説明

無給油式スクリュー圧縮機

【課題】吐出圧縮空気の清浄度を向上できる無給油式スクリュー圧縮機を得る。
【解決手段】無給油式スクリユー圧縮機は、雄ロータ1及び雌ロータ2と、この両ロータを収納する圧縮機ケーシング8と、両ロータのロータシャフト1a,2aを支持する吸込側の軸受及び吐出側の軸受6bと、両ロータを非接触で回転させるタイミングギヤと、圧縮空気の漏洩を防止するために前記ロータシャフトに設けられた非接触式の軸封装置7bとを備えている。前記軸封装置は、ガスをシールするエアシール部9aと、軸受からの油をシールする油切りシール部11aと、エアシール部と油切りシール部との間に設けられたシールボックス部10aとを有し、前記シールボックス部は大気に連通する大気開放穴12と接続され、且つ前記油切りシール部の外周面と前記エアシール部の外周面の両方にOリング14A,14Bが設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無給油式スクリュー圧縮機に関し、特に無給油式スクリュー圧縮機における軸封装置に関する。
【背景技術】
【0002】
非接触且つ無給油で回転可能な雄雌一対のスクリューロータにより空気を圧縮する無給油式(オイルフリー)のスクリュー圧縮機が知られている。この無給油式スクリュー圧縮機は、通常、空気を圧縮するスクリュー圧縮機(圧縮機本体)を筐体内に設けて圧縮機ユニットとして構成されている。前記スクリュー圧縮機から吐出される圧縮空気は高温であるため、この圧縮空気を冷却するための冷却装置も前記圧縮機ユニット内に備えられ、前記スクリュー圧縮機から吐出された圧縮空気は前記冷却装置で冷却後、圧縮機ユニット内の配管を経由して圧縮機ユニット外へと吐出される構成となっている。
【0003】
上記無給油式スクリュー圧縮機には、前記スクリューロータにより形成される圧縮室から圧縮空気がロータシャフト(回転軸)を伝わって外部に漏れたり、前記シャフトを駆動するギヤや前記シャフトを支持する軸受に供給される潤滑油が前記圧縮室へ浸入するのを防ぐために、軸封装置が設けられている。
この種従来技術としては特許文献1(特開平6−66276号公報)に記載のものなどがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平6−66276号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
無給油式スクリュー圧縮機は、給油式スクリュー圧縮機のように、ロータ間にシールのための潤滑油を噴射しないため、圧縮機の効率は、ロータ間ギャップなど、圧縮室の周囲に形成されるギャップからの圧縮空気漏洩に大きく影響される。一般に無給油式スクリュー圧縮機では、前記圧縮空気の漏洩に打ち勝って一定の効率を得るため、50m/s以上のロータ周速で使用され、ロータは毎分10000〜20000回転程度の高速で駆動される。
【0006】
無給油式スクリュー圧縮機は前述したように、ロータ間にシールのための潤滑油を使用しないため、圧縮工程での圧縮室のシール性が低く、圧縮空気の漏れが多い。特に、圧縮機の吸込側及び吐出側端面からロータシャフト側への圧縮空気の漏洩の大小は圧縮機の性能に大きく影響する。従来、前記圧縮空気の漏洩を防ぐため、前記ロータシャフトに設けられる軸封装置としては、固定式の非接触メタルシールやフローティング式のカーボンシールなどのエアシールが用いられている。
【0007】
また、無給油式スクリュー圧縮機においては、前記ロータシャフトを支持する軸受や、前記ロータシャフトに回転を伝達するためのギヤ(ピニオンギヤ、タイミングギヤなど)へは潤滑油を使用する。このため軸受やギヤへ供給される潤滑油が前記圧縮室へ浸入しないように、前記エアシールとは別の軸封装置が設けられている。この軸封装置としては、通常、高速回転を利用し非接触シールであるビスコシールやラビリンスシールなどの油切りシールが用いられ、前記軸受やギヤに供給される潤滑油が前記圧縮室に浸入するのを防止するようにしている。
【0008】
前記エアシールやビスコシールは、シール内周とロータシャフト間の隙間をシールするものであり、シール外周と圧縮機ケーシングとの隙間から浸入する油分に対してのシール効果はない。しかし、圧縮機停止時などにシール外周とケーシングとの隙間から油が浸入し、吐出圧縮空気の清浄度を低下させる場合があることが本件発明者らによって解明されてきた。近年、無給油式スクリュー圧縮機の吐出圧縮空気の清浄度に対する要求が厳しくなっており、国際規格ISO8573の規格改定に見られるように、油分に対する要求が特に厳しくなっている。このため圧縮機の吐出圧縮空気の清浄度を更に向上することが要求されている。
【0009】
本発明の目的は、吐出圧縮空気の清浄度を向上できる無給油式スクリュー圧縮機を得ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、本発明は、互に噛合う雄ロータ及び雌ロータと、この両ロータを収納する圧縮機ケーシングと、前記両ロータのロータシャフトを支持する吸込側及び吐出側の軸受と、前記両ロータを非接触で回転させるタイミングギヤと、圧縮空気の漏洩を防止するために前記ロータシャフトに設けられた非接触式の軸封装置とを備える無給油式スクリユー圧縮機において、前記軸封装置はガスをシールするエアシール部と、前記軸受からの油をシールする油切りシール部と、前記エアシール部と油切りシール部との間に設けられたシールボックス部とを有し、前記シールボックス部は大気に連通する大気開放穴と接続され、且つ前記油切りシール部の外周面と前記エアシール部の外周面の両方にOリングが設けられていることを特徴とする。
【0011】
上記において、前記軸封装置は、エアシール部とシールボックス部と油切りシール部とが一体に構成されていることが好ましい。
また、前記油切りシール部及びシールボックス部と一体に構成された前記エアシール部の内径部に、摺動性が良く前記ロータシャフトと接触しても発火や焼損が起こり難い摺動材を設けた構成にすると更に好ましい。前記摺動材は摺動性の高いカーボンまたはフッ素樹脂であることが好ましく、更に前記摺動材は前記エアシールの内径部に耐熱性が高く有機溶剤が含まれていないエポキシ樹脂系の接着材で接着するのが良い。
【0012】
前記油切りシールとしてはビスコシールまたはラビリンスシールを使用すると良い。
また、前記軸封装置、前記大気開放穴及び前記油切りシール部の外周面と前記エアシール部の外周面の両方に設けられたOリングは、前記ロータシャフトの吸込側及び吐出側の両方に備えられていることが好ましい。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、吐出圧縮空気の清浄度を向上できる無給油式スクリュー圧縮機を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の無給油式スクリュー圧縮機の実施例1を示す軸封装置部付近の要部拡大断面図。
【図2】実施例1に適用される無給油式スクリュー圧縮機の縦断面図。
【図3】図2に示す無給油式スクリュー圧縮機における吐出側の軸封装置の一般例を示す要部拡大断面図。
【図4】図2に示す無給油式スクリュー圧縮機における吸込側の軸封装置の一般例を示す要部拡大断面図。
【図5】図1に示す軸封装置の他の例を示す要部拡大断面図。
【図6】図3に示す軸封装置における油の浸入経路を説明する図。
【図7】図4に示す軸封装置における油の浸入経路を説明する図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の無給油式スクリュー圧縮機の実施例を図面に基づき説明する。
【実施例1】
【0016】
本発明の実施例1を、雄雌一対のスクリューロータにより空気を圧縮する無給油式スクリュー圧縮機に適用した場合について説明する。
まず、本発明の実施例1に適用される無給油式スクリュー圧縮機の全体構成について、図2により説明する。
【0017】
図2に示す無給油式スクリュー圧縮機は、雄ロータ1と、これに噛み合わされた雌ロータ2と、前記雄,雌ロータ1,2を収容しているメインケーシング8aと、このメインケーシング8aの吸込側に取り付けられたSケーシング8bと、同メインケーシング3の吐出側に取り付けられたDケーシング8cと、メインケーシング8aに形成された冷却用ジャケット25と、雄ロータ1の吸込側および吐出側端部に一体に設けられたロータシャフト1aと、雌ロータ2の吸込側および吐出側端部に一体に設けられたロータシャフト2aと、雄ロータ1のロータシャフト1aの吸込側端部に取り付けられ且つモータ側のブルギヤ(図示せず)に噛み合わされたピニオンギヤ(圧縮機駆動用ギヤ)3と、Sケーシング8b内に設けられ且つ雄,雌ロータ1,2のロータシャフト1a,2aの吸込側端部を支持する吸込側の軸受(ローラ軸受)6aと、メインケーシング8aの吐出側端部に設けられ且つ雄,雌ロータ1,2のロータシャフト1a,2aの吐出側端部を支持する吐出側の軸受6b(ローラ軸受)及び軸受6c(組み合わせアンギュラ軸受)と、前記吸込側軸受6aの雄,雌ロータ1,2側寄りに設けられた軸封装置7aと、前記吐出側軸受6bの雄,雌ロータ1,2側寄りに設けられた軸封装置7bと、雄,雌ロータ1,2のロータシャフト1a,2aの吐出側端部に取り付けられ且つ互いに噛み合わされたタイミングギヤ4,5と、前記各軸受6a〜6cや前記タイミングギヤ4,5を潤滑するための潤滑油系統(図示せず)とを備えている。
【0018】
前記メインケーシング8aとSケーシング8bとDケーシング8cとにより圧縮機ケーシング8が構成されており、この圧縮機ケーシングには空気の吸込口および吐出口(いずれも図示せず)が設けられている。
【0019】
モータ(図示せず)の回転力は、ブルギヤからピニオンギヤ3を介し、雄ロータ1に伝達される。雄ロータ1に伝達された回転力はタイミングギヤ4,5を介して雌ロータ2にも伝達され、雄ロータ1と雌ロータ2とが非接触状態で互いに噛合い、回転することにより、吸込口から前記ロータ1,2間に吸入された空気は所定の圧力まで圧縮され、吐出口から外部に吐出される。
【0020】
吸込側と吐出側にそれぞれ設けられている前記軸封装置7a,7bは、圧縮室からの圧縮空気の漏れを防ぐ為のエアシール9、ピニオンギヤ3、タイミングギヤ4,5等のギヤや軸受6に供給される潤滑油が圧縮室内に浸入するのを防止する非接触型のビスコシール(油切りシール)11、及び前記エアシール9とビスコシール11との間に設けられたシールボックス10を備えている。
【0021】
前記軸封装置7a,7b部分の詳細構造を図3及び図4により説明する。図3は吐出側の軸封装置7bの一般例を示す要部拡大断面図、図4は吸込側の軸封装置7aの一般例を示す要部拡大断面図である。
【0022】
図3,図4において、12は前記シールボックス10と大気側とを連通するように圧縮機ケーシングに設けられた大気開放穴で、この大気開放穴12は、前記ビスコシール11の発生圧や圧縮機の運転状態により、前記シールボックス10内の圧力が負圧とならないようにするために設けられている。
【0023】
前記ビスコシール11はロータシャフト1a,2aの回転により軸封圧を発生することで、ロータシャフト1a,2aを伝わって雄,雌ロータ1,2側(圧縮室側)に浸入しようとする潤滑油を、ギヤ3〜5や軸受6a〜6c側に押し戻す軸封部品である。
【0024】
しかし、前記潤滑油の圧縮室側への浸入経路は、ロータシャフト1a,2aと軸封装置7a,7bとの隙間部だけではなく、軸封装置7a,7bの外周側からも浸入する。これを図6,図7により説明する。図6は図3に示す軸封装置における油の浸入経路を説明する図、図7は図4に示す軸封装置における油の浸入経路を説明する図である。これら図6,図7において、矢印15は軸封装置の外周面側からの油の浸入経路を示し、矢印16は軸封装置7a,7bのシール部品間(エアシール9とシールボックス10間、及びビスコシール11とシールボックス10間)からの油の浸入経路を示す。
大気開放穴12の軸受及びギヤ側を一次側、圧縮室側を二次側とすると、前記ビスコシール11は一次側に、前記エアシール9は二次側に配置されている。
【0025】
従来は特許文献1にも示すように、一次側に設けたビスコシール11の外周面にOリング14Aを設けることにより、ビスコシール11と圧縮機ケーシングとの間から、軸受などからの潤滑油が、図6,図7に矢印15で示すように、二次側に浸入するのを防止していた。
【0026】
しかし、組立上これらのシール部品と圧縮機ケーシング8とはすきま嵌めで構成されているため、ケーシングと軸封部品との加工精度により、前記一次側に設けたOリング14Aのシール性能が低下している場合がある。
また、シールボックス10の部分は、矢印21(図3,図4参照)で示すシール発生圧により、シールボックス10内が負圧にならないように大気開放穴12により大気開放されている。しかし、矢印21で示すシール発生圧が影響しない軸封装置の外周部と圧縮機ケーシングとの間の微小隙間は、軸受側に対し負圧となる場合があり、軸受側からの油が微小隙間に導かれて、矢印17で示すように圧縮室側へ引き込まれる方向へ圧力が働く。
【0027】
更に、図3,図4に示すように、圧縮機の運転時のエアシール9と大気開放穴12における空気の流れが軸封装置外周部から圧縮室側への油の浸入を助長する。
【0028】
また、圧縮機の停止時にも軸受側からの油が、エアシール9の背面(外周面)や、エアシール9とシールボックス10との間に浸入して溜まり、圧縮機の運転開始と共に前記空気の流れなどによって、前記エアシール9の背面隙間やエアシール9とシールボックス10との間に溜まっていた油が圧縮室側へも侵入する可能性があることがわかってきた。
【0029】
そこで、本実施例では、一次側のOリング14Aなどを通過してエアシール9の背面に浸入してきた油が圧縮室側へ浸入するのを防ぐため、図1に示すように、二次側に設けたエアシール9の外周面にもOリング14Bを設けるようにしている。これにより、エアシール9の背面に浸入してきた油がエアシール9の背面を通過して圧縮室側に流入するのを防止することができ(即ち、図6,図7に矢印15で示した油の浸入経路を遮断することが可能となる)、圧縮空気に油が混入するのを抑制することが可能となる。
【0030】
また、本実施例では、図3,図4に示すエアシール9、シールボックス10及びビスコシール11を一体化して、図1に示すように、エアシール部9a、シールボックス部10a及びビスコシール部11aを有する軸封装置7b(吸込側の軸封装置7aも同様の構成としているがその説明は省略する)として構成している。軸封装置を構成する軸封部品を一体化することにより、図6,図7に矢印16で示した油の浸入経路を遮断することが可能となる。このように、一体化されたエアシール部9a、シールボックス部10a及びビスコシール部11aを有する軸封装置7bとすることで、シールボックス部10aと、エアシール部9aまたはビスコシール部11a間に従来あった油の浸入経路15,16がなくなるので、圧縮室側への油の浸入を抑制できる効果がある。また、軸封装置を構成する軸封部品の点数も削減することができ、原価低減及び組立工数の低減も図れる。
【0031】
尚、エアシール部9a、シールボックス部10a及びビスコシール部11aを一体化する場合、砲金等の金属材料で一体に製作する。この場合、ロータシャフト1a,2aとの金属接触を防ぐため、エアシール部13aの内径部とロータシャフト1a,2aとの隙間は安全を考慮した大きさにする必要がある。
【0032】
図5は、図1に示すエアシール部9a、シールボックス部10a及びビスコシール部11aを一体化した軸封装置7bの別の例を説明する図である。この例では、軸封装置7bのエアシール部9aの内径部に、カーボンやフッ素樹脂(PTFE)などの摺動性が高くロータシャフトと接触した場合でも発火や焼損などの虞がない摺動材13を接着などにより取り付けて構成したものである。このように安全面で優位性のある摺動材をエアシール部9aの内径部に設けたことで、エアシール部9aの内径部とロータシャフト1a,1bとのギャップを小さくすることが可能となり、圧縮室から圧縮空気が漏れるのを低減することができる。
【0033】
前記エアシール部9a(金属)と摺動材13(カーボンやフッ素樹脂など)との接着は、耐熱性の高いエポキシ樹脂系の接着剤を用いることが望ましい。前記エポキシ樹脂系の接着剤としては、高耐熱で有機溶剤フリー(有機溶剤が含まれていない)のものが存在するので、このような接着剤を使用することにより、国際規格ISO8573−5における吐出圧縮空気中の有機溶剤含有量に対しても、高い清浄度を確保できる。
【0034】
なお、図1及び図5に示した実施例では、吐出側の軸封装置7bについて述べたが、吸込側の軸封装置7aについても図1,図5と同様に構成することができる。即ち、吸込側の軸封装置7aの場合には図4に示すエアシール9、シールボックス10及びビスコシール11を図4と同じ位置関係で図1や図5に示すように一体化して構成すれば良い。
【0035】
以上述べたように、本実施例によれば、軸封装置外周部と圧縮機ケーシングとの間から圧縮室側へ油が浸入するのを低減でき、油浸入に対して信頼性の高い軸封装置をもつ無給油式スクリュー圧縮機を得ることができる。この結果、無給油式スクリュー圧縮機から吐出される圧縮空気の清浄度を高めることができ、油含有量の少ない高い清浄度の圧縮空気を供給できる効果が得られる。
【符号の説明】
【0036】
1…雄ロータ(1a:ロータシャフト)
2…雌ロータ(2a:ロータシャフト)
3…ピニオンギヤ
4,5…タイミングギヤ
6a,6b,6c…軸受
7a,7b…軸封装置(9:エアシール、10:シールボックス、11:ビスコシール(油切りシール)、9a:エアシール部、10a:シールボックス部、11a:ビスコシール部、13:摺動材)
8…圧縮機ケーシング(8a:メインケーシング、8b:Sケーシング、8c:Dケーシング)
12…大気開放穴
14A,14B…Oリング。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
互に噛合う雄ロータ及び雌ロータと、この両ロータを収納する圧縮機ケーシングと、前記両ロータのロータシャフトを支持する吸込側及び吐出側の軸受と、前記両ロータを非接触で回転させるタイミングギヤと、圧縮空気の漏洩を防止するために前記ロータシャフトに設けられた非接触式の軸封装置とを備える無給油式スクリユー圧縮機において、
前記軸封装置はガスをシールするエアシール部と、前記軸受からの油をシールする油切りシール部と、前記エアシール部と油切りシール部との間に設けられたシールボックス部とを有し、
前記シールボックス部は大気に連通する大気開放穴と接続され、且つ前記油切りシール部の外周面と前記エアシール部の外周面の両方にOリングが設けられている
ことを特徴とする無給油式スクリュー圧縮機。
【請求項2】
請求項1に記載の無給油式スクリュー圧縮機において、前記軸封装置は、エアシール部とシールボックス部と油切りシール部とが一体に構成されていることを特徴とする無給油式スクリュー圧縮機。
【請求項3】
請求項2に記載の無給油式スクリュー圧縮機において、前記油切りシール部及びシールボックス部と一体に構成された前記エアシール部の内径部に、摺動性が良く前記ロータシャフトと接触しても発火や焼損が起こり難い摺動材を設けていることを特徴とする無給油式スクリュー圧縮機。
【請求項4】
請求項3に記載の無給油式スクリュー圧縮機において、前記摺動材は摺動性の高いカーボンまたはフッ素樹脂であることを特徴とする無給油式スクリュー圧縮機。
【請求項5】
請求項3または4に記載の無給油式スクリュー圧縮機において、前記摺動材は前記エアシールの内径部に耐熱性が高く有機溶剤が含まれていないエポキシ樹脂系の接着材で接着されていることを特徴とする無給油式スクリュー圧縮機。
【請求項6】
請求項1〜5の何れかに記載の無給油式スクリュー圧縮機において、前記油切りシールはビスコシールまたはラビリンスシールであることを特徴とする無給油式スクリュー圧縮機。
【請求項7】
請求項1〜6の何れかに記載の無給油式スクリュー圧縮機において、前記軸封装置、前記大気開放穴及び前記油切りシール部の外周面と前記エアシール部の外周面の両方に設けられたOリングは、前記ロータシャフトの吸込側及び吐出側の両方に備えられていることを特徴とする無給油式スクリュー圧縮機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−256828(P2011−256828A)
【公開日】平成23年12月22日(2011.12.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−134048(P2010−134048)
【出願日】平成22年6月11日(2010.6.11)
【出願人】(502129933)株式会社日立産機システム (1,140)
【Fターム(参考)】