説明

無機粉体スラリー用分散剤

【課題】
長期分散安定性に優れた無機粉体スラリーを容易に得ることができる無機粉体スラリー用分散剤を提供することである。
【解決手段】
非還元性の二糖類又は三糖類と炭素数2〜12のアルキレンオキシドとの反応物(A)及び/又は反応物(A)と炭素数1〜18のカルボン酸との反応により得られるエステル化物(B)を含有することを特徴とする無機粉体スラリー用分散剤を用いる。炭素数2〜12のアルキレンオキシドのモル数は非還元性の二糖類又は三糖類1モル当たり15〜90モルが好ましい。反応物(A)は非還元性の二糖類と炭素数2〜4のアルキレンオキシドとの反応物であることが好ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無機粉体を水に分散させてスラリーを得る際に好適に用いられる無機粉体スラリー用分散剤、これを含有する無機粉体スラリー、及びこの無機粉体スラリーを得るための製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
各種無機粉体を水中に分散してスラリー化するに際用いられる分散剤としては、低分子量のポリカルボン酸(塩)系分散剤が知られている(特許文献1及び2)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開昭48−79230号公報
【特許文献2】特開昭53−129200号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、低分子量のポリカルボン酸(塩)系分散剤では、無機粉体スラリーの長期分散安定性が乏しく、無機粉体スラリーを長期間保存した場合、無機粉体が沈降し強固な凝固体(ハードケーキ)を形成して再分散が困難になるという問題がある。
本発明の目的は、長期分散安定性に優れた無機粉体スラリーを容易に得ることができる無機粉体スラリー用分散剤を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の無機粉体スラリー用分散剤の特徴は、非還元性の二糖類又は三糖類と炭素数2〜12のアルキレンオキシドとの反応物(A)及び/又は反応物(A)と炭素数1〜18のカルボン酸との反応により得られるエステル化物(B)を含有する点を要旨とする。
【0006】
本発明の無機粉体スラリーの特徴は、上記の分散剤、無機粉体及び水媒体からなる点を要旨とする。
【0007】
本発明の無機粉体スラリーの製造方法の特徴は、上記の無機粉体スラリーを製造する方法であって、分散剤、無機粉体及び水媒体を混合分散してプレミックス体を得る工程(1)と、プレミックス体及び分散剤を混合分散して無機粉体スラリーを得る工程(2)とを含む点を要旨とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明の無機粉体スラリー用分散剤を用いると、長期分散安定性に優れた無機粉体スラリーを容易に得ることができる。したがって、本発明の無機粉体スラリー用分散剤を用いて得られる無機粉体スラリーは、長期間保存してもハードケーキを形成しない。また、長期分散安定性に優れるため、無機粉体スラリーを高濃度化することもできる。
【0009】
本発明の無機粉体スラリーは、長期分散安定性に優れる。したがって、本発明の無機粉体スラリーは、長期間保存してもハードケーキを形成しない。また、長期分散安定性に優れるため、無機粉体スラリーの濃度を高くすることもできる。
【0010】
本発明の無機粉体スラリーの製造方法によると、長期分散安定性に優れた無機粉体スラリーを容易に製造できる。
【発明を実施するための形態】
【0011】
非還元性の二糖類又は三糖類とは、2つ又は3つの単糖がともに還元基によって結合(脱水縮合)し還元性を示さない糖類のことで、蔗糖(サッカロース)、トレハロース、イソトレハロース、ネオトレハロース、イソサッカロース、ゲンチアノース、ラフィノース、メレチトース及びプランテオース等が含まれる。これらのうち、無機粉体スラリーの長期分散安定性の観点等から、非還元性の二糖類が好ましく、さらに好ましくは蔗糖及びトレハロース、特に好ましくは蔗糖である。
なお、これらは単独で、または混合物として用いることができる。
【0012】
炭素数2〜12のアルキレンオキシドとしては、α−オレフィンオキシドが含まれ、エチレンオキシド(以下、EOと略記する)、プロピレンオキシド(以下、POと略記する)、イソブチレンオキシド、1,2−ブチレンオキシド(以下、BOと略記する)、テトラヒドロフラン、スチレンオキシド及び1,2−エポキシドデカン等が挙げられる。これらのうち、炭素数2〜4のアルキレンオキシドが好ましく、さらに好ましくはEO、PO及びBO、特に好ましくはPOとEO及び/又はBOとの混合物である。
これらのアルキレンオキシドは、単独で、または混合物として用いてもよい。
【0013】
POを用いる場合、POの占める割合は、アルキレンオキシドの全モル数に基づいて、長期分散安定性の観点から、80モル%以上が好ましく、さらに好ましくは85モル%以上である。
2種以上のアルキレンオキシドを用いる場合、POの占める割合は、アルキレンオキシドの全モル数に基づいて、80〜98モル%が好ましく、さらに好ましくは85〜98モル%である。
【0014】
2種以上のアルキレンオキシドを用いる場合、その付加重合の順序は特に限定されず、その重合形式もブロック、ランダム及びこれらの組合わせの何れでもよい。
【0015】
炭素数2〜12のアルキレンオキシドの付加モル数は、特に制限されないが、無機粉体スラリーの長期分散安定性や分散剤自体のハンドリングの観点から、非還元性の二糖類又は三糖類1モル当たり、15〜90モルが好ましく、さらに好ましくは18〜85モル、特に好ましくは20〜80モル、最も好ましくは25〜75モルである。
【0016】
反応物(A)を得るためのアルキレンオキシドの重合形式としては、公知の方法を用いることができ、アニオン重合、カチオン重合及び配位アニオン重合等が適用できる。これらの重合形式は単独で適用しても、併用してもよい。
【0017】
非還元性の二糖類又は三糖類と、炭素数2〜12のアルキレンオキシドとの反応には、公知(たとえば、特開2009−1686)の反応触媒及び/又は反応溶媒を用いてもよい。この反応に関して、反応条件や後処理については、公知の方法(たとえば、特開2009−1686)が適用できる。
【0018】
エステル化物(B)を構成する炭素数1〜18のカルボン酸としては、分子内に一個以上のカルボキシル基を有する炭素数1〜18の化合物であれば天然、合成いずれの由来のカルボン酸であっても特に限定されず、脂肪族カルボン酸、芳香族カルボン酸、動植物油から得られる混合脂肪酸及びこれらのハロゲン化物や酸無水物が含まれる。
【0019】
脂肪族カルボン酸としては、脂肪族飽和モノカルボン酸(蟻酸、酢酸、プロピオン酸、カプロン酸、カプリル酸、2−エチルヘキシル酸、ラウリン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸及びベヘン酸等)、脂肪族不飽和モノカルボン酸(アクリル酸、オレイン酸及びリノール酸等)、脂肪族飽和ジカルボン酸(シュウ酸、マロン酸、アジピン酸及びセバシン酸等)、脂肪族不飽和ジカルボン酸(マレイン酸及びフマル酸等)等が挙げられる。
【0020】
芳香族カルボン酸としては、芳香族モノカルボン酸(安息香酸及びサリチル酸等)、芳香族ジカルボン酸(フタル酸等)、芳香族トリカルボン酸(トリメリット酸等)等が挙げられる。
【0021】
動植物油から得られる混合脂肪酸としては、牛脂脂肪酸、ヤシ油脂肪酸、菜種油脂肪酸及びひまし油脂肪酸等が挙げられる。
【0022】
これらのハロゲン化物や酸無水物としては、ステアリン酸クロライド及び無水フタル酸等が挙げられる。
【0023】
これらのカルボン酸は単独でまたは混合して使用できる。
これらのうち、炭素数1〜18の脂肪族カルボン酸が好ましく、さらに好ましくは炭素数4〜18の脂肪族カルボン酸、特に好ましくは炭素数4〜18の脂肪族モノカルボン酸及び炭素数4〜18の脂肪族ジカルボン酸、最も好ましくはプロピオン酸、2−エチルヘキシル酸、ステアリン酸、オレイン酸、アジピン酸及びセバシン酸である。
【0024】
反応物(A)と炭素数1〜18のカルボン酸との反応によりエステル化物(B)を得るための方法(エステル化)としては公知の方法を適用することができる(例えば、そのままあるいは溶剤下で必要により反応触媒等を添加し、加熱・脱水する方法によって得ることができる。溶剤としては、例えばヘキサン、トルエン、メチルエチルケトン等の不活性溶媒を使用することができる。反応触媒としては、アルカリ金属の水酸化物、パラトルエンスルフォン酸及びこの塩、ナフテン酸の金属塩、並びに金属塩化物等が挙げられる。反応温度は80〜250℃程度が好ましく、さらに好ましくは100〜180℃である。また、反応は常圧下、加圧下あるいは減圧下で行うことができるが、減圧下で行い、生成する水やハロゲン化水素等を反応系外へ排出することが好ましい。反応の進行は、通常、反応中の酸価を測定することによって行うことができ、例えば酸価が0.1以下となったら反応終了とする。)。
【0025】
反応物(A)と炭素数1〜18のカルボン酸との反応のモル比は特に限定されないが、反応物(A)/カルボン酸=0.5〜2/0.2〜1(モル比)が好ましい。
【0026】
エステル化物(B)を得るのに反応触媒を用いた場合、反応後、公知の方法により、反応触媒を除去又は中和することができる。
【0027】
本発明の分散剤が反応物(A)及びエステル化物(B)から構成される場合、反応物(A)の含有量(重量%)は、反応物(A)及びエステル化物(B)の重量に基づいて、20〜90が好ましく、さらに好ましくは30〜80である。また、この場合、エステル化物(B)の含有量(重量%)は、反応物(A)及びエステル化物(B)の重量に基づいて、10〜80が好ましく、さらに好ましくは20〜70である。
【0028】
本発明の無機粉体スラリー用分散剤には、反応物(A)及び/又はエステル化物(B)以外にその他の成分を含有することが好ましい。その他の成分としては、以下の剤からなる群より選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
(1)消泡剤
疎水性シリカ消泡剤、変性シリコーン消泡剤、金属石鹸消泡剤、アマイド消泡剤、ポリエーテル消泡剤、シリコーンエマルション消泡剤等。
【0029】
(2)アニオン性高分子分散剤
ポリカルボン酸分散剤、共重合ポリカルボン酸分散剤、ポリカルボン酸のAOAグラフト化物、ポリスチレンスルホン酸分散剤、縮合ナフタレンスルホン酸系分散剤等。
【0030】
(3)湿潤剤
脂肪族アルコールのアルキレンオキシド付加体、2−エチルヘキシルコハク酸エステルスルホン酸ナトリウム塩、多価アルコールのアルキレンオキシド付加体等。
【0031】
(4)粘弾性調整剤
天然粘弾性調整剤(メチルセルロース、HEC等)、変性ウレタン粘性調整剤、ポリカルボン酸粘性調整剤、ポリエチレングリコール、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール等。
【0032】
その他の成分を含有する場合、その他の成分のそれぞれの含有量(重量%)は、反応物(A)及びエステル化物(B)の重量に基づいて、0.1〜80が好ましく、さらに好ましくは1〜60、特に好ましくは5〜50である。
【0033】
本発明の無機粉体スラリー用分散剤には、その他の成分以外に、スラリーの性能を阻害しない範囲で、さらに添加剤を含有してもよい。
添加剤としては、着色剤、pH調整剤、酸化防止剤、UV吸収剤、金属微粒子、無機塩及び潤滑剤等が挙げられる。
【0034】
本発明の無機粉体スラリー用分散剤が反応物(A)及びエステル化物(B)から構成される場合、本発明の無機粉体スラリー用分散剤は、公知の方法によりこれらを均一混合することにより容易に得ることができる。なお、反応物(A)の一部とカルボン酸とを反応させてエステル化物(B)を得ると共に、反応物(A)とエステル化物(B)との混合物を得てもよい。
【0035】
本発明の無機粉体スラリー用分散剤が反応物(A)及び/又はエステル化物(B)と、その他の成分及び/又は添加剤とから構成される場合、本発明の無機粉体スラリー用分散剤は、公知の方法によりこれらを均一混合することにより容易に得ることができる。
【0036】
本発明の分散剤が分散対象とする無機粉体の粒径は特に限定されないが、無機粉体の体積平均粒子径(μm)は、0.1〜100μmが好ましく、さらに好ましくは0.2〜80、特に好ましくは0.4〜50である。
なお、無機粉体の体積平均粒径は、一般的なレーザ解析/散乱式粒度分布測定器を用いて測定することができ、例えば株式会社堀場製作所製のレーザ解析/散乱式粒度分布測定装置LA−920を用いて測定される。
【0037】
本発明の分散剤は無機粉体であれば特にその分散対象を選ばないが、無機粉体としては、例えば、紡錘形状カルサイト系軽質炭酸カルシウム(例えば、平均短径0.1〜1.0μm、平均長径1.0〜3.0μm、BET比表面積1〜10m/g)、立方体状カルサイト系軽質炭酸カルシウム(例えば、平均粒径0.1〜2.0μm、BET比表面積5〜15m/g)、膠質炭酸カルシウム(例えば、平均粒径0.1〜2.0μm、BET比表面積20〜50m/g)、重質炭酸カルシウム、天然炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、リン酸亜鉛、クレー、ベントナイト、サチンホワイト、亜鉛華、ベンガラ、フェライト、酸化マグネシウム、タルク、ホワイトカーボン、セメント、石膏、カーボンブラック、珪酸塩、ルチル型酸化チタン、酸化チタン、アルミナ(α型、β型、γ型等)、チタン酸塩、ジルコニア、ゼオライト、窒化珪素、炭化珪素及び窒化硼素等が挙げられる。また、無機粉体としては、無機粉体表面に、有機物、シラン等で何らかの変性が行われた粉体でもよく、金属微粒子や酸化物等で修飾あるいは担時されている粉体でもよい。これらのうち、無機酸化物粉体に対して効果的であり、酸化マグネシウム、酸化チタン、アルミナに対して特に効果的である。
【0038】
本発明の無機粉体スラリーは、上記の分散剤を用いて無機粉体を水媒体中に分散させることにより得ることができる。
水媒体としては、水及び水と水溶性溶媒(エチルアルコール、エチレングリコール等)との混合溶液が含まれる。これらのうち、水が好ましい。
【0039】
本発明の無機粉体スラリーにおいて、分散剤、無機粉体及び水媒体のそれぞれの含有量は特に制限されないが、長期分散安定性の観点等から、次の範囲であることが好ましい。
分散剤の含有量(重量%)としては、分散剤、無機粉体及び水媒体の重量に基づいて、0.001〜9が好ましく、さらに好ましくは0.01〜8、特に好ましくは0.1〜5である。
【0040】
無機粉体の含有量(重量%)としては、分散剤、無機粉体及び水媒体の重量に基づいて、10〜90が好ましく、さらに好ましくは15〜85、特に好ましくは20〜80である。
【0041】
水媒体の含有量(重量%)としては、分散剤、無機粉体及び水媒体の重量に基づいて、1〜89が好ましく、さらに好ましくは7〜80、特に好ましくは15〜75である。
【0042】
本発明の無機粉体スラリーの製造方法には特に制限はなく、公知の方法が適用できる(分散剤と水媒体とを均一に混合した液体に無機粉体を添加して撹拌・混合する方法、無機粉体に、水媒体及び分散剤を加えて撹拌・混合する方法等)。
より安定的な無機粉体スラリーを得るために、本発明の分散剤、無機粉体及び水媒体を混合分散してプレミックス体を得る工程(1)と、プレミックス体及び本発明の分散剤を混合分散して(粉砕等を含む場合もある)無機粉体スラリーを得る工程(2)とを含む方法により製造することが好ましい。
なお、プレミックス体を得た後に添加する分散剤は必要に応じ2回以上に分けて添加を行ってもよい。すなわち、工程(1)と工程(2)との間に、プレミックス体及び本発明の分散剤を混合分散して(粉砕等を含む場合もある)、プレミックス体を得る工程(3)を含んでもよく、工程(3)を複数回繰り返してもよい。
【0043】
混合分散するための分散機としては、公知の分散機(ホモジナイザー、ディスクキャビテーションミキサー、ステイターローラー、ケディミル、コロイドミル、コーレスミキサー、アトライター、サンドミル及びビーズミル等)を使用できる。またこれらの分散機を組み合わせて用いて多次分散を行う多段階分散処理を行うこともできる。
【0044】
本発明の分散剤を使用すると、分散性、流動性が良く、長期分散安定性に優れたスラリーを容易に得ることができる。このため、本発明の分散剤は、各種用途に好適に用いることができ、塗工紙用、電磁気・光学部材等の電子材料用、セラミックスを使用した構造材料用、各種成型体へ塗布する機能性無機スラリー用、又は各種塗料用の無機粉体スラリー組成物を得るのに好適である。
【実施例】
【0045】
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、実施例における部は特に断りのない限り重量部を表す。
【0046】
<実施例1>
250℃までの加熱、冷却及び攪拌の可能な耐圧反応容器に、サンニックスポリオールRP−410A[三洋化成工業(株)製、ショ糖のPO13モル付加物、数平均分子量1095、平均水酸基価410;「サンニックス」は同社の登録商標である]250部(0.23モル部)及び水酸化カリウム[試薬特級、以下同じ]3部を加え、130℃にて減圧下脱水した後、エチレンオキシド(EO)20部(0.45モル部)を100〜120℃にて滴下し付加重合させた。ついで90℃にてイオン交換水5部を加えた後、アルカリ吸着剤であるキョーワード600[協和化学工業(株)製;「キョーワード」は同社の登録商標である。]8部を加え、同温度にて1時間攪拌した。ついで同温度にてNo.2濾紙[東洋濾紙(株)製]を用いて濾過した後、減圧下120℃にて脱水処理して、本発明の分散剤(1){反応物(A−1)[ショ糖のPO13モル/EO2モル付加物]}を得た。
【0047】
<実施例2>
250℃までの加熱、冷却及び攪拌の可能な耐圧反応容器に、250部(0.23モル部)のサンニックスポリオールRP−410A及び3部の水酸化カリウムを加え、130℃にて減圧下脱水した後、プロピレンオキシド(PO)490部(8.4モル部)を100〜120℃にて滴下し付加重合させた。ついで、エチレンオキシド(EO)402部(9.1モル部)を100〜120℃にて滴下し付加重合させた。ついで90℃にてイオン交換水23部を加えた後、アルカリ吸着剤であるキョーワード600[協和化学工業(株)製]34部を加え、同温度にて1時間攪拌した。ついで同温度にてNo.2濾紙[東洋濾紙(株)製]を用いて濾過した後、減圧下120℃にて脱水処理して、本発明の分散剤(2){反応物(A−2)[ショ糖のPO50モル/EO40モル付加物]}を得た。
【0048】
<実施例3>
250℃までの加熱、冷却及び攪拌の可能な耐圧反応容器に、250部(0.23モル部)のサンニックスポリオールRP−410A及び3部の水酸化カリウムを加え、130℃にて減圧下脱水した後、エチレンオキシド(EO)50部(1.1モル部)を100〜120℃にて滴下し付加重合させた。ついで、ブチレンオキシド(BO)82部(1.1モル部)を100〜120℃にて滴下し付加重合させた。ついで90℃にてイオン交換水8部を加えた後、アルカリ吸着剤であるキョーワード600[協和化学工業(株)製]12部を加え、同温度にて1時間攪拌した。ついで同温度にてNo.2濾紙[東洋濾紙(株)製]を用いて濾過した後、減圧下120℃にて脱水処理して、本発明の分散剤(3){反応物(A−3)[ショ糖のPO13モル/EO5モル/BO5モル付加物]}を得た。
【0049】
<実施例4>
250℃までの加熱、冷却及び攪拌の可能な耐圧反応容器に、250部(0.23モル部)のサンニックスポリオールRP−410A及び3部の水酸化カリウムを加え、130℃にて減圧下脱水した後、エチレンオキシド(EO)50部(1.1モル部)を100〜120℃にて滴下し付加重合させた。ついで、1,2−エポキシドデカン[試薬特級、シグマアルドリッチジャパン(株)製]84部(0.46モル部)を100〜120℃にて滴下し付加重合させた。ついで90℃にてイオン交換水8部を加えた後、アルカリ吸着剤であるキョーワード600[協和化学工業(株)製]12部を加え、同温度にて1時間攪拌した。ついで同温度にてNo.2濾紙[東洋濾紙(株)製]を用いて濾過した後、減圧下120℃にて脱水処理して、本発明の分散剤(4){反応物(A−4)[ショ糖のPO13モル/EO5モル/1,2−エポキシドデカン2モル付加物]}を得た。
【0050】
<実施例5>
250℃までの加熱、冷却及び攪拌の可能な耐圧反応容器に、250部(0.23モル部)のサンニックスポリオールRP−410A及び3部の水酸化カリウムを加え、130℃にて減圧下脱水した後、プロピレンオキシド(PO)93部(1.6モル部)を100〜120℃にて滴下し付加重合させた。ついで90℃にてイオン交換水7部を加えた後、アルカリ吸着剤であるキョーワード600[協和化学工業(株)製]10部を加え、同温度にて1時間攪拌した。ついで同温度にてNo.2濾紙[東洋濾紙(株)製]を用いて濾過した後、減圧下120℃にて脱水処理して、本発明の分散剤(5){反応物(A−5)[ショ糖のPO20モル付加物]}を得た。
【0051】
<実施例6>
250℃までの加熱、冷却及び攪拌の可能な耐圧反応容器に、250部(0.23モル部)のサンニックスポリオールRP−410A及び3部の水酸化カリウムを加え、130℃にて減圧下脱水した後、プロピレンオキシド(PO)622部(10.7モル部)を100〜120℃にて滴下し付加重合させた。ついで、ブチレンオキシド(BO)82部(1.1モル部)を100〜120℃にて滴下し付加重合させた。ついで90℃にてイオン交換水19部を加えた後、アルカリ吸着剤であるキョーワード600[協和化学工業(株)製]29部を加え、同温度にて1時間攪拌した。ついで同温度にてNo.2濾紙[東洋濾紙(株)製]を用いて濾過した後、減圧下120℃にて脱水処理して、本発明の分散剤(6){反応物(A−6)[ショ糖のPO60モル付加物/BO5モル付加物]}を得た。
【0052】
<実施例7>
250℃までの加熱、冷却及び攪拌の可能な耐圧反応容器に、250部(0.23モル部)のサンニックスポリオールRP−410A及び3部の水酸化カリウムを加え、130℃にて減圧下脱水した後、プロピレンオキシド(PO)199部(3.4モル部)を100〜120℃にて滴下し付加重合させた。ついで、エチレンオキシド(EO)30部(0.68モル部)を100〜120℃にて滴下し付加重合させた。ついで90℃にてイオン交換水10部を加えた後、アルカリ吸着剤であるキョーワード600[協和化学工業(株)製]14部を加え、同温度にて1時間攪拌した。ついで同温度にてNo.2濾紙[東洋濾紙(株)製]を用いて濾過した後、減圧下120℃にて脱水処理して、本発明の分散剤(7){反応物(A−7)[ショ糖のPO28モル付加物/EO3モル付加物]}を得た。
【0053】
<実施例8>
250℃までの加熱、冷却及び攪拌の可能な耐圧反応容器に、250部(0.23モル部)のサンニックスポリオールRP−410A及び3部の水酸化カリウムを加え、130℃にて減圧下脱水した後、エチレンオキシド(EO)50部(1.14モル部)を100〜120℃にて滴下し付加重合させた。ついで90℃にてイオン交換水6部を加えた後、アルカリ吸着剤であるキョーワード600[協和化学工業(株)製]9部を加え、同温度にて1時間攪拌した。ついで同温度にてNo.2濾紙[東洋濾紙(株)製]を用いて濾過した後、減圧下120℃にて脱水処理して、本発明の分散剤(8){反応物(A−8)[ショ糖のPO13モル付加物/EO5モル付加物]}を得た。
【0054】
<実施例9>
250℃までの加熱、冷却及び攪拌の可能な耐圧反応容器に、250部(0.23モル部)のサンニックスポリオールRP−410A及び3部の水酸化カリウムを加え、130℃にて減圧下脱水した後、プロピレンオキシド(PO)93部(1.6モル部)を100〜120℃にて滴下し付加重合させた。ついで、ブチレンオキシド(BO)82部(1.1モル部)を100〜120℃にて滴下し付加重合させた。ついで90℃にてイオン交換水9部を加えた後、アルカリ吸着剤であるキョーワード600[協和化学工業(株)製]13部を加え、同温度にて1時間攪拌した。ついで同温度にてNo.2濾紙[東洋濾紙(株)製]を用いて濾過した後、減圧下120℃にて脱水処理して、本発明の分散剤(9){反応物(A−9)[ショ糖のPO20モル付加物/BO5モル付加物]}を得た。
【0055】
<実施例10>
250℃までの加熱、冷却及び攪拌の可能な耐圧反応容器に、250部(0.23モル部)のサンニックスポリオールRP−410A及び3部の水酸化カリウムを加え、130℃にて減圧下脱水した後、プロピレンオキシド(PO)754部(13モル部)を100〜120℃にて滴下し付加重合させた。ついで、エチレンオキシド(EO)50部(1.1モル部)を100〜120℃にて滴下し付加重合させた。ついで90℃にてイオン交換水21部を加えた後、アルカリ吸着剤であるキョーワード600[協和化学工業(株)製]32部を加え、同温度にて1時間攪拌した。ついで同温度にてNo.2濾紙[東洋濾紙(株)製]を用いて濾過した後、減圧下120℃にて脱水処理して、本発明の分散剤(10){反応物(A−10)[ショ糖のPO70モル付加物/EO5モル付加物]}を得た。
【0056】
<実施例11>
250℃までの加熱、冷却及び攪拌の可能な耐圧反応容器に、250部(0.23モル部)のサンニックスポリオールRP−410A及び3部の水酸化カリウムを加え、130℃にて減圧下脱水した後、プロピレンオキシド(PO)728部(12.6モル部)を100〜120℃にて滴下し付加重合させた。ついで、エチレンオキシド(EO)70部(1.6モル部)を100〜120℃にて滴下し付加重合させた。ついでブチレンオキシド(BO)82部(1.1モル部)100〜120℃にて滴下し付加重合させた。ついで90℃にてイオン交換水23部を加えた後、アルカリ吸着剤であるキョーワード600[協和化学工業(株)製]34部を加え、同温度にて1時間攪拌した。ついで同温度にてNo.2濾紙[東洋濾紙(株)製]を用いて濾過した後、減圧下120℃にて脱水処理して、本発明の分散剤(11){反応物(A−11)[ショ糖のPO68モル付加物/EO7モル付加物/BO5モル付加物]}を得た。
【0057】
<実施例12>
250℃までの加熱、冷却及び攪拌の可能な耐圧反応容器に、250部(0.23モル部)のサンニックスポリオールRP−410A及び3部の水酸化カリウムを加え、130℃にて減圧下脱水した後、プロピレンオキシド(PO)728部(12.6モル部)を100〜120℃にて滴下し付加重合させた。ついで、エチレンオキシド(EO)100部(2.3モル部)を100〜120℃にて滴下し付加重合させた。ついでブチレンオキシド(BO)115部(1.6モル部)100〜120℃にて滴下し付加重合させた。ついで90℃にてイオン交換水24部を加えた後、アルカリ吸着剤であるキョーワード600[協和化学工業(株)製]36部を加え、同温度にて1時間攪拌した。ついで同温度にてNo.2濾紙[東洋濾紙(株)製]を用いて濾過した後、減圧下120℃にて脱水処理して、本発明の分散剤(12){反応物(A−12)[ショ糖のPO68モル付加物/EO10モル付加物/BO7モル付加物]}を得た。
【0058】
<実施例13>
250℃までの加熱、冷却及び攪拌の可能な耐圧反応容器に、トレハロース{試薬特級、和光純薬工業(株)製}100部(0.29モル部)及び反応溶媒としてDMF{三菱ガス化学(株)製}300部を投入した後、攪拌しつつ100℃まで昇温した後、この温度にてプロピレンオキシド(PO)763部(13.2モル部)を滴下し付加重合させた。ついで、同温度でブチレンオキシド(BO)105部(1.46モル部)を滴下し付加重合させた。その後、120℃に昇温しDMFを減圧留去(減圧℃:−0.05〜−0.098MPa)し、本発明の分散剤(13){反応物(A−13)[トレハロースのPO45モル付加物/BO5モル付加物}を得た。
【0059】
<実施例14>
250℃までの加熱、冷却及び攪拌の可能な耐圧反応容器に、メレチトース{試薬特級、東京化成工業(株)製}250部(0.50モル部)及び反応溶媒としてDMF{三菱ガス化学(株)製}500部を投入した後、攪拌しつつ100℃まで昇温した後、この温度にてプロピレンオキシド(PO)870部(15モル部)を滴下し付加重合させた。ついで、同温度でエチレンオキシド(EO)110部(2.5モル部)を滴下し付加重合させた。その後、120℃に昇温しDMFを減圧留去(減圧℃:−0.05〜−0.098MPa)し、本発明の分散剤(14){反応物(A−14)[メレチトースのPO30モル付加物/EO5モル付加物}を得た。
【0060】
<実施例15>
実施例5で得た反応物(A−5)[ショ糖のPO20モル付加物]500部に、ステアリン酸[試薬特級]93部[反応モル比:(A−5))/ステアリン酸=1/1]、触媒としてパラトルエンスルフォン酸1.8部を加え、減圧下、160℃にてエステル化反応を行った。反応物の酸価が0.1となった時点で反応を終了し、90℃に冷却後キョーワード600を5部加え、同温度にて1時間攪拌した後、同温度にてNo.2濾紙を用いて濾過し(以下キョーワード処理と略する)、本発明の分散剤(15){反応物(A−5)とエステル化物(B−1)[ショ糖のPO20モル付加物のステアリン酸モノエステル]との混合物}を得た。
【0061】
<実施例16>
実施例6で得た反応物(A−6)[ショ糖のPO60モル付加物/BO5モル付加物]500部に、2−エチルヘキサン酸[試薬特級]17.2部[反応モル比:(A−6)/2−エチルヘキサン酸=1/1]、触媒としてパラトルエンスルフォン酸1.8部を加え、実施例15と同様にして反応を行った後、キョウワード処理して、本発明の分散剤(16){反応物(A−6)とエステル化物(B−2)[ショ糖のPO60モル付加物/BO5モル付加物の2−エチルヘキサン酸モノエステル]との混合物}を得た。
【0062】
<実施例17>
実施例7で得た反応物(A−7)[ショ糖のPO28モル付加物/EO3モル付加物]500部に、アジピン酸[試薬特級]17.4部[反応モル比:(A−7)/アジピン酸=1/0.5]、触媒としてパラトルエンスルフォン酸1.8部を加え、実施例15と同様にして反応を行った後、キョウワード処理して、本発明の分散剤(17){反応物(A−7)とエステル化物(B−3)[ショ糖のPO28モル付加物/EO3モル付加物のアジピン酸ハーフエステル]との混合物}を得た。
【0063】
<実施例18>
実施例3で得た反応物(A−3)250部及び実施例15で得た反応物(B−1)250部を均一混合して、本発明の分散剤(18)を得た。
【0064】
<実施例19>
実施例7で得た反応物(A−7)250部及び消泡剤{「ノプコNXZ」(サンノプコ株式会社製):「ノプコ」はコグニス・ドイッチュランド・ゲゼルシヤフト・ミト・ベシユレンクテル・ハフツング・ウント・コンパニー・コマンデイトゲゼルシヤフトの登録商標である。}250部を均一混合して、本発明の分散剤(19)を得た。
【0065】
<実施例20>
実施例5で得た反応物(A−5)250部及びアニオン性高分子分散剤{「SN−ディスパーサント5468」(サンノプコ株式会社製)}20部を均一混合して、本発明の分散剤(20)を得た。
【0066】
<実施例21>
実施例6で得た反応物(A−6)250部及び湿潤剤{「SN−ウェット50」(サンノプコ株式会社製)}40部を均一混合して、本発明の分散剤(14)(21)を得た。
【0067】
<実施例22>
実施例3で得た反応物(A−3)250部及び粘弾性調整剤{「メトローズSM−4000」(信越化学株式会社製);「メトローズ」は同社の登録商標である。}2.5部を均一混合して、本発明の分散剤(22)を得た。
【0068】
<実施例23〜34、比較例1〜4>
無機粉体(1){軽質炭酸カルシウム(体積平均粒径=0.8μm)}、表1又は2に示した分散剤及び水を表1又は2に示した配合量(重量%)で、次のようにして無機粉体スラリーを得た。
容量200mlのステンレスビーカーに所定量の水を投入し、所定量の分散剤を投入し、羽根径40mmを有するホモジナイザーで緩く攪拌しながら、所定量の無機粉体を投入した後、3,000rpmにて10分間混合分散してスラリーを調製した。
なお、比較用の分散剤として、重量平均分子量10000のポリカルボン酸ナトリウム塩{比較用の分散剤(H1)}及び重量平均分子量6000のポリスチレンスルホン酸アンモニウム塩{比較用の分散剤(H2)}を用いた。
得られた無機粉体スラリーについて、以下のようにして、粘度、長期分散安定性、濡れ性及び流動性を評価して、表1及び2に示した。
【0069】
(1)粘度測定
JIS Z8803−1991「8.単一筒形回転粘度計による粘度測定方法」に準拠して、BM型粘度計(TVB−20L、東京計器株式会社製)を用い、回転速度60rpm、測定温度25℃で粘度を測定した。値が小さい程、粘度が低く良好であることを意味する。
【0070】
(2)長期分散安定性
無機粉体スラリーを調製した後直ちに、直径1cm、高さ15cmの透明ガラス瓶に、高さ10cmまで無機粉体スラリーを入れ密閉してから、50℃の恒温槽で72時間放置し、その後、透明ガラス瓶の上部に分離した水層の厚み(mm)を計測し、元の高さ(100mm)に対する割合(%)を算出し、この値を長期分散安定性とした。値が小さい程、安定性良好であることを意味する。
【0071】
(3)濡れ性及び流動性
調製した無機粉体スラリー1gを、ポリエステルフィルム(「ルミラー」、東レ(株)製、「ルミラー」は同社の登録商標である。)上に滴下し、3分後のスラリーの広がり方を目視で判断し濡れ性を評価した。
<評価基準>
○:滴下直後よりフィルム上に大きく広がっている
△:滴下直後よりフィルム上にやや広がっている
×:滴下直後よりフィルム上に全く広がらない
【0072】
【表1】




【0073】
【表2】



【0074】
<実施例35〜46、比較例5〜8>
無機粉体(2){酸化チタン(体積平均粒径=2μm)}、表3又は4に示した分散剤及び水を表3又は4に示した配合量(重量%)で、実施例23〜32と同様にして、無機粉体スラリーを得た。
なお、比較用の分散剤(H1)及び(H2)は、比較例1〜4で用いたものと同じものである。
得られた無機粉体スラリーについて、実施例23〜34と同様にして粘度、長期分散安定性、濡れ性及び流動性を評価して、表3及び4に示した。
【0075】
【表3】




【0076】
【表4】



【0077】
<実施例47〜58、比較例9〜12>
無機粉体(3){アルミナ(体積平均粒径=5μm)}、表5又は6に示した分散剤及び水を表5又は6に示した配合量(重量%)で、実施例23〜32と同様にして、無機粉体スラリーを得た。
なお、比較用の分散剤(H1)及び(H2)は、比較例1〜4で用いたものと同じものである。
得られた無機粉体スラリーについて、実施例23〜32と同様にして粘度、長期分散安定性、濡れ性及び流動性を評価して、表5及び6に示した。
【0078】
【表5】




【0079】
【表6】



【0080】
<実施例59〜68、比較例13〜16>
無機粉体(4){酸化チタン(体積平均粒径=0.4μm)}、無機粉体(5){アルミナ(体積平均粒径=50μm)}、表7又は8に示した分散剤及び水を表7又は8に示した配合量(重量%)で、実施例23〜32と同様にして、無機粉体スラリーを得た。
なお、比較用の分散剤(H1)及び(H2)は、比較例1〜4で用いたものと同じものである。
得られた無機粉体スラリーについて、実施例23〜32と同様にして粘度及び長期分散安定性、濡れ性及び流動性を評価して、表7及び8に示した。
【0081】
【表7】




【0082】
【表8】



【0083】
本発明の分散剤を用いると、比較用の分散剤に比較して、初期粘度を著しく低下させることができ、かつ、長期分散安定性にも優れていた。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
非還元性の二糖類又は三糖類と炭素数2〜12のアルキレンオキシドとの反応物(A)及び/又は反応物(A)と炭素数1〜18のカルボン酸との反応により得られるエステル化物(B)を含有することを特徴とする無機粉体スラリー用分散剤。
【請求項2】
炭素数2〜12のアルキレンオキシドのモル数が、非還元性の二糖類又は三糖類1モル当たり15〜90モルである請求項1に記載の分散剤。
【請求項3】
反応物(A)が非還元性の二糖類と炭素数2〜4のアルキレンオキシドとの反応物である請求項1又は2に記載の分散剤。
【請求項4】
非還元性の二糖類が蔗糖である請求項3に記載の分散剤。
【請求項5】
さらに、消泡剤、アニオン性高分子分散剤、湿潤剤及び粘弾性調整剤からなる群より選ばれる少なくとも1種を含有する請求項1〜4のいずれかに記載の分散剤。
【請求項6】
無機粉体が0.1〜100μmの体積平均粒子径をもつ請求項1〜5のいずれかに記載の分散剤。
【請求項7】
無機粉体が、無機酸化物粉体である請求項1〜6のいずれかに記載の分散剤。
【請求項8】
請求項1〜6のいずれかに記載の分散剤、無機粉体及び水媒体からなることを特徴とする無機粉体スラリー。
【請求項9】
分散剤、無機粉体及び水媒体の重量に基づいて、分散剤の含有量が0.001〜9重量%、無機粉体の含有量が10〜90重量%、水媒体の含有量が1〜89重量%である請求項8に記載の無機粉体スラリー。
【請求項10】
無機粉体が無機酸化物粉体である請求項8又は9に記載の無機粉体スラリー。
【請求項11】
請求項8〜10のいずれかに記載の無機粉体スラリーを製造する方法であって、
分散剤、無機粉体及び水媒体を混合分散してプレミックス体を得る工程(1)と、プレミックス体及び分散剤を混合分散して無機粉体スラリーを得る工程(2)とを含むことを特徴とする無機粉体スラリーの製造方法。

【公開番号】特開2011−5373(P2011−5373A)
【公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−149264(P2009−149264)
【出願日】平成21年6月24日(2009.6.24)
【出願人】(000106438)サンノプコ株式会社 (124)
【Fターム(参考)】