無線通信システムでの伝送方法、通信装置、及びコンピュータプログラム
【課題】基地局と端末との間で転送されるシンボル内のパイロットシーケンス要素の量を増大させる。
【解決手段】各チャネルはダウンリンクサブフレーム及びアップリンクサブフレームに分割されるフレームをサポートし、各ダウンリンクサブフレームは少なくとも2つの端末に送信される複数のシンボルを含み、基地局と、時間遅延中に少なくとも1つの補助シンボルを受信又は送信できる少なくとも1つの端末との間で上記少なくとも1つの補助シンボルを転送することができ、当該方法は、転送すべきシンボルを転送するための無線通信システムの多重化資源を得るステップと、得られた少なくとも1つの多重化資源に1組のパイロットシーケンス要素を割り当てるステップと、少なくとも1つの補助シンボルを転送するステップであって、補助シンボルは少なくとも、1組のパイロットシーケンス要素により形成される、転送するステップとを含む伝送方法。
【解決手段】各チャネルはダウンリンクサブフレーム及びアップリンクサブフレームに分割されるフレームをサポートし、各ダウンリンクサブフレームは少なくとも2つの端末に送信される複数のシンボルを含み、基地局と、時間遅延中に少なくとも1つの補助シンボルを受信又は送信できる少なくとも1つの端末との間で上記少なくとも1つの補助シンボルを転送することができ、当該方法は、転送すべきシンボルを転送するための無線通信システムの多重化資源を得るステップと、得られた少なくとも1つの多重化資源に1組のパイロットシーケンス要素を割り当てるステップと、少なくとも1つの補助シンボルを転送するステップであって、補助シンボルは少なくとも、1組のパイロットシーケンス要素により形成される、転送するステップとを含む伝送方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、包括的には通信システムに関し、特に、双方向通信チャネルを介して端末と通信することを目的とする少なくとも1つの基地局を含む無線通信システムでの伝送方法及び伝送装置に関する。
【0002】
無線通信システムには、移動端末が長い距離を時に機敏に移動できる移動通信システムだけでなく、端末が固定されるか、又は、接続される基地局に対して短い距離を、多くの場合は非常にゆっくりと移動することしかできない通信システムも含まれることに留意されたい。
【0003】
図1は、複数の基地局によりサービス提供される無線セルラ通信システムを図示する。図1では、1つのみの基地局BTSが示されているが、基地局BTSは、少なくとも1つの端末、ここでは無線通信チャネルCh1〜Ch3のそれぞれを介して3つの端末TE1、TE2、及びTE3と通信することを目的とする。
【0004】
図1では、端末TE1は基地局BTSから距離d1にあり、端末TE2は基地局BTSから距離d2にあり、端末TE3は基地局BTSから距離d3にある。基地局BTSのカバーエリアは一般的にセル15と呼ばれ、当該セルの境界は基地局から最大と考えられる距離にある。
【0005】
各チャネルChi(i=1〜3)は、端末TEiから基地局BTSへ情報を搬送するためのアップリンクチャネルUL、及び、基地局BTSから端末TEiへ情報を搬送するためのダウンリンクチャネルDLiをサポートすることを目的としている。上記情報は、アップリンクチャネルULi若しくはダウンリンクチャネルDLiのいずれかに割り当てられるタイムスロット又はサブフレームに分割されたフレーム内に含まれる。
【0006】
フレームは、たとえば、図4に示すタイプを有する。すなわち、HD/OFDMタイプ(半二重(Half Duplex)/直交周波数分割多重(Orthogonal Frequency Division Multiplex)の略語)であるTDD/OFDM(時分割複信/OFDM)又はFDD/OFDM(周波数分割複信)のいずれかを有する。図4に見ることができるように、このフレームは、整数個Lのタイムスロット又はサブフレームTS1〜TSLに再分割される。これらのタイムスロット又はサブフレームは、ダウンリンクチャネルDL又はアップリンクチャネルULのいずれかに割り当てることができる。さらに、各サブフレームTSj(j=1〜L)は、k個の直交変調周波数f1〜fkによってそれぞれ搬送されるqj個のシンボルs1〜sqjをサポートする(ここでは、サブフレームTSjについて、qj=4である)。これらのシンボルは、OFDMシンボルと呼ばれる。
【0007】
サブフレームTSjのOFDMシンボルs1〜Sqjのそれぞれは、一般に、シンボル間の干渉の抑制に努めるのに使用されるサイクリックプリフィックスを含むことに留意されたい。
【0008】
一般的な場合に、サブフレームあたりのシンボル数は、サブフレーム毎に変化し得ると理解しなければならない。
【0009】
図5に関して、基地局BTSによるダウンリンクチャネルDLを介するqj=4個のシンボルs1〜s4の、時刻teにおける送信を考察してみよう。これらのシンボルs1〜s4は、考慮対象のセル15の境界(基地局BTSから距離d1)にある端末TE1によって、te+RTD(d1)/2に等しい時刻に受信される。ここで、RTD(d1)は、基地局BTSから上記距離d1のその端末TE1へのラウンドトリップ遅延である。これらのシンボルは、この端末TE1によって処理され、この端末はその後また、アップリンクチャネルULを介してシンボルを送信する。端末TEiは、アップリンクチャネルULを介してシンボルを送信する前に、ハードウェアオペレーション及びソフトウェアオペレーションの継続時間を考慮するために、或る期間待たなければならない。この或る期間は、受信送信切り換え時間(Receive Transmit Switch time)又は単にスイッチング時間と呼ばれ、RTSと参照される。たとえば、この遅延RTSは、端末TEのハードウェア機器が受信モードと送信モードとを切り換えるのに必要な時間、及び、基地局BTSのハードウェア機器が送信モードと受信モードとを切り換えるのに必要な時間の最大値である。アップリンクチャネルULを介して送信されるシンボルは、te+RTD(d1)+RTS+DDLに等しい時刻trに基地局BTSで受信される。DDLは、qj個のシンボルの全継続時間である。このように、基地局BTSは、セル15の境界に位置する端末TEiによって送信されたシンボルの処理を行うために、それらのシンボルの受信を待たなければならないことが分かる。この待ち時間は、ガード期間(Guard Period)GP又はアイドル期間(idle period)と呼ばれ、少なくともラウンドトリップ遅延RTD(d1)に受信送信切り換え時間RTSを加えたものに等しくなければならない。
【0010】
1つの端末が本発明に関わる場合、その端末はTEiと呼ばれ、i=1、2、3、…、であり、iの最大値は基地局BTSのカバーエリア内に含まれる端末の最大数である。
【0011】
少なくとも2つの端末が本発明に関わる場合、端末TEと呼ばれる。
【0012】
ダウンリンクチャネルDLとアップリンクチャネルULとの間のガード期間GPを図4に見ることができる。
【0013】
基地局BTSは、各端末TEのタイミング遅延TD(d)を求める。基地局BTSはシンボルを端末TEに転送し、端末TEはこれに応答してシンボルを基地局BTSに転送する。これらのシンボルはたとえば基準信号である。
【0014】
タイミング遅延は以下の式を使用して計算される:
Td(d)=tr−te−DDL−RTD(d)=GP−RTD(d)
式中、dは各端末TEiと基地局BTSとの距離である。
【0015】
各タイミング遅延から、基地局BTSは、各端末のタイミング進み(Timing Advance)TA=GP−TD(d)を求め、タイミング進みを対応する端末TEiに転送する。
【0016】
各端末は、基地局BTSに接続される端末TEのすべてから送信されるシンボルが基地局BTSで同一の時刻trに受信されるように、アップリンクチャネルULを介してのシンボルの送信にタイミング進み値を適用する。
【0017】
上記通信システムにより対処される問題は、ガード期間GP中にいかなる種類の情報も基地局において送受信されないことに起因する資源の潜在的な喪失に関する。
【0018】
この問題を解消するために、本発明の発明者等は、欧州特許出願第05291972号明細書において、ダウンリンクチャネル又はアップリンクチャネルでの新しい情報伝送方式を提案した。
【0019】
この欧州特許出願第05921972号明細書では、基地局BTSは、ガード期間中に少なくとも1つの補助ダウンリンクシンボルを、当該少なくとも補助ダウンリンクシンボルを受信できる端末TEに送信し、且つ/又は、基地局BTSは、ガード期間中に少なくとも1つの補助アップリンクシンボルを、時間遅延中に当該少なくとも補助アップリンクシンボルを送信できる端末TEから受信する。
【0020】
このような技法について図6を参照してより詳細に説明する。
【0021】
図6では、nref個のシンボルs1〜s4が、teと参照される時刻に基地局BTSによりダウンリンクチャネルDLを介してサブフレームの基準部(nominal part)で転送される。
【0022】
ダウンリンクサブフレームの基準部は、セルの境界にある端末TEに(換言すれば基地局BTSのセル内にある任意の端末に)送信できるqj個のシンボルの全継続時間である。
【0023】
アップリンクサブフレームの基準部は、基地局BTSのカバーエリアの境界にある端末TEにより送信できるqj個のシンボルの全継続時間である。
【0024】
サブフレームの基準部の最後のダウンリンクシンボルs4を送信した後、基地局BTSは、時刻trまで、ガード期間GPの間、接続された全ての端末TEからのアップリンクシンボルの受信を待つ必要がある。ダウンリンクチャネルでのサブフレームの基準部の継続時間を、シンボルの基準数nref、たとえば4に対応するDrefと呼ぶ。
【0025】
基地局BTSは、ダウンリンクサブフレームに補助ダウンリンクシンボルを含むように規定され、当該補助ダウンリンクシンボルは、各時間遅延中に補助ダウンリンクシンボルを受信して処理できる端末TEにのみ送信されることを目的とする。
【0026】
基地局BTSから距離dに配置された端末の時間遅延TD(d)が、ダウンリンクシンボルndl個分の継続時間に切り替え時間RTSを足した数とダウンリンクシンボルndl+1個分の継続時間に切り替え時間RTSを足した数との間に含まれる場合、基地局BTSは、その端末に対する情報をndl個の補助ダウンリンクシンボルに挿入することができる。この条件は以下のように数学的に記述することができる:
ndl・tsdl≦TD(d)−RTS<(ndl+1)tsdlならば最大でndl個の補助シンボルを挿入する。
ここでtsdlは1つのダウンリンクシンボルの継続時間である。
【0027】
端末TEiに対する情報をndl個の補助ダウンリンクシンボルに挿入する場合、基地局BTSは、端末TEiがこの1つ又は複数のndl個の補助シンボルをダウンリンクサブフレームの基準部に含まれる他のシンボルと共に読み取って処理できるように、この挿入をその端末TEiに対して示す(シグナリングにより)。
【0028】
基地局BTSは、適用すべき時間遅延TD又はタイミング進みについて、接続されている各端末TEiに通知する。次に、各端末TEiは、上記式を使用することにより、時間遅延TDの値又はタイミング進みの値から、読み出して処理する必要のあるシンボル数を導き出す。
【0029】
したがって、基地局BTSから距離dにある端末TEiに基地局BTSが割り振ることができる補助ダウンリンクシンボルの数ndlは、以下のように求められる:
ndl=integer{(TD(d)−RTS)/tsdl}
=integer{(GP−RTD(d)−RTS)/tsdl}
最大数Ndlmax個の補助シンボルが、基地局BTSから距離0にあると共にラウンドトリップ遅延RTDが0である端末TEiに与えられる:
Ndlmax=integer{(GP−RTS)/tsdl}
上記式と同様の式が補助アップリンクチャネルにも使用される。
【0030】
例として、図6に示す場合では、数Ndlmaxは2であり、ここで、送信されるダウンリンクシンボルの総数は、サブフレームの基準部Drefの4個のダウンリンクシンボルs1〜s4並びにガード期間GPと通常みなされる期間中に送信される2個の補助ダウンリンクシンボルs5及びs6に等しい。セル15の境界にある端末TE1の時間遅延TD(d1)の値は、時間遅延の定義により切り替え時間RTSに等しい。サブフレームの基準部Drefの4個のダウンリンクシンボルs1〜s4のみが、基地局BTSにより上記端末TE1に割り振られる。端末TE1は、これらの4個のダウンリンクシンボルs1〜s4のみを読み出して処理するだけであり、2個の補助シンボルs5及びs6は、存在する場合でも無視される(すなわち処理されない)。
【0031】
端末TE2の時間遅延TD(d2)の値は、2個のダウンリンクシンボルの継続時間に切り替え時間を足した時間よりも小さいが、1個のダウンリンクシンボルの継続時間に切り替え時間RTSを足した時間に等しい。したがって、基地局BTSは、最大で1個の補助ダウンリンクシンボル(ここでは、ダウンリンクサブフレームの基準部Drefの最後のダウンリンクシンボルs4に後続するダウンリンクシンボルs5)内で情報をその端末TE2に送信することができ、この補助ダウンリンクシンボルは当該端末TE2により読み取られて処理される。シンボルs6は、存在する場合でも上記端末TE2に無視される(すなわち処理されない)。この場合、その端末TE2についての情報を含むことができるダウンリンクシンボルの総数は5である(サブフレームの基準部Drefの4個s1〜s4と1個の補助シンボルs5とを足した数)。
【0032】
図6の例によれば、端末TE3の時間遅延TD(d3)の値は、2個のダウンリンクシンボルの継続時間に切り替え時間RTSを足した時間に等しい。したがって、基地局BTSは、最大で2個の補助ダウンリンクシンボルs5及びs6内で情報をその端末TE3に送信することができ、これらの補助ダウンリンクシンボルは当該端末TE3により読み取られて処理される。その端末TE3についての情報を含むことができるダウンリンクシンボルの総数は6である(サブフレームの基準部Drefの4個s1〜s4と2個の補助ダウンリンクシンボルs5及びs6とを足した数)。
【0033】
基地局BTSは、端末TE2の距離d2と端末TE3の距離d3との間に含まれる基地局から距離dにあるいずれの端末TEiにも、最大で5個のダウンリンクシンボルで情報を送信することができ、端末TEiはこれを読み出して処理することができる。同じように、基地局BTSは、端末TE3の距離d3よりも短い距離dにあるいずれの端末にも、最大で6個のダウンリンクシンボル内で情報を送信することができ、端末はこれを読み出して処理することができる。常に同じように、基地局BTSは、端末TE2の距離d2よりも長い距離dにあるいずれの端末にも、最大で4個のシンボル内で情報を送信することができ、端末はこれを読み出して処理することができる。
【0034】
ダウンリンクシンボルs5は、基地局BTSからd2未満の距離にある端末TEに対する情報のみを含むのに対して、ダウンリンクシンボルs6は、基地局BTSからd3未満の距離にある端末TEに対する情報のみを含むことに留意されたい。
【0035】
端末TEiは、基地局BTSに接続したとき、適用する必要がある時間遅延TDについての情報をまだ受信していない。それが行われない限り、この端末TEiに割り振られるシンボル数は基準数nrefに等しい。すなわち、この端末TEiに割り振られるシンボル数はサブフレームの基準部Drefに含まれるシンボル数に等しい。さらに、端末TEiは、基準数nrefに等しい数のシンボルを受信した後、予め規定される時間遅延で、たとえばガード期間GP又はRTSに等しい時間遅延でアップリンクにて送信することができる。
【0036】
基地局BTSのカバーエリア15が大きい場合、すなわち、カバーエリア15の境界にあるいくつかの端末TEのラウンドトリップ遅延RTDが大きい場合、これらの端末TEにより受信又は転送されるシンボルは少ない。この場合、基地局BTSと端末TEとの間に存在するチャネル状況を解析するために、アップリンクチャネル又はダウンリンクチャネルを通じてのデータ転送の量を顕著に低減せずに多数のパイロットシーケンス要素をサブフレームの基準部に含まれるシンボルに含めることは難しい。
【0037】
【特許文献1】欧州特許出願公開第1233566号明細書(カラム5、52行目〜55行目、段落[0047]、[0048]、図1、図5、図7)
【特許文献2】国際公開第99/11004号パンフレット(12頁、10行目〜28行目、図2C)
【特許文献3】米国特許第6810023号明細書(要約書)
【0038】
本発明は、基地局と端末との間で転送されるシンボル内のパイロットシーケンス要素の量を増大させることによる上記問題の解消を目的とする。
【0039】
そのために、本発明は、双方向通信チャネルを介して端末と通信することを目的とする少なくとも1つの基地局を含む無線通信システムでの伝送方法であって、各チャネルは、ダウンリンクサブフレーム及びアップリンクサブフレームに分割されるフレームをサポートし、各ダウンリンクサブフレームは、少なくとも2つの端末に送信されることを目的とする複数のシンボルを含み、接続される各端末の時間遅延が求められ、前記時間遅延は、任意の端末が、前記アップリンクサブフレームが後続する前記ダウンリンクサブフレームに含まれるすべての前記シンボルを受信した後、前記基地局による前記ダウンリンクサブフレームの送信終了から距離に関わらず一定である所定のガード期間だけ隔てられた時刻に、送信可能な他のシンボルが前記基地局により受信されるように、前記アップリンクサブフレームを介して前記時間遅延で前記他のシンボルを送信することができるようなものであり、前記基地局と、前記時間遅延中に少なくとも1つの補助シンボルを受信又は送信できる少なくとも1つの端末との間で、前記少なくとも1つの補助シンボルを転送することができる方法において、前記方法は、転送すべきシンボルを転送するための前記無線通信システムの多重化資源を得るステップと、得られた少なくとも1つの多重化資源に1組のパイロットシーケンス要素を割り当てるステップと、前記少なくとも1つの補助シンボルを転送するステップであって、前記補助シンボルは少なくとも前記1組のパイロットシーケンス要素により形成される、転送するステップとを含むことを特徴とする、方法に関する。
【0040】
本発明はまた、双方向通信チャネルを介して端末と通信することを目的とする少なくとも1つの基地局を有する無線通信システムでの通信装置であって、各チャネルは、ダウンリンクサブフレーム及びアップリンクサブフレームに分割されるフレームをサポートし、各ダウンリンクサブフレームは、少なくとも2つの端末に送信されることを目的とする複数のシンボルを含み、接続される各端末の時間遅延が求められ、前記時間遅延は、任意の端末が、前記アップリンクサブフレームが後続する前記ダウンリンクサブフレームに含まれるすべての前記シンボルを受信した後、前記基地局による前記ダウンリンクサブフレームの送信終了から距離に関わらず一定である所定のガード期間だけ隔てられた時刻に、送信可能な他のシンボルが前記基地局により受信されるように、前記アップリンクサブフレームを介して前記時間遅延で前記他のシンボルを送信することができるようなものであり、前記基地局と、前記時間遅延中に少なくとも1つの補助シンボルを受信又は送信できる少なくとも1つの端末との間で前記少なくとも1つの補助シンボルを転送することができる通信装置において、前記通信装置は、転送すべきシンボルを転送するための前記無線通信システムの多重化資源を得る手段と、得られた少なくとも1つの多重化資源に1組のパイロットシーケンス要素を割り当てる手段と、前記少なくとも1つの補助シンボルを転送する手段であって、前記補助シンボルは少なくとも前記1組のパイロットシーケンス要素により形成される、転送する手段とを備えることを特徴とする、通信装置に関する。
【0041】
したがって、基地局と端末との間で転送されるパイロットシーケンス要素の量が増大する。
【0042】
特定の特徴によれば、無線通信ネットワークの多重化資源は周波数チャンク、及び/又は符号、及び/又は基地局のカバーエリア内の複数のエリアである。
【0043】
特定の特徴によれば、方法は基地局により実行されるか、又は通信装置は基地局である。
【0044】
したがって、基地局近傍にある端末は、重要な数のパイロットシーケンス要素を獲得し、ダウンリンクチャネルのチャネル状況を正確に求めることができる。
【0045】
特定の特徴によれば、多重化資源は、基地局と基地局に接続される各端末との間に存在するチャネルの状況を解析することにより得られ、基地局は、少なくとも1組のパイロットシーケンス要素を復調する(de multiplexing)ために、無線通信システムの多重化資源を少なくとも2つの端末に割り振る。
【0046】
したがって、基地局近傍にある端末は、重要な数のパイロットシーケンス要素を獲得し、ダウンリンクチャネルのチャネル状況を正確に求めることができるため、多重化資源が正確な情報に基づいて割り振られる。
【0047】
特定の特徴によれば、1組のパイロットシーケンス要素が得られた各多重化資源に割り当てられ、各補助シンボルが複数組のパイロットシーケンス要素により形成される。
【0048】
したがって、多量のパイロットシーケンス要素が転送され、チャネル状況の測定が改善される。これは、高速で移動中の端末の場合に関心が高いものである。
【0049】
特定の特徴によれば、1組のパイロットシーケンス要素が、1つの端末に割り振られる複数の多重化資源の中の1つの多重化資源に割り当てられる。
【0050】
したがって、パイロットシーケンス要素の転送に消費されるエネルギーが抑制される。
【0051】
特定の特徴によれば、少なくとも1組のパイロットシーケンス要素が、少なくとも1つの補助シンボルを受信できる端末のみに対して得られた多重化資源の中の少なくとも1つの多重化資源に割り当てられる。
【0052】
したがって、パイロットシーケンス要素の転送に消費されるエネルギーが低減する。
【0053】
特定の特徴によれば、方法は端末により実行されるか、又は通信装置は端末である。
【0054】
したがって基地局は、基地局近傍にある端末に対して、重要な数のパイロットシーケンス要素を獲得し、アップリンクチャネルのチャネル状況を正確に求めることができる。
【0055】
特定の特徴によれば、多重化資源は、基地局からメッセージを受信することにより得られる。
【0056】
特定の特徴によれば、1組のパイロットシーケンス要素が、得られた多重化資源のそれぞれに割り当てられる。
【0057】
したがって、多数のパイロットシーケンス要素が転送され、チャネル状況の測定が改善される。これは、高速で移動中の端末の場合に関心が高いものである。
【0058】
特定の特徴によれば、1組のパイロットシーケンス要素が、複数の得られた多重化資源のうちの1つの多重化資源に割り当てられる。
【0059】
したがって、パイロットシーケンス要素の転送に消費されるエネルギーが抑制される。
【0060】
特定の特徴によれば、少なくとも1組のパイロットシーケンス要素が、複数の得られた多重化資源のうちの少なくとも1つの多重化資源に割り当てられ、少なくとも1組のパイロットシーケンス要素が、得られた多重化資源とは異なる少なくとも1つの多重化資源に割り当てられる。
【0061】
したがって、他のいくつかの多重化資源でいくつかのチャネル推定を実行することが可能である。
【0062】
さらに別の態様によれば、本発明は、プログラマブル装置に直接ロード可能なコンピュータプログラムであって、プログラマブル装置で実行されると、本発明による方法のステップを実施する命令又はコード部分を含むコンピュータプログラムに関する。
【0063】
コンピュータプログラムに関する特徴及び利点は、本発明による方法及び装置に関して上述した特徴及び利点と同じであるため、ここで繰り返さない。
【0064】
本発明の特徴は、添付図面を参照して行われる実施形態例の以下の説明を読むことからより明確になろう。
【0065】
図1は、本発明が実施される無線通信システムの構造を表す図である。
【0066】
図1の通信システムでは、少なくとも1つ、好ましくは複数の端末TE1、TE2、及びTE3が、基地局BTSのカバーエリア15内に含まれる。基地局BTSは、少なくとも1つの端末TEi、ここでは無線通信チャネルCH1〜CH3のそれぞれを介して3つの端末TE1、TE2、及びTE3と通信することを目的とする。
【0067】
本発明について、無線セルラネットワーク又はローカルエリアネットワークのような無線ネットワークにおいて説明するが、本発明は電力線網のような有線ネットワークに適用することも可能である。簡易化のために基地局BTSの1つのカバーエリアのみを図1に示すが、実際には、特に無線ネットワークが無線セルラネットワークの場合、無線セルラ通信システムはより多数の基地局及びセルで構成される。
【0068】
図1には、簡易化のために3つの端末TEのみを示すが、実際には、より多数の端末が基地局BTSのカバーエリア15内にある。
【0069】
基地局BTSは、ノード、ノードB、拡張ノードB、又はアクセスポイントとも呼ばれる。
【0070】
端末TE1〜TE3は、携帯電話、携帯情報端末、又はパーソナルコンピュータのような端末である。
【0071】
基地局BTSは補助ダウンリンクシンボルを含むように規定され、当該補助ダウンリンクシンボルは、各時間遅延中に補助ダウンリンクシンボルの受信及び送信及び/又は処理を行える端末TEに対してのみ送信されることを目的とする。基地局BTSは補助アップリンクシンボルを含むようにも規定され、当該補助アップリンクシンボルは、各時間遅延中に補助アップリンクシンボルを処理する端末TEのみにより送信されることを目的とする。
【0072】
基地局BTSは、端末TEiに対する情報をndl個の補助シンボルに挿入することができる。この条件は以下のように数学的に記述することができる:
ndl・tsdl≦TD(d)−RTS<(ndl+1)tsdlならば最大でndl個の補助シンボルを挿入する。
【0073】
tsdlは1つのダウンリンクシンボルの継続時間である。
【0074】
上記式と同様の式が補助アップリンクチャネルにも使用される。
【0075】
ここで、ndlが基地局BTSが端末TEiに割り振ることができる補助アップリンクシンボル数も表すことに留意する必要がある。
【0076】
本発明によれば、補助シンボルはパイロットシーケンス要素を含む。
【0077】
図1及び図6の例によれば、数Ndlmaxは2であるが、例として、基地局BTSのカバーエリア15により、且つ/又はOFDMシンボルの継続時間により、より多数の補助シンボルを決定することもできる。
【0078】
例として、無線通信システムは、時分割複信方式(TDD)又は周波数分割複信方式(FDD)、より厳密には半二重FDD方式を使用する無線通信システムである。
【0079】
TDD方式では、アップリンクチャネル及びダウンリンクチャネルで転送される信号は、同じ周波数帯域で、異なるサブフレーム(タイムスロットとも呼ばれる)で二重化される。
【0080】
半二重FDD方式では、アップリンクチャネル及びダウンリンクチャネルで転送される信号は、異なる周波数帯域で、異なるサブフレーム(タイムスロットとも呼ばれる)で二重化される。
【0081】
基地局BTSがシンボルを端末TEiに転送する場合(i=1〜3)、データ、信号、又はメッセージはダウンリンクチャネルのダウンリンクサブフレームを通じて転送される。
【0082】
端末TEiがシンボルを基地局BTSに転送する場合(i=1〜3)、信号又はデータはアップリンクチャネルのアップリンクサブフレームを通じて転送される。
【0083】
本発明の第1の実現形態では、複数の端末TEの情報を多重化するために、周波数分割多元アクセス技法が無線通信システムにおいて使用される。
【0084】
本発明の第2の実現形態では、複数の端末TEの情報を多重化するために、符合分割多元アクセス技法が無線通信システムにおいて使用される。
【0085】
本発明の第3の実現形態では、複数の端末TEの情報を多重化するために、空間分割多元アクセス技法が無線通信システムにおいて使用される。図1においてビーム1、ビーム2、ビーム3、及びビーム4と記されているビームが、基地局BTSのカバーエリア15の空間分割の一部を表す。
【0086】
第1、及び/又は第2、及び/又は第3の実現形態で使用される技法は組み合わせることも可能なことに留意する必要がある。
【0087】
好ましくは、端末TEiがシンボルを転送する場合、端末TEiは割り振られた多重化資源にデータ及び/又は少なくとも1組のパイロットシーケンス要素を多重化し、割り振られていない多重化資源にはヌル値を設定する。チャネル推定のいくつかの目的のために、端末TEiは、アップリンクサブフレームの基準部に含まれるシンボルの多重化のためにその端末に割り振られたものではない多重化資源に、少なくとも1組のパイロットシーケンス要素を多重化することができる。
【0088】
基地局BTSはシンボルを受信する。受信された各シンボルは、端末TEの少なくとも一部により転送されたシンボルにより形成される。
【0089】
好ましくは、基地局BTSがシンボルを転送する場合、基地局BTSは割り振られた多重化資源にデータ及び/又は少なくとも1組のパイロットシーケンス要素を多重化し、割り振られていない多重化資源にはヌル値を設定する。チャネル推定のいくつかの目的のために、基地局BTSは、ダウンリンクサブフレームの基準部に含まれるシンボルの多重化のために割り振られたものではない多重化資源に、少なくとも1組のパイロットシーケンス要素を多重化することができる。
【0090】
図2は、本発明による基地局の構造を表す図である。
【0091】
基地局BTSは、たとえば、バス201により共に接続される構成要素と図7において開示するようなアルゴリズムに関連するプログラムにより制御されるプロセッサ200とに基づく構造を有する。
【0092】
基地局BTSは、一変形において、以下に開示するようなプロセッサ200により実行される動作と同じ動作を実行する1つ又はいくつかの専用集積回路の形で実施されることに留意する必要がある。
【0093】
バス201は、プロセッサ200を読み取り専用メモリROM202、ランダムアクセスメモリRAM203、及びチャネルインタフェース205にリンクする。
【0094】
読み取り専用メモリROM202は図7に開示されているようなアルゴリズムに関連するプログラムの命令を含み、これは、基地局BTSに電源が投入されるとランダムアクセスメモリRAM203に転送される。
【0095】
RAMメモリ203は、変数の受け取りを目的とするレジスタと、図7に開示されているようなアルゴリズムに関連するプログラムの命令とを含む。
【0096】
プロセッサ200は、端末TEに割り振られる多重化資源を決定することができる。
【0097】
端末TEの少なくとも一部に割り振られる多重化資源は、ダウンリンクサブフレームの基準部のダウンリンクシンボルの復調のために対応する端末TEiが使用する多重化資源、及び/又は、データを多重化してアップリンクサブフレームの基準部のアップリンクシンボルを形成するために対応する端末TEiが使用する多重化資源である。
【0098】
少なくとも1つの端末TEiに割り振られる多重化資源は、少なくとも1組のパイロットシーケンス要素を多重化して補助ダウンリンクシンボルを形成するために基地局BTSが使用する多重化資源であり、且つ/又は補助アップリンクシンボルに含まれる少なくとも1組のパイロットシーケンス要素を復調するために基地局BTSが使用する多重化資源である。
【0099】
パイロットシーケンス要素は、例として、1、−1、又は複素値に等しい。
【0100】
1組のパイロットシーケンス要素は、周波数チャンクの搬送周波数の少なくとも一部又は多重化資源の符号に多重化される。
【0101】
周波数チャンクは少なくとも1つの搬送周波数又は好ましくは連続した搬送周波数の群を含む。
【0102】
チャネルインタフェース205は、データを多重化資源に多重化して、端末TEの少なくとも一部に転送されるダウンリンクサブフレームの各ダウンリンクシンボルを形成する多重化手段206を備える。
【0103】
チャネルインタフェース205は、各端末TEiによる少なくとも1つの基準信号の送信を要求する手段と、各端末TEiから少なくとも1つの基準信号を受信する手段とを備える。
【0104】
チャネルインタフェース205は、多重化資源で少なくとも1つの端末TEiに転送される少なくとも1つのパイロットシーケンス要素を含む少なくとも1つの補助ダウンリンクシンボルを転送する手段を備える。
【0105】
チャネルインタフェース205は、端末TEiに割り振られた多重化資源から、少なくとも1つの端末TEiにより転送されたアップリンクサブフレームの基準部に含まれるシンボルを復調する手段を備える。
【0106】
チャネルインタフェース205は、少なくとも1つの端末TEiにより転送される少なくとも1つのアップリンク補助シンボルに含まれる少なくとも1組のパイロットシーケンス要素を復調する手段を備える。
【0107】
好ましくは、少なくとも1つの補助アップリンクシンボルに含まれる少なくとも1組のパイロットシーケンス要素が、アップリンクサブフレームの基準部に含まれるシンボルに関して端末TEiに割り振られた多重化資源で復調される。
【0108】
チャネルインタフェース205は、シンボルを送信した端末TEiに割り振られていない多重化資源から少なくとも1つの補助アップリンクシンボルに含まれる少なくとも1組のパイロットシーケンス要素を復調して、他の多重化資源のチャネル状況についての情報を得る手段を備える。
【0109】
チャネルインタフェース205は、データを結合する手段207を備える。
【0110】
本発明の第1の実現形態によれば、加重データを結合する手段207は逆離散フーリエ変換モジュールである。
【0111】
本発明の第2の実現形態によれば、加重データを結合する手段207は加算回路である。
【0112】
本発明の第3の実現形態によれば、加重データを結合する手段207はビームフォーマであり、アンテナBSAntはアレイアンテナである。
【0113】
本発明の第3の実現形態によれば、チャネルインタフェース205は、基地局BTSにより転送された信号を、図1にビーム1〜ビーム4と記されているエリアのような異なるエリアに向ける手段を備える。より厳密には、基地局BTSがダウンリンクチャネルを通じて信号を所与のエリアに送信する場合、信号はM回複製され(M>1)、複製された信号は、M個のアンテナを使用してビーム形成を実行するために重み付けされる。すなわち、N個のビームを形成するように送信信号の空間方向を制御する。
【0114】
図3は、本発明による端末の構造を表す図である。
【0115】
各端末TEi、例として端末TE1は、たとえば、バス301により共に接続される構成要素と図8において開示するようなアルゴリズムに関連するプログラムにより制御されるプロセッサ300とに基づく構造を有する。
【0116】
ここで、端末TE1は、一変形において、以下に開示するようなプロセッサ300により実行される動作と同じ動作を実行する1つ又はいくつかの専用集積回路の形で実施されることに留意する必要がある。
【0117】
バス301は、プロセッサ300を読み取り専用メモリROM302、ランダムアクセスメモリRAM303、及びチャネルインタフェース305にリンクする。
【0118】
読み取り専用メモリROM302は図8に開示されているようなアルゴリズムに関連するプログラムの命令を含み、これは、端末TE1に電源が投入されるとランダムアクセスメモリRAM303に転送される。
【0119】
RAMメモリ303は、変数の受け取りを目的とするレジスタと、図8に開示されているようなアルゴリズムに関連するプログラムの命令とを含む。
【0120】
チャネルインタフェース305は、基地局BTSから少なくとも1つの基準信号要求を受信する手段と、少なくとも1つの基準信号を基地局BTSに転送する手段とを備える。
【0121】
チャネルインタフェース305は、基地局BTSにより割り振られる対応する多重化資源(いくつかある場合)で、端末TE1により受信されるダウンリンクサブフレームの各ダウンリンクシンボルを復調する手段を備える。
【0122】
チャネルインタフェース305は、少なくとも1組のパイロットシーケンス要素を多重化資源に多重化して、端末TE1に割り振られた多重化資源で基地局BTSに転送される少なくとも1つのアップリンク補助シンボルを形成する多重化手段306を備える。
【0123】
チャネルインタフェース305は、少なくとも1つの補助アップリンクシンボルに含まれる少なくとも1組のパイロットシーケンス要素を、端末TE1に割り振られた少なくとも多重化資源で転送する手段を備える。
【0124】
好ましくは、少なくとも1つの補助アップリンクシンボルに含まれる少なくとも1組のパイロットシーケンス要素は、アップリンクサブフレームの基準部に含まれるシンボルに対して端末TE1に割り振られた多重化資源で転送される。
【0125】
時により、他の多重化資源のチャネル状況についての情報を得るために、少なくとも1つの補助アップリンクシンボルに含まれる少なくとも1組のパイロットシーケンス要素が、アップリンクサブフレームの基準部に含まれるシンボルのために端末TE1に割り振られたものではない多重化資源で転送される。
【0126】
チャネルインタフェース305は、端末TE1に割り振られた多重化資源から、基地局BTSにより転送される少なくとも1つの補助ダウンリンクシンボルに含まれる少なくとも1組のパイロットシーケンス要素を復調する手段を備える。
【0127】
ここで、他の多重化資源のチャネル状況についての情報を得るために、チャネルインタフェース305は、端末TE1に割り振られた多重化資源とは別の多重化資源から、基地局BTSにより転送される少なくとも1つの補助ダウンリンクシンボルに含まれる少なくとも1組のパイロットシーケンス要素を復調することに留意されたい。
【0128】
図7は、本発明による基地局により実行されるアルゴリズムである。
【0129】
本アルゴリズムは、無線通信システムの少なくとも1つの基地局BTSにより実行される。より厳密には、本アルゴリズムは、基地局BTSのプロセッサ200により実行される。
【0130】
ステップS700において、プロセッサ200は、チャネルインタフェース205を通じて、各端末TEi(i=1〜3)に少なくとも1つの基準信号を転送するように命令する。
【0131】
次のステップS701において、プロセッサ200は、チャネルインタフェース205を通じて、各端末TEiにより転送された少なくとも1つの基準信号の受信を検出する。
【0132】
次のステップS702において、プロセッサ200は各端末TEiの時間遅延TD(d)を計算する。ここで、dは基地局BTSと端末TEiとの間の距離である。
【0133】
各タイミング遅延TD(d)は以下の式を使用して計算される:
Td(d)=tr−te−DDL−RTD(d)=GP−RTD(d)
式中、DDLは、転送するダウンリンクサブフレームの基準部の全継続時間である。
【0134】
同ステップで、プロセッサ200は、以下の式を使用して各端末TEiのタイミング進みを計算する:
TA(d)=GP−TD(d)
【0135】
次のステップS703において、プロセッサ200は、ステップS702において計算されたデータのうちの少なくとも1つを対応する各端末TEiに転送するように命令する。
【0136】
ステップS702において計算されたデータは、チャネルインタフェース205により次のダウンリンクサブフレームで転送される。この計算されたデータは他のデータと多重化されて、ダウンリンクサブフレームの基準部のシンボルの形で転送される。
【0137】
次のステップS704では、プロセッサ200は、無線通信システムの多重化資源を端末TEの少なくとも一部に割り振る。
【0138】
ここで、数百の端末TEが基地局BTSと通信する場合、プロセッサ200は、1つのサブフレーム中では、多重化資源を端末TEの一部にしか割り振ることができないということに留意する必要がある。この場合、プロセッサ200は、各サブフレーム毎に、多重化資源が割り振られる端末TEを変更することができる。
【0139】
本発明の第1及び第2の実現形態によれば、プロセッサ200は、好ましくは、無線通信システムの多重化資源を、図9に示すチャネル品質指標に従って端末TEに割り振る。
【0140】
多重化資源は、本発明の第1の実現形態によれば、周波数チャンクである。
【0141】
多重化資源は、本発明の第2の実現形態によれば、符号(code)である。符号はビットシーケンスである。好ましくは、割り振られる符号は互いに直交する。
【0142】
割り振られる多重化資源の例について図10を参照して説明する。
【0143】
多重化資源は、本発明の第3の実現形態によれば、基地局BTSのカバーエリア15内の複数のエリアである。
【0144】
割り振られる多重化資源の一例について図12を参照して説明する。
【0145】
本発明の第3の実現形態によれば、プロセッサ200は、好ましくは、無線通信システムの多重化資源を、図11に示すチャネル品質指標に従って端末TEに割り振る。
【0146】
各端末TEiに割り振られる多重化資源は、ダウンリンクサブフレームの基準部の、図6のs1〜s4のようなダウンリンクシンボルを多重化するために基地局BTSが使用する多重化資源であり、且つ/又は、アップリンクサブフレームの基準部のアップリンクシンボルを復調するために基地局BTSが使用する多重化資源である。
【0147】
各端末TEiに割り振られる多重化資源は、サブフレームの基準部Drefの、図6のs1〜s4のようなダウンリンクシンボルを復調するために対応する端末TEiが使用する多重化資源であり、且つ/又は、アップリンクサブフレームの基準部のアップリンクシンボルを多重化するために対応する端末TEiが使用する多重化資源である。
【0148】
次のステップS705において、プロセッサ200は、ダウンリンクサブフレームの基準部で転送されるダウンリンクシンボルの転送を命令する。
【0149】
次のステップS706において、プロセッサ200は、少なくとも1つの補助シンボルがダウンリンクチャネルに割り振られている場合、少なくとも1つの補助ダウンリンクシンボルの転送を命令する。補助ダウンリンクシンボルは、図10a〜図10cを参照して示すように、無線通信ネットワークの少なくとも1つの多重化資源に多重化される少なくとも1組のパイロットシーケンス要素により形成される。
【0150】
次のステップS707において、プロセッサ200は、少なくとも1つの補助シンボルがアップリンクチャネルに割り当てられている場合、少なくとも1つの補助アップリンクシンボルを受信する。補助シンボルは、図10dを参照して示すように、補助アップリンクシンボルを転送した端末TEiに割り振られた少なくとも1つの多重化資源に多重化される少なくとも1組のパイロットシーケンス要素により形成される。
【0151】
次のステップS708において、プロセッサ200は、アップリンクチャネルで受信したシンボルから、図9又は図11に開示するように、チャネル状況、例としてチャネル品質指標を求める。
【0152】
次のステップS709において、プロセッサ200は、各端末TEi毎に、対応するタイミング遅延TD(d)及び/又はタイミング進みTA(d)を再計算するときであるか否かを調べる。非限定的な例として、タイミング遅延TD(d)及び/又はタイミング進みTA(d)は、要求に応じて又は毎秒のように周期的に計算される。
【0153】
タイミング遅延及び/又はタイミング進みを再計算するときである場合、プロセッサ200はステップS710に移り、本アルゴリズムを再び実行する。
【0154】
タイミング遅延及び/又はタイミング進みを再計算するときではない場合、プロセッサ200はステップS704に戻り、タイミング遅延及び/又はタイミング進みを再計算するときがくるまで、ステップS704〜S709を実行する。
【0155】
ここで、ステップS704〜S709で構成されるループが実行される都度、1つのサブフレーム中で多重化資源が割り振られた端末TEを変更可能なことに留意する必要がある。
【0156】
ステップS710において、プロセッサ200は基準信号を端末TEにより転送する必要があるか否かを調べる。
【0157】
端末TEがシンボルをアップリンクサブフレームで転送する場合、プロセッサ200は、これらのシンボルからタイミング進みの時間遅延を求めることができる。端末TEがシンボルをアップリンクサブフレームで転送しない場合、プロセッサ200は、時間遅延又はタイミング進みを求めるために基準信号を受信する必要がある。
【0158】
基準信号を端末TEにより転送する必要がある場合、プロセッサ200はステップS700に戻り、必要がない場合、ステップS702に戻る。
【0159】
図8は、本発明による端末により実行されるアルゴリズムである。
【0160】
本アルゴリズムは、無線通信システムの各端末TEiにより実行される(i=1〜3)。より厳密には、本アルゴリズムは各端末TEiのプロセッサ300により実行される。
【0161】
ステップS800において、プロセッサ300は、チャネルインタフェース305を通じて、基地局BTSにより転送される少なくとも1つの基準信号の送信要求を受信したことを検出する。
【0162】
次のステップS801において、プロセッサ300は、チャネルインタフェース305を通じて、基地局BTSへの少なくとも1つの基準信号の転送を命令する。
【0163】
次のステップS802において、プロセッサ300は、チャネルインタフェース305を通じて、ダウンリンクシンボルの受信を検出する。
【0164】
次のステップS803において、プロセッサ300は、受信シンボルに含まれる制御情報の少なくとも1つの所定のフィールドを読み取る。この少なくとも1つの所定のフィールドに含まれる情報は、端末TEiに割り振られた多重化資源を示す情報である。
【0165】
ここで、受信シンボルは端末TEiのタイミング遅延TD(d)及び/又はタイミング進みも含み得ることに留意する必要がある。
【0166】
次のステップS804において、プロセッサ300は、受信した制御情報の少なくとも1つのフィールドに含まれる、割り振られた多重化資源を示す情報を検索する。
【0167】
より厳密には、プロセッサ300は、端末に割り振ることができる多重化資源を示す情報を含む制御情報の少なくとも1つのフィールドを読み取る。
【0168】
少なくとも1つの補助ダウンリンクシンボルを復調するために、且つ/又は、少なくとも1つの補助アップリンクシンボルを多重化するために、端末TEiに割り振られる多重化資源は、ダウンリンクサブフレームの基準部に含まれるダウンリンクシンボルを復調するために割り振られる多重化資源と、及び/又は、アップリンクサブフレームの基準部に含まれるアップリンクシンボルを多重化するために割り振られる多重化資源と同じである。
【0169】
同じステップにおいて、プロセッサ300は、割り振られた多重化資源を示す情報をチャネルインタフェース305に転送するように命令する。
【0170】
次のステップS806において、プロセッサ300は、少なくとも1つの補助シンボルがダウンリンクチャネルに割り振られている場合、少なくとも1つの補助ダウンリンクシンボルの受信を検出する。補助ダウンリンクシンボルは、図10a〜図10cを参照して示すように、無線通信ネットワークの少なくとも1つの多重化資源に割り当てられる少なくとも1組のパイロットシーケンス要素により形成される。
【0171】
次のステップS807において、プロセッサ300は、ダウンリンクチャネルで受信したシンボルから、図9又は図11に開示するように、チャネル状況、例としてチャネル品質指標を求める。
【0172】
ステップS808において、プロセッサ300は、必要な場合、アップリンクチャネルを通じてシンボルを転送するように命令する。
【0173】
転送されるシンボルは、アップリンクサブフレームの基準部に含まれるシンボルである。
【0174】
次のステップS809において、プロセッサ200は、少なくとも1つの補助シンボルがアップリンクチャネルに割り振られている場合、少なくとも1つの補助アップリンクシンボルの転送を命令する。補助アップリンクシンボルは、図10dを参照して示すように、アップリンクサブフレームの基準部に含まれるシンボルを転送するために端末TEiに割り振られた少なくとも1つの多重化資源に割り当てられている少なくとも1組のパイロットシーケンス要素により形成される。
【0175】
チャネルインタフェース305は、アップリンクサブフレームの基準部に含まれるシンボルに対して基地局により割り振られた多重化資源と同じ多重化資源に、端末TEiにより転送される少なくとも1つの補助アップリンクシンボルを多重化する。
【0176】
次のステップS810において、プロセッサ300は、基地局BTSが少なくとも1つの基準信号を受信する必要があるか否かを調べる。
【0177】
少なくとも1つの基準信号を受信する必要がある場合、プロセッサ300はステップS801に戻り、必要がない場合、ステップS802に戻る。
【0178】
図9は、本発明の第1及び第2の実現形態による、基地局と各端末との間で求められるチャネル品質指標の一例である。
【0179】
図9の縦軸には、周波数帯が示される。横軸は、各端末TEiにより求められると共にダウンリンク多重化資源の利用を最適化するためにアップリンクチャネルを通じて基地局BTSに報告される、チャネル品質指標の値を表す。
【0180】
図9には、端末TE1〜TE3により求められるチャネル品質指標曲線を示す。
【0181】
基地局BTSは、このような曲線を使用して多重化資源を端末TE1〜TE3に割り振る。
【0182】
アップリンクチャネルの場合、アップリンク多重化資源の利用を最適化するために、基地局BTSは各アップリンクチャネルでのチャネル品質指標を求める。
【0183】
図10aは、本発明の第1及び第2の実現形態による、無線通信システムの多重化資源で基地局により端末に転送されるシンボルの一例である。
【0184】
図10aは、4個のシンボルがダウンリンクサブフレームの基準部に含まれ、2個のシンボルが補助ダウンリンクシンボルである一例を開示している。
【0185】
図10aは、1001〜1012と記されている12行及び1051〜1056と記されている6列の表を表す。各行1001〜1012は、第1の実現形態によれば周波数チャンクを表し、又は第2の実現形態によれば符号を表す。各列1051〜1056はシンボルを表す。好ましくは、このような表は各サブフレーム毎に生成される。
【0186】
ここで、より多数の周波数チャンク又は符号を本発明において割り振ることができ、又はより少数の周波数チャンク又は符号を本発明において割り振ることができることに留意する必要がある。
【0187】
列1051はシンボルs1を表し、列1052はシンボルs2を表し、列1053はシンボルs3を表し、列1054はシンボルs4を表し、列1055は補助ダウンリンクシンボルs5を表し、列1056は補助ダウンリンクシンボルs6を表す。
【0188】
基地局BTSは、シンボルs1〜s4に対して、1001〜1003及び1010〜1012と記されている周波数チャンク又は符号を端末TE1に割り振る。
【0189】
基地局BTSは、シンボルs1〜s4に対して、1004〜1006と記されている周波数チャンク又は符号を端末TE2に割り振る。
【0190】
基地局BTSは、シンボルs1〜s4に対して、1007〜1009と記されている周波数チャンク又は符号を端末TE3に割り振る。
【0191】
非限定的ではあるが、好ましくは、基地局BTSは、図6のダウンリンクサブフレームの基準部に含まれるすべてのシンボルs1〜s4について、1つの端末TEiに同じ周波数チャンク又は符号を割り振る。
【0192】
図10aの例によれば、補助ダウンリンクシンボルs5の場合、基地局BTSは各多重化資源に1組のパイロットシーケンス要素PS1〜PS12を割り当てる。補助ダウンリンクシンボルs6の場合、基地局BTSは各多重化資源に1組のパイロットシーケンス要素PS13〜PS24を割り当てる。
【0193】
図10bは、本発明の第1及び第2の実現形態による、無線通信システムの多重化資源で基地局により端末に転送されるシンボルの一例である。
【0194】
図10bは、4個のシンボルがダウンリンクサブフレームの基準部に含まれ、2個のシンボルが補助ダウンリンクシンボルである一例を開示している。
【0195】
図10bは、1101〜1112と記されている12行及び1151〜1156と記されている6列の表を表す。各行1101〜1112は、第1の実現形態によれば周波数チャンクを表し、又は第2の実現形態によれば符号を表す。各列1151〜1156はシンボルを表す。好ましくは、このような表は各サブフレーム毎に生成される。
【0196】
ここで、より多数の周波数チャンク又は符号を本発明において割り振ることができ、又はより少数の周波数チャンク又は符号を本発明において割り振ることができることに留意する必要がある。
【0197】
列1151はシンボルs1を表し、列1152はシンボルs2を表し、列1153はシンボルs3を表し、列1154はシンボルs4を表し、列1155は補助ダウンリンクシンボルs5を表し、列1156は補助ダウンリンクシンボルs6を表す。
【0198】
基地局BTSは、シンボルs1〜s4に対して、1101〜1103及び1110〜1112と記されている周波数チャンク又は符号を端末TE1に割り振る。
【0199】
基地局BTSは、シンボルs1〜s4に対して、1104〜1106と記されている周波数チャンク又は符号を端末TE2に割り振る。
【0200】
基地局BTSは、シンボルs1〜s4に対して、1107〜1109と記されている周波数チャンク又は符号を端末TE3に割り振る。
【0201】
非限定的ではあるが、好ましくは、基地局BTSは、図6のダウンリンクサブフレームの基準部に含まれるすべてのシンボルs1〜s4について、1つの端末TEiに同じ周波数チャンク又は符号を割り振る。
【0202】
図10bの例によれば、補助ダウンリンクシンボルs5の場合、基地局BTSは、多重化資源の一部、例として多重化資源1101、1104、1107、1110に1組のパイロットシーケンス要素PS40〜PS43を割り当て、残りの多重化リソースにはデータを割り当てる。
【0203】
好ましくは、基地局BTSは、各端末TEiに割り振られた1つの多重化資源に1組のパイロットシーケンス要素を割り当てる。
【0204】
補助ダウンリンクシンボルs6の場合、基地局BTSは各多重化資源にデータを割り当てる。
【0205】
図10cは、本発明の第1及び第2の実現形態による、無線通信システムの多重化資源で基地局により端末に転送されるシンボルの一例である。
【0206】
図10cは、4個のシンボルがダウンリンクサブフレームの基準部に含まれ、2個のシンボルが補助ダウンリンクシンボルである一例を開示している。
【0207】
図10cは、1201〜1212と記されている12行及び1251〜1256と記されている6列の表を表す。各行1201〜1212は、第1の実現形態によれば周波数チャンクを表し、又は第2の実現形態によれば符号を表し、各列1251〜1256はシンボルを表す。好ましくは、このような表は各サブフレーム毎に生成される。
【0208】
ここで、より多数の周波数チャンク又は符号を本発明において割り振ることができ、又はより少数の周波数チャンク又は符号を本発明において割り振ることができることに留意する必要がある。
【0209】
列1251はシンボルs1を表し、列1252はシンボルs2を表し、列1253はシンボルs3を表し、列1254はシンボルs4を表し、列1255は補助ダウンリンクシンボルs5を表し、列1256は補助ダウンリンクシンボルs6を表す。
【0210】
基地局BTSは、シンボルs1〜s4に対して、1201〜1203及び1210〜1212と記されている周波数チャンク又は符号を端末TE1に割り振る。
【0211】
基地局BTSは、シンボルs1〜s4に対して、1204〜1206と記されている周波数チャンク又は符号を端末TE2に割り振る。
【0212】
基地局BTSは、シンボルs1〜s4に対して、1207〜1209と記されている周波数チャンク又は符号を端末TE3に割り振る。
【0213】
基地局BTSは、図6のダウンリンクサブフレームの基準部に含まれるシンボルs1〜s4のすべてについて、1つの端末TEiに同じ周波数チャンク又は符号を割り振る。
【0214】
図10cの例によれば、補助ダウンリンクシンボルs5の場合、基地局BTSは、多重化資源の一部、例として多重化資源1201、1204、1207、1210に1組のパイロットシーケンス要素PS40〜PS43を割り当てる。
【0215】
好ましくは、基地局BTSは各端末TEiに割り振られた1つの多重化資源に1組のパイロットシーケンス要素を割り当てる。パイロットシンボルPS40及びPS43は、端末TE2及び/又はTE3によりチャネル推定に使用される。
【0216】
一変形では、補助ダウンリンクシンボルs5の場合、基地局BTSは、多重化資源1204及び1207にのみ1組のパイロットシーケンス要素PS41及びPS42を割り当てる。端末TE1はいかなる補助シンボルも送信又は受信することができないため、パイロットシーケンス要素PS40及びPS43の組に多重化資源は割り当てられない。
【0217】
図10dは、本発明の第1及び第2の実現形態による、割り振られた無線通信システムの多重化資源で端末により基地局に転送されるシンボルの一例である。
【0218】
図10dは、4個のシンボルがアップリンクサブフレームの基準部に含まれ、2個のシンボルが補助アップリンクシンボルである一例を開示している。
【0219】
図10dは、1301〜1312と記されている12行及び1351〜1356と記されている6列の表を表す。各行1301〜1312は、第1の実現形態によれば周波数チャンクを表し、又は第2の実現形態によれば符号を表し、各列1351〜1356はシンボルを表す。好ましくは、このような表は各サブフレーム毎に生成される。
【0220】
ここで、より多数の周波数チャンク又は符号を本発明において割り振ることができ、又はより少数の周波数チャンク又は符号を本発明において割り振ることができることに留意する必要がある。
【0221】
列1351はアップリンクサブフレームの基準部の第1のシンボルを表し、列1352はアップリンクサブフレームの基準部の第2のシンボルを表し、列1353はアップリンクサブフレームの基準部の第3のシンボルを表し、列1354はアップリンクサブフレームの基準部の第4のシンボルを表し、列1355は第1の補助シンボルを表し、列1356は第2の補助シンボルを表す。
【0222】
基地局BTSは、アップリンクサブフレームの基準部のシンボルに対して、1301〜1303及び1310〜1312と記されている周波数チャンク又は符号を端末TE1に割り振る。
【0223】
基地局BTSは、アップリンクサブフレームの基準部のシンボルに対して、1304〜1306と記されている周波数チャンク又は符号を端末TE2に割り振る。
【0224】
基地局BTSは、アップリンクサブフレームの基準部のシンボルに対して、1307〜1309と記されている周波数チャンク又は符号を端末TE3に割り振る。
【0225】
非限定的ではあるが、好ましくは、基地局BTSは、アップリンクサブフレームの基準部に含まれるすべてのシンボルについて、及び、存在する場合には補助アップリンクシンボルについて、1つの端末TEiに同じ周波数チャンク又は符号を割り振る。
【0226】
図10dの例によれば、補助アップリンクシンボルを送信できる各端末TEiは、その端末に割り振られた各多重化資源に、複数組のパイロットシーケンス要素PS50〜PS55を割り当てる。
【0227】
端末TE2は、複数組のパイロットシーケンス要素PS50〜PS52を各多重化資源1304、1305、及び1306に割り当てる。
【0228】
端末TE3は、複数組のパイロットシーケンス要素PS53〜PS55を各多重化資源1307、1308、及び1309に割り当てる。
【0229】
補助アップリンクシンボルをもう1つ送信できる各端末TEiは、その端末に割り振られた各多重化資源に、1組のパイロットシーケンス要素PS56〜PS58を割り当てる。
【0230】
端末TE3は、複数組のパイロットシーケンス要素PS56〜PS58を各多重化資源1307、1308、及び1309に割り当てる。
【0231】
一変形では、補助アップリンクシンボルを送信できる各端末TEiは、割り振られた1つの多重化資源に1組のパイロットシーケンス要素を割り当てる。
【0232】
一変形では、補助アップリンクシンボルを送信できる各端末TEiは、その端末TEiに割り振られた少なくとも1つの多重化資源に1組のパイロットシーケンス要素を割り当て、その端末TEiに割り振られたその他の多重化資源はデータの転送に使用される。
【0233】
一変形では、補助アップリンクシンボルを送信できる各端末TEiは、アップリンクサブフレームの基準部に含まれるシンボルの多重化のために端末TEiに割り振られたものではない少なくとも1つの多重化資源に、1組のパイロットシーケンス要素を割り当てる。
【0234】
図11は、本発明の第3の実現形態による、基地局と各端末との間で求められるチャネル品質指標の一例である。
【0235】
図11の縦軸には、異なるビームであるビーム1〜ビーム4が示され、且つ横軸は、各端末TEiにより求められると共にダウンリンク多重化資源の利用を最適化するためにアップリンクチャネルを通じて基地局BTSに報告されるチャネル品質指標の値を表す。
【0236】
図11には、端末TE1〜TE3により求められるチャネル品質指標の曲線が示される。
【0237】
基地局BTSは、このような曲線を使用して、多重化資源を端末TE1〜TE3に割り振る。
【0238】
アップリンクチャネルの場合、基地局BTSは、アップリンク多重化資源の利用を最適化するために、各アップリンクチャネルのチャネル品質指標を求める。
【0239】
図12は、本発明の第3の実現形態による、割り振られた無線通信システムの多重化資源で基地局により端末に転送されるシンボルの一例である。
【0240】
図12は、4個のシンボルがダウンリンクサブフレームの基準部に含まれ、2個のシンボルが補助シンボルである一例を開示している。
【0241】
図12は、120〜123と記されている4行及び124〜129と記されている6列の表を表す。各行120〜123は、第3の実現形態により基地局BTSにより信号が向けられるビーム又はエリアを表し、各列124〜129は図6のシンボルを表す。このような表は、好ましくは各サブフレーム毎に生成される。
【0242】
列124はシンボルs1を表し、列125はシンボルs2を表し、列126はシンボルs3を表し、列127はシンボルs4を表し、列128は補助シンボルs5を表し、列129は補助シンボルs6を表す。
【0243】
基地局BTSは、シンボルs1〜s4に対して、120及び121と記されているビーム1及びビーム2を端末TE1に割り振る。
【0244】
基地局BTSは、シンボルs1〜s4に対して、122と記されているビーム3を端末TE2に割り振る。
【0245】
基地局BTSは、シンボルs1〜s4に対して、123と記されているビーム4を端末TE3に割り振る。
【0246】
図12の例によれば、補助ダウンリンクシンボルs5の場合、基地局BTSは各多重化資源に1組のパイロットシーケンス要素PSa〜PSdを割り当てる。補助ダウンリンクシンボルs6の場合、基地局BTSは各多重化資源に1組のパイロットシーケンス要素PSe〜PShを割り当てる。
【0247】
ここで、本発明の第1及び第2の実現形態での図10を参照して示す異なる割り振り方式も第3の実現形態に適用可能なことに留意する必要がある。
【0248】
当然ながら、本発明の範囲から逸脱することなく、上述した本発明の実施形態に多くの変更を行うことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0249】
【図1】本発明が実施される無線通信システムの構造を表す図である。
【図2】本発明による無線通信システムの基地局の構造を表す図である。
【図3】本発明による無線通信システムの端末の構造を表す図である。
【図4】従来のHD/OFDMフレームの構造を示すクロノグラムである。
【図5】従来技術による通信システムのダウンリンクでの情報の送信を示すクロノグラムである。
【図6】従来技術による通信システムのダウンリンクでの情報の送信を示すクロノグラムである。
【図7】本発明による基地局により実行されるアルゴリズムである。
【図8】本発明による端末により実行されるアルゴリズムである。
【図9】本発明の第1及び第2の実現形態により基地局と各端末との間で求められるチャネル品質指標の一例である。
【図10a】本発明の第1及び第2の実現形態による、基地局により無線通信システムの多重化資源で端末に転送されるシンボルの一例である。
【図10b】本発明の第1及び第2の実現形態による、基地局により無線通信システムの多重化資源で端末に転送されるシンボルの例である。
【図10c】本発明の第1及び第2の実現形態による、基地局により無線通信システムの多重化資源で端末に転送されるシンボルの一例である。
【図10d】本発明の第1及び第2の実現形態による、端末により、割り振られた無線通信システムの多重化資源で基地局に転送されるシンボルの一例である。
【図11】本発明の第3の実現形態による、基地局と各端末との間で求められるチャネル品質指標の一例である。
【図12】本発明の第3の実現形態による、割り振られた無線通信システムの多重化資源で基地局により端末に転送されるシンボルの例である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、包括的には通信システムに関し、特に、双方向通信チャネルを介して端末と通信することを目的とする少なくとも1つの基地局を含む無線通信システムでの伝送方法及び伝送装置に関する。
【0002】
無線通信システムには、移動端末が長い距離を時に機敏に移動できる移動通信システムだけでなく、端末が固定されるか、又は、接続される基地局に対して短い距離を、多くの場合は非常にゆっくりと移動することしかできない通信システムも含まれることに留意されたい。
【0003】
図1は、複数の基地局によりサービス提供される無線セルラ通信システムを図示する。図1では、1つのみの基地局BTSが示されているが、基地局BTSは、少なくとも1つの端末、ここでは無線通信チャネルCh1〜Ch3のそれぞれを介して3つの端末TE1、TE2、及びTE3と通信することを目的とする。
【0004】
図1では、端末TE1は基地局BTSから距離d1にあり、端末TE2は基地局BTSから距離d2にあり、端末TE3は基地局BTSから距離d3にある。基地局BTSのカバーエリアは一般的にセル15と呼ばれ、当該セルの境界は基地局から最大と考えられる距離にある。
【0005】
各チャネルChi(i=1〜3)は、端末TEiから基地局BTSへ情報を搬送するためのアップリンクチャネルUL、及び、基地局BTSから端末TEiへ情報を搬送するためのダウンリンクチャネルDLiをサポートすることを目的としている。上記情報は、アップリンクチャネルULi若しくはダウンリンクチャネルDLiのいずれかに割り当てられるタイムスロット又はサブフレームに分割されたフレーム内に含まれる。
【0006】
フレームは、たとえば、図4に示すタイプを有する。すなわち、HD/OFDMタイプ(半二重(Half Duplex)/直交周波数分割多重(Orthogonal Frequency Division Multiplex)の略語)であるTDD/OFDM(時分割複信/OFDM)又はFDD/OFDM(周波数分割複信)のいずれかを有する。図4に見ることができるように、このフレームは、整数個Lのタイムスロット又はサブフレームTS1〜TSLに再分割される。これらのタイムスロット又はサブフレームは、ダウンリンクチャネルDL又はアップリンクチャネルULのいずれかに割り当てることができる。さらに、各サブフレームTSj(j=1〜L)は、k個の直交変調周波数f1〜fkによってそれぞれ搬送されるqj個のシンボルs1〜sqjをサポートする(ここでは、サブフレームTSjについて、qj=4である)。これらのシンボルは、OFDMシンボルと呼ばれる。
【0007】
サブフレームTSjのOFDMシンボルs1〜Sqjのそれぞれは、一般に、シンボル間の干渉の抑制に努めるのに使用されるサイクリックプリフィックスを含むことに留意されたい。
【0008】
一般的な場合に、サブフレームあたりのシンボル数は、サブフレーム毎に変化し得ると理解しなければならない。
【0009】
図5に関して、基地局BTSによるダウンリンクチャネルDLを介するqj=4個のシンボルs1〜s4の、時刻teにおける送信を考察してみよう。これらのシンボルs1〜s4は、考慮対象のセル15の境界(基地局BTSから距離d1)にある端末TE1によって、te+RTD(d1)/2に等しい時刻に受信される。ここで、RTD(d1)は、基地局BTSから上記距離d1のその端末TE1へのラウンドトリップ遅延である。これらのシンボルは、この端末TE1によって処理され、この端末はその後また、アップリンクチャネルULを介してシンボルを送信する。端末TEiは、アップリンクチャネルULを介してシンボルを送信する前に、ハードウェアオペレーション及びソフトウェアオペレーションの継続時間を考慮するために、或る期間待たなければならない。この或る期間は、受信送信切り換え時間(Receive Transmit Switch time)又は単にスイッチング時間と呼ばれ、RTSと参照される。たとえば、この遅延RTSは、端末TEのハードウェア機器が受信モードと送信モードとを切り換えるのに必要な時間、及び、基地局BTSのハードウェア機器が送信モードと受信モードとを切り換えるのに必要な時間の最大値である。アップリンクチャネルULを介して送信されるシンボルは、te+RTD(d1)+RTS+DDLに等しい時刻trに基地局BTSで受信される。DDLは、qj個のシンボルの全継続時間である。このように、基地局BTSは、セル15の境界に位置する端末TEiによって送信されたシンボルの処理を行うために、それらのシンボルの受信を待たなければならないことが分かる。この待ち時間は、ガード期間(Guard Period)GP又はアイドル期間(idle period)と呼ばれ、少なくともラウンドトリップ遅延RTD(d1)に受信送信切り換え時間RTSを加えたものに等しくなければならない。
【0010】
1つの端末が本発明に関わる場合、その端末はTEiと呼ばれ、i=1、2、3、…、であり、iの最大値は基地局BTSのカバーエリア内に含まれる端末の最大数である。
【0011】
少なくとも2つの端末が本発明に関わる場合、端末TEと呼ばれる。
【0012】
ダウンリンクチャネルDLとアップリンクチャネルULとの間のガード期間GPを図4に見ることができる。
【0013】
基地局BTSは、各端末TEのタイミング遅延TD(d)を求める。基地局BTSはシンボルを端末TEに転送し、端末TEはこれに応答してシンボルを基地局BTSに転送する。これらのシンボルはたとえば基準信号である。
【0014】
タイミング遅延は以下の式を使用して計算される:
Td(d)=tr−te−DDL−RTD(d)=GP−RTD(d)
式中、dは各端末TEiと基地局BTSとの距離である。
【0015】
各タイミング遅延から、基地局BTSは、各端末のタイミング進み(Timing Advance)TA=GP−TD(d)を求め、タイミング進みを対応する端末TEiに転送する。
【0016】
各端末は、基地局BTSに接続される端末TEのすべてから送信されるシンボルが基地局BTSで同一の時刻trに受信されるように、アップリンクチャネルULを介してのシンボルの送信にタイミング進み値を適用する。
【0017】
上記通信システムにより対処される問題は、ガード期間GP中にいかなる種類の情報も基地局において送受信されないことに起因する資源の潜在的な喪失に関する。
【0018】
この問題を解消するために、本発明の発明者等は、欧州特許出願第05291972号明細書において、ダウンリンクチャネル又はアップリンクチャネルでの新しい情報伝送方式を提案した。
【0019】
この欧州特許出願第05921972号明細書では、基地局BTSは、ガード期間中に少なくとも1つの補助ダウンリンクシンボルを、当該少なくとも補助ダウンリンクシンボルを受信できる端末TEに送信し、且つ/又は、基地局BTSは、ガード期間中に少なくとも1つの補助アップリンクシンボルを、時間遅延中に当該少なくとも補助アップリンクシンボルを送信できる端末TEから受信する。
【0020】
このような技法について図6を参照してより詳細に説明する。
【0021】
図6では、nref個のシンボルs1〜s4が、teと参照される時刻に基地局BTSによりダウンリンクチャネルDLを介してサブフレームの基準部(nominal part)で転送される。
【0022】
ダウンリンクサブフレームの基準部は、セルの境界にある端末TEに(換言すれば基地局BTSのセル内にある任意の端末に)送信できるqj個のシンボルの全継続時間である。
【0023】
アップリンクサブフレームの基準部は、基地局BTSのカバーエリアの境界にある端末TEにより送信できるqj個のシンボルの全継続時間である。
【0024】
サブフレームの基準部の最後のダウンリンクシンボルs4を送信した後、基地局BTSは、時刻trまで、ガード期間GPの間、接続された全ての端末TEからのアップリンクシンボルの受信を待つ必要がある。ダウンリンクチャネルでのサブフレームの基準部の継続時間を、シンボルの基準数nref、たとえば4に対応するDrefと呼ぶ。
【0025】
基地局BTSは、ダウンリンクサブフレームに補助ダウンリンクシンボルを含むように規定され、当該補助ダウンリンクシンボルは、各時間遅延中に補助ダウンリンクシンボルを受信して処理できる端末TEにのみ送信されることを目的とする。
【0026】
基地局BTSから距離dに配置された端末の時間遅延TD(d)が、ダウンリンクシンボルndl個分の継続時間に切り替え時間RTSを足した数とダウンリンクシンボルndl+1個分の継続時間に切り替え時間RTSを足した数との間に含まれる場合、基地局BTSは、その端末に対する情報をndl個の補助ダウンリンクシンボルに挿入することができる。この条件は以下のように数学的に記述することができる:
ndl・tsdl≦TD(d)−RTS<(ndl+1)tsdlならば最大でndl個の補助シンボルを挿入する。
ここでtsdlは1つのダウンリンクシンボルの継続時間である。
【0027】
端末TEiに対する情報をndl個の補助ダウンリンクシンボルに挿入する場合、基地局BTSは、端末TEiがこの1つ又は複数のndl個の補助シンボルをダウンリンクサブフレームの基準部に含まれる他のシンボルと共に読み取って処理できるように、この挿入をその端末TEiに対して示す(シグナリングにより)。
【0028】
基地局BTSは、適用すべき時間遅延TD又はタイミング進みについて、接続されている各端末TEiに通知する。次に、各端末TEiは、上記式を使用することにより、時間遅延TDの値又はタイミング進みの値から、読み出して処理する必要のあるシンボル数を導き出す。
【0029】
したがって、基地局BTSから距離dにある端末TEiに基地局BTSが割り振ることができる補助ダウンリンクシンボルの数ndlは、以下のように求められる:
ndl=integer{(TD(d)−RTS)/tsdl}
=integer{(GP−RTD(d)−RTS)/tsdl}
最大数Ndlmax個の補助シンボルが、基地局BTSから距離0にあると共にラウンドトリップ遅延RTDが0である端末TEiに与えられる:
Ndlmax=integer{(GP−RTS)/tsdl}
上記式と同様の式が補助アップリンクチャネルにも使用される。
【0030】
例として、図6に示す場合では、数Ndlmaxは2であり、ここで、送信されるダウンリンクシンボルの総数は、サブフレームの基準部Drefの4個のダウンリンクシンボルs1〜s4並びにガード期間GPと通常みなされる期間中に送信される2個の補助ダウンリンクシンボルs5及びs6に等しい。セル15の境界にある端末TE1の時間遅延TD(d1)の値は、時間遅延の定義により切り替え時間RTSに等しい。サブフレームの基準部Drefの4個のダウンリンクシンボルs1〜s4のみが、基地局BTSにより上記端末TE1に割り振られる。端末TE1は、これらの4個のダウンリンクシンボルs1〜s4のみを読み出して処理するだけであり、2個の補助シンボルs5及びs6は、存在する場合でも無視される(すなわち処理されない)。
【0031】
端末TE2の時間遅延TD(d2)の値は、2個のダウンリンクシンボルの継続時間に切り替え時間を足した時間よりも小さいが、1個のダウンリンクシンボルの継続時間に切り替え時間RTSを足した時間に等しい。したがって、基地局BTSは、最大で1個の補助ダウンリンクシンボル(ここでは、ダウンリンクサブフレームの基準部Drefの最後のダウンリンクシンボルs4に後続するダウンリンクシンボルs5)内で情報をその端末TE2に送信することができ、この補助ダウンリンクシンボルは当該端末TE2により読み取られて処理される。シンボルs6は、存在する場合でも上記端末TE2に無視される(すなわち処理されない)。この場合、その端末TE2についての情報を含むことができるダウンリンクシンボルの総数は5である(サブフレームの基準部Drefの4個s1〜s4と1個の補助シンボルs5とを足した数)。
【0032】
図6の例によれば、端末TE3の時間遅延TD(d3)の値は、2個のダウンリンクシンボルの継続時間に切り替え時間RTSを足した時間に等しい。したがって、基地局BTSは、最大で2個の補助ダウンリンクシンボルs5及びs6内で情報をその端末TE3に送信することができ、これらの補助ダウンリンクシンボルは当該端末TE3により読み取られて処理される。その端末TE3についての情報を含むことができるダウンリンクシンボルの総数は6である(サブフレームの基準部Drefの4個s1〜s4と2個の補助ダウンリンクシンボルs5及びs6とを足した数)。
【0033】
基地局BTSは、端末TE2の距離d2と端末TE3の距離d3との間に含まれる基地局から距離dにあるいずれの端末TEiにも、最大で5個のダウンリンクシンボルで情報を送信することができ、端末TEiはこれを読み出して処理することができる。同じように、基地局BTSは、端末TE3の距離d3よりも短い距離dにあるいずれの端末にも、最大で6個のダウンリンクシンボル内で情報を送信することができ、端末はこれを読み出して処理することができる。常に同じように、基地局BTSは、端末TE2の距離d2よりも長い距離dにあるいずれの端末にも、最大で4個のシンボル内で情報を送信することができ、端末はこれを読み出して処理することができる。
【0034】
ダウンリンクシンボルs5は、基地局BTSからd2未満の距離にある端末TEに対する情報のみを含むのに対して、ダウンリンクシンボルs6は、基地局BTSからd3未満の距離にある端末TEに対する情報のみを含むことに留意されたい。
【0035】
端末TEiは、基地局BTSに接続したとき、適用する必要がある時間遅延TDについての情報をまだ受信していない。それが行われない限り、この端末TEiに割り振られるシンボル数は基準数nrefに等しい。すなわち、この端末TEiに割り振られるシンボル数はサブフレームの基準部Drefに含まれるシンボル数に等しい。さらに、端末TEiは、基準数nrefに等しい数のシンボルを受信した後、予め規定される時間遅延で、たとえばガード期間GP又はRTSに等しい時間遅延でアップリンクにて送信することができる。
【0036】
基地局BTSのカバーエリア15が大きい場合、すなわち、カバーエリア15の境界にあるいくつかの端末TEのラウンドトリップ遅延RTDが大きい場合、これらの端末TEにより受信又は転送されるシンボルは少ない。この場合、基地局BTSと端末TEとの間に存在するチャネル状況を解析するために、アップリンクチャネル又はダウンリンクチャネルを通じてのデータ転送の量を顕著に低減せずに多数のパイロットシーケンス要素をサブフレームの基準部に含まれるシンボルに含めることは難しい。
【0037】
【特許文献1】欧州特許出願公開第1233566号明細書(カラム5、52行目〜55行目、段落[0047]、[0048]、図1、図5、図7)
【特許文献2】国際公開第99/11004号パンフレット(12頁、10行目〜28行目、図2C)
【特許文献3】米国特許第6810023号明細書(要約書)
【0038】
本発明は、基地局と端末との間で転送されるシンボル内のパイロットシーケンス要素の量を増大させることによる上記問題の解消を目的とする。
【0039】
そのために、本発明は、双方向通信チャネルを介して端末と通信することを目的とする少なくとも1つの基地局を含む無線通信システムでの伝送方法であって、各チャネルは、ダウンリンクサブフレーム及びアップリンクサブフレームに分割されるフレームをサポートし、各ダウンリンクサブフレームは、少なくとも2つの端末に送信されることを目的とする複数のシンボルを含み、接続される各端末の時間遅延が求められ、前記時間遅延は、任意の端末が、前記アップリンクサブフレームが後続する前記ダウンリンクサブフレームに含まれるすべての前記シンボルを受信した後、前記基地局による前記ダウンリンクサブフレームの送信終了から距離に関わらず一定である所定のガード期間だけ隔てられた時刻に、送信可能な他のシンボルが前記基地局により受信されるように、前記アップリンクサブフレームを介して前記時間遅延で前記他のシンボルを送信することができるようなものであり、前記基地局と、前記時間遅延中に少なくとも1つの補助シンボルを受信又は送信できる少なくとも1つの端末との間で、前記少なくとも1つの補助シンボルを転送することができる方法において、前記方法は、転送すべきシンボルを転送するための前記無線通信システムの多重化資源を得るステップと、得られた少なくとも1つの多重化資源に1組のパイロットシーケンス要素を割り当てるステップと、前記少なくとも1つの補助シンボルを転送するステップであって、前記補助シンボルは少なくとも前記1組のパイロットシーケンス要素により形成される、転送するステップとを含むことを特徴とする、方法に関する。
【0040】
本発明はまた、双方向通信チャネルを介して端末と通信することを目的とする少なくとも1つの基地局を有する無線通信システムでの通信装置であって、各チャネルは、ダウンリンクサブフレーム及びアップリンクサブフレームに分割されるフレームをサポートし、各ダウンリンクサブフレームは、少なくとも2つの端末に送信されることを目的とする複数のシンボルを含み、接続される各端末の時間遅延が求められ、前記時間遅延は、任意の端末が、前記アップリンクサブフレームが後続する前記ダウンリンクサブフレームに含まれるすべての前記シンボルを受信した後、前記基地局による前記ダウンリンクサブフレームの送信終了から距離に関わらず一定である所定のガード期間だけ隔てられた時刻に、送信可能な他のシンボルが前記基地局により受信されるように、前記アップリンクサブフレームを介して前記時間遅延で前記他のシンボルを送信することができるようなものであり、前記基地局と、前記時間遅延中に少なくとも1つの補助シンボルを受信又は送信できる少なくとも1つの端末との間で前記少なくとも1つの補助シンボルを転送することができる通信装置において、前記通信装置は、転送すべきシンボルを転送するための前記無線通信システムの多重化資源を得る手段と、得られた少なくとも1つの多重化資源に1組のパイロットシーケンス要素を割り当てる手段と、前記少なくとも1つの補助シンボルを転送する手段であって、前記補助シンボルは少なくとも前記1組のパイロットシーケンス要素により形成される、転送する手段とを備えることを特徴とする、通信装置に関する。
【0041】
したがって、基地局と端末との間で転送されるパイロットシーケンス要素の量が増大する。
【0042】
特定の特徴によれば、無線通信ネットワークの多重化資源は周波数チャンク、及び/又は符号、及び/又は基地局のカバーエリア内の複数のエリアである。
【0043】
特定の特徴によれば、方法は基地局により実行されるか、又は通信装置は基地局である。
【0044】
したがって、基地局近傍にある端末は、重要な数のパイロットシーケンス要素を獲得し、ダウンリンクチャネルのチャネル状況を正確に求めることができる。
【0045】
特定の特徴によれば、多重化資源は、基地局と基地局に接続される各端末との間に存在するチャネルの状況を解析することにより得られ、基地局は、少なくとも1組のパイロットシーケンス要素を復調する(de multiplexing)ために、無線通信システムの多重化資源を少なくとも2つの端末に割り振る。
【0046】
したがって、基地局近傍にある端末は、重要な数のパイロットシーケンス要素を獲得し、ダウンリンクチャネルのチャネル状況を正確に求めることができるため、多重化資源が正確な情報に基づいて割り振られる。
【0047】
特定の特徴によれば、1組のパイロットシーケンス要素が得られた各多重化資源に割り当てられ、各補助シンボルが複数組のパイロットシーケンス要素により形成される。
【0048】
したがって、多量のパイロットシーケンス要素が転送され、チャネル状況の測定が改善される。これは、高速で移動中の端末の場合に関心が高いものである。
【0049】
特定の特徴によれば、1組のパイロットシーケンス要素が、1つの端末に割り振られる複数の多重化資源の中の1つの多重化資源に割り当てられる。
【0050】
したがって、パイロットシーケンス要素の転送に消費されるエネルギーが抑制される。
【0051】
特定の特徴によれば、少なくとも1組のパイロットシーケンス要素が、少なくとも1つの補助シンボルを受信できる端末のみに対して得られた多重化資源の中の少なくとも1つの多重化資源に割り当てられる。
【0052】
したがって、パイロットシーケンス要素の転送に消費されるエネルギーが低減する。
【0053】
特定の特徴によれば、方法は端末により実行されるか、又は通信装置は端末である。
【0054】
したがって基地局は、基地局近傍にある端末に対して、重要な数のパイロットシーケンス要素を獲得し、アップリンクチャネルのチャネル状況を正確に求めることができる。
【0055】
特定の特徴によれば、多重化資源は、基地局からメッセージを受信することにより得られる。
【0056】
特定の特徴によれば、1組のパイロットシーケンス要素が、得られた多重化資源のそれぞれに割り当てられる。
【0057】
したがって、多数のパイロットシーケンス要素が転送され、チャネル状況の測定が改善される。これは、高速で移動中の端末の場合に関心が高いものである。
【0058】
特定の特徴によれば、1組のパイロットシーケンス要素が、複数の得られた多重化資源のうちの1つの多重化資源に割り当てられる。
【0059】
したがって、パイロットシーケンス要素の転送に消費されるエネルギーが抑制される。
【0060】
特定の特徴によれば、少なくとも1組のパイロットシーケンス要素が、複数の得られた多重化資源のうちの少なくとも1つの多重化資源に割り当てられ、少なくとも1組のパイロットシーケンス要素が、得られた多重化資源とは異なる少なくとも1つの多重化資源に割り当てられる。
【0061】
したがって、他のいくつかの多重化資源でいくつかのチャネル推定を実行することが可能である。
【0062】
さらに別の態様によれば、本発明は、プログラマブル装置に直接ロード可能なコンピュータプログラムであって、プログラマブル装置で実行されると、本発明による方法のステップを実施する命令又はコード部分を含むコンピュータプログラムに関する。
【0063】
コンピュータプログラムに関する特徴及び利点は、本発明による方法及び装置に関して上述した特徴及び利点と同じであるため、ここで繰り返さない。
【0064】
本発明の特徴は、添付図面を参照して行われる実施形態例の以下の説明を読むことからより明確になろう。
【0065】
図1は、本発明が実施される無線通信システムの構造を表す図である。
【0066】
図1の通信システムでは、少なくとも1つ、好ましくは複数の端末TE1、TE2、及びTE3が、基地局BTSのカバーエリア15内に含まれる。基地局BTSは、少なくとも1つの端末TEi、ここでは無線通信チャネルCH1〜CH3のそれぞれを介して3つの端末TE1、TE2、及びTE3と通信することを目的とする。
【0067】
本発明について、無線セルラネットワーク又はローカルエリアネットワークのような無線ネットワークにおいて説明するが、本発明は電力線網のような有線ネットワークに適用することも可能である。簡易化のために基地局BTSの1つのカバーエリアのみを図1に示すが、実際には、特に無線ネットワークが無線セルラネットワークの場合、無線セルラ通信システムはより多数の基地局及びセルで構成される。
【0068】
図1には、簡易化のために3つの端末TEのみを示すが、実際には、より多数の端末が基地局BTSのカバーエリア15内にある。
【0069】
基地局BTSは、ノード、ノードB、拡張ノードB、又はアクセスポイントとも呼ばれる。
【0070】
端末TE1〜TE3は、携帯電話、携帯情報端末、又はパーソナルコンピュータのような端末である。
【0071】
基地局BTSは補助ダウンリンクシンボルを含むように規定され、当該補助ダウンリンクシンボルは、各時間遅延中に補助ダウンリンクシンボルの受信及び送信及び/又は処理を行える端末TEに対してのみ送信されることを目的とする。基地局BTSは補助アップリンクシンボルを含むようにも規定され、当該補助アップリンクシンボルは、各時間遅延中に補助アップリンクシンボルを処理する端末TEのみにより送信されることを目的とする。
【0072】
基地局BTSは、端末TEiに対する情報をndl個の補助シンボルに挿入することができる。この条件は以下のように数学的に記述することができる:
ndl・tsdl≦TD(d)−RTS<(ndl+1)tsdlならば最大でndl個の補助シンボルを挿入する。
【0073】
tsdlは1つのダウンリンクシンボルの継続時間である。
【0074】
上記式と同様の式が補助アップリンクチャネルにも使用される。
【0075】
ここで、ndlが基地局BTSが端末TEiに割り振ることができる補助アップリンクシンボル数も表すことに留意する必要がある。
【0076】
本発明によれば、補助シンボルはパイロットシーケンス要素を含む。
【0077】
図1及び図6の例によれば、数Ndlmaxは2であるが、例として、基地局BTSのカバーエリア15により、且つ/又はOFDMシンボルの継続時間により、より多数の補助シンボルを決定することもできる。
【0078】
例として、無線通信システムは、時分割複信方式(TDD)又は周波数分割複信方式(FDD)、より厳密には半二重FDD方式を使用する無線通信システムである。
【0079】
TDD方式では、アップリンクチャネル及びダウンリンクチャネルで転送される信号は、同じ周波数帯域で、異なるサブフレーム(タイムスロットとも呼ばれる)で二重化される。
【0080】
半二重FDD方式では、アップリンクチャネル及びダウンリンクチャネルで転送される信号は、異なる周波数帯域で、異なるサブフレーム(タイムスロットとも呼ばれる)で二重化される。
【0081】
基地局BTSがシンボルを端末TEiに転送する場合(i=1〜3)、データ、信号、又はメッセージはダウンリンクチャネルのダウンリンクサブフレームを通じて転送される。
【0082】
端末TEiがシンボルを基地局BTSに転送する場合(i=1〜3)、信号又はデータはアップリンクチャネルのアップリンクサブフレームを通じて転送される。
【0083】
本発明の第1の実現形態では、複数の端末TEの情報を多重化するために、周波数分割多元アクセス技法が無線通信システムにおいて使用される。
【0084】
本発明の第2の実現形態では、複数の端末TEの情報を多重化するために、符合分割多元アクセス技法が無線通信システムにおいて使用される。
【0085】
本発明の第3の実現形態では、複数の端末TEの情報を多重化するために、空間分割多元アクセス技法が無線通信システムにおいて使用される。図1においてビーム1、ビーム2、ビーム3、及びビーム4と記されているビームが、基地局BTSのカバーエリア15の空間分割の一部を表す。
【0086】
第1、及び/又は第2、及び/又は第3の実現形態で使用される技法は組み合わせることも可能なことに留意する必要がある。
【0087】
好ましくは、端末TEiがシンボルを転送する場合、端末TEiは割り振られた多重化資源にデータ及び/又は少なくとも1組のパイロットシーケンス要素を多重化し、割り振られていない多重化資源にはヌル値を設定する。チャネル推定のいくつかの目的のために、端末TEiは、アップリンクサブフレームの基準部に含まれるシンボルの多重化のためにその端末に割り振られたものではない多重化資源に、少なくとも1組のパイロットシーケンス要素を多重化することができる。
【0088】
基地局BTSはシンボルを受信する。受信された各シンボルは、端末TEの少なくとも一部により転送されたシンボルにより形成される。
【0089】
好ましくは、基地局BTSがシンボルを転送する場合、基地局BTSは割り振られた多重化資源にデータ及び/又は少なくとも1組のパイロットシーケンス要素を多重化し、割り振られていない多重化資源にはヌル値を設定する。チャネル推定のいくつかの目的のために、基地局BTSは、ダウンリンクサブフレームの基準部に含まれるシンボルの多重化のために割り振られたものではない多重化資源に、少なくとも1組のパイロットシーケンス要素を多重化することができる。
【0090】
図2は、本発明による基地局の構造を表す図である。
【0091】
基地局BTSは、たとえば、バス201により共に接続される構成要素と図7において開示するようなアルゴリズムに関連するプログラムにより制御されるプロセッサ200とに基づく構造を有する。
【0092】
基地局BTSは、一変形において、以下に開示するようなプロセッサ200により実行される動作と同じ動作を実行する1つ又はいくつかの専用集積回路の形で実施されることに留意する必要がある。
【0093】
バス201は、プロセッサ200を読み取り専用メモリROM202、ランダムアクセスメモリRAM203、及びチャネルインタフェース205にリンクする。
【0094】
読み取り専用メモリROM202は図7に開示されているようなアルゴリズムに関連するプログラムの命令を含み、これは、基地局BTSに電源が投入されるとランダムアクセスメモリRAM203に転送される。
【0095】
RAMメモリ203は、変数の受け取りを目的とするレジスタと、図7に開示されているようなアルゴリズムに関連するプログラムの命令とを含む。
【0096】
プロセッサ200は、端末TEに割り振られる多重化資源を決定することができる。
【0097】
端末TEの少なくとも一部に割り振られる多重化資源は、ダウンリンクサブフレームの基準部のダウンリンクシンボルの復調のために対応する端末TEiが使用する多重化資源、及び/又は、データを多重化してアップリンクサブフレームの基準部のアップリンクシンボルを形成するために対応する端末TEiが使用する多重化資源である。
【0098】
少なくとも1つの端末TEiに割り振られる多重化資源は、少なくとも1組のパイロットシーケンス要素を多重化して補助ダウンリンクシンボルを形成するために基地局BTSが使用する多重化資源であり、且つ/又は補助アップリンクシンボルに含まれる少なくとも1組のパイロットシーケンス要素を復調するために基地局BTSが使用する多重化資源である。
【0099】
パイロットシーケンス要素は、例として、1、−1、又は複素値に等しい。
【0100】
1組のパイロットシーケンス要素は、周波数チャンクの搬送周波数の少なくとも一部又は多重化資源の符号に多重化される。
【0101】
周波数チャンクは少なくとも1つの搬送周波数又は好ましくは連続した搬送周波数の群を含む。
【0102】
チャネルインタフェース205は、データを多重化資源に多重化して、端末TEの少なくとも一部に転送されるダウンリンクサブフレームの各ダウンリンクシンボルを形成する多重化手段206を備える。
【0103】
チャネルインタフェース205は、各端末TEiによる少なくとも1つの基準信号の送信を要求する手段と、各端末TEiから少なくとも1つの基準信号を受信する手段とを備える。
【0104】
チャネルインタフェース205は、多重化資源で少なくとも1つの端末TEiに転送される少なくとも1つのパイロットシーケンス要素を含む少なくとも1つの補助ダウンリンクシンボルを転送する手段を備える。
【0105】
チャネルインタフェース205は、端末TEiに割り振られた多重化資源から、少なくとも1つの端末TEiにより転送されたアップリンクサブフレームの基準部に含まれるシンボルを復調する手段を備える。
【0106】
チャネルインタフェース205は、少なくとも1つの端末TEiにより転送される少なくとも1つのアップリンク補助シンボルに含まれる少なくとも1組のパイロットシーケンス要素を復調する手段を備える。
【0107】
好ましくは、少なくとも1つの補助アップリンクシンボルに含まれる少なくとも1組のパイロットシーケンス要素が、アップリンクサブフレームの基準部に含まれるシンボルに関して端末TEiに割り振られた多重化資源で復調される。
【0108】
チャネルインタフェース205は、シンボルを送信した端末TEiに割り振られていない多重化資源から少なくとも1つの補助アップリンクシンボルに含まれる少なくとも1組のパイロットシーケンス要素を復調して、他の多重化資源のチャネル状況についての情報を得る手段を備える。
【0109】
チャネルインタフェース205は、データを結合する手段207を備える。
【0110】
本発明の第1の実現形態によれば、加重データを結合する手段207は逆離散フーリエ変換モジュールである。
【0111】
本発明の第2の実現形態によれば、加重データを結合する手段207は加算回路である。
【0112】
本発明の第3の実現形態によれば、加重データを結合する手段207はビームフォーマであり、アンテナBSAntはアレイアンテナである。
【0113】
本発明の第3の実現形態によれば、チャネルインタフェース205は、基地局BTSにより転送された信号を、図1にビーム1〜ビーム4と記されているエリアのような異なるエリアに向ける手段を備える。より厳密には、基地局BTSがダウンリンクチャネルを通じて信号を所与のエリアに送信する場合、信号はM回複製され(M>1)、複製された信号は、M個のアンテナを使用してビーム形成を実行するために重み付けされる。すなわち、N個のビームを形成するように送信信号の空間方向を制御する。
【0114】
図3は、本発明による端末の構造を表す図である。
【0115】
各端末TEi、例として端末TE1は、たとえば、バス301により共に接続される構成要素と図8において開示するようなアルゴリズムに関連するプログラムにより制御されるプロセッサ300とに基づく構造を有する。
【0116】
ここで、端末TE1は、一変形において、以下に開示するようなプロセッサ300により実行される動作と同じ動作を実行する1つ又はいくつかの専用集積回路の形で実施されることに留意する必要がある。
【0117】
バス301は、プロセッサ300を読み取り専用メモリROM302、ランダムアクセスメモリRAM303、及びチャネルインタフェース305にリンクする。
【0118】
読み取り専用メモリROM302は図8に開示されているようなアルゴリズムに関連するプログラムの命令を含み、これは、端末TE1に電源が投入されるとランダムアクセスメモリRAM303に転送される。
【0119】
RAMメモリ303は、変数の受け取りを目的とするレジスタと、図8に開示されているようなアルゴリズムに関連するプログラムの命令とを含む。
【0120】
チャネルインタフェース305は、基地局BTSから少なくとも1つの基準信号要求を受信する手段と、少なくとも1つの基準信号を基地局BTSに転送する手段とを備える。
【0121】
チャネルインタフェース305は、基地局BTSにより割り振られる対応する多重化資源(いくつかある場合)で、端末TE1により受信されるダウンリンクサブフレームの各ダウンリンクシンボルを復調する手段を備える。
【0122】
チャネルインタフェース305は、少なくとも1組のパイロットシーケンス要素を多重化資源に多重化して、端末TE1に割り振られた多重化資源で基地局BTSに転送される少なくとも1つのアップリンク補助シンボルを形成する多重化手段306を備える。
【0123】
チャネルインタフェース305は、少なくとも1つの補助アップリンクシンボルに含まれる少なくとも1組のパイロットシーケンス要素を、端末TE1に割り振られた少なくとも多重化資源で転送する手段を備える。
【0124】
好ましくは、少なくとも1つの補助アップリンクシンボルに含まれる少なくとも1組のパイロットシーケンス要素は、アップリンクサブフレームの基準部に含まれるシンボルに対して端末TE1に割り振られた多重化資源で転送される。
【0125】
時により、他の多重化資源のチャネル状況についての情報を得るために、少なくとも1つの補助アップリンクシンボルに含まれる少なくとも1組のパイロットシーケンス要素が、アップリンクサブフレームの基準部に含まれるシンボルのために端末TE1に割り振られたものではない多重化資源で転送される。
【0126】
チャネルインタフェース305は、端末TE1に割り振られた多重化資源から、基地局BTSにより転送される少なくとも1つの補助ダウンリンクシンボルに含まれる少なくとも1組のパイロットシーケンス要素を復調する手段を備える。
【0127】
ここで、他の多重化資源のチャネル状況についての情報を得るために、チャネルインタフェース305は、端末TE1に割り振られた多重化資源とは別の多重化資源から、基地局BTSにより転送される少なくとも1つの補助ダウンリンクシンボルに含まれる少なくとも1組のパイロットシーケンス要素を復調することに留意されたい。
【0128】
図7は、本発明による基地局により実行されるアルゴリズムである。
【0129】
本アルゴリズムは、無線通信システムの少なくとも1つの基地局BTSにより実行される。より厳密には、本アルゴリズムは、基地局BTSのプロセッサ200により実行される。
【0130】
ステップS700において、プロセッサ200は、チャネルインタフェース205を通じて、各端末TEi(i=1〜3)に少なくとも1つの基準信号を転送するように命令する。
【0131】
次のステップS701において、プロセッサ200は、チャネルインタフェース205を通じて、各端末TEiにより転送された少なくとも1つの基準信号の受信を検出する。
【0132】
次のステップS702において、プロセッサ200は各端末TEiの時間遅延TD(d)を計算する。ここで、dは基地局BTSと端末TEiとの間の距離である。
【0133】
各タイミング遅延TD(d)は以下の式を使用して計算される:
Td(d)=tr−te−DDL−RTD(d)=GP−RTD(d)
式中、DDLは、転送するダウンリンクサブフレームの基準部の全継続時間である。
【0134】
同ステップで、プロセッサ200は、以下の式を使用して各端末TEiのタイミング進みを計算する:
TA(d)=GP−TD(d)
【0135】
次のステップS703において、プロセッサ200は、ステップS702において計算されたデータのうちの少なくとも1つを対応する各端末TEiに転送するように命令する。
【0136】
ステップS702において計算されたデータは、チャネルインタフェース205により次のダウンリンクサブフレームで転送される。この計算されたデータは他のデータと多重化されて、ダウンリンクサブフレームの基準部のシンボルの形で転送される。
【0137】
次のステップS704では、プロセッサ200は、無線通信システムの多重化資源を端末TEの少なくとも一部に割り振る。
【0138】
ここで、数百の端末TEが基地局BTSと通信する場合、プロセッサ200は、1つのサブフレーム中では、多重化資源を端末TEの一部にしか割り振ることができないということに留意する必要がある。この場合、プロセッサ200は、各サブフレーム毎に、多重化資源が割り振られる端末TEを変更することができる。
【0139】
本発明の第1及び第2の実現形態によれば、プロセッサ200は、好ましくは、無線通信システムの多重化資源を、図9に示すチャネル品質指標に従って端末TEに割り振る。
【0140】
多重化資源は、本発明の第1の実現形態によれば、周波数チャンクである。
【0141】
多重化資源は、本発明の第2の実現形態によれば、符号(code)である。符号はビットシーケンスである。好ましくは、割り振られる符号は互いに直交する。
【0142】
割り振られる多重化資源の例について図10を参照して説明する。
【0143】
多重化資源は、本発明の第3の実現形態によれば、基地局BTSのカバーエリア15内の複数のエリアである。
【0144】
割り振られる多重化資源の一例について図12を参照して説明する。
【0145】
本発明の第3の実現形態によれば、プロセッサ200は、好ましくは、無線通信システムの多重化資源を、図11に示すチャネル品質指標に従って端末TEに割り振る。
【0146】
各端末TEiに割り振られる多重化資源は、ダウンリンクサブフレームの基準部の、図6のs1〜s4のようなダウンリンクシンボルを多重化するために基地局BTSが使用する多重化資源であり、且つ/又は、アップリンクサブフレームの基準部のアップリンクシンボルを復調するために基地局BTSが使用する多重化資源である。
【0147】
各端末TEiに割り振られる多重化資源は、サブフレームの基準部Drefの、図6のs1〜s4のようなダウンリンクシンボルを復調するために対応する端末TEiが使用する多重化資源であり、且つ/又は、アップリンクサブフレームの基準部のアップリンクシンボルを多重化するために対応する端末TEiが使用する多重化資源である。
【0148】
次のステップS705において、プロセッサ200は、ダウンリンクサブフレームの基準部で転送されるダウンリンクシンボルの転送を命令する。
【0149】
次のステップS706において、プロセッサ200は、少なくとも1つの補助シンボルがダウンリンクチャネルに割り振られている場合、少なくとも1つの補助ダウンリンクシンボルの転送を命令する。補助ダウンリンクシンボルは、図10a〜図10cを参照して示すように、無線通信ネットワークの少なくとも1つの多重化資源に多重化される少なくとも1組のパイロットシーケンス要素により形成される。
【0150】
次のステップS707において、プロセッサ200は、少なくとも1つの補助シンボルがアップリンクチャネルに割り当てられている場合、少なくとも1つの補助アップリンクシンボルを受信する。補助シンボルは、図10dを参照して示すように、補助アップリンクシンボルを転送した端末TEiに割り振られた少なくとも1つの多重化資源に多重化される少なくとも1組のパイロットシーケンス要素により形成される。
【0151】
次のステップS708において、プロセッサ200は、アップリンクチャネルで受信したシンボルから、図9又は図11に開示するように、チャネル状況、例としてチャネル品質指標を求める。
【0152】
次のステップS709において、プロセッサ200は、各端末TEi毎に、対応するタイミング遅延TD(d)及び/又はタイミング進みTA(d)を再計算するときであるか否かを調べる。非限定的な例として、タイミング遅延TD(d)及び/又はタイミング進みTA(d)は、要求に応じて又は毎秒のように周期的に計算される。
【0153】
タイミング遅延及び/又はタイミング進みを再計算するときである場合、プロセッサ200はステップS710に移り、本アルゴリズムを再び実行する。
【0154】
タイミング遅延及び/又はタイミング進みを再計算するときではない場合、プロセッサ200はステップS704に戻り、タイミング遅延及び/又はタイミング進みを再計算するときがくるまで、ステップS704〜S709を実行する。
【0155】
ここで、ステップS704〜S709で構成されるループが実行される都度、1つのサブフレーム中で多重化資源が割り振られた端末TEを変更可能なことに留意する必要がある。
【0156】
ステップS710において、プロセッサ200は基準信号を端末TEにより転送する必要があるか否かを調べる。
【0157】
端末TEがシンボルをアップリンクサブフレームで転送する場合、プロセッサ200は、これらのシンボルからタイミング進みの時間遅延を求めることができる。端末TEがシンボルをアップリンクサブフレームで転送しない場合、プロセッサ200は、時間遅延又はタイミング進みを求めるために基準信号を受信する必要がある。
【0158】
基準信号を端末TEにより転送する必要がある場合、プロセッサ200はステップS700に戻り、必要がない場合、ステップS702に戻る。
【0159】
図8は、本発明による端末により実行されるアルゴリズムである。
【0160】
本アルゴリズムは、無線通信システムの各端末TEiにより実行される(i=1〜3)。より厳密には、本アルゴリズムは各端末TEiのプロセッサ300により実行される。
【0161】
ステップS800において、プロセッサ300は、チャネルインタフェース305を通じて、基地局BTSにより転送される少なくとも1つの基準信号の送信要求を受信したことを検出する。
【0162】
次のステップS801において、プロセッサ300は、チャネルインタフェース305を通じて、基地局BTSへの少なくとも1つの基準信号の転送を命令する。
【0163】
次のステップS802において、プロセッサ300は、チャネルインタフェース305を通じて、ダウンリンクシンボルの受信を検出する。
【0164】
次のステップS803において、プロセッサ300は、受信シンボルに含まれる制御情報の少なくとも1つの所定のフィールドを読み取る。この少なくとも1つの所定のフィールドに含まれる情報は、端末TEiに割り振られた多重化資源を示す情報である。
【0165】
ここで、受信シンボルは端末TEiのタイミング遅延TD(d)及び/又はタイミング進みも含み得ることに留意する必要がある。
【0166】
次のステップS804において、プロセッサ300は、受信した制御情報の少なくとも1つのフィールドに含まれる、割り振られた多重化資源を示す情報を検索する。
【0167】
より厳密には、プロセッサ300は、端末に割り振ることができる多重化資源を示す情報を含む制御情報の少なくとも1つのフィールドを読み取る。
【0168】
少なくとも1つの補助ダウンリンクシンボルを復調するために、且つ/又は、少なくとも1つの補助アップリンクシンボルを多重化するために、端末TEiに割り振られる多重化資源は、ダウンリンクサブフレームの基準部に含まれるダウンリンクシンボルを復調するために割り振られる多重化資源と、及び/又は、アップリンクサブフレームの基準部に含まれるアップリンクシンボルを多重化するために割り振られる多重化資源と同じである。
【0169】
同じステップにおいて、プロセッサ300は、割り振られた多重化資源を示す情報をチャネルインタフェース305に転送するように命令する。
【0170】
次のステップS806において、プロセッサ300は、少なくとも1つの補助シンボルがダウンリンクチャネルに割り振られている場合、少なくとも1つの補助ダウンリンクシンボルの受信を検出する。補助ダウンリンクシンボルは、図10a〜図10cを参照して示すように、無線通信ネットワークの少なくとも1つの多重化資源に割り当てられる少なくとも1組のパイロットシーケンス要素により形成される。
【0171】
次のステップS807において、プロセッサ300は、ダウンリンクチャネルで受信したシンボルから、図9又は図11に開示するように、チャネル状況、例としてチャネル品質指標を求める。
【0172】
ステップS808において、プロセッサ300は、必要な場合、アップリンクチャネルを通じてシンボルを転送するように命令する。
【0173】
転送されるシンボルは、アップリンクサブフレームの基準部に含まれるシンボルである。
【0174】
次のステップS809において、プロセッサ200は、少なくとも1つの補助シンボルがアップリンクチャネルに割り振られている場合、少なくとも1つの補助アップリンクシンボルの転送を命令する。補助アップリンクシンボルは、図10dを参照して示すように、アップリンクサブフレームの基準部に含まれるシンボルを転送するために端末TEiに割り振られた少なくとも1つの多重化資源に割り当てられている少なくとも1組のパイロットシーケンス要素により形成される。
【0175】
チャネルインタフェース305は、アップリンクサブフレームの基準部に含まれるシンボルに対して基地局により割り振られた多重化資源と同じ多重化資源に、端末TEiにより転送される少なくとも1つの補助アップリンクシンボルを多重化する。
【0176】
次のステップS810において、プロセッサ300は、基地局BTSが少なくとも1つの基準信号を受信する必要があるか否かを調べる。
【0177】
少なくとも1つの基準信号を受信する必要がある場合、プロセッサ300はステップS801に戻り、必要がない場合、ステップS802に戻る。
【0178】
図9は、本発明の第1及び第2の実現形態による、基地局と各端末との間で求められるチャネル品質指標の一例である。
【0179】
図9の縦軸には、周波数帯が示される。横軸は、各端末TEiにより求められると共にダウンリンク多重化資源の利用を最適化するためにアップリンクチャネルを通じて基地局BTSに報告される、チャネル品質指標の値を表す。
【0180】
図9には、端末TE1〜TE3により求められるチャネル品質指標曲線を示す。
【0181】
基地局BTSは、このような曲線を使用して多重化資源を端末TE1〜TE3に割り振る。
【0182】
アップリンクチャネルの場合、アップリンク多重化資源の利用を最適化するために、基地局BTSは各アップリンクチャネルでのチャネル品質指標を求める。
【0183】
図10aは、本発明の第1及び第2の実現形態による、無線通信システムの多重化資源で基地局により端末に転送されるシンボルの一例である。
【0184】
図10aは、4個のシンボルがダウンリンクサブフレームの基準部に含まれ、2個のシンボルが補助ダウンリンクシンボルである一例を開示している。
【0185】
図10aは、1001〜1012と記されている12行及び1051〜1056と記されている6列の表を表す。各行1001〜1012は、第1の実現形態によれば周波数チャンクを表し、又は第2の実現形態によれば符号を表す。各列1051〜1056はシンボルを表す。好ましくは、このような表は各サブフレーム毎に生成される。
【0186】
ここで、より多数の周波数チャンク又は符号を本発明において割り振ることができ、又はより少数の周波数チャンク又は符号を本発明において割り振ることができることに留意する必要がある。
【0187】
列1051はシンボルs1を表し、列1052はシンボルs2を表し、列1053はシンボルs3を表し、列1054はシンボルs4を表し、列1055は補助ダウンリンクシンボルs5を表し、列1056は補助ダウンリンクシンボルs6を表す。
【0188】
基地局BTSは、シンボルs1〜s4に対して、1001〜1003及び1010〜1012と記されている周波数チャンク又は符号を端末TE1に割り振る。
【0189】
基地局BTSは、シンボルs1〜s4に対して、1004〜1006と記されている周波数チャンク又は符号を端末TE2に割り振る。
【0190】
基地局BTSは、シンボルs1〜s4に対して、1007〜1009と記されている周波数チャンク又は符号を端末TE3に割り振る。
【0191】
非限定的ではあるが、好ましくは、基地局BTSは、図6のダウンリンクサブフレームの基準部に含まれるすべてのシンボルs1〜s4について、1つの端末TEiに同じ周波数チャンク又は符号を割り振る。
【0192】
図10aの例によれば、補助ダウンリンクシンボルs5の場合、基地局BTSは各多重化資源に1組のパイロットシーケンス要素PS1〜PS12を割り当てる。補助ダウンリンクシンボルs6の場合、基地局BTSは各多重化資源に1組のパイロットシーケンス要素PS13〜PS24を割り当てる。
【0193】
図10bは、本発明の第1及び第2の実現形態による、無線通信システムの多重化資源で基地局により端末に転送されるシンボルの一例である。
【0194】
図10bは、4個のシンボルがダウンリンクサブフレームの基準部に含まれ、2個のシンボルが補助ダウンリンクシンボルである一例を開示している。
【0195】
図10bは、1101〜1112と記されている12行及び1151〜1156と記されている6列の表を表す。各行1101〜1112は、第1の実現形態によれば周波数チャンクを表し、又は第2の実現形態によれば符号を表す。各列1151〜1156はシンボルを表す。好ましくは、このような表は各サブフレーム毎に生成される。
【0196】
ここで、より多数の周波数チャンク又は符号を本発明において割り振ることができ、又はより少数の周波数チャンク又は符号を本発明において割り振ることができることに留意する必要がある。
【0197】
列1151はシンボルs1を表し、列1152はシンボルs2を表し、列1153はシンボルs3を表し、列1154はシンボルs4を表し、列1155は補助ダウンリンクシンボルs5を表し、列1156は補助ダウンリンクシンボルs6を表す。
【0198】
基地局BTSは、シンボルs1〜s4に対して、1101〜1103及び1110〜1112と記されている周波数チャンク又は符号を端末TE1に割り振る。
【0199】
基地局BTSは、シンボルs1〜s4に対して、1104〜1106と記されている周波数チャンク又は符号を端末TE2に割り振る。
【0200】
基地局BTSは、シンボルs1〜s4に対して、1107〜1109と記されている周波数チャンク又は符号を端末TE3に割り振る。
【0201】
非限定的ではあるが、好ましくは、基地局BTSは、図6のダウンリンクサブフレームの基準部に含まれるすべてのシンボルs1〜s4について、1つの端末TEiに同じ周波数チャンク又は符号を割り振る。
【0202】
図10bの例によれば、補助ダウンリンクシンボルs5の場合、基地局BTSは、多重化資源の一部、例として多重化資源1101、1104、1107、1110に1組のパイロットシーケンス要素PS40〜PS43を割り当て、残りの多重化リソースにはデータを割り当てる。
【0203】
好ましくは、基地局BTSは、各端末TEiに割り振られた1つの多重化資源に1組のパイロットシーケンス要素を割り当てる。
【0204】
補助ダウンリンクシンボルs6の場合、基地局BTSは各多重化資源にデータを割り当てる。
【0205】
図10cは、本発明の第1及び第2の実現形態による、無線通信システムの多重化資源で基地局により端末に転送されるシンボルの一例である。
【0206】
図10cは、4個のシンボルがダウンリンクサブフレームの基準部に含まれ、2個のシンボルが補助ダウンリンクシンボルである一例を開示している。
【0207】
図10cは、1201〜1212と記されている12行及び1251〜1256と記されている6列の表を表す。各行1201〜1212は、第1の実現形態によれば周波数チャンクを表し、又は第2の実現形態によれば符号を表し、各列1251〜1256はシンボルを表す。好ましくは、このような表は各サブフレーム毎に生成される。
【0208】
ここで、より多数の周波数チャンク又は符号を本発明において割り振ることができ、又はより少数の周波数チャンク又は符号を本発明において割り振ることができることに留意する必要がある。
【0209】
列1251はシンボルs1を表し、列1252はシンボルs2を表し、列1253はシンボルs3を表し、列1254はシンボルs4を表し、列1255は補助ダウンリンクシンボルs5を表し、列1256は補助ダウンリンクシンボルs6を表す。
【0210】
基地局BTSは、シンボルs1〜s4に対して、1201〜1203及び1210〜1212と記されている周波数チャンク又は符号を端末TE1に割り振る。
【0211】
基地局BTSは、シンボルs1〜s4に対して、1204〜1206と記されている周波数チャンク又は符号を端末TE2に割り振る。
【0212】
基地局BTSは、シンボルs1〜s4に対して、1207〜1209と記されている周波数チャンク又は符号を端末TE3に割り振る。
【0213】
基地局BTSは、図6のダウンリンクサブフレームの基準部に含まれるシンボルs1〜s4のすべてについて、1つの端末TEiに同じ周波数チャンク又は符号を割り振る。
【0214】
図10cの例によれば、補助ダウンリンクシンボルs5の場合、基地局BTSは、多重化資源の一部、例として多重化資源1201、1204、1207、1210に1組のパイロットシーケンス要素PS40〜PS43を割り当てる。
【0215】
好ましくは、基地局BTSは各端末TEiに割り振られた1つの多重化資源に1組のパイロットシーケンス要素を割り当てる。パイロットシンボルPS40及びPS43は、端末TE2及び/又はTE3によりチャネル推定に使用される。
【0216】
一変形では、補助ダウンリンクシンボルs5の場合、基地局BTSは、多重化資源1204及び1207にのみ1組のパイロットシーケンス要素PS41及びPS42を割り当てる。端末TE1はいかなる補助シンボルも送信又は受信することができないため、パイロットシーケンス要素PS40及びPS43の組に多重化資源は割り当てられない。
【0217】
図10dは、本発明の第1及び第2の実現形態による、割り振られた無線通信システムの多重化資源で端末により基地局に転送されるシンボルの一例である。
【0218】
図10dは、4個のシンボルがアップリンクサブフレームの基準部に含まれ、2個のシンボルが補助アップリンクシンボルである一例を開示している。
【0219】
図10dは、1301〜1312と記されている12行及び1351〜1356と記されている6列の表を表す。各行1301〜1312は、第1の実現形態によれば周波数チャンクを表し、又は第2の実現形態によれば符号を表し、各列1351〜1356はシンボルを表す。好ましくは、このような表は各サブフレーム毎に生成される。
【0220】
ここで、より多数の周波数チャンク又は符号を本発明において割り振ることができ、又はより少数の周波数チャンク又は符号を本発明において割り振ることができることに留意する必要がある。
【0221】
列1351はアップリンクサブフレームの基準部の第1のシンボルを表し、列1352はアップリンクサブフレームの基準部の第2のシンボルを表し、列1353はアップリンクサブフレームの基準部の第3のシンボルを表し、列1354はアップリンクサブフレームの基準部の第4のシンボルを表し、列1355は第1の補助シンボルを表し、列1356は第2の補助シンボルを表す。
【0222】
基地局BTSは、アップリンクサブフレームの基準部のシンボルに対して、1301〜1303及び1310〜1312と記されている周波数チャンク又は符号を端末TE1に割り振る。
【0223】
基地局BTSは、アップリンクサブフレームの基準部のシンボルに対して、1304〜1306と記されている周波数チャンク又は符号を端末TE2に割り振る。
【0224】
基地局BTSは、アップリンクサブフレームの基準部のシンボルに対して、1307〜1309と記されている周波数チャンク又は符号を端末TE3に割り振る。
【0225】
非限定的ではあるが、好ましくは、基地局BTSは、アップリンクサブフレームの基準部に含まれるすべてのシンボルについて、及び、存在する場合には補助アップリンクシンボルについて、1つの端末TEiに同じ周波数チャンク又は符号を割り振る。
【0226】
図10dの例によれば、補助アップリンクシンボルを送信できる各端末TEiは、その端末に割り振られた各多重化資源に、複数組のパイロットシーケンス要素PS50〜PS55を割り当てる。
【0227】
端末TE2は、複数組のパイロットシーケンス要素PS50〜PS52を各多重化資源1304、1305、及び1306に割り当てる。
【0228】
端末TE3は、複数組のパイロットシーケンス要素PS53〜PS55を各多重化資源1307、1308、及び1309に割り当てる。
【0229】
補助アップリンクシンボルをもう1つ送信できる各端末TEiは、その端末に割り振られた各多重化資源に、1組のパイロットシーケンス要素PS56〜PS58を割り当てる。
【0230】
端末TE3は、複数組のパイロットシーケンス要素PS56〜PS58を各多重化資源1307、1308、及び1309に割り当てる。
【0231】
一変形では、補助アップリンクシンボルを送信できる各端末TEiは、割り振られた1つの多重化資源に1組のパイロットシーケンス要素を割り当てる。
【0232】
一変形では、補助アップリンクシンボルを送信できる各端末TEiは、その端末TEiに割り振られた少なくとも1つの多重化資源に1組のパイロットシーケンス要素を割り当て、その端末TEiに割り振られたその他の多重化資源はデータの転送に使用される。
【0233】
一変形では、補助アップリンクシンボルを送信できる各端末TEiは、アップリンクサブフレームの基準部に含まれるシンボルの多重化のために端末TEiに割り振られたものではない少なくとも1つの多重化資源に、1組のパイロットシーケンス要素を割り当てる。
【0234】
図11は、本発明の第3の実現形態による、基地局と各端末との間で求められるチャネル品質指標の一例である。
【0235】
図11の縦軸には、異なるビームであるビーム1〜ビーム4が示され、且つ横軸は、各端末TEiにより求められると共にダウンリンク多重化資源の利用を最適化するためにアップリンクチャネルを通じて基地局BTSに報告されるチャネル品質指標の値を表す。
【0236】
図11には、端末TE1〜TE3により求められるチャネル品質指標の曲線が示される。
【0237】
基地局BTSは、このような曲線を使用して、多重化資源を端末TE1〜TE3に割り振る。
【0238】
アップリンクチャネルの場合、基地局BTSは、アップリンク多重化資源の利用を最適化するために、各アップリンクチャネルのチャネル品質指標を求める。
【0239】
図12は、本発明の第3の実現形態による、割り振られた無線通信システムの多重化資源で基地局により端末に転送されるシンボルの一例である。
【0240】
図12は、4個のシンボルがダウンリンクサブフレームの基準部に含まれ、2個のシンボルが補助シンボルである一例を開示している。
【0241】
図12は、120〜123と記されている4行及び124〜129と記されている6列の表を表す。各行120〜123は、第3の実現形態により基地局BTSにより信号が向けられるビーム又はエリアを表し、各列124〜129は図6のシンボルを表す。このような表は、好ましくは各サブフレーム毎に生成される。
【0242】
列124はシンボルs1を表し、列125はシンボルs2を表し、列126はシンボルs3を表し、列127はシンボルs4を表し、列128は補助シンボルs5を表し、列129は補助シンボルs6を表す。
【0243】
基地局BTSは、シンボルs1〜s4に対して、120及び121と記されているビーム1及びビーム2を端末TE1に割り振る。
【0244】
基地局BTSは、シンボルs1〜s4に対して、122と記されているビーム3を端末TE2に割り振る。
【0245】
基地局BTSは、シンボルs1〜s4に対して、123と記されているビーム4を端末TE3に割り振る。
【0246】
図12の例によれば、補助ダウンリンクシンボルs5の場合、基地局BTSは各多重化資源に1組のパイロットシーケンス要素PSa〜PSdを割り当てる。補助ダウンリンクシンボルs6の場合、基地局BTSは各多重化資源に1組のパイロットシーケンス要素PSe〜PShを割り当てる。
【0247】
ここで、本発明の第1及び第2の実現形態での図10を参照して示す異なる割り振り方式も第3の実現形態に適用可能なことに留意する必要がある。
【0248】
当然ながら、本発明の範囲から逸脱することなく、上述した本発明の実施形態に多くの変更を行うことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0249】
【図1】本発明が実施される無線通信システムの構造を表す図である。
【図2】本発明による無線通信システムの基地局の構造を表す図である。
【図3】本発明による無線通信システムの端末の構造を表す図である。
【図4】従来のHD/OFDMフレームの構造を示すクロノグラムである。
【図5】従来技術による通信システムのダウンリンクでの情報の送信を示すクロノグラムである。
【図6】従来技術による通信システムのダウンリンクでの情報の送信を示すクロノグラムである。
【図7】本発明による基地局により実行されるアルゴリズムである。
【図8】本発明による端末により実行されるアルゴリズムである。
【図9】本発明の第1及び第2の実現形態により基地局と各端末との間で求められるチャネル品質指標の一例である。
【図10a】本発明の第1及び第2の実現形態による、基地局により無線通信システムの多重化資源で端末に転送されるシンボルの一例である。
【図10b】本発明の第1及び第2の実現形態による、基地局により無線通信システムの多重化資源で端末に転送されるシンボルの例である。
【図10c】本発明の第1及び第2の実現形態による、基地局により無線通信システムの多重化資源で端末に転送されるシンボルの一例である。
【図10d】本発明の第1及び第2の実現形態による、端末により、割り振られた無線通信システムの多重化資源で基地局に転送されるシンボルの一例である。
【図11】本発明の第3の実現形態による、基地局と各端末との間で求められるチャネル品質指標の一例である。
【図12】本発明の第3の実現形態による、割り振られた無線通信システムの多重化資源で基地局により端末に転送されるシンボルの例である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
双方向通信チャネルを介して端末と通信することを目的とする少なくとも1つの基地局を含む無線通信システムでの伝送方法であって、
各チャネルは、ダウンリンクサブフレーム及びアップリンクサブフレームに分割されるフレームをサポートし、
各ダウンリンクサブフレームは、少なくとも2つの端末に送信されることを目的とする複数のシンボルを含み、
接続される各端末の時間遅延が求められ、
前記時間遅延は、任意の端末が、前記アップリンクサブフレームが後続する前記ダウンリンクサブフレームに含まれるすべての前記シンボルを受信した後、前記基地局による前記ダウンリンクサブフレームの送信終了から距離に関わらず一定である所定のガード期間だけ隔てられた時刻に、送信可能な他のシンボルが前記基地局により受信されるように、前記アップリンクサブフレームを介して前記時間遅延で前記他のシンボルを送信することができるようなものであり、
前記基地局と、前記時間遅延中に少なくとも1つの補助シンボルを受信又は送信できる少なくとも1つの端末との間で、前記少なくとも1つの補助シンボルを転送することができる
方法において、
前記方法は、
転送すべきシンボルを転送するための前記無線通信システムの多重化資源を得るステップと、
得られた少なくとも1つの多重化資源に1組のパイロットシーケンス要素を割り当てるステップと、
前記少なくとも1つの補助シンボルを転送するステップであって、前記補助シンボルは少なくとも前記1組のパイロットシーケンス要素により形成される、転送するステップと
を含むことを特徴とする、方法。
【請求項2】
前記無線通信ネットワークの前記多重化資源は、周波数チャンク、及び/又は符号、及び/又は前記基地局のカバーエリア内の複数のエリアであることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記基地局により実行されることを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記多重化資源は、前記基地局と前記基地局に接続される各端末との間に存在する前記チャネルの状況を解析することにより得られることを特徴とし、かつ、
前記基地局は、前記少なくとも1組のパイロットシーケンス要素を復調するために、前記無線通信システムの前記多重化資源を少なくとも2つの端末に割り振ることを特徴とする、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
1組のパイロットシーケンス要素が、得られた各多重化資源に割り当てられ、
各補助シンボルは前記組のパイロットシーケンス要素により形成されることを特徴とする、請求項3又は4に記載の方法。
【請求項6】
1組のパイロットシーケンス要素が、1つの端末に割り振られる複数の前記多重化資源の中の1つの多重化資源に割り当てられることを特徴とする、請求項3又は4に記載の方法。
【請求項7】
少なくとも1組のパイロットシーケンス要素が、少なくとも1つの補助シンボルを受信できる端末のみに対して、前記得られた多重化資源の中の少なくとも1つの多重化資源に割り当てられることを特徴とする、請求項3又は4に記載の方法。
【請求項8】
端末により実行されることを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項9】
前記多重化資源は、前記基地局からメッセージを受信することにより得られることを特徴とする、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
1組のパイロットシーケンス要素が、得られた各多重化資源に割り当てられることを特徴とする、請求項8又は9に記載の方法。
【請求項11】
前記1組のパイロットシーケンス要素が、複数の前記得られた多重化資源の中の1つの多重化資源に割り当てられることを特徴とする、請求項8又は9に記載の方法。
【請求項12】
少なくとも1組のパイロットシーケンス要素が、複数の前記得られた多重化資源の中の少なくとも1つの多重化資源に割り当てられ、
少なくとも1組のパイロットシーケンス要素が、前記複数の前記得られた多重化資源と異なる少なくとも1つの多重化資源に割り当てられることを特徴とする、請求項8又は9に記載の方法。
【請求項13】
双方向通信チャネルを介して端末と通信することを目的とする少なくとも1つの基地局を有する無線通信システムでの通信装置であって、
各チャネルは、ダウンリンクサブフレーム及びアップリンクサブフレームに分割されるフレームをサポートし、
各ダウンリンクサブフレームは、少なくとも2つの端末に送信されることを目的とする複数のシンボルを含み、
接続される各端末の時間遅延が求められ、
前記時間遅延は、任意の端末が、前記アップリンクサブフレームが後続する前記ダウンリンクサブフレームに含まれるすべての前記シンボルを受信した後、前記基地局による前記ダウンリンクサブフレームの送信終了から距離に関わらず一定である所定のガード期間だけ隔てられた時刻に、送信可能な他のシンボルが前記基地局により受信されるように、前記アップリンクサブフレームを介して前記時間遅延で前記他のシンボルを送信することができるようなものであり、
前記基地局と、前記時間遅延中に少なくとも1つの補助シンボルを受信又は送信できる少なくとも1つの端末との間で前記少なくとも1つの補助シンボルを転送することができる
通信装置において、
前記通信装置は、
転送すべきシンボルを転送するための前記無線通信システムの多重化資源を得る手段と、
得られた少なくとも1つの多重化資源に1組のパイロットシーケンス要素を割り当てる手段と、
前記少なくとも1つの補助シンボルを転送する手段であって、前記補助シンボルは少なくとも前記1組のパイロットシーケンス要素により形成される、転送する手段と
を備えることを特徴とする、通信装置。
【請求項14】
前記基地局又は端末内に含まれることを特徴とする、請求項13に記載の通信装置。
【請求項15】
プログラマブル装置に直接ロードすることができるコンピュータプログラムであって、プログラマブル装置で実行されると、請求項1〜12に記載の方法のステップを実施する命令又はコード部分を含む、コンピュータプログラム。
【請求項1】
双方向通信チャネルを介して端末と通信することを目的とする少なくとも1つの基地局を含む無線通信システムでの伝送方法であって、
各チャネルは、ダウンリンクサブフレーム及びアップリンクサブフレームに分割されるフレームをサポートし、
各ダウンリンクサブフレームは、少なくとも2つの端末に送信されることを目的とする複数のシンボルを含み、
接続される各端末の時間遅延が求められ、
前記時間遅延は、任意の端末が、前記アップリンクサブフレームが後続する前記ダウンリンクサブフレームに含まれるすべての前記シンボルを受信した後、前記基地局による前記ダウンリンクサブフレームの送信終了から距離に関わらず一定である所定のガード期間だけ隔てられた時刻に、送信可能な他のシンボルが前記基地局により受信されるように、前記アップリンクサブフレームを介して前記時間遅延で前記他のシンボルを送信することができるようなものであり、
前記基地局と、前記時間遅延中に少なくとも1つの補助シンボルを受信又は送信できる少なくとも1つの端末との間で、前記少なくとも1つの補助シンボルを転送することができる
方法において、
前記方法は、
転送すべきシンボルを転送するための前記無線通信システムの多重化資源を得るステップと、
得られた少なくとも1つの多重化資源に1組のパイロットシーケンス要素を割り当てるステップと、
前記少なくとも1つの補助シンボルを転送するステップであって、前記補助シンボルは少なくとも前記1組のパイロットシーケンス要素により形成される、転送するステップと
を含むことを特徴とする、方法。
【請求項2】
前記無線通信ネットワークの前記多重化資源は、周波数チャンク、及び/又は符号、及び/又は前記基地局のカバーエリア内の複数のエリアであることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記基地局により実行されることを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記多重化資源は、前記基地局と前記基地局に接続される各端末との間に存在する前記チャネルの状況を解析することにより得られることを特徴とし、かつ、
前記基地局は、前記少なくとも1組のパイロットシーケンス要素を復調するために、前記無線通信システムの前記多重化資源を少なくとも2つの端末に割り振ることを特徴とする、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
1組のパイロットシーケンス要素が、得られた各多重化資源に割り当てられ、
各補助シンボルは前記組のパイロットシーケンス要素により形成されることを特徴とする、請求項3又は4に記載の方法。
【請求項6】
1組のパイロットシーケンス要素が、1つの端末に割り振られる複数の前記多重化資源の中の1つの多重化資源に割り当てられることを特徴とする、請求項3又は4に記載の方法。
【請求項7】
少なくとも1組のパイロットシーケンス要素が、少なくとも1つの補助シンボルを受信できる端末のみに対して、前記得られた多重化資源の中の少なくとも1つの多重化資源に割り当てられることを特徴とする、請求項3又は4に記載の方法。
【請求項8】
端末により実行されることを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項9】
前記多重化資源は、前記基地局からメッセージを受信することにより得られることを特徴とする、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
1組のパイロットシーケンス要素が、得られた各多重化資源に割り当てられることを特徴とする、請求項8又は9に記載の方法。
【請求項11】
前記1組のパイロットシーケンス要素が、複数の前記得られた多重化資源の中の1つの多重化資源に割り当てられることを特徴とする、請求項8又は9に記載の方法。
【請求項12】
少なくとも1組のパイロットシーケンス要素が、複数の前記得られた多重化資源の中の少なくとも1つの多重化資源に割り当てられ、
少なくとも1組のパイロットシーケンス要素が、前記複数の前記得られた多重化資源と異なる少なくとも1つの多重化資源に割り当てられることを特徴とする、請求項8又は9に記載の方法。
【請求項13】
双方向通信チャネルを介して端末と通信することを目的とする少なくとも1つの基地局を有する無線通信システムでの通信装置であって、
各チャネルは、ダウンリンクサブフレーム及びアップリンクサブフレームに分割されるフレームをサポートし、
各ダウンリンクサブフレームは、少なくとも2つの端末に送信されることを目的とする複数のシンボルを含み、
接続される各端末の時間遅延が求められ、
前記時間遅延は、任意の端末が、前記アップリンクサブフレームが後続する前記ダウンリンクサブフレームに含まれるすべての前記シンボルを受信した後、前記基地局による前記ダウンリンクサブフレームの送信終了から距離に関わらず一定である所定のガード期間だけ隔てられた時刻に、送信可能な他のシンボルが前記基地局により受信されるように、前記アップリンクサブフレームを介して前記時間遅延で前記他のシンボルを送信することができるようなものであり、
前記基地局と、前記時間遅延中に少なくとも1つの補助シンボルを受信又は送信できる少なくとも1つの端末との間で前記少なくとも1つの補助シンボルを転送することができる
通信装置において、
前記通信装置は、
転送すべきシンボルを転送するための前記無線通信システムの多重化資源を得る手段と、
得られた少なくとも1つの多重化資源に1組のパイロットシーケンス要素を割り当てる手段と、
前記少なくとも1つの補助シンボルを転送する手段であって、前記補助シンボルは少なくとも前記1組のパイロットシーケンス要素により形成される、転送する手段と
を備えることを特徴とする、通信装置。
【請求項14】
前記基地局又は端末内に含まれることを特徴とする、請求項13に記載の通信装置。
【請求項15】
プログラマブル装置に直接ロードすることができるコンピュータプログラムであって、プログラマブル装置で実行されると、請求項1〜12に記載の方法のステップを実施する命令又はコード部分を含む、コンピュータプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10a】
【図10b】
【図10c】
【図10d】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10a】
【図10b】
【図10c】
【図10d】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2008−125067(P2008−125067A)
【公開日】平成20年5月29日(2008.5.29)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2007−280985(P2007−280985)
【出願日】平成19年10月29日(2007.10.29)
【出願人】(503163527)ミツビシ・エレクトリック・インフォメイション・テクノロジー・センター・ヨーロッパ・ビーヴィ (175)
【氏名又は名称原語表記】MITSUBISHI ELECTRIC INFORMATION TECHNOLOGY CENTRE EUROPE B.V.
【住所又は居所原語表記】Capronilaan 46, 1119 NS Schiphol Rijk, The Netherlands
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年5月29日(2008.5.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−280985(P2007−280985)
【出願日】平成19年10月29日(2007.10.29)
【出願人】(503163527)ミツビシ・エレクトリック・インフォメイション・テクノロジー・センター・ヨーロッパ・ビーヴィ (175)
【氏名又は名称原語表記】MITSUBISHI ELECTRIC INFORMATION TECHNOLOGY CENTRE EUROPE B.V.
【住所又は居所原語表記】Capronilaan 46, 1119 NS Schiphol Rijk, The Netherlands
【Fターム(参考)】
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