説明

炭酸ナトリウムジルコニウムおよび塩基性炭酸ジルコニウムおよびそれらの製造方法

【課題】リン酸ジルコニウムの製造方法を提供する。
【解決手段】ジルコニウムオキシ塩化物とソーダ灰の混合物を作り次に炭酸ナトリウムジルコニウムが生成するのに充分な温度と時間加熱する。次に、生成した炭酸ナトリウムジルコニウムをカセイソーダで処理してアルカリ性酸化ジルコニウム水和物を生成させ、生成したアルカリ性酸化ジルコニウム水和物を次にリン酸と混合加熱して酸性リン酸ジルコニウムを得、得られた酸性リン酸ジルコニウムをカセイソーダで滴定して所望するリン酸ジルコニウムを得る、リン酸ジルコニウムの製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、炭酸ナトリウムジルコニウム、リン酸ジルコニウム、塩基性炭酸ジルコニウムおよびこれらの化合物の製造方法に関する。
なお、本出願は、参照によりここに援用されるところの、2000年11月28日出願の米国特許出願第09/723,396号の一部継続出願である。
【背景技術】
【0002】
炭酸ナトリウムジルコニウム(SZC)は、下の構造式を有する非晶質のジルコニウム高分子化合物である:
【0003】
【化1】

滴定前のSZCの分子構造
(NaZrO2CO3・ nH2O)
【0004】
本材料は、次の二つの方法により、粒状物質として得ることができる。
【0005】
方法A:粒状の塩基性硫酸ジルコニウムを飽和ソーダ灰溶液と反応させ、生成物を洗浄して硫酸塩を取り除く。
方法B:可溶性ジルコニウム塩溶液と過剰量のソーダ灰溶液を混合することにより生成する準安定な炭酸ジルコニウム溶液の制御された高分子粒子成長反応。
【0006】
粒状SZCの工業的用途の一つは、この材料の、他のジルコニウム化学製品を作る際の商業的原料である塩基性炭酸ジルコニウム(ZBC)への変換に用いることである。この変換は、粒状SZCを、酸で、pH3.5乃至4.0まで滴定し、過剰の炭酸ナトリウムを取り除くことにより製造することができる。ZBCを作るために用いる粒状SZCは、通常方法Aにより製造される。SZCのもう一つの重要な用途は、この材料の、粒状ジルコニウム化学イオン交換体、すなわちリン酸ジルコニウム(ZrP)および水酸化ジルコニウム水和物(HZO)への変換である。これらのジルコニウムイオン交換材料は、腎臓透析用に商業的に使用されている。これらの製造のための方法を決定する質および経済的判定基準は、SORB(商標)テクノロジー社(オクラホマ州、オクラホマシティー)によって現在用いられている血液透析液再生のためのREDY(登録商標)吸着剤カートリッジを製造する技術を構成している。SORB(商標)テクノロジー社における腹膜透析(PD)用吸着剤カートリッジの設計に関する現在の研究は、粒状SZC自体がユニークな特性を有しており、吸着剤PDカートリッジの能力に貢献する点で、HZOより有利であることを示している。カートリッジをPD処理条件に適合可能にする、本材料のこれらの特性を以下にまとめる:
【0007】
1.本材料は、腎臓病患者のリン酸塩過剰血症の治療のために患者の体液からリン酸塩を除去するための充分なリン酸塩吸着能力を有する。
2.本材料は、患者の代謝性アシドーシスを改善するのに重要な重炭酸塩をPD液に補給する。
3.本材料は、患者の重炭酸塩欠乏を引き起こす、PD 液のpH低下を阻止する。これは再生PDを実現可能にする。
【0008】
吸着剤PD用途のための粒状SZCを製造するためには、品質と経済的因子の両方を考慮しなければならない。生成物が、高濃度の硫酸塩を含み、吸着剤としての本材料の品質を低下させるので、方法Aを使うことはできない。ジルコニウム原料として酸性硫酸ジルコニウム四水和物(AZST)を用いる製造で、方法Bが用いられてきた。本プロセスは、プロセス効率がより低く、製造コストがより高いが、粒状SZCから製造されたZrPは、塩基性硫酸ジルコニウム(ZBS)から作られたものより、高いアンモニア吸着能力を有する。
【0009】
これらのプロセスは有用ではあるが、特に透析領域に使用するための、より高品質の炭酸ナトリウムジルコニウムおよび塩基性炭酸ジルコニウムを提供する必要があり、これらの成分を製造するコストを低下させる必要がある。
【発明の開示】
【0010】
本発明の特徴は、改良された炭酸ナトリウムジルコニウムを提供することである。
本発明の更なる特徴は、炭酸ナトリウムジルコニウムを製造するための改良された方法を提供することである。
本発明の更なる特徴は、塩基性炭酸ジルコニウムの製造方法を提供することである。
本発明のもう一つの特徴は、改良されたリン酸ジルコニウムおよびリン酸ジルコニウムの製造方法を提供することである。
本発明の更にもう一つの特徴は、炭酸ナトリウムジルコニウム、リン酸ジルコニウム、および塩基性炭酸ジルコニウムをより経済的に作る方法を提供し、より良い品質の製品となる方法を提供することである。
本発明のさらなる特徴および利点は、以下の説明にそれらの一部が記載され且つその説明からそれらの一部が明らかになると共に、本発明の実施によっても理解されよう。本発明の目的および他の利点は、記載された説明および前記特許請求の範囲に特に明記されている要素および組合せによって実現され、達成されよう。
【0011】
これらのおよび他の利点を達成するために、および、本明細書に具体化され広く説明された本発明の目的に従って、本発明は、炭酸ナトリウムジルコニウムを生成させるのに充分な温度と充分な時間、ジルコニウムオキシ塩化物とソーダ灰を加熱することを含む、炭酸ナトリウムジルコニウムの製造方法に関する。ソーダ灰は水性スラリーまたは水溶液の形であること、ジルコニウムオキシ塩化物は粉末または溶液の形であることが好ましい。加熱の前に、ジルコニウムオキシ塩化物とソーダ灰は、撹拌または他の手段で混合し、室温のような常温で、溶液混合物を生成させるのが好ましい。加熱段階の後、炭酸ナトリウムジルコニウムを洗浄し、不純物や塩化物を取り除いてもよい。
【0012】
最初の調整の後、炭酸ナトリウムジルコニウムを滴定してもよい。アルカリ性のスラリーが炭酸ナトリウムジルコニウムを含み、酸のような1種類以上の酸性の試薬で、pHが約7.0より低くなるように滴定するのが好ましい。濾過段階、洗浄段階、乾燥段階のような他の追加的段階を、このプロセスに用いてもよい。
【0013】
本発明は更に、一般におよび好ましくは、炭酸ナトリウムジルコニウムの重量百分率で、約2wt%乃至約5wt%のNa+、約44wt%乃至約50wt%のZrO2、約12wt%乃至約18wt%のCO32-および約30wt%乃至約40wt%のLODを含む炭酸ナトリウムジルコニウムに関する。
【0014】
本発明は更に、炭酸ナトリウムジルコニウムの水性スラリーを、酸性の試薬でpH約3.5乃至約4に滴定することを含む、塩基性炭酸ジルコニウムの製法に関する。スラリーを生成させるのに用いる炭酸ナトリウムジルコニウムは、約15wt%乃至約25wt%のLODの水分含量を有することが好ましい。滴定の後、水性スラリーを水で洗浄する。次に種々の方法によりスラリーから塩基性炭酸ジルコニウムを湿った粉末として回収することができる。
【0015】
更に本発明は、固体粉末(最終製品)の組成ベースで約1,000ppm未満のNa+含有量、約35wt%乃至約40wt%のZrO2および約8wt%乃至約10wt%のCO32-で好ましく特徴付けられる塩基性炭酸ジルコニウムに関する。特に断らない限り、本明細書のすべての%およびwt%は、最終製品の重さに基づく。
【0016】
本発明は更に、炭酸ナトリウムジルコニウムを生成させるのに充分な温度と充分な時間、ジルコニウムオキシ塩化物とソーダ灰を加熱して、得られた炭酸ナトリウムジルコニウムをカセイソーダで処理してアルカリ性酸化ジルコニウム水和物を生成させることを含むリン酸ジルコニウムの製造方法にも関する。その後、得られたアルカリ性酸化ジルコニウム水和物をスラリー状で加熱して、リン酸のような酸性試薬を加える。加熱後、スラリーを冷やし、酸性リン酸ジルコニウムを濾過し、未反応の浸出性リン酸塩濃度を下げてもよい。次に、酸性リン酸ジルコニウムで水性のスラリーを生成させ、このスラリーを、pH約5乃至約6のような所定のpHまで、カセイソーダのような塩基性の試薬で滴定してもよい。その後、滴定されたリン酸ジルコニウムである滴定された生成物を、好ましくは浸出性ナトリウムイオンを低下させるために、濾過し洗浄してもよい。次に、リン酸ジルコニウムを乾燥させ、水分含量が、好ましくは約12乃至約18%LODの高流動性の粉末にしてもよい。
【0017】
本発明は更に、リン酸ジルコニウムの重量百分率で、好ましくは約1.4乃至約2.0wt%のH+含量、約4乃至約6wt%のNa+含量、約34wt%乃至約37wt%のZrO2含量、約41wt%乃至約43wt%のPO4-含量および約14wt%乃至18wt%のLOD含量を有する新規なリン酸ジルコニウムに関する。本発明のリン酸ジルコニウムは、アンモニア、Ca2+、Mg2+、K+および有毒な重金属に対する良好な吸着能を有することが好ましい。リン酸ジルコニウムは、残留硫酸塩や塩化物を含まず、透析や他のイオン交換の用途に望ましい性質を満たすことが好ましい。
【0018】
上記の一般的説明および下記の詳細な説明はともに例示的で説明のためのものに過ぎず、本発明を更に説明するために提供するものである。
【0019】
本明細書に含まれ且つ本明細書の一部を構成する添付図面は、本発明の実施の形態を図示し、説明と併せて本発明の原理を説明するためのものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
本発明は、炭酸ナトリウムジルコニウムの製造方法および塩基性炭酸ジルコニウムおよびリン酸ジルコニウムの製造方法に関する。それぞれの例では、原材料は好ましくはジルコニウムオキシ塩化物が好ましい。本発明は更に、新規な形状の炭酸ナトリウムジルコニウム、リン酸ジルコニウムおよび塩基性炭酸ジルコニウムに関する。炭酸ナトリウムジルコニウム、塩基性炭酸ジルコニウムおよびリン酸ジルコニウムは、原料のような種々の工業的用途に使用可能であり、腎臓透析用途や他の分離用途にも使用可能である。
【0021】
更に詳細には、本発明の一実施の形態として、本発明は、炭酸ナトリウムジルコニウムの製造方法に関する。この製造方法は、炭酸ナトリウムジルコニウムを生成させるのに充分な温度、充分な時間、ジルコニウムオキシ塩化物をソーダ灰と共に加熱する工程を含む。加熱の前に、炭酸ナトリウムジルコニウムを部分的にまたは完全に生成させてもよい。
【0022】
ソーダ灰は、水性スラリーまたは水溶液であることが好ましい。溶液またはスラリーを調製するのに使用するソーダ灰の量は、ソーダ灰を含む飽和溶液またはスラリーであるのが好ましい。例えば、飽和溶液またはスラリーを調製するためには、水1L当たり約260g乃至約920gのソーダ灰を含む溶液を使用することができる。
【0023】
ジルコニウムオキシ塩化物は、化学式ZrOCl2・8H2Oを有し、テレダイン・ワー・チャン社、ダステック・インターナショナル社、ジルコニア・セールス社等より購入できる。ジルコニウムオキシ塩化物およびソーダ灰は、約3.0:1乃至約4.0:1の重量比で存在させるのが好ましく、約3.5:1乃至約4.0:1の重量比で存在させるのがより好ましく、約3.6:1の重量比で存在させるのが更により好ましい。
【0024】
ジルコニウムオキシ塩化物は、粉末または溶液の形であることが好ましい。もし溶液であれば、ジルコニウムオキシ塩化物は、水1L当たり約400g存在させるのが好ましい。
【0025】
上記のプロセスに関しては、好ましくは加熱段階の前に、好ましくは室温(例えば約40°F乃至約110°F)のような常温で、ジルコニウムオキシ塩化物とソーダ灰を撹拌または他の方法で混合して溶液混合物を調製する。加熱段階の前に調製する準安定な炭酸ナトリウムジルコニウム溶液に関しては、ジルコニウムオキシ塩化物(溶液または固体)をソーダ灰溶液に添加する時には、炭酸ジルコニウムのゼラチン状析出物を生成させるのが好ましい。その材料の両性的性質のために、炭酸ジルコニウムは、過剰のソーダ灰溶液に再溶解し、室温で準安定な炭酸ナトリウムジルコニウム(アルカリ性)溶液を生成させるのが好ましい。ソーダ灰に対するZrOCl2・8H2Oの混合割合を最適化し、混合温度を好ましくは(撹拌時の生成熱によって)約90°乃至約95°Fの範囲に維持する時、材料が完全に溶解し透明な溶液となるのが好ましい。室温で数時間保存すると、その溶液は濁ってきて析出物が生成し始める。最初の溶液の濁度は、生成物の粒径や回収率に影響を与えない。にもかかわらず、生成した後は、その準安定なSZC溶液を一度に加熱し始めるのが好ましい。その加熱段階で、SZCの析出は、飽和のゆえに、約150°Fで開始するのが好ましい。加熱を続けるにつれて、炭酸ナトリウムジルコニウムの最終温度(沸点)で、高分子SZC粒子は、30乃至50ミクロンの粒子サイズ範囲に成長し始める。好ましくは、充分な温度とは、ジルコニウムオキシ塩化物とソーダ灰の混合物の沸点である。例えば、その加熱の温度は、約2時間という時間では、約150°F乃至約250°F(加圧下で過熱状態)である。最終温度での平衡時間は、約2時間である。加熱の最大温度と長い加熱時間が、得られる粒径に影響を与える。炭酸ナトリウムジルコニウムをソーダ灰と共に加熱する時、その混合物の加熱速度は、その混合物の沸点に到達するまで、毎分、約0.5°F乃至約1°Fであるのが好ましい。その混合物は、加圧下で、その混合物を過熱状態まで加熱できる。
【0026】
好ましくは、その混合物を得るのに使用される撹拌または他の混合手段が、室温で透明な準安定溶液にする。加熱段階の間、混合物を緩やかに撹拌または他の手段で混合し、粒子の成長を改善するのが好ましい。
【0027】
上記のプロセスでは、加熱段階の後で、炭酸ナトリウムジルコニウム溶液の温度を、沸点から、約150°F以下まで下げてもよい。炭酸ナトリウムジルコニウムを含む生成物溶液を濾過し、好ましくは粒状の炭酸ナトリウムジルコニウムを回収してもよい。水の分離は、遠心分離や濾過のような、標準的な濾過法によって行うことができる。その後、濾過した炭酸ナトリウムジルコニウムを逆浸透水のような水で洗浄し、炭酸ナトリウムジルコニウムから塩化物や他の不純物を取り除くことができる。通常、これらの不純物の多くはソーダ灰に由来する。
【0028】
本プロセスの好ましい部分として、炭酸ナトリウムジルコニウムを含むアルカリ性スラリーを次に、例えば1種類以上の酸性試薬で滴定し約7より低いpH、より好ましくはpH約3.5乃至約6.0、更に好ましくはpH約6.0に調整してもよい。滴定に使用する酸性試薬は、アルカリ性のスラリーのpHを下げることができる試薬であればよく、より好ましくは酸、更に好ましくは1N 塩酸のような塩酸である。滴定の後、炭酸ナトリウムジルコニウムは、前述のように濾過し、例えば、逆浸透水のような水で洗浄してもよい。この洗浄工程は、浸出性Na+の量を下げるのが好ましい。
【0029】
追加の段階を設けても設けなくてもよいが、好ましくは設けた場合、上述のプロセスで回収された炭酸ナトリウムジルコニウム(SZC)は、一般に、洗浄された炭酸ナトリウムジルコニウム・フィルターケーキの形状を有している。この炭酸ナトリウムジルコニウムを次に乾燥させ、好ましくは充分な時間乾燥させ、高流動性の粉末を得る。乾燥は、フィルターケーキをトレーに載せ、オーブン中で乾燥させるような方法で行うことができる。乾燥温度は、約100°F乃至約150°Fの温度範囲で行うのが好ましいが、他の温度でもよい。炭酸ナトリウムジルコニウムを乾燥させる間、最終的に到達する湿度は、好ましくは約10%LOD乃至約60%LOD、より好ましくは約30%LOD 乃至約35%LODである。図1は、SZCを作る好ましいプロセスを示す。
【0030】
回収された炭酸ナトリウムジルコニウムは、約30ミクロン乃至約50ミクロンの平均粒径を有するが、他の粒径範囲もまた得ることができる。
【0031】
本発明の炭酸ナトリウムジルコニウムは、最終形状として、好ましくは約2wt%乃至約5wt%のNa+、約44wt%乃至約50wt%のZrO2、約12wt%乃至約18wt%のCO32-および約30wt%乃至約40wt%のLOD更に好ましくは約32wt%乃至約35wt%のLODを炭酸ナトリウムジルコニウムの重量百分率で含む。LODとは、乾燥中に失われるSZCの重量%であり、その大部分はH2Oである。
【0032】
本発明の炭酸ナトリウムジルコニウムは、抽出可能な有毒な不純物に関してANSI/AAMI RD-5-1992に提供されている基準を満足させるのが更に好ましい。
【0033】
本発明の炭酸ナトリウムジルコニウムは、以下の特性または性質の一つ以上を更に満足させるのが好ましい:
【0034】
・約30乃至約35 mg PO4-P/gm SZCの最小能力を有するリン酸塩吸着
・約2乃至約4 mEq HCO3-/gm SZCの最小HCO3-含量
・約1.5乃至約2.0 mEq Na+/gm SZCの最大浸出性Na+含量および/または
・約6乃至約7の滴定炭酸ナトリウムジルコニウムのpH範囲
【0035】
本発明の炭酸ナトリウムジルコニウムは上記の性質の一つ以上を有するのが好ましく、更に好ましくは、少なくとも上記の性質の2又は3以上を有し、最も好ましくは、上記の特徴のすべてを有する。
【0036】
一般に炭酸ナトリウムジルコニウム、上述の好ましいSZCは、例えば、腎臓病患者のリン酸塩過剰血症の治療のための臨床用吸着剤としての経済的な利用のための充分なリン酸塩吸着能力を提供することによって、腹膜透析や血液透析に必要な能力の要求項目を提供するのが好ましい。更に、本発明の炭酸ナトリウムジルコニウムは、使用の際に腹膜透析液や血液透析液中の所定の重炭酸塩濃度を提供する。本発明は更に、上述のように最小の浸出性Na+を含む。
【0037】
粒状SZCの製造では、製品の粒子サイズと回収率が、経済性、プロセス効率(洗浄、濾過)および製品の品質に重要である。より大きい粒径は、洗浄の際に高分子状粒子の摩滅損失に対する安定性を高め、濾過効率を改善する。結晶成長反応の際の粒子の安定性は、準安定SZC溶液のZrO2濃度、溶液中のソーダ灰とZrO2の比、反応の加熱速度、最大加熱温度および加熱時間で制御するのが好ましい。粒径範囲30乃至40ミクロンで92乃至98%の製品回収率が、以下のプロセスパラメータを調整することで達成可能である:
【0038】
【表1】

【0039】
3乃至8の範囲の種々のpHまで滴定したSZCは、表2にまとめた種々の品質を有する。pH7乃至8でのSZCは、例えば、PD用途でのカートリッジ中で材料を試験すると、最初のカートリッジ流出液でリン酸塩のもれとNa+とpHの一時的増加を引き起こすことが、カートリッジ性能試験は示している。
【0040】
pHの関数としての透析用途での粒状SZCの種々の性質
【表2】

【0041】
低いpHはリン酸塩吸着と浸出性Na+の低減のためには好ましいが、カートリッジに使用する材料の重炭酸塩含量や緩衝能力もまた低下させる。従って、カートリッジ性能試験での検証では、pH6.0乃至6.5が最適範囲となる。浸出性Na+含量を制御するためには、滴定の後、全溶解性固形分が300 ppmのレベル未満になるまで、材料を多量の逆浸透水で洗浄するのがよい。
【0042】
滴定および洗浄後のフィルターケーキは、穏和な温度(例えば100°F乃至150°F)で、トレー上で約30乃至約35%LODの好ましい水分含量まで乾燥させるのがよい。最終産物は、重炭酸塩の損失を防ぐためには、過度に乾燥しないのが好ましい。種々の水分含量での乾燥もまた、表3に示す材料のリン酸塩吸着能力に影響を与え得る。最後に、乾燥生成物は、水分や重炭酸塩の損失を避けるために、密閉容器中に保存するのがよい。
【0043】
粒状SZC pH 6.0の水分含量の関数としてのリン酸塩吸着能力の変化
【表3】

【0044】
カートリッジ性能試験は、pH 6.0まで滴定され、30乃至35% LODの水分レベルまで乾燥された粒状SZCは、8時間の治療で、PD液から尿毒症性毒素を完全に除去するのに充分なリン酸塩吸着能力を有することを示している。本材料はまた、透析中、液体のpHを維持するのに充分な量の重炭酸塩を含む。初期のカートリッジからの溶出液中へのNa+とpHの一時的溶出も耐え得るものであり、透析前準備により最小限にし得る。
【0045】
また本発明は、好ましくは次式を有する塩基性炭酸ジルコニウムの製造方法にも関する:
【0046】
【化2】

【0047】
塩基性炭酸ナトリウム製造時には、炭酸ナトリウムジルコニウムの水性スラリーを、酸のような酸性試薬で、約3.5乃至約4.0のpHまで滴定する。水性スラリーにされる前の炭酸ナトリウムジルコニウムは、固形分中に好ましくは約15%乃至約25%LODの水分含量を有し、更に好ましくは約15%乃至約20%LODの水分含量を有する。どのような炭酸ナトリウムジルコニウムを使用してもよいが、上記のプロセスで生成される炭酸ナトリウムジルコニウムを使用するのが好ましい。
【0048】
滴定の後、水性スラリーを逆浸透水のような水で洗浄するのが好ましい。その後、スラリーから塩基性炭酸ジルコニウムを湿った粉末として回収する。塩基性炭酸ジルコニウムの回収は、減圧濾過、遠心分離などの回収方法によって達成できる。滴定に用いる酸性試薬としては、上記のようにpHを下げ得る、どのような酸性試薬も使用可能であるが、希塩酸、希硝酸、他の酸、またはそれらの混合物がより好ましい。塩基性炭酸ジルコニウムの最終回収の前にナトリウムを取り除くためのものである、塩基性炭酸ジルコニウムの最終洗浄が望ましい。
【0049】
また本発明の一部として、本発明は、一般的には塩基性炭酸ジルコニウム、好ましくは塩基性炭酸ジルコニウムの重量百分率で、約1,000 ppm未満のNa+含量、約35%乃至約40%のZrO2含量および約8%乃至約10%のCO32-含量を有する新規な塩基性炭酸ジルコニウムに関する。
【0050】
その塩基性炭酸ジルコニウムはSO42-やCl-を実質的に含まない、例えば約0.01wt%未満であることが好ましい。
【0051】
また、塩基性炭酸ジルコニウムは、吸着剤としての用途だけでなく、種々の工業的用途に使用可能である。
【0052】
リン酸ジルコニウムの製造プロセスについては、本プロセスは、炭酸ナトリウムジルコニウムの製造プロセスに似た段階を含む。上述の、炭酸ナトリウムジルコニウムの最初の加熱段階、追加的濾過および洗浄後に得られる炭酸ナトリウムジルコニウムが、本発明の本リン酸ジルコニウム製造プロセスに使用可能である。他のジルコニウムオキシ塩化物も、炭酸ナトリウムジルコニウムを得るために、上述の方法で処理可能であり、その炭酸ナトリウムジルコニウムは、次に所要のリン酸ジルコニウムを得るために下に説明した後続の段階を経て用いることができる。
【0053】
本発明のリン酸ジルコニウムを製造する際には、ジルコニウムオキシ塩化物をソーダ灰と共に、炭酸ナトリウムジルコニウムを生成させるのに充分な温度、充分な時間、加熱するのが好ましい。好ましい出発物質、温度、時間は、炭酸ナトリウムジルコニウムを製造するのに上述したものと同じでよい。生成した炭酸ナトリウムジルコニウムは、次に、例えば、約150°Fまで冷やしてもよいし必要ならば濾過や洗浄を行ってもよい。次に炭酸ナトリウムジルコニウムをカセイソーダや他の適当な試薬で処理してアルカリ性酸化ジルコニウム水和物を生成させることができる。この酸化ジルコニウム水和物はスラリー状に生成させることができ、このスラリーを次に例えばリアクター中でアルカリ性酸化ジルコニウム水和物と1:1の比でリン酸、より好ましくは希釈した工業級のリン酸のような酸性試薬で充分な温度と時間処理する。上で述べたように、加熱は約180°F乃至約185°Fで約1時間行うのが好ましい。次に生成物を好ましくは約150°Fまで冷やし、酸性リンジルコニウム(H+ZrP)として濾過してもよい。この酸性リン酸ジルコニウムを逆浸透水で1回以上洗浄し未反応の浸出性リン酸塩濃度を下げるのが好ましい。次に水性スラリーを酸性リン酸ジルコニウムで生成させ、このスラリーを約5乃至約6のpHまで滴定し、より好ましくは、約5.5乃至約6のpHまで滴定する。この滴定試薬は50%カセイソーダであるのが好ましい。次に、滴定したリン酸ジルコニウムを濾過、洗浄して浸出性Na+を下げ、より好ましくは逆浸透水で洗浄して300 ppm以下まで全溶解性固形分を下げ浸出性Na+を最小にすることができる。
【0054】
次に、洗浄したリン酸ジルコニウムを乾燥させ好ましくは約12乃至約18%LODの水分含量を有する高流動性粉末にする。乾燥は約100°C乃至約120°Cで行うのが好ましいが、その粉末の性能が保たれる限り他の温度でもよい。粉末の粒径は約30ミクロン乃至約50ミクロンであるのが好ましいが、所要のパラメータに基づいて他のサイズの粉末を得てもよい。
【0055】
上述の洗浄、濾過、および乾燥段階は、当業者には既知の従来技術によって達成可能である。
【0056】
好ましくは本発明のプロセスによって達成可能なリン酸ジルコニウムは、次の性質を有する:
リン酸ジルコニウムの重量百分率で
約1.4乃至約2.0wt%のH+含量
約4乃至約6wt%のNa+含量
約34乃至約37wt%のZrO2含量
約41乃至約43wt%のPO4-含量および
約14乃至約18wt%のH2O含量。
【0057】
更に本発明のリン酸ジルコニウムは、アンモニア、Ca2+、Mg2+、K+、有毒な重金属を吸着する能力を有する。その吸着能力は、好ましくは約20乃至約45 mg NH4-N/gm ZrP、より好ましくは約30乃至約35 mg NH4-N/gm ZrP、更に好ましくは約30 mg NH4-N/gm ZrP以上;好ましくは約2乃至約7 mEq Ca2+/gm ZrP、より好ましくは約3乃至約5 mEq Ca2+/gm ZrP、更に好ましくは約3 mEq Ca2+/gm ZrP以上;好ましくは約1乃至約5 mEq Mg2+/gm ZrP、より好ましくは約2乃至約3 mEq Mg2+/gm ZrP、更に好ましくは約2 mEq Mg2+/gm ZrP以上;および好ましくは約3乃至約9 mEq HM/gm ZrP、より好ましくは約5乃至約7 mEq HM/gm ZrP、更に好ましくは約6 mEq HM/gm ZrP以上の重金属(HM)。
【0058】
更に本発明のリン酸ジルコニウムは、約2乃至約3 mEq Na+/gm ZrP、更に好ましくは約2.4 mEq Na+/gm ZrP、約5.5乃至6のpHを有するが、他のpHやNa+含量でも使用できる。
【0059】
また本発明のリン酸ジルコニウムは、材料に対する最小の浸出性PO43-を有するのが好ましく、約0.05 mg% PO43-/gm ZrP未満であるのがより好ましい。
【0060】
また本発明のリン酸ジルコニウムは、約30乃至約40ミクロンの平均粒径を有し、残留硫酸塩や塩化物を含まない(例えば0.01%未満)のが好ましい。更に本発明のリン酸ジルコニウムは、抽出可能な有毒な不純物に関してANSI/AAMI RD-5-1992基準を満足し、水中で約6乃至約7のpHであるのが好ましい。上で述べたように、本発明のリン酸ジルコニウムは、透析分離のような種々の分離装置に使用可能である。
【0061】
本発明は以下の実施例によって更に明確にされるが、これらの例は本発明の純粋な代表例として提供されている。
【実施例】
【0062】
(実施例1)
789 gmのソーダ灰を3Lの脱イオン水に溶解した。得られた溶液を撹拌しながら610 gm のZrOCl2粉末を添加した。固形物が完全に溶解し準安定溶液を形成するまで撹拌を続けた。得られた準安定溶液を、沸点または過熱温度(加圧下)まで、10分当たり6乃至10°Fの速度でゆっくり加熱した。加熱は平衡温度で1.5乃至2時間、継続した。約150°FでSZC粒子が生成し始め、平衡状態で粒径30乃至50ミクロンに成長し続けた。粒子のより良い成長のために緩やかに撹拌した。生成スラリーは、加熱後約170°Fまで冷却した。粒状のSZCを濾過し、濾過ケーキを脱イオン水で洗浄して塩化ナトリウムと過剰な炭酸塩を取り除いた。湿ったSZCケーキの収量は862 gmで、準安定溶液からのZrO2の収率は95%であった。
【0063】
得られた湿SZCケーキを、ビーカーに入れた500 mlの脱イオン水に移した。得られたスラリーを撹拌しながら3N HClで滴定した。このpHでの平衡状態を30分間続け、その後、pHを6.0に再調整した。次に、滴定したSZCを濾過し、濾液中の全溶解性固形物が300 ppm未満になるまで脱イオン水で洗浄した。次に、洗浄した濾過ケーキを、トレー乾燥機で、穏和な温度(約150°F)で、高流動性粉末になる約30%の水分含量まで乾燥させた。
【0064】
(実施例2)
ジルコニウムオキシ塩化物からのZrPの合成
500 mlの10%NaOHを撹拌しながら、実施例1で得られたSZCの洗浄した濾過ケーキを加えた。このアルカリ処理を30分間続けた。次に、得られた物質を濾過し、脱イオン水で簡単に洗浄した。得られた濾過ケーキを、反応器に入れた1Lの脱イオン水に移した。得られたスラリーを約185°Fまで加熱した。加熱したスラリーに、2倍に希釈したリン酸1,200 gm(600 gmの76%H3PO4を同量の水と混合して得る)をゆっくり加えた。次に、190°乃至195°Fで1時間加熱を継続した。次に、生成したスラリーを150°Fまで冷却し、濾過し、脱イオン水で洗浄して過剰のリン酸塩を取り除いた。こうして得られた酸性ZrPを次に、500 mlの脱イオン水中で、50% NaOHでpH5.75まで滴定した。滴定したZrPを次に濾過し、濾液中の全溶解性固形物が300 ppm未満になるまで脱イオン水ですすいで、浸出性Na+を取り除いた。洗浄後に滴定したZrPの濾過ケーキを次にトレー乾燥機で、14乃至18%の水分含量まで乾燥させ、高流動性の粉末を得た。
【0065】
本発明の他の実施の形態は、当業者には、本明細書とここに開示された本発明の実施例を考究することにより明らかになろう。本明細書と実施例は例示的なものに過ぎないと做されるべきであり、本発明の真の範囲と精神は、前記特許請求範囲およびその均等物により示される。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】炭酸ナトリウムジルコニウムを調製する一実施の形態を示す概略図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
リン酸ジルコニウムの製造方法であって、
炭酸ナトリウムジルコニウムをカセイソーダで処理してアルカリ性酸化ジルコニウム水和物を生成させるステップと、
前記アルカリ性酸化ジルコニウム水和物を含むスラリーを加熱してリン酸を添加するステップと、
前記酸性リン酸ジルコニウムを回収するステップを含む製造方法。
【請求項2】
前記リン酸ジルコニウムの水性スラリーをカセイソーダで滴定してpHを約5乃至約6に上げるステップと、
前記滴定されたリン酸ジルコニウムを回収するステップと、
を含む請求項1の方法。
【請求項3】
前記滴定したリン酸ジルコニウムを濾過し、濾過したリン酸ジルコニウムを洗浄するステップを更に含む請求項2の方法。
【請求項4】
前記リン酸ジルコニウムを乾燥させて高流動性粉末にするステップを更に含む請求項3の方法。
【請求項5】
前記リン酸ジルコニウムが約12wt%乃至約18wt%LODの水分含量を有する請求項1の方法。
【請求項6】
全溶解性固形物を300 ppm以下に下げ浸出性Na+を最小にするのに充分な逆浸透水で、滴定されたリン酸ジルコニウムの前記洗浄ステップを行う請求項3の方法。
【請求項7】
前記カセイソーダが50%のカセイソーダである請求項2の方法。
【請求項8】
前記加熱ステップを約180°F乃至約185°Fで1時間行う請求項1の方法。
【請求項9】
炭酸ナトリウムジルコニウムを、炭酸ナトリウムジルコニウムを生成させるのに充分な温度で且つ十分な時間により、ジルコニウムオキシ塩化物とソーダ灰を加熱するステップによって得る請求項1の方法。
【請求項10】
ジルコニウムオキシ塩化物の前記加熱を約150°F乃至約250°Fで行う請求項9の方法。
【請求項11】
ジルコニウムオキシ塩化物とソーダ灰とを加熱して炭酸ナトリウムジルコニウムを生成させた後、前記炭酸ナトリウムジルコニウムを濾過洗浄して前記炭酸ナトリウムジルコニウムから塩化物または不純物を取り除くステップを更に含む請求項9の方法。
【請求項12】
以下のステップを含む製造方法より得られるリン酸ジルコニウム。
炭酸ナトリウムジルコニウムをカセイソーダで処理してアルカリ性酸化ジルコニウム水和物を生成させるステップと、
前記アルカリ性酸化ジルコニウム水和物を含むスラリーを加熱してリン酸を添加するステップと、
前記酸性リン酸ジルコニウムを回収するステップを含む製造方法。
【請求項13】
リン酸ジルコニウムの重量百分率で、
約1.4wt%乃至約2.0wt%のH+と、
約4wt%乃至約6wt%のNa+と、
約34wt%乃至約37wt%のZrO2と、
約41wt%乃至約43wt%のPO4と、
約14wt%乃至約18wt%のH2Oと、
を含むリン酸ジルコニウム。
【請求項14】
前記リン酸ジルコニウムが以下の性質の1以上を有する請求項13のリン酸ジルコニウム:
a) 約20 mg NH4-N/gm ZrP乃至約45 mg NH4-N/gm ZrPのアンモニア吸着能力、約2 mEq Ca2+/gm ZrP乃至約7 mEq Ca2+/gm ZrPのCa2+吸着能力、約3 mEq Mg2+/gm ZrP乃至約5 mEq Mg2+/gm ZrPのMg2+吸着能力および約3 mEq HM/gm ZrP乃至約9 mEq HM/gm ZrPの重金属吸着能力、
b) 約5.5乃至約6のpHで約2 mEq Na+/gm ZrP乃至約3 mEq Na+/gm ZrPのNa+含量、
c) 約0.05 mg PO43-/gm ZrP未満の最小浸出性PO43-、および
d) 抽出可能な有毒な不純物に関するANSI/AAMI RD-5-1992基準を満たすこと。
【請求項15】
前記リン酸ジルコニウムが残留硫酸塩または塩化物を含まない請求項13のリン酸ジルコニウム。
【請求項16】
前記リン酸ジルコニウムが硫酸塩と塩化物の両方または一方を0.01%未満しか含まない請求項13のリン酸ジルコニウム。
【請求項17】
前記リン酸ジルコニウムが水存在下で約6乃至約7 のpHを有する請求項13のリン酸ジルコニウム。
【請求項18】
前記リン酸ジルコニウムが約30乃至40ミクロンの平均粒径を有する請求項12又は13のリン酸ジルコニウム。
【請求項19】
請求項1〜12のいずれか1に記載の製造方法により得られるリン酸ジルコニウムを含む透析カートリッジ。
【請求項20】
請求項13〜18のいずれか1に記載のリン酸ジルコニウムを含む透析カートリッジ。

【図1】
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【公開番号】特開2011−236126(P2011−236126A)
【公開日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−142551(P2011−142551)
【出願日】平成23年6月28日(2011.6.28)
【分割の表示】特願2008−46945(P2008−46945)の分割
【原出願日】平成13年11月28日(2001.11.28)
【出願人】(503174785)レナル ソリューションズ インコーポレーテッド (2)
【Fターム(参考)】