説明

炭酸飲料水

【課題】気泡が細かく、かつ泡持ちの良好な炭酸飲料の提供。
【解決手段】磁気処理した水又はマイクロバブルで処理した水、及び電子水、遠赤外線で処理した水等、水の分子間の結合の弱い部分の切断等により、水のクラスターを細かくした水を原料水とし、ガス混合機により炭酸ガスを吸収させ、充填機により充填し製造する炭酸飲料水。製造工程での液温管理やガス圧調整の簡便を図ることができるとともに、製品の炭酸水も、これをグラスに注ぐと、気泡が細かく泡持ちがよい。

【発明の詳細な説明】
【技術の分野】
【0001】
本発明は、飲料水等に炭酸ガスを吸収させる改良技術。
【背景技術】
【0002】
従来の炭酸水は、原料液の温度が低い程、炭酸ガスの吸収は良いので、炭酸ガスの吸収をよくするため、吸収させる原料液の温度を1℃〜2℃ぐらいとしている。
【0003】
従来の炭酸水は、強制的に炭酸ガスを混入するため、ガス混合機内の炭酸ガス圧力を5kg/cm〜6kg/cmにして、瓶内圧力4,2kg/cmの炭酸水を製造している。
【0004】
従来の炭酸水をグラスに注いだ場合、その気泡は粗く、そのため泡持ちや泡立ちが悪くなっている。又気泡を細かくして泡持ちを良くするための対策として、微量の食塩等を添加している。
【0005】
炭酸水の製造では、原料液の溶存酸素量が低いほど炭酸ガスをスムースに吸収する。炭酸水の製造では、原料液中の溶存酸素量が3mg/l以上であると、その酸素と、混入させる炭酸ガスが反発し、瓶への充填時に粗い気泡が発生する。又それを打栓して後開栓すると、粗い気泡とともに、炭酸水が吹きこぼれる。そのため、脱気して溶存酸素量を2mg/l以下にしている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
原料液の温度を1℃〜2℃にして、炭酸ガスを混入しているが、とりわけ夏期では、温度を下げるために時間がかかる。
【0007】
ガス混合機内の炭酸ガス圧力を、5kg/cm〜6kg/cmで、炭酸ガスを混入しているが、炭酸ガス圧力が高いため、ガス漏れ等が起こりやすい。
【0008】
従来の炭酸水は、開栓後グラスに注ぐと、その気泡が粗く、そのため長時間炭酸ガスを保持することができない。
【0009】
原料水の溶存酸素量を2mg/l以下にするため、時間や、経費がががる。
【0010】
炭酸水の製造では、微量の食塩等を添加している場合もある。炭酸水の一般的な使用法は、各種飲料もしくは食品と調合して利用するので、その場合素材の味を損なう恐れがある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の課題を解決するため、[特許文献1]、又は[特許文献2]、[特許文献3]、及び[特許文献4]にて処理した水の分子クラスターが小さいといわれている水を原料とし、原料液に、ガス混合機で炭酸ガスを吸収させ製造する。
【特許文献1】 特開平11ー309461号
【特許文献2】 特開002ー200489号
【特許文献3】 特開平07ー204656号
【特許文献4】 特開平07ー039865号
【発明の効果】
【0012】
原料液の温度は5℃でも、炭酸ガスの吸収は良い。従って冬期には液温や気温の状況により冷却機を使用しなくても、炭酸水を製造できる。
【0013】
ガス混合機内の炭酸ガス圧力は、3kg/cm〜3,5kg/cmで、炭酸ガスをスムースに吸収し、瓶内圧力4,2kg/cmの炭酸水を製造できる。
【0014】
脱気において、溶存酸素量が4mg/lで製造できるので、時間、経費等節減出来る。
【0015】
微量の食塩等の添加を必要としないので、すっきりとした咽ごしの良い炭酸水を提供できるし、又各種食材と調合しても、素材の味をそこなわず、清涼感を十分味わえる飲料となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【実施例】
【0016】
以下、本発明を、磁気により処理した水で、炭酸水の製造工程に即し、図1に基づいて説明する。
【0017】
図上より、原料水を送水ポンプを使って 磁気処理機の磁場を通過させ、ORP200以下の磁気処理水をつくる。
【0018】
さらに脱気装置を通過させ、溶存酸素量4mg/l以下の脱気した磁気処理水にする。
【0019】
この水を5℃にセットした冷却機を通過させ、脱気した5℃の磁気処理水にする。
【0020】
この水を3,2kg/cmの圧力の炭酸ガス混合機を通過後、
【0021】
充填機で瓶に充填し、
【0022】
打栓機で打栓すると、ガス混合機内のガス圧力より高い、瓶内圧力4,2kg/cmの炭酸水ができる。
【詳細な説明】
【0023】
原料水の処理は磁気中を通過させた、磁気処理水[特許文献1]でも、あるいは[特許文献2]、[特許文献3]、[特許文献4]等の処理方法に於いて、どの方法で原料水の分子間結合の弱い部分を切断処理し、ORP200以下の水にしても、経過、結果は変わらない。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】 本発明の実施形態を示す製造工程のフローチャートで、原料水から炭酸水の出来上がるまでを記している。
【0025】
【表1】
原料水の前処理の計測結果表で、特許請求の範囲の項で記した、磁気処理した水は、[特許文献1]特開平11−309461号 公報、マイクロバブルで処理した水は、[特許文献2]特開002−200489号 公報、電子水は、[特許文献3]特開平07−204656号 公報で、遠赤外線で処理した水は、[特許文献4]特開平07−039865号 公報、により処理した。
【0026】
【表2】
原料水の成分分析表で、このような水を[表1]の方法で前処理して、炭酸水を製造した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
磁気処理した水又はマイクロバブルで処理した水、及び電子水、遠赤外線で処理した水等、水の分子間の結合の弱い部分の切断等により、水のクラスターが細かくなったといわれている水を原料水とし、ガス混合機により炭酸ガスを吸収させ、充填機により充填し製造する炭酸飲料水。

【図1】
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【公開番号】特開2009−125067(P2009−125067A)
【公開日】平成21年6月11日(2009.6.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−329300(P2007−329300)
【出願日】平成19年11月22日(2007.11.22)
【出願人】(504074400)能勢酒造株式会社 (2)
【Fターム(参考)】