説明

無線通信システムにおけるSRNS再割当のための方法及び装置

【課題】無線通信システムにおけるサービス提供ラジオ・ネットワーク・サブシステム(SRNS)再割当手順を提供する。
【解決手段】SRNS再割当のための方法は、ユーザ機器から受信した測定値に基づいて、再割当要求をソースノードB+からターゲットノードB+へ送信することと、物理チャネル再構成メッセージをソースノードB+からUEへ送信することと、パケット・データ・ユニット(PDU)をソースノードB+からターゲットノードB+へ転送することと、ターゲットノードB+のターゲットセルとのラジオリンク確立と物理層同期化とを実行することとを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、一般に無線通信に関し、特に、無線通信システムにおけるサービス提供ラジオ・ネットワーク・サブシステム(SRNS)再割当手順に関する。
【背景技術】
【0002】
無線通信システムは、例えば音声、データ等のような様々なタイプの通信コンテンツを提供するために広く開発されている。これらのシステムは、利用可能なシステムリソース(例えば帯域幅及び送信電力)の共有によって、多くのユーザとの通信をサポートすることが可能な多元接続システムであることができる。そのような多元接続システムの例は、符号分割多元接続(CDMA)システム、時分割多元接続(TDMA)システム、周波数分割多元接続(FDMA)システム、3GPPロング・ターム・エボリューション(LTE)システム、直交周波数分割多元接続(OFDMA)システムを含む。
【0003】
一般に、無線多元接続通信システムは、多くの無線端末のための通信を同時にサポートすることができる。各端末は、順方向リンク及び逆方向リンク上の送信を介して、1つ又は複数の基地局と通信する。順方向リンク(すなわちダウンリンク)は、基地局から端末への通信リンクを称し、逆方向リンク(すなわちアップリンク)は、端末から基地局への通信リンクを称する。この通信リンクは、単一入力単一出力システム、複数入力単一出力システム、又は複数入力複数出力(MIMO)システムを介して確立することができる。
【0004】
次世代HSPA又はHSPA+とも称される高速パケットアクセス(HSPA)エボリューションは目下、第3世代パートナーシップ・プロジェクト(3GPP)において、現在のHSPAシステムとロング・ターム・エボリューション(LTE)システムとの間の過渡期として議論されている。
【発明の概要】
【0005】
本願は、2006年11月7日出願の“ENHANCED SRNS RELOCATION FOR THE HSPA EVOLUTION”と題された米国特許仮出願第60/864,761号の利益を主張する。この出願全体が、参照によって本願に組み込まれる。
【0006】
以下は、1つ又は複数の局面の基本的な理解を提供するために、そのような局面の簡略化した概要を示す。この概要は、意図される局面全ての広範囲な概観ではなく、重要要素や決定的要素を特定することも、任意の又は全ての局面の範囲を線引きすることも意図されていない。この概要の唯一の目的は、以下に記載するより詳細な説明の前置きとして、1つ又は複数の局面のいくつかの概念を簡略化した形式で示すことである。
【0007】
局面によると、SRNS再割当のための方法は、ユーザ機器(UE)から受信した測定値に基づいて、再割当要求をソースノードB+からターゲットノードB+へ送信することと、物理チャネル再構成メッセージをソースノードB+からUEへ送信することと、パケット・データ・ユニット(PDU)をソースノードB+からターゲットノードB+へ転送することと、ターゲットノードB+のターゲットセルとのラジオリンク確立と物理層同期化とを実行することとを備える。
【0008】
上記記載及び関連する目的を達成するために、1つ又は複数の局面は、以下で完全に説明され、特に特許請求の範囲に示される特徴を備える。下記記載及び添付図面は、1つ又は複数の局面のある例示的局面を詳細に説明する。しかしこれらの局面は、様々な局面の原理が用いられることができる様々な方法のうちのいくつかしか示しておらず、説明された局面は、このような局面の全て及びそれらの均等物を含むように意図されている。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1は、1つの実施形態に従う多元接続無線通信システムを示す。
【図2】図2は、通信システムの典型的なブロック図を示す。
【図3】図3は、ハードハンドオーバーを用いるエンハンストSRNS再割当のためのシグナリングフローの典型的な実施形態を示す。
【図4】図4は、現在のSRNS再割当手順の典型的な実施形態を示す。
【図5】図5は、ハードハンドオーバーを用いるエンハンストSRNS再割当の典型的な実施形態を示す。
【発明を実施する形態】
【0010】
ここで、様々な実施形態が、同一の参照番号が明細書を通して同一の要素を参照するために用いられる図面に関連して説明される。以下の説明において、説明目的のために、1つ又は複数の実施形態の完全な理解を提供するために多くの具体的な詳細が説明される。しかし、そのような実施形態は、これら具体的な詳細なしでも実現されうることが明確である。他の例において、周知の構成及びデバイスが、1つ又は複数の実施形態の説明を容易にするためにブロック図形式で示される。
【0011】
一般に、無線多元接続通信システムは、多くの無線端末のための通信を同時にサポートすることができる。各端末は、順方向リンク及び逆方向リンクでの送信を介して1つ又は複数の基地局と通信する。順方向リンク(すなわちダウンリンク)は、基地局から端末への通信リンクを称し、逆方向リンク(すなわちアップリンク)は、端末から基地局への通信リンクを称する。この通信リンクは、単一入力単一出力、複数入力単一出力、又は複数入力複数出力(MIMO)システムを介して確立することができる。
【0012】
MIMOシステムは、複数(N個)の送信アンテナと、複数(N個)の受信アンテナとをデータ送信に用いる。N個の送信アンテナ及びN個の受信アンテナによって形成されるMIMOチャネルは、空間チャネルとも称されるN個の独立チャネルに分解することができる。ここで、N≦min{N,N}である。N個の独立チャネルの各々は、次元に対応する。MIMOシステムは、複数の送信アンテナ及び受信アンテナによって生成された追加の次元が用いられる場合、より良い性能(例えば、より高いスループット及び/又はより大きな信頼性)を提供することができる。
【0013】
MIMOシステムは、時分割二重通信(TDD)システム及び周波数分割二重通信(FDD)システムをサポートする。TDDシステムにおいて、相反定理によって逆方向リンクチャネルから順方向リンクチャネルの推定が可能になるように、順方向リンク及び逆方向リンクは同じ周波数領域にある。これにより、アクセスポイントは、アクセスポイントで複数のアンテナが利用可能である場合、順方向リンク上での送信ビーム形成利得を抽出することができる。
【0014】
単一キャリア変調及び周波数領域等値化を用いる単一キャリア周波数分割多元接続(SC−FDMA)が技術である。SC−FDMAは、OFDMAシステムと同様の性能を有し、特に同一の全体の複雑さを有する。SC−FDMA信号は、その固有の単一キャリア構造のために、低いピーク対平均電力比(PAPR)を有する。SC−FDMAは、特に、低いPAPRが送信電力効率の観点でモバイル端末に多大な利益をもたらすアップリンク通信において、非常に注目を集めている。これは現在、3GPPロング・ターム・エボリューション(LTE)又は次世代UTRAにおけるアップリンク多元接続スキームのために動作することが仮定されている。
【0015】
図1を参照すると、1つの実施形態に従う多元接続無線通信システムが示される。アクセスポイント100(AP)は、1つが104及び106を含み、別の1つが108及び110を含み、更に別の1つが112及び114を含む複数のアンテナグループを含む。図1では、各アンテナグループについて2つのアンテナしか示されないが、それより多くの、又はそれより少ないアンテナを各アンテナグループについて用いることができる。アクセス端末116(AT)は、アンテナ112及び114と通信中であり、アンテナ112及び114は、順方向リンク120を介してアクセス端末116へ情報を送信し、逆方向リンク118を介してアクセス端末116からの情報を受信する。アクセス端末122は、アンテナ106及び108と通信中であり、アンテナ106及び108は、順方向リンク126を介してアクセス端末122へ情報を送信し、逆方向リンク124を介してアクセス端末122からの情報を受信する。FDDシステムにおいて、通信リンク118、120、124、及び126は、通信のために異なる周波数を用いることができる。例えば順方向リンク120は、逆方向リンク118によって用いられる周波数とは異なる周波数を用いることができる。
【0016】
アンテナの各グループ及び/又はそれらが通信するように設計されたエリアは、しばしば、アクセスポイントのセクタと称される。実施形態において、アンテナグループの各々は、アクセスポイント100によってカバーされるエリアのセクタ内のアクセス端末と通信するように設計されている。
【0017】
順方向リンク120及び126を介した通信において、アクセスポイント100の送信アンテナは、異なるアクセス端末116及び122のための順方向リンクの信号対雑音比を改善するために、ビーム形成を用いる。また、自身のカバレージ内にランダムに散在するアクセス端末へ送信するためにビーム形成を用いるアクセスポイントは、自身のアクセス端末全てに単一のアンテナを介して送信するアクセスポイントと比べ、近隣セル内のアクセス端末への干渉が少なくなる。
【0018】
アクセスポイントは、端末との通信に用いられる固定局であることができ、アクセスポイント、ノードB、あるいはその他の用語と称されることもある。アクセス端末は、アクセス端末、ユーザ機器(UE)、無線通信デバイス、端末、アクセス端末、あるいはその他何らかの用語と称されることもある。
【0019】
図2は、MIMOシステム200における、(アクセスポイントとしても知られる)送信システム210及び(アクセス端末としても知られる)受信システム250の実施形態のブロック図である。送信システム210において、複数のデータストリームのトラヒックデータが、データソース212から送信(TX)データプロセッサ214へ提供される。
【0020】
実施形態において、各データストリームは、それぞれの送信アンテナを介して送信される。TXデータプロセッサ214は、符号化データを提供するために、各データストリームのために選択された特定の符号化スキームに基づいて、各データストリームのトラヒックデータをフォーマット、符号化、及びインタリーブする。
【0021】
各データストリームの符号化データは、OFDM技術を用いて、パイロットデータと多重化されうる。パイロットデータは一般に、周知の方式で処理される周知のデータパターンであり、チャネル応答を推定するために受信システムにおいて用いることができる。各データストリームの多重化されたパイロットデータ及び符号化データはその後、変調記号を提供するために、各データストリームのために選択された特定の変調スキーム(例えばBPSK、QSPK、M−PSK、又はM−QAM)に基づいて変調(すなわち記号マップ)される。各データストリームのデータレート、符号化、及び変調は、プロセッサ230によって実行される命令によって決定されうる。
【0022】
全てのデータストリームの変調記号がその後、TX MIMOプロセッサ220へ提供される。TX MIMOシステム220は更に、(例えばOFDMのための)変調記号を処理することができる。TX MIMOプロセッサ220はその後、N個の変調記号ストリームを、N個の送信機(TMTR)222a乃至222tへ提供する。ある実施形態において、TX MIMOプロセッサ220は、ビーム形成の重みを、データストリームの記号と、その記号が送信されたアンテナとに適用する。
【0023】
各送信機222は、それぞれ記号ストリームを受信及び処理し、1つ又は複数のアナログ信号を提供し、MIMOチャネルを介する送信に適切な変調信号を提供するために、アナログ信号を更に調整(例えば、増幅、フィルタ、及びアップコンバート)する。送信機222a乃至222tからのN個の変調信号がその後、N個のアンテナ224a乃至224tからそれぞれ送信される。
【0024】
受信システム250において、送信された変調信号が、N個のアンテナ252a乃至252rによって受信され、各アンテナ252からの受信信号は、それぞれの受信機(RCVR)254a乃至254rへ提供される。各受信機254は、各々の受信信号を調整(例えば、フィルタ、増幅、及びダウンコンバート)し、サンプルを提供するために調整信号をデジタル化し、対応する「受信」記号ストリームを提供するためにサンプルを更に処理する。
【0025】
RXデータプロセッサ260はその後、N個の「検出」記号ストリームを提供するために、特定の受信機処理技術に基づいて、N個の受信機254からのN個の受信記号ストリームを受信及び処理する。RXデータプロセッサ260はその後、データストリームのトラヒックデータを復元するために、各検出記号ストリームを復調、デインタリーブ、及び復号する。RXデータプロセッサ260による処理は、送信システム210でTXデータプロセッサ214及びTX MIMOプロセッサ220によって実行された処理と相補的である。
【0026】
プロセッサ270は、何れの前符号化マトリクスを用いるかを定期的に判定する(後述する)。プロセッサ270は、マトリクスインデクス部分及び階級値部分を備える逆方向リンクメッセージを定式化する。
【0027】
逆方向リンクメッセージは、通信リンク及び/又は受信したデータストリームに関する様々なタイプの情報を備えることができる。逆方向リンクメッセージはその後、データソース236から複数のデータストリームのトラヒックデータも受信するTXデータプロセッサ238によって処理され、変調器280によって変調され、送信機254a乃至254rによって調整され、送信システム210へ送信される。
【0028】
送信システム210では、受信システム250からの変調信号がアンテナ224によって受信され、受信機222によって調整され、復調器240によって復調され、受信システム250によって送信された逆方向リンクメッセージを抽出するために、RXデータプロセッサ242によって処理される。プロセッサ230はその後、ビーム形成重みを決定するために何れの前符号化マトリクスを用いるかを決定し、その後抽出したメッセージを処理する。
【0029】
局面において、論理チャネルは、制御チャネル及びトラヒックチャネルに分類される。論理制御チャネルは、システム制御情報をブロードキャストするDLチャネルであるブロードキャスト制御チャネル(BCCH)を備える。ページング情報を転送するDLチャネルであるページング制御チャネル(PCCH)。1つ又はいくつかのMTCHのための制御情報と、マルチメディア・ブロードキャスト及びマルチメディア・サービス(MBMS)スケジューリングとを送信するために用いられるポイント・トゥ・マルチポイントDLチャネルであるマルチキャスト制御情報(MCCH)。一般に、RRC(ラジオ・リソース・コントローラ)接続の確立後、このチャネルは、MBMSを受信するUEにしか用いられない。専用制御チャネル(DCCH)は、専用制御情報を送信するポイント・トゥ・ポイント双方向チャネルであり、RRC接続を有するUEによって用いられる。1つの局面において、論理トラヒックチャネルは、1つのUE専用の、ユーザ情報を転送するポイント・トゥ・ポイント双方向チャネルである専用トラヒックチャネル(DTCH)である。また、トラヒックデータを送信するポイント・トゥ・マルチポイントDLチャネルのマルチキャスト・トラヒック・チャネル(MTCH)。
【0030】
局面において、トランスポートチャネルは、DLとULとに分類される。DLトランスポートチャネルは、ブロードキャストチャネル(BCH)、ダウンリンク共有データチャネル(DL−SDCH)、及びページングチャネル(PCH)を備え、(DRXサイクルがネットワークによってUEに示される)UE電力節約をサポートするPCHは、セル全体へブロードキャストされ、その他の制御チャネル/トラヒックチャネルに用いることができるPHYリソースにマップされる。ULトランスポートチャネルは、ランダム・アクセス・チャネル(RACH)、要求チャネル(REQCH)、アップリンク共有データチャネル(UL−SDCH)、及び複数のPHYチャネルを備える。PHYチャネルは、DLチャネルとULチャネルとのセットを備える。
【0031】
異なるネットワークアーキテクチャオプションが、HSPA Evolutionに関して現在研究されている。オプションのうちの1つにおいて、ラジオ・ネットワーク・コントローラ(RNC)全てを、以降ノードB+と記載する「次世代」基地局にまとめることが提案される。
【0032】
そのような解決策において、SRNS再割当手順は、ノードB+間の移動をハンドルするために広く用いられるであろう。現在の手順は、この種の移動をハンドルするために効率的ではない。
【0033】
本明細書は、eノードB間の移動がLTEにおいてハンドルされる方法により適応するエンハンストSRNS再割当手順を開示する。提案されるスキームは、最適化SGSN内SRNS割当手順として見ることもできる。提案されるエンハンスト移動スキームは、ハンドオーバー遅延の低減と、コアネットワーク(CN)における処理負荷の低減とを達成する。これは、より少ないシグナリングメッセージしか必要とせず、主に、ノードB+からノードB+への通信に頼る。
【0034】
(C面ハンドリング)
図3を参照すると、ハードハンドオーバーを用いるエンハンストSRNS再割当手順のためのシグナリングフローが示される。特に、以下のステップが適用される。
【0035】
1)UEからの測定値レポート(あるいはその他いくつかのRRM特有情報)に基づいて、ソースノードB+は、ターゲットノードB+によって制御されるセルへUEをハンドオーバーすることを決定する。
【0036】
2)ソースノードB+は、ターゲット側でHOを準備するために必要な情報(コンテキスト転送)を通過しているターゲットノードB+へ、再割当要求を発行する。許可制御の実行後、ターゲットノードB+は、必要なリソースを構成する。
【0037】
3)ターゲットノードB+へのラジオパスを再構成するために、再割当応答メッセージが、UEにとって必要な情報とともにソースノードB+へ送られる。
【0038】
4)ターゲットノードB+内のセルにアクセスするために、物理チャネル再構成メッセージが、情報とともにソースノードB+によって送られる。
【0039】
A)ソースノードB+は、異なるラジオ・アクセス・ベアラ(RAB)のGTPパケット・データ・ユニット(PDU)の(パケットロスを最小化/回避する手段を含む)QoSプロファイルに依存して、ターゲットノードB+への転送を、開始することができる。
【0040】
5)PDUのターゲットノードB+内のターゲットセルとの物理層同期化及びラジオリンク確立が実行される。
【0041】
6)UEが、物理チャネル再構成完了メッセージを、ターゲットノードB+内のターゲットセルへ送る。
【0042】
7)ターゲットノードB+が、ターゲットノードB+とコアネットワーク(CN)との間の異なるRABを確立する要求とともに、再割当完了メッセージをCNへ送る。
【0043】
8)CNが、再割当完了アクノレッジメッセージによって応答し、新たなパス内でのデータの転送を開始する。
【0044】
9)ターゲットノードB+が最終的に、ソースノードB+内のリソースの解放を開始する。
【0045】
図4及び図5を参照すると、ハードハンドオーバーを用いて、高度な手順(図5)と、現在のSRNS再割当(図4)とを比較することができる。これらの図を参照すると、高度な手順は、ハンドオーバー遅延の低減及びCNにおける処理負荷の低減を達成し、また、無線上で何の変更も必要としないため、レガシーUEと後退的に整合が取れる。
【0046】
(U面ハンドリング)
現在のSRNS再割当手順におけるユーザ面ハンドリングは、RoHCの再割当に基づく。エンハンスト移動スキームにおいて、ユーザ面ハンドリングは代わりに、「フレッシュスタート」(“Fresh Start”)アプローチに基づく。このアプローチは以下の通りである。
【0047】
再割当応答メッセージの受信後、ソースノードB+は、到来するGTP−U PDUを自身のヘッダ圧縮エンティティに送る前に、それらのコピーのバッファを開始する。
【0048】
チャネル再構成メッセージの送信後、ソースノードB+は、送信がアクノレッジされていないバッファされたGTP−U PDU全てをターゲットノードB+へ転送する。
【0049】
ヘッダ圧縮は、ターゲットノードB+で再開する。
【0050】
現在のRoHCプロトコルはパケットを順不同で優雅にハンドルしないので、ソースノードB+とCNとの両方から到着するGTP−U PDUの圧縮を再開する前に、ターゲットノードB+において並び替えメカニズムが必要である。1つの簡略なメカニズムは以下の通りである。
【0051】
物理チャネル再構成完了メッセージの受信後、ターゲットノードB+は、ソースノードB+によって既に受信されたGTP−U PDU全ての圧縮/送信を開始することができる。
【0052】
再割当完了アクノレッジメントメッセージの受信後、ターゲットノードB+は、GTP−U PDUが未だ古いルートから(すなわち、ソースノードB+によって転送されて)到着する場合、ある時間、新たなルートから(すなわち、CNから直接)到着するGTP−U PDUを保留することができる。
【0053】
RoHC v2が用いられる場合、その後順不同で到着するパケットは問題とならないので、ターゲットノードB+は、物理チャネル再構成完了メッセージを受信すると直ちに、GTP−U PDUパケットの圧縮及び送信を開始することができる。
【0054】
当業者は、情報及び信号が、任意の様々な異なる技術及び技法を用いて表されうることを理解するであろう。例えば、上記記載を通して参照されうるデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、記号、及びチップは、電圧、電流、電磁波、磁界又は磁気粒子、光場又は光粒子、あるいはそれらの組合せによって表されることができる。
【0055】
当業者は更に、本明細書に開示された実施形態に関連して記載された、実例となる様々な論理ブロック、モジュール、回路、及びアルゴリズムステップが、電子工学的ハードウェア、コンピュータソフトウェア、又はそれらの組合せとして実現されうることをよく理解するであろう。ハードウェアとソフトウェアとの相互置換性を明確に説明するために、様々な実例となる構成要素、ブロック、モジュール、回路、及びステップが、それらの機能の観点から一般的に説明された。このような機能が、ハードウェアとして実現されるかソフトウェアとして実現されるかは、システム全体に課された設計制約及び特定のアプリケーションによる。当業者は、各特定のアプリケーションのために上述した機能を様々な方法で実現することができるが、このような実現の決定は、本発明の範囲から逸脱させるものとして解釈されてはならない。
【0056】
本明細書に開示された実施形態に関連して記載された、様々な例示的論理ブロック、モジュール、及び回路は、汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)、あるいはその他のプログラマブル論理デバイス、ディスクリートゲートやトランジスタロジック、ディスクリートハードウェア部品、又は上述された機能を実現するために設計された上記いずれかの組合せを用いて実現又は実行されうる。汎用プロセッサとしてマイクロプロセッサを用いることが可能であるが、代わりに、従来技術によるプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、あるいは状態機器を用いることも可能である。プロセッサは、例えばDSPとマイクロプロセッサとの組合せ、DSPコアに接続された1つ又は複数のマイクロプロセッサ、又はこのような任意の構成である計算デバイスの組合せとして実現することも可能である。
【0057】
本明細書に開示された実施形態に関連して説明されたアルゴリズムや方法のステップは、ハードウェアによって直接的に、プロセッサによって実行されるソフトウェアモジュールによって、又は、これら2つの組合せによって具現化される。ソフトウェアモジュールは、RAMメモリ、フラッシュメモリ、ROMメモリ、EPROMメモリ、EEPROMメモリ、レジスタ、ハードディスク、リムーバブルディスク、CD−ROM、あるいは当該技術分野で知られているその他の形式の記憶媒体に収納されうる。典型的な記憶媒体は、プロセッサがそこから情報を読み取り、またそこに情報を書き込むことができるようにプロセッサに結合されうる。又は、記憶媒体はプロセッサに統合されうる。このプロセッサと記憶媒体とは、ASOC内に存在することができる。ASICは、ユーザ端末内に存在することができる。あるいはこのプロセッサと記憶媒体とは、ユーザ端末内のディスクリート部品として存在することもできる。
【0058】
開示された実施形態における上記記載は、当業者をして、本発明の製造又は利用を可能とするために提供される。これらの実施形態への様々な変形例もまた、当業者に対しては明らかであって、本明細書で定義された一般原理は、本発明の精神又は範囲を逸脱することなく他の実施形態にも適用されうる。従って本発明は、本明細書に開示された実施形態に限定することは意図されておらず、本明細書に開示された原理及び新規特徴と整合が取れた最も広い範囲と一致するように意図されている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信ネットワークにおいてサービス提供ラジオ・ネットワーク・サブシステム(SRNS)再割当を実行する方法であって、
ユーザ機器(UE)から受信した測定値に基づいて、再割当要求をソースノードB+からターゲットノードB+へ送信することと、
物理チャネル再構成メッセージを前記ソースノードB+から前記UEへ送信することと、
パケット・データ・ユニット(PDU)を前記ソースノードB+から前記ターゲットノードB+へ転送することと、
前記ターゲットノードB+のターゲットセルとのラジオリンク確立と物理層同期化とを実行することと
を備える方法。
【請求項2】
通信ネットワークにおいてサービス提供ラジオ・ネットワーク・サブシステム(SRNS)を実行するシステムであって、
ユーザ機器(UE)から受信した測定値に基づいて、再割当要求をソースノードB+からターゲットノードB+へ送信する手段と、
物理チャネル再構成メッセージを前記ソースノードB+から前記UEへ送信する手段と、
パケット・データ・ユニット(PDU)を前記ソースノードB+から前記ターゲットノードB+へ転送する手段と、
前記ターゲットノードB+のターゲットセルとのラジオリンク確立と物理層同期化とを実行する手段と
を備えるシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−186812(P2012−186812A)
【公開日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−63797(P2012−63797)
【出願日】平成24年3月21日(2012.3.21)
【分割の表示】特願2009−536466(P2009−536466)の分割
【原出願日】平成19年11月7日(2007.11.7)
【出願人】(595020643)クゥアルコム・インコーポレイテッド (7,166)
【氏名又は名称原語表記】QUALCOMM INCORPORATED
【Fターム(参考)】