説明

無接点充電用充電台

【課題】本発明は、車両の走行中でも効率的な充電が行えるようにすることを目的とする。
【解決手段】ケース7と、このケース7内面部分に配置された充電手段8と、この充電手段8と平行な位置に携帯機器9の充電部をガイドするガイド部10と、携帯機器9の厚さ方向をガイド部10とにより挟持する押さえ部11とを有し、押さえ部11とガイド部10との携帯機器9の厚さ方向の距離が、携帯機器9の挿入方向に向かって徐々に広くなる構成とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無接点充電用充電台であって、特に車載用の無接点充電用充電台に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯機器、例えば携帯電話の高性能化に伴い、その電力消費が大きくなり、車両内においても充電を行えるようにすることが望まれている。
【0003】
従来の無接点充電用充電台は、ケースと、このケース内面部分に配置された充電コイルと、この充電コイルに対向する位置に携帯機器を載置可能な設置面とを有する構成となっている。
【0004】
また、電磁誘導方式の無接点充電は、両充電コイルの位置関係を検知し自動的に位置合わせを行うものや、複数の充電コイルを用いるものなどがある。さらに、送電側と受電側に電極を設置し、電極間に発生する電界を利用してエネルギーを伝送する電界結合型の無接点充電も知られている。このように、無接点充電は、携帯機器を特定の位置に設置しなくとも充電可能としたものが知られている(例えば、これに類似する技術としては、下記特許文献1が存在する)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特表2010−525785号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前記従来例における課題は、車両の走行中には、効率的な充電が行えない場合があると言うことであった。
【0007】
すなわち、車両内において携帯機器の充電を行う時には、ケース内に携帯機器を収納させ、充電装置の充電コイルと、携帯機器の充電コイルを対向させているだけの状態である。よって、自動車の走行中に加わる振動や衝撃で、前記両充電コイルが適切に対向できていない状態が発生し、この時には、効率的な充電が行えない状態が発生してしまうのである。
【0008】
そこで、本発明は、車両の走行中でも、効率的な充電が行えるようにすることを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
そしてこの目的を達成するために本発明は、ケースと、このケース内面部分に配置された充電手段と、この充電手段と平行な位置に携帯機器の充電部をガイドするガイド部と、携帯機器の厚さ方向をガイド部とにより挟持する押さえ部とを有し、押さえ部とガイド部との携帯機器の厚さ方向の距離が、携帯機器の挿入方向に向かって徐々に広くなる構成とし、これにより所期の目的を達成するものである。
【発明の効果】
【0010】
以上のように本発明は、ケースと、このケース内面部分に配置された充電手段と、この充電手段と平行な位置に携帯機器の充電部をガイドするガイド部と、携帯機器の厚さ方向をガイド部とにより挟持する押さえ部とを有し、押さえ部とガイド部との携帯機器の厚さ
方向の距離が、携帯機器の挿入方向に向かって徐々に広くなる構成としたものである。したがって、自動車の走行中でも、携帯機器が移動することがなく、効率的な充電が行える。
【0011】
また、厚みの異なる携帯機器をガイド部と押さえ部により挟持する場合も、押さえ部とガイド部との携帯機器の厚さ方向の距離が、携帯機器の挿入方向に向かって徐々に広くなる構成としたものであるので、それぞれの携帯機器の厚さに合わせて押さえ部とガイド部とで挟持することが可能である。
【0012】
さらに、携帯機器の厚さにより携帯機器の挟持位置が異なったとしても、ガイド部により充電手段と平行な位置に携帯機器の充電部がガイドされている。電磁誘導方式や電界結合方式の無接点充電装置は、効率よくエネルギーを伝送するには、送電側と受電側を平行な位置関係とすることが好ましい。
【0013】
よって、厚みの異なる携帯機器であっても、押さえ部とガイド部とで挟持する位置に置くだけで効率よく充電可能な状態にすることが可能であるとともに、携帯機器の充電台への出し入れが非常に簡単で、非常に使い勝手の良いものとなるのである。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施の形態1にかかる無接点充電用充電台を車両に搭載した状態を示す図
【図2】同無接点充電用充電台の斜視図
【図3】同無接点充電用充電台の一部斜視図
【図4】同無接点充電用充電台の展開図
【図5】同無接点充電用充電台に携帯端末を置いた状態の展開図
【図6】同無接点充電用充電台の平面図
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の一実施の形態を、図面を用いて説明する。
(実施の形態1)
図1において、車両本体1の車内2前方にはハンドル3が、またハンドル3左方には車載用電子装置を構成する車載用電子機器4が配置されている。さらにハンドル3左方で、車載用電子機器4下方のコンソールボックス5に、無接点充電用充電台6が配置されている。
【0016】
図2、3は、図1のコンソールボックス5に埋め込まれた無接点充電用充電台6の斜視図を示している。図4は、無接点充電用充電台6の展開図を示している。
【0017】
これら図2、3、4を用いて無接点充電用充電台6について説明する。
【0018】
すなわち、本実施形態の無接点充電用充電台6は、ケース7と、このケース7の内面部分に図3、4に示す充電手段8が配置されている。例えば、充電手段8は、電磁誘導方式であれば充電コイルであり、この充電コイルを移動させるタイプや複数の充電コイルを充電エリア全体に敷き詰めたタイプが代表的である。電界結合型は、被充電体(以降、代表的な携帯機器9で説明する)に設けられた電極との間で電界を発生させる電極である。
【0019】
また、この充電手段8と平行な位置に携帯機器9の充電部をガイド部10と、携帯機器9の厚さ方向をガイド部10とにより挟持する押さえ部11とを有する。なお、本実施形態では、ガイド部10とケース7の底面部とを一体に構成しているが、ガイド部10を別部材で設けるようにしてもよい。
【0020】
この押さえ部11は、図4に示すように、ケース7の側壁をケース7の内側へと傾斜させたものである。このようにすれば、押さえ部11は、ガイド部10との携帯機器9の厚さ方向の距離が、携帯機器9の挿入方向に向かって徐々に広くなる構成となる。
【0021】
また、押さえ部11は、図4に示すように、携帯機器9の長辺部、および短辺部と接触するようにすれば、携帯機器9が振動により移動することを防止する効果が高くなる。
【0022】
さらにまた、図5に示すように、ケース7の底面部と一体に構成したガイド部10は、押さえ部11方向へ傾斜を設けた構成とする。なお、図5では、押さえ部11が携帯機器9の長辺部、および短辺部と接触するようにケース7の角部分が最も低くなるようにしているが、携帯機器9の長辺部と短辺部のいずれかの方向に傾斜を設ける構成としてもよい。
【0023】
次に、図5を用いて携帯機器9が無接点充電用充電台6に設置する手順について説明する。
【0024】
まず、ユーザは、携帯機器9をケース7のガイド部10(底面部)の中央付近に置く。その後、ガイド部10上を滑らすように押さえ部11へ向かって移動させる。この時、前述ように、ガイド部10に傾斜を設けていれば、よりスムーズに携帯機器9を移動させることが可能である。
【0025】
そして、押さえ部11へ移動させられた携帯機器9は、携帯機器9の厚さ方向をガイド部10と押さえ部11とにより挟持される。この際、厚みの異なる携帯機器9が設置されたとしても、押さえ部11は、ガイド部10との携帯機器9の厚さ方向の距離が、携帯機器9の挿入方向に向かって徐々に広くなる構成となっているので、携帯機器9の厚みに応じた位置で挟持される。
【0026】
このように、携帯機器9の厚みにより、挟持される位置が異なったとしても、ガイド部10により充電手段8と平行な位置に携帯機器9の充電部がガイドされている。
【0027】
よって、厚みの異なる携帯機器9であっても、押さえ部11とガイド部10とで挟持する位置に置くだけで効率よく充電可能な状態にすることが可能である。さらに、携帯機器9の無接点充電用充電台6への出し入れが非常に簡単で、非常に使い勝手の良いものとなるのである。
【0028】
次に、図6を用いて、携帯機器9の無接点充電用充電台6からの取り出し手順について説明する。
【0029】
無接点充電用充電台6に置かれた携帯機器9は、押さえ部11とガイド部10とで挟持された状態であるため、真上方向に取り出すことができない。そこで、ケース7の側面部に、ガイド部10の傾斜の上方向きのスリット12を設ける。
【0030】
このようにすれば、指をスリット12に沿わせて動かせば、簡単に無接点充電用充電台6に置かれた携帯機器9を取り出すことができる。例えば、運転中であっても、視線をそらすことなく、携帯機器9を取り出すことができる。
【0031】
以上説明したように、本実施形態によれば、ケース7と、このケース7内面部分に配置された充電手段8と、この充電手段8と平行な位置に携帯機器9の充電部をガイドするガイド部10と、携帯機器9の厚さ方向をガイド部10とにより挟持する押さえ部11とを
有し、押さえ部11とガイド部10との携帯機器9の厚さ方向の距離が、携帯機器9の挿入方向に向かって徐々に広くなる構成としたものである。したがって、自動車の走行中でも、携帯機器9が移動することがなく、効率的な充電が行える。
【0032】
また、厚みの異なる携帯機器9をガイド部10と押さえ部11により挟持する場合も、押さえ部11とガイド部10との携帯機器9の厚さ方向の距離が、携帯機器9の挿入方向に向かって徐々に広くなる構成としたものであるので、それぞれの携帯機器9の厚さに合わせて押さえ部11とガイド部10とで挟持することが可能である。
【0033】
さらに、携帯機器9の厚さにより携帯機器9の挟持位置が異なったとしても、ガイド部10により充電手段8と平行な位置に携帯機器9の充電部がガイドされている。電磁誘導方式や電界結合方式の無接点充電装置は、効率よくエネルギーを伝送するには、送電側と受電側を平行な位置関係とすることが好ましい。
【0034】
よって、厚みの異なる携帯機器9であっても、押さえ部11とガイド部10とで挟持する位置に置くだけで効率よく充電可能な状態にすることが可能であるとともに、携帯機器9の充電台への出し入れが非常に簡単で、非常に使い勝手の良いものとなるのである。
【産業上の利用可能性】
【0035】
以上のように本発明は、ケースと、このケース内面部分に配置された充電手段と、この充電手段と平行な位置に携帯機器の充電部をガイドするガイド部と、携帯機器の厚さ方向をガイド部とにより挟持する押さえ部とを有し、押さえ部とガイド部との携帯機器の厚さ方向の距離が、携帯機器の挿入方向に向かって徐々に広くなる構成としたものである。したがって、自動車の走行中でも、携帯機器が移動することがなく、効率的な充電が行える。
【0036】
また、厚みの異なる携帯機器をガイド部と押さえ部により挟持する場合も、押さえ部とガイド部との携帯機器の厚さ方向の距離が、携帯機器の挿入方向に向かって徐々に広くなる構成としたものであるので、それぞれの携帯機器の厚さに合わせて押さえ部とガイド部とで挟持することが可能である。
【0037】
さらに、携帯機器の厚さにより携帯機器の挟持位置が異なったとしても、ガイド部により充電手段と平行な位置に携帯機器の充電部がガイドされている。電磁誘導方式や電界結合方式の無接点充電装置は、効率よくエネルギーを伝送するには、送電側と受電側を平行な位置関係とすることが好ましい。
【0038】
よって、厚みの異なる携帯機器であっても、押さえ部とガイド部とで挟持する位置に置くだけで効率よく充電可能な状態にすることが可能であるとともに、携帯機器の充電台への出し入れが非常に簡単で、非常に使い勝手の良いものとなるのである。したがって、車載用電子装置としての活用が期待されるものである。
【符号の説明】
【0039】
1 車両本体
2 車内
3 ハンドル
4 車載用電子機器
5 コンソールボックス
6 無接点充電用充電台
7 ケース
8 充電手段
9 携帯機器
10 ガイド部
11 押さえ部
12 スリット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケースと、このケース内面部分に配置された充電手段と、この充電手段と平行な位置に携帯機器の充電部をガイドするガイド部と、前記携帯機器の厚さ方向を前記ガイド部とにより挟持する押さえ部とを有し、
前記押さえ部と前記ガイド部との前記携帯機器の厚さ方向の距離が、前記携帯機器の挿入方向に向かって徐々に広くなる無接点充電用充電台。
【請求項2】
前記ガイド部は、前記充電手段と前記携帯機器との間に配置したケース底部と一体とした請求項1に記載の無接点充電用充電台。
【請求項3】
前記押さえ部は、長方形の携帯機器の長辺部、および短辺部と接触する請求項1に記載の無接点充電用充電台。
【請求項4】
前記ガイド部は、前記押さえ部方向へ傾斜を設けた請求項1に記載の無接点充電用充電台。
【請求項5】
前記押さえ部は、前記ケースの側面部をケース内側に傾斜させたものである請求項1に記載の無接点充電用充電台。
【請求項6】
前記側面部には、前記ガイド部の傾斜の上方向きのスリットを設けた請求項4に記載の無接点充電用充電台。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−106428(P2013−106428A)
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−248338(P2011−248338)
【出願日】平成23年11月14日(2011.11.14)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】