説明

炭化水素を含有する製品を処理する方法及び装置

【課題】熱分解により炭化水素を含有する製品を処理するための古タイヤ及び/又は類似のゴム製品を処理するための方法及び装置を提供する。
【解決手段】仕込みが行われた反応器2を加熱炉内に配置する;第一ステージで、反応器を80から120℃に加熱し、20分間保持し、並行して進行する第二ステージで、反応器に窒素を吹き込む;次の工程段階で、1から2時間かけて反応器内の温度を360から420℃に再び昇温させる;次の段階で、処理温度を480℃に、かつ最高600℃まで10から60分で昇温させる;熱分解後、熱分解ガスを反応器から取り出して、冷却する、この間に反応器の底部に堆積した炭素を吸引除去し、かつ金属成分を反応器から回収する。反応器の底部18は凹形状であり、蓋17は案内突出部28を備え、この突出部は蓋収容部22に密閉状に係合され、かつリフレクター30及びエッジリフレクター31が蓋の内側に形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱分解により、炭化水素を含有する製品を処理する方法及び装置、特に古タイヤ及び/又は類似のゴム製品、並びにプラスチックなどを処理する方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
炭化水素を含有する製品を処理する熱分解的方法及びシステム、並びに装置は、一般的に知られている。これらは、屑、材料及び廃棄製品から得られる再利用可能な材料を作成するために使用できる。
【0003】
例えば、流動層反応器が知られており、熱分解流動炉、即ち流動層炉であり、この反応器内で、熱分解材料は、完全な断片又は粉砕された形状のいずれかで熱分解される。
【0004】
流動層反応器は、DE2658371C2、及びDE3545954A1から知られており、これらの特許明細書中では、出発物質が上部から炉内に導入され、熱分解される。一方で、ガス状物質が頂上部に向けて汲み上げられ、かつ固体物質が底部に向けて放出される。
【0005】
これらの装置の構造は比較的複雑であり、かつ砂/セメントクリンカー床を使用し、流動ガスが相応して放射状に導入されるので、場合によっては、流動床で適切な流動条件を維持することが問題になり、かつこの流動床は、導入される材料本体により容易に平衡状態がくずれる可能性がある。
【0006】
熱分解材料が完全な断片又は粉砕された形状のいずれかで熱分解される熱分解流動炉、即ち流動層炉は、例えばDE4447357A1、及びDE2925202A1に記載されている。
【0007】
これらの流動炉の欠点は、きわめて複雑な構造をもっており、それぞれの場合、材料の特別な種類及び/又はサイズに対して設計されており、異なる種類の材料のために容易に改造できないことである。
【0008】
炭化水素を含有する廃棄製品、特に古タイヤを熱分解する方法及び装置は、DE19834596C1から知られるようになり、この特許明細書では、熱分解される材料が、熱分解炉に導入され、500℃で熱分解される。この関係では、処理される古タイヤが、収容装置を経由して、完全な断片で熱分解炉に導入され、これによって、この装置が、同時に炉を確実に封鎖すると推測される。
【0009】
この方法では、ひとたび予定された熱分解温度に到達したならば、処理される出発材料が直ちに炉から除去され、かつ金属のような異物が取り除かれる。
【0010】
実際に意図したこの処理法、熱分解法の利用が中断されるならば、廃熱の一部が未利用のままとなり、更なる利用に進まないので、熱分解に不利な影響を与え、エネルギーの観点からは筋が通っていない。
【0011】
炭化水素を含有する製品の熱分解法の別法は、DE10309530A1から知られており、この方法は、炭化水素を含有する製品、例えば古タイヤを特定の温度、約600℃までの温度で、漸次に、出発材料の関数として決められる滞留時間で熱分解する工業的方法に関係すると推測される。このようにして、熱分解工程が完了するが、広く用いられる高温度が、他の含有物質に悪影響を与える理由から、この方法が工業的用途に適さないことは、事実である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
このような背景から、本発明の課題は、炭化水素を含有する製品、特に古タイヤ及び/又は類似のゴム製品を熱分解により処理する方法、その方法により、使用済み製品を工業的規模で処理することが可能となり、かつ反応生成物を有効利用に回わすことができる方法を開発することである。また、同時に、本発明の課題は、この方法を実施するための装置を開発することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明に従えば、この課題は、特許請求の範囲1などの特徴で達成される。特定の実施形態及び有利な解決策は、従属の特許請求の範囲に示される。
【0014】
種々の工業的プロセスで、これらのプロセスに対して有効な、質的に同等な二次製品を作ることが技術的に可能性であるならば、新規な、再生不可能な原材料を続けて廃棄することが、現時点で適切でないという事実を認識して、一方では、本発明に従って、古い製品を処理するために、かつ古い製品に固有の材料、熱分解油、炭素、古タイヤに封入された鋼鉄などを回収するために、かつこれらの回収された再利用可能な材料を再利用に回すために、炭化水素を含有する古い材料、例えば古タイヤから、効率的に分離する工業的方法及び装置が開発されるべきである。
【0015】
炭化水素を含有する製品を処理するために提供された方法は、閉鎖系として、無加圧、低温度領域で正常に機能する熱分解法であり、閉鎖系である故に、環境への汚染物質の放出が防がれる。
【0016】
開発された方法は、炭化水素を含有し、かつ処理される廃棄製品、投入物、が反応器に収容され、この反応器が加熱炉内に配置された後に、窒素が反応器内部に導入され、温度カーブが80から120℃の範囲で作動して酸素を除去するように熱分解工程が起こり、この工程が約20分のタイムスパンで実施されることを特徴とする。
【0017】
続いて、反応器内の温度が360から420℃の範囲になり、この状態が1から2時間維持されるように、加熱炉内の温度を上昇させる。
【0018】
その後に、10から60分間の、480から600℃への短時間の工程温度の上昇が起こり、反応器内で熱分解工程が完了し、反応器に滞留する恐れがある望ましくない廃棄物は発生しない。熱分解工程で得られた処理ガスは反応器から出て、緩和器を備えた冷却器に送られる。
【0019】
次の作業段階は、一つには、得られた熱分解ガスの処理に関係し、次には、反応器内に生成した炭素の回収及び処理に関する。
【0020】
冷却器に導入された処理ガスは、冷却され、緩和される。凝縮の結果として、熱分解油が得られ、この熱分解油が次の作業工程で蒸留、遠心分離、又はろ過により分離される。得られた熱分解油の更なる利用に応じて、熱分解油を主タンクに送り中間的に貯蔵して、続いて品質管理することができる。次に、熱分解油を更に利用するために、このタンクから送出することができる。
【0021】
並行して起きる別の作業工程は、反応器を冷却制御した後に、反応器を加熱炉から取り出し、開放するように進み、反応器の中にある廃棄製品を、廃棄製品、ここでは古タイヤ用の収容装置とともに除去することができる。
【0022】
次に、好ましい実施形態では、反応器の内容物を吸引することにより、反応器を空にする。続いて、炭素の冷却、並びに炭素及び金属残留物の分離を行ない、二つの廃棄製品残留物を分けて貯蔵して、更なる利用に回すことができる。
【0023】
この関係で、脱臭をする必要がある場合には、炭素に固有の悪臭原因成分を除くことが特に好都合である。
【0024】
炭化水素を含有する廃棄製品を処理する方法を実施するために、本発明に従う装置は、全体的に、そこで熱分解処理が起こり、かつ処理を行うために加熱炉内に移動させ、即ち加熱炉内に入れられた反応器を特徴とするもので、その際に反応器又は加熱炉に配置された反応器に、処理される製品、ここでは古タイヤが仕込まれる。
【0025】
本発明に従う装置、反応器は、非常に簡単な構造であることから、現存するシステムで使用するために適しているが、そのための必要条件は、加熱炉が、一個以上の本発明の反応器を収容するために適した設計構造になっていることである。言うまでもなく、この関係では、加熱炉は、熱分解を行うため為の必要条件を満たすような技術的に適切な設備を備えていなければならない。
【0026】
この装置に関係して、本発明の必須要件は、この装置が熱分解反応器の形態で機能モジュールとして構成されること、この反応器が密閉可能な蓋を備えた容器から成ること、この容器が特別に構成された底部を有すること、及び反応器に設けられたリフレクターが蓋の内側に配置されていることである。
【0027】
これに関係して、反応器が、供給及び排出ラインを接続できる相応する接続部を備え、これらのラインは、加熱炉を通過して、加熱炉の外側に位置し、即ち加熱炉と接続可能な、下流の機能性装置に接続できることが、本発明の一部である。
【0028】
したがって、この反応器は、その下部領域に、窒素供給ラインのための接続部を備えている。反応器の蓋の上には、ガスライン管が接続される接続要素が設けられ、管内に弁が設けられ、ガスライン管が接続要素への移動経路となり、それにより冷却及び緩和モジュールへの接続が行われる。
【0029】
蓋の内側に設けされたリフレクターに加えて、反応器の蓋の内部にエッジリフレクターが配置され、このエッジリフレクターは、蓋の上に配置されたリフレクターの形状に、可能な限り広範囲に、対応する特殊な形状に作られることが、更に本発明の一部である。
【0030】
本発明は、代表的な実施形態を用いて、以下に、より詳細に説明されるであろう。
【0031】
図1は、必須の作業順序及び関連したシステムの役割を説明するための略系統図である。
【0032】
図2は、反応器の基礎的線図である。
【0033】
図3及び4は、反応器の追加的実施形態の変形である。
【0034】
図5及び6は、当てがわれたリフレクター及びエッジリフレクターを設けた種々の反応器の蓋の構成である。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】必須の作業順序及び関連システムの役割を示した略系統図である。
【図2】反応器の基礎的構成を説明する線図である。
【図3】反応器の異なる実施形態を示した説明図である。
【図4】反応器の異なる実施形態を示した説明図である。
【図5】反応器の蓋の種々の構成を示した説明図である。
【図6】反応器の蓋の種々の構成を示した説明図である。
【実施例】
【0036】
図1に従う略系統図は、例に古タイヤを用いた、炭化水素を含有する製品を処理する本発明に係る作業順序を、関連したシステム構成要素とともに示す。タイヤは、反応器2に導入される前に、予め貯蔵され、収容装置3に収納される。次に、それぞれの場合、この装置によって、処理される古タイヤが、反応器2に導入される。この古タイヤは、古タイヤが送られた形状で、反応器2に入る。これは、古タイヤが、リム付き及びリム無しの両方の形状で、反応器2に収納されてもよく、このことが工程手順に悪影響を与えないことを意味する。ひとたび、反応器2が、古タイヤで満たされたならば、反応器2はエアータイトに密閉され、加熱炉1内に配置されて、システムのその他の機能性モジュールに必要な接続がなされる。加熱炉1が密閉され、温度が上昇させられる。この段階で、反応器2の加熱が開始され、80から120℃の温度カーブ行程で約20分間行われ、反応器内にあった水分が除かれる。また、この段階で、窒素が、反応器2の低部領域から反応器2の内部に吹き込まれて、内部にある酸素を排除する。
次の工程段階で、加熱炉1が360から420℃の範囲の温度に上げられ、これにより反応器2の温度をこれらの値に上昇させ、1から2時間この温度を維持する。この後に、短時間で480から600℃の温度に上昇させられ、この温度範囲が、約10から60分間維持されて、熱分解を完全に進行させる。
【0037】
熱分解工程で放出された熱分解ガスは、排ガスラインを経て冷却及び緩和モジュール4に通され、ここで熱分解油を生成する凝縮が起きる。
【0038】
次の作業段階では、分離器6で、蒸留、遠心分離、又はろ過により、熱分解油の分離が起きる。
【0039】
熱分解油は、中間的貯蔵のために形成されたデイタンク(day tank)6を経て、それに続く品質管理装置7に運ばれ、次に主タンク8に運ばれ、搬送ラインを経て、必要に応じて送出場所9に通すことができる。
【0040】
蒸留により、熱分解油の分離が起きる場合は、熱分解油がそれぞれデイタンク6又は主タンク8に移動する前に、熱分解油が冷却される。
【0041】
熱分解時に得られたその他の再利用可能な材料を、反応器2から移送又は排出する手段は、それぞれの場合、反応器2が加熱炉1から取り出され、反応器2の蓋17が開放され、炭素、金属残留物及びスチールワイヤなどのそこに含有された再利用可能な材料が、移送され、取り出されるような方法で行われる。
【0042】
図1に従った概系統図において、これらの工程段階は、排出場所として示されたシステムモジュール10で行われる。このモジュールでは、同時に、除去される再利用可能な材料の冷却が行われ、次に、材料は、分離装置11に送られて、炭素及び金属成分の分離が行われる。
【0043】
金属残留物は、貯蔵及び送出場所15に送られ、一方、炭素は、仕分け場所13を経て包装場所14を通り、続いて貯蔵及び送出場所16に至る。
【0044】
好都合な実施形態では、分離装置11と仕分け場所13の間に脱臭装置12が設けられ、炭素に付着した悪臭原因成分が摘出される。
【0045】
図2では、基本線図を用いて、反応器2の構成及び構造を説明する。反応器2は、凹形状に構成された底部18を有する円形基本容器からなり、その上部領域に、蓋収容部22を設けて構成されている。この蓋収容部には、反応器2をエアータイトに封鎖する密閉システムが設けられ、反応器2が蓋17により閉じられた時に効果を発揮する。
【0046】
この蓋17の内側には、案内突出部28を設けている。この案内突出部28は、蓋17と反応器2の間の嵌め合い接続を確実にする。更に、蓋17には、中央開口部及び接続要素24を設け、ここにガス排出管25を当てがう。
【0047】
更に、補強棒23が、蓋17の上部領域に設けられ、この補強棒によって、反応器2に対して、蓋17の脱着を行うことができる。この作業は、適切な昇降手段により行われる。
【0048】
反応器は、支持脚19を備えており、好ましくは3本の支持脚19が選択され、これにより反応器2が安定して据え付けられる。更に、このようにして行われた加熱炉1内の据付面と反応器2の間の地上高が、以下に一層詳しく説明するように、工程管理に好ましい影響を与える。
【0049】
反応器2を輸送するために、かつ反応器2を加熱炉1に配置するため、及び加熱炉1から除くために、反応器の外円周に保持具21が設けられ、ここに巻上機の相当する付属部品を取り付けることができる。
【0050】
反応器2の底部領域で、底部18の上に、1個以上の供給ライン接続部が設けられ、これを経て窒素が反応器2の内部に送られる。これらの供給ライン接続部20に弁が設けられ、一つには、反応器2に汚染物質が侵入することを防ぎ、他方で、反応器2から内容物質が逃げることを防ぐならば、好都合である。
【0051】
ガス排出ライン25もまた弁26を備えており、開閉可能であって、工程管理を行うために使用できる。ここでは熱分解ガスの出口を開閉する。
【0052】
ガス排出ライン25の接続要素27は、次の冷却及び緩和モジュール4に正確に接続するように働く。
【0053】
この案内突出部28に加えて、別の機能構成部品が蓋17の内側に設けられることは、図2に関する説明から明らかである。この構成部品は、特に形成されたリフレクターであり、保持具29により蓋17に固定されている。
【0054】
リフレクター30は、図5及び6に特に示したように、平面、凹面、円錐形、角錐形、又は類似の形状に構成することができる。
【0055】
リフレクター30の配置及びその特別な設計構造は、反応器2内で起きる熱分解工程にプラスの効果をもたらす。その理由は、案内突出部28及び関連するリフレクター30を備えた、本発明に従って構成された蓋17が、広範な意味で、反応器2内の工程管理にプラスの効果をもたらす反応容器蓋を表すからである。具体的には、この蓋17は、反応器2の堅固な真空状に封閉された状態、及び処理される材料の反応器2内での良好な循環をもたらし、これにより熱分解材料の特に均一な処理が達成される。
【0056】
このように、熱分解材料の浮上粒子は、リフレクター30に衝突した時、その構成に応じて屈折され、熱分解材料中に戻る。
【0057】
関連する蓋17を含む、反応器2の二つの追加される実施形態が、図3及び4に示される。
【0058】
このように、図3は、平面状に構成された底部18を備えた反応器2を示す。この反応器2は、それ自体、既に上で説明し、図2に示したように、支持脚19を備えており、加熱炉1内で据付面からの必要な地上高を保っている。
【0059】
この構成において、蓋17は、図2と類似の手法で構成され、凹面形状に構成されたリフレクター30が蓋17の下面に設けられる。
【0060】
図4に示された反応器2の異なる実施形態では、反応器2は、図2に関する実施形態に類似した、凹面形状の底面18を備えている。これにより、図4から明らかであるように、蓋17の案内突出部28も凹面形状に構成されている。案内突出部28の凹面形状は、リフレクター30の凹面形状に相当するが、リフレクター30の外円周を越えて伸びている。それ故、蓋の領域でも、熱分解材料の均一乾燥が熱分解材料の循環により特に達成されるように、反応器2内の熱分解室が形成される。
【0061】
この循環工程を最適な手法で設定するために、それぞれの場合に、図5及び6に示したように、設けられたリフレクター30に追加して、蓋17の内側にエッジリフレクター31を配置することが好都合である。
【0062】
これらのエッジリフレクター31は、それぞれの場合、リフレクター30の下に設けられ、リフレクター30の効果が制限されないように、非常に大きな中央開口部を持つように構成されている。これは、エッジリフレクター31が、リフレクター30の外円周と反応器2の内壁の間の中間にある間隙を補うだけであることを意味する。
【0063】
このように、図5aは、凹面形状に構成された案内突出部28を有する蓋17、及び当てがわれた平面リフレクター30、並びに円錐台形の形状に構成されたエッジリフレクター31を示す。
【0064】
図5bは、平面様式に構成された案内突出部28を有する蓋17、及び当てがわれた平面リフレクター30を示し、これに円錐台形の形状に構成されたエッジリフレクター31が、当てがわれる。
【0065】
図5cに従う説明は、蓋17、案内突出部28、及びエッジリフレクター31の構成に関しては、図5bに説明した構成に一致するが、リフレクター30は凹面形状に構成されている。
【0066】
図5dに示した蓋17は、案内突出部28及びエッジリフレクター31の構成に関しては図5aの構成に一致するが、ここでは、リフレクター30は凹面形状に構成されている。
【0067】
図6aから6bは、案内突出部28を有する蓋17を示す。図6aでは、案内突出部28が凹面、リフレクター30が平面、かつエッジリフレクター31が円錐台形の形状である。図6bでは、案内突出部28が平面、リフレクター30が平面、かつエッジリフレクター31が円錐台形の形状である。図6cでは、案内突出部28が平面、リフレクター30が凹面、かつエッジリフレクター31が円錐台形の形状である。図6dでは、案内突出部28が凹面、リフレクター30も凹面、かつエッジリフレクター31が円錐台形の形状である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
加熱炉内に収容された反応器を用いて、炭素、熱分解油、残留ガス、及び金属成分を回収する目的で、低温度熱分解により、炭化水素を含有する製品、特に古タイヤを処理する方法であって、
仕込みが行われた反応器(2)を加熱炉(1)内に配置した後、第一ステージで、反応器(2)を80から120℃の範囲の温度に加熱し、約20分間にわたりこの温度で保持し、第二ステージで、並行して、反応器(2)に窒素を吹き込み、反応器(2)内の水分及び酸素を減量させ、次の工程段階で、1から2時間かけて反応器(2)内の温度を360から420℃に更に昇温させ、次の作業段階で、処理温度を480℃に、かつ最高600℃まで10から60分の短時間で昇温させ、かつ、熱分解工程完了後に、熱分解ガスを反応器(2)に通過させ、冷却及び緩和モジュール(4)を通過させ、この間に反応器(2)の底部領域に沈殿した炭素を吸引除去し、金属成分を反応器(2)から回収することを特徴とする方法。
【請求項2】
熱分解時に放出され、上昇して、反応器(2)内に浮遊した物質粒子を、制御された方法で反応器(2)に循環させて、熱分解が起きる工程回路に組み込むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
加熱炉(1)に供給される加熱空気、及び反応器(2)内の温度を管理し、好ましくは電子的手段により管理し、かつサーモスタットを用いて加熱炉(1)及び反応器(2)の温度管理を行うことを特徴とする請求項1及び2の任意の一項に記載の方法。
【請求項4】
排出ガスライン(25)を経由して、反応器(2)から熱分解ガスを移送することを特徴とする請求項1から3の任意の一項に記載の方法。
【請求項5】
処理される古タイヤを、収容装置を用いて、それぞれの場合、積み重ねた状態で、反応器(2)に入れ、かつ反応器(2)から除くことを特徴とする請求項1から4の任意の一項に記載の方法。
【請求項6】
装置が、加熱炉(1)に入れることができる一つ以上の反応器(2)からなり、反応器(2)の底部(18)が凹形状であり、蓋(17)が案内突出部(28)を備え、この突出部が蓋収容部(22)に密閉状に係合され、かつリフレクター(30)及びエッジリフレクター(31)が蓋(17)の内側に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の方法を実施する装置。
【請求項7】
反応器(2)が、反応器(2)の底部(18)と加熱炉(1)内の取付け面の間の地上高を形成する支持脚(19)をもち、これが反応器(2)内の工程管理にプラス効果を与えることを特徴とする請求項6に記載の装置。
【請求項8】
底部(18)が、好ましくは平面であり、かつ供給ライン接続部(20)が、底部(18)上の、反応器(2)の容器壁に配置されていることを特徴とする請求項6及び7の任意の一項に記載の装置。
【請求項9】
蓋収容部(22)に密閉システムが設けられ、蓋(17)及び案内突出部(28)が中央開口部をもつように構成され、蓋(17)が接続要素(24)を備えて構成されていることを特徴とする請求項6から8の任意の一項に記載の装置。
【請求項10】
蓋(17)の案内突出部(28)が、平面の表面形状、又は内側で凹形状に構成された表面形状をもつことを特徴とする請求項6から9の任意の一項に記載の装置。
【請求項11】
リフレクター(30)が、平面、凹面、円錐、角錐又は類似の形状を有することを特徴とする請求項6から10の任意の一項に記載の装置。
【請求項12】
エッジリフレクター(31)が、大面積の中央開口部を有し、かつリフレクター(30)の形状に合わせて、円錐台形、凹面又は類似の形状に作られたことを特徴とする請求項6から11の任意の一項に記載の装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2011−246721(P2011−246721A)
【公開日】平成23年12月8日(2011.12.8)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−158562(P2011−158562)
【出願日】平成23年7月20日(2011.7.20)
【分割の表示】特願2008−520708(P2008−520708)の分割
【原出願日】平成18年7月10日(2006.7.10)
【出願人】(508012079)カルボ テーエーツェー ゲーエムベーハー (2)
【出願人】(508012080)
【Fターム(参考)】