炭酸水の製造装置及びこの炭酸水の製造装置を用いた美容器
【課題】 簡便かつ効率的に水に炭酸ガスを溶解させ、製造した炭酸水を効率よく排出することができる装置を提供する。
【解決手段】 炭酸水を製造するための製造装置であって、水を収容する密閉容器と、炭酸ガスが高圧で封入され、炭酸ガスを密閉容器にエアーストーンを使用してゆっくりと大気圧より高い圧力となるように供給するための炭酸ガスボンベと、炭酸ガスボンベと密閉容器を接続するための炭酸ガス輸送管と、炭酸ガス輸送管に取り付けられた密閉容器内に供給する炭酸ガスの流量を調整するための流量調整用バルブと、炭酸ガスボンベからの炭酸ガスの供給及び停止を行うための第１の開閉バルブと、炭酸水を密閉容器内から取り出すための排出手段を備え、炭酸水の製造時には、第１の開閉バルブを開き、排出手段を閉じ、炭酸ガスをゆっくりと大気圧より高い圧力にすることで水に炭酸ガスを溶解させ、製造した炭酸水の排出時には、第１の開閉バルブを閉じ、排出手段を開くことを特徴とする。
【解決手段】 炭酸水を製造するための製造装置であって、水を収容する密閉容器と、炭酸ガスが高圧で封入され、炭酸ガスを密閉容器にエアーストーンを使用してゆっくりと大気圧より高い圧力となるように供給するための炭酸ガスボンベと、炭酸ガスボンベと密閉容器を接続するための炭酸ガス輸送管と、炭酸ガス輸送管に取り付けられた密閉容器内に供給する炭酸ガスの流量を調整するための流量調整用バルブと、炭酸ガスボンベからの炭酸ガスの供給及び停止を行うための第１の開閉バルブと、炭酸水を密閉容器内から取り出すための排出手段を備え、炭酸水の製造時には、第１の開閉バルブを開き、排出手段を閉じ、炭酸ガスをゆっくりと大気圧より高い圧力にすることで水に炭酸ガスを溶解させ、製造した炭酸水の排出時には、第１の開閉バルブを閉じ、排出手段を開くことを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、炭酸水の製造装置及びこの炭酸水の製造装置を用いた美容器に関するものである。
【背景技術】
【０００２】
これまでに、炭酸水を製造するための方法として、水を入れた密閉容器内に炭酸ガスを導入して、密閉した状態で密閉容器をよく振ることにより密閉容器内の水に炭酸ガスを溶け込ませて炭酸水を製造する方法や、密閉容器内に炭酸ガスを導入しておき、その炭酸ガス雰囲気中にノズルから水をミスト状に噴射して、効率的に炭酸水を製造する方法等が提案されている（特許文献１参照）。
【０００３】
一方、近年、炭酸水の利用方法として、飲料用の炭酸水以外に、炭酸水を洗顔に用いたり、頭皮に向けて噴射することにより汚れを除去したり、炭酸ガスを浸透させ血管を拡張させて血行をよくするといった効果を期待して美容に用いることが試みられている。
【０００４】
このように炭酸水を美容に用いる場合には、一回の炭酸水の使用量が飲料用の炭酸水に比べて非常に多いことから、美容施設等で用いる場合にはその現場で効率的に炭酸水を製造することが望まれる。
【０００５】
しかしながら、従来の炭酸水の製造方法のように、密閉容器を振って炭酸水を製造する方法では、一度に多くの炭酸水を製造するのには非常に効率が悪く、また、炭酸ガス雰囲気中に水を噴射する方法では、水の供給、制御が複雑となり装置が大掛かりなものとなるといった問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００６】
【特許文献１】特開平２００２−３２６６９９号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００７】
このように、従来の炭酸水の製造方法では、一般の家庭や美容施設の現場において、簡便かつ効率的に炭酸水を製造することが困難であったため、手間をかけず、また、大規模な装置を用いることなく効率的に炭酸水を製造、排出することができる装置の開発が切望されていた。
【０００８】
本発明は、上記のような背景から従来の問題点を解消し、簡便かつ効率的に炭酸水を製造し、かつ、製造した炭酸水を効率よく排出することができる炭酸水の製造装置及びこの炭酸水の製造装置を用いた美容器を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【０００９】
即ち、本発明の炭酸水の製造装置及びこの製造装置を用いた美容器は以下のことを特徴としている。
【００１０】
第１に、炭酸水を製造するための製造装置であって、水を収容する密閉容器と、炭酸ガスが高圧で封入され、炭酸ガスを密閉容器に大気圧より高い圧力となるように供給するための炭酸ガスボンベと、炭酸ガスボンベと密閉容器を接続するための炭酸ガス輸送管と、炭酸ガス輸送管に取り付けられた密閉容器内に供給する炭酸ガスの流量を調整するための流量調整用バルブと、炭酸ガスボンベからの炭酸ガスの供給及び停止を行うための第１の開閉バルブと、製造した炭酸水を密閉容器内から取り出すための排出手段を備え、炭酸水の製造時には、第１の開閉バルブを開き、排出手段を閉じ、炭酸ガスをゆっくりと大気圧より高い圧力にすることで水に炭酸ガスを溶解させて炭酸水とし、製造した炭酸水の排出時には、第１の開閉バルブを閉じ、排出手段を開くことを特徴とする。
【００１１】
第２に、上記第１の炭酸水の製造装置において、炭酸水を密閉容器内から取り出すための排出手段が、炭酸水輸送管と、この炭酸水輸送管の先端に取り付けられた排出ノズルと、炭酸水の排出及び停止を行うための第２の開閉バルブを備えたことを特徴とする。
【００１２】
第３に、上記第１又は２の炭酸水の製造装置を用いた美容器である。
【００１３】
第４に、上記第３の美容器において、上記第１の炭酸水の製造装置の炭酸ガスボンベと圧力調整用バルブの間から分岐した第２の炭酸ガス輸送管と、第２の炭酸ガス輸送管に設けられた炭酸ガスボンベからの炭酸ガスの供給及び停止を行うための第３の開閉バルブと、炭酸ガスの圧力を調整するための圧力調整用バルブと、第２の炭酸ガス輸送管の先端に取り付けられた炭酸ガス排出ノズルを備え、第３の開閉バルブを開くことにより炭酸ガス排出ノズルから炭酸ガスを排出するようにしたことを特徴とする。
【００１４】
第５に、上記第４の美容器において、炭酸ガス排出ノズルとして、エアーブラシを設けたことを特徴とする。
【発明の効果】
【００１５】
上記第１の発明によれば、本発明の炭酸水の製造装置を用いて、炭酸ガスを大気圧より高い圧力で水に加圧させることにより、簡便かつ効率的に水に炭酸ガスを溶解させて炭酸水を製造することができる。
【００１６】
上記第２の発明によれば、密閉容器内で製造した、炭酸水の排出手段を、炭酸水輸送管と、炭酸水輸送管の先端に取り付けられた排出ノズルと、炭酸水の排出及び停止を行うための第２の開閉バルブを用いて行うようにしたので、炭酸水を効率よく排出することができる。
【００１７】
上記第３の発明によれば、上記第１又は第２の発明の炭酸水の製造装置を用いた美容器としたので、炭酸水を効果的に作用させることができる美容器とすることができる。
【００１８】
上記第４の発明によれば、上記第３の発明の美容器において、炭酸ガスボンベから炭酸ガスを供給するための流路を分岐して設けて、第３の開閉バルブを開くことにより炭酸ガスを排出する構成としたので、炭酸ガスを安全な圧縮ガスとして種々の用途に用いることが可能となる。
【００１９】
上記第５の発明によれば、上記第４の発明の美容器において、炭酸ガス排出ノズルとして、エアーブラシを設けたので、炭酸ガスを圧縮ガスとして用いて炭酸水を霧状に噴射することができる。
【図面の簡単な説明】
【００２０】
【図１】本発明の炭酸水の製造装置の主要部を示した概略図である。
【図２】密閉容器外にタンクを設けた構成の実施形態を示した概略図である。
【図３】密閉容器を直列に複数設けた構成の実施形態を示した概略図である。
【図４】密閉容器を並列に複数設けた構成の実施形態を示した概略図である。
【図５】炭酸ガス輸送管と、炭酸水輸送管を設けた密閉容器を示した概略図である。
【図６】輸送管に、炭酸水排出停止用バルブとプラグとソケットを設けた構成の実施形態を示した概略図である。
【図７】炭酸ガス排出機構を設けた構成の実施形態を示した概略図である。
【図８】炭酸ガス輸送管に取り付けるエアーブラシを示した概略図である。
【発明を実施するための形態】
【００２１】
本発明の炭酸水の製造装置は、密閉容器内に炭酸ガスを大気圧より高い圧力とした状態で供給し、水中に炭酸ガスを徐々に染み込ませて溶解させ、炭酸水を製造し、製造した炭酸水を排出する装置である。
【００２２】
以下に、本発明の炭酸水の製造装置について図面を用いて詳細に説明する。
【００２３】
図１は、本発明の炭酸水の製造装置の概略図である。
【００２４】
この実施形態の炭酸水の製造装置は、水２２を収容する密閉容器２０と、炭酸ガスが高圧で封入され、炭酸ガスを密閉容器２０に供給するための炭酸ガスボンベ１０と、炭酸ガス輸送管１３と、炭酸ガス輸送管１３に取り付けられた密閉容器２０内に供給する炭酸ガスの流量を調整するための流量調整用バルブ１１と、炭酸ガスボンベ１０からの炭酸ガスの供給及び停止を行うための第１の開閉バルブ１２と、炭酸ガスを排出ノズル３０の方向のみに流すための逆止弁１５と、炭酸水輸送管３１と、炭酸水輸送管３１の先端に取り付けられた排出ノズル３０と、炭酸水の排出及び停止を行うための第２の開閉バルブ３２を備えている。
【００２５】
炭酸ガスボンベ１０と密閉容器２０は、炭酸ガス輸送管１３により接続されており、炭酸ガス輸送管１３には、流量調整用バルブ１１、第１の開閉バルブ１２及び逆止弁１５が設けられている。
【００２６】
なお、図１の構成では、炭酸ガスボンベ１０と密閉容器２０の間に、炭酸ガスを密閉容器２０の方向のみに流すための逆止弁１５を設けているが、この逆止弁１５は密閉容器２０からの炭酸ガスや、水２２の逆流を予防するために設けられるものであり省略することができる。
【００２７】
密閉容器２０は、炭酸ガス輸送管１３、炭酸水輸送管３１から延びた輸送管２１が密閉容器２０の底面近傍まで延びており、輸送管２１の先端には炭酸ガスを細かく分散して放出するためのエアーストーン２５が取り付けられている。また、密閉容器２０内には水２２を収容した状態で、炭酸ガス雰囲気で大気圧よりも高い圧力状態の空間２４が設けられている。
【００２８】
この炭酸ガス雰囲気で大気圧よりも高い圧力状態の空間２４を設けることにより、水２２に効率的に炭酸ガスを溶解させることが可能となり、さらに、製造した炭酸水２３を効率的に排出することが可能となる。
【００２９】
この空間２４の体積は、特に制限されるものではないが、水２２に対する効率的な炭酸ガスの溶解及び炭酸水２３の排出圧力を考慮した場合、投入した水２２の体積の少なくとも３０％以上の体積であることが好ましい。
【００３０】
本発明に用いられる密閉容器２０は、一定の加圧状態で破損しない耐圧を有するものであれば特に制限なく用いることができ、これらのものとしては、例えば、ペットボトル、ガラスボトル、ステンレスボトル等を挙げることができる。
【００３１】
これらの中でもペットボトルは入手が容易であり、安価であり、さらに適度な耐圧を有する点で特に好適に用いることができる。
【００３２】
密閉容器２０と排出ノズル３０は、炭酸水輸送管３１で接続されており、密閉容器２０と排出ノズル３０の間には第２の開閉バルブ３２が設けられている。
【００３３】
次に、本発明の炭酸水の製造装置の動作について詳細に説明する。まず、炭酸水の製造について詳述する。
【００３４】
炭酸ガスボンベ１０から供給された炭酸ガスは、炭酸ガス供給管１３を通って密閉容器２０内に導入される。この際、炭酸ガスボンベ１０と密閉容器２０の間に設けられた流量調整用バルブ１１により密閉容器２０の耐圧等を考慮して最適な圧力の炭酸ガスが供給される。この時点では第１の開閉バルブ１２は開いた状態であり、第２の開閉バルブ３２は閉じた状態である。
【００３５】
なお、流量調整用バルブ１１に直接高い圧力がかからないように、炭酸ガスボンベ１０のガス吐出口近傍に図示しない一次減圧弁を取り付けて予め炭酸ガス圧力を調整している。
【００３６】
密閉容器２０内では、輸送管２１の先端に取り付けられたエアーストーン２５から細かく分散されて供給され、空間２４に一定の圧力で供給された炭酸ガスが、密閉容器２０を静置した状態で徐々に水２２に染み込むように溶解する。
【００３７】
密閉容器２０内に導入する炭酸ガスの供給条件は特に制限はないが、空間２４内の炭酸ガス圧力を低くした場合には水２２に炭酸ガスを溶解させる時間が長くかかり、空間２４内の炭酸ガス圧力を高くした場合には水２２に炭酸ガスを溶解させる時間は短くなるため、空間２４内の炭酸ガス圧力と炭酸ガスの溶解濃度、溶解完了時間等を考慮して条件を決定することができる。
【００３８】
しかしながら、通常は炭酸ガスボンベ１０の供給圧力や密閉容器２０の耐圧に制限があるため、これらの条件を考慮した供給条件とする。
【００３９】
具体的な供給圧力としては、一般的な炭酸ガスボンベの供給圧力が１９．６ＭＰａであることから、図示しない一次減圧弁により０．１５〜０．４５ＭＰａの範囲に調整するのが好ましい。
【００４０】
また、密閉容器２０としてペットボトルを用いる場合には、一般的なペットボトルの耐圧が０．６ＭＰａ程度であることから、０．６ＭＰａ以下、好ましくは０．１５〜０．５ＭＰａの範囲である。
【００４１】
加圧時間については、上記の供給圧力や、密閉容器２０内に収容する水２２の量、炭酸ガスの溶解濃度等を考慮して適宜設定することができる。
【００４２】
具体的には、例えば、密閉容器２０として容量が１．５Ｌのペットボトルを用い、ペットボトル内に水を１．０Ｌ収容して炭酸水を製造する場合には、ペットボトルへの供給圧力を０．４５ＭＰａとした場合、５分以上で炭酸水を製造することができる。
【００４３】
次に製造した炭酸水の排出について詳述する。
【００４４】
製造した炭酸水２３を排出する動作としては、まず、炭酸ガスボンベ１０からの炭酸ガスの供給を停止させるために、第１の開閉バルブ１２を閉じる。この時点では密閉容器２０の空間２４内は炭酸ガスにより大気圧よりも高い圧力の状態である。
【００４５】
次に、この状態で第２の開閉バルブ３２を開くことにより、密閉容器２０の空間２４内にある大気圧よりも高い炭酸ガスの圧力により、炭酸水２３は炭酸水輸送管３１を通って排出ノズル３０から排出される。
【００４６】
この排出は、密閉容器２０の空間２４内の炭酸ガスの圧力が大気圧と等しくなるまで行うことができるが、炭酸水２３が密閉容器２０内に残った状態で排出が止まった場合には、第２の開閉バルブ３２を閉じて、第１の開閉バルブ１２を開くことにより密閉容器２０の空間２４を炭酸ガスの加圧状態とした後、再度第１の開閉バルブ１２を閉じて、第２の開閉バルブ３２を開くことにより排出を再開することができる。
【００４７】
密閉容器２０内の炭酸水２３が全て排出され、空の状態になったときには、第１の開閉バルブ１２を閉じた状態で密閉容器２０を外し、新たな水２２を収容すればよい。
【００４８】
以上の説明からも明らかなように、本発明の炭酸水の製造装置は、その基本的な構成においては電気的な装置を全く用いることなく、装置内のバルブの操作だけで簡便、かつ効率的に炭酸水を製造し、排出することができる。
【００４９】
また、本発明の製造装置の炭酸水の製造及び排出動作では、炭酸ガスの外部への無駄な放出が一切なく、全て密閉容器内の加圧された炭酸ガスだけで行うため、炭酸水の製造単価を低く抑えることができるとともに、環境対策に対しても非常に優れた炭酸水の製造装置である。
【００５０】
本発明の炭酸水の製造装置では、本発明の効果を阻害しない範囲において、構成の変更が可能である。
【００５１】
例えば、図２の構成では、密閉容器２０とは別にタンク４０を接続している。このタンク４０は、図１における密閉容器２０内の空間２４を密閉容器２０外で補うものであり、このタンク４０と密閉容器２０の間に流量調整用バルブ１１を間に設けることにより空間２４を大幅に小さくすることができる。
【００５２】
また、図３に示すように、密閉容器２０１、２０２を複数接続する構成にしたり、また、図４に示すように炭酸ガス輸送管１３を分岐させ、開閉バルブ１２を設けて密閉容器２０３〜２０６を複数並列に接続することも可能である。このように、複数の密閉容器を接続することにより、炭酸水の製造量を調整することができる。
【００５３】
また、上記図１から図４に示す本発明の炭酸水の製造装置では、密閉容器２０に炭酸ガスを導入するための輸送管２１と、密閉容器２０内から炭酸水２３を排出するための輸送管２１を共通の輸送管２１として用いる構成としたが、図５に示すように、炭酸ガスを導入するための炭酸ガス輸送管２１０と、炭酸水２３を排出するための炭酸水輸送管２１１をそれぞれ別に設けた構成とすることもできる。
【００５４】
この構成では、炭酸水輸送管２１１の先端にエアーストーン２５が取り付けられていないため、より抵抗なく炭酸水を排出することが可能となる。
【００５５】
上記のような構成を有する本発明の炭酸水の製造装置によれば、簡便かつ効率的に炭酸水を製造することができ、製造した炭酸水を効率よく排出できる装置とすることができる。
【００５６】
本発明では、上記の炭酸水の製造装置を用いた美容器も提供する。
【００５７】
本発明の美容器は、製造した炭酸水を簡便かつ効果的に毛髪や皮膚に対して作用させることができるものであり、一般家庭や美容施設において簡単に使用することができるものである。
【００５８】
炭酸水を毛髪や皮膚に対して作用させる場合の美容的効果としては、炭酸水の微発泡の作用により毛髪や皮膚表面の汚れや、皮膚の毛穴に詰まった老廃物を効率的に除去することができ、また、皮膚表面の刺激により毛細血管を拡張させて血流を良好にすることができる。
【００５９】
また、炭酸水のｐＨは４．５〜６の弱酸性であるので、アルカリ性で傷んだ毛髪を中性に戻す効果を有し、皮膚に対しては保湿効果を有する。さらに、炭酸ガスは皮膚からの吸収が良いため、皮膚に接触した炭酸水を介して毛細血管まで炭酸ガスが浸透し、血液中の赤血球に作用して皮膚細胞を活性化させる効果を有する。
【００６０】
本発明の美容器の基本的な構成は図１に示す炭酸水の製造装置を内蔵したものであるが、美容器としての操作性を良好にするため、各構成を変更することが好ましい。
【００６１】
例えば、炭酸水輸送管３１は、先端に取り付けられた排出ノズル３０の取扱いを容易にするために、フレキシブルホース等を用いるのが好ましい。また、炭酸水輸送管３１の先端に取り付けられた排出ノズル３０は、手元で第２の開閉バルブ３２の操作や、排出量を調整できるものが好ましく、例えば、スプレーガンやシャワーヘッド等を、使用用途に応じて用いるのが好ましい。またこれらは簡単に交換が可能なアタッチメント方式のものとするのがより好ましい。
【００６２】
本発明の美容器では、図６、図７に示すように、上記の炭酸水の製造装置の構成をさらに追加、変更することができる。
【００６３】
図６の構成では、炭酸ガス輸送管１３と炭酸水輸送管３１から分岐した輸送管２１に炭酸水排出停止用バルブ２６、プラグ２７、ソケット２８が設けられている。プラグ２７とソケット２８は分離が可能であり、ソケット２８は、プラグ２７を抜くとエアーが止まる逆止弁が内蔵された構造となっている。
【００６４】
プラグ２７とソケット２８の分離は、密閉容器２０内に炭酸水２３が製造されていることを確認し、炭酸水排出停止用バルブ２６を閉めた状態で、プラグ２７とソケット２８を分離することができる。
【００６５】
上記のように、プラグ２７とソケット２８を分離することにより、製造した炭酸水２３を密閉容器２０ごと装置外に取り出すことができる。
【００６６】
この取り出した密閉容器２０は、密閉容器２０内の空間２４が、炭酸ガスによる加圧状態であるため、ソケット２７に接続可能なプラグと、手元でバルブの開閉が可能なスプレーガン等をフレキシブルホースを介して接続することにより、簡易型の炭酸水美容器として持ち運び、使用することができる。
【００６７】
図７の構成では、炭酸水の製造装置の炭酸ガスボンベ１０と流量調整用バルブ１１の間から、第２の炭酸ガス輸送管６３が分岐して接続され、第２の炭酸ガス輸送管６３には、炭酸ガスボンベ１０から供給される炭酸ガスの供給及び停止を行うための第３の開閉バルブ６１及び、炭酸ガスの圧力を調整するための圧力調整用バルブ６２が設けられている。また、第２の炭酸ガス輸送管６３の先端には炭酸ガスを排出するための炭酸ガス排出ノズル６０が設けられている。
【００６８】
この構成によれば、炭酸ガスボンベ１０からの流路を分岐して第３の開閉バルブ６１を開くことにより炭酸ガスを炭酸ガス排出ノズル６０から排出するようにしたので、炭酸水を製造しながら、炭酸ガスのみを種々の用途に用いることが可能となる。
【００６９】
炭酸ガスの用途としては、例えば、水を入れたペットボトル等に、炭酸ガス排出ノズル６０から供給される炭酸ガスを入れ、蓋をしてよく振ることにより、簡易的に炭酸水を製造するために用いることができる。
【００７０】
簡易的に製造した炭酸水は、美容用として用いることは勿論、飲料用、口腔内清浄用等として用いることができる。
【００７１】
また、本発明の美容器では、炭酸ガス排出ノズルに代えて、又は炭酸ガス排出ノズル６０の先端に、図８に示すようなエアーブラシ７０を取り付けることができ、製造した炭酸水をエアーブラシ用ボトル７１に入れて噴射することにより、炭酸水を細かい霧状に噴射したり、あるいは細部に亘る局所的な噴射をすることもできる。
【符号の説明】
【００７２】
１０ 炭酸ガスボンベ
１１ 流量調整用バルブ
１２ 第１の開閉バルブ
１３ 炭酸ガス輸送管
１５ 逆止弁
２０ 密閉容器
２０１〜２０６ 密閉容器
２１ 輸送管
２１０ 炭酸ガス輸送管
２１１ 炭酸水輸送管
２２ 水
２３ 炭酸水
２４ 空間
２５ エアーストーン
２６ 炭酸水排出停止用バルブ
２７ プラグ
２８ ソケット
３０ 排出ノズル
３１ 炭酸水輸送管
３２ 第２の開閉バルブ
４０ タンク
５１ 切換バルブ
６０ 炭酸ガス排出ノズル
６１ 第３の開閉バルブ
６２ 圧力調整用バルブ
６３ 第２の炭酸ガス輸送管
７０ エアーブラシ
７１ エアーブラシ用ボトル
【技術分野】
【０００１】
本発明は、炭酸水の製造装置及びこの炭酸水の製造装置を用いた美容器に関するものである。
【背景技術】
【０００２】
これまでに、炭酸水を製造するための方法として、水を入れた密閉容器内に炭酸ガスを導入して、密閉した状態で密閉容器をよく振ることにより密閉容器内の水に炭酸ガスを溶け込ませて炭酸水を製造する方法や、密閉容器内に炭酸ガスを導入しておき、その炭酸ガス雰囲気中にノズルから水をミスト状に噴射して、効率的に炭酸水を製造する方法等が提案されている（特許文献１参照）。
【０００３】
一方、近年、炭酸水の利用方法として、飲料用の炭酸水以外に、炭酸水を洗顔に用いたり、頭皮に向けて噴射することにより汚れを除去したり、炭酸ガスを浸透させ血管を拡張させて血行をよくするといった効果を期待して美容に用いることが試みられている。
【０００４】
このように炭酸水を美容に用いる場合には、一回の炭酸水の使用量が飲料用の炭酸水に比べて非常に多いことから、美容施設等で用いる場合にはその現場で効率的に炭酸水を製造することが望まれる。
【０００５】
しかしながら、従来の炭酸水の製造方法のように、密閉容器を振って炭酸水を製造する方法では、一度に多くの炭酸水を製造するのには非常に効率が悪く、また、炭酸ガス雰囲気中に水を噴射する方法では、水の供給、制御が複雑となり装置が大掛かりなものとなるといった問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００６】
【特許文献１】特開平２００２−３２６６９９号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００７】
このように、従来の炭酸水の製造方法では、一般の家庭や美容施設の現場において、簡便かつ効率的に炭酸水を製造することが困難であったため、手間をかけず、また、大規模な装置を用いることなく効率的に炭酸水を製造、排出することができる装置の開発が切望されていた。
【０００８】
本発明は、上記のような背景から従来の問題点を解消し、簡便かつ効率的に炭酸水を製造し、かつ、製造した炭酸水を効率よく排出することができる炭酸水の製造装置及びこの炭酸水の製造装置を用いた美容器を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【０００９】
即ち、本発明の炭酸水の製造装置及びこの製造装置を用いた美容器は以下のことを特徴としている。
【００１０】
第１に、炭酸水を製造するための製造装置であって、水を収容する密閉容器と、炭酸ガスが高圧で封入され、炭酸ガスを密閉容器に大気圧より高い圧力となるように供給するための炭酸ガスボンベと、炭酸ガスボンベと密閉容器を接続するための炭酸ガス輸送管と、炭酸ガス輸送管に取り付けられた密閉容器内に供給する炭酸ガスの流量を調整するための流量調整用バルブと、炭酸ガスボンベからの炭酸ガスの供給及び停止を行うための第１の開閉バルブと、製造した炭酸水を密閉容器内から取り出すための排出手段を備え、炭酸水の製造時には、第１の開閉バルブを開き、排出手段を閉じ、炭酸ガスをゆっくりと大気圧より高い圧力にすることで水に炭酸ガスを溶解させて炭酸水とし、製造した炭酸水の排出時には、第１の開閉バルブを閉じ、排出手段を開くことを特徴とする。
【００１１】
第２に、上記第１の炭酸水の製造装置において、炭酸水を密閉容器内から取り出すための排出手段が、炭酸水輸送管と、この炭酸水輸送管の先端に取り付けられた排出ノズルと、炭酸水の排出及び停止を行うための第２の開閉バルブを備えたことを特徴とする。
【００１２】
第３に、上記第１又は２の炭酸水の製造装置を用いた美容器である。
【００１３】
第４に、上記第３の美容器において、上記第１の炭酸水の製造装置の炭酸ガスボンベと圧力調整用バルブの間から分岐した第２の炭酸ガス輸送管と、第２の炭酸ガス輸送管に設けられた炭酸ガスボンベからの炭酸ガスの供給及び停止を行うための第３の開閉バルブと、炭酸ガスの圧力を調整するための圧力調整用バルブと、第２の炭酸ガス輸送管の先端に取り付けられた炭酸ガス排出ノズルを備え、第３の開閉バルブを開くことにより炭酸ガス排出ノズルから炭酸ガスを排出するようにしたことを特徴とする。
【００１４】
第５に、上記第４の美容器において、炭酸ガス排出ノズルとして、エアーブラシを設けたことを特徴とする。
【発明の効果】
【００１５】
上記第１の発明によれば、本発明の炭酸水の製造装置を用いて、炭酸ガスを大気圧より高い圧力で水に加圧させることにより、簡便かつ効率的に水に炭酸ガスを溶解させて炭酸水を製造することができる。
【００１６】
上記第２の発明によれば、密閉容器内で製造した、炭酸水の排出手段を、炭酸水輸送管と、炭酸水輸送管の先端に取り付けられた排出ノズルと、炭酸水の排出及び停止を行うための第２の開閉バルブを用いて行うようにしたので、炭酸水を効率よく排出することができる。
【００１７】
上記第３の発明によれば、上記第１又は第２の発明の炭酸水の製造装置を用いた美容器としたので、炭酸水を効果的に作用させることができる美容器とすることができる。
【００１８】
上記第４の発明によれば、上記第３の発明の美容器において、炭酸ガスボンベから炭酸ガスを供給するための流路を分岐して設けて、第３の開閉バルブを開くことにより炭酸ガスを排出する構成としたので、炭酸ガスを安全な圧縮ガスとして種々の用途に用いることが可能となる。
【００１９】
上記第５の発明によれば、上記第４の発明の美容器において、炭酸ガス排出ノズルとして、エアーブラシを設けたので、炭酸ガスを圧縮ガスとして用いて炭酸水を霧状に噴射することができる。
【図面の簡単な説明】
【００２０】
【図１】本発明の炭酸水の製造装置の主要部を示した概略図である。
【図２】密閉容器外にタンクを設けた構成の実施形態を示した概略図である。
【図３】密閉容器を直列に複数設けた構成の実施形態を示した概略図である。
【図４】密閉容器を並列に複数設けた構成の実施形態を示した概略図である。
【図５】炭酸ガス輸送管と、炭酸水輸送管を設けた密閉容器を示した概略図である。
【図６】輸送管に、炭酸水排出停止用バルブとプラグとソケットを設けた構成の実施形態を示した概略図である。
【図７】炭酸ガス排出機構を設けた構成の実施形態を示した概略図である。
【図８】炭酸ガス輸送管に取り付けるエアーブラシを示した概略図である。
【発明を実施するための形態】
【００２１】
本発明の炭酸水の製造装置は、密閉容器内に炭酸ガスを大気圧より高い圧力とした状態で供給し、水中に炭酸ガスを徐々に染み込ませて溶解させ、炭酸水を製造し、製造した炭酸水を排出する装置である。
【００２２】
以下に、本発明の炭酸水の製造装置について図面を用いて詳細に説明する。
【００２３】
図１は、本発明の炭酸水の製造装置の概略図である。
【００２４】
この実施形態の炭酸水の製造装置は、水２２を収容する密閉容器２０と、炭酸ガスが高圧で封入され、炭酸ガスを密閉容器２０に供給するための炭酸ガスボンベ１０と、炭酸ガス輸送管１３と、炭酸ガス輸送管１３に取り付けられた密閉容器２０内に供給する炭酸ガスの流量を調整するための流量調整用バルブ１１と、炭酸ガスボンベ１０からの炭酸ガスの供給及び停止を行うための第１の開閉バルブ１２と、炭酸ガスを排出ノズル３０の方向のみに流すための逆止弁１５と、炭酸水輸送管３１と、炭酸水輸送管３１の先端に取り付けられた排出ノズル３０と、炭酸水の排出及び停止を行うための第２の開閉バルブ３２を備えている。
【００２５】
炭酸ガスボンベ１０と密閉容器２０は、炭酸ガス輸送管１３により接続されており、炭酸ガス輸送管１３には、流量調整用バルブ１１、第１の開閉バルブ１２及び逆止弁１５が設けられている。
【００２６】
なお、図１の構成では、炭酸ガスボンベ１０と密閉容器２０の間に、炭酸ガスを密閉容器２０の方向のみに流すための逆止弁１５を設けているが、この逆止弁１５は密閉容器２０からの炭酸ガスや、水２２の逆流を予防するために設けられるものであり省略することができる。
【００２７】
密閉容器２０は、炭酸ガス輸送管１３、炭酸水輸送管３１から延びた輸送管２１が密閉容器２０の底面近傍まで延びており、輸送管２１の先端には炭酸ガスを細かく分散して放出するためのエアーストーン２５が取り付けられている。また、密閉容器２０内には水２２を収容した状態で、炭酸ガス雰囲気で大気圧よりも高い圧力状態の空間２４が設けられている。
【００２８】
この炭酸ガス雰囲気で大気圧よりも高い圧力状態の空間２４を設けることにより、水２２に効率的に炭酸ガスを溶解させることが可能となり、さらに、製造した炭酸水２３を効率的に排出することが可能となる。
【００２９】
この空間２４の体積は、特に制限されるものではないが、水２２に対する効率的な炭酸ガスの溶解及び炭酸水２３の排出圧力を考慮した場合、投入した水２２の体積の少なくとも３０％以上の体積であることが好ましい。
【００３０】
本発明に用いられる密閉容器２０は、一定の加圧状態で破損しない耐圧を有するものであれば特に制限なく用いることができ、これらのものとしては、例えば、ペットボトル、ガラスボトル、ステンレスボトル等を挙げることができる。
【００３１】
これらの中でもペットボトルは入手が容易であり、安価であり、さらに適度な耐圧を有する点で特に好適に用いることができる。
【００３２】
密閉容器２０と排出ノズル３０は、炭酸水輸送管３１で接続されており、密閉容器２０と排出ノズル３０の間には第２の開閉バルブ３２が設けられている。
【００３３】
次に、本発明の炭酸水の製造装置の動作について詳細に説明する。まず、炭酸水の製造について詳述する。
【００３４】
炭酸ガスボンベ１０から供給された炭酸ガスは、炭酸ガス供給管１３を通って密閉容器２０内に導入される。この際、炭酸ガスボンベ１０と密閉容器２０の間に設けられた流量調整用バルブ１１により密閉容器２０の耐圧等を考慮して最適な圧力の炭酸ガスが供給される。この時点では第１の開閉バルブ１２は開いた状態であり、第２の開閉バルブ３２は閉じた状態である。
【００３５】
なお、流量調整用バルブ１１に直接高い圧力がかからないように、炭酸ガスボンベ１０のガス吐出口近傍に図示しない一次減圧弁を取り付けて予め炭酸ガス圧力を調整している。
【００３６】
密閉容器２０内では、輸送管２１の先端に取り付けられたエアーストーン２５から細かく分散されて供給され、空間２４に一定の圧力で供給された炭酸ガスが、密閉容器２０を静置した状態で徐々に水２２に染み込むように溶解する。
【００３７】
密閉容器２０内に導入する炭酸ガスの供給条件は特に制限はないが、空間２４内の炭酸ガス圧力を低くした場合には水２２に炭酸ガスを溶解させる時間が長くかかり、空間２４内の炭酸ガス圧力を高くした場合には水２２に炭酸ガスを溶解させる時間は短くなるため、空間２４内の炭酸ガス圧力と炭酸ガスの溶解濃度、溶解完了時間等を考慮して条件を決定することができる。
【００３８】
しかしながら、通常は炭酸ガスボンベ１０の供給圧力や密閉容器２０の耐圧に制限があるため、これらの条件を考慮した供給条件とする。
【００３９】
具体的な供給圧力としては、一般的な炭酸ガスボンベの供給圧力が１９．６ＭＰａであることから、図示しない一次減圧弁により０．１５〜０．４５ＭＰａの範囲に調整するのが好ましい。
【００４０】
また、密閉容器２０としてペットボトルを用いる場合には、一般的なペットボトルの耐圧が０．６ＭＰａ程度であることから、０．６ＭＰａ以下、好ましくは０．１５〜０．５ＭＰａの範囲である。
【００４１】
加圧時間については、上記の供給圧力や、密閉容器２０内に収容する水２２の量、炭酸ガスの溶解濃度等を考慮して適宜設定することができる。
【００４２】
具体的には、例えば、密閉容器２０として容量が１．５Ｌのペットボトルを用い、ペットボトル内に水を１．０Ｌ収容して炭酸水を製造する場合には、ペットボトルへの供給圧力を０．４５ＭＰａとした場合、５分以上で炭酸水を製造することができる。
【００４３】
次に製造した炭酸水の排出について詳述する。
【００４４】
製造した炭酸水２３を排出する動作としては、まず、炭酸ガスボンベ１０からの炭酸ガスの供給を停止させるために、第１の開閉バルブ１２を閉じる。この時点では密閉容器２０の空間２４内は炭酸ガスにより大気圧よりも高い圧力の状態である。
【００４５】
次に、この状態で第２の開閉バルブ３２を開くことにより、密閉容器２０の空間２４内にある大気圧よりも高い炭酸ガスの圧力により、炭酸水２３は炭酸水輸送管３１を通って排出ノズル３０から排出される。
【００４６】
この排出は、密閉容器２０の空間２４内の炭酸ガスの圧力が大気圧と等しくなるまで行うことができるが、炭酸水２３が密閉容器２０内に残った状態で排出が止まった場合には、第２の開閉バルブ３２を閉じて、第１の開閉バルブ１２を開くことにより密閉容器２０の空間２４を炭酸ガスの加圧状態とした後、再度第１の開閉バルブ１２を閉じて、第２の開閉バルブ３２を開くことにより排出を再開することができる。
【００４７】
密閉容器２０内の炭酸水２３が全て排出され、空の状態になったときには、第１の開閉バルブ１２を閉じた状態で密閉容器２０を外し、新たな水２２を収容すればよい。
【００４８】
以上の説明からも明らかなように、本発明の炭酸水の製造装置は、その基本的な構成においては電気的な装置を全く用いることなく、装置内のバルブの操作だけで簡便、かつ効率的に炭酸水を製造し、排出することができる。
【００４９】
また、本発明の製造装置の炭酸水の製造及び排出動作では、炭酸ガスの外部への無駄な放出が一切なく、全て密閉容器内の加圧された炭酸ガスだけで行うため、炭酸水の製造単価を低く抑えることができるとともに、環境対策に対しても非常に優れた炭酸水の製造装置である。
【００５０】
本発明の炭酸水の製造装置では、本発明の効果を阻害しない範囲において、構成の変更が可能である。
【００５１】
例えば、図２の構成では、密閉容器２０とは別にタンク４０を接続している。このタンク４０は、図１における密閉容器２０内の空間２４を密閉容器２０外で補うものであり、このタンク４０と密閉容器２０の間に流量調整用バルブ１１を間に設けることにより空間２４を大幅に小さくすることができる。
【００５２】
また、図３に示すように、密閉容器２０１、２０２を複数接続する構成にしたり、また、図４に示すように炭酸ガス輸送管１３を分岐させ、開閉バルブ１２を設けて密閉容器２０３〜２０６を複数並列に接続することも可能である。このように、複数の密閉容器を接続することにより、炭酸水の製造量を調整することができる。
【００５３】
また、上記図１から図４に示す本発明の炭酸水の製造装置では、密閉容器２０に炭酸ガスを導入するための輸送管２１と、密閉容器２０内から炭酸水２３を排出するための輸送管２１を共通の輸送管２１として用いる構成としたが、図５に示すように、炭酸ガスを導入するための炭酸ガス輸送管２１０と、炭酸水２３を排出するための炭酸水輸送管２１１をそれぞれ別に設けた構成とすることもできる。
【００５４】
この構成では、炭酸水輸送管２１１の先端にエアーストーン２５が取り付けられていないため、より抵抗なく炭酸水を排出することが可能となる。
【００５５】
上記のような構成を有する本発明の炭酸水の製造装置によれば、簡便かつ効率的に炭酸水を製造することができ、製造した炭酸水を効率よく排出できる装置とすることができる。
【００５６】
本発明では、上記の炭酸水の製造装置を用いた美容器も提供する。
【００５７】
本発明の美容器は、製造した炭酸水を簡便かつ効果的に毛髪や皮膚に対して作用させることができるものであり、一般家庭や美容施設において簡単に使用することができるものである。
【００５８】
炭酸水を毛髪や皮膚に対して作用させる場合の美容的効果としては、炭酸水の微発泡の作用により毛髪や皮膚表面の汚れや、皮膚の毛穴に詰まった老廃物を効率的に除去することができ、また、皮膚表面の刺激により毛細血管を拡張させて血流を良好にすることができる。
【００５９】
また、炭酸水のｐＨは４．５〜６の弱酸性であるので、アルカリ性で傷んだ毛髪を中性に戻す効果を有し、皮膚に対しては保湿効果を有する。さらに、炭酸ガスは皮膚からの吸収が良いため、皮膚に接触した炭酸水を介して毛細血管まで炭酸ガスが浸透し、血液中の赤血球に作用して皮膚細胞を活性化させる効果を有する。
【００６０】
本発明の美容器の基本的な構成は図１に示す炭酸水の製造装置を内蔵したものであるが、美容器としての操作性を良好にするため、各構成を変更することが好ましい。
【００６１】
例えば、炭酸水輸送管３１は、先端に取り付けられた排出ノズル３０の取扱いを容易にするために、フレキシブルホース等を用いるのが好ましい。また、炭酸水輸送管３１の先端に取り付けられた排出ノズル３０は、手元で第２の開閉バルブ３２の操作や、排出量を調整できるものが好ましく、例えば、スプレーガンやシャワーヘッド等を、使用用途に応じて用いるのが好ましい。またこれらは簡単に交換が可能なアタッチメント方式のものとするのがより好ましい。
【００６２】
本発明の美容器では、図６、図７に示すように、上記の炭酸水の製造装置の構成をさらに追加、変更することができる。
【００６３】
図６の構成では、炭酸ガス輸送管１３と炭酸水輸送管３１から分岐した輸送管２１に炭酸水排出停止用バルブ２６、プラグ２７、ソケット２８が設けられている。プラグ２７とソケット２８は分離が可能であり、ソケット２８は、プラグ２７を抜くとエアーが止まる逆止弁が内蔵された構造となっている。
【００６４】
プラグ２７とソケット２８の分離は、密閉容器２０内に炭酸水２３が製造されていることを確認し、炭酸水排出停止用バルブ２６を閉めた状態で、プラグ２７とソケット２８を分離することができる。
【００６５】
上記のように、プラグ２７とソケット２８を分離することにより、製造した炭酸水２３を密閉容器２０ごと装置外に取り出すことができる。
【００６６】
この取り出した密閉容器２０は、密閉容器２０内の空間２４が、炭酸ガスによる加圧状態であるため、ソケット２７に接続可能なプラグと、手元でバルブの開閉が可能なスプレーガン等をフレキシブルホースを介して接続することにより、簡易型の炭酸水美容器として持ち運び、使用することができる。
【００６７】
図７の構成では、炭酸水の製造装置の炭酸ガスボンベ１０と流量調整用バルブ１１の間から、第２の炭酸ガス輸送管６３が分岐して接続され、第２の炭酸ガス輸送管６３には、炭酸ガスボンベ１０から供給される炭酸ガスの供給及び停止を行うための第３の開閉バルブ６１及び、炭酸ガスの圧力を調整するための圧力調整用バルブ６２が設けられている。また、第２の炭酸ガス輸送管６３の先端には炭酸ガスを排出するための炭酸ガス排出ノズル６０が設けられている。
【００６８】
この構成によれば、炭酸ガスボンベ１０からの流路を分岐して第３の開閉バルブ６１を開くことにより炭酸ガスを炭酸ガス排出ノズル６０から排出するようにしたので、炭酸水を製造しながら、炭酸ガスのみを種々の用途に用いることが可能となる。
【００６９】
炭酸ガスの用途としては、例えば、水を入れたペットボトル等に、炭酸ガス排出ノズル６０から供給される炭酸ガスを入れ、蓋をしてよく振ることにより、簡易的に炭酸水を製造するために用いることができる。
【００７０】
簡易的に製造した炭酸水は、美容用として用いることは勿論、飲料用、口腔内清浄用等として用いることができる。
【００７１】
また、本発明の美容器では、炭酸ガス排出ノズルに代えて、又は炭酸ガス排出ノズル６０の先端に、図８に示すようなエアーブラシ７０を取り付けることができ、製造した炭酸水をエアーブラシ用ボトル７１に入れて噴射することにより、炭酸水を細かい霧状に噴射したり、あるいは細部に亘る局所的な噴射をすることもできる。
【符号の説明】
【００７２】
１０ 炭酸ガスボンベ
１１ 流量調整用バルブ
１２ 第１の開閉バルブ
１３ 炭酸ガス輸送管
１５ 逆止弁
２０ 密閉容器
２０１〜２０６ 密閉容器
２１ 輸送管
２１０ 炭酸ガス輸送管
２１１ 炭酸水輸送管
２２ 水
２３ 炭酸水
２４ 空間
２５ エアーストーン
２６ 炭酸水排出停止用バルブ
２７ プラグ
２８ ソケット
３０ 排出ノズル
３１ 炭酸水輸送管
３２ 第２の開閉バルブ
４０ タンク
５１ 切換バルブ
６０ 炭酸ガス排出ノズル
６１ 第３の開閉バルブ
６２ 圧力調整用バルブ
６３ 第２の炭酸ガス輸送管
７０ エアーブラシ
７１ エアーブラシ用ボトル
【特許請求の範囲】
【請求項１】
炭酸水を製造するための製造装置であって、
水を収容する密閉容器と、炭酸ガスが高圧で封入され、炭酸ガスを密閉容器に大気圧より高い圧力となるように供給するための炭酸ガスボンベと、炭酸ガスボンベと密閉容器を接続するための炭酸ガス輸送管と、炭酸ガス輸送管に取り付けられた密閉容器内に供給する炭酸ガスの流量を調整するための流量調整用バルブと、炭酸ガスボンベからの炭酸ガスの供給及び停止を行うための第１の開閉バルブと、製造した炭酸水を密閉容器内から取り出すための排出手段を備え、
炭酸水の製造時には、第１の開閉バルブを開き、排出手段を閉じ、炭酸ガスを大気圧より高い圧力にすることで水に炭酸ガスを溶解させ、製造した炭酸水の排出時には、第１の開閉バルブを閉じ、排出手段を開くことを特徴とする炭酸水の製造装置。
【請求項２】
炭酸水を密閉容器内から取り出すための排出手段が、炭酸水輸送管と、この炭酸水輸送管の先端に取り付けられた排出ノズルと、炭酸水の排出及び停止を行うための第２の開閉バルブを備えたことを特徴とする請求項１に記載の炭酸水の製造装置。
【請求項３】
請求項１又は２に記載の炭酸水の製造装置を用いたことを特徴とする美容器。
【請求項４】
請求項１に記載の炭酸水の製造装置の炭酸ガスボンベと流量調整用バルブの間から分岐した第２の炭酸ガス輸送管と、第２の炭酸ガス輸送管に設けられた炭酸ガスボンベからの炭酸ガスの供給及び停止を行うための第３の開閉バルブと、炭酸ガスの圧力を調整するための圧力調整用バルブと、第２の炭酸ガス輸送管の先端に取り付けられた炭酸ガス排出ノズルを備え、第３の開閉バルブを開くことにより炭酸ガス排出ノズルから炭酸ガスを排出するようにしたことを特徴とする請求項３に記載の美容器。
【請求項５】
炭酸ガス排出ノズルとして、エアーブラシを設けたことを特徴とする請求項４に記載の美容器。
【請求項１】
炭酸水を製造するための製造装置であって、
水を収容する密閉容器と、炭酸ガスが高圧で封入され、炭酸ガスを密閉容器に大気圧より高い圧力となるように供給するための炭酸ガスボンベと、炭酸ガスボンベと密閉容器を接続するための炭酸ガス輸送管と、炭酸ガス輸送管に取り付けられた密閉容器内に供給する炭酸ガスの流量を調整するための流量調整用バルブと、炭酸ガスボンベからの炭酸ガスの供給及び停止を行うための第１の開閉バルブと、製造した炭酸水を密閉容器内から取り出すための排出手段を備え、
炭酸水の製造時には、第１の開閉バルブを開き、排出手段を閉じ、炭酸ガスを大気圧より高い圧力にすることで水に炭酸ガスを溶解させ、製造した炭酸水の排出時には、第１の開閉バルブを閉じ、排出手段を開くことを特徴とする炭酸水の製造装置。
【請求項２】
炭酸水を密閉容器内から取り出すための排出手段が、炭酸水輸送管と、この炭酸水輸送管の先端に取り付けられた排出ノズルと、炭酸水の排出及び停止を行うための第２の開閉バルブを備えたことを特徴とする請求項１に記載の炭酸水の製造装置。
【請求項３】
請求項１又は２に記載の炭酸水の製造装置を用いたことを特徴とする美容器。
【請求項４】
請求項１に記載の炭酸水の製造装置の炭酸ガスボンベと流量調整用バルブの間から分岐した第２の炭酸ガス輸送管と、第２の炭酸ガス輸送管に設けられた炭酸ガスボンベからの炭酸ガスの供給及び停止を行うための第３の開閉バルブと、炭酸ガスの圧力を調整するための圧力調整用バルブと、第２の炭酸ガス輸送管の先端に取り付けられた炭酸ガス排出ノズルを備え、第３の開閉バルブを開くことにより炭酸ガス排出ノズルから炭酸ガスを排出するようにしたことを特徴とする請求項３に記載の美容器。
【請求項５】
炭酸ガス排出ノズルとして、エアーブラシを設けたことを特徴とする請求項４に記載の美容器。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図８】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図８】
【公開番号】特開２０１２−１８７５１６（Ｐ２０１２−１８７５１６Ａ）
【公開日】平成２４年１０月４日（２０１２．１０．４）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２０１１−５３２８６（Ｐ２０１１−５３２８６）
【出願日】平成２３年３月１０日（２０１１．３．１０）
【出願人】（５０４１９３４６８）株式会社シンノエパック (6)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２４年１０月４日（２０１２．１０．４）
【国際特許分類】
【出願日】平成２３年３月１０日（２０１１．３．１０）
【出願人】（５０４１９３４６８）株式会社シンノエパック (6)
【Ｆターム（参考）】
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