説明

無線技術を用いた印刷制御システム及びその制御方法、プログラム、プログラムを記憶した記憶媒体、印刷制御装置

【課題】印刷を開始した後、印刷物の出力が続けられるため、ユーザが印刷中に印刷デバイスから離れた場合、印刷を停止することによって、情報漏洩等の危険性を抑止することを目的とする。
【解決手段】携帯端末から基地局を介して受信する無線電波に基づいて、位置検出サーバにて、印刷デバイスの位置に対する携帯端末の位置を特定し、印刷デバイスの位置に対する携帯端末の位置に応じて、印刷デバイスにて印刷実行中の印刷ジョブを停止することが可能な印刷制御システムである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワークを介して、電子データの印刷を行う印刷システムであり、ユーザ端末と、印刷サーバと、印刷デバイスとがネットワークを介して相互に接続されて構成される印刷制御システムに関し、特にセキュリティの仕組みを有する印刷制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ネットワーク技術の進歩により、ネットワークを介して遠隔操作によって、様々な印刷デバイスにおいて、電子データを紙等の印刷物として印刷出力することが可能となり、ユーザによって、印刷デバイスを使用するにあたり、利便性が向上しているが、反面、印刷出力された印刷物の放置や印刷出力先とする印刷デバイスの選択ミス等による企業の機密情報の漏洩の危険性等が高まっている。
【0003】
このような状況を鑑み、従来、印刷出力時に、ユーザによって、ユーザインターフェースを用いて入力されたパスワードを用いる認証や、ICカードを用いた認証等、様々なセキュリティ技術が提案されてきた。
【0004】
例えば、ICカードを用いた認証の方法では、図1のようにシステムを構成し、端末104からの印刷指示によって形成された印刷データを印刷サーバ103で受信すると共に、印刷サーバ103自身に印刷データを蓄積する。
【0005】
そして、ユーザが印刷デバイス101に接続されたカードリーダにICカードをかざした後に、カードリーダで読取られたICカードに記憶されたユーザを識別するためのユーザ識別情報が認証サーバ102へ送信され、認証サーバ102では、送信されたユーザ識別情報を用いてユーザが印刷デバイス101を用いて印刷することが可能か否かに関して認証を行う。
【0006】
認証サーバ102における認証結果において、正当なユーザであることが確認された時は、印刷サーバ103に蓄積した印刷データを印刷デバイス101に送り、印刷デバイス101において、印刷を実行するというものである。
【0007】
この方法であれば、印刷指示を実行したユーザが、印刷デバイス101の付近にいる時に、印刷データが印刷物として印刷出力されるため、印刷出力された印刷物を紛失する危険性が少なくなる。
【0008】
ただし、前述の通り、ICカードを用いた認証方法は有効ではあるが、ユーザは、ICカードをかざすための行為を必要とする等、認証を行うために余分な動作を強いられている。
【0009】
特許文献1には、印刷デバイスに無線で情報の受信を行うことが可能な受信機を設け、更に、ユーザが、無線で情報の送信を行うことが可能な発信機を携帯することで、印刷デバイスにおいて発信機からの情報を受信した時の電波強度に基づいて、ユーザと印刷デバイスとの距離をはかり、ユーザの接近を契機に認証を自動的に行うと共に、印刷デバイスを起動状態とすることで、ユーザが印刷デバイスへ到達した時点で即時に印刷を行うことが可能な方法が公開されている。
【0010】
特許文献1においては、ユーザと印刷デバイスとの距離を用いて認証を行うか否かの判断を行っているが、特許文献2には、無線通信を行う際に生じる電波強度の出力特性を考慮して、ユーザと印刷デバイスとの距離だけでなく発信機の位置を特定する技術が公開されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2008−200898号公報
【特許文献2】特開2005−210656号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかしながら、特許文献1においても、従来のICカードを用いた認証の方法においても、認証を行った後、印刷を開始してしまうと、印刷物の印刷出力が続けられるため、ユーザが、印刷を行っている最中に、印刷デバイスから離れても印刷が停止することはないため、印刷物が放置されることによる情報漏洩の危険性等は依然として残っている。
【0013】
本発明は上記の課題を解決するためになされたものであり、印刷デバイスに対するユーザの位置に応じて、印刷物の印刷出力の制御を行うことができる印刷制御装置及びその制御方法、印刷制御システム、プログラム、及び記録媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記の目的を達成するための第一の発明は、携帯端末から基地局を介して受信する無線電波に基づいて前記携帯端末の位置を特定する位置検出サーバ、ユーザを一意に識別するためのユーザ識別情報を含む印刷ジョブを形成し、印刷サーバへ送信するクライアント端末、印刷出力を行うための印刷デバイス、及び前記携帯端末を識別するための携帯端末識別情報と前記ユーザ識別情報を予め記憶管理すると共に前記携帯端末識別情報と前記ユーザ識別情報に対応付けて前記印刷ジョブを記憶管理する前記印刷サーバがネットワークを介して接続された印刷制御システムであって、前記位置検出サーバは、前記携帯端末の位置及び予め定めた印刷デバイスの位置から定まる前記印刷デバイスに対する前記携帯端末の変位に応じて位置変更情報を前記印刷サーバへ送信する位置変更情報送信手段を備え、前記印刷サーバは、前記位置変更情報送信手段によって送信された位置変更情報を受信する位置変更情報受信手段と、前記位置変更情報受信手段によって受信した位置変更情報に基づいて、前記携帯端末の携帯端末識別情報に対応する印刷ジョブの印刷を停止させることを表す停止情報を送信する停止情報送信手段と、を備え、前記印刷デバイスは、前記停止情報送信手段によって送信された停止情報を受信する停止情報受信手段と、前記停止情報受信手段によって受信した停止情報から前記印刷ジョブを停止する停止手段と、を備えたことを特徴とする。
【0015】
上記の目的を達成するための第二の発明は、クライアント端末から受信したユーザを一意に識別するためのユーザ識別情報を含む印刷ジョブを印刷する印刷デバイスにおいて、携帯端末を識別するための携帯端末識別情報と前記ユーザ識別情報とを予め記憶管理すると共に前記携帯端末識別情報と前記ユーザ識別情報に対応付けて前記印刷ジョブを記憶管理する印刷デバイス識別情報記憶手段と、前記携帯端末から受信する無線電波に基づいて前記印刷デバイスに対する前記携帯端末の距離を特定する印刷デバイス位置特定手段と、前記印刷デバイス位置特定手段によって特定した携帯端末の距離に関する変位に応じて前記携帯端末に対応する前記印刷デバイス識別情報記憶手段に記憶された印刷ジョブを停止する印刷デバイスジョブ停止手段と、を備えることを特徴とする印刷デバイスである。
【0016】
上記の目的を達成するための第三の発明は、携帯端末から基地局を介して受信する無線電波に基づいて前記携帯端末の位置を特定する位置検出サーバ、ユーザを一意に識別するためのユーザ識別情報を含む印刷ジョブを形成し、印刷サーバへ送信するクライアント端末、印刷出力を行うための印刷デバイス、及び前記携帯端末を識別するための携帯端末識別情報と前記ユーザ識別情報を予め記憶管理すると共に前記携帯端末識別情報と前記ユーザ識別情報に対応付けて前記印刷ジョブを記憶管理する前記印刷サーバがネットワークを介して接続された印刷制御方法であって、前記位置検出サーバは、前記携帯端末の位置及び予め定めた印刷デバイスの位置から定まる前記印刷デバイスに対する前記携帯端末の変位に応じて位置変更情報を前記印刷サーバへ送信する位置変更情報送信工程を備え、前記印刷サーバは、前記位置変更情報送信工程によって送信された位置変更情報を受信する位置変更情報受信工程と、前記位置変更情報受信工程によって受信した位置変更情報に基づいて、前記携帯端末の携帯端末識別情報に対応する印刷ジョブの印刷を停止させることを表す停止情報を送信する停止情報送信工程と、を備え、前記印刷デバイスは、前記停止情報送信工程によって送信された停止情報を受信する停止情報受信工程と、前記停止情報受信工程によって受信した停止情報から前記印刷ジョブを停止する停止工程と、を備えたことを特徴とする印刷制御方法である。
【0017】
上記の目的を達成するための第四の発明は、携帯端末から基地局を介して受信する無線電波に基づいて前記携帯端末の位置を特定する位置検出サーバ、ユーザを一意に識別するためのユーザ識別情報を含む印刷ジョブを形成し、印刷サーバへ送信するクライアント端末、印刷出力を行うための印刷デバイス、及び前記携帯端末を識別するための携帯端末識別情報と前記ユーザ識別情報を予め記憶管理すると共に前記携帯端末識別情報と前記ユーザ識別情報に対応付けて前記印刷ジョブを記憶管理する前記印刷サーバがネットワークを介して接続された印刷制御システムとして機能させるプログラムであって、前記位置検出サーバは、前記携帯端末の位置及び予め定めた印刷デバイスの位置から定まる前記印刷デバイスに対する前記携帯端末の変位に応じて位置変更情報を前記印刷サーバへ送信する位置変更情報送信手段を備え、前記印刷サーバは、前記位置変更情報送信手段によって送信された位置変更情報を受信する位置変更情報受信手段と、前記位置変更情報受信手段によって受信した位置変更情報に基づいて、前記携帯端末の携帯端末識別情報に対応する印刷ジョブの印刷を停止させることを表す停止情報を送信する停止情報送信手段と、を備え、前記印刷デバイスは、前記停止情報送信手段によって送信された停止情報を受信する停止情報受信手段と、前記停止情報受信手段によって受信した停止情報から前記印刷ジョブを停止する停止手段、として機能することを特徴とするコンピュータで読取り可能なプログラムである。
【0018】
上記の目的を達成するための第五の発明は、第四の発明のコンピュータで読取り可能なプログラムを記録したコンピュータで読取り可能な記録媒体である。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、印刷デバイスに対するユーザの位置によって、印刷出力の停止等の印刷デバイスの制御を行うことができるので、印刷物が印刷デバイスに放置されることによる情報の漏洩等の危険性を軽減できる、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】従来のICカードを用いた認証の方法を適用した印刷制御システムのシステムの概略構成を示す構成図である。
【図2】本発明の実施形態に係る印刷制御システムのシステムの概略構成を示す構成図である。
【図3】本発明の実施形態に係る複数拠点に展開した印刷制御システムのシステムの概略構成を示す構成図である。
【図4】本発明の実施形態に係る管理サーバ、印刷サーバ、位置検出サーバ、及びユーザ端末のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図5】本発明の実施形態に係る印刷デバイスのハードウェア構成を示すブロック図である。
【図6】本発明の実施形態に係る携帯端末のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図7】本発明の実施形態に係る基地局のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図8】本発明の実施形態に係るエリアに対する説明のための概念図である。
【図9】本発明の実施形態に係る印刷デバイスと携帯端末との距離の算出方法の説明のための概念図である。
【図10】本発明の実施形態に係る位置ステータスの変化についての説明のための概念図である。
【図11】本発明の実施形態に係る管理サーバで管理されるユーザ管理マスタのデータの構造図である。
【図12】本発明の実施形態に係る管理サーバで管理される拠点マスタのデータの構造図である。
【図13】本発明の実施形態に係る管理サーバで管理される拠点内情報のデータの構造図である。
【図14】本発明の実施形態に係る管理サーバで管理される拠点内印刷デバイスマスタのデータの構造図である。
【図15】本発明の実施形態に係る印刷サーバで管理される印刷ジョブ管理テーブルのデータの構造図である。
【図16】本発明の実施形態に係る印刷サーバで管理される印刷デバイス状態管理テーブルのデータの構造図である。
【図17】本発明の実施形態に係る印刷サーバで管理される携帯端末ID管理テーブルのデータの構造図である。
【図18】本発明の実施形態に係る位置検出サーバで管理される基地局位置管理テーブルのデータの構造図である。
【図19】本発明の実施形態に係る位置検出サーバで管理される印刷デバイス位置管理テーブルのデータの構造図である。
【図20】本発明の実施形態に係る位置検出サーバで管理される通知対象携帯端末テーブルのデータの構造図である。
【図21】本発明の実施形態に係る位置検出サーバで管理される携帯端末位置ステータス保存テーブルのデータの構造図である。
【図22】本発明の実施形態に係る位置検出サーバで管理される携帯端末位置ステータス変更通知のデータの構造図である。
【図23】本発明本発明の実施形態に係る印刷サーバ、管理サーバ、端末、位置検出サーバ、及び印刷デバイスが備えたソフトウェアの構成図である。
【図24】本発明の実施形態に係るドライバカスタマイズモジュールを表すフローチャートである。
【図25】本発明の実施形態に係る拠点の一覧が表示される拠点一覧画面を表す構成図である。
【図26】本発明の実施形態に係る所属拠点のユーザの一覧が表示されるユーザ一覧画面を表す構成図である。
【図27】本発明の実施形態に係る印刷ジョブ受付モジュールを表すフローチャートである。
【図28】本発明の実施形態に係る通知対象管理モジュールを表すフローチャートである。
【図29】本発明の実施形態に係る位置検出モジュールを表すフローチャートである。
【図30】本発明の実施形態に係る印刷デバイス指示モジュールを表すフローチャートである。
【図31】本発明の実施形態に係る印刷デバイス制御モジュールを表すフローチャートである。
【図32】本発明の実施形態に係る印刷デバイスソフトウェアを表すフローチャートである。
【図33】本発明の実施形態に係る印刷デバイスの操作パネルに表示されるジョブ一覧画面を表す構成図である。
【図34】本発明の実施形態に係る問い合わせ応答モジュールを表すフローチャートである。
【図35】本発明の実施形態に係る印刷ジョブ転送受付モジュールを表すフローチャートである。
【図36】本発明の実施形態に係る管理情報配信モジュールを表すフローチャートである。
【図37】本発明の実施形態に係る管理情報更新モジュールを表すフローチャートである。
【図38】本発明の実施形態に係る印刷デバイス更新モジュールを表すフローチャートである。
【図39】本発明の実施形態に係る印刷デバイス位置更新モジュールを表すフローチャートである。
【図40】本発明の第2の実施形態に係る印刷制御システムの概略を示す構成図である。
【図41】本発明の第3の実施形態に係るユーザ管理マスタのデータの構造図である。
【図42】本発明の第3の実施形態に係る従来のICカードを用いた認証の方法を適用した印刷デバイスのフローチャートである。
【図43】本発明の第4の実施形態に係る拠点内印刷デバイスマスタのデータの構造図である。
【図44】本発明の第4の実施形態に係る印刷デバイス位置管理テーブルのデータの構造図である。
【図45】本発明の実施形態に係る印刷デバイスにおいて印刷ジョブの印刷中止を待機してから中止に至るまでの時間を記憶置管理するテーブルのデータの構造図である。
【図46】本発明の実施形態に係る印刷デバイスの印刷中止を行うモジュールを表すフローチャートである。
【図47】本発明の実施形態に係る印刷デバイスにて印刷する文書が重要機密情報であるのか通常の文書であるのかをユーザに選択させるための重要度選択画面の構成の一例を表す構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0068】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0069】
図1は、従来の記録媒体(以下、ICカード)を用いた認証方法の仕組みを持った印刷制御システムの仕組みを示す図である。
【0070】
ユーザが、端末104が備えたユーザインタフェース(不図示)を用いて印刷指示を行うと、印刷データが形成され、印刷サーバ103へ形成した印刷データが送信され、送信された印刷データを印刷サーバ103が受信し、印刷サーバ103自身に印刷データが蓄積される。
【0071】
印刷デバイス101は、カードリーダを備えており、ユーザが、ICカードをカードリーダに対してかざすと、ICカードに記憶されたユーザを識別するためのユーザ識別情報が、認証サーバ102に送信され、認証サーバ102において、ユーザの正当性が確認できた時に、印刷サーバ103に蓄積されていた印刷データが、印刷デバイス101に送信され、送信された印刷データを印刷デバイス101が受信した後に、印刷デバイス101において印刷が実行されるというものである。
【0072】
なお、ICカードによりユーザの正当性を確認することにより、印刷物が印刷デバイスに放置されることによる情報漏洩等の危険性を回避することが、この仕組みの目的である。
【0073】
本発明では、この仕組みを基本としながら、ICカード確認作業の省略と印刷出力だけでなく印刷出力の一時停止、再開、完全停止等の動作を含むことにより、よりセキュリティの改善された仕組みを提供する。
〔第1の実施形態〕
【0074】
図2は、本発明の第1の実施形態に係る印刷制御システムの概略構成を示すシステム構成図である。
【0075】
印刷制御システムは、印刷デバイス201、管理サーバ202、印刷サーバ203、位置検出サーバ204、端末205、基地局206、及び携帯端末207から構成され、印刷デバイス201、管理サーバ202、印刷サーバ203、位置検出サーバ204、及び端末205は、ネットワーク208を介して接続されている。
【0076】
尚、図2のネットワーク208上に接続される端末、印刷デバイス、サーバの構成は一例であり、用途や目的に応じて様々な構成例があることは言うまでもない。
【0077】
印刷デバイス201は、印刷を実行するための装置である。図2では、印刷デバイス201Aと印刷デバイス201Bの2つの印刷デバイスを図示しているが、印刷デバイスの数は、目的や拠点の規模により異なる。印刷デバイス201は、ネットワーク208を介して、印刷サーバ203から送られてくる印刷データを印刷物として印刷出力することができ、またユーザが印刷デバイス201自体に搭載された操作部508を用いて、印刷の操作を行うことも可能である。
【0078】
管理サーバ202は、ネットワーク208を介して、各サーバ、印刷デバイス201、及び端末205と接続され、互いにデータの送受信が可能である。図1の認証サーバ102の役割に近いが、ユーザの認証のみならず、本実施形態に係る印刷制御システムを制御するために必要なあらゆるデータを管理している。
【0079】
印刷サーバ203は、ネットワーク208を介して、各サーバ、印刷デバイス201、及び端末205と接続され、互いにデータの送受信が可能である。図1の印刷サーバ103の役割に近いが、後述する本実施形態に係る独自のソフトウェアによる印刷制御を行うものである。
【0080】
位置検出サーバ204は、ネットワーク208を介して、各サーバ、印刷デバイス201、及び端末205と接続され、互いにデータの送受信が可能である。また、後述する本実施形態に係る独自のソフトウェアにより携帯端末207の位置の検出を行うものである。
【0081】
端末205は、印刷指示を行うユーザが使用するクライアント端末である。ユーザ数や拠点の規模に応じて台数は変化する。端末205は、ネットワーク208を介して、各サーバ及び印刷デバイス201とデータの送受信が可能である。
【0082】
基地局206は、携帯端末207から受信した無線電波を位置検出サーバ204に送信する役割をもっている。基地局206は、ケーブルを通じて位置検出サーバ204の外部インターフェースに接続されている。
【0083】
基地局206は、既知の技術である電波強度と三点測量による携帯端末207の位置を検出するために利用する。そのため基地局206は、十分に離れた最低3ヶ所に設置する必要がある。
【0084】
携帯端末207は、ユーザが常時携帯するものであり、携帯端末をユニークに識別する携帯端末識別情報を含んだ内容を電波で発信し続けるものである。本実施形態では、ブルートゥースの様な無線通信方法を想定している。
【0085】
図3は、図2に示される印刷制御システムを複数拠点に展開した場合のイメージである。各拠点に図2に示すようなシステム構成を有する印刷制御システムを構築し、拠点間をネットワークで接続する。そして、特定の拠点には全拠点の情報を管理するための全体管理サーバ301を設置する。
【0086】
このシステム構成によれば、例えば、拠点Aのユーザが、拠点Bのユーザが受け取るべき印刷物を拠点Aの端末で印刷指示をして、拠点Bの印刷デバイスに印刷出力させたり、拠点Aのユーザが、拠点Cに出張するにあたり、事前に印刷物を拠点Aから拠点Cの印刷デバイスに印刷出力の指示を与えることが可能となる。
【0087】
なお、図3では3つの拠点を示しているが、拠点数はこの限りではない。
【0088】
以下、図4を用いて、図2に示した端末205、管理サーバ202、印刷サーバ203、位置検出サーバ204、及び全体管理サーバ301に適用可能な情報処理装置のハードウェア構成について説明する。
【0089】
図4は、図2に示した端末205、管理サーバ202、印刷サーバ203、位置検出サーバ204、及び全体管理サーバ301に適用可能な情報処理装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【0090】
図4において、401はCPUで、処理の実行に際して必要なプログラム等をROM402あるいは外部メモリ411からRAM403にロードして、ロードしたプログラムを実行することで各種動作を実現し、システムバス404に接続される各デバイスやコントローラを統括的に制御する。
【0091】
また、ROM402あるいは外部メモリ411には、CPU401の制御プログラムであるBIOS(Basic Input/Output System)やオペレーティングシステムプログラム(以下、OS)や、各サーバ或いは各PCの実行する機能を実現するために必要な後述する各種プログラム等が記憶されている。403は、RAMで、CPU401の主メモリ、ワークエリア等として機能する。
【0092】
また、405は入力コントローラで、キーボード(KB)409や不図示のマウス等のポインティングデバイス等からの入力を制御する。406はビデオコントローラで、CRTディスプレイ(CRT)410等の表示器への表示を制御する。なお、図2では、CRT410と記載しているが、表示器は、CRT410だけでなく、液晶ディスプレイ等の他の表示器であってもよい。これらは必要に応じて管理者が使用するものである。
【0093】
なお、CPU401は、例えばRAM403内の表示情報用領域へアウトラインフォントの展開(ラスタライズ)処理を実行することにより、CRT410上での表示を可能としている。また、CPU401は、CRT410上の不図示のマウスカーソル等でのユーザ指示を可能とする。
【0094】
407はメモリコントローラで、ブートプログラム、各種のアプリケーション、フォントデータ、ユーザファイル、編集ファイル、各種データ等を記憶するハードディスク(HD)や、フレキシブルディスク(FD)、或いはPCMCIAカードスロットにアダプタを介して接続されるコンパクトフラッシュ(登録商標)メモリ等の外部メモリ411へのアクセスを制御する。
【0095】
408は通信I/Fコントローラで、ネットワーク(例えば、図2に示したLAN208)を介して外部機器と接続・通信するものであり、ネットワークでの通信制御処理を実行する。例えば、TCP/IPを用いた通信等が可能である。
【0096】
412は外部インターフェースで、例えばUSB(Universal Serial Bus)などの統一規格に基づいて外部機器をケーブル接続し、外部機器との通信を行う。
【0097】
本発明を実現するための後述する各種プログラムは、外部メモリ411に記録されており、必要に応じてRAM403にロードされることによりCPU401によって実行されるものである。さらに、上記プログラムの実行時に用いられる定義ファイル及び各種情報テーブル等も、外部メモリ411に格納されており、これらについての詳細な説明も後述する。
【0098】
次に、図5を用いて、図2に示した印刷デバイス201を制御するコントローラユニット516のハードウェア構成について説明する。
【0099】
図5は、図2に示した印刷デバイス201が備えるコントローラユニット516のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【0100】
図5において、516はコントローラユニットで、画像入力デバイスとして機能するスキャナ部514や、画像出力デバイスとして機能するプリンタ部512と接続する一方、LAN(例えば、図2に示したLAN208)や公衆回線網(WAN)(例えば、PSTNまたはISDN等)と接続することで、画像データやデバイス情報の入出力を行う。
【0101】
コントローラユニット516において、501はCPUで、システム全体を制御するプロセッサである。502はRAMで、CPU501が動作するためのシステムワークメモリであり、プログラムを記録するためのプログラムメモリや、画像データを一時記録するための画像メモリでもある。
【0102】
503はROMで、システムのブートプログラムや各種制御プログラムが格納されている。504はハードディスクドライブ(HDD)で、印刷制御システムを制御するための各種プログラム、画像データ等を格納する。
【0103】
507は操作部インタフェース(操作部I/F)で、操作部508とのインタフェースである。また、操作部I/F507は、操作部508から入力したキー情報(例えば、スタートボタンの押下)をCPU501に伝える役割をする。
【0104】
505はネットワークインタフェース(Network I/F)で、ネットワーク(LAN)に接続し、データの入出力を行う。506はモデム(MODEM)で、公衆回線網に接続し、FAXの送受信等のデータの入出力を行う。
【0105】
518は外部インタフェース(外部I/F)で、USB、IEEE1394、プリンタポート、RS−232C等の外部入力を受け付けるI/F部である。例えば、ICカードの読み取り用のカードリーダ519が外部I/F部518に接続されている。そして、CPU501は、この外部I/F518を介してカードリーダ519によるICカードからの情報読み取りを制御し、ICカードから読み取られた情報を取得可能である。以上のデバイスがシステムバス509上に配置される。
【0106】
520はイメージバスインタフェース(IMAGE BUS I/F)であり、システムバス509と画像データを高速で転送する画像バス515とを接続し、データ構造を変換するバスブリッジである。
【0107】
画像バス515は、PCIバスまたはIEEE1394で構成される。画像バス515上にはイメージバスインタフェース520に加えて、ラスタイメージプロセッサ(RIP)510と、プリンタインタフェース(プリンタI/F)511と、スキャナインタフェース(スキャナI/F)513と、画像処理部517とが配置される。
【0108】
510はラスタイメージプロセッサ(RIP)で、例えば、PDLコード等のベクトルデータをビットマップイメージに展開する。511はプリンタインタフェース(プリンタI/F)で、プリンタ部512とコントローラユニット516を接続し、画像データの同期系/非同期系の変換を行う。また、513はスキャナインタフェース(スキャナI/F)で、スキャナ部514とコントローラユニット516を接続し、画像データの同期系/非同期系の変換を行う。
【0109】
517は画像処理部で、入力画像データに対し補正、加工、編集を行ったり、プリント出力画像データに対して、プリンタの補正、解像度変換等を行ったりする。また、これに加えて、画像データの回転や、多値画像データに対してはJPEG、2値画像データに対してはJBIG、MMR、MH等の圧縮伸張処理を行う。
【0110】
スキャナ部514は、原稿となる紙上の画像を照明し、CCDラインセンサで走査することで、ラスタイメージデータとして電気信号に変換する。原稿用紙を原稿フィーダのトレイにセットし、装置使用者が操作部508から読み取り起動指示することにより、CPU501がスキャナ部514に指示を与え、原稿フィーダは原稿用紙を1枚ずつフィードし原稿画像の読み取り動作を行う。
【0111】
プリンタ部512は、ラスタイメージデータを用紙上の画像に変換する部分である。その方式は感光体ドラムや感光体ベルトを用いた電子写真方式、微少ノズルアレイからインクを吐出して用紙上に直接画像を印字するインクジェット方式等があるが、どの方式でも構わない。プリント動作の起動は、CPU501からの指示によって開始する。なお、プリンタ部512には、異なる用紙サイズまたは異なる用紙向きを選択できるように複数の給紙段を持ち、それに対応した用紙カセットがある。
【0112】
操作部508は、LCD表示部を有し、LCD表示部の上にはタッチパネルシートが貼られている。LCD表示部は、システムの操作画面を表示するとともに、表示してあるキーが押されるとその位置情報を操作部I/F507を介してCPU501に伝える。また、操作部508は、各種操作キーとして、例えば、スタートキー、ストップキー、IDキー、リセットキー等を備える。
【0113】
尚、LCD表示部はプリンタによって表示性能が異なり、タッチパネルを介して操作をできるプリンタ、単に液晶画面を備え文字列を表示(印刷状態や印刷している文書名の表示)させるだけのプリンタ、あるいは表示部を持たず、操作キーのみ有するプリンタ等があるが、どの方式でも構わない。
【0114】
ここで、操作部508のスタートキーは、原稿画像の読み取り動作を開始する時などに用いる。スタートキーの中央部には、緑と赤の2色LEDがあり、その色によってスタートキーが使える状態にあるかどうかを示す。また、操作部508のストップキーは、稼働中の動作を止める働きをする。また、操作部508のIDキーは、使用者のユーザIDを入力する時に用いる。リセットキーは、操作部508からの設定を初期化する時に用いる。
【0115】
カードリーダ519は、CPU501からの制御により、ICカードに記憶されている情報を読み取り、読み取った情報を外部I/F518を介してCPU501へ通知する。読取方法は、非接触型としても、接触型としても構わない。また、本実施形態では読取手段としてカードリーダを外付けとする構成について説明するが、読取手段をプリンタ本体に設ける構成等でもよい。
【0116】
以上のような構成によって、印刷デバイス500は、カードリーダ519を介してICカードから読み取った情報やスキャナ部514から読み込んだ画像データをLANを介して送信したり、LANを介して受信した印刷データをプリンタ部512により印刷出力したりすることができる。
【0117】
また、スキャナ部514から読み込んだ画像データをモデム506により、公衆回線網を介してFAX送信したり、公衆回線網を介してFAX受信した画像データをプリンタ部512により出力したりすることができる。
【0118】
なお、本発明の第1の実施形態においてはスキャナ部514、カードリーダ519、モデム506は必ずしも必要ではない。
【0119】
次に、図2に示される携帯端末207及び基地局206のハードウェア構成について説明する。
【0120】
図6は、図2に示した携帯端末207のハードウェア構成を示すブロック図である。
【0121】
図6に示す携帯端末207においては、無線で電波を発信する発信部601を備える。このときの無線電波はブルートゥースの規格に準拠する。
【0122】
本発明においては、発信部601を備えていれば十分であるが、利用する携帯端末として携帯電話やPDA(Personal Digital Assistant)を利用する場合は、この他に多くの機能を備えている。
【0123】
図7は、図2に示した基地局206のハードウェア構成を示すブロック図である。
【0124】
図7に示す基地局206においては、無線電波を受信する受信部621を備え、携帯端末207が発信した電波を受信し、電波信号に含まれる情報を、外部インターフェース622を介して、位置検出サーバ204に送信する。外部インターフェース622は、USB等の共通規格のものが使われる。
【0125】
次に、本発明の重要な用語である「エリア」と「位置ステータス」についてその意味を、図8を用いて説明する。
【0126】
印刷デバイス201を中心に、当該印刷デバイス201からの一定の距離の範囲を「エリア」と呼ぶ。また、印刷デバイス201に近接し、ユーザが印刷デバイス201の操作を可能とする領域を「近接したエリア」と呼び、例えば、印刷デバイス201からの距離が、1メートル程度の範囲内を想定している。
【0127】
前述の「近接したエリア」よりも印刷デバイス201に対して外側の範囲内で、印刷デバイス201に用のある、あるいは使用中のユーザが留まると思われる範囲内を「近めのエリア」と呼び、例えば、印刷デバイス201からの距離が、1〜5メートル程度の範囲内を想定している。
【0128】
また、拠点内(すなわち基地局206により電波を検知できる範囲内)において、印刷デバイス201に対して、前述の「近めのエリア」よりも外側の範囲を「離れたエリア」と呼ぶ。
【0129】
また、拠点外(すなわち基地局206により電波を検知できない範囲)を「エリア外」と呼ぶ。
【0130】
ここで示した各エリアの範囲の大きさは目安であり、実際の運用に合わせて各エリアの大きさを調節することは可能である。
【0131】
携帯端末207が印刷デバイス201に対して、どこのエリアに存在するかを表す情報を「位置ステータス」と呼び、本実施形態では、例えば、携帯端末207が「近接したエリア」に存在するとき、位置ステータスは「ON」と定義する。
【0132】
また、携帯端末207が「近めのエリア」に存在するとき、位置ステータスは「Near」、携帯端末207が「離れたエリア」に存在するとき、位置ステータスは「Far」、携帯端末207が「エリア外」に存在するとき、もしくは携帯端末207の電源がオフになっているとき、位置ステータスは「OFF」とそれぞれ定義する。
【0133】
さらに、携帯端末207を持ったユーザが移動するに際して、ユーザが存在するエリアから異なるエリアへ移動した時(つまり印刷デバイス201に対する携帯端末207の位置の変位に応じて)、「位置ステータスが変化した」として本実施形態では位置変更情報を表現する。
【0134】
次に、携帯端末207の位置ステータスを判断する方法について、図9を用いて説明する。
【0135】
図9は、印刷デバイス201と携帯端末207との距離を測定して、位置ステータスを判断する仕組みを表す概念図である。
【0136】
印刷デバイス201の位置が既知であった場合、拠点の特定位置を原点として定め(以下、原点とする)、その原点に対する印刷デバイス201の座標(X2、Y2)を定数として設定することが可能となる。
【0137】
前述した三点測量法により、基地局が受け取った電波に従って、携帯端末207の位置座標が(X1、Y1)であると確認できたとき、印刷デバイス201と携帯端末207との距離Rは、801に示す三平方の定理により計算式で求めることができる。
【0138】
「近接したエリア」を、印刷デバイス201からの最大距離をr1、「近めのエリア」を、印刷デバイス201からの最大距離をr2としたとき、”R>r2”の場合、携帯端末207は、「離れたエリア」に存在するため、位置ステータスは「Far」であると判断でき、”R<=r2かつR>r1”のときは、携帯端末207は、「近めのエリア」に存在するため、位置ステータスは「Near」であると判断でき、”R<=r1”の場合は、携帯端末207は、「近接したエリア」に存在するため、位置ステータスは「ON」であると判断できる。
【0139】
また、基地局206が携帯端末207の電波を受信できず、距離Rの値を特定できない場合は、携帯端末207は「エリア外」に存在すると判断し、位置ステータスは「OFF」であると判断できる。
【0140】
次に、位置ステータスの変化について、図10を用いて説明する。
【0141】
図10は、携帯端末207を持ったユーザが移動した際の位置ステータスの変化を説明するための例を示した概念図である。
【0142】
図10では、印刷デバイス201Aと印刷デバイス201Bの2つの印刷デバイス201があり、一部で両印刷デバイス201の「近めのエリア」が重複しているという環境を表した一例である。
【0143】
この環境において、携帯端末207が位置(1)にあるとき、どちらの印刷デバイス201からも「離れたエリア」にあたるので、携帯端末207の位置ステータスは、印刷デバイス201Aに対して「Far」であり、印刷デバイス201Bに対して「Far」であると定義される。
【0144】
携帯端末207を持ったユーザが、位置(1)から位置(2)へ移動したとき、どちらの印刷デバイス201からも「近めのエリア」にあたるので、携帯端末207の位置ステータスは、印刷デバイス201Aに対して「Near」に変化し、印刷デバイス201Bに対して「Near」に変化したと定義される。
【0145】
携帯端末207を持ったユーザが、位置(2)から位置(3)へ移動したとき、印刷デバイス201Aに対して「近接したエリア」にあたり、印刷デバイス201Bに対しては「離れたエリア」にあたるので、携帯端末207の位置ステータスは、印刷デバイス201Aに対して「ON」に変化し、印刷デバイス201Bに対して「Far」に変化したと定義される。
【0146】
このように携帯端末207の位置ステータスの変化を確認することで、後述の印刷デバイス201の制御に応用することができる。
【0147】
次に、各サーバで管理するデータについて、図11〜図22を用いて説明する。
【0148】
図11〜図14は、管理サーバ202において管理されるデータの構造図である。
【0149】
図11は、印刷デバイス201を利用することが可能なユーザに関する情報を登録したユーザ管理マスタに関するデータの構造図である。ユーザ管理マスタは、管理サーバ202のハードディスク411に保存されている。
【0150】
ユーザ管理マスタを構成するユーザID1001は、ユーザを一意に識別することが可能なユニークなID情報である。
【0151】
ユーザ名1002は、ユーザの名前を示しており、端末205や印刷デバイス201の画面(CRT410、操作部508)において、ユーザが視覚的に識別するための情報である。
【0152】
所属拠点ID1003は、ユーザが所属している拠点を特定することが可能な拠点を識別するためのユニークなID情報を表している。図3に示すように、複数拠点において本印刷制御システムが運用される際に拠点ごとに、固有のIDが設定される。
【0153】
携帯端末ID1004は、ユーザが所持する携帯端末207が固有に持っているユニークなIDからなる携帯端末識別情報である。通常、一人のユーザが一つの携帯端末207を所持するため、ユーザIDと携帯端末IDとは、1対1の関係になる。
【0154】
図12は、図3に示される各拠点に関する情報を登録した拠点マスタに関するデータの構造図である。拠点マスタは、管理サーバ202のハードディスク411に保存されている。
【0155】
拠点ID1021は、拠点を特定することが可能なユニークなID情報である。
【0156】
拠点名1022は、拠点を表す名前であり、ユーザが端末205や印刷デバイス201の画面(CRT410、操作部508)で拠点を視覚的に識別するための情報である。
【0157】
管理サーバURL1023は、拠点にある管理サーバ202の宛先情報であるURL(Uniform Resource Locator)情報であり、各拠点にある管理サーバ202にアクセスする際に必要な情報である。
【0158】
図13は、拠点内にある各サーバに関する情報を含んで記憶するファイルを表している。このファイルは、管理サーバ202のハードディスク411に保存されている。
【0159】
管理サーバアドレス1041は、拠点内から管理サーバ202にネットワーク208経由でアクセスする際に必要な管理サーバ202を特定するためのIP(Internet Protocol)アドレスである。
【0160】
位置検出サーバアドレス1042は、拠点内から位置検出サーバ204にネットワーク208経由でアクセスする際に必要な位置検出サーバ204を特定するためのIPアドレスである。
【0161】
印刷サーバアドレス1043は、拠点内から印刷サーバ203にネットワーク208経由でアクセスする際に必要な印刷サーバ203を特定するためのIPアドレスである。
【0162】
図14は、拠点内における各印刷デバイス201に関する情報を登録した拠点内印刷デバイスマスタのデータの構造図である。拠点内印刷デバイスマスタは、管理サーバ202が備えたハードディスク411に保存されている。
【0163】
印刷デバイスID1061は、印刷デバイス201を特定することが可能なユニークなID情報である。
【0164】
印刷デバイスアドレス1062は、拠点内から印刷デバイス201にネットワーク208経由でアクセスする際に必要な印刷デバイス201のIPアドレスである。
【0165】
位置座標1063は、拠点内で特定した原点に対する印刷デバイス201の位置を2次元座標の値で表した数値である。
【0166】
図15〜図17、図45は、印刷サーバ203において管理されるデータの構造図である。
【0167】
図15は、印刷ジョブに関する印刷ジョブ情報や印刷データを管理するための印刷ジョブ管理テーブルのデータの構造図である。印刷ジョブ管理テーブルは、印刷サーバ203が備えたハードディスク411に保存されている。
【0168】
ジョブID(PK)1101は、印刷ジョブを特定することができるユニークなID情報である。
【0169】
ユーザID1102は、この印刷ジョブ情報に従って、印刷出力することが可能な権限を持ったユーザを一意に識別するためのID情報である。
【0170】
ユーザ名1103は、ユーザID1102から特定されるユーザの名前を表している。
【0171】
携帯端末ID1104は、ユーザID1102から特定されるユーザが所持する携帯端末207が固有に持っているユニークなIDからなる携帯端末識別情報である。
【0172】
印刷ステータス1105は、この印刷ジョブの現在の状態を示す情報である。例えば、状態を示すものとして、印刷が開始されていない「印刷待ち」、印刷が実行中のときの「印刷中」、印刷を一時的に止めている「印刷一時停止」、印刷が終わったときの「印刷完了」等がある。
【0173】
印刷済Imp数1106は、印刷の最小単位であるインプレッションの数のうち、印刷が終了したインプレッションの数を記憶する項目である。
【0174】
インプレッションとは、片面印刷においては、ページと同じであるが、両面印刷においては表裏のページの組み合わせのことである。
【0175】
その他印刷属性1107は、実際にはいくつかの項目からなっており、日付等、本発明とは直接関係のない情報をまとめて表現したものである。
【0176】
ジョブデータ1108は、実際に印刷出力される印刷データであり、全てのインプレッションが連なったものである。
【0177】
重要度1109は、この印刷ジョブが重要機密書類か通常の書類かを区別するためのフラグであり、「重要」と「通常」の2種類のステータスのうちのどちらかを設定する項目である。
【0178】
図16は、印刷デバイス201ごとの実行状態を管理するための印刷デバイス状態管理テーブルのデータの構造図である。印刷デバイス状態管理テーブルは、印刷サーバ203が備えたハードディスク411に保存されている。
【0179】
このテーブルは、印刷デバイス201の実行状態が変化すると更新されるが、その方法は、印刷デバイス201が実行状態の変化を通知する方式、印刷サーバ203から定期的に実行状態を問い合わせる方式あるいは両方式の併用のいずれでもかまわない。
【0180】
印刷デバイスID1121は、拠点内で印刷デバイス201を特定することができるユニークなID情報である。
【0181】
印刷デバイスアドレス(PK)1122は、印刷デバイス201と通信を行うために必要な印刷デバイス201のネットワーク208上でのIPアドレスである。
【0182】
ステータス1123は、印刷デバイス201の現在の実行状態を示す情報であり、例えば、何も行っていない「アイドル」状態、印刷ジョブ情報及び印刷データを受信し、受信した印刷ジョブ情報及び印刷データを蓄積した「ジョブ蓄積」状態、操作部508に印刷ジョブの一覧を表示している「ジョブ表示中」状態、印刷を実行している「印刷実行中」状態、印刷を一時的に停止している「印刷一時停止」状態、全ての印刷ジョブ情報に対する印刷データの印刷出力が完了したときの「全印刷完了」状態、印刷中止を保留する「中止待機」状態等がある。
【0183】
1124は、現在、印刷デバイス201が印刷ジョブ情報を蓄積または印刷を行っている印刷ジョブ情報に対して印刷出力可能なユーザを一意に識別するためのID情報である。
【0184】
実行中ジョブID1125は、ステータス1123が、印刷実行中の印刷ジョブを特定するためのID情報である。
【0185】
図17は、現在、印刷ジョブ管理テーブルの携帯端末ID1104に含まれている携帯端末IDの一覧を管理するための携帯端末ID管理テーブルのデータの構造図である。携帯端末ID管理テーブルは、印刷サーバ203が備えたハードディスク411に保存されている。
【0186】
携帯端末ID1141は、携帯端末207を特定するためのユニークなIDからなる携帯端末識別情報である。
【0187】
カウント1142は、当該携帯端末207が、印刷ジョブ管理テーブルに登録されているレコード件数である。
【0188】
図45は、中止待機状態にある印刷デバイスを管理するための印刷中止指示テーブルのデータの構造図である。印刷中止指示テーブルは、印刷サーバ203が備えたハードディスク411に保存されている。
【0189】
印刷デバイスID4501は、拠点内で印刷デバイス201を特定することができるユニークなID情報であり、印刷デバイス状態管理テーブルにおいてステータス1123が「中止待機」になっているものを各レコードに記録する。
【0190】
待機開始時刻4502は、印刷デバイス201のステータス1123が「中止待機」になった時間を記録する項目である。
【0191】
待機時間4503は、印刷デバイス201のステータス1123が「中止待機」になる状態をどのくらいの時間継続するかを示す数値である。この数値はあらかじめ固定した所定時間でかまわない。
【0192】
図18〜図22は、位置検出サーバ204において管理されるデータの構造図である。
【0193】
図18は、原点に対する基地局206の位置座標を管理するための基地局位置管理テーブルのデータの構造図である。基地局位置管理テーブルは、位置検出サーバ204が備えたハードディスク411に保存されている。
【0194】
基地局ID1201は、基地局206を特定するためのユニークなID情報である。
【0195】
位置座標1202は、原点に対する基地局206の位置を2次元座標の値で表した数値である。
【0196】
図19は、原点に対する印刷デバイス201の位置座標を管理するための印刷デバイス位置管理テーブルのデータの構造図である。印刷デバイス位置管理テーブルは、位置検出サーバ204が備えたRAM403に記憶される。図14に示される拠点内印刷デバイスマスタにも同じ情報が含まれているが、印刷デバイス位置管理テーブルは、拠点内印刷デバイスマスタの情報をコピーしたものであり、位置検出サーバ204の備えるソフトウェアの処理の高速化のために用意している。
【0197】
印刷デバイスID(PK)1221は、印刷デバイス201を特定するためのユニークなID情報である。
【0198】
位置座標1222は、原点に対する印刷デバイス201の位置を2次元座標の値で表した数値である。
【0199】
図20は、印刷サーバ203に通知すべき携帯端末207の拠点における位置座標を管理するための通知対象携帯端末テーブルのデータの構造図である。通知対象携帯端末テーブルは、印刷サーバ203からの要求に基づき、位置検出サーバ204に備えたRAM403に記憶される。
【0200】
1241は、無線機能を持つ携帯端末207を特定するためのユニークなIDからなる携帯端末識別情報である。
【0201】
位置座標1242は、原点に対する携帯端末207の位置を2次元座標の値で表した数値である。
【0202】
最終検出時刻1243は、携帯端末207からの無線電波を基地局206が最後に検出した時間を随時更新していくための時刻情報である。
【0203】
図21は、印刷デバイス201に対する携帯端末207の位置ステータスを記憶するための携帯端末位置ステータス保存テーブルのデータの構造図である。携帯端末位置ステータス保存テーブルは、位置検出サーバ204が備えたRAM403に記憶される。
【0204】
携帯端末ID1261は、無線機能を持つ携帯端末207を特定するためのユニークなIDからなる携帯端末識別情報である。
【0205】
印刷デバイスID1262は、位置ステータスの対象となる印刷デバイス201のID情報である。
【0206】
位置ステータス1263は、印刷デバイス201に対する携帯端末207の現在の位置ステータスである。
【0207】
図22は、携帯端末207の位置ステータスが変化したときに印刷サーバ203へ通知するための通知データを記憶する携帯端末位置ステータス変更通知に関するデータの構造図(通信フォーマット)である。位置検出サーバ204が備えたRAM403に記憶され、ネットワーク208を介して、印刷サーバ203に送信される。
【0208】
携帯端末ID1281は、無線機能を持つ携帯端末207を特定するためのユニークなIDからなる携帯端末識別情報である。
【0209】
印刷デバイス数1282は、印刷デバイス201に対応するデータの数を示す。
【0210】
印刷デバイスID1283は、携帯端末207の位置ステータスが変化した印刷デバイス201のID情報であり、印刷デバイス数1282の数値の分だけ繰り返される。
【0211】
位置ステータス1284は、印刷デバイスID1283の印刷デバイス201に対する位置ステータスであり、印刷デバイス数1282の数値の分だけ繰り返される。
【0212】
次に、本発明を実施する際に実行する主なソフトウェア構成について、図23を用いて説明する。
【0213】
図23は、各サーバ、端末205、印刷デバイス201で実行する主なソフトウェアの構成を表す図である。
【0214】
ソフトウェア群1300の枠内にあるソフトウェア1301〜1305は、印刷サーバ203で稼働するソフトウェアであり、印刷サーバ203に備えられたハードディスク411に記憶されている。これらのソフトウェアを実行するには、ハードディスク411に記憶されたソフトウェアを読込んで、RAM403へ記憶させた後に、CPU401によって実行する。
【0215】
印刷ジョブ受付モジュール1301は、端末205または管理サーバ202から送られてくる印刷ジョブを受信して、当該印刷ジョブに対する印刷デバイス201の制御の準備を行うソフトウェアである。
【0216】
印刷デバイス指示モジュール1302は、位置検出サーバ204から受信した携帯端末207の位置ステータスの変化に関する位置変更情報(以下、ステータス変更情報)に基づき、印刷デバイス201に対して位置ステータスの変更に対応する指示を決定するソフトウェアである。
【0217】
印刷デバイス制御モジュール1303は、印刷デバイス201毎に実行される多重起動型のモジュールで、印刷デバイス指示モジュール1302からの命令や印刷デバイス201からのイベント通知に基づいて、印刷デバイス201に印刷出力の指示を送信したり、印刷サーバ203が管理する情報を更新したりするソフトウェアである。
【0218】
印刷デバイス更新モジュール1304は、管理サーバ202から受信した管理情報を基に、印刷サーバ203で管理している印刷デバイス関連の管理情報を更新するためのソフトウェアである。
【0219】
印刷中止指示モジュール1305は、図45で示される印刷中止指示テーブルを定期的に監視して、必要に応じて印刷処理の中止指示を出すためのソフトウェアである。
【0220】
ソフトウェア群1320の枠内にあるソフトウェア1321〜1322は、端末205で稼働するソフトウェアであり、ハードディスク411に記憶されている。これらのソフトウェアを実行するには、ハードディスク411に記憶されたソフトウェアを読込んで、RAM403へ記憶させた後に、CPU401によって実行する。
【0221】
プリンタドライバ1321は、端末205においてユーザからの印刷指示に基づく、印刷命令に従い、印刷ジョブ及び印刷データを生成して印刷サーバ203に送信するソフトウェアであり、本発明独自の機能を含んだドライバカスタマイズモジュール1322を呼び出すインターフェースを備えている。
【0222】
ドライバカスタマイズモジュール1322は、プリンタドライバ1321から呼び出され、印刷ジョブに独自の情報である出力拠点と印刷出力を行うユーザに関するユーザ情報を追加するためのユーザインターフェースを提供するソフトウェアである。
【0223】
ソフトウェア群1340の枠内にあるソフトウェア1341〜1344は、管理サーバ202または全体管理サーバ301で稼働するソフトウェアであり、ハードディスク411に記憶されている。これらのソフトウェアを実行するには、ハードディスク411に記憶されたソフトウェアを読込んで、RAM403へ記憶させた後に、CPU401によって実行する。
【0224】
印刷ジョブ転送受付モジュール1341は、他拠点の印刷デバイス201に印刷出力すべき印刷ジョブ情報及び印刷データを対象の拠点の管理サーバ202に送信したり、他拠点から転送された印刷ジョブ情報及び印刷データを自拠点の印刷サーバ203に送信したりする拠点間の印刷ジョブ情報及び印刷データの送信の中継を行うソフトウェアである。
【0225】
問い合わせ応答モジュール1342は、他のサーバや端末205からの管理情報の問い合わせに対し、管理サーバ202が記憶管理する管理情報を返信するソフトウェアである。
【0226】
管理情報更新モジュール1343は、全体管理サーバ301から更新対象となる管理情報が送信されてきたときに、送信された管理情報に基づいて、管理サーバ202が記憶管理する管理情報を更新するソフトウェアである。
【0227】
管理情報配信モジュール1344は、全体管理サーバ301に備えられているソフトウェアであり、各拠点の管理サーバ202に対して、全体管理サーバ301が記憶管理している管理情報を配信するためのソフトウェアである。
【0228】
ソフトウェア群1360の枠内にあるソフトウェア1361〜1363は、位置検出サーバ204で稼働するソフトウェアであり、ハードディスク411に記憶されている。これらのソフトウェアを実行するには、ハードディスク411に記憶されたソフトウェアを読込んで、RAM403へ記憶させた後に、CPU401によって実行するソフトウェアである。
【0229】
位置検出モジュール1361は、各基地局206が検知した無線電波を基に、各携帯端末207の位置を求め、各携帯端末207と印刷デバイス201との位置関係から位置ステータスを決定し、位置ステータスに変化があった場合は、印刷サーバ203に位置ステータスの変更通知を行うソフトウェアである。
【0230】
通知対象管理モジュール1362は、印刷サーバ203からの要求に基づいて、特定の携帯端末IDを通知対象にしたり、通知対象から外したりするソフトウェアである。
【0231】
印刷デバイス位置更新モジュール1363は、管理サーバ202から管理情報を受信し、印刷デバイス201の位置に変更があった場合、位置検出サーバ204で管理している管理情報を更新するソフトウェアである。
【0232】
ソフトウェア群1380の枠内にあるソフトウェア1381は、印刷デバイス201で稼働するソフトウェアであり、ハードディスク504に記憶されている。これらのソフトウェアを実行するには、ハードディスク411に記憶されたソフトウェアを読込んで、RAM502へ記憶させた後に、CPU501によって実行するソフトウェアである。
【0233】
印刷デバイスソフトウェア1381は、印刷サーバ203やユーザからの印刷指示に基づいて、印刷デバイス201の動作を制御するためのソフトウェアである。
【0234】
尚、前述の主なソフトウェアの詳細な動作については、後述のフローチャートを用いて詳細に説明する。
【0235】
次に、本発明を実施する際に実行するソフトウェアの動作フローについて、図24〜図26を用いて説明する。
【0236】
図24は、端末205で動作するドライバカスタマイズモジュール1322を表すフローチャートである。本フローチャートにおける各処理ステップは、端末205が備えているCPU401の制御下の元に処理が実行される。
【0237】
ドライバカスタマイズモジュール1322は、ユーザが、端末205が備えているCRT410から電子文書の印刷指示入力行ったときに起動するプリンタドライバから呼び出されて実行される。
【0238】
まず、ステップ1401では、ユーザが印刷出力先の拠点を指定する意思があるかを確認する。具体的な方法としては、ダイアログボックスなどのユーザインターフェースによりユーザに選択をさせたり、あるいは事前に設定情報として決めたりしておくことでもよい。確認の結果、印刷出力拠点を指定すると判断した場合は、ステップ1402へ、指定しないと判断した場合は、ステップ1403へと進む。
【0239】
ステップ1402では、管理サーバ202に対して拠点の一覧を要求取得する。管理サーバ202では、端末205から拠点の一覧要求を受信した後、問い合わせ応答モジュール1342が、拠点マスタ(図12参照)から全てのレコードの拠点ID1021と拠点名1022を返信する。
【0240】
ステップ1404では、受信した全ての拠点名1022を図12で示される拠点一覧画面の拠点一覧リスト1441にリスト表示する。
【0241】
ステップ1405では、ユーザによって、拠点一覧リスト1441にリスト表示された拠点の一覧から印刷出力を実行したい拠点名に対してマウス等のユーザインタフェース(不図示)によって選択され、かつ選択ボタン1442が押下されたか否かを判定する。
【0242】
ステップ1403では、ステップ1401において、ユーザが、印刷出力拠点を指定しなかったことから印刷出力拠点を空白と判断する。空白の場合は、自拠点での印刷出力を意味するものとする。
【0243】
次に、ステップ1406では、ユーザが、印刷出力を実行するユーザを指定する意思があるかを確認する。具体的な方法としては、ダイアログボックス等のユーザインターフェースにより、ユーザに選択をさせたり、あるいは、事前に設定情報として決めたりしておくことでもよい。確認の結果、印刷出力を実行するユーザが指定されたと判断した場合は、ステップ1407へ、指定されていないと判断した場合は、ステップ1408へと進む。
【0244】
ステップ1407では、管理サーバ202に対して拠点の一覧を要求取得する。管理サーバ202では、端末205から拠点の一覧要求を受信した後、問い合わせ応答モジュール1342が、拠点マスタ(図12参照)から全てのレコードの拠点ID1021と拠点名1022とを返信する。
【0245】
あるいは、ステップ1402において、すでに拠点の一覧を取得していた場合は、改めて要求する必要はないため、ステップ1407では、何もせずに次へ進んでもよい。
【0246】
ステップ1409では、管理サーバ202から受信した全ての拠点名1022を拠点一覧画面の拠点一覧リスト1441(図25参照)にリスト表示する。
【0247】
ステップ1410では、ユーザが、拠点一覧リスト1441にリスト表示される拠点一覧に対して、印刷出力させたいユーザが所属する拠点名に対してマウス等のユーザインタフェース(不図示)を用いて選択し、選択ボタン1442が押下されたことを検知して、所属拠点を確定する。
【0248】
ステップ1411では、管理サーバ202に対してステップ1410において確定した拠点に所属するユーザの一覧を要求取得する。管理サーバ202では、端末205から拠点の一覧要求を受信した後、問い合わせ応答モジュール1342が、ユーザ管理マスタ(図11参照)から受信した拠点に該当する所属拠点ID1003に対応する全てのレコードのユーザID1001とユーザ名1002とを返信する。
【0249】
ステップ1412では、受信した全てのユーザ名1002をユーザ一覧画面のユーザ一覧リスト1461(図26参照)にリスト表示する。
【0250】
ステップ1413では、ユーザによってユーザ一覧リスト1461にリスト表示されるユーザ名から印刷出力させたいユーザ名に対してマウス等のユーザインタフェース(不図示)によって選択され、かつ選択ボタン1462が押下されたか否かを判定する。
【0251】
ステップ1408では、ユーザが印刷出力を実行するユーザを指定しなかったことから印刷出力を実行するユーザは、自身であると判断する。あらかじめ設定しておいた自身のユーザIDを、印刷デバイス201にて印刷出力を実行するユーザとして確定する。
【0252】
ステップ1415では、印刷する文書が重要機密情報であるのか通常の文書であるのかをユーザに選択させるボタンを搭載した重要度選択画面(図47参照)を表示する。
【0253】
ステップ1416では、ユーザによってボタン4701か4702のどちらかに対してマウス等のユーザインタフェース(不図示)によって選択されたかを判定し、これをこの印刷ジョブの重要度と定義する。
【0254】
最後に、ステップ1414では、確定した印刷出力拠点ID、印刷出力するユーザを特定するためのユーザID、印刷する書類の重要度を印刷ジョブ情報に付加し、プリンタドライバに返す。プリンタドライバは、印刷ジョブ情報及び印刷データを印刷サーバ203に送信する。
【0255】
尚、図25は、ドライバカスタマイズモジュール1322が表示する拠点一覧画面のイメージ図である。
【0256】
拠点一覧リスト1441には、拠点名が一覧表示され、ユーザが1つの拠点名に対してユーザインタフェース(不図示)を用いて選択することが可能である。
【0257】
選択ボタン1442がユーザによって押下されると選択拠点を確定し、画面を閉じる。キャンセルボタン1443がユーザによって押下されると、拠点一覧リスト1441で選択された拠点名の選択をキャンセルして画面を閉じる。
【0258】
図26は、ドライバカスタマイズモジュール1322が表示するユーザ一覧画面のイメージ図である。
【0259】
ユーザ一覧リスト1461に指定拠点に所属するユーザ名が一覧表示され、ユーザが1つのユーザ名に対してマウス等のユーザインタフェース(不図示)を用いて選択することが可能である。
【0260】
ユーザ一覧リスト1461に表示されたユーザ名が選択された状態で、ユーザによって、選択ボタン1462が押下されると、ユーザが確定され、画面を閉じる。キャンセルボタン1463がユーザによって押下されると、ユーザ一覧リスト1461で選択されたユーザをキャンセルして画面を閉じる。また、ラベル1464には、一覧表示されているユーザが所属する拠点名が表示される。
【0261】
図47は、ドライバカスタマイズモジュール1322が表示する重要度選択画面のイメージ図である。
【0262】
ユーザがボタン4701を押下した際は、当該印刷ジョブの重要度が「通常」であると決定され、ボタン4702を押下した際は、当該印刷ジョブの重要度が「重要」であると決定される。
【0263】
図27は、印刷サーバ203で動作する印刷ジョブ受付モジュール1301を表すフローチャートである。印刷ジョブ受付モジュール1301は、印刷サーバ203で常時動作しており、本フローチャートに示される各ステップは、印刷サーバ203が備えたCPU401の制御下の元に処理が実行される。
【0264】
まず、ステップ1501では、印刷サーバ203に対して外部から印刷ジョブ情報及び印刷データの受信を待機する。印刷ジョブ情報及び印刷データは、自拠点内にある複数の端末205のうちの何れかから送信されるか、他拠点の端末205によって自拠点の管理サーバ202経由で送信されるかの何れかである。
【0265】
ステップ1502では、印刷ジョブ情報及び印刷データの受信を確認し、受信していない場合は、再びステップ1501に戻るが、受信した場合は、ステップ1503に進む。
【0266】
ステップ1503では、印刷ジョブ情報に含まれる印刷出力拠点IDを確認し、この値が自拠点を表すか否かを判定する。判定する方法としては、ステップ1403において、拠点を空白として設定した場合は、自拠点で印刷すべき印刷ジョブ情報及び印刷データであると判断し、ステップ1504に進む。空白でなく、値が設定されている場合は、他拠点に転送すべき印刷ジョブ情報及び印刷データであると判断し、ステップ1506に進む。
【0267】
ステップ1506では、管理サーバ202に対して、印刷出力拠点IDを用いて転送すべき他拠点の管理サーバ202のURL情報の問い合わせを行うと、管理サーバ202の問い合わせ応答モジュール1342の処理により、指定した他拠点の管理サーバ202のURL情報を、印刷出力拠点IDに該当する拠点マスタ(図12参照)の拠点ID1021に対応する管理サーバURL1023より取得する。
【0268】
ステップ1507では、取得したURL情報に対して、HTTP等のインターネットプロトコルを利用して、印刷ジョブ情報及び印刷データの転送先である他拠点の管理サーバ202へ送信する。他拠点の管理サーバ202では、送信された印刷ジョブ情報及び印刷データに対して、印刷ジョブ転送受付モジュール1341で対応する。
【0269】
次に、自拠点で印刷する場合のステップ1504において、受信した印刷ジョブ情報及び印刷データを印刷ジョブ管理テーブル(図15参照)に記憶する。この時点では、携帯端末ID1104は、不明なので空白となっている。
【0270】
ステップ1505では、管理サーバ202にステップ1504において受信した印刷ジョブ情報に含まれるユーザIDに対応する携帯端末IDを問い合わせる。管理サーバ202では、問い合わせ応答モジュール1342の処理により、問い合わせをしたユーザIDに該当するユーザID1001に対応する携帯端末ID1004をユーザ管理マスタ(図11参照)より取得する。取得した携帯端末IDは、印刷ジョブ管理テーブル(図15参照)の携帯端末ID1104に記憶する。
【0271】
次に、ステップ1508では、図17に示される携帯端末ID管理テーブルを照合して、ステップ1505で取得した携帯端末IDがテーブルに登録されているかを確認し、登録されている場合は、ステップ1511へ進み、登録されていない場合は、ステップ1509へ進む。
【0272】
ステップ1511では、すでに登録されている携帯端末ID管理テーブル(図17参照)に記憶されたステップ1505で取得した携帯端末IDに対応するカウント1142の数値をインクリメントする。この数値は、この携帯端末IDを有する携帯端末207によって印刷指示された印刷ジョブが、印刷ジョブ管理テーブルに存在する個数を示すことになる。
【0273】
ステップ1509では、携帯端末ID管理テーブルに、ステップ1505で取得した携帯端末IDのレコードを記憶する。その際、カウント1142の値を1に設定する。
【0274】
最後に、ステップ1510では、ステップ1505で取得した携帯端末IDを追加要求する情報を位置検出サーバ204に送信する。これは、この携帯端末IDを持つ携帯端末207の位置の変化を位置検出サーバ204から知らせてもらえるようにするためである。位置検出サーバ204では、通知対象管理モジュール1362で携帯端末IDを追加要求する情報を受信する。
【0275】
図28は、位置検出サーバ204で動作する通知対象管理モジュール1362を表すフローチャートである。位置検出サーバ204で常時動作している。本フローチャートの各ステップは、位置検出サーバ204が備えたCPU401の制御下の元に処理される。
【0276】
まず、ステップ1601では、印刷サーバ203から携帯端末IDの追加または削除要求に関する情報の受信を待機する。
【0277】
ステップ1602では、携帯端末IDの追加または削除の要求に関する情報の受信を確認し、受信していない場合は、再び、ステップ1601に戻るが、受信していた場合で、追加要求であった場合は、ステップ1603に進み、削除要求であった場合は、ステップ1605に進む。
【0278】
ステップ1603では、通知対象携帯端末テーブル(図20参照)に、追加要求で指定された携帯端末IDに対応するレコードを記憶する。このとき新規のレコードの携帯端末ID1241に追加要求された携帯端末IDを記憶し、位置座標1242と最終検出時刻1243とは、空白とする。
【0279】
ステップ1604では、印刷デバイス位置管理テーブル(図19参照)に記憶される全印刷デバイス201に、追加要求された携帯端末IDに関連付けた各レコードを携帯端末位置ステータス保存テーブル(図21参照)に記憶する。例えば、印刷デバイス位置管理テーブルに6レコードの印刷デバイスIDが記憶されていた場合は、携帯端末位置ステータス保存テーブルにも、追加要求された1つの携帯端末IDに対応付けて印刷デバイスIDが、6レコード記憶される。
【0280】
このとき、携帯端末ID1261には、6レコードとも要求された携帯端末IDを記憶し、印刷デバイスID1262には、印刷デバイスID1221に記憶されていた6通りの印刷デバイスIDをそれぞれ記憶し、記憶した携帯端末IDに対応する位置ステータス1263は、空白とする。
【0281】
これにより、要求された携帯端末IDを持つ携帯端末207の位置ステータスの変化を印刷サーバ203に通知する準備が完了したことになる。
【0282】
次に、ステップ1602において削除要求が来た場合、ステップ1605において、通知対象携帯端末テーブル(図20参照)から削除要求で指定された携帯端末IDに対応するレコードを削除する。
【0283】
ステップ1606では、携帯端末位置ステータス保存テーブル(図21参照)から、削除要求で指定された携帯端末IDに対応するレコードを全て削除する。すなわち、要求された携帯端末IDを持つレコードが携帯端末位置ステータス保存テーブルに6レコードあった場合は、この6レコードが削除される。
【0284】
これにより、削除要求された携帯端末IDを持つ携帯端末207の位置ステータスの変化を印刷サーバ203に通知するのをやめることになる。
【0285】
図29は、位置検出サーバ204で動作する位置検出モジュール1361を表すフローチャートであり、位置検出サーバ204で常時動作している。本フローチャートにおける各ステップは、位置検出サーバ204が備えたCPU401の制御下の元に処理される。
【0286】
まず、ステップ1701では、定期的な時間間隔が経過するまで待機する。この間隔は携帯端末207の移動を認識しなければならないため、秒単位以下の短い間隔である。
【0287】
ステップ1702では、一定の時間間隔の経過を感知したらステップ1703へ進み、そうでなければステップ1701へ戻る。
【0288】
ステップ1703では、各基地局206で検知した複数の携帯端末IDとその電波強度のその時点での全ての情報(スナップショット)を取得する。これらの情報は、絶えず変化し続けているが、この瞬間の状態を処理の対象とするために取得するものである。
【0289】
ステップ1704では、スナップショットで取得した情報のうち、今回処理すべきなのは、通知対象携帯端末テーブル(図20参照)に登録されている携帯端末IDを持つものであるため、通知対象携帯端末テーブルのレコードを1件ずつ照合していく処理を開始する。
【0290】
最初は、先頭のレコードを取得していき、ループ処理によってステップ1704からステップ1714が繰り返されるたびに次のレコードを取得し処理を実行する。こうして全てのレコードを取得して、処理すべきレコードがなくなった場合は、ステップ1701に戻り、次の時間になるまで待機する。処理すべきレコードが存在する限りは、ステップ1705へ進む。
【0291】
ステップ1705では、今回処理対象とするレコードの携帯端末ID1241がスナップショット中に存在するかを確認する。存在する場合は、基地局206で検知できるエリア内に携帯端末207が存在することとなり、適切な処理をするためにステップ1707に進む。存在しない場合は、基地局206で検知できるエリア内に携帯端末207が存在しないこととなり、適切な処理をするためにステップ1706に進む。
【0292】
ステップ1706では、対象レコードに対応する最終検出時刻1243と現在時刻を比較して、あらかじめ定めた有効期限の時間を超えていれば、携帯端末207が完全に基地局206で検知できるエリアから離脱したと判断して、適切な処理をするためにステップ1709に進む。有効期限の時間を超えていなければ、一時的(瞬間的)な離脱にすぎないと判断して未処理のままステップ1704に戻り、次のレコードの処理に進む。
【0293】
ステップ1707では、三点測量と電波強度を基にした既知の方法によって携帯端末207の位置座標を特定する。既知の技術によれば、基地局3ヶ所以上で検知した携帯端末207からの電波強度と基地局206の位置座標から携帯端末207の位置座標を算出することができる。
【0294】
ステップ1708では、通知対象携帯端末テーブル(図20参照)の携帯端末ID1241が、今回位置座標を算出した携帯端末IDに該当するレコードに対応する位置座標1242に算出した携帯端末の位置座標を記憶し、最終検出時刻1243に現在の時刻を記憶する。
【0295】
ステップ1709では、本ステップから携帯端末位置ステータス保存テーブル(図21参照)の各レコードを順次処理するループを開始する。処理の対象となるレコードは、携帯端末ID1261が、今回処理対象としている携帯端末207の携帯端末IDに該当するレコードに対して、レコード1件ずつ処理する。順次処理する間は、ステップ1710へ進み、対象となる全てのレコードの処理が終了した場合は、ステップ1711へ進む。
【0296】
ステップ1710では、今回処理しているレコードの印刷デバイスID1262に対応する印刷デバイスの位置座標を印刷デバイス位置管理テーブル(図19参照)の位置座標1222より取得する。
【0297】
この位置座標と今回検出した携帯端末207の位置座標を基に、801を用いて説明した三平方の定理に基づく計算により、印刷デバイス201に対する携帯端末207が現在位置しているエリアを求める。
【0298】
現在位置しているエリアが、近接したエリアの場合は、今回の位置ステータスをONと定義し、近めのエリアの場合は、今回の位置ステータスをNearと定義し、離れたエリアの場合は、今回の位置ステータスをFarと定義する。
【0299】
本ステップに推移する際、ステップ1706において最終検出時刻を超えて携帯端末207の位置の検出が出来なかった場合は、携帯端末207の現在位置が、エリア外であると判断し、今回の位置ステータスをOFFと定義する。前述した今回の位置ステータスは、位置検出サーバ204が備えたRAM403へ記憶される。
【0300】
ステップ1712では、位置ステータス1263の値とRAM403へ記憶された今回の位置ステータスの値に違いがあるかを確認し、違いがある場合は、印刷サーバ202へ通知を行うため、ステップ1713へ進み、違いがない場合は、印刷デバイス201に対しては、通知の必要がないため、次の印刷デバイス201の処理のために、ステップ1709に戻る。
【0301】
ステップ1713では、位置ステータス1263を今回の位置ステータスで更新する。これによって最新の位置ステータスが記憶される。
【0302】
ステップ1714では、携帯端末位置ステータス変更通知(図22参照)に対して、印刷デバイスID1283と位置ステータス1284とを記憶(上書きではなく新規フィールドの追加)し、印刷デバイス数1282の数値を1増加させる。
【0303】
もし、携帯端末位置ステータス変更通知自体が存在していなかった場合は、生成を行い、携帯端末ID1281に携帯端末IDを記憶し、印刷デバイス数1282の値は1とし、印刷デバイスID1283と位置ステータス1284とを対応付けて記憶する。
【0304】
これで、レコード1件分の処理が終わり、ステップ1709へ戻り、次のレコードの処理を行う。
【0305】
ステップ1711では、全てのレコードに対する処理が終了し、携帯端末位置ステータス変更通知(図22参照)に記憶されたデータを表すステータス変更情報を印刷サーバ203に送信する。
【0306】
その後、ステップ1704に戻り、次のレコードに対して処理を実行する。尚、印刷サーバ203は、印刷デバイス指示モジュール1302で位置検出サーバ204から送信されたステータス変更情報を受信する。
【0307】
図30は、印刷サーバ203で動作する印刷デバイス指示モジュール1302を表すフローチャートであり、印刷サーバ203において常時動作している。本フローチャートにおける各ステップは、印刷サーバ203が備えるCPU401の制御下において処理される。
【0308】
まず、ステップ1801では、位置検出サーバ204からステータス変更情報が送信されるのを待機する。
【0309】
ステップ1802では、ステータス変更情報を受信した場合、ステップ1803へ進み、受信しない場合は、ステップ1801に戻る。
【0310】
ステップ1803では、ステータス変更情報に含まれる携帯端末IDに該当する携帯端末ID1104に対応するレコード全てを印刷ジョブ管理テーブル(図15参照)から取得し、レコードのリストを生成する。
【0311】
ステップ1804では、ステータス変更情報に含まれる印刷デバイスID1283と位置ステータス1284との組み合わせを1件ずつ順次処理するループを開始する。処理すべき組み合わせがある場合は、ステップ1805に進み1件ずつ処理を行い、全ての組み合わせに対して処理が終了した場合は、ステップ1801へ戻り、待機状態となる。
【0312】
ステップ1805では、処理を実行する印刷デバイスID1283と位置ステータス1284との組み合わせをステータス変更情報から取得する。
【0313】
ステップ1806では、処理を実行する印刷デバイスID1283に該当する印刷デバイス状態管理テーブル(図16参照)の印刷デバイスID1121に対応するステータス1123を取得する。
【0314】
ステップ1807では、処理を実行する印刷デバイスID1121に対応する位置ステータス1284の値により3通りに分岐する。すなわち、位置ステータス1284が、ONのときは、ステップ1808へ進み、位置ステータス1284が、Nearのときは、ステップ1809へ進み、位置ステータス1284が、FarもしくはOFFのときは、ステップ1810へ進む。
【0315】
ステップ1808では、位置ステータス1284が、ONのときの処理へ進む前に、今回初めてONの印刷デバイス201の処理を実行するか否かを確認する。
【0316】
ONの場合は、印刷を開始するが、複数の印刷デバイス201で同じ印刷ジョブを印刷することはないため、ここまでのループ内の処理において、すでにこのステップでONの印刷デバイス201の処理を行っている場合は、何もせずにステップ1804に戻り、次の組み合わせの処理へ進む。今回初めてONの印刷デバイス201の処理を行うと判断される場合は、ステップ1815へ進む。
【0317】
ステップ1815では、当該印刷デバイスの印刷デバイス状態管理テーブルのステータス1123の値を判定し、「中止待機」以外のときはステップ1811へ進み、「中止待機」のときは1816へ進む。
【0318】
ステップ1816では、携帯端末207の位置が印刷デバイスに接近したことから、印刷を中止する必要が無くなったという判断により、印刷中止テーブル(図45)から当該印刷デバイスのレコードを削除し、ステータス1123の値を「中止待機」から「印刷一時停止」に変更する。
【0319】
ステップ1811では、印刷デバイス制御モジュール1303に対して印刷開始指示を送信する。印刷デバイス制御モジュール1303は、管理サーバ202に備えられた拠点内印刷デバイスマスタ(図14参照)の印刷デバイスID1061を有する印刷デバイス毎にプロセスが起動しているため、複数のプロセスが存在している。このとき、印刷指示を出す対象となるプロセスは、処理を実行する印刷デバイスID1283と同じ印刷デバイスIDに対応するプロセスである。
【0320】
ステップ1809では、処理を実行する印刷デバイスID1121に対応する位置ステータス1284が、Nearであった場合に実行する処理へ進むが、このとき、印刷デバイスID1121に対応するステータス1123が「印刷実行中」または「中止待機」以外であった場合は、携帯端末207の位置がFarまたはOFFからNearへと近づいたと判断し、印刷の準備のためにステップ1812へ進む。
【0321】
また、印刷デバイスID1121に対応するステータス1123が「印刷実行中」であった場合は、携帯端末207の位置がONからNearへと遠ざかったと判断し、印刷を一時停止するためにステップ1813へ進む。
【0322】
また、印刷デバイスID1121に対応するステータス1123が「中止待機」であった場合は、携帯端末207の位置がFarまたはOFFからNearへと近づいたと判断し、中止待機を解除するためにステップ1817へ進む。
【0323】
尚、一時停止するのは印刷実行中の印刷ジョブが今回遠ざかった携帯端末207を所持するユーザのものであった場合に限るので、印刷ジョブ管理テーブルのユーザID1102と印刷デバイス状態管理テーブルのユーザID1124が一致していた場合にのみ一時停止を実施する。
【0324】
ステップ1812では、印刷デバイス制御モジュール1303に対して印刷準備指示を送信する。ステップ1811と同様に処理を実行する印刷デバイスID1283と同じ印刷デバイスIDに対応するプロセスに指示を出す。
【0325】
ステップ1813では、印刷デバイス制御モジュール1303に対して印刷一時停止指示を送信する。ステップ1811と同様に処理を実行する印刷デバイスIDと同じ印刷デバイスIDに対応するプロセスに指示を出す。
【0326】
ステップ1817では、印刷中止テーブル(図45)から当該印刷デバイスのレコードを削除し、ステータス1123の値を「中止待機」から「印刷一時停止」に変更する。
【0327】
ステップ1810では、処理を実行する印刷デバイスID1121に対応する位置ステータス1284が、FarまたはOFFである場合の処理へ進むが、この時、印刷デバイスID1121に対応するステータス1123が「印刷実行中」または「印刷一時停止」である場合は、携帯端末207の位置がNearからFarまたはOFFへと遠ざかったと判断し、印刷中止のために、ステップ1818へ進む。
【0328】
なお、一時停止するのは印刷実行中のジョブが今回遠ざかった携帯端末207を所持するユーザのものであった場合に限るので、印刷ジョブ管理テーブルのユーザID1102と印刷デバイス状態管理テーブルのユーザID1124が一致していた場合にのみ一時停止を実施する。
【0329】
印刷デバイス201のステータス1123に記憶されたデータが「印刷実行中」または「印刷一時停止」以外であった場合は、携帯端末207の位置が印刷デバイス201とは離れたままのため、印刷デバイス201を制御する必要がなく、何もせずにステップ1804へ戻り、次の組み合わせの処理へ進む。
【0330】
ステップ1818では、実行中ジョブID1125を元に、該当する印刷ジョブのレコードを印刷ジョブ管理テーブルからジョブID1101と照合することで検出し、その重要度1109の値を確認して、重要度が「重要」の場合は、すぐに中止したほうがよいという判断から印刷中止指示をするためにステップ1814へ進み、重要度が「通常」の場合は、印刷中止をしばらく保留してもよいという判断から印刷中止を待機するステップ1819へ進む。これにより特に重要でない書類の印刷時は、少々印刷デバイスから離れてもすぐには中止しないため、頻繁な中止処理が発生する恐れを避けることができる。
【0331】
ステップ1814では、印刷デバイス制御モジュール1303に対して印刷停止情報として印刷中止指示を送信する。ステップ1811と同様に処理を実行する印刷デバイスID1283と同じ印刷デバイスIDに対応するプロセスに指示を出す。
【0332】
ステップ1819では、印刷の中止を待機する状態にするために、印刷中止指示テーブル(図45)にレコードを1つ追加し、印刷デバイスID4501には、当該印刷デバイスの印刷デバイスID1121の値を記録し、待機開始時刻4502に現在の時刻を、待機時間4503には待機する時間を入れる。待機する時間は事前に固定した値でよい。
【0333】
図31は、印刷サーバ203で動作する印刷デバイス制御モジュール1303を表すフローチャートであり、印刷サーバ203において印刷デバイスの数だけ多重起動している。本フローチャートにおける各ステップは、印刷サーバ203が備えたCPU401の制御下の元に処理される。
【0334】
管理サーバ202に備えられた拠点内印刷デバイスマスタ(図14参照)の印刷デバイスID1061に記憶された印刷デバイスID毎にプロセスが起動している。
【0335】
本フローチャートについての説明では、複数のプロセスのうちの1つのプロセスに関する説明であり、特定の1つの印刷デバイスを制御するプロセスの動作に対して説明する。他のプロセスは対象となる印刷デバイスが違うだけで動作は全く同じである。
【0336】
まず、ステップ1901では、印刷デバイス指示モジュール1302または印刷デバイス201からの指示やイベントの発生が起こることを待機する。
【0337】
ステップ1902では、指示やイベントの発生が受信できた場合は、後述するステップ1903以降の処理に分岐するが、受信できなかった場合は、ステップ1901に戻り、再び待機状態になる。
【0338】
ステップ1903では、ステップ1902において受信した指示やイベントの発生が、ユーザから印刷デバイス201への実行操作に関する情報であるか否かの判定を行い、実行操作に関する情報である場合は、ステップ1904へ処理を進め、実行操作に関する情報でない場合は、ステップ1905へ処理を進める。
【0339】
実行操作とは、ユーザが直接印刷デバイス201の操作パネルを操作して印刷デバイス201を制御する操作のことである。印刷デバイス201の操作はこれ以外に、印刷サーバ203からの命令による操作がある。
【0340】
ステップ1904では、ステップ1903においてユーザが印刷デバイス201の操作部508を用いて行った印刷の実行指示に従って、印刷デバイス201が動作する。これにより印刷デバイス201のステータスは「印刷実行中」に変化する。
【0341】
印刷処理そのものは、印刷デバイス201側で実行されるため、このモジュールでは、印刷そのものに関する処理は行わない。
【0342】
しかし、このイベントによって、このプロセスに対応する印刷デバイス201が印刷を実行することが確定したため、他の印刷デバイス201で進めていた印刷準備処理がある場合は、全て中止させる必要がある。
【0343】
なお、中止するのは各印刷デバイスで印刷準備中のジョブが今回操作を行ったユーザのものであった場合に限るので、印刷ジョブ管理テーブルのユーザID1102と印刷デバイス状態管理テーブルのユーザID1124が一致していた場合にのみ中止を実施する。
【0344】
そのため、このステップにおいて、このプロセスから、他の全てのプロセスに対して印刷中止指示を送信する。これによりこれらのプロセスに対応する印刷デバイス201のステータスは「アイドル」に変化する。また、これを受信したプロセスは、ステップ1913へ進む。
【0345】
送信した側のプロセスは、この後、ステップ1901に戻り、待機状態となる。
【0346】
ステップ1905では、ステップ1902において受信した指示やイベントの発生が、印刷開始指示であるか否かの判定を行い、印刷開始指示である場合は、ステップ1906へ処理を進め、印刷開始指示でない場合は、ステップ1912へ処理を進める。
【0347】
ステップ1906では、印刷デバイス指示モジュール1302より印刷開始指示を受けたときにここに分岐する。
【0348】
このプロセスが対象とする印刷デバイス201において、すでに印刷準備が済んでいるか否かをステータス1123が「ジョブ蓄積」の状態であるか否かで判断する。
【0349】
すでに印刷準備が済んでいる場合は、印刷準備のための処理が不要なので、ステップ1909へ処理を進めるが、印刷準備が済んでいない場合は、印刷準備を行うために、ステップ1907へ処理を進める。
【0350】
ステップ1907では、印刷がいつでもできるようにウォームアップ等のハードウェア的な印刷準備を印刷デバイス201に対して指示する。
【0351】
ステップ1908では、印刷ジョブ管理テーブル(図15参照)の携帯端末ID1104が、印刷デバイス指示モジュール1302の指示に指定されたものに該当する全てのレコード、つまりジョブID1101、ユーザID1102、ユーザ名1103、その他印刷属性1107、ジョブデータ1108の全てのレコードを印刷デバイス201に送信し、印刷デバイス201の本体側に蓄積させる。これにより印刷デバイス201のステータスは、「ジョブ蓄積」に変化する。
【0352】
ステップ1909では、今回印刷指示を行う携帯端末IDに対応する印刷ステータス1105が、「印刷一時停止」となっているものが無いかあるかで分岐する。無い場合は、ステップ1910へ処理を進め、ある場合は、ステップ1911へ処理を進める。
【0353】
ステップ1910では、蓄積された印刷ジョブの名称などを印刷デバイス201の操作部508に一覧表示する。これにより印刷デバイス201のステータスは、「ジョブ表示中」に変化する。
【0354】
このときユーザは、印刷デバイス201に対し近接したエリアに位置しているので、ユーザの目の前で自動的に表示が行われる状況になる。ステップ1910の処理が終了するとステップ1901に戻り、再び待機状態となる。
【0355】
ステップ1911では、印刷ステータス1105が「印刷一時停止」になっている印刷ジョブをすぐに印刷開始する。このとき、印刷済Imp数1106の値にしたがって、印刷されていないインプレッションから印刷が再開される。
【0356】
つまり、印刷済Imp数が2のときは3番目のインプレッションから印刷が再開される。
【0357】
これにより印刷デバイス201のステータスは「印刷実行中」に変化する。このときユーザは、印刷デバイス201に対し近接したエリアに位置しているので、ユーザの目の前で自動的に印刷が再開される状況になる。
【0358】
ステップ1911の処理が終了するとステップ1901に戻り、再び待機状態となる。
【0359】
ステップ1912では、ステップ1902において受信した指示やイベントの発生が、印刷準備指示であるか否かの判定を行い、印刷準備指示である場合は、ステップ1913へ処理を進め、印刷準備指示でない場合は、ステップ1915へ処理を進める。
【0360】
ステップ1913では、印刷デバイス指示モジュール1302より印刷準備指示を受けたときにここに分岐する。
【0361】
ステップ1913では、印刷がいつでもできるようにウォームアップ等のハードウェア的な準備を印刷デバイス201に対して指示する。
【0362】
ステップ1914では、印刷ジョブ管理テーブル(図15参照)の携帯端末ID1104が、印刷デバイス指示モジュール1302の指示に指定されたものに該当する全てのレコード、つまりジョブID1101、ユーザID1102、ユーザ名1103、その他印刷属性1107、ジョブデータ1108の全てのレコードを印刷デバイス201に送信し、印刷デバイス201の本体側に蓄積させる。
【0363】
これにより印刷デバイス201のステータスは「ジョブ蓄積」に変化する。ステップ1914の処理が終了すると、ステップ1901に戻り、再び待機状態となる。
【0364】
ステップ1915では、ステップ1902において受信した指示やイベントの発生が、印刷中止指示であるか否かの判定を行い、印刷中止指示である場合は、ステップ1916へ処理を進め、印刷中止指示でない場合は、ステップ1917へ処理を進める。
【0365】
ステップ1916では、印刷デバイス指示モジュール1302より印刷一時停止指示を受けたときにここに分岐する。
【0366】
ステップ1916において、このプロセスは、印刷デバイス201に印刷一時停止を指示し、印刷デバイス201は、インプレッションの境界で印刷を一時停止する。
【0367】
印刷ジョブ管理テーブルの印刷を一時停止したジョブID1101に対応する印刷ステータス1105に「印刷一時停止」を設定し、印刷済Imp数1106には、ここまで印刷が済んだインプレッションの数を記憶する。
【0368】
このとき印刷デバイス201のステータス1123には「印刷一時停止」を記憶する。ステップ1916の処理が終了すると、ステップ1901に戻り、再び待機状態となる。
【0369】
ステップ1918では、印刷デバイス指示モジュール1302もしくは印刷デバイス制御モジュール1303より印刷中止指示を受けたときにここに分岐する。
【0370】
ステップ1918において、印刷デバイス201に対し、蓄積したジョブの消去、操作部508における表示内容のクリアを指示する。これにより印刷デバイス201のステータス1123には、「アイドル」が記憶される。ステップ1918の処理が終了すると、ステップ1901に戻り、再び待機状態となる。
【0371】
ステップ1919では、印刷デバイス201で印刷ジョブの印刷が完了するイベントが発生したときにここに分岐する。
【0372】
印刷デバイス201側での印刷ジョブの消去や操作部508における表示内容のクリアは、印刷デバイス201自身で行われるため、このプロセスでは印刷デバイスの制御は行わず、印刷サーバ203で記憶管理されたデータの整理を行う。
【0373】
まず、このステップでは、印刷ジョブ管理テーブル(図15参照)のジョブID1101が、今回完了した印刷ジョブIDと一致するレコードを削除する。印刷が完了したレコードは不要であるために削除を行う。
【0374】
ステップ1920では、携帯端末ID管理テーブル(図17参照)において、今回印刷が完了した印刷ジョブに対応する携帯端末ID1104と一致する携帯端末ID1141に対応するカウント1142の値を1減らす。
【0375】
この値は、携帯端末IDで印刷指示を行うことの可能な印刷ジョブがいくつ残っているかを表している。
【0376】
次に、ステップ1921では、値を減らしたカウント1142の値が、0になったかどうかで分岐する。0になった場合は、この携帯端末IDに対応する印刷ジョブがないので、この携帯端末IDに対応する携帯端末207の位置ステータス変化を位置検出サーバ204から通知してもらう必要がなくなるため、ステップ1922へ処理を進める。0になっていない場合は、通知を継続するため、特に処理をすることなく、ステップ1901に戻り、再び待機状態となる。
【0377】
ステップ1922では、携帯端末ID管理テーブルからカウントの値が0になったレコードを削除する。
【0378】
ステップ1923では、位置検出サーバ204に対して、携帯端末ID管理テーブルから削除した携帯端末IDを指定して、通知対象から削除するように要求を出す。位置検出サーバ204では、通知対象管理モジュール1362において削除要求を受信する。ステップ1923の処理が終了すると、ステップ1901に戻り、再び待機状態となる。
【0379】
図46は、印刷サーバ203で動作する印刷中止指示モジュール1305を表すフローチャートであり、印刷サーバ203において常時動作している。本フローチャートにおける各ステップは、印刷サーバ203が備えるCPU401の制御下において処理される。
【0380】
まず、ステップ4601では、ミリ秒単位の小さな時間間隔だけ待機する。
【0381】
ステップ4602では、印刷中止指示テーブル(図45)のレコードを1件読み込む。このとき読み込むのは、初回は先頭のレコード、2回目以降は前回読み込んだ次のレコードを読み込む。
【0382】
ステップ4603では、ステップ4602ですべてのレコードを読み終わっていた場合は、ステップ4601にもどり、読み終わっていない場合は、現在読み込んでいるレコードを処理するために、ステップ4604へ進む。
【0383】
ステップ4604では、現在読み込んでいる印刷中止指示テーブル(図45)のレコードにおいて、待機開始時刻4502から現在時刻までの時間が、待機時間4503を超えている場合は、中止待機の時間を超えていると判断し、印刷の中止を実行に移すためにステップ4605へ進む。超えていない場合は、まだ待機をつづけるため何もせずにステップ4602へもどる。
【0384】
ステップ4605では、印刷デバイス制御モジュール1303に対して印刷停止情報として印刷中止指示を送信する。当該レコードの印刷デバイスID4501と同じ印刷デバイスIDに対応するプロセスに指示を出す。
【0385】
図32では、印刷デバイス201で動作する印刷デバイスソフトウェア1381を表すフローチャートであり、印刷デバイス201で常時動作している。本フローチャートにおける各ステップは、印刷デバイス201が備えたCPU401の制御下の元に処理される。
【0386】
まず、ステップ2001では、操作部508を介してユーザからの指示や印刷サーバからの指示、または印刷デバイス201自身で発生するイベントの発生を待機する。
【0387】
ステップ2002では、発生した指示やイベントに応じて分岐する。指示またはイベントが発生していない場合は、ステップ2001に戻り、再び待機状態になる。
【0388】
ステップ2003では、ステップ2002において受信した指示やイベントが、表示指示であるか否かの判定を行い、表示指示である場合は、ステップ2004へ処理を進め、表示指示でない場合は、ステップ2005へ処理を進める。
【0389】
ステップ2004では、ユーザの操作や印刷サーバ203からの表示指示があったときに、操作部508にジョブ一覧画面を表示する。この画面については図33を用いて後述する。ジョブ一覧画面を表示した後、ステップ2001に戻り、再び待機状態になる。
【0390】
ステップ2005では、ステップ2002において受信した指示やイベントが、印刷開始系指示であるか否かの判定を行い、印刷開始系指示である場合は、ステップ2006へ処理を進め、表示指示でない場合は、ステップ2007へ処理を進める。
【0391】
ステップ2006では、ユーザの操作や印刷サーバ203からの印刷開始系指示があったときに、印刷の開始や再開を行う。再開を行うのは印刷が途中で停止された印刷ジョブがあった場合で、そのような印刷ジョブがないときは、最初から印刷を実行する。ステップ2006が終了した後、ステップ2001に戻り、再び待機状態になる。
【0392】
ステップ2007では、ステップ2002において受信した指示やイベントが、印刷停止系指示であるか否かの判定を行い、印刷停止系指示である場合は、ステップ2008へ処理を進め、印刷停止系指示でない場合は、ステップ2009へ処理を進める。
【0393】
ステップ2008では、ユーザの操作や印刷サーバからの印刷中止指示があった時、印刷の一時停止や中止を行う。一時停止の場合は、印刷出力を止めて待機するだけであるが、中止の場合は、保持している印刷ジョブの消去や操作部508の表示内容のクリアを行う。ステップ2008の処理が終了すると、ステップ2001に戻り、再び待機状態になる。
【0394】
ステップ2009では、印刷デバイス201自身でイベントが発生したときに対応した動作を行う。印刷完了のイベントが発生した場合は、保持している印刷ジョブの消去や操作部508の表示内容のクリアを行う。ステップ2009の処理が終了すると、ステップ2001に戻り、再び待機状態になる。
【0395】
図33は、印刷デバイス201の操作部508で表示される画面である。操作パネルとも呼ばれる。
【0396】
この画面は、印刷デバイス制御モジュール1303やユーザからの指示により表示される印刷ジョブの一覧を参照することが可能な画面である。
【0397】
表示項目2101は、現在表示されている印刷ジョブの印刷出力を実行することが可能なユーザの名前を表示する。
【0398】
リスト2102は、ユーザが印刷すべき印刷ジョブの一覧である。印刷ジョブの文書名、受付時刻などの属性情報を表示し、ジョブデータそのものは表示しない。
【0399】
ボタン2103は、リスト2102で選択した印刷ジョブの印刷を実行するためのボタンである。
【0400】
ボタン2104は、リスト2102に表示されている全ての印刷ジョブを連続して印刷するためのボタンである。
【0401】
ボタン2105は、印刷中の印刷ジョブを一時停止するためのボタンである。
【0402】
ボタン2106は、印刷を完全に中止するためのボタンである。
【0403】
ボタン2107は、この画面を閉じ、その前に表示していた画面に遷移するためのボタンである。
【0404】
図34は、管理サーバ202で動作する問い合わせ応答モジュール1342を表すフローチャートであり、管理サーバ202において常時動作している。本フローチャートにおける各ステップは、管理サーバ202が備えたCPU401の制御下の元、処理される
【0405】
他のサーバや端末205から図11〜図14で示される管理サーバ202の各情報を要求する場合に、その要求に応じるためのモジュールである。
【0406】
ステップ2201では、他のサーバやユーザ端末からの問い合わせが発生するのを待機する。
【0407】
ステップ2202では、問い合わせが発生した場合は、ステップ2203に進み、発生していない場合は、ステップ2201へ戻り、再び待機状態となる。
【0408】
ステップ2203では、問い合わせに見合った情報を図11〜図14で示されるマスタ等に記憶された情報から取得して、返信する。このとき要求側のデータ指定手段にはSQL(Structured Query Language)などの手法を用いる。ステップ2203の処理が終了すると、ステップ2201へ戻り、再び待機状態となる。
【0409】
図35は、管理サーバ202で動作する印刷ジョブ転送受付モジュール1341を表すフローチャートであり、管理サーバ202において常時動作している。本フローチャートにおける各ステップは、管理サーバ202が備えたCPU401の制御下の元、処理される。
【0410】
ステップ2221では、他拠点の印刷サーバ203や管理サーバ202から印刷ジョブ情報及び印刷データが受信するのを待機する。
【0411】
ステップ2222では、印刷ジョブ情報及び印刷データが受信したと判断したらステップ2223へ進み、受信していないと判断したら、ステップ2221へ戻り、再び待機状態となる。
【0412】
ステップ2223では、受信した印刷ジョブ情報に付加された拠点IDが自拠点のものであるかを確認し、自拠点であればステップ2224へ進み、他拠点であればステップ2225へ進む。
【0413】
ステップ2224では、自拠点の印刷サーバ203に印刷ジョブ情報及び印刷データを転送する。ステップ2224の処理が終了すると、ステップ2221へ戻り、再び待機状態となる。
【0414】
ステップ2225では、自らが管理する拠点マスタ(図12参照)に対して、受信した印刷ジョブ情報に付加された拠点IDに対応する管理サーバURL1023を取得する。
【0415】
ステップ2226では、ステップ2225において取得した管理サーバURL1023に従って、HTTP等のプロトコルにより、印刷ジョブ情報及び印刷データを管理サーバURL1023で指定された他拠点の管理サーバ202に転送する。ステップ2226の処理が終了すると、ステップ2221へ戻り、再び待機状態となる。
【0416】
図36は、全体管理サーバ301で動作する管理情報配信モジュール1344を表すフローチャートである。本フローチャートにおける各ステップは、全体管理サーバ301が備えたCPU401の制御下の元、処理される。
【0417】
管理情報配信モジュール1344は、1つの中心的な拠点にだけ存在する全体管理サーバ301だけのモジュールであり、全体管理サーバ301を操作する管理者によって起動され、処理の終了と同時に停止する。管理情報のメンテナンスを行った後に実行して、全拠点の管理サーバとの情報の同期をとることが目的である。
【0418】
ステップ2241では、ユーザ管理マスタ(図11参照)および拠点マスタ(図12)に記憶された全てのデータ(以下、管理情報)を全ての拠点の管理サーバ202に送信する。送信先の管理サーバ202は、管理情報更新モジュール1343において、送信されたデータを受信する。
【0419】
図37は、管理サーバ202において動作する管理情報更新モジュール1343を表すフローチャートであり、管理サーバ202において常時動作している。本フローチャートにおける各ステップは、管理サーバ202が備えたCPU401の制御下の元、処理される。
【0420】
全体管理サーバ301の管理情報配信モジュール1344が送信する管理情報を受信することが目的である。
【0421】
ステップ2261では、全体管理サーバ301から送信された管理情報の受信を待機する。
【0422】
ステップ2262では、管理情報を受信したと判断した場合は、ステップ2263に進み、受信しない場合は、ステップ2261へ戻り、再び待機状態となる。
【0423】
ステップ2263では、自らが管理するユーザ管理マスタおよび拠点マスタの全データを受信したデータで記憶する。ステップ2263の処理が終了すると、ステップ2261へ戻り、再び待機状態となる。
【0424】
図38は、印刷サーバ203で動作する印刷デバイス更新モジュール1304を表すフローチャートである。本フローチャートにおける各ステップは、印刷サーバ203が備えたCPU401の制御下の元、処理される。
【0425】
印刷デバイス更新モジュール1304は、管理サーバ202において、拠点内印刷デバイスマスタ(図14参照)に記憶された情報がメンテナンスされた後に、各拠点のサーバ管理者によって実行され。管理情報と印刷サーバ203で動作している情報の整合性をとることが目的である。
【0426】
ステップ2301では、管理サーバ202から拠点内印刷デバイスマスタ(図14参照)の全データを取得する。
【0427】
ステップ2302では、印刷デバイス状態管理テーブル(図16参照)に対して、拠点内印刷デバイスマスタ(図14参照)にしか存在してない印刷デバイスIDに対応するレコードを記憶し、拠点内印刷デバイスマスタには存在しないレコードは削除する。
【0428】
レコードを記憶したときは、印刷デバイスID1121には、印刷デバイスID1061の値を記憶し、印刷デバイスアドレス1122には印刷デバイスアドレス1062の値を記憶する。ステータス1123、ユーザID1124、実行中ジョブID1125は、対象の印刷デバイスとの連携の中でセットされるため、ここではセットしない。
【0429】
セットする方法は、印刷サーバ203から印刷デバイス201に定期的に問い合わせる方法、印刷デバイス201から印刷サーバ203に変更を通知する方法、両方の併用が考えられる。
【0430】
ステップ2303では、拠点内印刷デバイスマスタにしかなかった印刷デバイス201に対する印刷デバイス制御モジュール1303のプロセスを新規に起動し、拠点内印刷デバイスマスタにはない印刷デバイス201に対する印刷デバイス制御モジュール1303のプロセスは終了する。
【0431】
図39は、位置検出サーバ204において動作する印刷デバイス位置更新モジュール1363のフローチャートである。本フローチャートにおける各ステップは、位置検出サーバ204が備えたCPU401の制御下の元、処理される。
【0432】
印刷デバイス位置更新モジュール1363は、管理サーバ202において、拠点内印刷デバイスマスタ(図14参照)に記憶されている情報がメンテナンスされた後に、拠点のサーバ管理者によって実行する。管理情報と位置検出サーバ204で動作している情報の整合性をとることが目的である。
【0433】
ステップ2401では、管理サーバ202から拠点内印刷デバイスマスタの全データを取得する。
【0434】
ステップ2402では、印刷デバイス位置管理テーブル(図19参照)で、拠点内印刷デバイスマスタにしかない印刷デバイスIDに対応するレコードを記憶し、拠点内印刷デバイスマスタにはないレコードは削除する。レコードを記憶したときは、印刷デバイスID1221には、印刷デバイスID1061の値を記憶し、位置座標1222には位置座標1063の値を記憶する。
【0435】
ステップ2403では、携帯端末位置ステータス保存テーブル(図21参照)で、拠点内印刷デバイスマスタにしかない印刷デバイスのレコードを携帯端末ID毎に記憶し、拠点内印刷デバイスマスタにはないレコードは削除する。レコードを記憶したときは印刷デバイスID1262には、印刷デバイスID1061の値を記憶し、携帯端末ID1261は、現存するものを1通り記憶する。つまり、携帯端末ID1261の値の種類数の分だけレコードを追加する。位置ステータス1263は空白とする。
【0436】
以上説明したように、本実施形態によれば、携帯端末を所持したユーザの位置によって印刷デバイスを制御させることができ、ユーザが印刷デバイスに接近した際は、印刷ジョブ一覧を操作パネルに表示させ、ユーザが印刷デバイスから離れた際は、印刷を中止するなどの制御により、印刷情報の漏えいのリスクを軽減することができる。
【0437】
また、このシステムを応用すると、印刷先に他拠点を指定することで、ユーザが他拠点に出張するときに予め自拠点で印刷指示をしておき、出張先の印刷デバイスに到着したときに出力するという使い方が可能である。
【0438】
また、別のユーザを出力ユーザに指定することもできるので、他拠点ユーザ向けに印刷指示をして、他拠点のユーザが印刷結果を受け取るという使い方もできるので、この場合、従来電子データをネットワーク経由で電子メールなどの方法で送付して相手に印刷させていたが、これらの手間を省略すると同時に、途中で電子データが漏えいするリスクを回避することができる。
〔第2の実施形態〕
【0439】
本発明に係る第1の実施形態では、各拠点に管理サーバ202と印刷サーバ203とを設置し、印刷ジョブをそれぞれの拠点で管理し、他拠点に対して印刷出力が指示された印刷ジョブは、当該拠点に転送する方法をとっている。
【0440】
本発明に係る第2の実施形態では、管理サーバ202と印刷サーバ203とを中心となる1つの拠点だけに設置し、位置検出サーバ204のみ各拠点に設置する。これにより、印刷ジョブや管理情報を1ヶ所で集中管理することによってユーザの運用効率の向上を図ることができる。拠点数が少なく、拠点間の通信パフォーマンスが十分な環境であれば、第2の実施形態は実現可能である。
【0441】
図40は、第2の実施形態に係る印刷制御システムの概略構成を表す構成図である。
【0442】
拠点Aのみ管理サーバ202、印刷サーバ203、及び位置検出サーバ204を設置し、他拠点には位置検出サーバ204のみを設置するサーバ構成とする。管理サーバ202が全拠点を通じて1つしかないため、全体管理サーバ301は不要である。尚、印刷制御システムにおける印刷ジョブの流れは、以下のように変化する。
【0443】
まず、端末205を発した印刷ジョブは、どこの拠点から発せられても拠点Aの印刷サーバ203に送信される。印刷サーバ203で動作する印刷ジョブ受付モジュール1301では、全ての印刷ジョブを自身で管理するため、転送処理であるステップ1506及びステップ1507は、実行しない。そのため、管理サーバ202の印刷ジョブ転送受付モジュール1341は、不要である。また、管理サーバ202が1つしかないため、管理情報更新モジュール1343及び管理情報配信モジュール1344も不要である。
【0444】
各拠点の位置検出サーバ204が、通信を行う印刷サーバ203や管理サーバ202は、常に拠点Aのものが対象となる。拠点Aが印刷出力指示を出す印刷デバイス201は、自拠点のみならず、全ての拠点の印刷デバイス201が対象となる。
【0445】
以上説明したように、第2の実施形態に係る印刷制御システムによれば、情報を1つの拠点に集約するため、第1の実施形態と比較すると管理コストの低い運用が可能である。拠点間の通信速度や拠点数等の条件に応じて、第1、第2の何れかの実施形態を選択することができる。
〔第3の実施形態〕
【0446】
本発明に係る第1の実施形態または第2の実施形態では、全ての印刷デバイス201が本発明に対応している、すなわち、全ての印刷デバイス201が、印刷デバイスソフトウェア1381を搭載しているものとしていたが、本発明に係る第3の実施形態では、印刷デバイスソフトウェア1381を搭載していない従来のICカードを用いた認証の方法による印刷制御を行う印刷デバイス201が混在している場合での実施形態について説明する。
【0447】
ICカード認証方式の印刷デバイス201に対応するために、図11に示されるユーザ管理マスタのデータの構造を図41に示すように変更する。ユーザID2601、ユーザ名2602、所属拠点ID2603、2604は、図11に示されるユーザID1001、ユーザ名1002、所属拠点ID1003、携帯端末ID1004とそれぞれ同じものである。カードID2605は、カードリーダ519で識別できるID情報で、そのユーザが所持するICカードに記憶されたユーザを一意に識別するためのユーザ識別情報に対応するものである。
【0448】
第3の実施形態においても印刷デバイスソフトウェア1381を搭載している印刷デバイス201に関しては、特に動作に変更はない。但し、ユーザ管理マスタに存在するカードID2605のフィールドは、利用しないこととなる。
【0449】
印刷デバイスソフトウェア1381を搭載していないICカード認証デバイスの場合は、管理サーバ202の拠点内印刷デバイスマスタ(図14参照)において、位置座標1063の値を空白にしておく。
【0450】
これにより、位置検出サーバ204の印刷デバイス位置更新モジュール1363において、位置座標1063の値が、空白の印刷デバイスは、印刷デバイス位置管理テーブル(図19参照)や携帯端末位置ステータス保存テーブル(図21参照)に対し、レコードの追加は行わない。
【0451】
これは、当該印刷デバイス201が印刷デバイスソフトウェア1381を搭載していないため、位置ステータスの変化に対応することができないためテーブルに追加しても意味がないためである。印刷サーバ203においては、当該印刷デバイス201に対する印刷デバイス制御モジュール1303のプロセスは動作させる。
【0452】
印刷デバイスソフトウェア1381を搭載していない印刷デバイスでは、ユーザが印刷デバイス201に接近しても操作パネルのジョブ一覧が自動的に表示されることはないため、ユーザが自分の所持するICカードをカードリーダ519にかざす必要がある。その際の印刷デバイス201での動作を図42に示す。
【0453】
図42は、ICカードをカードリーダ519にかざしたときの印刷デバイス201が備えたソフトウェアの動作を示したフローチャートである。本フローチャートにおける各ステップは、印刷デバイス201が備えたCPU401の制御下の元、処理される。
【0454】
ステップ2621では、カードリーダ519によって読み取ったICカードに記憶されているID情報を管理サーバ202に対して送信して、ユーザIDを要求する。
【0455】
ステップ2641では、管理サーバ202の問い合わせ応答モジュール1342は、ユーザIDの要求を受け取る。
【0456】
ステップ2642では、受け取ったID情報をキーにしてユーザ管理マスタ(図41参照)を検索して、ユーザID2601を取得する。
【0457】
ステップ2643では、取得したユーザID2601または、取得できなかった場合は、その旨を印刷デバイス201へ返信する。
【0458】
ステップ2622では、印刷デバイス201が備えたソフトウェアは、管理サーバ202からユーザIDの要求に対する処理結果を受け取る。
【0459】
ステップ2623では、ユーザIDが取得できたかを確認し、取得した場合は、ステップ2624へ進み、取得できなかった場合は、ステップ2625へ進む。ユーザIDが取得できたことは、すなわち、ユーザの認証成功情報を取得したことを意味し、取得できなかった場合は、認証失敗情報取得したことを意味する。
【0460】
ステップ2624では、ユーザ認証が成功した場合は、印刷サーバ203に印刷ジョブの一覧を要求する。印刷サーバ203は、当該印刷デバイス201に対応する印刷デバイス制御モジュール1303のプロセスで要求を受け対応する。以後、印刷デバイス201でのユーザ操作への対応は同様にして行われる。
【0461】
ステップ2625では、ユーザ認証が失敗した場合は、操作パネルに、その旨を表示する。
【0462】
以上説明したように、第3の実施形態に係る印刷制御システムによれば、本発明に対応していない従来のICカードを用いた認証方法を前提とした印刷デバイスが含まれていても印刷制御システムを運用することが可能となるので、全印刷デバイスを一度に新システム対応に移行しなくても1台ずつ順次移行していくことができ、コスト面や移行作業量に応じた移行スケジュールを組むことが出来る。
〔第4の実施形態〕
【0463】
本発明に係る第1の実施形態、第2の実施形態、及び第3の実施形態では、印刷デバイス201の位置情報は、予め管理サーバ202に登録しておくこととしたが、第4の実施形態では、位置情報を予め登録せずに実施する方法について説明する。
【0464】
本発明に係る第4の実施形態における印刷制御システムでは、印刷デバイス201の位置情報を位置検出サーバ204で動的に検出できるようにするために、印刷デバイス201に無線端末を内蔵させる。
【0465】
無線端末IDにより、携帯端末と区別し、検出した印刷デバイスの位置情報と携帯端末の位置情報を基に位置ステータスを決定することができる。
【0466】
この実施形態では、拠点内印刷デバイスマスタ(図14参照)に示すデータの構造を図43に示すように変更する。印刷デバイスID2701、印刷デバイスアドレス2702、位置座標2703は、図14に示す印刷デバイスID1061、印刷デバイスアドレス1062、位置座標1063とそれぞれ同じものである。
【0467】
無線端末ID2704に、印刷デバイス201に内蔵された無線端末を識別するためのID情報を記載する。無線端末が内蔵されていない印刷デバイス201の場合は空白とする。
【0468】
印刷デバイス位置管理テーブル(図18参照)に示すデータの構造図44に示すように変更する。印刷デバイスID2721、位置座標2722は、図18に示す印刷デバイスID1221、位置座標1222とそれぞれ同じものである。
【0469】
無線端末ID2723に、管理サーバ202の拠点内印刷デバイスマスタ(図14参照)から取得した印刷デバイス201に内蔵された無線端末を識別するためのID情報を記憶する。無線端末が内蔵されていない印刷デバイス201の場合は、無線端末ID2723は、空白になる。
【0470】
位置検出モジュール1361を表すフローチャートにおいて、ステップ1703で取得したスナップ情報に基づいて、ステップ1707における位置座標の算出において、携帯端末のみならず印刷デバイス201も位置座標を算出し、位置座標1222に記憶すれば、他のステップは、変更することなく動作させることができる。
【0471】
つまり、三点測量と電波強度を基にした既知の方法によって印刷デバイス201の位置座標を特定する。既知の技術によれば、基地局3ヶ所以上で検知した印刷デバイス201からの電波強度と基地局206の位置座標から印刷デバイス201の位置座標を算出することができる。
【0472】
以上説明したように、第4の実施形態に係る印刷制御システムによれば、印刷デバイスにも無線端末が内蔵されていて、動的に印刷デバイスの位置を把握できるため、印刷デバイスの位置を移動しても、特に管理サーバ202の情報を更新することなく、システムの動作を続けることができる。印刷デバイスの移動が多い拠点においては有効な実施形態である。
〔第5の実施形態〕
【0473】
本発明に係る第1の実施形態、第2の実施形態、第3の実施形態、及び第4の実施形態における印刷制御システムでは、印刷デバイス201と基地局206とを別構成としてきたが、第5の実施形態に係る印刷制御システムでは、印刷デバイス201に基地局206を内蔵した場合を説明する。
【0474】
第5の実施形態に係る印刷制御システムでは、別途、基地局206を設ける必要はなく、3台以上の印刷デバイス201が十分に四方に離れて設置されていれば成立する。
【0475】
また、印刷デバイスが1台しかない場合は、印刷出力を行う対象が1つの印刷デバイス201に確定するので、携帯端末207の位置を検出する必要はなく、印刷デバイス201と携帯端末207との距離だけで、印刷デバイス201の制御を行うことができる。
【0476】
その場合、印刷出力を行う印刷デバイス201が決まっていることから、印刷開始時に印刷ジョブの一覧を表示して、ユーザにボタンを押すことを要求する必要もないので、ユーザが接近したら即、印刷を開始する動作にしてもよい。
【0477】
以上説明したように、第5の実施形態に係る印刷制御システムによれば、別途、基地局206を設置する手間を省くことができる。狭い拠点や基地局206の配置が難しい環境における拠点では、有効な実施形態である。
〔第6の実施形態〕
【0478】
本発明に係る第6の実施形態では、印刷デバイス201と端末205と携帯端末207とから構成されており、管理サーバ202、印刷サーバ203、及び位置検出サーバ204は不要な構成であり、これらの各サーバにおける主な機能を印刷デバイス201が備えた構成となっている。
【0479】
このような構成では、携帯端末207から送信される無線電波を印刷デバイス201が受信し、印刷デバイス201に対する携帯端末207の距離は、無線電波の強度に従って、特定することができるものである。
【0480】
印刷デバイス201は、管理サーバ202で管理されたユーザ管理マスタ(図11参照)、印刷サーバ203で管理された印刷ジョブ管理テーブル(図15参照)及び印刷デバイス状態管理テーブル(図16参照)の各テーブルを少なくとも備えている。
【0481】
印刷デバイス201は、端末205から送信されたユーザIDが付加された印刷ジョブ情報及び印刷データを受信し、受信した印刷ジョブ情報、印刷データ、及びユーザ管理マスタに記憶された携帯端末ID1004を印刷ジョブ管理テーブルに登録した後、印刷ジョブ情報に基づいて印刷データを印刷用紙へ印刷する。
【0482】
印刷中の印刷ジョブについては、印刷ジョブ情報に基づいて、印刷デバイス201の実行状態と共に印刷デバイス状態管理テーブルに記憶される。
【0483】
そして、印刷デバイス201は、携帯端末207から受信する無線電波の強度に応じて、位置ステータスを「ON」、「Near」、「Far」、及び「OFF」とすることが可能である。
【0484】
従って、携帯端末207を識別する携帯端末IDに該当する携帯端末ID1104に対応するジョブID1101及びユーザID1102を印刷ジョブ管理テーブルから取得し、取得したジョブID1101及びユーザID1102に該当する実行中ジョブID1125及びユーザID1124が存在する場合、ステータス1123が印刷実行中であれば、前述したように位置ステータスの変化によって、印刷ジョブの印刷を停止することが可能である。
【0485】
以上説明したように、本発明に係る第6の実施形態に係る印刷デバイスによれば、別途、管理サーバ202、印刷サーバ203、位置検出サーバ204、及び基地局206を設置する手間を省くことができる。
【0486】
従って、狭い拠点において、基地局や各サーバの配置が難しい環境における拠点では、有効な実施形態である。
【0487】
以上、各実施形態例の説明をしたが、本発明は、例えば、システム、装置、方法、プログラムもしくは記録媒体等としての実施態様をとることが可能であり、具体的には、複数の機器から構成されるシステムに適用しても良いし、また、一つの機器からなる装置に適用しても良い。例えば、管理サーバ202、印刷サーバ203、位置検出サーバ204を別々の個体として説明したが、これらのうちいくつかを1つの個体にしてもよいし、全てを1つの個体にしてもよい。
【0488】
また、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記録媒体を、システムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に格納されたプログラムコードを読出し実行することによっても、本発明の目的が達成されることは言うまでもない。
【0489】
この場合、記録媒体から読み出されたプログラムコード自体が本発明の新規の機能を実現することになる。
【0490】
プログラムコードを供給するための記録媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、DVD−ROM、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM、EEPROM、シリコンディスク等を用いることができる。
【0491】
また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0492】
さらに、記録媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0493】
また、本発明は、複数の印刷デバイスから構成されるシステムに適用しても、1つの印刷デバイスからなる装置に適用してもよい。また、本発明は、システムあるいは装置にプログラムを供給することによって達成される場合にも適応できることは言うまでもない。この場合、本発明を達成するためのソフトウェアによって表されるプログラムを格納した記録媒体をシステムあるいは装置に読み出すことによって、そのシステムあるいは装置が、本発明の効果を享受することが可能となる。
【0494】
さらに、本発明を達成するためのソフトウェアによって表されるプログラムをネットワーク上のサーバ、データベース等から通信プログラムによりダウンロードして読み出すことによって、そのシステムあるいは装置が、本発明の効果を享受することが可能となる。
【0495】
なお、上述した各実施形態およびその変形例を組み合わせた構成も全て本発明に含まれるものである。
【符号の説明】
【0496】
101 従来のICカード認証デバイス
102 従来の認証サーバ
103 従来の印刷サーバ
104 従来のユーザ端末
201 印刷デバイス
202 管理サーバ
203 印刷サーバ
204 位置検出サーバ
205 ユーザ端末
206 基地局
207 携帯端末
208 ネットワーク
301 全体管理サーバ
400 サーバおよびユーザ端末のブロック図
401 CPU
402 ROM
403 RAM
404 システムバス
405 入力コントローラ
406 ビデオコントローラ
407 メモリコントローラ
408 通信I/Fコントローラ
409 キーボード
410 ディスプレイ
411 外部メモリ
412 外部I/F
500 印刷デバイスのブロック図
501 CPU
502 RAM
503 ROM
504 ハードディスクドライブ
505 ネットワークI/F
506 モデム
507 操作部I/F
508 操作部(操作パネル)
509 システムバス
510 RIP
511 プリンタI/F
512 プリンタ部
513 スキャナI/F
514 スキャナ部
515 画像バス
516 コントローラユニット
517 画像処理部
518 外部I/F
519 カードリーダ
520 画像バスI/F
601 発信部
621 受信部
622 外部I/F

【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯端末から基地局を介して受信する無線電波に基づいて前記携帯端末の位置を特定する位置検出サーバ、ユーザを一意に識別するためのユーザ識別情報を含む印刷ジョブを形成し、印刷サーバへ送信するクライアント端末、印刷出力を行うための印刷デバイス、及び前記携帯端末を識別するための携帯端末識別情報と前記ユーザ識別情報を予め記憶管理すると共に前記携帯端末識別情報と前記ユーザ識別情報に対応付けて前記印刷ジョブを記憶管理する前記印刷サーバがネットワークを介して接続された印刷制御システムであって、
前記位置検出サーバは、
前記携帯端末の位置及び予め定めた印刷デバイスの位置から定まる前記印刷デバイスに対する前記携帯端末の変位に応じて位置変更情報を前記印刷サーバへ送信する位置変更情報送信手段を備え、
前記印刷サーバは、
前記位置変更情報送信手段によって送信された位置変更情報を受信する位置変更情報受信手段と、
前記位置変更情報受信手段によって受信した位置変更情報に基づいて、前記携帯端末の携帯端末識別情報に対応する印刷ジョブの印刷を停止させることを表す停止情報を送信する停止情報送信手段と、
を備え、
前記印刷デバイスは、
前記停止情報送信手段によって送信された停止情報を受信する停止情報受信手段と、
前記停止情報受信手段によって受信した停止情報から前記印刷ジョブを停止する停止手段と、
を備えたことを特徴とする印刷制御システム。
【請求項2】
前記停止情報送信手段は、前記位置変更情報受信手段によって受信した位置変更情報に応じて、前記携帯端末の携帯端末識別情報に対応する印刷ジョブの印刷を停止または中止を判定し、停止と判定した場合は、停止情報を送信し、一方、中止と判定した場合は、前記印刷ジョブの印刷を中止させることを表す中止情報を送信することを特徴とする請求項1に記載の印刷制御システム。
【請求項3】
前記印刷サーバは、前記位置変更情報受信手段によって受信した位置変更情報に基づいて、前記携帯端末の携帯端末識別情報に対応する停止している印刷ジョブの印刷を指示することを表す印刷指示情報を送信する印刷指示情報送信手段を更に備え、
前記印刷デバイスは、前記印刷指示情報送信手段によって受信した印刷指示情報から前記停止した印刷ジョブを印刷する印刷手段を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の印刷制御システム。
【請求項3】
前記停止手段は、前記停止情報受信手段によって受信した停止情報から前記印刷ジョブを停止すると共に、所定時間を経過したタイミングで前記停止した印刷ジョブの印刷を中止することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の印刷制御システム。
【請求項4】
前記停止手段は、前記停止情報受信手段によって受信した停止情報から前記印刷ジョブを停止すると共に、前記印刷デバイス毎に予め定められた所定時間を経過したタイミングで前記停止した印刷ジョブの印刷を中止することを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の印刷制御システム。
【請求項5】
前記停止情報送信手段は、前記位置変更情報受信手段によって受信した位置変更情報及び前記印刷ジョブに対して設定された重要度に基づいて、前記携帯端末の携帯端末識別情報に対応する印刷ジョブの印刷を停止あるいは中止を判定し、停止と判定した場合は、前記停止情報送信手段によって停止情報を送信し、中止と判定した場合は、中止情報を送信することを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の印刷制御システム。
【請求項6】
複数拠点に構築された前記印刷制御システムがネットワークを介して接続され、各拠点の前記印刷制御システムに設置された管理サーバの宛先情報を記憶管理する全体管理サーバを1つの拠点に備えた印刷制御システムにおいて、
前記全体管理サーバは、
前記記憶管理された宛先情報を管理サーバへ送信する全体管理サーバ宛先情報送信手段と、
管理サーバ印刷ジョブ送信手段によって送信された印刷ジョブ及び前記印刷ジョブの転送先を示す宛先情報を受信する全体管理サーバ宛先情報受信手段と、
前記全体管理サーバ宛先情報受信手段によって受信した宛先情報によって特定される管理サーバへ前記印刷ジョブを転送する全体管理サーバ印刷ジョブ転送手段と、
を備え、
前記管理サーバは、
前記全体管理サーバ宛先情報送信手段によって送信された宛先情報を受信する管理サーバ宛先情報受信手段と、
前記管理サーバ宛先情報受信手段によって受信した宛先情報を記憶管理する管理サーバ宛先情報記憶管理手段と、
印刷サーバ宛先情報要求取得手段によって要求された宛先情報を前記宛先情報記憶管理手段から取得し、前記印刷サーバへ送信する管理サーバ宛先情報送信手段と、
印刷サーバ印刷ジョブ送信手段によって送信された印刷ジョブ及び前記宛先情報を受信する管理サーバ印刷ジョブ受信手段と、
前記管理サーバ印刷ジョブ受信手段によって受信した印刷ジョブ及び前記宛先情報を前記全体管理サーバへ送信する管理サーバ印刷ジョブ送信手段と、
前記全体管理サーバ印刷ジョブ転送手段によって転送された印刷ジョブを自拠点に設定された印刷サーバへ送信する管理サーバ出力ジョブ送信手段と、
を備え、
前記印刷サーバは、
前記管理サーバに記憶管理された宛先情報を要求取得する印刷サーバ宛先情報要求取得手段と、
前記管理サーバ宛先情報送信手段によって送信された宛先情報から印刷ジョブの印刷出力先の前記宛先情報を選択する印刷サーバ宛先情報選択手段と、
前記印刷サーバ宛先情報選択手段によって選択された宛先情報に基づいて、印刷ジョブ及び前記宛先情報を管理サーバへ送信する印刷サーバ印刷ジョブ送信手段と、
前記管理サーバ出力ジョブ送信手段によって送信された印刷ジョブを受信する印刷サーバ出力ジョブ受信手段と、
を更に備えたことを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の印刷制御システム。
【請求項7】
複数拠点に構築された前記印刷制御システムがネットワークを介して接続され、各拠点の前記印刷制御システムの印刷サーバを1つの拠点に備えたことを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の印刷制御システム。
【請求項8】
前記印刷制御システムは、ユーザを識別するためのユーザ識別情報を記憶管理する管理サーバを備え、
前記印刷デバイスは、
前記ユーザ識別情報を記録した記録媒体を読取る記録媒体読取手段と、
前記記録媒体読取り手段によって読取ったユーザ識別情報を前記管理サーバへ送信するユーザ識別情報送信手段と、
認証成功送信手段によって送信された認証成功情報を受信する認証成功情報受信手段と、
前記認証成功情報受信手段によって認証成功情報を受信した場合、印刷サーバに管理された印刷ジョブを出力する印刷ジョブ出力手段と、
を更に備え、
前記管理サーバは、
前記ユーザ識別情報送信手段によって送信されたユーザ識別情報が、前記記憶管理されたユーザ識別情報に該当する場合は、認証成功を表す認証成功情報を印刷デバイスへ送信する認証成功情報送信手段と、
を更に備えたことを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の印刷制御システム。
【請求項9】
前記印刷デバイスは、
前記ユーザ識別情報を記録した記録媒体を読取る記録媒体読取手段と、
前記記録媒体読取り手段によって読取ったユーザ識別情報を前記管理サーバへ送信するユーザ識別情報送信手段と、
認証成功送信手段によって送信された認証成功情報を受信する認証成功情報受信手段と、
前記認証成功情報受信手段によって認証成功情報を受信した場合、印刷サーバに管理された印刷ジョブを出力する印刷ジョブ出力手段と、
を更に備え、
前記管理サーバは、
前記ユーザ識別情報送信手段によって送信されたユーザ識別情報が、前記記憶管理されたユーザ識別情報に該当する場合は、認証成功を表す認証成功情報を印刷デバイスへ送信する認証成功情報送信手段と、
を更に備えたことを特徴とする請求項6または請求項7に記載の印刷制御システム。
【請求項10】
請求項1乃至請求項9の何れか1項に記載の印刷デバイスは、前記基地局と無線電波によって通信を行うことが可能な印刷デバイスを用いることによって、前記印刷デバイスの位置を定めることを特徴とする。
【請求項11】
請求項1乃至請求項10の何れか1項に記載の印刷デバイスは、前記携帯端末から無線電波を受信することが可能であり、受信した無線電波に基づいて、前記位置検出サーバが前記携帯端末の位置を特定することを特徴とする。
【請求項12】
クライアント端末から受信したユーザを一意に識別するためのユーザ識別情報を含む印刷ジョブを印刷する印刷デバイスにおいて、
携帯端末を識別するための携帯端末識別情報と前記ユーザ識別情報とを予め記憶管理すると共に前記携帯端末識別情報と前記ユーザ識別情報に対応付けて前記印刷ジョブを記憶管理する印刷デバイス識別情報記憶手段と、
前記携帯端末から受信する無線電波に基づいて前記印刷デバイスに対する前記携帯端末の距離を特定する印刷デバイス位置特定手段と、
前記印刷デバイス位置特定手段によって特定した携帯端末の距離に関する変位に応じて前記携帯端末に対応する前記印刷デバイス識別情報記憶手段に記憶された印刷ジョブを停止する印刷デバイスジョブ停止手段と、
を備えることを特徴とする印刷デバイス。
【請求項13】
携帯端末から基地局を介して受信する無線電波に基づいて前記携帯端末の位置を特定する位置検出サーバ、ユーザを一意に識別するためのユーザ識別情報を含む印刷ジョブを形成し、印刷サーバへ送信するクライアント端末、印刷出力を行うための印刷デバイス、及び前記携帯端末を識別するための携帯端末識別情報と前記ユーザ識別情報を予め記憶管理すると共に前記携帯端末識別情報と前記ユーザ識別情報に対応付けて前記印刷ジョブを記憶管理する前記印刷サーバがネットワークを介して接続された印刷制御方法であって、
前記位置検出サーバは、
前記携帯端末の位置及び予め定めた印刷デバイスの位置から定まる前記印刷デバイスに対する前記携帯端末の変位に応じて位置変更情報を前記印刷サーバへ送信する位置変更情報送信工程を備え、
前記印刷サーバは、
前記位置変更情報送信工程によって送信された位置変更情報を受信する位置変更情報受信工程と、
前記位置変更情報受信工程によって受信した位置変更情報に基づいて、前記携帯端末の携帯端末識別情報に対応する印刷ジョブの印刷を停止させることを表す停止情報を送信する停止情報送信工程と、
を備え、
前記印刷デバイスは、
前記停止情報送信工程によって送信された停止情報を受信する停止情報受信工程と、
前記停止情報受信工程によって受信した停止情報から前記印刷ジョブを停止する停止工程と、
を備えたことを特徴とする印刷制御方法。
【請求項14】
携帯端末から基地局を介して受信する無線電波に基づいて前記携帯端末の位置を特定する位置検出サーバ、ユーザを一意に識別するためのユーザ識別情報を含む印刷ジョブを形成し、印刷サーバへ送信するクライアント端末、印刷出力を行うための印刷デバイス、及び前記携帯端末を識別するための携帯端末識別情報と前記ユーザ識別情報を予め記憶管理すると共に前記携帯端末識別情報と前記ユーザ識別情報に対応付けて前記印刷ジョブを記憶管理する前記印刷サーバがネットワークを介して接続された印刷制御システムとして機能させるプログラムであって、
前記位置検出サーバは、
前記携帯端末の位置及び予め定めた印刷デバイスの位置から定まる前記印刷デバイスに対する前記携帯端末の変位に応じて位置変更情報を前記印刷サーバへ送信する位置変更情報送信手段を備え、
前記印刷サーバは、
前記位置変更情報送信手段によって送信された位置変更情報を受信する位置変更情報受信手段と、
前記位置変更情報受信手段によって受信した位置変更情報に基づいて、前記携帯端末の携帯端末識別情報に対応する印刷ジョブの印刷を停止させることを表す停止情報を送信する停止情報送信手段と、
を備え、
前記印刷デバイスは、
前記停止情報送信手段によって送信された停止情報を受信する停止情報受信手段と、
前記停止情報受信手段によって受信した停止情報から前記印刷ジョブを停止する停止手段と、
として機能することを特徴とするコンピュータで読取り可能なプログラム。
【請求項15】
請求項14に記載されたプログラムを記録したコンピュータで読取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【図46】
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【図47】
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【公開番号】特開2010−262639(P2010−262639A)
【公開日】平成22年11月18日(2010.11.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−97392(P2010−97392)
【出願日】平成22年4月2日(2010.4.2)
【出願人】(592135203)キヤノンITソリューションズ株式会社 (528)
【Fターム(参考)】