説明

無線タグ通信装置

【課題】能率のよい迅速なグループ化及び探索を行うことができる無線タグ通信装置を提供する。
【解決手段】複数の無線タグTの配列に沿って所定範囲の通信領域20を順次形成し、各通信領域20内の無線タグTと無線通信を行うRF通信制御部9及びリーダアンテナ3と、このRF通信制御部9及びリーダアンテナ3を介し、各通信領域20内の無線タグTからタグIDを取得するとともに、このタグIDを取得した少なくとも1つの無線タグTの中から代表無線タグを決定し、決定した代表無線タグに関連付けて、通信領域20内の少なくとも1つの無線タグTを1つのタググループを構成するようにグループ化するCPU4とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報を記憶する無線タグに対し、無線通信を行う無線タグ通信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、通信対象と無線通信を行う無線通信システムの1つとして、所定の情報を記憶するIC回路部とこのIC回路部に接続されて情報の送受信を行うタグ側アンテナを備えた無線タグ回路素子を有する小型の無線タグと、リーダ(読み取り装置)/ライタ(書き込み装置)との間で非接触で情報の読み取り/書き込みを行うRFID(Radio Frequency Identification)システムが提唱されており、様々な分野において実用化されつつある。
【0003】
このように種々の分野において活用されつつある無線タグを用いたRFIDシステムの1つとして、例えば図書館において書籍の貸し出しの管理を行うための無線タグ通信システムがある(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
この無線タグ通信システム(物品管理システム)では、図書館の出口に設けたリーダにより、出口を通過する利用者に備えられる無線タグと、利用者が借り出そうとする書籍に備えられる無線タグの両方からタグ識別情報(ID番号)を読み取ることで、どの書籍を誰に貸し出したのかが把握できるようになっている。
【0005】
【特許文献1】特開2001−229263号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記従来技術の無線タグ通信システムでは、出口に設けたリーダにより、利用者と書籍のタグ識別情報を読み取ることで、自動的に貸出処理を行うことを可能としているが、書籍を探索する際の便宜については特に考慮されていない。すなわち、利用者は書籍を探索する際、借りようとする書籍が配列された書棚を探してその書棚まで移動し、書籍を探す必要がある。したがって、書籍の探索に手間がかかる。
【0007】
一方で、上記従来技術の無線タグ通信システムにおいて、書籍の探索を容易とするために、予め各書籍の無線タグからタグ識別情報を読み取り、個別に場所情報(書棚情報)を付与して書棚ごとに複数の書籍をグルーピングしておき、書籍を探索する際には当該書籍が属するグループの場所情報(書棚情報)を取得できるようにすることも考えられるが、このように個別にグループ情報を付与してグループ化を行うには手間や労力を要する。
【0008】
本発明の目的は、能率のよい迅速なグループ化及び探索を行うことができる無線タグ通信装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、第1の発明の無線タグ通信装置は、複数の無線タグの配列に沿って所定範囲の通信領域を順次形成し、各通信領域内の前記無線タグと無線通信を行う無線通信手段と、前記無線通信手段を介し、各通信領域内の前記無線タグからタグ識別情報を取得する情報取得手段と、前記情報取得手段を介し前記タグ識別情報を取得した少なくとも1つの前記無線タグの中から代表無線タグを決定する代表タグ決定手段と、前記代表タグ決定手段で決定した代表無線タグに関連付けて、前記通信領域内の少なくとも1つの前記無線タグを1つのタググループを構成するようにグループ化するグループ化手段とを有することを特徴とする。
【0010】
本願第1発明においては、無線通信手段が複数の無線タグの配列に沿って所定範囲の通信領域を順次形成し、各通信領域内の無線タグと無線通信を行うことにより、情報取得手段が各通信領域内の無線タグからタグ識別情報を取得する。そして、当該タグ識別情報を取得した少なくとも1つの無線タグの中から代表タグ決定手段が代表無線タグを決定し、当該決定した代表無線タグに関連付けて、グループ化手段が通信領域内の少なくとも1つの無線タグを1つのタググループを構成するようにグループ化する。
【0011】
このようにすることで、複数の無線タグに対し、その配列に沿って通信領域を順次形成して無線通信を行うごとに、情報を取得した各通信領域内の無線タグを自動的にグループ化することができる。したがって、複数の無線タグに対し個別にグループ情報を付与してグループ化を図る場合に比べ、能率のよい迅速なグループ化を行うことができる。
【0012】
また、無線タグの探索を行う際に、当該探索対象である無線タグが属するタググループの代表無線タグに関する情報を利用することが可能となるので、そのような情報を用いずに最初から探索対象の無線タグの探索を図る場合に比べ、能率のよい迅速な探索を行うことができる。
【0013】
第2発明の無線タグ通信装置は、上記第1発明において、前記無線通信手段により前記通信領域が順次形成され、前記代表タグ決定手段による代表無線タグの決定及び前記グループ化手段による前記グループ化が行われるのにしたがって、前記通信領域内の各無線タグのタグ識別情報と対応する前記タググループに関する情報とを対応付けて出力する情報出力手段を有することを特徴とする。
【0014】
これにより、タグ識別情報と対応するタググループに関する情報とを対応付けて、履歴情報として適宜の記憶手段に記憶させることが可能となる。その結果、探索対象である無線タグの探索を行う際に、記憶手段から当該履歴情報を読み出し、その履歴情報に含まれるタググループに関する情報を利用することができるので、能率のよい迅速な探索を確実に行うことができる。
【0015】
第3発明の無線タグ通信装置は、上記第2発明において、前記グループ化手段は、前記代表タグ決定手段による代表無線タグの決定及び前記グループ化手段による前記グループ化が行われるのにしたがって出力される前記情報出力手段の出力結果に基づき、対応する前記代表無線タグが共通する複数の前記無線タグを順次組み入れて、1つのタググループを構築するようにグループ化することを特徴とする。
【0016】
これにより、異なる通信領域の形成時にタグ識別情報が取得された無線タグであっても、代表無線タグ情報が共通する場合は、1つのタググループに順次組み込んでいくことにより、さらに円滑にグループ化することができ、利便性が向上する。
【0017】
第4発明の無線タグ通信装置は、上記第3発明において、前記代表タグ決定手段は、1回の前記通信領域の形成時に前記情報取得手段により取得された前記無線タグのタグ識別情報に、予め定められた基準位置に基づき位置を特定可能な位置基準タグのタグ識別情報が含まれていた場合には、前記位置基準タグを代表無線タグとして決定することを特徴とする。
【0018】
本願第4発明においては、1回の通信領域の形成時に取得された前記無線タグの中に、予め定められた所定の基準位置に基づき位置を特定可能な位置基準タグが含まれる場合、代表タグ決定手段が当該位置基準タグを代表無線タグに決定する。これにより、位置基準タグと同じタググループに属する他の無線タグの場所をその基準位置から特定することが可能となる。
【0019】
第5発明の無線タグ通信装置は、上記第4発明において、前記代表タグ決定手段は、1回の前記通信領域の形成時に、前記情報取得手段により取得された前記無線タグのタグ識別情報に、前記位置基準タグのタグ識別情報と、前回の前記通信領域の形成時に前記代表タグ決定手段により決定された、前記位置基準タグではない前記代表無線タグのタグ識別情報とが含まれている場合には、前記前回の通信領域の形成時の前記代表無線タグを前記位置基準タグに変更し、前記グループ化手段は、前記前回の通信領域の形成時の前記代表無線タグに関連付けられたグループを前記位置基準タグに関連付けられたグループに組み込むことを特徴とする。
【0020】
本願第5発明においては、前回の通信時の代表無線タグが位置基準タグでなく、且つ今回の通信でその無線タグから継続して情報を読み取りつつ位置基準タグも読めた場合には、代表タグ決定手段が前回の通信領域の形成時の代表無線タグを位置基準タグに変更し、その結果、グループ化手段が前回の通信領域の形成時の代表無線タグに関連付けられたグループを位置基準タグに関連付けられたグループに組み込む。これにより、無線タグが位置基準タグと同じグループに属する可能性を増大させることができ、無線タグの位置を特定しやすくすることができる。
【0021】
第6発明の無線タグ通信装置は、上記第3発明において、前記代表タグ決定手段は、1回の前記通信領域の形成時に、前記情報取得手段により取得された前記無線タグのタグ識別情報に、予め定められた基準位置に基づき位置を特定可能な位置基準タグのタグ識別情報が含まれない場合には、前回の前記通信領域の形成時に前記代表タグ決定手段により決定された前記代表無線タグのタグ識別情報が含まれるか否かに応じて、前記代表無線タグを決定することを特徴とする。
【0022】
本願第6発明においては、1回の通信領域の形成時に取得された前記無線タグの中に、予め定められた所定の基準位置に基づき位置を特定可能な位置基準タグが含まれない場合、前回の代表無線タグのタグ識別情報が今回取得されたタグ識別情報に含まれるか否かに応じ、代表タグ決定手段が代表無線タグを決定する。これにより、前回の代表無線タグのタグ識別情報が今回取得されていた場合には、前回通信時の代表無線タグを今回も代表無線タグとして引き継ぎ、そうでない場合には、今回通信時に取得した(位置基準タグ以外の)無線タグを代表無線タグに決定することが可能となる。この結果、位置基準タグを含まない通信領域を形成した場合でも、確実に代表無線タグを決定することができる。
【0023】
第7発明の無線タグ通信装置は、上記第6発明において、前記代表タグ決定手段は、1回の前記通信領域の形成時に前記情報取得手段により取得された前記無線タグのタグ識別情報に、前回の前記通信領域の形成時に前記代表タグ決定手段により決定された前記代表無線タグのタグ識別情報が含まれる場合、当該代表無線タグを今回の前記代表無線タグに決定することを特徴とする。
【0024】
前回通信時の代表無線タグの識別情報が今回取得したタグ識別情報に含まれる場合には、前回の代表無線タグを引き継ぐことで、新たに今回代表無線タグを決定する手順が不要となり、制御手順を簡易化できる。
【0025】
第8発明の無線タグ通信装置は、上記第6発明において、前記代表タグ決定手段は、1回の前記通信領域の形成時に前記情報取得手段により取得された前記無線タグのタグ識別情報に、前回の前記通信領域の形成時に前記代表タグ決定手段により決定された前記代表無線タグの識別情報が含まれない場合、前記情報取得手段により新たにタグ識別情報を取得された少なくとも1つの前記無線タグの中から今回の前記代表無線タグを決定することを特徴とする。
【0026】
前回通信時の代表無線タグの識別情報が今回取得したタグ識別情報に含まれない場合には、今回通信時に新たに取得した(位置基準タグ以外の)無線タグを代表無線タグに決定することで、前回の代表無線タグからより離れた位置にある代表無線タグを決定することができる。これにより、代表無線タグが位置基準タグでないときも、グループごとの場所の識別が容易になる。
【0027】
第9発明の無線タグ通信装置は、上記第8発明において、前記代表タグ決定手段は、前回の前記通信領域の形成時に前記代表タグ決定手段により決定された前記代表無線タグが前記位置基準タグである場合、今回の前記通信領域の形成時に前記代表タグ決定手段により決定された前記代表無線タグに関わらず、前回の代表無線タグを変更せず、前記グループ化手段は、前回の代表無線タグに関連付けられたグループに含まれる前記無線タグを今回の代表無線タグに関連付けられたグループへ組み込まないことを特徴とする。
【0028】
前回通信時の代表無線タグが位置基準タグで、今回通信時の代表無線タグが位置基準タグでない場合は、代表タグ決定手段が今回の通信領域の形成時に代表タグ決定手段により決定された代表無線タグに関わらず、前回の代表無線タグを変更せず、その結果、グループ化手段が前回通信時の代表無線タグに関連付けられたグループのタグを今回の代表無線タグへ関連付けられたグループへ組み込まない。これにより、位置基準タグと同じグループに属する無線タグを増加させ、無線タグの位置を特定しやすくすることができる。
【0029】
第10発明の無線タグ通信装置は、上記第4乃至第9発明のいずれかにおいて、前記グループ化手段でそれぞれグループ化した複数の前記タググループを、前記無線タグの配列に応じた所定の関連付け因子に基づき関連付けるグループ間関連付け手段を有することを特徴とする。
【0030】
これにより、無線タグの探索を行う際に、当該探索対象である無線タグが属するタググループに関連付けられた他のタググループに関する情報を利用することが可能となるので、さらに能率のよい迅速な探索を行うことができる。
【0031】
第11発明の無線タグ通信装置は、上記第4乃至第10発明のいずれかにおいて、前記グループ間関連付け手段は、前記代表タグ決定手段により決定された前記代表無線タグが前記位置基準タグでない場合に、当該タググループを他のタググループと関連付けることを特徴とする。
【0032】
代表無線タグが位置基準タグであるタググループについては、場所を特定することが可能であるため、グループ間関連付け手段により複数のタググループを関連付ける必要性がない。本願第11発明では、これに対応して、代表無線タグが位置基準タグでない場合に限りタググループを関連付けることで、不要なタググループ間の関連付け手順を省き、制御手順を簡易化できる。
【0033】
第12発明の無線タグ通信装置は、上記第11発明において、前記グループ間関連付け手段は、1回の前記通信領域の形成時にグループ化したタググループと、その直前又は直後の前記通信領域の形成時にグループ化したタググループとを、関連付けることを特徴とする。
【0034】
直前又は直後のタググループとの配置連続性を利用することで、探索対象のタググループの場所を推測可能となるので、さらに能率のよい迅速な探索を行うことができる。
【0035】
第13発明の無線タグ通信装置は、上記第12発明において、前記グループ間関連付け手段は、前記代表タグ決定手段が、前記情報取得手段により新たにタグ識別情報を取得された少なくとも1つの前記無線タグの中から今回の前記代表無線タグを決定した場合に、複数の前記タググループを関連付けることを特徴とする。
【0036】
前回通信時と今回通信時とで代表無線タグが同一である場合、通信領域の位置があまり変わらないことが推測できるため、グループ間関連付け手段により複数のタググループを関連付ける必要性がない。本願第13発明においては、これに対応して、代表タグ決定手段が、情報取得手段により初めてタグ識別情報を取得された少なくとも1つの無線タグの中から今回の代表無線タグを決定する場合、すなわち前回通信時のタググループと今回通信時のタググループとで代表無線タグが異なる場合に、タググループの関連付けを行うことで、不要なタググループの関連付け手順を省き、制御手順を簡易化できる。
【発明の効果】
【0037】
本発明によれば、能率のよい迅速なグループ化及び探索を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0038】
以下、本発明の一実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
【0039】
図1に、本実施形態の無線タグ通信装置の使用態様の一例を表す。この例では図書館の書棚に保管されている書籍の管理を行う場合を表している。
【0040】
図示する例では、書棚Sは、書籍種類等により分けられた複数の書棚部S1,S2,S3を有しており、各書棚部S1,S2,S3内に複数の書籍Bを縦置きで水平方向(図中の左右方向)に並べて保管している。各書棚部S1,S2,S3は、その上部の棚板にそれぞれ位置基準タグTpが貼付されており、また各書籍Bは背表紙にそれぞれ書籍タグTbが貼付されている。そして、本実施形態の無線タグ通信装置であるリーダ1は携帯型(いわゆるハンディタイプ)のものであり、その筐体には操作部7と表示部8が設けられている。
【0041】
上記位置基準タグTpは、予め定められた基準位置に基づき位置を特定可能な無線タグであり、この例では各書棚部S1,S2,S3の位置情報と予め関連付けられたタグIDをそれぞれ記憶している(又は位置情報自体を記憶してもよい)。また、上記書籍タグTbは、各書籍に関する書籍情報(書籍名、著者名等)を与えるための無線タグであり、この例では各書籍Bに関連する書籍情報と予め関連付けられたタグIDをそれぞれ記憶している(又は書籍情報自体を記憶してもよい)。上記タグIDと関連付けられた位置情報及び書籍情報は、リーダ1の装置内(例えば後述する不揮発性記憶装置5)又は装置外のデータベースに予め登録されており、リーダ1は読み取った位置基準タグTp又は書籍タグTbのタグIDに基づき上記データベースを探索することによって、位置情報又は書籍情報を取得可能となっている。
【0042】
リーダ1の操作者(書籍Bの管理を行う者)は、複数の書籍Bの配列に沿って(例えば図中矢印X方向に)リーダ1を移動させつつ所定範囲の通信領域20(図中の破線で示す範囲)を順次形成し、各通信領域内の位置基準タグTp及び書籍タグTb(以下適宜、単に「無線タグT」と記載)と無線通信を行うことにより、管理対象である書籍Bのグループリスト(詳細は後述)を作成する。
【0043】
図2に、本実施形態のリーダ1の概略構成を表す。
【0044】
図2において、上述したようにこのリーダ1は、無線タグTから無線通信を介してそれらに記憶されている情報を読み取るものである。
【0045】
リーダ1(無線タグ通信装置)は、本体制御部2と、リーダアンテナ3(無線通信手段)とを有している。本体制御部2は、CPU4と、ハードディスク装置やフラッシュメモリからなり上記グループリストなどを記憶する不揮発性記憶装置5と、例えばRAMやROM等からなるメモリ6と、操作者からの指示や情報が入力される操作部7と、各種情報やメッセージを表示する表示部8と、リーダアンテナ3を介し無線タグTとの無線通信の制御を行うRF通信制御部9(無線通信手段)とを備えている。
【0046】
CPU4は、RAMの一時記憶機能を利用しつつROMに予め記憶されたプログラムに従って信号処理を行い、それによってリーダ1全体の各種制御を行うものである。
【0047】
上記位置基準タグTp及び無線タグTbは、タグ側アンテナ151とIC回路部150とを備える無線タグ回路素子Toをそれぞれ有しており、この無線タグ回路素子Toを特に図示しない基材などに設けて上記棚板や書籍B等の物品に貼付可能にしたものである(無線タグ回路素子Toについては後に詳述する)。
【0048】
図3に、上記リーダ1におけるRF通信制御部9の詳細構成を示す。なお、図中に示す矢印は信号の流れの一例を示すものであり、信号の流れ方向を限定するものではない。
【0049】
この図3において、リーダ1のRF通信制御部9は、上記リーダアンテナ3を介し上記無線タグ回路素子ToのIC回路部150の情報(タグIDを含む無線タグ情報)へアクセスするものであり、またリーダ1のCPU4は無線タグ回路素子ToのIC回路部150から読み出された信号を処理して情報を読み出すとともに無線タグ回路素子ToのIC回路部150へアクセスするための各種コマンドを生成するものである。
【0050】
RF通信制御部9は、リーダアンテナ3を介し無線タグ回路素子Toに対して信号を送信する送信部142と、リーダアンテナ3により受信された無線タグ回路素子Toからの応答波を入力する受信部143と、送受分離器144とから構成される。
【0051】
送信部142は、無線タグ回路素子ToのIC回路部150の無線タグ情報にアクセスするための質問波を生成するブロックである。すなわち、送信部142は、周波数の基準信号を出力する水晶振動子145Aと、CPU4の制御により水晶振動子145Aの出力を分周/逓倍して所定周波数の搬送波を発生させるPLL(Phase Locked Loop)145B及びVCO(Voltage Controlled Oscillator)145Cと、上記CPU4から供給される信号に基づいて上記発生させられた搬送波を変調(この例ではCPU4からの「TX_ASK」信号に基づく振幅変調)する送信乗算回路146(但し振幅変調の場合は増幅率可変アンプ等を用いてもよい)と、その送信乗算回路146により変調された変調波を増幅(この例ではCPU4からの「TX_PWR」信号によって増幅率が決定される増幅)して所望の質問波を生成する可変送信アンプ147とを備えている。そして、上記発生される搬送波は、例えばUHF帯、マイクロ波帯、あるいは短波帯の周波数を用いており、上記可変送信アンプ147の出力は、送受分離器144を介しリーダアンテナ3に伝達されて無線タグ回路素子ToのIC回路部150に供給される。なお、質問波は上記のように変調した信号(変調波)に限られず、単なる搬送波のみの場合もある。
【0052】
受信部143は、リーダアンテナ3で受信された無線タグ回路素子Toからの応答波と上記発生させられた搬送波とを乗算して復調するI相受信乗算回路148と、そのI相受信乗算回路148の出力から必要な帯域の信号のみを取り出すためのI相バンドパスフィルタ149と、このI相バンドパスフィルタ149の出力を増幅するI相受信アンプ162と、このI相受信アンプ162の出力をさらに増幅してデジタル信号に変換するI相リミッタ163と、上記リーダアンテナ3で受信された無線タグ回路素子Toからの応答波と上記発生された後に移相器167により位相を90°遅らせた搬送波とを乗算するQ相受信乗算回路172と、そのQ相受信乗算回路172の出力から必要な帯域の信号のみを取り出すためのQ相バンドパスフィルタ173と、このQ相バンドパスフィルタ173の出力を増幅するQ相受信アンプ175と、このQ相受信アンプ175の出力をさらに増幅してデジタル信号に変換するQ相リミッタ176とを備えている。そして、上記I相リミッタ163から出力される信号「RXS−I」及びQ相リミッタ176から出力される信号「RXS−Q」は、上記CPU4に入力されて処理される。
【0053】
また、I相受信アンプ162及びQ相受信アンプ175の出力は、強度検出手段としてのRSSI(Received Signal Strength Indicator)回路178にも入力され、それらの信号の強度を示す信号「RSSI」がCPU4に入力されるようになっている。このようにして、リーダ1では、I−Q直交復調によって無線タグ回路素子Toからの応答波の復調が行われる。
【0054】
図4に、上記無線タグ回路素子Toの機能的構成の一例を示す。なお、図中に示す矢印は信号の流れの一例を示すものであり、信号の流れ方向を限定するものではない。
【0055】
この図4において、無線タグ回路素子Toは、上述したようにリーダ1のリーダアンテナ3と非接触で信号の送受信を行う上記タグ側アンテナ151と、このタグ側アンテナ151に接続された上記IC回路部150とを有している。
【0056】
IC回路部150は、タグ側アンテナ151により受信された質問波(質問信号)を整流する整流部152と、この整流部152により整流された質問波のエネルギを蓄積し駆動電源とするための電源部153と、上記タグ側アンテナ151により受信された質問波からクロック信号を抽出して制御部157に供給するクロック抽出部154と、所定の情報信号を記憶し得るメモリ部155と、上記タグ側アンテナ151に接続された変復調部156と、上記メモリ部155、クロック抽出部154、及び変復調部156等を介して上記無線タグ回路素子Toの作動を制御するための上記制御部157とを備えている。
【0057】
変復調部156は、タグ側アンテナ151により受信された上記リーダ1のアンテナ3からの通信信号の復調を行い、また、上記制御部157からの返信信号を変調し、タグ側アンテナ151より応答波(タグIDを含む信号)として送信する。
【0058】
クロック抽出部154は受信した信号からクロック成分を抽出して制御部157にクロックを抽出するものであり、受信した信号のクロック成分の周波数に対応したクロックを制御部157に供給する。
【0059】
制御部157は、上記変復調部156により復調された受信信号を解釈し、上記メモリ部155において記憶された情報信号に基づいて返信信号を生成し、この返信信号を上記変復調部156により上記タグ側アンテナ151から返信する制御等の基本的な制御を実行する。
【0060】
ここで、本実施形態のリーダ1の最も大きな特徴は、複数の無線タグTに対し、その配列に沿ってリーダ1を移動させつつ通信領域20を順次形成して無線通信を行うごとに、情報を取得した各通信領域内の複数の無線タグTから代表無線タグ(後述)を決定し、当該代表無線タグに関連付けて自動的にグループ化することを可能としたことにある。以下、その詳細を説明する。
【0061】
図5に、リーダ1によるグループ化手順を示す。ここでは1ラウンド目(図中では「1Round目」と示す。以下同様)から6ラウンド目までで管理対象である全物品に対応する無線タグTの読み取りを完了する場合を例示している。ここで、ラウンドとは、リーダ1から読み取り対象である無線タグTに対し所定のプロトコルで定められる1回の読み取りのためのコマンド群を送信して情報読み取りを行うとともに、対応する代表無線タグの決定及びグループ化等を行う手順をいい、1ラウンドごとに1回上記通信領域20が形成され、当該通信領域20内に存在する無線タグTの情報の読み取り及びグループ化等の処理が行われる。
【0062】
なお、この図5においては、煩雑防止のため、リーダ1の図示を書略するとともに、上記書棚部S1,S2,S3に設けられた位置基準タグTpを数字「1,2,3」で、各書籍Bに設けられた書籍タグTbをアルファベット「A,B,C・・・H,I」で示しており、以下、適宜この符号を用いて説明する。
【0063】
図5(a)は、1ラウンド目の読み取りを表す図である。ここでは、通信領域20内に位置基準タグ1及び書籍タグA,Bが存在しており、リーダ1のCPU4はリーダアンテナ3及びRF通信制御部9を介してこれら無線タグ1,A,BのタグIDを取得する。このとき、読み取った無線タグに位置基準タグ1が含まれているため、CPU4は当該位置基準タグ1を代表無線タグに決定し、書籍タグA,Bを上記代表無線タグである位置基準タグ1に関連付けてグループ化する(言い換えると、代表無線タグが共通する複数の書籍タグA,Bを順次組み入れて1つのタググループを構築するようにグループ化する。以下同様)。そして、CPU4は、決定した代表無線タグ情報を書籍タグA,BのタグIDと対応付けて不揮発性記憶装置5に出力し、グループリストとして登録する。このときの不揮発性記憶装置5の記憶内容を図5(a)中右側のグループリストに示す。この図に示すように、書籍タグA,Bは位置基準タグ1に関連付けてグループ化されているため、グループ欄に1がそれぞれ登録されている。
【0064】
図5(b)は、2ラウンド目の読み取りを表す図である。ここでは、通信領域20内に書籍タグB,Cが存在しており、リーダ1のCPU4はリーダアンテナ3及びRF通信制御部9を介してこれら書籍タグB,CのタグIDを取得する。このとき、読み取った無線タグに位置基準タグが含まれていないため、CPU4は前回の1ラウンド目で読み取れてなく今回の2ラウンド目で初めて読み取れた書籍タグCを代表無線タグに決定し、書籍タグCを上記代表無線タグである自身の書籍タグCに関連付けてグループ化する。なおこのとき、CPU4は、2ラウンド目で読み取れた無線タグのうち書籍タグBについては、前回の1ラウンド目の代表無線タグが位置基準タグ1であるため、代表無線タグ及びグループを変更せずに維持する。そして、CPU4は、決定した代表無線タグ情報(すなわち書籍タグBについては位置基準タグ1のままであり、書籍タグCについては当該書籍タグC自身である)を書籍タグCのタグIDと対応付けて不揮発性記憶装置5に出力し、登録する。またこのとき、CPU4は、今回の2ラウンド目では位置基準タグでない書籍タグCを代表無線タグに決定したため、直前のラウンド(すなわち1ラウンド)における代表無線タグ情報(すなわち位置基準タグ1)をグループ間関連付け情報として不揮発性記憶装置5に出力し、登録する。
【0065】
このときの不揮発性記憶装置5の記憶内容を図5(b)中右側のグループリストに示す。この図に示すように、書籍タグCは自身のタグCに関連付けてグループ化されているため、グループ欄にCが登録され、また直前グループ欄にはグループ間関連付け情報として直前の1ラウンド目の代表無線タグ情報である1が登録されている。このとき、書籍タグBのグループ欄は、上述したように代表無線タグを位置基準タグ1に維持するため、1のままとなっている。なお、グループリスト中の直前グループ欄及び直後グループ欄は、代表無線タグとして位置基準タグでない書籍タグが決定された場合に登録されるようになっている。
【0066】
図5(c)は、3ラウンド目の読み取りを表す図である。ここでは、通信領域20内に位置基準タグ2及び書籍タグC,Dが存在しており、リーダ1のCPU4はリーダアンテナ3及びRF通信制御部9を介してこれら無線タグ2,C,DのタグIDを取得する。このとき、読み取った無線タグに位置基準タグ2が含まれているため、CPU4は当該位置基準タグ2を代表無線タグに決定し、書籍タグC,Dを上記代表無線タグである位置基準タグ2に関連付けてグループ化する。なお、書籍タグCについては、前回の2ラウンド目で自身が代表無線タグに決定されているが、今回の代表無線タグが位置基準タグであるため、書籍タグCに関連付けられる代表無線タグを自身のタグCから位置基準タグ2に変更する。そして、CPU4は、決定した代表無線タグ情報を書籍タグC,DのタグIDと対応付けて不揮発性記憶装置5に出力し、登録する。
【0067】
このときの不揮発性記憶装置5の記憶内容を図5(c)中右側のグループリストに示す。この図に示すように、書籍タグC,Dは位置基準タグ2に関連付けてグループ化されているため、書籍タグDのグループ欄には2が登録され、また書籍タグCのグループ欄はCから2に変更される。この結果、直前の2ラウンド目においてグループCに属していた書籍タグCは、本3ラウンド目においてグループ2に組み込まれることになる。
【0068】
図5(d)は、4ラウンド目の読み取りを表す図である。ここでは、通信領域20内に書籍タグE,Fが存在しており、リーダ1のCPU4はリーダアンテナ3及びRF通信制御部9を介してこれら書籍タグE,FのタグIDを取得する。このとき、読み取った無線タグに位置基準タグが含まれていないため、CPU4は前回の3ラウンド目で読み取れてなく今回の4ラウンド目で初めて読み取れた書籍タグE,Fのうち、予め定められた条件(ここでは先に情報を読み取れた無線タグ。なお、その他の条件を設定してもよい)にしたがって選択した書籍タグEを代表無線タグに決定する。そして、CPU4は、決定した代表無線タグ情報を書籍タグE,FのタグIDと対応付けて不揮発性記憶装置5に出力し、登録する。またこのとき、CPU4は、今回の4ラウンド目では位置基準タグでない書籍タグEを代表無線タグに決定したため、直前のラウンド(すなわち3ラウンド)における代表無線タグ情報(すなわち位置基準タグ2)をグループ間関連付け情報として不揮発性記憶装置5に出力し、登録する。
【0069】
このときの不揮発性記憶装置5の記憶内容を図5(d)中右側のグループリストに示す。この図に示すように、書籍タグE,Fは書籍タグEに関連付けてグループ化されているため、グループ欄にEがそれぞれ登録されている。また直前グループ欄には、グループ間関連付け情報として直前の3ラウンド目の代表無線タグ情報である2がそれぞれ登録されている。この結果、書籍タグC,Dが属するタググループ2と、書籍タグE,Fが属するタググループEとが、無線タグTの配列順に対応して関連付けられる。
【0070】
図5(e)は、5ラウンド目の読み取りを表す図である。ここでは、通信領域20内に書籍タグF,Gが存在しており、リーダ1のCPU4はリーダアンテナ3及びRF通信制御部9を介してこれら書籍タグF,GのタグIDを取得する。このとき、読み取った無線タグに位置基準タグが含まれていないため、CPU4は前回の4ラウンド目で読み取れてなく今回の5ラウンド目で初めて読み取れた書籍タグGを代表無線タグに決定し、書籍タグGを上記代表無線タグである自身の書籍タグGに関連付けてグループ化する。なお、書籍タグFについては、前回の4ラウンド目で書籍タグEが代表無線タグに決定されているが、今回決定した書籍タグGに変更する。そして、CPU4は、決定した代表無線タグ情報を書籍タグF,GのタグIDと対応付けて不揮発性記憶装置5に出力し、登録する。またこのとき、CPU4は、今回の5ラウンド目では位置基準タグでない書籍タグGを代表無線タグに決定したため、直前のラウンド(すなわち4ラウンド)における代表無線タグ情報(すなわち書籍タグE)をグループ間関連付け情報として不揮発性記憶装置5に出力し、登録するとともに、前回の4ラウンド目で代表無線タグと関連付けてグループ化された書籍タグEに関して、直後のラウンド(すなわち本5ラウンド)における代表無線タグ情報(すなわち書籍タグG)をグループ間関連付け情報として不揮発性記憶装置5に出力し、登録する。なお、書籍タグFについては、前回の4ラウンド目でグループ間関連付け情報としての直前グループが位置基準タグ2に決定されているが、書籍タグEに変更する。
【0071】
このときの不揮発性記憶装置5の記憶内容を図5(e)中右側のグループリストに示す。この図に示すように、書籍タグGは自身のタグGに関連付けてグループ化されているため、グループ欄にGが登録され、また直前グループ欄にはグループ間関連付け情報として直前の4ラウンド目の代表無線タグ情報であるEが登録されている。また書籍タグFのグループ欄はEからGに変更されるとともに、直前グループ欄は2からEに変更される。この結果、直前の4ラウンド目においてグループEに属していた書籍タグFは、本5ラウンド目においてグループGに組み込まれることになる。さらに、前回の4ラウンド目の代表無線タグに関連付けてグループ化された書籍タグEの直後グループ欄にGが登録されている。以上の結果、書籍タグEが属するタググループEと、書籍タグF,Gが属するタググループGとが、無線タグTの配列順に対応して関連付けられる。
【0072】
図5(f)は、6ラウンド目の読み取りを表す図である。ここでは、通信領域20内に位置基準タグ3及び書籍タグH,Iが存在しており、リーダ1のCPU4はリーダアンテナ3及びRF通信制御部9を介してこれら無線タグ3,H,IのタグIDを取得する。このとき、読み取った無線タグに位置基準タグ3が含まれているため、CPU4は当該位置基準タグ3を代表無線タグに決定し、書籍タグH,Iを上記代表無線タグである位置基準タグ3に関連付けてグループ化する。そして、CPU4は、決定した代表無線タグ情報を書籍タグH,IのタグIDと対応付けて不揮発性記憶装置5に出力し、登録する。また、前回の5ラウンド目で代表無線タグである書籍タグGと関連付けてグループ化された書籍タグF,Gに関して、直後のラウンド(すなわち本6ラウンド)における代表無線タグ情報(すなわち位置基準タグ3)をグループ間関連付け情報として不揮発性記憶装置5に出力し、登録する。
【0073】
このときの不揮発性記憶装置5の記憶内容を図5(f)中右側のグループリストに示す。この図に示すように、書籍タグH,Iは位置基準タグ3に関連付けてグループ化されているため、グループ欄に3がそれぞれ登録されている。さらに、書籍タグF,Gの直後グループ欄に3がそれぞれ登録されている。この結果、書籍タグF,Gが属するタググループGと、書籍タグH,Iが属するタググループ3とが、無線タグTの配列順に対応して関連付けられる。
【0074】
なお、以上説明した図5においては、1ラウンド中に位置基準タグTpが1個のみ読める場合を例にとって説明したが、例えば通信領域20がリーダ1の移動方向に比較的広い場合や書棚部の幅が狭く位置基準タグTpの設置間隔が比較的小さい場合等、1ラウンド中に複数の位置基準タグTpが読める場合も考えられる。以下、このような場合について図6を用いて説明する。
【0075】
図6に、リーダ1によるグループ化手順を示す。ここでは1ラウンド目から4ラウンド目までで管理対象である全物品に対応する無線タグTの読み取りを完了する場合を例示している。なお、この図6においても、前述の図5と同様にリーダ1の図示を書略するとともに、位置基準タグTpを数字「1,2,3」で、書籍タグTbをアルファベット「A,B,C・・・H,I」で示しており、以下、適宜この符号を用いて説明する。
【0076】
図6(a)は、1ラウンド目の読み取りを表す図である。ここでは、通信領域20内に位置基準タグ1,2及び書籍タグA,B,Cが存在しており、リーダ1のCPU4はリーダアンテナ3及びRF通信制御部9を介してこれら無線タグ1,2,A,B,CのタグIDを取得する。このとき、読み取った無線タグに2つの位置基準タグ1,2が含まれているため、これら位置基準タグ1,2のうち、予め定められた条件(ここでは先に情報を読み取れた無線タグ。なお、その他の条件を設定してもよい)にしたがって選択した位置基準タグ1を代表無線タグに決定し、書籍タグA,B,Cを上記代表無線タグである位置基準タグ1に関連付けてグループ化する。そして、CPU4は、決定した代表無線タグ情報を書籍タグA,B,CのタグIDと対応付けて不揮発性記憶装置5に出力し、登録する。このときの不揮発性記憶装置5の記憶内容を図6(a)中右側のグループリストに示す。この図に示すように、書籍タグA,B,Cは位置基準タグ1に関連付けてグループ化されているため、グループ欄に1がそれぞれ登録されている。
【0077】
図6(b)は、2ラウンド目の読み取りを表す図である。ここでは、通信領域20内に位置基準タグ2及び書籍タグC,D,Eが存在しており、リーダ1のCPU4はリーダアンテナ3及びRF通信制御部9を介してこれら無線タグ2,C,D,EのタグIDを取得する。このとき、読み取った無線タグに位置基準タグ2が含まれているため、CPU4は当該位置基準タグ2を代表無線タグに決定し、書籍タグC,D,Eを上記代表無線タグである位置基準タグ2に関連付けてグループ化する。なお、書籍タグCについては、前回の1ラウンド目で位置基準タグ1が代表無線タグに決定されているが、今回の代表無線タグが位置基準タグ2であるため、代表無線タグを位置基準タグ1から最新に読み取った位置基準タグ2に変更する。そして、CPU4は、決定した代表無線タグ情報を書籍タグC,D,EのタグIDと対応付けて不揮発性記憶装置5に出力し、登録する。
【0078】
このときの不揮発性記憶装置5の記憶内容を図6(b)中右側のグループリストに示す。この図に示すように、書籍タグC,D,Eは位置基準タグ2に関連付けてグループ化されているため、書籍タグD,Eのグループ欄には2が登録され、また書籍タグCのグループ欄は1から2に変更される。この結果、直前の1ラウンド目においてグループ1に属していた書籍タグCは、本2ラウンド目においてグループ2に組み込まれることになる。
【0079】
図6(c)は、3ラウンド目の読み取りを表す図である。ここでは、通信領域20内に位置基準タグ2及び書籍タグD,E,F,Gが存在しており、リーダ1のCPU4はリーダアンテナ3及びRF通信制御部9を介してこれら無線タグ2,D,E,F,GのタグIDを取得する。このとき、読み取った無線タグに位置基準タグ2が含まれているため、CPU4は当該位置基準タグ2を代表無線タグに決定し、書籍タグD,E,F,Gを上記代表無線タグである位置基準タグ2に関連付けてグループ化する。このとき、CPU4は、直前の2ラウンド目と本3ラウンド目で重複して読み取れた書籍タグD,Eについては、代表無線タグが同一であるためそのまま維持する。そして、CPU4は、決定した代表無線タグ情報を書籍タグD,E,F,GのタグIDと対応付けて不揮発性記憶装置5に出力し、登録する。このときの不揮発性記憶装置5の記憶内容を図6(c)中右側のグループリストに示す。この図に示すように、書籍タグD,E,F,Gは位置基準タグ2に関連付けてグループ化されているため、グループ欄に2がそれぞれ登録されている。
【0080】
図6(d)は、4ラウンド目の読み取りを表す図である。ここでは、通信領域20内に位置基準タグ3及び書籍タグG,H,Iが存在しており、リーダ1のCPU4はリーダアンテナ3及びRF通信制御部9を介してこれら無線タグ3,G,H,IのタグIDを取得する。このとき、読み取った無線タグに位置基準タグ3が含まれているため、CPU4は当該位置基準タグ3を代表無線タグに決定し、書籍タグG,H,Iを上記代表無線タグである位置基準タグ3に関連付けてグループ化する。なお、書籍タグGについては、前回の3ラウンド目で位置基準タグ2が代表無線タグに決定されているが、今回の代表無線タグが位置基準タグ3であるため、代表無線タグを位置基準タグ2から最新に読み取った位置基準タグ3に変更する。そして、CPU4は、決定した代表無線タグ情報を書籍タグG,H,IのタグIDと対応付けて不揮発性記憶装置5に出力し、登録する。
【0081】
このときの不揮発性記憶装置5の記憶内容を図6(d)中右側のグループリストに示す。この図に示すように、書籍タグG,H,Iは位置基準タグ3に関連付けてグループ化されているため、書籍タグH,Iのグループ欄には3が登録され、また書籍タグGのグループ欄は2から3に変更される。この結果、直前の3ラウンド目においてグループ2に属していた書籍タグGは、本4ラウンド目においてグループ3に組み込まれることになる。
【0082】
なお、以上説明した図6においては、全ラウンドにおいて位置基準タグTpを代表無線タグとして決定しているため、グループリスト中の直前グループ欄及び直後グループ欄は登録されていない。
【0083】
図7に、リーダ1の上記CPU4が実行する制御手順を示す。CPU4は、例えば操作者が操作部7を介してグループ化処理の開始操作を行った際に、このフローを開始する。なお、この図7中では位置基準タグTpを便宜的に「場所タグ」と記載している。また、前述したラウンドは、このフローにおけるステップS5〜ステップS70(ステップS100を含む)を1サイクルとする手順をいい、ステップS70の判定が満たされずにステップS5に戻り、再度ステップS5〜ステップS70(ステップS100を含む)のサイクルを繰り返すごとに、ラウンド数が増加することになる。
【0084】
また、本明細書中において「今回」と言う場合は、ステップS5〜ステップS70(ステップS100を含む)のうちのいずれかの手順がCPU4によって行われている場合におけるそのラウンドのことを指し、「前回」又は「直前」と言う場合は、上記「今回」に対応するラウンドの直前に実行されたステップS5〜ステップS70(ステップS100を含む)を1サイクルとするラウンドを指す。また、「直後」と言う場合は、上記「今回」に対応するラウンドの直後に実行されたステップS5〜ステップS70(ステップS100を含む)を1サイクルとするラウンドを指す。
【0085】
まずステップS5では、CPU4は、RF通信制御部9の送信部142に制御信号を送信し、水晶振動子145A、PLL145B、及びVCO145CからUHF帯(例えば915MHz)の搬送波を発生させ、制御信号に基づいて発生した搬送波を変調・増幅させ、送受分離器144及びリーダアンテナ3を介し、通信領域20内に存在する複数の無線タグT(位置基準タグTp及び書籍タグTb)の無線タグ回路素子ToのIC回路部150に対してそれぞれ読み取り信号を送信させる。そして、上記読み取り信号を送信した無線タグ回路素子ToのIC回路部150から、上記読み取り信号に対応した応答信号をそれぞれ受信する。これにより、通信領域20内に存在する複数の無線タグTからタグIDの読み取りを行う。
【0086】
次のステップS10では、CPU4は、上記ステップS5において1つ以上の無線タグTからタグIDを取得したか否かを判定する。無線タグTからタグIDを取得できなかった場合には、判定が満たされずに上記ステップS5に戻る。一方、1つ以上の無線タグTからタグIDを取得した場合には、判定が満たされて次のステップS15に移る。
【0087】
次のステップS15では、CPU4は、上記ステップS5において情報を取得した無線タグTの中に、位置基準タグTpが含まれるか否かを判定する。この判定は、取得したタグIDに基づき行われる(タグIDにタグの種類情報が含まれている)。位置基準タグTpを検出しなかった場合には、判定が満たされずにステップS100に移り、位置基準タグTpを検出しなかった場合のグループ化処理を行う(詳細は後述の図8参照)。その後、後述のステップS70に移る。一方、位置基準タグTpを検出した場合には、判定が満たされてステップS20に移る。
【0088】
ステップS20では、CPU4は、上記ステップS5において情報を取得した位置基準タグTpの中に、直前のラウンドで代表無線タグに決定した無線タグTが含まれるか否かを判定する。含まれる場合には、判定が満たされて次のステップS25に移り、CPU4は、直前ラウンドの代表無線タグを今回ラウンドの代表無線タグに決定し、上記ステップS5において情報を取得した全無線タグTを上記決定した代表無線タグに関連付けて1つのタググループを構成するようにグループ化する。その後、ステップS30で、CPU4は、上記ステップS5において取得した各無線タグT(無線タグ回路素子To)のタグIDと上記タググループに関する情報(ここでは決定した代表無線タグのタグID)とを対応付けて、不揮発性記憶装置5に対し出力し、登録を行う。そして、後述するステップS70に移る。
【0089】
なお、上記ステップS25及びステップS30の手順は、前述の図6(c)に示す3ラウンド目の状況に相当する。すなわち、この3ラウンド目では、読み取った無線タグに直前の代表無線タグである位置基準タグ2が含まれているため、CPU4は当該位置基準タグ2を代表無線タグに決定し、書籍タグD,E,F,Gを上記代表無線タグである位置基準タグ2に関連付けてグループ化し、登録している。
【0090】
一方、上記ステップS20において、今回ラウンドで情報を取得した位置基準タグTpの中に、直前のラウンドで代表無線タグに決定した無線タグTが含まれていない場合には、判定が満たされずにステップS35に移る。
【0091】
ステップS35では、CPU4は、上記ステップS5において情報を取得した無線タグTの中に、直前のラウンドで代表無線タグに決定した無線タグTが含まれるか否かを判定する。含まれる場合には、判定が満たされて次のステップS40に移り、CPU4は、上記ステップS5において最も早く情報を取得した位置基準タグTpを代表無線タグに決定し、上記ステップS5において情報を取得した全無線タグTを上記決定した代表無線タグに関連付けて1つのタググループを構成するようにグループ化し、直前のラウンドの代表無線タグに関連付けられたグループを構成したグループを組み込む。その後、ステップS45で、CPU4は、上記ステップS5において取得した各無線タグT(無線タグ回路素子To)のタグIDと上記タググループに関する情報(ここでは決定した代表無線タグのタグID)とを対応付けて、不揮発性記憶装置5に対し出力し、登録を行う。そして、後述するステップS70に移る。
【0092】
なお、上記ステップS40及びステップS45の手順は、前述の図5(c)に示す3ラウンド目の状況に相当する。すなわち、この3ラウンド目では、最も早く読み取った位置基準タグに相当する位置基準タグ2を代表無線タグに決定し、書籍タグC,Dを上記代表無線タグである位置基準タグ2に関連付けてグループ化し、登録する。その結果、直前の2ラウンド目においてグループCに属していた書籍タグCは、この3ラウンド目においてグループ2に組み込まれる。
【0093】
一方、上記ステップS35において、今回ラウンドで情報を取得した無線タグTの中に、直前のラウンドで代表無線タグに決定した無線タグTが含まれていない場合には、判定が満たされずに次のステップS50に移り、CPU4は、上記ステップS5において最も早く情報を取得した位置基準タグTpを代表無線タグに決定し、上記ステップS5において情報を取得した全無線タグTを上記決定した代表無線タグに関連付けて1つのタググループを構成するようにグループ化する。その後、ステップS55で、CPU4は、上記ステップS5において取得した各無線タグT(無線タグ回路素子To)のタグIDと上記タググループに関する情報(ここでは決定した代表無線タグのタグID)とを対応付けて、不揮発性記憶装置5に対し出力し、登録を行う。
【0094】
なお、上記ステップS50及びステップS55の手順は、前述の図5(a)(f)に示す1ラウンド目、6ラウンド目、及び図6(a)(b)(d)に示す1ラウンド目、3ラウンド目、4ラウンド目の状況に相当する。すなわち、例えば図6(a)に示す1ラウンド目では、最も早く読み取った位置基準タグに相当する位置基準タグ1を代表無線タグに決定し、書籍タグA,B,Cを上記代表無線タグである位置基準タグ1に関連付けてグループ化し、登録している。
【0095】
次のステップS60では、CPU4は、直前ラウンドにおいて決定した代表無線タグが位置基準タグTpであるか否かを判定する。位置基準タグTpである場合には、判定が満たされて、後述するステップS70に移る。一方、直前ラウンドの代表無線タグが位置基準タグTpでない場合には、判定が満たされずにステップS65に移り、直前ラウンドのタググループに属する全無線タグTの直後のグループとして、上記ステップS50で今回ラウンドの代表無線タグに決定した位置基準タグTpを登録する。そして、次のステップS70に移る。
【0096】
なお、上記ステップS65の手順は、前述の図5(f)に示す6ラウンド目の状況に相当する。すなわち、前回の5ラウンド目で代表無線タグである書籍タグGと関連付けてグループ化された書籍タグF,Gに関し、今回の6ラウンド目の代表無線タグである位置基準タグ3をグループ間関連付け情報として不揮発性記憶装置5に出力し、登録する。その結果、書籍タグF,Gの直後グループ欄に3がそれぞれ登録され、書籍タグF,Gが属するタググループGと、書籍タグH,Iが属するタググループ3とが、無線タグTの配列順に対応して関連付けられている。
【0097】
ステップS70では、CPU4は、無線タグTからの情報読み取りを終了するか否かを、例えば操作者が操作部7を介して読み取り終了操作を行ったか否かに基づき判定する。操作者が終了操作をしていない場合には、判定が満たされずに先のステップS5に戻り、次のラウンドを開始する。一方、操作者が終了操作を行っている場合には、判定が満たされて本フローを終了する。
【0098】
なお、上記フローチャートは本発明を上記フローに示す手順に限定するものではなく、発明の趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で手順の追加・削除又は順番の変更等をしてもよい。
【0099】
図8に、上記ステップS100の詳細手順を示す。なお、この図8中では、前述の図7と同様に、位置基準タグTpを便宜的に「場所タグ」と記載している。
【0100】
まずステップS105では、CPU4は、上記ステップS5において情報を取得した無線タグTの中に、直前のラウンドで代表無線タグに決定した無線タグTが含まれるか否かを判定する。含まれる場合には、判定が満たされて次のステップS110に移り、CPU4は、直前ラウンドの代表無線タグを今回ラウンドの代表無線タグに決定し、上記ステップS5において情報を取得した全無線タグTを上記決定した代表無線タグに関連付けて1つのタググループを構成するようにグループ化する。その後、ステップS115で、CPU4は、上記ステップS5において取得した各無線タグT(無線タグ回路素子To)のタグIDと上記タググループに関する情報(ここでは決定した代表無線タグのタグID)とを対応付けて、不揮発性記憶装置5に対し出力し、登録を行う。そして、本ルーチンを終了する。
【0101】
一方、上記ステップS105において、今回ラウンドで情報を取得した無線タグTの中に、直前のラウンドで代表無線タグに決定した無線タグTが含まれていない場合には、判定が満たされずに次のステップS120に移り、CPU4は、上記ステップS5において情報を取得した無線タグTの中に、直前のラウンドで情報を取得できなかった無線タグTが含まれるか否かを判定する。含まれていない場合には、今回ラウンドで新たな無線タグTの情報を取得できていないことになるため、本ルーチンを終了する。一方、直前のラウンドで情報を取得できなかった無線タグTが含まれている場合には、次のステップS125に移る。
【0102】
ステップS125では、CPU4は、上記ステップS5において情報を取得した無線タグTの中に、今回ラウンドまでに代表無線タグとして決定され、既に不揮発性記憶装置5に登録された代表無線タグが含まれるか否かを判定する。含まれる場合には判定が満たされて次のステップS130に移り、CPU4は、上記登録された代表無線タグのうち、今回ラウンドにおいて最も早く情報を取得した無線タグTを代表無線タグに決定する。そして、次のステップS140に移る。
【0103】
一方、上記ステップS125において、登録された代表無線タグが含まれない場合には、判定が満たされずにステップS135に移り、直前ラウンドで情報を取得できなかった無線タグTのうち、今回ラウンドにおいて最も早く情報を取得した無線タグTを代表無線タグに決定する。そして、次のステップS140に移る。
【0104】
なお、上記ステップS135の手順は、前述の図5(e)に示す5ラウンド目の状況に相当する。すなわち、この5ラウンド目では、前回の4ラウンド目で読み取れてなく今回の5ラウンド目で初めて読み取れた書籍タグGを代表無線タグに決定している。
【0105】
ステップS140では、CPU4は、直前ラウンドにおいて決定した代表無線タグが位置基準タグTpであるか否かを判定する。位置基準タグTpである場合には、判定が満たされて次のステップS145に移り、CPU4は、上記ステップS5において情報を取得した無線タグTのうち、今回ラウンドでのみ情報を取得した全無線タグTを上記ステップS130又はステップS135で決定した代表無線タグに関連付けて1つのタググループを構成するようにグループ化する。
【0106】
なお、上記ステップS145の手順は、前述の図5(b)に示す2ラウンド目の状況に相当する。すなわち、この2ラウンド目では、前回の1ラウンド目で読み取れてなく今回の2ラウンド目で初めて読み取れた書籍タグCについてのみ、代表無線タグである自身の書籍タグCに関連付けてグループ化している。
【0107】
一方、上記ステップS140において、直前ラウンドにおいて決定した代表無線タグが位置基準タグTpでない場合には、判定が満たされずにステップS150に移り、CPU4は、上記ステップS5において情報を取得した全無線タグTを上記ステップS130又はステップS135で決定した代表無線タグに関連付けて1つのタググループを構成するようにグループ化する。
【0108】
なお、上記ステップS150の手順は、前述の図5(e)に示す5ラウンド目の状況に相当する。すなわち、この5ラウンド目では、今回の5ラウンド目で読み取れた書籍タグF,Gについて、代表無線タグに決定した書籍タグGに関連付けてグループ化している。
【0109】
ステップS155では、CPU4は、上記ステップS5において取得した各無線タグT(無線タグ回路素子To)のタグIDと上記ステップS145又はステップS150でグループ化したタググループに関する情報(ここでは決定した代表無線タグのタグID)とを対応付けて、不揮発性記憶装置5に対し出力し、登録を行う。
【0110】
次のステップS160では、CPU4は、今回ラウンドのタググループ(上記ステップS145又はステップS150参照)に属する全無線タグTの直前のグループとして、直前ラウンドの代表無線タグを登録する。そして、次のステップS165に移る。
【0111】
なお、上記ステップS160の手順は、前述の図5(d)に示す4ラウンド目の状況に相当する。すなわち、今回の4ラウンド目の代表無線タグである書籍タグEと関連付けてグループ化された書籍タグE,Fに関し、直前の3ラウンド目における代表無線タグである位置基準タグ2を、グループ間関連付け情報として不揮発性記憶装置5に出力し、登録する。その結果、書籍タグE,Fの直前グループ欄に2がそれぞれ登録され、書籍タグC,Dが属するタググループ2と、書籍タグE,Fが属するタググループEとが、無線タグTの配列順に対応して関連付けられている。
【0112】
次のステップS165では、CPU4は、直前ラウンドにおいて決定した代表無線タグが位置基準タグTpであるか否かを判定する。位置基準タグTpである場合には、判定が満たされて、本ルーチンを終了する。一方、直前ラウンドの代表無線タグが位置基準タグTpでない場合には、判定が満たされずにステップS170に移り、直前ラウンドのタググループに属する全無線タグTの直後のグループとして、上記ステップS130又はステップS135で今回ラウンドの代表無線タグに決定した無線タグTを登録する。そして、本ルーチンを終了する。
【0113】
なお、上記ステップS170の手順は、前述の図5(e)に示す5ラウンド目の状況に相当する。すなわち、前回の4ラウンド目で代表無線タグである位置基準タグ2と関連付けてグループ化された書籍タグEに関し、今回の5ラウンド目の代表無線タグである位置基準タグGをグループ間関連付け情報として不揮発性記憶装置5に出力し、登録する。その結果、書籍タグEの直後グループ欄にGが登録され、書籍タグEが属するタググループEと、書籍タグF,Gが属するタググループGとが、無線タグTの配列順に対応して関連付けられている。
【0114】
なお、上記フローチャートは本発明を上記フローに示す手順に限定するものではなく、発明の趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で手順の追加・削除又は順番の変更等をしてもよい。
【0115】
また、特に図面を用いて説明はしないが、以上のようにして、リーダ1を移動させつつ通信領域20を順次形成して無線通信を行うごとに、情報を取得した各通信領域内の複数の無線タグTから代表無線タグを決定し、当該代表無線タグに関連付けて自動的にグループ化を行い登録しておくことにより、その後無線タグTの探索を行う際に、当該探索対象である無線タグTが属するタググループの代表無線タグに関する情報を利用することが可能となり、そのような情報を用いずに最初から探索対象の無線タグTの探索を図る場合に比べ、能率のよい迅速な探索を行うことができる。例えば、前述した書棚Sにおける書籍Bの探索を行う場合を例に取ると、所望の書籍Bの探索を行う際に、不揮発性記憶装置5に登録したグループリストに基づき、探索対象である書籍Bが属するタググループの代表無線タグに関する情報(すなわちこの場合には書籍Bが収納される書棚部の位置基準タグTpのタグID)を利用できることから、操作者は書籍Bが収納される書棚部の位置を特定できる。この結果、迅速に書籍Bを探し出すことができる。
【0116】
以上において、上記CPU4によって実行されるステップS5は、特許請求の範囲各項記載の無線通信手段を介し、各通信領域内の無線タグからタグ識別情報を取得する情報取得手段を構成する。また、ステップS25、ステップS40、ステップS50、ステップS110、ステップS130、及びステップS135は、情報取得手段を介しタグ識別情報を取得した少なくとも1つの無線タグの中から代表無線タグを決定する代表タグ決定手段を構成する。さらに、ステップS25、ステップS40、ステップS50、ステップS110、ステップS145、及びステップS150は、代表タグ決定手段で決定した代表無線タグに関連付けて、通信領域内の少なくとも1つの無線タグを1つのタググループを構成するようにグループ化するグループ化手段を構成する。
【0117】
また、ステップS30、ステップS45、ステップS55、ステップS115、及びステップS155は、無線通信手段により通信領域を順次形成され、代表タグ決定手段による代表無線タグの決定及びグループ化手段によるグループ化が行われるのにしたがって、通信領域内の各無線タグのタグ識別情報と対応するタググループに関する情報とを対応付けて出力する情報出力手段を構成する。
【0118】
さらに、ステップS65、ステップS160、及びステップS170は、グループ化手段でそれぞれグループ化した複数のタググループを、無線タグの配列に応じた所定の関連付け因子に基づき関連付けるグループ間関連付け手段を構成する。
【0119】
以上説明した実施形態においては、リーダ1のRF通信制御部9及びリーダアンテナ3が複数の無線タグTの配列に沿って所定範囲の通信領域20を順次形成し、各通信領域20内の無線タグTと無線通信を行うことにより、本体制御部2のCPU4が各通信領域20内の無線タグTからタグIDを取得する。そして、当該タグIDを取得した少なくとも1つの無線タグTの中からCPU4が代表無線タグを決定し、当該決定した代表無線タグに関連付けて、通信領域20内の少なくとも1つの無線タグTを1つのタググループを構成するようにグループ化する。
【0120】
このようにすることで、複数の無線タグTに対し、その配列に沿って通信領域20を順次形成して無線通信を行うごとに、情報を取得した各通信領域20内の無線タグTを自動的にグループ化することができる。したがって、複数の無線タグTに対し個別にグループ情報を付与してグループ化を図る場合に比べ、能率のよい迅速なグループ化を行うことができる。
【0121】
また、無線タグTの探索を行う際に、当該探索対象である無線タグTが属するタググループの代表無線タグに関する情報を利用することができるので、そのような情報を用いずに最初から探索対象の無線タグTの探索を図る場合に比べ、能率のよい迅速な探索を行うことができる。
【0122】
また、本実施形態では特に、リーダ1により通信領域20を順次形成され、代表無線タグの決定及びグループ化が行われるのにしたがって、CPU4は、通信領域20内の各無線タグTのタグIDと対応するタググループに関する情報とを対応付けて不揮発性記憶装置5に出力する。これにより、タグIDと対応するタググループに関する情報とを対応付けて、グループリストとして不揮発性記憶装置5に記憶させることができる。その結果、探索対象である無線タグTの探索を行う際に、不揮発性記憶装置5から当該グループリストを読み出し、そのグループリストに含まれるタググループに関する情報を利用することができるので、能率のよい迅速な探索を確実に行うことができる。
【0123】
また、本実施形態では特に、対応する代表無線タグが共通する複数の無線タグTを順次組み入れて、1つのタググループを構築するようにグループ化する。これにより、異なる通信領域の形成時(すなわち異なるラウンド)にタグIDが取得された無線タグTであっても、代表無線タグ情報が共通する場合は、1つのタググループに順次組み込んでいくことにより、さらに円滑にグループ化することができ、利便性が向上する。
【0124】
また、本実施形態では特に、1回のラウンドにおいて情報を取得した無線タグTのタグIDに、予め定められた基準位置に基づき位置を特定可能な位置基準タグTpのタグIDが含まれていた場合には、当該位置基準タグTpをそのラウンドの代表無線タグとして決定する。これにより、位置基準タグTpと同じタググループに属する他の無線タグTの場所をその基準位置にあるものとして特定することができる。
【0125】
また、本実施形態では特に、直前のラウンドにおいて決定した代表無線タグが位置基準タグTpでない場合であって、今回のラウンドでその無線タグTから継続して情報の読み取りを行いつつ位置基準タグTpも読めた場合には、CPU4が直前ラウンドの代表無線タグを今回ラウンドで読めた位置基準タグTpに変更することにより、直前ラウンドの代表無線タグに対応付けられたグループに属する無線タグTを今回の位置基準タグTpのグループに組み入れる。これにより、無線タグTが位置基準タグTpと同じグループに属する可能性を増大させることができ、無線タグTの位置を特定しやすくすることができる。
【0126】
また、本実施形態では特に、1回のラウンドにおいて情報を取得した無線タグTの中に位置基準タグTpが含まれない場合、直前ラウンドで決定された代表無線タグのタグIDが今回ラウンドで取得されたタグIDに含まれるか否かに応じ、CPU4が代表無線タグを決定する。これにより、位置基準タグTpが検出されないラウンドにおいても、確実に代表無線タグTを決定することができる。
【0127】
また、本実施形態では特に、1回のラウンドにおいて情報を取得した無線タグTのタグIDに、直前ラウンドにおいて決定された代表無線タグのタグIDが含まれる場合、当該直前ラウンドの代表無線タグを今回ラウンドの代表無線タグに決定する。このように、前回ラウンドの代表無線タグを今回ラウンドに引き継ぐことで、新たに今回ラウンドで代表無線タグを決定する手順が不要となり、制御手順を簡易化できる。
【0128】
また、本実施形態では特に、1回のラウンドにおいて情報を取得した無線タグTのタグIDに、前回ラウンドにおいて決定された代表無線タグのタグIDが含まれない場合、今回ラウンドで新たにタグIDを取得された少なくとも1つの無線タグTの中から今回ラウンドの代表無線タグを決定する。これにより、前回ラウンドの代表無線タグIDが今回ラウンドにおいて情報取得したタグIDに含まれない場合には、今回ラウンドで新たに取得した位置基準タグTp以外の無線タグTを代表無線タグに決定することで、前回の代表無線タグからより離れた位置にある代表無線タグを決定することができる。これにより、代表無線タグが位置基準タグTpでないときも、グループごとの場所の識別が容易になる。
【0129】
また、本実施形態では特に、前回ラウンドの代表無線タグが位置基準タグTpで、今回ラウンドの代表無線タグが位置基準タグTpでない場合は、CPU4は前回ラウンドの代表無線タグを変更しない。このようにすることで、前回ラウンドにおいて情報取得できていた無線タグTは位置基準タグTpのグループのままにすることができる。その結果、位置基準タグTpと同じグループに属する無線タグTを増加させ、無線タグTの位置を特定しやすくすることができる。
【0130】
また、本実施形態では特に、代表無線タグに関連付けてそれぞれグループ化した複数のタググループを、無線タグTの配列に対応させ、直前・直後という順番で関連付ける。これにより、無線タグTの探索を行う際に、当該探索対象である無線タグTが属するタググループに関連付けられた他のタググループ(直前・直後のタググループ)に関する情報を利用することができるので、さらに能率のよい迅速な探索を行うことができる。
【0131】
また、本実施形態では特に、決定された代表無線タグが位置基準タグTpでない場合に、当該タググループを他のタググループと関連付ける。すなわち、代表無線タグが位置基準タグTpであるタググループについては、場所を特定することが可能であるため、複数のタググループを関連付ける必要性が小さい。本実施形態では、これに対応して、代表無線タグが位置基準タグTpでない場合に限りタググループを関連付けることで、不要なタググループ間の関連付け手順を省き、制御手順を簡易化できる。
【0132】
また、本実施形態では特に、1回のラウンドにおいてグループ化したタググループと、その直前又は直後のラウンドにおいてグループ化したタググループとを関連付ける。このように、直前又は直後のタググループとの配置連続性を利用することで、探索対象のタググループの場所を推測可能となるので、さらに能率のよい迅速な探索を行うことができる。
【0133】
また、本実施形態では特に、初めてタグIDを取得された少なくとも1つの無線タグTの中から今回ラウンドの代表無線タグを決定する場合、すなわち前回ラウンドと今回ラウンドとで代表無線タグが異なる場合に、タググループの関連付けを行う。すなわち、前回ラウンドと今回ラウンドとで代表無線タグが同一である場合には、通信領域20の位置があまり変わらないことが推測できるため、前回ラウンドと今回ラウンドのタググループを関連付ける必要性が小さい。本実施形態においては、これに対応して上記のようにすることで、不要なタググループの関連付け手順を省き、制御手順を簡易化できる。
【0134】
なお、本発明は、上記実施形態に限られるものではなく、その趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。以下、そのような変形例を説明する。
【0135】
上記実施形態では、図5及び図6において説明したように、1ラウンド中に位置基準タグTpが1個のみ読める場合、及び1ラウンド中に複数の位置基準タグTpが読める場合のどちらにおいても、通信領域20が一定の範囲であるようにしたが、これに限られず、位置基準タグTpの密度に応じて通信領域20の範囲を可変としてもよい。例えば、図5(d)及び図5(e)に示すように、位置基準タグTpを1つも検出できない場合には、1つの位置基準タグTpが検出されるまで通信領域20の範囲を拡大し、図6(a)に示すように位置基準タグTpを複数検出した場合には、1つの位置基準タグTpのみが検出される状態となるまで通信領域20の範囲を縮小する等である。このようにすることで、各ラウンドにおいて確実に1つの位置基準タグTpを検出できるので、適切に代表無線タグを決定することができる。
【0136】
また、上記実施形態では、リーダ1の装置内の記憶手段である不揮発性記憶装置5に対し、CPU4が各無線タグTのタグIDと代表無線タグのタグIDとを対応付けて出力してタグリストとして登録を行うようにしたが、これに限られず、例えばサーバ等のリーダ1の装置外部の記憶手段に登録するようにしてもよい。この場合、リーダ1と当該外部記憶手段とは例えば無線LAN等の通信回線を介して情報の送受信を行うようにすればよい。
【0137】
また、上記実施形態では、複数のタググループ間の関連付けを、無線タグTの配列順に対応した直前・直後のタググループと関連付けるようにしたが、これに限られない。例えば、直前・直後のタググループではなく、2つ以上前又は2つ以上後のタググループと関連付けてもよい。
【0138】
また、上記実施形態では、リーダ1を移動させつつ、各通信領域内の無線タグTと無線通信を行いグループリストを作成する場合を一例として説明したが、これに限られない。すなわち、例えばリーダ1が所定の位置に固定的に設置された定置型の無線タグ通信装置であり、通信対象である無線タグTの方がベルトコンベア等によって移動する場合にも本発明は適用可能である。
【0139】
また、上記実施形態では、本発明を図書館における書籍の管理に適用した場合を一例として説明したが、本発明の適用場面はこれに限るものではなく、例えば店頭や倉庫における商品・製品・原材料などの在庫管理や、会社内における資産管理等、本発明は種々多様の場面に適用可能である。
【0140】
また、以上既に述べた以外にも、上記実施形態や各変形例による手法を適宜組み合わせて利用しても良い。
【0141】
その他、一々例示はしないが、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。
【図面の簡単な説明】
【0142】
【図1】本発明の一実施形態の無線タグ通信装置の使用態様の一例を表す図である。
【図2】本実施形態のリーダの概略構成を表す構成図である。
【図3】リーダにおけるRF通信制御部の詳細構成を表す機能ブロック図である。
【図4】無線タグ回路素子の機能的構成の一例を表す機能ブロック図である。
【図5】1ラウンド中に1つの位置基準タグが読める場合の、リーダによるグループ化手順を表す図である。
【図6】1ラウンド中に複数の位置基準タグが読める場合の、リーダによるグループ化手順を表す図である。
【図7】リーダのCPUが実行する制御手順を表すフローチャートである。
【図8】ステップS100の詳細手順を表すフローチャートである。
【符号の説明】
【0143】
1 リーダ(無線タグ通信装置)
3 リーダアンテナ(無線通信手段)
4 CPU
9 RF通信制御部(無線通信手段)
20 通信領域
T 無線タグ
To 無線タグ回路素子
Tp 位置基準タグ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の無線タグの配列に沿って所定範囲の通信領域を順次形成し、各通信領域内の前記無線タグと無線通信を行う無線通信手段と、
前記無線通信手段を介し、各通信領域内の前記無線タグからタグ識別情報を取得する情報取得手段と、
前記情報取得手段を介し前記タグ識別情報を取得した少なくとも1つの前記無線タグの中から代表無線タグを決定する代表タグ決定手段と、
前記代表タグ決定手段で決定した代表無線タグに関連付けて、前記通信領域内の少なくとも1つの前記無線タグを1つのタググループを構成するようにグループ化するグループ化手段と
を有することを特徴とする無線タグ通信装置。
【請求項2】
前記無線通信手段により前記通信領域が順次形成され、前記代表タグ決定手段による代表無線タグの決定及び前記グループ化手段による前記グループ化が行われるのにしたがって、前記通信領域内の各無線タグのタグ識別情報と対応する前記タググループに関する情報とを対応付けて出力する情報出力手段を有する
ことを特徴とする請求項1記載の無線タグ通信装置。
【請求項3】
前記グループ化手段は、
前記代表タグ決定手段による代表無線タグの決定及び前記グループ化手段による前記グループ化が行われるのにしたがって出力される前記情報出力手段の出力結果に基づき、対応する前記代表無線タグが共通する複数の前記無線タグを順次組み入れて、1つのタググループを構築するようにグループ化する
ことを特徴とする請求項2記載の無線タグ通信装置。
【請求項4】
前記代表タグ決定手段は、
1回の前記通信領域の形成時に前記情報取得手段により取得された前記無線タグのタグ識別情報に、予め定められた基準位置に基づき位置を特定可能な位置基準タグのタグ識別情報が含まれていた場合には、前記位置基準タグを代表無線タグとして決定する
ことを特徴とする請求項3記載の無線タグ通信装置。
【請求項5】
前記代表タグ決定手段は、
1回の前記通信領域の形成時に、前記情報取得手段により取得された前記無線タグのタグ識別情報に、前記位置基準タグのタグ識別情報と、前回の前記通信領域の形成時に前記代表タグ決定手段により決定された、前記位置基準タグではない前記代表無線タグのタグ識別情報とが含まれている場合には、前記前回の通信領域の形成時の前記代表無線タグを前記位置基準タグに変更し、
前記グループ化手段は、
前記前回の通信領域の形成時の前記代表無線タグに関連付けられたグループを前記位置基準タグに関連付けられたグループに組み込む
ことを特徴とする請求項4記載の無線タグ通信装置。
【請求項6】
前記代表タグ決定手段は、
1回の前記通信領域の形成時に、前記情報取得手段により取得された前記無線タグのタグ識別情報に、予め定められた基準位置に基づき位置を特定可能な位置基準タグのタグ識別情報が含まれない場合には、前回の前記通信領域の形成時に前記代表タグ決定手段により決定された前記代表無線タグのタグ識別情報が含まれるか否かに応じて、前記代表無線タグを決定する
ことを特徴とする請求項3記載の無線タグ通信装置。
【請求項7】
前記代表タグ決定手段は、
1回の前記通信領域の形成時に前記情報取得手段により取得された前記無線タグのタグ識別情報に、前回の前記通信領域の形成時に前記代表タグ決定手段により決定された前記代表無線タグのタグ識別情報が含まれる場合、当該代表無線タグを今回の前記代表無線タグに決定する
ことを特徴とする請求項6記載の無線タグ通信装置。
【請求項8】
前記代表タグ決定手段は、
1回の前記通信領域の形成時に前記情報取得手段により取得された前記無線タグのタグ識別情報に、前回の前記通信領域の形成時に前記代表タグ決定手段により決定された前記代表無線タグの識別情報が含まれない場合、前記情報取得手段により新たにタグ識別情報を取得された少なくとも1つの前記無線タグの中から今回の前記代表無線タグを決定する
ことを特徴とする請求項6記載の無線タグ通信装置。
【請求項9】
前記代表タグ決定手段は、
前回の前記通信領域の形成時に前記代表タグ決定手段により決定された前記代表無線タグが前記位置基準タグである場合、今回の前記通信領域の形成時に前記代表タグ決定手段により決定された前記代表無線タグに関わらず、前回の代表無線タグを変更せず、
前記グループ化手段は、
前回の代表無線タグに関連付けられたグループに含まれる前記無線タグを今回の代表無線タグに関連付けられたグループへ組み込まない
ことを特徴とする請求項8記載の無線タグ通信装置。
【請求項10】
前記グループ化手段でそれぞれグループ化した複数の前記タググループを、前記無線タグの配列に応じた所定の関連付け因子に基づき関連付けるグループ間関連付け手段
を有することを特徴とする請求項4乃至請求項9のいずれか1項記載の無線タグ通信装置。
【請求項11】
前記グループ間関連付け手段は、
前記代表タグ決定手段により決定された前記代表無線タグが前記位置基準タグでない場合に、当該タググループを他のタググループと関連付ける
ことを特徴とする請求項4乃至請求項10のいずれか1項記載の無線タグ通信装置。
【請求項12】
前記グループ間関連付け手段は、
1回の前記通信領域の形成時にグループ化したタググループと、その直前又は直後の前記通信領域の形成時にグループ化したタググループとを、関連付ける
ことを特徴とする請求項11記載の無線タグ通信装置。
【請求項13】
前記グループ間関連付け手段は、
前記代表タグ決定手段が、前記情報取得手段により新たにタグ識別情報を取得された少なくとも1つの前記無線タグの中から今回の前記代表無線タグを決定した場合に、複数の前記タググループを関連付ける
ことを特徴とする請求項12記載の無線タグ通信装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−147683(P2009−147683A)
【公開日】平成21年7月2日(2009.7.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−322956(P2007−322956)
【出願日】平成19年12月14日(2007.12.14)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】