説明

無線タグ回路素子、タグテープロール、無線タグ回路素子カートリッジ、及びタグテープ製造装置

【課題】ラベル作成作業や作成したラベルとの通信を効率よく行う。
【解決手段】搬送される基材テープ210に取付けられている無線タグTgの無線タグ回路素子Toに対し、書き込み装置274により当該回路素子Toを備えたタグラベルを作成する際のラベル作成用管理情報として、無線タグラベルTと関連付けられる対象物情報や、無線タグラベルTを作成するのに用いるタグラベル作成装置の機種情報や、IC回路部151のチップ製造条件情報又は無線タグ回路素子Toを備えた基材テープ210をタグテープ製造装置1で製造したときのテープ製造条件情報、タグラベル作成装置における作成条件情報等を書き込み、記憶保持させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外部と情報の無線通信が可能な無線タグ回路素子、これを備えたタグテープロール及び無線タグ回路素子カートリッジ、並びに当該部無線タグ回路素子を備えたタグテープを製造するタグテープ製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
小型の無線タグとリーダ(読み取り装置)/ライタ(書き込み装置)との間で非接触で情報の読み取り/書き込みを行うRFID(Radio Frequency Identification)システムが知られている。
【0003】
例えばラベル状の無線タグに備えられた無線タグ回路素子は、所定の無線タグ情報を記憶するIC回路部とこのIC回路部に接続されて情報の送受信を行うアンテナとを備えており、無線タグが汚れている場合や見えない位置に配置されている場合であっても、リーダ/ライタ側よりIC回路部の無線タグ情報に対してアクセス(情報の読み取り/書き込み)が可能であり、商品管理や検査工程等の様々な分野において実用が期待されている。
【0004】
ここで、無線タグ回路素子のIC回路部の記憶容量はそれほど大きくなく制限があることから一般に、IC回路部には所定の識別情報(タグID)を記憶させておき、これに対応する対象物の物品情報自体は別のデータベースに格納保持しておくことが多い。そして、例えば対象物に関わる無線タグ回路素子の識別情報をリーダにて読み取り、その読みとった識別情報に基づきデータベースを検索することにより、当該対象物に関わる物品情報を取得する。
【0005】
このような従来技術の一例としては、例えば特許文献1に記載の情報処理システムがある。この情報処理システムでは、店舗の各売場ごとに設けられた読み取り装置(基地局)と、店舗とは別の場所に設けられたデータベース及びサーバとが通信ネットワークによって接続されている。店舗の各売場に陳列された各商品に添付された無線タグのタグIDが読み取り装置(無線局)によって読みとられると、このタグIDはサーバへ送信される。サーバは当該タグIDに基づきデータベース内に格納保持された情報を検索し、このタグIDに対応する商品の各種物品情報(商品カタログ情報、在庫情報、売上げ記録等)を抽出取得する。こうして取得された当該商品の物品情報は、各売場の基地局を介しサーバに入力される店員が所持する携帯操作端末からの操作信号に基づき、所定の処理が行われるようになっている。
【0006】
【特許文献1】特開2001−147770号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記したように、無線タグはラベル状(=無線タグラベル)として対象物である商品や物品とともに取り扱われる(例えば添付、貼り付け、同梱等)場合が多い。このとき、その無線タグ回路素子内部に記憶されたタグIDとは別に、当該タグ情報や対応する物品情報等に関連した情報をラベルに印字して使用するようにすれば、ユーザ側から上記関連情報を視認できて何かと便利である。そこで、近年、無線タグ回路素子への情報読み取り/書き込みとラベルへの印字とを併せて行い無線タグラベルを作成するタグラベル作成装置が考えられつつある。
【0008】
このタグラベル作成装置では、操作者のタグラベル作成の旨の操作指示信号に基づき、無線タグ回路素子を所定間隔で配置したテープ等のラベル素材をロールから繰り出しつつ、各無線タグ回路素子のIC回路部に対しアクセスして上記タグIDの読み取り/書き込みを行い、さらにその後各ラベルに所定の印字を行い、これによりタグラベルを連続的に生成するようになっている。
【0009】
そこで、上記のようなタグラベル作成装置に上記従来技術の情報処理システムの構成を適用し、タグラベル作成装置、サーバ、データベースをネットワークで接続し、上記無線タグ回路素子のIC回路部のアクセスにより読み取り/書き込みが行われるタグIDとデータベース内の物品情報とを関連づけることが考えられる。この場合、タグラベル作成装置のタグアクセス機能によって無線タグ回路素子のID回路部にアクセスしてタグIDの読み取り/書き込みが行われ、また印字機能によって対応する印字情報がタグラベルに印字される。またタグラベル作成装置より当該タグIDに基づく問い合わせ信号がネットワークを介してデータベースへ出力されるとともに、その返答信号(検索結果等)はネットワークを介してタグラベル作成装置側へと入力される。
【0010】
しかしながら、このように、装置外部にデータベースを備えネットワーク通信を介しデータベースアクセスを行う場合には、ネットワーク通信環境の良否によりデータベースへのアクセスの円滑性が阻害されて通信の信頼性・安定性を確保できず、効率よいラベル作成ができなくなる畏れがあった。
【0011】
また、上記のようにして作成された無線タグラベルに対し、無線タグ回路素子に備えられたIC回路部の情報の読み取りを行うリーダ(読み取り装置)についても、ネットワーク通信を介しデータベースアクセスを行う場合には、上記同様、ネットワーク通信環境の良否によりデータベースへのアクセスの円滑性が阻害されて通信の信頼性・安定性を確保できず、効率のよい通信ができなくなる畏れがあった。
【0012】
本発明の目的は、ラベル作成作業や作成したラベルとの通信を効率よく行うことができる、無線タグ回路素子、これを備えたタグテープロール及び無線タグ回路素子カートリッジ、並びに当該部無線タグ回路素子を備えたタグテープを製造するタグテープ製造装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するために、第1の発明は、情報を記憶するIC回路部と、このIC回路部に接続されるタグ側アンテナとを有する無線タグ回路素子であって、前記IC回路部は、当該無線タグ回路素子を備えた無線タグラベルを作成する際のラベル作成用管理情報を記憶保持することを特徴とする。
【0014】
無線タグラベルを作成する際には、タグラベル作成装置において、無線タグ回路素子を備えたタグ媒体が供給され、装置側から無線タグ回路素子のIC回路部に対し無線通信を介して情報の送受信が行われ、併せて印字等の適宜の処理が行われた後、無線タグラベルが完成される。
【0015】
このとき、本願第1発明においては、IC回路部に種々のラベル作成用管理情報を記憶保持していることにより、タグラベル作成時には、タグラベル作成装置側でこのラベル作成用管理情報を読み出して利用することでラベル作成作業を効率よく行うことが可能となり、また作成したタグラベルに対しリーダよりアクセスする際には、リーダ側でラベル作成用管理情報を読み出して利用することで、読み取り処理の迅速化を図ることができる。
【0016】
第2発明は、上記第1発明において、前記IC回路部は、前記ラベル作成用管理情報として、前記無線タグラベルと関連付けられる対象物情報を記憶保持することを特徴とする。
【0017】
対象物情報を記憶させることにより、作成したタグラベルに対しリーダよりアクセスする際には、ネットワークを介さず対象物の種類ごとに区別して無線タグ回路素子を応答させることができ、この結果読み取り処理の迅速化を図り効率よく通信することができる。また、無線タグラベルを作成する際には、操作者側からタグラベル作成装置での各種処理内容、例えば印字する文字・図象の内容等を入力する必要がある。実際は、近年の無線タグラベルの用途の拡大に応じて、タグラベル作成装置やこれを操作する操作端末側において、操作者が簡単に操作入力できるように各種用途(言い換えればタグラベルの対象物が何であるか)に対応したソフトウェアが予め用意してある場合が多い。本願第2発明においては、ラベル作成用管理情報として対象物情報を備えることにより、情報送受信時に装置側でこの対象物情報を読み取ることで対応する上記ソフトウェアを迅速に起動してラベル作成を効率よく行える効果もある。
【0018】
第3発明は、上記第1発明において、前記IC回路部は、前記ラベル作成用管理情報として、前記無線タグラベルを作成するのに用いる(用いることができる)タグラベル作成装置の機種情報を記憶保持することを特徴とする。
【0019】
無線タグラベルの応用の拡大に応じて、タグラベル作成装置についても種々の仕様や特性のものが既に提唱されており、作成されたタグラベルの信頼性・安定性を確保するためには、情報送受信の対象である無線タグ回路素子側について、各装置に合致した仕様や特性のものを用いなければならない。本願第3発明においては、ラベル作成用管理情報として例えばタグラベル作成装置の機種情報(例えば当該無線タグ回路素子の通信相手として適正な機種の情報)を備えることにより、タグラベル作成の際の情報送受信時に装置側でこの機種情報を読み取ることで当該タグラベル作成装置との機種合致性を判断することができる。そして、合致しない場合はその旨を報知したりタグラベル作成を禁止したり装置の動作を停止する等の方策をとることができるので、合致しないことを知らないままに操作者が不完全な通信データを備えた無線タグラベルを作成するのを防止でき、効率よくラベル作成作業を行うことができる。
【0020】
第4発明は、上記第1発明において、前記IC回路部は、前記ラベル作成用管理情報として、当該IC回路部のチップ製造条件情報又は前記無線タグ回路素子を備えたタグテープを製造したときのテープ製造条件情報を記憶保持することを特徴とする。
【0021】
無線タグラベルの応用の拡大に応じて、無線タグ回路素子のIC回路部についても既に種々の仕様や特性のものが提唱されており、それぞれに適したタグラベル作成装置側の作成条件が存在する。また無線タグ回路素子をタグテープ上に配置してタグラベル作成装置側で用いる場合には、そのタグテープ製造時のテープ製造条件についてもタグラベル作成装置側の作成条件に影響を与える場合がある。したがって、通信の信頼性・安定性を確保しつつ、効率よくタグラベル作成作業を行うためには、情報送受信の対象である無線タグ回路素子のIC回路部のチップ製造条件やタグテープのテープ製造条件に合致した作成条件によりタグラベル作成装置側で作成を行うことが好ましい。本願第4発明においては、ラベル作成用管理情報として例えばIC回路部のチップ製造条件情報又は無線タグ回路素子を備えたタグテープを製造したときのテープ製造条件情報を備えることにより、タグラベル作成の際の情報送受信時に装置側でこの作成条件情報を読み取ることで当該無線タグ回路素子に対し最も適したタグラベル作成条件で作成を行うことができる。これにより、効率よくラベル作成作業を行うことができる。
【0022】
第5発明は、上記第4発明において、前記IC回路部は、前記テープ製造条件情報として、前記タグテープの製造機械の識別番号、当該製造機械の仕様情報、タグテープ製造日時のうち少なくとも1つを記憶保持することを特徴とする。
【0023】
情報送受信時に装置側でタグテープの製造機械の識別番号、製造機械の仕様情報、タグテープ製造日時等の情報を読み取ることで、これらの情報に対し最も適したタグラベル作成条件で無線タグラベルの作成を行うことができる。これにより、効率よくラベル作成作業を行うことができる。
【0024】
第6発明は、上記第1発明において、前記IC回路部は、前記ラベル作成用管理情報として、前記無線タグラベルを作成するのに用いるタグラベル作成装置における作成条件情報を記憶保持することを特徴とする。
【0025】
無線タグラベルの応用の拡大に応じて、無線タグ回路素子についても既に種々の仕様や特性のものが提唱されており、それぞれに適したタグラベル作成装置側の作成条件が存在する。通信の信頼性・安定性を確保しつつ、効率よく作成作業を行うためには、情報送受信の対象である無線タグ回路素子側の仕様や特性に合致した作成条件(たとえば通信試行回数情報等の通信条件等)によりタグラベル作成装置側で作成を行うことが好ましい。本願第6発明においては、ラベル作成用管理情報として例えばタグラベル作成装置における作成条件情報を備えることにより、タグラベル作成の際の情報送受信時に装置側でこの作成条件情報を読み取ることで当該無線タグ回路素子に対し最も適したラベル作成条件で作成を行うことができる。これにより、効率よくラベル作成作業を行うことができる。
【0026】
第7発明は、上記第6発明において、前記IC回路部は、前記作成条件情報として、前記タグラベル作成装置において装置側より前記無線タグ回路素子へ情報送受信を行うときの通信試行回数情報を記憶保持することを特徴とする。
【0027】
情報送受信時に装置側で通信試行回数情報を読み取ることで当該無線タグ回路素子に対し最も適した通信試行回数条件で無線タグラベルの作成を行うことができる。
【0028】
上記目的を達成するために、第8の発明は、情報を記憶するIC回路部とこのIC回路部に接続されるタグ側アンテナとを備えた無線タグ回路素子を複数配置したタグテープを巻回して構成したタグテープロールであって、前記タグテープに備えられた前記無線タグ回路素子は、前記IC回路部に、当該無線タグ回路素子を備えた無線タグラベルを作成する際のラベル作成用管理情報を記憶保持したことを特徴とする。
【0029】
無線タグラベルを作成する際には、タグラベル作成装置において、タグテープロールから無線タグ回路素子を備えたタグテープが供給され、装置側から無線タグ回路素子のIC回路部に対し無線通信を介して情報の送受信が行われ、併せて印字等の適宜の処理が行われた後、所定の長さに切断されて無線タグラベルが完成される。
【0030】
このとき、本願第8発明のタグテープロールにおいては、IC回路部に種々のラベル作成用管理情報を記憶保持していることにより、タグラベル作成時には、タグラベル作成装置側でこのラベル作成用管理情報を読み出して利用することにより、ラベル作成作業や作成したラベルとの通信を効率よく行うことが可能となり、操作者の利便性を向上することができる。
【0031】
上記目的を達成するために、第9の発明は、タグラベル作成装置のカートリッジホルダに着脱可能に構成され、情報を記憶するIC回路部とこのIC回路部に接続されたタグ側アンテナとを備えた前記無線タグ回路素子が配置されたタグ媒体を、連続的に供給可能な無線タグ回路素子カートリッジであって、前記タグ媒体に備えられた前記無線タグ回路素子は、前記IC回路部に、当該無線タグ回路素子を備えた無線タグラベルを作成する際のラベル作成用管理情報を記憶保持したことを特徴とする。
【0032】
無線タグラベルを作成する際には、タグラベル作成装置のカートリッジホルダに無線タグ回路素子カートリッジが装着され、この無線タグ回路素子カートリッジから無線タグ回路素子を備えたタグ媒体が供給され、装置側から無線タグ回路素子のIC回路部に対し無線通信を介して情報の送受信が行われ、併せて印字等の適宜の処理が行われた後、無線タグラベルが完成される。
【0033】
このとき、本願第9発明の無線タグ回路素子カートリッジにおいては、IC回路部に種々のラベル作成用管理情報を記憶保持していることにより、タグラベル作成時には、タグラベル作成装置側でこのラベル作成用管理情報を読み出して利用することにより、ラベル作成作業や作成したラベルとの通信を効率よく行うことが可能となり、操作者の利便性を向上することができる。
【0034】
第10発明は、上記第9発明において、前記IC回路部に記憶保持した前記ラベル作成用管理情報の内容に対応した情報を備えた被検出部を設けたことを特徴とする。
【0035】
装置本体側より被検出部の情報を検出することにより、当該カートリッジのタグ媒体に備えられた無線タグ回路素子のIC回路部に記憶されたラベル作成用管理情報の内容を装置側で取得することができる。
【0036】
上記目的を達成するために、第11発明は、情報を記憶するIC回路部とこのIC回路部に接続されるタグ側アンテナとを備えた無線タグ回路素子を複数配置したタグテープを製造するためのタグテープ製造装置であって、前記無線タグ回路素子の前記IC回路部に、当該無線タグ回路素子を備えた無線タグラベルを作成する際のラベル作成用管理情報を、無線通信を介し書き込む書き込み手段を有することを特徴とする。
【0037】
無線タグラベルを作成する際には、タグラベル作成装置において、無線タグ回路素子を備えたタグテープが供給され、装置側から無線タグ回路素子のIC回路部に対し無線通信を介して情報の送受信が行われ、併せて印字等の適宜の処理が行われた後、所定の長さに切断されて無線タグラベルが完成される。
【0038】
本願第11発明のタグテープ製造装置においては、上記タグテープを製造する際に、書き込み手段でIC回路部に種々のラベル作成用管理情報を書き込んで記憶保持させる。これにより、タグラベル作成装置でのタグラベル作成時には、装置側でこのラベル作成用管理情報を読み出して利用することにより、ラベル作成作業や作成したラベルとの通信を効率よく行うことが可能となり、操作者の利便性を向上することができる。
【発明の効果】
【0039】
本発明によれば、通信の信頼性・安定性を確保し、ラベル作成作業や作成したラベルとの通信を効率よく行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0040】
以下、本発明の一実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
【0041】
図1は、本実施形態の無線タグ回路素子を備えたタグテープを製造するタグテープ製造装置の一実施形態の全体概略構造を表す概念図である。
【0042】
図1において、このタグテープ製造装置1は、第1テープ200A(テープ;詳細構造は後述)と第2テープ200B(テープ;詳細構造は後述)とを、それら2つのテープの間に無線タグTgを挿入して貼り合わせることにより基材テープ210を作成し、この基材テープ210を巻回してロール状のタグテープ、つまりタグテープロールを製造するものである。無線タグTgは、後述の図2、図6に示すように、情報を記憶するIC回路部151と、このIC回路部151に接続され情報の送受信を行うタグ側アンテナ152とを備えた本実施形態の無線タグ回路素子Toを備える。
【0043】
上記タグテープ製造装置1は、第1テープ200Aが巻回された第1テープロール211と、この第1テープロール211を駆動する第1テープ軸駆動モータ212と、第2テープ200Bが巻回された第2テープロール213と、この第2テープロール213を駆動する第2テープ軸駆動モータ214と、第1及び第2テープロール211,213から繰り出された第1テープ200A及び第2テープ200Bを無線タグ回路素子Toの挿入後に貼り合わせる貼り合わせローラ225A,225Bと、貼り合わされたテープ200A,200Bに駆動力を付与して搬送することによって第1及び第2テープロール211,213から第1及び第2テープ200A,200Bを繰り出す駆動側搬送ローラ219A及び従動側搬送ローラ219Bと、駆動側搬送ローラ219Aを駆動する搬送ローラ駆動モータ220と、貼り合わせたテープから第2テープ200Bのセパレータ209(詳細は後述)を剥離することによって生成された基材テープ210と該セパレータ209とを互いに離反方向に案内するガイドローラ240A,240Bと、基材テープ210を巻き取るリール部材215aを有する基材テープロール215と、このリール部材215aを駆動する基材テープ軸駆動モータ216と、上記セパレータ209を巻き取るリール部材217aを有するセパレータロール217と、このリール部材217aを駆動するセパレータ軸駆動モータ218とを備える。
【0044】
さらに、タグテープ製造装置1は、第1テープロール211と貼り合わせローラ225A,225Bとの間の第1テープ200Aのテープ搬送経路に沿って設けられ、繰り出される第1テープ200Aのテープ搬送方向と交差する(この例では直交)交差方向に進退可能に設けた第1ダンサローラ221と、ガイドローラ240A,240Bと基材テープロール215との間の基材テープ210のテープ搬送経路に沿って設けられ、基材テープ210のテープ搬送方向と交差する(この例では直交)交差方向に進退可能に設けた第2ダンサローラ222と、第2テープロール213と貼り合わせローラ225A,225Bとの間の第2テープ200Bのテープ搬送経路に沿って設けられ、繰り出される第2テープ200Bのテープ搬送方向と交差する(この例では直交)交差方向に進退可能に設けた第3ダンサローラ223と、ガイドローラ240A,240Bとセパレータロール217との間のセパレータ209のテープ搬送経路に沿って設けられ、セパレータ209のテープ搬送方向と交差する(この例では直交)交差方向に進退可能に設けた第4ダンサローラ224と、上記第1〜第4ダンサローラ221〜224をそれぞれ上記交差方向(この例ではテープ搬送路と直交方向)に進退させるエアシリンダ262A,262B,262C,262Dとを備える。
【0045】
さらにまた、タグテープ製造装置1は、貼り合わせローラ225A,225Bの上流側に設けられ、貼り合わされる第1テープ200A,第2テープ200Bとの間に挿入される無線タグTgの無線タグ回路素子Toのタグ特性(ここでは無線タグ回路素子Toのタグ感度)を検査して、無線タグ回路素子Toが正常であるか否かを判定するためのタグチェッカー270と、該タグチェッカー270に設けられ、無線タグ回路素子Toとの間で磁気誘導によりタグ感度を測定する第1ループアンテナ271と、第2テープ200Bに無線タグTgを取り付けることによって、貼り合わされた第1テープ200Aと第2テープ200Bとの間に無線タグTgを長手方向に所定間隔で配置するタグ挿入器226と、搬送ローラ219A,219Bの下流側に設けられ、貼り合わされた第1テープ200A及び第2テープ200Bの送り量を光学的に検出するセンサ228と、基材テープロール215の上流側に設けられ、基材テープ210に備えられた無線タグTgの無線タグ回路素子Toに対し無線タグラベルを作成する際のラベル作成用管理情報を書き込むための書き込み装置(書き込み手段)274と、該書き込み装置274に設けられ、無線タグ回路素子Toとの間で磁気誘導により無線通信を行い所定の情報を書き込む第2ループアンテナ272と、書き込み装置274の下流側に設けられ、リール部材215aへの基材テープ210の巻き付けによって1本の基材テープロール215を得るのに必要な所定長さ(いわゆる小巻ロールの長さ)に基材テープ210を切断するためのカッタ227と、搬送ローラ219A,219Bとガイドローラ240Aの下流側近傍とにそれぞれ設けられ、これら搬送ローラ219A,219Bと基材テープ210とに発生した静電気を除去する各除電ブラシ280と、コントローラ230とを備える。なお、上記タグ感度とは、IC回路部151(チップ)自体の感度(動作可能な最小電力)とタグ側アンテナ152のゲインとの組み合わせをさす。
【0046】
さらに、タグテープ製造装置1は、第1ループアンテナ271,第2ループアンテナ272のそれぞれに対して無線タグ回路素子Toにアクセス(書き込み又は読み取り)するための変調波を出力するための2つの送信回路32i,32rと、無線タグ回路素子Toから上記第1ループアンテナ271,第2ループアンテナ272をそれぞれ介して受信された応答信号を復調しコントローラ230に出力する2つの受信回路33i,33rとを備える。また、前述した第1テープ軸駆動モータ212の駆動制御を行う第1テープ駆動回路231と、前述した第2テープ軸駆動モータ214の駆動制御を行う第2テープ駆動回路232と、前述した基材テープ軸駆動モータ216の駆動制御を行う基材テープ駆動回路233と、前述したセパレータ軸駆動モータ218の駆動制御を行うセパレータ駆動回路234と、前述した搬送ローラ駆動モータ220の駆動制御を行う搬送ローラ駆動回路235と、上記カッタ227を駆動して切断動作を行わせるソレノイド236と、そのソレノイド236を制御するソレノイド駆動回路237とを備える。さらにまた、コントローラ230から入力された電気信号に応じた開度に制御される開閉弁(図示せず)と、図示しない気体源からの気体を上記電気信号に対応した圧力の作動ガスとしてエアシリンダ262A,262B,262C,262Dへとそれぞれ供給する電気−空気変換手段として機能する電空レギュレータ265A,265B,265C,265Dと、上記電空レギュレータ265A,265B,265C,265Dの上記開閉弁をそれぞれ制御する図示しないレギュレータ駆動回路と、上記ダンサローラ221,222,223,224をその先端部に回転可能に支持し、上記エアシリンダ262A,262B,262C,262Dによって回動支点周りに回動可能なテンションアーム267A,267B,267C,267Dと、この例では上記回動支点近傍に設けられ、上記テンションアーム267A,267B,267C,267Dの角度を検出することで対応するテープ200A,210,200B,209の張力をそれぞれ検出する角度センサ268A,268B,268C,268Dとを有する。
【0047】
第1テープロール211は、上記第1テープ軸駆動モータ212により駆動されるリール部材211aの周りに、第1テープ200Aが巻回されている。同様に、第2テープロール213は、上記第2テープ軸駆動モータ214により駆動されるリール部材213aの周りに、第2テープ200Bが巻回されている。また、基材テープロール215は、リール部材215aが上記基材テープ軸駆動モータ216により駆動されることにより、基材テープ210がリール部材215aの周りに巻回される。同様に、セパレータロール217は、リール部材217aが上記セパレータ軸駆動モータ218により駆動されることにより、セパレータ209がリール部材217aの周りに巻回される。
【0048】
上記エアシリンダ262A〜Dのそれぞれは、ピストン262aと、シリンダ本体262bとを備えており、シリンダ本体262bに内包されたピストン262aが電空レギュレータ265A〜Dからそれぞれ供給される作動ガスによって進退されることにより、ピストン262aに連結された上記テンションアーム267A〜Dを回動支点まわりに回動させ、これによってダンサローラ221,222,223,224の位置を変化させテープ200A,210,200B,209の張力を制御するようになっている。
【0049】
なお進退アクチュエータとして、エアシリンダ262に代えてソレノイドの電磁力を用いた直接駆動や、電動モータ(リニアモータ、パルスモータを含む各種モータ)等を用いてもよい。
【0050】
センサ228は例えば発光部及び受光部を備えたフォトセンサからなり、搬送ローラ219A,219Bの下流側において、第1テープ200Aと貼り合わされた第2テープ200Bに向けてセンサ光を照射し、貼り合わされたテープ200A,200Bが通過する際、第2テープ200Bの表面に予め無線タグTgの配置ピッチで設けられている所定のマーキングを検知することによって、テープが無線タグTgの配置ピッチ分だけ送られた否かを検出できるようになっている(公知の手法で足りるため詳細説明は省略)。センサ228の検出信号はコントローラ230へ入力される。
【0051】
コントローラ230は、いわゆるマイクロコンピュータであり、詳細な図示を省略するが、中央演算処理装置であるCPUと、ROM及びRAM等から構成されるメモリ276とを有し、このメモリ276のRAMの一時記憶機能を利用しつつROMに予め記憶されたプログラムに従って信号処理を行うようになっている。
【0052】
上記構成において、主として搬送ローラ219A,219Bの搬送駆動力により、第1テープ200Aが上記第1テープロール211より繰り出され、ダンサローラ221を経て、貼り合わせローラ225A,225Bへと供給される。同様に、第2テープロール213より繰り出された第2テープ200Bも、ダンサローラ223及びローラ273を経て、貼り合わせローラ225A,225Bへと供給される。そして、貼り合わせローラ225A,225Bの上流側で、タグ挿入器226により無線タグTgを順次第2テープ200Bに取り付けられ、その後、貼り合わせローラ225A,225Bにより第1テープ200Aと無線タグTgが取り付けられた第2テープ200Bとが貼り合わされる。
【0053】
なお、上記タグ取り付けは、等間隔配置の所定の挿入箇所になったら第1テープ200A及び第2テープ200Bの搬送駆動を停止して挿入を行う、いわゆる間欠搬送駆動方式となっている(このときの位置決めはセンサ228の検出信号に応じて制御する)。このとき、この間欠搬送により所定の挿入箇所で第1テープ200A及び第2テープ200Bの搬送駆動を停止したときには、基材テープ210に備えられる無線タグTg(無線タグ回路素子To)が上記書き込み装置274のループアンテナ272の近傍(下流側アクセス位置)に位置するようになっている。
【0054】
このようにして無線タグTgを挿入して貼り合わされたテープは、搬送ローラ219A,219Bの下流側に位置するガイドローラ240A,240Bにおいて、第2テープ200Bに備えられていたセパレータ層200Bdからなるセパレータ209と、それ以外の部分からなる基材テープ210とに分離される。基材テープ210はリール部材215aに巻き取られていき、所定の長さになったらカッタ227によって切断を行う。一方、セパレータ209は、リール部材217aによって巻き取られ回収される。以上の結果、長手方向に複数の無線タグTgが所定の等間隔で順次形成された基材テープ210がリール部材215aに巻回され、基材テープロール215が作製される。なお、特に図示しないが、テープ搬送路の適切な位置(書き込み装置274の上流位置など)に、基材テープ210中の第1テープ200Aからカットマーク付きセパレータ層200Adだけを切断するハーフカッタを備えてもよい。このようにすれば、カットマーク付きセパレータ層200Adのみが切断され、それ以外の層は切断されない(連続された)基材テープ210を作成することができる。この結果、この基材テープ210を用いてタグラベル作成装置で所定長さの無線タグラベルを作成するとき、(タグラベル作成装置側に特にハーフカット手段を設けなくても)長手方向中間部において、上記に対応したセパレータ層のみが切断された(=ハーフカットラインを備えた)無線タグラベルTを作成することができる。この結果、作成された無線タグラベルをユーザが用いるとき、セパレータ層を上記ハーフカットラインより容易にはぎ取ることができ、ラベル使用時のユーザの利便性を向上することができる。
【0055】
図2(a)は、第1テープ200Aの詳細断面構造を表す図1中P−P断面による横断面図である。第1テープ200Aは、この例では4層構造となっており、第1テープロール211の外側に巻かれる側(図2(a)中下側)よりその反対側(図2(a)中上側)へ向かって、適宜の粘着材からなる粘着材層200Aa、PET(ポリエチレンテレフタレート)等から成る色付きのテープ基材層200Ab、適宜の粘着材からなる粘着材層200Ac、セパレータ層(剥離材層)200Adの順序で積層され構成されている。なお、このセパレータ層200Adは、最終的にラベル状に完成した無線タグラベルが所定の商品等に貼り付けられる際に、これを剥がすことで粘着材層200Acにより当該商品等に接着できるようにしたものである。
【0056】
図2(b)は、無線タグTgの詳細断面構造を表す図1中Q−Q断面による横断面図である。図2(b)において、無線タグTgは、略シート状のタグ基材160と、このタグ基材160の裏側(図2(b)中下側)に設けられ、情報の送受信を行うタグ側アンテナ152と、このタグ側アンテナ152に接続するように情報を更新可能に(書き換え可能rewritableに)記憶するIC回路部151(後述の図5参照)を備えたICチップ保持部材161とを備えている。なお、上記タグ側アンテナ152及びIC回路部151によって本実施形態の無線タグ回路素子Toが構成されている。
【0057】
図2(c)は、第2テープ200Bの詳細断面構造を表す図1中R−R断面による横断面図である。第2テープ200Bは、この例では4層構造となっており、外側に巻かれる側(図2(c)中上側)よりその反対側(図2(c)中下側)へ向かって、適宜の粘着材からなる粘着材層200Ba、PET(ポリエチレンテレフタレート)等から成る色付きのテープ基材層200Bb、適宜の粘着材からなる粘着材層200Bc、セパレータ層200Bdの順序で積層され構成されている。なお、このセパレータ層200Bdは、最終的に上記リール部材217aに巻回され、セパレータロール217として回収される。
【0058】
図3は、上記のようにして作成された基材テープ210の詳細断面構造を表す図1中S−S断面による横断面図である。基材テープ210は、上記4層構造の第1テープ200Aと4層構造の第2テープ200Bとの間に無線タグTgが挿入配置された後、前述のようにセパレータ層200Bdがリール部材217aで巻き取られて除去されることで、この例では10層構造となっている。すなわち、リール部材215aの外側に巻かれる側(図3中上側)よりその反対側(図3中下側)へ向かって、上記セパレータ層200Ad、粘着材層200Ac、テープ基材層200Ab、粘着材層200Aa、タグ基材160、タグ側アンテナ152、ICチップ保持部材161、粘着材層200Ba、テープ基材層200Bb、粘着材層200Bcの順序で積層され構成されている。
【0059】
図4はタグテープ製造装置1の機能のうち無線タグ回路素子Toへのアクセス(書込み又は読取り)機能に関する機能的構成を表す機能ブロック図である。
【0060】
この図4において、タグテープ製造装置1のタグチェッカー270及び書き込み装置274は、ループアンテナ271,272のそれぞれに対して無線タグ回路素子Toにアクセスする(読取り/書込みを行う)ための搬送波を発生させるとともに、上記コントローラ230から入力される制御信号に基づいて上記搬送波を変調する送信回路32i,32rと、無線タグ回路素子Toからループアンテナ271,272を介してそれぞれ受信された応答信号の復調を行い、コントローラ230に出力する受信回路33i,33rとを有しており、コントローラ230は送信回路32i,32rにおける搬送波の変調制御及び受信回路33i,33rで復調した信号の処理を行う。
【0061】
図5は、上記タグチェッカー270及び書き込み装置274の送信回路32i,32r及び受信回路33i,33rとループアンテナ271,272との接続部分の回路構成を簡略的に表す回路図である。
【0062】
この図5において、送信回路32i,32rはコンデンサ310を介して接地されたループアンテナ271,272の非接地側に接続され、また受信回路33i,33rはループアンテナ271,272の接地側に接続されている。
【0063】
図6は、上述した本実施形態による無線タグ回路素子Toの機能的構成を表す機能ブロック図である。この図6において、無線タグ回路素子Toは、上記IC回路部151と、該IC回路部151に接続され、タグテープ製造装置1側のタグチェッカー270,274のループアンテナ271,272と磁気誘導により非接触で信号の送受信を行うタグ側ループアンテナ152とを有している。
【0064】
上記IC回路部151は、ループアンテナ152により受信された搬送波を整流する整流部153と、この整流部153により整流された搬送波のエネルギを蓄積し駆動電源とするための電源部154と、ループアンテナ152により受信された搬送波からクロック信号を抽出して制御部155に供給するクロック抽出部156と、所定の情報信号を記憶し得るメモリ部157と、ループアンテナ152に接続された変復調部158と、上記整流部153、クロック抽出部156、及び変復調部158等を介して無線タグ回路素子Toの作動を制御するための上記制御部155とを備えている。
【0065】
変復調部158は、ループアンテナ152により受信された上記タグチェッカー270及び書き込み装置274のループアンテナ271,272からの通信信号の復調を行うと共に、上記制御部155からの応答信号に基づき、ループアンテナ152より受信された搬送波を変調反射する。
【0066】
制御部155は、変復調部158により復調された受信信号を解釈し、メモリ部157において記憶された情報信号に基づいて返信信号を生成し、変復調部158により返信する制御等の基本的な制御を実行する。
【0067】
図7は、上記コントローラ230で実行される制御手順を表すフローチャートである。
【0068】
この図7において、まずステップS101において、基材テープ210のリール部材215aへの巻回作業が完了したかどうかを判定する。この判定は、例えば上記巻き回し作業を終えた操作者により、図示しない操作手段等を介し巻き回し作業が完了した旨の操作信号が入力されたかどうかを判定することにより行われる。巻き回し作業が完了した場合には判定が満たされて次のステップS102に移る。
【0069】
ステップS102では、タグ挿入器226により取り付けられた無線タグTgのナンバー(順番)を表す識別変数jを1に、フラグF1,F2(後述)を0にリセットする。
【0070】
次のステップS103では、図示しない操作手段等を介し入力された基材テープ210の作成開始の旨の操作信号に応じ、テープ駆動を開始する。すなわち、搬送ローラ駆動回路235に制御信号を出力し、搬送ローラ駆動モータ220の駆動力によって第1テープ200A、第2テープ200Bを第1テープロール211及び第2テープロール213から繰り出し駆動させる。なおこのとき併せて、第1及び第2テープ駆動回路231,232と基材テープ駆動回路233及びセパレータ駆動回路234にも制御信号が出力され、第1及び第2テープ軸駆動モータ212,214と基材テープ軸駆動モータ216及びセパレータ軸駆動モータ218も駆動される。これにより、第1テープロール211から第1テープ200Aが繰り出されるとともに第2テープロール213から第2テープ200Bが繰り出されて、貼り合わせローラ225A,225Bで貼り合わされて一体化され、搬送ローラ219A,219B側へと搬送される。
【0071】
なお、本フロー中には特に記載していないが、上記ステップS103でテープ駆動を開始する際には、第1及び第2テープ軸駆動モータ212,214と基材テープ軸駆動モータ216及びセパレータ軸駆動モータ218のモータ速度を制御すると共に、エアシリンダ262A〜Dでテンションアーム267A〜Dを回動させ、角度センサ268A〜Dで検出したテンションアーム267A〜Dの角度から算出したテープ搬送時における各テープ200A,200B,209,210の張力が適宜の値となるように張力制御(以下適宜、「駆動時テープ張力制御」と記載する)を行う。なお、この駆動時テープ張力制御は、テープ駆動中において常時行われるようになっている。
【0072】
次のステップS104では、リール部材215aで巻き取られていく基材テープ210が、所定の巻取終了位置に達したかどうかを判定する。具体的には、基材テープ210中の無線タグTgの取り付け個数が所定の個数、例えば40個に達したかどうかによって判定を行う。通常の巻取開始直後はこの判定が満たされず、次のステップS105に移る。
【0073】
ステップS105では、貼り合わされた第1テープ200Aと第2テープ200Bが無線タグTgの所定の配設ピッチだけ送られたか否かを、センサ228からの検出信号に基づき判定する。これは、言い換えれば搬送されるテープが無線タグTgを挿入されるべき所定の位置になったかどうかを判定することになる。判定が満たされるまでこのステップS105を繰り返し、判定が満たされたらステップS106に移る。
【0074】
ステップS106では、搬送ローラ駆動回路235に再び制御信号を出力し、搬送ローラ駆動モータ220の駆動を停止させて第1テープロール211及び第2テープロール213からの第1テープ200A、第2テープ200Bの繰り出し駆動を停止させる。なおこのとき、第1及び第2テープ軸駆動モータ212,214と基材テープ軸駆動モータ216及びセパレータ軸駆動モータ218については、上記駆動時テープ張力制御によって自動的に駆動停止することとなる。
【0075】
なお、本フロー中には特に記載していないが、上記ステップS106でテープ駆動を停止する際には、このようにしてテープ駆動が停止した際にテープの位置ずれが生じないようにするために、供給側である第1テープ200A及び第2テープ200Bの張力が、巻取側である基材テープ210とセパレータ209の張力と略等しくなるように張力制御(以下適宜、「停止時テープ張力制御」と記載する)を行う。
【0076】
次のステップS107では、テープ搬送により無線タグTgが後段の書き込み装置274による書き込み位置に到達したかどうかを示すフラグF1が、到達していないことを示す0であるかどうかを判定する。具体的には、無線タグTgが書き込み位置に到達したかどうかは、タグ挿入器226により取り付けた無線タグTgのナンバーjがN1に到達したかどうか(後述のステップS113参照)により判定される。なお、上記N1は、タグ挿入器226により所定の間隔で無線タグTgが取り付けられた際に、タグ挿入器226による無線タグTgの取り付け位置から書き込み装置274による書き込み位置までの間に基材テープ210(第2テープ200B)に配設される無線タグTgの数であり、例えば10程度に設定される。そして、タグ挿入器226により取り付けられた無線タグTgのナンバーjが上記N1となったときに初めて無線タグTgが書き込み装置274による書き込み位置に到達するようになっている。フラグF1が0である場合には、無線タグTgが書き込み位置に到達していないと見なされ、判定が満たされて次のステップS200に移る。
【0077】
ステップS200では、前段のタグチェッカー270によってタグ感度が正常な無線タグTgを選別する(=タグ選別処理、後述の図8のフローを参照)。
【0078】
次にステップS108へ移り、上述したように所定のタグ挿入位置においてテープ駆動が停止した状態で、タグ挿入器226に制御信号を出力し、上記正常であると判定された無線タグ回路素子Toを備えた無線タグTg(j番目の無線タグTg)を第2テープ200Bに取り付ける。なおこのとき、上記のようにタグ感度が正常であれば自動的にその無線タグTgを挿入するのではなく、挿入を行うかどうかを操作者に確認する表示を行い、これに対応した指示入力が操作者からなされた場合にのみ無線タグTgの挿入を行うようにしてもよい。
【0079】
次のステップS109では、タグ挿入器226により取り付けられた無線タグTgのナンバー(順番)を表す上記識別変数jに1を加算し、次のステップ110へ移る。
【0080】
ステップS110では、上記ステップS103と同様、搬送ローラ駆動回路235に制御信号を出力し、搬送ローラ駆動モータ220の駆動力によって第1テープ200A、第2テープ200Bの搬送駆動を再開する。なおこの場合にも、上記ステップS103の場合と同様にして、テープ搬送時において各テープ200A,200B,209,210の張力を調整する駆動時テープ張力制御を行う。
【0081】
次のステップS113では、タグ挿入器226により取り付けられた無線タグTgのナンバー(順番)を表す上記識別変数jが上記N1以上であるかどうかを判定する。識別変数jがN1より少ない場合には、基材テープ210中の無線タグTgが書き込み装置274による書き込み位置に到達していないと見なされ、判定が満たされずにステップS104に戻る。上記ステップS104〜ステップS113を繰り返すことにより、タグ挿入器226により取り付けられた無線タグTgのナンバー(順番)を表す上記識別変数jがN1に達すると、基材テープ210中の無線タグTg(無線タグ回路素子To)が書き込み装置274による書き込み位置に到達したと見なされ、判定が満たされて次のステップS114に移る。
【0082】
ステップS114では、無線タグTg(無線タグ回路素子To)が書き込み装置274による書き込み位置に到達したかどうかを示す上記フラグF1を、到達していることを示す1にする。
【0083】
次にステップS115では、タグ挿入器226により取り付けられた無線タグTgのナンバー(順番)を表す上記識別変数jがN2以上であるかどうかを判定する。上記N2は、タグテープ製造装置1において、一巻きの第1テープロール211及び第2テープロール213より繰り出される第1テープ200A及び第2テープ200Bから製造する基材テープ210に使用される無線タグTgの総数であり、上記識別変数jがこのN2に達するとタグ挿入器226によるタグ取り付けが終了されるようになっている。上記識別変数jがN2より少ない場合には、判定が満たされずにステップS104に戻る。一方、上記ステップS104〜ステップS115を繰り返すことにより、上記識別変数jがN2に達すると、タグ挿入器226によるタグ取り付けが終了したと見なされ、判定が満たされて次のステップS116に移る。
【0084】
ステップS116では、タグ挿入器226によるタグ取り付けが終了したかどうかを示す上記フラグF2を、終了していることを示す1にし、先のステップS104に戻る。
【0085】
上記のステップS104〜ステップS113を繰り返し、タグ挿入器226により取り付けられた無線タグTgのナンバー(順番)を表す上記識別変数jがN1に達すると、上述したようにステップS114でフラグF1=1としてステップS104に戻る。これにより、先のステップS107で判定が満たされなくなり、次のステップS300を経てステップS117に移る。
【0086】
ステップS300では、書き込み装置274によって基材テープ210に取付けられている無線タグTgの無線タグ回路素子Toに対し、当該無線タグ回路素子を備えた無線タグラベルを作成する際のラベル作成用管理情報を書き込んで記憶保持させる。ラベル作成用管理情報書き込み処理に付いては後述する。なお、このラベル作成用管理情報書き込み処理では、書き込み装置274の書き込み位置にある無線タグTgが基材テープロール215の巻き始めに位置する最初の無線タグである場合(基材テープロール215を使用するときに最後に繰り出される無線タグTgである場合)には特にエンド情報を無線タグTgに追加して記録してもよい。
【0087】
ステップS300の処理後のステップS117では、タグ挿入器226によるタグ取り付けが終了したかどうかを示す上記フラグF2が、終了していることを示す1であるかどうかを判定する。フラグF2が0であればタグ取り付けは終了していないので、判定が満たされずに先のステップS200に戻る。フラグF2が1であればタグ取り付けが終了しているので、判定が満たされて先のステップS110に戻る。
【0088】
上記のようにしてステップS104〜ステップS107→ステップS300〜ステップS117→ステップS200〜ステップS115等を繰り返す間に、リール部材215aで巻き取られた基材テープロール215中の無線タグTgの取り付け個数が所定の個数に達したら、先のステップS104の判定が満たされ、次のステップS118に移る。
【0089】
ステップS118では、上記ステップS106と同様、搬送ローラ駆動回路235に再び制御信号を出力し、搬送ローラ駆動モータ220の駆動を停止させて第1テープロール211及び第2テープロール213からの第1テープ200A、第2テープ200Bの繰り出し駆動を停止させる。なおこのとき、上記ステップS106の場合と同様に、テープ駆動が停止した際における供給側である第1テープ200A及び第2テープ200Bの張力が巻取側である基材テープ210とセパレータ209の張力と略等しくなるように停止時張力制御を行う。
【0090】
次のステップS119では、ソレノイド駆動回路237に制御信号を出力してソレノイド236を駆動し、カッタ227を用いて基材テープ210を切断(分断)する。これにより、所定長さの基材テープ210が巻回された基材テープロール215、つまりタグテープロールが完成する。
【0091】
図8は、上記図7におけるステップS200のタグ選別処理の詳細手順を表すフローチャートである。
【0092】
この図8において、まずステップS201において、タグチェッカー270によって、タグ挿入器226により取り付けられる無線タグTgの無線タグ回路素子Toの読み取り時及び書き込み時におけるタグ感度を測定する。この無線タグ回路素子Toのタグ感度の測定は次のようにして行われる。すなわち、まずタグチェッカー270側の送信回路32iに対して、無線タグ回路素子Toに対するアクセスパワー(出力電力量)値を段階的に増加させつつ、無線タグ情報としての「Scroll ID」信号を第1ループアンテナ271から読み取り対象の無線タグ回路素子Toに送信し、返信を促す。その結果、第1ループアンテナ271及びタグチェッカー270側の受信回路33iを介して無線タグ回路素子Toから返信があったときのアクセスパワーからタグ感度を算出する。このようにして、読み取り時におけるタグ感度を算出する。
【0093】
次に、書き込み時におけるタグ感度を測定する。上記と同様にしてタグチェッカー270側の送信回路32iに対し、無線タグ回路素子Toに対するアクセスパワー(出力電力量)値を段階的に増加させつつ、第1ループアンテナ271から「Program」信号を送信して情報の書き込みを行うとともにその書き込み内容を確認する「Verify」信号を送信して返信を促す。その結果、上記「Verify」信号に対応して無線タグ回路素子Toから返信があったときのアクセスパワーからタグ感度を算出する。このようにして、書き込み時におけるタグ感度を算出する。
【0094】
次のステップS202では、上記ステップS201で算出したタグ感度が所定の正常な範囲値内であるかどうかを判定する。タグ感度が正常な範囲値内でない場合には、判定が満たされずにステップS203に移り、タグ挿入器226に制御信号を出力して、上記正常でないと判定された無線タグ回路素子Toを備えた無線タグTgの次の無線タグTgの取付準備を行わせる。そして、先のステップS201に戻り、再びタグ感度測定を行う。なお、上記正常でないと判定された無線タグTgについては例えばタグ挿入器226の外部に自動的に(又は操作者の操作により)排出され、第2テープ200Bに取り付けられないようになっている。一方、タグ感度が所定の正常な範囲値内である場合には、判定が満たされてこのフローを終了する。
【0095】
図9は、上記ステップS300の詳細手順を表すフローチャートである。
【0096】
図9において、ステップS301で、書き込みたいラベル作成用管理情報(後に詳述する。)を含む無線タグ情報としての「Program」信号を生成して送信回路32r及びループアンテナ272を介して書き込み対象の無線タグ回路素子Toに送信され、そのメモリ部157に情報が書き込まれる。
【0097】
その後、ステップS302において、メモリ部157の内容を確認する「Verify」信号を生成して送信回路32r及びアンテナ272を介して書き込み対象の無線タグ回路素子Toに送信され、返信を促す。
【0098】
そして、ステップS303に移り、上記「Verify」信号に対応して上記無線タグ回路素子Toから送信(返信)されたリプライ(応答)信号をアンテナ272を介して受信し、受信回路33rを介し取り込む。
【0099】
次に、ステップS304において、上記ステップS303の受信結果に基づき、当該無線タグ回路素子Toのメモリ部157内に記憶された情報を確認し、前述の送信した所定の情報がメモリ部157に正常に記憶されたか否かを判定する。
【0100】
判定が満たされない場合はステップS305に移ってNに1を加え、さらにステップS306においてN=5かどうかが判定される。N≦4の場合は判定が満たされずステップS301に戻り同様の手順を繰り返す。N=5の場合はステップS307に移る。ステップS307では、エラー表示信号を所定の表示手段(図示省略)に出力し、対応する書き込み失敗(エラー)表示を行わせ、このルーチンを終了する。このように、情報書き込みが不調でも5回までは再試行が行われることにより、書き込み信頼性を確保して、万全を期すことができる。
【0101】
一方、S304の判定が満たされたら、ステップS309に移り、以後の情報書き込みを禁止するための「Lock」信号を生成して送信回路32rを介して情報書き込み対象の無線タグ回路素子Toに送信し、当該無線タグ回路素子Toへの新たな情報の書き込みが禁止される。これにより、書き込み対象とする無線タグ回路素子Toへの無線タグ情報の書き込みが完了し、ステップS309が終了したら、このフローを終了する。
【0102】
なお、上記では特に説明しなかったが、通常、最初にタグテープロールの製造作業を開始する際には、タグ挿入器226による無線タグTgの取り付け位置からリール部材215aによる基材テープ210の巻取り位置までには無線タグTgが取り付けられない余白部分(例えば10個程度の無線タグTg取付分の長さである)が存在する。この余白部分については、その余白部分が終了する位置(最初に無線タグTgが取り付けられた位置のややテープ搬送方向下流側位置)がカッタ227のところにきたとき、カッタ227で切断することにより、切除されるようになっている。その後、上記余白部分を切除された基材テープ210がリール部材215aに巻き回されると、ステップS101の判定が満たされてステップS102以降の手順によりタグテープロールの製造が開始され、ステップS104〜ステップS113を繰り返す。
【0103】
さらにテープ搬送によって最初の無線タグTgが書き込み装置274による書き込み位置に到達すると、ステップS114でフラグF1=1となるので、その後はステップS104〜ステップS107→ステップS300〜ステップS117→ステップS200〜ステップS115を繰り返す。これにより、タグ挿入器226により無線タグTgを取り付けつつ、リール部材215aに巻き取られる直前の無線タグTgの無線タグ回路素子Toに対しラベル作成用管理情報を書き込み、無線タグ回路素子Toにラベル作成用管理情報を記録保持させた基材テープ210をリール部材215aに巻き取る。
【0104】
このステップS104〜ステップS107→ステップS300〜ステップS117→ステップS200〜ステップS115を繰り返しつつ、所定の長さの基材テープ210をリール部材215aに巻き取ると、ステップS104の判定が満たされてステップS119で基材テープ210が切断され、一巻きのタグテープロールが出来上がる。その後、操作者によって切断後の基材テープ210のリール部材215aへの巻き回し作業が完了すると、ステップS101の判定が満たされて、再びステップS104〜ステップS107→ステップS300〜ステップS117→ステップS200〜ステップS115を繰り返し、タグ挿入器226により無線タグTgを取り付けつつ、書き込み装置274によってラベル作成用管理情報を書き込みながら基材テープ210をリール部材215aに巻き取る。
【0105】
以上を繰り返すことで複数のタグテープロールが製造される。そして、上記ステップS104〜ステップS107→ステップS400〜ステップS117→ステップS200〜ステップS115を繰り返す間に、タグ挿入器226による無線タグTgの取り付けが終了するとステップS116でフラグF2=1となるので、その後はステップS104〜ステップS107→ステップS300〜ステップS117→ステップS110〜ステップS116を繰り返す。これにより、タグ取り付け終了後も、書き込み装置274によるラベル作成用管理情報の書き込みを行いながら、所定の長さの基材テープ210をリール部材215aに巻き取ると、ステップS119で基材テープ210が切断され、最後のタグテープロールが出来上がる。
【0106】
さて、本実施形態の最も大きな特徴は、上記したように、ステップS300において、搬送される基材テープ210に取り付けた無線タグTgの無線タグ回路素子ToのIC回路部151に対し、書き込み装置274で書き込むことによって、当該無線タグ回路素子Toを備えた無線タグラベルを作成する際のラベル作成用管理情報を記憶保持させるようにしたことである。
【0107】
図10は、無線タグ回路素子Toに記憶保持させる、当該無線タグ回路素子Toを備えた無線タグラベルを作成する際のラベル作成用管理情報を示した表である。ラベル作成用管理情報となる対象情報としては、(a)例えばラベルの色や大きさ等の形態によって、名札やバッジにおいて男性・女性の区別、主催者・招待客の区別、人物・物品の区別等に用いたり、あるいは固定資産管理用、名札用などの用途を表すのに用いる、無線タグラベルと関連付けられる対象物を表す対象物情報、(b)無線タグラベルを作成するタグラベル作成装置のうちどの機種に対応するのか、あるいはどの国や地域向けの仕様の機種に対応するか、若しくは特定の納入先顧客向けの仕様の機種に対応しているものであるのか、等の対応機種情報、(c)無線タグ回路素子Toを備えたタグテープを上記タグテープ製造装置1で製造したときの各種のテープ製造情報(製造条件情報)、例えば図7で説明した無線タグ回路素子の感度情報やタグロール作成時の搬送速度や張力に関する情報(d)タグ挿入器226で取り付ける無線タグTgに備えられる無線タグ回路素子ToのIC回路部151を予め別の箇所で製造したときの製造条件を表すチップ製造情報(製造条件情報)、(e)図9で説明を行ったタグラベル作成装置での通信におけるリトライ回数等、ラベル作成時に許容されるラベル作成条件情報などがある。
【0108】
以上のような本実施形態の無線タグ回路素子Toを備えた基材テープ210を用いて無線タグラベルTを作成する際には、例えば上記基材テープ210を巻回したロールを内蔵したカートリッジを用い、そのカートリッジをタグラベル作成装置に装着してラベル作成を行うことができる。
【0109】
図11は、そのような無線タグ回路素子カートリッジの構造の一例を表す図である。図11に示す無線タグ回路素子カートリッジ100は、筐体100Aと、この筐体100A内に配置され帯状の上記基材テープ210が巻回された第1ロール102(上記のタグテープロール215と同等)と、上記基材テープ210と略同じ幅である透明なカバーフィルム103が巻回された第2ロール104と、インクリボン105(熱転写リボン、但しカバーフィルムが感熱テープの場合は不要)を繰り出すリボン供給側ロール111と、印字後のリボン105を巻取るリボン巻取りローラ106と、上記基材テープ210と上記カバーフィルム103とを押圧し接着させ印字済タグラベル用テープ110としつつ矢印Aで示す方向にテープ送りをする(=テープ送りローラとしても機能する)圧着ローラ107と、基材テープ210に備えられた上記無線タグ回路素子ToのIC回路部151に記憶保持した上記ラベル作成用管理情報の内容に対応した情報を備えた被検出部190とを有する。
【0110】
第2ロール104は、リール部材104aの周りに上記カバーフィルム103を巻回している。第2ロール104より繰り出されるカバーフィルム103は、その裏面側(すなわち上記基材テープ210と接着される側)に配置されたリボン供給側ロール111及びリボン巻取りローラ106で駆動されるリボン105が、タグラベル作成装置(全体の図示は省略)の印字ヘッド10に押圧されることで当該カバーフィルム103の裏面に当接させられるようになっている。
【0111】
リボン巻取りローラ106及び圧着ローラ107はそれぞれ、タグラベル作成装置側に設けた(例えばパルスモータである)カートリッジ用モータ(図示せず)の駆動力が上記リボン巻取りローラ駆動軸11及び上記テープ送りローラ駆動軸12に伝達されることによって回転駆動される。
【0112】
被検出部190は複数の識別子を備えており、この例では各識別子それぞれの凹凸形状がタグラベル作成装置側のセンサ(検出手段)20で検出されその検出信号がタグラベル作成装置の制御回路(図示せず)に入力される。そして、制御回路は、例えば当該検出結果をもとにデータベースへアクセスする等により、カートリッジ100の無線タグ回路素子Toが記憶保持しているラベル作成用管理情報の内容に対応した情報(例えばラベル作成用管理情報の種類)を取得できるようになっている。
【0113】
上記構成のカートリッジ100において、上記第1ロール102より繰り出された基材テープ210は、圧着ローラ107へと供給される。一方、第2ロール104より繰り出されるカバーフィルム103は、その裏面側(すなわち上記基材テープ210と接着される側)に配置されたリボン供給側ロール111及びリボン巻取りローラ106で駆動されるインクリボン105が、上記印字ヘッド10に押圧されることで当該カバーフィルム103の裏面に当接させられるようになっている。
【0114】
そして、カートリッジ100がラベル作成装置のカートリッジホルダ部に装着されロールホルダ(図示せず)が離反位置から当接位置に移動されると、カバーフィルム103及びインクリボン105が印字ヘッド10とプラテンローラ108との間に狭持されるとともに、基材テープ210及びカバーフィルム103が圧着ローラ107とサブローラ109との間に狭持される。そして、カートリッジ用モータ23の駆動力によってリボン巻取りローラ106及び圧着ローラ107が矢印B及び矢印Dで示す方向にそれぞれ同期して回転駆動される。このとき、前述のテープ送りローラ駆動軸12と上記サブローラ109及びプラテンローラ108はギヤ(図示せず)にて連結されており、テープ送りローラ駆動軸12の駆動に伴い圧着ローラ107、サブローラ109、及びプラテンローラ108が回転し、第1ロール102から基材テープ210が繰り出され、上述のように圧着ローラ107へ供給される。一方、第2ロール104からはカバーフィルム103が繰り出されるとともに、上記印刷駆動回路25により印字ヘッド10の複数の発熱素子が通電される。この結果、カバーフィルム103の裏面に印字Rが印刷される。そして、上記基材テープ210と上記印刷が終了したカバーフィルム103とが上記圧着ローラ107及びサブローラ109により接着されて一体化され、印字済タグラベル用テープ110として形成され、矢印Cで示す方向にカートリッジ100外へと搬出される。なお、カバーフィルム103への印字が終了したインクリボン105は、リボン巻取りローラ駆動軸11の駆動によりリボン巻取りローラ106に巻取られる。
【0115】
そして、カートリッジ100外へ搬出された印字済みタグラベル用テープ110に備えられた上記無線タグ回路素子Toに対しタグラベル作成装置側に設けたアンテナ(図示せず)から無線タグ回路素子ToのIC回路部151に対し無線通信を介して情報の送受信が行われて、無線タグラベルTが作成される。
【0116】
以上のように構成した本実施形態においては、以下の効果を奏する。すなわち、本実施形態では、前述のように、基材テープ210に備えられた無線タグ回路素子ToのIC回路部151に種々のラベル作成用管理情報を記憶保持している。これにより、タグラベル作成時にタグラベル作成装置側でこのラベル作成用管理情報を読み出して利用する(又は作成した無線タグラベルTに対しリーダよりアクセスするときに利用する)ことにより、ラベル作成作業(又は作成したラベルとの通信)を効率よく行うことが可能となり、操作者の利便性を向上することができる。
【0117】
具体的には、上記(a)(b)(c)(d)(e)のタグラベル作成用管理情報の種類により、例えば以下のような効果を得る。
【0118】
(a)無線タグラベルと関連付けられる対象物を表す対象物情報の場合
無線タグ回路素子Toに、男性・女性の区別、主催者・招待客の区別、人物・物品の区別等に用いたり、あるいは固定資産管理用、名札用などの用途を表すのに用いる対象物情報を記憶させることで、作成した無線タグラベルTに対しリーダより読み取りを行うとき(特にネットワーク等を介すことなく)対象物の種類ごと(男性のみ、女性のみ等)に区別して無線タグ回路素子Toを応答させることができ、この結果読み取り処理の迅速化を図り効率よく通信することができる。また、メモリ部157に記憶されている管理情報をもとに、名札やバッジに使用するラベルの色や大きさ等の形態を変えることで、例えば男性・女性の区別、主催者・招待客の区別、人物・物品の区別を行うことが可能となるとともに、属性を一致させることもできる。
【0119】
また、上記のようにしてタグラベル作成装置で無線タグラベルTを作成する際には、操作者側からタグラベル作成装置での各種処理内容、例えば印字する文字・図象の内容等を入力する必要がある。実際は、近年の無線タグラベルTの用途の拡大に応じて、タグラベル作成装置(又はこれを操作する操作端末側)において、操作者が簡単に操作入力できるように各種用途(言い換えればタグラベルの対象物が何であるか)に対応したソフトウェアが予め用意してある場合が多い。ラベル作成用管理情報として対象物情報を備えることで、情報送受信時にタグラベル作成装置側でこの対象物情報を読み取ることにより、対応する上記ソフトウェアを迅速に起動してラベル作成を効率よく行える効果もある。
【0120】
(b)無線タグラベルを作成するタグラベル作成装置の機種情報の場合
近年の無線タグラベルTの応用の拡大に応じて、タグラベル作成装置についても種々の仕様や特性のものが既に提唱されており、通信の信頼性・安定性を確保するためには、情報送受信の対象である無線タグ回路素子To側について、各装置に合致した仕様や特性のものを用いなければならない。ラベル作成用管理情報として、どの機種に対応するか、あるいはどの国や地域向けの仕様の機種に対応するか、若しくは特定の納入先顧客向けの仕様の機種であるか、等のタグラベル作成装置の機種情報(言い換えれば当該無線タグ回路素子Toの通信相手として適正な機種であるかどうかの情報)を備えることで、情報送受信時にタグラベル作成装置側でこの機種情報を読み取ることで当該タグラベル作成装置との機種合致性を判断することができる。そして、合致しない場合はその旨を報知したり無線タグラベルTの作成を禁止したり装置の動作を停止する等の方策をとることができる。これにより、例えば、IC回路部151のメモリ部157の容量や(詳細な説明を省略するが)プログラム速度、通信速度など対応している機種でのみタグラベル作成を行わせるようにすることができ、あるいは、無線タグ回路素子Toが対応している通信周波数や帯域に合わせて動作可能な国や地域を無線タグラベル作成装置側で認識することができる。したがって、合致しないことを知らないままに操作者が不完全な通信データを備えた無線タグラベルTを作成するのを防止でき、結果として効率よくラベル作成作業を行うことができる。
【0121】
(c)基材テープ210の上記タグテープ製造装置1での製造条件情報の場合
(d)IC回路部151の製造条件情報の場合
上記と同様、無線タグラベルTの応用の拡大に応じて、無線タグ回路素子のIC回路部151についても既に種々の仕様や特性のものが提唱されており、それぞれに適したタグラベル作成装置側の作成条件が存在する。また上記のように無線タグ回路素子Toを基材テープ210上に配置してタグラベル作成装置側で用いる場合、例えばタグテープ製造装置1による基材テープ210製造時のテープ製造条件についてもタグラベル作成装置側の作成条件に影響を与える場合がある。したがって、通信の信頼性・安定性を確保しつつ、効率よくタグラベル作成作業を行うためには、情報送受信の対象である無線タグ回路素子ToのIC回路部151のチップ製造条件や基材テープ210のテープ製造条件に合致した作成条件によりタグラベル作成装置側で作成を行うことが好ましい。ラベル作成用管理情報として、IC回路部151の製造機械の識別番号や仕様情報又は製造日時等のIC回路部151の製造条件情報、あるいは、上記タグテープ製造装置1の識別番号や仕様情報又は製造日時等のテープ製造条件情報を備えることで、情報送受信時にタグラベル作成装置側でこの作成条件情報を読み取ることで当該無線タグ回路素子Toに対し最も適したタグラベル作成条件(具体的には上記情報に基づくプログラム時間等の書き込み条件など)で作成を行うことができる。これにより、効率よくラベル作成作業を行うことができる。
(e)タグラベル作成装置でのラベル作成条件情報の場合
上記同様、無線タグ回路素子Toの種々の仕様や特性に適したタグラベル作成装置側の作成条件が存在する。通信の信頼性・安定性を確保しつつ、効率よく作成作業を行うためには、情報送受信の対象である無線タグ回路素子To側の仕様や特性に合致した作成条件(たとえば通信再試行を行うリトライ回数等の通信条件等)によりタグラベル作成装置側で作成を行うことが好ましい。ラベル作成用管理情報としてタグラベル作成装置における作成条件情報を備えることで、情報送受信時に装置側でこの作成条件情報を読み取ることで当該無線タグ回路素子Toに対し最も適したラベル作成条件で作成を行うことができる。これにより、効率よくラベル作成作業を行うことができる。
【0122】
なお、上記のほか、作成した無線タグラベルが使用後に何らかの不具合が生じた場合、ラベル作成用管理情報がIC回路部151に保持されていることで、当該不具合に対する原因究明や不具合解決のための方策の検討において、当該ラベル作成用管理情報を活用し、速やかに処理を行えるという効果もある。
【0123】
なお、タグラベル作成装置においては、移動中の基材テープ210に対し無線タグ情報の書き込み・読み取りや印字を行ってもよいし、これに限られず、基材テープ210等を所定位置で停止させて(さらに読み取り・書き込みについては所定の搬送ガイドにて保持した状態としてもよい)上記印字や読み取り・書き込みを行うようにしてもよい。
【0124】
またタグラベル作成装置では、印字及び無線タグ回路素子Toへのアクセス(読み取り又は書き込み)の終了した印字済みタグラベル用テープ110をカッタで切断してタグラベルTを作成してもよいし、これだけにも限られない。すなわち、ラベルに対応した所定の大きさに予め分離されたラベル台紙(いわゆるダイカットラベル)がロールから繰り出されるテープ上に連続配置されているような場合には、カッタで切断しなくても、テープがタグラベル作成装置の排出口から排出されてきた後にラベル台紙(アクセス済みの無線タグ回路素子Toが備えられかつ対応する印字がなされたもの)のみをテープから剥がして無線タグラベルTを作成しても良い。
【0125】
また、上記カートリッジ100においては、無線タグ回路素子Toを備えた基材テープ210とは別のカバーフィルム103に印字を行ってこれらを貼り合わせる方式であったが、これに限られず、タグテープに備えられたカバーフィルムに印字を行う方式(貼りあわせを行わないタイプ)に適用してもよい。さらに、無線タグ回路素子ToのIC回路部151から無線タグ情報の読み出し又は書き込みを行うと共に、印字ヘッド10によってその無線タグ回路素子Toを識別するための印刷を行うものにも限られない。この印刷は必ずしも行われなくともよく、無線タグ情報の読み出し又は書き込みのみを行うものに対し本発明を適用することもできる。
【0126】
さらに、以上は、タグテープである基材テープ210がリール部材の周りに巻回されてロールを構成し、カートリッジ100内にそのロールが配置されてタグテープが繰り出される場合を例にとって説明したが、これに限られない。例えば、無線タグ回路素子Toが少なくとも一つ配置された長尺平紙状あるいは短冊状のテープやシート(ロールに巻回されたテープを繰り出した後に適宜の長さに切断して形成したものを含む)を、所定の収納部にスタックして(例えばトレイ状のものに平積み積層して)カートリッジ化し、このカートリッジをタグラベル作成装置側のカートリッジホルダに装着して、上記収納部から移送、搬送して印字及び書き込みを行い無線タグラベルTを作成するようにしてもよい。
【0127】
さらには上記ロールを直接タグラベル作成装置側に着脱可能に装着する構成や、長尺平紙状あるいは短冊状のテープやシートをタグラベル装置外より1枚ずつ所定のフィーダ機構によって移送しタグラベル装置内へ供給する構成も考えられ、さらにはカートリッジ100のようなタグラベル作成装置本体側に着脱可能なものにも限られず、装置本体側に着脱不能のいわゆる据え付け型あるいは一体型として第1ロール102を設けることも考えられる。この場合も同様の効果を得る。
【0128】
なお、以上で用いた「Scroll ID」信号、「Ping」信号、「Erase」信号、「Verify」信号、「Program」信号等は、EPC globalが策定した仕様に準拠しているものとする。EPC globalは、流通コードの国際機関である国際EAN協会と、米国の流通コード機関であるUniformed Code Council(UCC)が共同で設立した非営利法人である。なお、他の規格に準拠した信号でも、同様の機能を果たすものであればよい。
【0129】
また、以上既に述べた以外にも、上記実施形態や各変形例による手法を適宜組み合わせて利用しても良い。
【0130】
その他、一々例示はしないが、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。
【図面の簡単な説明】
【0131】
【図1】本発明のタグテープ製造装置の一実施形態の全体概略構造を表す概念図である。
【図2】第1テープの詳細断面構造を表す図1中P−P断面による横断面図(a)、無線タグの詳細断面構造を表す図1中Q−Q断面による横断面図(b)、及び第2テープの詳細断面構造を表す図1中R−R断面による横断面図(c)である。
【図3】本発明のタグ集合体製造装置の一実施形態により作成された基材テープの詳細断面構造を表す図1中S−S断面による横断面図である。
【図4】タグテープ製造装置の機能のうち無線タグ回路素子へのアクセス機能に関する機能的構成を表す機能ブロック図である。
【図5】送信回路、受信回路とループアンテナとの接続部分の回路構成を簡略的に表す回路図である。
【図6】無線タグ回路素子の機能的構成を表す機能ブロック図である。
【図7】図1のタグテープ製造装置に備えられるコントローラで実行される制御手順を表すフローチャートである。
【図8】図7におけるステップS200のタグ選別処理の詳細手順を表すフローチャートである。
【図9】図7におけるステップS300のラベル作成用管理情報書き込み処理の詳細手順を表すフローチャートである。
【図10】図9のステップS300での書き込み処理によって無線タグ回路素子に記憶保持させる、当該無線タグラベルを作成する際のラベル作成用管理情報の例のいくつかを示した表である。
【図11】タグラベル作成装置に備えられる無線タグ回路素子カートリッジの一例を示す説明図である。
【符号の説明】
【0132】
1 タグテープ製造装置
100 カートリッジ(無線タグ回路素子カートリッジ)
151 IC回路部
152 ループアンテナ(タグ側アンテナ)
190 被検出部
210 基材テープ(タグテープ、タグ媒体)
215 基材テープロール(タグテープロール)
228 センサ
230 コントローラ
270 タグチェッカー
271 第1ループアンテナ
272 第2ループアンテナ
274 書き込み装置(書き込み手段)
Tg 無線タグ
To 無線タグ回路素子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報を記憶するIC回路部と、このIC回路部に接続されるタグ側アンテナとを有する無線タグ回路素子であって、
前記IC回路部は、当該無線タグ回路素子を備えた無線タグラベルを作成する際のラベル作成用管理情報を記憶保持することを特徴とする無線タグ回路素子。
【請求項2】
請求項1記載の無線タグ回路素子において、
前記IC回路部は、前記ラベル作成用管理情報として、前記無線タグラベルと関連付けられる対象物情報を記憶保持することを特徴とする無線タグ回路素子。
【請求項3】
請求項1記載の無線タグ回路素子において、
前記IC回路部は、前記ラベル作成用管理情報として、前記無線タグラベルを作成するのに用いるタグラベル作成装置の機種情報を記憶保持することを特徴とする無線タグ回路素子。
【請求項4】
請求項1記載の無線タグ回路素子において、
前記IC回路部は、前記ラベル作成用管理情報として、当該IC回路部のチップ製造条件情報又は前記無線タグ回路素子を備えたタグテープを製造したときのテープ製造条件情報を記憶保持することを特徴とする無線タグ回路素子。
【請求項5】
請求項4記載の無線タグ回路素子において、
前記IC回路部は、前記テープ製造条件情報として、前記タグテープの製造機械の識別番号、当該製造機械の仕様情報、タグテープ製造日時のうち少なくとも1つを記憶保持することを特徴とする無線タグ回路素子。
【請求項6】
請求項1記載の無線タグ回路素子において、
前記IC回路部は、前記ラベル作成用管理情報として、前記無線タグラベルを作成するのに用いるタグラベル作成装置における作成条件情報を記憶保持することを特徴とする無線タグ回路素子。
【請求項7】
請求項6記載の無線タグ回路素子において、
前記IC回路部は、前記作成条件情報として、前記タグラベル作成装置において装置側より前記無線タグ回路素子へ情報送受信を行うときの通信試行回数情報を記憶保持することを特徴とする無線タグ回路素子。
【請求項8】
情報を記憶するIC回路部とこのIC回路部に接続されるタグ側アンテナとを備えた無線タグ回路素子を複数配置したタグテープを巻回して構成したタグテープロールであって、
前記タグテープに備えられた前記無線タグ回路素子は、前記IC回路部に、当該無線タグ回路素子を備えた無線タグラベルを作成する際のラベル作成用管理情報を記憶保持したことを特徴とするタグテープロール。
【請求項9】
タグラベル作成装置のカートリッジホルダに着脱可能に構成され、情報を記憶するIC回路部とこのIC回路部に接続されたタグ側アンテナとを備えた前記無線タグ回路素子が配置されたタグ媒体を、連続的に供給可能な無線タグ回路素子カートリッジであって、
前記タグ媒体に備えられた前記無線タグ回路素子は、前記IC回路部に、当該無線タグ回路素子を備えた無線タグラベルを作成する際のラベル作成用管理情報を記憶保持したことを特徴とする無線タグ回路素子カートリッジ。
【請求項10】
請求項9記載の無線タグ回路素子カートリッジにおいて、
前記IC回路部に記憶保持した前記ラベル作成用管理情報の内容に対応した情報を備えた被検出部を設けた
ことを特徴とする無線タグ回路素子カートリッジ。
【請求項11】
情報を記憶するIC回路部とこのIC回路部に接続されるタグ側アンテナとを備えた無線タグ回路素子を複数配置したタグテープを製造するためのタグテープ製造装置であって、
前記無線タグ回路素子の前記IC回路部に、当該無線タグ回路素子を備えた無線タグラベルを作成する際のラベル作成用管理情報を、無線通信を介し書き込む書き込み手段を有することを特徴とするタグテープ製造装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2007−188317(P2007−188317A)
【公開日】平成19年7月26日(2007.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−6299(P2006−6299)
【出願日】平成18年1月13日(2006.1.13)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】