無線通信システムにおける送信管理の方法および装置
【課題】無線通信システムにおける複数ポーリングおよび省電力のための送信管理の方法および装置に関する。
【解決手段】少なくとも1つのアクセスポイント(AP)と複数の局(STA)とを備える無線通信システムにおいて、無線媒体の送信管理方法が、複数のSTAの、スケジュールされたアップリンク送信時間(ULT)の情報を有する複数受信機集約複数ポーリング/省電力集約記述子(MMP/PSAD)フレームを、APが構成することを含む。そしてAPは、そのMMP/PSADフレームを複数のSTAに送信する。STAは、MMP/PSADフレームを正常に受信および復号した後、スケジュールされたULTの間に送信を行う。
【解決手段】少なくとも1つのアクセスポイント(AP)と複数の局(STA)とを備える無線通信システムにおいて、無線媒体の送信管理方法が、複数のSTAの、スケジュールされたアップリンク送信時間(ULT)の情報を有する複数受信機集約複数ポーリング/省電力集約記述子(MMP/PSAD)フレームを、APが構成することを含む。そしてAPは、そのMMP/PSADフレームを複数のSTAに送信する。STAは、MMP/PSADフレームを正常に受信および復号した後、スケジュールされたULTの間に送信を行う。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信システムにおけるデータ送信に関する。特に、本発明は、無線通信システムにおける複数ポーリングおよび省電力のための送信管理の方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
IEEE 802.11規格案(特に、IEEE 802.11n規格)を実装することにより、高スループット(HT)の無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)装置が使用可能になる。高スループットを達成しうる、そのような方法の1つは、媒体アクセス制御(MAC)層および物理(PHY)層の両方で信号集約(signal aggregation)を行う方法である。集約(aggregate)が単一受信機アドレスにアドレス指定される場合、これを単一受信機集約(Single Receiver Aggregate)(SRA)と呼ぶ。集約が複数受信機にアドレス指定される場合、これを複数受信機集約(Multiple Receiver Aggregate)(MRA)と呼ぶ。
【0003】
MRAは、複数受信機集約複数ポーリング(Multiple Receiver Aggregate Multi−Poll)(MMP)シーケンスまたは省電力集約記述子(Power Save Aggregation Descriptor)(PSAD)の間に送信されることが可能である。この集約は、システム性能を向上させる傾向があり、さらに、MMP/PSADの場合には、省電力の仕組みを提供する。
【0004】
同じ受信機に送信される1つまたは複数のMACサービスデータユニット(MSDU)は、単一の集約MSDU(A−MSDU)に集約されることが可能である。このように複数のフレームを集約すると、MAC層の効率が向上し、特に、送信制御プロトコル受領確認(Transmission Control Protocol Acknowledgement)(TCP ACK)のような小さなMSDUが多数ある場合に向上する。その結果、チャネルアクセスに関連するオーバヘッド(物理層コンバージェンスプロトコル(PLCP)のプリアンブル、MACヘッダ、IFS間隔など)を、2個以上のMSDUにならすことが可能である。さらに、STAは、受信機がMSDU集約をサポートしていることがわかっていれば、MSDU集約を用いるだけでよい。場合によっては、受信機側でのMSDU集約のサポートは必須である。
【0005】
図1は、例示的なA−MSDUフレーム10を示す。A−MSDUフレーム10は、複数のサブフレームヘッダフィールド11と、(MSDU1...MSDUnで示された)複数のMSDUフィールド12とを含む。各サブフレームヘッダフィールド11は、MSDU長さフィールド13と、ソースアドレスフィールド14と、宛先アドレスフィールド15とを含む。典型的には、サブフレームヘッダフィールド11は、フレームがその受信機に向けられているかどうかを受信機が解読することを支援するために、MSDUと分離される。通常、MSDU長さフィールド13は、長さを含み、ソースアドレスフィールド14は、送信機のアドレスを含み、宛先アドレスフィールド15は、受信機のアドレスを含む。一般には、A−MSDU 10を形成するために、2個以上のMSDUが集約される。
【0006】
複数のMACプロトコルデータユニット(MPDU)を結合することにより、別のタイプの集約を形成することが可能である。図2は、例示的な集約MPDU(A−MPDU)フレーム20を示す。A−MPDUフレーム20は、複数のMPDUデリミタフィールド21と、(MPDU1...MPDUnで示された)複数のMPDUフィールド22とを含む。各MPDUデリミタフィールド21はまた、予約フィールド31と、MSDU長さフィールド24と、巡回冗長検査(CRC)フィールド25と、一意パターンフィールド26とを含む。A−MPDUフレーム20は、典型的には、単一の集約PLCPサービスデータユニット(A−PSDU)として搬送される。さらに、必要に応じて、MPDUn以外の各MPDUフィールド22セクションの長さを4個のオクテットの倍数にするために、パディングオクテット(図示せず)が付加される。
【0007】
MPDUデリミタフィールド21の目的の1つは、集約内のMPDU 22を区切ることである。たとえば、1つまたは複数のMPDUデリミタが受信時にエラーを含んでいても、通常は、集約の構造を回復することが可能である。さらに、個々のMPDUデリミタフィールド21は、前後のMPDU 22と同等のブロックエラーレート(BER)を有するため、送信中に失われてもよい。
【0008】
A−MPDUフレーム20を使用することの一利点は、これらが、A−MSDUと異なり、複数の受信機に集約されることが可能なことである。すなわち、複数受信機集約(multiple−receiver aggregate)(MRA)は、複数の受信機にアドレス指定されたMPDUを含むことが可能である。さらに、MRAは、MMP/PSADシーケンスの間に送信されるかどうかによって区別される2つのコンテクストのいずれかのかたちで送信されることが可能である。複数の応答が必要な場合、それらは、MMPまたはPSADフレームの送信によってスケジュールされることが可能である。
【0009】
図3は、典型的な複数受信機集約複数ポーリング(MMP)フレーム30を示す。MMPフレーム30は、フレーム制御フィールド31と、継続時間フィールド32と、受信機アドレス(RA)フィールド33と、送信機アドレス(TA)フィールド34と、受信機の数(N)フィールド35と、受信機情報フィールド36と、フレームチェックシーケンス(FCS)フィールド37とを含む。RAフィールド33は、典型的には、グループのブロードキャストアドレスである。TAフィールド34は、典型的には、MRA集約を送信する無線送受信機(WTRU)のアドレスである。受信機の数(N)フィールド35は、MRA集約に含まれるMPDUの宛先の受信機の数を含む。
【0010】
さらに、受信機情報フィールド36は、関連付け識別子(AID)フィールド61、送信識別子(TID)フィールド62、新規PPDUフラグフィールド63、予約フィールド64、受信(Rx)オフセットフィールド65、Rx継続時間フィールド66、送信(Tx)オフセットフィールド67、Tx継続時間フィールド68などの、複数のサブフィールドを含む。AIDフィールド61は、フレームによってアドレス指定された局(STA)を識別する。TIDフィールド62は、送信用TIDをSTAで定義する。新規PPDUフラグフィールド63は、STAへのダウンリンク(DL)が、PPDUの開始時に始まることを示す。Rxオフセットフィールド65は、STA向けDLデータを含む第1シンボルの開始を定義する。Rx継続時間フィールド66は、ダウンリンクの長さを定義する。Txオフセットフィールド67は、STAによる送信の開始が可能な時刻を定義し、Tx継続時間フィールド68は、送信の継続時間の限界を定義する。
【0011】
図4は、典型的な省電力集約記述子(PSAD)フレーム40を示す。PSADフレーム40は、フレーム制御フィールド41と、継続時間フィールド42と、RAフィールド43と、TAフィールド44と、基本サービスセット識別子(BSSID)フィールド45と、PSADパラメータ(PARAM)フィールド46と、受信機の数フィールド47と、FCSフィールド48とを含む。PSAD PARAMフィールド46はさらに、予約フィールド71と、追加PSADインジケータ72と、記述子終了フィールド73とを含む。受信機の数フィールド47は、複数の個別の局情報フィールドを含み、各局情報フィールドはさらに、予約フィールド81と、STA IDフィールド82と、ダウンリンク送信(DLT)開始オフセットフィールド83と、DLT継続時間フィールド84と、アップリンク送信(ULT)開始オフセットフィールド85と、ULT継続時間フィールド86とを含む。
【0012】
MMP/PSADフレームは、非集約として送信されてもよく、ダウンリンクMPDUと集約されてもよい。MMP/PSADフレームフォーマットは、各STAの受信および送信の継続時間を定義するので、STAは、受信時でも送信時でもないときにはスリープモードに入ることが可能になるため、このフォーマットにより、STAは、電力を節約することが可能になる。さらに、MMPシーケンスは、ネットワーク割り当てベクトル(NAV)および拡張PHY保護(EPP)により保護されるため、MMPは、複数の送信機会(TXOP)をスケジュールする仕組みを与える。
【0013】
図5Aは、MMP/PSADダウンリンクフレーム交換シーケンス50を示し、図5Bは、MMP/PSADアップリンクフレーム交換シーケンス55を示す。PSADの場合は、ダウンリンク送信(DLT)およびアップリンク送信(ULT)の時間帯は、PSADフレーム40によって記述される。PSAD送信機からいずれかのPSAD受信機へのフレーム送信にどの時間帯が使用されるべきかについても、PSADフレーム40に記述される。
【0014】
具体的には、図5Aおよび5Bは、DLT1からDLTnの開始オフセット、およびULT1からULTnの開始オフセットを示す。同様に、MMPの場合は、一連のダウンリンク送信RX1からRXn、およびアップリンク送信TX1からTXnのオフセットが示される。
【0015】
集約は、物理層(PHY)プロトコルデータユニット(PPDU)についても、PHYレベル層において可能である。この集約は、集約PPDU(A−PPDU)と呼ばれることがある。A−PPDUは、PLCPヘッダとPPDUまたはPHYサービスデータユニットPSDUとの、1つまたは複数の対を含む。A−PPDUを形成するために、2個以上のPPDU(またはPSDU)が集約され、これらは、高スループット信号(High Throughput Signal)(HT−SIG)フィールドによって区切られる。
【0016】
図6は、典型的な集約PPDU(A−PPDU)60を示す。APPDU 60は、レガシープリアンブル(L−プリアンブル)91と、高スループットプリアンブル(HT−プリアンブル)92と、複数のPSDUフィールド93(PSDU1...PSDUn)と、複数のHT信号(HT−SIG)フィールド94(HT−SIG1...HT−SIGn)とを含む。HT−SIGフィールド94はさらに、長さフィールド95と、MCSフィールド96と、高度符号化(advanced coding)フィールド97と、サウンディングパケット(sounding packet)98と、ナンバー(number)HTレガシートレーニングフィールド(HT−LTF)99と、短いGIフィールド101と、20/40フィールド102と、巡回冗長検査(CRC)フィールド103と、テールフィールド104とを含んでよい。
【0017】
図6に示されるように、結果としてのA−PPDU 60は、したがって、A−PPDU内のすべてのPPDU(またはPSDU)と、各構成要素のPSDU 93ごとのHT−SIG 94との組合せである。図6に示された各PSDU 93は、様々な物理層パラメータを定義するHT−SIG 94で区切られているため、APPDUは、マルチレートのPSDUを含む。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
しかしながら、現行システムの弱点の1つは、MMP/PSADがAPによって送信された場合に、MMP/PSADに関連付けられたSTAのうちの1つまたは複数が、MMP/PSADフレームを正常に受信しないか、誤って復号する可能性があることである。このような場合、MMP/PSADフレームを正常に受信または復号しないSTAは、それらのスケジュールされたアップリンク送信時間を逃してしまい、実質的にWLANの媒体時間を無駄にすることになる。
【0019】
したがって、チャネル状態がよくないために1つまたは複数のHT−SIG 94またはPSDU 93の受信でエラーが発生した場合に、A−PPDU 90の構造を回復する仕組みとして動作する方法または装置があれば有利である。さらに、APが、未使用ULTを回復し、複数のMMP/PSADフレームを送信することが可能であり、MMP/PSADフレームのマルチキャスト送信およびブロードキャスト送信をスケジュールすることが可能である方法および装置があれば有利である。
【課題を解決するための手段】
【0020】
少なくとも1つのアクセスポイント(AP)と複数の局(STA)とを備える無線通信システムにおいて、無線媒体の送信管理方法が、複数のSTAの、スケジュールされたアップリンク送信時間(ULT)の情報を有する複数受信機集約複数ポーリング/省電力集約記述子(MMP/PSAD)フレームを、APが構成することを含む。そしてAPは、そのMMP/PSADフレームを複数のSTAに送信する。STAは、MMP/PSADフレームを正常に受信および復号した後、スケジュールされたULTの間に送信を行う。
【0021】
上述の要約、ならびに、以下の、本発明の好ましい実施形態の詳細説明は、添付図面を参照しながら読まれると、よりよく理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】例示的なA−MSDUフレームを示す図である。
【図2】例示的な集約MPDU(A−MPDU)フレームを示す図である。
【図3】典型的な複数受信機集約複数ポーリング(MMP)フレームを示す図である。。
【図4】典型的な省電力集約記述子(PSAD)フレームを示す図である。
【図5A】MMP/PSADダウンリンクフレーム交換シーケンスを示す図である。
【図5B】MMP/PSADアップリンクフレーム交換シーケンスを示す図である。
【図6】典型的な集約PPDU(A−PPDU)を示す図である。
【図7】本発明に従って構成された無線通信システムを示す図である。
【図8】本発明による送信管理方法を実施するように構成されたAPおよびSTAの機能ブロック図である。
【図9】本発明の一実施形態による、図7の無線通信システムにおける送信時間の管理のフロー図である。
【図10】本発明の一実施形態による、図7の無線通信システムのダウンリンク交換およびアップリンク交換の例示的信号図である。
【図11】無線通信システム100のダウンリンク交換およびアップリンク交換の例示的信号図であり、個々のSTAが、それぞれのダウンリンクおよびアップリンクのスケジューリング情報の正常な受信および復号を行わなかった場合を示す図である。
【図12】本発明の一実施形態による、媒体を回復する方法のフロー図である。
【図13】無線通信システムのダウンリンク交換およびアップリンク交換の例示的信号図であり、ダウンリンクフェーズのブロードキャストフェーズの間にブロードキャストMMP/PSADまたはマルチキャストMMP/PSADが送信される場合を示す図である。
【図14】無線通信システムのダウンリンク交換およびアップリンク交換の例示的信号図であり、ダウンリンクフェーズとアップリンクフェーズとの間にブロードキャストMMP/PSADまたはマルチキャストMMP/PSADが送信される場合を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下では、局(STA)は、無線送受信機(WTRU)、ユーザ端末(UE)、移動局、固定式または移動式加入者装置、ページャ、または他の任意のタイプの、無線環境で動作可能な機器を含み、これらに限定されない。以下で言及されるアクセスポイント(AP)は、基地局、ノードB、サイトコントローラ、アクセスポイント、または他の任意のタイプの、無線環境におけるインターフェース装置を含み、これらに限定されない。
【0024】
図7は、本発明に従って構成された無線通信システム100を示す。好ましい一実施形態における無線通信システム100は、無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)であってよく、AP 110と、AP 110との無線通信が可能な(STA1、STA2、STA3で示された)複数のSTA 120とを含む。好ましい一実施形態におけるAP 110は、ネットワーク130(インターネット、公衆交換電話網(PSTN)など)に接続されている。このようにして、STA 120は、AP 110経由でネットワーク130にアクセスすることが可能になっている。無線通信システム100にはSTA 120が3個だけ描かれているが、任意の個数のSTA 120が無線通信システム100に存在して、AP 110と通信することが可能である。
【0025】
図8は、無線システム100において送信管理方法を実施するように構成された、STA 120と通信しているAP 110の機能ブロック図である。
【0026】
典型的なAPに通常含まれるコンポーネントに加えて、AP 110は、無線送信および受信を容易にするために、無線通信ネットワーク100における送信を管理するように構成されたプロセッサ115と、プロセッサ115と通信する受信機116と、プロセッサ115と通信する送信機117と、受信機116および送信機117と通信するアンテナ118とを含む。さらに、好ましい実施形態では、プロセッサ115は、ネットワーク130と通信することが可能である。
【0027】
典型的なSTAに通常含まれるコンポーネントに加えて、STA 120は、無線送信および受信を容易にするために、無線通信ネットワーク100における送信を管理するように構成されたプロセッサ125と、プロセッサ125と通信する受信機126と、プロセッサ125と通信する送信機127と、受信機126および送信機127と通信するアンテナ128とを含む。
【0028】
図9は、本発明の一実施形態による、無線通信システム100における送信時間の管理のフロー図900を示す。ステップ910で、AP 110は、STA 120に対し、それぞれの、ULフェーズにおける送信時間を伝達するために、MMP/PSADフレームを構成する。具体的には、MMP/PSADフレームは、MMP/PSAD継続時間フィールドで指定される後続の継続時間におけるダウンリンクおよびアップリンクのフレーム交換をスケジュールする。たとえば、AP 110は、Rx/DLT開始オフセットの値の昇順、あるいは、Rx/DLT開始オフセットが等しい場合には送信順序に従って、PSAD記述子フィールド(またはMMP受信機情報フィールド)の順番を並べ換えることにより、そのスケジューリングを実行することが可能である。これは特に、AP 110が、複数の受信側STA 120に宛てられた複数のPPDUを含むA−PPDUを送信する場合に有用である。さらに、AP 110は、TAフィールド(34、44)を自身の識別子(自身のMACアドレスなど)で埋め、RAフィールドを宛先受信機のアドレスで埋める。一実施形態では、RAフィールドを、MMP/PSADフレームの宛先であるSTA 120のMACアドレスで埋めてよい。
【0029】
次にAP 110は、MMP/PSADフレームをSTA 120に送信する(ステップ920)。個々のSTA 120のそれぞれが、そのMMP/PSADフレームを受信する(ステップ930)。個々のSTA 120は、MMP/PSADフレームを正常に受信および復号した場合(ステップ940)には、MMP/PSADフレームから各自の送信時間を抽出する(ステップ950)。個々のSTA 120がMMP/PSADフレームの正常な受信および復号を行わなかった場合(ステップ940)は、AP 110が、その媒体を回復する(ステップ970)(これについては後で詳述する)。
【0030】
一例では、STA 120は、A−PPDU集約を形成する個々のPPDUのタイミング情報を抽出する。MMP/PSADフレームを受信したSTA 120は、MMP/PSADフレーム内で定義されたオフセットフィールドおよび継続時間フィールドから、自身のHT−SIG時間情報を導出することが可能である。具体的には、Rx(またはDLT)開始オフセットフィールドおよび継続時間フィールドは、A−PPDUのHT−SIGタイミング情報を抽出して、A−PPDU集約スキームの信頼性を高めることを目的として使用される。これによって、受信機のシンプルな実装が可能になる場合もある。
【0031】
たとえば、MMP/PSAD交換内の集約の1つがA−PPDU集約であると仮定することが可能である。MMP/PSADフレームにおいて、MMP/PSAD交換内にダウンリンクデータを有するとして識別されているSTA 120については、そのHT−SIGフィールドの開始時刻を決定するために、直前の局のMMP/PSADのRxオフセットフィールドおよびRx継続時間フィールドが用いられることが可能である。しかしながら、この、Rxオフセット情報の共有は、両方の局が同じRxオフセットを有する場合のみ行われる。そうでない場合には、個々のSTA 120のRxオフセットが使用される。したがって、先行局のRxオフセットおよびRx継続時間を追加することにより、個々のSTA 120は、そのPPDUのHT−SIGの開始タイミングを決定することが可能になる。
【0032】
代替として、個々のSTA 120は、MMP/PSADフレームの1つの先行フィールドのみ(たとえば、直前の局の情報のみ)を用いるのではなく、複数の先行フィールドを用いることが可能である。この変形形態は、たとえば、Rx継続時間フィールドが、共通のRxオフセットに対して定義されておらず、データPPDUの実際の継続時間に関して定義されている場合に有用であろう。この場合、個々のSTA 120は、すべての先行Rx継続時間フィールドに対して総加算(overall addition)を実施することが必要になる可能性がある。
【0033】
別の代替として、MMP/PSAD記述子フィールド内またはMMP受信機情報フィールド内でフィールドまたはビットが追加される。このフィールドまたはビットは、そのタイミング情報が、A−MPDU集約内のMPDUの開始に関連するか、A−PPDU集約内のPPDUの開始に関連するかを、識別する。たとえば、この追加フィールドは、個々のSTA 120が、このRxオフセットにおけるHT−SIG、プリアンブルトレーニングフィールド、またはMPDUデリミタフィールドを受信および復号することになっていることを示すために用いられることが可能である。
【0034】
A−PPDUがMMP/PSADなしで送信される場合は、不規則なエラー確率およびエラー伝搬が、システムの他のSTA 120の省電力、媒体アクセス、およびネットワーク割り当てベクトル(NAV)を混乱させる可能性があるため、A−PPDUは、NAVの設定またはスプーフィングで保護されなければならない。たとえば、AP 110からのAPPDUを、NAVおよび/またはEPP保護を与えるCTS(clear to send)−to−self送信の後にすることが可能である。非APのSTA 120からのA−PPDUは、NAVおよびEPP保護のためのRTS/CTS交換によって保護されることが可能である。
【0035】
STA 120が自身のタイミング情報を抽出した後(ステップ950)、STA 120は、ULフェーズにおける自身の送信時間の間に送信する。
【0036】
図10は、前述の方法900による、無線通信システム100のダウンリンク交換およびアップリンク交換の例示的信号図101である。AP 110は、STA1、STA2、およびSTA3のダウンリンクおよびアップリンクのスケジューリング情報を含むMMP/PSADフレームを送信する。ダウンリンクフェーズでは、AP 110は、D1、D2、およびD3で示される、STA1、STA2、およびSTA3のダウンリンク情報を送信する。各STA 120がMMP/PSADフレームを正常に受信および復号した場合、各STA 120(STA1、STA2、およびSTA3)は、D1、D2、およびD3で示されている、それぞれのスケジュールされた時間の間に、それぞれのダウンリンク情報を受信する。アップリンクフェーズでは、STA1は、そのスケジュールされたアップリンク時間(U1)の間に送信し、STA2は、そのスケジュールされたアップリンク時間(U2)の間に送信し、STA3は、そのスケジュールされたアップリンク時間(U3)の間に送信する。このようにして、各STA 120は、それぞれに関連付けられたダウンリンクデータを受信すること、およびそれぞれのスケジュールされたアップリンク時間の間に送信することのために、いつアクティブである必要があるかを認識する。
したがって、各STA 120は、送信または受信がスケジュールされていないことがわかっている時間帯には電源をオフにすることが可能であり、それによって、それぞれのエネルギーを温存することが可能になる。
【0037】
アップリンクおよびダウンリンクのフレーム交換のスケジューリングはMMP/PSADフレーム内にスケジュールされているため、MMP/PSADフレームの正常な受信および復号を行わなかったSTA 120(ステップ940)は、そのタイミングを知らずに、ULの送信機会を逃すおそれがある。これが起こるのを防ぐか、起こった場合に回復する手立てがない場合、媒体時間が無駄になる可能性がある。これが起こるのを防ぐために、AP 110は、媒体を回復しなければならない(ステップ970)。
【0038】
図11は、無線通信システム100のダウンリンク交換およびアップリンク交換の例示的信号図101’であり、個々のSTA 120(この場合はSTA2)が、ステップ940でそれぞれのダウンリンクおよびアップリンクのスケジューリング情報の正常な受信および復号を行わなかった場合を示す。この場合、STA2は、そのスケジュールされたアップリンク時間(U2’)の間に送信を行わない。
【0039】
図12は、本発明の一実施形態による、媒体を回復する(970)方法のフロー図である。ステップ980で、AP 110は、媒体を監視して、個々のSTA 120がそれぞれのスケジュールされたUL時間の間に送信を行っているかどうかを検出する。AP 110は、MMP/PSADフレーム内のタイミング情報を利用して、いつ媒体を監視すべきか(ステップ980)を決定することが可能であり、あるいは、媒体を連続的に監視することが可能である。
【0040】
STA 120が、スケジュールされた時間にアップリンク送信を実施していないことを、AP 110が検出した場合、AP 110は、その媒体を回収する(ステップ990)ことが可能である。
【0041】
図11を再度参照すると、AP 110は、アップリンクフェーズを監視して、STA1がそのスケジュールされたアップリンクウィンドウ(U1)の間にそのアップリンクデータを送信することを検出する。AP 110は次に、たとえば、STA2が、そのスケジュールされたアップリンク送信ウィンドウ(U2’)の間に送信を行っていないことを検出する。一定のアイドル時間の待機の後、AP 110は、その媒体を回収する(ステップ990)。
【0042】
好ましい一実施形態では、アイドル時間は、AP 110が媒体を回収する前に、STA 120に対して、そのアップリンク時間の間に送信を開始するための十分な機会を与えるために、AP 110が待機する、あらかじめ決められた時間である。一例として、アイドル時間は、ポイント制御機能フレーム間間隔(point control function inter−frame spacing)(PIFS)時間と同じであってよい。AP 110は、送信していない場合には、MMP/PSAD交換時間の間に媒体を監視する(ステップ980)ことが可能であり、あるいは、AP 110は、各STA 120がアップリンク送信していなければならない時間帯を認識していることが可能なため、それらの時間の間だけ、媒体を監視すればよい。
【0043】
代替として、AP 110は、アップリンクフェーズの間に起こるフレームエラーまたは衝突に関して媒体を監視することが可能であり、それらの観察に基づいて媒体の回収を決定することが可能である。さらに、AP 110は、既に考慮に入れているデータトラフィックより優先度が高いデータトラフィックを送信またはスケジュールするために、MMP/PSADのキャンセルを決定することが可能である。たとえば、AP 110は、特定のトラフィックのサービス品質(QoS)要件を高くしたり、制御トラフィックをスケジュールしたりしてもよい。
【0044】
いずれにしても、AP 110がステップ990で媒体の回収を決定した場合、回収を行う方法はいくつかある。
【0045】
AP 110が媒体を回収することが可能な一方法は、DLT送信またはULT送信を再スケジュールする(ステップ991)方法である。好ましい一実施形態では、AP 110は、すべての、または選択されたSTA 120に対し、既に送信されたMMP/PSADフレームを無視するように指示するフレームを送信する(ステップ992)ことによって、再スケジュールを実施する。このフレームは、いくつかのフォーマットがあってよい。
【0046】
たとえば、ステップ992で送信されるフレームは、先行のMMPスケジュールをリセットまたはキャンセルするために新たに定義されたフレームであってよく、あるいは、先行のMMP/PSADスケジュールをリセットすることをSTA 120に指示するように構成されることが可能な、任意の制御、管理、またはデータフレームであってよい。
【0047】
しかしながら、好ましい一実施形態では、AP 110は、別のMMP/PSADフレームを再送信する。このMMP/PSADフレームは、以前のスケジューリング情報が、すべての、または選択されたSTA 120によって無視されるべきであることを指定するフィールドを含む以外は、オリジナルのMMP/PSADフレームであってよい。代替として、STA 120がMMP/PSADフレームを受信した場合には、先行のすべてのMMP/PSADフレームから受け取ったスケジューリング情報をすべて無視するというルールが定義されていれば、再送信されるMMP/PSADフレームは、以前に送信されたMMP/PSADフレームと同一であってよい。
【0048】
新しいMMP/PSADフレーム、または先行のMMP/PSADスケジュールをキャンセルまたはリセットするために用いられる任意のフレームの、NAV継続時間を利用して、受信側STA 120におけるNAVをリセットまたは更新することが可能である。また、別のフレーム(CF−ENDフレームなど)を用いて、STA 120のNAV継続時間をリセットすることも可能である。代替として、無線通信システム100は、最新のMMP/PSADフレームの継続時間が、STA 120にローカルに記憶されているすべてのNAV継続時間に取って代わるように構成されることが可能である。
【0049】
AP 110が媒体を回収することが可能な別の方法は、スケジュールされた送信時間の間に送信を行わないSTA 120にポーリングフレームを送信する(ステップ993)方法である。ポーリングフレームは、非競合ポーリング(contention free poll)(CFポーリング)フレーム、QoSポーリングフレーム、別のMMP/PSADフレームなどであってよい。代替として、AP 110は、アップリンク送信がスケジュールされているSTAとは別のSTA 120にポーリングフレームを送信することが可能である。ポーリングフレームを受け取ったSTA 120は、ポーリングフレームに呼応して送信を開始する(ステップ994)。STA 120に送信すべきデータがあれば、STA 120はそのデータを送信する。送信すべきデータがないSTA 120は、受領確認フレーム、QoSヌルフレーム、データヌルフレーム、または別のフレームを送信して、送信すべきデータがないことを示す。
【0050】
AP 110が媒体を回収することが可能な、さらに別の方法は、ステップ995で示されるように、ダウンリンクデータ、および、好ましい一実施形態では、逆方向認可(reverse direction grant)(RDG)信号を送信する方法である。たとえば、AP 110は、所望の任意のSTA 120にダウンリンクデータを送信することが可能であり、あるいは、AP 110は、この時間の間に任意の制御フレームまたは管理フレームを送信することが可能である。受信側STAは、ダウンリンクデータおよびRDG信号を受信した後、そのSTAの継続時間の間にそのSTAのアップリンクデータを送信する(ステップ996)。AP 110に送信すべきダウンリンクデータがまったくなくても、AP 110は、データヌル、QoSヌル、その他を送信して、送信していないSTAに、その指定された継続時間の間に送信を開始すべきことを指示することが引き続き可能である。
【0051】
たとえば、図11を再度参照すると、STA1のアップリンク送信(U1)時間の後の媒体のアイドル時間が長すぎることをAP 110が検出した場合、AP 110は、ダウンリンクデータおよびRDGをSTA2に送信する。そのダウンリンクデータおよびRDGを受信したSTA2は、指定された継続時間(U2’)の間にデータを送信する。
【0052】
アップリンクで送信すべきデータがSTA 120にない場合、STA 120は、QoSヌルフレーム、データヌルフレームなどのような応答フレームをAP 110に送信して、そのSTAが、割り当てられたアップリンク時間の間に送信すべきデータを持たないことを、AP 110に知らせなければならない。それによって、AP 110は、媒体を回収し、媒体の無駄を防ぐ別の何らかの是正措置(別のSTA 120をポーリングして、その送信を開始させる、など)を行うことが可能である。
【0053】
AP 110が媒体を回収することが可能な別の方法は、冗長MMP/PSADフレームを送信する(ステップ997)方法である。冗長MMP/PSADフレームは、アップリンクフェーズにおいてSTA 120がその送信ウィンドウを逃した場合に、その時間の間、ULT情報の一部またはすべてを繰り返すことが可能である。これは特に、複数のSTA 120がMMP/PSADフレームの正常な受信または復号を行わなかった場合に有用である。AP 110はまた、前のMMP/PSAD交換シーケンスの間に無線通信システム100内で特定のイベントが発生したことを検出した場合に、冗長MMP/PSADフレームの利用を決定することも可能であり、あるいは、AP 110は、STA 120のULT情報または数に関して、冗長MMP/PSADを送信することを適切とするような特定の情報を保有していることを理由として、冗長MMP/PSADフレームの利用を決定することも可能である。
【0054】
たとえば、AP 110は、前のMMP/PSADフレーム交換において、特定のSTA 120がそれぞれの情報をそれぞれのスケジュールされたアップリンク時間の間に送信しなかったことを検出している可能性がある。この場合、AP 110は、次のMMP/PSAD交換において、すべてのSTA 120がそれぞれのスケジュールされたULTを正常に受け取る確率を高めるために冗長MMP/PSADフレームを送信することを決定することが可能である。
【0055】
さらに、AP 110は、無線通信システム100内に多数のSTA 120があることを認識することが可能であり、したがって、任意の個々のSTA 120がそのULT情報を、最初のMMP/PSADにおいて受信し損なう確率が高くなっていることを認識することが可能である。同様に、AP 110は、無線通信システム100内のSTA 120に対してスケジュールされた、長いULTに関連する情報を有することが可能であり、このことは、1つのSTA 120が最初のMMP/PSADを受信し損なった場合に、そのSTAが、スケジュールされたULTの間に送信し損なえば、大量の帯域幅が無駄になりうることを意味する。このような状況では、冗長MMP/PSADフレームを送信することにより、システム内のすべてのSTA 120がそれぞれのスケジュールされたULTを利用する確率が高まり、帯域幅の無駄がなくなる。基本的に、AP 110は、個々のULTの継続時間、すべてのULTの総継続時間、およびULTを有するSTA 120の数を、所定のしきい値と比較して、冗長MMP/PSADフレームを送信すべきかどうかを決定することが可能である。
【0056】
図11を再度参照し、STA2だけでなくSTA3も、MMP/PSADフレームの正常な受信および復号を行わなかったとする。この場合は、AP 110による是正措置がなければ、STA2およびSTA3の両方が、それぞれのスケジュールされた送信時間を逃すであろう。そこで、STA1のアップリンク送信(U1)の後のアイドル時間が長すぎることをAP 110が検出した場合には、AP 110は、冗長MMP/PSADフレームを送信する。このようにして、STA3は、冗長MMP/PSADフレームを受信し、スケジュールされたアップリンクウィンドウ(U3)の間にデータを送信し、これによって、媒体のさらなる無駄が限定される。
【0057】
本発明のさらに別の代替実施形態では、AP 110は、MMP/PSADフレームを利用してブロードキャストフレームまたはマルチキャストフレームをスケジュールすることが可能である。これを行うために、AP 110は、MMP/PSADフレームの既存のPSADフレーム40を再構成しなければならない。これは、現在のフォーマットにおいて、STA IDフィールド82がSTA 120の関連付けIDになっているためである。そこで、MMP/PSADシーケンス内でのブロードキャストフレームまたはマルチキャストフレームの送信をサポートするために、既存のPSADフレーム40を再構成しなければならない。
【0058】
PSADフレーム40を再構成する一方法は、MMP/PSADフレームにビットまたはフィールドを含める方法である。好ましい一実施形態では、これは、局情報フィールドに含められる。たとえば、ブロードキャストフレームが指定のDLTパラメータにおいて送信されること、および、その継続時間の間はSTAが動作中でなければならないことを指定するビットを、局情報フィールドの予約フィールド81に含めることが可能である。代替として、ブロードキャストフレームが送信されること、および、その継続時間の間はSTAが動作中でなければならないことを指示するために、STA IDフィールド82の特定の値(たとえば、すべて「1」)を利用することが可能である。その場合は、STA IDフィールド82は、すべてのビットが「1」に設定されなければならない。
【0059】
図13は、無線通信システム100のダウンリンク交換およびアップリンク交換の例示的信号図131であり、ダウンリンクフェーズのブロードキャストフェーズの間にブロードキャストMMP/PSADまたはマルチキャストMMP/PSADが送信される場合を示す。本例では、AP 110は、ダウンリンクフェーズに先立って、一部またはすべてのSTA 120に対し、それらのSTAが、ダウンリンクフェーズの最後に発生するブロードキャスト間隔の間、リスンしていなければならないことを指示する、最初のMMP/PSADを送信する。その後、AP 110は、ダウンリンクフェーズの最後に、ULTスケジュールを確認するために、フレーム、および、好ましくは、追加MMP/PSADフレームを送信することが可能である。このようにして、STA 120は、それぞれのULTスケジュールを2回受信することになるため、それぞれのアップリンク送信時間を逃す可能性が低くなる。
【0060】
代替として、AP 110は、最初のMMP/PSADフレーム交換シーケンスに第2のMMP/PSADフレームを挿入することが可能であり、この挿入は、第2のMMP/PSADフレームが送信されるべきタイミングに関してTx開始オフセットおよびTx継続時間を示すユニキャストMMP/PSADエントリを、第1のMMP/PSADフレームに含めることによって行われる。一例として、このエントリは、任意のSTA 120の任意のMACアドレスをダミー受信機アドレスとして含むことが可能である。このエントリはさらに、正確でないTx開始オフセットおよびTx継続時間の情報を含むことが可能である。その後、AP 110は、ダウンリンクフェーズの最後に、ULTスケジュールを確認するために、フレーム、および、好ましくは、追加MMP/PSADフレームを送信することが可能である。このようにして、最初のMMP/PSADフレームの正常な受信および復号を行わなかったSTA 120だけが、第2のMMP/PSADフレームを受信および復号するために、動作中であり続けるか、起動し、最初のMMP/PSADフレームを正常に受信および復号した局は、第2のMMP/PSADフレームの受信および復号のために起動する必要はない。これは、最初のMMP/PSADフレームを正常に受信および復号したSTA 120が、それらにとって第2のMMP/PSADフレームが意味を持たないことをわかっているためである。代替として、第2のMMP/PSADフレームに関連する情報を、最初のMMP/PSADフレーム内で送信しないことも可能である。
【0061】
図14は、無線通信システム100のダウンリンク交換およびアップリンク交換の例示的信号図141であり、ダウンリンクフェーズとアップリンクフェーズの間にブロードキャストMMP/PSADまたはマルチキャストMMP/PSADが送信される場合を示す。この例では、AP 110は、最初のMMP/PSADフレームに第2のMMP/PSADフレームを挿入するが、第2のMMP/PSADフレームを説明するエントリを最初のMMP/PSADフレームに含めない。そしてAP 110は、図14に示されるように、ダウンリンクフェーズとアップリンクフェーズとの間の時間に、ULTスケジュールを確認する第2のMMP/PSADフレームを送信する。このシナリオでは、最初のMMP/PSADフレームの正常な受信および復号を行わなかったSTA 120だけが、第2のMMP/PSADフレームを受信するために起動する。これは、最初のMMP/PSADフレームを正常に受信および復号したSTA 120が、最初のMMP/PSADフレームを正常に復号した結果に基づいて、起動する必要があるまで起動しないためである。
【0062】
しかしながら、重要なこととして、AP 110は、そのULTオフセットおよび継続時間の計算時に、挿入された(または入れ子にされた)MMP/PSADフレームの作用を考慮しなければならないことに注意されたい。考慮しないと、AP 110は、STA 120が、従うべきと確信しているオフセットと、同期しなくなる。
【0063】
この入れ子になった、または冗長なMMP/PSADフレームは、最初のMMP/PSADフレームと同一の情報を含んでも含まなくてもよい。しかしながら、好ましい一実施形態では、この入れ子になった、または冗長なMMP/PSADフレームは、STA 120のULT情報を含み、典型的には、最初のMMP/PSADフレームの情報と同じ情報を含む。すなわち、第2のMMP/PSADフレームは、最初のMMP/PSADフレームに含まれていたものと同じスケジューリング情報を含まなくてはならない。
【0064】
既述の実施形態では、AP 110は、媒体を回収するかどうかを決定するために媒体を監視するように示されているが、STA 120も、システム性能をさらに向上させるために媒体を監視することが可能である。典型的には、MMP/PSADフレーム内のULTスケジュール情報を受け取ったSTA 120は、媒体のセンシングを実施しない。それらは、とにかく、それぞれのスケジュールされたULTで送信を開始するだけである。しかしながら、場合によっては、STA 120が、AP 110の代わりに、あるいは、AP 110とともに、媒体を監視するようにすることが望ましいことがある。一実施形態では、アイドル時間には、STA 120が媒体を監視してよい。アイドル時間が所定のしきい値を超えて続いていることをSTA 120が検出した場合は、そのSTA 120が、残りのULT継続時間の間にアップリンク送信を行うことが可能であり、それによって、他のSTAのULTとの衝突が避けられ、媒体利用が最大化される。
【0065】
図1は、1つのAP 110だけを示しているが、複数のAPが無線通信システム内に存在することも可能である。この場合、無線通信システム内のいくつかのSTAが1つのAPに関連付けられることが可能であり、他のSTAが他のAPに関連付けられることが可能であるが、これは多少の困難さを生じさせる可能性がある。1つのシナリオでは、APの1つ(AP1)が、別のAP(AP2)とのオーバーラッピング基本サービスセット(Overlapping Basic Service Set)(OBSS)または同一チャネルBSSに関連付けられることが可能である。AP1がMMP/PSADフレームを送信した場合、AP2に関連付けられたSTAは、そのMMP/PSADフレームを受信しても、そのフレームがそれらのSTAに宛てられたものだということを示すようなアドレスがRAフィールドに見つからないので、そのMMP/PSADフレームを無視して、スリープ状態に入ってよい。そして、その時間の間にAP2がトラフィックを送信しても、宛先のSTAは、その送信時にスリープ状態になっているため、その情報を受け
取らない。
【0066】
したがって、MMP/PSADフレームを受信するSTA 120は、そのフレームのTAフィールドを読み取って、そのMMP/PSADフレームが、そのSTAが関連付けられているAPから送信されたものかどうかを決定するように、構成されることが可能である。STAが、TAフィールド内のAPアドレスがそのSTAの関連付けられたAPのアドレスであると決定した場合、STAは、ダウンリンク送信を復号し、MMP/PSADフレームの内容に従ってアップリンク送信を実施し、それ以外の時間はスリープモードに入ることが可能である。逆に、STAが、MMP/PSADフレームを送信しているAPがそのSTAの関連付けられたAPでないと決定した場合、STAは、そのフレームを無視し、関連付けられたAPから送信されるかもしれないフレームを受信するために動作状態であり続けることが可能である。しかしながら、さらに、STAは、関連付けられたAPから送信されたMMP/PSADフレームでなくても、そのフレーム内の継続時間ID値を読み取り、そのSTAのNAV継続時間を更新するようにすることが可能である。このようにして、STAは、媒体がいつ使用中になるかを認識し、その時間帯の送信を避けることが可能である。
【0067】
本発明の別の代替実施形態では、MMP/PSADフレームを利用して、特定タイプのパケット(ブロック受領確認(Block Acknowledgement)(BA)応答フレームなど)をポーリングすることが可能である。この場合、AP 110は、指定されたSTA 120に対して、それらが、それぞれのスケジュールされたULTの間にそれぞれのBA応答フレームを送信することを指示する、MMP/PSADフレーム内の1つまたは複数のフラグを利用することが可能である。このフラグはさらに、それらのSTA 120に対し、それらがそれぞれのスケジュールされたULTの間にBA応答フレームだけを送信すべきかどうか、あるいは、それらが、それらが送信している他のフレームとともにBA応答フレームを送信すべきかどうか、を指示することが可能である。この代替は、BAの現存のモードに新しいモードを追加することを容易にする。
【0068】
現存のBAモードとして、即時ブロックACKおよび遅延ブロックACKがある。即時ブロックACKモードでは、STAは、SIFS遅延のすぐ後に続くBA要求(BAR)に応答する。遅延ブロックACKモードでは、STAは、BAフレームを送信するタイミングを独自に決定する。
【0069】
本代替実施形態は、STAによって任意のタイミングで送信されるBAと異なり、遅延BAをポーリングすることを含む。たとえば、AP 110は、STA 120がBAパケット(またはBAフレーム)を準備し、AP 110から新たなポーリングメッセージを受信した場合のみ、そのパケットを送信するように、STA 120に指示するBARを、STA 120に送信することが可能である。このポーリングメッセージは、AP 110によって送信されるMMPまたは別のパケットの形式であってよい。これにより、STA 120がそれぞれのBAフレームを送信するタイミングを独自に決定する代わりに、AP 110に関連付けられたSTA 120がBAフレームを送信するタイミングを、AP 110が決定することが可能になる。
【0070】
前述の各特徴は、無線送受信機(WTRU)、基地局、および/またはピアツーピア装置に実装されることが可能である。前述の各方法は、物理層および/またはデータリンク層に適用可能である。実装可能な形態として、特定用途向け集積回路(ASIC)、ミドルウェア、ソフトウェアなどがある。本発明は、OFDM/MIMOシステムおよびIEEE 802.11準拠システムに適用可能である。
【0071】
さらに、本発明の各種実施形態の特徴は、APやSTAなどのWTRUで実行されるアプリケーションのような、様々な様式で実装されることが可能である。これらの特徴は、集積回路(IC)に組み込まれてもよく、相互接続された複数の部品からなる回路のかたちで構成されてもよい。さらに、これらの特徴は、IC上で実行されるソフトウェアアプリケーションによって実施されてもよく、プロセッサ上で実行されるソフトウェアアプリケーションによって実施されてもよい。
【0072】
本発明の特徴および要素を、好ましい実施形態の特定の組合せにおいて説明したが、各
特徴または要素は、単独で(好ましい実施形態の他の特徴および要素がなくても)用いられることが可能であり、あるいは、本発明の他の特徴および要素を含んでも含まなくても
よい様々な組合せで用いられることが可能である。
【0073】
実施形態
1.少なくとも1つのアクセスポイント(AP)と複数の局(STA)とを備える無線通信システムの送信管理方法。
2.APが、複数のSTAの、スケジュールされたアップリンク送信時間(ULT)を有する複数受信機集約複数ポーリング/省電力集約記述子(MMP/PSAD)フレームを構成することをさらに含む、実施形態1の方法。
3.APがMMP/PSADフレームを複数のSTAに送信することをさらに含む、前記実施形態のいずれかにおけるような方法。
4.MMP/PSADフレームを正常に受信および復号したSTAが、それぞれのスケジュールされたULTの間に送信を行うことをさらに含む、前記実施形態のいずれかにおけるような方法。
5.MMP/PSADフレームが、ULTおよびダウンリンク送信時間(DLT)の継続時間を指定する継続時間フィールドを含む、前記実施形態のいずれかにおけるような方法。
6.APが、MMP/PSADフレームに含まれるPSAD記述子フィールドを、MMP/PSADフレームの受信機(Rx)DLT開始オフセットフィールドに含まれる値の昇順に並べる、前記実施形態のいずれかにおけるような方法。
7.APが、MMP/PSADフレームに含まれるMMP受信機情報フィールドを、MMP/PSADフレームの受信機(Rx)DLT開始オフセットフィールドに含まれる値の昇順に並べる、前記実施形態のいずれかにおけるような方法。
8.MMP/PSADフレームが、送信機アドレス(TA)フィールドと、複数の受信機フィールドとを含む、前記実施形態のいずれかにおけるような方法。
9.APが、TAフィールドを自身の識別子で埋め、複数の受信機フィールドを、宛先の受信側STAを識別する識別子で埋める、前記実施形態のいずれかにおけるような方法。
10.AP識別子が、APの媒体アクセス制御(MAC)アドレスを含む、前記実施形態のいずれかにおけるような方法。
11.STA識別子が、STAのMACアドレスを含む、前記実施形態のいずれかにおけるような方法。
12.MMP/PSADフレームを正常に受信および復号したSTAが、MMP/PSADフレームからタイミング情報を抽出することをさらに含む、前記実施形態のいずれかにおけるような方法。
13.送信側STAが、その高スループット信号(HT−SIG)タイミングを、MMP/PSADフレーム内で指定されたオフセットフィールドおよび継続時間フィールドから導出する、前記実施形態のいずれかにおけるような方法。
14.オフセットフィールドがRxまたはDLT開始オフセットフィールドを含む、前記実施形態のいずれかにおけるような方法。
15.MMP/PSADフレームが、集約物理層プロトコルデータユニット(A−PPDU)を含む、前記実施形態のいずれかにおけるような方法。
16.送信側STAが、自身のHT−SIGフィールドの開始を決定するために、直前に送信がスケジュールされているSTAのRxオフセットフィールドおよびRx継続時間フィールドを読み取る、前記実施形態のいずれかにおけるような方法。
17.送信側STAが、自身の開始時間を決定するために、直前に送信を行うSTAのRxオフセットフィールドおよびRx継続時間フィールドに含まれるRxオフセット値およびRx継続時間値を追加する、前記実施形態のいずれかにおけるような方法。
18.送信側STAが、自身の開始時間を決定するために、先行するすべての送信側STAのRx継続時間フィールドに含まれる値を追加する、前記実施形態のいずれかにおけるような方法。
19.MMP/PSAD記述子フィールド内にフィールドを追加することをさらに含む、前記実施形態のいずれかにおけるような方法。
20.追加されたフィールドが、特定STAのタイミング情報がA−MPDU集約内のMAC PDU(MPDU)の開始に関連することを示す、実施形態19の方法。
21.追加されたフィールドが、特定STAのタイミング情報がA−PPDU集約内のPPDUの開始に関連することを示す、実施形態19の方法。
22.MMP受信機情報フィールド内にフィールドを追加することをさらに含む、前記実施形態のいずれかにおけるような方法。
23.追加されたフィールドが、特定STAのタイミング情報がA−MPDU集約内のMAC PDU(MPDU)の開始に関連することを示す、実施形態22の方法。
24.追加されたフィールドが、特定STAのタイミング情報がA−PPDU集約内のPPDUの開始に関連することを示す、実施形態22の方法。
25.MMP/PSADフレームを正常に受信および復号したSTAが、無線通信システムにおいてデータを送信または受信することが要求されていない時間帯にスリープモードに入る、前記実施形態のいずれかにおけるような方法。
26.APが無線通信システムの送信媒体を回復することをさらに含む、前記実施形態のいずれかにおけるような方法。
27.APが無線通信システムの送信媒体を監視することをさらに含む、前記実施形態のいずれかにおけるような方法。
28.APが無線通信システムの送信媒体を連続的に監視する、前記実施形態のいずれかにおけるような方法。
29.APが、特定の時間帯に、無線通信システムの送信媒体を監視する、前記実施形態のいずれかにおけるような方法。
30.APが、無線通信システムの送信媒体を監視する時間帯を、MMP/PSADフレームに含まれるタイミング情報から決定する、前記実施形態のいずれかにおけるような方法。
31.特定STAが、そのスケジュールされたULTの間に送信を行っていないことを、APが検出する、前記実施形態のいずれかにおけるような方法。
32.APが無線通信システムの送信媒体を回収することをさらに含む、前記実施形態のいずれかにおけるような方法。
33.特定STAが、そのスケジュールされたULTの間に送信を行っていないことを、APが検出した後、APが、無線通信システムの送信媒体を回収するまで、所定の時間だけ待機することをさらに含む、前記実施形態のいずれかにおけるような方法。
34.所定の時間が所定のアイドル時間である、実施形態33の方法。
35.アイドル時間が、無線通信システムにおけるポイント制御機能フレーム間間隔(PIFS)時間を含む、実施形態33から34のいずれかにおけるような方法。
36.無線通信システムの送信媒体を回収することが、APがULTおよびDLTを再スケジュールすることを含む、前記実施形態のいずれかにおけるような方法。
37.APが、少なくとも1つのSTAに対し、その少なくとも1つのSTAが、以前に送信されたMMP/PSADフレームを無視すべきであることを指示する追加フレームを送信する、前記実施形態のいずれかにおけるような方法。
38.APが、無線通信システム内のすべてのSTAに追加フレームを送信する、前記実施形態のいずれかにおけるような方法。
39.APが、無線通信システム内の選択されたSTAに追加フレームを送信する、実施形態1から37のいずれかにおけるような方法。
40.追加フレームが制御フレームを含む、前記実施形態のいずれかにおけるような方法。
41.追加フレームがデータフレームを含む、前記実施形態のいずれかにおけるような方法。
42.追加フレームが管理フレームを含む、前記実施形態のいずれかにおけるような方法。
43.追加フレームが追加MMP/PSADフレームである、前記実施形態のいずれかにおけるような方法。
44.追加MMP/PSADフレームが、少なくとも1つのSTAに対し、以前のスケジューリング情報を無視するように指示するフィールドを含む、前記実施形態のいずれかにおけるような方法。
45.追加MMP/PSADフレームが、以前のMMP/PSADフレームとほぼ同一である、前記実施形態のいずれかにおけるような方法。
46.少なくとも1つのSTAにおけるネットワーク割り当てベクトル(NAV)継続時間を更新することをさらに含む、前記実施形態のいずれかにおけるような方法。
47.NAV継続時間を更新することが、非競合終了(contention free end)(CF−END)フレームを少なくとも1つのSTAに送信することを含む、前記実施形態のいずれかにおけるような方法。
48.無線通信システムの送信媒体を回収することが、特定STAにポーリングフレームを送信することを含む、前記実施形態のいずれかにおけるような方法。
49.ポーリングフレームが、非競合ポーリング(CFポーリング)フレーム、サービス品質(QoS)ポーリングフレーム、およびMMP/PSADフレームからなる群から選択される1つを含む、前記実施形態のいずれかにおけるような方法。
50.特定STAが、そのスケジュールされたULTの間に送信を行っていないSTAである、前記実施形態のいずれかにおけるような方法。
51.特定STAが、そのスケジュールされたULTの間に送信を行っていないSTAではないSTAである、前記実施形態のいずれかにおけるような方法。
52.特定STAがポーリングフレームに呼応して送信を行うことをさらに含む、前記実施形態のいずれかにおけるような方法。
53.特定STAがポーリングフレームに呼応してデータを送信する、前記実施形態のいずれかにおけるような方法。
54.特定STAが、ポーリングフレームに呼応して、受領確認フレーム、QoSヌルフレーム、またはデータヌルフレームを送信する、前記実施形態のいずれかにおけるような方法。
55.無線通信システムの送信媒体を回収することが、APが少なくとも1つのSTAにダウンリンクデータおよび逆方向認可(RDG)信号を送信することを含む、前記実施形態のいずれかにおけるような方法。
56.APが少なくとも1つのSTAに管理フレームを送信することをさらに含む、前記実施形態のいずれかにおけるような方法。
57.APが少なくとも1つのSTAに制御フレームを送信することをさらに含む、前記実施形態のいずれかにおけるような方法。
58.APが、スケジュールされたULTの間に送信を行っていないSTAではないSTAにダウンリンクデータを送信する、前記実施形態のいずれかにおけるような方法。
59.APが、スケジュールされたULTの間に送信を行っていないSTAにダウンリンクデータを送信する、前記実施形態のいずれかにおけるような方法。
60.APがデータヌルフレームまたはQoSヌルフレームを送信する、前記実施形態のいずれかにおけるような方法。
61.STAがRDGの受信に呼応してアップリンクデータを送信することをさらに含む、前記実施形態のいずれかにおけるような方法。
62.STAがRDGの受信に呼応してデータヌルフレームまたはQoSヌルフレームを送信することをさらに含む、前記実施形態のいずれかにおけるような方法。
63.APが、送信を開始する別のSTAをポーリングすることをさらに含む、前記実施形態のいずれかにおけるような方法。
64.無線通信システムの送信媒体を回収することが、冗長MMP/PSADフレームを送信することを含む、前記実施形態のいずれかにおけるような方法。
65.冗長MMP/PSADフレームが、以前のMMP/PSADフレームに含まれるULT情報のすべてを含む、前記実施形態のいずれかにおけるような方法。
66.APがダウンリンクフェーズの間に冗長MMP/PSADフレームを送信する、前記実施形態のいずれかにおけるような方法。
67.APがダウンリンクフェーズとアップリンクフェーズとの間に冗長MMP/PSADフレームを送信する、前記実施形態のいずれかにおけるような方法。
68.APが、アップリンクフェーズの間に、アップリンク送信の衝突を検出したことに呼応して媒体を回収することをさらに含む、前記実施形態のいずれかにおけるような方法。
69.APが、アップリンクフェーズの間にフレームエラーを検出したことに呼応して媒体を回収することをさらに含む、前記実施形態のいずれかにおけるような方法。
70.APが、無線通信システムの状態についての事前情報に基づいて冗長MMP/PSADフレームを送信することをさらに含む、前記実施形態のいずれかにおけるような方法。
71.少なくとも1つのアクセスポイント(AP)と複数の局(STA)とを備える無線通信システムにおける、無線媒体の送信管理方法であって、APが、複数受信機集約複数ポーリング/省電力集約記述子(MMP/PSAD)フレームを、ブロードキャストフレームに関連する情報がMMP/PSAD交換シーケンスに含まれるように構成することを含む方法。
72.APが複数のSTAにMMP/PSADフレームを送信することをさらに含む、実施形態71の方法。
73.MMP/PSADフレームを正常に受信および復号したSTAが、ブロードキャストフレームに含まれる情報に従って動作することをさらに含む、実施形態71から72のいずれかにおけるような方法。
74.APがブロードキャストフレームを送信することをさらに含む、実施形態71から73のいずれかにおけるような方法。
75.APがMMP/PSADフレームの局情報フィールドに追加フィールドを含める、実施形態71から74のいずれかにおけるような方法。
76.APが局情報フィールドの予約フィールドにビットを含める、実施形態71から75のいずれかにおけるような方法。
77.指定されたダウンリンク時間パラメータでブロードキャストフレームが送信されること、ならびに、その継続時間の間にSTAがスリープモードに入ってはならないことを、ビットが指定する、実施形態71から76のいずれかにおけるような方法。
78.その継続時間の間に、無線通信システム内のすべてのSTAがスリープモードに入ってはならないことを、ビットが指定する、実施形態71から77のいずれかにおけるような方法。
79.その継続時間の間に、無線通信システム内の選択されたSTAがスリープモードに入ってはならないことを、ビットが指定する、実施形態71から77のいずれかにおけるような方法。
80.ブロードキャストフレームがMMP/PSADフレームである、実施形態71から79のいずれかにおけるような方法。
81.APがダウンリンクフェーズの最後にブロードキャストフレームを送信する、実施形態71から80のいずれかにおけるような方法。
82.APがMMP/PSADフレームにユニキャストMMP/PSADエントリを含める、実施形態71から81のいずれかにおけるような方法。
83.ブロードキャストフレームがいつ送信されるかについて、エントリが送信(Tx)開始オフセットおよびTx継続時間を示す、実施形態82の方法。
84.エントリがダミー受信機アドレスを含む、実施形態71から83のいずれかにおけるような方法。
85.エントリがさらに、不正確なTx開始オフセットエントリおよびTx継続時間エントリを含む、実施形態71から84のいずれかにおけるような方法。
86.MMP/PSADフレームを正常に受信および復号したSTAが、ブロードキャストフレームの間にスリープモードに入る、実施形態71から85のいずれかにおけるような方法。
87.APがアップリンクフェーズとダウンリンクフェーズとの間にブロードキャストフレームを送信する、実施形態71から86のいずれかにおけるような方法。
88.ブロードキャストフレームが、以前に送信されたMMP/PSADフレームとほぼ同一のMMP/PSADフレームである、実施形態71から87のいずれかにおけるような方法。
89.STAが無線通信システムの送信媒体を、所定のアイドル時間の間、監視することをさらに含む、前記実施形態のいずれかにおけるような方法。
90.STAが、無線通信システムの送信媒体において、所定のアイドル時間を超えるアイドル時間を検出した場合に、そのSTAのアップリンク情報を送信することをさらに含む、実施形態89の方法。
91.複数のアクセスポイント(AP)と複数の局(STA)とを備え、各STAが特定APに関連付けられている無線通信システムの無線媒体の送信管理方法。
92.第1のAPが、第1のAPに関連付けられたSTAの、スケジュールされたアップリンク送信時間(ULT)情報を有する複数受信機集約複数ポーリング/省電力集約記述子(MMP/PSAD)フレームを構成することをさらに含む、実施形態91の方法。
93.第1のAPがMMP/PSADフレームを複数のSTAに送信することをさらに含む、実施形態91から92のいずれかにおけるような方法。
94.STAが、MMP/PSADを受信し、そのMMP/PSADがそのSTAに宛てられたものかどうかを決定することをさらに含む、実施形態91から93のいずれかにおけるような方法。
95.MMP/PSADの送信機アドレス(TA)フィールドが、第1のAPのアドレスを含む、実施形態91から94のいずれかにおけるような方法。
96.STAが、MMP/PSADフレームのTAフィールドを読み取って、そのMMP/PSADフレームを送信したAPが、そのSTAが関連付けられているAPかどうかを決定する、実施形態91から95のいずれかにおけるような方法。
97.MMP/PSADフレームを受信したSTAが、そのMMP/PSADフレームを送信したAPが、そのSTAが関連付けられているAPではないことを決定する、実施形態91から96のいずれかにおけるような方法。
98.STAがスリープモードに入る、実施形態91から97のいずれかにおけるような方法。
99.STAがスリープモードに入らない、実施形態91から97のいずれかにおけるような方法。
100.STAが継続時間IDフィールドの値を読み取る、実施形態91から99のいずれかにおけるような方法。
101.MMP/PSADフレームを受信したSTAが、そのMMP/PSADフレームを送信したAPが、そのSTAが関連付けられているAPであることを決定する、実施形態91から96のいずれかにおけるような方法。
102.STAが、MMP/PSADフレームに含まれているダウンリンク送信およびアップリンク送信の情報を復号する、実施形態101の方法。
103.STAが、ダウンリンクまたはアップリンクがスケジュールされていない時間帯に、スリープモードに入る、実施形態101から102のいずれかにおけるような方法。
104.ブロック受領確認(BA)応答フレームについてポーリングし、スケジュールされたアップリンク送信時間(ULT)の情報を有する複数受信機集約複数ポーリング/省電力集約記述子(MMP/PSAD)フレームを、APが構成することをさらに含む、前記実施形態のいずれかにおけるような方法。
105.MMP/PSADフレームを正常に受信および復号したSTAが、それぞれのスケジュールされたアップリンク送信時間の間に、それぞれのBA応答フレームを送信する、前記実施形態のいずれかにおけるような方法。
106.MMP/PSADフレームを正常に受信および復号したSTAが、それぞれのスケジュールされたアップリンク送信時間の間に、それぞれのBA応答フレームだけを送信する、前記実施形態のいずれかにおけるような方法。
107.STAがそれぞれのBA応答フレームを送信するように、APがSTAに追加ポーリングメッセージを送信することをさらに含む、前記実施形態のいずれかにおけるような方法。
108.追加ポーリングメッセージがMMPフレームである、実施形態107の方法。
109.無線通信システムの送信媒体を監視することをさらに含む、前記実施形態のいずれかにおけるような方法。
110.所定のイベントが検出されたら無線通信システムの送信媒体を回収することをさらに含む、前記実施形態のいずれかにおけるような方法。
111.所定のイベントが、アップリンクフェーズの間にフレームエラーを検出することを含む、実施形態109から110のいずれかにおけるような方法。
112.所定のイベントが、アップリンクフェーズにおける送信データ間の衝突を検出することを含む、実施形態109から111のいずれかにおけるような方法。
113.所定のイベントが、新しい、より高い優先順位のトラフィックを検出することを含む、実施形態109から112のいずれかにおけるような方法。
114.前記実施形態のいずれかにおけるような方法を実施するように構成されたアクセスポイント(AP)。
115.受信機をさらに備える、実施形態114のAP。
116.送信機をさらに備える、実施形態114から115のいずれかにおけるようなAP。
117.受信機および送信機と通信しているプロセッサをさらに備える、実施形態114から116のいずれかにおけるようなAP。
118.複数のSTAの、スケジュールされたアップリンク送信時間(ULT)の情報を有する複数受信機集約複数ポーリング/省電力集約記述子(MMP/PSAD)フレームを構成するように、プロセッサが構成された、実施形態114から117のいずれかにおけるようなAP。
119.MMP/PSADフレームを複数のSTAに送信するように、プロセッサが構成された、実施形態114から118のいずれかにおけるようなAP。
120.無線通信システムの送信媒体を監視して、STAのスケジュールされたアップリンク送信時間の間にSTAが送信を行っているかどうかを検出するように、プロセッサが構成された、実施形態114から119のいずれかにおけるようなAP。
121.無線通信システムの送信媒体を回収するように、プロセッサが構成された、実施形態114から120のいずれかにおけるようなAP。
122.実施形態1から113のいずれかにおけるような方法を実施するように構成された局(STA)。
123.受信機をさらに備える、実施形態122のSTA。
124.送信機をさらに備える、実施形態122から123のいずれかにおけるようなSTA。
125.受信機および送信機と通信しているプロセッサをさらに備える、実施形態122から124のいずれかにおけるようなSTA。
126.スケジュールされたアップリンク送信時間(ULT)の情報を有する複数受信機集約複数ポーリング/省電力集約記述子(MMP/PSAD)フレームを受信するように、プロセッサが構成された、実施形態122から125のいずれかにおけるようなSTA。
127.STAのスケジュールされたULTを決定するように、プロセッサが構成された、実施形態122から126のいずれかにおけるようなSTA。
128.STAのスケジュールされたULTの間に送信を行うように、プロセッサが構成された、実施形態122から127のいずれかにおけるようなSTA。
129.アイドル時間が所定のしきい値を超えるかどうかについて、無線通信システムの送信媒体を監視するように、プロセッサが構成された、実施形態122から128のいずれかにおけるようなSTA。
130.アイドル時間が所定のしきい値を超えたことを検出した後にアップリンクデータを送信するように、プロセッサが構成された、実施形態122から129のいずれかにおけるようなSTA。
131.実施形態1から113のいずれかにおけるような方法を実施するように構成された無線送受信機(WTRU)。
132.受信機をさらに備える、実施形態131のWTRU。
133.送信機をさらに備える、実施形態131から132のいずれかにおけるようなWTRU。
134.受信機および送信機と通信しているプロセッサをさらに備える、実施形態131から133のいずれかにおけるようなWTRU。
135.他のWTRUの、スケジュールされたアップリンク送信時間(ULT)の情報を有する複数受信機集約複数ポーリング/省電力集約記述子(MMP/PSAD)フレームを構成するように、プロセッサが構成された、実施形態131から134のいずれかにおけるようなWTRU。
136.MMP/PSADフレームを他のWTRUに送信するように、プロセッサが構成された、実施形態131から135のいずれかにおけるようなWTRU。
137.無線通信システムの送信媒体を回収するように、プロセッサが構成された、実施形態131から136のいずれかにおけるようなWTRU。
138.スケジュールされたアップリンク送信時間(ULT)情報を有するMMP/PSADを受信するように、プロセッサが構成された、実施形態131から137のいずれかにおけるようなWTRU。
139.STAのスケジュールされたULTの間に送信を行うように、プロセッサが構成された、実施形態131から138のいずれかにおけるようなWTRU。
140.アイドル時間が所定のしきい値を超えるかどうかについて、無線通信システムの送信媒体を監視するように、プロセッサが構成された、実施形態131から139のいずれかにおけるようなWTRU。
141.アイドル時間が所定のしきい値を超えたことを検出した後にアップリンクデータを送信するように、プロセッサが構成された、実施形態131から140のいずれかにおけるようなWTRU。
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信システムにおけるデータ送信に関する。特に、本発明は、無線通信システムにおける複数ポーリングおよび省電力のための送信管理の方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
IEEE 802.11規格案(特に、IEEE 802.11n規格)を実装することにより、高スループット(HT)の無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)装置が使用可能になる。高スループットを達成しうる、そのような方法の1つは、媒体アクセス制御(MAC)層および物理(PHY)層の両方で信号集約(signal aggregation)を行う方法である。集約(aggregate)が単一受信機アドレスにアドレス指定される場合、これを単一受信機集約(Single Receiver Aggregate)(SRA)と呼ぶ。集約が複数受信機にアドレス指定される場合、これを複数受信機集約(Multiple Receiver Aggregate)(MRA)と呼ぶ。
【0003】
MRAは、複数受信機集約複数ポーリング(Multiple Receiver Aggregate Multi−Poll)(MMP)シーケンスまたは省電力集約記述子(Power Save Aggregation Descriptor)(PSAD)の間に送信されることが可能である。この集約は、システム性能を向上させる傾向があり、さらに、MMP/PSADの場合には、省電力の仕組みを提供する。
【0004】
同じ受信機に送信される1つまたは複数のMACサービスデータユニット(MSDU)は、単一の集約MSDU(A−MSDU)に集約されることが可能である。このように複数のフレームを集約すると、MAC層の効率が向上し、特に、送信制御プロトコル受領確認(Transmission Control Protocol Acknowledgement)(TCP ACK)のような小さなMSDUが多数ある場合に向上する。その結果、チャネルアクセスに関連するオーバヘッド(物理層コンバージェンスプロトコル(PLCP)のプリアンブル、MACヘッダ、IFS間隔など)を、2個以上のMSDUにならすことが可能である。さらに、STAは、受信機がMSDU集約をサポートしていることがわかっていれば、MSDU集約を用いるだけでよい。場合によっては、受信機側でのMSDU集約のサポートは必須である。
【0005】
図1は、例示的なA−MSDUフレーム10を示す。A−MSDUフレーム10は、複数のサブフレームヘッダフィールド11と、(MSDU1...MSDUnで示された)複数のMSDUフィールド12とを含む。各サブフレームヘッダフィールド11は、MSDU長さフィールド13と、ソースアドレスフィールド14と、宛先アドレスフィールド15とを含む。典型的には、サブフレームヘッダフィールド11は、フレームがその受信機に向けられているかどうかを受信機が解読することを支援するために、MSDUと分離される。通常、MSDU長さフィールド13は、長さを含み、ソースアドレスフィールド14は、送信機のアドレスを含み、宛先アドレスフィールド15は、受信機のアドレスを含む。一般には、A−MSDU 10を形成するために、2個以上のMSDUが集約される。
【0006】
複数のMACプロトコルデータユニット(MPDU)を結合することにより、別のタイプの集約を形成することが可能である。図2は、例示的な集約MPDU(A−MPDU)フレーム20を示す。A−MPDUフレーム20は、複数のMPDUデリミタフィールド21と、(MPDU1...MPDUnで示された)複数のMPDUフィールド22とを含む。各MPDUデリミタフィールド21はまた、予約フィールド31と、MSDU長さフィールド24と、巡回冗長検査(CRC)フィールド25と、一意パターンフィールド26とを含む。A−MPDUフレーム20は、典型的には、単一の集約PLCPサービスデータユニット(A−PSDU)として搬送される。さらに、必要に応じて、MPDUn以外の各MPDUフィールド22セクションの長さを4個のオクテットの倍数にするために、パディングオクテット(図示せず)が付加される。
【0007】
MPDUデリミタフィールド21の目的の1つは、集約内のMPDU 22を区切ることである。たとえば、1つまたは複数のMPDUデリミタが受信時にエラーを含んでいても、通常は、集約の構造を回復することが可能である。さらに、個々のMPDUデリミタフィールド21は、前後のMPDU 22と同等のブロックエラーレート(BER)を有するため、送信中に失われてもよい。
【0008】
A−MPDUフレーム20を使用することの一利点は、これらが、A−MSDUと異なり、複数の受信機に集約されることが可能なことである。すなわち、複数受信機集約(multiple−receiver aggregate)(MRA)は、複数の受信機にアドレス指定されたMPDUを含むことが可能である。さらに、MRAは、MMP/PSADシーケンスの間に送信されるかどうかによって区別される2つのコンテクストのいずれかのかたちで送信されることが可能である。複数の応答が必要な場合、それらは、MMPまたはPSADフレームの送信によってスケジュールされることが可能である。
【0009】
図3は、典型的な複数受信機集約複数ポーリング(MMP)フレーム30を示す。MMPフレーム30は、フレーム制御フィールド31と、継続時間フィールド32と、受信機アドレス(RA)フィールド33と、送信機アドレス(TA)フィールド34と、受信機の数(N)フィールド35と、受信機情報フィールド36と、フレームチェックシーケンス(FCS)フィールド37とを含む。RAフィールド33は、典型的には、グループのブロードキャストアドレスである。TAフィールド34は、典型的には、MRA集約を送信する無線送受信機(WTRU)のアドレスである。受信機の数(N)フィールド35は、MRA集約に含まれるMPDUの宛先の受信機の数を含む。
【0010】
さらに、受信機情報フィールド36は、関連付け識別子(AID)フィールド61、送信識別子(TID)フィールド62、新規PPDUフラグフィールド63、予約フィールド64、受信(Rx)オフセットフィールド65、Rx継続時間フィールド66、送信(Tx)オフセットフィールド67、Tx継続時間フィールド68などの、複数のサブフィールドを含む。AIDフィールド61は、フレームによってアドレス指定された局(STA)を識別する。TIDフィールド62は、送信用TIDをSTAで定義する。新規PPDUフラグフィールド63は、STAへのダウンリンク(DL)が、PPDUの開始時に始まることを示す。Rxオフセットフィールド65は、STA向けDLデータを含む第1シンボルの開始を定義する。Rx継続時間フィールド66は、ダウンリンクの長さを定義する。Txオフセットフィールド67は、STAによる送信の開始が可能な時刻を定義し、Tx継続時間フィールド68は、送信の継続時間の限界を定義する。
【0011】
図4は、典型的な省電力集約記述子(PSAD)フレーム40を示す。PSADフレーム40は、フレーム制御フィールド41と、継続時間フィールド42と、RAフィールド43と、TAフィールド44と、基本サービスセット識別子(BSSID)フィールド45と、PSADパラメータ(PARAM)フィールド46と、受信機の数フィールド47と、FCSフィールド48とを含む。PSAD PARAMフィールド46はさらに、予約フィールド71と、追加PSADインジケータ72と、記述子終了フィールド73とを含む。受信機の数フィールド47は、複数の個別の局情報フィールドを含み、各局情報フィールドはさらに、予約フィールド81と、STA IDフィールド82と、ダウンリンク送信(DLT)開始オフセットフィールド83と、DLT継続時間フィールド84と、アップリンク送信(ULT)開始オフセットフィールド85と、ULT継続時間フィールド86とを含む。
【0012】
MMP/PSADフレームは、非集約として送信されてもよく、ダウンリンクMPDUと集約されてもよい。MMP/PSADフレームフォーマットは、各STAの受信および送信の継続時間を定義するので、STAは、受信時でも送信時でもないときにはスリープモードに入ることが可能になるため、このフォーマットにより、STAは、電力を節約することが可能になる。さらに、MMPシーケンスは、ネットワーク割り当てベクトル(NAV)および拡張PHY保護(EPP)により保護されるため、MMPは、複数の送信機会(TXOP)をスケジュールする仕組みを与える。
【0013】
図5Aは、MMP/PSADダウンリンクフレーム交換シーケンス50を示し、図5Bは、MMP/PSADアップリンクフレーム交換シーケンス55を示す。PSADの場合は、ダウンリンク送信(DLT)およびアップリンク送信(ULT)の時間帯は、PSADフレーム40によって記述される。PSAD送信機からいずれかのPSAD受信機へのフレーム送信にどの時間帯が使用されるべきかについても、PSADフレーム40に記述される。
【0014】
具体的には、図5Aおよび5Bは、DLT1からDLTnの開始オフセット、およびULT1からULTnの開始オフセットを示す。同様に、MMPの場合は、一連のダウンリンク送信RX1からRXn、およびアップリンク送信TX1からTXnのオフセットが示される。
【0015】
集約は、物理層(PHY)プロトコルデータユニット(PPDU)についても、PHYレベル層において可能である。この集約は、集約PPDU(A−PPDU)と呼ばれることがある。A−PPDUは、PLCPヘッダとPPDUまたはPHYサービスデータユニットPSDUとの、1つまたは複数の対を含む。A−PPDUを形成するために、2個以上のPPDU(またはPSDU)が集約され、これらは、高スループット信号(High Throughput Signal)(HT−SIG)フィールドによって区切られる。
【0016】
図6は、典型的な集約PPDU(A−PPDU)60を示す。APPDU 60は、レガシープリアンブル(L−プリアンブル)91と、高スループットプリアンブル(HT−プリアンブル)92と、複数のPSDUフィールド93(PSDU1...PSDUn)と、複数のHT信号(HT−SIG)フィールド94(HT−SIG1...HT−SIGn)とを含む。HT−SIGフィールド94はさらに、長さフィールド95と、MCSフィールド96と、高度符号化(advanced coding)フィールド97と、サウンディングパケット(sounding packet)98と、ナンバー(number)HTレガシートレーニングフィールド(HT−LTF)99と、短いGIフィールド101と、20/40フィールド102と、巡回冗長検査(CRC)フィールド103と、テールフィールド104とを含んでよい。
【0017】
図6に示されるように、結果としてのA−PPDU 60は、したがって、A−PPDU内のすべてのPPDU(またはPSDU)と、各構成要素のPSDU 93ごとのHT−SIG 94との組合せである。図6に示された各PSDU 93は、様々な物理層パラメータを定義するHT−SIG 94で区切られているため、APPDUは、マルチレートのPSDUを含む。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
しかしながら、現行システムの弱点の1つは、MMP/PSADがAPによって送信された場合に、MMP/PSADに関連付けられたSTAのうちの1つまたは複数が、MMP/PSADフレームを正常に受信しないか、誤って復号する可能性があることである。このような場合、MMP/PSADフレームを正常に受信または復号しないSTAは、それらのスケジュールされたアップリンク送信時間を逃してしまい、実質的にWLANの媒体時間を無駄にすることになる。
【0019】
したがって、チャネル状態がよくないために1つまたは複数のHT−SIG 94またはPSDU 93の受信でエラーが発生した場合に、A−PPDU 90の構造を回復する仕組みとして動作する方法または装置があれば有利である。さらに、APが、未使用ULTを回復し、複数のMMP/PSADフレームを送信することが可能であり、MMP/PSADフレームのマルチキャスト送信およびブロードキャスト送信をスケジュールすることが可能である方法および装置があれば有利である。
【課題を解決するための手段】
【0020】
少なくとも1つのアクセスポイント(AP)と複数の局(STA)とを備える無線通信システムにおいて、無線媒体の送信管理方法が、複数のSTAの、スケジュールされたアップリンク送信時間(ULT)の情報を有する複数受信機集約複数ポーリング/省電力集約記述子(MMP/PSAD)フレームを、APが構成することを含む。そしてAPは、そのMMP/PSADフレームを複数のSTAに送信する。STAは、MMP/PSADフレームを正常に受信および復号した後、スケジュールされたULTの間に送信を行う。
【0021】
上述の要約、ならびに、以下の、本発明の好ましい実施形態の詳細説明は、添付図面を参照しながら読まれると、よりよく理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】例示的なA−MSDUフレームを示す図である。
【図2】例示的な集約MPDU(A−MPDU)フレームを示す図である。
【図3】典型的な複数受信機集約複数ポーリング(MMP)フレームを示す図である。。
【図4】典型的な省電力集約記述子(PSAD)フレームを示す図である。
【図5A】MMP/PSADダウンリンクフレーム交換シーケンスを示す図である。
【図5B】MMP/PSADアップリンクフレーム交換シーケンスを示す図である。
【図6】典型的な集約PPDU(A−PPDU)を示す図である。
【図7】本発明に従って構成された無線通信システムを示す図である。
【図8】本発明による送信管理方法を実施するように構成されたAPおよびSTAの機能ブロック図である。
【図9】本発明の一実施形態による、図7の無線通信システムにおける送信時間の管理のフロー図である。
【図10】本発明の一実施形態による、図7の無線通信システムのダウンリンク交換およびアップリンク交換の例示的信号図である。
【図11】無線通信システム100のダウンリンク交換およびアップリンク交換の例示的信号図であり、個々のSTAが、それぞれのダウンリンクおよびアップリンクのスケジューリング情報の正常な受信および復号を行わなかった場合を示す図である。
【図12】本発明の一実施形態による、媒体を回復する方法のフロー図である。
【図13】無線通信システムのダウンリンク交換およびアップリンク交換の例示的信号図であり、ダウンリンクフェーズのブロードキャストフェーズの間にブロードキャストMMP/PSADまたはマルチキャストMMP/PSADが送信される場合を示す図である。
【図14】無線通信システムのダウンリンク交換およびアップリンク交換の例示的信号図であり、ダウンリンクフェーズとアップリンクフェーズとの間にブロードキャストMMP/PSADまたはマルチキャストMMP/PSADが送信される場合を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下では、局(STA)は、無線送受信機(WTRU)、ユーザ端末(UE)、移動局、固定式または移動式加入者装置、ページャ、または他の任意のタイプの、無線環境で動作可能な機器を含み、これらに限定されない。以下で言及されるアクセスポイント(AP)は、基地局、ノードB、サイトコントローラ、アクセスポイント、または他の任意のタイプの、無線環境におけるインターフェース装置を含み、これらに限定されない。
【0024】
図7は、本発明に従って構成された無線通信システム100を示す。好ましい一実施形態における無線通信システム100は、無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)であってよく、AP 110と、AP 110との無線通信が可能な(STA1、STA2、STA3で示された)複数のSTA 120とを含む。好ましい一実施形態におけるAP 110は、ネットワーク130(インターネット、公衆交換電話網(PSTN)など)に接続されている。このようにして、STA 120は、AP 110経由でネットワーク130にアクセスすることが可能になっている。無線通信システム100にはSTA 120が3個だけ描かれているが、任意の個数のSTA 120が無線通信システム100に存在して、AP 110と通信することが可能である。
【0025】
図8は、無線システム100において送信管理方法を実施するように構成された、STA 120と通信しているAP 110の機能ブロック図である。
【0026】
典型的なAPに通常含まれるコンポーネントに加えて、AP 110は、無線送信および受信を容易にするために、無線通信ネットワーク100における送信を管理するように構成されたプロセッサ115と、プロセッサ115と通信する受信機116と、プロセッサ115と通信する送信機117と、受信機116および送信機117と通信するアンテナ118とを含む。さらに、好ましい実施形態では、プロセッサ115は、ネットワーク130と通信することが可能である。
【0027】
典型的なSTAに通常含まれるコンポーネントに加えて、STA 120は、無線送信および受信を容易にするために、無線通信ネットワーク100における送信を管理するように構成されたプロセッサ125と、プロセッサ125と通信する受信機126と、プロセッサ125と通信する送信機127と、受信機126および送信機127と通信するアンテナ128とを含む。
【0028】
図9は、本発明の一実施形態による、無線通信システム100における送信時間の管理のフロー図900を示す。ステップ910で、AP 110は、STA 120に対し、それぞれの、ULフェーズにおける送信時間を伝達するために、MMP/PSADフレームを構成する。具体的には、MMP/PSADフレームは、MMP/PSAD継続時間フィールドで指定される後続の継続時間におけるダウンリンクおよびアップリンクのフレーム交換をスケジュールする。たとえば、AP 110は、Rx/DLT開始オフセットの値の昇順、あるいは、Rx/DLT開始オフセットが等しい場合には送信順序に従って、PSAD記述子フィールド(またはMMP受信機情報フィールド)の順番を並べ換えることにより、そのスケジューリングを実行することが可能である。これは特に、AP 110が、複数の受信側STA 120に宛てられた複数のPPDUを含むA−PPDUを送信する場合に有用である。さらに、AP 110は、TAフィールド(34、44)を自身の識別子(自身のMACアドレスなど)で埋め、RAフィールドを宛先受信機のアドレスで埋める。一実施形態では、RAフィールドを、MMP/PSADフレームの宛先であるSTA 120のMACアドレスで埋めてよい。
【0029】
次にAP 110は、MMP/PSADフレームをSTA 120に送信する(ステップ920)。個々のSTA 120のそれぞれが、そのMMP/PSADフレームを受信する(ステップ930)。個々のSTA 120は、MMP/PSADフレームを正常に受信および復号した場合(ステップ940)には、MMP/PSADフレームから各自の送信時間を抽出する(ステップ950)。個々のSTA 120がMMP/PSADフレームの正常な受信および復号を行わなかった場合(ステップ940)は、AP 110が、その媒体を回復する(ステップ970)(これについては後で詳述する)。
【0030】
一例では、STA 120は、A−PPDU集約を形成する個々のPPDUのタイミング情報を抽出する。MMP/PSADフレームを受信したSTA 120は、MMP/PSADフレーム内で定義されたオフセットフィールドおよび継続時間フィールドから、自身のHT−SIG時間情報を導出することが可能である。具体的には、Rx(またはDLT)開始オフセットフィールドおよび継続時間フィールドは、A−PPDUのHT−SIGタイミング情報を抽出して、A−PPDU集約スキームの信頼性を高めることを目的として使用される。これによって、受信機のシンプルな実装が可能になる場合もある。
【0031】
たとえば、MMP/PSAD交換内の集約の1つがA−PPDU集約であると仮定することが可能である。MMP/PSADフレームにおいて、MMP/PSAD交換内にダウンリンクデータを有するとして識別されているSTA 120については、そのHT−SIGフィールドの開始時刻を決定するために、直前の局のMMP/PSADのRxオフセットフィールドおよびRx継続時間フィールドが用いられることが可能である。しかしながら、この、Rxオフセット情報の共有は、両方の局が同じRxオフセットを有する場合のみ行われる。そうでない場合には、個々のSTA 120のRxオフセットが使用される。したがって、先行局のRxオフセットおよびRx継続時間を追加することにより、個々のSTA 120は、そのPPDUのHT−SIGの開始タイミングを決定することが可能になる。
【0032】
代替として、個々のSTA 120は、MMP/PSADフレームの1つの先行フィールドのみ(たとえば、直前の局の情報のみ)を用いるのではなく、複数の先行フィールドを用いることが可能である。この変形形態は、たとえば、Rx継続時間フィールドが、共通のRxオフセットに対して定義されておらず、データPPDUの実際の継続時間に関して定義されている場合に有用であろう。この場合、個々のSTA 120は、すべての先行Rx継続時間フィールドに対して総加算(overall addition)を実施することが必要になる可能性がある。
【0033】
別の代替として、MMP/PSAD記述子フィールド内またはMMP受信機情報フィールド内でフィールドまたはビットが追加される。このフィールドまたはビットは、そのタイミング情報が、A−MPDU集約内のMPDUの開始に関連するか、A−PPDU集約内のPPDUの開始に関連するかを、識別する。たとえば、この追加フィールドは、個々のSTA 120が、このRxオフセットにおけるHT−SIG、プリアンブルトレーニングフィールド、またはMPDUデリミタフィールドを受信および復号することになっていることを示すために用いられることが可能である。
【0034】
A−PPDUがMMP/PSADなしで送信される場合は、不規則なエラー確率およびエラー伝搬が、システムの他のSTA 120の省電力、媒体アクセス、およびネットワーク割り当てベクトル(NAV)を混乱させる可能性があるため、A−PPDUは、NAVの設定またはスプーフィングで保護されなければならない。たとえば、AP 110からのAPPDUを、NAVおよび/またはEPP保護を与えるCTS(clear to send)−to−self送信の後にすることが可能である。非APのSTA 120からのA−PPDUは、NAVおよびEPP保護のためのRTS/CTS交換によって保護されることが可能である。
【0035】
STA 120が自身のタイミング情報を抽出した後(ステップ950)、STA 120は、ULフェーズにおける自身の送信時間の間に送信する。
【0036】
図10は、前述の方法900による、無線通信システム100のダウンリンク交換およびアップリンク交換の例示的信号図101である。AP 110は、STA1、STA2、およびSTA3のダウンリンクおよびアップリンクのスケジューリング情報を含むMMP/PSADフレームを送信する。ダウンリンクフェーズでは、AP 110は、D1、D2、およびD3で示される、STA1、STA2、およびSTA3のダウンリンク情報を送信する。各STA 120がMMP/PSADフレームを正常に受信および復号した場合、各STA 120(STA1、STA2、およびSTA3)は、D1、D2、およびD3で示されている、それぞれのスケジュールされた時間の間に、それぞれのダウンリンク情報を受信する。アップリンクフェーズでは、STA1は、そのスケジュールされたアップリンク時間(U1)の間に送信し、STA2は、そのスケジュールされたアップリンク時間(U2)の間に送信し、STA3は、そのスケジュールされたアップリンク時間(U3)の間に送信する。このようにして、各STA 120は、それぞれに関連付けられたダウンリンクデータを受信すること、およびそれぞれのスケジュールされたアップリンク時間の間に送信することのために、いつアクティブである必要があるかを認識する。
したがって、各STA 120は、送信または受信がスケジュールされていないことがわかっている時間帯には電源をオフにすることが可能であり、それによって、それぞれのエネルギーを温存することが可能になる。
【0037】
アップリンクおよびダウンリンクのフレーム交換のスケジューリングはMMP/PSADフレーム内にスケジュールされているため、MMP/PSADフレームの正常な受信および復号を行わなかったSTA 120(ステップ940)は、そのタイミングを知らずに、ULの送信機会を逃すおそれがある。これが起こるのを防ぐか、起こった場合に回復する手立てがない場合、媒体時間が無駄になる可能性がある。これが起こるのを防ぐために、AP 110は、媒体を回復しなければならない(ステップ970)。
【0038】
図11は、無線通信システム100のダウンリンク交換およびアップリンク交換の例示的信号図101’であり、個々のSTA 120(この場合はSTA2)が、ステップ940でそれぞれのダウンリンクおよびアップリンクのスケジューリング情報の正常な受信および復号を行わなかった場合を示す。この場合、STA2は、そのスケジュールされたアップリンク時間(U2’)の間に送信を行わない。
【0039】
図12は、本発明の一実施形態による、媒体を回復する(970)方法のフロー図である。ステップ980で、AP 110は、媒体を監視して、個々のSTA 120がそれぞれのスケジュールされたUL時間の間に送信を行っているかどうかを検出する。AP 110は、MMP/PSADフレーム内のタイミング情報を利用して、いつ媒体を監視すべきか(ステップ980)を決定することが可能であり、あるいは、媒体を連続的に監視することが可能である。
【0040】
STA 120が、スケジュールされた時間にアップリンク送信を実施していないことを、AP 110が検出した場合、AP 110は、その媒体を回収する(ステップ990)ことが可能である。
【0041】
図11を再度参照すると、AP 110は、アップリンクフェーズを監視して、STA1がそのスケジュールされたアップリンクウィンドウ(U1)の間にそのアップリンクデータを送信することを検出する。AP 110は次に、たとえば、STA2が、そのスケジュールされたアップリンク送信ウィンドウ(U2’)の間に送信を行っていないことを検出する。一定のアイドル時間の待機の後、AP 110は、その媒体を回収する(ステップ990)。
【0042】
好ましい一実施形態では、アイドル時間は、AP 110が媒体を回収する前に、STA 120に対して、そのアップリンク時間の間に送信を開始するための十分な機会を与えるために、AP 110が待機する、あらかじめ決められた時間である。一例として、アイドル時間は、ポイント制御機能フレーム間間隔(point control function inter−frame spacing)(PIFS)時間と同じであってよい。AP 110は、送信していない場合には、MMP/PSAD交換時間の間に媒体を監視する(ステップ980)ことが可能であり、あるいは、AP 110は、各STA 120がアップリンク送信していなければならない時間帯を認識していることが可能なため、それらの時間の間だけ、媒体を監視すればよい。
【0043】
代替として、AP 110は、アップリンクフェーズの間に起こるフレームエラーまたは衝突に関して媒体を監視することが可能であり、それらの観察に基づいて媒体の回収を決定することが可能である。さらに、AP 110は、既に考慮に入れているデータトラフィックより優先度が高いデータトラフィックを送信またはスケジュールするために、MMP/PSADのキャンセルを決定することが可能である。たとえば、AP 110は、特定のトラフィックのサービス品質(QoS)要件を高くしたり、制御トラフィックをスケジュールしたりしてもよい。
【0044】
いずれにしても、AP 110がステップ990で媒体の回収を決定した場合、回収を行う方法はいくつかある。
【0045】
AP 110が媒体を回収することが可能な一方法は、DLT送信またはULT送信を再スケジュールする(ステップ991)方法である。好ましい一実施形態では、AP 110は、すべての、または選択されたSTA 120に対し、既に送信されたMMP/PSADフレームを無視するように指示するフレームを送信する(ステップ992)ことによって、再スケジュールを実施する。このフレームは、いくつかのフォーマットがあってよい。
【0046】
たとえば、ステップ992で送信されるフレームは、先行のMMPスケジュールをリセットまたはキャンセルするために新たに定義されたフレームであってよく、あるいは、先行のMMP/PSADスケジュールをリセットすることをSTA 120に指示するように構成されることが可能な、任意の制御、管理、またはデータフレームであってよい。
【0047】
しかしながら、好ましい一実施形態では、AP 110は、別のMMP/PSADフレームを再送信する。このMMP/PSADフレームは、以前のスケジューリング情報が、すべての、または選択されたSTA 120によって無視されるべきであることを指定するフィールドを含む以外は、オリジナルのMMP/PSADフレームであってよい。代替として、STA 120がMMP/PSADフレームを受信した場合には、先行のすべてのMMP/PSADフレームから受け取ったスケジューリング情報をすべて無視するというルールが定義されていれば、再送信されるMMP/PSADフレームは、以前に送信されたMMP/PSADフレームと同一であってよい。
【0048】
新しいMMP/PSADフレーム、または先行のMMP/PSADスケジュールをキャンセルまたはリセットするために用いられる任意のフレームの、NAV継続時間を利用して、受信側STA 120におけるNAVをリセットまたは更新することが可能である。また、別のフレーム(CF−ENDフレームなど)を用いて、STA 120のNAV継続時間をリセットすることも可能である。代替として、無線通信システム100は、最新のMMP/PSADフレームの継続時間が、STA 120にローカルに記憶されているすべてのNAV継続時間に取って代わるように構成されることが可能である。
【0049】
AP 110が媒体を回収することが可能な別の方法は、スケジュールされた送信時間の間に送信を行わないSTA 120にポーリングフレームを送信する(ステップ993)方法である。ポーリングフレームは、非競合ポーリング(contention free poll)(CFポーリング)フレーム、QoSポーリングフレーム、別のMMP/PSADフレームなどであってよい。代替として、AP 110は、アップリンク送信がスケジュールされているSTAとは別のSTA 120にポーリングフレームを送信することが可能である。ポーリングフレームを受け取ったSTA 120は、ポーリングフレームに呼応して送信を開始する(ステップ994)。STA 120に送信すべきデータがあれば、STA 120はそのデータを送信する。送信すべきデータがないSTA 120は、受領確認フレーム、QoSヌルフレーム、データヌルフレーム、または別のフレームを送信して、送信すべきデータがないことを示す。
【0050】
AP 110が媒体を回収することが可能な、さらに別の方法は、ステップ995で示されるように、ダウンリンクデータ、および、好ましい一実施形態では、逆方向認可(reverse direction grant)(RDG)信号を送信する方法である。たとえば、AP 110は、所望の任意のSTA 120にダウンリンクデータを送信することが可能であり、あるいは、AP 110は、この時間の間に任意の制御フレームまたは管理フレームを送信することが可能である。受信側STAは、ダウンリンクデータおよびRDG信号を受信した後、そのSTAの継続時間の間にそのSTAのアップリンクデータを送信する(ステップ996)。AP 110に送信すべきダウンリンクデータがまったくなくても、AP 110は、データヌル、QoSヌル、その他を送信して、送信していないSTAに、その指定された継続時間の間に送信を開始すべきことを指示することが引き続き可能である。
【0051】
たとえば、図11を再度参照すると、STA1のアップリンク送信(U1)時間の後の媒体のアイドル時間が長すぎることをAP 110が検出した場合、AP 110は、ダウンリンクデータおよびRDGをSTA2に送信する。そのダウンリンクデータおよびRDGを受信したSTA2は、指定された継続時間(U2’)の間にデータを送信する。
【0052】
アップリンクで送信すべきデータがSTA 120にない場合、STA 120は、QoSヌルフレーム、データヌルフレームなどのような応答フレームをAP 110に送信して、そのSTAが、割り当てられたアップリンク時間の間に送信すべきデータを持たないことを、AP 110に知らせなければならない。それによって、AP 110は、媒体を回収し、媒体の無駄を防ぐ別の何らかの是正措置(別のSTA 120をポーリングして、その送信を開始させる、など)を行うことが可能である。
【0053】
AP 110が媒体を回収することが可能な別の方法は、冗長MMP/PSADフレームを送信する(ステップ997)方法である。冗長MMP/PSADフレームは、アップリンクフェーズにおいてSTA 120がその送信ウィンドウを逃した場合に、その時間の間、ULT情報の一部またはすべてを繰り返すことが可能である。これは特に、複数のSTA 120がMMP/PSADフレームの正常な受信または復号を行わなかった場合に有用である。AP 110はまた、前のMMP/PSAD交換シーケンスの間に無線通信システム100内で特定のイベントが発生したことを検出した場合に、冗長MMP/PSADフレームの利用を決定することも可能であり、あるいは、AP 110は、STA 120のULT情報または数に関して、冗長MMP/PSADを送信することを適切とするような特定の情報を保有していることを理由として、冗長MMP/PSADフレームの利用を決定することも可能である。
【0054】
たとえば、AP 110は、前のMMP/PSADフレーム交換において、特定のSTA 120がそれぞれの情報をそれぞれのスケジュールされたアップリンク時間の間に送信しなかったことを検出している可能性がある。この場合、AP 110は、次のMMP/PSAD交換において、すべてのSTA 120がそれぞれのスケジュールされたULTを正常に受け取る確率を高めるために冗長MMP/PSADフレームを送信することを決定することが可能である。
【0055】
さらに、AP 110は、無線通信システム100内に多数のSTA 120があることを認識することが可能であり、したがって、任意の個々のSTA 120がそのULT情報を、最初のMMP/PSADにおいて受信し損なう確率が高くなっていることを認識することが可能である。同様に、AP 110は、無線通信システム100内のSTA 120に対してスケジュールされた、長いULTに関連する情報を有することが可能であり、このことは、1つのSTA 120が最初のMMP/PSADを受信し損なった場合に、そのSTAが、スケジュールされたULTの間に送信し損なえば、大量の帯域幅が無駄になりうることを意味する。このような状況では、冗長MMP/PSADフレームを送信することにより、システム内のすべてのSTA 120がそれぞれのスケジュールされたULTを利用する確率が高まり、帯域幅の無駄がなくなる。基本的に、AP 110は、個々のULTの継続時間、すべてのULTの総継続時間、およびULTを有するSTA 120の数を、所定のしきい値と比較して、冗長MMP/PSADフレームを送信すべきかどうかを決定することが可能である。
【0056】
図11を再度参照し、STA2だけでなくSTA3も、MMP/PSADフレームの正常な受信および復号を行わなかったとする。この場合は、AP 110による是正措置がなければ、STA2およびSTA3の両方が、それぞれのスケジュールされた送信時間を逃すであろう。そこで、STA1のアップリンク送信(U1)の後のアイドル時間が長すぎることをAP 110が検出した場合には、AP 110は、冗長MMP/PSADフレームを送信する。このようにして、STA3は、冗長MMP/PSADフレームを受信し、スケジュールされたアップリンクウィンドウ(U3)の間にデータを送信し、これによって、媒体のさらなる無駄が限定される。
【0057】
本発明のさらに別の代替実施形態では、AP 110は、MMP/PSADフレームを利用してブロードキャストフレームまたはマルチキャストフレームをスケジュールすることが可能である。これを行うために、AP 110は、MMP/PSADフレームの既存のPSADフレーム40を再構成しなければならない。これは、現在のフォーマットにおいて、STA IDフィールド82がSTA 120の関連付けIDになっているためである。そこで、MMP/PSADシーケンス内でのブロードキャストフレームまたはマルチキャストフレームの送信をサポートするために、既存のPSADフレーム40を再構成しなければならない。
【0058】
PSADフレーム40を再構成する一方法は、MMP/PSADフレームにビットまたはフィールドを含める方法である。好ましい一実施形態では、これは、局情報フィールドに含められる。たとえば、ブロードキャストフレームが指定のDLTパラメータにおいて送信されること、および、その継続時間の間はSTAが動作中でなければならないことを指定するビットを、局情報フィールドの予約フィールド81に含めることが可能である。代替として、ブロードキャストフレームが送信されること、および、その継続時間の間はSTAが動作中でなければならないことを指示するために、STA IDフィールド82の特定の値(たとえば、すべて「1」)を利用することが可能である。その場合は、STA IDフィールド82は、すべてのビットが「1」に設定されなければならない。
【0059】
図13は、無線通信システム100のダウンリンク交換およびアップリンク交換の例示的信号図131であり、ダウンリンクフェーズのブロードキャストフェーズの間にブロードキャストMMP/PSADまたはマルチキャストMMP/PSADが送信される場合を示す。本例では、AP 110は、ダウンリンクフェーズに先立って、一部またはすべてのSTA 120に対し、それらのSTAが、ダウンリンクフェーズの最後に発生するブロードキャスト間隔の間、リスンしていなければならないことを指示する、最初のMMP/PSADを送信する。その後、AP 110は、ダウンリンクフェーズの最後に、ULTスケジュールを確認するために、フレーム、および、好ましくは、追加MMP/PSADフレームを送信することが可能である。このようにして、STA 120は、それぞれのULTスケジュールを2回受信することになるため、それぞれのアップリンク送信時間を逃す可能性が低くなる。
【0060】
代替として、AP 110は、最初のMMP/PSADフレーム交換シーケンスに第2のMMP/PSADフレームを挿入することが可能であり、この挿入は、第2のMMP/PSADフレームが送信されるべきタイミングに関してTx開始オフセットおよびTx継続時間を示すユニキャストMMP/PSADエントリを、第1のMMP/PSADフレームに含めることによって行われる。一例として、このエントリは、任意のSTA 120の任意のMACアドレスをダミー受信機アドレスとして含むことが可能である。このエントリはさらに、正確でないTx開始オフセットおよびTx継続時間の情報を含むことが可能である。その後、AP 110は、ダウンリンクフェーズの最後に、ULTスケジュールを確認するために、フレーム、および、好ましくは、追加MMP/PSADフレームを送信することが可能である。このようにして、最初のMMP/PSADフレームの正常な受信および復号を行わなかったSTA 120だけが、第2のMMP/PSADフレームを受信および復号するために、動作中であり続けるか、起動し、最初のMMP/PSADフレームを正常に受信および復号した局は、第2のMMP/PSADフレームの受信および復号のために起動する必要はない。これは、最初のMMP/PSADフレームを正常に受信および復号したSTA 120が、それらにとって第2のMMP/PSADフレームが意味を持たないことをわかっているためである。代替として、第2のMMP/PSADフレームに関連する情報を、最初のMMP/PSADフレーム内で送信しないことも可能である。
【0061】
図14は、無線通信システム100のダウンリンク交換およびアップリンク交換の例示的信号図141であり、ダウンリンクフェーズとアップリンクフェーズの間にブロードキャストMMP/PSADまたはマルチキャストMMP/PSADが送信される場合を示す。この例では、AP 110は、最初のMMP/PSADフレームに第2のMMP/PSADフレームを挿入するが、第2のMMP/PSADフレームを説明するエントリを最初のMMP/PSADフレームに含めない。そしてAP 110は、図14に示されるように、ダウンリンクフェーズとアップリンクフェーズとの間の時間に、ULTスケジュールを確認する第2のMMP/PSADフレームを送信する。このシナリオでは、最初のMMP/PSADフレームの正常な受信および復号を行わなかったSTA 120だけが、第2のMMP/PSADフレームを受信するために起動する。これは、最初のMMP/PSADフレームを正常に受信および復号したSTA 120が、最初のMMP/PSADフレームを正常に復号した結果に基づいて、起動する必要があるまで起動しないためである。
【0062】
しかしながら、重要なこととして、AP 110は、そのULTオフセットおよび継続時間の計算時に、挿入された(または入れ子にされた)MMP/PSADフレームの作用を考慮しなければならないことに注意されたい。考慮しないと、AP 110は、STA 120が、従うべきと確信しているオフセットと、同期しなくなる。
【0063】
この入れ子になった、または冗長なMMP/PSADフレームは、最初のMMP/PSADフレームと同一の情報を含んでも含まなくてもよい。しかしながら、好ましい一実施形態では、この入れ子になった、または冗長なMMP/PSADフレームは、STA 120のULT情報を含み、典型的には、最初のMMP/PSADフレームの情報と同じ情報を含む。すなわち、第2のMMP/PSADフレームは、最初のMMP/PSADフレームに含まれていたものと同じスケジューリング情報を含まなくてはならない。
【0064】
既述の実施形態では、AP 110は、媒体を回収するかどうかを決定するために媒体を監視するように示されているが、STA 120も、システム性能をさらに向上させるために媒体を監視することが可能である。典型的には、MMP/PSADフレーム内のULTスケジュール情報を受け取ったSTA 120は、媒体のセンシングを実施しない。それらは、とにかく、それぞれのスケジュールされたULTで送信を開始するだけである。しかしながら、場合によっては、STA 120が、AP 110の代わりに、あるいは、AP 110とともに、媒体を監視するようにすることが望ましいことがある。一実施形態では、アイドル時間には、STA 120が媒体を監視してよい。アイドル時間が所定のしきい値を超えて続いていることをSTA 120が検出した場合は、そのSTA 120が、残りのULT継続時間の間にアップリンク送信を行うことが可能であり、それによって、他のSTAのULTとの衝突が避けられ、媒体利用が最大化される。
【0065】
図1は、1つのAP 110だけを示しているが、複数のAPが無線通信システム内に存在することも可能である。この場合、無線通信システム内のいくつかのSTAが1つのAPに関連付けられることが可能であり、他のSTAが他のAPに関連付けられることが可能であるが、これは多少の困難さを生じさせる可能性がある。1つのシナリオでは、APの1つ(AP1)が、別のAP(AP2)とのオーバーラッピング基本サービスセット(Overlapping Basic Service Set)(OBSS)または同一チャネルBSSに関連付けられることが可能である。AP1がMMP/PSADフレームを送信した場合、AP2に関連付けられたSTAは、そのMMP/PSADフレームを受信しても、そのフレームがそれらのSTAに宛てられたものだということを示すようなアドレスがRAフィールドに見つからないので、そのMMP/PSADフレームを無視して、スリープ状態に入ってよい。そして、その時間の間にAP2がトラフィックを送信しても、宛先のSTAは、その送信時にスリープ状態になっているため、その情報を受け
取らない。
【0066】
したがって、MMP/PSADフレームを受信するSTA 120は、そのフレームのTAフィールドを読み取って、そのMMP/PSADフレームが、そのSTAが関連付けられているAPから送信されたものかどうかを決定するように、構成されることが可能である。STAが、TAフィールド内のAPアドレスがそのSTAの関連付けられたAPのアドレスであると決定した場合、STAは、ダウンリンク送信を復号し、MMP/PSADフレームの内容に従ってアップリンク送信を実施し、それ以外の時間はスリープモードに入ることが可能である。逆に、STAが、MMP/PSADフレームを送信しているAPがそのSTAの関連付けられたAPでないと決定した場合、STAは、そのフレームを無視し、関連付けられたAPから送信されるかもしれないフレームを受信するために動作状態であり続けることが可能である。しかしながら、さらに、STAは、関連付けられたAPから送信されたMMP/PSADフレームでなくても、そのフレーム内の継続時間ID値を読み取り、そのSTAのNAV継続時間を更新するようにすることが可能である。このようにして、STAは、媒体がいつ使用中になるかを認識し、その時間帯の送信を避けることが可能である。
【0067】
本発明の別の代替実施形態では、MMP/PSADフレームを利用して、特定タイプのパケット(ブロック受領確認(Block Acknowledgement)(BA)応答フレームなど)をポーリングすることが可能である。この場合、AP 110は、指定されたSTA 120に対して、それらが、それぞれのスケジュールされたULTの間にそれぞれのBA応答フレームを送信することを指示する、MMP/PSADフレーム内の1つまたは複数のフラグを利用することが可能である。このフラグはさらに、それらのSTA 120に対し、それらがそれぞれのスケジュールされたULTの間にBA応答フレームだけを送信すべきかどうか、あるいは、それらが、それらが送信している他のフレームとともにBA応答フレームを送信すべきかどうか、を指示することが可能である。この代替は、BAの現存のモードに新しいモードを追加することを容易にする。
【0068】
現存のBAモードとして、即時ブロックACKおよび遅延ブロックACKがある。即時ブロックACKモードでは、STAは、SIFS遅延のすぐ後に続くBA要求(BAR)に応答する。遅延ブロックACKモードでは、STAは、BAフレームを送信するタイミングを独自に決定する。
【0069】
本代替実施形態は、STAによって任意のタイミングで送信されるBAと異なり、遅延BAをポーリングすることを含む。たとえば、AP 110は、STA 120がBAパケット(またはBAフレーム)を準備し、AP 110から新たなポーリングメッセージを受信した場合のみ、そのパケットを送信するように、STA 120に指示するBARを、STA 120に送信することが可能である。このポーリングメッセージは、AP 110によって送信されるMMPまたは別のパケットの形式であってよい。これにより、STA 120がそれぞれのBAフレームを送信するタイミングを独自に決定する代わりに、AP 110に関連付けられたSTA 120がBAフレームを送信するタイミングを、AP 110が決定することが可能になる。
【0070】
前述の各特徴は、無線送受信機(WTRU)、基地局、および/またはピアツーピア装置に実装されることが可能である。前述の各方法は、物理層および/またはデータリンク層に適用可能である。実装可能な形態として、特定用途向け集積回路(ASIC)、ミドルウェア、ソフトウェアなどがある。本発明は、OFDM/MIMOシステムおよびIEEE 802.11準拠システムに適用可能である。
【0071】
さらに、本発明の各種実施形態の特徴は、APやSTAなどのWTRUで実行されるアプリケーションのような、様々な様式で実装されることが可能である。これらの特徴は、集積回路(IC)に組み込まれてもよく、相互接続された複数の部品からなる回路のかたちで構成されてもよい。さらに、これらの特徴は、IC上で実行されるソフトウェアアプリケーションによって実施されてもよく、プロセッサ上で実行されるソフトウェアアプリケーションによって実施されてもよい。
【0072】
本発明の特徴および要素を、好ましい実施形態の特定の組合せにおいて説明したが、各
特徴または要素は、単独で(好ましい実施形態の他の特徴および要素がなくても)用いられることが可能であり、あるいは、本発明の他の特徴および要素を含んでも含まなくても
よい様々な組合せで用いられることが可能である。
【0073】
実施形態
1.少なくとも1つのアクセスポイント(AP)と複数の局(STA)とを備える無線通信システムの送信管理方法。
2.APが、複数のSTAの、スケジュールされたアップリンク送信時間(ULT)を有する複数受信機集約複数ポーリング/省電力集約記述子(MMP/PSAD)フレームを構成することをさらに含む、実施形態1の方法。
3.APがMMP/PSADフレームを複数のSTAに送信することをさらに含む、前記実施形態のいずれかにおけるような方法。
4.MMP/PSADフレームを正常に受信および復号したSTAが、それぞれのスケジュールされたULTの間に送信を行うことをさらに含む、前記実施形態のいずれかにおけるような方法。
5.MMP/PSADフレームが、ULTおよびダウンリンク送信時間(DLT)の継続時間を指定する継続時間フィールドを含む、前記実施形態のいずれかにおけるような方法。
6.APが、MMP/PSADフレームに含まれるPSAD記述子フィールドを、MMP/PSADフレームの受信機(Rx)DLT開始オフセットフィールドに含まれる値の昇順に並べる、前記実施形態のいずれかにおけるような方法。
7.APが、MMP/PSADフレームに含まれるMMP受信機情報フィールドを、MMP/PSADフレームの受信機(Rx)DLT開始オフセットフィールドに含まれる値の昇順に並べる、前記実施形態のいずれかにおけるような方法。
8.MMP/PSADフレームが、送信機アドレス(TA)フィールドと、複数の受信機フィールドとを含む、前記実施形態のいずれかにおけるような方法。
9.APが、TAフィールドを自身の識別子で埋め、複数の受信機フィールドを、宛先の受信側STAを識別する識別子で埋める、前記実施形態のいずれかにおけるような方法。
10.AP識別子が、APの媒体アクセス制御(MAC)アドレスを含む、前記実施形態のいずれかにおけるような方法。
11.STA識別子が、STAのMACアドレスを含む、前記実施形態のいずれかにおけるような方法。
12.MMP/PSADフレームを正常に受信および復号したSTAが、MMP/PSADフレームからタイミング情報を抽出することをさらに含む、前記実施形態のいずれかにおけるような方法。
13.送信側STAが、その高スループット信号(HT−SIG)タイミングを、MMP/PSADフレーム内で指定されたオフセットフィールドおよび継続時間フィールドから導出する、前記実施形態のいずれかにおけるような方法。
14.オフセットフィールドがRxまたはDLT開始オフセットフィールドを含む、前記実施形態のいずれかにおけるような方法。
15.MMP/PSADフレームが、集約物理層プロトコルデータユニット(A−PPDU)を含む、前記実施形態のいずれかにおけるような方法。
16.送信側STAが、自身のHT−SIGフィールドの開始を決定するために、直前に送信がスケジュールされているSTAのRxオフセットフィールドおよびRx継続時間フィールドを読み取る、前記実施形態のいずれかにおけるような方法。
17.送信側STAが、自身の開始時間を決定するために、直前に送信を行うSTAのRxオフセットフィールドおよびRx継続時間フィールドに含まれるRxオフセット値およびRx継続時間値を追加する、前記実施形態のいずれかにおけるような方法。
18.送信側STAが、自身の開始時間を決定するために、先行するすべての送信側STAのRx継続時間フィールドに含まれる値を追加する、前記実施形態のいずれかにおけるような方法。
19.MMP/PSAD記述子フィールド内にフィールドを追加することをさらに含む、前記実施形態のいずれかにおけるような方法。
20.追加されたフィールドが、特定STAのタイミング情報がA−MPDU集約内のMAC PDU(MPDU)の開始に関連することを示す、実施形態19の方法。
21.追加されたフィールドが、特定STAのタイミング情報がA−PPDU集約内のPPDUの開始に関連することを示す、実施形態19の方法。
22.MMP受信機情報フィールド内にフィールドを追加することをさらに含む、前記実施形態のいずれかにおけるような方法。
23.追加されたフィールドが、特定STAのタイミング情報がA−MPDU集約内のMAC PDU(MPDU)の開始に関連することを示す、実施形態22の方法。
24.追加されたフィールドが、特定STAのタイミング情報がA−PPDU集約内のPPDUの開始に関連することを示す、実施形態22の方法。
25.MMP/PSADフレームを正常に受信および復号したSTAが、無線通信システムにおいてデータを送信または受信することが要求されていない時間帯にスリープモードに入る、前記実施形態のいずれかにおけるような方法。
26.APが無線通信システムの送信媒体を回復することをさらに含む、前記実施形態のいずれかにおけるような方法。
27.APが無線通信システムの送信媒体を監視することをさらに含む、前記実施形態のいずれかにおけるような方法。
28.APが無線通信システムの送信媒体を連続的に監視する、前記実施形態のいずれかにおけるような方法。
29.APが、特定の時間帯に、無線通信システムの送信媒体を監視する、前記実施形態のいずれかにおけるような方法。
30.APが、無線通信システムの送信媒体を監視する時間帯を、MMP/PSADフレームに含まれるタイミング情報から決定する、前記実施形態のいずれかにおけるような方法。
31.特定STAが、そのスケジュールされたULTの間に送信を行っていないことを、APが検出する、前記実施形態のいずれかにおけるような方法。
32.APが無線通信システムの送信媒体を回収することをさらに含む、前記実施形態のいずれかにおけるような方法。
33.特定STAが、そのスケジュールされたULTの間に送信を行っていないことを、APが検出した後、APが、無線通信システムの送信媒体を回収するまで、所定の時間だけ待機することをさらに含む、前記実施形態のいずれかにおけるような方法。
34.所定の時間が所定のアイドル時間である、実施形態33の方法。
35.アイドル時間が、無線通信システムにおけるポイント制御機能フレーム間間隔(PIFS)時間を含む、実施形態33から34のいずれかにおけるような方法。
36.無線通信システムの送信媒体を回収することが、APがULTおよびDLTを再スケジュールすることを含む、前記実施形態のいずれかにおけるような方法。
37.APが、少なくとも1つのSTAに対し、その少なくとも1つのSTAが、以前に送信されたMMP/PSADフレームを無視すべきであることを指示する追加フレームを送信する、前記実施形態のいずれかにおけるような方法。
38.APが、無線通信システム内のすべてのSTAに追加フレームを送信する、前記実施形態のいずれかにおけるような方法。
39.APが、無線通信システム内の選択されたSTAに追加フレームを送信する、実施形態1から37のいずれかにおけるような方法。
40.追加フレームが制御フレームを含む、前記実施形態のいずれかにおけるような方法。
41.追加フレームがデータフレームを含む、前記実施形態のいずれかにおけるような方法。
42.追加フレームが管理フレームを含む、前記実施形態のいずれかにおけるような方法。
43.追加フレームが追加MMP/PSADフレームである、前記実施形態のいずれかにおけるような方法。
44.追加MMP/PSADフレームが、少なくとも1つのSTAに対し、以前のスケジューリング情報を無視するように指示するフィールドを含む、前記実施形態のいずれかにおけるような方法。
45.追加MMP/PSADフレームが、以前のMMP/PSADフレームとほぼ同一である、前記実施形態のいずれかにおけるような方法。
46.少なくとも1つのSTAにおけるネットワーク割り当てベクトル(NAV)継続時間を更新することをさらに含む、前記実施形態のいずれかにおけるような方法。
47.NAV継続時間を更新することが、非競合終了(contention free end)(CF−END)フレームを少なくとも1つのSTAに送信することを含む、前記実施形態のいずれかにおけるような方法。
48.無線通信システムの送信媒体を回収することが、特定STAにポーリングフレームを送信することを含む、前記実施形態のいずれかにおけるような方法。
49.ポーリングフレームが、非競合ポーリング(CFポーリング)フレーム、サービス品質(QoS)ポーリングフレーム、およびMMP/PSADフレームからなる群から選択される1つを含む、前記実施形態のいずれかにおけるような方法。
50.特定STAが、そのスケジュールされたULTの間に送信を行っていないSTAである、前記実施形態のいずれかにおけるような方法。
51.特定STAが、そのスケジュールされたULTの間に送信を行っていないSTAではないSTAである、前記実施形態のいずれかにおけるような方法。
52.特定STAがポーリングフレームに呼応して送信を行うことをさらに含む、前記実施形態のいずれかにおけるような方法。
53.特定STAがポーリングフレームに呼応してデータを送信する、前記実施形態のいずれかにおけるような方法。
54.特定STAが、ポーリングフレームに呼応して、受領確認フレーム、QoSヌルフレーム、またはデータヌルフレームを送信する、前記実施形態のいずれかにおけるような方法。
55.無線通信システムの送信媒体を回収することが、APが少なくとも1つのSTAにダウンリンクデータおよび逆方向認可(RDG)信号を送信することを含む、前記実施形態のいずれかにおけるような方法。
56.APが少なくとも1つのSTAに管理フレームを送信することをさらに含む、前記実施形態のいずれかにおけるような方法。
57.APが少なくとも1つのSTAに制御フレームを送信することをさらに含む、前記実施形態のいずれかにおけるような方法。
58.APが、スケジュールされたULTの間に送信を行っていないSTAではないSTAにダウンリンクデータを送信する、前記実施形態のいずれかにおけるような方法。
59.APが、スケジュールされたULTの間に送信を行っていないSTAにダウンリンクデータを送信する、前記実施形態のいずれかにおけるような方法。
60.APがデータヌルフレームまたはQoSヌルフレームを送信する、前記実施形態のいずれかにおけるような方法。
61.STAがRDGの受信に呼応してアップリンクデータを送信することをさらに含む、前記実施形態のいずれかにおけるような方法。
62.STAがRDGの受信に呼応してデータヌルフレームまたはQoSヌルフレームを送信することをさらに含む、前記実施形態のいずれかにおけるような方法。
63.APが、送信を開始する別のSTAをポーリングすることをさらに含む、前記実施形態のいずれかにおけるような方法。
64.無線通信システムの送信媒体を回収することが、冗長MMP/PSADフレームを送信することを含む、前記実施形態のいずれかにおけるような方法。
65.冗長MMP/PSADフレームが、以前のMMP/PSADフレームに含まれるULT情報のすべてを含む、前記実施形態のいずれかにおけるような方法。
66.APがダウンリンクフェーズの間に冗長MMP/PSADフレームを送信する、前記実施形態のいずれかにおけるような方法。
67.APがダウンリンクフェーズとアップリンクフェーズとの間に冗長MMP/PSADフレームを送信する、前記実施形態のいずれかにおけるような方法。
68.APが、アップリンクフェーズの間に、アップリンク送信の衝突を検出したことに呼応して媒体を回収することをさらに含む、前記実施形態のいずれかにおけるような方法。
69.APが、アップリンクフェーズの間にフレームエラーを検出したことに呼応して媒体を回収することをさらに含む、前記実施形態のいずれかにおけるような方法。
70.APが、無線通信システムの状態についての事前情報に基づいて冗長MMP/PSADフレームを送信することをさらに含む、前記実施形態のいずれかにおけるような方法。
71.少なくとも1つのアクセスポイント(AP)と複数の局(STA)とを備える無線通信システムにおける、無線媒体の送信管理方法であって、APが、複数受信機集約複数ポーリング/省電力集約記述子(MMP/PSAD)フレームを、ブロードキャストフレームに関連する情報がMMP/PSAD交換シーケンスに含まれるように構成することを含む方法。
72.APが複数のSTAにMMP/PSADフレームを送信することをさらに含む、実施形態71の方法。
73.MMP/PSADフレームを正常に受信および復号したSTAが、ブロードキャストフレームに含まれる情報に従って動作することをさらに含む、実施形態71から72のいずれかにおけるような方法。
74.APがブロードキャストフレームを送信することをさらに含む、実施形態71から73のいずれかにおけるような方法。
75.APがMMP/PSADフレームの局情報フィールドに追加フィールドを含める、実施形態71から74のいずれかにおけるような方法。
76.APが局情報フィールドの予約フィールドにビットを含める、実施形態71から75のいずれかにおけるような方法。
77.指定されたダウンリンク時間パラメータでブロードキャストフレームが送信されること、ならびに、その継続時間の間にSTAがスリープモードに入ってはならないことを、ビットが指定する、実施形態71から76のいずれかにおけるような方法。
78.その継続時間の間に、無線通信システム内のすべてのSTAがスリープモードに入ってはならないことを、ビットが指定する、実施形態71から77のいずれかにおけるような方法。
79.その継続時間の間に、無線通信システム内の選択されたSTAがスリープモードに入ってはならないことを、ビットが指定する、実施形態71から77のいずれかにおけるような方法。
80.ブロードキャストフレームがMMP/PSADフレームである、実施形態71から79のいずれかにおけるような方法。
81.APがダウンリンクフェーズの最後にブロードキャストフレームを送信する、実施形態71から80のいずれかにおけるような方法。
82.APがMMP/PSADフレームにユニキャストMMP/PSADエントリを含める、実施形態71から81のいずれかにおけるような方法。
83.ブロードキャストフレームがいつ送信されるかについて、エントリが送信(Tx)開始オフセットおよびTx継続時間を示す、実施形態82の方法。
84.エントリがダミー受信機アドレスを含む、実施形態71から83のいずれかにおけるような方法。
85.エントリがさらに、不正確なTx開始オフセットエントリおよびTx継続時間エントリを含む、実施形態71から84のいずれかにおけるような方法。
86.MMP/PSADフレームを正常に受信および復号したSTAが、ブロードキャストフレームの間にスリープモードに入る、実施形態71から85のいずれかにおけるような方法。
87.APがアップリンクフェーズとダウンリンクフェーズとの間にブロードキャストフレームを送信する、実施形態71から86のいずれかにおけるような方法。
88.ブロードキャストフレームが、以前に送信されたMMP/PSADフレームとほぼ同一のMMP/PSADフレームである、実施形態71から87のいずれかにおけるような方法。
89.STAが無線通信システムの送信媒体を、所定のアイドル時間の間、監視することをさらに含む、前記実施形態のいずれかにおけるような方法。
90.STAが、無線通信システムの送信媒体において、所定のアイドル時間を超えるアイドル時間を検出した場合に、そのSTAのアップリンク情報を送信することをさらに含む、実施形態89の方法。
91.複数のアクセスポイント(AP)と複数の局(STA)とを備え、各STAが特定APに関連付けられている無線通信システムの無線媒体の送信管理方法。
92.第1のAPが、第1のAPに関連付けられたSTAの、スケジュールされたアップリンク送信時間(ULT)情報を有する複数受信機集約複数ポーリング/省電力集約記述子(MMP/PSAD)フレームを構成することをさらに含む、実施形態91の方法。
93.第1のAPがMMP/PSADフレームを複数のSTAに送信することをさらに含む、実施形態91から92のいずれかにおけるような方法。
94.STAが、MMP/PSADを受信し、そのMMP/PSADがそのSTAに宛てられたものかどうかを決定することをさらに含む、実施形態91から93のいずれかにおけるような方法。
95.MMP/PSADの送信機アドレス(TA)フィールドが、第1のAPのアドレスを含む、実施形態91から94のいずれかにおけるような方法。
96.STAが、MMP/PSADフレームのTAフィールドを読み取って、そのMMP/PSADフレームを送信したAPが、そのSTAが関連付けられているAPかどうかを決定する、実施形態91から95のいずれかにおけるような方法。
97.MMP/PSADフレームを受信したSTAが、そのMMP/PSADフレームを送信したAPが、そのSTAが関連付けられているAPではないことを決定する、実施形態91から96のいずれかにおけるような方法。
98.STAがスリープモードに入る、実施形態91から97のいずれかにおけるような方法。
99.STAがスリープモードに入らない、実施形態91から97のいずれかにおけるような方法。
100.STAが継続時間IDフィールドの値を読み取る、実施形態91から99のいずれかにおけるような方法。
101.MMP/PSADフレームを受信したSTAが、そのMMP/PSADフレームを送信したAPが、そのSTAが関連付けられているAPであることを決定する、実施形態91から96のいずれかにおけるような方法。
102.STAが、MMP/PSADフレームに含まれているダウンリンク送信およびアップリンク送信の情報を復号する、実施形態101の方法。
103.STAが、ダウンリンクまたはアップリンクがスケジュールされていない時間帯に、スリープモードに入る、実施形態101から102のいずれかにおけるような方法。
104.ブロック受領確認(BA)応答フレームについてポーリングし、スケジュールされたアップリンク送信時間(ULT)の情報を有する複数受信機集約複数ポーリング/省電力集約記述子(MMP/PSAD)フレームを、APが構成することをさらに含む、前記実施形態のいずれかにおけるような方法。
105.MMP/PSADフレームを正常に受信および復号したSTAが、それぞれのスケジュールされたアップリンク送信時間の間に、それぞれのBA応答フレームを送信する、前記実施形態のいずれかにおけるような方法。
106.MMP/PSADフレームを正常に受信および復号したSTAが、それぞれのスケジュールされたアップリンク送信時間の間に、それぞれのBA応答フレームだけを送信する、前記実施形態のいずれかにおけるような方法。
107.STAがそれぞれのBA応答フレームを送信するように、APがSTAに追加ポーリングメッセージを送信することをさらに含む、前記実施形態のいずれかにおけるような方法。
108.追加ポーリングメッセージがMMPフレームである、実施形態107の方法。
109.無線通信システムの送信媒体を監視することをさらに含む、前記実施形態のいずれかにおけるような方法。
110.所定のイベントが検出されたら無線通信システムの送信媒体を回収することをさらに含む、前記実施形態のいずれかにおけるような方法。
111.所定のイベントが、アップリンクフェーズの間にフレームエラーを検出することを含む、実施形態109から110のいずれかにおけるような方法。
112.所定のイベントが、アップリンクフェーズにおける送信データ間の衝突を検出することを含む、実施形態109から111のいずれかにおけるような方法。
113.所定のイベントが、新しい、より高い優先順位のトラフィックを検出することを含む、実施形態109から112のいずれかにおけるような方法。
114.前記実施形態のいずれかにおけるような方法を実施するように構成されたアクセスポイント(AP)。
115.受信機をさらに備える、実施形態114のAP。
116.送信機をさらに備える、実施形態114から115のいずれかにおけるようなAP。
117.受信機および送信機と通信しているプロセッサをさらに備える、実施形態114から116のいずれかにおけるようなAP。
118.複数のSTAの、スケジュールされたアップリンク送信時間(ULT)の情報を有する複数受信機集約複数ポーリング/省電力集約記述子(MMP/PSAD)フレームを構成するように、プロセッサが構成された、実施形態114から117のいずれかにおけるようなAP。
119.MMP/PSADフレームを複数のSTAに送信するように、プロセッサが構成された、実施形態114から118のいずれかにおけるようなAP。
120.無線通信システムの送信媒体を監視して、STAのスケジュールされたアップリンク送信時間の間にSTAが送信を行っているかどうかを検出するように、プロセッサが構成された、実施形態114から119のいずれかにおけるようなAP。
121.無線通信システムの送信媒体を回収するように、プロセッサが構成された、実施形態114から120のいずれかにおけるようなAP。
122.実施形態1から113のいずれかにおけるような方法を実施するように構成された局(STA)。
123.受信機をさらに備える、実施形態122のSTA。
124.送信機をさらに備える、実施形態122から123のいずれかにおけるようなSTA。
125.受信機および送信機と通信しているプロセッサをさらに備える、実施形態122から124のいずれかにおけるようなSTA。
126.スケジュールされたアップリンク送信時間(ULT)の情報を有する複数受信機集約複数ポーリング/省電力集約記述子(MMP/PSAD)フレームを受信するように、プロセッサが構成された、実施形態122から125のいずれかにおけるようなSTA。
127.STAのスケジュールされたULTを決定するように、プロセッサが構成された、実施形態122から126のいずれかにおけるようなSTA。
128.STAのスケジュールされたULTの間に送信を行うように、プロセッサが構成された、実施形態122から127のいずれかにおけるようなSTA。
129.アイドル時間が所定のしきい値を超えるかどうかについて、無線通信システムの送信媒体を監視するように、プロセッサが構成された、実施形態122から128のいずれかにおけるようなSTA。
130.アイドル時間が所定のしきい値を超えたことを検出した後にアップリンクデータを送信するように、プロセッサが構成された、実施形態122から129のいずれかにおけるようなSTA。
131.実施形態1から113のいずれかにおけるような方法を実施するように構成された無線送受信機(WTRU)。
132.受信機をさらに備える、実施形態131のWTRU。
133.送信機をさらに備える、実施形態131から132のいずれかにおけるようなWTRU。
134.受信機および送信機と通信しているプロセッサをさらに備える、実施形態131から133のいずれかにおけるようなWTRU。
135.他のWTRUの、スケジュールされたアップリンク送信時間(ULT)の情報を有する複数受信機集約複数ポーリング/省電力集約記述子(MMP/PSAD)フレームを構成するように、プロセッサが構成された、実施形態131から134のいずれかにおけるようなWTRU。
136.MMP/PSADフレームを他のWTRUに送信するように、プロセッサが構成された、実施形態131から135のいずれかにおけるようなWTRU。
137.無線通信システムの送信媒体を回収するように、プロセッサが構成された、実施形態131から136のいずれかにおけるようなWTRU。
138.スケジュールされたアップリンク送信時間(ULT)情報を有するMMP/PSADを受信するように、プロセッサが構成された、実施形態131から137のいずれかにおけるようなWTRU。
139.STAのスケジュールされたULTの間に送信を行うように、プロセッサが構成された、実施形態131から138のいずれかにおけるようなWTRU。
140.アイドル時間が所定のしきい値を超えるかどうかについて、無線通信システムの送信媒体を監視するように、プロセッサが構成された、実施形態131から139のいずれかにおけるようなWTRU。
141.アイドル時間が所定のしきい値を超えたことを検出した後にアップリンクデータを送信するように、プロセッサが構成された、実施形態131から140のいずれかにおけるようなWTRU。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気電子技術学会(IEEE)802.11局(STA)であって、
送信機と、
複数のダウンリンク送信時間(DLTs)と複数のアップリンク送信時間(ULTs)とを含む第1省電力フレームを受信するように構成された受信機と
を具え、
前記複数のDLTsおよび前記複数のULTsの各々は、開始オフセットフィールドと継続時間フィールドとを含み、前記複数のULTsの1つは、前記IEEE802.11STAに関するスケジュールされたULTであり、
前記送信機が、前記IEEE802.11STAに関するスケジュールされたULTの期間中に送信していないという条件で、前記受信機は、前記IEEE802.11STAに関する変更されたULTと、それぞれのULTの期間中にまだ送信していないIEEE802.11STAに関する変更されていないULTとを含む第2省電力フレームをさらに受信するように構成され、
前記送信機は、前記IEEE802.11STAに関する変更されたULTに基づくパケットデータを送信するように構成されたことを特徴とする局(STA)。
【請求項2】
前記第1省電力フレームは、複数受信機集約複数ポーリング/省電力集約記述子(MMP/PSAD)フレームであることを特徴とする請求項1記載のSTA。
【請求項3】
前記第2省電力フレームは、複数受信機集約複数ポーリング/省電力集約記述子(MMP/PSAD)フレームであることを特徴とする請求項1記載のSTA。
【請求項4】
電気電子技術学会(IEEE)802.11アクセスポイント(AP)であって、
受信機と、
複数のダウンリンク送信時間(DLTs)と複数のアップリンク送信時間(ULTs)とを含む第1省電力フレームを、複数のIEEE802.11局(STAs)へ送信するように構成された送信機と、
ここで、前記複数のDLTsおよび前記複数のULTsの各々は、開始オフセットフィールドと継続時間フィールドとを含み、
前記受信機および前記送信機と通信を行うプロセッサと
を具え、
前記プロセッサは、それぞれのIEEE802.11STAからのアップリンク送信に関する前記複数のULTsの各期間中に前記無線媒体を監視するように構成され、
前記IEEE802.11APが、それぞれのULTの期間中に前記複数のIEEE802.11STAsの1つからアップリンク送信を受信することに失敗するという条件で、前記送信機は、それぞれのULTの期間中に送信に失敗した前記IEEE802.11STAに関する変更されたULTと、それぞれのULTの期間中にまだ送信していないIEEE802.11STAに関する変更されていないULTとを含む第2省電力フレームをさらに送信するように構成されたことを特徴とするIEEE802.11AP。
【請求項5】
前記受信機は、スケジュールされたULT情報を含む省電力フレームを送信するための要求を受信するようにさらに構成されたことを特徴とする請求項4記載のIEEE802.11AP。
【請求項6】
前記プロセッサは、所定のしきい値を超えるアイドル期間について無線媒体を監視するようにさらに構成されたことを特徴とする請求項4記載のIEEE802.11AP。
【請求項7】
前記送信機は、前記プロセッサが、アイドル期間が前記所定のしきい値を超えたことを検出することを条件として、ダウンリンクデータを送信するようにさらに構成されたことを特徴とする請求項6記載のIEEE802.11AP。
【請求項8】
前記第1省電力フレームは、複数受信機集約複数ポーリング/省電力集約記述子(MMP/PSAD)フレームであることを特徴とする請求項4記載のIEEE802.11AP。
【請求項9】
前記第2省電力フレームは、複数受信機集約複数ポーリング/省電力集約記述子(MMP/PSAD)フレームであることを特徴とする請求項4記載のIEEE802.11AP。
【請求項10】
電気電子技術学会(IEEE)802.11局(STA)において使用するための方法であって、
複数のダウンリンク送信時間(DLTs)と複数のアップリンク送信時間(ULTs)とを含む第1省電力フレームを受信するステップと、
ここで、前記複数のDLTsおよび前記複数のULTsの各々は、開始オフセットフィールドと継続時間フィールドとを含み、前記複数のULTsの1つは、前記IEEE802.11STAに関するスケジュールされたULTであり、
前記前記IEEE802.11STAが、前記IEEE802.11STAに関するスケジュールされたULTの期間中に送信していないという条件で、前記IEEE802.11STAに関する変更されたULTと、それぞれのULTの期間中にまだ送信していないIEEE802.11STAに関する変更されていないULTとを含む第2省電力フレームを受信するステップと、
前記IEEE802.11STAに関する変更されたULTに基づくパケットデータを送信するステップと
を具えたことを特徴とする方法。
【請求項11】
前記第1省電力フレームは、複数受信機集約複数ポーリング/省電力集約記述子(MMP/PSAD)フレームであることを特徴とする請求項10記載の方法。
【請求項12】
前記第2省電力フレームは、複数受信機集約複数ポーリング/省電力集約記述子(MMP/PSAD)フレームであることを特徴とする請求項10記載の方法。
【請求項13】
電気電子技術学会(IEEE)802.11アクセスポイント(AP)において使用するための方法であって、
複数のダウンリンク送信時間(DLTs)と複数のアップリンク送信時間(ULTs)とを含む第1省電力フレームを、複数のIEEE802.11局(STAs)へ送信するステップと、
ここで、前記複数のDLTsおよび前記複数のULTsの各々は、開始オフセットフィールドと継続時間フィールドとを含み、
それぞれのIEEE802.11STAからのアップリンク送信に関する前記複数のULTsの各期間中に前記無線媒体を監視するステップと、
前記IEEE802.11APが、それぞれのULTの期間中に前記複数のIEEE802.11STAsの1つからアップリンク送信を受信することに失敗するという条件で、それぞれのULTの期間中に送信に失敗した前記IEEE802.11STAに関する変更されたULTと、それぞれのULTの期間中にまだ送信していないIEEE802.11STAに関する変更されていないULTとを含む第2省電力フレームを送信するステップと
を具えたことを特徴とする方法。
【請求項14】
前記第2省電力フレームを送信する前に、所定の期間だけ待機することをさらに具えたことを特徴とする請求項13記載の方法。
【請求項15】
前記所定の期間は、ポイント制御機能フレーム間間隔(PIFS)期間であることを特徴とする請求項14記載の方法。
【請求項16】
前記第2省電力フレームは、再スケジュールされたULTsとDLTsとを含むことを特徴とする請求項13記載の方法。
【請求項17】
少なくとも1つのIEEE802.11STAに対し、前記少なくとも1つのIEEE802.11STAが、以前に送信された省電力フレームを無視すべきであることを指示する追加フレームを送信することをさらに具えたことを特徴とする請求項16記載の方法。
【請求項18】
前記追加フレームは、前記複数のIEEE802.11STAsの全てに送信されることを特徴とする請求項17記載の方法。
【請求項19】
前記追加フレームは、前記複数のIEEE802.11STAsの一部に送信されることを特徴とする請求項17記載の方法。
【請求項20】
前記追加フレームは、制御フレーム、データフレーム、管理フレーム、又は複数受信機集約複数ポーリング/省電力集約記述子(MMP/PSAD)フレームであることを特徴とする請求項17記載の方法。
【請求項1】
電気電子技術学会(IEEE)802.11局(STA)であって、
送信機と、
複数のダウンリンク送信時間(DLTs)と複数のアップリンク送信時間(ULTs)とを含む第1省電力フレームを受信するように構成された受信機と
を具え、
前記複数のDLTsおよび前記複数のULTsの各々は、開始オフセットフィールドと継続時間フィールドとを含み、前記複数のULTsの1つは、前記IEEE802.11STAに関するスケジュールされたULTであり、
前記送信機が、前記IEEE802.11STAに関するスケジュールされたULTの期間中に送信していないという条件で、前記受信機は、前記IEEE802.11STAに関する変更されたULTと、それぞれのULTの期間中にまだ送信していないIEEE802.11STAに関する変更されていないULTとを含む第2省電力フレームをさらに受信するように構成され、
前記送信機は、前記IEEE802.11STAに関する変更されたULTに基づくパケットデータを送信するように構成されたことを特徴とする局(STA)。
【請求項2】
前記第1省電力フレームは、複数受信機集約複数ポーリング/省電力集約記述子(MMP/PSAD)フレームであることを特徴とする請求項1記載のSTA。
【請求項3】
前記第2省電力フレームは、複数受信機集約複数ポーリング/省電力集約記述子(MMP/PSAD)フレームであることを特徴とする請求項1記載のSTA。
【請求項4】
電気電子技術学会(IEEE)802.11アクセスポイント(AP)であって、
受信機と、
複数のダウンリンク送信時間(DLTs)と複数のアップリンク送信時間(ULTs)とを含む第1省電力フレームを、複数のIEEE802.11局(STAs)へ送信するように構成された送信機と、
ここで、前記複数のDLTsおよび前記複数のULTsの各々は、開始オフセットフィールドと継続時間フィールドとを含み、
前記受信機および前記送信機と通信を行うプロセッサと
を具え、
前記プロセッサは、それぞれのIEEE802.11STAからのアップリンク送信に関する前記複数のULTsの各期間中に前記無線媒体を監視するように構成され、
前記IEEE802.11APが、それぞれのULTの期間中に前記複数のIEEE802.11STAsの1つからアップリンク送信を受信することに失敗するという条件で、前記送信機は、それぞれのULTの期間中に送信に失敗した前記IEEE802.11STAに関する変更されたULTと、それぞれのULTの期間中にまだ送信していないIEEE802.11STAに関する変更されていないULTとを含む第2省電力フレームをさらに送信するように構成されたことを特徴とするIEEE802.11AP。
【請求項5】
前記受信機は、スケジュールされたULT情報を含む省電力フレームを送信するための要求を受信するようにさらに構成されたことを特徴とする請求項4記載のIEEE802.11AP。
【請求項6】
前記プロセッサは、所定のしきい値を超えるアイドル期間について無線媒体を監視するようにさらに構成されたことを特徴とする請求項4記載のIEEE802.11AP。
【請求項7】
前記送信機は、前記プロセッサが、アイドル期間が前記所定のしきい値を超えたことを検出することを条件として、ダウンリンクデータを送信するようにさらに構成されたことを特徴とする請求項6記載のIEEE802.11AP。
【請求項8】
前記第1省電力フレームは、複数受信機集約複数ポーリング/省電力集約記述子(MMP/PSAD)フレームであることを特徴とする請求項4記載のIEEE802.11AP。
【請求項9】
前記第2省電力フレームは、複数受信機集約複数ポーリング/省電力集約記述子(MMP/PSAD)フレームであることを特徴とする請求項4記載のIEEE802.11AP。
【請求項10】
電気電子技術学会(IEEE)802.11局(STA)において使用するための方法であって、
複数のダウンリンク送信時間(DLTs)と複数のアップリンク送信時間(ULTs)とを含む第1省電力フレームを受信するステップと、
ここで、前記複数のDLTsおよび前記複数のULTsの各々は、開始オフセットフィールドと継続時間フィールドとを含み、前記複数のULTsの1つは、前記IEEE802.11STAに関するスケジュールされたULTであり、
前記前記IEEE802.11STAが、前記IEEE802.11STAに関するスケジュールされたULTの期間中に送信していないという条件で、前記IEEE802.11STAに関する変更されたULTと、それぞれのULTの期間中にまだ送信していないIEEE802.11STAに関する変更されていないULTとを含む第2省電力フレームを受信するステップと、
前記IEEE802.11STAに関する変更されたULTに基づくパケットデータを送信するステップと
を具えたことを特徴とする方法。
【請求項11】
前記第1省電力フレームは、複数受信機集約複数ポーリング/省電力集約記述子(MMP/PSAD)フレームであることを特徴とする請求項10記載の方法。
【請求項12】
前記第2省電力フレームは、複数受信機集約複数ポーリング/省電力集約記述子(MMP/PSAD)フレームであることを特徴とする請求項10記載の方法。
【請求項13】
電気電子技術学会(IEEE)802.11アクセスポイント(AP)において使用するための方法であって、
複数のダウンリンク送信時間(DLTs)と複数のアップリンク送信時間(ULTs)とを含む第1省電力フレームを、複数のIEEE802.11局(STAs)へ送信するステップと、
ここで、前記複数のDLTsおよび前記複数のULTsの各々は、開始オフセットフィールドと継続時間フィールドとを含み、
それぞれのIEEE802.11STAからのアップリンク送信に関する前記複数のULTsの各期間中に前記無線媒体を監視するステップと、
前記IEEE802.11APが、それぞれのULTの期間中に前記複数のIEEE802.11STAsの1つからアップリンク送信を受信することに失敗するという条件で、それぞれのULTの期間中に送信に失敗した前記IEEE802.11STAに関する変更されたULTと、それぞれのULTの期間中にまだ送信していないIEEE802.11STAに関する変更されていないULTとを含む第2省電力フレームを送信するステップと
を具えたことを特徴とする方法。
【請求項14】
前記第2省電力フレームを送信する前に、所定の期間だけ待機することをさらに具えたことを特徴とする請求項13記載の方法。
【請求項15】
前記所定の期間は、ポイント制御機能フレーム間間隔(PIFS)期間であることを特徴とする請求項14記載の方法。
【請求項16】
前記第2省電力フレームは、再スケジュールされたULTsとDLTsとを含むことを特徴とする請求項13記載の方法。
【請求項17】
少なくとも1つのIEEE802.11STAに対し、前記少なくとも1つのIEEE802.11STAが、以前に送信された省電力フレームを無視すべきであることを指示する追加フレームを送信することをさらに具えたことを特徴とする請求項16記載の方法。
【請求項18】
前記追加フレームは、前記複数のIEEE802.11STAsの全てに送信されることを特徴とする請求項17記載の方法。
【請求項19】
前記追加フレームは、前記複数のIEEE802.11STAsの一部に送信されることを特徴とする請求項17記載の方法。
【請求項20】
前記追加フレームは、制御フレーム、データフレーム、管理フレーム、又は複数受信機集約複数ポーリング/省電力集約記述子(MMP/PSAD)フレームであることを特徴とする請求項17記載の方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2013−102498(P2013−102498A)
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2013−1932(P2013−1932)
【出願日】平成25年1月9日(2013.1.9)
【分割の表示】特願2011−151046(P2011−151046)の分割
【原出願日】平成18年9月20日(2006.9.20)
【出願人】(596008622)インターデイジタル テクノロジー コーポレーション (871)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願日】平成25年1月9日(2013.1.9)
【分割の表示】特願2011−151046(P2011−151046)の分割
【原出願日】平成18年9月20日(2006.9.20)
【出願人】(596008622)インターデイジタル テクノロジー コーポレーション (871)
【Fターム(参考)】
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