説明

点灯装置および、これを用いた照明器具

【課題】光源部の調光度を0〜100%まで変動させるバースト調光を行うことができる点灯装置および、これを用いた照明器具を提供する。
【解決手段】スイッチング素子Q1がオン・オフ駆動されることで光源部10に負荷電流I1を供給する点灯回路部2と、負荷電流I1を検出する負荷電流検出部41,42と、調光信号S2がハイレベルである場合、スイッチング素子Q1のオン・オフ駆動を実行し、調光信号S2がローレベルである場合、スイッチング素子Q1のオン・オフ駆動を停止する駆動回路部31と、調光信号S2を反転させた調光信号S2aを、検出電圧Vzcdに重畳させる重畳回路7とを備え、調光信号S2aは、調光信号S2がハイレベルである場合、閾値Vthより小さいローレベルとなり、調光信号S2がローレベルである場合、閾値Vthより大きいハイレベルとなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光素子を点灯させる点灯装置および、これを用いた照明器具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、定電流をLED照明モジュールに供給する制御スイッチを有し、高周波パルスの低周波バーストからなるデュアル信号を制御スイッチに供給する点灯装置が開示されている(例えば、特許文献1参照)。この点灯装置は、図7に示すように、DC電源100の両端間に接続されるダイオードD100およびMOSFETで示す制御スイッチング101の直列回路を備える。また、インダクタL10およびLED照明モジュール102は、ダイオードD10の両端間に接続される。コントローラ103は、増幅器104を通じて制御スイッチ101の制御入力部に供給されるデュアルPWMスイッチング信号を発生する。このデュアルPWMスイッチング信号は、実質的には、低周波のパルスバースト、すなわち低周波PWMスイッチング信号成分に供給される高周波PWMスイッチング信号成分の組み合わせである。
【0003】
コントローラ103は、電流モードパルス幅変調器105を有し、電流モードパルス幅変調器105は、電流源106からのLED電流基準信号、検知電流および高周波のこぎり波信号を受信する。電流モードパルス幅変調器105は、ANDゲート107の一方の入力部に供給される高周波パルス幅変調スイッチング信号成分を発生し、ANDゲート107の他方の入力部は、低周波PWMスイッチング信号成分を受信する。ANDゲート107からの出力は、増幅器104を通じて制御スイッチ101のゲートに供給される。
【0004】
したがって、この点灯装置は、デュアルPWMスイッチング信号の低周波成分を変化させることによって、LED照明モジュール102を流れる平均電流を、LED照明モジュール102から出力される光強度を変化させるために変更することができる。
【0005】
また、制御スイッチ101の制御入力部に供給されるデュアルPWMスイッチング信号は、低周波のPWM信号と高周波の駆動信号とのAND出力である。このため、制御スイッチング101のオン期間にPWM信号が立ち下がると、制御スイッチ101の駆動信号はローレベルとなる。このように、PWM信号のオンデューティ比の変化によって制御スイッチ101のオン期間が変化し、それに応じてLED照明モジュール102を流れる負荷電流、すなわちLED照明モジュール102の光出力が変化する。したがって、PWM信号のオンデューティ比を変化させることで、LED照明モジュール102のバースト調光を行っている。
【0006】
また、光源部10に負荷電流を供給する点灯回路部2に備えられたスイッチング素子Q1を制御する制御回路部3に汎用のPFC(力率改善回路)用集積回路を用いた点灯装置1Aも提案されている。なお、汎用のPFC用集積回路として、例えば、オンセミコンダクター社製のMC33262やSTマイクロエレクトロニクス社製のL6562などがある。図8を用いて、この点灯装置1Aについて説明する。
【0007】
この点灯装置1Aは、直流電源E1が出力する直流電圧を降圧して光源部10に負荷電流I1を供給する点灯回路部2と、点灯回路部2の出力を制御する制御回路部3と、負荷電流I1を検出する負荷電流検出部41,42とを主構成とする。
【0008】
点灯回路部1は、直流電源E1の両端間に、光源部10とインダクタL1とスイッチング素子Q1と抵抗R1とからなる直列回路が接続されている。また、nチャネルMOSFETからなるスイッチング素子Q1のオフ期間において、光源部10にインダクタL1に蓄積されたエネルギー(回生電流)を回生するためのダイオードD1が、光源部10およびインダクタL1からなる直列回路に並列接続されている。点灯回路部1は、上記構成で降圧チョッパ回路を構成しており、直流電源E1を入力として前記スイッチング素子Q1がオン・オフ駆動されることで光源部10に負荷電流I1を供給し、光源部10を点灯させる。
【0009】
また、光源部10は、複数(図示では3つ)の発光ダイオード10aが直列接続されることで構成されている。なお、光源部10を構成する発光ダイオード10aの個数は、複数に限定するものではなく、1つの発光ダイオード10aで構成されていてもよい。また、光源部10を構成する発光素子に発光ダイオード10aを用いているが、他の種類の発光素子(例えば、有機EL素子など)を用いて光源部10を構成してもよい。
【0010】
負荷電流検出部41は、スイッチング素子Q1に直列接続された抵抗R1で構成されており、抵抗R1の両端電圧を、スイッチング素子Q1のオン期間における負荷電流I1の検出値(検出電圧Va)として制御回路部3に出力する。また、負荷電流検出部42は、インダクタL1の二次巻線n2で構成されており、二次巻線n2に誘起される電圧を、スイッチング素子Q1のオフ期間における負荷電流I1の検出値(検出電圧Vzcd)として制御回路部3に出力する。
【0011】
制御回路部3は、駆動回路部31とフリップフロップ32とコンパレータ33とゼロ電流検出回路34とスターター35とOR回路36とで構成されている。そして、制御回路部3は、負荷電流検出部41,42の検出値に基づいて、スイッチング素子Q1のオン・オフを制御することで負荷電流I1を制御し、点灯回路部1を臨界モードで動作させる。
【0012】
コンパレータ33は、非反転入力端子に基準電圧Vref1が印加され、反転入力端子は抵抗R2を介して抵抗R1の高圧側に接続されることで負荷電流検出部41の検出電圧Vaが印加される。また、コンパレータ33の出力端子はフリップフロップ32のR端子に接続されている。そして、スイッチング素子Q1のオン期間において、抵抗R1に流れる負荷電流I1が上昇して検出電圧Vaが基準電圧Vref1を上回ると、コンパレータ33の出力信号(リセット信号)がハイレベルからローレベルに反転する。
【0013】
ゼロ電流検出回路34は、入力端子がインダクタL1の二次巻線n2の一端に接続されることで、負荷電流検出部42の検出電圧Vzcdが印加される。そして、スイッチング素子Q1のオフ期間において、インダクタL1に流れる負荷電流I1(回生電流)が減少して検出電圧Vzcdが閾値電圧Vthを下回ると、ゼロ電流検出回路34はパルス波からなるセット信号をOR回路36に出力する。
【0014】
RS型のフリップフロップ32は、S端子にOR回路36の出力端子が接続され、R端子にコンパレータ33の出力端子が接続され、Q端子が駆動回路部31に接続されている。そして、駆動回路31は、フリップフロップ32の出力信号に基づいてスイッチング素子Q1をオン・オフ駆動する駆動信号S1を生成する。
【0015】
また、OR回路36は、一方の入力端子にゼロ電流検出回路34の出力端子が接続され、他方の入力端子にスターター35の出力端子が接続されている。スターター35は、フリップフロップ32の出力を監視しており、フリップフロップ32の出力信号が所定期間ローレベルを継続する場合、一定期間毎にパルス波からなるセット信号をOR回路36に出力する。したがって、ゼロ電流検出回路34とスターター35とのうち、いずれか一方からセット信号が出力されると、OR回路36からフリップフロップ32にセット信号が出力される。
【0016】
フリップフロップ32は、S端子に入力されるセット信号のエッジを検出するとセット状態となり、出力信号の信号レベルをハイレベルに切り替える。また、フリップフロップ32は、R端子に入力されるリセット信号がローレベルである場合にリセット状態となり、出力信号をローレベルに維持する。なお、リセット状態が継続している場合、セット信号が入力されても出力信号をローレベルに維持する。
【0017】
そして、駆動回路部31は、フリップフロップ32の出力信号がハイレベルである場合、スイッチング素子Q1に出力する駆動信号S1をハイレベルにすることでスイッチング素子Q1をオンする。また、フリップフロップ32の出力信号がローレベルである場合、駆動信号S1をローレベルにすることでスイッチング素子Q1をオフする。
【0018】
すなわち、制御回路部3は、スイッチング素子Q1のオン時において、負荷電流I1が上昇して負荷電流検出部41の検出電圧Vaが基準電圧Vref1を上回ることを検出すると、フリップフロップ32がリセット状態となり、スイッチング素子Q1をオフする。また、スイッチング素子Q1のオフ時において、負荷電流I1が低減して負荷電流検出部42の検出電圧Vzcdが閾値Vthを下回ることを検出すると、フリップフロップ32がセット状態となり、スイッチング素子Q1をオンする。このようなスイッチング素子Q1のオン・オフ駆動を行うことで、制御回路部3は負荷電流I1の制御を行う。
【0019】
また、制御回路部3は、調光信号生成部5から出力される調光信号S2に応じて、スイッチング素子Q1のオン・オフ駆動を間欠制御することで、光源部10のバースト調光を行う。調光信号S2は、ハイレベル(一方の状態)とローレベル(他方の状態)の二値の信号レベルからなる低周波のPWM信号で構成されている。そして、制御回路部3は、調光信号S2のハイレベル期間はスイッチング素子Q1のオン・オフ駆動を実行し、調光信号S2のローレベル期間はスイッチング素子Q1のオン・オフ駆動を停止する。上記調光制御を実現するために、点灯装置1Aは、調光制御部6を備えている。
【0020】
調光制御部6は、R3とスイッチング素子Q2と制御電源E2とで構成されており、制御電源E2とスイッチング素子Q2と抵抗R1〜R3とからなる直列回路を構成している。また、スイッチング素子Q2は、調光信号S2の信号レベルに応じてオン・オフすることで、検出電圧Vaに所定電圧を重畳させる。スイッチング素子Q2と調光信号生成部5との間には反転素子51が介挿されており、スイッチング素子Q2には調光信号S2を反転した信号(以降、調光信号S2aと称す)が入力される。スイッチング素子Q2は、調光信号S2aがハイレベル(調光信号S2がローレベル)である場合はオンし、調光信号S2aがローレベル(調光信号S2がハイレベル)である場合はオフする。
【0021】
制御電源E2は、制御電圧VDDを出力しており、スイッチング素子Q2のオン状態では、制御電源E2からスイッチング素子Q2を介して抵抗R1〜R3に電流が流れる。これにより、コンパレータ33の反転入力端子に印加される検出電圧Vaに電圧が重畳されることとなる。なお、スイッチング素子Q2のオン状態において、R2(R2/R3)>Vref/VDDとなるように設定されているので、検出電圧Va>基準電圧Vref1となる。したがって、コンパレータ33が出力するリセット信号がローレベルになるので、フリップフロップ32はリセット状態が維持される。すなわち、スイッチング素子Q2がオンしているときは、スイッチング素子Q1はオフ状態に維持され、光源部10が消灯状態となる。
【0022】
また、スイッチング素子Q2がオフ状態では、制御電源E2の出力電流経路が遮断されているので、検出電圧Vaに電圧は重畳されず、制御回路部3は上述したスイッチング素子Q1のオン・オフ駆動を行う。すなわち、スイッチング素子Q2がオフしているときは、スイッチング素子Q1がオン・オフ駆動され、光源部10が点灯状態となる。
【0023】
このように、調光信号S2のオンデューティを調整することで、スイッチング素子Q1のオン・オフ駆動を間欠制御し、光源部10の調光制御を行うバースト調光を実現することができる。
【0024】
以下に、点灯装置1Aの動作について、図9(a)〜(d)を用いて説明する。
【0025】
まず、調光信号S2がハイレベルとなるオン期間Tonに移行すると、スターター35から起動用のセット信号がOR回路36に入力され、OR回路36からフリップフロップ32のS端子にセット信号が入力される。これにより、フリップフロップ32がセット状態となり出力信号がハイレベルとなる。そして、駆動回路部31の駆動信号S1がハイレベルとなり、スイッチング素子Q1がオフ状態からオン状態に切り替わる。すると、光源部10→インダクタL1→スイッチング素子Q1→抵抗R1の経路で電流が流れ、負荷電流I1が増大する(図9(d)参照)。
【0026】
負荷電流I1が増大することにより、抵抗R1の両端電圧、すなわち負荷電流検出部41の検出電圧Vaも増大する(図9(c)参照)。このとき、スイッチング素子Q2はオフ状態であるので、検出電圧Vaに電圧は重畳されない。そして、検出電圧Vaが基準電圧Vref1に達すると、コンパレータ33の出力が反転し、フリップフロップ32のR端子にローレベルのリセット信号が入力される。これにより、フリップフロップ32がリセット状態となり、出力信号がハイレベルからローレベルに反転する。そして、駆動回路部31の駆動信号S1もハイレベルからローレベルに反転し、スイッチング素子Q1がオン状態からオフ状態に切り替わる(図9(c)参照)。
【0027】
スイッチング素子Q1がオフ状態に切り替わると、インダクタL1の蓄積エネルギーにより、ダイオードD1→光源部10→インダクタL1の閉路で回生電流が流れる。そして、負荷電流I1、すなわちインダクタL1を流れる電流は徐々に低減し、やがてゼロとなる(図9(d)参照)。なお、図9(d)の破線は、負荷電流I1のピーク値Ithを示す。インダクタL1に流れる電流がゼロに達し、インダクタL1の作用により電流が反転すると、ダイオードD1等の素子の寄生容量を通じてスイッチング素子Q1に充電されている電荷が放電し、スイッチング素子Q1のドレイン−ソース間電圧が低下する。これにより、インダクタL1に印加される電圧が反転し、この電圧の反転を二次巻線n2に誘起される電圧(検出電圧Vzcd)からゼロ電流検出回路34が検出する。
【0028】
ゼロ電流検出回路34では、インダクタL1の印加電圧の反転(検出電圧Vzcdが閾値電圧Vthを下回ること)、すなわちインダクタL1に流れる電流のゼロクロスを検出すると、OR回路36にセット信号を出力する。これにより、OR回路36からフリップフロップ32のS端子にセット信号が出力され、フリップフロップ32がセット状態となり、出力信号がローレベルからハイレベルに反転する。そして、駆動回路部31の駆動信号S1もローレベルからハイレベルに反転し、スイッチング素子Q1がオフ状態からオン状態に切り替わる(図9(c)参照)。
【0029】
これら一連の動作(スイッチング素子Q1のオン・オフ)を繰り返す、スイッチング素子Q1のオン・オフ駆動が実行されることにより、制御回路部3は、スイッチング素子Q1を電流臨界モードで制御する。そして、光源部10に負荷電流I1が流れている間は、光源部10の各発光ダイオード10aが点灯する。
【0030】
次に、調光信号S2がローレベルとなるオフ期間Toffに移行すると、スイッチング素子Q2がオフ状態からオン状態に切り替わり、検出電圧Vaに電圧が重畳されて検出電圧Va>基準電圧Vref1となる。これにより、フリップフロップ32のR端子に入力されるリセット信号が常にローレベルとなるので、フリップフロップ32も常にリセット状態となり、出力信号がローレベルとなる。したがって、駆動回路部31の駆動信号S1もローレベルとなり、スイッチング素子Q1はオフ状態を維持する。
【0031】
そして、調光信号S2が再び反転してオン期間Tonに移行し、スターター35からセット信号が出力されるまでの間は、光源部10に負荷電流I1が流れないため、光源部10の各発光ダイオード10aは消灯する。
【0032】
上記の一連の動作を繰り返すことで、低周波のPWM信号からなる調光信号S2により、スイッチング素子Q1のオン・オフ駆動の間欠制御を行う、いわゆるバースト調光によって光源部10を調光する。したがって、調光信号S2のオンデューティ比を変化させることで、光源部10の各発光ダイオード10aの点灯時間および消灯時間の割合を変化させることができ、光源部10の調光を行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0033】
【特許文献1】特表2006−511078号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0034】
しかし、制御回路部3を構成する汎用の集積回路は、オフ期間Toffにおいてオン・オフ駆動を停止した後に一定期間(以降、始動期間Tstrと称す)経過してからセット信号を出力するスターター35を備えている。そのため、このような汎用の集積回路を用いて、上述したバースト調光を行う場合、オフ期間Toffを始動期間Tstrよりも短くすることができず、調光制御できない領域が存在した。
【0035】
例えば、図10(a)〜(c)に示すように、スイッチング素子Q1のオン・オフ駆動を停止するオフ期間Toffが、スターター35の始動期間Tstrよりも長い場合、スターター35はオフ期間Toff中に始動して一定期間毎にセット信号を出力する。そのため、オン期間Tonに以降すると、フリップフロップ32はリセットが解除されると共に、スターター35からセット信号が入力されるので、スイッチング素子Q1のオン・オフ駆動がすぐに再開される。
【0036】
しかし、図11(a)〜(c)に示すように、オフ期間Toffが、始動期間Tstrよりも短い場合、オフ期間Toffからオン期間Tonに移行しているにもかかわらず、スターター35は始動期間Tstrが経過していないため、セット信号を出力しない。そして、始動期間Tstrが経過した時点で、スターター35からセット信号が出力され、スイッチング素子Q1のオン・オフ駆動が再開される。すなわち、オフ期間Toffが始動期間Tstrよりも短い場合、オン期間Tonに移行しても始動期間Tstrが経過するまではオン・オフ駆動を再開することができない。この始動期間Tstrは、制御回路部3を構成する汎用のICによって決まっており、例えば、STマイクロエレクトロニクス社製のL6562Aの始動期間Tstrはtyp190μsとなる。
【0037】
光源部10を高い調光度でバースト調光する場合、調光信号S2のオンデューティを大きくする必要があるが、オフ期間Toffが始動期間Tstrよりも短い領域では、調光度が変化しない領域となる。なお、調光信号S2が常にハイレベルとなるオンデューティ100%である場合は、スターター35が動作しないので問題ない。例えば、制御回路部3にSTマイクロエレクトロニクス社製のL6562A(始動期間Tstr=190μs)を用いて、調光信号S2の周波数を1kHzに設定した場合、調光信号S2のオンデューティを約80%から100%未満の間は、光源部10の調光度が変化しない領域となる。
【0038】
また、調光信号S2のオンデューティが80%以下で光出力が100%となるように設計することで、上記の問題を回避することができるが、その分ピーク電流が大きくなるので、損失が大きくなるという問題が発生する。
【0039】
本発明は、上記事由に鑑みてなされたものであり、その目的は、光源部の調光度を0〜100%まで変動させるバースト調光を行うことができる点灯装置および、これを用いた照明器具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0040】
本発明の点灯装置は、インダクタとスイッチング素子からなる直列回路および、前記スイッチング素子のオフ期間において、1乃至複数の発光素子からなる光源部に前記インダクタに蓄積されたエネルギーを回生するためのダイオードを有し、直流電源を入力として前記スイッチング素子がオン・オフ駆動されることで前記光源部に負荷電流を供給する点灯回路部と、前記負荷電流を検出する負荷電流検出部と、二値の信号状態からなる調光信号が一方の状態である場合、前記負荷電流検出部の検出値が第1の閾値を上回ることを検出すると前記スイッチング素子をオン状態からオフ状態に切り替え、前記負荷電流検出部の検出値が第2の閾値を下回ることを検出すると前記スイッチング素子をオフ状態からオン状態に切り替えるオン・オフ駆動を実行し、前記調光信号の信号状態が他方の状態である場合、前記オン・オフ駆動を停止し前記スイッチング素子をオフ状態に維持する駆動回路部と、前記調光信号の信号状態に同期した同期信号を、前記負荷電流検出部の検出値に重畳させる重畳手段とを備え、前記同期信号は、前記調光信号の信号状態が一方の状態である場合、前記第2の閾値より小さいローレベルとなり、前記調光信号の信号状態が他方の状態である場合、前記第2の閾値より大きいハイレベルとなることを特徴とする。
【0041】
この点灯装置において、前記点灯回路部は、前記光源部と前記インダクタと前記スイッチング素子とからなる直列回路を有する降圧チョッパ回路で構成されていることが好ましい。
【0042】
この点灯装置において、前記直流電源は、交流電圧を所望の直流電圧に変換して出力するAC/DCコンバータ回路または、直流電圧を所望の直流電圧に変換して出力するDC/DCコンバータ回路で構成されることが好ましい。
【0043】
本発明の照明器具は、インダクタとスイッチング素子からなる直列回路および、前記スイッチング素子のオフ期間において、1乃至複数の発光素子からなる光源部に前記インダクタに蓄積されたエネルギーを回生するためのダイオードを有し、直流電源を入力として前記スイッチング素子がオン・オフ駆動されることで前記光源部に負荷電流を供給する点灯回路部と、前記負荷電流を検出する負荷電流検出部と、二値の信号状態からなる調光信号が一方の状態である場合、前記負荷電流検出部の検出値が第1の閾値を上回ることを検出すると前記スイッチング素子をオン状態からオフ状態に切り替え、前記負荷電流検出部の検出値が第2の閾値を下回ることを検出すると前記スイッチング素子をオフ状態からオン状態に切り替えるオン・オフ駆動を実行し、前記調光信号の信号状態が他方の状態である場合、前記オン・オフ駆動を停止し前記スイッチング素子をオフ状態に維持する駆動回路部と、前記調光信号の信号状態に同期した同期信号を、前記負荷電流検出部の検出値に重畳させる重畳手段とを備え、前記同期信号は、前記調光信号の信号状態が一方の状態である場合、前記第2の閾値より小さいローレベルとなり、前記調光信号の信号状態が他方の状態である場合、前記第2の閾値より大きいハイレベルとなる点灯装置と、1乃至複数の発光素子からなり、前記点灯装置によって点灯される光源部と、前記点灯装置および前記光源部を収納する器具本体とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0044】
以上説明したように、本発明では、光源部の調光度を0〜100%まで変動させるバースト調光を行うことができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明の実施形態1の点灯装置1の回路構成図である。
【図2】(a)調光信号S2のタイミングチャートである。(b)調光信号S2aのタイミングチャートである。(c)検出電圧Vzcdのタイミングチャートである。(d)駆動信号S1のタイミングチャートである。(e)負荷電流I1のタイミングチャートである。
【図3】実施形態2の点灯装置1の回路構成図である。
【図4】(a)調光信号S2のタイミングチャートである。(b)調光信号S2aのタイミングチャートである。(c)コンデンサ電圧Vcのタイミングチャートである。(d)出力電圧Vcmpのタイミングチャートである。(e)検出電圧Vzcdのタイミングチャートである。(f)検出電圧Vaのタイミングチャートである。(g)負荷電流I1のタイミングチャートである。
【図5】重畳回路7の別構成を示す回路図である。
【図6】(a)電源別置型の照明器具の概略構成図である。(b)電源一体型の照明器具の概略構成図である。
【図7】従来の点灯装置の回路構成図である。
【図8】従来の点灯装置1Aの回路構成図である。
【図9】(a)調光信号S2のタイミングチャートである。(b)駆動信号S1のタイミングチャートである。(c)検出電圧Vaのタイミングチャートである。(d)負荷電流I1のタイミングチャートである。
【図10】(a)調光信号S2のタイミングチャートである。(b)駆動信号S1のタイミングチャートである。(c)負荷電流I1のタイミングチャートである。
【図11】(a)調光信号S2のタイミングチャートである。(b)駆動信号S1のタイミングチャートである。(c)負荷電流I1のタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0046】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0047】
(実施形態1)
本実施形態の点灯装置1の回路構成図を図1に示す。本実施形態の点灯装置1は、直流電源E1が出力する直流電圧を降圧して光源部10に負荷電流I1を供給する点灯回路部2と、点灯回路部2の出力を制御する制御回路部3と、負荷電流I1を検出する負荷電流検出部41,42とを主構成とする。なお、図8を用いて説明した従来の点灯装置1Aと同一構成には同一符号を付して説明を省略する。以下に、本実施形態の点灯装置1の構成について説明する。
【0048】
本実施形態の点灯装置1は、従来の点灯装置1Aの構成に加えて、調光信号S2の信号レベルを反転させた調光信号S2aを検出電圧Vzcdに重畳させる重畳回路部7(重畳手段)を備えることに特徴を有する。重畳回路部7は、抵抗R4,R5からなる直列回路で構成されており、反転素子51とインダクタL1の二次巻線n2との間に介挿されている。ゼロ電流検出回路34の入力端子は、抵抗R4,R5の接続点に接続されており、抵抗R4を介して検出電圧Vzcdが印加される。そして、重畳回路部7は、調光信号S2aの信号レベルを抵抗R4,R5で分圧して検出電圧Vzcdに重畳させる。なお、調光信号S2aがハイレベルである場合、検出電圧Vzcdに重畳される電圧は閾値Vth(第2の閾値)より高く、調光信号S2aがローレベルである場合、検出電圧Vzcdに重畳される電圧は0V(<閾値Vth)となるように設定されている。なお、調光信号S2aを抵抗R4,R5で分圧した電圧信号が、本発明の同期信号に相当する。
【0049】
次に、図2(a)〜(e)を用いて、本実施形態の点灯装置1の動作について説明する。なお、従来の点灯装置1Aと同一動作については、説明を省略する。図2(a)は、調光信号生成部5が出力する調光信号S2の信号レベルを示し、図2(b)は、調光信号S2を反転素子51を用いて反転した調光信号S2aの信号レベルを示している。また、図2(c)は、ゼロ電流検出回路34に入力される検出電圧Vzcdの電圧レベルを示し、図2(d)は、駆動回路部31がスイッチング素子Q1に出力する駆動信号S1の信号レベルを示している。また、図2(e)は、光源部10に流れる負荷電流I1の電流レベルを示している。なお、図2(c)に示す検出電圧Vzcdは、ゼロ電流検出回路34の内部で上限・下限クランプされた検出電圧Vzcdの波形を示している。なお、下限クランプは0Vに設定されている。
【0050】
まず、調光信号S2がハイレベルであるオン期間Tonは、スイッチング素子Q2がオフ状態となるので、検出電圧Vaに電圧は重畳されない。さらに、オン期間Tonは、調光信号S2aがローレベルとなるので、検出電圧Vzcdに重畳される電圧は0となる。すなわち、オン期間Tonは、検出電圧Va,Vzcdに電圧は重畳されず、従来の点灯装置1Aと同様に動作し、スイッチング素子Q1のオン・オフ駆動が実行される。
【0051】
次に、調光信号S2がローレベルに反転しオフ期間Toffに移行すると、スイッチング素子Q2がオフ状態からオン状態に切り替わることによって、検出電圧Vaに電圧が重畳されて検出電圧Va>基準電圧Vref1(第1の閾値)となる。これにより、従来の点灯装置1Aと同様にフリップフロップ32がリセット状態となり、スイッチング素子Q1がオフ状態に維持される。
【0052】
ここで、本実施形態の点灯装置1は、重畳回路部7を備えており、調光信号S2aがハイレベルとなるオフ期間Toffにおいて、検出電圧Vzcdに電圧が重畳されることで、検出電圧Vzcdが閾値Vth以上に維持される。これにより、スイッチング素子Q1がオフしてインダクタL1に流れる電流がゼロであっても、検出電圧Vzcdは閾値Vth以上に重畳されているので、ゼロ電流検出回路34はセット信号を出力しない。
【0053】
そして、調光信号S2がハイレベルに反転し再びオン期間Tonに移行すると、スイッチング素子Q2がオン状態からオフ状態に切り替わることによって、検出電圧Vaに重畳される電圧がゼロとなる。この時点では、スイッチング素子Q1がオフ状態であるので、検出電圧Vaは基準電圧Vref1よりも低く、フリップフロップ32のリセットが解除される。
【0054】
さらに、オン期間Tonに移行すると調光信号S2aがローレベルに反転するので、検出電圧Vzcdに重畳される電圧もゼロとなる。これにより、検出電圧Vzcdが閾値Vthを下回るので、ゼロ電流検出回路34はセット信号を出力する。そして、フリップフロップ32のS端子にセット信号が入力されることで、フリップフロップ32の出力信号がハイレベルとなり、スイッチング素子Q1がオフ状態からオン状態に切り替わる。以降は、上述したようにスイッチング素子Q1のオン・オフ駆動が実行される。
【0055】
このように、本実施形態では、スイッチング素子Q1のオン・オフ駆動を停止するオフ期間Toffにおいて、ゼロ電流検出回路34に入力される検出電圧Vzcdに電圧を重畳させて、強制的に検出電圧Vzcdを閾値Vth以上に維持している。それによって、オフ期間Toffから再びオン期間Tonに移行して重畳電圧がゼロとなると、検出電圧Vzcdが閾値Vth以下となるので、ゼロ電流検出回路34からセット信号が出力され、スイッチング素子Q1のオン・オフ駆動が再開されることとなる。また、調光信号S2の信号レベルに同期して検出電圧Vzcdに重畳させる電圧を変動させているので、オフ期間Toffからオン期間Tonに移行すると、フリップフロップ32のリセットが解除されると共にゼロ電流検出回路34からセット信号が出力される。これにより、オン期間Tonに以降してすぐに、スイッチング素子Q1のオン・オフ駆動を再開することができる。
【0056】
また、本実施形態では、スイッチング素子Q1のオン・オフ駆動を再開するためにスターター35を用いておらず、オフ期間Toffが始動期間Tstrよりも短くなる領域であっても調光制御することができる。すなわち、本実施形態の点灯装置1は、光源部10の調光度を0〜100%まで変動させるバースト調光を実現することができる。
【0057】
また、本実施形態の点灯装置1は、スターター35を備える場合であっても問題なく動作するので、汎用の集積回路を制御回路部3に用いることができ、コストを削減することができる。
【0058】
また、本実施形態では、入力電源として直流電源E1を用いているが、交流電源を入力電源とし、交流電源の交流電圧を所望の直流電圧に変換して出力するAC/DCコンバータ回路を直流電源として構成してもよい。また、直流電源E1と、直流電源E1の直流電圧を所望の直流電圧に変換して出力するDC/DCコンバータとを直流電源として構成してもよい。いずれの場合でも、上記と同様の効果を得ることができる。
【0059】
また、本実施形態では、スイッチング素子Q1を直流電源E1の低圧側に配置しているが、直流電源E1の高圧側にスイッチング素子Q1を配置して点灯回路部2を構成してもよい。また、点灯回路部2の構成は、降圧チョッパ回路に限定するものではなく、昇圧チョッパ回路または昇降圧チョッパ回路で構成されていてもよい。
【0060】
(実施形態2)
本実施形態の点灯装置1の回路構成図を図3に示す。なお、実施形態1と同一構成には同一符号を付して説明は省略する。
【0061】
本実施形態の調光制御部6は、制御電源E2と抵抗R3〜R5とコンデンサC1とスイッチング素子Q2とで構成されている。制御電源E2と抵抗R4とコンデンサC1とが直列接続され、コンデンサC1と並列に抵抗R5とスイッチング素子Q2とからなる直列回路が接続されている。また、コンデンサC1と直列に抵抗R3が接続され、抵抗R2,R3の接続点がコンパレータ33の反転入力端子に接続されている。また、nチャネルMOSFETからなるスイッチング素子Q2のゲートは、調光信号生成部5に接続されており、調光信号S2が入力される。
【0062】
そして、本実施形態の調光制御部6は、コンデンサC1の充電電圧を用いて検出電圧Vaに電圧を重畳させることで、スイッチング素子Q1のオン・オフ駆動の間欠制御を行うバースト調光を実現する。
【0063】
また、本実施形態の重畳回路部7は、抵抗R4,R5とコンパレータ71とで構成されている。コンパレータ71は、反転入力端子がコンデンサC1に接続されることでコンデンサ電圧Vcが印加され、非反転入力端子には基準電圧Vref2が印加される。また、コンパレータ71の出力端子は、抵抗R5を介してゼロ電流検出回路34の入力端子に接続されており、コンパレータ71の出力電圧Vcmpが抵抗R4,R5で分圧されてゼロ電流検出回路34に入力される。なお、コンパレータ71の出力電圧Vcmpがハイレベルである場合、検出電圧Vzcdに重畳される電圧が閾値Vth以上となり、出力電圧Vcmpがローレベルである場合、検出電圧Vzcdに重畳される電圧がゼロ(<閾値Vth)となるように設定されている。なお、出力電圧Vcmpを抵抗R4,R5で分圧した電圧信号が、本発明の同期信号に相当する。
【0064】
次に、本実施形態の点灯装置1の動作について、図4(a)〜(g)を用いて説明する。
【0065】
まず、調光信号S2がローレベルからハイレベルに反転し、オン期間Tonに移行すると、スイッチング素子Q2がオン状態となり、コンデンサC1が放電されてコンデンサ電圧Vcが低減する。それによって、検出電圧Vaに重畳される電圧が低減し、検出電圧Vaが基準電圧Vref1を下回ると、フリップフロップ32のリセットが解除される(図4(c)(f)参照)。また、コンデンサ電圧Vcが基準電圧Vref2を下回ると、コンパレータ71の出力電圧Vcmpがハイレベルからローレベルに反転する(図4(d)参照)。それによって、検出電圧Vzcdに重畳される電圧がゼロとなり、ゼロ電流検出回路34からセット信号が出力され、スイッチング素子Q1のオン・オフ駆動が再開される。
【0066】
このとき、コンデンサC1と抵抗R5とで積分回路が構成されており、コンデンサC1に充電されているコンデンサ電圧Vcは、指数関数的に減少するため、検出電圧Vaに重畳される電圧も指数関数的に減少する。それによって、負荷電流I1のピーク値Ithも指数関数的に増加する(図4(g)参照)。
【0067】
次に、調光信号S2がハイレベルからローレベルに反転し、オフ期間Toffに移行すると、スイッチング素子Q2がオフ状態となり、コンデンサC1が充電されコンデンサ電圧Vcが増加する。このとき、コンデンサC1と抵抗R4とで積分回路が構成されており、コンデンサ電圧Vc1は指数関数的に増大する(図4(c)参照)。それによって、検出電圧Vaに重畳される電圧も指数関数的に増大するので、負荷電流I1のピーク値Ithが指数関数的に減少する(図4(f)(g)参照)。そして、検出電圧Vaが基準電圧Vref1以上となると、フリップフロップ32がリセット状態となり、スイッチング素子Q1がオフ状態に維持される。また、コンデンサ電圧Vc1が基準電圧Vref2以上になると、コンパレータ71の出力電圧Vcmpがハイレベルとなり、検出電圧Vzcdは、電圧が重畳されることで閾値Vth以上を維持する。
【0068】
このように、本実施形態の点灯装置1は、オン期間Tonとオフ期間Toffとの切り替え時において、検出電圧Vaに重畳させる電圧を緩やかに変化させる。それにより、調光信号S2のオンデューティ比のスイープ動作時において、光出力の変化を滑らかにすることができる。
【0069】
また、実施形態1と同様に、オフ期間Toffにおいて、検出電圧Vzcdに電圧を重畳させて閾値Vth以上に維持することで、オン期間Tonに移行したときにスイッチング素子Q1のオン・オフ駆動を再開することができる。それにより、光源部10の調光度を0〜100%まで変動させるバースト調光を実現することができる。なお、スイッチング素子Q1のオン・オフ駆動を停止・再開するタイミングは、基準電圧Vref1,2やコンデンサC1の容量などで調整することができる。
【0070】
また、重畳回路部7を図5に示すように、抵抗R4と抵抗R5との間にダイオードD2を配置し、抵抗R5,ダイオードD2を介して検出電圧Vzcdに電圧が重畳されるように構成してよい。このように構成することで、重畳電圧がゼロとなるオン期間Tonにおいて、抵抗R5に電流が流れることを防止し、オフ期間Toffのみ検出電圧Vzcdに電圧を重畳させることができる。すなわち、オン期間Tonにおける検出電圧Vzcdは従来の点灯装置1Aと同じ値となるので、従来と同様の設計を用いることができ、設計の自由度が向上する。
【0071】
(実施形態3)
本実施形態の照明器具の概略図を図6(a)(b)に示す。なお、以下の説明では、図(a)における上下を上下方向と定めるものとする。また、本実施形態における点灯装置1は、実施形態1または2の点灯装置1を用いるものとする。本実施形態は、図6(a)に示すように、直流電源および点灯装置1を光源部10とは別に配置した電源別置型の照明器具であって、光源部10を収納する器具本体11を天井12に埋込配設している。
【0072】
器具本体11は、例えばアルミダイカスト等の金属製であって、下端部が開口した有底円筒状に形成される。器具本体11内側の上底部には、複数(図示では3つ)の発光ダイオード10aと、各発光ダイオード10aが実装された基板10bとを備えた光源部10が配設されている。なお、各発光ダイオード10aは、器具本体11の下端部から外部空間に光を照射するために、光の照射向きが下向きとなるように配設されている。また、器具本体11の下端部の開口には、各発光ダイオード10aからの光を拡散するための透光板13が設けられている。天井12の裏面(上面)には、点灯装置1が器具本体11とは別の場所に配設されており、点灯装置1と光源部10との間は、コネクタ14を介してリード線15で配線されている。
【0073】
上述のように、本実施形態では、実施形態1または2の点灯装置1を用いることで、実施形態1または2と同様の効果を奏することができる。なお、図6(b)に示すように、本実施形態を、点灯装置1を光源部10とともに器具本体11に内蔵した電源一体型の照明器具として構成してもよい。この構成では、基板10bの上面にアルミ板や銅板から成る放熱板11aを器具本体11と接触する形で配設している。これにより、各発光ダイオード10aで発生した熱を放熱板11aおよび器具本体11を介して外部に逃がすことができる。
【符号の説明】
【0074】
1 点灯装置
2 点灯回路部
3 制御回路部
5 調光信号生成部
6 調光制御部
7 重畳回路部
10 光源部
31 駆動回路部
41,42 負荷電流検出部
E1 直流電源


【特許請求の範囲】
【請求項1】
インダクタとスイッチング素子からなる直列回路および、前記スイッチング素子のオフ期間において、1乃至複数の発光素子からなる光源部に前記インダクタに蓄積されたエネルギーを回生するためのダイオードを有し、直流電源を入力として前記スイッチング素子がオン・オフ駆動されることで前記光源部に負荷電流を供給する点灯回路部と、
前記負荷電流を検出する負荷電流検出部と、
二値の信号状態からなる調光信号が一方の状態である場合、前記負荷電流検出部の検出値が第1の閾値を上回ることを検出すると前記スイッチング素子をオン状態からオフ状態に切り替え、前記負荷電流検出部の検出値が第2の閾値を下回ることを検出すると前記スイッチング素子をオフ状態からオン状態に切り替えるオン・オフ駆動を実行し、前記調光信号の信号状態が他方の状態である場合、前記オン・オフ駆動を停止し前記スイッチング素子をオフ状態に維持する駆動回路部と、
前記調光信号の信号状態に同期した同期信号を、前記負荷電流検出部の検出値に重畳させる重畳手段とを備え、
前記同期信号は、前記調光信号の信号状態が一方の状態である場合、前記第2の閾値より小さいローレベルとなり、前記調光信号の信号状態が他方の状態である場合、前記第2の閾値より大きいハイレベルとなることを特徴とする点灯装置。
【請求項2】
前記点灯回路部は、前記光源部と前記インダクタと前記スイッチング素子とからなる直列回路を有する降圧チョッパ回路で構成されていることを特徴とする請求項1記載の点灯装置。
【請求項3】
前記直流電源は、交流電圧を所望の直流電圧に変換して出力するAC/DCコンバータ回路または、直流電圧を所望の直流電圧に変換して出力するDC/DCコンバータ回路で構成されることを特徴とする請求項1または2記載の点灯装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のうちいずれか1項に記載の点灯装置と、
1乃至複数の発光素子からなり、前記点灯装置によって点灯される光源部と、
前記点灯装置および前記光源部を収納する器具本体とを備えることを特徴とする照明器具。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2013−93117(P2013−93117A)
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−232816(P2011−232816)
【出願日】平成23年10月24日(2011.10.24)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】