説明

無機質軽量断熱板材

【課題】 不燃性若しくは難燃性と優れた軽量性と断熱性に加えて強靭で広範囲の断熱材に使用可能な無機質軽量断熱板材の提供。
【解決手段】
黒曜石を焼成発泡させた独立気泡構造で見掛比重0.1乃至0.2で且その粒径が2乃至8mmのパーライトと、シロキサン及びシラノール塩多分子量溶液若しくは珪酸ナトリウム水溶液からなる無機接合剤及び無機繊維、植物繊維、再生繊維若しくは半合成繊維素材からなる目付重量が100g/m以下の不織布とを用いて、パーライト容積に対し10乃至20容積%割合で無機接合剤を混合のうえパーライト外表面に塗着せしめて成形原料となし、該成形原料で所要の寸法形状に且不織布をその表裏面に添着させ而もその内部にも均等間隔で挟入されるよう予備成形のうえ、加熱によりパーライト相互及び不織布とを一体的強固に接合固着させた構成。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は無機質軽量断熱板材に係るもので、更に詳しくは高い軽量性と断熱性に加えて強靭性を保持し施工性に極めて優れる無機質軽量断熱板材に関するものである。
【背景技術】
【0002】
建築建物における内断熱板材や外断熱板材を初め、各種の保冷保温機器類或いは耐火扉や耐火金庫等における断熱板材としては、本来耐火不燃性と高い断熱性能が要請されるものであるが、耐火不燃性を実現するには素材的に無機質素材を使用せねばならず、従来からも発泡コンクリート板材や珪酸カルシウム板材等が使用されてはいるものの、これらはその見掛比重においても0.7以上と大きなため、実用使用に供する寸法においては極めて多重となり、施工性が悪いばかりか断熱性も殆んど保持しえぬものである。
【0003】
他方ポリウレタンやポリスチレン或いはフェノール樹脂等の合成樹脂素材は、耐久性や加工性に優れることから、これら合成樹脂素材を発泡成形させてなる合成樹脂発泡板材は、極めて軽量で安価なうえ断熱性にも優れる。これがため耐火不燃性が要請される用途においては発泡コンクリート板材や珪酸カルシウム板材からなる耐火板材の裏面に、該合成樹脂発泡板材を積層させて、耐火不燃性と断熱性とを保持させる耐火不燃試験のための姑息な手段に終始しており、実態的に長時の火炎に晒される火災等においては、該合成樹脂発泡板材は燃焼し猛烈な火炎と煤煙並びに有害ガスの発生までに至ってしまう。
【0004】
加えて内断熱板材の如く耐火面の法規制も無く、合成樹脂発泡板材が使用される分野においても近年では鉄骨、鉄筋コンクリート構造による事務所や店舗若しくは高層住宅等やプレハブ構造による戸建住宅等耐火構造化が著しく普及し、且他方においては利用者の高齢化も急速に進んでおり、従って合成樹脂発泡板材の使用では、一旦火災に見舞われると猛烈な火炎と煤煙及び有害ガス等が耐火構造建物に充満し、再々に亘って悲惨な事故が惹起される結果となっている。
【0005】
加えて産業用保温保冷装置や機器等の断熱板材も高断熱性や価格的安価さより合成樹脂発泡板材が膨大量に使用されてなるものの、該合成樹脂発泡板材は耐熱性能に劣るため、少なくとも120乃至130℃以上の加熱温度の付加に際しては、熱劣化や熱変形が招来されて断熱性能が損なわれるばかりか、高温度の付加や電気的ショートを誘因として火災の発生危険も内在する。
【0006】
而して発明者は既にシロキサン及びシラノール塩多分子量溶液を所要の寸法形状の成形型内に注入し、加熱により水分蒸散とシロキサン結合の促進及び加熱融着性の創出とを以って、酸化珪素態からなる連続気泡構造で、且その見掛比重が略0.1乃至0.2及び断熱性において略0.032乃至0.035kcal/m・h・c°の軽量で高断熱性の無機質軽量断熱板材の生産に成功しており、更には黒曜石を焼成発泡させたパーライトの外表面にシロキサン及びシラノール塩多分子量溶液を塗着のうえ所要の寸法形状に予備成形のうえ加熱し、パーライト相互を一体的に接着固化させ、以って極めて能率的且安価に耐火不燃性の無機軽量断熱板材の開発にも成功している。
【特許文献1】 特願2005−381062号
【特許文献2】 特願2007−341827号
【0007】
しかしながら軽量化と高断熱性を実現させるために、シロキサン及びシラノール塩多分子量溶液を加熱発泡させて酸化珪素態の連続気泡構造となし、若しくは予め焼成発泡させた酸化珪素や酸化アルミを主成分とするパーライトを使用することは、素材的に粘性に乏しい無機質成分を更に略5乃至20倍程度に発泡させるため、脆弱化し実用使用に際しての圧縮強力やとりわけ曲げ強力に対しては脆弱なため、外力の付加される使用では耐火補強材との併用や、保冷保温機器類の断熱板材の如く薄板材が多用される場合には、曲げ強力の補強が不可欠要件となる。
そこで発明者はかかる問題に対し鋭意研究を重ねた結果、無機繊維や綿若しくは麻等の植物繊維若しくは再生繊維或いは半合成繊維からなる不織布は軽量、薄肉、安価なうえ多方向への対抗力を発揮し、且シロキサン及びシラノール塩多分子量溶液若しくは珪酸ナトリウム水溶液を含着のうえ、加熱によりパーライトと強固に一体的接合固着と、而も不燃化や難燃化が実現しえることを究明し本発明に至った。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は不燃性若しくは難燃性と優れた軽量性と断熱性を保持するとともに、強靭で広範囲の断熱材に使用可能な無機質軽量断熱板材を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述の課題を解決するために本発明が用いた技術的手段は、黒曜石を焼成発泡させてなる独立気泡構造で、見掛比重が0.1乃至0.2及び粒径が2乃至8mmのパーライトに、シロキサン及びシラノール塩多分子最溶液若しくは珪酸ナトリウム水溶液からなる無機接合剤を、パーライトの容積に対して10乃至20容積%割合で混合混練してパーライトの外表面に塗着せしめて成形原料となしたうえ、無機繊維や天然繊維若しくは再生繊維或いは半合成繊維素材からなり、その目付重量が100g/m以下に形成させた不織布を、成形原料により所要の寸法形状に予備成形される予備成形体の表面及び裏面に添着させ、及びその内部に均等間隔を以って挟入されるよう予備成形のうえ、加熱により無機接合剤の水分蒸散とシロキサン結合の促進及び加熱融着性を創出せしめて、全体を一体的に接合固着させた構成に存する。
【発明の効果】
【0010】
本発明は前述の如き構成からなるものであって、主要素材であるパーライトが無機質なうえその見掛比重が0.1乃至0.2で且2乃至8mmの粒径状を有するとともに、該パーライトの外表面にはシロキサン及びシラノール塩多分子量溶液若しくは珪酸ナトリウム水溶液からなる無機接合剤が、パーライトの容積に対し10乃至20容積%割合で塗着されて成形原料が形成されることにより、該成形原料は塗着された無機接合剤の粘性により可塑性が付与されるため、所要寸法形状に容易に予備成形がなしえる。
そして予備成形に際しては、無機繊維や植物繊維若しくは再生繊維或いは半合成繊維素材からなり、その目付重量が100g/m以下に形成された不織布を、予備成形される表裏面と且その内部に均等間隔を以って適宜数挟入されるため、パーライト外表面に塗着されてなる無機接合剤がこれら不織布にも含浸される。
【0011】
かくして予備成形されたうえは加熱が施されることにより、塗着並びに含浸されてなる無機接合剤の水分蒸散とシロキサン結合の促進並びに加熱融着性の創出とにより、パーライト相互並びに不織布とが一体的強固に接合固化される。そして不織布は方向性が少なく且パーライトと強固に接合固化されるため、圧縮強力はもとより曲げ強力の付加に対しても十分に対抗しえる補強効果が発揮される。
加えて表裏面にも不織布が強固に接合固化されてなるから外部衝撃に際してもパーライトが保護されるばかりか、無機接合剤が不織布に含浸され且加熱により酸化珪素態で包被されるため、植物繊維や再生繊維若しくは半合成繊維素材の不織布の使用でも不燃性や難燃性が保持される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
黒曜石を焼成発泡させた独立気泡構造で見掛比重が0.1乃至0.2で、その粒径が2乃至8mmのパーライトと、シロキサン及びシラノール塩からなる固形分が55乃至60重量%に水分が40乃至45重量%割合の組成で、且分子量換算で略4,000程度に多分子量化させたシロキサン及びシラノール塩多分子量溶液からなる無機接合剤と、植物繊維素材からなりその目付量が40g/mの不織布とからなり、パーライトの外表面に該パーライト容積に対し15容積%割合で無機接合剤を塗着して成形原料となしたるうえ、所要の寸法形状に且不織布をその表裏面に添着させ而もその内部にも均等間隔を以って挟入されるよう予備成形のうえ、加熱によりパーライト相互及び不織布の全体を、一体的に接合固着させた構成。
【実施例1】
【0013】
以下に本発明実施例を図とともに説明すれば、図1は本発明を形成する成形原料1の説明図であって、本発明は不燃性や難燃性とともに高い軽量性や断熱性を実現するうえから、主要素材としては黒曜石を焼成発泡させた独立気泡構造で、その見掛比重が0.1乃至0.2のパーライト1Aが用いられる。即ちこのパーライト1Aは、黒曜石を略1,200乃至1,300℃で焼成させることにより、その内部の結晶水を膨張させて独立気泡構造に発泡させたもので、その見掛比重は最少で0.01程度まで低比重化が可能であるが、素材が酸化珪素や酸化アルミを主体とする無機質であるから、あまり高発泡(低比重)化すると脆弱となり実用使用上にも難点が発生することから、本発明では見掛比重が0.1乃至0.2程度の物が使用される。
【0014】
更に該パーライト1Aの粒径は、黒曜石の破砕粒径如何で略0.5乃至20mm程度の物が形成可能であるが、実用使用に際しての高断熱性と且耐圧縮強力や曲げ強力を保持させるうえからは、比較的粒径の小さなものを密に接合固着させることが望まれること、及び形成される本発明の形成厚に対しても略1/3以下の粒径のものが好適なこと等より、使用されるパーライト1Aの粒径としては2乃至8mm程度のものが使用される。
【0015】
そしてかかるパーライト1Aを相互に接合固着せしめて所要の寸法形状に成形させるために無機接合剤1Bが使用される。この無機接合剤1Bも当然に不燃性や難燃性を満足させるものでなくてはならず、且パーライト1A相互やその表裏面に添着され若しくはその内部に挟入される不織布2相互と強固に接合固着しえる接着性と、軽量性や断熱性の保持にも寄与しえるものが望まれる。これがため該無機接合剤1Bの具体例としては、シロキサン及びシラノール塩からなる固形分が略55乃至60重量%に水分が40乃至45重量%割合の組成からなり、且分子量換算で略4,000程度に多分子量化させた錯化合物状のシロキサン及びシラノール塩多分子量溶液が挙げられる。
【0016】
無機接合剤1Bの他のものとしては珪酸ナトリウム水溶液が挙げられるもので、該珪酸ナトリウム水溶液は通称水ガラスとも称されるものであって、一般式NaO・nSiO・nHOで示され、より好ましくはn=2乃至4の水溶液状のものが好都合で、とりわけ水分が40乃至50重量%のものが塗着性のうえからも望ましい。
そして前記シロキサン及びシラノール塩多分子溶液と同様、少なくとも100℃以上望ましくは180乃至240℃程度の加熱により水分蒸散とともに酸化珪素態の連続気泡構造物3Aの生成と、且無機結合としては強力なシロキサン結合の促進並びに加熱融着性の創出とにより接合する相互の物質を強固に接合固着させることが可能となる。
【0017】
かかるシロキサン及びシラノール塩多分子量溶液や珪酸ナトリウム水溶液は、加熱に伴う水分蒸散に伴い形成される酸化珪素態の連続気泡構造物3Aは、当然に不燃化や難燃化はもとより軽量性や断熱性にも大きく寄与するものであるが、シロキサン及びシラノール塩多分子量溶液は加熱に伴う水分蒸散と加熱融着性の創出作用に伴う連続気泡構造による発泡性が大きく形成されるため、軽量性のうえからはより好適である。
【0018】
かくして選択されたパーライト1Aと無機接合剤1Bとは、パーライト1Aの容積に対し10乃至20容積%割合で混合されたうえパーライト1Aの外表面に塗着される。
かかる場合のパーライト1Aと無機接合剤1Bとの混合割合は、使用するパーライト1Aの粒径によってあるいはパーライト1A相互並びに表裏面に添着され若しくはその内部に挟入される不織布2の接合固着度合や不織布2の具体的目付重量或いは添着挟入数によっても異なるが、パーライト1Aの粒径が2乃至3mmで不織布2が綿繊維を用いた目付重量40g/mのものを表裏面と且内部に一層に挟入使用する場合では、パーライト1Aの容積に対して略12乃至15容積%割合が目処となる。
更にパーライト1Aの外表面への無機接合剤1Bの塗着手段は特別な制約も無く、一般的にはブレンダーやミキサー等を用いて、パーライト1Aと無機接合剤1Bとを所要の容積割合で混合し混練させることにより、図1に示す如く成形原料1が形成される。そしてかかる成形原料1は塗着された無機接合剤1Bの粘性に伴い可塑性を保持することとなる。
【0019】
加えて本発明において用いる不織布2は、図2に示すように形成される本発明の不燃性や難燃性を保持することは無論のこと、本発明に付加される圧縮強力や曲げ強力に十分対抗しえる構造補強を図ることにあるから、軽量安価で強靭なうえ方向性が少なく、且無機接合剤1Bと強固に接着しえる素材が要請される。
これがため使用素材としては無機繊維とくにはロックウールやガラスウールはもとより綿や麻等の植物繊維や、レーヨン並びにキュプラ等の再生繊維或いはアセテートやプロミックス等の半合成繊維が選択される。そして不織布2としてはフィブリル化法や紡糸法、フェルト法、ニードル・パンチ法或いはステッチ法等により繊維素材相互を絡合させて形成されるものが望ましく、且その厚さはなるべく軽量薄手のものが望まれることから、その目付重量においては最大でも100g/m以下好ましくは30乃至40g/mの目付重量が望ましい。
【0020】
そして繊維素材に植物繊維や再生繊維或いは半合成繊維が使用された不織布2が用いられる場合にも、加熱に先立って所要の寸法形状に予備成形される場合に、その表裏面に添着され若しくは内部に挟入される不織布2には、パーライト1A外表面に塗着された無機接合剤1Bが含浸され、且加熱により該含浸された無機接合剤1Bは水分蒸散とシロキサン結合の促進及び加熱融着性の創出作用とにより酸化珪素態の連続気泡構造物3Aにより包着されて不燃化若しくは難燃化が実現される。
【0021】
かかる如くして選択形成された成形原料1と不織布2を用いて本発明品4を形成する場合には、図3に示すように予備成形3がなされる。
この予備成形は所要の寸法形状に形成された予備成形型30を用いるのが至便であって、該予備成形型30を使用する場合には該予備成形型30の底面に不織布2を敷設し、その上部に所要容積を以って成形原料1を充填のうえ、その上面に不織布2を敷設して更にその上部に所要容積を以って成形原料1を充填することにより、不織布2がその内部に挟入された状態となり、而して表面にも不織布2を敷設したうえ、予備成形蓋30Aで加圧することにより成形原料1の可塑性により、所要の寸法形状に予備成形3がなされるとともに、パーライト1Aの外表面に塗着された無機接合剤1Bも不織布2にも含浸されることとなる。
【0022】
かくして予備成形3がなされたうえは適宜の加熱手段により加熱して塗着されてなる無機接合剤1の水分蒸散とシロキサン結合の促進並びに加熱融着性の創出とにより、酸化珪素態の連続気泡構造物3Aを生成せしめパーライト1A相互並びに不織布2とを一体的強固に接合固着させるものであって、具体的加熱方法としては加熱空気や工業用マグネトロンによる方法が有利である。そして加熱温度と時間は、その内部の水分を確実に蒸散させるうえからその厚さにより変動もあるが、加熱空気による温度が240℃で且予備成形される厚さが40mmの場合では略45乃至60分程度が目処となる。
かかる如き加熱処理により、図4に示す如き本発明無機質軽量断熱板材4が形成されるものである。無論予備成形に際しては、予め所定の厚さと適宜の幅及び長さに予備成形のうえ、加熱をなしてパーライト相互並びに不織布とを一体的強固に接合固着させ、而して所要の幅と長さに切断し形成させることも提案される。
【0023】
以下に従来の無機質軽量断熱板材と、本発明無機質軽量断熱板材との物性比較テスト結果を以下に述べる。
使用したパーライトは、黒曜石を焼成発泡させた独立気泡構造で、その見掛比重が0.2及び平均粒径が2.0mmのものを用い、且無機接合剤としてはシロキサン及びシラノール塩からなる固形分が55重量%に水分が45重量%で、且分子量換算で略4,000程度に多分子量化されたシロキサン及びシラノール塩多分子量溶液を用い、パーライト容積に対して15容積%割合で混合のうえ、パーライト外表面に塗着せしめて成形原料を作成した。
【0024】
かくしてなる成形原料をステンレス製の網目合1.5mm角目網地を用いて内寸法が縦45cm横45cm高さ2.5cmの予備成形型と且閉塞蓋とを用いて、該予備成形型内に成形原料を1,020g充填し、240℃で60分間加熱して縦45cm横45cm高さ2.5cmの無機質軽量断熱板材としたものを対照とした。
更に同様の予備成形型を用いて、レーヨン繊維素材による40g/m目付重量の不織布を裏面(底面)に敷設し成形原料510gを充填のうえ、その上面に不織布を敷設し、更にその上部に成形原料510gを充填のうえ表面に不織布を敷設したうえ、240℃で60分間加熱して、縦45cm横45cm高さ2.5cmに形成させた無機質軽量断熱板材を試料として、物性比較テストを行った結果は表1の通りである。
【0025】
【表1】

【産業上の利用可能性】
【0026】
使用目的の寸法形状に形成することで建物内断熱板材や外断熱板材を初め産業用保冷保温断熱板材として利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】 成形原料の説明図である。
【図2】 不織布の部分説明図である。
【図3】 予備成形の断面説明図である。
【図4】 本発明品の見取図である。
【符号の説明】
【0028】
1 成形原料
1A パーライト
1B 無機接合剤
2 不織布
3 予備成形
3A 酸化珪素態からなる連続気泡構造物
30 成形金型
4 本発明品

【特許請求の範囲】
【請求項1】
黒曜石を焼成発泡させた独立気泡構造で且見掛比重が0.1乃至0.2及びその粒径が2乃至8mmのパーライトと、シロキサン及びシラノール塩多分子量溶液若しくは珪酸ナトリウム水溶液からなる無機接合剤、並びに無機繊維、植物繊維、再生繊維若しくは半合成繊維素材を用いてその目付重量が100g/m以下に形成された不織布とからなり、パーライトの容積に対して10乃至20容積%割合で無機接合剤を混合のうえパーライト外表面に塗着せしめて成形原料となしたうえ、所要の寸法形状に且不織布がその表面及び裏面に添着され、而もその内部には均等間隔を以って挟入されるよう予備成形し、加熱により生成される酸化珪素態の連続気泡構造成形物によりパーライト相互並びに不織布とを一体的強固に接合固着させた構成からなる無機質軽量断熱板材。
【請求項2】
無機接合剤の珪酸ナトリウム水溶液の水分が、40乃至50重量%割合からなる、請求項1記載の無機質軽量断熱板材。
【請求項3】
不織布を形成する無機繊維が、ロックウール若しくはガラスウールである、請求項1記載の無機質軽量断熱板材。
【請求項4】
所定の厚さと適宜の幅及び長さに予備成形のうえ加熱をなしてパーライト相互並びに不織布とを一体的強固に接合固着させたうえ、所要の幅と長さに切断し形成される、請求項1記載の無機質軽量断熱板材。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−241667(P2010−241667A)
【公開日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−104513(P2009−104513)
【出願日】平成21年4月1日(2009.4.1)
【出願人】(504384516)
【Fターム(参考)】