説明

無線通信システムでRRCメッセージを送信する方法

【課題】初期のシステムアクセス及びRRC接続手順を改善することを目的とする。
【解決手段】ユーザ装置とネットワーク装置との間で無線通信システムの共有物理リソースで無線接続及びその後の通信を開始する方法、ユーザ装置、ネットワーク装置及びシステムは、UEにより導かれた一時識別子を処理し、ユーザ装置が監視するチャネルセットを決定し、このチャネルセットを暗示的又は明示的に通信し、識別子として一時識別子をネットワーク装置に通信し、決定されたチャネルセットに属するチャネルで、一時識別子と共有チャネルでのスケジューリングされたリソースの記述とを伝達する下りリンクメッセージを通信し、スケジューリングされたリソースは、ネットワーク装置によりユーザ装置に割り当てられたリソースを有し、下りリンクメッセージに応じてスケジューリングされたリソースでデータを通信することを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して無線通信技術に関し、特に無線通信システムにおけるユーザ装置とネットワーク装置との間の初期の接続手順に関する。
【背景技術】
【0002】
無線通信システムでは、移動局(ユーザ装置(UE:user equipment)、ユーザ端末、移動端末、無線データ端末及びセルラ電話とも呼ばれる)と無線アクセスネットワークとの間で論理接続を行う必要がある。無線アクセスネットワークは、1つ以上の無線ネットワークコントローラ(RNC:radio network controller)と共に、1つ以上の基地局(例えば3GPPの用語ではNode Bとも呼ばれる)を有してもよい。論理接続は、通信に関与するつもりのないシステムのネットワークエレメント又はUEにデータを誤って通信することなく、データが伝達され得るUE通信リンクへの特定のネットワークのコンテキスト(context)を提供する。
【0003】
3GPPにより規定された無線アクセスネットワークシステムでは、ユーザ端末と無線アクセスネットワークとの間の論理接続は、RRC(radio resource control)接続状態により規定される。2つの主なRRC接続状態は、RRC接続及びRRCアイドルとして規定される。
【0004】
ユーザ端末と無線アクセスネットワークとの間に論理接続が存在する場合、ユーザ端末はRRC接続状態であると言われる。RRC接続状態のユーザ端末の存在は、セル又は複数のセル内で決定され得る。従って、特定のユーザ端末の無線リソースは、無線ネットワークにより効率的に管理され得る。RRC接続状態に対して、RRCアイドル状態のユーザ端末は無線アクセスネットワークへの論理接続を有さない。従って、RRCアイドル状態のユーザ端末は、セルより大きいコアネットワーク又はエリア(位置エリア又はルーティングエリア等)内でのみ決定され得る。
【0005】
ユーザ端末が最初にユーザにより電源が入れられると、PLMN(public land mobile network)が選択され、ユーザ端末は、キャンプする適切なセル(suitable cell to be camped on to)を検索し、対応するセルでRRCアイドル状態に留まる。初期のRRC接続は、ネットワーク又はユーザ装置により開始され得る。例えば、RRCアイドル状態のUEのときのUEにより開始された接続の場合、UEは、ネットワークへの初期の接続を要求し、RRC接続要求メッセージをネットワークに送信する。更なる例を用いて、ネットワークにより開始された接続の場合、RRC接続要求メッセージはまた、ネットワーク(RRC接続手順の開始を確かめるためにUEにページングメッセージを送信したネットワーク)からのページングメッセージの受信に応じてUEにより送信され得る。
【0006】
従って、UEによるRRC接続要求には複数の理由が存在する。例えば、(1)初期のセルアクセス:UEが発呼を行おうとするときにUEはRRC接続を確立する必要がある。(2)ページング応答:ページングメッセージに応答メッセージを送信する場合である。(3)セル更新:UEがアイドルモード中に適切なセルを選択する場合である。(4)UTRANルーティングエリア(URA:UTRAN Routing Area)更新:UEがアイドルモード中に適切なURAを選択する場合である。(5)MBMS(Multimedia Broadcast and Multicast)サービスを受信してMBMSポイントツーポイント接続を要求するためのMBMS接続である。
【0007】
通常のRRC接続手順では、ユーザ端末は、共通上りリンクトランスポートチャネルを使用してRRC接続要求メッセージをネットワークに送信することにより、接続手順を開始する。共通上りリンクトランスポートチャネルは、複数のUEにより共有されており、スケジューリングされないデータ送信に使用される。
【0008】
ネットワークは接続要求を検討し、(許可の成功の場合)RRC接続設定メッセージ又は(許可の失敗の場合)RRC接続拒否メッセージを下りリンクで返信し得る。双方の場合に、メッセージは、(上りリンク共通チャネルと同様に)複数のUEにより共有され、スケジューリングされないデータ送信に使用される共通下りリンクトランスポートチャネルを使用して送信される。
【0009】
この初期のRRC接続段階中にユーザ端末からネットワークへのメッセージが送信される共通トランスポートチャネルは、ランダムアクセスチャネルと呼ばれる。ランダムアクセス送信は、送信の明示的なスケジューリング又は調整が実行されないため、同様にスケジューリングされない送信とも呼ばれることがある。この明示的な調整がないため、1つの移動体が他のユーザと同じ上りリンク送信リソース又は上りリンク識別情報を使用して送信する可能性が存在する。この例では、双方の送信の通信信頼度は、上りリンクメッセージが受信側基地局で生成するときの相互の論理的又は実際の干渉のため損なわれることがある。1つより多くの移動体が所定の一式の上りリンクリソースで送信するこれらの場合は、衝突と呼ばれることがある。
【0010】
衝突、スケジューリングされないアクセス及びスケジューリングされるアクセスの更なる詳細は、発明者Nicholas W. ANDERSONにより“FREQUENCY DOMAIN UNSCHEDULED TRANSMISSION IN A TDD WIRELESS COMMUNICATIONS SYSTEM”という題名で2005年10月31日に出願された米国特許出願第11/263,044号に見出され得る。この内容が参照として取り込まれる。
【0011】
ネットワークからユーザ端末に対応するメッセージを伝達する共通下りリンクトランスポートチャネルは、フォワードアクセスチャネル(FACH:forward access channel)と呼ばれる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
典型的には、システムリソースは、これらの上りリンク及び下りリンク共通トランスポートチャネルについて確保される。典型的には、共通チャネルに使用される無線リソースは、他のトランスポートチャネルに使用される無線リソースと分離される。他の種類のトランスポートチャネルの例は、個別トランスポートチャネルと共有トランスポートチャネルとを含む。個別トランスポートチャネルの場合、データは、長期に特定のユーザ又は接続に割り当てられた全無線リソースの一部にマッピングされる。逆に共有チャネルの場合、各ユーザのデータは、典型的にはネットワークのMACレイヤ(レイヤ2)にあるリソーススケジューラの制御で、一式の全無線リソース内に割り当てられた無線リソースのプールの一部に動的にマッピングされる。従って、この場合の無線リソースは、ユーザ間で共有され、スケジューラにより仲裁される。これは、ユーザが無線リソースを共有するがスケジューリングされない方法で共有する共通チャネルの場合と対照的である。
【0013】
共有チャネルの使用は、それぞれ特定のトラヒック形式に割り当てられるシステム内での複数のチャネル形式(共通、共有及び個別の形式の組み合わせ等)の使用に比べて、システム容量のみについて利点を提供し得る。この理由は、全てのトラヒック形式を共有チャネルのみに多重することにより、スケジューラは、各トラヒック形式により提示される変化する瞬時負荷に割り当てられたリソースを動的に適合することができるからである。これに対して、例えば1つのトラヒック形式を共通チャネルに排他的に割り当て、他のトラヒック形式を共有チャネルに排他的に割り当てる場合、各トラヒック形式により与えられるトラヒック負荷の変化は、最初に共通チャネルに割り当てられて次に共有チャネルに割り当てられた全無線リソース空間の各部分を再構成せずに、適応不可能である。典型的には、この無線リソースの再構成は低速の処理であり、従って、システムは負荷の高速の変化に対応できない。この結果、現在のシステムでは、共通チャネルに割り当てられた全無線リソース空間の一部は、しばしば最悪の場合を考慮して設計されなければならず、従って、無線リソース使用効率が次善になる。
【0014】
通常のRRC接続確立手順に続いて、UEの存在はネットワークに認識され、接続確立手順の完了時にのみ、共有チャネルアドレス又はUE IDがネットワークにより割り当てられ得る。従って、共有チャネルは、通常のRRC接続手順が共通チャネル手順を使用して実現された後にのみ使用され得る。従って、接続確立トラヒックを伝達するために、全無線リソース空間のかなりの部分が共通チャネルに予め割り当てられなければならない。共有チャネル動作に使用されるユーザ端末特有のレイヤ2接続コンテキスト(layer 2 connection context)は、RRC接続手順の完了時にのみ確立され得る。
【0015】
更に、既知の無線通信システムは、共有チャネル動作の初期のレイヤ2コンテキストを確立するために、かなりの量の時間を費やし、非共有及び共通チャネルで複数のシグナリングメッセージを交換する。これは、通信遅延の一因となり得る。更に、複数のチャネル形式と、関連するプロトコル、手順及び属性との存在は、システム実装の複雑性をかなり増加させ得る。
【0016】
前述の理由で、無線リソース使用効率を改善し、通信遅延を低減し、システム実装の複雑性を簡略化するために、初期のシステムアクセス及びRRC接続手順への改善が望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明の或る実施例は、ネットワークがUEにより導かれた一時識別子をネットワークにより選択された識別子と置換することを決定するまで、UEが一時識別子として自分のレイヤ2アドレスを導くことを可能にし、また、UEがネットワークからの下りリンクメッセージを監視する一式のチャネルを通信することを可能にすることにより、レイヤ2の共有チャネルコンテキストの迅速な確立を提供する。この組み合わせにより、システムは、接続確立の非常に早い段階で共通チャネルの代わりに共有チャネルを利用することが可能になり、共通チャネルで伝達されるトラヒック量を最小化することに役立ち、また、衝突回避にも役立つ。
【0018】
本発明の或る実施例は、ユーザ装置とネットワーク装置との間で無線通信システムの共有物理リソースで無線接続及びその後の通信を開始する方法を提供し、ユーザ装置により、一時識別子を導き、チャネルセットを導き、初期のメッセージをネットワーク装置に送信し、初期のメッセージは一時識別子を有し、導かれたチャネルセットに属するチャネルで、一時識別子と共有チャネルでのスケジューリングされたリソースの記述とを伝達する下りリンクメッセージを受信し、スケジューリングされたリソースは、ネットワーク装置によりユーザ装置に割り当てられたリソースを有し、下りリンクメッセージに応じてスケジューリングされたリソースでデータを通信することを有する。
【0019】
本発明の或る実施例は、様々な組み合わせで以下の選択肢の1つ以上を提供する。チャネルセットは複数のチャネルを有する。チャネルセットを導くことは、複数のチャネルセットからチャネルセットをランダムに選択することを有する。チャネルセットを導くことは、グローバルUE識別子に基づいてチャネルセットを決定することを有する。例えば、グローバルUE識別子は、TMSI(temporary mobile subscriber identity)、IMSI(international mobile subscriber identity)、又はIMEI(international mobile equipment identity)のうち1つを有する。チャネルセットを導くことは、物理リソースの1つ以上の特性の関数としてチャネルセットを決定することを有し、初期のメッセージを送信することは、物理リソースで初期のメッセージを送信することを有する。例えば、物理リソースの特性は、時間のパラメータ、周波数のパラメータ及び/又は符号のパラメータのうち1つ以上を有する。チャネルセットを導くことは、物理リソースの特性、グローバルUE識別子、及び一時識別子のうち1つ以上に基づいてチャネルセットを決定することを有する。初期のメッセージは、グローバルUE識別子を更に有する。物理リソースを決定することを更に有し、初期のメッセージを送信することは、決定された物理リソースに従って初期のメッセージを送信することを有する。チャネルセットの指示を伝達することを更に有する。チャネルセットの指示を暗示的に通信することを更に有する。初期のメッセージをネットワーク装置に送信することは、スケジューリング要求メッセージを送信することを有する。初期のメッセージをネットワーク装置に送信することは、RRC接続要求メッセージを送信することを有する。初期のメッセージを送信した後、且つ下りリンクメッセージを受信する前にタイムアウトし、異なる物理リソースを決定し、異なる物理リソースで初期のメッセージを再送信することを更に有する。及び/又は、無線通信システムは、E-UTRAN(evolved UMTS Terrestrial Radio Access Network)を有する。
【0020】
本発明の或る実施例は、ユーザ装置とネットワーク装置との間で無線通信システムの共有物理リソースで無線接続及びその後の通信を開始する際に使用されるユーザ装置を提供し、メモリと、メモリに結合されたプロセッサと、プロセッサで実行可能なプログラムコードとを有し、プログラムコードは、一時識別子を導き、チャネルセットを導き、初期のメッセージをネットワーク装置に送信し、初期のメッセージは一時識別子を有し、導かれたチャネルセットに属するチャネルで、一時識別子と共有チャネルでのスケジューリングされたリソースの記述とを伝達する下りリンクメッセージを受信し、スケジューリングされたリソースは、ネットワーク装置によりユーザ装置に割り当てられたリソースを有し、下りリンクメッセージに応じてスケジューリングされたリソースでデータを通信するように動作可能である。
【0021】
本発明の或る実施例は、様々な組み合わせで以下の選択肢の1つ以上を提供する。チャネルセットを導くことは、複数のチャネルセットからチャネルセットをランダムに選択することを有する。チャネルセットを導くことは、物理リソースの1つ以上の特性(例えば、時間、周波数及び符号)の関数としてチャネルセットを決定することを有し、初期のメッセージを送信することは、物理リソースで初期のメッセージを送信することを有する。一時識別子をネットワーク装置に送信することは、一時識別子とスケジューリングされたリソースの要求とを有する第1の上りリンクメッセージ内で一時識別子を送信することを有する。チャネルセットを導くことは、物理リソースの特性、グローバルUE識別子、及び一時識別子のうち1つ以上に基づいてチャネルセットを決定することを有する。プログラムコードは、物理リソースを決定するように更に動作可能であり、初期のメッセージを送信することは、決定された物理リソースに従って初期のメッセージを送信することを有する。及び/又はプログラムコードは、チャネルセットの指示を伝達するように更に動作可能である。例えば、プログラムコードは、チャネルセットの指示を暗示的に通信するように更に動作可能である。
【0022】
本発明の或る実施例は、ユーザ装置とネットワーク装置との間で無線通信システムの共有物理リソースで無線接続及びその後の通信を開始する際に使用されるネットワーク装置を提供し、メモリと、メモリに結合されたプロセッサと、プロセッサで実行可能なプログラムコードとを有し、プログラムコードは、ユーザ装置により送信された初期のメッセージを受信し、チャネルセットを決定し、ユーザ装置にスケジューリングされたリソースを割り当て、スケジューリングされたリソースは、共有チャネルのリソースを有し、決定されたチャネルセットに属するチャネルで下りリンクメッセージを送信し、下りリンクメッセージは、一時識別子とスケジューリングされたリソースの記述とを伝達し、下りリンクメッセージに応じてスケジューリングされたリソースでデータを通信するように動作可能である。
【0023】
本発明の或る実施例は、チャネルセットを決定することを提供し、チャネルセットを決定することは、初期のメッセージからチャネル指示を抽出し、チャネル指示は、チャネルセットを示す。或いは、チャネルセットを決定することを提供し、チャネルセットを決定することは、初期のメッセージを伝達する物理リソースからチャネルセットを決定することを有する。
【0024】
本発明の或る実施例は、ユーザ装置とネットワーク装置との間で無線通信システムの共有物理リソースで無線接続及びその後の通信を開始するプログラムコードを有するコンピュータプログラムプロダクトを提供し、一時識別子を導き、チャネルセットを導き、初期のメッセージをネットワーク装置に送信し、初期のメッセージは一時識別子を有し、導かれたチャネルセットに属する下りリンクチャネルで、一時識別子と共有チャネルでのスケジューリングされたリソースの記述とを伝達する下りリンクメッセージを受信し、スケジューリングされたリソースは、ネットワーク装置によりユーザ装置に割り当てられたリソースを有し、下りリンクメッセージに応じてスケジューリングされたリソースでデータを通信するプログラムコードを有する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1A】通常のUMTSシステムでRRCアイドル状態からRRC接続状態に推移する場合の通常のメッセージのシーケンス
【図1B】通常のUMTSシステムでRRCアイドル状態からRRC接続状態に推移する場合の通常のメッセージのシーケンス
【図2】ユーザ装置(UE)とコアネットワーク(CN)とで動作するUTRANネットワークとE-UTRANとの比較
【図3A】本発明に従ってユーザ装置とコアネットワークとで動作するE-UTRANネットワーク
【図3B】本発明に従ってユーザ装置とコアネットワークとで動作するE-UTRANネットワーク
【図4】本発明によるユーザ装置の構成要素
【図5A】本発明による初期のシグナリングシーケンス
【図5B】本発明による初期のシグナリングシーケンス
【図6A】本発明によるスケジューリングされた下りリンクを使用した詳細なシグナリングシーケンス
【図6B】本発明によるスケジューリングされた下りリンクを使用した詳細なシグナリングシーケンス
【図7A】本発明によるスケジューリングされた下りリンクとスケジューリングされない上りリンク及びスケジューリングされた上りリンクとを使用した詳細なシグナリングシーケンス
【図7B】本発明によるスケジューリングされた下りリンクとスケジューリングされない上りリンク及びスケジューリングされた上りリンクとを使用した詳細なシグナリングシーケンス
【図8A】本発明によるスケジューリングされた下りリンクとスケジューリングされた上りリンクとを使用した詳細なシグナリングシーケンス
【図8B】本発明によるスケジューリングされた下りリンクとスケジューリングされた上りリンクとを使用した詳細なシグナリングシーケンス
【図9】本発明による競合解決の処理
【図10】本発明による競合解決の処理
【図11】本発明による複数のスケジューリング許可チャネルを使用した競合回避及び解決処理
【図12】本発明による複数のスケジューリング許可チャネルを使用した競合回避及び解決処理
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明の他の特徴及び態様は、添付図面を考慮して以下の詳細な説明から明らかになる。添付図面は、本発明の実施例による特徴を一例として示している。要約は本発明の範囲を限定することを意図するものではなく、本発明の範囲は単に特許請求の範囲により規定される。
【0027】
以下の説明では、本発明の複数の実施例を示す添付図面を参照する。他の実施例が利用されてもよく、この開示の要旨及び範囲を逸脱することなく、機械的、構成的、構造的、電気的及び動作的な変更が行われてもよいことがわかる。以下の詳細な説明は限定の意味で受け取られるべきではなく、本発明の実施例の範囲は、発行された特許の請求項のみにより規定される。
【0028】
以下の詳細な説明のいくつかの部分は、手順、ステップ、論理ブロック、処理及び他のコンピュータメモリで実行可能なデータビット上の動作の象徴的な表現で提示される。ここでは、手順、コンピュータ実行ステップ、論理ブロック、処理等は、所望の結果をもたらすステップ又は命令の首尾一貫したシーケンスであると考えられる。ステップは、物理量の物理的操作を利用するものである。これらの量は、コンピュータシステムで格納、伝達、結合、比較、操作可能な電気的、磁気的又は無線信号の形式になり得る。これらの信号は、ときどき、ビット、値、要素、シンボル、文字、語、数字等として呼ばれることがある。各ステップは、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア又はこれらの組み合わせにより実行されてもよい。
【0029】
以下の図面は、通常のUMTSシステム(Universal Mobile Telecommunications System)を参照して本発明を説明するが、本発明の実施例は、他の無線システムにも同様に適用し得る。通常のUMTSシステムは、通常では複数のユーザ装置(UE:user equipment)(場合によって、ユーザ端末、移動局、移動端末、無線データ端末及びセルラ電話と呼ばれる)を有する。通常のUMTSシステムはまた、Node B(基地局とも呼ばれる)を含むネットワーク装置を有する。ネットワーク装置は、UEとネットワークとの間の無線アクセス接続を提供し、また、無線ネットワークコントローラ(RNC:radio network controller)も同様に含む。
【0030】
図1A及び1Bは、通常のUMTSシステムでRRC(radio resource connection)アイドル状態からRRC接続状態に推移する通常のメッセージシーケンスを示している。通常のUMTSシステムでは、RRCアイドル状態のUEは、図1A及び1Bに示す手順を通じてRRC接続を開始してもよい。UE及びネットワークは、論理制御チャネルでメッセージを交換してもよい。各論理制御チャネルは、共通トランスポートチャネルにマッピングされる。
【0031】
図1Aは、無線インタフェース(Uu)で交換されるメッセージを示している。図示の最初のメッセージはRRC接続要求メッセージであり、RRC接続要求メッセージは、ネットワークに既知のUE識別子(グローバルUE識別子(ID)として示す)と、確立理由とを有する。ネットワークに既知のUE識別子は、ネットワークにより割り当てられたTMSI(temporary mobile subscriber identity)、UEのIMSI(international mobile subscriber identity)、又はUEのIMEI(international mobile equipment identity)のうち1つでもよい。確立理由は、UEがネットワークに接続を要求する理由を示す。ページングメッセージへの応答メッセージを送信するとき(ページング応答)、アイドルモード中に適切なセルを選択するとき(セル更新)、アイドルモード中に適切なURAを選択するとき(URA更新)、及びMBMSサービス又はMBMSポイントツーポイント接続を受信するとき(MBMS接続)、UEは接続を要求してもよい。
【0032】
次に、ネットワークは許可制御を実行し、RNTI(Radio Network Temporary Identifier)値を割り当てる。ネットワークは、確立理由から要求されたサービスがネットワークによりサポート可能であるか否かを決定するために、許可制御処理を使用する。許可制御を実行するときに考慮される要因は、特権を決定する移動アクセスクラスと、リソースの可用性を決定するRRM(Radio Resource Management)状態と、ユーザの加入の詳細と、有効な端末及び盗難された端末のリストを含む装置登録とを含んでもよい。
【0033】
RNTI値の割り当ては、ネットワークがS-RNTI(Serving RNC(Radio Network Controller) RNTI)を割り当てることを含む。S-RNTIは、サービングRNC(Serving RNC)に対して自分を識別するためにUEにより使用される。S-RNTIはまた、UEをアドレス指定するためにSRNCにより使用される。S-RNTI値は、RRC接続を有する各UEにサービングRNCにより割り当てられ、サービングRNC内で一意である。S-RNTIは、RRC接続のサービングRNCが変更した後に再割り当てされてもよい。S-RNTIは、ブロードキャストチャネルで受信したSRNC識別子(SRNC ID)と連結され、UTRAN内で一意のRNTI(U-RNTI:unique RNTI)を形成してもよい。任意選択で、ネットワークは、C-RNTI(Cell Radio Network Temporary Identifier)を割り当ててもよい。C-RNTIは、共通トランスポートチャネルで割り当てられて使用されてもよい。C-RNTI値は、セルでUEを識別するために使用されてもよい。通常のネットワークでは、C-RNTIを使用する決定は、制御側無線ネットワークコントローラ(CRNC:Controlling Radio Network Controller)により行われる。
【0034】
ネットワーク装置が許可制御処理及び割り当て処理の成功を実行した後に、ネットワークは、グローバルUE ID、新たに割り当てられたS-RNTI値、任意選択のC-RNTI値、及び無線ベアラ構成を有するRRC接続設定メッセージで、RRC接続要求メッセージに応答する。
【0035】
RRC接続設定メッセージがUEにより処理されると、UEは、RRC接続設定完了メッセージで応答する。RRC接続設定完了メッセージは、ヘッダフィールドにC-RNTI値を伴い、UE無線アクセス機能を有する。この時点で、UEはRRC接続状態に入る。
【0036】
RRC接続設定完了メッセージを受信したことに応じて、高速下りリンク共有チャネル(HS-DSCH:high speed downlink shared channel)が下りリンクデータ伝送に使用される場合、ネットワークは、UEへのRRC無線ベアラ設定メッセージ内でUEにH-RNTI値を割り当ててもよい。H-RNTI値は、高速下りリンク共有チャネルでUEを識別するために使用される。RRC無線ベアラ設定メッセージは、割り当てられたS-RNTIと、割り当てられたH-RNTIと、共有チャネル無線ベアラ構成とを有する。UEは、RRC無線ベアラ設定完了メッセージで応答することにより処理を完了する。この時点で、UE及びネットワークは、共有チャネル動作のレイヤ2コンテキスト(layer 2 context)を確立する。
【0037】
図1Bは、UE及びネットワーク装置の要素と、これらの要素間のメッセージを示している。UEは、RRCレイヤを含むレイヤ3と、RLC(Radio Link Control)レイヤ及び媒体アクセス制御(MAC:medium access control)レイヤを含むレイヤ2と、物理レイヤ(L1)を含むレイヤ1とを有する。Node Bは、レイヤ1の物理レイヤ(L1)を有する。RNCは、MACレイヤ及びRLCレイヤを含むレイヤ2と、RRCレイヤ及びRRMレイヤを含むレイヤ3とを有する。Node BとRNCとの双方に更なるレイヤ1機能が存在し、これらのエンティティの間の物理接続(lubインタフェース)を提供する点に留意すべきである。しかし、これらは図面を明瞭にするために図示されていない。RRC接続要求メッセージは、UEのRRCレイヤにより開始される。RRCは、RLCレイヤにメッセージを送信し、RLCレイヤは、RLCトランスペアレントモード(TM:transparent mode)を使用してランダムアクセスチャネル(RACH:random access channel)にマッピングされた共通制御チャネル(CCCH:common control channel)でRRC接続要求メッセージを送信する。トランスペアレントモード(TM)を使用するときに、メッセージ送信者は、承認モード(AM:acknowledgement mode)及び不承認モード(UM:unacknowledged mode)と異なり、メッセージシーケンス識別子を含めない。承認モード(AM)及び不承認モード(UM)の双方は、順序が狂ったパケットを識別/並び替え、損失したパケットを識別するために使用され得るメッセージシーケンス識別子を有する。承認モード(AM)は、メッセージ再送信を更に提供する。CCCHは、RLCレイヤとMACレイヤとの間の共通論理制御チャネルであり、RACHは、MACレイヤとL1レイヤとの間の共通トランスポートチャネルである。RRC接続要求メッセージは、無線インタフェース(Uu)でネットワークに送信される。
【0038】
RRC接続要求メッセージを受信すると、Node Bのレイヤ1は、メッセージをランダムアクセスチャネル(RACH)チャネルでRNCのMACレイヤに送信する。RACHチャネルは、複数のUEにより共有され、スケジューリングされないデータ送信に使用され得るランダムアクセス物理リソースで、UEから制御及びデータ情報を伝達するために使用される共通上りリンクトランスポートチャネルである。MACレイヤは、CCCHチャネルでRLCレイヤにメッセージを送信する。次に、RLCレイヤは、メッセージをRRCレイヤに送信し、RRCレイヤは、許可制御、S-RNTI値の割り当て、及び任意選択のC-RNTI値の割り当てのために、メッセージをRRMレイヤに送信する。
【0039】
許可制御及びS-RNTI値の割り当ての成功の後に、RRMは、割り当てられたS-RNTI値をRRCレイヤに返信し、RRCレイヤは、不承認モード(UM)で送信されるRRC接続設定メッセージを形成する。典型的には、セル内でUEを識別するC-RNTIも割り当てられる。しかし、個別物理チャネル接続が直ちに構成される場合、C-RNTIは省略されてもよい。RRCは、RRC接続設定メッセージをRLCレイヤに送信する。RLCレイヤは、CCCHチャネルでMACレイヤにメッセージを送信する。ネットワークとUEとの間に共通RNTIコンテキストがまだ存在しないため、CCCHが使用される。すなわち、ネットワークはRNTI値を認識しているが、UEはこの段階でRNTIを認識していない。MACレイヤは、フォワードアクセスチャネル(FACH:Forward Access Channel)でメッセージを送信する。FACHチャネルは、ネットワークがUEの位置セルを認識しているときに、UEに制御及びデータ情報を伝達するために使用され得る共通下りリンクトランスポートチャネルである。FACHは、スケジューリングされない下りリンクデータ送信のため、複数のUEにより共有されてもよい。Node Bのレイヤ1は無線インタフェース(Uu)でUEにメッセージを送信する。
【0040】
不都合なことに、FACHチャネルを監視する各UEは、同封のメッセージがそれにアドレス指定されているか否かを決定するために、1つ1つのRRC接続設定メッセージ及び他のメッセージをデコードする。UEによるRRC接続設定メッセージの受信時に、UEのレイヤ1は、FACHチャネルでそのMACレイヤにメッセージを送信する。MACレイヤは、CCCHチャネルでRLCレイヤにメッセージを送信し、次に、RLCレイヤは、UEのRRCレイヤにメッセージを送信する。UEのRRCレイヤは、接続設定メッセージに含まれるグローバルIDフィールドを検査し、UEの自分のグローバルIDに合致するか否かを決定してもよい。合致しない場合、メッセージは破棄される。IDが合致する場合、メッセージはデコードされ、UEは、S-RNTI値及び場合によってはC-RNTI値の割り当てを登録する。この時点で、UEは、割り当てられた個別制御チャネル(DCCH:dedicated control channel)を有している。
【0041】
次に、UEはRRC接続設定完了メッセージを使用して応答し、RRC接続設定完了メッセージは、承認モード(AM)を使用してネットワークに送信される。RRCレイヤは、メッセージをRLCレイヤに送信し、RLCレイヤは、RRC接続設定完了メッセージをMACレイヤに送信するためにDCCHチャネルを使用する。MACレイヤは、RACH(共通トランスポート)チャネルで物理レイヤ(L1)にメッセージを送信し、物理レイヤ(L1)は無線インタフェース(Uu)でNode Bにメッセージを送信する。共通トランスポートチャネルリソースでDCCHで送信されたデータは、ヘッダフィールドを伴い、ヘッダフィールドには、セルでRACH(共通トランスポート)チャネルを使用する複数の他のUEからセルのUEを区別するためにC-RNTIが含まれる。個別又は共有トランスポートチャネルで送信されたデータについては、ユーザ識別/アドレス指定が物理リソースレベルで完了している(物理リソースとユーザ端末との間のマッピングは物理レイヤでわかる)ため、C-RNTIはヘッダに必要ない。UEがRRC接続設定完了メッセージを通信すると、UEはRRC接続状態に入る。
【0042】
次に、Node Bは、無線インタフェース(Uu)でRRC接続設定完了メッセージを受信する。そのレイヤ1は、RACHチャネルを使用してメッセージをRNCのMACレイヤに送信する。MACレイヤは、ヘッダ(C-RNTIを含む)を読み取り、適切なDCCHチャネルを使用してメッセージを適切なRLCエンティティに送信する。RLCは、メッセージをRRCレイヤに送信する。
【0043】
ネットワークは、UEが高速下りリンク共有チャネル(HS-DSCH:high speed-downlink shared channel)で通信するときにUEを識別するために他の値を使用する。この値は、RRCレイヤにより割り当てられ、H-RNTI(HS-DSCH RNTI)値として指定される。H-RNTI値は、UEがHS-DSCHチャネルで確立した接続を有する間の一時識別子として使用される。ネットワークは、RLCレイヤとMACレイヤとの間のDCCHチャネルと、MACレイヤとUEのレイヤ1との間のFACHチャネルとを使用して、無線ベアラ設定メッセージ内で割り当てられたH-RNTI値をUEに送信する。Node Bは、無線インタフェース(Uu)でUEにメッセージを送信する。UEのレイヤ1は、FACHチャネルでそのMACレイヤにメッセージを送信し、MACレイヤは、DCCHチャネルでRLCにメッセージを送信する。RLCは、RRCレイヤにメッセージを送信し、RRCレイヤは、RLC承認モード(AM)を使用してネットワークに送信されるRRC無線ベアラ設定完了メッセージで応答する。UEのRRCレイヤとRNCのRRCレイヤとの間のチャネルパスは、RRC接続完了メッセージを伝達するための前述のチャネルパスの折り返しである。
【0044】
H-RNTIを割り当てられると、次に、UEは、下りリンク通信に高速(hs)下りリンク共有(トランスポート)チャネルを利用してもよい。このチャネルのリソース割り当ては、Node-BのMAC-hsエンティティにあるスケジューラにより許可される。MAC-hsエンティティは、UE識別子としてH-RNTIを使用することにより高速下りリンク共有チャネル割り当てを行うときに、セル内のUEをアドレス指定することができる。
【0045】
MAC-hsエンティティは、接続設定手順及び関連するメッセージに関与していないため、図面に図示されていない。RRC接続を確立するために使用されるメッセージは、共有トランスポートチャネルで伝達されない。
【0046】
この時点で、UE及びネットワークは、レイヤ2共有チャネルコンテキストを確立及び形成しており、ネットワークは、共有チャネル識別子をUEに割り当てている。このレイヤ2コンテキストを形成する際に、ネットワークは識別子を割り当て、3つの上りリンクメッセージと2つの下りリンクメッセージとを交換している。
【0047】
本発明の実施例によれば、UEは、一時識別子(temp ID)を導き、共有トランスポートチャネルでのより迅速な通信のために、レイヤ2コンテキストを迅速に確立する。このより迅速なレイヤ2コンテキストは、共通トランスポートチャネルでの多数の通信の必要性を除去することができ、共通チャネルの利用可能な全無線リソースのかなりの部分を確保する必要性を除去することができる。このような割り当ては、再構成するのが典型的に遅く、従って、トラヒック負荷の急速な変化に応じることができない。UEにより導かれた一時識別子が使用期間中にネットワークで一意である場合、UEは、共有チャネルで一意に識別され、データは、通常のシステムの場合のように静的に割り当てられた共通リソースを介してではなく、共有チャネルリソースの動的な割り当てを介して通信され得る。更に、ネットワークは、RRC接続処理中又はRRC接続処理後にUEにより導かれた一時識別子を更新してもよい。
【0048】
図2、3A及び3Bは、本発明に従ってユーザ装置(UE)とコアネットワーク(CN)とで動作するUTRANネットワークとE-UTRAN(evolved UTRAN)ネットワークとを比較している。
【0049】
図2は、複数のUEとUTRANネットワーク装置とを示している。UTRANネットワーク装置は、コアネットワークへのUEのリンクを提供する。UTRANネットワーク装置(無線アクセスネットワーク(RAN:Radio Access Network)とも呼ばれる)は、1つ以上の無線ネットワークサブシステム(RNS:Radio Network Subsystem)を有する。各RNSは、無線ネットワークコントローラ(RNC)と、1つ以上のNode Bとを有する。RRCシグナリングについて、RNCはRRM、RRC、RLC及びMACシグナリングレイヤを提供し、Node Bはレイヤ1を提供する。
【0050】
図3Aは、本発明の或る実施例に従って本発明を実施するアーキテクチャを示している。E-UTRAN(evolved UTRAN)ネットワークは、UTRANアーキテクチャを簡略化し、構成要素間のインタフェースの数を低減するためのLTE(long term evolution)プラットフォームを提供する。“evolved”及び“E-”の指定は、本発明の対応する構成要素又は要素と類似し得る通常の構成要素又は要素と区別するために使用され得る。E-UTRANネットワークは、コアネットワーク(CN)と通信するためのUEのリンクを提供する。E-UTRANは、1つ以上のE-Node B(evolved Node B)に結合されたLTEゲートウェイ(LTE GW)を有する。E-Node Bは、図2のNode BとRNCとの双方の機能を実行する。LTEゲートウェイは、コアネットワークとE-Node Bとの間のインタフェースを提供する。RRCシグナリングについて、E-Node BはRRM、RRC、RLC、MAC及びL1シグナリングレイヤを提供する。ここで、簡略化のため、“evolved”及び“E-”の指定がE-UTRANネットワーク内のいくつかのラベルの構成要素から省略されている。
【0051】
図3Bは、E-UTRANネットワークの代替アーキテクチャを示している。LTEゲートウェイは、コアネットワークとE-Node Bとの間のインタフェースを提供し、また、RRCシグナリングのためのRRM及びRRCレイヤを提供する。このアーキテクチャでは、E-Node Bは、RLC、MAC及びL1シグナリングレイヤを提供する。
【0052】
図3A及び3Bの実施例は、レイヤ1処理と共に配置されるMACレイヤ及びRLCレイヤを提供し、これはシグナリング待ち時間を低減することに役立つ。図3Aは、RRC接続確立手順中に使用される各レイヤの集合を示しており、これはシグナリング待ち時間を低減することに更に役立つ。
【0053】
図4は、本発明によるユーザ装置の構成要素を示している。ユーザ装置は、UEにより導かれた一時識別子を保持するメモリと、プロセッサと、UEにより導かれた一時識別子を導いて識別子をメモリに格納するように実行可能なプログラムコードと、E-UTRANネットワーク装置と通信するトランシーバとを有する。メモリは、RAMのような揮発性メモリでもよく、フラッシュ(EEPROM)のような不揮発性メモリでもよい。メモリは、UEの回路の構成要素でもよく、UEの筐体に設置されたスマートカードでもよい。プロセッサは、RISC(reduced instruction set computer)、汎用プロセッサ、専用プロセッサ、ゲート論理実装プロセッサ等でもよい。プログラムコードは、実行可能な機械コード、オブジェクトコード、スクリプト、又は他のコンピュータ解釈コード若しくはコンパイルコードでもよい。プログラムコードは、圧縮されてもよく、圧縮されなくてもよく、エンコードされてもよく、エンコードされなくてもよい。トランシーバは、TDD(time division duplex)方式又はFDD(frequency division duplex)方式で動作するCDMA(code division multiple access)送信機/受信機の対でもよい。
【0054】
図5A及び5Bは、本発明による初期のシグナリングシーケンスを示している。各図において、まず、UEは一時識別子(temp ID)を導く。一時識別子を導く処理は、本発明の異なる実装の間で変化してもよい。一時識別子の導出は、E-Node BのE-MACエンティティによりスケジューリングされた共有トランスポートチャネルでのレイヤ2メッセージの迅速なレイヤ2コンテキストを提供する。一時識別子の導出は、2つのUEが同じ一時識別子を導く許容レベルの可能性を最小化するように生じることが好ましい。2つのUEがセル内で同じ一時識別子を導き、重複する期間中にこれらを使用しようとする場合、更なる衝突検出及び回復手順が実施されてもよい。
【0055】
本発明の或る実施例では、UEは、ネットワークに既知のUE識別子の一部から一時識別子を形成することにより、一時識別子を導く。ネットワークに既知のUE識別子は、ネットワークにより割り当てられたTMSI(temporary mobile subscriber identity)、UEのIMSI(international mobile subscriber identity)、又はUEのIMEI(international mobile equipment identity)のうち1つでもよい。UEは、TMSI、IMSI又はIMEIの所定数の最小位ビットを使用してもよい。例えば、TMSIが利用可能である場合、UEは、32ビットのTMSIのうち下位の16ビットを使用することにより、temp IDを導いてもよい。TMSIが利用可能でない場合、UEは、32ビットのIMSIのうち下位の16ビットを使用してもよい。TMSIもIMSIも利用可能でない場合、UEは、32ビットのIMEIのうち下位の16ビットを使用してもよい。
【0056】
本発明の或る実施例では、UEは、複数の一時識別子から一時識別子を選択することにより、一時識別子を導いてもよい。複数の一時識別子は、共通のビット長の可能な値の一部を有してもよい。例えば、複数の一時識別子は、16ビットの可能な並び替えのうち1/8を有してもよい。ネットワークは、将来のUEにより導かれた値との潜在的な衝突の可能性を除去するために、残りの7/8の可能な並び替えから値を選択することにより、一時識別子を再割り当てしてもよい。複数の一時識別子は、RAM又はROMに格納されたテーブルの形式でもよい。或る実施例では、複数の一時識別子はUEにより生成される。或る実施例では、複数の一時識別子はネットワークからUEに伝達される。或る実施例では、複数の一時識別子の指示はネットワークからUEにブロードキャストチャネル(BCH)でブロードキャストされる。或る実施例では、複数の一時識別子は不揮発性メモリに保存される。
【0057】
或る実施例では、UEにより導かれた一時識別子はまた、時間又は無線フレーム番号の関数でもよい。この関数は、所定のパターンに従って変化してもよく、例えばブロードキャストチャネル(BCH)でUEに伝達されてもよい。代替として、変化パターンは、その導出にランダムな要素を有してもよい。一時識別子を導くときのユーザ装置による時間変化する構成要素又は時間パラメータ(システムクロック、スーパーフレーム番号、無線フレーム番号、サブフレーム番号、タイムスロット番号等)の使用は、2つ以上のユーザが所定の時間フレーム内で同じ一時識別子を選択する可能性を低減することに有利に役立ち得る。
【0058】
一時識別子を導いた後に、UEは、第1の上りリンクメッセージでこのUEにより導かれた一時識別子をE-UTRANネットワークに送信する。ネットワークが初期の一時識別子を受信するとすぐに、初期のL2共有チャネルコンテキストが形成される。この時点で、UEとネットワークとの双方は、一時識別子の値を認識する。しかし、この接続は衝突する可能性があり、ネットワークが置換一時識別子を再割り当てしたときに、(衝突の可能性のない)永続的な接続が形成され得る。
【0059】
temp IDの受信時に、ネットワークは物理リソースを割り当てる。割り当てられた物理リソースは、UEがデータメッセージを正確にエンコード及び送信すること又は正確に受信及びデコードすることを可能にするように、UEに割り当てられたリソースを記述する。この記述は、(1)明示的な又は関連の送信時間、(2)物理チャネルリソースの記述(符号、周波数、サブキャリア、時間/周波数符号等)、(3)リソースでのデータのフォーマット形式、及び/又は(4)FEC符号化形式、ブロックサイズ、変調フォーマット等のような属性を有してもよい。
【0060】
この物理リソースは、上りリンクリソース(図5Aに示す)又は下りリンクリソース(図5Bに示す)でもよい。ネットワークは、宛先アドレスとしてUEにより導かれた一時識別子を含み、割り当てられた物理リソースの記述も含む第1の下りリンクメッセージをUEに送信する。次に、UE及びネットワークは、割り当てられた物理リソースでユーザトラヒックデータ又はシグナリングデータ(データ)を通信する。
【0061】
図5Aは、ネットワークにより割り当てられて第1の下りリンクメッセージで記述された上りリンクのスケジューリングされた共有リソースで通信されるデータを示している。上りリンクデータでは、UEが割り当てられた物理リソースの記述を含む第1の下りリンクメッセージを受信して処理した後に、UEはデータを送信しさえすればよい。UEがユーザトラヒックデータ又はシグナリングデータをネットワークに送信しようとするときに、UEは、temp IDを導き、上りリンク物理リソースを取得するこのシーケンスを開始してもよい。
【0062】
図5Bは、ネットワークにより割り当てられて第1の下りリンクメッセージで記述された下りリンクのスケジューリングされた共有リソースで通信されるデータを示している。下りリンクデータでは、UEが割り当てられた物理リソースの記述を含む第1の下りリンクメッセージを受信して処理した後に、UEはデータを受信して処理しさえすればよい。或る実施例では、第1の下りリンクメッセージは、第2の下りリンクメッセージをも含むバーストで伝達されて受信される。この場合、UEは、受信したバーストを処理し、割り当てられた物理リソースを取得する。ユーザトラヒックデータ又はシグナリングデータが割り当てを含む第1の下りリンクメッセージと同じバーストに含まれることを割り当てが示す場合、UEは、受信したバーストを再処理し、第2の下りリンクメッセージを取得してもよい。
【0063】
通常のシステムは、共通チャネルと共有チャネルとの双方を構成する。リソースの分割は、結合のリソースの効果的な使用を制限する。例えば、特定の時間のほとんどのトラヒックが共通チャネルを使用する場合、共有チャネルはアイドルのままになる。逆に、ほとんどのトラヒックが構成された共有チャネルを使用している場合、共通チャネルは十分に利用されないままになる。本発明の或る実施例によれば、最小の一式のリソースが、図5A及び5Bの第1の上りリンクメッセージのようなスケジューリングされないメッセージに割り当てられてもよい。このチャネルの上りリンクメッセージは、temp IDのみを含む短いメッセージ、又は代替としてtemp IDと何の形式のリソースが要求されているかの指示を含む短いメッセージに制限されてもよい。各UEはレイヤ2のアドレス指定可能なtemp IDを使用してネットワークとコンタクトを開始するため、スケジューリングされない下りリンクチャネル(例えばFACH)は、構成されたチャネルから削除されてもよい。リソースの残りは、制御チャネルメッセージ(例えば、第1の下りリンクメッセージ)及びユーザトラヒックデータ又はシグナリングデータ(すなわち、第2の下りリンク又は上りリンクメッセージ)の間で動的に割り当てられてもよい。このようなリソースの割り当ては、リソースのより効率的な使用のため、高帯域のシステムを提供する。
【0064】
図6A及び6Bに示すように、本発明の或る実施例は、上りリンクメッセージにランダムアクセスチャネル(RACH)を利用し、下りリンクメッセージにスケジューリングされたチャネルを利用し、その後の上りリンクメッセージに共通チャネルを利用する。図7A及び7Bに示すように、本発明の或る実施例は、第1の上りリンクメッセージにランダムアクセスチャネル(RACH)を利用し、その後の下りリンク及び上りリンクメッセージにスケジューリングされたチャネルを利用する。図8A及び8Bに示すように、本発明の或る実施例は、短縮された初期の上りリンクメッセージにランダムアクセスチャネル(RACH)を利用し、その後の下りリンク及び上りリンクメッセージにスケジューリングされたチャネルを利用する。
【0065】
図6A及び6Bは、本発明によるスケジューリングされた下りリンクを使用した詳細なシグナリングシーケンスを示している。UEは一時識別子を導き、第1の上りリンクメッセージで一時識別子をネットワークに送信する。temp IDに加えて、第1の上りリンクメッセージは、確立理由パラメータと2つの任意選択のパラメータ(バッファ占有及びグローバルUE ID)とを有する。確立理由及びグローバルUE IDは、図1Aを参照して前述した対応のパラメータと同じもの又は類似のものでもよい。
【0066】
バッファ占有は、UEの送信バッファの送信用の現在の保留データの指示として使用されてもよく、上りリンク送信を許可するリソースの程度を決定するためにNode Bのスケジューラにより使用されてもよい。バッファ占有は、例えば複数の送信フロー、形式又は優先ストリーム毎の単一のビット、量子化された値の範囲、バイトでの絶対値、又は値のリストでもよい。
【0067】
UEは、トランスペアレントモード(TM)を使用してRRC接続要求メッセージを送信してもよい。ネットワーク装置によるRRC接続要求メッセージの受信時に、ネットワークは、(図1Aを参照して前述した)許可制御を実行し、確立理由パラメータにより示される物理リソース(上りリンク共有チャネル(UL-SCH:uplink shared channel)又は下りリンク共有チャネル(DL-SCH:downlink shared channel))を割り当てる。任意選択で、ネットワークはまた、S-RNTIと置換temp IDとを割り当ててもよい。
【0068】
ネットワークは、temp IDを含む下りリンクスケジューリング許可指示を含む第1の下りリンクメッセージを送信し、特定のUEと割り当てられた物理リソースの記述とをアドレス指定する。第1の下りリンクメッセージは、可能なスケジューリングメッセージを予期又は待機するUEにより監視される共有物理制御チャネル(SPCCH:shared physical control channel)で送信されてもよい。ネットワークはまた、置換一時識別子を送信してもよい。ネットワークは、UEにより選択不可能な一意の識別子のリスト又はテーブルから置換一時識別子を選択してもよい。このような置換一時識別子は、第1のUEからのUEにより導かれた一時識別子を含むメッセージが、第2のUEにより導かれた同じ一時識別子を含むメッセージと衝突しないことを確保する。実際に、UEにより導かれた一時識別子は、確実なネットワークにより選択された一意の識別子により置換され得る、限られた期間の一意と期待される識別子を提供する。置換一時識別子は、RRC接続設定メッセージで送信されてもよく、SPCCH許可メッセージに含まれてもよい。
【0069】
下りリンクスケジューリング許可メッセージの受信時に、UEは、短いスケジューリングメッセージをデコードし、temp IDを検査する。temp IDによりアドレス指定されたUEのみが、下りリンク共有チャネル(DL-SCH:downlink shared channel)で送信された又は送信される長いメッセージをデコードする必要がある。スケジューリング許可メッセージによりアドレス指定されていない他のUEは、CPUサイクル又はバッテリリソースを使い、RRC接続設定メッセージ又は他の長いメッセージをデコードして、メッセージがそれに指示されたか否かを決定する必要はない。
【0070】
temp IDにより識別されたUEは、下りリンクスケジューリング許可メッセージに記述された割り当てられた物理リソースで送信されたメッセージを受信してデコードする。UEへのこの第2の下りリンクメッセージは、不承認モード(UM)を使用してネットワークにより送信されたRRC接続設定メッセージを有してもよい。任意選択で、RRC接続設定メッセージは、置換temp ID、割り当てられたS-RNTI値、及び/又はグローバルUE IDを有してもよい。UEが置換temp IDを受信すると、UEは、ネットワークでメッセージを伝達するときに、その一時識別子としてこの置換temp IDを使用する。更に、RRC接続要求メッセージからネットワークにより受信された場合、且つ重複するtemp IDの間の衝突がネットワークにより検出された場合、グローバルUE IDがこの第1の下りリンクメッセージに含まれてもよい。或る実施例では、グローバルUE IDは、メッセージに明示的に組み込まれる。他の実施例では、グローバルUE IDは、下りリンクメッセージをエンコードするために使用される(例えばCRC)。
【0071】
衝突を処理する競合解決処理について、図9及び10を参照して更に以下に説明する。更に、或る実施例では、無線ベアラ構成は、ブロードキャストチャネル(BCH)を使用して複数のUEに送信されてもよい。
【0072】
次に、UEは、承認モード(AM)を使用してRRC接続設定完了メッセージを準備して送信することにより、RRC接続設定メッセージを受信して処理するように応答する。置換temp IDがネットワークにより提供された場合、UEは、この新しい値をその一時識別子として使用する。RRC接続設定完了メッセージもまた、UEの様々な機能を示すUE無線アクセス機能パラメータを有してもよい。
【0073】
本発明によれば、通常のRRC無線ベアラ設定サービス(図1A)内に含まれる情報は、各UEに個々に伝達されるのではなく、BCHでブロードキャストされてもよい。この理由は、共有チャネルを記述する情報は、セルの複数のUEにより使用され得るからである。
【0074】
図6Bは、UE及びネットワーク装置の要素と、これらの要素間のメッセージを示している。UEは、E-RRC(evolved RRC)レイヤを含むレイヤ3と、E-RLC(evolved Radio Link Control)レイヤ及びE-MAC(evolved MAC)レイヤを含むレイヤ2と、物理レイヤ(L1)を含むレイヤ1とを有する。E-UTRANネットワークは、レイヤ1の物理レイヤ(L1)と、E-MAC(evolved MAC)レイヤ及びE-RLC(evolved RLC)レイヤを含むレイヤ2と、E-RRC(evolved RRC)レイヤ及びE-RRM(evolved RRM)レイヤを含むレイヤ3とを有する。
【0075】
RRC接続要求メッセージは、UEのE-RRCレイヤにより開始される。E-RRCは、E-RLCレイヤにメッセージを送信し、E-RLCレイヤは、トランスペアレントモード(TM)を使用してランダムアクセスチャネル(RACH)にマッピングされた共通制御チャネル(CCCH)でRRC接続要求メッセージを送信する。CCCHは、E-RLCレイヤとE-MACレイヤとの間の論理制御チャネルであり、RACHは、E-MACレイヤとL1レイヤとの間の共通トランスポートチャネルである。RRC接続要求メッセージは、無線インタフェース(Uu)でネットワークに送信される。
【0076】
RRC接続要求メッセージを受信すると、ネットワーク装置のレイヤ1は、メッセージをランダムアクセスチャネル(RACH)チャネルでMACレイヤに送信する。MACレイヤは、CCCHチャネルでE-RLCレイヤにメッセージを送信する。次に、E-RLCレイヤは、メッセージをE-RRCレイヤに送信し、E-RRCレイヤは、許可制御、置換一時識別子の割り当て、及び任意選択のS-RNTI値の割り当てのために、メッセージをE-RRMレイヤに送信する。
【0077】
許可制御並びに任意選択の一時IDの置換及び任意選択のS-RNTI値の割り当ての後に、E-RRMは、割り当てられた値をE-RRCレイヤに返信し、E-RRCレイヤは、不承認モード(UM)で送信されるRRC接続設定メッセージを形成する。E-RLCは、RRC接続設定メッセージをE-RLCレイヤに送信する。E-RLCレイヤは、DCCH又はCCCHチャネルでE-MACレイヤにメッセージを送信する。
【0078】
単にRRC接続設定メッセージを転送する代わりに、E-MACレイヤは、UEに送信するために、共有物理制御チャネル(SPCCH:shared physical control channel)でレイヤ1にスケジューリング許可メッセージを送信する。UEのレイヤ1は、スケジューリング許可を受信し、スケジューリング許可は、RRC接続設定メッセージを伝達する物理リソースを示す。E-MACレイヤはまた、同時に又は次に、下りリンク共有チャネル(DL-SCH)の割り当てられた物理リソースでRRC接続設定メッセージをレイヤ1に送信する。レイヤ1は、無線インタフェース(Uu)でUEにRRC接続設定メッセージを送信する。好都合なことに、無線インタフェースを監視する各UEは、同封のメッセージがそれにアドレス指定されているか否かを決定するために、長いRRC接続設定メッセージ及び他のメッセージではなく、短いスケジューリングメッセージのみをデコードする。
【0079】
UEによるRRC接続設定メッセージの受信時に、UEのレイヤ1は、DL-SCHチャネルでそのE-MACレイヤにメッセージを送信する。E-MACレイヤは、DCCH又はCCCHチャネルでE-RLCレイヤにメッセージを送信し、次に、E-RLCレイヤは、UEのE-RRCレイヤにメッセージを送信する。
【0080】
次に、UEはRRC接続設定完了メッセージを使用して応答し、RRC接続設定完了メッセージは、承認モード(AM)を使用してネットワークに送信される。E-RRCレイヤは、メッセージをE-RLCレイヤに送信し、E-RLCレイヤは、RRC接続設定完了メッセージをE-MACレイヤに送信するためにDCCHチャネルを使用する。E-MACレイヤは、RACHチャネルで物理レイヤ(L1)にメッセージを送信し、物理レイヤ(L1)は無線インタフェース(Uu)でネットワークにメッセージを送信する。UEがRRC接続設定完了メッセージを通信すると、UEはRRC接続状態に入る。
【0081】
次に、ネットワークは、無線インタフェース(Uu)でRRC接続設定完了メッセージを受信する。そのレイヤ1は、RACHチャネルを使用してメッセージをE-MACレイヤに送信する。E-MACレイヤは、DCCHチャネルを使用してメッセージをE-RLCに送信する。E-RLCは、メッセージをE-RRCレイヤに送信する。
【0082】
図7A及び7Bは、本発明によるスケジューリングされた下りリンクとスケジューリングされない上りリンク及びスケジューリングされた上りリンクとを使用した詳細なシグナリングシーケンスを示している。RRC接続要求メッセージ及びRRC接続設定メッセージのスケジューリング及び交換と、許可制御と、リソースの割り当てとは、図6A及び6Bを参照して前述した通りである。図7A及び7Bは、共有リソースでその後の上りリンクメッセージを送信することで、前述の実施例と異なる。
【0083】
特に、UEのE-MACレイヤがそのE-RLCレイヤからRRC接続設定完了メッセージを受信すると、まず、UEのE-MACレイヤは、RACHチャネル又はE-RACH(evolved RACH)チャネルでスケジューリング要求メッセージを送信する。短いスケジューリング要求メッセージは、ネットワークからの上りリンク物理リソースの割り当てを要求する。スケジューリング要求メッセージは、無線インタフェース(Uu)でネットワークに送信される。ネットワークのレイヤ1によりスケジューリング要求メッセージを受信すると、スケジューリング要求メッセージは、RACHチャネルでネットワークのE-MACレイヤに転送される。E-MACレイヤは、上りリンク共有チャネル(UL-SCH)をUEに割り当て、共有物理制御チャネル(SPCCH:shared physical control channel)でE-MACレイヤからレイヤ1に送信され、次に無線インタフェース(Uu)でUEのレイヤ1に送信されるスケジューリング許可メッセージに上りリンク割り当てを記述する。UEのレイヤ1は、SPCCHチャネルでE-MACレイヤにスケジューリング許可メッセージを転送する。E-MACレイヤは、ネットワークに送信するために、割り当てられたUL-SCHリソースでレイヤ1にRRC接続設定完了メッセージを転送する。
【0084】
本発明の或る実施例に従って共有のスケジューリングされた上りリンク及び/又は下りリンク方式を使用することにより、1つ以上の利点が実現され得る。例えば或る実施例では、初期の上りリンクリソースでの短いメッセージは、無線インタフェースの物理レイヤでの衝突を低減し得る。或る実施例では、(重複する期間中に2つのUEにより個別に導かれた共通の一時識別子のため生じる)論理的衝突は、UEでの衝突回復手順及び/又はネットワークでの衝突回復手順により克服され得る。或る実施例では、別法ではRACH及び/又はFACH共通チャネルに専用のリソースは、低減又は場合によって除去され得る。従って、これらのリソースは、他のチャネルトラヒック形式への割り当てに利用可能になる。従って、複数のトラヒック形式が同じ共有チャネルリソースを共有することを許可されておらず、その代わりに別のリソースを割り当てられる必要がある場合に比べて、無線リソースの効率的な使用が実現され得る。この理由は、全てのトラヒック形式を共有チャネルのみに多重することにより、スケジューラは、各トラヒック形式により提示される変化する瞬時負荷に割り当てられたリソースを動的に適合することができるからである。これに対して、別の無線リソースが各トラヒック形式に静的に割り当てられる場合、各トラヒック形式により与えられるトラヒック負荷の変化は、最初に共通チャネルに割り当てられて次に共有チャネルに割り当てられた全無線リソース空間の各部分を再構成せずに、適応不可能である。或る実施例では、UEにより観測されるシグナリング待ち時間及び応答時間が低減され得る。或る実施例では、スケジューリングされたチャネルの使用は、UEが短いスケジューリングメッセージをデコードし、もはや他のUEにアドレス指定された各共通チャネルのメッセージを監視してデコードする必要がないことを意味する。これは、UEの電池寿命の効率的な使用をもたらす。更に、或る実施例では、高速チャネルでの接続設定のシグナリング交換は、通常の共通チャネルより速く生じ得る。
【0085】
図8A及び8Bは、本発明によるスケジューリングされた下りリンクとスケジューリングされた上りリンクとを使用した詳細なシグナリングシーケンスを示している。図示の実施例では、初期の上りリンク通信は、その後の通信と同様にスケジューリングされる。RRC接続要求を有する初期のメッセージを送信するのではなく、UEは、まず、短いスケジューリング要求メッセージを送信し、上りリンク物理リソースを割り当てるようにネットワークに要求する。UEは、一時識別子を導き、短い上りリンクメッセージに含める。メッセージは、任意選択で(前述の)バッファ占有パラメータと、理由パラメータとを有してもよい。理由パラメータは、要求の理由(例えば、上りリンク物理リソースの要求)を示してもよい。ネットワークは、上りリンク共有チャネル(UL-SCH)を割り当て、共有物理制御チャネル(SPCCH)でUEにより導かれた一時識別子とUL-SCHの記述とを有するスケジューリング許可を送信する。UEのE-MACレイヤは、SPCCHチャネルで上りリンクスケジューリング許可メッセージを受信し、割り当てられたUL-SCH物理チャネルでRRC接続要求を送信することにより応答する。RRC接続要求メッセージは、図7A及び7Bを参照して前述した許可制御及び更なるリソース割り当てを実行するネットワークにより受信される。更に、図8Aは、RRC接続要求及びRRC接続設定メッセージの一方又は双方を通信するときに、承認モード(AM)を使用し得る実施例を示しており、他の実施例は不承認モード(UM)を使用し得る。
【0086】
図9及び10は、本発明による競合解決処理を示している。この競合シナリオは、2つのUEが共通の一時識別子を導いて使用しているときに生じる。各UEは、図5A、5B、6A−B、7A−B又は8A−Bを参照して前述したRRC接続要求メッセージを送信する。一時識別子の導出は、2つのUEが同じ一時識別子を導く許容レベルの可能性を最小化するように生じることが好ましい。しかし、或る実施例では、2つのUEがセル内で同じ一時識別子を導くことがある。従って、更なる衝突検出及び回復手順が実施されてもよい。
【0087】
図9は、主にUEにより起こされる救済手段を示している。2つのUEは、同一の一時識別子(第1のtemp ID)を使用してネットワークに上りリンクメッセージを送信する。上りリンクメッセージは、RACHチャネル又はE-RACHで送信されるメッセージでもよい。メッセージは、スケジューリング要求メッセージ(図示のもの)又は他のメッセージでもよい。ネットワークは、2つの上りリンクメッセージで重複した同一の一時識別子を検出してもよい。ネットワークは、以下の処理を実行しないように選択してもよく、各UEがタイムアウトすることを許可する。予想される下りリンク応答を受信しなかった後に、各UEは、初期に導かれた一時識別子を破棄し、他の一時識別子(それぞれ、第2のtemp ID及び第3のtemp ID)を導く。各UEは、新しく導かれた一時識別子を使用して元の上りリンクメッセージを再送信する。新しい一時識別子の受信時に、初期のレイヤ2コンテキストが共有チャネル動作について各UEとネットワークとの間で確立される。ネットワークは、前述のように一意のtemp IDを有する各UEに応答する。
【0088】
図10は、主にネットワークにより起こされる救済手段を示している。この場合も同様に、2つのUEは、同一の一時識別子(temp ID)を使用して上りリンクメッセージをネットワークにそれぞれ送信する。上りリンクメッセージは、RACHチャネル又はE-RACHで送信されるメッセージでもよい。メッセージは、RRC接続要求メッセージ(図示のもの)又は他のメッセージでもよい。ネットワークは、2つの上りリンクメッセージで同一の一時識別子を検出してもよい。この場合、2つのUEは、同じtemp IDを導いており、アドレス指定されたこのtemp IDを含む下りリンクシグナリングをそれぞれ予想してもよい。このような場合、ネットワークは、衝突又は競合が生じたことを決定してもよい。しかし、上りリンクメッセージの一方又は双方がグローバルUE IDを含む場合、UEは、相互に区別され得る。この時点で、初期のレイヤ2コンテキストが共有チャネル動作について各UEとネットワークとの間で確立される。
【0089】
ネットワークは、制御チャネルで、下りリンクリソースを割り当てられたスケジューリング許可メッセージを送信してもよい。ネットワークはまた、スケジューリング許可メッセージに記述されたトラヒックチャネルで、グローバルUE IDを組み込んだメッセージを送信してもよい。例えば、ネットワークは、衝突するUEにより導かれた一時識別子を使用してUEにアドレス指定されたRRC接続完了メッセージを送信してもよい。或る実施例では、ネットワークは、グローバルUE IDをパラメータとして含めることにより、グローバルUE IDを下りリンクメッセージに明示的に組み込む。代替として、ネットワークは、下りリンクメッセージをエンコードするためにグローバルUE IDを使用することにより、グローバルUE IDを組み込んでもよい。例えば、組み込むことは、ネットワークに既知のUE識別子を使用して巡回冗長検査(CRC)値を計算することを有してもよい。下りリンクメッセージをデコードするときに、各UEは、グローバルUE IDがパラメータとして明示的に組み込まれたか否かを決定するためにそのグローバルUE IDを使用してもよく、代替として、メッセージをデコードして前に送信されたグローバルUE IDがメッセージをエンコードするためにネットワークにより使用されたか否かを決定するためにそのグローバルUE IDを使用してもよい。更に、ネットワークは、そのグローバルUE IDを送信したUEに置換temp IDを割り当てることにより応答してもよい。1つのUEが置換temp IDを受信すると、共有チャネル動作について双方のUEに一意のレイヤ2コンテキストが形成される。第1のUEは、RRC接続設定メッセージを受信して適切にデコードし、RRC接続設定メッセージはそのUEでエンコードされる。第2のUEは、RRC接続設定メッセージをデコードしようとするが、メッセージが未知のグローバルUE IDでエンコードされているため失敗し、第2のUEがメッセージを破棄して下りリンクスケジューリングチャネル(SPCCH)に戻るようにさせる。第2のUEは、ネットワークにより送信された第2の下りリンクスケジューリング許可メッセージを受信する。第2のUEは、それにアドレス指定されたRRC接続設定メッセージを適切に受信してデコードする。双方のUEは、RRC接続設定完了メッセージで応答することにより、処理を完了してもよい。
【0090】
図11及び12は、本発明による複数のスケジューリング許可チャネルを使用した競合回避及び解決処理を示している。或るシステムは、ネットワークからUEにスケジューリング許可メッセージを通信するために複数のチャネル(例えば、複数のSPCCHチャネル)を構成してもよい。これらのチャネルは予め構成されてもよく、標準により規定されてもよく、UEに送信されてもよい(例えば、ブロードキャストチャネル又は他のシステム制御シグナリングを介して送信されてもよい)。
【0091】
UEは、後にスケジューリング許可メッセージを監視するために、構成された複数のチャネルから一部(すなわち単一のチャネル又は複数のチャネル)を導出又は選択してもよい。UEが監視する導かれたチャネルの一部は、チャネルセットと呼ばれてもよい。上りリンクメッセージを使用して、UEは、パラメータを使用して明示的に、又は特定の物理リソースを使用することにより暗示的に、チャネルセットを通信してもよい。チャネルセット又はチャネルセットの指示を通信することにより、ネットワークは、同じ一時識別子を導くことになったが、好都合に異なるチャネルを導いたUEを区別してもよい。図11は、チャネルセットの指示を有する初期のメッセージを送信することにより、チャネルセットをネットワークに明示的に通信するUEの例を示している。図12は、初期のメッセージをネットワークに送信するために特定の上りリンク物理リソースを使用することにより、チャネルセットを暗示的に通信するUEの例を示している。
【0092】
図11において、ネットワーク装置と接続を確立する前に、第1のUEは、前述の一時識別子(temp ID)を導く。第1のUEはまた、チャネルセットを導く。すなわち、UEは、将来にスケジューリング許可メッセージを監視するスケジューリング許可チャネル(SPCCH)を選択する。代替として、1つより多くの構成されたスケジューリング許可チャネル(SPCCH)を選択してもよい。これはチャネルセットと呼ばれる。
【0093】
UEがスケジューリング許可メッセージを監視する単一のチャネル又は複数のチャネルを有するチャネルセットを導くために、UEは、以下のパラメータの1つ又は組み合わせに基づいてチャネルセットを選択してもよい。(1)TMSI、IMSI又はIMEIのようなUEのグローバルUE識別子、(2)導かれた一時識別子、及び(3)UEが初期のメッセージを送信するために使用する物理リソースの1つ以上の特性。物理リソースの特性は、時間パラメータ(システムクロック、スーパーフレーム番号、無線フレーム番号、サブフレーム番号、タイムスロット番号等)と、周波数パラメータ(周波数帯域、チャネル番号又はサブキャリア番号等)と、符号(ミッドアンブル符号、スクランブル符号、チャネリゼーション符号、時間周波数符号又は直交符号等)とを有する。
【0094】
この例は、第1のUEがチャネルセット共に一時識別子(temp ID)を導くことを示している。チャネルセットは、単一のSPCCHチャネル番号又は一式の複数のSPCCHチャネル番号でもよい。チャネルセットは、チャネル指示(例えばチャネル指示#1)により表されてもよい。例えば、チャネルセットは、UEとネットワークとの双方に既知のテーブルへのインデックスを表すチャネル指示値を送信することにより通信されてもよい。テーブルのエントリは単一のチャネル番号を表してもよく、一式の可能なチャネルからの複数のチャネルを表してもよい。
【0095】
次に、第1のUEは、選択された一時識別子とチャネル指示との双方を有する初期のメッセージを送信し、スケジューリング許可メッセージを送信するためにネットワークがどの1つ以上のチャネルを使用するべきかをネットワークに通信する。例えば、初期のメッセージは、スケジューリングされた上りリンク無線リソースのスケジューリング要求でもよく、スケジューリングされない上りリンク無線リソースでの接続設定処理中に第1のメッセージとして送信されたRRC接続要求メッセージでもよい。或る実施例では、UEは、図10を参照して前述した衝突検出及び解決に使用するために、グローバルUE識別子(TMSI、IMSI又はIMEI)を送信してもよい。初期のメッセージを受信すると、ネットワークは、一時識別子とチャネルセットとの対を特定のUE(例えば第1のUE)に関連付けてもよい。
【0096】
この例は、第2のUEが同時に又は少し後に接続を開始することを更に示している。第2のUEは、一時識別子とチャネル指示(例えばチャネル指示#2)により表されるチャネルセットとを同様に導く。説明目的で、この例は、第2のUEが第1のUEと同じ一時識別子(temp ID#1)を導いたことを示している。しかし、第2のUEは、異なるチャネルセットを選択している。第2のUEは、初期のメッセージで一時識別子とチャネル指示とをネットワークに送信する。初期のメッセージの受信時に、ネットワークは、受信した一時識別子とチャネルセットとの対を第2のUEに関連付けてもよい。
【0097】
この時点で、双方のUEは同じ一時IDに関連するが、それぞれのチャネル指示パラメータに示される異なる重複しないSPCCHチャネルセットの選択のため、意図しない交差通信は回避され得る。第1及び第2のUEは異なるSPCCHチャネルを監視するため、双方のUEをアドレス指定するために共通に導かれた一時識別子がネットワークにより使用され得る。ネットワークは、同じ一時識別子で双方のUEをアドレス指定するが、チャネル指示#1により示されたチャネルの1つで第1のUEにスケジューリングメッセージを送信し、チャネル指示#2により示されたチャネルの1つで第2のUEに他のスケジューリングメッセージを送信する。従って、各UEは、他のUEにアドレス指定されたスケジューリング許可メッセージを処理しない。
【0098】
従って、2つのUEが異なるSPCCHチャネルセットを選択するため、各UEについて一意の共有チャネル通信コンテキストがシステムにより形成される。チャネル指示を通信することは、競合の可能性を完全には除去しない可能性がある。この理由は、2つのUEが依然として同じ一時識別子と同じチャネルセットとを導く可能性があるからである。この場合、本発明に関して図9及び10を参照して前述した競合解決手順が適用されてもよい。
【0099】
更に図11に示すように、ネットワークは、(1)一時識別子(temp ID#1)とチャネル指示(チャネル指示#1)とを受信するステップ、(2)下りリンク又は上りリンク共有チャネルリソースを割り当てるステップ、(3)受信したチャネル指示からスケジューリング許可チャネル(チャネル#1)を決定するステップ、(4)チャネル#1でtemp ID#1にアドレス指定され、割り当てられた上りリンク又は下りリンク共有チャネルリソースの記述を含むスケジューリング許可メッセージを送信するステップ、及び(5)割り当てられた共有チャネルリソースでデータを送信又は受信することによりデータを通信するステップを使用して、スケジューリングされた共有チャネルで第1のUEとデータを通信してもよい。同様に、ネットワークは、(1)一時識別子(temp ID#2)とチャネル指示(チャネル指示#2)とを受信するステップ、(2)下りリンク又は上りリンク共有チャネルリソースを割り当てるステップ、(3)受信したチャネル指示からスケジューリング許可チャネル(チャネル#2)を決定するステップ、(4)チャネル#2でtemp ID#1にアドレス指定され、割り当てられた上りリンク又は下りリンク共有チャネルリソースの記述を含むスケジューリング許可メッセージを送信するステップ、及び(5)割り当てられた共有チャネルリソースでデータを送信又は受信することによりデータを通信するステップを使用して、スケジューリングされた共有チャネルで第2のUEと同時に又は実質的に同時に通信してもよい。
【0100】
図6A、7A及び8Aを参照して前述したものと同じ方法で、ネットワークは、各UEが一意の一時識別子を割り当てられるために、1つ又は双方のUEに置換一時識別子を更に再割り当てしてもよい。従って、スケジューリング許可メッセージを各UEに送信するときに、潜在的に許可チャネルの制限の必要性を除去する。更に、或る実施例では、ネットワークは、UEが異なる一式のSPCCHチャネルを使用することを許可してもよい。例えば、ネットワークは、UEに一意の置換一時識別子を再割り当てし、ネットワークが何らかの下りリンクSPCCHチャネルで上りリンク又は下りリンク共有チャネルリソースのスケジューリング許可を伝達することを可能にしてもよい。
【0101】
図12では、UEは、チャネルセットを暗示的に通信する。第1のUEは一時識別子を導き、ネットワーク装置と接続を確立する前に物理リソース(物理リソース#1)を導く。物理リソースは、その時間、周波数及び符号パラメータにより特徴付けられてもよい。図示の実施例では、UEは、物理リソースをまさに使用することにより、チャネルセットを暗示的に通信してもよい。ネットワークは、UEにより使用されるチャネルセットを推測するために、物理リソースの1つ以上の特性を使用してもよい。
【0102】
或る実施例では、UEは、チャネルセットを決定し、決定されたチャネルセットに基づいて何の物理リソースで初期のメッセージを送信するべきかを決定してもよい。他の実施例では、UEは、初期のメッセージを送信するために物理リソースを決定し、決定された物理リソースに基づいてチャネルセットを決定してもよい。ネットワークは、チャネルセットを決定するために、UEにより使用される物理リソースの特性を使用してもよい。例えば、初期のメッセージの時間(例えばタイムスロット)は、特定の下りリンクスケジューリングチャネル又はチャネルのセットがUEにより監視されることをネットワークに示してもよい。一時識別子を受信すると、ネットワークは、物理リソース(物理リソース#1)の1つ以上の特性に基づいて、一時識別子を特定の1つ以上のスケジューリング許可チャネル(SPCCH)に関連付けてもよい。或る実施例では、SPCCHチャネル番号又はチャネルセットとの一時識別子又は物理リソースの関連付けは、時間の関数として変化してもよい。代替として、関連付けは、RRC接続要求メッセージ内で受信したグローバルUE IDに基づいてもよい。各UEは、送信された一時識別子とチャネルセットとの間で、ネットワークにより形成されたものと同じ関連付けを形成する。この関連付けは、UEとネットワークとの双方で同様に行われてもよい。ネットワークは、一時識別子とチャネルセットとの対を特定のUE(この場合は第1のUE)に更に関連付ける。
【0103】
同時に又は少し後に、第2のUEが接続確立手順を開始するように図示されている。第2のUEは一時識別子を導き、初期のメッセージをネットワークに送信する。初期のメッセージを受信すると、ネットワークは、同様にチャネルセットを決定し、物理リソース(物理リソース#2)の特性に基づいて一時識別子と1つ以上の特定のSPCCHチャネル番号とを関連付ける。
【0104】
或る実施例では、一時識別子と示されたチャネルセットとの間の関連付けは、時間の周期関数に基づく。従って、一時識別子とチャネルセットとの間の関連付けが繰り返されないように、2つの初期のメッセージの送信の間に及ぶ期間内に有限の一式のアクセス期間インスタンス(access period instance)が構成される。従って、後の時点での第2のUEによるtemp ID#1の送信は、そのtemp ID#1が第1のUEに関連付けられたものと異なるSPCCHチャネル番号に関連付けられることをもたらす。図示の例では、temp ID#1は、第1のUEのSPCCHチャネル#1に関連するが、temp ID#1は第2のUEのSPCCHチャネル#2に関連する。従って、ネットワークは、事前にUEとネットワークとの双方に既知のスケジューリング許可チャネルを使用して、UEにスケジューリング許可メッセージを送信してもよく、スケジューリング許可メッセージにより示された1つ以上のスケジューリングされた共有チャネルで第1及び第2のUEと一意にデータを通信してもよい。
【0105】
この時点で、双方のUEは同じ一時識別子に関連するが、異なるSPCCHチャネル番号との関連付けのため、前述のように意図しない交差通信は回避され得る。従って、異なる物理リソースを使用して接続確立が開始されており、従って、UEは異なるSPCCHに関連し得るという事実のため、各UEについて一意の共有チャネル通信コンテキストがシステムにより形成される。或る実施例では、この方法は、所定の期間内に非同時アクセスを試みる接続の可能性を完全に除去する。複数のUEが共通の一時識別子を導くが、それぞれ異なる物理リソースで初期のメッセージを送信する場合、UEが置換一時識別子を再割り当てされると、衝突が回避され得る。他方、複数のUEが共通の一時識別子を導き、また、同じ物理リソースで初期のメッセージを送信する場合、競合を受ける可能性があり、衝突は図9及び10を参照して前述したような競合解決手順を使用して解決され得る。
【0106】
実質的に競合のないアクセスの長さは、利用可能なSPCCHの数と、一時識別子とSPCCHチャネル番号との間の関連付けを記述するパターンの長さ及び性質との関数でもよい。従って、関連付けのパターンが時間で繰り返す前に、ネットワークがシステムにアクセスする各UEに一意置換識別子を割り当てることが有利になる。従って、関連付けのパターンが置換一時識別子を割り当てるために必要な最大予想時間に相応した長さを有するように設計することにより、この方式の効率が最適化され得る。
【0107】
特定の実施例及び例示的な図面に関して本発明を説明したが、本発明は、記載の実施例又は図面に限定されないことを当業者は認識する。例えば、前述の多数の実施例は、3GPPシステム及びE-UTRAN(evolved UMTS Terrestrial Radio Access Network)の用語を参照する。より一般的に、或る実施例は、TDD(time division duplex)方式又はFDD(frequency division duplex)方式で動作するCDMA(code division multiple access)送信機/受信機の対を使用したトランシーバを有してもよい。代替として、トランシーバは、TDMAシステム、FDMAシステム、OFDMシステム、又はこれらのハイブリッド(例えば、TDMA/FDMA、TDMA/CDMA、TDMA/OFDM及びTDMA/OFDM/CDMA)で使用されるような非符号分割のトランシーバでもよい。トランシーバは、バーストで動作してもよく、信号ストリームで動作してもよい。
【0108】
提供される図面は単に表現的なものであり、縮尺通りでないことがある。この特定の部分は誇張されることがあり、他の部分は最小化されることがある。図面は、当業者により理解されて適切に実行され得る本発明の様々な実装を示すことを意図する。従って、本発明は、特許請求の範囲の要旨及び範囲内で変更及び置換して実施され得ることがわかる。説明は、網羅的であることを意図せず、開示された正確な形式に本発明を限定することを意図しない。本発明は、変更及び置換して実施可能であり、本発明は、特許請求の範囲及びその均等のみにより限定されることがわかる。
【0109】
以上の実施例に関し、更に、以下の項目を開示する。
【0110】
(1)ユーザ装置とネットワーク装置との間で無線通信システムの共有物理リソースで無線接続及びその後の通信を開始する方法であって、
前記ユーザ装置により、
一時識別子を導き、
チャネルセットを導き、
初期のメッセージを前記ネットワーク装置に送信し、前記初期のメッセージは前記一時識別子を有し、
前記一時識別子と共有チャネルでのスケジューリングされたリソースの記述とを伝達する下りリンクメッセージを受信し、前記スケジューリングされたリソースは、前記ネットワーク装置により前記ユーザ装置に割り当てられたリソースを有し、
前記下りリンクメッセージに応じて前記スケジューリングされたリソースでデータを通信することを有する方法。
【0111】
(2)前記チャネルセットは、単一のチャネルを有する、(1)に記載の方法。
【0112】
(3)前記チャネルセットは、複数のチャネルを有する、(1)に記載の方法。
【0113】
(4)前記チャネルセットを導くことは、複数のチャネルセットから前記チャネルセットをランダムに選択することを有する、(1)に記載の方法。
【0114】
(5)前記チャネルセットを導くことは、グローバルUE識別子に基づいて前記チャネルセットを決定することを有する、(1)に記載の方法。
【0115】
(6)前記グローバルUE識別子は、TMSI(temporary mobile subscriber identity)、IMSI(international mobile subscriber identity)、又はIMEI(international mobile equipment identity)のうち1つを有する、(5)に記載の方法。
【0116】
(7)前記チャネルセットを導くことは、物理リソースの1つ以上の特性の関数として前記チャネルセットを決定することを有し、
前記初期のメッセージを送信することは、前記物理リソースで前記初期のメッセージを送信することを有する、(1)に記載の方法。
【0117】
(8)前記物理リソースの特性は、時間のパラメータを有する、(7)に記載の方法。
【0118】
(9)前記物理リソースの特性は、周波数のパラメータを有する、(7)に記載の方法。
【0119】
(10)前記物理リソースの特性は、符号のパラメータを有する、(7)に記載の方法。
【0120】
(11)前記チャネルセットを導くことは、物理リソースの特性、グローバルUE識別子、及び前記一時識別子のうち1つ以上に基づいて前記チャネルセットを決定することを有する、(1)に記載の方法。
【0121】
(12)前記初期のメッセージは、グローバルUE識別子を更に有する、(1)に記載の方法。
【0122】
(13)物理リソースを決定することを更に有し、
前記初期のメッセージを送信することは、前記決定された物理リソースに従って前記初期のメッセージを送信することを有する、(1)に記載の方法。
【0123】
(14)前記チャネルセットの指示を伝達することを更に有する、(1)に記載の方法。
【0124】
(15)前記チャネルセットの指示を暗示的に通信することを更に有する、(1)に記載の方法。
【0125】
(16)前記初期のメッセージを前記ネットワーク装置に送信することは、スケジューリング要求メッセージを送信することを有する、(1)に記載の方法。
【0126】
(17)前記初期のメッセージを前記ネットワーク装置に送信することは、RRC接続要求メッセージを送信することを有する、(1)に記載の方法。
【0127】
(18)前記初期のメッセージを送信した後、且つ前記下りリンクメッセージを受信する前にタイムアウトし、
異なる物理リソースを決定し、
前記異なる物理リソースで新しい初期のメッセージを送信することを更に有する、(1)に記載の方法。
【0128】
(19)チャネルセットと一時識別子との間の関連付けを変更することを更に有する、(1)に記載の方法。
【0129】
(20)チャネルセットと物理リソースの1つ以上の特性との間の関連付けを変更することを更に有する、(1)に記載の方法。
【0130】
(21)時間の関数としてチャネルセットの関連付けを変更することを更に有する、(1)に記載の方法。
【0131】
(22)前記ネットワーク装置から信号を受信したことに応じてチャネルセットの関連付けを変更することを更にする、(1)に記載の方法。
【0132】
(23)前記無線通信システムは、E-UTRAN(evolved UMTS Terrestrial Radio Access Network)を有する、(1)に記載の方法。
【0133】
(24)ユーザ装置とネットワーク装置との間で無線通信システムの共有物理リソースで無線接続及びその後の通信を開始する際に使用されるユーザ装置であって、
メモリと、
前記メモリに結合されたプロセッサと、
前記プロセッサで実行可能なプログラムコードと
を有し、
前記プログラムコードは、
一時識別子を導き、
チャネルセットを導き、
初期のメッセージを前記ネットワーク装置に送信し、前記初期のメッセージは前記一時識別子を有し、
前記一時識別子と共有チャネルでのスケジューリングされたリソースの記述とを伝達する下りリンクメッセージを受信し、前記スケジューリングされたリソースは、前記ネットワーク装置により前記ユーザ装置に割り当てられたリソースを有し、
前記下りリンクメッセージに応じて前記スケジューリングされたリソースでデータを通信するように動作可能であるユーザ装置。
【0134】
(25)前記チャネルセットを導くことは、複数のチャネルセットから前記チャネルセットをランダムに選択することを有する、(24)に記載のユーザ装置。
【0135】
(26)前記チャネルセットを導くことは、物理リソースの1つ以上の特性の関数として前記チャネルセットを決定することを有し、
前記初期のメッセージを送信することは、前記物理リソースで前記初期のメッセージを送信することを有する、(24)に記載のユーザ装置。
【0136】
(27)前記一時識別子を前記ネットワーク装置に送信することは、前記一時識別子と前記スケジューリングされたリソースの要求とを有する第1の上りリンクメッセージ内で前記一時識別子を送信することを有する、(24)に記載のユーザ装置。
【0137】
(28)前記チャネルセットを導くことは、物理リソースの特性、グローバルUE識別子、及び一時識別子のうち1つ以上に基づいて前記チャネルセットを決定することを有する、(24)に記載のユーザ装置。
【0138】
(29)前記プログラムコードは、物理リソースを決定するように更に動作可能であり、
前記初期のメッセージを送信することは、前記決定された物理リソースに従って前記初期のメッセージを送信することを有する、(24)に記載のユーザ装置。
【0139】
(30)前記プログラムコードは、前記チャネルセットの指示を伝達するように更に動作可能である、(24)に記載のユーザ装置。
【0140】
(31)前記プログラムコードは、前記チャネルセットの指示を暗示的に通信するように更に動作可能である、(24)に記載のユーザ装置。
【0141】
(32)ユーザ装置とネットワーク装置との間で無線通信システムの共有物理リソースで無線接続及びその後の通信を開始する際に使用されるネットワーク装置であって、
メモリと、
前記メモリに結合されたプロセッサと、
前記プロセッサで実行可能なプログラムコードと
を有し、
前記プログラムコードは、
前記ユーザ装置により送信された初期のメッセージを受信し、
チャネルセットを決定し、
前記ユーザ装置にスケジューリングされたリソースを割り当て、前記スケジューリングされたリソースは、共有チャネルのリソースを有し、
前記チャネルセットにより示されるチャネルで下りリンクメッセージを送信し、前記下りリンクメッセージは、一時識別子と前記スケジューリングされたリソースの記述とを伝達し、
前記下りリンクメッセージに応じて前記スケジューリングされたリソースでデータを通信するように動作可能であるネットワーク装置。
【0142】
(33)前記チャネルセットを決定することは、前記初期のメッセージからチャネル指示を抽出することを有し、前記チャネル指示は、前記チャネルセットを示す、(32)に記載のネットワーク装置。
【0143】
(34)前記チャネルセットを決定することは、前記初期のメッセージを伝達する前記物理リソースから前記チャネルセットを決定することを有する、(32)に記載のネットワーク装置。
【0144】
(35)前記プログラムコードは、チャネルセットと物理リソースの1つ以上の特性との間の関連付けの変更を前記UEに通信するように更に動作可能である、(32)に記載のネットワーク装置。
【0145】
(36)ユーザ装置とネットワーク装置との間で無線通信システムの共有物理リソースで無線接続及びその後の通信を開始するプログラムコードを有するコンピュータプログラムプロダクトであって、
一時識別子を導き、
チャネルセットを導き、
初期のメッセージをネットワーク装置に送信し、前記初期のメッセージは前記一時識別子を有し、
前記一時識別子と共有チャネルでのスケジューリングされたリソースの記述とを伝達する下りリンクメッセージを受信し、前記スケジューリングされたリソースは、前記ネットワーク装置により前記ユーザ装置に割り当てられたリソースを有し、
前記下りリンクメッセージに応じて前記スケジューリングされたリソースでデータを通信するプログラムコードを有するコンピュータプログラムプロダクト。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ装置とネットワーク装置との間で無線通信システムの共有物理リソースで無線接続及びその後の通信を開始する方法であって、
前記ユーザ装置は、
一時識別子を導き、
チャネルセットを導き、
初期のメッセージを前記ネットワーク装置に送信し、前記初期のメッセージは前記一時識別子を有し、
前記チャネルセットにより示されるチャネルで、前記一時識別子とスケジューリングされた共有チャネルのリソースの記述とを伝達する下りリンクメッセージを受信し、前記スケジューリングされたリソースは、前記ネットワーク装置により前記ユーザ装置に割り当てられたリソースを有し、
前記下りリンクメッセージに応じて、前記スケジューリングされたリソースでデータを通信することを有する方法。
【請求項2】
前記チャネルセットは、単一のチャネルを有する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記チャネルセットは、複数のチャネルを有する、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記チャネルセットを導くことは、複数のチャネルセットから前記チャネルセットをランダムに選択することを有する、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記チャネルセットを導くことは、グローバルUE識別子に基づいて前記チャネルセットを決定することを有する、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記グローバルUE識別子は、TMSI(temporary mobile subscriber identity)、IMSI(international mobile subscriber identity)、又はIMEI(international mobile equipment identity)のうち1つを有する、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記チャネルセットを導くことは、物理リソースの1つ以上の特性の関数として前記チャネルセットを決定することを有し、
前記初期のメッセージを送信することは、前記物理リソースで前記初期のメッセージを送信することを有する、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記物理リソースの特性は、時間のパラメータ、周波数のパラメータ及び符号のパラメータのグループのうち少なくとも1つを有する、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記チャネルセットを導くことは、物理リソースの特性、グローバルUE識別子、及び前記一時識別子のうち1つ以上に基づいて前記チャネルセットを決定することを有する、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記初期のメッセージは、グローバルUE識別子を更に有する、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
物理リソースを決定することを更に有し、
前記初期のメッセージを送信することは、前記決定された物理リソースに従って前記初期のメッセージを送信することを有する、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記チャネルセットの指示を伝達することを更に有する、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記チャネルセットの指示を暗示的に通信することを更に有する、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記初期のメッセージを前記ネットワーク装置に送信することは、スケジューリング要求メッセージを送信すること及びRRC接続要求メッセージを送信することのグループのうち1つを有する、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記初期のメッセージを送信した後、且つ前記下りリンクメッセージを受信する前にタイムアウトし、
異なる物理リソースを決定し、
前記異なる物理リソースで新しい初期のメッセージを送信することを更に有する、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
チャネルセットと一時識別子との間の関連付けを変更することを更に有する、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
チャネルセットと物理リソースの1つ以上の特性との間の関連付けを変更することを更に有する、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
時間の関数としてチャネルセットの関連付けを変更することを更に有する、請求項1に記載の方法。
【請求項19】
前記ネットワーク装置から信号を受信したことに応じてチャネルセットの関連付けを変更することを更にする、請求項1に記載の方法。
【請求項20】
前記無線通信システムは、E-UTRAN(evolved UMTS Terrestrial Radio Access Network)を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項21】
ユーザ装置とネットワーク装置との間で無線通信システムの共有物理リソースで無線接続及びその後の通信を開始する際に使用されるユーザ装置であって、
メモリと、
前記メモリに結合されたプロセッサと、
前記プロセッサで実行可能なプログラムコードと
を有し、
前記プログラムコードは、
一時識別子を導き、
チャネルセットを導き、
初期のメッセージを前記ネットワーク装置に送信し、前記初期のメッセージは前記一時識別子を有し、
前記チャネルセットにより示されるチャネルで、前記一時識別子とスケジューリングされた共有チャネルのリソースの記述とを伝達する下りリンクメッセージを受信し、前記スケジューリングされたリソースは、前記ネットワーク装置により前記ユーザ装置に割り当てられたリソースを有し、
前記下りリンクメッセージに応じて、前記スケジューリングされたリソースでデータを通信するように動作可能であるユーザ装置。
【請求項22】
前記チャネルセットを導くことは、複数のチャネルセットから前記チャネルセットをランダムに選択することを有する、請求項21に記載のユーザ装置。
【請求項23】
前記チャネルセットを導くことは、物理リソースの1つ以上の特性の関数として前記チャネルセットを決定することを有し、
前記初期のメッセージを送信することは、前記物理リソースで前記初期のメッセージを送信することを有する、請求項21に記載のユーザ装置。
【請求項24】
前記一時識別子を前記ネットワーク装置に送信することは、前記一時識別子と前記スケジューリングされたリソースの要求とを有する第1の上りリンクメッセージ内で前記一時識別子を送信することを有する、請求項21に記載のユーザ装置。
【請求項25】
前記チャネルセットを導くことは、物理リソースの特性、グローバルUE識別子、及び一時識別子のうち1つ以上に基づいて前記チャネルセットを決定することを有する、請求項21に記載のユーザ装置。
【請求項26】
前記プログラムコードは、物理リソースを決定するように更に動作可能であり、
前記初期のメッセージを送信することは、前記決定された物理リソースに従って前記初期のメッセージを送信することを有する、請求項21に記載のユーザ装置。
【請求項27】
前記プログラムコードは、前記チャネルセットの指示を伝達するように更に動作可能である、請求項21に記載のユーザ装置。
【請求項28】
前記プログラムコードは、前記チャネルセットの指示を暗示的に通信するように更に動作可能である、請求項21に記載のユーザ装置。
【請求項29】
ユーザ装置とネットワーク装置との間で無線通信システムの共有物理リソースで無線接続及びその後の通信を開始する際に使用されるネットワーク装置であって、
メモリと、
前記メモリに結合されたプロセッサと、
前記プロセッサで実行可能なプログラムコードと
を有し、
前記プログラムコードは、
前記ユーザ装置により送信された初期のメッセージを受信し、
チャネルセットを決定し、
前記ユーザ装置にスケジューリングされたリソースを割り当て、前記スケジューリングされたリソースは、共有チャネルのリソースを有し、
前記チャネルセットにより示されるチャネルで下りリンクメッセージを送信し、前記下りリンクメッセージは、一時識別子と前記スケジューリングされたリソースの記述とを伝達し、
前記下りリンクメッセージに応じて、前記スケジューリングされたリソースでデータを通信するように動作可能であるネットワーク装置。
【請求項30】
前記チャネルセットを決定することは、前記初期のメッセージからチャネル指示を抽出することを有し、前記チャネル指示は、前記チャネルセットを示す、請求項29に記載のネットワーク装置。
【請求項31】
前記チャネルセットを決定することは、前記初期のメッセージを伝達する前記物理リソースから前記チャネルセットを決定することを有する、請求項29に記載のネットワーク装置。
【請求項32】
前記プログラムコードは、チャネルセットと物理リソースの1つ以上の特性との間の関連付けの変更を前記UEに通信するように更に動作可能である、請求項29に記載のネットワーク装置。
【請求項33】
ユーザ装置とネットワーク装置との間で無線通信システムの共有物理リソースで無線接続及びその後の通信を開始させるためのコンピュータプログラムであって、
一時識別子を導き、
チャネルセットを導き、
初期のメッセージをネットワーク装置に送信し、前記初期のメッセージは前記一時識別子を有し、
前記チャネルセットにより示されるチャネルで、前記一時識別子とスケジューリングされた共有チャネルのリソースの記述とを伝達する下りリンクメッセージを受信し、前記スケジューリングされたリソースは、前記ネットワーク装置により前記ユーザ装置に割り当てられたリソースを有し、
前記下りリンクメッセージに応じて、前記スケジューリングされたリソースでデータを通信する手順を実行させるためのコンピュータプログラム。
【請求項34】
無線通信システムにおいて、共有物理リソースを用いてネットワーク装置との間で無線接続及びその後の通信を開始するユーザ装置であって、
一時識別子を生成する手段と、
初期のメッセージを前記ネットワーク装置に送信し、前記初期のメッセージは前記一時識別子を有する手段と、
チャネルセットを特定する手段と、
前記一時識別子とスケジューリングされた共有チャネルのリソースの記述とを伝達し、前記スケジューリングされた共有チャネルのリソースは前記ネットワーク装置により前記ユーザ装置に割り当てられたリソースである、下りリンクメッセージを前記特定されたチャネルセットにより示されるチャネルで受信する手段と、
前記下りリンクメッセージに応じて、前記スケジューリングされた共有チャネルのリソースでデータを通信する手段と
を有するユーザ装置。
【請求項35】
無線通信システムにおいて、共有物理リソースを用いてユーザ装置との間で無線接続及びその後の通信を開始するネットワーク装置であって、
前記ユーザ装置から送信された、前記ユーザ装置によって特定された一時識別子を伝達する初期メッセージを受信する手段と、
チャネルセットを特定する手段と、
前記ユーザ装置に、スケジューリングされた共有チャネルのリソースを割り当てる手段と、
前記一時識別子と前記スケジューリングされた共有チャネルのリソースの記述とを伝達する下りリンクメッセージを前記特定されたチャネルセットにより示されるチャネルで送信する手段と、
前記下りリンクメッセージに応じて、前記スケジューリングされた共有チャネルのリソースでデータを通信する手段と
を有するネットワーク装置。

【図1A】
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【図1B】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7A】
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【図7B】
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【図8A】
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【図8B】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2011−244474(P2011−244474A)
【公開日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−158216(P2011−158216)
【出願日】平成23年7月19日(2011.7.19)
【分割の表示】特願2008−549013(P2008−549013)の分割
【原出願日】平成19年1月4日(2007.1.4)
【出願人】(510336222)ワイヤレス テクノロジー ソリューションズ エルエルシー (6)
【Fターム(参考)】