説明

無線通信システム内の端末間でデータを送信する方法、ノード及び無線通信システム

無線通信システム内の第1の端末(UE1)から該無線通信システム内の第2の端末(UE2)にデータを送信する方法に関する。無線通信システムは、コアネットワーク(106、108)と、該コアネットワーク(106、108)に接続された少なくとも1つの無線アクセスネットワーク(114)とを有する。無線通信システムの第1の端末(UE1)から該無線通信システムの第2の端末(UE2)へとデータが送信され、ここで、第1の端末及び第2の端末(UE1、UE2)は、少なくとも1つの無線アクセスネットワーク(114)の共通のカバレッジエリアに位置する。データは、少なくとも1つの無線アクセスネットワーク(114)の外部に出ることなく、第1の端末(UE1)から少なくとも1つの無線アクセスネットワーク(114)内のエンティティ(100、102a〜102c、104a〜104c)を通して第2の端末(UE2)へと送信される。データを送信するステップは、無線アクセスネットワーク(114)のノード(100)において、第1の端末(UE1)と該ノード(100)との間にあるアップリンクチャネルと、該ノード(100)と第2の端末(UE2)との間にあるダウンリンクチャネルとを接続することを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施の形態は、無線通信システム内の端末間でデータを送信する方法と、コンピュータプログラム製品と、無線通信システムの無線アクセスネットワーク内のノードと、無線通信システムとに関するものである。より具体的には、本発明の実施の形態は、端末同士の直接的な通信の手法に関するものである。これらの端末は、基地局ノードと、各端末に無線リンクを提供する複数の遠隔無線ヘッド(remote radio head)とを有する単一の無線アクセスネットワークによってカバーされるエリア内にある。本発明の実施の形態は、光通信に基づいた無線通信システムの分野に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、共通のカバレッジエリア(common coverage area)(例えば、RAN(radio access network、無線アクセスネットワーク))内の端末間でデータを送信する場合には、全体のトラフィックすなわちデータトラフィック及び信号伝達トラフィックは、送信元端末からコアネットワークへと「上り」、そして宛先端末へと「下る」。より詳細には、既知の無線通信システムに伴う問題は、同じカバレッジエリア内に置かれている一対の端末又はユーザ機器(user equipment、UE)間のローカルな通信リンクにおいて、遠隔無線ヘッド(remote radio head, RRH)、基地局(base station, BS)、パケットデータネットワークゲートウェイ(packet data network gateway, P−GW)、サービス提供ゲートウェイ(serving gateway, S−GW)、モビリティ管理エンティティ(mobility management entity, MME)といった多くのネットワークエンティティが必要以上に含まれるという点にある。データは本来、無線アクセスネットワーク(RAN)の外部に出る必要がないため、これらのネットワークエンティティは実際には冗長である。しかし、RANの同じカバレッジエリア内に置かれたUE間の通信を処理するための上記ネットワークエンティティが必要となる従来の手法では、大きなエリアにサービスを提供するために多くの遠隔無線ヘッドが接続される基地局(base station、BS)又は信号処理ノード(signal processing node、SPN)において高い処理負荷が生じる。また、複数のネットワークエンティティ間での信号伝達のために、リンクのリソースを浪費することになる。
【0003】
図1は、従来技術の解決策の制約を示す無線通信システムの概略図である。実際には、これまで遠隔無線ヘッドが商用システムに配備されてきているが、ローカルなUE−UE間の通信の特定の態様は未だ考慮されていない。図1は、複数の遠隔無線ヘッド102a〜102cを介してカバレッジエリアにサービスを提供する基地局100を有する無線通信システムの一部を示している。遠隔無線ヘッド102〜102の各々は、各リンク104a〜104c、例えば光リンクを介して基地局100と接続している。図1に示した基地局100の共通のカバレッジエリアにより、複数のユーザ機器UE〜UEに対してサービスを提供することができる。より詳細には、基地局100は、遠隔無線ヘッド102aを介してユーザ機器UE及びUEにサービスを提供する。ユーザ機器UE〜UEは、遠隔無線ヘッド102bを介して基地局100からサービスの提供を受ける。ユーザ機器UE及びUEは、遠隔無線ヘッド102cを介して基地局100からサービスの提供を受ける。基地局100は、バックボーンネットワーク又はバックホールネットワーク106を介してパケットネットワーク、例えばパケットデータネットワークPDN108に接続されている。基地局100をパケットデータネットワーク108に接続するバックホールネットワーク106は、サービス提供ゲートウェイS−GW110と、パケットデータネットワークゲートウェイP−GW112とを有している。基地局100と、接続104a〜104cと、遠隔無線ヘッド102a〜102cとが、無線アクセスネットワーク(RAN)114を形成している。
【0004】
異なったカバレッジエリア内にあるユーザ機器間で通信する場合には、データパスは、ユーザ機器から基地局100と各ゲートウェイ110及び112とを通じてネットワーク108へと向かうことになる。そして、このネットワーク108は、通信を確立すべき所望のユーザ機器が位置している、図1と同様の構造を有する別の基地局と接続することになる。また、モバイルユニット又はユーザ機器から固定ユーザ機器への通信も、各ゲートウェイ及びネットワーク108を介して同じように行われる。例えば、ユーザ機器UEを前提とすると、ユーザ機器UEはカバレッジエリア114の一部ではない遠隔装置と通信する。データパスは、ユーザ機器UEから始まり、無線ヘッド102bを介して基地局100へと向かう。信号は、ドットで描かれたデータパス「4」として示しているように、基地局100からサービス提供ゲートウェイ110へと送信される。データパス「4」は、サービス提供ゲートウェイ110からパケットデータネットワークゲートウェイ112へと向かい、さらにこのゲートウェイからネットワーク108へと向かう。同一のカバレッジエリア114内のユーザ機器間の通信の場合には、ユーザ機器と、基地局と、各ゲートウェイとの間で通信が必要となる。例えば、ユーザ機器UEとユーザ機器UEとが通信するものとする。同一のカバレッジエリア114内にあるこれら2つのユーザ機器間の通信を確立するために、ユーザ機器UEは、遠隔無線ヘッド102aと光リンク104aと基地局100とを介して、所望の通信に関して各ゲートウェイ110及び112に信号による伝達を行う。このことを、基地局100からパケットデータネットワークゲートウェイ112へと向かうデータパス「1」として概略的に示している。パケットデータネットワークゲートウェイ112は、ネットワーク108を介して各ネットワークエンティティと通信し、ユーザ機器UEの位置を求める。ユーザ機器UEが基地局100からサービスの提供を受けており、そのため、それぞれのパス「1」がパケットデータネットワークゲートウェイ112からサービス提供ゲートウェイ110を介して基地局100へと向かい(基地局の右側にあるデータパスを参照)、基地局100から光リンク104c及び遠隔無線ヘッド102cを介してユーザ機器UEに向けてデータあるいは信号が送信されるという情報が得られる。同じ手法が、例えばユーザ機器UEとUEとの通信の場合にも必要となる。図1では、データパスは、ゲートウェイ112まで上り、カバレッジエリア114内にあるというユーザ機器UEの位置を求めた後に、ゲートウェイ112から基地局100まで、そして光リンク104b及び遠隔無線ヘッド102bを介してユーザ機器UEへと下るようにして向かうパス「2」である。ユーザ機器UEとUEとの通信であれば、そのデータパスは図1に示しているデータパス「3」である。
【0005】
図から分かるように、同一のカバレッジエリア114内にあるユーザ機器間の通信が求められる状況では、従来の手法によれば、ユーザ機器間に直接的な接続がないため、準最適なデータパスしか提供されない。実際には、上述したように、データパスはゲートウェイ112まで「上り」、そして基地局100へと「下るようにして」存在する。これは、基地局100に必要以上の処理負荷を生じさせる。基地局が大規模なエリアをカバーする無線通信ネットワークを考慮すると、同一エリア内のUE−UE間通信の割合は大幅に増加する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、同一エリア内にあるユーザ機器間の通信の改善をもたらす改良された手法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的は、請求項1に記載の方法、請求項14に記載のノード、請求項15に記載の無線通信システムにより達成される。
【0008】
本発明の実施形態によれば、無線通信システムの端末間でデータを送信する方法が提供される。前記無線通信システムは、コアネットワークと、該コアネットワークに接続された少なくとも1つの無線アクセスネットワークとを有する。本方法は、少なくとも1つの前記無線アクセスネットワークの共通のカバレッジエリアにともに位置する無線通信システムの少なくとも2つの端末間でデータを送信するステップを含む。前記データは、少なくとも1つの前記無線アクセスネットワークの外部に出ることなく、少なくとも1つの前記無線アクセスネットワーク内のエンティティを通して少なくとも2つの端末間で送信される。
【0009】
本発明の実施形態によれば、無線通信システムの無線アクセスネットワークのノードが提供される。このノードは、前記無線通信システムのコアネットワークと、複数の遠隔無線ユニット(remote radio unit)とに接続し、本発明の実施形態に記載の方法に従って、共通のカバレッジエリアにともに位置する前記無線通信システム内の端末間でデータを送信する。
【0010】
本発明の実施形態によれば、コアネットワークと、前記コアネットワークに接続される少なくとも1つのノードと、前記ノードに接続される複数の遠隔無線ユニットと、前記遠隔無線ユニットに接続される複数の端末とを有する無線通信システムが提供される。この無線通信システムは、本発明の実施形態に記載の方法に従って、共通のカバレッジエリアにともに位置する端末間でデータを送信するように構成されている。
【0011】
さらに、本発明の実施形態によれば、本発明の実施形態に記載の方法をコンピュータに実行させる命令を含むコンピュータプログラムを有するコンピュータプログラム製品が提供される。
【0012】
実施形態によれば、少なくとも1つの無線アクセスネットワークのエンティティには、コアネットワークに接続されたノードと、複数の遠隔無線ユニットとが含まれる。各遠隔無線ユニットはノードに接続され、少なくとも2つの端末は遠隔無線ユニットに接続される。データは、ノード及び遠隔無線ユニットを含むデータパスに沿って少なくとも2つの端末間で送信される。このような実施形態では、ノードは、共通した一組のパラメータをデータ送信のために割り当てて、端末に対して信号により伝達することができる。端末は、ノードから信号伝達されたパラメータに基づいてデータを送受信することができる。この実施形態によれば、本方法は、少なくとも1つの無線アクセスネットワークの共通のカバレッジエリアにある送信元端末及び宛先端末を特定するステップを更に含むことができ、データを送信するステップは、データを送信元端末から宛先端末へと転送するステップを含み、データパスは、送信元端末とノードとの間にあるアップリンクと、ノードと宛先端末との間にあるダウンリンクとを含む。本方法は、送信元端末及び宛先端末のアップリンクリソース及びダウンリンクリソースに基づいて、リソースを一括してデータパスに割り当てるか、又は変調及び符号化方法を選択するかの少なくとも一方を行うステップを更に含むことができる。
【0013】
リソースを一括して割り当てるか、又は変調及び符号化方法を選択するかの少なくとも一方を行うステップには、リソースをアップリンク及びダウンリンクに割り当てるか、又は共通した変調及び符号化方法をアップリンク及びダウンリンクのために選択するかの少なくとも一方を行うことが含まれうる。
【0014】
リソースを割り当てるステップは、送信元端末とノードとの間のアップリンクチャネルと、ノードと宛先端末との間のダウンリンクチャネルとを含む、送信元端末と宛先端末との間の効率的なチャネル(effective channel)が所定の基準を満たすように、アップリンク及びダウンリンクに関連付けられたリソースを再マッピングすることを含むことができる。所定の基準は、アップリンクチャネル及びダウンリンクチャネルのチャネル品質を示すチャネル係数の積に基づくものとすることができる。再マッピングには、積の値が最大となるようにアップリンク及びダウンリンクのための再マッピングを行うことが含まれうる。
【0015】
更なる実施形態によれば、本方法は、ある基準信号を送信元端末から宛先端末へと転送するステップと、宛先端末において効率的なチャネルを推定するステップとを含んでいてもよい。
【0016】
各端末は、当該端末とコアネットワーク内のエンティティとに記憶される、自己に関連付けられた一意のIDを有することができる。本方法は、一意のIDに基づいて、無線アクセスネットワークの共通のカバレッジエリアにある送信元端末及び宛先端末を特定するステップを含む。送信元端末が、宛先端末とのセッションを確立しようとする場合に、本方法は、宛先端末の一意のIDをコアネットワーク内のエンティティに転送するステップと、送信元端末の存在する無線アクセスネットワークのカバレッジエリアと同一のカバレッジエリアに宛先端末が存在するか否かを、コアネットワーク内のエンティティがチェックするステップと、送信元端末及び宛先端末が共通のカバレッジエリアに存在する場合には、コアネットワーク内のエンティティがノードに対してデータの転送を実行するよう命令するステップとを含んでいてもよい。
【0017】
一意のIDには、一意の識別番号、IPアドレス、又はSIPアドレスが含まれうる。コアネットワーク内のエンティティには、ホーム加入者サーバ又はモビリティ管理エンティティが含まれる。
【0018】
本発明の実施形態によれば、無線アクセスネットワーク内のエンティティのみを用いる「直接的なデータパス」、すなわち、送信元端末と、その送信元端末が接続される遠隔無線ユニットと、ノード(例えば基地局)と、宛先端末が接続される別の遠隔無線ユニットと、宛先端末とのみを含むデータパスが提案される。少量の信号伝達情報のみが、例えば、所望の宛先端末が実際に送信元端末と同一のエリアにあるか否かを判断するためにコアネットワークへと送信される。
【0019】
したがって、本発明の実施形態によれば、エリア内の端末間(UE間)通信の新しいデータ転送方法と、複雑度、エネルギー消費、リンクリソース消費の低減を目的とした無線セルラネットワークに必要な信号伝達メカニズムとが提供される。本発明の実施形態によれば、同一のカバレッジエリアにあるローカルなUE間通信のデータは、無線アクセスネットワーク(RAN)の外部に出ることなく基地局又は信号処理ノードにおいて転送される。本発明の態様は、ネットワーク層のみならず、L1層、L2層にも関係する。ネットワーク層では、対象のUEに信号伝達される必要な情報を効率的に交換あるいは収集するための信号伝達の態様が対象となる。そのような情報を用いて、複雑度、エネルギー消費、リンクリソース消費の所望の低減を達成することができる。実施形態によれば、信号伝達の方法は以下のとおりである。ホーム加入者サーバ(home subscriber server、HSS)及びモビリティ管理エンティティ(mobility management entity、MME)といったエンティティは、UEのIP(インターネットプロトコル)アドレスと、セッション開始プロトコル(session initiation protocol、SIP)アドレスと、UEを一意に特定する新たな識別情報(ID)とのうちの少なくとも一つを把握しているとする。UEは、本実施形態によれば、自己のIPアドレス、SIP識別情報、又は上述した新たなIDを把握する。MMEといったネットワークエンティティに対して、別のUEとのセッション(データ及び/又は音声)の確立を要求する場合に、要求側UEは、IPアドレス、SIPのID、又はUEのIDをモビリティ管理エンティティに対して明示的に提示する。モビリティ管理エンティティはその内部のデータベースをチェックする。宛先UEのIPアドレス又はSIPのIDが同一の基地局にあることが判明した場合には、モビリティ管理エンティティは基地局に対し、送信元UEから宛先UEに向けたデータの内部的な転送を実行するよう命令する。MMEは、送信元UE及び宛先UEのIPアドレスを基地局に通知することができ、それにより、基地局は、内部的な転送を実行する必要のあるユーザ機器を認識する。
【0020】
他の実施形態によれば、UEは事前に割り当てられるIPアドレスを有していなくてもよい。このような状況では、UEは、IP割当てモジュール、例えば、LTEあるいはEPCに基づいて提供されるパケットデータネットワークゲートウェイからIPアドレスを受信するとすぐに、担当のMMEを更新する。MMEがUEの有するSIPのIDを既に知っている(MMEは、接続手続き中、又は新しいセッションの確立中にこれについて通知を受ける)ものとすると、MMEは、IPアドレスを任意のUEの識別子(SIPのID、IMSI等)と対応させて記憶する。このようにして、MMEは、送信元UE及び宛先UEのIPアドレスを知り、それに基づいて各基地局に通知する。これにより、基地局はIPアドレス(又は任意の別のID)を使用して、どのセッションを内部で転送すべきか、すなわちどのセッションが、無線アクセスネットワーク内のユーザ機器間のみでのデータ転送を提供するのかを判断することができる。
【0021】
本発明の実施形態はさらに、L1層、L2層と、信号処理の負荷をいかに低減できるかとに関係する。本発明の実施形態は、ローカルなUE間通信リンクにおける送信元UE及び宛先UEのそれぞれのアップリンクリソース及びダウンリンクリソースを考慮して、一括したリソース割当て並びに変調及び符号化方法(modulation encoding scheme、MCS)の選択を行うことを教示するものである。本発明の実施形態では、アップリンク及びダウンリンクのリソースを一括して割り当てるとともに、共通したMCSを選択することにより、送信元から宛先への確実な端末間通信が可能となる。これにより、本発明の実施形態によれば、アップリンクとダウンリンクの双方における変調及び符号化等の共通した手順を回避することにより複雑度を低減できる。また、本発明の実施形態によれば、従来のような、アップリンクとダウンリンクとで個別に行われるリソース割当て及びMCSの選択と比較して、良好なスペクトル効率が得られる。
【0022】
本発明の実施形態は光ネットワークを考慮して、一対のユーザ機器(UE)間の通信リンクに焦点を当てたものである。一対のUEは、ある基地局(base station)又は信号処理ノード(SPN)と、光ネットワークを通してBS又はSPNに接続された一組の遠隔無線ヘッド(RRH)とによりサービスが提供される共通したカバレッジエリアに位置する。このようなネットワーク構成は有用であり、通常、トラフィックの多い都市圏で見受けられる。大半の通信が、多くの忙しい都市圏内の特定の時間帯に同一エリア内のUE間で行われることがわかる。本発明の実施形態は、3GPPロングタームエボリューション(LTE)及びLTEアドバンスト等の従来のシステムの問題を解決するものである。従来のシステムでは、UE間通信が、RRH、BS、サービス提供ゲートウェイ、パケットデータネットワークゲートウェイ、モビリティ管理エンティティといった多くのネットワークエンティティを必要以上に含むが、データは本来、少なくとも概念的には、無線アクセスネットワーク(RAN)の外部に出る必要がないため、これらのネットワークエンティティは冗長である。したがって、本発明の実施形態は、同一のカバレッジエリア内のローカルなUE間通信に際してこのような概念的に見て不要な信号伝達と処理を最小限にする。したがって、本発明の実施形態によれば、複雑度及びリンクリソースの消費を低減し、その結果、必要なエネルギーを低減することができる。
【0023】
本発明の実施形態は特に、ユーザ機器、遠隔無線ヘッド、基地局、サービス提供ゲートウェイ、パケットデータネットワークゲートウェイ、モビリティ管理エンティティ等を備えた3GPP LTEあるいはLTEアドバンスト以降又は次期モバイルネットワーク(next mobile network、NMN)の将来の商用システム等の無線セルラネットワーク向けのものである。
【0024】
本発明の実施形態は、基地局又は信号処理ノード並びに光ネットワークを通して基地局又は信号処理ノードに接続された一組の無線遠隔ヘッドからサービスの提供を受ける同一のカバレッジエリアにあるUE間の通信を効率的にサポートするため、有利である。本発明の実施形態は、同一のカバレッジエリア内のこのようなローカルなUE間通信を実現するために関係する信号伝達及び通信量を最小限にする手段を提供する。これにより、L1、L2における処理及び全ての上位層機能の処理において特に基地局における複雑度及び対応するエネルギー消費を大幅に低減することができる。基地局、サービス提供ゲートウェイ、及びパケットデータネットワークゲートウェイ、並びにモビリティ管理エンティティの間のリンクリソースの消費を大幅に節減することができる。さらに、本発明の実施形態は、L1、L2の処理に新しい方式を提供し、この方式は、ネットワークにおける限られた同じ帯域幅を使用して同時により多くの顧客をサポートする可能性に繋がるより良いスペクトル利用をもたらす。これにより、高度なサービスを提供するとともに、将来の商用システムにおける顧客満足度を向上させる可能性に貢献するものである。
【0025】
本発明の実施形態について添付図面を参照して以下に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】従来技術の解決策が持つ制約を示す無線通信システムの概略図である。
【図2a】本発明の実施形態を説明する基となる、図1に示した無線通信システムと同様の無線通信システムの部分的な概略図である。
【図2b】従来の中継システムと本発明の実施形態による中継システムとの基本的な違いを説明する概略図である。
【図3】基地局内にあるL1層、L2層の信号処理要素の詳細と結び付けた基地局及び遠隔無線ヘッドの概略図である。
【図4】図3の基地局内のリソース割当て又はリソースマッピングを表す説明図である。図4(a)は無線アクセスネットワークの一例を示し、図4(b)はモバイルユニットから基地局へのアップリンク接続に使用される周波数帯を示し、図4(c)は、基地局から各モバイルユニットへの接続に使用されるダウンリンク周波数帯を示している。
【図5】図3に示した基地局内のデジタル信号プロセッサの更なる詳細図である。図5(a)はダウンリンクデジタル信号プロセッサの詳細を示し、図5(b)はアップリンクデジタル信号プロセッサの詳細を示している。
【図6】同一の無線アクセスネットワーク内にあるユーザ機器の通信に対して本発明の実施形態を適用する場合の複雑度の低減の一例を示す説明図である。
【図7】本発明の実施形態による基地局でのリソース再マッピングを示す説明図である。
【図8】1人のユーザのリソース再マッピングの一例を示す説明図である。図8(a)はアップリンク接続に利用できるチャネルを示し、図8(b)はダウンリンク接続に利用できるチャネルを示し、図8(c)は、チャネル品質を表すチャネル係数の積を用いて効率的なチャネルを示すテーブルを示している。
【図9】一実施形態による基地局でのリソース再マッピングの一例を示す説明図である。
【図10a】一実施形態による固定IPを用いた信号伝達を示す説明図である。
【図10b】一実施形態による固定IPを用いた信号伝達を示す説明図である。
【図10c】一実施形態による固定IPを用いた信号伝達を示す説明図である。
【図10d】一実施形態による固定IPを用いた信号伝達を示す説明図である。
【図10e】一実施形態による固定IPを用いた信号伝達を示す説明図である。
【図11a】一実施形態による動的IPを用いた信号伝達を示す説明図である。
【図11b】一実施形態による動的IPを用いた信号伝達を示す説明図である。
【図11c】一実施形態による動的IPを用いた信号伝達を示す説明図である。
【図11d】一実施形態による動的IPを用いた信号伝達を示す説明図である。
【図11e】一実施形態による動的IPを用いた信号伝達を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明の実施形態の以下の説明では、同一又は同様の要素を同じ参照符号で示す。
【0028】
図2(a)は、図1に示した無線通信システムと同様の無線通信システムの部分的な概略図である。この図2(a)に基づいて、従来の手法と比較した場合の本発明の実施形態の違いについて説明する。図2(a)には、無線アクセスネットワークRAN114が示されている。この無線アクセスネットワークRAN114は、基地局100と、遠隔無線ヘッド102a〜102cと、これら無線ヘッド102a〜102cと前記基地局100との間の光接続104a〜104cとを有している。さらに、バックホールネットワーク106の要素、例えばサービス提供ゲートウェイ110とパケットデータネットワークゲートウェイ112とを示している。図2(a)では、遠隔無線ヘッド102aからサービスの提供を受けるユーザ機器UEと、遠隔無線ヘッド102cからサービスの提供を受けるユーザ機器UEとが通信を行うものとする。本発明によれば、基地端末局又は信号処理ノード100は、ユーザ機器UEとUEとの間の通信のアンカーポイントとしての役割を果たす。破線で概略的に示しているように、ユーザ機器UEとUEとの間のデータ転送は、直接的なデータパス118に沿って行われる。このデータパス118は、ユーザ機器UEから遠隔無線ヘッド102a及び光リンク104aを介して基地局100に向かっているとともに、基地局100から光リンク104c及び遠隔無線ヘッド102cを介してユーザ機器UEへと向かっている。したがって、本発明の実施形態によれば、直接的なデータパス118に沿ったデータのやり取りは、データストリームが無線アクセスネットワーク114の外部に出ないように、例えばデータの転送が基地局100のL1層で行われるようになされる。このようにして、データが無線アクセスネットワーク114を出る必要がないため、本発明の実施形態によればリンクのリソースの消費と処理複雑度あるいは処理労力を抑えることができる。
【0029】
図2(b)は、従来の中継システムと本発明の実施形態による中継システムとの基本的な違いを説明するための概略図である。図2(b)の上の図には、基地局eNBとユーザ機器UEとの、中継局を介した接続(アップリンク及びダウンリンク)を確立する従来の中継システムを示している。図から分かるように、基地局eNBと中継局との間にダウンリンクチャネルがあり、さらに中継局とユーザ機器UEとの間にダウンリンクチャネルがある。さらに、ユーザ機器UEと中継局との間にアップリンクチャネルがあり、さらに中継局と基地局eNBとの間にアップリンクチャネルがある。これとは対照的に、本発明の実施形態によれば、(広義には、2つのUE間の直接的な通信のためのある種の中継局と見なすことのできる)基地局eNBは、2つのユーザ機器UE1とUE2との間に直接的なデータパスを提供する。しかし、基地局は、UEと基地局eNBとの間にあるそれぞれのアップリンクチャネルとダウンリンクチャネルとを接続するように動作することができる。これを図2(b)の下の部分に示している。第1のユーザ機器UE1と基地局eNBとの間にアップリングチャネルがあり、基地局eNBと第2のユーザ機器UE2との間にダウンリンクチャネルがある。さらに、第2のユーザ機器UE2と基地局eNBとの間にアップリングチャネルがあり、基地局eNBと第1のユーザ機器UE1との間にダウンリンクチャネルがある。
【0030】
例えば、図1に関して述べた従来の手法と比較した場合、データパス118は基本的には物理層すなわちL1層に限定される。本発明により、BTS又はSPNノードとS−GWとP−GWとにおけるパケット処理をなくすことができる。これは、P−GWまでのルートに沿った制御及びデータの帯域幅の消費を低減させるだけでなく、BTS又はSPNノードにおける処理負荷及びエネルギー消費も低減させる。
【0031】
以下、図2(a)に示したシステムでのL1層、L2層における処理に関する本発明の実施形態の更なる詳細を説明する。図3は、光ネットワーク104を通して接続された基地局100及び1つの遠隔無線ヘッド102の概略を示している。図3は、基地局100内のL1層、L2層の要素を詳細に示しており、上位層処理機能についてはブロック120として概略的に示している。L1層、L2層に関してデジタル信号プロセッサ122が設けられており、このデジタル信号プロセッサ122は、ダウンリンクデジタル信号プロセッサ122aとアップリンクデジタル信号プロセッサ122bとを有している。ダウンリンクデジタル信号プロセッサ122aは、バックホールネットワークの要素からインターフェースS1を通して受信した信号を処理し、処理された信号をデジタルアナログコンバータDACに出力する。そして、DACはアナログ信号を電気・光変換器E/Oに提供し、これは光接続104の第1の分岐124を通して送信される。遠隔無線ヘッド102は、光接続104の第1の分岐124に接続された光・電気変換器O/Eを備えている。電気信号は、コンバータ126によりアップコンバートされ、増幅器128により増幅され、デュプレクサへと転送されて、遠隔無線ヘッド102のアンテナ130から出力される。これにより、ユーザ機器との無線通信又は無線チャネルが確立される。アンテナ130を通して受信した信号は、デュプレクサにより処理され、ダウンコンバータ132へと転送される。ダウンコンバータ132の出力信号は、電気・光変換器E/Oに入力され、光接続104の第2の分岐134を通して基地局100へと送信される光信号をもたらす。この信号は、光・電気変換器O/Eが受信し、電気信号がアナログデジタルコンバータADCへと転送される。ADCは、デジタル信号をデジタルアップリンク信号プロセッサ122bに向けて出力する。
【0032】
図4は、基地局、例えば図3に示したような基地局におけるリソースの割り振りあるいはマッピングを表している。図4(a)には、無線アクセスネットワークの一例を示しており、この無線アクセスネットワークは、遠隔無線ヘッド102a〜102cを有している。このうち、無線ヘッド102aは2つのユーザ機器に対してサービスを提供し、無線ヘッド102bも2つのユーザ機器にサービスを提供し、無線ヘッド102cは1つのユーザ機器にサービスを提供するものである。図4(b)は、モバイルユニットから基地局までのアップリンク接続に用いられる周波数帯を示しており、図4(c)は、基地局から各モバイルユニットまでの接続に用いられるダウンリンクの周波数帯を示している。図から分かるように、ダウンリンクとアップリンクとでは異なった周波数帯を割り当てることができ、広帯域の信号は周波数選択性チャネル(frequency selective channel)となる。これには、適切な変調及び符号化方法(modulation and coding scheme, MCS)を割り当てることが必要である。図4に示す例では、遠隔無線ヘッド102aからサービスの提供を受けるユーザ機器src1と、遠隔無線ヘッド102cからサービスの提供を受けるユーザ機器sink1との間で無線アクセスネットワーク内の接続を確立することを前提としている。図4(b)は、周波数帯及び広帯域信号を示している。広帯域信号は、ユーザ機器src1から基地局までのアップリンク接続に使用される(周波数帯及び信号を番号「1」として示している)。図4(c)は、基地局からユーザ機器sink1までのダウンリンク接続に使用される周波数帯及び信号を示している(周波数帯及び信号を番号「1」として示している)。図から分かるように、アップリンクとダウンリンクとで異なった周波数帯を使用することができる。図4(b)及び図4(c)において、「2」として示されている周波数帯は、第2の遠隔無線ヘッド102bからサービスの提供を受けるユーザ機器src2から、第1の無線ヘッド102aからサービスの提供を受けるユーザ機器sink2までのUE−UE間の通信のアップリンク接続及びダウンリンク接続を指し示している。図4(b)及び図4(c)において、「3」として示されている周波数帯及び信号は、無線ヘッド102bからサービスの提供を受けるユーザ機器と、図4に示した無線アクセスネットワークの一部ではない別の装置との通信を指し示している。
【0033】
図5は、図3に示した基地局内にあるデジタル信号プロセッサの更なる詳細を示している。図5(a)は、ダウンリンクデジタル信号プロセッサ122aの詳細を示しており、図5(b)は、アップリンクデジタル信号プロセッサ122bの詳細を示している。ダウンリンクデジタル信号プロセッサ122aは、ブロック140〜160により処理されることになる信号を標準的な方法で受信する。処理ステップ140〜160は、全部でK人のユーザのために設けられており、処理された信号はリソースマッピングブロック162に入力され、このリソースマッピングブロック162はOFDM変調ブロック164に向けて信号を出力する。ブロック164の出力信号は、図3に示したDACへと転送される。基地局内のアップリンクデジタル信号プロセッサは、図3に示したDACから信号を受信する。この信号は、ブロック166においてシングルキャリア周波数分割多重化(single carrier frequency division multiplexing)により復調され、このブロック166の出力信号はリソースデマッピングブロック168に転送される。リソースデマッピングブロック168は、K人のユーザ全てのためのデマッピングされた信号を生成する。リソースデマッピングブロック168からの信号は、ユーザごとに、ブロック170〜182により処理されて、デジタル信号プロセッサとしての出力を提供する。したがって、モバイルユニットとの通信をもたらす従来のシステムでは、その通信が、同一の無線アクセスネットワークからサービスの提供を受けていない遠隔ユニットとの間のものであるか否かに関わらず、ダウンリンクデジタル信号プロセッサ及びアップリンクデジタル信号プロセッサの両方で全てのブロックを用いる必要がある。これは、同一の無線アクセスネットワーク内にある2つのユーザ機器間の通信であっても、図5に示した全ての信号処理エンティティが使用されることを意味する。
【0034】
本発明の実施形態によれば、少なくとも2つの端末間においてデータは、無線アクセスネットワークの外部に出ることなく送信され、これにより、L1層、L2層及び全ての上位層での処理の大半を回避することができる。実施形態によれば、直接的なデータパス(図2(a)のパス118を参照)を確立するために、基地局は、例えばより上位のネットワークエンティティ(例えばMME)から信号により伝達された制御情報に基づいて、要求側UEのアップリンクと被要求側UEのダウンリンクとを直接的にリンクする(図2(b)を参照)。図6は、本発明の実施形態による手法を、同一の無線アクセスネットワーク内にあるユーザ機器の通信に適用する場合の複雑度の低減の一例を示している。このような通信により受信した信号は、基地局内のアップリンクデジタル信号プロセッサ122bにより処理されるが、ブロック166〜170のみが必要であり、ブロック170から出力された信号は、ダウンリンクデジタルプロセッサ122aのリソースマッピングブロック162へと直接的に入力される。これにより、同一の無線アクセスネットワーク内にあるユーザ機器間の通信のためのL1層内、L2層内ひいては全ての上位層での複雑度又はエネルギー要件及びリンクリソースが低減することが、図6と図7との比較から明らかとなる。図6は、同一の無線アクセスネットワーク内にあるユーザ機器間で直接的に通信するために使用されるリソースを示したものであるが、基地局はその基地局に関連付けられた無線アクセスネットワークにはない遠隔装置との通信を可能にする立場にある必要があるため、図5に示したような、他の全てのリソースも存在している。
【0035】
実施形態によれば、基地局においてリソースの再マッピングが可能である。これが求められる場合には、図7に示すように基地局のアップリンクデジタル信号処理ブロックとダウンリンクデジタル信号処理ブロックとの間に追加のブロックが設けられることになる。図7は図6と実質的に対応しているものであり、本発明の実施形態に基づき、同一の無線アクセスネットワーク内にあるユーザ機器間で通信を行うために必要なデジタル信号プロセッサ及び基地局のブロックを示している。図7に加えて、リソース再マッピングブロック184がブロック170とブロック162との間に設けられている。これにより、送信側ユーザ機器におけるMCSの選択に際して効率的なチャネルを考慮することができる。2つのユーザ機器間での効率的なチャネルは、アップリンクチャネルとダウンリンクチャネルとを接続したものであり、より具体的には、チャネル係数の積によって表される。効率的なチャネルは、基地局での再マッピングにより最適化することができ、ユーザが複数いる場合には、所定のパラメータ、例えば最大合計レート(maximum sum rate)を達成できるアップリンクチャネルとダウンリンクチャネルとの最良のペアを見つけるための高度なスケジューリングが提供される。
【0036】
図8は、ある1人のユーザのためのリソースの再マッピングの一例を示している。図8(a)は、アップリンク接続に利用できるチャネルを示しており、図8(b)は、ダウンリンク接続に利用できるチャネルを示しており、図8(c)は、効率的なチャネル、より具体的にはチャネル品質を表すチャネル係数の積を示したテーブルを示している。図8(a)及び図8(b)では、3つのアップリンクチャネルUL〜UL及びダウンリンクチャネルDL〜DLが、図8(c)のテーブルに示したようなチャネル係数を有するものとする。基地局においては、アップリンクチャネル及びダウンリンクチャネルのチャネル係数の積が最大の値になるようにリソースがマッピングされる。図8の例では、アップリンクチャネルULが選択されて、異なった周波数帯のダウンリンクチャネルDLに再マッピングされる。これら2つのチャネルのチャネル係数が、チャネル係数の積として最も大きな値すなわち最大値をもたらすからである。
【0037】
図9は、基地局におけるリソースの再マッピングの一例を示している。本実施形態によれば、ある基準信号(reference signal)がアップリンクからダウンリンクへと転送され、受信側又はエンドユーザ側の機器が、リソースの再マッピングに応じて「効率的なチャネル(effective channel)」を観測する。基地局又はeNBは、必要に応じて、例えば基準信号の構造が異なっているという理由により、アップリンク用の基準信号をダウンリンク用の基準信号に変換するための必要な処理を行う。図9の左側に、同一の無線エリアネットワークにおいて関連のあるユーザ機器と通信しようとする2つのユーザ機器の各々のアップリンクのリソースを示している。関連のあるユーザ機器は、各ダウンリンクリソースを使用する。互いに通信しようとするユーザ機器を、同一の番号すなわち番号「1」又は番号「2」のいずれかにより示している。ユーザ機器UE1のアップリンクチャネルは、効率的なチャネルが図9の右下に示した式に基づいて計算されるとおり、ダウンリンクチャネル3へと再マッピングされる。第2のユーザ機器のアップリンクチャネルは、効率的なチャネルが図9の右上のように計算されるとおり、第1のダウンリンクチャネルへと再マッピングされる。
【0038】
以下、信号伝達に関するネットワークの態様を更に詳細に説明する。より詳細には、送信元のユーザ機器及び宛先のユーザ機器が同じエリアにあるか否かの判断と、ネットワーク内の関連するノードが、本発明の実施形態に基づいてデータの転送を可能にする信号伝達を提供するやり方とに関して実施形態を説明する。従来のネットワークでの問題は、そのような状況に対する解決策が今のところ存在しないということである。
【0039】
図10を参照して、固定IPを用いた信号伝達の一例を説明する。図10(a)は、図1及び図2(a)に示した無線通信システムと同様の無線通信システムの一例を示しているものの、簡潔にするために、2つのユーザ機器UE1及びUE2にサービスを提供する基地局102と2つの遠隔無線ヘッド102a及び102bとを有する無線アクセスネットワークを示している。ユーザ機器UE1とユーザ機器UE2との通信が求められていることを前提とする。さらに図10(a)には、e−MME200(LTE又はEPCのアーキテクチャにおける既存のMMEの拡張)と、e−HSS202(既存のセルラネットワークアーキテクチャにおけるHSSの拡張)とを示している。モビリティ管理エンティティ200は、ユーザ機器UE1及びUE2の各々のIPを把握している。図10(b)に示しているように、ユーザ機器UE1にはアドレスIPv6−1が関連付けられており、ユーザ機器UE2にはアドレスIPv6−2が関連付けられている。図10(b)の右側部分では、図10に示す各ユニット間の信号伝達を説明する。図10(b)には、ユーザ機器UE1及びUE2の各アドレスがシステム内で既知であることを示している。より詳細には、アドレスIPv6−1及びIPv6−2が、モビリティ管理エンティティ200において利用可能である。図10(c)に示すように、同一の無線アクセスネットワーク内にあるユーザ機器UE1とUE2との接続を確立するために、ユーザ機器UE1は、宛先アドレスすなわちユーザ機器UE2のアドレス(IPv6−2)を含んだ接続要求204を、遠隔無線ヘッド102a及び基地局100を通してモビリティ管理エンティティ200へと転送する。モビリティ管理エンティティ200においては、要求されたIPすなわち宛先IPが「同一のエリアに」あるか否かが判断される(符号205)。これは、モビリティ管理エンティティのデータベースを照会することにより行うことができる。宛先IPが存在するため、ユーザ機器UE2がユーザ機器UE1と同一のエリアにあると判断することができ、それにより、本発明の実施形態に基づく仕組みを適用した直接的な通信が行われる。図10(d)に示すように、ユーザ機器UE2がユーザ機器UE1と同一エリアにあると判断された後、管理エンティティ200は、基地局に信号伝達し(符号206)、L1層、L2層、L3層を使用してアップリンクをダウンリンクへと接続する。アップリンクとダウンリンクとが基地局100において接続されると、無線アクセスネットワークの外部にあるネットワーク構成要素又はエンティティを通る必要はなく、基地局100を通してユーザ機器UE1とユーザ機器UE2との間でデータをやり取りすることができる(図10(e)の符号208)。
【0040】
図11を参照して、動的IPを用いた実施形態及びそのような状況で信号伝達をどのように実現するかについて説明する。ここでも、図10(a)と同様の無線通信システムを示している。図11の実施形態では、ユーザ機器はそれぞれ電話番号を有している。例えば、ユーザ機器UE1は電話番号203を有しており、ユーザ機器は電話番号227を有している。さらに、各ユーザ機器はSIPのID(session IP identification、セッションIP識別情報)を有している。ユーザ機器UE1は、関連付けられたSIPのIDとして0162−−−203@dcm.deを有しており、ユーザ機器UE2は、関連付けられたSIPのIDとして0162−−−227@dcm.deを有している。ユーザ機器は別のユーザ機器の1つ以上のSIPアドレスを知っている。例えば、ユーザ機器UE1は、ユーザ機器UE2のSIPアドレスを知っており、そのユーザ機器UE2のSIPアドレスは、例えば、記憶されている任意の他の個人的な友人の番号と同様に、ユーザ機器UE1の電話帳内にある。同一の無線アクセスネットワーク114内にあるユーザ機器UE1とUE2との間で通信を開始するために、ユーザ機器UE1はプロキシCSCFエンティティ212(CSCF:call session control function、呼セッション制御機能)に向けて呼210を発行する。呼210は、ユーザ機器UE2のSIPアドレス、すなわち、SIPアドレス227@dcm.deを示すものである。SIPアドレス227のためのサービス提供CSCF214と、アドレス227に対するプロキシCSCF216とを通して、アドレス227のプロキシ216とゲートウェイ112との間の通信218として示すように、227に対するセッションが確立される。図11(b)に示すように、ユーザ機器UE1は、宛先227すなわちユーザ機器UE2の電話番号及びそのSIPのIDを示す呼220を、モビリティ管理エンティティ200に向けて発行する。モビリティ管理エンティティ200は、送信元の情報、すなわち、203というUE1の電話番号及び関連付けられているSIPのIDと、宛先の情報、すなわち電話番号227及びユーザ機器UE2に関連付けられているSIPのIDとを把握する。モビリティ管理エンティティ200は、ゲートウェイ112と通信し、ゲートウェイ112は、信号伝達メッセージ222及び224により、2つのユーザ機器UE1及びUE2に対して、UE1及びUE2に関連付けられた、生成されたUEのIPアドレスを提供する(図11(c)を参照)。図11(d)に示しているように、UEのIPアドレスは、各ユーザ機器UE1及びUE2からメッセージ226及び228のそれぞれによりモビリティ管理エンティティ200へと信号伝達される。図11(e)に示しているように、MME200は、符号232として示すようにユーザ機器UE1とUE2との間でデータを交換すべくアップリンクとダウンリンクとを接続するために、メッセージ230により基地局100に向けて信号伝達し、それにより、基地局100を介したUE間の直接的なデータパスを確立する。したがって、図11では、ユーザ機器の各々に関連付けられたSIPアドレスに基づいて動的に生成されるIPアドレスを用いて、同一の無線アクセスネットワーク内にあるユーザ機器間で直接的に通信を行うことができる。
【0041】
上述した本発明の実施形態は、非常に負荷のかかる基地局のパケット処理負荷の低減をもたらすとともに、ネットワーク内での不必要なリンクリソースの消費を抑える最短パスのルーティングを可能にする。また、他のノード、例えば、サービス提供ゲートウェイ又はパケットデータネットワークゲートウェイにおける状況管理の必要性が少ない。さらに、従来の手法では、確認要求(acknowledge request)のたびに往復遅延が増加するが、これまでの実施形態による手法によれば、端末間で確認メッセージをやりとりすることに伴う全体的な遅延を低減できる。
【0042】
さらに、本発明の実施形態によれば、基地局でのリソースの再マッピング及びMCSの適応の両方が可能となり、リソースの再マッピング及びMCSの選択は、メッセージの完全な復元(full recovery)により、2つのチャネルつまりアップリンクチャネルとダウンリンクチャネルとで個別に行うことができる。基地局が情報の復号化に成功した場合には、アップリンクチャネルの影響を無視することができ、それにより、より柔軟な手法が可能となる。
【0043】
SPN又はBTSノードは、送信元のUE及び宛先のUEのL2アドレス、必要に応じてL2.5又はL3のアドレスを互いに広めることを担当し、それによって、送信元のUEは宛先のUEとのデータセッションを確立することができる。この機能は、コアネットワーク、例えばe−MMEにより実行することもできる。
【0044】
装置との関係でいくつかの態様を説明してきたが、これらの態様はそれに対応する方法の説明も表しており、ここでブロック又はデバイスは方法のステップ又は方法ステップの特徴に対応することが明らかである。同様に、方法ステップに関連して説明した態様も、それに対応する装置内の対応するブロック若しくはアイテム又は特徴の説明を表すものである。
【0045】
ある実施態様要件に応じて、本発明の実施形態はハードウェア又はソフトウェアにより実施することができる。実施態様は、電子的に読取り可能な制御信号が保存されたデジタルストレージ媒体、例えばフロッピー(登録商標)ディスク、DVD、CD、ROM、PROM、EPROM、EEPROM、又はフラッシュメモリを用いて実行することができ、それらは、それぞれの方法が実行されるようにプログラム可能なコンピュータシステムと連携する(又は連携可能である)。本発明によるいくつかの実施形態は、本明細書に記載の方法のうちの1つが実行されるようにプログラム可能なコンピュータシステムと連携することができる電子的に読取り可能な制御信号を有するデータ担体を含む。概して、本発明の実施形態は、プログラムコードを有するコンピュータプログラム製品として実装することができる。このプログラムコードは、コンピュータプログラム製品がコンピュータ上で実行されると、方法のうちの1つを実行するように動作可能である。プログラムコードは、例えば機械可読担体上に保存することができる。他の実施形態は、機械可読担体上に格納された、本明細書に記載の方法のうちの1つを実行するコンピュータプログラムを含む。したがって、換言すれば、本発明の方法の一実施形態は、コンピュータプログラムがコンピュータ上で実行されるときに本明細書に記載の方法のうちの1つを実行するプログラムコードを有するコンピュータプログラムである。
【0046】
したがって、本発明の方法の更なる実施形態は、データ担体(又はデジタルストレージ媒体若しくはコンピュータ可読媒体)であって、そのデータ担体上に記録された、本明細書に記載の方法のうちの1つを実行するコンピュータプログラムを含むデータ担体である。
【0047】
したがって、本発明の方法の更なる実施形態は、本明細書に記載の方法のうちの1つを実行するコンピュータプログラムを表すデータストリーム又は信号シーケンスである。データストリーム又は信号シーケンスは、例えば、データ通信接続を介して、例えばインターネットを介して転送されるように構成することができる。
【0048】
なお更なる実施形態は、本明細書に記載された方法のうちの1つを実行するように構成又は適合された処理手段、例えばコンピュータ又はプログラム可能な論理デバイスを含む。いくつかの実施形態では、プログラム可能な論理デバイス(例えばフィールドプログラマブルゲートアレイ)を用いて、本明細書に記載された方法の機能のうちのいくつか又は全てを実行することができる。いくつかの実施形態では、フィールドプログラマブルゲートアレイは、本明細書に記載された方法のうちの1つを実行するためにマイクロプロセッサと連携することができる。概して、本方法は好ましくは任意のハードウェア装置によって実行される。
【0049】
更なる実施形態は、本明細書に記載された方法のうちの1つを実行するコンピュータプログラムがインストールされたコンピュータを含む。
【0050】
上述した実施形態は、単に本発明の原理を例示したものである。本明細書に記載された構成及び詳細の変更及び変形は当業者には明らかであることを理解されたい。したがって、添付の特許請求の範囲によってのみ特定され、本明細書における実施形態の記述及び説明のために提示した特定の詳細によって限定されるものではない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線通信システム内の第1の端末(UE1)から該無線通信システム内の第2の端末(UE2)に向けてデータを送信する方法であって、前記無線通信システムが、コアネットワーク(106、108)と、該コアネットワーク(106、108)に接続された少なくとも1つの無線アクセスネットワーク(114)とを備えており、
前記無線通信システム内の第1の端末(UE1)から該無線通信システム内の第2の端末(UE2)に向けてデータを送信するステップを含み、ここで、前記第1の端末(UE1)と前記第2の端末(UE2)とが、少なくとも1つの前記無線アクセスネットワーク(114)の共通のカバレッジエリアにともに位置しており、
前記データは、少なくとも1つの前記無線アクセスネットワーク(114)の外部に出ることなく、前記第1の端末(UE1)から少なくとも1つの前記無線アクセスネットワーク(114)内のエンティティ(100、102a〜102c、104a〜104c)を通して前記第2の端末(UE2)へと送信され、
前記データを送信するステップは、前記無線アクセスネットワーク(114)内のノード(100)において、前記第1の端末(UE1)と当該ノード(100)との間のアップリンクチャネルと、当該ノード(100)と前記第2の端末(UE2)との間のダウンリンクチャネルとを接続することを含む、方法。
【請求項2】
少なくとも1つの前記無線アクセスネットワーク(114)内の前記エンティティ(100、102a〜102c、104a〜104c)は、前記コアネットワーク(106、108)に接続された前記ノード(100)と複数の遠隔無線ユニット(102a〜102c)とを含み、遠隔無線ユニット(102a〜102c)のそれぞれが前記ノード(100)に接続されており、
少なくとも2つの前記端末(UE1、UE2)が前記遠隔無線ユニット(102a〜102c)に接続されており、
前記ノード(100)と前記遠隔無線ユニット(102a〜102c)とを含むデータパス(118)に沿って前記第1の端末(UE1)から前記第2の端末(UE2)へとデータが送信される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ノード(100)が、共通した一組のパラメータを前記データの送信のために割り当て、それらを前記端末(UE1、UE2)に対し信号により伝達し、
前記端末(UE1、UE2)が、前記ノード(100)から信号により伝達された前記パラメータに基づいてデータの送受信を行う、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
少なくとも1つの前記無線アクセスネットワーク(114)の共通のカバレッジエリアにある送信元端末(UE1)及び宛先端末(UE2)を特定するステップを含み、
ここで、前記データを送信するステップは、前記送信元端末(UE1)から前記宛先端末(UE2)へとデータを転送することを含み、前記データパス(118)は、前記送信元端末(UE1)と前記ノード(100)との間のアップリンクと、前記ノード(100)と前記宛先端末(UE2)との間のダウンリンクとを含み、
前記送信元端末及び前記宛先端末(UE1、UE2)のアップリンクリソース及びダウンリンクリソースに基づいて、リソースを一括して前記データパス(118)に割り当てるか、又は前記データパス(118)のための変調及び符号化方法を選択するかの少なくとも一方を行うステップをさらに含む請求項2又は3に記載の方法。
【請求項5】
リソースを一括して割り当てるか、又は変調及び符号化方法を選択するかの少なくとも一方を行うステップには、前記アップリンク及び前記ダウンリンクにリソースを割り当てるか、前記アップリンク及び前記ダウンリンクのための共通した変調及び符号化方法を選択するかの少なくとも一方を行うことが含まれる、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
リソースを割り当てるステップには、前記送信元端末(UE1)と前記ノード(100)との間のアップリンクチャネルと、前記ノード(100)と前記宛先端末(UE2)との間のダウンリンクチャネルとを含む、前記送信元端末(UE1)と前記宛先端末(UE2)との間にある効率的なチャネルが所定の基準を満たすものとなるように、前記アップリンク及び前記ダウンリンクに関連付けられたリソースを再マッピングすることが含まれる、請求項4又は5に記載の方法。
【請求項7】
前記所定の基準は、前記アップリンクチャネル及び前記ダウンリンクチャネルのチャネル品質を示すチャネル係数の積に基づくものである、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
再マッピングするステップには、前記積の値が最大となるように前記アップリンク及び前記ダウンリンクの再マッピングを行うことが含まれる、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記送信元端末(UE1)から前記宛先端末(UE2)に向けてある基準信号を転送するステップと、
前記宛先端末(UE2)が前記効率的なチャネルを推定するステップと
を含む請求項6〜8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記端末の各々(UE1、UE2)が、前記端末(UE1、UE2)と前記コアネットワーク(106、108)内のエンティティ(200)とに記憶される、自己に関連付けられた一意のIDを有しており、
前記一意のIDに基づいて、無線アクセスネットワーク(114)の共通のカバレッジエリアにある前記送信元端末(UE1)及び前記宛先端末(UE2)を特定するステップを含む請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記送信元端末(UE1)が前記宛先端末(UE2)とのセッションを確立しようとする場合に、前記宛先端末(UE2)の一意なIDを前記コアネットワーク(106、108)内の前記エンティティ(200)に向けて転送するステップと、
前記送信元端末(UE1)の存在する前記無線アクセスネットワーク(114)のカバレッジエリアと同一のカバレッジエリアに前記宛先端末(UE2)が存在するか否かを、前記コアネットワーク(106、108)内の前記エンティティ(200)がチェックするステップと、
前記送信元端末(UE1)と前記宛先端末(UE2)とが共通のカバレッジエリア内に存在する場合には、前記コアネットワーク(106、108)内の前記エンティティ(200)が、前記ノード(100)に対して前記データの転送を行うよう命令するステップと
を含む請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記一意のIDは、一意の識別番号、IPアドレス、又はSIPアドレスを含むものであり、前記コアネットワーク(106、108)内の前記エンティティは、ホーム加入者サーバ又はモビリティ管理エンティティ(200)を含むものである、請求項10又は11に記載の方法。
【請求項13】
請求項1〜12のいずれか一項に記載の方法をコンピュータに実行させる命令を含むコンピュータプログラムを有するコンピュータプログラム製品。
【請求項14】
無線通信システムのコアネットワーク(106、108)と、複数の遠隔無線ユニット(102a〜102c)とに接続し、
請求項1〜12のいずれか一項に記載の方法に従って、共通のカバレッジエリアにともに位置する前記無線通信システム内の端末(UE1、UE2)間でデータを送信する、無線通信システムの無線アクセスネットワーク(114)内のノード(100)。
【請求項15】
コアネットワーク(106、108)と、
前記コアネットワーク(106、108)に接続される少なくとも1つのノード(100)と、
前記ノード(100)に接続される複数の遠隔無線ユニット(102a〜102c)と、
前記遠隔無線ユニット(102a〜102c)に接続される複数の端末(UE1、UE2)と
を有しており、請求項1〜12のいずれか一項に記載の方法に従って、共通のカバレッジエリアにともに位置する前記端末(UE1、UE2)間でデータの送信を行う無線通信システム。

【図1】
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【図2a】
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【図2b】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10a】
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【図10b】
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【図10c】
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【図10d】
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【図10e】
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【図11a】
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【図11b】
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【図11c】
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【図11d】
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【図11e】
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【公表番号】特表2013−517749(P2013−517749A)
【公表日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2013−500542(P2013−500542)
【出願日】平成24年2月17日(2012.2.17)
【国際出願番号】PCT/EP2012/052786
【国際公開番号】WO2012/113728
【国際公開日】平成24年8月30日(2012.8.30)
【出願人】(392026693)株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ (5,876)
【Fターム(参考)】