説明

無線通信システム内でビームフォーミングフィードバックを提供する方法および装置

【課題】ビームフォーミングのためのフィードバック情報を迅速に送信するための技術を提供する。
【解決手段】送信機は、トレーニングシンボルを備える第1のフレームを送信する。受信機は、第1のフレームを受信し、フィードバック情報を生成する時間量を決定し、フィードバック情報を送信する時間量を決定する。フィードバック情報を生成し送信する時間量に基づいて、第2のフレームの長さを決定する。第1のフレームの終わりから短フレーム間スペース(SIFS)期間を待機した後、チャネルアクセスを実施せずに、第2のフレームを送信する。受信機は、トレーニングシンボルに基づいてフィードバック情報を生成し、準備が整ったときに第2のフレームで情報を送信する。送信機は、第2のフレームを受信し、フィードバック情報に基づいて少なくとも1つのステアリング行列を導出し、少なくとも1つのステアリング行列を有する第3のフレームを送信する。

【発明の詳細な説明】
【関連出願】
【0001】
本出願は、本出願の譲受人に譲渡され、また参照により本明細書に組み込まれる、2006年6月5日付け出願の米国特許仮出願第60/811245号、「METHOD AND SYSTEM FOR PROVIDING BEAMFORMING FEEDBACK IN WIRELESS COMMUNICATION SYSTEMS」の優先権を主張するものである。
【技術分野】
【0002】
本開示は、一般には通信に関し、より具体的には、無線通信システム内でビームフォーミングのためのフィードバック情報を送信するための技術に関する。
【背景技術】
【0003】
無線通信システム内で、送信機は、複数(R個)の受信アンテナを備えた受信機へのデータ伝送のために複数(T個)の送信アンテナを使用する。複数の送受信アンテナは、スループットを増加させ、および/または信頼性を向上させるために使用され得る多入力多出力(MIMO:multiple−input multiple−output)チャネルを形成する。たとえば、送信機は、スループットを向上させるために、T個の送信アンテナから最大T個のデータストリームを同時に送信する。あるいは、送信機は、受信機による受信を向上させるために、T個のすべての送信アンテナから単一のデータストリームを送信する。
【0004】
よいパフォーマンス(たとえば高スループット)は、ビームフォーミングが行われた1つまたは複数のデータストリームを送信することによって達成される。ビームフォーミングを実施するために、送信機は、既知のトレーニングシンボルを含むサウンディングフレームを受信機に送信する。用語「フレーム」および「パケット」は、同意語であり、本明細書では区別なく使用される。受信機は、サウンディングフレームを受信し、トレーニングシンボルに基づいてMIMOチャネルの応答を推定する。次いで、受信機は、送信機にフィードバック情報を送信する。フィードバック情報は、ビームフォーミングのためのステアリング行列を導出するために送信機によって使用されるチャネル行列またはビームフォーミング行列を含む。フィードバック情報は、できるだけ迅速に送信されることが望ましい。これは、MIMOチャネルが変化していることがあり、またフィードバック情報を送信する際の過度な遅延によって、受信機へのデータ伝送のためにその情報が使用されるときには、それが古くなっていることがあるからである。
【0005】
したがって、ビームフォーミングのためのフィードバック情報をできるだけ小さい遅延で送信する技術が、当技術分野において求められている。
【発明の概要】
【0006】
ビームフォーミングのためのフィードバック情報を迅速に送信するための技術について、本明細書で述べられる。送信機/イニシエータは、トレーニングシンボルを備える第1のフレームを送信する。受信機/レスポンダは、第1のフレームを受信し、トレーニングシンボルに基づいて、フィードバック情報を生成する時間量を決定し、フィードバック情報を送信する時間量を決定する。次いで、受信機は、フィードバック情報を生成する時間量、およびフィードバック情報を送信する時間量に基づいて、フィードバック情報を運ぶ第2のフレームの長さを決定する。第2のフレームは、第2の部分が後に続いている第1の部分を備える集約フレームである。第1の部分は、フィードバック情報を生成する時間量以上の長さを有する。第2の部分は、フィードバック情報を運ぶ。
【0007】
受信機は、第1のフレームの終わりから短フレーム間隔(SIFS:short interframe space)期間を待機した後、チャネルアクセスを実施せずに、第2のフレームを送信し、それによって、フィードバック情報を送信する際の遅延が減少する。受信機は、トレーニングシンボルに基づいてフィードバック情報を生成し、情報が準備できたときに第2のフレームでフィードバック情報を送信する。フィードバック情報は、少なくとも1つのチャネル行列、少なくとも1つのビームフォーミング行列などを備える。送信機は、第2のフレームを受信し、フィードバック情報に基づいて少なくとも1つのステアリング行列を導出し、少なくとも1つのステアリング行列に基づいて送信空間処理が行われた第3のフレームを送信する。
【0008】
本開示の様々な態様および特徴について、以下にさらに詳細に述べる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】アクセスポイントおよび複数の局を備えた無線網を示す図。
【図2】ビームフォーミングのためのフィードバック情報を送信するためのフレーム交換を示す図。
【図3】ビームフォーミングのためのフィードバック情報を、できるだけ小さい遅延で送信するために集約フレームを使用するフレーム交換を示す図。
【図4A】IEEE 802.11nの2つのフレーム構造を示す図。
【図4B】IEEE 802.11nの2つのフレーム構造を示す図。
【図5】送信機/イニシエータによって実施されるプロセスを示す図。
【図6】送信機/イニシエータのための装置を示す図。
【図7】受信機/レスポンダによって実施されるプロセスを示す図。
【図8】受信機/レスポンダのための装置を示す図。
【図9】アクセスポイントおよび1つの局のブロック図。
【発明の詳細な説明】
【0010】
本明細書に述べられる諸技術は、無線ローカルエリアネットワーク(WLAN:wireless local area network)、無線メトロポリタンエリアネットワーク(WMAN:wireless metropolitan area network)、無線広域ネットワーク(WWAN:wireless wide area network)など、様々な無線通信ネットワークおよびシステムに使用することができる。用語「ネットワーク」および「システム」はしばしば区別なく使用される。WLANは、IEEE 802.11規格ファミリー、Hiperlanなどの無線技術のうちのいずれかを実装する。WMANは、IEEE 802.16などを実装する。WWANは、符号分割多元接続(CDMA: Code Division Multiple Access)網、時分割多元接続(TDMA:Time Division Multiple Access)網、周波数分割多元接続(FDMA:Frequency Division Multiple Access)網、直交FDMA(OFDMA:Orthogonal FDMA)網、単一搬送波FDMA(SC−FDMA:Single−Carrier FDMA)網などのセルラー網であり得る。分かり易くするために、諸技術の特定の態様が、IEEE 802.11nを実装するWLANに関して下記に述べられる。
【0011】
IEEE 802.11nは、システム帯域幅を複数(K個)の直交副搬送波に分割する変調法である直角周波数分割多重化(OFDM:orthogonal frequency division multiplexing)を使用する。IEEE 802.11nでは、K=64の総副搬送波がOFDMで定義され、−32から+31のインデックスが割り当てられる。64個の総副搬送波は、±{1,…,6,8,…,20,22,…,28}のインデックスを有する52個のデータ副搬送波と、±{7,21}のインデックスを有する4つのパイロット副搬送波とを含む。0のインデックスを有するDC副搬送波、および残りの副搬送波は使用されない。IEEE 802.11nは、複数の送信アンテナから複数の受信アンテナへのMIMO伝送をサポートする。IEEE 802.11nについては、公的に入手可能な「IEEE 802.11n(商標)/D2.00,Part 11:Wireless LAN Medium Access Control (MAC)and Physical Layer(PHY) specifications:Amendment:Enhancements for Higher Throughput」、2007年2月に記載されている。
【0012】
図1は、アクセスポイント110および複数の局120を備えた無線網100を示している。一般に、無線網は、任意の数のアクセスポイントと、任意の数の局とを含む。局は、無線媒体/チャネルを介して別の局と通信することができる装置である。局は、呼び出すこともでき、端末、移動局、ユーザ装置、加入者局などの機能性のうちの一部またはすべてを含んでもよい。局は、携帯電話、手持ち式装置、無線装置、携帯情報端末(PDA:personal digital assistant)、ラップトップコンピュータ、無線モデム、コードレス電話機などである。アクセスポイントは、そのアクセスポイントに関連する局のための無線媒体を介して配信サービスへのアクセスを提供する局である。アクセスポイントは、基地局、基地トランシーバ局(BTS:base transceiver station)、ノードBなどの機能性の一部またはすべてを含んでもよい。局120は、ピアツーピア通信によってアクセスポイント110と、かつ/または別の局と互いに通信する。アクセスポイント110は、データ網130に結合し、データ網を介して他のデバイスと通信する。データ網130は、インターネット、イントラネット、あるいは他のいずれかの有線網または無線網である。
【0013】
本明細書に述べられた諸技術は、ダウンリンクならびにアップリンク上でのMIMO伝送のために使用される。ダウンリンクでは、アクセスポイント110は送信機であり、局120は受信機である。アップリンクでは、局120は送信機であり、アクセスポイント110は受信機である。
【0014】
送信機上の複数の(T)送信アンテナ、およびに受信機上の複数の(R)受信アンテナによって形成されたMIMOチャネルは、各副搬送波kまたは各副搬送波群に対してR×Tチャネル行列によって特徴付けられる。チャネル行列は、以下のように、の相関行列の固有値分解を実施することによって対角化される。
【数1】

【0015】
ただし、は、のT×T相関行列であり、
は、その列がの固有ベクトルであるT×Tユニタリ行列であり、
Λは、の固有値のT×T対角行列であり、
”は、共役転置を示す。
【0016】
ユニタリ行列は、性質
【数2】

【0017】
によって特徴付けられ、ただし、Iは単位行列である。ユニタリ行列の列は互いに直交し、各列は、単位電力(unit power)を有する。は、ビームフォーミング行列とも呼ばれる。対角行列Λは、対角線に沿って可能な非ゼロ値、および他のところでゼロを含む。Λの対角成分は、の固有モードの電力利得を表す固有値である。
【0018】
送信機は、以下のように、受信機へのビームフォーミングのための送信空間処理を実施する。
【数3】

【0019】
ただし、は、副搬送波kで送信する最大T個のデータシンボルを有するベクトルであり、
は、に基づいて導出され得る副搬送波kのステアリング行列であり、
は、副搬送波k上のT個の送信アンテナ用のT個の出力シンボルを有するベクトルである。
【0020】
数式(2)のビームフォーミングによって、送信機から受信機へ送信されるビームがステアリングされ、または整形される。有効ビームフォーミングでは、送信機は、送信機から受信機までのMIMOチャネルの応答の正確な推定値を有するべきである。MIMOチャネルについてのこの情報は、送信機から受信機にビームを向けるための送信空間処理に適したステアリング行列を導出するために使用される。
【0021】
明示的なビームフォーミングでは、送信機は、受信機にサウンディングフレーム(sounding frame)を送信する。サウンディングフレームは、受信機が対象の各副搬送波または各副搬送波群のチャネル行列を推定することを可能にする既知のトレーニングシンボルを運ぶフレームである。サウンディングフレームは、トレーニングシンボルに加えて、他のデータを含むことも、含まないこともある。送信機は、(i)ステアリング行列を使用せずに、ステアリングされていないサウンディングフレームを送信するか、あるいは、(ii)受信機との以前のフレーム交換から得られたステアリング行列Q’を使用して、ステアリングされたサウンディングフレームを送信する。受信機は、(i)ステアリングされていないサウンディングフレームに基づいて実際のチャネル行列を推定するか、あるいは(ii)ステアリングされたサウンディングフレームに基づいて有効チャネル行列eff,kQ’を推定する。
【0022】
受信機は、送信機へのフィードバック情報として、チャネル行列またはeff,kを送信する。およびeff,kは、チャネル状態情報(CSI:channel state information)行列とも呼ばれる。送信機は、受信機から得られたまたはeff,kに基づいてを導出する。次いで、送信機は、ステアリングされていないサウンディングフレームが受信機に送信された場合には、、たとえばに基づいてステアリング行列を、あるいはステアリングされたサウンディングフレームが送信された場合にはQ’を導出する。次いで、送信機は、たとえば数式(2)に示されるように、を使用して、受信機にデータを送信する。
【0023】
あるいは、受信機は、サウンディングフレームから得られたまたはeff,kに基づいてを計算する。次いで、受信機は、送信機へのフィードバック情報として、を送信する。送信機は、に基づいてを導出し、次いで、を使用して、受信機にデータを送信する。
【0024】
図2は、ビームフォーミングのためのフィードバック情報を送信するためのフレーム交換を示す。時刻T21で、送信機は、受信機にサウンディングフレームを送信する。IEEE 802.11nでは、送信機はイニシエータとも呼ばれ、受信機はレスポンダとも呼ばれる。サウンディングフレームは既知のトレーニングシンボルを運び、他のデータを運ぶことも、運ばないこともある。
【0025】
受信機は、受信機に送信されたフレームの無線チャネルを監視する。受信機は、フレーム内にMACデータがある場合は、フレーム内の宛先アドレスに基づいてサウンディングフレームがそれに送信されることを認識する。IEEE 802.11nのNULLデータパケットなどのようにMACデータを有さないサウンディングフレームフォーマットが使用される場合は、サウンディングフレームの到着について事前の表示が、意図された受信者に送信される。時刻T22でサウンディングフレームの終わりを検出した後、受信機は、IEEE 802.11nでは16ミリ秒(μs)であるSIFS期間を待機し、次いで、時刻T23で、サウンディングフレームに対する肯定応答(ACK)を送信する。無線チャネルは、多くの局で共有される。SIFS期間は十分に短いので、受信機は、無線チャネルを求めて、そのチャネルへのアクセスを望み得る他の局と競合する必要なしに、サウンディングフレーム直後に無線チャネルの制御を得ることできる。
【0026】
受信機は、サウンディングフレーム内のトレーニングシンボルに基づいて、各副搬送波または各副搬送波群について、チャネル行列またはeff,kを推定する。受信機は、またはeff,kに基づいて、各副搬送波または各副搬送波群について、を導出する。次いで、受信機は、eff,kまたはに基づいて、フィードバック情報を生成する。
【0027】
時刻T24にフィードバック情報を生成した後、受信機は、無線チャネルへのアクセスを得るために、チャネルアクセスを実施する。チャネルアクセスは、チャネルへの活動量に応じて、数ミリ秒またはそれ以上を要することがある。時刻T25にチャネルへのアクセスを得た後、受信機は、フィードバック情報を含むフレームを送信する。送信機は、受信機からフィードバックフレームを受信し、時刻T26に、フィードバック情報に基づいて導出されたステアリング行列を有するデータフレームを送信する。
【0028】
図2に示されるように、受信機は、サウンディングフレームに対するACKを送信機に直ちに返すが、後に非送信請求フレーム内でフィードバック情報を送信する。受信機は、サウンディングフレームがいつ受信されるかを事前には分からず、サウンディングフレームを処理するためにリソースが割り当てられていない。さらに、受信機が入サウンディングフレームについての予備知識を有しているかどうかにかかわらず、サウンディングフレームを処理するにいくらかの時間量が一般に必要である。たとえば、数式(2)の固有値分解は、計算集約型であることがあり、チャネル行列を推定し、ビームフォーミング行列を導出すべき多くの副搬送波が存在し得る。
【0029】
後に非送信請求フレームを送信することは、サウンディングフレームを処理し、フィードバック情報を生成する十分な時間が受信機に提供される。しかし、受信機は、フィードバック情報を含む非送信請求フレームを送信するためにチャネルアクセスを実施する必要がある。このチャネルアクセスによって、追加の(かつ可変の)遅延が生じ得る。無線チャネルは変化していることがあるので、フィードバック情報は古くなり、またはチャネルアクセス遅延によりそれほど正確でなくなることがある。
【0030】
一般に、フィードバック情報はできるだけ迅速に送信することが望ましい。受信機が非常に短い時間に、たとえばおよそSIFS期間にフィードバック情報を生成することができる場合、受信機は、時刻T23から開始する即時のフレームで、ACKと共にフィードバック情報を送信することができる。即時のフレームは、受信された前のフレームの終わりからSIFS期間を待機した後に送信されるフレームである。しかし、受信機は、SIFS期間内にフィードバック情報を生成する能力をもたないことがあり、即時のフレーム内でフィードバック情報を送信できないことがある。フィードバック情報をSIFS期間内に生成し、即時のフレームで送信することを求めることによって、受信機への厳格なハードウェア/シリコン要件が課されることがあり、それは望まれないことである。
【0031】
図3は、ビームフォーミングのためのフィードバック情報をできるだけ小さい遅延で送信するために集約フレーム(aggregate frame)を使用したフレーム交換を示す。送信機は、時刻T31からT32まで、受信機にサウンディングフレームを送信する。受信機は、サウンディングフレームを受信し、フィードバック情報を生成するのに必要な時間量を決定し、フィードバック情報を送信するのに必要な時間量を決定する。次いで、受信機は、サウンディングフレームに対するACK、フィードバック情報を生成するのに必要な時間量についての第1の/ダミー部分、およびフィードバック情報のための第2の/フィードバック部分を含む集約フレームを生成する。第1の部分は、受信機によって送信機に送信すべき任意のデータを運ぶことができ、A−MPDUまたは集約フレーム内にフレームを集約する規則に従うことによって生成する。あるいは、第1の部分は、NULLデータなどを含む。次いで、受信機は、SIFS期間を待機し、次いで、時刻T33から開始する集約フレームを送信する。受信機は、サウンディングフレームを処理し、集約フレームを送信している間にフィードバック情報を生成する。フィードバック情報は、時刻T34の第1の部分の終わりまでに準備が整い、集約フレームの第2の部分で、追加の遅延なしに送信される。
【0032】
送信機は、受信機から集約フレームを受信する。時刻T35で、送信機は、フィードバック情報に基づいて導出されたステアリング行列を有するデータフレームを送信する。
【0033】
図3に示されるように、受信機は、サウンディングフレームについて送信機にACKを直ちに返し、チャネルアクセス実施に付随する追加の遅延を回避するために、同じ即時の集約フレーム内でフィードバック情報を送る。受信機は、その能力に従ってフィードバック情報を生成し、第1の部分がフィードバック情報の生成に十分な時間を有するように適切な期間を選択する。受信機は、情報の準備が整うとすぐに、チャネルアクセスを実施する必要なしに、集約フレームの第2の部分でフィードバック情報を送信する。
【0034】
フィードバック情報を運ぶ集約フレームは、それぞれ異なるシステムに対して異なるやり方で形成される。分かり易くするために、IEEE 802.11nの集約フレームについて、下記に述べる。
【0035】
IEEE 802.11nでは、メディアアクセス制御(MAC:Medium Access Control)プロトコルは、データをMACプロトコルデータユニット(MPDU:protocol data unit)として処理する。次いで、物理層コンバージェンスプロトコル(PLCP:Physical Layer Convergence Protocol)は、PLCPプロトコルデータユニット(PPDU:PLCP protocol data unit)を生成するために、MPDUを処理する。次いで、物理層(PHY)は、無線チャネルを介して送信されるフレームを生成するために、各PPDUを処理する。IEEE 802.11nでは、複数の送信アンテナから複数の受信アンテナへのMIMO伝送のために、高スループットPPDU(HT−PPDU:high−throughput PPDU)が使用される。
【0036】
図4Aは、IEEE 802.11nのHT混合フォーマットを有するHT−PPDU410の構造を示す。HT−PPDU 410は、データフィールドが後に続いている混合モードプリアンブルを含む。混合モードプリアンブルは、(i)レガシーショートトレーニングフィールド(L−STF:legacy short training field)およびレガシーロングトレーニングフィールド(L−LTF:legacy long training field)からなるレガシープリアンブルと、(ii)レガシー信号(L−SIG:legacy signal)フィールドと、(iii)HT信号(HT−SIG:HT signal)フィールドと、(iv)HTショートトレーニングフィールド(HT−STF:HT short training field)および1つまたは複数のHTロングトレーニングフィールド(HT−LTF:HT long training field)からなるHTプリアンブルとを含む。HT−LTFの数は、同時に送信されているストリームの数以上である。ロングおよびショートトレーニングフィールドは、フレーム検出、時間取得、周波数推定および補正、自動利得制御(AGC:automatic gain control)、チャネル推定などに使用され得る既知のトレーニングシンボルを運ぶ。L−SIGおよびHT−SIGフィールドは、HT−PPDUのシグナリング情報を運ぶ。たとえば、HT−SIGフィールドは、(i)データフィールドの長さを示す長さフィール、および(ii)データフィールドが集約MPDU(A−MPDU:aggregate MPDU)を運ぶかどうか示す集約(Aggr.:Aggregation)フィールドを運ぶ。データフィールドは、HT−PPDUのペイロードを運び、長さフィールドによって示された可変長を有する。HT−PPDU 410は、サウンディングフレームまたは集約フレームに使用される。L−STF、L−LTFおよびL−SIGフィールドは、結合された20μsの継続時間を有し、ダミー部分の継続時間は、集約フレームにHT−PPDU 410が使用される場合、これらのレガシーフィールドの継続時間だけ減少させることができる。
【0037】
図4Bは、IEEE 802.11nのHT グリーンフィールドフォーマットを有するHT−PPDU 420の構造を示す。HT−PPDU 420は、データフィールドが後に続いているグリーンフィールドプリアンブルを含む。グリーンフィールドプリアンブルは、HTグリーンフィールドショートトレーニングフィールド(HT−GF−STF:HT greenfield short training field)と、HTロングトレーニングフィールド(HT−LTF1:HT long training field)と、HT−SIGフィールドと、1つまたは複数のHT−LTFとを含む。HT−SIGフィールドは、図4Aに示されるように、ロングフィールドおよび集約フィールドを運ぶ。データフィールドは、HT−PPDUのペイロードを運び、長さフィールドによって示された可変長を有する。HT−PPDU 420は、サウンディングフレームあるいは集約フレームにも使用される。
【0038】
HT−PPDU 410および420は、IEEE 802.11nによってサポートされた2つのPPDUフレームフォーマットである。HT−PPDU 410は、HT伝送をサポートしないレガシー局と、HT伝送をサポートするHT局との両方を備えたWLAN展開のために使用される。レガシー局は、これらの局にHT−PPDUを無視するように知らせ得るレガシープリアンブルおよびL−SIGフィールドを認識することができる。HT−PPDU 420は、HT局の間で交換されるフレームのために使用される。HT−PPDU 410、HT−PPDU 420、およびIEEE 802.11nによってサポートされた他のPPDUは、上記のIEEE 802.11nの文献に記載されている。
【0039】
送信機は、HT−PPDU 410または420を使用してサウンディングフレームを送信する。サウンディングフレームは、HTプリアンブルを含み、HT−PPDU 410または420の残りのフィールドのいずれかを含んでも、含まなくてもよい。サウンディングフレームは、受信機に意図されたデータを含む1つまたは複数のMPDUを運び得るデータフィールドを含む。サウンディングフレームは、データフィールドを有さないNULL データパケット(NDP:NULL Data Packet)またはゼロ長フレーム(ZLF:Zero Length Frame)とすることもできる。
【0040】
受信機は、HT−PPDU 410または420を使用して集約フレームを送信する。集約フレームは、図4Aの混合モードプリアンブル、または図4Bのグリーンフィールドプリアンブル、ならびにデータフィールドを含む。データフィールドは、適切な長さのA−MPDUを運ぶ。受信機は、様々な要因に基づいて、集約フレームに、HT−PPDU 410または420を選択する。たとえば、受信機は、混合モード環境内で動作するときは、HT−PPDU 410を選択する。IEEE 802.11nでは、混合モードプリアンブルの長さは、グリーンフィールドプリアンブルの長さより、およそ8μsだけ長い。したがって、受信機は、フィードバック情報を生成するのに必要な時間量に基づいて、HT−PPDU 410または420を選択する。たとえば、受信機は、フィードバック生成時間が、A−MPDUの長さにマージン、たとえば7μsを加算した値であり得るしきい値を超える場合はHT−PPDU 410を選択し、そうでない場合はHT−PPDU 420を選択する。受信機は、送信機がMPDUと共にグリーンフィールドHT−PPDU 420を送信した場合、混合モードHT−PPDU 410を送信することもできる。受信機は、送信機がNDP/ZLFのためにグリーンフィールドHT−PPDU 420を送信した場合、混合モードHT−PPDU 410を送信する。
【0041】
サウンディングフレームに選択されたPPDUフォーマットに関係なく、PPDUは、適切な長さのA−MPDUを運ぶ。図4Aに示されるように、A−MPDUは、それぞれが可変長を有する複数のA−MPDUサブフレームを含む。それぞれのA−MPDUサブフレームは、MPDUデリミタとMPDUとを含む。MPDUデリミタは、関連するMPDUの長さを示すMPDU長さフィールドを含む。それぞれのMPDUは、MACによって別々に符号化されるデータを含んでもよく、MPDUの誤り検出に使用されたフレームチェックシーケンス(FCS:frame check sequence)を含んでもよい。FCSは一般に、巡回冗長検査(CRC:cyclic redundancy check)とも呼ばれる。
【0042】
一般に、受信機は、任意の数のMPDUを含むA−MPDUを伴う集約フレームを生成する。1つまたは複数のMPDUは、フィードバック情報を生成するのに受信機が必要とする継続時間をカバーし、ダミーのMPDUと呼ばれる。それぞれのダミーMPDUは、任意の有効なMACプロトコルデータユニット(PDU)、たとえばMAC管理PDU、ICMPエコーメッセージなどである。各ダミーMPDUで送信されているデータのタイプは、MPDU内の適切な制御ビットによって、たとえばMPDUのフレーム制御/ヘッダ部分内のフレームタイプおよびサブタイプ値によって示される。1つまたは複数のMPDUは、ビームフォーミングのためのフィードバック情報を運び、フィードバックMPDUと呼ばれる。たとえば、すべてのフィードバック情報が、単一のMPDUで送信される。あるいは、複数のMPDUがフィードバック情報を運び、たとえばそれぞれのMPDUが、異なる1組の副搬送波についてのフィードバック情報を運ぶ。分かり易くするために、以下の説明は、1つのダミーMPDUおよび1つのフィードバックMPDUが、A−MPDUで送信されると仮定している。
【0043】
受信機は、ビームフォーミングのために、それぞれ異なるタイプのフィードバックを生成し、送信機に送信する。IEEE 802.11nでは、受信機は、以下のフィードバックのうちのいずれか1つを送信する。
【0044】
・CSI行列フィードバック−またはeff,kを含むCSI行列を送信する
・非圧縮ビームフォーミング行列フィードバック−の要素を送信する
・圧縮ビームフォーミング行列フィードバック−を1組の行列に分解し、これらの行列の角度を送信する。
【0045】
受信機は、各タイプのフィードバックを生成するのにどれだけの時間が必要か事前に(a priori)知っている。受信機は、各タイプのフィードバックのためにどれだけのデータを送信すべきかも事前に知っている。この情報は、ルックアップテーブルに格納される。
【0046】
サウンディングフレームを受信すると、受信機は、送信機に送信するフィードバックのタイプを選択する。受信機は、ルックアップテーブルから、このタイプのフィードバック情報を生成する時間量を決定する。受信機は、集約フレームに使用するデータレートを確認する。このデータレートは、受信機の構成(たとえばアンテナの数)、チャネル状態などに基づいて決定される。受信機は、サウンディングフレーム内のトレーニングシンボルに基づいて、受信信号品質を評価し、受信信号品質に基づいて適切なデータレートを選択する。データレートから、受信機は、各時間単位、たとえばIEEE 802.11nでは4μsの各OFDMシンボル期間にいくつのデータバイトが送信され得るか決定する。
【0047】
受信機は、フィードバック情報を生成するのに必要な時間量、およびデータレート基づいて、A−MPDUのダミー部分の長さ(Len_D)を決定する。受信機はまた、フィードバック情報のために送信するデータ量およびデータレートに基づいて、A−MPDUのフィードバック部分の長さ(Len_FB)を決定する。受信機は、(i)ダミー部分の長さにA−MPDU内のフィードバック部分の長さを加算した値に等しく設定されたHT−SIGフィールド内の長さフィールド、および(ii)HT−PPDUのデータフィール内でA−MPDUが送信されていることを示すために「1」に設定された集約フィールドを伴うHT−PPDUを生成する。受信機は、Len_Dの長さを有するダミーMPDUを生成し、関連するA−MPDUサブフレームのMPDU長さフィールドをLen_Dに設定する。受信機はまた、Len_FBの長さを有するフィードバックMPDUを生成し、関連するA−MPDUサブフレームのMPDU長さフィールドをLen_FBに設定する。
【0048】
受信機は、サウンディングフレームの終わりからSIFS期間を待機した後、HT−PPDUを送信する。受信機は、フィードバック情報を生成している間、HT−PPDUのプリアンブル、ならびにダミーMPDUを送信する。受信機は、フィードバック情報を符号化し、ダミーMPDUの終わりに添付され得るフィードバックMPDU内で符号化データを送信する。
【0049】
フィードバック情報を生成するのに必要な時間をカバーする継続時間の追加/ダミーMPDUを含む集約フレームを使用すると、特定の利点をもたらすことができる。まず、受信機のハードウェア/シリコン要件は、受信機がフィードバック情報を生成するためのより多くの時間を有することができるので、低減され/緩和される。追加MPDUは、送信機がサウンディングフレームをMACペイロードなしのNDP/ZLFとして送信する場合、特に有用である。この場合、サウンディングフレームの終わりから即時の集約フレームの開始までの時間量は、MACペイロードを含むサウンディングフレームの場合よりも小さい。即時A−MPDU内で追加MPDUを使用すると、受信機の応答時間要件を緩和することができる。
【0050】
送信機は、受信機から集約フレームを受信し、受信機によって送信されたフィードバック情報を回復するためにこのフレームを処理する。送信機は、HT SIGフィールド内の集約フィールドに基づいて、A−MPDUが集約フレームで送信されることを認識する。送信機は、そのMPDUについてのFCSに基づいて、受信された各MPDUをチェックする。フィードバックMPDUがFCSチェックを通過する場合は、送信機は、このMPDUから得られたフィードバック情報に基づいてステアリング行列を導出する。CSI行列フィードバックでは、送信機は、フィードバックMPDUからまたはeff,kを得て、またはeff,kに基づいてを導出し、に基づいてを更新する。非圧縮または圧縮ビームフォーミング行列フィードバックでは、送信機は、フィードバックMPDUからを得て、に基づいてを更新する。
【0051】
送信機で、MACは、FCS検査を実施し、PHYは、ステアリング行列を導出する。PHYは最初、フィードバックMPDUを受信し、このMPDUをFCSチェックのためにMACに渡す。FCSチェックを通過した後、MACは、ステアリング行列計算のために、フィードバックMPDUをPHYに返送する。PHYとMACの両方によるフィードバックMPDU処理の時間量を減らすために、フィードバック情報は、PHYとMACの両方からアクセス可能なメモリに格納する。共有メモリを使用すると、PHYとMACの間でデータを渡す必要をなくすことができる。PHYは、FCSチェックが終わるまでにステアリング行列計算のうちの一部または多くが完了されるように、MACによるFCSチェックと同時にステアリング行列計算を実施する。
【0052】
PHYはまた、ステアリング行列計算および集約フレーム受信をパイプライン方式で実施する。フィードバックMPDUは、搬送波1、次いで搬送波2など、また次いで搬送波Nについてのフィードバック情報を運ぶ。PHYは、各副搬送波についてのフィードバック情報の受信後、その搬送波のステアリング行列計算を、残りの搬送波についてのフィードバック情報を受信する間に実施する。フレームを受信しながらステアリング行列計算をパイプライン処理すると処理遅延を減少させることができるので、次の即時のフレームを、フィードバック情報から導出されたステアリング行列を付けて、できるだけすぐに送信することができる。
【0053】
送信機はまた、一度に1つのモードについて、ステアリングベクトルを導出することもできる。それぞれのステアリング行列は、1≦S≦Tとして、T個の送信アンテナから並列に送信され得るS個のビーム(またはモード)のためのS個の列を含む。送信機は、対象となっている副搬送波について1つのモードのステアリングベクトルを導出し、これらのステアリングベクトルを、別のモードのステアリングベクトルを計算しながらデータ伝送のために使用する。送信機は、各モードのステアリングベクトルが計算されるとき、データ伝送ためにそれを使用する。送信機および受信機が進行中のフレーム交換を有する場合、この処理は、即時の応答フレーム交換において送信機および受信機が明示的なビームフォーミングを有効に使用することを可能にする。
【0054】
図5は、送信機/イニシエータによって実施されるプロセス500の設計について示している。トレーニングシンボルを備える第1のフレーム(たとえばサウンディングフレーム)が、受信機に送信される(ブロック512)。第2の部分が後に続いている第1の部分を備える第2のフレーム(たとえば集約フレーム)が、たとえば第1のフレームの終わりからSIFS期間後に受信される(ブロック514)。第1の部分は、受信機によってフィードバック情報を生成する時間量によって決まる長さを有する少なくとも1つのMPDUを備える。第2の部分は、フィードバック情報を運ぶ少なくとも1つのMPDUを備える。
【0055】
少なくとも1つのステアリング行列が、第2のフレームから得られたフィードバック情報に基づいて導出される(ブロック516)。ブロック516では、少なくとも1つのチャネル行列が、フィードバック情報から得られる。少なくとも1つのビームフォーミング行列が、少なくとも1つのチャネル行列に基づいて導出され、少なくとも1つのステアリング行列を導出するために使用される。あるいは、少なくとも1つのビームフォーミング行列がフィードバック情報から得られ、少なくとも1つのステアリング行列を導出するために使用される。いずれの場合も、少なくとも1つのステアリング行列に基づいて送信空間処理が行われた第3のフレームが、受信機に送信される(ブロック518)。
【0056】
図6は、送信機/イニシエータのための装置600の設計について示している。装置600は、トレーニングシンボルを備える第1のフレームを送信するための手段(モジュール612)と、フィードバック情報を運ぶ第2の部分が後に続いている、受信機によってフィードバック情報を生成する時間量によって決まる長さを有する第1の部分を備える第2のフレームを受信するための手段(モジュール614)と、第2のフレームから得られたフィードバック情報に基づいて少なくとも1つのステアリング行列を導出するための手段(モジュール616)と、少なくとも1つのステアリング行列に基づいて送信空間処理が行われた第3のフレームを送信するための(モジュール618)とを含む。
【0057】
図7は、受信機/レスポンダによって実施されるプロセス700の設計について示している。トレーニングシンボルを備える第1のフレームが、送信機/イニシエータから受信される(ブロック712)。第1のフレーム内のトレーニングシンボルに基づいて、フィードバック情報を生成する時間量が決定される(ブロック714)。フィードバック情報を送信する時間量も決定される(ブロック716)。フィードバック情報を運ぶ第2のフレームの長さが、フィードバック情報を生成する時間量、およびフィードバック情報を送信する時間量に基づいて決定される(ブロック718)。第2のフレームが、第1のフレームの終わりからSIFS期間を待機した後、チャネルアクセスを実施せずに送信機に送信される(ブロック720)。フィードバック情報が、第1のフレーム内のトレーニングシンボルに基づいて生成され、第2のフレームで送信される(ブロック722)。フィードバック情報から導出された少なくとも1つのステアリング行列に基づいて送信空間処理が行われた第3のフレームが受信される(ブロック724)。
【0058】
ブロック714および716では、生成するフィードバック情報のタイプが、複数のフィードバック情報タイプのうちから識別される。第2のフレームに使用するデータレートは、たとえば、第1のフレーム内のトレーニングシンボルから確認された受信信号品質に基づいて決定される。フィードバック情報を生成する時間量が、生成するフィードバック情報のタイプおよび/または他の要因に基づいて決定される。フィードバック情報を送信する時間量は、第2のフレームのデータレート、送信するフィードバック情報のタイプ、および/または他の要因に基づいて決定される。
【0059】
第2のフレームは、第2の部分が後に続いている第1の部分を備える。第1の部分は、フィードバック情報を生成する時間量以上の長さを有する。第2の部分は、フィードバック情報を運ぶ。第2のフレームは、第2の部分の少なくとも1つのMPDUの第2のセットが後に続いている第1の部分の少なくとも1つのMPDUの第1のセットを含むA−MPDUを運ぶ。少なくとも1つのMPDUの第1のセットは、フィードバック情報を生成する時間量以上の長さを有する。少なくとも1つのMPDUの第2のセットは、フィードバック情報を運ぶ。
【0060】
ブロック722では、少なくとも1つのチャネル行列が、第1のフレーム内のトレーニングシンボルに基づいて導出される。フィードバック情報は、少なくとも1つのチャネル行列に基づいて生成され、CSIを備える。あるいは、少なくとも1つのビームフォーミング行列が、少なくとも1つのチャネル行列に基づいて導出される。次いで、フィードバック情報が、少なくとも1つのビームフォーミング行列に基づいて生成され、非圧縮または圧縮ビームフォーミング行列を備える。
【0061】
図8は、受信機/レスポンダのための装置800の設計について示している。装置800は、トレーニングシンボルを備える第1のフレームを受信するための手段(モジュール812)と、第1のフレーム内のトレーニングシンボルに基づいてフィードバック情報を生成する時間量を決定するための手段(モジュール814)と、フィードバック情報を送信する時間量を決定するための手段(モジュール816)と、フィードバック情報を生成する時間量およびフィードバック情報を送信する時間量に基づいて、フィードバック情報を運ぶ第2のフレームの長さを決定するための手段(モジュール818)と、たとえば第1のフレームの終わりからSIFS期間を待機した後、チャネルアクセスを実施せずに第2のフレームを送信するための手段(モジュール820)と、第1のフレーム内のトレーニングシンボルに基づいてフィードバック情報を生成し、第2のフレームでフィードバック情報を送信するための手段(モジュール822)と、フィードバック情報から導出された少なくとも1つのステアリング行列に基づいて送信空間処理が行われた第3のフレームを受信するための手段(モジュール824)とを含む。
【0062】
図6および8内のモジュールは、プロセッサ、電子デバイス、ハードウェアデバイス、電子コンポーネント、論理回路、メモリなど、あるいはその任意の組合せを備えることができる。
【0063】
図9は、図1のアクセスポイント110、および1つの局120の設計のブロック図を示している。アクセスポイント110は、データ送受信に使用してもよい複数の(T)アンテナ924a〜924tを備える。局120は、データ送受信に使用してもよい複数の(R)アンテナ952a〜952rを備える。
【0064】
ダウンリンク上のアクセスポイント110で、送信(TX)データ処理装置914は、データ送信装置912からトラフィックデータを、かつ/またはコントローラ/プロセッサ930から他のデータを受信する。TXデータ処理装置914は、受信されたデータを処理し(たとえばフォーマットし、符号化し、インタリーブし、シンボルマッピングし)、データの変調シンボルであるデータシンボルを生成する。TX空間プロセッサ920は、データシンボルをトレーニングシンボルで多重化し、ダウンリンクステアリング行列で送信空間処理を実施し、T個の変調器(MOD:modulator)922aから922tに出力シンボルのT個のストリームを供給する。トレーニングシンボルは一般に、パイロットシンボルとも呼ばれる。それぞれの変調器922は、出力チップストリームを生成するために、(たとえばOFDMのための)その出力シンボルストリームを処理する。それぞれの変調器922は、ダウンリンク信号を生成するために、その出力チップストリームをさらに調節する(たとえばアナログに変換し、増幅し、フィルタリングし、アップコンバートしてもよい)。変調器922a〜922tからのT個のダウンリンク信号は、それぞれアンテナ924a〜924tから送信される。
【0065】
局120で、R個のアンテナ952a〜952rは、アクセスポイント110からダウンリンク信号を受信し、それぞれのアンテナ952は、受信された信号を各々の復調器(DEMOD:demodulator)954に供給する。それぞれの復調器954は、受信シンボルを得るために、変調器922によって実施された処理を補完する処理を実施する。受信(RX)空間プロセッサ960は、すべての復調器954a〜954rからの受信シンボルに対して空間マッチドフィルタリングを実施し、アクセスポイント110によって送信されたデータシンボルの推定値であるデータシンボル推定値を提供する。RXデータプロセッサ970は、データシンボル推定値をさらに処理し(たとえばシンボル逆マッピングし、デインタリーブし、復号し)、復号されたデータをデータシンク972、および/またコントローラ/プロセッサ980に提供する。
【0066】
チャネルプロセッサ978は、アクセスポイント110から受信されたトレーニングシンボルを処理し、ダウンリンクMIMOチャネル応答を推定する。プロセッサ978は、対応するビームフォーミング行列を得るために、たとえば数式(2)に示されるように、各搬送波または副搬送波群のダウンリンクチャネル行列を分解する。プロセッサ978は、チャネル行列、あるいは(非圧縮または圧縮)ビームフォーミング行列についてのフィードバック情報を生成する。プロセッサ978は、アクセスポイント110に返送するために、コントローラ/プロセッサ980にフィードバック情報を提供する。プロセッサ978は、対応するチャネル行列および/またはビームフォーミング行列に基づいて、対象となっている各搬送波または副搬送波群の空間フィルタ行列を導出する。プロセッサ978は、ダウンリンク空間マッチドフィルタリングのためにRX空間のプロセッサ960に空間周波数フィルタ行列を提供する。
【0067】
アップリンクのための処理は、ダウンリンクのための処理と同じであることも、異なることもある。データ送信装置986からのトラフィックデータ、および/またはコントローラ/プロセッサ980からの他のデータ(たとえばフィードバック情報)は、TXデータ処理装置988によって処理され(たとえば符号化され、インタリーブされ、変調され)、トレーニングシンボルでさらに多重化され、アップリンクステアリング行列を用いて、TX空間のプロセッサ990によって空間処理される。TX空間プロセッサ990からの出力シンボルは、アンテナ952a〜952rを介して送信されるR個のアップリンク信号を生成するために、変調器954a〜954rによってさらに処理される。
【0068】
アクセスポイント110では、局120からのアップリンク信号は、受信シンボルを得るために、アンテナ924a〜924tによって受信され、復調器922a〜922tによって処理される。RX空間のプロセッサ940は、受信シンボルに対して空間マッチドフィルタリングを実施し、データシンボル推定値を提供する。RXデータプロセッサ942は、データシンボル推定値をさらに処理し、復号されたデータをデータシンク944に供給し、コントローラ/プロセッサ930にフィードバック情報を提供する。プロセッサ930は、フィードバック情報に基づいて、局120についてのダウンリンクステアリング行列を導出する。フィードバック情報は、上述されたように、効率的な処理のためにMACおよびPHYの両方からアクセス可能であり得るメモリ(たとえばメモリ932)に格納する。
【0069】
チャネルプロセッサ928は、局120から受信されたトレーニングシンボルを処理し、アップリンクMIMOチャネル応答を推定する。プロセッサ928は、対応するビームフォーミング行列を得るために、対象となっている各副搬送波または副搬送波群のアップリンクチャネル行列を分解する。プロセッサ928はまた、対象となっている各副搬送波または副搬送波群の空間フィルタ行列を導出する。プロセッサ928は、アップリンク空間マッチドフィルタリングのためにRX空間プロセッサ940に空間フィルタ行列を提供し、局120へのフィードバックのためにコントローラ/プロセッサ930にチャネル行列またはビームフォーミング行列を提供する。
【0070】
コントローラ/プロセッサ930、980は、それぞれアクセスポイント110および局120上の操作を制御する。メモリ932、982は、それぞれアクセスポイント110および局120のためのデータおよびプログラムコード格納する。プロセッサ928、930、978、980および/または他のプロセッサは、本明細書で述べられた諸プロセスおよび機能、たとえば図5のプロセス500、図7のプロセス700などを実施する。
【0071】
本明細書に述べられた諸技術は、様々な手段によって実装することができる。たとえば、これらの技術は、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、またはその組合せで実装することができる。ハードウェア実装では、所与のエンティティ(たとえば送信機または受信機)で諸技術を実施するために使用される処理装置は、1つまたは複数の特定用途向け集積回路(ASIC:application specific integrated circuit)、デジタル信号プロセッサ(DSP:digital signal processor)、デジタル信号処理デバイス(DSPD:digital signal processing device)、プログラマブル論理デバイス(PLD:programmable logic device)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA:field programmable gate array)、プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、電子デバイス、本明細書で述べられた諸機能を実施するように設計された電子装置、コンピュータ、またはその組合せで実装することができる。
【0072】
ファームウェアおよび/またはソフトウェア実装では、諸技術は、本明細書に述べられた諸機能を実施するモジュール(たとえば手順、関数など)で実装することができる。ファームウェアおよび/またはソフトウェア命令は、メモリ(たとえば図9のメモリ932または982)に格納し、プロセッサ(たとえばプロセッサ930または980)によって実行することができる。メモリは、プロセッサ内で実装されても、プロセッサの外部で実装されてもよい。ファームウェアおよび/またはソフトウェア命令は、ランダムアクセスメモリ(RAM:random access memory)、読取り専用メモリ(ROM:read−only memory)、不揮発性ランダムアクセスメモリ(NVRAM:non−volatile random access memory)、プログラマブル読取り専用メモリ(PROM:programmable read−only memory)、電気的消去可能PROM(EEPROM:electrically erasable PROM)、FLASHメモリ、コンパクトディスク(CD:compact disc)、磁気または光学データ記憶デバイスなど、他のプロセッサ読取り可能媒体に格納することもできる。
【0073】
1つまたは複数の例示的な実施形態では、述べられた諸機能は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはその任意の組合せで実装されてもよい。ソフトウェアで実装される場合、諸機能は、コンピュータ読取り可能媒体内に1つまたは複数の命令またはコードとして格納され、送信される。コンピュータ読取り可能媒体は、コンピュータプログラムをある場所から別の場所に転送することを容易にする任意の媒体を含むコンピュータ記憶媒体と通信媒体の両方を含む。記憶媒体は、コンピュータによってアクセスすることができる任意の使用可能な媒体であってもよい。限定のためではなく、例を挙げると、こうしたコンピュータ読取り可能媒体は、RAM、ROM、EEPROM、CD−ROMまたは他の光ディスク記憶装置、磁気ディスク記憶装置または他の磁気記憶デバイス、あるいは所望のプログラムコードを命令またはデータ構造体の形で運びまたは格納するために使用することができ、コンピュータによってアクセスすることができる他の任意の媒体を備えることができる。またいずれの接続も正確に、コンピュータ読取り可能と呼ばれる。たとえば、ソフトウェアが、同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア線、デジタル加入者線(DSL:digital subscriber line)、または赤外線、無線およびマイクロ波などの無線技術を使用してウェブサイト、サーバ、あるいは他の遠隔ソースから送信される場合、同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア線、DSL、または赤外線、無線およびマイクロ波などの無線技術は、媒体の定義に含まれる。本明細書では、ディスク(disk、disc)には、コンパクトディスク(CD)、レーザーディスク(登録商標)、光ディスク、デジタル多用途ディスク(DVD:digital versatile disc)、フロッピー(登録商標)ディスクおよびブルーレイディスクが含まれ、ただし、ディスク(disk)は通常、データを磁気的に再生し、ディスク(disc)はデータをレーザで光学的に再生する。上記内容の組合せもまた、コンピュータ読取り可能媒体の範囲内に含まれるべきである。
【0074】
本開示の上記説明は、当業者が本開示を作成しまたは使用することを可能にするために提供されている。本開示への様々な修正が当業者には容易に明らかになり、本明細書で定義された一般的な原則は、本開示の精神または範囲から逸脱せずに他の変形形態に適用してもよい。したがって、本開示は、本明細書に述べられた諸実施例および諸設計に限定されるものでなく、本明細書に開示された諸原理および新規な諸特徴に一致する最も広い範囲が与えられるものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
トレーニングシンボルを備える第1のフレームを受信し、前記第1のフレーム内の前記トレーニングシンボルに基づいてフィードバック情報を生成する時間量を決定し、前記フィードバック情報を生成する前記時間量に少なくとも基づいて決定された長さを有する第2のフレームを送信するように構成されたプロセッサと、
前記プロセッサに結合されたメモリと、
を備えた装置。
【請求項2】
前記プロセッサは、生成するフィードバック情報のタイプを複数のフィードバック情報タイプのうちから識別し、生成するフィードバック情報の前記タイプに基づいて前記フィードバック情報を生成する時間量を決定するように構成された、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記プロセッサは、前記フィードバック情報を送信する時間量を決定し、前記フィードバック情報を送信する前記時間量にさらに基づいて前記第2のフレームの前記長さを決定するように構成された、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記プロセッサは、前記第2のフレームのデータレートを決定し、送信するフィードバック情報のタイプを複数のフィードバック情報タイプのうちから識別し、前記データレートおよびフィードバック情報の前記タイプに基づいて、前記フィードバック情報を送信する前記時間量を決定するように構成された、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記プロセッサは、第1の部分の後に第2の部分が続く前記第2のフレームを生成するように構成され、前記第1の部分は前記フィードバック情報を生成する前記時間量以上の長さを有し、前記第2の部分は前記フィードバック情報を運ぶ、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記プロセッサは、複数のプロトコルデータユニット(MPDU)を備える集約メディアアクセス制御(MAC)プロトコルデータユニット(A−MPDU)を形成し、前記A−MPDUを含む前記第2のフレームを生成するように構成された、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記プロセッサは、少なくとも1つのMPDUの第2のセットが後に続いている、前記フィードバック情報を生成する前記時間量以上の長さを有する少なくとも1つのMPDUの第1のセットを含むA−MPDUを形成し、少なくとも1つのMPDUの前記第2のセット内で前記フィードバック情報を提供するように構成された、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記プロセッサは、前記フィードバック情報を生成する前記時間量以上の長さを有する第1のMPDUを形成し、前記フィードバック情報を含む第2のMPDUを形成し、前記第2のMPDUが後に続いている前記第1のMPDUを含む前記A−MPDUを形成するように構成された、請求項6に記載の装置。
【請求項9】
前記プロセッサは、前記第1のフレームが終わった後、短フレーム間空間(SIFS)期間を待機し、前記SIFS期間の待機後、チャネルアクセスを実施せずに前記第2のフレームを送信するように構成された、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記プロセッサは、前記第1のフレーム内の前記トレーニングシンボルに基づいて少なくとも1つのチャネル行列を導出し、前記少なくとも1つのチャネル行列に基づいて前記フィードバック情報を生成するように構成された、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記プロセッサは、前記第1のフレーム内の前記トレーニングシンボルに基づいて少なくとも1つのチャネル行列を導出し、前記少なくとも1つのチャネル行列に基づいて少なくとも1つのビームフォーミング行列を導出し、前記少なくとも1つのビームフォーミング行列に基づいて前記フィードバック情報を生成するように構成された、請求項1に記載の装置。
【請求項12】
前記フィードバック情報は、少なくとも1つの圧縮ビームフォーミング行列を備える、請求項1に記載の装置。
【請求項13】
前記フィードバック情報は、チャネル状態情報(CSI)を備える、請求項1に記載の装置。
【請求項14】
前記プロセッサは、前記第2のフレームの長さフィールドを前記第2のフレームの長さに設定するように構成された、請求項1に記載の装置。
【請求項15】
トレーニングシンボルを備える第1のフレームを受信することと、
前記第1のフレーム内の前記トレーニングシンボルに基づいてフィードバック情報を生成する時間量を決定することと、
前記フィードバック情報を生成する前記時間量に少なくとも基づいて決定された長さを有する第2のフレームを送信することと、
を備えた方法。
【請求項16】
前記フィードバック情報を送信する時間量を決定することと、
前記フィードバック情報を送信する前記時間量にさらに基づいて前記第2のフレームの長さを決定することと、
をさらに備えた、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
第1の部分の後に第2の部分が続く前記第2のフレームを生成することをさらに備え、前記第1の部分は前記フィードバック情報を生成する前記時間量以上の長さを有し、前記第2の部分は前記フィードバック情報を運ぶ、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記第2のフレームを送信することは、
前記第1フレームが終わった後、短フレーム間隔(SIFS)期間を待機することと、
前記SIFS期間を待機した後、チャネルアクセスを実施せずに前記第2のフレームを送信することと、
を備えた、請求項15に記載の方法。
【請求項19】
トレーニングシンボルを備える第1のフレームを受信するための手段と、
前記第1のフレーム内の前記トレーニングシンボルに基づいてフィードバック情報を生成する時間量を決定するための手段と、
前記フィードバック情報を生成する前記時間量に少なくとも基づいて決定された長さを有する第2のフレームを送信するための手段と、
を備えた装置。
【請求項20】
前記フィードバック情報を送信する時間量を決定するための手段と、
前記フィードバック情報を送信する前記時間量にさらに基づいて前記第2のフレームの長さを決定するための手段と、
をさらに備えた、請求項19に記載の装置。
【請求項21】
第1の部分の後に第2の部分が続く前記第2のフレームを生成するための手段をさらに備え、前記第1の部分は前記フィードバック情報を生成する前記時間量以上の長さを有し、前記第2の部分は前記フィードバック情報を運ぶ、請求項19に記載の装置。
【請求項22】
前記第2のフレームを送信するための前記手段は、
前記第1フレームが終わった後、短フレーム間隔(SIFS)期間を待機するための手段と、
前記SIFS期間を待機した後、チャネルアクセスを実施せずに前記第2のフレームを送信するための手段と、
を備えた、請求項19に記載の装置。
【請求項23】
トレーニングシンボルを備える第1のフレームを受信するための第1の命令と、
前記第1のフレーム内の前記トレーニングシンボルに基づいてフィードバック情報を生成する時間量を決定するための第2の命令と、
前記フィードバック情報を生成する前記時間量に少なくとも基づいて決定された長さを有する第2のフレームを送信するための第3の命令と、
を備える命令を格納したプロセッサ読取り可能媒体。
【請求項24】
前記フィードバック情報を送信する時間量を決定するための第4の命令と、
前記フィードバック情報を送信する前記時間量にさらに基づいて前記第2のフレームの長さを決定するための第5の命令と、
をさらに備える、請求項23に記載のプロセッサ読取り可能媒体。
【請求項25】
第1の部分の後に第2の部分が続く前記第2のフレームを生成するための第4の命令であって、前記第1の部分は前記フィードバック情報を生成する前記時間量以上の長さを有し、前記第2の部分は前記フィードバック情報を運ぶ前記命令をさらに備えた、請求項23に記載のプロセッサ読取り可能媒体。
【請求項26】
トレーニングシンボルを備える第1のフレームを送信し、第1の部分の後に第2の部分が続く第2のフレームであって、前記第1の部分は前記第1のフレームの受信機により前記フィードバック情報を生成する時間量によって決定される長さを有し、前記第2の部分は前記フィードバック情報を運ぶ前記第2のフレームを受信し、前記第2のフレームから得られた前記フィードバック情報に基づいて少なくとも1つのステアリング行列を導出するように構成されたプロセッサと、
前記プロセッサに結合されたメモリと、
を備えた装置。
【請求項27】
前記プロセッサは、前記第1の部分の第1のプロトコルデータユニット(MPDU)と前記第2の部分の第2のプロトコルデータユニット(MPDU)とを備える集約メディアアクセス制御(MAC)プロトコルデータユニット(A−MPDU)を前記第2のフレームから受信するように構成された、請求項26に記載の装置。
【請求項28】
前記プロセッサは、前記フィードバック情報から少なくとも1つのチャネル行列を得て、前記少なくとも1つのチャネル行列に基づいて少なくとも1つのビームフォーミング行列を導出し、前記少なくとも1つのビームフォーミング行列に基づいて前記少なくとも1つのステアリング行列を導出するように構成された、請求項26に記載の装置。
【請求項29】
前記プロセッサは、前記フィードバック情報から少なくとも1つのビームフォーミング行列を得て、前記少なくとも1つのビームフォーミング行列に基づいて前記少なくとも1つのステアリング行列を導出するように構成された、請求項26に記載の装置。
【請求項30】
前記プロセッサは、前記第1のフレームの終わりから短フレーム間スペース(SIFS)期間の後、前記第2のフレームを受信するように構成された、請求項1に記載の装置。
【請求項31】
前記プロセッサは、前記少なくとも1つのステアリング行列に基づいて第3のフレームのための送信空間処理を実施し、前記第3のフレームを前記受信機に送信するように構成された、請求項26に記載の装置。
【請求項32】
トレーニングシンボルを備える第1のフレームを送信することと、
第1の部分の後に第2の部分が続く第2のフレームであって、前記第1の部分は前記第1のフレームの受信機により前記フィードバック情報を生成する時間量によって決まる長さを有し、前記第2の部分は前記フィードバック情報を運ぶ前記第2のフレームを受信することと、
前記第2のフレームから得られた前記フィードバック情報に基づいて少なくとも1つのステアリング行列を導出することと、
を備えた方法。
【請求項33】
前記少なくとも1つのステアリング行列を導出することは、
前記フィードバック情報から少なくとも1つのチャネル行列を得ることと、
前記少なくとも1つのチャネル行列に基づいて少なくとも1つのビームフォーミング行列を導出することと、
前記少なくとも1つのビームフォーミング行列に基づいて前記少なくとも1つのステアリング行列を導出することと、
を備えた、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記少なくとも1つのステアリング行列を導出することは、
前記フィードバック情報から少なくとも1つのビームフォーミング行列を得ることと、
前記少なくとも1つのビームフォーミング行列に基づいて前記少なくとも1つのステアリング行列を導出することと、
を備えた、請求項32に記載の方法。
【請求項35】
トレーニングシンボルを備える第1のフレームを送信するための手段と、
第1の部分の後に第2の部分が続く第2のフレームであって、前記第1の部分は前記第1のフレームの受信機により前記フィードバック情報を生成する時間量によって決まる長さを有し、前記第2の部分は前記フィードバック情報を運ぶ前記第2のフレームを受信するための手段と、
前記第2のフレームから得られた前記フィードバック情報に基づいて少なくとも1つのステアリング行列を導出するための手段と、
を備えたる装置。
【請求項36】
前記少なくとも1つのステアリング行列を導出するための前記手段は、
前記フィードバック情報から少なくとも1つのチャネル行列を得るための手段と、
前記少なくとも1つのチャネル行列に基づいて少なくとも1つのビームフォーミング行列を導出するための手段と、
前記少なくとも1つのビームフォーミング行列に基づいて少なくとも1つのステアリング行列を導出するための手段と、
を備えた、請求項35に記載の装置。
【請求項37】
前記少なくとも1つのステアリング行列を導出するための手段は、
前記フィードバック情報から少なくとも1つのビームフォーミング行列を得るための手段と、
前記少なくとも1つのビームフォーミング行列に基づいて前記少なくとも1つのステアリング行列を導出するための手段と、
を備えた、請求項35に記載の装置。
【請求項38】
トレーニングシンボルを備える第1のフレームを送信するための第1の命令と、
第1の部分の後に第2の部分が続く第2のフレームであって、前記第1の部分は前記第1のフレームの受信機により前記フィードバック情報を生成する時間量によって決まる長さを有し、前記第2の部分は前記フィードバック情報を運ぶ前記第2のフレームを受信するための第2の命令と、
前記第2のフレームから得られた前記フィードバック情報に基づいて少なくとも1つのステアリング行列を導出するための第3の命令と、
を備える命令が格納された、プロセッサ読取り可能媒体。
【請求項39】
ビームフォーミングのためのフィードバック情報を求める第1のフレームを受信し、複数のタイプのプリアンブルのうちの1つを選択し、前記選択されたタイプのプリアンブルを伴いかつ前記フィードバック情報を含む第2のフレームを送信するように構成されたプロセッサと、
前記プロセッサに結合されたメモリと、
を備えた装置。
【請求項40】
前記プロセッサは、前記第1のフレームのプリアンブルに基づいて前記第1のフレームのフレームタイプを決定し、前記第1のフレームの前記フレームタイプに基づいて前記第2のフレームの前記プリアンブルタイプを選択するよう構成された、請求項39に記載の装置。
【請求項41】
前記プロセッサは、前記第1のフレーム内のトレーニングシンボルに基づいてフィードバック情報を生成し、前記フィードバック情報を生成する前記時間量に基づいて前記第2のフレームの前記プリアンブルタイプを選択するように構成された、請求項39に記載の装置。
【請求項42】
前記プロセッサは、前記第2のフレームに混合モードプリアンブルまたはグリーンフィールドプリアンブルを選択するように構成された、請求項39に記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−51693(P2013−51693A)
【公開日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−214642(P2012−214642)
【出願日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【分割の表示】特願2009−514472(P2009−514472)の分割
【原出願日】平成19年5月30日(2007.5.30)
【出願人】(595020643)クゥアルコム・インコーポレイテッド (7,166)
【氏名又は名称原語表記】QUALCOMM INCORPORATED
【Fターム(参考)】