説明

点火栓の電極の摩耗を判定する方法およびそのための装置

【課題】動いているエンジンの電極摩耗の判定を可能とする、点火栓の電極摩耗を確認する方法を提供すること、さらに、その方法を実施するための装置を提供すること。
【解決手段】本発明は、内燃機関の点火栓(2)の電極(4)の摩耗を判定する方法に関する。内燃機関を動かしたまま、点火栓(2)の点火に特徴的な制御または操作パラメータの現在値が、定められた限界値に達したかを調べ、限界値に達したことが判明すれば、報知機(3)を作動させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内燃機関の点火栓の電極の摩耗を判定する方法に関する。本発明は、さらに、前記方法の使用と、前記方法の実施のための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
強制点火による内燃機関、特に大型ガスエンジンにおいて、また、例えば自動車エンジンにおいても、点火を実施するため、点火栓の電極間に点火火花を発生させる。適切な火花持続時間により、効果的な、すなわち短すぎもせず長すぎもしない点火過程に必要な点火エネルギーを放出する。しかしながら点火栓を使用しているうちに、熱的影響のため、堆積、腐食、その他の摩耗現象により、時間とともに電極の間隔が変化してくる。間隔は、熱的影響により、例えば堆積や機械的損傷のため、拡大することも、縮小することもある。電極間隔が拡大したときは、点火に必要な火花持続時間を維持するために、点火エネルギーを増加することが必要となる。これに対し、電極間隔が縮小したときは、望ましい火花持続時間にするために、点火エネルギーを減らすことが必要となる。電極間隔が摩耗下限あるいは上限に達すれば、火花持続時間はもはや点火に必要な目標値に調整できなくなってしまう。このため点火栓の交換が必要になる。
【0003】
多筒機関に対しても、点火栓ごとの点火失敗を検知する方法が従来技術で知られており(例えば、特許文献1または特許文献2参照)、さらに例えば火花持続時間の調整による、点火過程の調整の方法も知られている(例えば、特許文献3または特許文献4参照)。これに対し、電極摩耗の確認は、従来技術においては、適当な点火栓ゲージによって、すなわち電極間隔の測定によって行われる。この間隔測定方法は、手間がかかる上、とりわけ運転中のエンジンでは実施できないという欠点がある。そのため、電極摩耗を調べ、場合によってはそれを見つけることのできる前に、内燃機関を停止せざるを得ない。したがって、顕著な点火栓摩耗がまだ無い場合にも定期的に点検しなければならないことは、内燃機関の使用者にとって時間と費用のかかることである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】独国特許発明第443 7480号明細書
【特許文献2】独国特許発明第10 2005 046 955号明細書
【特許文献3】オーストリア国特許発明第504 369号明細書
【特許文献4】欧州特許第1 199 470号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって本発明の課題は、動いているエンジンの電極摩耗の判定を可能とする、点火栓の電極摩耗を確認する方法を提供すること、さらに、その方法を実施するための装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、前記課題を、方法に関しては、請求項1の特徴により解決する。前記方法の有利な形態は、従属する請求項に記載されている。前記方法の使用について、請求項8に記載されている。装置に関しては、請求項9の特徴で課題が解決され、その有利な形態が従属する請求項に記載されている。
【0007】
本発明によれば、内燃機関を動かしたまま、点火栓の点火に特徴的な制御または操作パラメータの現在値が、定められた限界値に達したかを調べ、限界値に達していれば、報知機を作動させるように、内燃機関の点火栓の電極の摩耗を判定することが提案されている。
【0008】
したがって、本発明は、内燃機関の規定どおりの点火を生じるのに特徴的な1つまたは複数の制御または操作パラメータが定められた値の範囲にあるか、すなわち例えば最小値の上または最大値の下にあり、効果的に点火を実施できるかを検査する。この知見は、点火栓の摩耗限度に達したかを確認するのに利用される。
【0009】
限界値に達すれば、使用者に報知機で知らされる。
【0010】
本発明の好ましい実施形態によれば、特徴的な制御または操作パラメータとして、火花持続時間および/または規定どおりの点火に必要な点火エネルギーが用いられる。火花持続時間の値は、点火エネルギーの値とともに変化する。点火エネルギーが、増大すると、火花持続時間も増加し、逆もなりたつ。したがって、火花持続時間は点火エネルギーで調整することができる。
【0011】
したがって、点火過程に対して、火花持続時間の所望の目標値を設定することができ、つづいて点火エネルギーを変えることで、火花持続時間を目標値に調整することができる。点火過程における実際の火花持続時間は、操作パラメータの一例である。これにより、各点火過程において、操作パラメータとしての火花持続時間の現在値は、あらかじめ定められた火花持続時間の目標値、すなわち制御パラメータとしての火花持続時間に対応する。点火栓の電極間隔の変化は、したがって点火エネルギーの変化によって考慮に入れることができる。すなわち、火花持続時間は、点火エネルギーと電極間隔に依存する。
【0012】
点火栓の電極間隔が、定められた最小限界値を下回り、例えば点火コイルの制御値を変えて、規定どおりの点火に十分な短い火花持続時間をもたらすまで点火エネルギーを減少させることができないなら、点火栓を交換しなくてはならない。これにより、点火エネルギーの最小値範囲が達成される。
【0013】
これに対し、点火栓の電極間隔が、定められた最大限界値を超え、規定どおりの点火に十分な長い火花持続時間をもたらすまで点火エネルギーを増加させることができないならば、やはり点火栓を交換しなくてはならない。これらのパラメータの1つまたは両方は、したがって点火栓の摩耗限度への到達を検知するのに適当で、このように使用できる。
【0014】
点火栓の点火に特徴的な制御または操作パラメータの限界値は、少なくとも、内燃機関および/または内燃機関により駆動される装置の運転状態に特徴的な制御および/または操作パラメータに基づき定めることができる。使用することのできる、内燃機関の運転状態の操作パラメータは、例えば負荷である。ある特定の負荷に対して、ある点火エネルギーの限界値が設定される。負荷が大きくなると、運転のためにより長い火花持続時間が必要になる。すなわち、規定どおりの点火に必要な点火エネルギーの数値範囲が上昇するので、規定どおりの点火に必要な点火エネルギーの最小限界値も最大限界値も上昇する。負荷が減少すると、この数値範囲の窓が同様により低い点火エネルギー値にずれる。
【0015】
駆動される装置の例には、内燃機関で駆動されるタービンが挙げられ、その特徴的制御および/または操作パラメータは、点火の制御または操作パラメータの限界値窓に影響する。
【0016】
限界値に達したなら、好ましくは報知機を作動させ、内燃機関の使用者に点火栓が所定の摩耗限界値に達したことを報知する。このように、摩耗限度を調べるために内燃機関の運転を中断することなく、限界値への到達が分かり次第、点火栓を交換しなければならないことが使用者に直接伝えられる。とりわけこれは静置式エンジンにおいて、必要に即応した交換間隔に係る保守方針の顕著な改良となる。摩耗限界値を適切な値に設定すれば、限界値への到達が知らされても使用者にはまだ十分な時間があり、点火栓の交換のスケジュールを都合のよい時期に組込み諸事準備することができる。
【0017】
本発明の好ましい実施形態によれば、点火栓の点火に特徴的な制御または操作パラメータの現在値と限界値の差が求められ、内燃機関の使用者に報知機により、特定の時点で、または連続的に伝達される。これにより電極間隔の変化の傾向を、使用者に知らせることができる。
【0018】
最大限界値の場合、差を求めるには、例えば現在値を限界値から引く。この差がプラスとなるなら、限界値にはまだ達していない。差がほとんどないかマイナスとなるなら、限界値に達したことを報知する。逆に、最小限界値の場合、限界値を現在値から引き、この差がプラスとなるなら、やはり限界値にはまだ達していないことを示す。本発明は、上述した差の作成の変形形態も含む。その利点は、使用者が定められた時点で、または連続的に、点火栓が限界値への到達からまだどの程度離れているかを知らされるところにある。
【0019】
使用者はこれにより決められた時点または常時、点火栓の品質を正確に監視することができる。これにより、点火栓の交換の時期が使用者に長期的に明らかとなる。この追加情報は、内燃機関の長期使用計画に反映できる。したがって、請求項の方法を取り入れることで、内燃機関の使用効率が高められる。故障のリスクをより良く見積もることができ、点火栓をより長く使用できるので、操業コストが低くなり競争上極めて有利になる。
【0020】
好ましい実施形態によれば、火花持続時間および/または点火エネルギーの最小さらに最大限界値が与えられる。火花持続時間および/または点火エネルギーの現在値が、各点火過程の前または最中に測られ、前記現在値が、最小または最大限界値に達したことが判明すれば、報知機を作動させる。このようにして、点火栓の電極間隔が摩耗により減少しうるという事実、さらに運転することで電極間隔が増大するという可能性が考慮される。したがって点火栓は、プラスまたはマイナスの摩耗限界に到る可能性があり、この両方の差の極限値を前記方法により監視する。
【0021】
火花持続時間の現在値は、好ましくは、規定どおりの点火に好適な目標値になるように、測定された二次側電流により、直接または間接的に、点火コイルの一次側電流および/または必要な点火エネルギーを制御することで、制御される。間接的な制御とは、例えば、電流でなく、関係したパラメータ、例えば電圧、を制御することを意味する。火花持続時間の現在値が、最大または最小限界値を超え、あるいは下回ると、報知機を作動させ、内燃機関の使用者に点火栓を交換するように指示する。請求項の方法は、格段の困難なしに既存の内燃機関に適用できるので有利である。
【0022】
本発明の方法は、点火栓を2つ以上有する内燃機関の点火栓の摩耗を点火栓ごとに判定するのにも使用できる。これは、1つのシリンダに複数の点火栓が付けられている場合にも該当する。これにより、複点火栓を有する単筒機関にも、多くの点火栓を有する多筒機関にも適している。このように、前記方法は、全ての強制点火を有する内燃機関に使用することができる。この汎用性により、内燃機関の個々のまたは全ての点火栓の監視が可能となる。
【0023】
前記方法の実施には、好ましくは制御機構を用いる。そうした制御機構の典型例は、機関制御機器である。前記制御機構は、内燃機関の運転中に、点火栓の点火に特徴的な制御または操作パラメータの現在値が定められた限界値に達したか否かを判定する。限界値への到達が判明すると、制御機構は、報知機を作動する。このように、前記方法を実施する装置をコストと場所を取らずに内燃機関に適用できる。
【0024】
前記制御機構は、燃焼サイクルの火花持続時間および/または点火エネルギーを測定し、例えば、測定した二次側電流によって点火コイルの一次側電流を変化させることで、制御パラメータとしての点火エネルギーを変化させる、そして規定どおりの変化が、制御パラメータの範囲外であるならば、報知機を作動させる。
【0025】
本発明を、以下に添付図面を用いて例示的に、さらに詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】点火栓の電極の摩耗を判定する装置の一実施形態の構成図である。
【図2】電極の摩耗を判定する、本発明による方法の一実施形態の概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
図1は、詳細を図示していない点火栓付きの内燃機関の点火栓2の電極4の摩耗を判定する装置の構成図を示す。前記装置は、図示された実施形態においては、機関制御機器1を有し、これが、点火栓2の点火のための制御または操作パラメータが所定の限界値に達したか否かを判定し、限界値に達したことが判明すると報知機3を作動する。
【0028】
図示した実施形態の内燃機関は、静置され運転される、オットー原理で働く大型ガスエンジンである。制御パラメータとして、ここでは点火エネルギーUの目標値が使用され、操作パラメータとして、点火エネルギーUの現在値が使用され、規定どおりの点火に不可欠の火花持続時間の発生がもたらされる。報知機3として簡単な電球が用いられている。
【0029】
ガス-空気混合物の規定どおりの点火のためには、点火栓2において火花持続時間の定められた目標値が達成されねばならない。この火花持続時間の目標値を達成するためには、点火栓2に所定の点火エネルギーUを与えねばならない。
【0030】
機関制御機器1は、火花持続時間tの現在値を、各点火前に定められた目標値に調整する。火花持続時間の現在値の測定は、図2にプロセスのステップS1として示されている。火花持続時間の定められた目標値への調整は、ステップS2として行われる。図1の例示的実施形態では、1つの点火栓2のみが示されているが、このプロセスは、多くの点火栓の付いた多筒機関の点火栓の摩耗のシリンダごとの判定にも適用することができる。n本のシリンダを有する多筒機関への適用は、ステップS2で、シリンダ1〜nの火花持続時間を目標値に調整することで実施できる。この場合は、機関制御機器1も、多数の点火栓の摩耗を判定するように構成されている。
【0031】
火花持続時間tを、規定どおりの点火に必要な目標値に調整することは、それに必要な点火エネルギーUを放出することで達成される。これには、回路11の点火コイル5の一次側6へ、対応の電流強さI1を流す。点火コイル5の一次側6への電流I1は、回路12中の点火コイル5の二次側7に二次側電流I2を誘起する。電流I2により、点火栓2の電極4に電圧差が生じる。この電圧差により、特定の時点で火花の弧絡が生じ、火花持続時間tの点火火花により定められた点火エネルギーUを放出する。
【0032】
機関制御機器1は、調節機構9を有し、これがセンサ8からデータを受け取り、加工し、一方では、どのような一次側電流強さI1が点火コイル5に誘起されねばならないか、他方では点火エネルギーUの限界値に達したかを求める。点火エネルギーUの調整には、機関制御機器1は、各点火の最中または後に、データ結合15により、すなわち調節機構9の出力により、制御機構10を作動する。制御機構10は、一次回路11を開きまたは閉じる。調節機構9が、点火エネルギーの限界値に達したことを確認すると、機関制御機器1は、データ結合14により、図示例では電球である報知機3を作動する。
【0033】
点火エネルギーUの定められた目標値に調整するのは以下のように行われる。センサ8は、一方で、測定機構16で回路11の電流強さI1を、他方で、測定機構13で回路12の電流強さI2を測定する。調節機構9は、点火コイル5の二次側7に流された電流強さI2により、点火コイル5の一次側にどのような電流強さI1が誘起されなければならないかを求め、対応の信号をさらに制御機構10に伝える。このため、各点火後に火花持続時間tを目標値と比較し、この比較結果により、次の点火の火花持続時間の新しい目標値を決める。
【0034】
内燃機関の運転により、点火栓2の電極4の摩耗が生じる。これは、図2のステップS3に示されている。点火栓2の電極4の間隔が定められた限界値まで変化すると、電極の摩耗の下限または上限に達し、これは図2のステップS4に示される。
【0035】
摩耗の第一の形態は、点火栓2の電極4の間隔の増大の形を取る。この形態の摩耗は、図2のステップS5で示され、規定どおりの点火に必要な火花持続時間tを生じるためには、点火エネルギーUの増大が必要となる。このステップは図2にS6で示される。点火栓2の摩耗がさらに進むと、点火エネルギーUをさらに大きな値にすることがもはや不可能となり、ステップS7に示されるように、点火装置のエネルギー上限に達する。火花持続時間tは、点火栓の現状の摩耗に対応して目標値を調整できなくなり、したがって火花持続時間は、規定どおりの点火に十分な長さには足りなくなる。
【0036】
摩耗の第二の形態は、点火栓2の電極4の間隔の減少の形を取る。この形態の摩耗は、ステップS8で示される。この摩耗の結果のため、ステップS9として示されているように、長すぎる火花持続時間tを生じないように、点火エネルギーUを減らさないといけない。点火装置のエネルギー下限に達するなら、ステップS10でそうであるように、火花持続時間tはもはや十分に短くできず、規定どおりの点火には長すぎてしまう。
【0037】
図2のステップS7またはS10に示されるように、点火装置のエネルギー下限または上限に達したかを把握するのは、図1に示される調節機構9で行われる。この機構は、センサ8から伝達されるデータにより、点火エネルギーUが定められた下限または上限限界値に達したかを調べる。
【0038】
調節機構9が、点火エネルギーUが定められた最小限界値を下回った、または点火エネルギーが定められた最大限界値を上回ったと判定すると、この場合点火エネルギーが、点火栓の点火に特徴的な操作パラメータであり、報知機3をデータ結合14により作動させる。これにより、図2に示されるプロセスのステップS11に到達する。
【0039】
図示された実施形態において、報知機3は、電球の形で実施されている。限界値への到達が判明すると、電球が点灯し始める。内燃機関の使用者には、したがって点火栓2が摩耗限界値に到達しており交換しなければならないことが知らされる。
【0040】
変形の実施形態によれば、調節機構9は、連続的に点火エネルギーUと上方または下方限界値との差を判定する。使用者は、この差の値から、間欠的にまたは連続的に、点火栓2が、摩耗限界値に達するまでどの程度離れているかを知らされる。使用者は、したがって、長期にわたって点火栓2の交換が必要になる兆しが生じるのを観察でき、交換時期を早期に予定に組み込める。
【0041】
上方および下方限界値は、例えば、内燃機関が一定に運転されて、したがって電極摩耗が同じ速度である場合に、点火栓2が、統計的に見て、95%の確率でさらに1ヶ月間規定どおりに機能するように定義することができる。この場合、電球の点灯は、使用者に、できるだけ1か月以内に点火栓2を交換すべきことを報知する。この1カ月の期間は変更可能で、使用者の個別の必要性に合わせることができる。
【0042】
報知機3は、したがって点火栓2を直ぐに交換しなければならない時点で初めて作動させるのでなく、決められた時点ですでに、または連続的に点火栓2の損耗度を知らせる。また、点火栓2が1つまたは複数の限界値に達するまで、どの程度離れているかを知らせる。電球は、例えば早期のあまり重要でない限界値に達するともう点滅を開始し、最後の、点火栓2の交換に決定的な限界値に達すると初めて明るく点灯するようにできる。これに代って、デジタル表示で、点火栓2の損耗がどの程度まで行っているかを、例えばパーセントで直接表示することもできる。表示が5%を下回ったなら、さらにスクリーン上に「点火栓を交換してください」と通知文を表示できる。
【符号の説明】
【0043】
1 機関制御機器、制御機構
2 点火栓
3 報知機、電球
4 点火栓の電極
5 点火コイル
6 点火コイルの一次側
7 点火コイルの二次側
8 センサ
9 調節機構
10 制御機構
11 回路1
12 回路2
13 回路1用測定機構
14 機関制御機器1と報知機3間のデータ結合
15 機関制御機器1と制御機構10間のデータ結合
16 回路2用測定機構

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内燃機関の点火栓(2)の電極(4)の摩耗を判定する方法において、内燃機関を動かしたまま、前記点火栓(2)の点火に特徴的な制御または操作パラメータの現在値が定められた限界値に達したかを調べ、限界値に達したことが判明すれば、報知機(3)を作動させることを特徴とする方法。
【請求項2】
前記特徴的な制御または操作パラメータが、前記点火栓(2)の火花持続時間(t)および/または点火に必要な点火エネルギー(U)であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記限界値が、少なくとも、内燃機関および/または内燃機関により駆動される装置の運転状態に特徴的な制御および/または操作パラメータに基づき定められることを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記限界値に達すると前記報知機(3)を作動させ、内燃機関の使用者に、前記点火栓(2)が所定の摩耗限界値に達したことを、報知することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記点火栓(2)の点火に前記特徴的な制御または操作パラメータの現在値と限界値との差を求め、内燃機関の使用者に、前記報知機(3)により特定の時点でまたは連続的に伝達することを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記火花持続時間(t)および/または前記点火エネルギー(U)に対する最小限界値および最大限界値が定められており、現在値が前記最小限界値または最大限界値に到達したことが判明すれば、前記報知機(3)を作動させることを特徴とする請求項2から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
測定した二次側電流(I2)によって、点火コイルの一次側電流(I1)および/または必要な前記点火エネルギー(U)を直接または間接的に調整することにより前記火花持続時間(t)の現在値を目標値に調整し、現在値が最大限界値を上回るかまたは最小限界値を下回るならば、前記報知機(3)を作動させ、内燃機関の使用者に、前記点火栓(2)を交換するように指示することを特徴とする請求項2から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記点火栓(2)を2つ以上有する内燃機関の点火栓(2)の摩耗を点火栓ごとに判定する、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法の使用。
【請求項9】
制御機構(1)が、内燃機関を動かしたまま、前記点火栓(2)の点火に特徴的な制御または操作パラメータの現在値が、定められた前記限界値に達したかを調べ、前記限界値に達したことが判明すれば、前記報知機(3)を作動させることを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の方法を行う装置。
【請求項10】
制御または操作パラメータが、前記火花持続時間(t)および/または前記点火エネルギー(U)であることを特徴とする請求項8に記載の装置。
【請求項11】
前記制御機構が、測定した前記二次側電流(I2)によって、点火コイル(5)の前記一次側電流(I1)および/または必要な前記点火エネルギー(U)を変化させ、前記現在値が最大限界値を上回るかまたは最小限界値を下回るならば、前記報知機(3)を作動させることを特徴とする請求項8または9に記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−193735(P2012−193735A)
【公開日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−58508(P2012−58508)
【出願日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【出願人】(510153962)マン・ディーゼル・アンド・ターボ・エスイー (65)
【Fターム(参考)】