説明

無線装置の電源制御装置、およびこれを利用した無線型コントローラ、無線型センサ、センサネットワークシステム、並びに無線端末の電源制御方法

【課題】 制御対象プロセスへの制御性能を維持しつつ無線装置の電源寿命を延長させることが可能な無線装置の電源制御装置を提供する。
【解決手段】 制御対象プロセス11の状態を測定するセンサ機能付き無線端末13Aと、制御対象プロセス11の設備機器を制御するコントローラ機能付き無線端末12Cとに接続され、センサ機能付き無線端末13Aで測定された測定データと、この測定データから予測される制御対象プロセス11の未来の応答に相当する予測制御量に基づいてセンサ機能付き無線端末13Aおよびコントローラ機能付き無線端末12Cの電源のスリープ時間を通信周期指令値として算出し、この通信周期指令値を該当するセンサ機能付き無線端末13Aおよびコントローラ機能付き無線端末12Cに送信する制御対象プロセス状態推定部143を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線センサや無線コントローラなど無線を利用した装置の電源を制御する無線装置の電源制御装置、およびこれを利用した無線型コントローラ、無線型センサ、センサネットワークシステム、並びに無線端末の電源制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、無線技術は飛躍的な発展を遂げ、通信機器はもとより、センサおよびコントローラに内蔵した無線装置間で情報の送受信を行うセンサネットワーク、微小な無線装置(IDタグや無線タグ)を利用して人やモノを識別・管理するRFID(Radio Frequency Identification)など、多くの産業機器や家電機器で広く利用されている。
【0003】
図14に、従来のセンサネットワークの一例を示す。
【0004】
センサネットワークシステム100は、親機としての無線基地局101が、センサ機能を有する子機としての複数のセンサ無線端末102とコントローラ機能を有する子機としての複数のコントローラ無線端末103とに無線にて通信可能な状態で構成されている。
【0005】
このセンサネットワークシステム100において、センサ無線端末102は例えばビルの温度、湿度、照度、プラントの温度、流量、圧力、機器の振動などを測定し、指定された周期でこの測定データを無線通信で親機としての無線基地局101に送信する。
【0006】
親機としての無線基地局101は、センサ無線端末102から測定データを受信すると、コントローラ無線端末103に発信する。
【0007】
コントローラ無線端末103では、指定された周期で親機としての無線基地局101から測定データを受信し、制御対象プロセスである例えばビルの空調制御装置、照明制御装置、プラントの温度・流量・圧力制御装置、機器のメカニカル制御装置などを制御する制御信号を算出し、これらの装置に制御信号を出力する。
【0008】
これらの無線端末は電源ケーブルや通信ケーブルを設置する必要がないことから、既設のビルや社会インフラなどに後から設置しやすい、設置工事費が安価である、仮設期間などの限定された期間のみ設置し期間経過後は移設するなどの一時的利用が可能である、設置の際、建物、設備の壁に穴を開けるような配線工事をする必要がない、などの利点がある。
【0009】
また一方で、これらの無線端末では電源ケーブルを設置せず端末内に設けられた電源により通信、センシング、センシングしたデータの演算および変換などを行っているため、通信量が増えたり、通信距離を伸ばすために出力電波を大きくしたりすると、電力消費量が増加し、電源交換周期が短くなりメンテナンスのための労力やコストが増加するという問題がある。
【0010】
この無線端末の電源を管理する方法として、(1)外部から電波や光などのエネルギーを非接触で供給する電力供給方式(RFIDなど)、(2)ソーラー電源や温度差発電、振動による発電などの自己発電機能によりエネルギーを得る自己発電方式、(3)通信の工夫により消費電力を減らし、電源の寿命を延ばす電源管理方式、などがある。
【0011】
非特許文献1では、センサ向け無線通信規格であるZigBeeにおいて、上記(3)に関する電源管理の標準化が考慮されていることが記載されている。
【0012】
また、特許文献1および2においても、(3)の電源管理方式に関する技術が記載されている。
【0013】
特許文献1には、周期的に変調搬送波信号を探す受信モードに入り、変調搬送波信号が検出されないときにはスリープモードで動作する無線ラベルに関する技術が記載されている。
【0014】
また、特許文献2には、遠隔操作を行う通信装置において、データが発生したときのみバインド状態に遷移して通信が可能になり、通信すべきデータないときにはアンバインド状態に遷移して消費電力を抑えることにより、送受信素子の寿命を延ばす技術が記載されている。
【非特許文献1】EDN Japan 2006 7月号 pp.42〜51
【特許文献1】特許3226784号公報
【特許文献2】特許3533419号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
しかし、これらの特許文献1および特許文献2の技術において、スリープ状態(アンバインド状態)からウエイクアップ状態(バインド状態)に遷移して通信を行うタイミングは制御対象プロセスの状態への影響が考慮されずに制御されているため、これらの技術を用いると制御対象プロセスに対して適切な制御を行うことができない場合があるという問題があった。
【0016】
例えば、制御対象プロセスが過渡状態にあるときは、適切な制御を行うためには細かなタイミングでセンサによるデータの測定やコントローラによる各種装置の制御が必要であるため、電源の消費電力を減らすために通信回数を減らすと制御性能が低下し、迅速に的確な制御が行われないという問題があった。
【0017】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、制御対象プロセスの制御性能を維持しつつ無線装置の電源寿命を延長させることが可能な無線装置の電源制御装置、およびこれを利用した無線型コントローラ、無線型センサ、センサネットワークシステム、並びに無線端末の電源制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0018】
以下、本明細書では、一般に空調制御などの制御システムにおいて、空調機と部屋のエネルギー特性を含めた制御対象全体を「制御対象プロセス」、その出力であり制御により所望の値にしたい諸量を「制御量」、制御量の未来の挙動・応答を予測したものを「予測制御量」、制御量を含め、センサで観測する量を「測定データ」、制御を行うために空調機などの設備・装置側に操作量としてコントローラから出力する信号を「制御信号」と称することにする。よって、一般文献における操作量が「制御信号」、一般文献における制御量フィードバック信号が「測定データ」となる。
【0019】
上記目的を達成するための本発明の無線端末の電源制御装置は、制御対象プロセスの状態を測定するセンサ装置と、前記制御対象プロセスの設備機器を制御するコントローラ装置とのうち、無線端末で構成された少なくとも一方の装置の電源状態を制御するものであり、前記センサ装置で測定された測定データに基づいて、前記コントローラ装置で制御を行うための制御信号を算出する制御演算部と、前記測定データと前記制御信号とを用いて前記制御対象プロセスの状態を示す推定状態量を算出する推定状態量算出部と、推定状態量算出部で算出された推定状態量を基に前記対象プロセスの未来の応答に相当する予測制御量を算出する予測制御量算出部と、前記予測制御量算出部で算出された予測制御量に基づいて、前記センサ装置と前記コントローラ装置との少なくともいずれか一方の制御対象の無線端末の電源のスリープ時間を通信周期指令値として算出する通信周期指令値算出部と、通信周期指令値算出部で算出された通信周期指令値を、前記制御対象の前記センサ装置と前記コントローラ装置との少なくともいずれか一方の無線端末に送信する通信周期発信部とを備えることを特徴とする。
【0020】
また、この無線端末の電源制御装置は、前記測定データおよび前記制御信号を格納する制御履歴データベースを有し、前記推定状態量算出部は、前記測定データと、前記制御信号と、前記制御履歴データベースに格納された過去の前記測定データおよび前記制御信号の一方または両方とを用いて前記制御対象プロセスの推定状態量を算出するようにしてもよい。
【0021】
また、本発明の無線型コントローラは、制御対象プロセスの状態を測定するセンサ機能を有する無線端末に接続され、前記制御対象プロセスの設備機器に対する制御を行うものであり、前記センサ機能を有する無線端末で測定された測定データに基づいて前記制御対象プロセスの設備機器を制御するための制御信号を算出する制御演算部と、前記測定データと前記制御信号とを用いて前記制御対象プロセスの状態を示す推定状態量を算出する推定状態量算出部と、推定状態量算出部で算出された推定状態量を基に前記対象プロセスの未来の応答に相当する予測制御量を算出する予測制御量算出部と、前記予測制御量算出部で算出された予測制御量に基づいて、前記センサ機能を有する無線端末のスリープ時間を通信周期指令値として算出する通信周期指令値算出部と、前記通信周期指令値算出部で算出された通信周期指令値を、前記センサ機能を有する無線端末に発信する通信周期発信部とを備えることを特徴とする。
【0022】
また、本発明の無線型センサは、制御対象プロセスの設備機器の制御を行うコントローラ機能を有する無線端末に接続されたものであり、前記制御対象プロセスの状態を測定するセンサ部と、前記センサ部で測定された前記制御対象プロセスの状態の測定データに基づいて前記コントローラ機能を有する無線端末で制御を行うための制御信号を算出する制御演算部と、前記測定データと前記制御信号とを用いて前記制御対象プロセスの状態を示す推定状態量を算出する推定状態量算出部と、推定状態量算出部で算出された推定状態量を基に前記対象プロセスの未来の応答に相当する予測制御量を算出する予測制御量算出部と、前記予測制御量算出部で算出された予測制御量に基づいて、前記コントローラ機能を有する無線端末のスリープ時間を通信周期指令値として算出する通信周期指令値算出部と、前記通信周期指令値算出部で算出された通信周期指令値を、前記コントローラ機能を有する無線端末に発信する通信周期発信部とを備えることを特徴とする。
【0023】
また、本発明のセンサネットワークシステムは、親機としての基地局と、制御対象プロセスの状態を測定する前記基地局の子機としてのセンサ機能付き無線端末と、前記制御対象プロセスの設備機器を制御する前記基地局の子機としてのコントローラ機能付き無線端末とを備えるものであり、前記基地局は、前記センサ機能付き無線端末で測定された測定データに基づいて前記コントローラ機能付き無線端末で制御を行うための制御信号を生成する制御演算部と、前記測定データと前記制御信号とを用いて前記制御対象プロセスの状態を示す推定状態量を算出する推定状態量算出部と、推定状態量算出部で算出された推定状態量を基に前記対象プロセスの未来の応答に相当する予測制御量を算出する予測制御量算出部と、前記予測制御量算出部で算出された予測制御量に基づいて、前記センサ機能付き無線端末および前記コントローラ機能付き無線端末のスリープ時間を通信周期指令値として算出する通信周期指令値算出部と、通信周期指令値算出部で算出された通信周期指令値を、該当する前記センサ機能付き無線端末および前記コントローラ機能付き無線端末に送信する通信周期発信部とを有し、前記センサ機能付き無線端末は、前記制御対象プロセスの状態を測定するセンサ部と、前記センサ部で測定された前記制御対象プロセスの状態の測定データを前記基地局の制御演算部に送信する測定データ発信部と、前記通信周期発信部から前記通信周期指令値を受信する通信周期受信部と、前記測定データ発信部から前記測定データが発信されるとスリープ状態に遷移し、前記通信周期受信部で受信した通信周期指令値に従って前記スリープ状態が解除される電源部とを有し、前記コントローラ機能付き無線端末は、前記基地局の制御演算部から制御信号を受信し、この制御信号を前記制御対象プロセスに発信する制御信号出力部と、前記通信周期発信部から前記通信周期指令値を受信する通信周期受信部と、前記制御信号出力部から前記制御信号が発信されるとスリープ状態に遷移し、前記通信周期受信部で受信した通信周期指令値に従って前記スリープ状態が解除される電源部とを有することを特徴とする。
【0024】
また、本発明の無線端末の電源制御方法は、制御対象プロセスの状態を測定するセンサ装置から測定データを取得するステップと、前記測定データに基づいて、前記制御対象プロセスの設備機器をコントローラ装置で制御するための制御信号を生成するステップと、
前記測定データと前記制御信号とを用いて前記制御対象プロセスの状態を示す推定状態量を算出するステップと、算出された推定状態量を基に前記対象プロセスの未来の応答に相当する予測制御量を算出するステップと、算出された予測制御量に基づいて前記センサ装置と前記コントローラ装置とのうち無線端末で構成された少なくともいずれか一方の装置の電源のスリープ時間を通信周期指令値として算出するステップと、算出された通信周期指令値を、該当する前記センサ装置および前記コントローラ装置の少なくともいずれか一方の装置に送信するステップとを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0025】
本発明の無線装置の電源制御装置、およびこれを利用した無線型コントローラ、無線型センサ、センサネットワークシステム、並びに無線端末の電源制御方法によれば、制御対象となるプロセスの内部状態に応じてセンサおよびコントローラの通信周期を制御することにより、制御対象プロセスへの制御性能を維持しつつ無線装置の電源寿命を延長させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
《第1実施形態》
〈第1実施形態によるセンサネットワークシステム1の構成〉
本発明の第1実施形態によるセンサネットワークシステム1の構成について、図1を参照して説明する。
【0027】
本実施形態によるセンサネットワークシステム1は、制御対象プロセス11と、親機として機能するコントローラ機能付き無線基地局12Aと、コントローラ機能付き無線基地局12Aの子機として機能する複数のセンサ機能付き無線端末13Aとを有する。
【0028】
制御対象プロセス11は、コントローラ機能付き無線基地局12Aにより制御される対象であり、例えばビルの空調制御装置、照明制御装置、プラントの温度・流量・圧力制御装置、機器のメカニカル制御装置などである。
【0029】
親機としてのコントローラ機能付き無線基地局12Aは、測定データ受信部121と、制御履歴データベース122と、制御対象プロセス状態推定部123と、通信周期発信部124と、制御信号出力部125とを有する。
【0030】
測定データ受信部121は、後述するセンサ機能付き無線端末13Aから無線通信にて発信された測定データを受信する。
【0031】
制御履歴データベース122は、測定データと制御対象プロセスへの制御信号とを制御履歴データベースとして記憶・格納する。
【0032】
制御対象プロセス状態推定部123は、測定データ受信部121から受信した測定データに基づいて制御対象プロセスの状態を推定する。
【0033】
制御対象プロセス状態推定部123の詳細な構成を図2に示す。
【0034】
制御対象プロセス状態推定部123は、制御演算部123aと、推定状態量算出部123bと、予測制御量算出部123cと、通信周期指令値算出部123dとを有する。
【0035】
制御演算部123aは、測定データ受信部121から取得した測定データから、制御対象プロセス11に対する制御信号を算出し、制御信号出力部125および推定状態量算出部123bに送出する。
【0036】
同時に、前記測定データと前記制御信号は制御履歴データベースに送信、格納される。
【0037】
推定状態量算出部123bは、測定データと、制御演算部123aで算出された制御信号とにより制御対象プロセスの推定状態量を算出する。
【0038】
この推定状態量の算出には例えばカルマンフィルタや状態観測機(オブザーバー)などの手法を用いる。その用途は、算出した推定状態量に応じて、制御対象プロセスは安定した状態か否かを推定するためのものである。
【0039】
予測制御量算出部123cは、推定状態量算出部123bで算出された推定状態量を基に制御対象プロセスの未来の応答に相当する予測制御量を算出する。
【0040】
通信周期指令値算出部123dは、予測制御量算出部123cで算出された予測制御量から、次の測定データの入手までの周期であるセンサ機能付き無線端末13Aのスリープ時間を通信周期指令値として算出する。
【0041】
通信周期発信部124は、制御対象プロセス状態推定部123の通信周期指令値算出部123dで算出された通信周期指令値を、センサ機能付き無線端末13Aに無線通信により送信する。
【0042】
制御信号出力部125は、制御対象プロセス状態推定部123の制御演算部123aで演算された制御信号を受信し、制御対象プロセス11を制御するために出力する。
【0043】
子機としてのセンサ機能付き無線端末13Aは制御対象プロセス11近傍に設置され、センサ部131と、演算部132と、測定データ発信部133と、通信周期受信部134と、タイマーセット部135と、スリープタイマー部136と、電源部137とを有する。
【0044】
センサ部131は、制御対象プロセス11の状態をセンシングして測定データを取得する。測定内容としては、例えばビルの温度、湿度、照度、プラントの温度、流量、圧力、機器の振動などがある。
【0045】
演算部132は、センサ部131から測定データを取得してスケーリングおよびデータ補正などの補正処理を施す。
【0046】
測定データ発信部133は、演算部132で補正処理が施された測定データをコントローラ機能付き無線基地局12A宛てに無線通信にて発信する。
【0047】
通信周期受信部134は、コントローラ機能付き無線基地局12Aから後述する通信周期指令値を受信する。
【0048】
タイマーセット部135は、通信周期受信部134で受信した通信周期指令値に従ってタイマーをセットするためのタイマーセット指示を送出する。
【0049】
スリープタイマー部136は、タイマーであり、タイマーセット部135から送出されたタイマーセット指示に従ってスリープ時間を計測し、スリープ時間が終了するとスリープ終了指示を電源部137に送出する。
【0050】
電源部137は、センサ機能付き無線端末13Aが動作するための電源であり、測定データ発信部133で測定データが発信されるとスリープ状態になり、スリープタイマー部136からスリープ終了指示を取得すると通常状態に戻りセンサ部131にセンシングを行わせる。
【0051】
〈第1実施形態によるセンサネットワークシステム1の動作〉
次に、本実施形態によるセンサネットワークシステム1の動作について図3のシーケンス図を参照して説明する。
【0052】
まず、制御対象プロセス11近傍に設置された複数のセンサ機能付き無線端末13Aのセンサ部131において制御対象プロセス11の状態がセンシングされ、ビルの温度、湿度、照度、プラントの温度、流量、圧力、機器の振動などの測定データが取得される(S1)。
【0053】
センサ部131で取得された測定データは演算部132でスケーリングおよびデータ補正などの補正処理が施され、測定データ発信部133から親機であるコントローラ機能付き無線基地局12A宛てに無線通信にて発信される(S2)。
【0054】
コントローラ機能付き無線基地局12Aでは、複数のセンサ機能付き無線端末13から受信した測定データに基づいて、制御対象プロセス11を制御するための制御信号およびセンサ機能付き無線端末13Aの電源を管理するための通信周期指令値が生成される(S3)。
【0055】
コントローラ機能付き無線基地局12Aにおいて制御信号および通信周期指令値が生成されるときの動作について、図4のフローチャートを参照して説明する。
【0056】
まず、測定データ発信部133から無線通信にて発信された測定データが、コントローラ機能付き無線基地局12Aの測定データ受信部121で受信される(S11)。
【0057】
測定データ受信部121で受信された測定データは制御対象プロセス状態推定部123の制御演算部123aに送出され、制御対象プロセス11に対する制御信号が生成される(S12)。
【0058】
生成された制御信号は、制御信号出力部125および推定状態量算出部123bに送出される。
【0059】
制御信号出力部125では、取得された制御信号が制御対象プロセス11に出力される。
【0060】
また推定状態量算出部123bでは、測定データと制御信号および、制御履歴データベース122に格納された過去の測定データ、制御信号に基づき、制御対象プロセスの推定状態量が算出される(S13)。
【0061】
推定状態量算出部123bにおいて制御対象プロセスの推定状態量が算出されると、予測制御量算出部123cにおいてこの推定状態量を基に制御対象プロセスで応答されると予測される予測制御量が算出される(S14)。
【0062】
予測制御量算出部123cにおいて予測制御量が算出されると、この予測制御量から、通信周期指令値算出部123dにおいて次の測定データの入手までの周期であるセンサ機能付き無線端末13Aのスリープ時間が通信周期指令値として算出される(S15)。
【0063】
通信周期指令値算出部123dで算出する通信周期指令値について説明する。
【0064】
計測開始時刻をt0、センサ機能付き無線端末13Aの最小サンプリング周期をτ、推定される最長のサンプリング周期(スリープ時間)をnτ(nは整数とする)とすると、最小サンプリング周期によるサンプリング時刻はそれぞれ、t0、t0+τ、t0+2τ、・・・t0+nτである。また、時刻tにおける予測制御量をy(t)とする。
【0065】
このときに、制御対象プロセス11が制御動作をあまり必要としない安定した状態であるか、制御動作をきめ細かく必要とする過渡状態であるかを判断するために、あらかじめ設定された予測制御量の閾値をεとして下記式(1)が成り立つサンプリング周期kτが求められる。
【0066】
〔数1〕
|y(t0+kτ)−y(t0)|≧ε (1)
通信周期指令値であるスリープ時間tsとしては、上記式(1)が成り立つ直前のサンプリング周期が無線端末の電源スリープ時間、すなわち、次の無線通信のタイミングを意味する無線通信周期指令値の候補として採用され、下記式(2)で表される。
【0067】
〔数2〕
ts=(k−1)τ (2)
以上で、通信周期指令値算出部123dにおいて通信周期指令値が生成されるときの動作の説明を終了する。
【0068】
図3のフローチャートに戻り、通信周期指令値算出部123dで算出された通信周期指令値は、通信周期発信部124から対象となるセンサ機能付き無線端末13Aに無線通信により送信される(S4)。
【0069】
それぞれのセンサ機能付き無線端末13Aでは、通信周期発信部124から送信された通信周期指令値が通信周期受信部134で受信され、受信された通信周期指令値に従って生成されたタイマーを設定するためのタイマーセット指示がタイマーセット部135によりスリープタイマー部136に送出される。
【0070】
スリープタイマー部136では、取得したタイマーセット指示に従ってスリープ時間が計測され(S5)、スリープ時間が終了するとスリープ終了指示がセンサ機能付き無線端末13Aを動作させるための電源部137に送出される。
【0071】
電源部137では、ステップS12において通信周期指令値が生成されるための測定データが測定データ発信部133から発信されるとスリープ状態に遷移しており、スリープタイマー部136からスリープ終了指示が取得されるとスリープ状態が解除されて通常の電源投入状態に戻る(S6)。
【0072】
電源部137が通常の電源投入状態に戻るとセンサ部131で再度センシングが行われるようになる(S7)。
【0073】
以上の第1実施形態によれば、親機である無線基地局において対象となるプロセスの内部状態に応じて生成される通信周期指令値により、制御性能に支障をきたすことのない安全な範囲で子機であるセンサの電源部のスリープ時間ができるだけ長くなるように制御し、従来の電源延命技術よりもさらに無線装置の電源寿命を延長させることができる。
【0074】
また、通信周期指令値を生成する機能を親機に備えることで、子機の構成を簡易にすることができる。
【0075】
《第2実施形態》
〈第2実施形態によるセンサネットワークシステム2の構成〉
本発明の第2実施形態によるセンサネットワークシステム2の構成について、図5を参照して説明する。
【0076】
本実施形態によるセンサネットワークシステム2は、制御対象プロセス11と、親機として機能するコントローラ機能付き無線基地局12Bと、コントローラ機能付き無線基地局12Bの子機として機能する複数のセンサ機能付き無線端末13Bとを有する。
【0077】
コントローラ機能付き無線基地局12Bは、制御信号出力部125のみを有する。
【0078】
センサ機能付き無線端末13Bは、センサ部131と、演算部132と、タイマーセット部135と、スリープタイマー部136と、電源部137と、制御履歴データベース138と、制御対象プロセス状態推定部139とを有する。
【0079】
各部の機能は、第1実施形態における同名称の各部の機能と同様であるため、詳細な説明は省略する。
【0080】
〈第2実施形態によるセンサネットワークシステム2の動作〉
次に、本実施形態によるセンサネットワークシステム2の動作について図6のシーケンス図を参照して説明する。
【0081】
まず、制御対象プロセス11近傍に設置された複数のセンサ機能付き無線端末13Bのセンサ部131において制御対象プロセス11の状態がセンシングされ、ビルの温度、湿度、照度、プラントの温度、流量、圧力、機器の振動などの測定データが取得される(S21)。
【0082】
センサ部131で取得された測定データは演算部132でスケーリングおよびデータ補正などの補正処理が施され、制御対象プロセス状態推定部139に送出される。
【0083】
制御対象プロセス状態推定部139における制御信号の生成処理および通信周期指令値の生成処理は、第1実施形態の図4の動作と同様であるため詳細な説明は省略する。
【0084】
制御対象プロセス状態推定部139において生成された制御信号はコントローラ機能付き無線基地局12Bの制御信号出力部125に送出され、制御対象プロセス11に出力される(S23)。
【0085】
また、制御対象プロセス状態推定部139において生成された通信周期指令値は(S24)、タイマーセット部135に送出される。
【0086】
タイマーセット部135では取得した通信周期指令値に従ってタイマーを設定するためのタイマーセット指示が生成され、スリープタイマー部136に送出される。
【0087】
以降のステップS25〜S27の処理は、第1実施形態におけるステップS5〜S7の処理と同様であるため、詳細な説明を省略する。
【0088】
以上の第2実施形態によれば、子機自身で対象となるプロセスの内部状態に応じて生成される通信周期指令値により、制御性能に支障をきたすことのない安全な範囲でセンサの電源部のスリープ時間ができるだけ長くなるように制御し、従来の電源延命技術よりもさらに無線装置の電源寿命を延長させることができる。
【0089】
また、通信周期指令値を生成する機能を子機に備えることで、親機の構成を簡易にすることができる。
【0090】
《第3実施形態》
〈第3実施形態によるセンサネットワークシステム3の構成〉
本発明の第3実施形態によるセンサネットワークシステム3の構成について、図7を参照して説明する。
【0091】
本実施形態によるセンサネットワークシステム3は、制御対象プロセス11と、子機として機能する複数のコントローラ機能付き無線端末12Cと、コントローラ機能付き無線端末12Cの親機として機能するセンサ機能付き無線基地局13Cとを有する。
【0092】
コントローラ機能付き無線端末12Cは、制御信号出力部125と、通信周期受信部126と、タイマーセット部127と、スリープタイマー部128と、電源部129とを有する。
【0093】
センサ機能付き無線基地局13Cは、センサ部131と、演算部132と、制御履歴データベース138と、制御対象プロセス状態推定部139と、通信周期発信部140とを有する。
【0094】
各部の機能は、第1実施形態における同名称の各部の機能と同様であるため、詳細な説明は省略する。
【0095】
〈第3実施形態によるセンサネットワークシステム3の動作〉
次に、本実施形態によるセンサネットワークシステム3の動作について図8のシーケンス図を参照して説明する。
【0096】
図8のステップS31〜S34の処理は、第2実施形態における図6のステップS21〜S24の処理と同様であるため、詳細な説明は省略する。
【0097】
ステップS34において生成された通信周期指令値は、通信周期発信部140から対象となるコントローラ機能付き無線端末12Cに無線通信により送信される(S35)。
【0098】
それぞれのコントローラ機能付き無線端末12Cでは、通信周期発信部140から送信された通信周期指令値が通信周期受信部126で受信され、受信された通信周期指令値に従って生成されたタイマーを設定するためのタイマーセット指示がタイマーセット部127によりスリープタイマー部128に送出される。
【0099】
スリープタイマー部128では、取得したタイマーセット指示に従ってスリープ時間が計測され(S36)、スリープ時間が終了するとスリープ終了指示がコントローラ機能付き無線端末12Cを動作させるための電源部129に送出される。
【0100】
電源部129では、ステップS33において制御対象プロセス11を制御するための制御信号が制御信号出力部125から出力されるとスリープ状態に遷移しており、スリープタイマー部128からスリープ終了指示が取得されるとスリープ状態が解除されて通常の電源投入状態に戻る(S37)。
【0101】
電源部129が通常の電源投入状態に戻ると制御信号出力部125で再度制御信号の出力が行われるようになる(S38)。
【0102】
以上の第3実施形態によれば、親機である無線基地局において対象となるプロセスの内部状態に応じて生成される通信周期指令値により、制御性能に支障をきたすことのない安全な範囲で子機であるコントローラの電源部のスリープ時間ができるだけ長くなるように制御し、従来の電源延命技術よりもさらに無線装置の電源寿命を延長させることができる。
【0103】
また、通信周期指令値を生成する機能を親機に備えることで、子機の構成を簡易にすることができる。
【0104】
《第4実施形態》
〈第4実施形態によるセンサネットワークシステム4の構成〉
本発明の第4実施形態によるセンサネットワークシステム4の構成について、図9を参照して説明する。
【0105】
本実施形態によるセンサネットワークシステム4は、制御対象プロセス11と、子機として機能する複数のコントローラ機能付き無線端末12Dと、コントローラ機能付き無線端末12Cの親機として機能するセンサ機能付き無線基地局13Dとを有する。
【0106】
コントローラ機能付き無線端末12Dは、測定データ受信部121と、制御履歴データベース122と、制御対象プロセス状態推定部123と、制御信号出力部125と、タイマーセット部127と、スリープタイマー部128と、電源部129とを有する。
【0107】
センサ機能付き無線基地局13Dは、センサ部131と、演算部132と、測定データ発信部133とを有する。
【0108】
各部の機能は、第1実施形態における同名称の各部の機能と同様であるため、詳細な説明は省略する。
【0109】
〈第4実施形態によるセンサネットワークシステム4の動作〉
次に、本実施形態によるセンサネットワークシステム4の動作について図10のシーケンス図を参照して説明する。
【0110】
図10のステップS41〜S43の処理は、第1実施形態における図3のステップS1〜S3の処理と同様であるため、詳細な説明は省略する。
【0111】
ステップS44において生成された通信周期指令値は、タイマーセット部127に送出される。
【0112】
タイマーセット部127では取得した通信周期指令値に従ってタイマーを設定するためのタイマーセット指示が生成され、スリープタイマー部128に送出される。
【0113】
以降のステップS44〜S46の処理は、第3実施形態におけるステップS36〜S38の処理と同様であるため、詳細な説明を省略する。
【0114】
以上の第4実施形態によれば、子機自身で対象となるプロセスの内部状態に応じて生成される通信周期指令値により、制御性能に支障をきたすことのない安全な範囲でコントローラの電源部のスリープ時間ができるだけ長くなるように制御し、従来の電源延命技術よりもさらに無線装置の電源寿命を延長させることができる。
【0115】
また、通信周期指令値を生成する機能を子機に備えることで、親機の構成を簡易にすることができる。
【0116】
《第5実施形態》
〈第5実施形態によるセンサネットワークシステム5の構成〉
本発明の第5実施形態によるセンサネットワークシステム5の構成について、図11を参照して説明する。
【0117】
本実施形態によるセンサネットワークシステム5は、制御対象プロセス11と、子機として機能する複数のコントローラ機能付き無線端末12Cと、子機として機能する複数のセンサ機能付き無線端末13Aと、コントローラ機能付き無線端末12Cおよびセンサ機能付き無線端末13Aの親機として機能する無線端末の電源制御装置としての基地局14Aとを有する。
【0118】
複数のコントローラ機能付き無線端末12Cは第3実施形態におけるコントローラ機能付き無線端末12Cの構成と同様であり、複数のセンサ機能付き無線端末13Aは第1実施形態におけるセンサ機能付き無線端末13Aの構成と同様であるため、詳細な説明は省略する。
【0119】
基地局14Aは、測定データ受信部141と、制御履歴データベース142と、制御対象プロセス状態推定部143と、通信周期発信部144とを有する。
【0120】
基地局14Aの各部の機能は、第1実施形態における同名称の各部の機能と同様であるため、詳細な説明は省略する。
【0121】
〈第5実施形態によるセンサネットワークシステム5の動作〉
次に、本実施形態によるセンサネットワークシステム5の動作について図12のシーケンス図を参照して説明する。
【0122】
図12のステップS51およびS52の処理は、第1実施形態における図3のステップS1およびS2の処理と同様であるため、詳細な説明は省略する。
【0123】
ステップS2で各センサ機能付き無線端末13Aの測定データ発信部133から発信された測定データは、基地局14Aの測定データ受信部141で受信される。
【0124】
測定データ受信部141で受信された測定データは制御対象プロセス状態推定部143に送出され、制御対象プロセス状態推定部143において第1実施形態と同様の制御信号の生成処理および通信周期指令値の生成処理が行われる(S53)。
【0125】
この制御対象プロセス状態推定部143において生成された制御信号はコントローラ機能付き無線端末12Cの制御信号出力部125に送出され、制御対象プロセス11に出力される(S23)。
【0126】
また制御対象プロセス状態推定部143において生成された通信周期指令値は、コントローラ機能付き無線端末12Cの通信周期受信部126およびセンサ機能付き無線端末13Aの通信周期受信部134に送出される(S54)。
【0127】
それぞれのセンサ機能付き無線端末13Aで通信周期指令値が受信された以降の処理(S55〜S57)は、第1実施形態における図3のステップS5〜S7の処理と同様であるため詳細な説明は省略する。
【0128】
また、それぞれのコントローラ機能付き無線端末12Cで通信周期指令値が受信された以降の処理(S58〜S60)は、第3実施形態における図3のステップS36〜S38の処理と同様であるため詳細な説明は省略する。
【0129】
以上の第5実施形態によれば、親機である基地局において対象となるプロセスの内部状態に応じて生成される通信周期指令値により、制御性能に支障をきたすことのない安全な範囲で子機であるコントローラおよびセンサの電源部のスリープ時間ができるだけ長くなるように制御し、従来の電源延命技術よりもさらに無線装置の電源寿命を延長させることができる。
【0130】
また、通信周期指令値を生成する機能を親機に備えることで、子機の構成を簡易にすることができる。
【0131】
《第6実施形態》
〈第6実施形態によるセンサネットワークシステム6の構成〉
本発明の第6実施形態によるセンサネットワークシステム6の構成について、図13を参照して説明する。
【0132】
本実施形態によるセンサネットワークシステム6は、制御対象プロセス11と、子機として機能する複数のコントローラ機能付き無線端末12Dと、子機として機能する複数のセンサ機能付き無線端末13Bとを有する。
【0133】
複数のコントローラ機能付き無線端末12Dは第4実施形態におけるコントローラ機能付き無線端末12Dの構成と同様であり、複数のセンサ機能付き無線端末13Bは第2実施形態におけるセンサ機能付き無線端末13Bの構成と同様であるため、詳細な説明は省略する。
【0134】
本実施形態のセンサネットワークシステム6は、複数のコントローラ機能付き無線端末12Dおよび機能する複数のセンサ機能付き無線端末13Bのうちのいずれかが状態によって子機から親機になって機能することにより、第1実施形態〜第4実施形態のいずれかのセンサネットワークシステムと同様の構成となる。
【0135】
〈第6実施形態によるセンサネットワークシステム6の動作〉
本実施形態によるセンサネットワークシステム6の動作は、子機の無線端末いずれかが親機として機能することにより、第1実施形態〜第4実施形態のいずれかのセンサネットワークシステムと同様の動作が行われるため、詳細な説明は省略する。
【0136】
以上の第6実施形態によれば、各無線装置が自装置の電源を制御する機能を有するとともに状態に応じて他の無線装置の親機となる機能を有しているため、ZigBeeのような技術を用いる際にも各無線装置の電源寿命を延長させることができる。
【0137】
上記の第1実施形態〜第6実施形態のセンサネットワークシステムによれば、制御対象プロセスの制御性能に支障をきたすことのない範囲でセンサまたはコントローラの通信周期を調整してシステム内の子機のスリープ時間をできるだけ長くすることで、センサまたはコントローラの電源寿命を延命化することができる。
【0138】
すなわち第1実施形態〜第6実施形態のセンサネットワークシステムによれば、制御が行われないスリープ時間がありながら、制御性能を損なわない。
【0139】
また第1実施形態〜第6実施形態のセンサネットワークシステムによれば、制御対象プロセスが安定した定常状態であるか、きめ細かい制御を必要とする過渡状態であるかを判定することにより、センサまたはコントローラに最適な通信周期を設定することができる。
【0140】
また第1実施形態〜第6実施形態のセンサネットワークシステムによれば、電源寿命が延長されることにより、センサネットワークシステムの信頼性が向上する。
【0141】
また第1実施形態〜第6実施形態のセンサネットワークシステムによれば、電源寿命が延長されることにより、センサネットワークシステムの保守コストを低減させることができる。
【0142】
第1実施形態〜第6実施形態のセンサネットワークシステムによれば、通信プロトコルの階層構造におけるアプリケーション層に関与した制御が行われるため、従来の下位のデータリンク層、ネットワーク層、アプリケーションインターフェース層などの通信プロトコルの部分は改良すること無しに既存の技術や方式をそのまま利用でき、しかもそれらの既存の方式よりも細かな制御を行うことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0143】
【図1】本発明の第1実施形態によるセンサネットワークシステムの構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の第1実施形態〜第6実施形態によるセンサネットワークシステムの制御対象プロセス状態推定部の構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の第1実施形態によるセンサネットワークシステムの動作を示すシーケンス図である。
【図4】本発明の第1実施形態〜第6実施形態によるセンサネットワークシステムの制御対象プロセス状態推定部の動作を示すブロック図である。
【図5】本発明の第2実施形態によるセンサネットワークシステムの構成を示すブロック図である。
【図6】本発明の第2実施形態によるセンサネットワークシステムの動作を示すシーケンス図である。
【図7】本発明の第3実施形態によるセンサネットワークシステムの構成を示すブロック図である。
【図8】本発明の第3実施形態によるセンサネットワークシステムの動作を示すシーケンス図である。
【図9】本発明の第4実施形態によるセンサネットワークシステムの構成を示すブロック図である。
【図10】本発明の第4実施形態によるセンサネットワークシステムの動作を示すシーケンス図である。
【図11】本発明の第5実施形態によるセンサネットワークシステムの構成を示すブロック図である。
【図12】本発明の第5実施形態によるセンサネットワークシステムの動作を示すシーケンス図である。
【図13】本発明の第6実施形態によるセンサネットワークシステムの構成を示すブロック図である。
【図14】従来のセンサネットワークシステムの構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0144】
1…センサネットワークシステム
2…センサネットワークシステム
3…センサネットワークシステム
4…センサネットワークシステム
5…センサネットワークシステム
6…センサネットワークシステム
11…制御対象プロセス
12A…コントローラ機能付き無線基地局
12B…コントローラ機能付き無線基地局
12C…コントローラ機能付き無線端末
12D…コントローラ機能付き無線端末
13A…センサ機能付き無線端末
13B…センサ機能付き無線端末
13C…センサ機能付き無線基地局
13D…センサ機能付き無線基地局
14A…基地局
100…センサネットワークシステム
101…無線基地局
102…センサ無線端末
103…コントローラ無線端末
121…測定データ受信部
122…制御履歴データベース
123…制御対象プロセス状態推定部
123a…制御演算部
123b…推定状態量算出部
123c…予測制御量算出部
123d…通信周期指令値算出部
124…通信周期発信部
125…制御信号出力部
126…通信周期受信部
127…タイマーセット部
128…スリープタイマー部
129…電源部
131…センサ部
132…演算部
133…測定データ発信部
134…通信周期受信部
135…タイマーセット部
136…スリープタイマー部
137…電源部
138…制御履歴データベース
139…制御対象プロセス状態推定部
140…通信周期発信部
141…測定データ受信部
142…制御履歴データベース
143…制御対象プロセス状態推定部
144…通信周期発信部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御対象プロセスの状態を測定するセンサ装置と、前記制御対象プロセスの設備機器を制御するコントローラ装置とのうち、無線端末で構成された少なくとも一方の装置の電源状態を制御する電源制御装置において、
前記センサ装置で測定された測定データに基づいて、前記コントローラ装置で制御を行うための制御信号を算出する制御演算部と、
前記測定データと前記制御信号とを用いて前記制御対象プロセスの状態を示す推定状態量を算出する推定状態量算出部と、
推定状態量算出部で算出された推定状態量を基に前記対象プロセスの未来の応答に相当する予測制御量を算出する予測制御量算出部と、
前記予測制御量算出部で算出された予測制御量に基づいて、前記センサ装置と前記コントローラ装置との少なくともいずれか一方の制御対象の無線端末の電源のスリープ時間を通信周期指令値として算出する通信周期指令値算出部と、
通信周期指令値算出部で算出された通信周期指令値を、前記制御対象の前記センサ装置と前記コントローラ装置との少なくともいずれか一方の無線端末に送信する通信周期発信部と、
を備えることを特徴とする無線端末の電源制御装置。
【請求項2】
前記測定データおよび前記制御信号を格納する制御履歴データベースを有し、
前記推定状態量算出部は、前記測定データと、前記制御信号と、前記制御履歴データベースに格納された過去の前記測定データおよび前記制御信号の一方または両方とを用いて前記制御対象プロセスの推定状態量を算出する
ことを特徴とする請求項1に記載の無線端末の電源制御装置。
【請求項3】
制御対象プロセスの状態を測定するセンサ機能を有する無線端末に接続され、前記制御対象プロセスの設備機器に対する制御を行う無線型コントローラにおいて、
前記センサ機能を有する無線端末で測定された測定データに基づいて前記制御対象プロセスの設備機器を制御するための制御信号を算出する制御演算部と、
前記測定データと前記制御信号とを用いて前記制御対象プロセスの状態を示す推定状態量を算出する推定状態量算出部と、
推定状態量算出部で算出された推定状態量を基に前記対象プロセスの未来の応答に相当する予測制御量を算出する予測制御量算出部と、
前記予測制御量算出部で算出された予測制御量に基づいて、前記センサ機能を有する無線端末のスリープ時間を通信周期指令値として算出する通信周期指令値算出部と、
前記通信周期指令値算出部で算出された通信周期指令値を、前記センサ機能を有する無線端末に発信する通信周期発信部と
を備えることを特徴とする無線型コントローラ。
【請求項4】
前記測定データおよび前記制御信号を格納する制御履歴データベースを有し、
前記推定状態量算出部は、前記測定データと、前記制御信号と、前記制御履歴データベースに格納された過去の前記測定データおよび前記制御信号の一方または両方とを用いて前記制御対象プロセスの推定状態量を算出する
ことを特徴とする請求項3に記載の無線型コントローラ。
【請求項5】
前記無線型コントローラは親機として機能し、子機として機能する複数の前記センサ機能を有する無線端末に接続され、
前記通信周期発信部は、前記複数のセンサ機能を有する無線端末にそれぞれ通信周期指令値を発信する
ことを特徴とする請求項3または4に記載の無線型コントローラ。
【請求項6】
前記無線型コントローラは、親機である前記センサ機能を有する無線端末の子機として機能する
ことを特徴とする請求項3または4に記載の無線型コントローラ。
【請求項7】
制御対象プロセスの設備機器の制御を行うコントローラ機能を有する無線端末に接続された無線型センサにおいて、
前記制御対象プロセスの状態を測定するセンサ部と、
前記センサ部で測定された前記制御対象プロセスの状態の測定データに基づいて前記コントローラ機能を有する無線端末で制御を行うための制御信号を算出する制御演算部と、
前記測定データと前記制御信号とを用いて前記制御対象プロセスの状態を示す推定状態量を算出する推定状態量算出部と、
推定状態量算出部で算出された推定状態量を基に前記対象プロセスの未来の応答に相当する予測制御量を算出する予測制御量算出部と、
前記予測制御量算出部で算出された予測制御量に基づいて、前記コントローラ機能を有する無線端末のスリープ時間を通信周期指令値として算出する通信周期指令値算出部と、
前記通信周期指令値算出部で算出された通信周期指令値を、前記コントローラ機能を有する無線端末に発信する通信周期発信部と
を備えることを特徴とする無線型センサ。
【請求項8】
前記測定データおよび前記制御信号を格納する制御履歴データベースを有し、
前記推定状態量算出部は、前記測定データと、前記制御信号と、前記制御履歴データベースに格納された過去の前記測定データおよび前記制御信号の一方または両方とを用いて前記制御対象プロセスの推定状態量を算出する
ことを特徴とする請求項7に記載の無線型センサ。
【請求項9】
前記無線型センサは親機として機能し、子機として機能する複数の前記コントローラ機能を有する無線端末に接続され、
前記通信周期発信部は、前記複数のコントローラ機能を有する無線端末にそれぞれ通信周期指令値を発信する
ことを特徴とする請求項7または8に記載の無線型センサ。
【請求項10】
前記無線型センサは、親機である前記コントローラ機能を有する無線端末の子機として機能する
ことを特徴とする請求項7または8に記載の無線型センサ。
【請求項11】
親機としての基地局と、制御対象プロセスの状態を測定する前記基地局の子機としてのセンサ機能付き無線端末と、前記制御対象プロセスの設備機器を制御する前記基地局の子機としてのコントローラ機能付き無線端末とを備えるセンサネットワークシステムにおいて、
前記基地局は、
前記センサ機能付き無線端末で測定された測定データに基づいて前記コントローラ機能付き無線端末で制御を行うための制御信号を生成する制御演算部と、
前記測定データと前記制御信号とを用いて前記制御対象プロセスの状態を示す推定状態量を算出する推定状態量算出部と、
推定状態量算出部で算出された推定状態量を基に前記対象プロセスの未来の応答に相当する予測制御量を算出する予測制御量算出部と、
前記予測制御量算出部で算出された予測制御量に基づいて、前記センサ機能付き無線端末および前記コントローラ機能付き無線端末のスリープ時間を通信周期指令値として算出する通信周期指令値算出部と、
通信周期指令値算出部で算出された通信周期指令値を、該当する前記センサ機能付き無線端末および前記コントローラ機能付き無線端末に送信する通信周期発信部とを有し、
前記センサ機能付き無線端末は、
前記制御対象プロセスの状態を測定するセンサ部と、
前記センサ部で測定された前記制御対象プロセスの状態の測定データを前記基地局の制御演算部に送信する測定データ発信部と、
前記通信周期発信部から前記通信周期指令値を受信する通信周期受信部と、
前記測定データ発信部から前記測定データが発信されるとスリープ状態に遷移し、前記通信周期受信部で受信した通信周期指令値に従って前記スリープ状態が解除される電源部とを有し、
前記コントローラ機能付き無線端末は、
前記基地局の制御演算部から制御信号を受信し、この制御信号を前記制御対象プロセスに発信する制御信号出力部と、
前記通信周期発信部から前記通信周期指令値を受信する通信周期受信部と、
前記制御信号出力部から前記制御信号が発信されるとスリープ状態に遷移し、前記通信周期受信部で受信した通信周期指令値に従って前記スリープ状態が解除される電源部とを有する
ことを特徴とするセンサネットワークシステム。
【請求項12】
前記基地局は、前記測定データおよび前記制御信号を格納する制御履歴データベースを有し、
前記推定状態量算出部は、前記測定データと、前記制御信号と、前記制御履歴データベースに格納された過去の前記測定データおよび前記制御信号の一方または両方とを用いて前記制御対象プロセスの推定状態量を算出する
ことを特徴とする請求項11に記載のセンサネットワークシステム。
【請求項13】
制御対象プロセスの状態を測定するセンサ装置から測定データを取得するステップと、
前記測定データに基づいて、前記制御対象プロセスの設備機器をコントローラ装置で制御するための制御信号を生成するステップと、
前記測定データと前記制御信号とを用いて前記制御対象プロセスの状態を示す推定状態量を算出するステップと、
算出された推定状態量を基に前記対象プロセスの未来の応答に相当する予測制御量を算出するステップと、
算出された予測制御量に基づいて前記センサ装置と前記コントローラ装置とのうち無線端末で構成された少なくともいずれか一方の装置の電源のスリープ時間を通信周期指令値として算出するステップと、
算出された通信周期指令値を、該当する前記センサ装置および前記コントローラ装置の少なくともいずれか一方の装置に送信するステップと、
を備えることを特徴とする無線端末の電源制御方法。
【請求項14】
前記測定データおよび前記制御信号を制御履歴データベースに格納するステップを有し、
前記推定状態量を算出するときは、前記測定データと、前記制御信号と、前記制御履歴データベースに格納された過去の前記測定データおよび前記制御信号の一方または両方とを用いて前記制御対象プロセスの推定状態量を算出する
ことを特徴とする請求項13に記載の無線端末の電源制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2008−165419(P2008−165419A)
【公開日】平成20年7月17日(2008.7.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−353053(P2006−353053)
【出願日】平成18年12月27日(2006.12.27)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ZIGBEE
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】