説明

無線操作装置、無線操作システム及び無線操作方法

【課題】ユーザにとっての操作性および利便性により優れた無線操作装置、無線操作システム及び無線操作方法を提供すること。
【解決手段】無線操作装置100は、機器200を操作するための操作信号を無線通信により送信することが可能な無線通信部110と、無線通信部110を用いて機器検出要求を発信し、当該機器検出要求を受信した複数の機器200からの、設置場所を反映した測定情報を含む応答をもとに、複数の機器200それぞれの設置された場所を1以上のエリアに同定する判定部122とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、複数の家庭内機器をリモートコントロールすることのできる無線操作装置、無線操作システム及び無線操作方法に関する。
【背景技術】
【0002】
家庭内では、テレビジョン受像機やレコーダ、オーディオ機器など様々な機器が使用される。これらの機器は、それぞれリモートコントローラ(以下、リモコン)を使って操作されることが可能である。一般に、機器とこれを操作可能なリモコンとは一対一の関係だが、近年、1つのリモコンで異なる複数の機器を個別に操作可能な、いわゆるユニバーサルリモコンが提案されている(例えば、特許文献1及び特許文献2参照。)。
【0003】
特許文献1によれば、リモコンは被操作機器に被操作機器識別要求信号を送信する。この信号を受信した被操作機器は、リモコンに識別信号を発信する。リモコンは、この識別信号を受信することで、直接的に操作できるエリアに位置する1つの機器を判断し、この機器を操作するための機能を実行する。
【0004】
特許文献2によれば、リモコンは現在位置を検出し、検出した現在位置とリモコン内に格納された各機器の位置情報とを照らし合わせ、リモコンから最も近くに位置する機器を操作対象の機器として特定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−44763号公報(段落[0031]〜[0034]、図8)
【特許文献2】特開2004−166193号公報(段落[0029]〜[0030]、図5)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
切り替えて操作することが可能な複数の機器が同じ部屋に存在する場合等には、これら複数の機器間で制御対象の機器をシームレスに切り替えて操作したいという要望がある。例えば、同じ部屋に設置された照明機器とテレビジョン受像機との関係においては、見る番組に合わせて照明機器の照度を変えたりする場合などがある。しかし、特許文献1及び2などによると、制御対象機器を切り替える必要が発生する度、機器とリモコン間で識別信号などの信号をやりとりしたり、制御可能機器のリストの中から目的の機器をユーザが選択するなどして切り替えるなど、一連の処理が必要である。よって、複数の機器をシームレスに切り替えて操作できるとまでは言えない。その他にも、この種のリモコンにおいては、実用化に向けてユーザの操作性および利便性において不十分な点が残されており、その改善が期待されている。
【0007】
以上のような事情に鑑み、本技術の目的は、ユーザにとっての操作性および利便性により優れた無線操作装置、無線操作システム及び無線操作方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本技術の一形態に係る無線操作装置は、機器を操作するための操作信号を無線通信により送信することが可能な無線通信部と、上記無線通信部を用いて機器検出要求を発信し、当該機器検出要求を受信した複数の上記機器からの、設置場所を反映した測定情報を含む応答をもとに、上記複数の機器それぞれの設置された場所を1以上のエリアに同定する判定部とを有する。
【0009】
本技術では、複数の機器それぞれの設置された場所を1以上のエリアに同定する。これにより、ユーザが特定の機器ではなくエリアを選択することで、無線操作装置を用いてそのエリアに存在する複数の制御対象の機器をシームレスに切り替えて操作することができ、ユーザにとっての操作性および利便性がより優れたものとなる。
また、上記特許文献1及び2の技術では、無線操作装置の現在位置に応じて操作対象の機器を判断する。このため、ユーザが無線操作装置を操作する都度又は所定時間毎に無線操作装置と操作対象の機器との位置関係を取得する必要がある。このため、ユーザが即座に無線操作装置を操作したい場合であっても、まず位置関係の取得が行われることがあり、機器に対する操作を即座に開始できないおそれがある。例えば、ユーザが無線操作装置を持ってエリアを移動し、移動先のエリアで無線操作装置を使用するとする。この場合、移動先のエリアでまず無線操作装置と操作対象の機器との位置関係の取得を行う必要があるため機器に対する操作を即座に開始できず、ユーザにとって煩わしい。しかしながら、本技術の無線操作装置では、複数の機器それぞれの設置場所を1以上のエリアに同定すれば、次回以降もその相関をもとに操作対象機器が同定された設置場所のエリアを呼び出すことができ、ユーザにとっての操作性および利便性がより優れたものとなる。
【0010】
上記判定部は、上記機器検出要求を受信した複数の上記機器にて検出された複数の電波強度の情報を含む応答を受信し、上記複数の機器の複数の電波強度の情報をもとに、上記複数の機器それぞれの設置場所を1以上のエリアに同定する。
【0011】
電波強度の情報は機器と無線操作装置との距離によって異なることため、電波強度の情報をもとに複数の機器それぞれの設置された場所を1以上のエリアに同定することができる。
【0012】
上記判定部は、上記複数の機器から応答された複数の電波強度の値の分布をもとに上記複数の機器それぞれの設置場所を1以上のエリアに同定する。
【0013】
これにより、似た電波強度の情報をもつ機器を同じエリアに同定することができる。
【0014】
無線操作装置は、表示画面を有する表示部と、任意の上記エリアをユーザに選択させるエリア選択部と、上記選択されたエリアに設置場所が同定された1以上の機器それぞれの操作用のGUIを上記表示画面に表示するGUI表示部とをさらに有する。
【0015】
これにより、ユーザが特定の機器ではなくエリアを選択することで、無線操作装置を用いてそのエリアに存在する複数の制御対象の機器をシームレスに切り替えて操作することができ、ユーザにとっての操作性および利便性がより優れたものとなる。
【0016】
上記エリアは建物内の部屋である。
【0017】
本技術は、例えば、面積によって区分される1以上のエリアなどの空間の単位に設置場所を同定する場合のみならず、壁等で区切られた建物内の部屋に設置場所を同定する場合にも利用できる。
【0018】
上記判定部は、上記機器検出要求を受信した複数の上記機器にて検出されたGPS情報を含む応答を受信し、上記複数の機器のGPS情報をもとに、上記複数の機器それぞれの設置場所を1以上のエリアに同定する。
【0019】
GPS情報は機器の実際の設置場所によって異なることため、GPS情報をもとに複数の機器それぞれの設置された場所を1以上のエリアに同定することができる。
【0020】
上記判定部は、上記複数の機器から応答された複数のGPS情報の値の分布をもとに上記複数の機器それぞれの設置場所を1以上のエリアに同定する。
【0021】
これにより、似たGPS情報をもつ機器を同じエリアに同定することができる。
【0022】
無線操作装置は、表示画面を有する表示部と、任意の上記エリアをユーザに選択させるエリア選択部と、上記選択されたエリアに設置場所が同定された1以上の機器それぞれの操作用のGUIを上記表示画面に表示するGUI表示部とをさらに有する。
【0023】
上記エリアは建物内の部屋である。
【0024】
上記目的を達成するため、本技術の一形態に係る無線操作方法は、無線操作装置において、判定部が、操作対象である機器を操作するための操作信号を無線通信により送信することが可能な無線通信部を用いて機器検出要求を発信し、当該機器検出要求を受信した複数の上記機器からの、設置場所を反映した測定情報を含む応答をもとに、上記複数の機器それぞれの設置場所を1以上のエリアに同定する。
【0025】
上記目的を達成するため、本技術の一形態に係る無線操作システムは、無線操作装置と、この無線操作装置により操作可能な複数の機器とを有し、上記機器は、無線操作装置より操作信号を無線通信により送信することが可能な第1の無線通信部と、設置場所を反映した測定情報を測定することが測定部とを有し、上記無線操作装置は、上記機器を操作するための上記操作信号を無線通信により送信することが可能な第2の無線通信部と、上記第2の無線通信部を用いて機器検出要求を発信し、当該機器検出要求を受信した複数の上記機器からの、上記設置場所を反映した測定情報を含む応答をもとに、上記複数の機器それぞれの設置された場所を1以上のエリアに同定する判定部とを有する。
【発明の効果】
【0026】
本技術によれば、複数の機器間で制御対象の機器をシームレスに切り替えて操作することができ、ユーザにとっての操作性および利便性がより優れたものとなる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本技術に係る第1の実施形態の無線操作システムの構成を示すブロック図である。
【図2】無線操作装置の外観イメージを示す図である。
【図3】無線操作装置の構成を説明する斜視図である。
【図4】無線操作装置のハードウェア構成を示す図である。
【図5】機器のハードウェア構成を示す図である。
【図6】無線操作装置の機能的な構成を示すブロック図である。
【図7】機器の機能的な構成を示すブロック図である。
【図8】無線操作システムの処理の流れを示す図である。
【図9】無線操作装置の動作を示すフローチャートである。
【図10】機器の動作を示すフローチャートである。
【図11】設定部による処理を示すフローチャートである。
【図12】部屋相関テーブルを示す図である。
【図13】コマンドセットIDテーブルを示す図である。
【図14】表示用データを生成する処理を示すフローチャートである。
【図15】ディスプレイパネルに表示されるGUIを示す図である。
【図16】ディスプレイパネルに表示されるGUIを示す図である。
【図17】第2の実施形態に係る機器のハードウェア構成を示す図である。
【図18】機器の機能的な構成を示す図である。
【図19】機器の動作を示すフローチャートである。
【図20】機器と無線操作装置との間の無線通信システムを説明するための図である。
【図21】変形例1に係る機器と無線操作装置との間の無線通信システムを説明するための図である。
【図22】変形例1に係る機器と無線操作装置との間の無線通信システムを説明するための図である。
【図23】変形例2に係る機器と無線操作装置との間の無線通信システムを説明するための図である。
【図24】変形例3に係る機器と無線操作装置との間の無線通信システムを説明するための図である。
【図25】変形例4に係る機器と無線操作装置との間の無線通信システムを説明するための図である。
【図26】機器と無線操作装置との間の無線通信システムを説明するための図である。
【図27】変形例5に係る機器と無線操作装置との間の無線通信システムを説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、図面を参照しながら、本技術の実施形態を説明する。
近年、住居、オフィスなど、どのような居住環境においても電子機器は各部屋に設置されていることが普通である。特に居間や寝室などには、テレビジョン受像機、レコーダ、オーディオ機器、照明機器、その他にも様々な種類の多くの電子機器が設置される。1つの部屋に設置される各電子機器は、互いに何らかの関連性において同時に操作される可能性があると言う性質をもつ。例えば、同じ部屋に設置された照明機器とテレビジョン受像機との関係においては、見る番組に合わせて照明機器の照度を変えたり、テレビジョン受像機とレコーダとの関係においても、EPGからの番組予約の際に、テレビジョン受像機の操作とレコーダの操作(例えばメディアの交換など)とが交互に行われたりする。
【0029】
これまでの典型的な複数機器対応型のRFリモコンなどは、制御対象の機器の切り替えを挟んで複数の機器の操作に利用されることが普通であったため、複数の電子機器を続けて操作したい場合に不向きであった。すなわち、部屋毎の複数の電子機器を、被制御機器の切り替え操作を挟むことなく、シームレスに操作できることが、ユーザにとっての操作性及び利便性の向上を図る上で重要である。
【0030】
本実施形態は、上記のように部屋毎の複数の電子機器を、被制御機器の切り替え操作を挟むことなく、シームレスに操作できる無線操作装置に関するものである。より具体的には、ユーザが機器ではなく部屋を選択することで、部屋に存在する複数の機器を同じ画面で操作することのできる無線操作装置に関するものである。
【0031】
上記のような無線操作装置を実現するためには、無線操作装置は、それぞれの部屋毎に設置されている1以上の機器を登録する必要がある。この機器の登録を自動的に行うために、本実施形態の無線操作装置は、無線通信部を用いて機器検出要求を発信し、当該機器検出要求を受信した複数の機器からの、設置場所を反映した測定情報を含む応答をもとに、複数の機器それぞれの設置された場所を1以上の部屋に同定する技術を採用する。ここで、「設置場所を反映した測定情報」としては、具体的には、無線操作装置からの無線信号を機器が受信した際に機器で測定される電波強度の値(第1の実施形態にて説明)、GPS通信機を搭載した機器であればGPS情報そのもの(第2の実施形態にて説明)などが挙げられる。
【0032】
以下、ユーザが機器ではなく部屋を選択することで、部屋に存在する複数の機器を同じ画面で操作することのできる無線操作装置について説明する。また、この無線操作装置を実現するために複数の機器それぞれの設置場所を1以上の部屋に同定する処理について説明する。
【0033】
<第1の実施形態>
[無線操作システムの構成]
図1は、本技術に係る第1の実施形態の無線操作システムの構成を示すブロック図である。
同図に示すように、本実施形態の無線操作システム1は、制御対象である複数の機器200a〜200eと、複数の機器200a〜200eを個別に遠隔操作することが可能な無線操作装置100とを有する。
【0034】
複数の機器200a〜200eは、例えば、照明機器、レコーダ、テレビジョン受像機、オーディオ機器等、複数の部屋R1、R2に設置された機器である。以下、複数の機器200a〜200eを区別しない場合、機器200と称する。
【0035】
[無線操作装置100のハードウェア構成]
図2は、無線操作装置100の外観イメージを示す図である。
同図に示すように、無線操作装置100は、縦横のサイズに比較して厚さが薄い略立方形の筐体101を備える。筐体101のサイズは片手で持てる程度もしくはそれ以上である。略立方形の筐体101内には、無線操作装置100を構成する各種の電子部品が内蔵されている。筐体101の一つの主面には、タッチパネル付きの表示部102が配置されている。筐体101の主面とタッチパネル付きの表示部102の入出力面とは略平坦に揃えられている。タッチパネル付きの表示部102は、図3に示すように、例えば、液晶ディスプレイパネルや有機EL(electroluminescence)ティスプレイパネルなどのディスプレイパネル103と、このディスプレイパネル103の画面に重ねて配置されたタッチパネル104とで構成される。タッチパネル104は、例えば、静電容量方式のタッチパネル104などであり、ユーザにより同時に指示された複数の位置を検出することのできるものであれば、他の方式によるものであってもよい。例えば、感圧方式、赤外線方式、音響方式などでもよい。
【0036】
図4は無線操作装置100のハードウェア構成を示す図である。
同図に示すように、無線操作装置100は、CPU111、ROM112、ワークメモリ113、フラッシュROM119、タッチパネルインタフェース部114、ディスプレイ制御部115、タッチパネル104、ディスプレイパネル103(表示部)、IR発信部116、操作装置無線通信部117、バス118などで構成される。
【0037】
この機器200では、CPU111が、バス118を介して接続されたROM112に記憶されているプログラムに従って各種処理を実行する。
【0038】
ROM112には、CPU111により実行されるプログラムや各種の固定データなどが格納される。
ワークメモリ113は、CPU111による演算処理の作業空間として用いられるメモリである。
フラッシュROM119は、書き換えが可能な不揮発性の記憶装置である。
【0039】
タッチパネルインタフェース部114は、タッチパネル104を制御するとともに、タッチパネル104で得られた検出信号からデジタルの座標データを生成する。
ディスプレイ制御部115は、ディスプレイパネル103に出力する表示用データを生成する。これらディスプレイ制御部115とディスプレイパネル103とにより、表示部が構成される。
【0040】
CPU(Central Processing Unit)111は、無線操作装置100を構成する各部の制御及び各部の間でのデータの入出力を制御する。また、CPU111は、ROM112やワークメモリ113に記憶されたプログラムを実行して様々な処理を行うことが可能である。
【0041】
IR発信部116は、機器200を制御するためのコマンドがパルス変調されたIR(infrared)信号を発信する。
【0042】
操作装置無線通信部117は、機器200との間で双方向の通信を行う。操作装置無線通信部117と機器200との間の無線通信システムとしては、例えば、透過性の高い無線媒体を利用した無線通信システムを利用することができる。このような無線通信システムの無線通信規格として、例えば、Wi−Fi Direct(Wi−Fiは登録商標)や、RF4CE(Radio Frequency for Consumer Electronics)などが挙げられる。これらIR発信部116と操作装置無線通信部117とは、機器200との間で無線通信を行う無線通信部110を構成する。
【0043】
[機器200のハードウェア構成]
図5は機器200のハードウェア構成を示す図である。
本実施形態では、機器200としてテレビジョン受像機を用いた場合を説明する。
【0044】
この機器200は、CPU201、バス202、メモリ203、ストレージ204、IR受信部205、ネットワークI/F206、機器無線通信部207を有する。機器200は、また、アンテナ209、チューナ210、デスクランブラ211、デマルチプレクサ212、Audioデコーダ213、Videoデコーダ214、音声処理回路215、スピーカ216、GUI重畳器217、映像処理回路218、ディスプレイ219を有している。
【0045】
この機器200では、CPU201が、バス202を介して接続されたメモリ203又はストレージ204に記憶されているプログラムに従って各種処理を実行する。またCPU201は、IR受信部205を介して無線操作装置100より入力される赤外線信号をコマンドとして受け取る。CPU201は、このコマンドに応じて各部の動作を制御する。
【0046】
機器無線通信部207は、無線操作装置100の操作装置無線通信部117との間で双方向の無線通信を行う。また、機器無線通信部207は、受信した電波の強度を測定して、測定結果をCPU201に通知することが可能である。
【0047】
アンテナ209は、デジタル放送信号などを受信してチューナ210に入力する。
チューナ210は、デジタル放送信号から所定のチャンネル(例えば無線操作装置100を介してユーザによって指定されたチャンネル)の放送信号を抽出する。チューナ210は、この抽出した放送信号に対して復調処理を施して得た所定のチャンネルのトランスポートストリームをデスクランブラ211に出力する。
【0048】
デスクランブラ211は、機器200に装着された所定のICカード(図示せず)にあらかじめ記憶されている解除キーを用いて、チューナ210から入力されたトランスポートストリームのスクランブルを解除する。デスクランブラ211は、このスクランブル解除済のトランスポートストリームをデマルチプレクサ212に出力する。
【0049】
デマルチプレクサ212は、デスクランブラ211から入力されたスクランブル解除済のトランスポートストリームからオーディオデータとビデオデータとを分離する。デマルチプレクサ212は、分離したオーディオデータをAudioデコーダ213に出力し、分離したビデオデータをVideoデコーダ214に出力する。
【0050】
Audioデコーダ213は、デマルチプレクサ212から入力されたオーディオデータをデコードし、得られた音声データを、音声処理回路215に出力する。
【0051】
音声処理回路215は、Audioデコーダ213から入力された音声データに対してD/A(Digital/Analog)変換、増幅処理などを施し、得られた音声信号をスピーカ216に出力する。
【0052】
Videoデコーダ214は、デマルチプレクサ212から入力されたビデオデータをデコードし、得られた映像データを、GUI(Graphical User Interface)重畳器217に出力する。
【0053】
GUI重畳器217は、Videoデコーダ214から入力された映像データに対して、OSD(On Screen Display)などのグラフィックデータを重畳して、映像処理回路218に出力する。
【0054】
映像処理回路218は、GUI重畳器217から入力された映像データに対して、所定の画像処理、D/A(Digital/Analog)変換などを施し、得られた映像信号をディスプレイ219に出力する。
【0055】
また、CPU201は、無線操作装置100の操作に応じて、上述したと同様に、デジタル放送を受信し、所定のチャンネルのトランスポートストリームを得て、これを番組の映像音声データとして、ストレージ204に記憶することができる。
【0056】
このようにして、機器200は、デジタル放送を受信して、その番組を視聴可能なようにディスプレイ219およびスピーカ216を通じて出力したり、ストレージ204に録画したりすることができる。
【0057】
[無線操作装置100の機能的な構成]
図6は、無線操作装置100の機能的な構成を示すブロック図である。
無線操作装置100は、操作装置無線通信部117(無線通信部)と、機器検出設定部121と、設定部122(判定部)と、部屋相関記憶部123と、操作対象機器コマンドセットID記憶部124と、制御部125と、プリセット情報記憶部126と、タッチパネルインタフェース部114(エリア選択部)と、ディスプレイ制御部115(GUI表示部)とを有する。
【0058】
機器検出設定部121は、操作装置無線通信部117を用いて、各部屋に設置された複数の機器200に機器検出要求(SearchDevice)及び機器情報要求(GetDeviceInfo)を送信する。
また、機器検出設定部121は、操作装置無線通信部117にて、機器検出要求に対する機器200からの応答(Response)を受信すると、受信した応答に含まれる電波強度の値及び機器IDを設定部122に通知する。この「機器ID」とは、ローカル上で機器をユニークに識別するための情報である。
また、機器検出設定部121は、操作装置無線通信部117を用いて、機器情報要求に対する機器200からの機器情報(DeviceInfo)を受信し、受信した機器情報に含まれる機器ID及び機器種別IDを設定部122に通知する。ここで「機器種別ID」とは、例えば、機種名、バージョン番号、製造者名等、機器の種別をユニークに識別するための情報である。
【0059】
設定部122は、機器検出設定部121から取得した電波強度の値及び機器IDをもとに、電波強度の値の分布から複数の機器200が設置されたそれぞれの部屋とそれぞれの機器200との相関を設定する。これにより、設定部122は、複数の機器200それぞれの設置場所を1以上の部屋に同定する。設定部122は、設定した相関を、部屋相関テーブル400として部屋相関記憶部123に格納する。
また、設定部122は、機器検出設定部121に対して、それぞれの機器200の機器種別IDを取得するよう要求する。設定部122は、プリセット情報記憶部126を参照し、機器検出設定部121より通知された機器種別IDに対応付けられたコマンドセットIDを読み出す。ここで「コマンドセット」とは、機器200を制御するための様々な種類のコマンドの情報のセットである。この無線操作装置100の例えばフラッシュROM119などの不揮発性メモリには、様々な種類の機器に対応することができるように、様々な種類の機器に対応するコマンドセットが予め記憶されている。コマンドセットにはコマンドセットIDが予め割り当てられている。このコマンドセットIDと対応する機器の機器種別IDとの対応表(図示せず)が不揮発性メモリに設定されたプリセット情報記憶部126に予め格納されている。
設定部122は、機器検出設定部121から取得した機器ID及び機器種別IDと、プリセット情報記憶部126から読み出したコマンドセットIDとを対応付けて、コマンドセットIDテーブル500を生成する。設定部122は、生成したコマンドセットIDテーブル500を、操作対象機器コマンドセットID記憶部124に格納する。
【0060】
部屋相関記憶部123は、上記部屋相関テーブル400を格納する。部屋相関テーブル400には、図12に示すように、機器200の機器ID410と部屋ID420とが対応付けて登録される。部屋相関記憶部123は、書き換えが可能な不揮発性の記憶装置であるフラッシュROM119などに設定される。
【0061】
プリセット情報記憶部126には、機器種別IDと、その機器に対応するコマンドセットIDとが、互いに対応付けられたテーブル(図示せず)として予め格納されている。プリセット情報記憶部126は、フラッシュROM119やROM112などの不揮発性メモリに設定される。
【0062】
操作対象機器コマンドセットID記憶部124は、上記コマンドセットIDテーブル500を格納する。図13に示すように、コマンドセットIDテーブル500には、機器ID530と、機器種別ID510と、コマンドセットID520とが対応付けて登録される。操作対象機器コマンドセットID記憶部124は、書き換えが可能な不揮発性の記憶装置であるフラッシュROM119などに設定される。
【0063】
制御部125は、部屋相関記憶部123に格納された部屋相関テーブル400を参照し、部屋ID420を読み出す。制御部125は、この読み出した部屋ID420に対応付けられてフラッシュROM119に記憶された部屋の名前のデータを読み出し、ディスプレイ制御部115に供給する。ここで、各部屋の部屋IDとその部屋の名前とは、フラッシュROM119等の書き換え可能な不揮発性の記憶部に、互いに対応付けられたテーブル(図示せず)として記憶される。この部屋の名前のデータは、ユーザによりタッチパネル104を用いて予め入力されたものである。
また、制御部125は、タッチパネルインタフェース部114からの検出データをもとにいずれの部屋の名前に対して入力操作がなされたかを検出する。制御部125は、部屋の名前と部屋IDとが対応付けられたテーブル(図示せず)を参照し、操作された部屋の名前に対応付けられた部屋IDを読み出す。そして、制御部125は、部屋相関記憶部123に格納された部屋相関テーブル400を参照し、上記読み出した部屋ID420が対応付けられた全ての機器ID410を読み出す。そして、制御部125は、読み出した機器ID410(図13では機器ID530)にそれぞれ対応付けられた各コマンドセットID520を、コマンドセットIDテーブル500から読み出す。制御部125は、読み出した各コマンドセットID520にそれぞれ対応付けられたGUI情報を、ディスプレイ制御部115に供給する。これらGUI情報とコマンドセットIDとは、互いに対応付けられて、例えばROM112などの不揮発性の記憶装置に予め格納されている。ここで「GUI情報」は、例えば、テレビジョン受像機の場合、チャンネル送り、音量ボリュームなど、個々の操作項目毎のGUI要素を含む。
【0064】
ディスプレイ制御部115は、制御部125より通知された部屋の名前の表示データを生成し、これをディスプレイパネル103に出力する。
また、ディスプレイ制御部115は、制御部125より通知されたGUI情報をもとにGUIを生成し、これをディスプレイパネル103に出力する
【0065】
タッチパネルインタフェース部114は、ユーザがタッチパネル104を操作すると、タッチパネル104で得られた検出信号からデジタルの座標データを生成する。タッチパネルインタフェース部114は、生成した座標データを検出データとして制御部125に通知する。
制御部125は、タッチパネル104の検出データをもとにGUIのどの要素が操作されたかを検出する。個々のGUI要素はコマンドセットにおけるコマンドと対応付けられており、制御部125は、操作されたGUI要素に対応するコマンドを送信するように操作装置無線通信部117を制御する。
【0066】
[機器200の機能的な構成]
図7は、機器200の機能的な構成を示すブロック図である。
機器200は、機器検出要求応答部220と、機器情報送信部221と、機器情報記憶部223とを有する。
【0067】
機器検出要求応答部220は、機器無線通信部207を通じて機器検出要求を受信すると、例えば、機器無線通信部207から電波強度の情報を取得する。機器検出要求応答部220は、取得した電波強度の値に、機器情報記憶部223に記憶された機器IDを付加して応答を生成する。機器検出要求応答部220は、機器無線通信部207を通じて、無線操作装置100に応答を返信する。
【0068】
機器情報送信部221は、機器無線通信部207を通じて機器情報要求を受信し、機器情報記憶部223に記憶された機器種別ID及び機器IDを機器情報として、機器無線通信部207を通じて、無線操作装置100に返信する。
【0069】
なお、無線操作装置100の機器検出設定部121は、操作装置無線通信部117を用いて、機器200に機器検出要求だけを返信する構成としてもよい。この場合、機器検出要求応答部220は、電波強度の値に機器情報記憶部223に記憶された機器種別ID及び機器IDを付加した応答を、機器無線通信部207を通じて、無線操作装置100に応答を送信すればよい。つまり、機器検出要求応答部220は、電波強度の値、機器種別ID及び機器IDを無線操作装置100に同時に送信してもよい
【0070】
機器情報記憶部223は、機器種別ID及び機器IDを格納する。機器情報記憶部223は、メモリ203又はストレージ204に設定される。
【0071】
なお、ここでは機器200としてテレビジョン受像機を用いた場合を説明した。しかしながら、機器200が照明機器、レコーダ、オーディオ機器等、テレビジョン受像機以外の機器であっても、機器無線通信部207を有するとともに、無線操作装置100と関連する部分の機能的な構成は、上記機器200の機能的な構成と同様である。
【0072】
[無線操作システム1の動作]
次に、無線操作システム1の動作を説明する。
なお、動作の説明は、
1.部屋と各機器200との相関の設定、
2.部屋毎に設置された複数の機器用の操作画面の生成、
の順に行うものとする。
【0073】
[1.部屋と各機器200との相関の設定]
図8は、無線操作システム1の処理の流れを示す図である。図9は、無線操作装置100の動作を示すフローチャートである。
まず、ユーザにより、部屋毎の機器を無線操作装置100に設定するための所定の指示操作が行われると、無線操作装置100の機器検出設定部121が起動される。機器検出設定部121は操作装置無線通信部117を用いて、機器検出要求を発信する(ステップS101)。なお、この機器検出要求の発信は、ユーザの指示に拠らず、例えば、無線操作装置100に電源が投入される都度行われるようにしてもよいし、一定期間ごとに自動的に行われてもよい。
【0074】
図10は、機器検出要求を受信した機器200の動作を示すフローチャートである。
機器200の機器検出要求応答部220は、機器無線通信部207を通じて機器検出要求を受信すると(ステップS201)、例えば、機器無線通信部207から電波強度の情報を取得する。機器検出要求応答部220は、取得した電波強度の値に、機器情報記憶部223に記憶された機器IDを付加して応答を生成する。機器検出要求応答部220は、機器無線通信部207を通じて、無線操作装置100に応答を返信する(ステップS202)。
【0075】
図9のフローに戻って、無線操作装置100の機器検出設定部121は、操作装置無線通信部117にて応答を受信すると(ステップS102)、受信した応答に含まれる電波強度の値及び機器200の機器IDを設定部122に通知する。設定部122は、取得した電波強度の値及び機器200の機器IDをもとに、電波強度の値の分布から、複数の機器200それぞれの設置場所を1以上の部屋に同定するために、複数の機器200が設置されたそれぞれの部屋とそれぞれの機器200との相関を設定する(ステップS103)。
【0076】
ここで、設定部122が複数の機器200それぞれの設置場所を1以上の部屋に同定するために、複数の機器200が設置されたそれぞれの部屋とそれぞれの機器200との相関を設定する処理についてより具体的に説明する。
図11は、設定部122による処理を示すフローチャートである。
【0077】
機器をDi、部屋をRj、部屋数をjmaxとする。i、j、jmaxを変数とし、まず、初期化処理として、i、j、jmaxにそれぞれ"0"をセットする(ステップS301)。設定部122は、同じ部屋に設置された複数の機器Diで測定されたそれぞれの電波強度の値は近似するという観点から部屋と機器との相関を推定する。
【0078】
すなわち、設定部122は、機器検出設定部121が最初に応答を受信した機器D1についての電波強度の値及び機器IDを機器無線通信部207及び機器検出設定部121より取得し、部屋R1との相関を設定する(ステップS302)。次以降に応答を受信した機器Di(i>1)については、以下のようにして部屋Rjとの相関が設定される。
【0079】
設定部122は、新たに取得した機器Di(i>1)の電波強度の値と、部屋Rj毎の1以上の機器の電波強度の平均値とを比較し、その差を求める(ステップS303)。機器Di(i>1)の電波強度の値とある部屋Rjの1以上の機器の電波強度の平均値との差が閾値以内の場合(ステップS304でYes)、設定部122は、機器Diがこの部屋Rjに設置されていると判断して機器Diと部屋Rjとの相関を設定する(ステップS305)。
【0080】
一方、どの部屋Rjについても機器Di(i>1)の電波強度の値と平均値との差が閾値以内ではない場合には(ステップS304でNo)、設定部122は、新たな部屋Rj(jmax+1)を設定し、この部屋Rj(jmax+1)と機器Di(i>1)との相関を設定する(ステップS306)。
【0081】
以上の処理を応答のあったすべての機器について繰り返すことで、設定部122は、応答のあったすべての機器Diと部屋Rjとの相関を設定する。このようにして、設定部122は、複数の機器200それぞれの設置場所を1以上の部屋に同定する。
【0082】
図9及び図10のフローの説明に戻る。
無線操作装置100の設定部122は、以上のようにして、複数の機器200それぞれの設置場所を1以上の部屋に同定するためにそれぞれの部屋とそれぞれの機器200との相関を設定し(ステップS103)、この相関の情報を部屋相関テーブル400として部屋相関記憶部123に格納する(ステップS104)。図12に示すように、部屋相関テーブル400には、機器200の機器ID410と部屋ID420とが対応付けて登録される。この部屋ID420には例えば上記Rjを用いることができる。
【0083】
続いて、設定部122は、機器検出設定部121に対して、部屋相関テーブル400に登録されたそれぞれの機器200の機器種別IDを取得するよう要求する。機器種別IDとは、例えば、機種名、バージョン番号、製造者名等、機器の種別をユニークに識別するための情報である。機器検出設定部121は、要求を受けると、操作装置無線通信部117を用いて、それぞれの機器200に機器情報要求を送信する(ステップS105)。
【0084】
図10のフローを参照し、機器200の機器情報送信部221は、機器無線通信部207を通じて機器情報要求を受信すると(ステップS203)、機器情報記憶部223に記憶された機器種別ID及び上記機器IDを含む機器情報を生成し、機器無線通信部207を通じて、無線操作装置100に返信する(ステップS204)。
【0085】
図9のフローに戻って、無線操作装置100の機器検出設定部121は、操作装置無線通信部117を用いて機器情報を受信する(ステップS106)。機器検出設定部121は、受信した機器情報に含まれる機器ID及び機器種別IDを設定部122に通知する。設定部122は、プリセット情報記憶部126を参照し、通知された機器種別IDに対応付けられたコマンドセットIDを読み出す。
【0086】
設定部122は、機器検出設定部121から取得した機器ID及び機器種別IDと、プリセット情報記憶部126から読み出したコマンドセットIDとを対応付けて、コマンドセットIDテーブル500を生成する。設定部122は、生成したコマンドセットIDテーブル500を、操作対象機器コマンドセットID記憶部124に格納する(ステップS107)。図13に示すように、コマンドセットIDテーブル500には、機器検出設定部121から取得した機器ID530及び機器種別ID510と、プリセット情報記憶部126から読み出したコマンドセットID520とが対応付けて登録される。以上により、操作対象機器コマンドセットID記憶部124に、各部屋に設置された複数の機器200に関する機器ID530、機器種別ID510およびコマンドセットID520が対応付けられて格納される。
【0087】
以上の処理により、無線操作装置100により、複数の機器200が設置されたそれぞれの部屋とそれぞれの機器200との相関が設定される。この後、ユーザによりタッチパネル104を用いて各機器200が設置されたそれぞれの部屋の名前のデータ(リビング、寝室など)が入力される。各部屋の部屋IDと入力された部屋の名前のデータとは、フラッシュROM119等の書き換え可能な不揮発性の記憶部に、互いに対応付けられたテーブル(図示せず)として記憶される。
【0088】
[2.部屋毎に設置された複数の機器用の操作画面の生成]
続いて、無線操作装置100のディスプレイ制御部115が、ディスプレイパネル103に出力する表示用データを生成する処理について説明する。
図14は、表示用データを生成する処理を示すフローチャートである。
【0089】
まず、制御部125は、部屋相関記憶部123に格納された部屋相関テーブル400を参照し、この部屋相関テーブル400に登録された全ての部屋ID420を読み出す(ステップS401)。この動作は、タッチパネル104が所定の検出信号を取得したことをトリガとして行えばよい。図12の例では、制御部125は、部屋ID420として「R1」、「R2」を読み出す。制御部125は、この読み出した部屋ID420に対応付けてフラッシュROM119に記憶された部屋の名前のデータを読み出し、ディスプレイ制御部115に供給する。
【0090】
ディスプレイ制御部115は、制御部125より通知された部屋の名前のデータの表示データを生成し、これをディスプレイパネル103に出力する(ステップS402)。例えば、図15に示すように、部屋ID「R1」、「R2」にそれぞれ対応付けられた部屋の名前のデータ「リビング」、「寝室」がディスプレイパネル103に表示される。
【0091】
ユーザが任意の部屋を選択するためタッチパネル104を操作すると、タッチパネルインタフェース部114は、タッチパネル104で得られた検出信号からデジタルの座標データを生成する。タッチパネルインタフェース部114は、生成した座標データを検出データとして制御部125に通知する(ステップS403)。
【0092】
制御部125は、タッチパネルインタフェース部114からの検出データをもとにいずれの部屋の名前が操作されたかを検出する。制御部125は、部屋の名前のデータと部屋IDとが対応付けられたテーブル(図示せず)を参照し、操作された部屋の名前のデータに対応付けられた部屋IDを読み出す。そして、制御部125は、部屋相関記憶部123に格納された部屋相関テーブル400を参照し、上記読み出した部屋ID420が対応付けられた機器ID410を読み出す(ステップS404)。例えば、図15で部屋の名前のデータの表示データ「リビング」が操作されたとすると、制御部125は、部屋の名前のデータ「リビング」に対応する部屋ID「R1」が対応付けられた機器ID410「D1」、「D2」、「D3」を部屋相関テーブル400から読み出す。
【0093】
続いて、制御部125は、読み出した機器ID410(図13では機器ID530)「D1」、「D2」、「D3」にそれぞれ対応付けられた各コマンドセットID520を、操作対象機器コマンドセットID記憶部124に格納されたコマンドセットIDテーブル500から読み出す(ステップS405)。制御部125は、読み出した各コマンドセットID520にそれぞれ対応付けられたGUI情報を、ディスプレイ制御部115に供給する。これらGUI情報とコマンドセットIDとは、互いに対応付けられて、例えばROM112などの不揮発性の記憶装置に予め格納されている。
【0094】
ディスプレイ制御部115は、通知されたGUI情報をもとにGUIを生成し、これをディスプレイパネル103に出力する(ステップS406)。これにより、図16に示すように、1つの部屋に設置場所が同定された1以上の機器それぞれの操作用のGUIがディスプレイパネル103に表示される。図示の例では、リビングに設置された複数の機器(照明、テレビジョン受像機、レコーダ)をそれぞれ操作するためのGUIがディスプレイパネル103に表示される。
【0095】
ユーザがタッチパネル104を操作すると、タッチパネルインタフェース部114は、タッチパネル104で得られた検出信号からデジタルの座標データを生成する。タッチパネルインタフェース部114は、生成した座標データを検出データとして制御部125に通知する。
【0096】
制御部125は、タッチパネルインタフェース部114からの検出データをもとにGUIのどの要素が操作されたかを検出する。個々のGUI要素はコマンドセットにおけるコマンドと対応付けられており、制御部125は、操作されたGUI要素に対応するコマンドを送信するように操作装置無線通信部117を制御する。
【0097】
以上のように、本実施形態では、それぞれの部屋とそれぞれの機器200との相関を設定することで複数の機器それぞれの設置場所を1以上の部屋に同定する。これにより、ユーザが特定の機器200ではなく部屋を選択することで、無線操作装置100を用いて部屋に存在する複数の制御対象の機器200をシームレスに切り替えて操作することができ、ユーザにとっての操作性および利便性がより優れたものとなる。
【0098】
また、上記特許文献1及び2の技術では、無線操作装置の現在位置に応じて操作対象の機器を判断する。このため、ユーザが無線操作装置を操作する都度又は所定時間毎に無線操作装置と操作対象の機器との位置関係を取得する必要がある。このため、ユーザが即座に無線操作装置を操作したい場合であっても、まず位置関係の取得が行われることがあり、機器に対する操作を即座に開始できないおそれがある。例えば、ユーザが無線操作装置を持って部屋を移動し、移動先の部屋で無線操作装置を使用するとする。この場合、移動先の部屋でまず無線操作装置と操作対象の機器との位置関係の取得を行う必要があるため機器に対する操作を即座に開始できず、ユーザにとって煩わしい。しかしながら、本実施形態の無線操作装置100では、複数の機器それぞれの設置場所を1以上の部屋に同定するためにそれぞれの部屋とそれぞれの機器200との相関の情報を部屋相関記憶部123に格納すれば、次回以降もその相関をもとに操作対象機器が設置された部屋を呼び出すことができ、ユーザにとっての操作性および利便性がより優れたものとなる。
【0099】
本実施形態では、機器の設置場所を1以上の部屋に同定することについて説明した。しかしながら、本技術は、必ずしも機器の設置場所を1以上の部屋に同定することに限られず、部屋以外の空間の単位(例えば、面積によって区分される1以上のエリアなど)に設置場所を同定する場合にも利用できる。
【0100】
<第2の実施形態>
上記第1の実施形態において、無線操作装置100は、複数の機器200からの設置場所を反映した測定情報としての電波強度の値を含む応答をもとに、複数の機器200それぞれの設置された場所を1以上の部屋に同定した。これに対し、第2の実施形態では、複数の機器200からの設置場所を反映した測定情報としてのGPS情報を含む応答をもとに、複数の機器200それぞれの設置された場所を1以上の部屋に同定する。
【0101】
以下の説明において、第1の実施形態と同様の構成等については同様の符号を付して説明を省略し、異なる点を中心に説明する。
【0102】
[機器200Aのハードウェア構成]
図17は第2の実施形態に係る機器200Aのハードウェア構成を示す図である。
同図に示すように、第2の実施形態に係る機器200Aは、第1の実施形態に係る機器200にGPSアンテナ230を付加したものである。
【0103】
GPSアンテナ230は、GPS(Global Positioning System)衛星から送出される電波を受信する。
【0104】
[機器200Aの機能的な構成]
図18は機器200Aの機能的な構成を示す図である。
同図に示すように、機器200Aは、第1の実施形態に係る機器200の機能ブロックに上記GPSアンテナ230と、位置測定部231とを付加したものである。
【0105】
位置測定部231は、GPSアンテナ230が受信したGPS衛星からの受信信号をもとに自機器の位置を測定し、測定した自機器の位置を示すGPS情報を機器情報記憶部223に格納する。
【0106】
機器検出要求応答部220は、機器無線通信部207を通じて機器検出要求を受信すると、機器情報記憶部223に格納されたGPS情報を読み出す。機器検出要求応答部220は、読み出したGPS情報に、機器情報記憶部223に記憶された機器IDを付加して応答を生成する。機器検出要求応答部220は、機器無線通信部207を通じて、無線操作装置100Aに応答を送信する。
【0107】
[無線操作装置100Aの機能的な構成]
機器検出設定部121は、操作装置無線通信部117を用いて受信した応答に含まれるGPS情報及び機器200Aの機器IDを設定部122に通知する。
【0108】
設定部122は、取得したGPS情報及び機器200Aの機器IDをもとに、GPS情報の分布から複数の機器200Aが設置されたそれぞれの部屋とそれぞれの機器200Aとの相関を設定する。これにより、設定部122は、複数の機器200Aそれぞれの設置場所を1以上の部屋に同定する。
【0109】
[無線操作システムの動作]
次に、無線操作装置100Aが、複数の機器200Aそれぞれの設置場所を1以上の部屋に同定するために、複数の機器200Aが設置されたそれぞれの部屋とそれぞれの機器200Aとの相関を設定する処理について説明する。
【0110】
無線操作装置100Aの機器検出設定部121は、操作装置無線通信部117を用いて、各部屋に設置された複数の機器200Aに機器検出要求を発信する(図9、ステップS101)。
【0111】
図19は、機器200Aの動作を示すフローチャートである。
機器200Aの機器検出要求応答部220は、機器無線通信部207を通じて機器検出要求を受信すると(ステップS201)、機器情報記憶部223に格納されたGPS情報を読み出す(ステップS205)。機器検出要求応答部220は、読み出したGPS情報に、機器情報記憶部223に記憶された機器IDを付加して応答を生成する。機器検出要求応答部220は、機器無線通信部207を通じて、無線操作装置100Aに応答を返信する(ステップS202)。
【0112】
図9のフローを参照し、無線操作装置100Aの機器検出設定部121は、操作装置無線通信部117にて応答を受信すると(ステップS102)、受信した応答に含まれるGPS情報及び機器200Aの機器IDを設定部122に通知する。設定部122は、取得したGPS情報及び機器200Aの機器IDをもとに、GPS情報の分布から、複数の機器200それぞれの設置場所を1以上の部屋に同定するために、複数の機器200Aが設置されたそれぞれの部屋とそれぞれの機器200Aとの相関を設定する(ステップS103)。すなわち設定部122は、似たGPS情報をもつ機器が同じ部屋に設置されていると推定する。その処理は、図11に示す処理と同様に行えばよい。ただし、ステップS303において設定部122は、新たに取得した機器DiのGPS情報の値と、部屋Rj毎の1以上の機器のGPS情報の平均値とを比較し、その差を求めるようにすればよい。
【0113】
以下、無線操作装置100AのステップS104以下の動作及び機器200AのステップS203以下の動作は、第1の実施形態での動作と同様である。
【0114】
以上のように、本実施形態によっても、複数の機器200Aそれぞれの設置場所を1以上の部屋に同定するためにそれぞれの部屋とそれぞれの機器200Aとの相関を設定する。これにより、ユーザが特定の機器200Aではなく部屋を選択することで、無線操作装置100Aを用いて部屋に存在する複数の制御対象の機器200Aをシームレスに切り替えて操作することができ、ユーザにとっての操作性および利便性がより優れたものとなる。
【0115】
<変形例1>
ところで、第1の実施形態のように、電波強度をもとに複数の機器の設置場所を1以上の部屋に同定する方式では同定困難なケースがある。例えば、図20に示すように、無線操作装置100が存在する部屋R2を挟んで両側に部屋R1と部屋R3が存在する場合である。この場合、これらの部屋R1、R3が1つの部屋として判断され、これらの部屋R1と部屋R3に設置された複数の機器200f、200iが1つの部屋内のものと判定されてしまう可能性が高い。このような場合、部屋R1または部屋R4で無線操作装置100の機器検出設定部121を起動させれば4つの部屋R1、R2、R3、R4を同定することが可能である。
【0116】
また、別の方法として、無線LANのアクセスポイント(Access Point。以下、AP)を併用する方法がある。ここで用いられるAPは、無線操作装置100からの要求に応じて、各部屋に設置された複数の機器200に機器検出要求(SearchDevice)を送信し、機器200からの応答(Response)を受信する。APは、複数の機器200より受信した応答(Response)に含まれる電波強度の値及び機器IDを無線操作装置100に応答する。無線操作装置100は、APから応答された各機器200の電波強度の値と、無線操作装置100が直接取得した各機器200の電波強度の値をもとに、各機器200の設置場所を1以上の部屋に同定する処理を行う。
【0117】
図21は、無線操作装置100が部屋R2にあり、AP300がその隣の部屋R3に設置されている場合に得られる各機器200の電波強度の相関を示す図である。
ここで、各機器200の電波強度の値は、それぞれの機器200が、電波発振源である無線操作装置100が存在する部屋R2、ならびにAP300が存在する部屋R3からいくつの部屋数(0以上)を挟んで存在しているが分かる程度の分解能で判定される。説明の簡単のため、ここでは各機器200の電波強度の値を"強"、"中"、"弱"の3段階に判定して部屋の同定を行うものとする。
【0118】
図21において、4つの部屋R1,R2,R3,R4は一列に並んでいる。部屋R1には機器200fが設置されている。部屋R2には2台の機器200gと機器200hが設置されている。部屋R3には機器200iが設置されている。部屋R4には2台の機器200jと機器200kが設置されている。
【0119】
そして部屋R2には無線操作装置100が設置され、部屋R3にはAP300が設置されている。最終的に無線操作装置100に取得される各機器200g−200kの電波強度の値は、無線操作装置100を電波発振源としたときの電波強度の値を第1の値、AP300を電波発振源としたときの電波強度の値を第2の値として次のようになる。
・機器200fの電波強度、第1の値="中"、第2の値="弱"、
・機器200gの電波強度、第1の値="強"、第2の値="中"、
・機器200hの電波強度、第1の値="強"、第2の値="中"、
・機器200iの電波強度、第1の値="中"、第2の値="強"、
・機器200jの電波強度、第1の値="弱"、第2の値="中"、
・機器200kの電波強度、第1の値="弱"、第2の値="中"、
【0120】
無線操作装置100の設定部122は、第1の値と第2の値との組み合わせをもとに、各機器の設置場所を1以上の部屋に同定する。例えば、機器200fの電波強度の第1の値="中"と第2の値="弱"という組み合わせに対して1つの部屋(部屋R1)が割り当てられ、機器200fが部屋R1にあるものとして判定される。また、機器200gと機器200hの電波強度の第1の値="強"と第2の値="中"という組み合わせに対して別の1つの部屋(部屋R2)が割り当てられ、機器200gと機器200hが部屋R2にあるものとして判定される。同様に、機器200iの電波強度の第1の値="中"、第2の値="強"という組み合わせに対して1つの部屋(部屋R3)が割り当てられ、機器200iが部屋R3にあるものとして判定される。また、機器200jと機器200kの電波強度の第1の値="弱"、第2の値="中"という組み合わせに対して別の1つの部屋(部屋R4)が割り当てられ、機器200jと機器200kが部屋R4にあるものとして判定される。
【0121】
以上のように、この変形例1では、無線操作装置100からの要求に応じて、各部屋に設置された複数の機器200に機器検出要求(SearchDevice)を送信し、機器200からの応答(Response)を受信して無線操作装置100に応答するAP300が採用される。これにより、様々な部屋のレイアウトに対して、複数の機器の設置場所を1以上の部屋に同定することができる。
【0122】
ところで、第1の実施形態のように、電波強度をもとに複数の機器の設置場所を1以上の部屋に同定する方式では同定困難な別のケースとして、図22に示す例がある。図22に示すように、無線操作装置100が存在する部屋R12を挟んで3方向に部屋R11、部屋R13、部屋R14が存在する場合である。この場合、これらの部屋R11、R13、R14が1つの部屋として判断され、これらの部屋R11、R13、R14に設置された複数の機器200f、200i、200j、200kが1つの部屋内のものと判定されてしまう可能性が高い。
【0123】
図22において、4つの部屋R11,R12,R13は一列に並び、部屋14は部屋R12,R13に隣接している。部屋R11には機器200fが設置されている。部屋R12には2台の機器200gと機器200hが設置されている。部屋R13には機器200iが設置されている。部屋R14には2台の機器200jと機器200kが設置されている。
【0124】
そして部屋R12には無線操作装置100が設置され、部屋R13にはAP300が設置されている。最終的に無線操作装置100に取得される各機器200g−200kの電波強度の値は、無線操作装置100を電波発振源としたときの電波強度の値を第1の値、AP300を電波発振源としたときの電波強度の値を第2の値として次のようになる。
・機器200fの電波強度、第1の値="中"、第2の値="弱"、
・機器200gの電波強度、第1の値="強"、第2の値="中"、
・機器200hの電波強度、第1の値="強"、第2の値="中"、
・機器200iの電波強度、第1の値="中"、第2の値="強"、
・機器200jの電波強度、第1の値="中"、第2の値="中"、
・機器200kの電波強度、第1の値="中"、第2の値="中"、
【0125】
無線操作装置100の設定部122は、第1の値と第2の値との組み合わせをもとに、各機器の設置場所を1以上の部屋に同定する。例えば、機器200fの電波強度の第1の値="中"と第2の値="弱"という組み合わせに対して1つの部屋(部屋R1)が割り当てられ、機器200fが部屋R1にあるものとして判定される。また、機器200gと機器200hの電波強度の第1の値="強"と第2の値="中"という組み合わせに対して別の1つの部屋(部屋R2)が割り当てられ、機器200gと機器200hが部屋R2にあるものとして判定される。同様に、機器200iの電波強度の第1の値="中"、第2の値="強"という組み合わせに対して1つの部屋(部屋R3)が割り当てられ、機器200iが部屋R3にあるものとして判定される。また、機器200jと機器200kの電波強度の第1の値="中"、第2の値="中"という組み合わせに対して別の1つの部屋(部屋R4)が割り当てられ、機器200jと機器200kが部屋R4にあるものとして判定される。このような部屋のレイアウトに対しても、複数の機器の設置場所を1以上の部屋に同定することができる。
【0126】
<変形例2>
変形例1では、Wi−Fi Directと無線LANのAPとを用いて複数の機器の設置場所を1以上の部屋に同定した。これに代えて、Wi−Fi Directを用いずに複数のAPを用いてもよい。
【0127】
図23は、AP300aが部屋R1に設置され、別のAP300bが部屋R1から離れた部屋R4に設置されている場合に得られる各機器200の電波強度の相関を示す図である。図23の部屋の配置及び機器の設置場所は図21と同様である。
【0128】
最終的に無線操作装置100に取得される各機器200g−200kの電波強度の値は、AP300aを電波発振源としたときの電波強度の値を第1の値、AP300bを電波発振源としたときの電波強度の値を第2の値として次のようになる。
・機器200fの電波強度、第1の値="強"、
・機器200gの電波強度、第1の値="中"、
・機器200hの電波強度、第1の値="中"、
・機器200iの電波強度、第2の値="中"、
・機器200jの電波強度、第2の値="強"、
・機器200kの電波強度、第2の値="強"、
【0129】
無線操作装置100の設定部122は、第1の値又は第2の値をもとに、各機器の設置場所を1以上の部屋に同定する。例えば、機器200fの電波強度の第1の値="強"に対して1つの部屋(部屋R1)が割り当てられ、機器200fが部屋R1にあるものとして判定される。また、機器200gと機器200hの電波強度の第1の値="中"に対して別の1つの部屋(部屋R2)が割り当てられ、機器200gと機器200hが部屋R2にあるものとして判定される。同様に、機器200iの電波強度の第2の値="中"に対して1つの部屋(部屋R3)が割り当てられ、機器200iが部屋R3にあるものとして判定される。また、機器200jと機器200kの電波強度の第2の値="強"に対して別の1つの部屋(部屋R4)が割り当てられ、機器200jと機器200kが部屋R4にあるものとして判定される。
【0130】
<変形例3>
変形例2では、複数のAPを用いて複数の機器の設置場所を1以上の部屋に同定した。これに代えて、指向性をもつAPと、全方位に電波を送受信するAPとを用いて複数の機器の設置場所を1以上の部屋に同定してもよい。
【0131】
図24は、指向性をもつAP300cと、全方位に電波を送受信するAP300dとが同じ部屋R3に設置されている場合に得られる各機器200の電波強度の相関を示す図である。図24の部屋の配置及び機器の設置場所は図21と同様である。
【0132】
最終的に無線操作装置100に取得される各機器200g−200kの電波強度の値は、AP300cを電波発振源としたときの電波強度の値を第1の値、AP300dを電波発振源としたときの電波強度の値を第2の値として次のようになる。
・機器200fの電波強度、第1の値="中"、第2の値="弱"、
・機器200gの電波強度、第1の値="中"、第2の値="中"、
・機器200hの電波強度、第1の値="中"、第2の値="中"、
・機器200iの電波強度、第1の値="強"、第2の値="強"、
・機器200jの電波強度、第1の値="なし"、第2の値="中"、
・機器200kの電波強度、第1の値="なし"、第2の値="中"、
【0133】
無線操作装置100の設定部122は、第1の値と第2の値との組み合わせをもとに、各機器の設置場所を1以上の部屋に同定する。例えば、機器200fの電波強度の第1の値="中"と第2の値="弱"という組み合わせに対して1つの部屋(部屋R1)が割り当てられ、機器200fが部屋R1にあるものとして判定される。また、機器200gと機器200hの電波強度の第1の値="中"と第2の値="中"という組み合わせに対して別の1つの部屋(部屋R2)が割り当てられ、機器200gと機器200hが部屋R2にあるものとして判定される。同様に、機器200iの電波強度の第1の値="強"、第2の値="強"という組み合わせに対して1つの部屋(部屋R3)が割り当てられ、機器200iが部屋R3にあるものとして判定される。また、機器200jと機器200kの電波強度の第1の値="中"、第2の値="なし"という組み合わせに対して別の1つの部屋(部屋R4)が割り当てられ、機器200jと機器200kが部屋R4にあるものとして判定される。
【0134】
<変形例4>
上記実施形態及び変形例では、機器200と無線操作装置100との間の無線通信システムの無線通信規格として、透過性の高い無線媒体を利用した無線通信システム(Wi−Fi Direct、APを介した無線LAN通信)を採用した。この透過性の高い無線媒体を利用した無線通信システムに加えて、透過性をもたない又は透過性の低い無線媒体(例えばIR信号)を利用した無線通信システムを補助的に利用してもよい。
【0135】
図25は、IR信号発信源としての無線操作装置100が部屋R2にあり、AP300がその隣の部屋R3に設置されている場合に得られる各機器200の電波強度の相関を示す図である。図25の部屋の配置及び機器の設置場所は図21と同様である。
【0136】
ここで用いられるIR信号発信源としての無線操作装置100は、各部屋に設置された複数の機器200にIR信号を発信する。IR信号を受信した機器200は、例えば無線LANを用いて応答(Response)を無線操作装置100に送信する(応答あり)。一方、機器200は、IR信号を受信しなければ、応答(Response)を無線操作装置100に送信しない(応答なし)。無線操作装置100は、各機器200から応答された各機器200のIR信号受信の応答と、無線操作装置100がAPから取得した各機器200の電波強度の値をもとに、各機器200の設置場所を1以上の部屋に同定する処理を行う。
【0137】
最終的に無線操作装置100に取得される各機器200g−200kの電波強度の値は、IR信号受信の応答の有無を第1の値、AP300を電波発振源としたときの電波強度の値を第2の値として次のようになる。
・機器200fの電波強度、第1の値="なし"、第2の値="弱"、
・機器200gの電波強度、第1の値="あり"、第2の値="中"、
・機器200hの電波強度、第1の値="あり"、第2の値="中"、
・機器200iの電波強度、第1の値="なし"、第2の値="強"、
・機器200jの電波強度、第1の値="なし"、第2の値="中"、
・機器200kの電波強度、第1の値="なし"、第2の値="中"、
【0138】
無線操作装置100の設定部122は、第1の値と第2の値との組み合わせをもとに、各機器の設置場所を1以上の部屋に同定する。例えば、機器200fの電波強度の第1の値="なし"、第2の値="弱"という組み合わせに対して1つの部屋(部屋R1)が割り当てられ、機器200fが部屋R1にあるものとして判定される。また、機器200gと機器200hの電波強度の第1の値="あり"、第2の値="中"という組み合わせに対して別の1つの部屋(部屋R2)が割り当てられ、機器200gと機器200hが部屋R2にあるものとして判定される。同様に、機器200iの電波強度の第1の値="なし"、第2の値="強"という組み合わせに対して1つの部屋(部屋R3)が割り当てられ、機器200iが部屋R3にあるものとして判定される。また、機器200jと機器200kの電波強度の第1の値="なし"、第2の値="中"という組み合わせに対して別の1つの部屋(部屋R4)が割り当てられ、機器200jと機器200kが部屋R4にあるものとして判定される。
【0139】
図26に示すように、機器200と無線操作装置100との間の無線通信システムとして、透過性をもたない又は透過性の低い無線媒体(例えば、IR信号)のみを利用した無線通信システムのみを利用するとする。この場合、無線操作装置100が位置する部屋R2に設置された機器200g、200hからしか応答を得ることができない。その結果、複数の機器200f、200i〜200kが設置されたそれぞれの部屋R1,R3,R4とそれぞれの機器200f、200i〜200kとの相関を設定することができない。しかしながら、本変形例のように、透過性をもたない又は透過性の低い無線媒体を利用した無線通信システムと、透過性の高い無線媒体を利用した無線通信システムとを共に採用することで、複数の機器それぞれの設置場所を1以上の部屋に同定するために、複数の機器が設置されたそれぞれの部屋とそれぞれの機器との相関を設定することができる。
【0140】
<変形例5>
上記実施形態では、機器200と無線操作装置100との間の無線通信システムの無線通信規格として、無線LANを搭載したデバイス同士による直接的な双方向の通信を可能とするWi−Fi Directを採用した。直接的な双方向の通信を可能とする無線通信システムに代えて、無線通信システムとして、図27に示すように、AP300を介した無線LAN通信を採用してもよい。これによっても、上記実施形態と同様に、複数の機器それぞれの設置場所を1以上の部屋に同定するために、複数の機器が設置されたそれぞれの部屋とそれぞれの機器との相関を設定することができる。
【0141】
なお、本技術は以下のような構成も採ることができる。
(1)機器を操作するための操作信号を無線通信により送信することが可能な無線通信部と、
前記無線通信部を用いて機器検出要求を発信し、当該機器検出要求を受信した複数の前記機器からの、設置場所を反映した測定情報を含む応答をもとに、前記複数の機器それぞれの設置された場所を1以上のエリアに同定する判定部と
を具備する無線操作装置。
【0142】
(2)前記(1)に記載の無線操作装置であって、
前記判定部は、前記機器検出要求を受信した複数の前記機器にて検出された複数の電波強度の情報を含む応答を受信し、前記複数の機器の複数の電波強度の情報をもとに、前記複数の機器それぞれの設置場所を1以上のエリアに同定する
無線操作装置。
【0143】
(3)前記(1)又は(2)に記載の無線操作装置であって、
前記判定部は、前記複数の機器から応答された複数の電波強度の値の分布をもとに前記複数の機器それぞれの設置場所を1以上のエリアに同定する
無線操作装置。
【0144】
(4)前記(1)から(3)のうちいずれか1つに記載の無線操作装置であって、
表示画面を有する表示部と、
任意の前記エリアをユーザに選択させるエリア選択部と、
前記選択されたエリアに設置場所が同定された1以上の機器それぞれの操作用のGUIを前記表示画面に表示するGUI表示部と
をさらに具備する無線操作装置。
【0145】
(5)前記(1)から(4)のうちいずれか1つに記載の無線操作装置であって、
前記エリアは建物内の部屋である
無線操作装置。
【0146】
(6)前記(1)に記載の無線操作装置であって、
前記判定部は、前記機器検出要求を受信した複数の前記機器にて検出されたGPS情報を含む応答を受信し、前記複数の機器のGPS情報をもとに、前記複数の機器それぞれの設置場所を1以上のエリアに同定する
無線操作装置。
【0147】
(7)前記(1)又は(6)に記載の無線操作装置であって、
前記判定部は、前記複数の機器から応答された複数のGPS情報の値の分布をもとに前記複数の機器それぞれの設置場所を1以上のエリアに同定する
無線操作装置。
【0148】
(8)前記(1)、(6)及び(7)のうちいずれか1つに記載の無線操作装置であって、
表示画面を有する表示部と、
任意の前記エリアをユーザに選択させるエリア選択部と、
前記選択されたエリアに設置場所が同定された1以上の機器それぞれの操作用のGUIを前記表示画面に表示するGUI表示部と
をさらに具備する無線操作装置。
【0149】
(9)前記(1)、(6)、(7)及び(8)のうちいずれか1つに記載の無線操作装置であって、
前記エリアは建物内の部屋である
無線操作装置。
【0150】
(10)無線操作装置において、判定部が、操作対象である機器を操作するための操作信号を無線通信により送信することが可能な無線通信部を用いて機器検出要求を発信し、当該機器検出要求を受信した複数の前記機器からの、設置場所を反映した測定情報を含む応答をもとに、前記複数の機器それぞれの設置場所を1以上のエリアに同定する
無線操作方法。
【0151】
(11)無線操作装置と、この無線操作装置により操作可能な複数の機器とを具備し、
前記機器は、
無線操作装置より操作信号を無線通信により送信することが可能な第1の無線通信部と、
設置場所を反映した測定情報を測定することが測定部とを具備し、
前記無線操作装置は、
前記機器を操作するための前記操作信号を無線通信により送信することが可能な第2の無線通信部と、
前記第2の無線通信部を用いて機器検出要求を発信し、当該機器検出要求を受信した複数の前記機器からの、前記設置場所を反映した測定情報を含む応答をもとに、前記複数の機器それぞれの設置された場所を1以上のエリアに同定する判定部とを具備する
無線操作システム。
【符号の説明】
【0152】
1…無線操作システム
100…無線操作装置
110…無線通信部
122…設定部
200…機器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
機器を操作するための操作信号を無線通信により送信することが可能な無線通信部と、
前記無線通信部を用いて機器検出要求を発信し、当該機器検出要求を受信した複数の前記機器からの、設置場所を反映した測定情報を含む応答をもとに、前記複数の機器それぞれの設置された場所を1以上のエリアに同定する判定部と
を具備する無線操作装置。
【請求項2】
請求項1に記載の無線操作装置であって、
前記判定部は、前記機器検出要求を受信した複数の前記機器にて検出された複数の電波強度の情報を含む応答を受信し、前記複数の機器の複数の電波強度の情報をもとに、前記複数の機器それぞれの設置場所を1以上のエリアに同定する
無線操作装置。
【請求項3】
請求項2に記載の無線操作装置であって、
前記判定部は、前記複数の機器から応答された複数の電波強度の値の分布をもとに前記複数の機器それぞれの設置場所を1以上のエリアに同定する
無線操作装置。
【請求項4】
請求項3に記載の無線操作装置であって、
表示画面を有する表示部と、
任意の前記エリアをユーザに選択させるエリア選択部と、
前記選択されたエリアに設置場所が同定された1以上の機器それぞれの操作用のGUIを前記表示画面に表示するGUI表示部と
をさらに具備する無線操作装置。
【請求項5】
請求項4に記載の無線操作装置であって、
前記エリアは建物内の部屋である
無線操作装置。
【請求項6】
請求項1に記載の無線操作装置であって、
前記判定部は、前記機器検出要求を受信した複数の前記機器にて検出されたGPS情報を含む応答を受信し、前記複数の機器のGPS情報をもとに、前記複数の機器それぞれの設置場所を1以上のエリアに同定する
無線操作装置。
【請求項7】
請求項6に記載の無線操作装置であって、
前記判定部は、前記複数の機器から応答された複数のGPS情報の値の分布をもとに前記複数の機器それぞれの設置場所を1以上のエリアに同定する
無線操作装置。
【請求項8】
請求項7に記載の無線操作装置であって、
表示画面を有する表示部と、
任意の前記エリアをユーザに選択させるエリア選択部と、
前記選択されたエリアに設置場所が同定された1以上の機器それぞれの操作用のGUIを前記表示画面に表示するGUI表示部と
をさらに具備する無線操作装置。
【請求項9】
請求項8に記載の無線操作装置であって、
前記エリアは建物内の部屋である
無線操作装置。
【請求項10】
無線操作装置において、判定部が、操作対象である機器を操作するための操作信号を無線通信により送信することが可能な無線通信部を用いて機器検出要求を発信し、当該機器検出要求を受信した複数の前記機器からの、設置場所を反映した測定情報を含む応答をもとに、前記複数の機器それぞれの設置場所を1以上のエリアに同定する
無線操作方法。
【請求項11】
無線操作装置と、この無線操作装置により操作可能な複数の機器とを具備し、
前記機器は、
無線操作装置より操作信号を無線通信により送信することが可能な第1の無線通信部と、
設置場所を反映した測定情報を測定することが測定部とを具備し、
前記無線操作装置は、
前記機器を操作するための前記操作信号を無線通信により送信することが可能な第2の無線通信部と、
前記第2の無線通信部を用いて機器検出要求を発信し、当該機器検出要求を受信した複数の前記機器からの、前記設置場所を反映した測定情報を含む応答をもとに、前記複数の機器それぞれの設置された場所を1以上のエリアに同定する判定部とを具備する
無線操作システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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