点灯装置、および照明器具
【課題】調光時の発光効率の向上が図れる点灯装置、および照明器具を提供することにある。
【解決手段】照明器具は、有機EL素子からなる光源部1と、光源部1を点灯する点灯装置2と、光源部1および点灯装置2を収納するケースとを備え、点灯装置2は、交流電源ACの交流出力を全波整流する整流回路部3と、整流回路部3によって全波整流された交流出力を直流出力に変換するPFC回路部4と、PFC回路部4の直流出力を元にして光源部1の点灯用の定電流を出力する電流出力部5と、電流出力部5が出力する定電流を間欠的に光源部1に供給することで光源部1の調光を行う調光回路部6と、調光回路部6の出力端と光源部1との間に挿入され、調光回路部6の出力端から光源部1に向かう電流を通し、光源部1から調光回路部6の出力端に向かう電流を通さないダイオード70からなる放電防止手段とを備える。
【解決手段】照明器具は、有機EL素子からなる光源部1と、光源部1を点灯する点灯装置2と、光源部1および点灯装置2を収納するケースとを備え、点灯装置2は、交流電源ACの交流出力を全波整流する整流回路部3と、整流回路部3によって全波整流された交流出力を直流出力に変換するPFC回路部4と、PFC回路部4の直流出力を元にして光源部1の点灯用の定電流を出力する電流出力部5と、電流出力部5が出力する定電流を間欠的に光源部1に供給することで光源部1の調光を行う調光回路部6と、調光回路部6の出力端と光源部1との間に挿入され、調光回路部6の出力端から光源部1に向かう電流を通し、光源部1から調光回路部6の出力端に向かう電流を通さないダイオード70からなる放電防止手段とを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有機エレクトロルミネッセンス素子を点灯させる点灯装置および照明器具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、発光素子として、有機エレクトロルミネッセンス(organicelectroluminescence、有機ELともいう)素子が注目を集めている。有機エレクトロルミネッセンス素子(以下、「有機EL素子」と略す)は、通電から発光までの時間が非常に短く、電流を変化させれば瞬時に輝度が変化する、つまり応答性に優れ、しかも応答性が温度によって殆ど変化しないという特性があり、加えて視野角が180度に近いという特性がある。そのため、有機EL素子は面発光に適しており、近年では、例えば液晶ディスプレイ(液晶表示装置)のバックライトなどの照明器具に利用されている。
【0003】
この種の照明器具は、図11に示すように、有機EL素子からなる光源部1と、光源部1を点灯させる点灯装置2とを備えている。
【0004】
ここで、点灯装置2としては、有機EL素子の輝度(明るさ)を調整できる調光機能付きの点灯装置が種々提案されている(例えば、特許文献1,2参照)。
【0005】
この種の点灯装置2は、図11に示すように、有機EL素子からなる光源部1に所定の大きさの定電流を供給するものであって、商用電源などの交流電源ACの交流出力を全波整流するダイオードブリッジなどからなる整流回路部3と、整流回路部3によって全波整流された交流出力を直流出力に変換するPFC(力率改善)回路部4と、PFC回路部4の直流出力を元にして光源部1の点灯用の定電流を出力する電流出力部5と、電流出力部5が出力する定電流を間欠的に光源部1に供給することで光源部1の調光を行う調光回路部6とを備えている。
【0006】
PFC回路部4は、整流回路部3の高電位側の出力端に一端が接続されたコイル(チョークコイル)L1を有している。コイルL1の他端と整流回路部3の低電位側の出力端との間には、nチャンネル型のMOSFETからなるスイッチング素子Q1と抵抗R1との直列回路が挿入され、コイルL1とスイッチング素子Q1との接続点には、逆流阻止用のダイオードD1のアノードが接続され、ダイオードD1のカソードと、整流回路部3の低電位側の出力端との間には、電解コンデンサなどからなる平滑用コンデンサC1が接続されている。
【0007】
このようなPFC回路部4において、スイッチング素子Q1を導通させる(オンする)と、整流回路部3の高電位側の出力端からコイルL1とスイッチング素子Q1を介して電流が流れることにより、コイルL1にはエネルギが蓄えられる。この後に、スイッチング素子Q1を遮断する(オフする)と、コイルL1に蓄えられたエネルギはダイオードD1を介して平滑用コンデンサC1へと供給される。したがって、スイッチング素子Q1のオン・オフを繰り返すことによりコンデンサC1への電流供給と遮断を繰り返し、このスイッチングを高周波で行うことによりコンデンサC1の両端電圧を所望の値に設定することができる。
【0008】
スイッチング素子Q1は、PFC制御部4aによりオン・オフ制御される。PFC制御部4aは、コイルL2によってコイルL1に流れる電流の有無を検出するとともに、スイッチング素子Q1のソース電圧を検出し、これら検出した電流値に基づいて、スイッチング素子Q1のオン・オフ制御を行うことで、コンデンサC1の両端電圧を一定に維持する。また、PFC制御部4aは、交流電源ACから得られる電流の高調波歪を改善する力率改善機能を備えており、例えば、交流電源ACの入力力率を改善するようにスイッチング素子Q1のオン期間を設定する。
【0009】
電流出力部5は、光源部1に定電流を出力する定電流源となるものであって、PFC回路部4の直流出力の電圧を降圧する降圧チョッパ回路からなる。この電流出力部5は、PFC回路部4の平滑用コンデンサC1の高電位側にドレインが接続されたnチャンネル型のMOSFETからなるスイッチング素子Q2と、スイッチング素子Q2のソースに一端が接続されたコイルL3と、スイッチング素子Q2のソースにカソードが接続され、アノードが平滑用コンデンサC1の低電位側に接続された還流用のダイオードD2と、コイルL3の他端に接続された電解コンデンサなどからなる平滑用のコンデンサC2と、コンデンサC2の低電位側とダイオードD2のアノードとの間に挿入された抵抗R2と、スイッチング素子Q2のオン・オフ制御を行う電流制御部5aとを備えており、スイッチング素子Q2のオン・オフのスイッチングによりコンデンサC2の両端電圧、つまり光源部1の両端に印加する電圧を所望の値に設定することができるようになっている。ここで、電流制御部5aは、抵抗R2の両端電圧に基づいてスイッチング素子Q2のオン・オフ制御を行うことで、平滑用コンデンサC2の両端電圧を一定にし、これによって、電流出力部5は、光源部1に定電流を出力する。
【0010】
調光回路部6は、電流出力部5のコンデンサC2の高電位側にドレインが接続されたnチャンネル型のMOSFETからなるスイッチング素子Q3と、スイッチング素子Q3のオン・オフ制御を行う調光制御部6aとで構成されている。調光制御部6aは、与えられたデューティ比に基づいて、図12(a)に示すようにスイッチング素子Q3のゲートに電位を与え、スイッチング素子Q3を高周波でオン・オフ制御することで、図12(b)に示すように光源部1に間欠的に電流を出力することで光源部1の調光を行う。
【特許文献1】2004−210848号公報
【特許文献2】2004−245904号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
ところで、光源部1である有機EL素子の等化回路は、ダイオードとコンデンサとの並列回路で表される。つまり、有機EL素子は容量成分を有する容量性負荷である。
【0012】
そのため、従来例の点灯装置2では、スイッチング素子Q3をオンして光源部1への給電が開始された際には、光源部1を充電するために光源部1にサージ電流(充電電流)が流れ、光源部1にストレスを与えてしまう(図12(b)においてP1で示すハッチングの部位)。また、光源部1が充電されるまでは発光しないから、光源部1の光束の立ち上がりが遅延してしまう。一方、スイッチング素子Q3がオフになって光源部1への給電が停止した際には、光源部1に蓄えられた電荷が放電される(図12(b)においてP2で示すハッチングの部位)ため、この後にスイッチング素子Q3がオンになった際には、再び光源部1を充電するためにサージ電流が流れてしまう。
【0013】
このように従来例の点灯装置2では、スイッチング素子Q3がオン・オフされる度に、光源部1の充放電が行われるから、光源部1に供給する電力が無駄に消費され、発光効率が悪くなるという問題があった。このような問題は、スイッチング素子Q3が高周波でオン・オフ制御する調光制御時に特に顕著であった。
【0014】
本発明は上述の点に鑑みて為されたもので、その目的は、調光時の発光効率の向上が図れる点灯装置、および照明器具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記の課題を解決するために、請求項1の発明では、有機エレクトロルミネッセンス素子からなる光源部の点灯用の定電流を出力する電流出力部と、当該電流出力部が出力する定電流を間欠的に光源部に供給することで光源部の調光を行う調光回路部とを備えた点灯装置であって、光源部の放電を防止する放電防止手段を備えていることを特徴とする。
【0016】
請求項1の発明によれば、光源部が放電することを防止するから、調光時において光源部の充放電が繰り返されることがなくなり、発光効率の向上が図れ、また調光時にサージ電流が繰り返し流れることがないから、従来例に比べれば、サージ電流によるストレスを光源部に与えなくて済み、光源部の長寿命化が図れ、しかも光源部の光束の立ち上がりを早めることができる。
【0017】
請求項2の発明では、請求項1の発明において、上記放電防止手段は、上記調光回路部の出力端と上記光源部との間に挿入された整流回路からなり、当該整流回路は、上記調光回路部の出力端から上記光源部に向かう電流を通し、上記光源部から上記調光回路部の出力端に向かう電流を通さないことを特徴とする。
【0018】
請求項2の発明によれば、簡単な構成で実現できるから、小型化および低コスト化が図れる。
【0019】
請求項3の発明では、請求項2の発明において、上記整流回路は、ダイオードにより構成されていることを特徴とする。
【0020】
請求項3の発明によれば、簡単な構成で実現できるから、小型化および低コスト化が図れる。
【0021】
請求項4の発明では、請求項2の発明において、上記整流回路は、サイリスタにより構成されていることを特徴とする。
【0022】
請求項4の発明によれば、簡単な構成で実現できるから、小型化および低コスト化が図れる。
【0023】
請求項5の発明では、請求項2の発明において、上記整流回路は、ゲート・ターンオフ・サイリスタにより構成されていることを特徴とする。
【0024】
請求項5の発明によれば、簡単な構成で実現できるから、小型化および低コスト化が図れる。
【0025】
請求項6の発明では、上記放電防止手段は、上記電流出力部と上記光源部との間に挿入されたバイポーラ・トランジスタからなり、上記調光回路部は、上記放電防止手段をオン・オフ制御することで上記光源部の調光を行うことを特徴とする。
【0026】
請求項6の発明によれば、放電防止手段を調光回路部の一部として利用しているから、小型化および低コスト化が図れる。
【0027】
請求項7の発明では、請求項1の発明において、上記放電防止手段は、上記電流出力部と上記光源部との間に挿入された絶縁ゲート型バイポーラ・トランジスタからなり、上記調光回路部は、上記放電防止手段をオン・オフ制御することで上記光源部の調光を行うことを特徴とする。
【0028】
請求項7の発明によれば、放電防止手段を調光回路部の一部として利用しているから、小型化および低コスト化が図れる。
【0029】
請求項8の発明では、請求項1〜7のうちいずれか1項記載の点灯装置と、当該点灯装置により点灯される光源部と、点灯装置および光源部を収納するケースとを備えていることを特徴とする。
【0030】
請求項8の発明によれば、発光効率の向上が図れる。
【発明の効果】
【0031】
本発明は、調光時において光源部の充放電が繰り返されることがなくなり、発光効率の向上が図れるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
(実施形態1)
本実施形態の照明器具は、図7(a),(b)に示すように、光源部1と、光源部1を点灯する点灯装置2と、光源部1および点灯装置2を収納するケース8とを備えている。
【0033】
光源部1は、例えば、支持基板10と、支持基板10の一表面側(図7(b)における下面側)に形成された透明電極11と、透明電極11における支持基板10とは反対側に形成された発光層12と、発光層12における透明電極11とは反対側に形成された金属製の反射電極13と、支持基板10の上記一表面側に透明電極11、発光層12および反射電極13を覆う形で取り付けられる封止部14とを備えている。
【0034】
支持基板10は、発光層12を支持するための平板状の部材であり、発光層12が放射する光に対して透光性を有する材料により形成されている。例えば、支持基板10としては、ガラス基板などの透明基板が利用される。透明電極11は、発光層12が放射する光に対して透光性を有する材料からなる導電性の薄膜である。このような透明電極11の材料としては、ITO(Indium Tin Oxide)などの透明な導電性材料が用いられる。発光層12は、例えば、蛍光物質の有機材料または蛍光物質を含む有機材料からなり、必要に応じて、正孔注入層、正孔輸送層、電子輸送層および電子注入層などが備えられる。反射電極13は、発光層12が放射する光を反射する材料からなる導電性の薄膜である。このような反射電極13の材料としては、例えば、アルミニウムや、アルミ・リチウム合金、マグネシウム・銀合金などを用いることができる。
【0035】
ところで、透明電極11および反射電極13それぞれには給電用の端子部(図示せず)が設けられ、封止部14は、透明電極11および反射電極13それぞれの端子部を露出する形で、支持基板10の上記一表面側に接着剤などにより気密に取り付けられる。このような封止部14は、例えば絶縁性を有する材料(例えば、ガラスなど)により一面が開口した箱状に形成されており、有機材料からなる発光層12が酸素や湿気の影響により徐々に劣化することを抑制するために用いられる。
【0036】
上述した光源部1は、支持基板10上に、透明電極11、発光層12、および反射電極13を順次積層してなる矩形板状の有機エレクトロルミネッセンス素子(以下、「有機EL素子」と略す)からなり、このような光源部1では、上記給電用の端子部により透明電極11および反射電極13それぞれに所定の電位を与えることにより、発光層12から光が放射される。
【0037】
このとき発光層12から透明電極11側に放射された光は、透明電極11を透過した後に、支持基板10に入射し、支持基板10内を通過し、支持基板10の他表面側(図7(b)における上面側)から支持基板10外に出射される。一方、発光層12から反射電極13側に放射された光は、反射電極13により透明電極11側に反射された後に、支持基板10内を通過し、支持基板10の上記他表面側から支持基板10外に出射される。
【0038】
つまり、光源部1は、厚み方向一面側(支持基板の上記他表面側)に発光面が形成されるとともに、厚み方向他面側(封止部における支持基板とは反対面側)に非発光面が形成された所謂片面発光型(特に基板側に光を放射するボトムエミッション型)の有機EL素子である。
【0039】
本実施形態における点灯装置2は、プリント基板20に光源部1を点灯する点灯回路を構成する電子部品21を実装してなり、例えば、図1に示すような回路構成を有している。以下、図1を参照して点灯装置2の回路構成について説明する。
【0040】
本実施形態における点灯装置2は、整流回路部3と、PFC回路部4と、電流出力部5と、調光回路部6とを有している点は上記従来例と同様であるが、調光回路部6の出力端と光源部1との間にダイオード70が挿入されている点で異なっている。
【0041】
ところで、本実施形態における点灯装置2は、電流出力部5の電流制御部5aの構成が上記従来例と異なっている。なお、整流回路部3およびPFC回路部4それぞれの構成については、上記従来例と同様であるから説明を省略する。また、電流出力部5における電流制御部5a以外の構成についても上記従来例と同様であるから説明を省略する。
【0042】
本実施形態における電流制御部5aは、図2に示すように、降圧チョッパ制御回路50と、降圧チョッパ制御回路50が出力する制御信号に応じてスイッチング素子Q2をオン・オフするドライブ回路(ドライブIC)51とで構成されている。電流制御部5aは、図3(a)〜(c)に示すように、平滑用コンデンサC2の両端電圧(電流出力部5の出力電圧)が所定の電圧Vo1を含む所定範囲内の値となるようにスイッチング素子Q2のオン・オフ制御を行うが、スイッチング素子Q3がオンである期間Tonと、スイッチング素子Q3がオフである期間Toffとで、その制御内容が異なっている。なお、図3(a)は、スイッチング素子Q3のゲートに入力される信号(電位)の波形を示し、図3(b)は、スイッチング素子Q2のゲートに入力される信号(電位)の波形を示し、図3(c)は、電流出力部5の出力電圧を示している。
【0043】
降圧チョッパ制御回路50は、主として、4つのコンパレータ50a〜50dと、論理積回路(ANDゲート)50eと、反転回路(インバータ、NOTゲート)50fと、一対のNORゲートからなるSR型のフリップフロップ回路50gとを有している。
【0044】
第1のコンパレータ50aの非反転入力端子は、スイッチング素子Q2のソースとグラウンドとの間に印加される電圧(以下、ソース電圧と称する)を分圧する抵抗R3,R4,R5からなる直列回路(分圧回路)における抵抗R4,R5間に接続され、反転入力端子には所定の基準電圧Vref1が入力されている。第1のコンパレータ50aは、スイッチング素子Q2のソース電圧が閾値電圧Vth(ただし、閾値電圧VthはPFC回路部4の出力電圧である平滑用コンデンサC1の両端電圧Voutよりは小さい値である)を越えた際に、ハイレベルの信号を出力するように構成されている。したがって、基準電圧Vref1は、閾値電圧Vthに対応する値に設定されている。また、第1のコンパレータ50aの出力端子は抵抗R13を介して例えば5Vの内部電源Vccに接続されるとともに、論理積回路50eの一方の入力端子に接続されている。
【0045】
第2のコンパレータ50bの反転入力端子は、平滑用コンデンサC2の両端電圧を分圧する抵抗R6,R7,R8からなる直列回路(分圧回路)における抵抗R7,R8間に接続され、非反転入力端子には所定の基準電圧Vref2が入力されている。第2のコンパレータ50bは、平滑用コンデンサC2の両端電圧が所定の電圧Vo2(但しVo2<Vo1)を下回った際に、ハイレベルの信号を出力するように構成されている。したがって、基準電圧Vref2は、電圧Vo2に対応する値に設定されている。また、第2のコンパレータ50bの出力端子は、抵抗R14を介して内部電源Vccに接続されるとともに、コンデンサC4を介してフリップフロップ回路50gのセット端子(S端子)に接続されている。なお、コンデンサC4とフリップフロップ回路50gのセット端子との接続点は、ダイオードD5を介してグラウンドに接続されるとともに、抵抗R17を介してグラウンドに接続されている。
【0046】
第3のコンパレータ50cの非反転入力端子は、抵抗R7,R8間に接続され、反転入力端子には所定の基準電圧Vref3が入力されている。第3のコンパレータ50cは、平滑用コンデンサC2の両端電圧が所定の電圧Vo3(但しVo3>Vo1)を上回った際に、ハイレベルの信号を出力するように構成されている。したがって、基準電圧Vref3は、電圧Vo3に対応する値に設定されている。また、第3のコンパレータ50cの出力端子は、抵抗R15を介して内部電源Vccに接続されるとともに、コンデンサC5を介してフリップフロップ回路50gのリセット端子(R端子)に接続されている。なお、コンデンサC5とフリップフロップ回路50gのリセット端子との接続点は、ダイオードD6を介してグラウンドに接続されるとともに、抵抗R18を介してグラウンドに接続されている。
【0047】
第4のコンパレータ50dの非反転入力端子は、抵抗R2と光源部1との間に接続され、反転入力端子には内部電源Vccを分圧する抵抗R9,R10,R11からなる直列回路(分圧回路)における抵抗R9,R10間に接続されている。第4のコンパレータ50dは、抵抗R2に流れる電流が所定値以上とならないようにするためのものであり、抵抗R9,R10間の接続点における電圧VLは、抵抗R2の両端電圧の上限値としている。一方、抵抗R10,R11の接続点は、nチャンネル型のMOSFETからなるスイッチング素子Q4のドレインに接続され、スイッチング素子Q4のソースはグラウンドに接続されている。スイッチング素子Q4のゲートは、抵抗R12を介して内部電源Vccに接続されるとともに、反転回路50fの出力端子に接続されている。反転回路50fの入力端子は調光制御部6aに接続されており、当該入力端子には、スイッチング素子Q3がオンであればハイレベルの信号が、オフであればロウレベルの信号が入力される。また、第4のコンパレータ50dの出力端子は、抵抗R16を介して内部電源Vccに接続されるとともに、コンデンサC6を介してフリップフロップ回路50gのリセット端子に接続されている。なお、コンデンサC6とリセット端子との接続点は、ダイオードD7を介してグラウンドに接続されるとともに、抵抗R19を介してグラウンドに接続されている。
【0048】
論理積回路50eの他方の入力端子は調光制御部6aに接続されており、当該入力端子には、スイッチング素子Q3がオンであればハイレベルの信号が、オフであればロウレベルの信号が入力される。また、論理積回路50eの出力端子は、抵抗R20を介して内部電源Vccに接続されるとともに、コンデンサC3を介してフリップフロップ回路50gのセット端子に接続されている。なお、コンデンサC3とセット端子との接続点は、ダイオードD4を介してグラウンドに接続されるとともに、抵抗R21を介してグラウンドに接続されている。
【0049】
フリップフロップ回路50gの出力端子(Q端子)はドライブ回路51に接続されている。したがって、フリップフロップ回路50gの出力端子が出力する信号が、ドライブ回路51の制御信号となる。ここで、ドライブ回路51は、当該制御信号がハイレベルの信号であれば、スイッチング素子Q2のゲートに所定値以上の電位を与えてスイッチング素子Q2のドレイン−ソース間を導通させ(スイッチング素子Q2をオンし)、上記制御信号がロウレベルの信号であれば、スイッチング素子Q2のゲートの電位を所定値未満とすることでスイッチング素子Q2のドレイン−ソース間を遮断する(スイッチング素子Q2をオフする)。
【0050】
以下に、電流出力部5の動作について図3〜図5を参照して説明する。まず、図4(a)に示すように、スイッチング素子Q3がオンである場合(すなわち期間Ton)、調光制御部6aは、論理積回路50eおよび反転回路50fそれぞれにハイレベルの信号を出力する。この場合、反転回路50fはロウレベルの信号を出力するから、スイッチング素子Q4はオフであり、第4のコンパレータ50dの反転入力端子には、内部電源Vccを抵抗R9,R10,R11で分圧した電圧が入力される。
【0051】
ところで、上述したようにスイッチング素子Q3がオンである場合、スイッチング素子Q2がオフであるとすると、図4(b)に示すように抵抗R2の両端電圧は低下して0になる(時間t1)。そうすると、図4(c)に示すように、スイッチング素子Q2のソース電圧が上昇し始め、やがて閾値電圧Vthを上回る(時間t2)。このとき、図4(d)に示すように、第1のコンパレータ50aはハイレベルの信号を出力し、論理積回路50eの両入力端子それぞれにはハイレベルの信号が入力されるから、論理積回路50eはハイレベルの信号を出力する。そうすると、図4(e)に示すように、フリップフロップ回路50gのセット端子にはハイレベルの信号が入力されることになるから、図4(g)に示すように、フリップフロップ回路50gはハイレベルの信号をドライブ回路51に出力し、ドライブ回路51はスイッチング素子Q2をオンする。
【0052】
スイッチング素子Q2がオンになると、抵抗R2の両端電圧は上昇し、やがて電圧VLを上回り(時間t3)、第4のコンパレータ50dは、ハイレベルの信号を出力する。そうすると、図4(f)に示すように、フリップフロップ回路50gのリセット端子にはハイレベルの信号が入力されることになるから、フリップフロップ回路50gはロウレベルの信号をドライブ回路51に出力し、図4(g)に示すように、ドライブ回路51はスイッチング素子Q2をオフにする。
【0053】
以後、上述した動作を繰り返すことによって、電流制御部5aは、電流出力部5の出力電圧を電圧Vo1に維持する。
【0054】
一方、図5(a)に示すように、時間t4においてスイッチング素子Q3がオンからオフに切り替わった(すなわち期間Toffになった)場合、調光制御部6aは、論理積回路50eおよび反転回路50fそれぞれにロウレベルの信号を出力する。この場合、論理積回路50eは、第1のコンパレータ50aの出力によらずにロウレベルの信号を出力する。また、反転回路50fはハイレベルの信号を出力するようになるから、スイッチング素子Q4はオンとなり、第4のコンパレータ50dの反転入力端子には、内部電源Vccを抵抗R9,R10で分圧した電圧が入力される。つまり、図5(e)に示すように、第4のコンパレータ50dの反転入力端子に入力される電圧VLが低くなる。したがって、スイッチング素子Q3がオフであるときは、図5(f)に示すように、スイッチング素子Q3がオンであるときよりも、抵抗R2に流れる電流の上限値を低くしている。
【0055】
そして、この期間Toffにおいてスイッチング素子Q2がオフになると、図5(b)に示すようにコンデンサC2の両端電圧は低下し、やがて下限となる電圧Vo2を下回る。したがって、図5(c)に示すように、コンデンサC2の両端電圧を抵抗R6,R7,R8で分圧してなる電圧Vinも低下し、やがて基準電圧Vref2を下回る(時間t5)。このとき、第2のコンパレータ50bは、ハイレベルの信号を出力するから、図5(d)に示すように、フリップフロップ回路50gのセット端子にはハイレベルの信号が入力され、その結果、フリップフロップ回路50gはハイレベルの信号をドライブ回路51に出力し、ドライブ回路51はスイッチング素子Q2をオンする。
【0056】
このようにスイッチング素子Q2がオンになると、図5(b)に示すようにコンデンサC2の両端電圧が上昇し、やがて上限となる電圧Vo3を上回る。したがって、図5(c)に示すように、電圧Vinも上昇し、やがて基準電圧Vref3を上回る(時間t6)。このとき、第3のコンパレータ50cは、ハイレベルの信号を出力するから、図5(g)に示すように、フリップフロップ回路50gのリセット端子にはハイレベルの信号が入力され、その結果、フリップフロップ回路50gはロウレベルの信号をドライブ回路51に出力し、ドライブ回路51はスイッチング素子Q2をオフする。
【0057】
以後、上述した動作を繰り返すことによって、電流制御部5aは、電流出力部5の出力電圧を電圧Vo1を含む所定範囲内(電圧Vo2〜電圧Vo3の範囲内)の値に維持する。このように、スイッチング素子Q3がオフである場合にも、コンデンサC2の両端電圧がVo1より大幅に変化してしまうことがなく、これによって、スイッチング素子Q3がオンとなったときには、最適な電圧が光源部1に印加されるようにしている。
【0058】
ダイオード70は、アノードが調光回路部6の出力端(スイッチング素子Q3のソース)に、カソードが光源部1にそれぞれ接続された形で、調光回路部6の出力端(スイッチング素子Q3のソース)と光源部1との間に挿入されている。したがって、本実施形態における点灯装置2では、記調光回路部6の出力端から光源部1には電流が流れるが、光源部1から調光回路部6の出力端には電流は流れないようになっている。
【0059】
ケース8は、図7(b)に示すように、一面(図7(b)における下面)が開口した箱状のボディ80と、ボディ80の一面開口を閉塞する形でボディ80に取り付けられるカバー81とで構成されている。このようなボディ80やカバー81は例えばアルミニウムなどにより形成されている。ボディ80には、光源部1がその発光面をボディ80の底壁部側(図7(b)における上壁部側)に向けた状態で収納される。ここで、ボディ80の底壁部(図7(b)における上壁部)には、光源部1が放射する光をケース8外に出射するための窓孔80aが形成されており、窓孔80aは光源部1が放射する光に対して透光性を有する材料(例えばガラス)からなる透光カバー80bにより閉塞されている。したがって、透光カバー80bの外面がケース8の発光面となっている。カバー81には、点灯装置2のプリント基板20が取り付けられ、カバー81は、ボディ80との間に点灯装置2を配置する形で、ボディ80に取り付けられる。なお、点灯装置2と光源部1とは、ワイヤボンドなどにより電気的に接続される。
【0060】
次に本実施形態における点灯装置2の動作について説明する。点灯装置2の動作が開始されると、調光制御部6aは、図6(a)に示すように、外部装置により与えられたデューティ比で、スイッチング素子Q3のゲートに電位を与えることで、スイッチング素子Q3をオン・オフ制御(PWM制御)し、図6(b)に示すように、光源部1に間欠的に定電流を流す。これによって光源部1は、上記デューティ比に応じた明るさで点灯する。このような調光時においてスイッチング素子Q3がオフになったときには、調光回路部6の出力端から光源部1には電流が流れないため、光源部1は放電しようとするが、調光回路部6の出力端と光源部1との間には上述したようにダイオード70が挿入されているので、光源部1の放電は防止される。
【0061】
つまり、本実施形態における点灯装置2では、ダイオード70が光源部1の放電を防止する放電防止手段を構成している。
【0062】
このように本実施形態における点灯装置2によれば、光源部1が放電することを防止するから、図6(a),(b)に示すように、調光時において光源部1の充放電が繰り返されることがなくなり、発光効率の向上が図れ、また調光時にサージ電流が繰り返し流れることがないから、従来例に比べれば、サージ電流によるストレスを光源部1に与えなくて済み、光源部1の長寿命化が図れ、しかも光源部1の光束の立ち上がりを早めることができる。
【0063】
そして、本実施形態の照明器具は、このような効果を奏する点灯装置2を備えるので、同様の効果を奏する。
【0064】
ところで、本実施形態における点灯装置2では、調光回路部6の出力端と光源部1との間に挿入されたダイオード70が放電防止手段を構成しているが、このような放電防止手段は、ダイオードに限定されるものではなく、例えば、調光回路部6の出力端から光源部1に向かう電流を通し、光源部1から調光回路部6の出力端に向かう電流を通さないような整流回路であってもよい。当該整流回路の一例としては、通常はアノード−カソード間が非導通であり、ゲートに所定の電位が与えられた際にはダイオードと同様にアノードからカソードには電流を流すもののカソードからアノードには電流を流さないようなサイリスタや、通常はダイオードと同様にアノードからカソードには電流を流すものの、カソードからアノードには電流を流さず、ゲートに所定の電位が与えられた際にはアノード−カソード間が非導通となるゲート・ターンオフ・サイリスタ(GTO)などが挙げられる。
【0065】
したがって、本実施形態における点灯装置2によれば、上記効果に加えて、整流回路を付加するだけの簡単な構成で光源部1の放電防止を実現できるから、小型化および低コスト化が図れる。
【0066】
なお、本実施形態における電流出力部5は、降圧チョッパ回路により構成しているが、電流出力部5は、必ずしも降圧チョッパ回路に限定されるものではなく、光源部1に所定の大きさの電流を流すことができるような直流電源であっても良い。また、本実施形態の照明器具は、あくまで本発明の一実施形態であって、本発明をこの実施形態に限定する趣旨のものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない程度の変形は可能である。この点は後述する実施形態2,3においても同様である。
【0067】
(実施形態2)
本実施形態の照明器具は、図8に示すように、点灯装置2の構成が実施形態1と異なっている。本実施形態における点灯装置2は、ダイオード70の代わりに、サイリスタ71を備えており、サイリスタ71のオン・オフは調光制御部6aが行うようになっている。なお、その他の構成は実施形態1と同様であるから、同様の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
【0068】
サイリスタ71は、アノードが調光回路部6の出力端に、カソードが光源部1にそれぞれ接続された形で、調光回路部6の出力端と光源部1との間に挿入されている。また、サイリスタ71のゲートは調光制御部6aに接続されている。このようなサイリスタ71は、ゲートに所定の電位が与えられるまでは、アノード−カソード間が非導通であり、ゲートに所定の電位が与えられた(オンされた)際にはダイオードと同様に、アノードからカソードに電流を流す。
【0069】
本実施形態における調光制御部6aは、スイッチング素子Q3のオン・オフ制御を行うとともに、サイリスタ71のオン・オフ制御を行う。ここで、調光制御部6aは、図9(a),(b)に示すように、スイッチング素子Q3のゲートに電位を与えるタイミングと、サイリスタ71のゲートに電位を与えるタイミングとをずらしており、スイッチング素子Q3をオンして(時間t7)から所定時間(例えば、数μ〜数十μ秒)が経過した後(時間t8)にサイリスタ71をオンし、サイリスタ71をオフして(時間t9)から所定時間(例えば、数μ〜数十μ秒)が経過した後に、スイッチング素子Q3をオフする(時間t10)。なお、図9(a)はスイッチング素子Q3のゲートに入力される信号(電位)の波形を示し、図9(b)はサイリスタ71のゲートに入力される信号(電位)の波形を示している。
【0070】
次に本実施形態における点灯装置2の動作について説明する。点灯装置2の動作が開始されると、調光制御部6aは、図9(a)に示すように、外部装置により与えられたデューティ比で、スイッチング素子Q3のゲートに電位を与えることで、スイッチング素子Q3をオン・オフ制御(PWM制御)し、光源部1に間欠的に定電流を流す。これによって光源部1は、上記デューティ比に応じた明るさで点灯する。このような調光時においてスイッチング素子Q3がオフになったときには、調光回路部6の出力端から光源部1には電流が流れないため、光源部1は放電しようとするが、スイッチング素子Q3がオフになる前に、サイリスタ71がオフとなるから、光源部1の放電は防止される。
【0071】
つまり、本実施形態における点灯装置2では、サイリスタ71および当該サイリスタ71を制御する調光制御部6aが光源部1の放電を防止する放電防止手段を構成している。
【0072】
このような本実施形態における点灯装置2、および当該点灯装置2を備えた照明器具によれば、上記実施形態1と同様に、調光時において光源部1の充放電が繰り返されることがなくなり、発光効率の向上が図れ、また調光時にサージ電流が繰り返し流れることがないから、従来例に比べれば、サージ電流によるストレスを光源部1に与えなくて済み、光源部1の長寿命化が図れ、しかも光源部の光束の立ち上がりを早めることができる。
【0073】
また、スイッチング素子Q3のオンになってからサイリスタ71がオンになり、サイリスタ71がオフになってからスイッチング素子Q3がオフとなるので、スイッチング素子Q3のオン・オフが切り替わる際に、スイッチング素子Q3のドレイン−ソース間に電流が流れないから、スイッチング素子Q3をソフトスイッチングすることができ、スイッチング損失などを低減できる。
【0074】
ところで、本実施形態における点灯装置2では、サイリスタ71と当該サイリスタ71を制御する調光制御部6aとによって放電防止手段を構成しているが、サイリスタ71の代わりに、オフ時に電流を確実に遮断できるスイッチを用いてもよい。このようなスイッチの一例としては、フォトモスリレーなどの無接点リレーや、メカリレー(機械式リレー、有接点リレーともいう)などが挙げられる。また、サイリスタ71の制御は必ずしも調光制御部6aが行う必要はなく、要は、スイッチング素子Q3のオンになってからサイリスタ71がオンになり、サイリスタ71がオフになってからスイッチング素子Q3がオフとなるようにサイリスタ71をオン・オフ制御できるものであればよい。
【0075】
(実施形態3)
本実施形態の照明器具は、図10に示すように、調光回路部6の構成が実施形態1と異なっており、その他の構成は実施形態1と同様であるから、同様の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
【0076】
本実施形態における調光回路部6は、電流出力部5のコンデンサC2の高電位側にコレクタが、光源部1にエミッタがそれぞれ接続されたnpn型のバイポーラ・トランジスタ72と、バイポーラ・トランジスタ72のオン・オフ制御を行う調光制御部6aとで構成されている。調光制御部6aは、与えられたデューティ比に基づいて、バイポーラ・トランジスタ72のベース−エミッタ間に電圧を印加し、バイポーラ・トランジスタ72を高周波でオン・オフ制御することで、光源部1に間欠的に電流を出力して光源部1の調光を行う。つまり、本実施形態における調光回路部6は、nチャンネル型のMOSFETであるスイッチング素子Q3の代わりに、バイポーラ・トランジスタ72を備えている点が実施形態1と大きく異なっている。
【0077】
次に本実施形態における点灯装置2の動作について説明する。点灯装置2の動作が開始されると、調光制御部6aは、外部装置により与えられたデューティ比で、バイポーラ・トランジスタ72のベース−エミッタ間に電圧を印加することで、バイポーラ・トランジスタ72をオン・オフ制御(PWM制御)し、光源部1に間欠的に定電流を流す。これによって光源部1は、上記デューティ比に応じた明るさで点灯する。このような調光時においてバイポーラ・トランスタ72がオフになったときには、調光回路部6の出力端(バイポーラ・トランジスタ72のエミッタ)から光源部1には電流が流れないため、光源部1は放電しようとする。
【0078】
ここで、バイポーラ・トランジスタ72は、ダイオード同様のPN接合を有しているために、実施形態1におけるMOSFETなどの電界効果トランジスタ(ユニポーラ・トランジスタ)とは異なり、オン時に電流が流れる方向(npn型である場合はコレクタからエミッタに向かう方向)とは逆方向(npn型である場合はエミッタからコレクタに向かう方向)に電流が流れることがない。
【0079】
したがって、本実施形態における点灯装置2では、調光回路部6を構成するトランジスタQ3によって、光源部1の放電は防止される。つまり、本実施形態における点灯装置2では、スイッチング素子Q3が光源部1の放電を防止する放電防止手段を構成している。
【0080】
このように本実施形態における点灯装置2、および当該点灯装置2を備えた照明器具によれば、上記実施形態1と同様の効果を奏する上に、調光回路部6を構成するスイッチング素子Q3が放電防止手段を兼ねている(放電防止手段を調光回路部6の一部として利用している)から、小型化および低コスト化が図れる。
【0081】
ところで、本実施形態における点灯装置2では、放電防止手段としてnpn型のバイポーラ・トランジスタ72を用いているが、これはあくまで一例であって、例えば、pnp型のバイポーラ・トランジスタや、絶縁ゲート型バイポーラ・トランジスタ(IGBT)を利用しても同様の効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【図1】実施形態1の照明器具における点灯装置の回路説明図である。
【図2】同上における点灯装置の要部の回路説明図である。
【図3】同上における点灯装置の動作説明図である。
【図4】同上における点灯装置の動作説明図である。
【図5】同上における点灯装置の動作説明図である。
【図6】同上における点灯装置の動作説明図である。
【図7】同上の照明器具を示し、(a)は斜視図、(b)は一部を省略した断面図である。
【図8】実施形態2の照明器具における点灯装置の回路説明図である。
【図9】同上における点灯装置の動作説明図である。
【図10】実施形態3の照明器具における点灯装置の回路説明図である。
【図11】従来例の照明器具における点灯装置の回路説明図である。
【図12】同上における点灯装置の動作説明図である。
【符号の説明】
【0083】
1 光源部
2 点灯装置
3 整流回路部
4 PFC回路部
5 電流出力部
6 調光回路部
8 ケース
70 ダイオード(放電防止手段)
72 バイポーラ・トランジスタ(放電防止手段)
【技術分野】
【0001】
本発明は、有機エレクトロルミネッセンス素子を点灯させる点灯装置および照明器具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、発光素子として、有機エレクトロルミネッセンス(organicelectroluminescence、有機ELともいう)素子が注目を集めている。有機エレクトロルミネッセンス素子(以下、「有機EL素子」と略す)は、通電から発光までの時間が非常に短く、電流を変化させれば瞬時に輝度が変化する、つまり応答性に優れ、しかも応答性が温度によって殆ど変化しないという特性があり、加えて視野角が180度に近いという特性がある。そのため、有機EL素子は面発光に適しており、近年では、例えば液晶ディスプレイ(液晶表示装置)のバックライトなどの照明器具に利用されている。
【0003】
この種の照明器具は、図11に示すように、有機EL素子からなる光源部1と、光源部1を点灯させる点灯装置2とを備えている。
【0004】
ここで、点灯装置2としては、有機EL素子の輝度(明るさ)を調整できる調光機能付きの点灯装置が種々提案されている(例えば、特許文献1,2参照)。
【0005】
この種の点灯装置2は、図11に示すように、有機EL素子からなる光源部1に所定の大きさの定電流を供給するものであって、商用電源などの交流電源ACの交流出力を全波整流するダイオードブリッジなどからなる整流回路部3と、整流回路部3によって全波整流された交流出力を直流出力に変換するPFC(力率改善)回路部4と、PFC回路部4の直流出力を元にして光源部1の点灯用の定電流を出力する電流出力部5と、電流出力部5が出力する定電流を間欠的に光源部1に供給することで光源部1の調光を行う調光回路部6とを備えている。
【0006】
PFC回路部4は、整流回路部3の高電位側の出力端に一端が接続されたコイル(チョークコイル)L1を有している。コイルL1の他端と整流回路部3の低電位側の出力端との間には、nチャンネル型のMOSFETからなるスイッチング素子Q1と抵抗R1との直列回路が挿入され、コイルL1とスイッチング素子Q1との接続点には、逆流阻止用のダイオードD1のアノードが接続され、ダイオードD1のカソードと、整流回路部3の低電位側の出力端との間には、電解コンデンサなどからなる平滑用コンデンサC1が接続されている。
【0007】
このようなPFC回路部4において、スイッチング素子Q1を導通させる(オンする)と、整流回路部3の高電位側の出力端からコイルL1とスイッチング素子Q1を介して電流が流れることにより、コイルL1にはエネルギが蓄えられる。この後に、スイッチング素子Q1を遮断する(オフする)と、コイルL1に蓄えられたエネルギはダイオードD1を介して平滑用コンデンサC1へと供給される。したがって、スイッチング素子Q1のオン・オフを繰り返すことによりコンデンサC1への電流供給と遮断を繰り返し、このスイッチングを高周波で行うことによりコンデンサC1の両端電圧を所望の値に設定することができる。
【0008】
スイッチング素子Q1は、PFC制御部4aによりオン・オフ制御される。PFC制御部4aは、コイルL2によってコイルL1に流れる電流の有無を検出するとともに、スイッチング素子Q1のソース電圧を検出し、これら検出した電流値に基づいて、スイッチング素子Q1のオン・オフ制御を行うことで、コンデンサC1の両端電圧を一定に維持する。また、PFC制御部4aは、交流電源ACから得られる電流の高調波歪を改善する力率改善機能を備えており、例えば、交流電源ACの入力力率を改善するようにスイッチング素子Q1のオン期間を設定する。
【0009】
電流出力部5は、光源部1に定電流を出力する定電流源となるものであって、PFC回路部4の直流出力の電圧を降圧する降圧チョッパ回路からなる。この電流出力部5は、PFC回路部4の平滑用コンデンサC1の高電位側にドレインが接続されたnチャンネル型のMOSFETからなるスイッチング素子Q2と、スイッチング素子Q2のソースに一端が接続されたコイルL3と、スイッチング素子Q2のソースにカソードが接続され、アノードが平滑用コンデンサC1の低電位側に接続された還流用のダイオードD2と、コイルL3の他端に接続された電解コンデンサなどからなる平滑用のコンデンサC2と、コンデンサC2の低電位側とダイオードD2のアノードとの間に挿入された抵抗R2と、スイッチング素子Q2のオン・オフ制御を行う電流制御部5aとを備えており、スイッチング素子Q2のオン・オフのスイッチングによりコンデンサC2の両端電圧、つまり光源部1の両端に印加する電圧を所望の値に設定することができるようになっている。ここで、電流制御部5aは、抵抗R2の両端電圧に基づいてスイッチング素子Q2のオン・オフ制御を行うことで、平滑用コンデンサC2の両端電圧を一定にし、これによって、電流出力部5は、光源部1に定電流を出力する。
【0010】
調光回路部6は、電流出力部5のコンデンサC2の高電位側にドレインが接続されたnチャンネル型のMOSFETからなるスイッチング素子Q3と、スイッチング素子Q3のオン・オフ制御を行う調光制御部6aとで構成されている。調光制御部6aは、与えられたデューティ比に基づいて、図12(a)に示すようにスイッチング素子Q3のゲートに電位を与え、スイッチング素子Q3を高周波でオン・オフ制御することで、図12(b)に示すように光源部1に間欠的に電流を出力することで光源部1の調光を行う。
【特許文献1】2004−210848号公報
【特許文献2】2004−245904号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
ところで、光源部1である有機EL素子の等化回路は、ダイオードとコンデンサとの並列回路で表される。つまり、有機EL素子は容量成分を有する容量性負荷である。
【0012】
そのため、従来例の点灯装置2では、スイッチング素子Q3をオンして光源部1への給電が開始された際には、光源部1を充電するために光源部1にサージ電流(充電電流)が流れ、光源部1にストレスを与えてしまう(図12(b)においてP1で示すハッチングの部位)。また、光源部1が充電されるまでは発光しないから、光源部1の光束の立ち上がりが遅延してしまう。一方、スイッチング素子Q3がオフになって光源部1への給電が停止した際には、光源部1に蓄えられた電荷が放電される(図12(b)においてP2で示すハッチングの部位)ため、この後にスイッチング素子Q3がオンになった際には、再び光源部1を充電するためにサージ電流が流れてしまう。
【0013】
このように従来例の点灯装置2では、スイッチング素子Q3がオン・オフされる度に、光源部1の充放電が行われるから、光源部1に供給する電力が無駄に消費され、発光効率が悪くなるという問題があった。このような問題は、スイッチング素子Q3が高周波でオン・オフ制御する調光制御時に特に顕著であった。
【0014】
本発明は上述の点に鑑みて為されたもので、その目的は、調光時の発光効率の向上が図れる点灯装置、および照明器具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記の課題を解決するために、請求項1の発明では、有機エレクトロルミネッセンス素子からなる光源部の点灯用の定電流を出力する電流出力部と、当該電流出力部が出力する定電流を間欠的に光源部に供給することで光源部の調光を行う調光回路部とを備えた点灯装置であって、光源部の放電を防止する放電防止手段を備えていることを特徴とする。
【0016】
請求項1の発明によれば、光源部が放電することを防止するから、調光時において光源部の充放電が繰り返されることがなくなり、発光効率の向上が図れ、また調光時にサージ電流が繰り返し流れることがないから、従来例に比べれば、サージ電流によるストレスを光源部に与えなくて済み、光源部の長寿命化が図れ、しかも光源部の光束の立ち上がりを早めることができる。
【0017】
請求項2の発明では、請求項1の発明において、上記放電防止手段は、上記調光回路部の出力端と上記光源部との間に挿入された整流回路からなり、当該整流回路は、上記調光回路部の出力端から上記光源部に向かう電流を通し、上記光源部から上記調光回路部の出力端に向かう電流を通さないことを特徴とする。
【0018】
請求項2の発明によれば、簡単な構成で実現できるから、小型化および低コスト化が図れる。
【0019】
請求項3の発明では、請求項2の発明において、上記整流回路は、ダイオードにより構成されていることを特徴とする。
【0020】
請求項3の発明によれば、簡単な構成で実現できるから、小型化および低コスト化が図れる。
【0021】
請求項4の発明では、請求項2の発明において、上記整流回路は、サイリスタにより構成されていることを特徴とする。
【0022】
請求項4の発明によれば、簡単な構成で実現できるから、小型化および低コスト化が図れる。
【0023】
請求項5の発明では、請求項2の発明において、上記整流回路は、ゲート・ターンオフ・サイリスタにより構成されていることを特徴とする。
【0024】
請求項5の発明によれば、簡単な構成で実現できるから、小型化および低コスト化が図れる。
【0025】
請求項6の発明では、上記放電防止手段は、上記電流出力部と上記光源部との間に挿入されたバイポーラ・トランジスタからなり、上記調光回路部は、上記放電防止手段をオン・オフ制御することで上記光源部の調光を行うことを特徴とする。
【0026】
請求項6の発明によれば、放電防止手段を調光回路部の一部として利用しているから、小型化および低コスト化が図れる。
【0027】
請求項7の発明では、請求項1の発明において、上記放電防止手段は、上記電流出力部と上記光源部との間に挿入された絶縁ゲート型バイポーラ・トランジスタからなり、上記調光回路部は、上記放電防止手段をオン・オフ制御することで上記光源部の調光を行うことを特徴とする。
【0028】
請求項7の発明によれば、放電防止手段を調光回路部の一部として利用しているから、小型化および低コスト化が図れる。
【0029】
請求項8の発明では、請求項1〜7のうちいずれか1項記載の点灯装置と、当該点灯装置により点灯される光源部と、点灯装置および光源部を収納するケースとを備えていることを特徴とする。
【0030】
請求項8の発明によれば、発光効率の向上が図れる。
【発明の効果】
【0031】
本発明は、調光時において光源部の充放電が繰り返されることがなくなり、発光効率の向上が図れるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
(実施形態1)
本実施形態の照明器具は、図7(a),(b)に示すように、光源部1と、光源部1を点灯する点灯装置2と、光源部1および点灯装置2を収納するケース8とを備えている。
【0033】
光源部1は、例えば、支持基板10と、支持基板10の一表面側(図7(b)における下面側)に形成された透明電極11と、透明電極11における支持基板10とは反対側に形成された発光層12と、発光層12における透明電極11とは反対側に形成された金属製の反射電極13と、支持基板10の上記一表面側に透明電極11、発光層12および反射電極13を覆う形で取り付けられる封止部14とを備えている。
【0034】
支持基板10は、発光層12を支持するための平板状の部材であり、発光層12が放射する光に対して透光性を有する材料により形成されている。例えば、支持基板10としては、ガラス基板などの透明基板が利用される。透明電極11は、発光層12が放射する光に対して透光性を有する材料からなる導電性の薄膜である。このような透明電極11の材料としては、ITO(Indium Tin Oxide)などの透明な導電性材料が用いられる。発光層12は、例えば、蛍光物質の有機材料または蛍光物質を含む有機材料からなり、必要に応じて、正孔注入層、正孔輸送層、電子輸送層および電子注入層などが備えられる。反射電極13は、発光層12が放射する光を反射する材料からなる導電性の薄膜である。このような反射電極13の材料としては、例えば、アルミニウムや、アルミ・リチウム合金、マグネシウム・銀合金などを用いることができる。
【0035】
ところで、透明電極11および反射電極13それぞれには給電用の端子部(図示せず)が設けられ、封止部14は、透明電極11および反射電極13それぞれの端子部を露出する形で、支持基板10の上記一表面側に接着剤などにより気密に取り付けられる。このような封止部14は、例えば絶縁性を有する材料(例えば、ガラスなど)により一面が開口した箱状に形成されており、有機材料からなる発光層12が酸素や湿気の影響により徐々に劣化することを抑制するために用いられる。
【0036】
上述した光源部1は、支持基板10上に、透明電極11、発光層12、および反射電極13を順次積層してなる矩形板状の有機エレクトロルミネッセンス素子(以下、「有機EL素子」と略す)からなり、このような光源部1では、上記給電用の端子部により透明電極11および反射電極13それぞれに所定の電位を与えることにより、発光層12から光が放射される。
【0037】
このとき発光層12から透明電極11側に放射された光は、透明電極11を透過した後に、支持基板10に入射し、支持基板10内を通過し、支持基板10の他表面側(図7(b)における上面側)から支持基板10外に出射される。一方、発光層12から反射電極13側に放射された光は、反射電極13により透明電極11側に反射された後に、支持基板10内を通過し、支持基板10の上記他表面側から支持基板10外に出射される。
【0038】
つまり、光源部1は、厚み方向一面側(支持基板の上記他表面側)に発光面が形成されるとともに、厚み方向他面側(封止部における支持基板とは反対面側)に非発光面が形成された所謂片面発光型(特に基板側に光を放射するボトムエミッション型)の有機EL素子である。
【0039】
本実施形態における点灯装置2は、プリント基板20に光源部1を点灯する点灯回路を構成する電子部品21を実装してなり、例えば、図1に示すような回路構成を有している。以下、図1を参照して点灯装置2の回路構成について説明する。
【0040】
本実施形態における点灯装置2は、整流回路部3と、PFC回路部4と、電流出力部5と、調光回路部6とを有している点は上記従来例と同様であるが、調光回路部6の出力端と光源部1との間にダイオード70が挿入されている点で異なっている。
【0041】
ところで、本実施形態における点灯装置2は、電流出力部5の電流制御部5aの構成が上記従来例と異なっている。なお、整流回路部3およびPFC回路部4それぞれの構成については、上記従来例と同様であるから説明を省略する。また、電流出力部5における電流制御部5a以外の構成についても上記従来例と同様であるから説明を省略する。
【0042】
本実施形態における電流制御部5aは、図2に示すように、降圧チョッパ制御回路50と、降圧チョッパ制御回路50が出力する制御信号に応じてスイッチング素子Q2をオン・オフするドライブ回路(ドライブIC)51とで構成されている。電流制御部5aは、図3(a)〜(c)に示すように、平滑用コンデンサC2の両端電圧(電流出力部5の出力電圧)が所定の電圧Vo1を含む所定範囲内の値となるようにスイッチング素子Q2のオン・オフ制御を行うが、スイッチング素子Q3がオンである期間Tonと、スイッチング素子Q3がオフである期間Toffとで、その制御内容が異なっている。なお、図3(a)は、スイッチング素子Q3のゲートに入力される信号(電位)の波形を示し、図3(b)は、スイッチング素子Q2のゲートに入力される信号(電位)の波形を示し、図3(c)は、電流出力部5の出力電圧を示している。
【0043】
降圧チョッパ制御回路50は、主として、4つのコンパレータ50a〜50dと、論理積回路(ANDゲート)50eと、反転回路(インバータ、NOTゲート)50fと、一対のNORゲートからなるSR型のフリップフロップ回路50gとを有している。
【0044】
第1のコンパレータ50aの非反転入力端子は、スイッチング素子Q2のソースとグラウンドとの間に印加される電圧(以下、ソース電圧と称する)を分圧する抵抗R3,R4,R5からなる直列回路(分圧回路)における抵抗R4,R5間に接続され、反転入力端子には所定の基準電圧Vref1が入力されている。第1のコンパレータ50aは、スイッチング素子Q2のソース電圧が閾値電圧Vth(ただし、閾値電圧VthはPFC回路部4の出力電圧である平滑用コンデンサC1の両端電圧Voutよりは小さい値である)を越えた際に、ハイレベルの信号を出力するように構成されている。したがって、基準電圧Vref1は、閾値電圧Vthに対応する値に設定されている。また、第1のコンパレータ50aの出力端子は抵抗R13を介して例えば5Vの内部電源Vccに接続されるとともに、論理積回路50eの一方の入力端子に接続されている。
【0045】
第2のコンパレータ50bの反転入力端子は、平滑用コンデンサC2の両端電圧を分圧する抵抗R6,R7,R8からなる直列回路(分圧回路)における抵抗R7,R8間に接続され、非反転入力端子には所定の基準電圧Vref2が入力されている。第2のコンパレータ50bは、平滑用コンデンサC2の両端電圧が所定の電圧Vo2(但しVo2<Vo1)を下回った際に、ハイレベルの信号を出力するように構成されている。したがって、基準電圧Vref2は、電圧Vo2に対応する値に設定されている。また、第2のコンパレータ50bの出力端子は、抵抗R14を介して内部電源Vccに接続されるとともに、コンデンサC4を介してフリップフロップ回路50gのセット端子(S端子)に接続されている。なお、コンデンサC4とフリップフロップ回路50gのセット端子との接続点は、ダイオードD5を介してグラウンドに接続されるとともに、抵抗R17を介してグラウンドに接続されている。
【0046】
第3のコンパレータ50cの非反転入力端子は、抵抗R7,R8間に接続され、反転入力端子には所定の基準電圧Vref3が入力されている。第3のコンパレータ50cは、平滑用コンデンサC2の両端電圧が所定の電圧Vo3(但しVo3>Vo1)を上回った際に、ハイレベルの信号を出力するように構成されている。したがって、基準電圧Vref3は、電圧Vo3に対応する値に設定されている。また、第3のコンパレータ50cの出力端子は、抵抗R15を介して内部電源Vccに接続されるとともに、コンデンサC5を介してフリップフロップ回路50gのリセット端子(R端子)に接続されている。なお、コンデンサC5とフリップフロップ回路50gのリセット端子との接続点は、ダイオードD6を介してグラウンドに接続されるとともに、抵抗R18を介してグラウンドに接続されている。
【0047】
第4のコンパレータ50dの非反転入力端子は、抵抗R2と光源部1との間に接続され、反転入力端子には内部電源Vccを分圧する抵抗R9,R10,R11からなる直列回路(分圧回路)における抵抗R9,R10間に接続されている。第4のコンパレータ50dは、抵抗R2に流れる電流が所定値以上とならないようにするためのものであり、抵抗R9,R10間の接続点における電圧VLは、抵抗R2の両端電圧の上限値としている。一方、抵抗R10,R11の接続点は、nチャンネル型のMOSFETからなるスイッチング素子Q4のドレインに接続され、スイッチング素子Q4のソースはグラウンドに接続されている。スイッチング素子Q4のゲートは、抵抗R12を介して内部電源Vccに接続されるとともに、反転回路50fの出力端子に接続されている。反転回路50fの入力端子は調光制御部6aに接続されており、当該入力端子には、スイッチング素子Q3がオンであればハイレベルの信号が、オフであればロウレベルの信号が入力される。また、第4のコンパレータ50dの出力端子は、抵抗R16を介して内部電源Vccに接続されるとともに、コンデンサC6を介してフリップフロップ回路50gのリセット端子に接続されている。なお、コンデンサC6とリセット端子との接続点は、ダイオードD7を介してグラウンドに接続されるとともに、抵抗R19を介してグラウンドに接続されている。
【0048】
論理積回路50eの他方の入力端子は調光制御部6aに接続されており、当該入力端子には、スイッチング素子Q3がオンであればハイレベルの信号が、オフであればロウレベルの信号が入力される。また、論理積回路50eの出力端子は、抵抗R20を介して内部電源Vccに接続されるとともに、コンデンサC3を介してフリップフロップ回路50gのセット端子に接続されている。なお、コンデンサC3とセット端子との接続点は、ダイオードD4を介してグラウンドに接続されるとともに、抵抗R21を介してグラウンドに接続されている。
【0049】
フリップフロップ回路50gの出力端子(Q端子)はドライブ回路51に接続されている。したがって、フリップフロップ回路50gの出力端子が出力する信号が、ドライブ回路51の制御信号となる。ここで、ドライブ回路51は、当該制御信号がハイレベルの信号であれば、スイッチング素子Q2のゲートに所定値以上の電位を与えてスイッチング素子Q2のドレイン−ソース間を導通させ(スイッチング素子Q2をオンし)、上記制御信号がロウレベルの信号であれば、スイッチング素子Q2のゲートの電位を所定値未満とすることでスイッチング素子Q2のドレイン−ソース間を遮断する(スイッチング素子Q2をオフする)。
【0050】
以下に、電流出力部5の動作について図3〜図5を参照して説明する。まず、図4(a)に示すように、スイッチング素子Q3がオンである場合(すなわち期間Ton)、調光制御部6aは、論理積回路50eおよび反転回路50fそれぞれにハイレベルの信号を出力する。この場合、反転回路50fはロウレベルの信号を出力するから、スイッチング素子Q4はオフであり、第4のコンパレータ50dの反転入力端子には、内部電源Vccを抵抗R9,R10,R11で分圧した電圧が入力される。
【0051】
ところで、上述したようにスイッチング素子Q3がオンである場合、スイッチング素子Q2がオフであるとすると、図4(b)に示すように抵抗R2の両端電圧は低下して0になる(時間t1)。そうすると、図4(c)に示すように、スイッチング素子Q2のソース電圧が上昇し始め、やがて閾値電圧Vthを上回る(時間t2)。このとき、図4(d)に示すように、第1のコンパレータ50aはハイレベルの信号を出力し、論理積回路50eの両入力端子それぞれにはハイレベルの信号が入力されるから、論理積回路50eはハイレベルの信号を出力する。そうすると、図4(e)に示すように、フリップフロップ回路50gのセット端子にはハイレベルの信号が入力されることになるから、図4(g)に示すように、フリップフロップ回路50gはハイレベルの信号をドライブ回路51に出力し、ドライブ回路51はスイッチング素子Q2をオンする。
【0052】
スイッチング素子Q2がオンになると、抵抗R2の両端電圧は上昇し、やがて電圧VLを上回り(時間t3)、第4のコンパレータ50dは、ハイレベルの信号を出力する。そうすると、図4(f)に示すように、フリップフロップ回路50gのリセット端子にはハイレベルの信号が入力されることになるから、フリップフロップ回路50gはロウレベルの信号をドライブ回路51に出力し、図4(g)に示すように、ドライブ回路51はスイッチング素子Q2をオフにする。
【0053】
以後、上述した動作を繰り返すことによって、電流制御部5aは、電流出力部5の出力電圧を電圧Vo1に維持する。
【0054】
一方、図5(a)に示すように、時間t4においてスイッチング素子Q3がオンからオフに切り替わった(すなわち期間Toffになった)場合、調光制御部6aは、論理積回路50eおよび反転回路50fそれぞれにロウレベルの信号を出力する。この場合、論理積回路50eは、第1のコンパレータ50aの出力によらずにロウレベルの信号を出力する。また、反転回路50fはハイレベルの信号を出力するようになるから、スイッチング素子Q4はオンとなり、第4のコンパレータ50dの反転入力端子には、内部電源Vccを抵抗R9,R10で分圧した電圧が入力される。つまり、図5(e)に示すように、第4のコンパレータ50dの反転入力端子に入力される電圧VLが低くなる。したがって、スイッチング素子Q3がオフであるときは、図5(f)に示すように、スイッチング素子Q3がオンであるときよりも、抵抗R2に流れる電流の上限値を低くしている。
【0055】
そして、この期間Toffにおいてスイッチング素子Q2がオフになると、図5(b)に示すようにコンデンサC2の両端電圧は低下し、やがて下限となる電圧Vo2を下回る。したがって、図5(c)に示すように、コンデンサC2の両端電圧を抵抗R6,R7,R8で分圧してなる電圧Vinも低下し、やがて基準電圧Vref2を下回る(時間t5)。このとき、第2のコンパレータ50bは、ハイレベルの信号を出力するから、図5(d)に示すように、フリップフロップ回路50gのセット端子にはハイレベルの信号が入力され、その結果、フリップフロップ回路50gはハイレベルの信号をドライブ回路51に出力し、ドライブ回路51はスイッチング素子Q2をオンする。
【0056】
このようにスイッチング素子Q2がオンになると、図5(b)に示すようにコンデンサC2の両端電圧が上昇し、やがて上限となる電圧Vo3を上回る。したがって、図5(c)に示すように、電圧Vinも上昇し、やがて基準電圧Vref3を上回る(時間t6)。このとき、第3のコンパレータ50cは、ハイレベルの信号を出力するから、図5(g)に示すように、フリップフロップ回路50gのリセット端子にはハイレベルの信号が入力され、その結果、フリップフロップ回路50gはロウレベルの信号をドライブ回路51に出力し、ドライブ回路51はスイッチング素子Q2をオフする。
【0057】
以後、上述した動作を繰り返すことによって、電流制御部5aは、電流出力部5の出力電圧を電圧Vo1を含む所定範囲内(電圧Vo2〜電圧Vo3の範囲内)の値に維持する。このように、スイッチング素子Q3がオフである場合にも、コンデンサC2の両端電圧がVo1より大幅に変化してしまうことがなく、これによって、スイッチング素子Q3がオンとなったときには、最適な電圧が光源部1に印加されるようにしている。
【0058】
ダイオード70は、アノードが調光回路部6の出力端(スイッチング素子Q3のソース)に、カソードが光源部1にそれぞれ接続された形で、調光回路部6の出力端(スイッチング素子Q3のソース)と光源部1との間に挿入されている。したがって、本実施形態における点灯装置2では、記調光回路部6の出力端から光源部1には電流が流れるが、光源部1から調光回路部6の出力端には電流は流れないようになっている。
【0059】
ケース8は、図7(b)に示すように、一面(図7(b)における下面)が開口した箱状のボディ80と、ボディ80の一面開口を閉塞する形でボディ80に取り付けられるカバー81とで構成されている。このようなボディ80やカバー81は例えばアルミニウムなどにより形成されている。ボディ80には、光源部1がその発光面をボディ80の底壁部側(図7(b)における上壁部側)に向けた状態で収納される。ここで、ボディ80の底壁部(図7(b)における上壁部)には、光源部1が放射する光をケース8外に出射するための窓孔80aが形成されており、窓孔80aは光源部1が放射する光に対して透光性を有する材料(例えばガラス)からなる透光カバー80bにより閉塞されている。したがって、透光カバー80bの外面がケース8の発光面となっている。カバー81には、点灯装置2のプリント基板20が取り付けられ、カバー81は、ボディ80との間に点灯装置2を配置する形で、ボディ80に取り付けられる。なお、点灯装置2と光源部1とは、ワイヤボンドなどにより電気的に接続される。
【0060】
次に本実施形態における点灯装置2の動作について説明する。点灯装置2の動作が開始されると、調光制御部6aは、図6(a)に示すように、外部装置により与えられたデューティ比で、スイッチング素子Q3のゲートに電位を与えることで、スイッチング素子Q3をオン・オフ制御(PWM制御)し、図6(b)に示すように、光源部1に間欠的に定電流を流す。これによって光源部1は、上記デューティ比に応じた明るさで点灯する。このような調光時においてスイッチング素子Q3がオフになったときには、調光回路部6の出力端から光源部1には電流が流れないため、光源部1は放電しようとするが、調光回路部6の出力端と光源部1との間には上述したようにダイオード70が挿入されているので、光源部1の放電は防止される。
【0061】
つまり、本実施形態における点灯装置2では、ダイオード70が光源部1の放電を防止する放電防止手段を構成している。
【0062】
このように本実施形態における点灯装置2によれば、光源部1が放電することを防止するから、図6(a),(b)に示すように、調光時において光源部1の充放電が繰り返されることがなくなり、発光効率の向上が図れ、また調光時にサージ電流が繰り返し流れることがないから、従来例に比べれば、サージ電流によるストレスを光源部1に与えなくて済み、光源部1の長寿命化が図れ、しかも光源部1の光束の立ち上がりを早めることができる。
【0063】
そして、本実施形態の照明器具は、このような効果を奏する点灯装置2を備えるので、同様の効果を奏する。
【0064】
ところで、本実施形態における点灯装置2では、調光回路部6の出力端と光源部1との間に挿入されたダイオード70が放電防止手段を構成しているが、このような放電防止手段は、ダイオードに限定されるものではなく、例えば、調光回路部6の出力端から光源部1に向かう電流を通し、光源部1から調光回路部6の出力端に向かう電流を通さないような整流回路であってもよい。当該整流回路の一例としては、通常はアノード−カソード間が非導通であり、ゲートに所定の電位が与えられた際にはダイオードと同様にアノードからカソードには電流を流すもののカソードからアノードには電流を流さないようなサイリスタや、通常はダイオードと同様にアノードからカソードには電流を流すものの、カソードからアノードには電流を流さず、ゲートに所定の電位が与えられた際にはアノード−カソード間が非導通となるゲート・ターンオフ・サイリスタ(GTO)などが挙げられる。
【0065】
したがって、本実施形態における点灯装置2によれば、上記効果に加えて、整流回路を付加するだけの簡単な構成で光源部1の放電防止を実現できるから、小型化および低コスト化が図れる。
【0066】
なお、本実施形態における電流出力部5は、降圧チョッパ回路により構成しているが、電流出力部5は、必ずしも降圧チョッパ回路に限定されるものではなく、光源部1に所定の大きさの電流を流すことができるような直流電源であっても良い。また、本実施形態の照明器具は、あくまで本発明の一実施形態であって、本発明をこの実施形態に限定する趣旨のものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない程度の変形は可能である。この点は後述する実施形態2,3においても同様である。
【0067】
(実施形態2)
本実施形態の照明器具は、図8に示すように、点灯装置2の構成が実施形態1と異なっている。本実施形態における点灯装置2は、ダイオード70の代わりに、サイリスタ71を備えており、サイリスタ71のオン・オフは調光制御部6aが行うようになっている。なお、その他の構成は実施形態1と同様であるから、同様の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
【0068】
サイリスタ71は、アノードが調光回路部6の出力端に、カソードが光源部1にそれぞれ接続された形で、調光回路部6の出力端と光源部1との間に挿入されている。また、サイリスタ71のゲートは調光制御部6aに接続されている。このようなサイリスタ71は、ゲートに所定の電位が与えられるまでは、アノード−カソード間が非導通であり、ゲートに所定の電位が与えられた(オンされた)際にはダイオードと同様に、アノードからカソードに電流を流す。
【0069】
本実施形態における調光制御部6aは、スイッチング素子Q3のオン・オフ制御を行うとともに、サイリスタ71のオン・オフ制御を行う。ここで、調光制御部6aは、図9(a),(b)に示すように、スイッチング素子Q3のゲートに電位を与えるタイミングと、サイリスタ71のゲートに電位を与えるタイミングとをずらしており、スイッチング素子Q3をオンして(時間t7)から所定時間(例えば、数μ〜数十μ秒)が経過した後(時間t8)にサイリスタ71をオンし、サイリスタ71をオフして(時間t9)から所定時間(例えば、数μ〜数十μ秒)が経過した後に、スイッチング素子Q3をオフする(時間t10)。なお、図9(a)はスイッチング素子Q3のゲートに入力される信号(電位)の波形を示し、図9(b)はサイリスタ71のゲートに入力される信号(電位)の波形を示している。
【0070】
次に本実施形態における点灯装置2の動作について説明する。点灯装置2の動作が開始されると、調光制御部6aは、図9(a)に示すように、外部装置により与えられたデューティ比で、スイッチング素子Q3のゲートに電位を与えることで、スイッチング素子Q3をオン・オフ制御(PWM制御)し、光源部1に間欠的に定電流を流す。これによって光源部1は、上記デューティ比に応じた明るさで点灯する。このような調光時においてスイッチング素子Q3がオフになったときには、調光回路部6の出力端から光源部1には電流が流れないため、光源部1は放電しようとするが、スイッチング素子Q3がオフになる前に、サイリスタ71がオフとなるから、光源部1の放電は防止される。
【0071】
つまり、本実施形態における点灯装置2では、サイリスタ71および当該サイリスタ71を制御する調光制御部6aが光源部1の放電を防止する放電防止手段を構成している。
【0072】
このような本実施形態における点灯装置2、および当該点灯装置2を備えた照明器具によれば、上記実施形態1と同様に、調光時において光源部1の充放電が繰り返されることがなくなり、発光効率の向上が図れ、また調光時にサージ電流が繰り返し流れることがないから、従来例に比べれば、サージ電流によるストレスを光源部1に与えなくて済み、光源部1の長寿命化が図れ、しかも光源部の光束の立ち上がりを早めることができる。
【0073】
また、スイッチング素子Q3のオンになってからサイリスタ71がオンになり、サイリスタ71がオフになってからスイッチング素子Q3がオフとなるので、スイッチング素子Q3のオン・オフが切り替わる際に、スイッチング素子Q3のドレイン−ソース間に電流が流れないから、スイッチング素子Q3をソフトスイッチングすることができ、スイッチング損失などを低減できる。
【0074】
ところで、本実施形態における点灯装置2では、サイリスタ71と当該サイリスタ71を制御する調光制御部6aとによって放電防止手段を構成しているが、サイリスタ71の代わりに、オフ時に電流を確実に遮断できるスイッチを用いてもよい。このようなスイッチの一例としては、フォトモスリレーなどの無接点リレーや、メカリレー(機械式リレー、有接点リレーともいう)などが挙げられる。また、サイリスタ71の制御は必ずしも調光制御部6aが行う必要はなく、要は、スイッチング素子Q3のオンになってからサイリスタ71がオンになり、サイリスタ71がオフになってからスイッチング素子Q3がオフとなるようにサイリスタ71をオン・オフ制御できるものであればよい。
【0075】
(実施形態3)
本実施形態の照明器具は、図10に示すように、調光回路部6の構成が実施形態1と異なっており、その他の構成は実施形態1と同様であるから、同様の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
【0076】
本実施形態における調光回路部6は、電流出力部5のコンデンサC2の高電位側にコレクタが、光源部1にエミッタがそれぞれ接続されたnpn型のバイポーラ・トランジスタ72と、バイポーラ・トランジスタ72のオン・オフ制御を行う調光制御部6aとで構成されている。調光制御部6aは、与えられたデューティ比に基づいて、バイポーラ・トランジスタ72のベース−エミッタ間に電圧を印加し、バイポーラ・トランジスタ72を高周波でオン・オフ制御することで、光源部1に間欠的に電流を出力して光源部1の調光を行う。つまり、本実施形態における調光回路部6は、nチャンネル型のMOSFETであるスイッチング素子Q3の代わりに、バイポーラ・トランジスタ72を備えている点が実施形態1と大きく異なっている。
【0077】
次に本実施形態における点灯装置2の動作について説明する。点灯装置2の動作が開始されると、調光制御部6aは、外部装置により与えられたデューティ比で、バイポーラ・トランジスタ72のベース−エミッタ間に電圧を印加することで、バイポーラ・トランジスタ72をオン・オフ制御(PWM制御)し、光源部1に間欠的に定電流を流す。これによって光源部1は、上記デューティ比に応じた明るさで点灯する。このような調光時においてバイポーラ・トランスタ72がオフになったときには、調光回路部6の出力端(バイポーラ・トランジスタ72のエミッタ)から光源部1には電流が流れないため、光源部1は放電しようとする。
【0078】
ここで、バイポーラ・トランジスタ72は、ダイオード同様のPN接合を有しているために、実施形態1におけるMOSFETなどの電界効果トランジスタ(ユニポーラ・トランジスタ)とは異なり、オン時に電流が流れる方向(npn型である場合はコレクタからエミッタに向かう方向)とは逆方向(npn型である場合はエミッタからコレクタに向かう方向)に電流が流れることがない。
【0079】
したがって、本実施形態における点灯装置2では、調光回路部6を構成するトランジスタQ3によって、光源部1の放電は防止される。つまり、本実施形態における点灯装置2では、スイッチング素子Q3が光源部1の放電を防止する放電防止手段を構成している。
【0080】
このように本実施形態における点灯装置2、および当該点灯装置2を備えた照明器具によれば、上記実施形態1と同様の効果を奏する上に、調光回路部6を構成するスイッチング素子Q3が放電防止手段を兼ねている(放電防止手段を調光回路部6の一部として利用している)から、小型化および低コスト化が図れる。
【0081】
ところで、本実施形態における点灯装置2では、放電防止手段としてnpn型のバイポーラ・トランジスタ72を用いているが、これはあくまで一例であって、例えば、pnp型のバイポーラ・トランジスタや、絶縁ゲート型バイポーラ・トランジスタ(IGBT)を利用しても同様の効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【図1】実施形態1の照明器具における点灯装置の回路説明図である。
【図2】同上における点灯装置の要部の回路説明図である。
【図3】同上における点灯装置の動作説明図である。
【図4】同上における点灯装置の動作説明図である。
【図5】同上における点灯装置の動作説明図である。
【図6】同上における点灯装置の動作説明図である。
【図7】同上の照明器具を示し、(a)は斜視図、(b)は一部を省略した断面図である。
【図8】実施形態2の照明器具における点灯装置の回路説明図である。
【図9】同上における点灯装置の動作説明図である。
【図10】実施形態3の照明器具における点灯装置の回路説明図である。
【図11】従来例の照明器具における点灯装置の回路説明図である。
【図12】同上における点灯装置の動作説明図である。
【符号の説明】
【0083】
1 光源部
2 点灯装置
3 整流回路部
4 PFC回路部
5 電流出力部
6 調光回路部
8 ケース
70 ダイオード(放電防止手段)
72 バイポーラ・トランジスタ(放電防止手段)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
有機エレクトロルミネッセンス素子からなる光源部の点灯用の定電流を出力する電流出力部と、当該電流出力部が出力する定電流を間欠的に光源部に供給することで光源部の調光を行う調光回路部とを備えた点灯装置であって、
光源部の放電を防止する放電防止手段を備えていることを特徴とする点灯装置。
【請求項2】
上記放電防止手段は、上記調光回路部の出力端と上記光源部との間に挿入された整流回路からなり、当該整流回路は、上記調光回路部の出力端から上記光源部に向かう電流を通し、上記光源部から上記調光回路部の出力端に向かう電流を通さないことを特徴とする請求項1記載の点灯装置。
【請求項3】
上記整流回路は、ダイオードにより構成されていることを特徴とする請求項2記載の点灯装置。
【請求項4】
上記整流回路は、サイリスタにより構成されていることを特徴とする請求項2記載の点灯装置。
【請求項5】
上記整流回路は、ゲート・ターンオフ・サイリスタにより構成されていることを特徴とする請求項2記載の点灯装置。
【請求項6】
上記放電防止手段は、上記電流出力部と上記光源部との間に挿入されたバイポーラ・トランジスタからなり、
上記調光回路部は、上記放電防止手段をオン・オフ制御することで上記光源部の調光を行うことを特徴とする請求項1記載の点灯装置。
【請求項7】
上記放電防止手段は、上記電流出力部と上記光源部との間に挿入された絶縁ゲート型バイポーラ・トランジスタからなり、
上記調光回路部は、上記放電防止手段をオン・オフ制御することで上記光源部の調光を行うことを特徴とする請求項1記載の点灯装置。
【請求項8】
請求項1〜7のうちいずれか1項記載の点灯装置と、当該点灯装置により点灯される光源部と、点灯装置および光源部を収納するケースとを備えていることを特徴とする照明器具。
【請求項1】
有機エレクトロルミネッセンス素子からなる光源部の点灯用の定電流を出力する電流出力部と、当該電流出力部が出力する定電流を間欠的に光源部に供給することで光源部の調光を行う調光回路部とを備えた点灯装置であって、
光源部の放電を防止する放電防止手段を備えていることを特徴とする点灯装置。
【請求項2】
上記放電防止手段は、上記調光回路部の出力端と上記光源部との間に挿入された整流回路からなり、当該整流回路は、上記調光回路部の出力端から上記光源部に向かう電流を通し、上記光源部から上記調光回路部の出力端に向かう電流を通さないことを特徴とする請求項1記載の点灯装置。
【請求項3】
上記整流回路は、ダイオードにより構成されていることを特徴とする請求項2記載の点灯装置。
【請求項4】
上記整流回路は、サイリスタにより構成されていることを特徴とする請求項2記載の点灯装置。
【請求項5】
上記整流回路は、ゲート・ターンオフ・サイリスタにより構成されていることを特徴とする請求項2記載の点灯装置。
【請求項6】
上記放電防止手段は、上記電流出力部と上記光源部との間に挿入されたバイポーラ・トランジスタからなり、
上記調光回路部は、上記放電防止手段をオン・オフ制御することで上記光源部の調光を行うことを特徴とする請求項1記載の点灯装置。
【請求項7】
上記放電防止手段は、上記電流出力部と上記光源部との間に挿入された絶縁ゲート型バイポーラ・トランジスタからなり、
上記調光回路部は、上記放電防止手段をオン・オフ制御することで上記光源部の調光を行うことを特徴とする請求項1記載の点灯装置。
【請求項8】
請求項1〜7のうちいずれか1項記載の点灯装置と、当該点灯装置により点灯される光源部と、点灯装置および光源部を収納するケースとを備えていることを特徴とする照明器具。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2009−80995(P2009−80995A)
【公開日】平成21年4月16日(2009.4.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−248161(P2007−248161)
【出願日】平成19年9月25日(2007.9.25)
【出願人】(000005832)パナソニック電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年4月16日(2009.4.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年9月25日(2007.9.25)
【出願人】(000005832)パナソニック電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】
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