説明

焙煎大豆油及び焙煎大豆油の製造方法

【課題】大豆独特の好ましい風味のある大豆香味油を簡便に高収率で得ることができ、かつ他の油と混合してマスキング剤として用いることができる焙煎大豆油の製造方法、及び焙煎大豆油を提供する。
【解決手段】本発明の焙煎大豆油の製造方法は、大豆を焙煎温度120〜200℃で焙煎処理する工程と、焙煎処理された大豆の水分含量を7〜13質量%に水分調整処理する工程と、水分含量が調整された大豆を圧搾処理により油分を得る工程とを含むことを特徴とし、得られた焙煎大豆油は優れた油脂用マスキング剤として利用できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、焙煎大豆油及び焙煎大豆油の製造方法に関し、特に、大豆独特の好ましい風味のある大豆香味油を簡便に高収率で得ることができ、かつ他の油と混合してマスキング剤として用いることができる焙煎大豆油及び焙煎大豆油の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
通常、大豆からの採油は、大豆中の油分が少ないことから、直接有機溶媒で抽出する抽出法により行われており、環境対応の観点から有機溶媒を使用しない採油方法も求められている。
【0003】
また、採油された大豆油は、通常、脱ガム、脱酸、脱色、脱臭の精製処理が施されているが、精製処理された大豆油は、無味無臭であるため、大豆独特の好ましい風味のある大豆香味油も求められている。
【0004】
大豆香味油を得る方法として、焙煎処理による方法が知られている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
【0005】
特許文献1には、菜種、大豆、サフラワー、ヒマワリ、胡麻等の油糧種子をマイクロ波照射して焙煎処理した後、搾油することにより、従来にない特有の風味で、風味良好な芳香油を得ることができると記載されている。
【0006】
特許文献2には、コーン胚芽、なたね、ゴマ等の種実を主原料として、これを80〜280℃で加熱(焙煎)した後、圧搾法により採油することにより、香ばしい、良好な風味を持つ風味油を得ることができると記載されている。
【0007】
焙煎処理した大豆を圧搾することにより得られた大豆油は、有機溶媒による抽出、及び、脱酸、脱色、脱臭の精製処理を行うことなく食用とすることができるため、環境対応の観点で望ましく、大豆油の製造における抽出工程及び精製工程の簡略化にもつながり大豆油の製造コストの観点からもメリットがある。
【0008】
また、燐脂質含量の少ない大豆原油(脱ガム油)を得ることを目的として、焙煎処理を施して大豆油を製造する方法が開示されている(例えば、特許文献3参照)。
【0009】
特許文献3には、原料大豆を焙煎し、この焙煎大豆の水分を8〜13%程度まで加湿した後、圧扁、溶剤抽出して大豆粗油を採取し、脱ガム処理することにより、燐脂質含量の少ない大豆原油(脱ガム油)を得ることができると記載されている。
【特許文献1】特開平7−34087号公報
【特許文献2】特開平5−140583号公報
【特許文献3】特開昭51−97604号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかし、特許文献1および特許文献2等の従来の焙煎処理による採油方法は、胡麻、コーン胚芽、菜種、落花生等を主としてその対象としており、大豆に関しては、具体的な採油条件・方法等について明らかにされているとは言えない。
【0011】
焙煎処理した他の原料は単に圧搾しただけでも収量よく油分を得ることができるが、大豆は他の原料と異なり油分含量が少ないことや形状の関係から、焙煎処理した大豆は単に圧搾しただけでは油分の収量が悪くなる。焙煎処理大豆の圧搾率を高くすることは、大豆油の製造方法における生産性等の面で大きなメリットがあるので、焙煎処理大豆の圧搾率をより高くする方法が求められている。なお、ここでいう圧搾率とは、大豆に含まれる油分量(約20質量%)のうち搾り取られた油量の割合をいう。例えば、圧搾率75%であれば、約15質量%に相当する油分が圧搾できたことを示す。
【0012】
また、特許文献3は、燐脂質含量の少ない大豆油を得る方法を開示するものであり、搾油した焙煎大豆油についての風味、収率等を考慮したものではない。さらに、特許文献3記載の方法は、有機溶媒による抽出を必須の工程としているため、工程の簡略化や環境対応について考慮したものでもない。
【0013】
そこで、本発明の目的は、大豆独特の好ましい風味のある大豆香味油を簡便に高収率で得ることができ、かつ他の油と混合してマスキング剤として用いることができる焙煎大豆油の製造方法、及び焙煎大豆油を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は、上記目的を達成するため、大豆を焙煎温度120〜200℃で焙煎処理する工程と、前記焙煎処理された大豆の水分含量を7〜13質量%に水分調整処理する工程と、前記水分含量が調整された大豆を圧搾処理により油分を得る工程とを含むことを特徴とする焙煎大豆油の製造方法を提供する。ここで、本発明において、焙煎とは、搾油を行う前に大豆を直接又は間接に乾式又は湿式で加熱処理し、焙る又は煎ることをいい、焙煎大豆油とは、上記圧搾処理後の焙煎大豆圧搾粗油のほか、これを脱ガム処理等して得られた大豆油をも含む。
【0015】
また、本発明は、上記目的を達成するため、大豆を焙煎温度120〜200℃で焙煎処理し、前記焙煎処理された大豆の水分含量を7〜13質量%に水分調整処理した後、前記水分含量が調整された大豆を圧搾処理して得られることを特徴とする焙煎大豆油を提供する。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、以下の効果を有する焙煎大豆油及び焙煎大豆油の製造方法を提供することができる。
1)大豆独特の好ましい風味のある大豆香味油を高収率で得ることができる。
2)製造工程を簡略化することができる。
3)他の油脂のマスキング剤として利用できる。
4)大豆特有の香ばしい風味を有する食品を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明を具体的に説明する。
〔本発明の焙煎大豆油の製造方法〕
図1は、本発明の焙煎大豆油の製造フローを示す図である。本発明の焙煎大豆油は以下の方法により製造することができる。
【0018】
原料としての大豆を粉砕した後、焙煎処理を行う。焙煎処理は、焙煎機により処理温度120〜200℃にて焙煎する。焙煎処理温度が120℃より低い場合、香ばしさが少なくなり、200℃より高い場合、焦げ臭さや苦味が発現してくる。焙煎時間は、処理温度や処理量等によって異なるが、上記処理温度にて1〜15分間程度行うことが好ましい。温度上昇の方法は、特に限定されるものではないが、一定の上昇率(例えば、10〜20℃上昇/分)で徐々に温度上昇することが好ましい。得られる焙煎大豆油の風味等を考慮すると、より好ましい処理温度は、130〜190℃であり、さらに好ましくは、150〜180℃である。
【0019】
焙煎方法は特に限定されないが、例えば、外部より電熱、熱風、バーナー、マイクロ波などを介して大豆を加熱することにより行うことができる。また、使用する焙煎機は特に限定されないが、例えば、回転流動床式、回転ドラム式、ロータリーキルン式などを使用することができる。
【0020】
原料として用いる大豆は、粉砕されたもののほか、割砕されたもの又は圧偏されたものを好適に用いることができる。また、米国産食品用大豆IOM(インディアナ,オハイオ,ミシガンの略)、米国産一般搾油用大豆(オーディナリー(ordinary))、国産大豆、ブラジル産大豆、中国産大豆等を好適に用いることができ、遺伝子組み替え(GMO)、非遺伝子組み替え(non−GMO)を問わずに使用できる。
【0021】
次に、得られる焙煎大豆油の圧搾率を高めるために、焙煎処理した大豆中の水分含量を水分調整器により7〜13質量%に調整する。圧搾前の焙煎大豆中の水分含量が7〜13質量%の範囲を外れていると、圧搾率がかなり低くなる。得られる焙煎大豆油の圧搾率等を考慮すると、より好ましい水分含量は、8〜12質量%であり、さらに好ましくは、9〜11質量%である。
【0022】
圧搾前の焙煎大豆中の水分含量を調整する手段は、特に問わないが、焙煎大豆油の圧搾率や圧搾工程の作業性を考慮すると、水蒸気を噴霧しながら調整することが好ましい。水を添加(噴霧)することにより水分調整してもよく、この場合は、できる限り、温度の高い水(50℃以上)を用いることが好ましい。
【0023】
その後、水分含量が調整された大豆は、圧搾機にて機械的に圧搾され、油分が搾り取られる。油分をろ過することで大豆焙煎圧搾粗油が得られる。油分を搾り取った大豆粕(焙煎大豆圧搾ケーキ)は、醤油原料等として使用することができる。
【0024】
圧搾機は、特に型式は問わないが、例えば円筒状に形成されたケーシングとその内部に回転自在に設けられたスクリューよりなるエキスペラー式圧搾機を好適に利用することができる。回転数や処理量は適宜調整することができる。
【0025】
得られた焙煎大豆圧搾粗油は、例えば、温度70〜80℃、水添加量3質量%(対圧搾粗油)の条件下、遠心分離機で遠心分離されることで脱ガム処理がなされ、再度ろ過されることにより、焙煎大豆油が得られる。
【0026】
このようにして得られた本発明の焙煎大豆油は、脱酸、脱色、脱臭の精製処理を行わずに食用に供することができる。また、有機溶媒抽出処理を行う必要もない。
【0027】
本発明の焙煎大豆油は、大豆白絞油等と同等の脂肪酸組成で構成されるものである。また、トランス酸含量が極めて少ないことが特徴の1つである。本発明の焙煎大豆油のトランス酸含量は、0〜1質量%、より限定すれば、0〜0.5質量%である。
【0028】
本発明の焙煎大豆油は、大豆独特の好ましい風味(きな粉風味)を有するため、香味油として用いることができる。
【0029】
また、本発明の焙煎大豆油は、他の動植物油と混合すると、マスキング効果が期待できる。動植物油としては、大豆油、大豆サラダ油、大豆白絞油、菜種油、菜種サラダ油、菜種白絞油、パーム油、魚油等、これらの分別油脂、これらの水素添加油脂、及びこれらのエステル交換油脂等があり、これらの混合油であってもよい。特に、大豆白絞油は保存時に大豆特有の青臭さが問題となるが、焙煎大豆油を添加すると、経時的に発生する大豆特有の青臭さをマスキングすることができる。
【0030】
マスキング対象の動植物油と本発明の焙煎大豆油からなる油脂組成物中における本発明の焙煎大豆油の含量を0.01質量%以上添加すればマスキングの効果が期待でき、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.5質量%以上、さらに好ましくは1質量%以上添加する。上限は特に限定されるものではないが、およそ50質量%以下とすることが好ましい。
【0031】
本発明の焙煎大豆油及び本発明の焙煎大豆油を添加した油脂組成物は、ドレッシング、マヨネーズ、揚げ物、天ぷら、炒め物、マーガリン、ファットスプレッド、ショートニング等の各種油脂食品に使用することができ、得られた食品は大豆特有の香ばしい風味を有する。これらの食品は公知の常法で製造、調理することができる。
【0032】
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はそれらによって限定されるものではない。
【実施例】
【0033】
〔実施例1,2及び比較例1〜3〕(水分含量による圧搾率の比較)
大豆(IOM non−GMO)100kgを粗砕ロール機(スエヒロEPM社製)で粉砕した後、回転流動床焙煎機(RFB−6 NEUHAUS NEOTEC製)により、大豆の品温が表1に示す各温度に10分間で到達するように温度上昇させて焙煎処理した。
【0034】
次いで、それぞれの大豆を、水分調整器(商品名:レディゲ・ミキサー、松坂技研製)を用いて水蒸気を噴霧し、大豆中の水分含量を表1に示す水分含量に調整した後、圧搾機(HIPRESS EXPELLER V−05、スエヒロEPM社製)で機械的に圧搾し、焙煎大豆原油を得た。なお、比較例1は水蒸気等の水添加による水分含量の調整を行わなかった。
【0035】
得られた焙煎大豆原油を、ろ過後、温度70〜80℃、水添加量3質量%(対焙煎大豆原油)の条件下、連続高速遠心機(H−600型、国産遠心器製)で遠心分離することで脱ガム処理し、再度ろ過することにより実施例1、2及び比較例1〜3の焙煎大豆油を得た。それぞれの焙煎大豆油について、圧搾率は表1の通りであった。
【0036】
【表1】

【0037】
表1から分かるように、圧搾前の大豆中の水分含量を7〜13質量%に調整した実施例1及び2は、圧搾率が高く、良好な結果であった。一方、大豆中の水分含量が7〜13質量%の範囲をはずれる比較例1〜3は、圧搾率が低かった。特に、圧搾前の大豆中の水分含量が多い比較例3では、圧搾機のスリップにより、モータ負荷が増大して、オーバーロードを起こした。
【0038】
〔実施例3,4〕(水の添加方法による圧搾率の比較)
実施例3は、実施例1、2及び比較例1〜3と同様の方法で焙煎大豆油を得た。実施例4は、水分調整器(商品名:レディゲ・ミキサー、松坂技研製)を用いて水(常温)を噴霧し、大豆中の水分含量を調整した以外は実施例1、2及び比較例1〜3と同様の方法で焙煎大豆油を得た。それぞれの焙煎大豆油について、圧搾率は表2の通りであった。
【0039】
【表2】

【0040】
表2から分かるように、実施例3、4共に圧搾率は高かったが、実施例3の水蒸気噴霧による気体での添加の方が、より圧搾率が高かった。また、実施例3の水蒸気噴霧による気体での添加の方が、ムラなく水を添加でき、大豆の品温を下げることなく維持できることから、作業性が良かった。
【0041】
〔実施例5〜10及び比較例4〜6〕(風味及び加熱臭の評価)
実施例1、2及び比較例1〜3と同様の方法で、実施例5〜10及び比較例4、5の焙煎大豆油を得た。
【0042】
得られた焙煎大豆油について、下記の「油脂の評価試験方法」に従い、風味及び加熱臭の評価を行った。なお、比較例6として大豆白絞油(日清オイリオグループ(株)製)を用いた。結果を表3、4に示す。また、実施例5、7、10の焙煎大豆油については、脂肪酸組成の結果を表5に示す。
【0043】
<油脂の評価試験方法>
(1)風味評価試験
得られた焙煎大豆油を常温状態で1〜2ml程度口に含み、口に含んだ時の風味を下記の評価基準に従って評価した。評価方法は、7名のパネラーにより5点評価を行い、その平均値で評価した。
(評価点数の基準)
5点・・・非常に良好
4点・・・良好
3点・・・普通
2点・・・やや悪い
1点・・・悪い
【0044】
(2)加熱臭評価試験
100ml容ビーカーに50g入れ、120℃に加熱し、その時の加熱臭を下記の評価基準に従って評価した。評価方法は、7名のパネラーにより5点評価を行い、その平均値で評価した。
(評価点数の基準)
5点・・・非常に良好
4点・・・良好
3点・・・普通
2点・・・やや悪い
1点・・・悪い
【0045】
【表3】

【0046】
【表4】

【0047】
【表5】

【0048】
表3から分かるように、焙煎温度が120〜200℃で焙煎処理した実施例5〜10の焙煎大豆油は、大豆特有の香ばしさ(きな粉風味)が感じられ、風味、加熱臭ともに良好であった。一方、焙煎温度が120℃未満の100℃で焙煎処理した比較例4の焙煎大豆油は、大豆特有の香ばしさ(きな粉風味)が少なく、また、焙煎温度が200℃を超える220℃で焙煎処理した比較例5の焙煎大豆油は、焦げ臭さや苦味が目立った。また、実施例5、7、10の焙煎大豆油の脂肪酸組成は、大豆白絞油の脂肪酸組成と比較してほとんど差が認められなかったが、トランス酸はいずれも検出されなかった。
【0049】
〔実施例11〜13及び比較例7〕(マスキング評価)
大豆白絞油(日清オイリオグループ(株)製)に、実施例6、8、10の焙煎大豆油を、それぞれ5質量%、3質量%、1質量%添加し、実施例11〜13の油脂組成物を製造した。なお、比較として大豆白絞油(日清オイリオグループ(株)製)を用いた(比較例7)。
【0050】
実施例11〜13の油脂組成物及び比較例7の大豆白絞油を600g容PET容器に入れ、保存温度20℃、1000luxの条件下で12週間保存し、風味及び加熱臭の評価を行った。風味及び加熱臭の評価は実施例5〜10と同様の方法で行い、評価点数の基準は以下の通りとした。結果を表6に示した。
(評価点数の基準)
5点・・・青臭さがなく、非常に良好
4点・・・青臭さが少なく良好
3点・・・普通
2点・・・やや青臭さが感じられる
1点・・・青臭さが感じられ、悪い
【0051】
【表6】

【0052】
表6から分かるように、焙煎処理した焙煎大豆油を添加した実施例11〜13の油脂組成物は、保存前、12週間保存後ともに青臭さがなく、風味、加熱臭ともに良好であり、大豆白絞油において経時的に発生する大豆特有の青臭さをマスキングすることができた。
【0053】
〔実施例14〜22及び比較例8〕(食品の調理評価)
実施例5〜10で得られた焙煎大豆油及び実施例11〜13で得られた油脂組成物を使用した実施例14〜22の食品の調理評価を、下記の「調理の評価試験方法」に従い、行った。なお、比較として大豆白絞油(日清オイリオグループ(株)製)を用いた(比較例8)。結果を表7、8に示した。
【0054】
<調理の評価試験方法>
常法で各種食品を調理し、調理時の香りや食べた時の風味を下記の評価基準に従って評価した。評価方法は、7名のパネラーにより5点評価を行い、その平均値で評価した。
(評価点数の基準)
5点・・・非常に良好
4点・・・良好
3点・・・普通
2点・・・やや悪い
1点・・・悪い
【0055】
【表7】

【0056】
【表8】

【0057】
表7、8から分かるように、本発明の焙煎大豆油及び本発明の焙煎大豆油を添加した油脂組成物を使用した実施例14〜22の食品は、調理において特有の香ばしさ(きな粉風味)を有し、また、食品の風味も非常に良好であった。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】本発明の焙煎大豆油の製造フローを示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
大豆を焙煎温度120〜200℃で焙煎処理する工程と、
前記焙煎処理された大豆の水分含量を7〜13質量%に水分調整処理する工程と、
前記水分含量が調整された大豆を圧搾処理により油分を得る工程とを含むことを特徴とする焙煎大豆油の製造方法。
【請求項2】
前記焙煎温度が150〜180℃であることを特徴とする請求項1に記載の焙煎大豆油の製造方法。
【請求項3】
前記水分調整処理は、水蒸気を噴霧することによる処理であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の焙煎大豆油の製造方法。
【請求項4】
前記大豆は、割砕又は粉砕されたものであることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の焙煎大豆油の製造方法。
【請求項5】
有機溶媒による抽出処理および脱酸と脱色と脱臭の精製処理を行わないこと特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の焙煎大豆油の製造方法。
【請求項6】
前記圧搾処理により得られた油分を脱ガム処理する工程をさらに含むことを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の焙煎大豆油の製造方法。
【請求項7】
大豆を焙煎温度120〜200℃で焙煎処理し、前記焙煎処理された大豆の水分含量を7〜13質量%に水分調整処理した後、前記水分含量が調整された大豆を圧搾処理して得られることを特徴とする焙煎大豆油。
【請求項8】
前記焙煎大豆油は、その脂肪酸組成においてトランス酸含量が1質量%以下であることを特徴とする請求項7に記載の焙煎大豆油。
【請求項9】
請求項7又は請求項8に記載の焙煎大豆油、及び動植物油を含有することを特徴とする油脂組成物。
【請求項10】
前記油脂組成物中の前記焙煎大豆油の含量が、0.01〜50質量%であることを特徴とする請求項9に記載の油脂組成物。
【請求項11】
請求項7又は請求項8に記載の焙煎大豆油を使用したことを特徴とする食品。
【請求項12】
請求項9又は請求項10に記載の油脂組成物を使用したことを特徴とする食品。
【請求項13】
大豆を焙煎温度120〜200℃で焙煎処理し、前記焙煎処理された大豆の水分含量を7〜13質量%に水分調整処理した後、前記水分含量が調整された大豆を圧搾処理して得られることを特徴とする油脂用マスキング剤。

【図1】
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【公開番号】特開2006−204266(P2006−204266A)
【公開日】平成18年8月10日(2006.8.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−24294(P2005−24294)
【出願日】平成17年1月31日(2005.1.31)
【出願人】(000227009)日清オイリオグループ株式会社 (251)
【Fターム(参考)】