製作され、適当な賦形剤を組み合わせ口服錠剤(例えば、腸溶錠)、肛門栓剤(直腸栓剤)又は灌流液(直腸又は結腸灌流液)とすることができる。前記薬品製剤は、一般の製剤技術を使用し完成することができる。
【0018】
本発明のもう1つの目的は、該低重量平均分子量(Mw)のヒアルロン酸(LMWHA)及び高重量平均分子量(Mw)のヒアルロン酸(HMWHA)のヒアルロン酸混合物又はその薬理が受け入れ可能な塩の濃度は、0.5ミリグラム/ミリリットル〜50ミリグラム/ミリリットルであり、好適には、0.5ミリグラム/ミリリットル〜5ミリグラム/ミリリットルであり、但し、液剤形式濃度は、0.05〜0.5%(重量/体積)であることである。
【0019】
本発明の治療又は予防製薬の口服用量は、好適には、毎回10〜1,000ミリグラムであり、より好適には、10〜500ミリグラムである。
【発明の効果】
【0020】
本発明は、2種以上の異なる重量平均分子量(Mw)の藥理許可塩形式のヒアルロン酸から組成されるヒアルロン酸混合物を提供し、低重量平均分子量(Mw)のヒアルロン酸(LMWHA)及び高重量平均分子量(Mw)の透明質(HMWHA)がそれぞれ異なる分解率を有し、低重量平均分子量(Mw)のヒアルロン酸(LMWHA)の迅速に蔓延可能な利点及び高重量平均分子量(Mw)のヒアルロン酸(HMWHA)が具える持久的分解の長時間の薬効の保持により、治療の即効性及び緩効性を兼ね備える作用を達成する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】治療組ラットの結腸道臨床病変及び対照組の臨床病変の平均値を比較した相對回復比率程度(%)
【発明を実施するための形態】
【0022】
上記発明の目的を達成する為、本発明が採用する技術手段及びその効果について、本発明の好適実施例を挙げ、そのステップ及び機能を詳細に説明する。
【0023】
本発明の炎症性腸疾患(IBD)治療及び予防に使用するヒルアロン酸混合物は、2種以上の低重量平均分子量(Mw)を有するヒアルロン酸(LMWHA)及び高重量平均分子量(Mw)を有するヒアルロン酸(HMWHA)のヒアルロン酸が混合してなり、該高重量平均分子量及び低重量平均分子量のヒアルロン酸は、線状(linear HA)、交鎖状(cross linked HA)の少なくとも1つ又はその組み合わせを形成することができ、且つ該2種以上の低重量平均分子量(Mw)及び高重量平均分子量(Mw)のヒアルロン酸を有し、異なる重量平均分子量(Mw)を利用し、異なる流体変化、組織構造及び隔絶機能、及び溶液中の分解性を有し、得られるヒアルロン酸混合物は、好適な粘着力、隔絶力、組織構造機能、炎症性腸疾患(例えば、潰瘍性結腸炎、急性腸炎、慢性腸炎、過敏性腸症候群、クローン病又は胃腸の傷口の癒合)に対する治療及び予防を備え、治療の即効性及び持久的薬効時間を兼ね備える。
【0024】
また、重量平均分子量(Mw)が150万ダルトン(Da)より低いものが低重量平均分子量(Mw)のヒアルロン酸(LMWHA)であり、好適には、低重量平均分子量(Mw)の範囲は、50万〜150万ダルトン(Da)である。また、重量平均分子量(Mw)が150万ダルトン(Da)であるものが、高重量平均分子量(Mw)のヒアルロン酸(HMWHA)であり,高重量平均分子量(Mw)範囲は、150万〜500万ダルトン(Da)であることができ、低重量平均分子量(Mw)のヒアルロン酸及び高重量平均分子量(Mw)のヒアルロン酸の混合物を利用し、低重量平均分子量(Mw)を具えるヒアルロン酸が迅速に蔓延し、炎症性腸疾患の利点を治療することができ、同時に高重量平均分子量(Mw)を具えるヒアルロン酸を介して持久的分解性を有することができ、長時間の薬効を保持することができ、治療の即効性及び緩効性の作用を兼ね備える。
【0025】
本発明が使用する高重量平均分子量(Mw)ヒアルロン酸は、好適には、150万〜350万ダルトン(Da)のヒアルロン酸(HMWHA)であり、最も好適には、200万ダルトン(Da)の高重量平均分子量(Mw)ヒアルロン酸(HMWHA)である。本発明が使用する低重量平均分子量(Mw)ヒアルロン酸は、好適には、50万〜150万ダルトン(Da)のヒアルロン酸(LMWHA)であり、最も好適には、100万ダルトン(Da)の低重量平均分子量(Mw)ヒアルロン酸(LMWHA)である。
【0026】
本発明の好適実施例は、該低重量平均分子量(Mw)のヒアルロン酸(LMWHA)及び高重量平均分子量(Mw)のヒアルロン酸(HMWHA)の混合比率が1:1であることができるが、実際の病状に応じ、20:80〜80:20の範囲内で低重量平均分子量(Mw)のヒアルロン酸(LMWHA)及び高重量平均分子量(Mw)のヒアルロン酸(HMWHA)又はその塩型式の混合比率を調整することができる。比較的高い比率の低重量平均分子量(Mw)ヒアルロン酸を具えるヒアルロン酸混合物は、意に応じて治療時間の即効性を偏重し、比較的高い高重量平均分子量(Mw)ヒアルロン酸を具えるヒアルロン酸混合物,意に応じて分解性持久効果を偏重することを達成する。
【0027】
本発明の他の好適実施例は、該低重量平均分子量(Mw)を具えるヒアルロン酸(LMWHA)及び高重量平均分子量(Mw)を具えるヒアルロン酸(HMWHA)のヒアルロン酸混合物は、ステロイド、免疫制御剤又は抗発炎薬品を併用し、治療を増加することができる。
【0028】
本発明の他の好適実施例は、低重量平均分子量(Mw)のヒアルロン酸(LMWHA)及び高重量平均分子量(Mw)のヒアルロン酸(HMWHA)のヒアルロン酸混合物を主成分とし、一般の製薬プロセスで製作され、適切な賦形剤を組み合わせ口服錠剤(例えば、腸溶錠)、肛門栓剤(直腸栓剤)又は灌流液(直腸又は結腸灌流液)とすることができる。この賦形剤は、これに限定するものではないが、ゼラチン(gelatin)、コラーゲン(collagen)、コンドロインチン(chondroitin)、カルボポール(carbopol)、寒天(Agar)、繊維素グリコール酸(CMC)、燐酸緩衝食塩水(phosphate buffer solution,PBS)を含む。
【0029】
本発明の薬の供給経路が口服[例えば、口服腸溶錠(enteric coating tablet)]による時、腸溶錠を介し胃の中で比較的強酸により溶解及び消化されず、腸の部位が徐々に溶解し、上記ヒアルロン酸混合物を放出し、発炎した結腸(例えば、およそ上昇(結腸)及び横結腸の位置)に保護膜を形成し、発炎部位の癒合の加速を達成し、治療の緩効性の作用を兼ね備える。
【0030】
本発明の薬の供給経路が肛門栓剤(suppository)による時、肛門栓を経由して上記ヒアルロン酸混合物を塞入し、上記ヒアルロン酸混合物が直腸位置で溶解した後、その他の結腸位置(例えば、およそ下降結腸位置)に拡散し、発炎した結腸に保護膜を形成し、発炎部位の癒合の加速を達成し、治療の緩効性の作用を兼ね備える。
【0031】
本発明の薬の供給経路が灌流液[例えば、結腸灌流液(enema)]による時、上記ヒアルロン酸混合物を主成分とし、適切な賦形剤を組み合わせ、この賦形剤は、これに限るものではないが、ゼラチン(gelatin)、コラーゲン(collagen)、コンドロイチン(chondroitin)、カルボポール(carbopol)、寒天(Agar)、繊維素グリコール酸(CMC)、燐酸緩衝食塩水(phosphate buffer solution,PBS)のうちの1つを含むか、又は上記の相互の結合が形成する組合物であるか、澱粉を含む懸濁液であり、直接又は補助軟性管を介して、上記ヒアルロン酸混合物の組合液を結腸位置に灌入し、その他の結腸位置(例えば、およそ下降結腸位置)に拡散し、発炎した結腸に保護膜を形成し、発炎部の癒合を加速し、治療の緩効性の作用を兼ね備える。
【0032】
上記該低重量平均分子量(Mw)のヒアルロン酸(LMWHA)及び高重量平均分子量(Mw)のヒアルロン酸(HMWHA)のヒアルロン酸混合物又はその薬理が受け入れ可能な塩の好適な濃度は、0.5ミリグラム/ミリリットルミリリットル〜5ミリグラム/ミリリットルであり、液剤形式では、好適には0.05〜0.5%(重量/体積)であり、その薬理は、受け入れ可能な濃度が0.5ミリグラム/ミリリットル〜50ミリグラム/ミリリットルであり、好適な濃度は、0.5ミリグラム/ミリリットル〜5ミリグラム/ミリリットルである。液剤形式では0.05〜5%(重量/体積)であり、液剤形式では、好適には、0.05〜0.5%(重量/体積)である。また、口服時(例えば、調配した腸溶錠)、本発明の治療又は予防薬剤の用量は、好適には、毎回、10〜500ミリグラムであり、薬学許可塩形式のヒアルロン酸は、例えば、ヒアルロン酸ナトリウム及びヒアルロン酸亜鉛等である。
【0033】
また、本発明の低重量平均分子量(Mw)のヒアルロン酸(LMWHA)及び高重量平均分子量(Mw)のヒアルロン酸(HMWHA)のヒアルロン酸混合物は、ステロイド、免疫制御剤又は抗発炎薬品を併用し、治療効果を増加することができる。
【0034】
本発明ヒアルロン酸混合物の効果を照明する。この動物実験は、台湾動物科学研究所に委託して行なう動物実験であり、その実験報告結果は、以下の通りである。
【0035】
効果実施例1:
1−1:概要
本試験は、発炎性腸炎動物モードを利用し、サンプルIBD98の動物体での効果を評価し、予防組ラットは、先ず肛門を経てIBD98を投与した後、トリニトロベンゼンスルホン酸(TNBS)を投与し腸炎病変を誘発し、その後、連続3日肛門を経由してサンプルIBD98を与え、対照組は、TNBSを投与し、腸炎病変を誘発するだけであり、3日観察し、全てのラットにTNBSを投与した後、第4日目の犧牲により臨床病変を検視し、薬を与える前と犠牲時の血液を採集し、発炎指標を検測する。結果は、予防組及び対照組の結腸発炎範囲平均値がそれぞれ3.9cm及び4.3cmであり、両者間に顕著な差異を有していない。予防組及び対照組のラットの薬を与える前と犠牲時のTNF−α(Tumor NecrosisFactor−alfa)及びIL−1β(Interleukin−1β)濃度は、何れも顕著な差異を有し、ラットは、確実に発炎が発生する現象を誘発される。犠牲時のTNF−α濃度は、予防組ラットが対照組ラットより明らかに低く、顕著な差異を有するが、IL−1β濃度は、顕著な差異を有していない。本試験は、このモードが動物の腸炎の病変を誘発することができ、臨床病変は、明らかな差異がないことを確認するので、IBD98サンプルの投与の回復状況によりサンプル効果を評価することができる。実験結果は、TNF−αは、予防組及び対照組の間に顕著な差異を有し、このように、サンプルIBD98のIBDの予防に対して発炎反応を低減する効果を確実に有することを推論することができる。
【0036】
1−2:試験工程
A.試験目的:
TNBSを利用し、ラットの発炎性腸炎を誘発し、IBD98がラットの発炎性腸炎を治療又は予防するか、発炎を低減する効果を有するか否かを評価する。
【0037】
B.試験物質:
IBD98は、禾伸堂生技股▲ふん▼有限公司により提供される。このIBD98は、高重量平均分子量及び低重量平均分子量を有するヒアルロン酸を含み、そのうち、ヒアルロン酸の高重量平均分子量が200万ダルトンであり、ヒアルロン酸の低重量平均分子量が100万ダルトンであり、その混合比率は、1:1であり、PBS溶液に0.5%濃度まで分解する。
【0038】
C.試験方法:
1.実験動物:
30頭の8週齢のSPFレベルのスプラーグドーリー(Sprague−Dawley)雄性ラットを選出し、2組に分け、毎組15頭ラットとし、2頭ごとに一籠で台湾動物科技研究所齧歯類動物室において飼育する。
【0039】
2.動物試験:
予防組のラットは、試験前、先ず24時間以上禁食し、試験第1日目、ラットを麻酔した後、肛門を経由し1ミリリットルのIBD−98を投与し、1時間後、更に、肛門から1ミリリットルのTNBS(50mg/mL)を投与し、第2日目〜第4日目は、毎日、肛門から1ミリリットルのIBD98を投与し、第5日目、全てのラットを犠牲にし、直腸部位を取り、臨床病変を観察する。
【0040】
対照組のラットは、試験前、先ず24時間以上禁食し、試験第1日目、ラットを麻酔した後、肛門を経由し1ミリリットルのTNBS(50mg/mL)を投与し、第2日目〜第4日目は、毎日、肛門から1ミリリットルのPBSを投与し、第5日目に全てのラットを犠牲にし、直腸部位を取り、臨床病変を観察する。
【0041】
3.発炎指標の検測:
予防組及び対照組のラットは、第1日目の試験前に尾の静脈から採血し、第5日目に犧牲時の心臓から採血し、離心後に血清を収集し、それぞれ酵素結合免疫吸着法(ELISA)により血清中のTNF−α及びIL−1βの変化を検測する。
【0042】
1−3:試験データ
表1.予防組及び対照組のラットの結直腸臨床病変


【0043】
表2.予防組及び腸炎誘発組(対照組)の薬投与前(D1)及び薬投与4日後(D5)


**:予防組ラットD5及びD1の血清中のTNF−αの濃度は、極めて顕著な差異(P<0.01)を有し、腸炎誘発組も同じ(P<0.01)である。
*:予防組ラットD5及びD1の血清中のIL−1βの濃度は、顕著な差異(P<0.05)を有し、腸炎誘発組も同じ(P<0.05)である。
#:予防組及び対照組D5のTNF−αの濃度は、顕著な差異(P<0.05)を有する。
【0044】
1−4:試験結果
今回、30頭のラットに試験を行い、予防組と対照組の2組に分け、毎組15頭のラットとし、試験前、ラットを24時間以上禁食させ、薬を投与前に浣腸剤で排便させ、第1日目(D1)、対照組1mLのTNBSを投与し、その後、連続3日(D2−D4)PBSを投与する。予防組は、第1日目(D1)に先ず1mLのTNBSを投与後1時間で1mLのIBD98を投与し、その後、連続3日(D2−D4)、IBD98を投与する。2組は、第2日目D5まで行い、ラットを犧牲にし、腸道病変及び発炎範囲を解剖検視する。試験途中で死亡したラットは、計算に入れず、試験終了時、予防組は、13頭、対照組は、12頭のラットが分析可能であった。予防組及び対照組の発炎範囲の平均値は、それぞれ3.9センチメートル及び4.3センチメートルであるが、明らかな差異を有していない(表1参照)。
【0045】
発炎指標のTNF−α平均濃度(pg/mL)は、試験前(D1)及び犧牲時(D5)において、予防組は、21.3から759.3に上昇し、対照組は、12.3から1349.6に上昇し、2組のTNF−α平均濃度の上昇状況は、何れも顕著な差異(P<0.01)を有する。IL−1β平均濃度(pg/mL)は、試験前(D1)及び犧牲時(D5)において、予防組が3.3から275.8に上昇し、対照組が14.1から469.4に上昇し、2組のIL−1β平均濃度の上昇状況も顕著な差異(P<0.05)を有する。TNBS誘発の下、本試験のラットは、確実に発炎反応が出現することが示される。2組を連続処理し3日後(D5)の発炎指標を比較し、TNF−α平均濃度は、予防組が759.3であり、対照組が1349.6であり、2組の間に顕著な差異(P<0.05)を有し、即ち、予防組のラットの血清中のTNF−α平均濃度は、対照組より明らかに低く、IBD98の処理後のラットは、発炎状況が未処理のものと比べて低くなっている(表2参照)。
【0046】
1−5.結論
対照組が腸道発炎を誘発後、薬物治療を使用せず、予防組は、TNBSを使用する前に先ず、IBD98により処理し、その後、連続3日治療し、対照組及び予防組の発炎指標TNF−α及びIL−1β濃度は、何れも明らかに上昇し、ラットが炎症反応を誘発されていることを確認している。予防組のTNF−α濃度は、対照組より明らかに低く、IBD98処理を使用したラットの発炎性腸炎は、確かに発炎反応を低減する效果を有することが示される。
【0047】
効果実施例2:
2−1:概要
本試験は、発炎性腸炎動物モードを利用し、サンプルIBD98の動物体での効果を評価し、実験用ラットは、先ず、トリニトロベンゼンスルホン酸(TNBS)を肛門から投与し、腸炎病変を誘発し、3日後に肛門からそれぞれサンプルIBD98(治療組)及び燐酸緩衝生理食塩水(PBS)(対照組)を投与し、連続7日処理し、ラットを犠牲にし、臨床病変を検視し、結果は、治療組のサンプルIBD98を投与したラットの結腸発炎範囲が平均約1.25センチメートルであり、対照組の燐酸緩衝生理食塩水を投与したラットの結腸発炎範囲が平均約1.875センチメートルであり、治療組及び対照組を比較した相對回復程度が33%であり、IBD98を使用し処理したラットの発炎性腸炎(IBD)が腸道組織回復を促進する趨勢を有することが示される。
【0048】
2−2:試験プログラム
A.試験目的:
TNBSを利用し、ラットの発炎性腸炎を誘発し、IBD98がラット発炎性腸炎の治療又は予防又は発炎を低下する效果を有するか否かを確認する。
【0049】
B.試験物質:
IBD98は、禾伸堂生技股▲ふん▼有限公司により提供される。高平均重量分子量及び低平均重量分子量のヒアルロン酸は、そのうち、ヒアルロン酸の高重量平均分子量が200万ダルトンであり、ヒアルロン酸の低重量平均分子量が100万ダルトンであり、その混合比率が7:3であり、燐酸緩衝生理食塩水に0.5%の濃度まで溶解する。
【0050】
C.試験方法
1.実験動物:
36頭の8週齢のSPFレベルのSprague−Dawley雄性ラットを選出し、2組に分け、毎組18頭ラットとし、2頭ごとに一籠で台湾動物科技研究所齧歯類動物室において飼育する。
【0051】
2.動物試験:
ラットは、動物試験前に先ず、24時間以上禁食させ、動物試験第1日目、ラットを麻酔した後、肛門から1ミリリットルのトリニトロベンゼンスルホン酸(TNBS,50mg/mL)を投与し、3日間観察し、第3日目に依然として軟便及び水樣便であるラットを選出し、後続試験を進行する。
【0052】
治療組の動物試験は、第4日目〜第10日目、麻酔後に1ミリリットルのIBD98(5mg/mL)を投与する。対照組の動物試験は、第4日目〜第10日目、麻酔後に1ミリリットルPBSを投与し、全てのラットを動物試験の第11日目に犧牲にし、直腸部位を取り、臨床病変を観察する。
【0053】
2−3:試験データ
表3.対照組ラットの腸道臨床病変


【0054】
表4.治療組ラットの腸道臨床病変及び相對回復比率


* 相對回復比率(%)=(治療組ラットの腸道発炎範囲−対照組ラットの発炎範囲の平均値)/対照組ラットの発炎範囲の平均値
【0055】
2−4:試験結果
今回は、36頭のラットに試験を行い、治療組及び対照組の2組に分け、毎組18頭ラットとし、試験前、ラットは、24時間以上禁食させ、薬を投与する前、先ず浣腸剤で排便させ、TNBSを投与し、その後、3日間観察し、観察期間に2頭のラットが志望し、5頭のラットに腸道病変を確認し、排便が正常なラットを排除し、第4日目に依然として軟便及び水様便が出現したラットを選択し、治療組(10頭ラット)は、連続7日(第4日−第10日)肛門からIBD98を投与する。対照組(7頭ラット)は、連続7日PBSを投与し、試験期間に治療組及び対照組は、それぞれ1頭が死亡し、試験第11日目に全てのラットを犠牲にし、腸道病変及び発炎範囲を解剖検視する。
【0056】
対照組は、1頭のラットが病変無しであり、3頭のラットに約0.3−1センチメートルの局部発炎及び1級病変が出現し、2頭のラットに2−2.5センチメートルの局部発炎及び2級病変が出現した(表3参照)。治療組のラットは、7頭に約0.3−1.5センチメートルの局部発炎及び1級病変が出現し、2頭のラットに約2センチメートルの発炎及び2級病変が出現した(表4参照)。統計後に、対照組のラットの腸道発炎範囲の平均が約1.875センチメートルであり、治療組の腸道発炎範囲の平均が1.25センチメートルであり、治療組のラット及び対照組のラットの相對癒合程度が33%であることが分かる(表4、図1参照)。
【0057】
上記のように、本発明は、2種以上の異なる重量平均分子量(Mw)の藥理許可塩形式のヒアルロン酸から組成されるヒアルロン酸混合物を提供し、低重量平均分子量(Mw)のヒアルロン酸(LMWHA)及び高重量平均分子量(Mw)の透明質(HMWHA)がそれぞれ異なる分解率を有し、低重量平均分子量(Mw)のヒアルロン酸(LMWHA)の迅速に蔓延可能な利点及び高重量平均分子量(Mw)のヒアルロン酸(HMWHA)が具える持久的分解の長時間の薬効の保持により、治療の即効性及び緩効性を兼ね備える作用を達成するが、上記は、本発明の好適実施例を開示するだけであり、これらは決して本発明に限定するものではなく、当該技術を熟知する者なら誰でも、本発明の精神と領域を脱しない均等の範囲内で各種の変動や潤色を加えることができることは勿論である。
【0058】
本発明の上記の炎症性腸疾患(IBD)の治療及び予防に使用するヒアルロン酸混合物は、その効果及び目的を確実に達成することができ、よって、本発明は、実用性に優れた発明である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
2種以上の低重量平均分子量(Mw)を具えるヒアルロン酸(LMWHA)及び高重量平均分子量(Mw)を具えるヒアルロン酸(HMWHA)から形成されるヒアルロン酸混合物を含み、そのうち、該低重量平均分子量(Mw)のヒアルロン酸(LMWHA)の重量平均分子量(Mw)が50万〜150万ダルトン(Da)であり、該高重量平均分子量(Mw)のヒアルロン酸(HMWHA)の重量平均分子量(Mw)が150万〜500万ダルトン(Da)であり、且つ低重量平均分子量(Mw)のヒアルロン酸(LMWHA)及び高重量平均分子量(Mw)のヒアルロン酸(HMWHA)の混合比率が20:80〜80:20であることができる炎症性腸疾患(IBD)の治療及び予防に使用するヒアルロン酸混合物。
【請求項2】
前記高重量平均分子量(Mw)のヒアルロン酸(HMWHA)は、好適には、150万〜350万ダルトン(Da)の高重量平均分子量(Mw)のヒアルロン酸(HMWHA)である請求項1に記載の炎症性腸疾患(IBD)の治療及び予防に使用するヒアルロン酸混合物。
【請求項3】
前記高重量平均分子量(Mw)のヒアルロン酸(HMWHA)は、最も好適には、200万ダルトン(Da)の高重量平均分子量(Mw)のヒアルロン酸(HMWHA)である請求項1に記載の炎症性腸疾患(IBD)の治療及び予防に使用するヒアルロン酸混合物。
【請求項4】
前記低重量平均分子量(Mw)のヒアルロン酸(LMWHA)は、最も好適には、100万ダルトン(Da)の低重量平均分子量(Mw)のヒアルロン酸(LMWHA)である請求項1に記載の炎症性腸疾患(IBD)の治療及び予防に使用するヒアルロン酸混合物。
【請求項5】
前記低重量平均分子量(Mw)のヒアルロン酸(LMWHA)及び高重量平均分子量(Mw)のヒアルロン酸(HMWHA)の混合比率が1:1である請求項1に記載の炎症性腸疾患(IBD)の治療及び予防に使用するヒアルロン酸混合物。
【請求項6】
前記ヒアルロン酸混合物の濃度が0.5ミリグラム/ミリリットル〜50ミリグラム/ミリリットルである請求項1に記載の炎症性腸疾患(IBD)の治療及び予防に使用するヒアルロン酸混合物。
【請求項7】
前記ヒアルロン酸混合物の濃度が0.5ミリグラム/ミリリットル〜5ミリグラム/ミリリットルであることが好適である請求項1に記載の炎症性腸疾患(IBD)の治療及び予防に使用するヒアルロン酸混合物。
【請求項8】
前記ヒアルロン酸混合物が適切な賦形剤を組み合わせ、口服錠剤に調剤することができる請求項1に記載の炎症性腸疾患(IBD)の治療及び予防に使用するヒアルロン酸混合物。
【請求項9】
前記ヒアルロン酸混合物は、適切な賦形剤を組み合わせ、肛門栓剤(直腸栓剤)又は灌流剤に調剤することができる請求項1に記載の炎症性腸疾患(IBD)の治療及び予防に使用するヒアルロン酸混合物。
【請求項10】
ステロイド、免疫制御剤又は抗発炎薬品を更に併用することができる請求項9に記載の炎症性腸疾患(IBD)の治療及び予防に使用するヒアルロン酸混合物。
【請求項11】
前記ヒアルロン酸混合物は、潰瘍性結腸炎、急性腸炎、慢性腸炎、過敏性腸症候群(IBS)又はクローン病を治療及び予防する薬品を製造する用途とすることができる請求項1に記載の炎症性腸疾患(IBD)の治療及び予防に使用するヒアルロン酸混合物。
【請求項12】
胃腸の傷口の癒合の薬品を製造する用途とする請求項1に記載の炎症性腸疾患(IBD)の治療及び予防に使用するヒアルロン酸混合物。

【図1】
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【公開番号】特開2011−37853(P2011−37853A)
【公開日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−179123(P2010−179123)
【出願日】平成22年8月10日(2010.8.10)
【出願人】(510215514)禾伸堂生技股▲ふん▼有限公司 (2)
【Fターム(参考)】