説明

無線通信システム及びダウンリンク送信電力又はビットレートを制御する方法

【課題】一次局が測定するための連続するアップリンクチャネルがなく、一次局にダウンリンク経路損失又はユーザ装置UEの送信電力を知らせるための規定された適切なアップリンクチャネルもないので、FACHの初期の送信電力が経路損失に関して適切に設定されることは現在のところ可能ではない。
【解決手段】無線通信システムは、ダウンリンクチャネル上に情報信号を伝送し、アップリンクランダムアクセスパケットチャネルRACHにおいて1つ又は複数の二次局から信号を受信する一次局を有する。前記二次局のうちの少なくとも1つが、アップリンクチャネルの現行の無線チャネル特性を示す標示を伝送することにより、伝送されるダウンリンク信号に電力制御が適用される。この標示は、ダウンリンク信号に電力制御を適用するために一次局により使用される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、1つ又は複数の二次局への一次局による伝送のためのダウンリンクフォワードアクセス制御チャネル(FACH)と、前記二次局のうちの少なくとも1つから一次局への伝送のためのアップリンクランダムアクセスチャネルと、を有する無線通信システムに関し、更に、このようなシステムにおいて用いる一次局及び二次局と、このようなシステムを動作させる方法とにも関する。本明細書は、とりわけ先端のユニバーサル移動電話システム(UMTS)に関するシステムについて記載しているが、記載されている技術は、他の移動式無線システムにおける使用に等しく適用可能であることを理解されたい。この明細書において、ランダムアクセスパケットチャネルという用語は、ランダムアクセスパケット伝送が行われる論理チャネルを指し、前記ランダムアクセスパケットチャネルは、典型的には多数の異なる物理チャネルを含む。
【背景技術】
【0002】
UMTSのようなCDMAシステムにおいて、電力制御は、当該伝送における許容できる誤り率を維持しつつ、他の伝送にもたらされる干渉を最小限にするために重要である。
【0003】
無線チャネルの近似の経路損失(及び好適には受信器における干渉レベル)が分かっている場合、受信器における所望の信号対干渉比(SIR)を近似的に与えるために、新しい伝送の初期送信電力が設定されうる。経路損失及び干渉は、無線チャンネルの特性と考えることができる。
【0004】
これは、例えばUMTS周波数分割複信(FDD)モードにおいて、アップリンク専用チャネル(DCH)の初期の送信電力を設定する際に使用される。この場合、ダウンリンクの共通パイロットチャネル(CPICH)の送信電力が二次局(UMTSではユーザ装置UEと呼ばれる)に知らされる。二次局は、受信電力を測定し、これらの2つの値を使用して近似のダウンリンク経路損失を計算する。これは、アップリンク経路損失の近似的評価を与えるために仮定されるものであり、これにより新しいアップリンク伝送が、評価されたアップリンク経路損失の適切な関数である電力で開始されることを可能にする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
UMTS仕様において、フォワードアクセスチャネル(FACH)は、ユーザ装置UEへの通知情報を含む情報を運ぶために使用される共通ダウンリンクチャネルの一例である。しかしながら、一次局が測定するための連続するアップリンクチャネルがなく、一次局にダウンリンク経路損失又はユーザ装置UEの送信電力を知らせるための規定された適切なアップリンクチャネルもないので、FACHの初期の送信電力が経路損失に関して適切に設定されることは現在のところ可能ではない。
【0006】
本発明の目的は、相補的なアップリンクチャネルをもたないダウンリンクチャネル上の一次局の初期の送信電力又はビットレートを制御することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の側面により、1つ又は複数の二次局への一次局による伝送のためのダウンリンクチャネルと、前記二次局又はそれぞれの前記二次局から前記一次局への伝送のためのアップリンクランダムアクセスチャネルと、を有する無線通信システムを動作させる方法であって、前記二次局が、前記ランダムアクセスチャネル上にアップリンク信号を伝送して無線チャネル特性の標示を与え、前記一次局が、標示された前記無線チャネル特性を考慮に入れた電力レベル及び/又はビットレートで前記ダウンリンクチャネル上に信号を伝送することを含む方法が提供される。
【0008】
本発明の第2の側面により、1つ又は複数の二次局への一次局による伝送のためのダウンリンクチャネルと、前記二次局又はそれぞれの前記二次局から前記一次局への伝送のためのアップリンクランダムアクセスチャネルと、を有する無線通信システムを動作させる方法であって、前記二次局が、前記ランダムアクセスチャネル上に、前記ランダムアクセスチャネルの現行の無線チャネル特性を決定するために前記一次局により使用されることができるアップリンク信号を伝送し、前記一次局が、前記無線チャネル特性の決定に応じて、決定された該無線チャネル特性を考慮に入れた電力レベル及び/又はビットレートで前記ダウンリンクチャネル上に信号を伝送することを含む方法が提供される。
【0009】
本発明の第3の側面により、ダウンリンクチャネル上に信号を伝送する送受信手段をもつ一次局と、前記一次局に対しランダムアクセスチャネル上にアップリンク信号を伝送する送受信手段をもつ少なくとも1つの二次局と、を有する無線通信システムであって、前記二次局が、前記ランダムアクセスチャネルの現行の無線チャネル特性を決定し、これらの特性を前記一次局に伝送する手段を有し、前記一次局が、前記無線チャネル特性の受信に応じて、前記無線チャネル特性に依存してダウンリンク信号の電力レベル及び/又はビットレートを決定する手段を有する、無線通信システムが提供される。
【0010】
本発明の第4の側面により、一次局からダウンリンク信号を受信し、ランダムアクセスチャネル上にアップリンク信号を伝送する送受信手段と、前記ランダムアクセスチャネルの現行の無線チャネル特性を決定し、これらの特性を前記一次局に伝送する手段と、を有する二次局が提供される。
【0011】
本発明の第5の側面により、少なくとも1つの二次局に対しダウンリンクチャネル上に信号を伝送し、ランダムアクセスチャネルの現行の無線チャネル特性を決定するために使用可能な標示となるもの(indicia)を含むアップリンクランダムアクセスチャネル信号を受信する送受信手段と、前記標示となるものに応じて、前記少なくとも1つの二次局にダウンリンク信号を伝送するための電力レベル及び/又はビットレートを決定する手段と、を有する一次局が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】無線通信システムのブロック概略図。
【図2】アップリンク及びダウンリンクチャネル上の信号伝送を示す図。
【図3】一次局がFACHチャネルの送信電力を設定するプロセスを示すフローチャート。
【図4】電力レベル/チャネル減衰特性を送信するためにタイミングオフセットを使用する一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施例について添付の図面を参照して例示により説明する。
【0014】
添付図面において、同一参照符号は、対応する特徴を示すために用いられている。
【0015】
図1を参照して、無線通信システムは、一次局(BS)100と、一次局のカバレージエリア内でローミング可能な複数の二次局(MS)110とを有する。BS100は、マイクロコントローラ(μC)102と、アンテナ106のような信号伝搬/受信手段に接続される送受信手段(Tx/Rx)104と、送信される電力レベルを変える電力制御手段(PC)107と、PSTN又は他の適切なネットワークに対する接続のための接続手段108とを有する。各MS110は、マイクロコントローラ(μC)112と、アンテナ116のような信号伝搬/受信手段に接続される送受信手段(Tx/Rx)114と、送信される電力レベルを変える電力制御手段(PC)118とを有する。BS100からMS110への通信はダウンリンクチャネル122において行われ、MS110からBS100への通信はアップリンクチャネル124において行われる。
【0016】
UMTSにおいて、一次局100と二次局110との間にはいくつかの通信チャネルがある。非専用チャネルの中には、一次局からのダウンリンクチャネルであり且つ個々の二次局110、二次局のグループ、又は二次局の人口全体への通知情報を含む情報を運ぶために使用されるFACHがある。
【0017】
別の非専用チャネルには、二次局が一次局に対しアップリンク上にショートメッセージを送信することを可能にするランダムアクセスチャネル(RACH)がある。このようなショートメッセージは、二次局がオンにされるときを一次局に通知し、二次局が話中になりえる又はなりえないときに一次局にデータのパケットを送信し、二次局が使用するための資源(例えば専用ボイスチャネル)を割り当てるように一次局に要求することを含んでもよい。
【0018】
FACHダウンリンクチャネルは、多くの場合RACHアップリンクチャネルと共に使用され、それによってショートRACHメッセージは、ダウンリンク上のFACHメッセージより前にアップリンク上に伝送される。
【0019】
図2は、説明の都合上、ダウンリンクチャネル122及びアップリンクランダムアクセスチャネルRACH124を有するCDMA FDDシステムにおいて動作するRACHの基本方式を示している。RACH伝送は、評価されたダウンリンク経路損失及びネットワークにより与えられるオフセットの関数として計算される電力の1.067msのアクセスプリアンブル(AP)202Aで始まる。二次局が、AP202Aの肯定応答ACKを受信しない場合、二次局は、第1の電力よりもネットワークにより設定された予め決められた量だけ高い送信電力でAP202Bを繰り返す。APが肯定応答されるか、又はプロセスがアボートされるまで、二次局は、電力を増加させながらAPを繰り返し続ける。AP202Bが肯定応答されると(206)、二次局は、最後のAP202Bの電力よりもネットワークによりあらかじめ決められた量だけ高い電力で、ショート(10ms又は20ms)メッセージPKTを伝送する。
【0020】
一次局は、二次局により評価されたダウンリンク経路損失の値を知らず、何個のアクセスプリアンブルが伝送されたかについても知らないので、一次局は、受信したRACH伝送からアップリンク経路損失を評価することができない。
【0021】
従って、一次局は、あとに続くFACHメッセージ220の初期の送信電力を、現行の経路損失を補償するための適切な値に設定することができない。
【0022】
本発明による方法は、一次局がダウンリンク経路損失を評価し、FACHの初期電力を適切に設定することができるように、一次局100にダウンリンク経路損失又はRACH伝送の送信電力を知らせるための手段を二次局110に設ける。任意に、一次局100は、それらの個々の範囲及び経路損失を考慮するためにそれぞれ異なる二次局について予定される伝送ビットの電力を独立して制御してもよい。
【0023】
RACHについて、アクセスプリアンブルにおいて送信電力が通知される場合、ダウンリンク経路損失は、アクセスプリアンブルの再送の数を付加的に知ることにより導き出すことができる。ここで、第1のプリアンブル伝送の電力は、一次局の送信電力及び測定されたダウンリンク経路損失からのあらかじめ決められた電力オフセットにより導き出され、それゆえ第1のアクセスプリアンブル伝送の電力を知ることにより電力損失が与えられる。従って、これは、再送の数及び各伝送の電力ステップを知ることにより最終のアクセスプリアンブル伝送の電力から導き出すことができる。
【0024】
いくつかのケースでは、アップリンク及びダウンリンク上の高速フェージング、及び測定又は他のインプリメンテーションエラーにより、エラーが導かれることがある。
【0025】
一次局100と選択された二次局110との間の信号経路の無線チャネル特性を決定するために使用されうる他の方法には次のものがある。(a)一次局が、伝送されるダウンリンクメッセージにその送信電力レベルを含ませ、二次局が、受信信号強度を測定し、アップリンク信号(例えばアクセスプリアンブル)に含めることができるチャネル特性を決定する。(b)(a)の変形として、二次局が、単にアップリンク信号に受信信号強度の標示を含ませ、減衰特性が、一次局により決定される。(c)二次局が、ダウンリンクメッセージのSIRを決定し、例えばアクセスプリアンブル又はRACHのメッセージ部分(PKT)のような信号において決定されたSIRを中継する。
【0026】
図3は、図2に示す信号の送信及び処理に伴う動作シーケンスのフローチャートを示している。フローチャートは、二次局110がRACH上に低電力でアクセスプリアンブル(AP)を伝送することを表すブロック300から始まる。ブロック302において、二次局は、ダウンリンクにおいて肯定応答ACKをリッスンする。ブロック304は、二次局がACKを受け取ったかどうかを判断することに関連する。答えがいいえ(N)である場合、ブロック306において、二次局はその送信器電力を増やす。これにより、ブロック300において、APは、より高い電力で伝送される。答えがはい(Y)である場合、ブロック308において、二次局は、受信に成功したAPより高い電力でデータパケットを伝送する。ブロック310は、チャネル減衰特性を評価することを示す。このチャネル減衰特性は、ブロック312において、一次局がその送信器電力を調整するために使用される。最後に、ブロック314において、一次局が、FACH上にデータパケットを伝送する。
【0027】
理想的には、ダウンリンク経路損失、初期の送信電力、現在の送信電力又はAPの再送の数のうちの1つ又は複数の伝送は、システムの通知オーバヘッドを大幅に増加させないやり方で実行される。
【0028】
UMTSの場合、以下の方法のうちの1つ又は複数のものを使用することができる。第1に、例えばPKTのようなRACHのメッセージ部分において通知する方法であり、第2に、通知される量に対応する幾つかのチップ期間だけそれぞれのAPを時間的にオフセットする方法であり、第3に、例えば12個のランダムアクセスサブチャネルのような複数のアクセスサブチャネルを生成し、通知される量に従ってアクセスサブチャネルのうちの1つを選択する方法であり、第4に、例えば16個の署名のような複数の符号化署名をRACH上のリクエストに割り当て、通知される量に従ってAPのために署名のうちの特定のものを選択する方法である。
【0029】
サブチャネル及び/又は署名の選択は、前の段落に与えられている数を使用して196個までの組み合わせを与える。時間オフセットを使用することは、システムの通知オーバヘッドを大幅に増加させることなく、電力/チャネル情報のみならず他の情報をも送信するための組み合わせの数を大幅に増加させる。
【0030】
図4は、時間オフセットが如何にして実現されうるかを説明するための一例を示している。アクセスプリアンブル202Aの伝送の時間は、アクセススロットの境界302(それ自体BS100により伝送されるタイミング信号に対して規定される)を基準にしてToffだけオフセットすることができる。アクセスプリアンブル202A、202Bは4096チップを含み、アクセススロットの長さは5120チップである。256チップの倍数のタイミングオフセットToffを許すことにより、どのスロットがアクセスプリアンブル202A、202Bを収容したかについての曖昧さをもたらすことなく、Toffの19個までの異なる非零値が可能である。Toff=0である場合、システムの振る舞いは、タイミングオフセットの可能性のないシステムの振る舞いと同一であり、それによりタイミングオフセットを処理する能力をもたないMS110との後方互換を可能にする。
【0031】
伝送のいかなる遅延も、BS100は、適切なタイムスロットにおいてアクセス肯定応答ACK206を伝送するために時間内にプリアンブルを検出することができなくなることを意味するので、タイミングオフセットToffは、アクセスプリアンブル202A、202Bの伝送時間を早めることが好ましい。
【0032】
好ましくは、ダウンリンクチャネル122にはタイミングオフセットがなく、アクセスプリアンブル202A、202Bの肯定応答206は、使用されるタイミングオフセットにかかわらず同一である。
【0033】
より多くの通知の組み合わせ(ここに記述する実施例においては19倍多い)の利用可能性は、より一層効率的な資源割り当てを可能にする。例えばチャネル割り当ての場合、署名の数よりも多くのビットレートが利用可能になる。更に、一般的に多くのMS110により同じビットレートが要求される場合においてともすれば許容できなくなりえる衝突可能性を低下させる。
【0034】
通知される量の範囲は、時間オフセット、サブチャネル、及び通知される量の知らせに割り当てられる署名の数に依存して、多くのあらかじめ決められた範囲に量子化されることができる。
【0035】
(初期又は現在の)送信電力を送信するために異なる時間オフセットを使用する例において、2つの範囲のどちらに上記の量が入るかを示すために、2つのオフセットが使用される。以下に例を示す。
【表1】

【0036】
他の例として、送信電力レベルを示すために、オフセットの組を使用することができる。この方法は、それぞれの組の中のオフセットが他の通知のために使用されることを可能にする。
【表2】

【0037】
同様に、TxPwr<−20dBm、−20dBm≦TxPwr<0dBm、OdBm≦TxPwr等のより狭い範囲に送信電力を量子化することにより、より正確に送信電力が一次局に知らされることができる。
【0038】
別の実現例において、APの再送の数又は現在の電力のような量についても、それぞれの続いて起こる再送に関してAPの時間オフセットを増加させることにより又は調整することにより一次局に知らせることができる。
【0039】
他の実現例において、RACHメッセージパケットPKT内の少数の通知ビットにより、AP送信電力のような測定量をBSに知らせることができる。
【0040】
同様のプロシージャは、FACH以外のチャネルにも適用することができる。このようなプロシージャは、RACHの(又はRACHのような)アクセスプリアンブル伝送に先行する例えばDPCH又はCPCHメッセージ部分のようなダウンリンクチャネルの初期電力にも適用することができる。
【0041】
本発明による方法は、FDD(周波数分割複信)、TDD(時分割複信)、CDMA、TDMA及び/又はCDMA/TDMA/FDMAシステムに適用してもよい。
【0042】
特定の記述は、FACHの送信電力を調整することに言及しているが、初期のビットレートもまた送信電力と共に選択される。
【0043】
本明細書及び請求項において、単数形で表現されている構成要素は係る構成要素の複数の存在を除外しない。更に、「有する、含む」という語は、挙げられているもの以外の他の構成要素又はステップの存在を除外しない。
【0044】
本開示を読むことにより、当業者には他の変形例が明らかとなるであろう。そのような変形例は、無線通信システム及び該無線通信システムの構成要素の設計、製造並びに使用において既知であるとともに、上述した特徴の代わりに又はそれらに追加して使用することができるような他の特徴を含んでもよい。本出願においては請求項は特定の特徴の組み合わせに対して記載されているが、本出願の開示の範囲は、何れかの請求項において現在記載されている発明と同一の発明に関するものであるか否かにかかわらず、また、本発明が解決するものと同一の課題の何れか又は全てを解決するか否かにかかわらず、本明細書に明示的に又は暗示的に開示された如何なる新規な特徴若しくはこれら特徴の如何なる新規な組み合わせ又はそれらの如何なる一般化をも含むものと理解されるべきである。出願人は、このような特徴及び/又はそれらの特徴の組み合わせに関しても、本出願又は本出願から派生する全ての他の出願の係属中に、新しい請求項が記載されうることを述べておく。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つ又は複数の二次局への一次局による伝送のためのダウンリンクチャネルと、前記二次局又はそれぞれの前記二次局から前記一次局への伝送のためのアップリンクランダムアクセスチャネルと、を有する無線通信システムを動作させる方法であって、前記二次局が、前記ランダムアクセスチャネル上にアップリンク信号を伝送して無線チャネル特性の標示を与え、前記一次局が、前記標示された無線チャネル特性を考慮に入れた電力レベル及び/又はビットレートで前記ダウンリンクチャネル上に信号を伝送することを含む方法。
【請求項2】
1つ又は複数の二次局への一次局による伝送のためのダウンリンクチャネルと、前記二次局又はそれぞれの前記二次局から前記一次局への伝送のためのアップリンクランダムアクセスチャネルと、を有する無線通信システムを動作させる方法であって、前記二次局が、前記ランダムアクセスチャネル上に、該ランダムアクセスチャネルの現行の無線チャネル特性を決定するために前記一次局により使用されることができるアップリンク信号を伝送し、前記一次局が、前記無線チャネル特性の決定に応じて、前記決定された無線チャネル特性を考慮に入れた電力レベル及び/又はビットレートで前記ダウンリンクチャネル上に信号を伝送することを含む方法。
【請求項3】
前記一次局が、送信される電力レベルの標示を含む信号を伝送し、前記信号を受信する二次局が、前記受信信号の強度を測定し、前記ダウンリンクのチャネル特性を決定し、前記ランダムアクセスチャネル上に前記チャネル特性の標示を含む信号を伝送することを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記一次局が、送信される電力レベルの標示を含む信号を伝送し、前記信号を受信する二次局が、前記受信信号の強度を測定し、前記ランダムアクセスチャネル上に、前記受信信号強度の標示を含む信号を伝送することを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載の方法。
【請求項5】
二次局は、前記一次局からの肯定応答信号が受信されるまで、連続的に増加する電力レベルでアクセスプリアンブル信号を再送し、前記二次局は、前記肯定応答信号の受信に応じて、肯定応答されたアクセスプリアンブル信号の特定の再送から現行の無線チャネル特性を決定するために前記一次局により使用されることができる標示を含むメッセージを伝送することを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載の方法。
【請求項6】
二次局は、前記一次局からの肯定応答信号が受信されるまで、連続的に増加する電力レベルでアクセスプリアンブル信号を再送し、前記アクセスプリアンブル信号のそれぞれの伝送はその電力の標示を含み、前記一次局は、前記アクセスプリアンブル信号の最低送信電力の標示を記憶し、前記最低送信電力と、受信され肯定応答されたアクセスプリアンブル信号の電力との間の差を得ることにより前記チャネル特性を決定することができることを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載の方法。
【請求項7】
前記チャネル特性が無線減衰特性を含むことを特徴とする、請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
二次局は、前記一次局により伝送される信号の信号対干渉比を決定し、前記決定された信号対干渉比の標示を、前記ランダムアクセスチャネル上に伝送される信号に含めることを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載の方法。
【請求項9】
前記アップリンク信号が、前記ランダムアクセスチャネル信号のメッセージ部分を含むことを特徴とする、請求項1ないし請求項8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記ランダムアクセスチャネルは、前記二次局によるアクセスプリアンブルの伝送を含み、前記アクセスプリアンブルは、複数の署名のうちの選択された1つを用いて符号化され、前記選択される署名は、通知されるべき量に従って選択されることを特徴とする、請求項1ないし請求項8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
前記ランダムアクセスチャネルは、複数のアクセスサブチャネルを含み、アクセスサブチャネルは、通知されるべき量に従ってアクセスプリアンブルの伝送のために二次局により選択されることを特徴とする、請求項1ないし請求項8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
前記ランダムアクセスチャネルは、CDMAチャネルであり、アクセスプリアンブルの伝送は、通知されるべき量に対応する幾つかのチップ期間だけ時間的にオフセットされることを特徴とする、請求項1ないし請求項8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
ダウンリンクチャネル上に信号を伝送する送受信手段をもつ一次局と、前記一次局に対しランダムアクセスチャネル上にアップリンク信号を伝送する送受信手段をもつ少なくとも1つの二次局と、を有する無線通信システムであって、前記二次局が、前記ランダムアクセスチャネルの現行の無線チャネル特性を決定し、これらの特性を前記一次局に伝送する手段を有し、前記一次局が、前記無線チャネル特性の受信に応じて、前記無線チャネル特性に依存してダウンリンク信号の電力レベル及び/又はビットレートを決定する手段を有する、無線通信システム。
【請求項14】
前記二次局又はそれぞれの前記二次局は、CDMA信号としてアクセスプリアンブル信号を伝送するための符号化手段を有し、前記符号化手段は、前記無線チャネル特性に対応する幾つかのチップ期間だけアクセスプリアンブル信号を時間的にオフセットする信号オフセット手段を有することを特徴とする、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
一次局からダウンリンク信号を受信し、ランダムアクセスチャネル上にアップリンク信号を伝送する送受信手段と、前記ランダムアクセスチャネルの現行の無線チャネル特性を決定し、これらの特性を前記一次局に伝送する手段と、を有する二次局。
【請求項16】
前記二次局は更に、CDMA信号としてアクセスプリアンブル信号を伝送するための符号化手段を有し、前記符号化手段は、前記無線チャネル特性に対応する幾つかのチップ期間だけアクセスプリアンブル信号を時間的にオフセットする信号オフセット手段を有することを特徴とする、請求項15に記載の二次局。
【請求項17】
少なくとも1つの二次局に対しダウンリンクチャネル上に信号を伝送し、ランダムアクセスチャネルの現行の無線チャネル特性を決定するために使用可能な標示となるものを含むアップリンクランダムアクセスチャネル信号を受信する送受信手段と、前記標示となるものに応じて、前記少なくとも1つの二次局にダウンリンク信号を伝送するための電力レベル及び/又はビットレートを決定する手段と、を有する一次局。
【請求項18】
前記アップリンク信号が、CDMAアクセスプリアンブル信号を含み、前記標示となるものが、基準時間に対する前記アクセスプリアンブル信号のタイミングオフセットを含む、請求項17に記載の一次局であって、前記一次局が、前記タイミングオフセットを決定し、前記タイミングオフセットに従って前記送信電力レベルを調整する手段を有することを特徴とする、一次局。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−135595(P2011−135595A)
【公開日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−17793(P2011−17793)
【出願日】平成23年1月31日(2011.1.31)
【分割の表示】特願2001−574998(P2001−574998)の分割
【原出願日】平成13年3月28日(2001.3.28)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】