無線通信システム及び方法
【課題】
無線ネットワークへの参入手順を改善し得る無線通信システム及び方法を提供する。
【解決手段】
無線通信方法は、基地局にて、優先エンドポイントにネットワークへのアクセスを提供し、優先エンドポイントに少なくとも1つの暗号パラメータを送信し、優先エンドポイントから複数のレンジングコードを受信することを含む。該複数のレンジングコードは、基地局が優先エンドポイントへのネットワークアクセスの提供を止めた後に受信される。当該方法はまた、基地局にて、受信した複数のレンジングコードが、上記少なくとも1つの暗号パラメータを用いて決定された所定のレンジングコードセットの複数のレンジングコードと一致するかを決定することを含む。当該方法は更に、基地局にて、受信した複数のレンジングコードが所定のレンジングコードセットの複数のレンジングコードと一致するとの決定に応答して、優先エンドポイントにネットワークへの参入を与えることを含む。
無線ネットワークへの参入手順を改善し得る無線通信システム及び方法を提供する。
【解決手段】
無線通信方法は、基地局にて、優先エンドポイントにネットワークへのアクセスを提供し、優先エンドポイントに少なくとも1つの暗号パラメータを送信し、優先エンドポイントから複数のレンジングコードを受信することを含む。該複数のレンジングコードは、基地局が優先エンドポイントへのネットワークアクセスの提供を止めた後に受信される。当該方法はまた、基地局にて、受信した複数のレンジングコードが、上記少なくとも1つの暗号パラメータを用いて決定された所定のレンジングコードセットの複数のレンジングコードと一致するかを決定することを含む。当該方法は更に、基地局にて、受信した複数のレンジングコードが所定のレンジングコードセットの複数のレンジングコードと一致するとの決定に応答して、優先エンドポイントにネットワークへの参入を与えることを含む。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して無線通信に関し、より具体的には無線ネットワークへの参入を改善し得るシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
無線通信の特定の形態において、エンドポイントは無線ネットワークへのアクセスを得るために基地局と通信しなければならない。エンドポイントと基地局との間でのこの最初の通信は、エンドポイントがどのように無線ネットワークに参入するかというものである。ネットワーク参入手順に伴う問題には、エンドポイントが無線ネットワークに参入し得る待ち時間及び速さが含まれる。また、優先エンティティがより速く無線ネットワークへのアクセスを得られるようにすることも困難である。さらに、ネットワーク参入手順は、悪意のユーザによる攻撃を許してしまうことがあり得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、無線ネットワークへの参入手順を改善し得る無線通信システム及び方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
一実施形態において、無線通信方法は、基地局にて、優先エンドポイントにネットワークへのアクセスを提供する段階を含む。当該方法は、基地局にて、優先エンドポイントに少なくとも1つの暗号パラメータを送信する段階を含む。さらに、当該方法は、基地局にて、優先エンドポイントから複数のレンジング(ranging)コードを受信する段階を含む。該複数のレンジングコードは、基地局が優先エンドポイントにネットワークへのアクセスを提供することを止めた後に受信される。また、当該方法は、基地局にて、受信した複数のレンジングコードが、所定のレンジングコードセットの複数のレンジングコードと一致するかを決定する段階を含む。この所定のレンジングコードセットは、上記少なくとも1つの暗号パラメータを用いて決定される。さらに、当該方法は、基地局にて、受信した複数のレンジングコードが所定のレンジングコードセットの複数のレンジングコードと一致すると決定したことに応答して、優先エンドポイントにネットワークへの参入を与える段階を含む。
【0005】
一部の実施形態において、受信した複数のレンジングコードが所定のレンジングコードセットの複数のレンジングコードと一致するかを決定する段階は更に、(a)第1の受信レンジングコードに関する時間遅延が第2の受信レンジングコードに関する時間遅延に略等しいことを決定する段階を有していてもよい。さらに、ネットワークへの参入を与える段階は更に、上記(a)の段階における決定に応じて、ネットワークへの参入を与えることを有していてもよい。
【0006】
様々な実施形態において、受信した複数のレンジングコードが所定のレンジングコードセットの複数のレンジングコードと一致するかを決定する段階は更に、受信した複数のレンジングコードのレンジングスロットが、所定のレンジングコードセットの複数のレンジングコードのレンジングスロットと一致することを決定することを含んでいてもよい。上記少なくとも1つの暗号パラメータは、少なくとも1つの暗号的に安全な疑似乱数発生器信用証明を有していてもよい。
【0007】
一実施形態によれば、無線通信システムは無線機を含む。無線機は、優先エンドポイントにネットワークへのアクセスを提供するよう動作する。無線機はまた、優先エンドポイントに少なくとも1つの暗号パラメータを送信するよう動作する。さらに、無線機は、優先エンドポイントから複数のレンジングコードを受信するよう動作する。該複数のレンジングコードは、基地局が優先エンドポイントにネットワークへのアクセスを提供することを止めた後に受信される。当該システムはまた、受信した複数のレンジングコードが、所定のレンジングコードセットの複数のレンジングコードと一致するかを決定するよう動作する1つ以上のプロセッサを含む。該所定のレンジングコードセットは、上記少なくとも1つの暗号パラメータを用いて決定される。上記1つ以上のプロセッサはまた、受信した複数のレンジングコードが所定のレンジングコードセットの複数のレンジングコードと一致すると決定したことに応答して、優先エンドポイントにネットワークへの参入を与えるよう動作する。
【発明の効果】
【0008】
特定の実施形態は、実装される具体的な機能に応じて、以下のような技術的利点のうちの一部又は全てを示すこともあるし、それらの何れをも示さないこともある。レンジングが、特定のユーザをその他のユーザより優先するように行われ得る。そのような優先ユーザに対して、エンドポイントがネットワークに参入するのに要する時間が短縮され得る。また、暗号法を用いることにより、レンジング処理が悪意のユーザに攻撃されにくいものにされ得る。その他の技術的利点が、以下の説明、図面及び特許請求の範囲から当業者に容易に明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
添付の図面とともに以下の詳細な説明を参照する。図面において、同様の参照符号は同様の部分を表す。
【図1】特定の一実施形態に従った、様々な通信ネットワークを有する通信システムを例示する図である。
【図2】エンドポイントと、フェムト基地局と、ネットワークアクセス装置とを有する無線ネットワークの一実施形態を例示する図である。
【図2A】図2のフェムト基地局の特定の構成要素の一実施形態を例示する図である。
【図3A】通信セッション中のフェムト基地局とエンドポイントとの間でのパラメータ交換の一実施形態を例示するフローチャートである。
【図3B】フェムト基地局と優先エンドポイントとの間でのレンジング処理の一実施形態を例示するフローチャートである。
【図4】強化されたネットワーク参入手順に参画するときのエンドポイントの処理の一実施形態を例示する状態図である。
【図5】強化されたネットワーク参入手順に参画するときのフェムト基地局の処理の一実施形態を例示する状態図である。
【図6】レンジングの成功確率の一例を示すグラフである。
【図7A】専用のレンジングコードを用いる強化されたネットワークレンジング手順の一実施形態を示すフローチャートである。
【図7B】専用のレンジングコードを用いる強化されたネットワークレンジング手順の一実施形態を示すフローチャートである。
【図8A】通常のレンジングコードを用いる強化されたネットワークレンジング手順の一実施形態を示すフローチャートである。
【図8B】通常のレンジングコードを用いる強化されたネットワークレンジング手順の一実施形態を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1は、特定の一実施形態に従った、様々な通信ネットワークを有する通信システムを示している。通信システム100は複数のネットワーク110を有し得る。各ネットワーク110は、その他のネットワーク及び/又は通信プロトコルから独立して、あるいはそれらと協働して、の何れかで様々なサービスのうちの1つ以上をサポートするように設計された多様な通信プロトコルのうちの何れかを有する多様な通信ネットワークのうちの何れかとし得る。例えば、ネットワーク110は、有線接続又は無線接続(例えば、WiMAXサービス)を介してネットワーク及び/又はインターネットへのアクセスを容易にし得る。ネットワークアクセスは、オンラインゲーム、ファイル共有、ピアツーピア・ファイル共有(P2P)、インターネット回線を利用した音声通信(Voice over Internet protocol;VoIP)電話、インターネット回線を利用した映像通信(video over IP)電話、又はネットワークにより一般的に提供されるその他の種類の機能を可能にし得る。特定の実施形態において、ネットワーク110のうちの1つ以上は、WiMAXとして広く知られた、mBS120等のマクロ基地局(mBS)とfBS190等のフェムト基地局(fBS)とを含み得るIEEE802.16に基づく無線ネットワークを有していてもよい。これらの構成要素の各々は、エンドポイント140に、ネットワーク110の1つ以上への無線接続150を用いたアクセスを提供する。
【0011】
説明の便宜上、以下の説明では、関与する様々なエンティティに対して、簡略化した用語を用いることがある。‘オーナー’は、fBSを購入したエンティティ、又はそれに対してfBSが登録されたエンティティを意味し得る。‘ユーザ’は、それに対して無線サービスが提供されるエンティティを意味し得る。‘インターネットサービス’は、オーナーが例えばインターネット等の外部ネットワークにアクセスするために使用するサービスを意味し得る。単純化のために用語‘インターネット’が使用されるが、この用語は、インターネットに限定されるものではなく、公衆ネットワーク及び私的ネットワークを含め、fBSが自身のバックホール接続を構築する(更に後述する)ために使用し得るその他の種類のネットワークをも含む。‘インターネットサービスプロバイダ(ISP)’は、インターネットサービスをオーナーに提供するエンティティを意味し得る。‘無線サービス’又は‘キャリアサービス’は、例えばWiMAX等、ユーザが無線アクセスのために使用するサービスを意味し得る。‘無線サービスプロバイダ(WSP)’は、ユーザ又はオーナーに無線サービスを提供するエンティティを意味し得る。これらの用語は単純化のために使用されており、取り得る全ての実施形態の全範囲を表すものではない。例えば、オーナーは同時にユーザであってもよく、ISPは同時にWSPであってもよい。他の一例として、ISPはオーナーにインターネットアクセスを直接的に提供しなくてもよい(例えば、ISPは建物にインターネットアクセスを提供し、建物所有者がfBSオーナーにインターネットアクセスを提供してもよい)。
【0012】
図1に示した実施形態において、ネットワーク110aは複数のfBS190を含んでいる。fBS190は、本質的に、オーナーがWSPから購入した(あるいは借りた)小型基地局であり得る。オーナーは例えば自身の建物などにfBSを設置することを担う。fBSは、設置されると、オーナーの建物内の信号カバレッジを高めるために使用され得る地理的に小さい受信可能領域を提供する。状況に応じて、オーナーは、(例えば、fBSが公衆fBSである場合など)この受信可能領域をその他の未知のユーザと共有してもよいし、(例えば、fBSが私的なfBSである場合など)それを既知の/権限を有するユーザに限定してもよい。図1に示した状況において、fBS190はネットワークアクセス装置180に接続されている。この接続は、fBS190に、WSPのネットワークであるWSNネットワーク110dへのバックホール接続を提供してもよい。ネットワークアクセス装置180はオーナーに全般的なインターネットアクセスを提供してもよい。fBS190は、WSPに結合された専用のバックホール通信回線を用いるのではなく、オーナーの既存のインターネットアクセスを使用する。実施形態及び状況に応じて、ISP及びWSPは同一のエンティティであってもよい。
【0013】
一部の実施形態において、エンドポイント140は、レンジングチャネル、レンジングコード及び/又はレンジングスロットを用いることにより、fBS190との通信セッションを開始するように構成され得る。エンドポイントからfBSへ、1つ以上のレンジングコードが、1つ以上のレンジングチャネル上の1つ以上のレンジングスロットにて送信され得る。fBSは該1つ以上のレンジングコードを受信し、該レンジングコードを送信したエンドポイントとの通信セッションに入るかを決定し得る。様々な実施形態において、レンジングコードは多様な異なる種類の符号化方式を有し得る。例えば、レンジングコードは、一連の2進数を含んでいてもよいし、例えばQAM(直交振幅変調)シンボル、QPSK(四相位相変調)シンボル、又はBPSK(二相位相変調)シンボル等のシンボルであってもよい。レンジングスロットは、レンジングコードに関するタイミングパラメータ又は周波数パラメータを表し得る。例えば、レンジングコードは、fBSと交信するときに特定のタイムスロットにて送信され得る。他の一例として、レンジングコードは特定の1つの周波数又は一組の副周波数上で伝達されてもよい。WiMAXプロトコルにおいては、エンドポイントはfBSに、レンジング目的に専用のアップリンクフレーム上でCDMA(符号分割多重アクセス)コードを送信し得る。
【0014】
一部の実施形態においては、エンドポイントがネットワークに参入するためには、レンジング処理後に幾つかのステップが行われなければならない。これらのステップは、例えば、エンドポイントとfBSとの間で基本能力を交渉すること、基地局に登録すること、IP接続性を構築すること、時刻を確立すること、操作パラメータを転送すること、及び供給接続を構築することを含み得る。このネットワーク参入手順は、ネットワークへの参入を高速化するように変更されてもよい。更に後述するように、このような強化は、以前にこのfBSに接続していた複数のエンドポイントに利用可能にされてもよい。
【0015】
ネットワーク参入手順は強化され得る。例えば、図1に示したような、fBS190がネットワークへのアクセスを多様なエンドポイント140に許可するために使用される環境において、fBSは特定のエンドポイントに優先的なサービスを提供してもよい。これは、優先されないその他のエンドポイントとは対照的であってもよい。例えば、fBS190はfBS190のオーナーに属さないエンドポイントにネットワークアクセスを提供してもよいと上述した。fBS190のオーナーがネットワークに参入することを望むとき、ネットワークへのアクセスのためにfBS190を使用してはいるが該オーナーに属さない他のエンドポイントに代えて、該オーナーが優先されてもよい。
【0016】
この優先を達成するため、一部の実施形態において、オーナー又はその他の優先エンドポイントは、優先的に扱われるべきエンドポイントから送信されたものとしてfBS190が認識し得る一組のレンジングコード(以下、レンジングコードセットとも呼ぶ)を送信し得る。このようなレンジングはネットワーク参入又はハンドオーバの処理で使用されてもよい。一部の実施形態において、ハンドオーバ処理は、エンドポイントがfBSからmBSへ移管されるとき、及び/又はmBSからfBSに移管されるときに生じ得る。また、一部の実施形態において、優先エンティティに属するレンジングコードセットは、暗号的に安全な手段を用いて、疑似ランダム的に決定されてもよい。これは、悪意のユーザが優先アクセスを得るためにレンジングコードセットを単に複製して使用することを困難にし得る。これら及びその他の実施形態の更なる詳細は、図2−6に関連して後述する。
【0017】
fBSを用いるとき、レンジング処理を強化することに加えて、レンジング処理後のネットワーク参入処理も最適化され得る。例えば、fBSを定期的に使用するエンドポイントの特徴又はパラメータは、該エンドポイントに関するネットワークへの参入を容易にするために使用し得るように、fBSに記憶されてもよい。対照的に、これがレンジング前に行われなかった場合、エンドポイントは、該エンドポイントのパラメータについてfBSに通知するメッセージをfBSに送信しなければならないとし得る。レンジング後にfBSとエンドポイントとの間で送信されるメッセージの量を削減することは、一部の実施形態において、エンドポイントがネットワークに参入するために要する時間を短縮し得る。これら及びその他の実施形態の更なる詳細は、図2−6に関連して後述する。
【0018】
図1の通信システム100の例は、ネットワーク110a−110dという4つの異なるネットワークを含んでいるが、用語“ネットワーク”は、ウェブページ、電子メール、文字チャット、VoIP及びインスタントメッセージによって伝送される信号、データ又はメッセージを含めて、信号、データ及び/又はメッセージを伝送可能な何らかのネットワーク又は複数のネットワークの組み合わせを全般的に規定するものと解釈されるべきである。ネットワークの範囲、サイズ及び/又は構成に応じて、ネットワーク110a−110dの各々は、LAN、WAN、MAN、PSTN、WiMAXネットワーク、例えばインターネット等の地球規模で分布されたネットワーク、イントラネット、エクストラネット、又はその他の形態の無線若しくは有線のネットワークとして実現され得る。
【0019】
ネットワーク110は、如何なる数の、また、如何なる組み合わせの、有線リンク160、無線接続150、ノード170及び/又はエンドポイント140を含んでいてもよい。説明のため、そして単なる例として、ネットワーク110aは、少なくとも部分的にWiMAXによって実現され得るMANであり、ネットワーク110bはWAN(例えば、長距離光ネットワーク又はインターネット)であり、ネットワーク110dは、ネットワーク110aに無線サービス(例えば、WiMAX)を提供することを担うWSPによって操作され得る無線サービスネットワーク(WSN)であり、ネットワーク110cは、そのユーザにインターネットアクセスを提供することを担うISPによって操作され得るインターネットサービスネットワーク(ISN)である。図1には示していないが、WSNネットワーク110d及びISNネットワーク110cの双方は、サーバ、モデム、ゲートウェイ、及びそれぞれのサービスを提供するのに必要なその他の要素を含み得る。ネットワーク110は4つの別々のネットワークとして描かれているが、状況に応じて、これらのネットワークのうちの2つ以上が単一のネットワークであってもよい。例えば、WSP及びISPは、同一のネットワーク上で双方のサービスに必要な要素を管理する同一の企業体であってもよく、故に、ISNネットワーク110c及びWSNネットワーク110dは単一のネットワークにまとめられていてもよい。また、複数のネットワーク110間の相互接続は、図1に示したものとは異なっていてもよい。
【0020】
一般的に、ネットワーク110a−dは、エンドポイント140及び/又はノード170(後述)間での情報のパケット、セル、フレーム又はその他の部分(ここでは概してパケットと称する)の通信を提供する。特定の実施形態において、ネットワーク110a−dはIPネットワークとし得る。IPネットワークは、データをパケット内に配置し、各パケットを個別に、1つ以上の通信パスに沿って、選択された宛先に伝送することによってデータを伝送する。ネットワーク110a−dの何れかが、これに限定されるものではないが、インターネットを含むその他のIPネットワークに結合されていてもよい。IPネットワークはデータを送信する共通の方法を共有するので、信号は、相互に接続された相異なるIPネットワーク上に位置する複数の装置間で伝送され得る。その他のIPネットワークに結合されることに加えて、ネットワーク110a−dの何れかが、インタフェース又は例えばゲートウェイ等の構成要素の使用を介して非IPネットワークに結合されていてもよい。
【0021】
ネットワーク110は、相互に、そしてその他のネットワークに、複数の有線リンク160、無線接続150及びノード170を介して接続され得る。有線リンク160、無線接続150及びノード170は、様々なネットワークを接続するだけでなく、エンドポイント140を、相互に、そしてネットワーク110の何れかに結合されるかその一部であるその他の構成要素に相互接続する。ネットワーク110の相互接続は、エンドポイント140がデータを通信したり相互間での信号伝達を制御したりすることを可能にし、且つ、介在する要素又は装置がデータを通信したり信号を制御したりすることを可能にする。従って、エンドポイント140のユーザは、ネットワーク110のうちの1つ以上に結合された各ネットワーク要素との間で、データの送受信を行ったり信号を制御したりすることが可能にされ得る。
【0022】
上述のように、無線接続150は、例えばWiMAXを用いた、2つの構成要素間の無線リンクを表す。特定の場合において、WiMAX mBSの拡張範囲は1つ以上のfBSと協働して、ネットワーク110aが、比較的少ない数の有線リンクを用いながら、MANに結合された一層広い地理的領域をカバーすることを可能にし得る。より具体的には、都市圏の方々にmBS120及びfBS190を適切に配置することにより、複数のアクセス局が、mBS120と通信するために無線接続150又は既存の有線リンクを使用し、且つ該都市圏の全体で無線エンドポイント140と通信するために無線接続150を使用することが可能となり得る。mBS120は、無線接続160aを介して、その他のmBS、ネットワーク110dの構成要素、無線接続を構築不能なネットワーク要素、及び/又は例えばインターネット等のMANの外部のその他のネットワークと通信し得る。
【0023】
上述のように、ネットワーク110aのカバレッジ品質は、fBS190の使用により増強され得る。より具体的には、WiMAX fBSの比較的狭められた受信可能範囲は、ネットワーク110aが、例えば建物内といった、より狭い領域内のユーザに、改善された信号品質及び/又は信号容量を提供することを可能にし得る。fBS190は、既存のネットワークアクセスの使用によってアクセスリンクを提供することが可能であってもよい。より具体的には、fBS190はオーナーのネットワークアクセス装置180に接続し得る。接続されると、fBS190は、WSPのネットワーク(例えば、ネットワーク110d)へのバックホール接続のために、ISPのネットワーク(例えば、ネットワーク110c)を介してオーナーのISPによって提供されるオーナーのインターネットアクセスを使用し得る。
【0024】
ノード群170は、ネットワーク要素、モデム、セッションボーダーコントローラ、ゲートキーパー、ISNゲートウェイ、WSNゲートウェイ、セキュリティゲートウェイ、OAM&P(operation administration maintenance and Provisioning;保守運用と提供)サーバ、ネットワークアクセスプロバイダ(NAP)サーバ、基地局、カンファレンス・ブリッジ、ルータ、ハブ、スイッチ、ゲートウェイ、エンドポイント、又は、通信システム100内でパケット交換を可能にする任意数の通信プロトコルを実装したその他のハードウェア、ソフトウェア若しくは埋込ロジック、の如何なる組み合わせを含んでいてもよい。
【0025】
ネットワークアクセス装置180は、ハードウェア、コンピュータ読み取り可能媒体に埋め込まれたソフトウェア、及び/又は、ハードウェアに組み込まれた、あるいはその他の方法で格納された符号化ロジック(例えば、ファームウェア)の何らかの組み合わせによって、fBS190にインターネットアクセスを提供し得る。特定の実施形態において、ネットワークアクセス装置180はオーナーのISPによって供給され得る。例えば、オーナーのISPがケーブルテレビ会社である場合、該ISPはケーブルモデムをネットワークアクセス装置180として供給し得る。他の一例として、オーナーのISPが電話会社である場合、該ISPはxDSLモデムをネットワークアクセス装置180として供給し得る。明らかなように、ネットワークアクセス装置180はfBS190以外の構成要素にインターネットアクセスを提供してもよい。例えば、オーナーは、インターネットにアクセスするために、自身のパーソナルコンピュータをネットワークアクセス装置180に接続してもよい。
【0026】
エンドポイント140及び/又はノード170は、ハードウェア、コンピュータ読み取り可能媒体に埋め込まれたソフトウェア、及び/又は、ハードウェアに組み込まれた、あるいはその他の方法で格納された符号化ロジック(例えば、ファームウェア)の何らかの組み合わせによって、ユーザにデータ又はネットワークサービスを提供し得る。例えば、エンドポイント140a−140kは、セル方式携帯電話、IP電話、コンピュータ、ビデオモニタ、カメラ、携帯情報端末、又は、ネットワーク110のうちの1つ以上を用いてパケット(又は、フレーム)の通信を支援するその他のハードウェア、ソフトウェア及び/又は符号化ロジックを含み得る。
【0027】
図1は特定の数及び構成のエンドポイント、接続、リンク及びノードを示しているが、通信システム100は、如何なる数又は構成の、データを通信するための構成要素をも意図するものである。また、通信システム100の要素は、互いに対して中央に位置する(ローカルな)構成要素や、通信システム100全体に分散された構成要素を含んでいてもよい。
【0028】
図2は、無線ネットワークを例示しており、エンドポイント270、ネットワークアクセス装置(NAD)251及びfBS250を含む特定の一実施形態に従ったシステム200をより詳細に示している。図示した実施形態は、複数のネットワーク205、fBS250、ネットワークアクセス装置251及び複数のエンドポイント270を含む簡略化した状況である。エンドポイント270は、ネットワーク205cへのアクセスを得るためにfBS250を用いる。エンドポイント270aは、更に後述するように、fBS250から優先サービスを受信することができる。
【0029】
様々な実施形態において、システム200は、如何なる数の、有線又は無線ネットワーク、mBS、エンドポイント、fBS、及び/又は、有線又は無線の何れの接続であろうとデータや信号の通信を容易にする、あるいはそれに関与するその他の構成要素、を有していてもよい。エンドポイント270a及びfBS250は、PHY/HWブロック274及び254、MAC/SWブロック277及び257を有している。fBS250は更に通信インタフェース256を有している。エンドポイント270a及びfBS250はまた、無線機272及び252、アンテナ278及び258を含んでいる。これらの構成要素は、協働して、例えば無線ネットワーク(例えば、WiMAX無線ネットワーク)内で無線接続をエンドポイントに提供すること等、無線接続無線ネットワークに関する機能を提供する。一部の実施形態において、PHY/HWブロック254及び274は、通信プロトコルの物理層と相互作用するように動作可能な要素及びハードウェアを有する。MAC/SWブロック257及び277は、通信プロトコルのメディアアクセス制御層と相互作用するように動作可能な要素及びソフトウェアを有し得る。以下、図2の態様及び構成要素に関する更なる細部を説明する。
【0030】
ネットワーク205は、1つ以上の異なるオペレータによって操作される別個であるが相互接続された複数のネットワークを有し得る。より具体的には、ネットワーク205aはISPのネットワークであり、ネットワーク205bは公衆ネットワーク(例えば、インターネット)であり、ネットワーク205cはWSPのネットワークとし得る。fBS250のオーナーはインターネットアクセスのためにネットワーク205aを使用し得る。該オーナーにネットワークアクセスを提供するに当たり、ISPのネットワーク205aは、モデム222、サーバ224、及びISPゲートウェイ226を含み得る。モデム222は、オーナーのネットワークアクセス装置251との通信のためにISPによって使用され得る。故に、ネットワークアクセス装置251及びモデム222は、これらが相互にデータを通信することを可能にする相補的なハードウェア及び/又はソフトウェアを有し得る。ネットワークアクセス装置251は、図1に関連して説明したネットワークアクセス装置180と同様に、オーナーのアクセスポイントとして作用する。モデム222は、ISPのネットワーク205aとオーナーのネットワークアクセス装置251との間のゲートウェイとして作用する。特定の実施形態において、モデム222はセキュリティゲートウェイ機能を含んでいてもよい。サーバ224は、例えば、OAM&Pサーバ、認証・認可・課金(Authentication,Authorization and Accounting;AAA)サーバ、動的ホスト構成プロトコル(Dynamic Host Configuration Protocol;DHCP)、又はISPがオーナーにネットワークアクセス(又は、ISPによって提供されるその他の機能)を提供するために必要とするその他のサーバ等、1つ以上のサーバを有し得る。ISPゲートウェイ226は、ネットワーク205aをネットワーク205bと接続するために必要なハードウェア及び/又はソフトウェアを有し得る。
【0031】
ネットワーク205cはWiMAXサービスプロバイダのネットワークとし得る。状況に応じて、ネットワーク205cは、ユーザ又はオーナーのWiMAXサービスプロバイダのネットワークとし得る。WiMAXサービスを提供するに当たり、ネットワーク205cはサーバ232及びゲートウェイ234を使用し得る。サーバ232は、例えば、OAM&Pサーバ、ネットワークアクセスプロバイダ(NAP)サーバ、AAAサーバ、自己組織型ネットワーク(Self Organizing Network;SON)サーバ、又はWiMAXプロバイダがfBS250を設定/認証してユーザにWiMAXサービスを提供するために必要とするその他のサーバ等、1つ以上のサーバを有し得る。ゲートウェイ234は、ネットワーク205cをネットワーク205bと接続するために必要なハードウェア及び/又はソフトウェアを有し得る。
【0032】
ネットワーク205a及び205cはネットワーク205bを介して結合され得る。一部の実施形態において、ネットワーク205bはインターネットとし得る。故に、このような実施形態においては、fBS250はインターネットを介してWSPのネットワークであるネットワーク205cに接続される。ネットワーク205bは、単一のネットワークとして図示されているが、如何なる数の、図1に関連して説明したようなネットワークを有していてもよい。例えば、ネットワーク205bは、インターネット、LAN、WAN、MAN、PSTN、又はこれらの組み合わせを有していてもよい。
【0033】
PHY/HWブロック254及び274は、それぞれ、fBS250及びエンドポイント270aの動作に必要なハードウェアを含み得る。例えば、PHY/HWブロック254及び274は各々、1つ以上のプロセッサと、アナログ−デジタル変換器及びデジタル−アナログ変換器とを有し得る。各プロセッサは、マイクロプロセッサ、コントローラ、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)、その他の好適な計算装置やリソース、又は、無線ネットワークに関する機能を単独あるいはその他の要素(例えば、メモリ)とともに提供するように動作可能なハードウェア、ソフトウェア及び/又は符号化ロジックの組み合わせとし得る。この機能は、ここで説明するような様々な無線機能を提供することを含む。例えば、このような構成要素を用いて、エンドポイント270aは送信のためにレンジングコードセットを生成し、fBS250は受信したレンジングコードを分析し、それを所定のレンジングコードセットと比較し得る。
【0034】
一部の実施形態において、PHY/HWブロック254は1つ以上の相関器を含み得る。相関器は別個の部品であってもよいし、その機能が上述のハードウェアの組み合わせを用いて提供されてもよい。相関器は、受信信号を所定のシンボルと比較し、受信信号と所定のシンボルとの間の類似度に基づく値を出力することによって動作し得る。これら及びその他の実施形態の更なる詳細は、図2A−6に関連して後述する。
【0035】
また、PHY/HWブロック254及び274の各々はメモリモジュールを有していてもよい。各メモリモジュールは、以下に限定されないが、磁気媒体、光媒体、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、フラッシュメモリ、取り外し可能媒体、又はその他の好適な局所あるいは遠隔メモリ部品を含む、如何なる形態の不揮発性メモリであってもよい。これらのメモリモジュールは、それぞれ、fBS250及びエンドポイント270によって使用される好適なデータ、命令、ロジック又は情報を格納し得る。このような好適なデータ、命令、ロジック又は情報は、コンピュータ読み取り可能媒体に埋め込まれたソフトウェア、及び/又はハードウェアに組み込まれた、あるいはその他の方法で格納された符号化ロジック(例えば、ファームウェア)を含み得る。様々な実施形態において、このメモリモジュールは、fBS250がエンドポイント270のネットワーク参入をどのようにして容易にするかのパラメータ及びプロトコルに関する情報及び/又は命令を格納し得る。例えば、所定のレンジングコードが、エンドポイント270のうちの1つ以上を優先的なものとして指定するロジックとともに格納されてもよい。一部の実施形態において、fBS250のPHY/HWブロック254は、例えばmBS120等のマクロ基地局と同様に構成されてもよい。
【0036】
MAC/SWブロック257及び277は、それぞれ、fBS250及びエンドポイント270aの動作に必要なソフトウェア、ロジック、又はその他の情報を含み得る。特定の実施形態において、これらのソフトウェア、ロジック又はその他の情報は、PHY/HWブロック254及び274のメモリモジュールに格納されてもよい。これは様々に使用され得る。例えば、ブロック257及び277は、例えばネットワーク参入手順にて使用する暗号的に安全な乱数又はパラメータを生成するために用いられるパラメータ等、様々なパラメータを格納し得る。エンドポイント270のうちの1つ以上を優先的なものとして指定する手順が格納されることも可能である。他の一例として、1つ以上のエンドポイント270に対応するレンジングコードの組が同様に格納されてもよい。
【0037】
無線機252及び272は、それぞれ、アンテナ258及び278に結合され、あるいはその一部にされ得る。無線機252及び272は、その他のmBS、fBS及び/又はエンドポイントに無線接続を介して送出されるデジタルデータを受信し得る。無線機の動作例に関する更に多くの情報は、図2A−6及びそれらそれぞれの説明を参照することによって理解され得る。
【0038】
アンテナ258及び278は、データ及び/又は信号を無線で送受信可能な如何なる形式のアンテナであってもよい。一部の実施形態において、アンテナ258及び278は、2GHzと66GHzとの間の無線信号を送信/受信するように動作可能な、1つ以上の無指向性アンテナ、セクタアンテナ又はパネルアンテナを有し得る。無指向性アンテナは、あらゆる方向に対して無線信号を送信/受信するために使用され、セクタアンテナは、特定領域内の装置に対して無線信号を送信/受信するために使用され、パネルアンテナは、比較的直線的に無線信号を送信/受信するために使用される見通し線(ライン・オブ・サイト)アンテナとし得る。一緒になって、無線機252及びアンテナ258、無線機272及びアンテナ278、の各々は無線インタフェースを形成する。
【0039】
通信インタフェース256は、fBS250とネットワーク205との間での信号及び/又はデータの有線通信に使用され得る。例えば、通信インタフェース256は、ネットワークアクセス装置251上の対応するインタフェース(例えば、イーサネット(登録商標)インタフェース)に適合したインタフェース(例えば、RJ−45)を有し得る。図示していないが、エンドポイント270も有線インタフェースを含んでいてもよい。
【0040】
fBS190に関して上述したように、fBS250は、本質的に、家庭又はオフィスに有限な受信可能領域を提供する小型基地局であり得る。fBS250は、実施形態及び構成に応じて、公衆的であってもよいし私的であってもよい。fBS250は、WiMAXサービスプロバイダがバックホール接続を供給するのとは異なり、ネットワークアクセス装置251を介したユーザのネットワークアクセスを頼りにして、ネットワーク205cへのバックホール接続を提供し得る。
【0041】
ネットワークアクセス装置251は、オーナーにインターネットアクセスを提供するために使用され得る。fBS250は、WiMAXネットワーク205cへの自身のバックホール接続に、インターネットアクセスを使用し得る。ネットワークサービスの種類及び/又はユーザのサービスプロバイダに応じて、ネットワークアクセス装置251は、ケーブルモデム、デジタル加入者回線(DSL)モデム、光ファイバモデム、その他のモデム、ゲートウェイ、又はオーナーのネットワークサービスプロバイダにより提供されるネットワークアクセス装置とし得る。オーナーは、fBS250とネットワークアクセス装置251との間に、如何なる数のルータ、スイッチ及び/又はハブを有していてもよい。
【0042】
バックホール接続を構築する部分として、fBS250はネットワークアクセス装置251と通信し得る。ネットワークアクセス装置251は、ユーザのISPによって提供された、あるいは権限を与えられたものであってもよく、ISPのネットワーク205aへのアクセスをfBS250に提供し、その後、ISPのネットワーク205aが、ネットワーク205bを介したネットワーク205cへのアクセスを許可し得る。ネットワーク205aにアクセスすることは、モデム241がISPのモデム222と交信することを伴い得る。
【0043】
ISPは、ユーザにインターネットアクセスを提供するに当たり、1つ以上のサーバ224(例えば、OAM&Pサーバ、AAAサーバ、DHCPサーバ)を操作し得る。例えば、ユーザは、デジタル加入者回線(DSL)プロバイダとのネットワークアクセス用のDSLアカウントを有していてもよい。サーバ224は、ユーザが料金の支払いを済ましてDSLプロバイダと良好な状態にあることを確かなものとし得る。
【0044】
ISPゲートウェイ226は、ISPネットワーク205aをインターネット(例えば、ネットワーク205b)と接続し得る。これは、fBS250がインターネットを介してWiMAXネットワーク205cにアクセスすることを可能にする。ネットワーク205aをインターネットと接続するに当たり、ゲートウェイ226は必要なフォーマット機能及び/又はセキュリティ機能を実行してもよい。
【0045】
WiMAXネットワーク205cは、それ自身のゲートウェイ234及びサーバ232を有し得る。ISPネットワーク205aのゲートウェイ及びサーバと同様に、ゲートウェイ234及びサーバ232は、ユーザが有効なWiMAXアカウントを有すること、及びネットワーク205cが例えばネットワーク205b等のその他のネットワークと通信できることを確保し得る。サーバ232はまた、fBS250の様々な特徴及び機能を提供するために使用され得る情報、データ、命令及び/又はロジックを格納していてもよい。例えば、サーバ232はfBS250に、エンドポイント270との無線接続290に関するチャネル情報を提供してもよい。
【0046】
エンドポイント270は、fBS250との間でデータ及び/又は信号の送信及び受信を行うことが可能な如何なる種類のエンドポイントであってもよい。エンドポイント270の取り得る種類は、デスクトップコンピュータ、PDA、セル方式携帯電話、スマートフォン、ノート型コンピュータ、及び/又はVoIP電話を含み得る。
【0047】
図2Aは、無線機252及びPHY/HWブロック254の一実施形態をより詳細に例示している。無線機252は、低域通過フィルタ262に結合された増幅器260を含んでいる。低域通過フィルタ262の出力は増幅器264に結合される。この構成により、無線機252は、増幅器260を用いて受信信号を増幅し、低域通過フィルタ262を用いて受信信号をフィルタリングし、増幅器264を用いて、フィルタリングされた信号を増幅し得る。受信信号は:
【数1】
と表し得る。ただし、Cm[i]は、レンジングスロットtでレンジングコードを送信するM個のユーザのうちのm番目のユーザからのi番目の副搬送波におけるレンジングコードであり、n(t)はスロットtにおけるノイズ信号であり、SFは1つのレンジング用サブチャネルで使用される副搬送波の数であり、Nは多重伝搬チャネルの数であり、TbはOFDMAシンボル期間であり、tTTDは伝送時間の遅延を表す。i番目の副搬送波のチャネルモデルは:
【数2】
と表すことができる。ただし、Aは減衰係数であり、αはランダムな大きさであり、exp{j}はランダムな位相であり、τはi番目のパスのマルチパス遅延である。
【0048】
PHY/HW254は、アナログ−デジタル変換器280、高速フーリエ変換(FFT)282、相関器284−294、及び比較器296を含んでいる。PHY/HW254は、増幅器264から増幅された信号を受信し、ADC280を用いて該信号をデジタル形式に変換し得る。ADC280から出力されるデジタル信号は、FFT282を用いて周波数ドメインに変換され得る。FFT282の出力は相関器284−294に送信される。相関器284−294は、FFT282の出力を分析し、該信号内に様々なコード又はシンボル(例えば、レンジングコード等)が存在するかを決定し得る。相関器284−294は、コード又はシンボルが検出されたかを指し示す信号を出力し得る。これは:
【数3】
に従って行われ得る。ただし、生じ得る全ての伝送時間遅延及びクロックオフセット値がΔtで表されている。Rは、複数のスロットにまたがる相関を計上する値を提供する。相関器284−294によって出力される信号の強度は、信号内に存在するコード又はシンボルを正しく識別する統計的な可能性に依存して増大あるいは低減される。比較器296は、相関器284−294によって決定された検出シンボル又はコードが一組の所定のシンボル又はコードと一致するかを決定し得る。
【0049】
これまで、幾つかの異なる実施形態及び特徴を提示してきた。特定の実施形態は、これらの特徴の1つ以上を、動作上の必要性及び/又は要素の制約に応じて組み合わせ得る。これは、様々な組織及びユーザのニーズに対するネットワーク200の多大な適応性を可能にし得る。以下、これらの構成要素が特定の実施形態の機能を提供するためにどのように相互作用するかを説明する助けとなるよう、幾つかの例を説明する。
【0050】
再び図2を参照するに、エンドポイント270aは、一部の実施形態において、fBS250とのレンジングセッションに入ることにより、ネットワークに参入することを試み得る。この試みに先んじて、エンドポイント270a及びfBS250は通信セッションにあり、1つ以上のパラメータが例えばMAC/SWブロック257及び277に格納されているとし得る。これらのパラメータは、エンドポイント270aの動作能力、エンドポイント270aに関する認証情報、及びエンドポイント270aとfBS250との間で共有された暗号パラメータを含み得る。格納された暗号パラメータを用いて、エンドポイント270aは、PHY/HWブロック274及び/又はMAC/SWブロック277を用いて、レンジングコードセットを選択するために使用する乱数を生成し得る。エンドポイント270aは、無線機272及びアンテナ278を用いて、生成したレンジングコードセットをfBS250に送信し得る。fBS250は、無線機252及び/又はアンテナ258を用いて、送信された該レンジングコードセットと、その他のエンドポイント(例えば、エンドポイント270b等)によって送信されたその他のレンジングコードとを受信し得る。レンジングコードの受信の前、最中又は後に、fBS250は、暗号パラメータを用いて、レンジングコードセットを生成し得る。fBS250は、該レンジングコードセットを、PHY/HWブロック254及び/又はMAC/SWブロック257を用いて生成してもよい。相関器284、286、288、292及び294と比較器296とを用いて、fBS250は、受信したレンジングコードがfBS250によって生成されたレンジングコードセットと一致するかを決定し得る。受信したレンジングコードの一部が一致する場合、fBS250は、エンドポイント270aを優先エンドポイントと認識して、エンドポイント270aとネットワーク参入手順を開始し得る。エンドポイント270aによって開始されるネットワーク参入手順は、一部の実施形態において、格納されたパラメータを用いることによって短縮され得る。故に、fBS250は、MAC/SWブロック257を用いて、エンドポイント270aに関する格納パラメータを検索し、エンドポイント270aのネットワーク参入を容易にするように進め得る。特定の実施形態において、エンドポイント270aは、特定のレンジングコードセットで送信することを必要とせずに、優先的なものとして認識されてもよい。このような及びその他の実施形態において、エンドポイント270aは、fBS250との通常のレンジングセッションの後に認証コードを送信してもよい。fBS250は、該認証コードを用いて、エンドポイント270aを優先的なものとして識別し得る。このような認証コードの一例は、暗号に基づくメッセージ認証コード(cipher-based message authentication code;CMAC)タイプ−レングス−バリュー(TLV)である。従って、優先エンドポイント270aは、全ての方法が特別なレンジングコード手順を用いることを必要とするわけではない多様な方法で、優先的なものとしてfBS250によって認識され得る。
【0051】
一部の実施形態において、エンドポイント270bは、エンドポイント270aと構成要素に関して同様に構成されてもよく、やはり、fBS250とのレンジングセッションに入ることにより、ネットワークに参入することを試み得る。エンドポイント270aと対照的に、エンドポイント270bは、1つ以上のレンジングコードをランダムに選択して、fBS250に送信してもよい。従って、一部の実施形態において、fBS250によって受信されるレンジングコードは、共有暗号パラメータに従ってエンドポイント270aによって選択されたレンジングコードと、エンドポイント270bによって送信された、ランダムに選択された1つ以上のレンジングコードとの双方を含み得る。エンドポイント270aによって送信されたレンジングコードの処理の前、最中又は後、fBS250は、エンドポイント270bから受信した通信が認識可能なレンジングコードであったかを決定し得る。認識可能なものであった場合、fBS250はエンドポイント270bとのネットワーク参入手順に入り得る。しかしながら、このネットワーク参入手順は、fBS250が、PHY/HW254及び/又はMAC/SWブロック257内に存在するとし得るメモリ素子内に、エンドポイント270bに関するパラメータを格納していない点で、エンドポイント270aとのネットワーク参入手順を開始とは異なり得る。その結果、fBS250は、エンドポイント270bのネットワーク参入を容易にするためにfBS250が使用し得る情報及びパラメータをエンドポイント270bと通信するため、メッセージの送信及び受信を行う必要がある。
【0052】
以上の例においては、エンドポイント270aは優先エンドポイントと見なされ、エンドポイント270bは非優先エンドポイントと見なされる。エンドポイント270aは、例えば、fBS250のオーナーに関連していてもよく、エンドポイント270bは、fBS250によって提供されるネットワークの単なる1ユーザに関するエンティティに付随していてもよい。一部の実施形態においては、fBS250は公衆fBSとしてもよい。そのような場合、エンドポイント270aは、優先的に取り扱われるべく支払いをしたユーザ又はユーザ群に関連していてもよく、エンドポイント270bに関連するエンティティはそうしていないものであってもよい。従って、エンドポイント270a及び270bには多様な状況が存在し得るが、様々な実施形態において、fBS250は、何れのエンドポイントを優先的に取り扱うかを、受信したレンジングコードを用いて検出し得る。
【0053】
これまで、幾つかの異なる実施形態及び特徴を提示してきた。特定の実施形態は、これらの特徴の1つ以上を、動作上の必要性及び/又は要素の制約に応じて組み合わせ得る。これは、様々な組織及びユーザのニーズに対するネットワーク200の多大な適応性を可能にし得る。
【0054】
図3Aは、通信セッション中のfBSとエンドポイントとの間でのパラメータ交換の一実施形態を例示するフローチャートである。図3Bは、フェムト基地局と優先エンドポイントとの間でのレンジング処理の一実施形態を例示するフローチャートである。一般に、図3A−3Bに示すステップ群は、必要に応じて、組み合わされ、変更され、あるいは削除されてもよく、また、この処理の例に更なるステップが追加されてもよい。さらに、記載のステップ群は好適な如何なる順序で実行されてもよい。
【0055】
ステップ305にて、一部の実施形態において、fBSは或るエンドポイントにネットワークアクセスを提供し得る。この通信セッション中、例えばステップ307にて、該エンドポイントは優先エンドポイントとして認識され得る。これは、該エンドポイントによってfBSに送信された、優先的地位を要求するメッセージ、インストールの最中又は後にfBS内に構築された設定、及び/又はfBSにてネットワークから受信された、fBSが該エンドポイントを優先的なものとして取り扱うことを要求するメッセージ、に応答して行われ得る。ステップ305の通信セッションの開設にて使用されたパラメータは、該エンドポイントが優先的なものとして認識されたことに応答して、ステップ310にて、fBS及び該エンドポイントに格納され得る。これらのパラメータは、通信セッションを認証し且つ/或いは容易にするために使用される通信パラメータを含み得る。これらのパラメータはエンドポイント及び/又はfBSの能力を指し示してもよい。格納パラメータはまた、識別パラメータを含んでいてもよい。これは、fBSによって優先エンドポイントとして取り扱われることの、エンドポイントによる承認に応答して行われてもよい。一部の実施形態において、fBS及びエンドポイントは、現通信セッションの後に別の通信セッションに入ることを望むとき、更に後述するように、より速く通信セッションに入れるように格納パラメータを用いてもよい。
【0056】
ステップ315にて、一部の実施形態において、fBS及びエンドポイントは1つ以上の暗号パラメータを交換し得る。これは、該エンドポイントが優先エンドポイントとしてfBSによって取り扱われるべきであると決定されたことに応じて行われ得る。暗号パラメータは、暗号的に安全な疑似乱数を生成するために使用されてもよい。暗号パラメータは一部の実施形態においてfBSによって生成されてもよい。このパラメータは、エントロピー入力を含んでいてもよく、また、各エンドポイント固有に生成されてもよい。暗号パラメータを生成するために使用され得るパラメータの例は、信用証明、フレーム番号、MACアドレス、又はそのエンドポイント及びその通信セッションに基づくその他の項目を含む。暗号パラメータは、fBSとエンドポイントとの間で暗号的に伝送され得る。1つの好適な暗号法は、トラフィック暗号鍵(TEK)によるAES−CCM(Advanced Encryption Standard CTR Mode with CBC-MAC)である。その他の好適な暗号法も採用され得る。一部の実施形態において、上記1つ以上の暗号パラメータは、通信フレームごとに異なり且つエンドポイントごとに固有なものにされ得る。
【0057】
ステップ305にて発生された通信セッションが終了した後、該エンドポイントは、優先エンドポイントとして識別されることを望んで、該fBSとの新たな通信セッションを構築しようとしてもよい。一部の実施形態において、これを達成するため、例えばステップ320にて、該エンドポイントによって、暗号パラメータを用いてレンジングコードセット及びレンジングスロットが選択され得る。例えば、エンドポイントは、交換した暗号パラメータを用いて乱数を生成し得る。乱数の生成には、ブロック暗号に基づくDRBG機構のカテゴリーのAES−128アルゴリズムが使用されてもよい。乱数は、暗号的に安全な疑似乱数発生器を用いて生成されてもよい。レンジングコード及びレンジングスロットは、一組のレンジングコード及びレンジングスロットから選択するためのインデックスとして乱数の1つ以上のビットを選択することによって、乱数を用いて決定されてもよい。例えば、レンジングスロットを開始することは、一組のレンジングスロットへのインデックスとして乱数の第1最上位バイトを用いることによって選択され得る。各レンジングコードは、一組のレンジングコードへのインデックスとして乱数の一部を用いることによって選択されてもよい。例えば、i番目のレンジングコードは、一組の利用可能なレンジングコードへのインデックスとして乱数のi+1番目の最上位バイトを用いることによって選択され得る。また、同様に乱数を用いて確認コードが生成されてもよく、例えば、確認コードを選択するためのインデックスとして、乱数の最下位バイトが用いられ得る。
【0058】
ステップ325にて、エンドポイントは、ステップ320にて決定されたレンジングスロットにて、レンジングコードをfBSに送信し得る。エンドポイントは、優先エンドポイントとして識別されるために、1つのレンジングコードではなく、レンジングコードセットをfBSに送信してもよい。斯くして、エンドポイントは、更に後述するように、ネットワークにアクセスすることに関して、fBSによる優先的取扱を受け得る。
【0059】
ステップ330にて、一部の実施形態において、fBSは、レンジングスロット内のレンジングコードを表す受信信号を分析し得る。このステップにて検出が行われ、fBSは、もし存在すれば何れのレンジングコードが受信されたかを決定する。この検出は相関器を用いて行われ、相関器の出力として相関値が決定され、相関値が閾値を超える場合に一致が決定される。この検出処理の前、最中又は後に(例えば、ステップ335にて)、各レンジングスロットに対して伝送時間遅延(TTD)が決定されてもよい。ステップ330及び335を達成するために、図2及び2Aに関して説明した実施形態が用いられ得る。
【0060】
ステップ340にて、一部の実施形態において、検出されたレンジングコードが分析され、これらのレンジングコードが、優先エンドポイントから送信されたレンジングコードセットを含んでいるかが決定される。fBSは、受信したレンジングコードと比較するため、ステップ320にて優先エンドポイントが行ったのと同様にして、一組のレンジングコード及びレンジングスロットを選択してもよい。受信したレンジングコードを、fBSが生成した組と比較することには、多様な手順を用いることができ、以下、これをどのように達成するかという一例を説明する。一部の実施形態において、受信したレンジングコードは、各レンジングスロットにおけるそれらのTTD値とともに、認識コード識別子(Recognized Code Indicator;RCI)行列及び伝送時間遅延(TTD)行列という2つの行列に記録される。一部の実施形態において、RCI[i,j]は、コードiがスロットjに現れるとき1に等しく、それ以外のとき0に等しい。RCI行列の第i行第j列の要素RCI[i,j]は、コードiがスロットjに現れたかの指標を表す。TTD行列の第i行第j列の要素TTD[i,j]は、スロットjに現れたコードiの伝送時間遅延を表す。fBSは、検出したレンジングコードが、優先エンドポイントから送信されたはずのレンジングコードのベクトルと一致するかを決定する。或る1つのフレームを考えると、優先エンドポイントユーザuからの一連のレンジングコードは、レンジングスロットSTuから始まりレンジングスロットSTu+K−1までの(FC[STu],STu+1,・・・,FC[STu+K−1])である。ユーザuに関するRCI及びTTDの表現を:
− RCIu={rciu[0],rciu[1],・・・,rciu[K−1]}、
ただし、rciu[i]=RCI[FCu[STu+i],STu+i]
− TTDu={ttdu[0],ttdu[1],・・・,ttdu[K−1]}、
ただし、ttdu[i]=TTD[FCu[STu+i],STu+i]
と簡略化する。故に、
【数4】
の場合に限り、レンジングスロットSTuから始まりレンジングスロットSTu+K−1までのユーザuからの一組のレンジングコードを検出する処理を提示することができる。ただし、TH1は、所定のレンジングコードセットのベクトルの長さKの関数である定数である。一般に、TH1の選択は、優先エンドポイントから送信されたレンジングコードセットを首尾良く検出する確率と、異なるエンドポイントからの複数の単一レンジングポイントを誤検出する確率との間のトレードオフを考慮する。TH1の値が高いほど(すなわち、Kに近いほど)、優先エンドポイントから送信されたレンジングコードセットを首尾良く検出する確率は低くなるが、同時に、優先エンドポイントから送信されたレンジングコードセットを誤って検出する確率も同様に低くなる。従って、一部の実施形態において、fBSは、優先エンドポイントがレンジングコードセットを提示したことを認識するまで、優先エンドポイントによって送信されたレンジングコードセットのうちの部分集合のみを検出してもよい。fBSは、受信した検出レンジングコードの一部が優先エンドポイントによって送信されたであろうレンジングコードセットに一致すると決定した場合、ステップ345に進み得る。fBSは、受信したレンジングコードが優先エンドポイントによって送信されたかもしれないレンジングコードセットに一致しないと決定した場合、受信したレンジングコードを、異なるエンドポイントによって送信された個別のレンジングコードとして取り扱い得る。
【0061】
ステップ345にて、一部の実施形態において、fBSは、全てのレンジングスロット内の識別された一組のレンジングコードがほぼ同一のTTDを有するかを検査し得る。これらのコードは全て、同一の優先エンドポイントから送信されたはずだからである。TTDの最大許容差をεとする。一組のレンジングコードが同一の優先エンドポイントからのものであるかは、
【数5】
に従って検査することができる。ただし、Δtはレンジングスロット群の推定平均伝送時間遅延である。換言すれば、首尾良く受信されたレンジングコード群の平均TTD差がεより小さい場合、これらのコードは同一のエンドポイントからであると見なすことができる。その他の好適方法も採用され得る。fBSは、検出した一組のレンジングコードが同一のエンドポイントからであると決定した場合、ステップ350に進み得る。そう決定しなかった場合、fBSは、受信したレンジングコードを、該レンジングコードの全てが優先的地位を有しないエンドポイント群によって送信されたものであるかのように処理し得る(すなわち、通常のレンジング手順)。
【0062】
一部の実施形態において、fBSはTTD差を用いて、優先的でないエンドポイントによって送信されたレンジングコードを分析してもよい。例えば、悪意のエンドポイントは、構築されたプロトコルに反することであるが、ネットワークに入るよう選択される確立を高めるために、複数のレンジングコードで送信することがある。受信したレンジングコードに関するTTD値を比較することにより、fBSはそのような悪意ある行動を検出し、そのようなエンティティにネットワークに入る機会を割り当てないようにすることができる。様々な実施形態において、一組のレンジングコードが同様のTTD値を含むが、優先エンドポイントによって生成されたレンジングコードセットと一致しない場合、fBSは、該一組のレンジングコードは不正を働くエンドポイントによって送信されたものであると推察し、それらのレンジングコードを無視してもよい。
【0063】
ステップ350にて、一部の実施形態において、fBSは優先エンドポイントに、アクセスが許可されたことを指し示すメッセージを送信し得る。fBSは、受信したレンジングコードセットによってエンドポイントの身元を認識し得る。この認識に基づき、fBSは、該エンドポイントにネットワークへの参入を提供することを容易にするよう、例えばステップ310にて格納されたパラメータ等、パラメータを検索し得る。エンドポイントへのメッセージは、例えば割当て情報など、ネットワークに入るためにエンドポイントが使用し得る情報を含んでいてもよい。好適なメッセージは、IEEE802.16(e)仕様書にて与えられているCDMA割当てIEメッセージを含み得る。セキュリティ信用証明はfBS及びエンドポイントによって検証され得る。例えば、ステップ360にて、エンドポイントは認証コードをfBSに送信し得る。一部の実施形態において、これは暗号に基づくメッセージ認証コード(CMAC)であってもよい。この認証コードを送信するために使用されるメッセージは、IEEE802.16(e)プロトコルにて与えられているようなRNG−REQメッセージとしてもよい。fBSはこの認証コードを検証し、該認証コードが検証された後、メッセージをエンドポイントに提供し得る。例えば、fBSは、優先エンドポイントと共有するCMAC鍵に基づいてfBSによって生成された認証コードを含むRNG−RSPメッセージ(IEEE802.16(e)プロトコルにて与えられている)を用い得る。
【0064】
fBSはまた、優先エンドポイントによって送信された一組のコードに属さない受信レンジングコードを処理し得る。fBSは、先ず、優先エンドポイントにネットワークへの参入を割当て、その後、利用可能なリソースが残されている場合に、その他の受信レンジングコードの何れかに割当てで応答することをランダムに選択し得る。一部の実施形態において、fBSは、優先エンドポイントがネットワークに入ろうと試みていることを決定すると、レンジングセッションに参画しているその他のエンドポイントには如何なる割当ても提供しないと決定してもよい。
【0065】
ステップ370にて、一部の実施形態において、エンドポイントは、通信セッションのための参入処理を完了し、ネットワークと通信することが可能になる。故に、一部の実施形態において、レンジングコードセットを送信することにより、エンドポイントはネットワークへの優先アクセスを与えられ得る。
【0066】
図4及び5は、それぞれ、エンドポイント及びfBSの一実施形態に係る状態図を示している。図示した状態図は、優先エンドポイントが優先的なものであると識別されるためにレンジングコードセットをfBSに送信した後に、優先エンドポイント及びfBSが入る様々な状態を例示している。レンジングコードセットを送信した後、優先エンドポイントは、fBSからの応答を待つ間、状態402に留まり得る。fBSは状態502にあり、レンジングコードを受信するよう待機している。優先エンドポイントは、状態402に入る時にタイマーを設定し得る。優先エンドポイントがfBSからの通信を受信する前にタイマーが満了すると、優先エンドポイントは時間切れ状態である状態406に入り得る。そして、優先エンドポイントは状態408に進み、エンドポイントが1つのレンジングコードのみを送信し得る通常のレンジングセッションに入る。一部の実施形態において、優先エンドポイントは、優先エンドポイントとしてネットワークに参入することを再度試み、そのために別のレンジングコードセットを送信してもよい。そのような実施形態においては、優先エンドポイントは時間切れの後、状態408の代わりに状態402に進み得る。
【0067】
fBSはレンジングコードを受信すると状態504に移行し得る。状態506にて、fBSは、受信したレンジングコードを検出し、優先エンドポイントからのレンジングコードセットが送信されたかを決定するよう試みる。これは、一部の実施形態において、図2及び3にて説明したようにして行われ得る。状態508にて、fBSはレンジングセッションが成功したかを決定し得る。これは、上述のように、レンジングコードの検出、及び/又はエンドポイントが優先的に取り扱われるために送信されたレンジングコードセットの検出に関連する確率に基づき得る。レンジングが成功でない場合、fBSは状態514に入り、状態520においてのように、継続するメッセージを優先エンドポイントに送信する(例えば、RNG−RSPメッセージで応答する)か、状態516においてのように、レンジングセッションを中止するかの何れかを行い得る。これらのメッセージの各々は、一部の実施形態において、IEEE802.16(e)プロトコルにて与えられているRNG−RSPコマンドを用いて送信されてもよい。fBSが優先エンドポイントに継続メッセージを送信した場合(状態520)、fBSは状態502に戻り、レンジングコードセットを受信するのを待つ。一方、fBSが(状態516においてのように)中止メッセージを送信した場合、fBSは状態518に移行し、レンジングセッションを中止し得る。
【0068】
fBSが状態516においてのように中止メッセージを送信した場合、優先エンドポイントは状態408に移行し得る。fBSが成功又は継続のメッセージを送信した場合、優先エンドポイントは状態410に移行し、fBSから受信したメッセージに基づいて1つ以上のローカルパラメータを調整し得る。一部の実施形態において、これは行われる必要がなくてもよく、fBSは直接的に状態412に進んでもよい。状態412にて、優先エンドポイントは、fBSから受信したメッセージが継続メッセージ又は成功メッセージであるかを決定し得る。それが継続メッセージである場合、優先エンドポイントは状態414にて、レンジングコードを再送信するために別のレンジング機会を待ち得る。一部の実施形態において、エンドポイントは別のレンジングコードセットを送信してもよい。fBSから受信したメッセージが成功メッセージである場合、優先エンドポイントは状態416にて、fBSからの割当てを待ち得る。優先エンドポイントが状態416に移行する前又は後、優先エンドポイントはタイマーを開始させてもよい。fBSからの割当ての受信前に該タイマーが満了した場合、エンドポイントは状態418に入り、通常のレンジング手順を使用することを試みることによって状態420に進み得る。一部の実施形態において、エンドポイントは、時間切れ状態418に入った後、優先エンドポイントとして取り扱われるよう、レンジングコードセットを送信することを再度試みてもよい。
【0069】
fBSは、優先エンドポイントを識別するものとしてレンジングコードセットを首尾良く検出した場合、状態510に入り得る。状態510にて、fBSは、優先エンドポイントがネットワークに参入するための割当てを含むメッセージを送信し得る。一部の実施形態において、このメッセージは、IEEE802.16(e)プロトコルにより与えられているようなフェムトCDMA割当てIEとしてもよい。そして、fBSは状態512に移行し、優先エンドポイントからの認証パラメータを待ち得る。このパラメータは、fBSとエンドポイントとの間での通信セッションの保護及び/又は認証を行うために使用されるパラメータを含み得る。例えば、fBSは暗号に基づくメッセージ認証コード(CMAC)パラメータを待ってもよい。
【0070】
エンドポイントは状態422にて割当てを受信し得る。そして、エンドポイントは状態424に移行し、1つ以上の認証コード(例えば、CMACパラメータ等)をfBSに送信し得る。一部の実施形態において、エンドポイントは、fBSへのCMACパラメータを含むRNG−REQメッセージ(IEEE802.16(e)プロトコルにより与えられている)を用いてもよい。そして、エンドポイントは、状態426にてタイマーを開始させ、状態428にてfBSからの応答を待ち得る。fBSが応答する前に該タイマーが満了した場合、エンドポイントは時間切れ状態430に入り且つ状態432に進み、優先エンドポイントとして取り扱われることを試みないfBSとの通常のレンジングセッションに入ることを試み得る。一部の実施形態において、エンドポイントは、通常のレンジングセッションに入ることに代えて、優先的に取り扱われるために、レンジングコードセットを送信することを再度試みてもよい。
【0071】
状態522にて、fBSは優先エンドポイントから認証パラメータを受信し得る。fBSは、状態524にて認証パラメータを検証するために進み得る。一部の実施形態において、これは、エンドポイントによって送信されたCMACパラメータを検証することを含み得る。検証が失敗した場合、fBSはレンジング処理を中止し状態518に入り得る。検証が成功した場合、fBSはエンドポイントにメッセージを送信し、状態525にて、このエンドポイントに関する格納パラメータを検索し得る。このメッセージは、例えばCMACパラメータ等の認証パラメータを含むことができ、IEEE802.16(e)プロトコルにより与えられているRNG−RSPメッセージを用いて送信されてもよい。エンドポイントは、状態434にてこのメッセージを受信し、状態436にて認証コードを検証し得る。エンドポイントがこのメッセージ又は認証パラメータ(例えば、CMACパラメータ等)を検証することができない場合、エンドポイントは状態432に進み、優先エンドポイントとして取り扱われるよう試みないfBSとの通常のレンジングセッションに入ることを試み得る。一部の実施形態において、エンドポイントは、通常のレンジングセッションに入ることに代えて、優先的に取り扱われるために、レンジングコードセットを送信することを再度試みてもよい。エンドポイントがこのメッセージ及び/又はパラメータを検証することができる場合、エンドポイントは、段階437にてfBSの格納パラメータを検索し、fBSも動作状態526に入る動作状態438に進み、ネットワークに参入し得る。
【0072】
図4及び5に関連して説明した実施形態は、ネットワーク参入手順がどのように強化され得るかを例示するものである。さらに、一部の実施形態においては、エンドポイントが優先的なものであると認識した後に、fBSは、以前の通信セッション中の該エンドポイントに関する格納情報を検索してもよい。以前の通信セッション中、エンドポイントはfBSがパラメータをキャッシュに格納することを要求することがあり得る。このような要求は、一部の実施形態において、IEEE802.16(e)プロトコルにより与えられているREG−REQ型メッセージを用いて送信されてもよい。fBSは、これに応答して、例えば能力情報、デフォルトのサービスフローの設定、及びエンドポイントのSTID等の識別情報などの、エンドポイントに関する情報を保存し得る。情報を保存した後、fBSは、同様にエンドポイントにfBSに関する情報を保存させ得る、パラメータをキャッシュに格納したことを確認するメッセージで応答してもよい。fBSは、IEEE802.16(e)プロトコルにより与えられているREG−RSP型メッセージを用いてもよい。これは、通常のネットワーク参入手順の1つ以上のステップを省略することを可能にし得る。これらのステップは、能力情報の交換、登録、及び/又はデフォルトフローの設定を含み得る。これは、一部の実施形態において、IEEE802.16(e)プロトコルにおけるネットワーク参入手順を短縮するために使用され得る。
【0073】
強化されたレンジング処理の幾つかの実施形態についての理論的分析を、この処理の実行可能性及び実現可能性を示すために説明する。表1は、この分析において使用されるシンボルの定義を示している。
【表1】
【0074】
先ず、単一のレンジングコードの場合を検討する。2つ以上の局が同一のレンジングスロットで送信される同一のコードを選択する場合にレンジング処理は失敗すると仮定する。換言すれば、レンジング処理は、衝突が発生しない場合にのみ成功する。様々な理由により、衝突が発生しない場合であっても、レンジングの成功確率は1となることは保証されない。pは、衝突状態がない場合のレンジングの成功確率を表すために用いられ、1より小さい。エンドポイントuに関し、そのレンジングコードを復号する成功確率は:
Pr[ユーザuの成功]=Pr[成功|衝突なし]・Pr[衝突なし]=p・Pr[衝突なし]
であり、
【数6】
である。故に、
【数7】
である。
【0075】
次に、M個のエンドポイントのうちのm個がアクティブな優先エンドポイントであるとする。各優先エンドポイントがK個の連続したレンジングスロット上でK個のレンジングコードを送信する。この状況は、単一のレンジングコードを送信するエンドポイントがM+(K−1)m個存在する場合と等価である。衝突の確率は、1つのフレーム中により多くのレンジングコードが送信されることによって増大するが、以下に示すように、確率の増大は小さいものである。
【0076】
総数K個のレンジングコードのうちのTH1個のレンジングコードが首尾良く検出されるかというレンジングコードセットの場合の確率は、
【数8】
である。パラメータが適切に選択される場合、レンジングコードセットを首尾良く検出する確率は、単一のレンジングコードを検出する場合より遙かに高い。表1の右欄に列挙したパラメータ値を用いた分析の結果を図6に示す。x軸はTH1を示し、y軸はユーザからの1つのレンジングコードセットを首尾良く検出する確率Pfsを表している。TH1=3且つm=5のときPfs=0.9771であり、これは、M=100の場合に単一のレンジングコードを首尾良く検出する確率Ps=0.8074より遙かに高い。
【0077】
一方、複数の異なるエンドポイントによって送信された一組のレンジングコードを誤検出する確率は、以下のように考察することができる(ここではTTDの一貫性は考慮しておらず、この分析は、後処理のステップ2のみを考慮しているため控えめなものである):
【数9】
TH1=3且つm=5のときPfa=3.815×10−4であり、TH1=4且つm=5のときPfa=4.470×10−6である。
【0078】
図7A及び7Bは、専用のレンジングコードを用いる強化されたネットワークレンジング手順の一実施形態を示すフローチャートである。一般に、図7A及び7Bに示すステップ群は、必要に応じて、組み合わされ、変更され、あるいは削除されてもよく、また、この処理の例に更なるステップが追加されてもよい。さらに、記載のステップ群は好適な如何なる順序で実行されてもよい。
【0079】
図7Aを参照するに、ステップ705にて、一部の実施形態において、fBSはネットワークへのアクセスをエンドポイントに提供し得る。この通信セッション中、エンドポイントは、例えばステップ707にて、優先エンドポイントとして認識され得る。これは、該エンドポイントによってfBSに送信された、優先的地位を要求するメッセージ、インストールの最中又は後にfBS内に構築された設定、及び/又はfBSにてネットワークから受信された、fBSが該エンドポイントを優先的なものとして取り扱うことを要求するメッセージ、に応答して行われ得る。ステップ705の通信セッションの開設にて使用されたパラメータは、該エンドポイントが優先的なものとして認識されたことに応答して、ステップ710にて、fBS及び該エンドポイントに格納され得る。これらのパラメータは、通信セッションを認証し且つ/或いは容易にするために使用される通信パラメータを含み得る。これらのパラメータはエンドポイント及び/又はfBSの能力を指し示してもよい。格納パラメータはまた、該エンドポイントがfBSに接続されるときに構築されるデフォルト接続のパラメータを含んでいてもよい。格納パラメータはまた、識別パラメータを含んでいてもよい。例えば、エンドポイントは、fBSに関するMACアドレス及びCMAC TLVパラメータを格納し、fBSはエンドポイントに関する同様の情報を格納し得る。ネットワーク参入手順中に交換されるその他の情報も、エンドポイント及び/又はfBSによって格納されてもよい。これは、エンドポイントが、fBSによって優先エンドポイントとして取り扱われることを要求すること応答して行われてもよい。一部の実施形態において、fBS及びエンドポイントが、現通信セッションの後にfBSが該エンドポイントにネットワークへのアクセスを提供する別の通信セッションに入ることを望むとき、fBS及びエンドポイントは、更に後述するように、より速く通信セッションに入れるように格納パラメータを用いてもよい。
【0080】
ステップ715にて、一部の実施形態において、fBS及び/又はエンドポイントは、後続の通信セッション中に使用するレンジングコードを決定し得る。これは、エンドポイントがfBSによって優先エンドポイントとして取り扱われるべきと決定したことに応答して行われ得る。レンジングコードは、強化されたネットワーク参入手順を優先エンドポイントに提供するために使用される特別あるいは専用のレンジングコードとし得る。fBSは、1つ以上のレンジングコードを優先エンドポイントによる使用に専用にするように構成され得る。一部の実施形態において、fBSは、ステップ707にて為された決定に従って該エンドポイントを優先的なものとして取り扱うため、これらの専用レンジングコードのうちの1つを、後続の通信セッションにおいて該エンドポイントに使用されるように選択し、この決定を該エンドポイントに送信し得る。
【0081】
ステップ705にて開始された通信セッションが例えばステップ717にて終了した後、エンドポイントは、図7Bに示すように、該エンドポイントが優先エンドポイントとして取り扱われることを望むfBSとの新たな通信セッションを構築しようとしてもよい。これを達成するため、一部の実施形態において、専用レンジングコードが、図7Aの方法のステップ715における決定に基づいてエンドポイントによって選択され、図7Bの方法のステップ720にてfBSに送信される。
【0082】
ステップ730にて、一部の実施形態において、fBSは、1つ以上のエンドポイントから送信されたレンジングスロット内のレンジングコードを表す受信信号を分析し得る。fBSは、もし存在すれば何れのレンジングコードを受信したかを決定する。この検出は相関器を用いて行われ、相関器の出力として相関値が決定され、相関値が閾値を超える場合に一致が決定される。このステップを達成するために、図2−3に関連して説明した実施形態を用い得る。
【0083】
ステップ740にて、一部の実施形態において、fBSは検出したレンジングコードを分析し、これらのレンジングコードが、優先エンドポイントから送信された特別な(あるいは専用の)レンジングコードを含んでいるかを決定し得る。fBSは、受信したレンジングコードの組が専用レンジングコードを含んでいないと決定した場合、何れのエンドポイントも優先的に取り扱わない通常のレンジングセッションに従事するよう進み得る。fBSは、受信したレンジングコードの組が専用あるいは特別のレンジングコードを含んでいると決定した場合、優先エンドポイントがネットワークへのアクセスを得ようとしていることを認識し、ステップ750に進み得る。
【0084】
ステップ750にて、一部の実施形態において、fBSは、ステップ740にて検出した専用レンジングコードを送信したエンドポイントに割当てメッセージを送信し得る。fBSは、一部の実施形態において、このエンドポイントにその他のエンドポイントより大きい優先度を与えるように割当てメッセージを送信し得る。例えば、fBSは、専用レンジングコードを送信したエンドポイントに割当てを送信した後に、その他のエンドポイントに割当てメッセージを送信し得る。他の一例として、fBSは、専用レンジングコードを送信したエンドポイントが現レンジングセッション内で割当てメッセージを受信することを確実にするよう、専用レンジングコードを送信したエンドポイントにその他のエンドポイントより高い優先順位を付けてもよい。一部の実施形態において、この割当てメッセージは、通常のレンジングコード(すなわち、専用/特別でないレンジングコード)で送信したエンドポイントに送信される割当てメッセージとは異なるものにしてもよい。様々な実施形態において、ステップ750にて送信される割当てメッセージに存在し得る1つの相違は、エンドポイントが識別及び/又は認証情報をfBSに送信することを可能にするために該当エンドポイントに割り当てられる帯域幅の大きさが通常より大きいというものである。ステップ760にて、一部の実施形態において、エンドポイントは、ステップ750にて送信された割当てメッセージを受信したことに応答して、識別及び/又は認証情報をfBSに送信し得る。ステップ760にて送信される情報は、例えば、識別パラメータ(例えば、MACアドレス又はSTID(局ID)TLV等)及び/又は認証パラメータ(例えば、CMAC TLV等)を含み得る。このような情報は、IEEE802.16(e)プロトコルのRNG−REQメッセージを用いて送信されてもよい。
【0085】
ステップ770にて、fBSは、ステップ760にてエンドポイントから送信された識別及び/又は認証情報の正当性を確認し得る。例えば、fBSは識別情報(例えば、MACアドレス又はSTID TLV等)を用いて、このエンドポイントが優先エンドポイントであるかを確認し得る。一部の実施形態において、fBSはまた、ステップ760にてエンドポイントによって送信された認証情報を分析し得る。認証情報はエンドポイントに固有とし得る。認証情報は動的に生成されてもよい。一部の実施形態において、認証情報を評価するためにfBSは識別情報を用い得る。例えば、エンドポイントがMACアドレス(又はSTID TLV)及びCMAC TLVを送信する場合、fBSはMACアドレスを用い、該MACアドレスを用いるエンドポイントの格納パラメータにアクセスすることにより、送信されたCMAC TLVの正当性を確認し得る。様々な実施形態において、その他の形態の識別及び/又は認証もステップ760及び770にて使用され得る。fBSが、ステップ760にて送信された情報の正当性を確認することができない場合、fBSは、現レンジングセッションに関して、このエンドポイントにネットワークへのアクセスを提供することを拒否してもよい。一部の実施形態において、これは、実際には優先エンドポイントでないにもかかわらず、ネットワークへの優先アクセスを得るために特別/専用レンジングコードを嗅ぎ付けて使用するエンドポイントを、fBSがふるい落とすことを可能にし得る。fBSがステップ760にて送信された情報の確認に成功した場合、fBSは、ネットワーク参入処理を容易にするため、このエンドポイントに関する格納パラメータを検索し得る。このパラメータは、ステップ710にて格納された情報を含み得る。
【0086】
ステップ780にて、一部の実施形態において、fBSは、ステップ770にて正当性を確認された情報を有するエンドポイントに、識別及び/又は認証情報を送信し得る。例えば、fBSはMACアドレス(又は、STID TLV)及び/又はCMAC TLVを送信し得る。一部の実施形態において、この情報はIEEE802.16(e)プロトコルのRNG−RSPメッセージにて送信されてもよい。エンドポイントは、ステップ770にて説明したfBSと同様にして、この情報の正当性を確認し得る。この確認が成功した場合、エンドポイントは、例えばステップ710にて格納された情報など、fBSに関する格納パラメータを検索し得る。一部の実施形態において、検索された格納パラメータを用い、fBS及びエンドポイントはネットワーク参入手順を完了させ、ステップ790にて、エンドポイントがネットワークと通信することが可能になる。これは、格納パラメータの検索により、fBS及びエンドポイントが格納パラメータの交換に要する時間を省略することができ、エンドポイントがネットワークに、通常のレンジングセッション及びネットワーク参入手順より速く参入することを可能にし得る。
【0087】
図8A及び8Bは、通常のレンジングコードを用いる強化されたネットワークレンジング手順の一実施形態を示すフローチャートである。一般に、図8A及び8Bに示すステップ群は、必要に応じて、組み合わされ、変更され、あるいは削除されてもよく、また、この処理の例に更なるステップが追加されてもよい。さらに、記載のステップ群は好適な如何なる順序で実行されてもよい。
【0088】
図8Aを参照するに、ステップ805にて、一部の実施形態において、fBSはネットワークへのアクセスをエンドポイントに提供し得る。この通信セッション中、エンドポイントは、例えばステップ807にて、優先エンドポイントとして認識され得る。これは、該エンドポイントによってfBSに送信された、優先的地位を要求するメッセージ、インストールの最中又は後にfBS内に構築された設定、及び/又はfBSにてネットワークから受信された、fBSが該エンドポイントを優先的なものとして取り扱うことを要求するメッセージ、に応答して行われ得る。ステップ805の通信セッションの開設にて使用されたパラメータは、該エンドポイントが優先的なものとして認識されたことに応答して、ステップ810にて、fBS及び該エンドポイントに格納され得る。これらのパラメータは、通信セッションを認証し且つ/或いは容易にするために使用される通信パラメータを含み得る。これらのパラメータはエンドポイント及び/又はfBSの能力を指し示してもよい。格納パラメータはまた、識別パラメータを含んでいてもよい。例えば、エンドポイントは、fBSに関するMACアドレス(又は、STID TLV)及びCMAC TLVパラメータを格納し、fBSはエンドポイントに関する同様の情報を格納し得る。ネットワーク参入手順中に交換されるその他の情報も、エンドポイント及び/又はfBSによって格納されてもよい。一部の実施形態において、fBS及びエンドポイントが、現通信セッションの後に別の通信セッションに入ることを望むとき、fBS及びエンドポイントは、更に後述するように、より速く通信セッションに入れるように格納パラメータを用いてもよい。
【0089】
ステップ805にて開始された通信セッションがステップ812にて終了した後、エンドポイントは、図8Bに示すように、該エンドポイントが優先エンドポイントとして取り扱われることを望むfBSとの新たな通信セッションを構築しようとしてもよい。これを達成するため、一部の実施形態において、何れのエンドポイントにも利用可能なレンジングコードが、図8Bの方法のステップ820にてfBSに送信され得る。
【0090】
ステップ830にて、一部の実施形態において、fBSは、1つ以上のエンドポイントから送信されたレンジングスロット内のレンジングコードを表す受信信号を分析し得る。fBSは、もし存在すれば何れのレンジングコードを受信したかを決定する。ステップ820にてエンドポイントによって送信されたレンジングコードはステップ830で検出される。この検出は相関器を用いて行われ、相関器の出力として相関値が決定され、相関値が閾値を超える場合に一致が決定される。このステップを達成するために、図2−3に関連して説明した実施形態を用い得る。
【0091】
ステップ840にて、一部の実施形態において、fBSは、ステップ830でレンジングコードを受信したことに応答して、ステップ820にてレンジングコードを送信したエンドポイントに割当てメッセージを送信し得る。ステップ850にて、一部の実施形態において、エンドポイントは、ステップ840にて送信された割当てメッセージを受信したことに応答して、識別及び/又は認証情報をfBSに送信し得る。ステップ850にて送信される情報は、例えば、識別パラメータ(例えば、MACアドレス又はSTID TLV等)及び/又は認証パラメータ(例えば、CMAC TLV等)を含み得る。このような情報は、一部の実施形態において、IEEE802.16(e)プロトコルのRNG−REQメッセージを用いて送信されてもよい。様々な実施形態において、エンドポイントは、識別及び/又は認証情報をfBSに送信する前に、より広い帯域幅の要求をfBSに送信してもよい。これは、ステップ840にてfBSによってエンドポイントに与えられた割当てが、エンドポイントが識別及び/又は認証パラメータを送信することに不十分であるとエンドポイントが決定したことに応じて行われ得る。このような要求は、一部の実施形態において、IEEE802.16(e)プロトコルのRNG−REQメッセージにて送信されてもよい。これら及びその他の実施形態において、エンドポイントは、十分な割当てを受けると、ステップ850で識別及び/又は認証情報を送信し得る。fBSは、新たな帯域幅割当てを有する更なる割当てメッセージをエンドポイントに送信することによって、より広い帯域幅を提供し得る。
【0092】
ステップ860にて、fBSは、ステップ850にてエンドポイントから送信された識別及び/又は認証情報の正当性を確認し得る。例えば、fBSは識別情報(例えば、MACアドレス又はSTID TLV等)を用いて、このエンドポイントが優先エンドポイントであるかを確認し得る。一部の実施形態において、fBSはまた、ステップ850にてエンドポイントによって送信された認証情報を分析し得る。認証情報はエンドポイントに固有とし得る。認証情報は動的に生成されてもよい。一部の実施形態において、認証情報を評価するためにfBSは識別情報を用い得る。例えば、エンドポイントがMACアドレス又はSTID TLVとCMAC TLVとを送信する場合、fBSはMACアドレスを用い、該MACアドレスを用いるエンドポイントの格納パラメータにアクセスすることにより、送信されたCMAC TLVの正当性を確認し得る。その他の形態の識別及び/又は認証もステップ850及び860にて使用され得る。fBSが、ステップ850にて送信された情報の正当性を確認することができない場合、fBSは、該エンドポイントと通常のレンジングセッションに入ってもよい。fBSがステップ850にて送信された情報の確認に成功した場合、fBSは、ネットワーク参入処理を容易にするため、このエンドポイントに関する格納パラメータを検索し得る。このパラメータは、ステップ810にて格納された情報を含み得る。
【0093】
ステップ870にて、一部の実施形態において、fBSは、ステップ860にて正当性を確認された情報を有するエンドポイントに、識別及び/又は認証情報を送信し得る。例えば、fBSはMACアドレス(又は、STID TLV)及び/又はCMAC TLVを送信し得る。この情報はIEEE802.16(e)プロトコルのRNG−RSPメッセージを用いて送信されてもよい。エンドポイントは、ステップ860にて説明したfBSと同様にして、この情報の正当性を確認し得る。この確認に成功した場合、エンドポイントは、例えばステップ810にて格納された情報など、fBSに関する格納パラメータを検索し得る。一部の実施形態において、検索された格納パラメータを用い、fBS及びエンドポイントはネットワーク参入手順を完了させ、ステップ880にて、エンドポイントがネットワークと通信することが可能になる。これは、格納パラメータの検索により、fBS及びエンドポイントが格納パラメータの交換に要する時間を省略することができ、エンドポイントがネットワークに、通常のレンジングセッション及びネットワーク参入手順より速く参入することを可能にし得る。正当性の確認に成功しなかった場合、エンドポイントはfBSとの通信セッションを終了させ得る。
【0094】
一部の実施形態において、図8A及び8Bに関連して説明した手順例は多様な手法で用いられてもよい。例えば、図3A及び3Bにおいてのようにレンジングコードセットを送信しようとするエンドポイントは、エンドポイントのネットワーク参入手順を強化するために、図8A及び8Bのうちの1つ以上の実施形態を用いてもよい。例えば、レンジングコードセットが適切に識別されず、エンドポイントが単に、該エンドポイントがレンジングコードセットではなく1つのレンジングコードのみを送信したかのような割当てメッセージをfBSから受信した場合、該エンドポイントは、強化されたネットワーク参入手順の恩恵を受けるために、ステップ850−880を用いて処理を進めてもよい。従って、この例において、図8A及び8Bにて説明した実施形態は、優先サービスを得るための他の形態が成功しなかったときの代替シナリオとして用いられ得る。
【0095】
幾つかの実施形態を例示し、詳細に説明したが、認識されるように、請求項の主旨及び範囲を逸脱することなく、様々な改変及び代用が可能である。
【0096】
以上の説明に関し、更に以下の付記を開示する。
【0097】
(付記1) 基地局にて、優先エンドポイントにネットワークへのアクセスを提供する段階と、
前記基地局にて、前記優先エンドポイントに少なくとも1つの暗号パラメータを送信する段階と、
前記基地局にて、前記優先エンドポイントに前記ネットワークへのアクセスを提供することを止めた後に、前記優先エンドポイントから複数のレンジングコードを受信する段階と、
前記基地局にて、前記受信した複数のレンジングコードが、前記少なくとも1つの暗号パラメータを用いて決定した所定のレンジングコードセットの複数のレンジングコードと一致するかを決定する段階と、
前記基地局にて、前記受信した複数のレンジングコードが前記所定のレンジングコードセットの前記複数のレンジングコードと一致すると決定したことに応答して、前記優先エンドポイントに前記ネットワークへの参入を与える段階と
を有する無線通信方法。
(付記2) 前記受信した複数のレンジングコードが所定のレンジングコードセットの複数のレンジングコードと一致するかを決定する段階は更に、(a)第1の受信レンジングコードに関する時間遅延が第2の受信レンジングコードに関する時間遅延に略等しいことを決定する段階を有し、且つ
前記ネットワークへの参入を与える段階は更に、前記(a)の段階における決定に応じて、前記ネットワークへの参入を与えることを有する、
付記1に記載の方法。
(付記3) 前記受信した複数のレンジングコードが所定のレンジングコードセットの複数のレンジングコードと一致するかを決定する段階は更に、前記受信した複数のレンジングコードのレンジングスロットが、前記所定のレンジングコードセットの前記複数のレンジングコードのレンジングスロットと一致することを決定することを有する、付記1に記載の方法。
(付記4) 前記少なくとも1つの暗号パラメータは、少なくとも1つの暗号的に安全な疑似乱数発生器信用証明を有する、付記1に記載の方法。
【0098】
(付記5) 前記受信した複数のレンジングコードが前記所定のレンジングコードセットの前記複数のレンジングコードと一致すると決定したことに応答して、前記優先エンドポイントが優先的なものであることを決定する段階と、
前記所定のレンジングコードセットを、第2のエンドポイントから受信した少なくとも1つのレンジングコードと比較したことに応答して、前記第2のエンドポイントが優先的なものでないことを決定する段階と
を更に有し、
前記優先エンドポイントに前記ネットワークへの参入を与える段階は、前記第2のエンドポイントに参入を与えるかを決定する前に、前記優先エンドポイントに前記ネットワークへの参入を与えることを有する、
付記1に記載の方法。
(付記6) 前記優先エンドポイントから複数のレンジングコードを受信する段階に先立って、前記優先エンドポイントの1つ以上のパラメータを格納する段階と、
前記受信した複数のレンジングコードが前記所定のレンジングコードセットの前記複数のレンジングコードと一致すると決定したことに応答して、前記優先エンドポイントが前記ネットワークに参入するのに要する時間量を短縮するよう前記1つ以上のパラメータを使用する段階と
を更に有する付記1に記載の方法。
(付記7) 優先エンドポイントにて、該優先エンドポイントにネットワークへのアクセスを提供する基地局との通信セッションに参加する段階と、
前記優先エンドポイントにて、前記通信セッション中に、前記基地局から少なくとも1つの暗号パラメータを受信する段階と、
前記優先エンドポイントにて、前記基地局との前記通信セッションを終了させた後に、前記少なくとも1つの暗号パラメータを用いて一組のレンジングコードを生成する段階と、
前記優先エンドポイントにて、前記基地局に前記一組のレンジングコードを送信する段階と、
前記優先エンドポイントにて、前記一組のレンジングコードを送信したことに応答して、前記基地局から、前記ネットワークに参入する優先アクセスを受信する段階と、
前記優先エンドポイントにて、前記基地局を介して前記ネットワークに参入する段階と
を有する無線通信方法。
(付記8) 前記優先エンドポイントにて、前記基地局との前記通信セッションを終了させた後に、前記少なくとも1つの暗号パラメータを用いて一組のレンジングスロットを生成する段階を更に有し、
前記一組のレンジングコードを送信する段階は、前記基地局に前記一組のレンジングスロットにて前記一組のレンジングコードを送信することを有する、
付記7に記載の方法。
(付記9) 前記少なくとも1つの暗号パラメータは、少なくとも1つの暗号的に安全な疑似乱数発生器信用証明を有する、付記7に記載の方法。
【0099】
(付記10) 前記優先エンドポイントにて、前記基地局との前記通信セッションを終了させることに先立って、前記基地局の1つ以上のパラメータを格納する段階と、
前記基地局から前記ネットワークに参入する優先アクセスを受信したことに応答して、前記優先エンドポイントが前記ネットワークに参入するのに要する時間量を短縮するよう前記1つ以上のパラメータを使用する段階と
を更に有する付記7に記載の方法。
【0100】
(付記11) 前記暗号パラメータを用いて乱数を生成する段階を更に有し、
前記一組のレンジングコードを生成する段階は、前記一組のレンジングコードの各レンジングコードを、前記乱数の異なる部分を用いて生成することを有する、
付記7に記載の方法。
(付記12) 無線機と1つ以上のプロセッサとを有し、
前記無線機は、
優先エンドポイントにネットワークへのアクセスを提供し、
前記優先エンドポイントに少なくとも1つの暗号パラメータを送信し、且つ
基地局が前記優先エンドポイントに前記ネットワークへのアクセスを提供することを止めた後に、前記優先エンドポイントから複数のレンジングコードを受信する
よう動作し、
前記1つ以上のプロセッサは、
前記受信した複数のレンジングコードが、前記少なくとも1つの暗号パラメータを用いて決定された所定のレンジングコードセットの複数のレンジングコードと一致するかを決定し、且つ
前記受信した複数のレンジングコードが前記所定のレンジングコードセットの前記複数のレンジングコードと一致すると決定したことに応答して、前記優先エンドポイントに前記ネットワークへの参入を与える
よう動作する、
無線通信システム。
(付記13) 前記受信した複数のレンジングコードが所定のレンジングコードセットの複数のレンジングコードと一致するかを決定することは更に、(a)第1の受信レンジングコードに関する時間遅延が第2の受信レンジングコードに関する時間遅延に略等しいことを決定する段階を有し、且つ
前記ネットワークへの参入を与えることは更に、前記(a)の段階における決定に応じて、前記ネットワークへの参入を与えることを有する、
付記12に記載のシステム。
【0101】
(付記14) 前記受信した複数のレンジングコードが所定のレンジングコードセットの複数のレンジングコードと一致するかを決定することは更に、前記受信した複数のレンジングコードのレンジングスロットが、前記所定のレンジングコードセットの前記複数のレンジングコードのレンジングスロットと一致することを決定することを有する、付記12に記載のシステム。
【0102】
(付記15) 前記少なくとも1つの暗号パラメータは、少なくとも1つの暗号的に安全な疑似乱数発生器信用証明を有する、付記12に記載のシステム。
【0103】
(付記16) 前記1つ以上のプロセッサは更に、
前記受信した複数のレンジングコードが前記所定のレンジングコードセットの前記複数のレンジングコードと一致すると決定したことに応答して、前記優先エンドポイントが優先的なものであることを決定し、
前記所定のレンジングコードセットを、第2のエンドポイントから受信した少なくとも1つのレンジングコードと比較したことに応答して、前記第2のエンドポイントが優先的なものでないことを決定する
よう動作し、且つ
前記優先エンドポイントに前記ネットワークへの参入を与えることは、前記第2のエンドポイントに参入を与えるかを決定する前に、前記優先エンドポイントに前記ネットワークへの参入を与えることを有する、
付記12に記載のシステム。
【0104】
(付記17) 前記1つ以上のプロセッサは更に、
前記優先エンドポイントから複数のレンジングコードを受信することに先立って、前記優先エンドポイントの1つ以上のパラメータを格納し、且つ
前記受信した複数のレンジングコードが前記所定のレンジングコードセットの前記複数のレンジングコードと一致すると決定したことに応答して、前記優先エンドポイントが前記ネットワークに参入するのに要する時間量を短縮するよう前記1つ以上のパラメータを使用する
よう動作する、付記12に記載のシステム。
【0105】
(付記18) 無線機と1つ以上のプロセッサとを有し、
前記無線機は、
ネットワークへのアクセスを提供する基地局との通信セッションに参加し、且つ
前記通信セッション中に、前記基地局から少なくとも1つの暗号パラメータを受信する
よう動作し、
前記1つ以上のプロセッサは、
前記基地局との前記通信セッションを終了させた後に、前記少なくとも1つの暗号パラメータを用いて一組のレンジングコードを生成し、
前記基地局に前記一組のレンジングコードを送信し、
前記一組のレンジングコードを送信したことに応答して、前記基地局から、前記ネットワークに参入する優先アクセスを受信し、且つ
前記基地局を介して前記ネットワークに参入する
よう動作する、
無線通信システム。
(付記19) 前記1つ以上のプロセッサは更に、前記基地局との前記通信セッションを終了させた後に、前記少なくとも1つの暗号パラメータを用いて一組のレンジングスロットを生成するよう動作し、且つ
前記一組のレンジングコードを送信することは、前記基地局に前記一組のレンジングスロットにて前記一組のレンジングコードを送信することを有する、
付記18に記載のシステム。
【0106】
(付記20) 前記少なくとも1つの暗号パラメータは、少なくとも1つの暗号的に安全な疑似乱数発生器信用証明を有する、付記18に記載のシステム。
【0107】
(付記21) 前記1つ以上のプロセッサは更に、
前記基地局との前記通信セッションを終了させることに先立って、前記基地局の1つ以上のパラメータを格納し、且つ
前記基地局から前記ネットワークに参入する優先アクセスを受信したことに応答して、前記優先エンドポイントが前記ネットワークに参入するのに要する時間量を短縮するよう前記1つ以上のパラメータを使用する
よう動作する、付記18に記載のシステム。
【0108】
(付記22) 前記1つ以上のプロセッサは更に、前記暗号パラメータを用いて乱数を生成するよう動作し、
前記一組のレンジングコードを生成することは、前記一組のレンジングコードの各レンジングコードを、前記乱数の異なる部分を用いて生成することを有する、
付記18に記載のシステム。
【符号の説明】
【0109】
100、200 通信システム
110、205 ネットワーク
120 マクロ基地局
140、270 エンドポイント
150、290 無線接続
160 有線リンク
170 ノード
180、251 ネットワークアクセス装置
190、250 フェムト基地局
224、232 サーバ
226、234 ゲートウェイ
252、272 無線機
254、274 PHY/HWブロック
257、277 MAC/SWブロック
280 アナログ−デジタル変換器
282 高速フーリエ変換
284−294 相関器
296 比較器
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して無線通信に関し、より具体的には無線ネットワークへの参入を改善し得るシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
無線通信の特定の形態において、エンドポイントは無線ネットワークへのアクセスを得るために基地局と通信しなければならない。エンドポイントと基地局との間でのこの最初の通信は、エンドポイントがどのように無線ネットワークに参入するかというものである。ネットワーク参入手順に伴う問題には、エンドポイントが無線ネットワークに参入し得る待ち時間及び速さが含まれる。また、優先エンティティがより速く無線ネットワークへのアクセスを得られるようにすることも困難である。さらに、ネットワーク参入手順は、悪意のユーザによる攻撃を許してしまうことがあり得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、無線ネットワークへの参入手順を改善し得る無線通信システム及び方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
一実施形態において、無線通信方法は、基地局にて、優先エンドポイントにネットワークへのアクセスを提供する段階を含む。当該方法は、基地局にて、優先エンドポイントに少なくとも1つの暗号パラメータを送信する段階を含む。さらに、当該方法は、基地局にて、優先エンドポイントから複数のレンジング(ranging)コードを受信する段階を含む。該複数のレンジングコードは、基地局が優先エンドポイントにネットワークへのアクセスを提供することを止めた後に受信される。また、当該方法は、基地局にて、受信した複数のレンジングコードが、所定のレンジングコードセットの複数のレンジングコードと一致するかを決定する段階を含む。この所定のレンジングコードセットは、上記少なくとも1つの暗号パラメータを用いて決定される。さらに、当該方法は、基地局にて、受信した複数のレンジングコードが所定のレンジングコードセットの複数のレンジングコードと一致すると決定したことに応答して、優先エンドポイントにネットワークへの参入を与える段階を含む。
【0005】
一部の実施形態において、受信した複数のレンジングコードが所定のレンジングコードセットの複数のレンジングコードと一致するかを決定する段階は更に、(a)第1の受信レンジングコードに関する時間遅延が第2の受信レンジングコードに関する時間遅延に略等しいことを決定する段階を有していてもよい。さらに、ネットワークへの参入を与える段階は更に、上記(a)の段階における決定に応じて、ネットワークへの参入を与えることを有していてもよい。
【0006】
様々な実施形態において、受信した複数のレンジングコードが所定のレンジングコードセットの複数のレンジングコードと一致するかを決定する段階は更に、受信した複数のレンジングコードのレンジングスロットが、所定のレンジングコードセットの複数のレンジングコードのレンジングスロットと一致することを決定することを含んでいてもよい。上記少なくとも1つの暗号パラメータは、少なくとも1つの暗号的に安全な疑似乱数発生器信用証明を有していてもよい。
【0007】
一実施形態によれば、無線通信システムは無線機を含む。無線機は、優先エンドポイントにネットワークへのアクセスを提供するよう動作する。無線機はまた、優先エンドポイントに少なくとも1つの暗号パラメータを送信するよう動作する。さらに、無線機は、優先エンドポイントから複数のレンジングコードを受信するよう動作する。該複数のレンジングコードは、基地局が優先エンドポイントにネットワークへのアクセスを提供することを止めた後に受信される。当該システムはまた、受信した複数のレンジングコードが、所定のレンジングコードセットの複数のレンジングコードと一致するかを決定するよう動作する1つ以上のプロセッサを含む。該所定のレンジングコードセットは、上記少なくとも1つの暗号パラメータを用いて決定される。上記1つ以上のプロセッサはまた、受信した複数のレンジングコードが所定のレンジングコードセットの複数のレンジングコードと一致すると決定したことに応答して、優先エンドポイントにネットワークへの参入を与えるよう動作する。
【発明の効果】
【0008】
特定の実施形態は、実装される具体的な機能に応じて、以下のような技術的利点のうちの一部又は全てを示すこともあるし、それらの何れをも示さないこともある。レンジングが、特定のユーザをその他のユーザより優先するように行われ得る。そのような優先ユーザに対して、エンドポイントがネットワークに参入するのに要する時間が短縮され得る。また、暗号法を用いることにより、レンジング処理が悪意のユーザに攻撃されにくいものにされ得る。その他の技術的利点が、以下の説明、図面及び特許請求の範囲から当業者に容易に明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
添付の図面とともに以下の詳細な説明を参照する。図面において、同様の参照符号は同様の部分を表す。
【図1】特定の一実施形態に従った、様々な通信ネットワークを有する通信システムを例示する図である。
【図2】エンドポイントと、フェムト基地局と、ネットワークアクセス装置とを有する無線ネットワークの一実施形態を例示する図である。
【図2A】図2のフェムト基地局の特定の構成要素の一実施形態を例示する図である。
【図3A】通信セッション中のフェムト基地局とエンドポイントとの間でのパラメータ交換の一実施形態を例示するフローチャートである。
【図3B】フェムト基地局と優先エンドポイントとの間でのレンジング処理の一実施形態を例示するフローチャートである。
【図4】強化されたネットワーク参入手順に参画するときのエンドポイントの処理の一実施形態を例示する状態図である。
【図5】強化されたネットワーク参入手順に参画するときのフェムト基地局の処理の一実施形態を例示する状態図である。
【図6】レンジングの成功確率の一例を示すグラフである。
【図7A】専用のレンジングコードを用いる強化されたネットワークレンジング手順の一実施形態を示すフローチャートである。
【図7B】専用のレンジングコードを用いる強化されたネットワークレンジング手順の一実施形態を示すフローチャートである。
【図8A】通常のレンジングコードを用いる強化されたネットワークレンジング手順の一実施形態を示すフローチャートである。
【図8B】通常のレンジングコードを用いる強化されたネットワークレンジング手順の一実施形態を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1は、特定の一実施形態に従った、様々な通信ネットワークを有する通信システムを示している。通信システム100は複数のネットワーク110を有し得る。各ネットワーク110は、その他のネットワーク及び/又は通信プロトコルから独立して、あるいはそれらと協働して、の何れかで様々なサービスのうちの1つ以上をサポートするように設計された多様な通信プロトコルのうちの何れかを有する多様な通信ネットワークのうちの何れかとし得る。例えば、ネットワーク110は、有線接続又は無線接続(例えば、WiMAXサービス)を介してネットワーク及び/又はインターネットへのアクセスを容易にし得る。ネットワークアクセスは、オンラインゲーム、ファイル共有、ピアツーピア・ファイル共有(P2P)、インターネット回線を利用した音声通信(Voice over Internet protocol;VoIP)電話、インターネット回線を利用した映像通信(video over IP)電話、又はネットワークにより一般的に提供されるその他の種類の機能を可能にし得る。特定の実施形態において、ネットワーク110のうちの1つ以上は、WiMAXとして広く知られた、mBS120等のマクロ基地局(mBS)とfBS190等のフェムト基地局(fBS)とを含み得るIEEE802.16に基づく無線ネットワークを有していてもよい。これらの構成要素の各々は、エンドポイント140に、ネットワーク110の1つ以上への無線接続150を用いたアクセスを提供する。
【0011】
説明の便宜上、以下の説明では、関与する様々なエンティティに対して、簡略化した用語を用いることがある。‘オーナー’は、fBSを購入したエンティティ、又はそれに対してfBSが登録されたエンティティを意味し得る。‘ユーザ’は、それに対して無線サービスが提供されるエンティティを意味し得る。‘インターネットサービス’は、オーナーが例えばインターネット等の外部ネットワークにアクセスするために使用するサービスを意味し得る。単純化のために用語‘インターネット’が使用されるが、この用語は、インターネットに限定されるものではなく、公衆ネットワーク及び私的ネットワークを含め、fBSが自身のバックホール接続を構築する(更に後述する)ために使用し得るその他の種類のネットワークをも含む。‘インターネットサービスプロバイダ(ISP)’は、インターネットサービスをオーナーに提供するエンティティを意味し得る。‘無線サービス’又は‘キャリアサービス’は、例えばWiMAX等、ユーザが無線アクセスのために使用するサービスを意味し得る。‘無線サービスプロバイダ(WSP)’は、ユーザ又はオーナーに無線サービスを提供するエンティティを意味し得る。これらの用語は単純化のために使用されており、取り得る全ての実施形態の全範囲を表すものではない。例えば、オーナーは同時にユーザであってもよく、ISPは同時にWSPであってもよい。他の一例として、ISPはオーナーにインターネットアクセスを直接的に提供しなくてもよい(例えば、ISPは建物にインターネットアクセスを提供し、建物所有者がfBSオーナーにインターネットアクセスを提供してもよい)。
【0012】
図1に示した実施形態において、ネットワーク110aは複数のfBS190を含んでいる。fBS190は、本質的に、オーナーがWSPから購入した(あるいは借りた)小型基地局であり得る。オーナーは例えば自身の建物などにfBSを設置することを担う。fBSは、設置されると、オーナーの建物内の信号カバレッジを高めるために使用され得る地理的に小さい受信可能領域を提供する。状況に応じて、オーナーは、(例えば、fBSが公衆fBSである場合など)この受信可能領域をその他の未知のユーザと共有してもよいし、(例えば、fBSが私的なfBSである場合など)それを既知の/権限を有するユーザに限定してもよい。図1に示した状況において、fBS190はネットワークアクセス装置180に接続されている。この接続は、fBS190に、WSPのネットワークであるWSNネットワーク110dへのバックホール接続を提供してもよい。ネットワークアクセス装置180はオーナーに全般的なインターネットアクセスを提供してもよい。fBS190は、WSPに結合された専用のバックホール通信回線を用いるのではなく、オーナーの既存のインターネットアクセスを使用する。実施形態及び状況に応じて、ISP及びWSPは同一のエンティティであってもよい。
【0013】
一部の実施形態において、エンドポイント140は、レンジングチャネル、レンジングコード及び/又はレンジングスロットを用いることにより、fBS190との通信セッションを開始するように構成され得る。エンドポイントからfBSへ、1つ以上のレンジングコードが、1つ以上のレンジングチャネル上の1つ以上のレンジングスロットにて送信され得る。fBSは該1つ以上のレンジングコードを受信し、該レンジングコードを送信したエンドポイントとの通信セッションに入るかを決定し得る。様々な実施形態において、レンジングコードは多様な異なる種類の符号化方式を有し得る。例えば、レンジングコードは、一連の2進数を含んでいてもよいし、例えばQAM(直交振幅変調)シンボル、QPSK(四相位相変調)シンボル、又はBPSK(二相位相変調)シンボル等のシンボルであってもよい。レンジングスロットは、レンジングコードに関するタイミングパラメータ又は周波数パラメータを表し得る。例えば、レンジングコードは、fBSと交信するときに特定のタイムスロットにて送信され得る。他の一例として、レンジングコードは特定の1つの周波数又は一組の副周波数上で伝達されてもよい。WiMAXプロトコルにおいては、エンドポイントはfBSに、レンジング目的に専用のアップリンクフレーム上でCDMA(符号分割多重アクセス)コードを送信し得る。
【0014】
一部の実施形態においては、エンドポイントがネットワークに参入するためには、レンジング処理後に幾つかのステップが行われなければならない。これらのステップは、例えば、エンドポイントとfBSとの間で基本能力を交渉すること、基地局に登録すること、IP接続性を構築すること、時刻を確立すること、操作パラメータを転送すること、及び供給接続を構築することを含み得る。このネットワーク参入手順は、ネットワークへの参入を高速化するように変更されてもよい。更に後述するように、このような強化は、以前にこのfBSに接続していた複数のエンドポイントに利用可能にされてもよい。
【0015】
ネットワーク参入手順は強化され得る。例えば、図1に示したような、fBS190がネットワークへのアクセスを多様なエンドポイント140に許可するために使用される環境において、fBSは特定のエンドポイントに優先的なサービスを提供してもよい。これは、優先されないその他のエンドポイントとは対照的であってもよい。例えば、fBS190はfBS190のオーナーに属さないエンドポイントにネットワークアクセスを提供してもよいと上述した。fBS190のオーナーがネットワークに参入することを望むとき、ネットワークへのアクセスのためにfBS190を使用してはいるが該オーナーに属さない他のエンドポイントに代えて、該オーナーが優先されてもよい。
【0016】
この優先を達成するため、一部の実施形態において、オーナー又はその他の優先エンドポイントは、優先的に扱われるべきエンドポイントから送信されたものとしてfBS190が認識し得る一組のレンジングコード(以下、レンジングコードセットとも呼ぶ)を送信し得る。このようなレンジングはネットワーク参入又はハンドオーバの処理で使用されてもよい。一部の実施形態において、ハンドオーバ処理は、エンドポイントがfBSからmBSへ移管されるとき、及び/又はmBSからfBSに移管されるときに生じ得る。また、一部の実施形態において、優先エンティティに属するレンジングコードセットは、暗号的に安全な手段を用いて、疑似ランダム的に決定されてもよい。これは、悪意のユーザが優先アクセスを得るためにレンジングコードセットを単に複製して使用することを困難にし得る。これら及びその他の実施形態の更なる詳細は、図2−6に関連して後述する。
【0017】
fBSを用いるとき、レンジング処理を強化することに加えて、レンジング処理後のネットワーク参入処理も最適化され得る。例えば、fBSを定期的に使用するエンドポイントの特徴又はパラメータは、該エンドポイントに関するネットワークへの参入を容易にするために使用し得るように、fBSに記憶されてもよい。対照的に、これがレンジング前に行われなかった場合、エンドポイントは、該エンドポイントのパラメータについてfBSに通知するメッセージをfBSに送信しなければならないとし得る。レンジング後にfBSとエンドポイントとの間で送信されるメッセージの量を削減することは、一部の実施形態において、エンドポイントがネットワークに参入するために要する時間を短縮し得る。これら及びその他の実施形態の更なる詳細は、図2−6に関連して後述する。
【0018】
図1の通信システム100の例は、ネットワーク110a−110dという4つの異なるネットワークを含んでいるが、用語“ネットワーク”は、ウェブページ、電子メール、文字チャット、VoIP及びインスタントメッセージによって伝送される信号、データ又はメッセージを含めて、信号、データ及び/又はメッセージを伝送可能な何らかのネットワーク又は複数のネットワークの組み合わせを全般的に規定するものと解釈されるべきである。ネットワークの範囲、サイズ及び/又は構成に応じて、ネットワーク110a−110dの各々は、LAN、WAN、MAN、PSTN、WiMAXネットワーク、例えばインターネット等の地球規模で分布されたネットワーク、イントラネット、エクストラネット、又はその他の形態の無線若しくは有線のネットワークとして実現され得る。
【0019】
ネットワーク110は、如何なる数の、また、如何なる組み合わせの、有線リンク160、無線接続150、ノード170及び/又はエンドポイント140を含んでいてもよい。説明のため、そして単なる例として、ネットワーク110aは、少なくとも部分的にWiMAXによって実現され得るMANであり、ネットワーク110bはWAN(例えば、長距離光ネットワーク又はインターネット)であり、ネットワーク110dは、ネットワーク110aに無線サービス(例えば、WiMAX)を提供することを担うWSPによって操作され得る無線サービスネットワーク(WSN)であり、ネットワーク110cは、そのユーザにインターネットアクセスを提供することを担うISPによって操作され得るインターネットサービスネットワーク(ISN)である。図1には示していないが、WSNネットワーク110d及びISNネットワーク110cの双方は、サーバ、モデム、ゲートウェイ、及びそれぞれのサービスを提供するのに必要なその他の要素を含み得る。ネットワーク110は4つの別々のネットワークとして描かれているが、状況に応じて、これらのネットワークのうちの2つ以上が単一のネットワークであってもよい。例えば、WSP及びISPは、同一のネットワーク上で双方のサービスに必要な要素を管理する同一の企業体であってもよく、故に、ISNネットワーク110c及びWSNネットワーク110dは単一のネットワークにまとめられていてもよい。また、複数のネットワーク110間の相互接続は、図1に示したものとは異なっていてもよい。
【0020】
一般的に、ネットワーク110a−dは、エンドポイント140及び/又はノード170(後述)間での情報のパケット、セル、フレーム又はその他の部分(ここでは概してパケットと称する)の通信を提供する。特定の実施形態において、ネットワーク110a−dはIPネットワークとし得る。IPネットワークは、データをパケット内に配置し、各パケットを個別に、1つ以上の通信パスに沿って、選択された宛先に伝送することによってデータを伝送する。ネットワーク110a−dの何れかが、これに限定されるものではないが、インターネットを含むその他のIPネットワークに結合されていてもよい。IPネットワークはデータを送信する共通の方法を共有するので、信号は、相互に接続された相異なるIPネットワーク上に位置する複数の装置間で伝送され得る。その他のIPネットワークに結合されることに加えて、ネットワーク110a−dの何れかが、インタフェース又は例えばゲートウェイ等の構成要素の使用を介して非IPネットワークに結合されていてもよい。
【0021】
ネットワーク110は、相互に、そしてその他のネットワークに、複数の有線リンク160、無線接続150及びノード170を介して接続され得る。有線リンク160、無線接続150及びノード170は、様々なネットワークを接続するだけでなく、エンドポイント140を、相互に、そしてネットワーク110の何れかに結合されるかその一部であるその他の構成要素に相互接続する。ネットワーク110の相互接続は、エンドポイント140がデータを通信したり相互間での信号伝達を制御したりすることを可能にし、且つ、介在する要素又は装置がデータを通信したり信号を制御したりすることを可能にする。従って、エンドポイント140のユーザは、ネットワーク110のうちの1つ以上に結合された各ネットワーク要素との間で、データの送受信を行ったり信号を制御したりすることが可能にされ得る。
【0022】
上述のように、無線接続150は、例えばWiMAXを用いた、2つの構成要素間の無線リンクを表す。特定の場合において、WiMAX mBSの拡張範囲は1つ以上のfBSと協働して、ネットワーク110aが、比較的少ない数の有線リンクを用いながら、MANに結合された一層広い地理的領域をカバーすることを可能にし得る。より具体的には、都市圏の方々にmBS120及びfBS190を適切に配置することにより、複数のアクセス局が、mBS120と通信するために無線接続150又は既存の有線リンクを使用し、且つ該都市圏の全体で無線エンドポイント140と通信するために無線接続150を使用することが可能となり得る。mBS120は、無線接続160aを介して、その他のmBS、ネットワーク110dの構成要素、無線接続を構築不能なネットワーク要素、及び/又は例えばインターネット等のMANの外部のその他のネットワークと通信し得る。
【0023】
上述のように、ネットワーク110aのカバレッジ品質は、fBS190の使用により増強され得る。より具体的には、WiMAX fBSの比較的狭められた受信可能範囲は、ネットワーク110aが、例えば建物内といった、より狭い領域内のユーザに、改善された信号品質及び/又は信号容量を提供することを可能にし得る。fBS190は、既存のネットワークアクセスの使用によってアクセスリンクを提供することが可能であってもよい。より具体的には、fBS190はオーナーのネットワークアクセス装置180に接続し得る。接続されると、fBS190は、WSPのネットワーク(例えば、ネットワーク110d)へのバックホール接続のために、ISPのネットワーク(例えば、ネットワーク110c)を介してオーナーのISPによって提供されるオーナーのインターネットアクセスを使用し得る。
【0024】
ノード群170は、ネットワーク要素、モデム、セッションボーダーコントローラ、ゲートキーパー、ISNゲートウェイ、WSNゲートウェイ、セキュリティゲートウェイ、OAM&P(operation administration maintenance and Provisioning;保守運用と提供)サーバ、ネットワークアクセスプロバイダ(NAP)サーバ、基地局、カンファレンス・ブリッジ、ルータ、ハブ、スイッチ、ゲートウェイ、エンドポイント、又は、通信システム100内でパケット交換を可能にする任意数の通信プロトコルを実装したその他のハードウェア、ソフトウェア若しくは埋込ロジック、の如何なる組み合わせを含んでいてもよい。
【0025】
ネットワークアクセス装置180は、ハードウェア、コンピュータ読み取り可能媒体に埋め込まれたソフトウェア、及び/又は、ハードウェアに組み込まれた、あるいはその他の方法で格納された符号化ロジック(例えば、ファームウェア)の何らかの組み合わせによって、fBS190にインターネットアクセスを提供し得る。特定の実施形態において、ネットワークアクセス装置180はオーナーのISPによって供給され得る。例えば、オーナーのISPがケーブルテレビ会社である場合、該ISPはケーブルモデムをネットワークアクセス装置180として供給し得る。他の一例として、オーナーのISPが電話会社である場合、該ISPはxDSLモデムをネットワークアクセス装置180として供給し得る。明らかなように、ネットワークアクセス装置180はfBS190以外の構成要素にインターネットアクセスを提供してもよい。例えば、オーナーは、インターネットにアクセスするために、自身のパーソナルコンピュータをネットワークアクセス装置180に接続してもよい。
【0026】
エンドポイント140及び/又はノード170は、ハードウェア、コンピュータ読み取り可能媒体に埋め込まれたソフトウェア、及び/又は、ハードウェアに組み込まれた、あるいはその他の方法で格納された符号化ロジック(例えば、ファームウェア)の何らかの組み合わせによって、ユーザにデータ又はネットワークサービスを提供し得る。例えば、エンドポイント140a−140kは、セル方式携帯電話、IP電話、コンピュータ、ビデオモニタ、カメラ、携帯情報端末、又は、ネットワーク110のうちの1つ以上を用いてパケット(又は、フレーム)の通信を支援するその他のハードウェア、ソフトウェア及び/又は符号化ロジックを含み得る。
【0027】
図1は特定の数及び構成のエンドポイント、接続、リンク及びノードを示しているが、通信システム100は、如何なる数又は構成の、データを通信するための構成要素をも意図するものである。また、通信システム100の要素は、互いに対して中央に位置する(ローカルな)構成要素や、通信システム100全体に分散された構成要素を含んでいてもよい。
【0028】
図2は、無線ネットワークを例示しており、エンドポイント270、ネットワークアクセス装置(NAD)251及びfBS250を含む特定の一実施形態に従ったシステム200をより詳細に示している。図示した実施形態は、複数のネットワーク205、fBS250、ネットワークアクセス装置251及び複数のエンドポイント270を含む簡略化した状況である。エンドポイント270は、ネットワーク205cへのアクセスを得るためにfBS250を用いる。エンドポイント270aは、更に後述するように、fBS250から優先サービスを受信することができる。
【0029】
様々な実施形態において、システム200は、如何なる数の、有線又は無線ネットワーク、mBS、エンドポイント、fBS、及び/又は、有線又は無線の何れの接続であろうとデータや信号の通信を容易にする、あるいはそれに関与するその他の構成要素、を有していてもよい。エンドポイント270a及びfBS250は、PHY/HWブロック274及び254、MAC/SWブロック277及び257を有している。fBS250は更に通信インタフェース256を有している。エンドポイント270a及びfBS250はまた、無線機272及び252、アンテナ278及び258を含んでいる。これらの構成要素は、協働して、例えば無線ネットワーク(例えば、WiMAX無線ネットワーク)内で無線接続をエンドポイントに提供すること等、無線接続無線ネットワークに関する機能を提供する。一部の実施形態において、PHY/HWブロック254及び274は、通信プロトコルの物理層と相互作用するように動作可能な要素及びハードウェアを有する。MAC/SWブロック257及び277は、通信プロトコルのメディアアクセス制御層と相互作用するように動作可能な要素及びソフトウェアを有し得る。以下、図2の態様及び構成要素に関する更なる細部を説明する。
【0030】
ネットワーク205は、1つ以上の異なるオペレータによって操作される別個であるが相互接続された複数のネットワークを有し得る。より具体的には、ネットワーク205aはISPのネットワークであり、ネットワーク205bは公衆ネットワーク(例えば、インターネット)であり、ネットワーク205cはWSPのネットワークとし得る。fBS250のオーナーはインターネットアクセスのためにネットワーク205aを使用し得る。該オーナーにネットワークアクセスを提供するに当たり、ISPのネットワーク205aは、モデム222、サーバ224、及びISPゲートウェイ226を含み得る。モデム222は、オーナーのネットワークアクセス装置251との通信のためにISPによって使用され得る。故に、ネットワークアクセス装置251及びモデム222は、これらが相互にデータを通信することを可能にする相補的なハードウェア及び/又はソフトウェアを有し得る。ネットワークアクセス装置251は、図1に関連して説明したネットワークアクセス装置180と同様に、オーナーのアクセスポイントとして作用する。モデム222は、ISPのネットワーク205aとオーナーのネットワークアクセス装置251との間のゲートウェイとして作用する。特定の実施形態において、モデム222はセキュリティゲートウェイ機能を含んでいてもよい。サーバ224は、例えば、OAM&Pサーバ、認証・認可・課金(Authentication,Authorization and Accounting;AAA)サーバ、動的ホスト構成プロトコル(Dynamic Host Configuration Protocol;DHCP)、又はISPがオーナーにネットワークアクセス(又は、ISPによって提供されるその他の機能)を提供するために必要とするその他のサーバ等、1つ以上のサーバを有し得る。ISPゲートウェイ226は、ネットワーク205aをネットワーク205bと接続するために必要なハードウェア及び/又はソフトウェアを有し得る。
【0031】
ネットワーク205cはWiMAXサービスプロバイダのネットワークとし得る。状況に応じて、ネットワーク205cは、ユーザ又はオーナーのWiMAXサービスプロバイダのネットワークとし得る。WiMAXサービスを提供するに当たり、ネットワーク205cはサーバ232及びゲートウェイ234を使用し得る。サーバ232は、例えば、OAM&Pサーバ、ネットワークアクセスプロバイダ(NAP)サーバ、AAAサーバ、自己組織型ネットワーク(Self Organizing Network;SON)サーバ、又はWiMAXプロバイダがfBS250を設定/認証してユーザにWiMAXサービスを提供するために必要とするその他のサーバ等、1つ以上のサーバを有し得る。ゲートウェイ234は、ネットワーク205cをネットワーク205bと接続するために必要なハードウェア及び/又はソフトウェアを有し得る。
【0032】
ネットワーク205a及び205cはネットワーク205bを介して結合され得る。一部の実施形態において、ネットワーク205bはインターネットとし得る。故に、このような実施形態においては、fBS250はインターネットを介してWSPのネットワークであるネットワーク205cに接続される。ネットワーク205bは、単一のネットワークとして図示されているが、如何なる数の、図1に関連して説明したようなネットワークを有していてもよい。例えば、ネットワーク205bは、インターネット、LAN、WAN、MAN、PSTN、又はこれらの組み合わせを有していてもよい。
【0033】
PHY/HWブロック254及び274は、それぞれ、fBS250及びエンドポイント270aの動作に必要なハードウェアを含み得る。例えば、PHY/HWブロック254及び274は各々、1つ以上のプロセッサと、アナログ−デジタル変換器及びデジタル−アナログ変換器とを有し得る。各プロセッサは、マイクロプロセッサ、コントローラ、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)、その他の好適な計算装置やリソース、又は、無線ネットワークに関する機能を単独あるいはその他の要素(例えば、メモリ)とともに提供するように動作可能なハードウェア、ソフトウェア及び/又は符号化ロジックの組み合わせとし得る。この機能は、ここで説明するような様々な無線機能を提供することを含む。例えば、このような構成要素を用いて、エンドポイント270aは送信のためにレンジングコードセットを生成し、fBS250は受信したレンジングコードを分析し、それを所定のレンジングコードセットと比較し得る。
【0034】
一部の実施形態において、PHY/HWブロック254は1つ以上の相関器を含み得る。相関器は別個の部品であってもよいし、その機能が上述のハードウェアの組み合わせを用いて提供されてもよい。相関器は、受信信号を所定のシンボルと比較し、受信信号と所定のシンボルとの間の類似度に基づく値を出力することによって動作し得る。これら及びその他の実施形態の更なる詳細は、図2A−6に関連して後述する。
【0035】
また、PHY/HWブロック254及び274の各々はメモリモジュールを有していてもよい。各メモリモジュールは、以下に限定されないが、磁気媒体、光媒体、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、フラッシュメモリ、取り外し可能媒体、又はその他の好適な局所あるいは遠隔メモリ部品を含む、如何なる形態の不揮発性メモリであってもよい。これらのメモリモジュールは、それぞれ、fBS250及びエンドポイント270によって使用される好適なデータ、命令、ロジック又は情報を格納し得る。このような好適なデータ、命令、ロジック又は情報は、コンピュータ読み取り可能媒体に埋め込まれたソフトウェア、及び/又はハードウェアに組み込まれた、あるいはその他の方法で格納された符号化ロジック(例えば、ファームウェア)を含み得る。様々な実施形態において、このメモリモジュールは、fBS250がエンドポイント270のネットワーク参入をどのようにして容易にするかのパラメータ及びプロトコルに関する情報及び/又は命令を格納し得る。例えば、所定のレンジングコードが、エンドポイント270のうちの1つ以上を優先的なものとして指定するロジックとともに格納されてもよい。一部の実施形態において、fBS250のPHY/HWブロック254は、例えばmBS120等のマクロ基地局と同様に構成されてもよい。
【0036】
MAC/SWブロック257及び277は、それぞれ、fBS250及びエンドポイント270aの動作に必要なソフトウェア、ロジック、又はその他の情報を含み得る。特定の実施形態において、これらのソフトウェア、ロジック又はその他の情報は、PHY/HWブロック254及び274のメモリモジュールに格納されてもよい。これは様々に使用され得る。例えば、ブロック257及び277は、例えばネットワーク参入手順にて使用する暗号的に安全な乱数又はパラメータを生成するために用いられるパラメータ等、様々なパラメータを格納し得る。エンドポイント270のうちの1つ以上を優先的なものとして指定する手順が格納されることも可能である。他の一例として、1つ以上のエンドポイント270に対応するレンジングコードの組が同様に格納されてもよい。
【0037】
無線機252及び272は、それぞれ、アンテナ258及び278に結合され、あるいはその一部にされ得る。無線機252及び272は、その他のmBS、fBS及び/又はエンドポイントに無線接続を介して送出されるデジタルデータを受信し得る。無線機の動作例に関する更に多くの情報は、図2A−6及びそれらそれぞれの説明を参照することによって理解され得る。
【0038】
アンテナ258及び278は、データ及び/又は信号を無線で送受信可能な如何なる形式のアンテナであってもよい。一部の実施形態において、アンテナ258及び278は、2GHzと66GHzとの間の無線信号を送信/受信するように動作可能な、1つ以上の無指向性アンテナ、セクタアンテナ又はパネルアンテナを有し得る。無指向性アンテナは、あらゆる方向に対して無線信号を送信/受信するために使用され、セクタアンテナは、特定領域内の装置に対して無線信号を送信/受信するために使用され、パネルアンテナは、比較的直線的に無線信号を送信/受信するために使用される見通し線(ライン・オブ・サイト)アンテナとし得る。一緒になって、無線機252及びアンテナ258、無線機272及びアンテナ278、の各々は無線インタフェースを形成する。
【0039】
通信インタフェース256は、fBS250とネットワーク205との間での信号及び/又はデータの有線通信に使用され得る。例えば、通信インタフェース256は、ネットワークアクセス装置251上の対応するインタフェース(例えば、イーサネット(登録商標)インタフェース)に適合したインタフェース(例えば、RJ−45)を有し得る。図示していないが、エンドポイント270も有線インタフェースを含んでいてもよい。
【0040】
fBS190に関して上述したように、fBS250は、本質的に、家庭又はオフィスに有限な受信可能領域を提供する小型基地局であり得る。fBS250は、実施形態及び構成に応じて、公衆的であってもよいし私的であってもよい。fBS250は、WiMAXサービスプロバイダがバックホール接続を供給するのとは異なり、ネットワークアクセス装置251を介したユーザのネットワークアクセスを頼りにして、ネットワーク205cへのバックホール接続を提供し得る。
【0041】
ネットワークアクセス装置251は、オーナーにインターネットアクセスを提供するために使用され得る。fBS250は、WiMAXネットワーク205cへの自身のバックホール接続に、インターネットアクセスを使用し得る。ネットワークサービスの種類及び/又はユーザのサービスプロバイダに応じて、ネットワークアクセス装置251は、ケーブルモデム、デジタル加入者回線(DSL)モデム、光ファイバモデム、その他のモデム、ゲートウェイ、又はオーナーのネットワークサービスプロバイダにより提供されるネットワークアクセス装置とし得る。オーナーは、fBS250とネットワークアクセス装置251との間に、如何なる数のルータ、スイッチ及び/又はハブを有していてもよい。
【0042】
バックホール接続を構築する部分として、fBS250はネットワークアクセス装置251と通信し得る。ネットワークアクセス装置251は、ユーザのISPによって提供された、あるいは権限を与えられたものであってもよく、ISPのネットワーク205aへのアクセスをfBS250に提供し、その後、ISPのネットワーク205aが、ネットワーク205bを介したネットワーク205cへのアクセスを許可し得る。ネットワーク205aにアクセスすることは、モデム241がISPのモデム222と交信することを伴い得る。
【0043】
ISPは、ユーザにインターネットアクセスを提供するに当たり、1つ以上のサーバ224(例えば、OAM&Pサーバ、AAAサーバ、DHCPサーバ)を操作し得る。例えば、ユーザは、デジタル加入者回線(DSL)プロバイダとのネットワークアクセス用のDSLアカウントを有していてもよい。サーバ224は、ユーザが料金の支払いを済ましてDSLプロバイダと良好な状態にあることを確かなものとし得る。
【0044】
ISPゲートウェイ226は、ISPネットワーク205aをインターネット(例えば、ネットワーク205b)と接続し得る。これは、fBS250がインターネットを介してWiMAXネットワーク205cにアクセスすることを可能にする。ネットワーク205aをインターネットと接続するに当たり、ゲートウェイ226は必要なフォーマット機能及び/又はセキュリティ機能を実行してもよい。
【0045】
WiMAXネットワーク205cは、それ自身のゲートウェイ234及びサーバ232を有し得る。ISPネットワーク205aのゲートウェイ及びサーバと同様に、ゲートウェイ234及びサーバ232は、ユーザが有効なWiMAXアカウントを有すること、及びネットワーク205cが例えばネットワーク205b等のその他のネットワークと通信できることを確保し得る。サーバ232はまた、fBS250の様々な特徴及び機能を提供するために使用され得る情報、データ、命令及び/又はロジックを格納していてもよい。例えば、サーバ232はfBS250に、エンドポイント270との無線接続290に関するチャネル情報を提供してもよい。
【0046】
エンドポイント270は、fBS250との間でデータ及び/又は信号の送信及び受信を行うことが可能な如何なる種類のエンドポイントであってもよい。エンドポイント270の取り得る種類は、デスクトップコンピュータ、PDA、セル方式携帯電話、スマートフォン、ノート型コンピュータ、及び/又はVoIP電話を含み得る。
【0047】
図2Aは、無線機252及びPHY/HWブロック254の一実施形態をより詳細に例示している。無線機252は、低域通過フィルタ262に結合された増幅器260を含んでいる。低域通過フィルタ262の出力は増幅器264に結合される。この構成により、無線機252は、増幅器260を用いて受信信号を増幅し、低域通過フィルタ262を用いて受信信号をフィルタリングし、増幅器264を用いて、フィルタリングされた信号を増幅し得る。受信信号は:
【数1】
と表し得る。ただし、Cm[i]は、レンジングスロットtでレンジングコードを送信するM個のユーザのうちのm番目のユーザからのi番目の副搬送波におけるレンジングコードであり、n(t)はスロットtにおけるノイズ信号であり、SFは1つのレンジング用サブチャネルで使用される副搬送波の数であり、Nは多重伝搬チャネルの数であり、TbはOFDMAシンボル期間であり、tTTDは伝送時間の遅延を表す。i番目の副搬送波のチャネルモデルは:
【数2】
と表すことができる。ただし、Aは減衰係数であり、αはランダムな大きさであり、exp{j}はランダムな位相であり、τはi番目のパスのマルチパス遅延である。
【0048】
PHY/HW254は、アナログ−デジタル変換器280、高速フーリエ変換(FFT)282、相関器284−294、及び比較器296を含んでいる。PHY/HW254は、増幅器264から増幅された信号を受信し、ADC280を用いて該信号をデジタル形式に変換し得る。ADC280から出力されるデジタル信号は、FFT282を用いて周波数ドメインに変換され得る。FFT282の出力は相関器284−294に送信される。相関器284−294は、FFT282の出力を分析し、該信号内に様々なコード又はシンボル(例えば、レンジングコード等)が存在するかを決定し得る。相関器284−294は、コード又はシンボルが検出されたかを指し示す信号を出力し得る。これは:
【数3】
に従って行われ得る。ただし、生じ得る全ての伝送時間遅延及びクロックオフセット値がΔtで表されている。Rは、複数のスロットにまたがる相関を計上する値を提供する。相関器284−294によって出力される信号の強度は、信号内に存在するコード又はシンボルを正しく識別する統計的な可能性に依存して増大あるいは低減される。比較器296は、相関器284−294によって決定された検出シンボル又はコードが一組の所定のシンボル又はコードと一致するかを決定し得る。
【0049】
これまで、幾つかの異なる実施形態及び特徴を提示してきた。特定の実施形態は、これらの特徴の1つ以上を、動作上の必要性及び/又は要素の制約に応じて組み合わせ得る。これは、様々な組織及びユーザのニーズに対するネットワーク200の多大な適応性を可能にし得る。以下、これらの構成要素が特定の実施形態の機能を提供するためにどのように相互作用するかを説明する助けとなるよう、幾つかの例を説明する。
【0050】
再び図2を参照するに、エンドポイント270aは、一部の実施形態において、fBS250とのレンジングセッションに入ることにより、ネットワークに参入することを試み得る。この試みに先んじて、エンドポイント270a及びfBS250は通信セッションにあり、1つ以上のパラメータが例えばMAC/SWブロック257及び277に格納されているとし得る。これらのパラメータは、エンドポイント270aの動作能力、エンドポイント270aに関する認証情報、及びエンドポイント270aとfBS250との間で共有された暗号パラメータを含み得る。格納された暗号パラメータを用いて、エンドポイント270aは、PHY/HWブロック274及び/又はMAC/SWブロック277を用いて、レンジングコードセットを選択するために使用する乱数を生成し得る。エンドポイント270aは、無線機272及びアンテナ278を用いて、生成したレンジングコードセットをfBS250に送信し得る。fBS250は、無線機252及び/又はアンテナ258を用いて、送信された該レンジングコードセットと、その他のエンドポイント(例えば、エンドポイント270b等)によって送信されたその他のレンジングコードとを受信し得る。レンジングコードの受信の前、最中又は後に、fBS250は、暗号パラメータを用いて、レンジングコードセットを生成し得る。fBS250は、該レンジングコードセットを、PHY/HWブロック254及び/又はMAC/SWブロック257を用いて生成してもよい。相関器284、286、288、292及び294と比較器296とを用いて、fBS250は、受信したレンジングコードがfBS250によって生成されたレンジングコードセットと一致するかを決定し得る。受信したレンジングコードの一部が一致する場合、fBS250は、エンドポイント270aを優先エンドポイントと認識して、エンドポイント270aとネットワーク参入手順を開始し得る。エンドポイント270aによって開始されるネットワーク参入手順は、一部の実施形態において、格納されたパラメータを用いることによって短縮され得る。故に、fBS250は、MAC/SWブロック257を用いて、エンドポイント270aに関する格納パラメータを検索し、エンドポイント270aのネットワーク参入を容易にするように進め得る。特定の実施形態において、エンドポイント270aは、特定のレンジングコードセットで送信することを必要とせずに、優先的なものとして認識されてもよい。このような及びその他の実施形態において、エンドポイント270aは、fBS250との通常のレンジングセッションの後に認証コードを送信してもよい。fBS250は、該認証コードを用いて、エンドポイント270aを優先的なものとして識別し得る。このような認証コードの一例は、暗号に基づくメッセージ認証コード(cipher-based message authentication code;CMAC)タイプ−レングス−バリュー(TLV)である。従って、優先エンドポイント270aは、全ての方法が特別なレンジングコード手順を用いることを必要とするわけではない多様な方法で、優先的なものとしてfBS250によって認識され得る。
【0051】
一部の実施形態において、エンドポイント270bは、エンドポイント270aと構成要素に関して同様に構成されてもよく、やはり、fBS250とのレンジングセッションに入ることにより、ネットワークに参入することを試み得る。エンドポイント270aと対照的に、エンドポイント270bは、1つ以上のレンジングコードをランダムに選択して、fBS250に送信してもよい。従って、一部の実施形態において、fBS250によって受信されるレンジングコードは、共有暗号パラメータに従ってエンドポイント270aによって選択されたレンジングコードと、エンドポイント270bによって送信された、ランダムに選択された1つ以上のレンジングコードとの双方を含み得る。エンドポイント270aによって送信されたレンジングコードの処理の前、最中又は後、fBS250は、エンドポイント270bから受信した通信が認識可能なレンジングコードであったかを決定し得る。認識可能なものであった場合、fBS250はエンドポイント270bとのネットワーク参入手順に入り得る。しかしながら、このネットワーク参入手順は、fBS250が、PHY/HW254及び/又はMAC/SWブロック257内に存在するとし得るメモリ素子内に、エンドポイント270bに関するパラメータを格納していない点で、エンドポイント270aとのネットワーク参入手順を開始とは異なり得る。その結果、fBS250は、エンドポイント270bのネットワーク参入を容易にするためにfBS250が使用し得る情報及びパラメータをエンドポイント270bと通信するため、メッセージの送信及び受信を行う必要がある。
【0052】
以上の例においては、エンドポイント270aは優先エンドポイントと見なされ、エンドポイント270bは非優先エンドポイントと見なされる。エンドポイント270aは、例えば、fBS250のオーナーに関連していてもよく、エンドポイント270bは、fBS250によって提供されるネットワークの単なる1ユーザに関するエンティティに付随していてもよい。一部の実施形態においては、fBS250は公衆fBSとしてもよい。そのような場合、エンドポイント270aは、優先的に取り扱われるべく支払いをしたユーザ又はユーザ群に関連していてもよく、エンドポイント270bに関連するエンティティはそうしていないものであってもよい。従って、エンドポイント270a及び270bには多様な状況が存在し得るが、様々な実施形態において、fBS250は、何れのエンドポイントを優先的に取り扱うかを、受信したレンジングコードを用いて検出し得る。
【0053】
これまで、幾つかの異なる実施形態及び特徴を提示してきた。特定の実施形態は、これらの特徴の1つ以上を、動作上の必要性及び/又は要素の制約に応じて組み合わせ得る。これは、様々な組織及びユーザのニーズに対するネットワーク200の多大な適応性を可能にし得る。
【0054】
図3Aは、通信セッション中のfBSとエンドポイントとの間でのパラメータ交換の一実施形態を例示するフローチャートである。図3Bは、フェムト基地局と優先エンドポイントとの間でのレンジング処理の一実施形態を例示するフローチャートである。一般に、図3A−3Bに示すステップ群は、必要に応じて、組み合わされ、変更され、あるいは削除されてもよく、また、この処理の例に更なるステップが追加されてもよい。さらに、記載のステップ群は好適な如何なる順序で実行されてもよい。
【0055】
ステップ305にて、一部の実施形態において、fBSは或るエンドポイントにネットワークアクセスを提供し得る。この通信セッション中、例えばステップ307にて、該エンドポイントは優先エンドポイントとして認識され得る。これは、該エンドポイントによってfBSに送信された、優先的地位を要求するメッセージ、インストールの最中又は後にfBS内に構築された設定、及び/又はfBSにてネットワークから受信された、fBSが該エンドポイントを優先的なものとして取り扱うことを要求するメッセージ、に応答して行われ得る。ステップ305の通信セッションの開設にて使用されたパラメータは、該エンドポイントが優先的なものとして認識されたことに応答して、ステップ310にて、fBS及び該エンドポイントに格納され得る。これらのパラメータは、通信セッションを認証し且つ/或いは容易にするために使用される通信パラメータを含み得る。これらのパラメータはエンドポイント及び/又はfBSの能力を指し示してもよい。格納パラメータはまた、識別パラメータを含んでいてもよい。これは、fBSによって優先エンドポイントとして取り扱われることの、エンドポイントによる承認に応答して行われてもよい。一部の実施形態において、fBS及びエンドポイントは、現通信セッションの後に別の通信セッションに入ることを望むとき、更に後述するように、より速く通信セッションに入れるように格納パラメータを用いてもよい。
【0056】
ステップ315にて、一部の実施形態において、fBS及びエンドポイントは1つ以上の暗号パラメータを交換し得る。これは、該エンドポイントが優先エンドポイントとしてfBSによって取り扱われるべきであると決定されたことに応じて行われ得る。暗号パラメータは、暗号的に安全な疑似乱数を生成するために使用されてもよい。暗号パラメータは一部の実施形態においてfBSによって生成されてもよい。このパラメータは、エントロピー入力を含んでいてもよく、また、各エンドポイント固有に生成されてもよい。暗号パラメータを生成するために使用され得るパラメータの例は、信用証明、フレーム番号、MACアドレス、又はそのエンドポイント及びその通信セッションに基づくその他の項目を含む。暗号パラメータは、fBSとエンドポイントとの間で暗号的に伝送され得る。1つの好適な暗号法は、トラフィック暗号鍵(TEK)によるAES−CCM(Advanced Encryption Standard CTR Mode with CBC-MAC)である。その他の好適な暗号法も採用され得る。一部の実施形態において、上記1つ以上の暗号パラメータは、通信フレームごとに異なり且つエンドポイントごとに固有なものにされ得る。
【0057】
ステップ305にて発生された通信セッションが終了した後、該エンドポイントは、優先エンドポイントとして識別されることを望んで、該fBSとの新たな通信セッションを構築しようとしてもよい。一部の実施形態において、これを達成するため、例えばステップ320にて、該エンドポイントによって、暗号パラメータを用いてレンジングコードセット及びレンジングスロットが選択され得る。例えば、エンドポイントは、交換した暗号パラメータを用いて乱数を生成し得る。乱数の生成には、ブロック暗号に基づくDRBG機構のカテゴリーのAES−128アルゴリズムが使用されてもよい。乱数は、暗号的に安全な疑似乱数発生器を用いて生成されてもよい。レンジングコード及びレンジングスロットは、一組のレンジングコード及びレンジングスロットから選択するためのインデックスとして乱数の1つ以上のビットを選択することによって、乱数を用いて決定されてもよい。例えば、レンジングスロットを開始することは、一組のレンジングスロットへのインデックスとして乱数の第1最上位バイトを用いることによって選択され得る。各レンジングコードは、一組のレンジングコードへのインデックスとして乱数の一部を用いることによって選択されてもよい。例えば、i番目のレンジングコードは、一組の利用可能なレンジングコードへのインデックスとして乱数のi+1番目の最上位バイトを用いることによって選択され得る。また、同様に乱数を用いて確認コードが生成されてもよく、例えば、確認コードを選択するためのインデックスとして、乱数の最下位バイトが用いられ得る。
【0058】
ステップ325にて、エンドポイントは、ステップ320にて決定されたレンジングスロットにて、レンジングコードをfBSに送信し得る。エンドポイントは、優先エンドポイントとして識別されるために、1つのレンジングコードではなく、レンジングコードセットをfBSに送信してもよい。斯くして、エンドポイントは、更に後述するように、ネットワークにアクセスすることに関して、fBSによる優先的取扱を受け得る。
【0059】
ステップ330にて、一部の実施形態において、fBSは、レンジングスロット内のレンジングコードを表す受信信号を分析し得る。このステップにて検出が行われ、fBSは、もし存在すれば何れのレンジングコードが受信されたかを決定する。この検出は相関器を用いて行われ、相関器の出力として相関値が決定され、相関値が閾値を超える場合に一致が決定される。この検出処理の前、最中又は後に(例えば、ステップ335にて)、各レンジングスロットに対して伝送時間遅延(TTD)が決定されてもよい。ステップ330及び335を達成するために、図2及び2Aに関して説明した実施形態が用いられ得る。
【0060】
ステップ340にて、一部の実施形態において、検出されたレンジングコードが分析され、これらのレンジングコードが、優先エンドポイントから送信されたレンジングコードセットを含んでいるかが決定される。fBSは、受信したレンジングコードと比較するため、ステップ320にて優先エンドポイントが行ったのと同様にして、一組のレンジングコード及びレンジングスロットを選択してもよい。受信したレンジングコードを、fBSが生成した組と比較することには、多様な手順を用いることができ、以下、これをどのように達成するかという一例を説明する。一部の実施形態において、受信したレンジングコードは、各レンジングスロットにおけるそれらのTTD値とともに、認識コード識別子(Recognized Code Indicator;RCI)行列及び伝送時間遅延(TTD)行列という2つの行列に記録される。一部の実施形態において、RCI[i,j]は、コードiがスロットjに現れるとき1に等しく、それ以外のとき0に等しい。RCI行列の第i行第j列の要素RCI[i,j]は、コードiがスロットjに現れたかの指標を表す。TTD行列の第i行第j列の要素TTD[i,j]は、スロットjに現れたコードiの伝送時間遅延を表す。fBSは、検出したレンジングコードが、優先エンドポイントから送信されたはずのレンジングコードのベクトルと一致するかを決定する。或る1つのフレームを考えると、優先エンドポイントユーザuからの一連のレンジングコードは、レンジングスロットSTuから始まりレンジングスロットSTu+K−1までの(FC[STu],STu+1,・・・,FC[STu+K−1])である。ユーザuに関するRCI及びTTDの表現を:
− RCIu={rciu[0],rciu[1],・・・,rciu[K−1]}、
ただし、rciu[i]=RCI[FCu[STu+i],STu+i]
− TTDu={ttdu[0],ttdu[1],・・・,ttdu[K−1]}、
ただし、ttdu[i]=TTD[FCu[STu+i],STu+i]
と簡略化する。故に、
【数4】
の場合に限り、レンジングスロットSTuから始まりレンジングスロットSTu+K−1までのユーザuからの一組のレンジングコードを検出する処理を提示することができる。ただし、TH1は、所定のレンジングコードセットのベクトルの長さKの関数である定数である。一般に、TH1の選択は、優先エンドポイントから送信されたレンジングコードセットを首尾良く検出する確率と、異なるエンドポイントからの複数の単一レンジングポイントを誤検出する確率との間のトレードオフを考慮する。TH1の値が高いほど(すなわち、Kに近いほど)、優先エンドポイントから送信されたレンジングコードセットを首尾良く検出する確率は低くなるが、同時に、優先エンドポイントから送信されたレンジングコードセットを誤って検出する確率も同様に低くなる。従って、一部の実施形態において、fBSは、優先エンドポイントがレンジングコードセットを提示したことを認識するまで、優先エンドポイントによって送信されたレンジングコードセットのうちの部分集合のみを検出してもよい。fBSは、受信した検出レンジングコードの一部が優先エンドポイントによって送信されたであろうレンジングコードセットに一致すると決定した場合、ステップ345に進み得る。fBSは、受信したレンジングコードが優先エンドポイントによって送信されたかもしれないレンジングコードセットに一致しないと決定した場合、受信したレンジングコードを、異なるエンドポイントによって送信された個別のレンジングコードとして取り扱い得る。
【0061】
ステップ345にて、一部の実施形態において、fBSは、全てのレンジングスロット内の識別された一組のレンジングコードがほぼ同一のTTDを有するかを検査し得る。これらのコードは全て、同一の優先エンドポイントから送信されたはずだからである。TTDの最大許容差をεとする。一組のレンジングコードが同一の優先エンドポイントからのものであるかは、
【数5】
に従って検査することができる。ただし、Δtはレンジングスロット群の推定平均伝送時間遅延である。換言すれば、首尾良く受信されたレンジングコード群の平均TTD差がεより小さい場合、これらのコードは同一のエンドポイントからであると見なすことができる。その他の好適方法も採用され得る。fBSは、検出した一組のレンジングコードが同一のエンドポイントからであると決定した場合、ステップ350に進み得る。そう決定しなかった場合、fBSは、受信したレンジングコードを、該レンジングコードの全てが優先的地位を有しないエンドポイント群によって送信されたものであるかのように処理し得る(すなわち、通常のレンジング手順)。
【0062】
一部の実施形態において、fBSはTTD差を用いて、優先的でないエンドポイントによって送信されたレンジングコードを分析してもよい。例えば、悪意のエンドポイントは、構築されたプロトコルに反することであるが、ネットワークに入るよう選択される確立を高めるために、複数のレンジングコードで送信することがある。受信したレンジングコードに関するTTD値を比較することにより、fBSはそのような悪意ある行動を検出し、そのようなエンティティにネットワークに入る機会を割り当てないようにすることができる。様々な実施形態において、一組のレンジングコードが同様のTTD値を含むが、優先エンドポイントによって生成されたレンジングコードセットと一致しない場合、fBSは、該一組のレンジングコードは不正を働くエンドポイントによって送信されたものであると推察し、それらのレンジングコードを無視してもよい。
【0063】
ステップ350にて、一部の実施形態において、fBSは優先エンドポイントに、アクセスが許可されたことを指し示すメッセージを送信し得る。fBSは、受信したレンジングコードセットによってエンドポイントの身元を認識し得る。この認識に基づき、fBSは、該エンドポイントにネットワークへの参入を提供することを容易にするよう、例えばステップ310にて格納されたパラメータ等、パラメータを検索し得る。エンドポイントへのメッセージは、例えば割当て情報など、ネットワークに入るためにエンドポイントが使用し得る情報を含んでいてもよい。好適なメッセージは、IEEE802.16(e)仕様書にて与えられているCDMA割当てIEメッセージを含み得る。セキュリティ信用証明はfBS及びエンドポイントによって検証され得る。例えば、ステップ360にて、エンドポイントは認証コードをfBSに送信し得る。一部の実施形態において、これは暗号に基づくメッセージ認証コード(CMAC)であってもよい。この認証コードを送信するために使用されるメッセージは、IEEE802.16(e)プロトコルにて与えられているようなRNG−REQメッセージとしてもよい。fBSはこの認証コードを検証し、該認証コードが検証された後、メッセージをエンドポイントに提供し得る。例えば、fBSは、優先エンドポイントと共有するCMAC鍵に基づいてfBSによって生成された認証コードを含むRNG−RSPメッセージ(IEEE802.16(e)プロトコルにて与えられている)を用い得る。
【0064】
fBSはまた、優先エンドポイントによって送信された一組のコードに属さない受信レンジングコードを処理し得る。fBSは、先ず、優先エンドポイントにネットワークへの参入を割当て、その後、利用可能なリソースが残されている場合に、その他の受信レンジングコードの何れかに割当てで応答することをランダムに選択し得る。一部の実施形態において、fBSは、優先エンドポイントがネットワークに入ろうと試みていることを決定すると、レンジングセッションに参画しているその他のエンドポイントには如何なる割当ても提供しないと決定してもよい。
【0065】
ステップ370にて、一部の実施形態において、エンドポイントは、通信セッションのための参入処理を完了し、ネットワークと通信することが可能になる。故に、一部の実施形態において、レンジングコードセットを送信することにより、エンドポイントはネットワークへの優先アクセスを与えられ得る。
【0066】
図4及び5は、それぞれ、エンドポイント及びfBSの一実施形態に係る状態図を示している。図示した状態図は、優先エンドポイントが優先的なものであると識別されるためにレンジングコードセットをfBSに送信した後に、優先エンドポイント及びfBSが入る様々な状態を例示している。レンジングコードセットを送信した後、優先エンドポイントは、fBSからの応答を待つ間、状態402に留まり得る。fBSは状態502にあり、レンジングコードを受信するよう待機している。優先エンドポイントは、状態402に入る時にタイマーを設定し得る。優先エンドポイントがfBSからの通信を受信する前にタイマーが満了すると、優先エンドポイントは時間切れ状態である状態406に入り得る。そして、優先エンドポイントは状態408に進み、エンドポイントが1つのレンジングコードのみを送信し得る通常のレンジングセッションに入る。一部の実施形態において、優先エンドポイントは、優先エンドポイントとしてネットワークに参入することを再度試み、そのために別のレンジングコードセットを送信してもよい。そのような実施形態においては、優先エンドポイントは時間切れの後、状態408の代わりに状態402に進み得る。
【0067】
fBSはレンジングコードを受信すると状態504に移行し得る。状態506にて、fBSは、受信したレンジングコードを検出し、優先エンドポイントからのレンジングコードセットが送信されたかを決定するよう試みる。これは、一部の実施形態において、図2及び3にて説明したようにして行われ得る。状態508にて、fBSはレンジングセッションが成功したかを決定し得る。これは、上述のように、レンジングコードの検出、及び/又はエンドポイントが優先的に取り扱われるために送信されたレンジングコードセットの検出に関連する確率に基づき得る。レンジングが成功でない場合、fBSは状態514に入り、状態520においてのように、継続するメッセージを優先エンドポイントに送信する(例えば、RNG−RSPメッセージで応答する)か、状態516においてのように、レンジングセッションを中止するかの何れかを行い得る。これらのメッセージの各々は、一部の実施形態において、IEEE802.16(e)プロトコルにて与えられているRNG−RSPコマンドを用いて送信されてもよい。fBSが優先エンドポイントに継続メッセージを送信した場合(状態520)、fBSは状態502に戻り、レンジングコードセットを受信するのを待つ。一方、fBSが(状態516においてのように)中止メッセージを送信した場合、fBSは状態518に移行し、レンジングセッションを中止し得る。
【0068】
fBSが状態516においてのように中止メッセージを送信した場合、優先エンドポイントは状態408に移行し得る。fBSが成功又は継続のメッセージを送信した場合、優先エンドポイントは状態410に移行し、fBSから受信したメッセージに基づいて1つ以上のローカルパラメータを調整し得る。一部の実施形態において、これは行われる必要がなくてもよく、fBSは直接的に状態412に進んでもよい。状態412にて、優先エンドポイントは、fBSから受信したメッセージが継続メッセージ又は成功メッセージであるかを決定し得る。それが継続メッセージである場合、優先エンドポイントは状態414にて、レンジングコードを再送信するために別のレンジング機会を待ち得る。一部の実施形態において、エンドポイントは別のレンジングコードセットを送信してもよい。fBSから受信したメッセージが成功メッセージである場合、優先エンドポイントは状態416にて、fBSからの割当てを待ち得る。優先エンドポイントが状態416に移行する前又は後、優先エンドポイントはタイマーを開始させてもよい。fBSからの割当ての受信前に該タイマーが満了した場合、エンドポイントは状態418に入り、通常のレンジング手順を使用することを試みることによって状態420に進み得る。一部の実施形態において、エンドポイントは、時間切れ状態418に入った後、優先エンドポイントとして取り扱われるよう、レンジングコードセットを送信することを再度試みてもよい。
【0069】
fBSは、優先エンドポイントを識別するものとしてレンジングコードセットを首尾良く検出した場合、状態510に入り得る。状態510にて、fBSは、優先エンドポイントがネットワークに参入するための割当てを含むメッセージを送信し得る。一部の実施形態において、このメッセージは、IEEE802.16(e)プロトコルにより与えられているようなフェムトCDMA割当てIEとしてもよい。そして、fBSは状態512に移行し、優先エンドポイントからの認証パラメータを待ち得る。このパラメータは、fBSとエンドポイントとの間での通信セッションの保護及び/又は認証を行うために使用されるパラメータを含み得る。例えば、fBSは暗号に基づくメッセージ認証コード(CMAC)パラメータを待ってもよい。
【0070】
エンドポイントは状態422にて割当てを受信し得る。そして、エンドポイントは状態424に移行し、1つ以上の認証コード(例えば、CMACパラメータ等)をfBSに送信し得る。一部の実施形態において、エンドポイントは、fBSへのCMACパラメータを含むRNG−REQメッセージ(IEEE802.16(e)プロトコルにより与えられている)を用いてもよい。そして、エンドポイントは、状態426にてタイマーを開始させ、状態428にてfBSからの応答を待ち得る。fBSが応答する前に該タイマーが満了した場合、エンドポイントは時間切れ状態430に入り且つ状態432に進み、優先エンドポイントとして取り扱われることを試みないfBSとの通常のレンジングセッションに入ることを試み得る。一部の実施形態において、エンドポイントは、通常のレンジングセッションに入ることに代えて、優先的に取り扱われるために、レンジングコードセットを送信することを再度試みてもよい。
【0071】
状態522にて、fBSは優先エンドポイントから認証パラメータを受信し得る。fBSは、状態524にて認証パラメータを検証するために進み得る。一部の実施形態において、これは、エンドポイントによって送信されたCMACパラメータを検証することを含み得る。検証が失敗した場合、fBSはレンジング処理を中止し状態518に入り得る。検証が成功した場合、fBSはエンドポイントにメッセージを送信し、状態525にて、このエンドポイントに関する格納パラメータを検索し得る。このメッセージは、例えばCMACパラメータ等の認証パラメータを含むことができ、IEEE802.16(e)プロトコルにより与えられているRNG−RSPメッセージを用いて送信されてもよい。エンドポイントは、状態434にてこのメッセージを受信し、状態436にて認証コードを検証し得る。エンドポイントがこのメッセージ又は認証パラメータ(例えば、CMACパラメータ等)を検証することができない場合、エンドポイントは状態432に進み、優先エンドポイントとして取り扱われるよう試みないfBSとの通常のレンジングセッションに入ることを試み得る。一部の実施形態において、エンドポイントは、通常のレンジングセッションに入ることに代えて、優先的に取り扱われるために、レンジングコードセットを送信することを再度試みてもよい。エンドポイントがこのメッセージ及び/又はパラメータを検証することができる場合、エンドポイントは、段階437にてfBSの格納パラメータを検索し、fBSも動作状態526に入る動作状態438に進み、ネットワークに参入し得る。
【0072】
図4及び5に関連して説明した実施形態は、ネットワーク参入手順がどのように強化され得るかを例示するものである。さらに、一部の実施形態においては、エンドポイントが優先的なものであると認識した後に、fBSは、以前の通信セッション中の該エンドポイントに関する格納情報を検索してもよい。以前の通信セッション中、エンドポイントはfBSがパラメータをキャッシュに格納することを要求することがあり得る。このような要求は、一部の実施形態において、IEEE802.16(e)プロトコルにより与えられているREG−REQ型メッセージを用いて送信されてもよい。fBSは、これに応答して、例えば能力情報、デフォルトのサービスフローの設定、及びエンドポイントのSTID等の識別情報などの、エンドポイントに関する情報を保存し得る。情報を保存した後、fBSは、同様にエンドポイントにfBSに関する情報を保存させ得る、パラメータをキャッシュに格納したことを確認するメッセージで応答してもよい。fBSは、IEEE802.16(e)プロトコルにより与えられているREG−RSP型メッセージを用いてもよい。これは、通常のネットワーク参入手順の1つ以上のステップを省略することを可能にし得る。これらのステップは、能力情報の交換、登録、及び/又はデフォルトフローの設定を含み得る。これは、一部の実施形態において、IEEE802.16(e)プロトコルにおけるネットワーク参入手順を短縮するために使用され得る。
【0073】
強化されたレンジング処理の幾つかの実施形態についての理論的分析を、この処理の実行可能性及び実現可能性を示すために説明する。表1は、この分析において使用されるシンボルの定義を示している。
【表1】
【0074】
先ず、単一のレンジングコードの場合を検討する。2つ以上の局が同一のレンジングスロットで送信される同一のコードを選択する場合にレンジング処理は失敗すると仮定する。換言すれば、レンジング処理は、衝突が発生しない場合にのみ成功する。様々な理由により、衝突が発生しない場合であっても、レンジングの成功確率は1となることは保証されない。pは、衝突状態がない場合のレンジングの成功確率を表すために用いられ、1より小さい。エンドポイントuに関し、そのレンジングコードを復号する成功確率は:
Pr[ユーザuの成功]=Pr[成功|衝突なし]・Pr[衝突なし]=p・Pr[衝突なし]
であり、
【数6】
である。故に、
【数7】
である。
【0075】
次に、M個のエンドポイントのうちのm個がアクティブな優先エンドポイントであるとする。各優先エンドポイントがK個の連続したレンジングスロット上でK個のレンジングコードを送信する。この状況は、単一のレンジングコードを送信するエンドポイントがM+(K−1)m個存在する場合と等価である。衝突の確率は、1つのフレーム中により多くのレンジングコードが送信されることによって増大するが、以下に示すように、確率の増大は小さいものである。
【0076】
総数K個のレンジングコードのうちのTH1個のレンジングコードが首尾良く検出されるかというレンジングコードセットの場合の確率は、
【数8】
である。パラメータが適切に選択される場合、レンジングコードセットを首尾良く検出する確率は、単一のレンジングコードを検出する場合より遙かに高い。表1の右欄に列挙したパラメータ値を用いた分析の結果を図6に示す。x軸はTH1を示し、y軸はユーザからの1つのレンジングコードセットを首尾良く検出する確率Pfsを表している。TH1=3且つm=5のときPfs=0.9771であり、これは、M=100の場合に単一のレンジングコードを首尾良く検出する確率Ps=0.8074より遙かに高い。
【0077】
一方、複数の異なるエンドポイントによって送信された一組のレンジングコードを誤検出する確率は、以下のように考察することができる(ここではTTDの一貫性は考慮しておらず、この分析は、後処理のステップ2のみを考慮しているため控えめなものである):
【数9】
TH1=3且つm=5のときPfa=3.815×10−4であり、TH1=4且つm=5のときPfa=4.470×10−6である。
【0078】
図7A及び7Bは、専用のレンジングコードを用いる強化されたネットワークレンジング手順の一実施形態を示すフローチャートである。一般に、図7A及び7Bに示すステップ群は、必要に応じて、組み合わされ、変更され、あるいは削除されてもよく、また、この処理の例に更なるステップが追加されてもよい。さらに、記載のステップ群は好適な如何なる順序で実行されてもよい。
【0079】
図7Aを参照するに、ステップ705にて、一部の実施形態において、fBSはネットワークへのアクセスをエンドポイントに提供し得る。この通信セッション中、エンドポイントは、例えばステップ707にて、優先エンドポイントとして認識され得る。これは、該エンドポイントによってfBSに送信された、優先的地位を要求するメッセージ、インストールの最中又は後にfBS内に構築された設定、及び/又はfBSにてネットワークから受信された、fBSが該エンドポイントを優先的なものとして取り扱うことを要求するメッセージ、に応答して行われ得る。ステップ705の通信セッションの開設にて使用されたパラメータは、該エンドポイントが優先的なものとして認識されたことに応答して、ステップ710にて、fBS及び該エンドポイントに格納され得る。これらのパラメータは、通信セッションを認証し且つ/或いは容易にするために使用される通信パラメータを含み得る。これらのパラメータはエンドポイント及び/又はfBSの能力を指し示してもよい。格納パラメータはまた、該エンドポイントがfBSに接続されるときに構築されるデフォルト接続のパラメータを含んでいてもよい。格納パラメータはまた、識別パラメータを含んでいてもよい。例えば、エンドポイントは、fBSに関するMACアドレス及びCMAC TLVパラメータを格納し、fBSはエンドポイントに関する同様の情報を格納し得る。ネットワーク参入手順中に交換されるその他の情報も、エンドポイント及び/又はfBSによって格納されてもよい。これは、エンドポイントが、fBSによって優先エンドポイントとして取り扱われることを要求すること応答して行われてもよい。一部の実施形態において、fBS及びエンドポイントが、現通信セッションの後にfBSが該エンドポイントにネットワークへのアクセスを提供する別の通信セッションに入ることを望むとき、fBS及びエンドポイントは、更に後述するように、より速く通信セッションに入れるように格納パラメータを用いてもよい。
【0080】
ステップ715にて、一部の実施形態において、fBS及び/又はエンドポイントは、後続の通信セッション中に使用するレンジングコードを決定し得る。これは、エンドポイントがfBSによって優先エンドポイントとして取り扱われるべきと決定したことに応答して行われ得る。レンジングコードは、強化されたネットワーク参入手順を優先エンドポイントに提供するために使用される特別あるいは専用のレンジングコードとし得る。fBSは、1つ以上のレンジングコードを優先エンドポイントによる使用に専用にするように構成され得る。一部の実施形態において、fBSは、ステップ707にて為された決定に従って該エンドポイントを優先的なものとして取り扱うため、これらの専用レンジングコードのうちの1つを、後続の通信セッションにおいて該エンドポイントに使用されるように選択し、この決定を該エンドポイントに送信し得る。
【0081】
ステップ705にて開始された通信セッションが例えばステップ717にて終了した後、エンドポイントは、図7Bに示すように、該エンドポイントが優先エンドポイントとして取り扱われることを望むfBSとの新たな通信セッションを構築しようとしてもよい。これを達成するため、一部の実施形態において、専用レンジングコードが、図7Aの方法のステップ715における決定に基づいてエンドポイントによって選択され、図7Bの方法のステップ720にてfBSに送信される。
【0082】
ステップ730にて、一部の実施形態において、fBSは、1つ以上のエンドポイントから送信されたレンジングスロット内のレンジングコードを表す受信信号を分析し得る。fBSは、もし存在すれば何れのレンジングコードを受信したかを決定する。この検出は相関器を用いて行われ、相関器の出力として相関値が決定され、相関値が閾値を超える場合に一致が決定される。このステップを達成するために、図2−3に関連して説明した実施形態を用い得る。
【0083】
ステップ740にて、一部の実施形態において、fBSは検出したレンジングコードを分析し、これらのレンジングコードが、優先エンドポイントから送信された特別な(あるいは専用の)レンジングコードを含んでいるかを決定し得る。fBSは、受信したレンジングコードの組が専用レンジングコードを含んでいないと決定した場合、何れのエンドポイントも優先的に取り扱わない通常のレンジングセッションに従事するよう進み得る。fBSは、受信したレンジングコードの組が専用あるいは特別のレンジングコードを含んでいると決定した場合、優先エンドポイントがネットワークへのアクセスを得ようとしていることを認識し、ステップ750に進み得る。
【0084】
ステップ750にて、一部の実施形態において、fBSは、ステップ740にて検出した専用レンジングコードを送信したエンドポイントに割当てメッセージを送信し得る。fBSは、一部の実施形態において、このエンドポイントにその他のエンドポイントより大きい優先度を与えるように割当てメッセージを送信し得る。例えば、fBSは、専用レンジングコードを送信したエンドポイントに割当てを送信した後に、その他のエンドポイントに割当てメッセージを送信し得る。他の一例として、fBSは、専用レンジングコードを送信したエンドポイントが現レンジングセッション内で割当てメッセージを受信することを確実にするよう、専用レンジングコードを送信したエンドポイントにその他のエンドポイントより高い優先順位を付けてもよい。一部の実施形態において、この割当てメッセージは、通常のレンジングコード(すなわち、専用/特別でないレンジングコード)で送信したエンドポイントに送信される割当てメッセージとは異なるものにしてもよい。様々な実施形態において、ステップ750にて送信される割当てメッセージに存在し得る1つの相違は、エンドポイントが識別及び/又は認証情報をfBSに送信することを可能にするために該当エンドポイントに割り当てられる帯域幅の大きさが通常より大きいというものである。ステップ760にて、一部の実施形態において、エンドポイントは、ステップ750にて送信された割当てメッセージを受信したことに応答して、識別及び/又は認証情報をfBSに送信し得る。ステップ760にて送信される情報は、例えば、識別パラメータ(例えば、MACアドレス又はSTID(局ID)TLV等)及び/又は認証パラメータ(例えば、CMAC TLV等)を含み得る。このような情報は、IEEE802.16(e)プロトコルのRNG−REQメッセージを用いて送信されてもよい。
【0085】
ステップ770にて、fBSは、ステップ760にてエンドポイントから送信された識別及び/又は認証情報の正当性を確認し得る。例えば、fBSは識別情報(例えば、MACアドレス又はSTID TLV等)を用いて、このエンドポイントが優先エンドポイントであるかを確認し得る。一部の実施形態において、fBSはまた、ステップ760にてエンドポイントによって送信された認証情報を分析し得る。認証情報はエンドポイントに固有とし得る。認証情報は動的に生成されてもよい。一部の実施形態において、認証情報を評価するためにfBSは識別情報を用い得る。例えば、エンドポイントがMACアドレス(又はSTID TLV)及びCMAC TLVを送信する場合、fBSはMACアドレスを用い、該MACアドレスを用いるエンドポイントの格納パラメータにアクセスすることにより、送信されたCMAC TLVの正当性を確認し得る。様々な実施形態において、その他の形態の識別及び/又は認証もステップ760及び770にて使用され得る。fBSが、ステップ760にて送信された情報の正当性を確認することができない場合、fBSは、現レンジングセッションに関して、このエンドポイントにネットワークへのアクセスを提供することを拒否してもよい。一部の実施形態において、これは、実際には優先エンドポイントでないにもかかわらず、ネットワークへの優先アクセスを得るために特別/専用レンジングコードを嗅ぎ付けて使用するエンドポイントを、fBSがふるい落とすことを可能にし得る。fBSがステップ760にて送信された情報の確認に成功した場合、fBSは、ネットワーク参入処理を容易にするため、このエンドポイントに関する格納パラメータを検索し得る。このパラメータは、ステップ710にて格納された情報を含み得る。
【0086】
ステップ780にて、一部の実施形態において、fBSは、ステップ770にて正当性を確認された情報を有するエンドポイントに、識別及び/又は認証情報を送信し得る。例えば、fBSはMACアドレス(又は、STID TLV)及び/又はCMAC TLVを送信し得る。一部の実施形態において、この情報はIEEE802.16(e)プロトコルのRNG−RSPメッセージにて送信されてもよい。エンドポイントは、ステップ770にて説明したfBSと同様にして、この情報の正当性を確認し得る。この確認が成功した場合、エンドポイントは、例えばステップ710にて格納された情報など、fBSに関する格納パラメータを検索し得る。一部の実施形態において、検索された格納パラメータを用い、fBS及びエンドポイントはネットワーク参入手順を完了させ、ステップ790にて、エンドポイントがネットワークと通信することが可能になる。これは、格納パラメータの検索により、fBS及びエンドポイントが格納パラメータの交換に要する時間を省略することができ、エンドポイントがネットワークに、通常のレンジングセッション及びネットワーク参入手順より速く参入することを可能にし得る。
【0087】
図8A及び8Bは、通常のレンジングコードを用いる強化されたネットワークレンジング手順の一実施形態を示すフローチャートである。一般に、図8A及び8Bに示すステップ群は、必要に応じて、組み合わされ、変更され、あるいは削除されてもよく、また、この処理の例に更なるステップが追加されてもよい。さらに、記載のステップ群は好適な如何なる順序で実行されてもよい。
【0088】
図8Aを参照するに、ステップ805にて、一部の実施形態において、fBSはネットワークへのアクセスをエンドポイントに提供し得る。この通信セッション中、エンドポイントは、例えばステップ807にて、優先エンドポイントとして認識され得る。これは、該エンドポイントによってfBSに送信された、優先的地位を要求するメッセージ、インストールの最中又は後にfBS内に構築された設定、及び/又はfBSにてネットワークから受信された、fBSが該エンドポイントを優先的なものとして取り扱うことを要求するメッセージ、に応答して行われ得る。ステップ805の通信セッションの開設にて使用されたパラメータは、該エンドポイントが優先的なものとして認識されたことに応答して、ステップ810にて、fBS及び該エンドポイントに格納され得る。これらのパラメータは、通信セッションを認証し且つ/或いは容易にするために使用される通信パラメータを含み得る。これらのパラメータはエンドポイント及び/又はfBSの能力を指し示してもよい。格納パラメータはまた、識別パラメータを含んでいてもよい。例えば、エンドポイントは、fBSに関するMACアドレス(又は、STID TLV)及びCMAC TLVパラメータを格納し、fBSはエンドポイントに関する同様の情報を格納し得る。ネットワーク参入手順中に交換されるその他の情報も、エンドポイント及び/又はfBSによって格納されてもよい。一部の実施形態において、fBS及びエンドポイントが、現通信セッションの後に別の通信セッションに入ることを望むとき、fBS及びエンドポイントは、更に後述するように、より速く通信セッションに入れるように格納パラメータを用いてもよい。
【0089】
ステップ805にて開始された通信セッションがステップ812にて終了した後、エンドポイントは、図8Bに示すように、該エンドポイントが優先エンドポイントとして取り扱われることを望むfBSとの新たな通信セッションを構築しようとしてもよい。これを達成するため、一部の実施形態において、何れのエンドポイントにも利用可能なレンジングコードが、図8Bの方法のステップ820にてfBSに送信され得る。
【0090】
ステップ830にて、一部の実施形態において、fBSは、1つ以上のエンドポイントから送信されたレンジングスロット内のレンジングコードを表す受信信号を分析し得る。fBSは、もし存在すれば何れのレンジングコードを受信したかを決定する。ステップ820にてエンドポイントによって送信されたレンジングコードはステップ830で検出される。この検出は相関器を用いて行われ、相関器の出力として相関値が決定され、相関値が閾値を超える場合に一致が決定される。このステップを達成するために、図2−3に関連して説明した実施形態を用い得る。
【0091】
ステップ840にて、一部の実施形態において、fBSは、ステップ830でレンジングコードを受信したことに応答して、ステップ820にてレンジングコードを送信したエンドポイントに割当てメッセージを送信し得る。ステップ850にて、一部の実施形態において、エンドポイントは、ステップ840にて送信された割当てメッセージを受信したことに応答して、識別及び/又は認証情報をfBSに送信し得る。ステップ850にて送信される情報は、例えば、識別パラメータ(例えば、MACアドレス又はSTID TLV等)及び/又は認証パラメータ(例えば、CMAC TLV等)を含み得る。このような情報は、一部の実施形態において、IEEE802.16(e)プロトコルのRNG−REQメッセージを用いて送信されてもよい。様々な実施形態において、エンドポイントは、識別及び/又は認証情報をfBSに送信する前に、より広い帯域幅の要求をfBSに送信してもよい。これは、ステップ840にてfBSによってエンドポイントに与えられた割当てが、エンドポイントが識別及び/又は認証パラメータを送信することに不十分であるとエンドポイントが決定したことに応じて行われ得る。このような要求は、一部の実施形態において、IEEE802.16(e)プロトコルのRNG−REQメッセージにて送信されてもよい。これら及びその他の実施形態において、エンドポイントは、十分な割当てを受けると、ステップ850で識別及び/又は認証情報を送信し得る。fBSは、新たな帯域幅割当てを有する更なる割当てメッセージをエンドポイントに送信することによって、より広い帯域幅を提供し得る。
【0092】
ステップ860にて、fBSは、ステップ850にてエンドポイントから送信された識別及び/又は認証情報の正当性を確認し得る。例えば、fBSは識別情報(例えば、MACアドレス又はSTID TLV等)を用いて、このエンドポイントが優先エンドポイントであるかを確認し得る。一部の実施形態において、fBSはまた、ステップ850にてエンドポイントによって送信された認証情報を分析し得る。認証情報はエンドポイントに固有とし得る。認証情報は動的に生成されてもよい。一部の実施形態において、認証情報を評価するためにfBSは識別情報を用い得る。例えば、エンドポイントがMACアドレス又はSTID TLVとCMAC TLVとを送信する場合、fBSはMACアドレスを用い、該MACアドレスを用いるエンドポイントの格納パラメータにアクセスすることにより、送信されたCMAC TLVの正当性を確認し得る。その他の形態の識別及び/又は認証もステップ850及び860にて使用され得る。fBSが、ステップ850にて送信された情報の正当性を確認することができない場合、fBSは、該エンドポイントと通常のレンジングセッションに入ってもよい。fBSがステップ850にて送信された情報の確認に成功した場合、fBSは、ネットワーク参入処理を容易にするため、このエンドポイントに関する格納パラメータを検索し得る。このパラメータは、ステップ810にて格納された情報を含み得る。
【0093】
ステップ870にて、一部の実施形態において、fBSは、ステップ860にて正当性を確認された情報を有するエンドポイントに、識別及び/又は認証情報を送信し得る。例えば、fBSはMACアドレス(又は、STID TLV)及び/又はCMAC TLVを送信し得る。この情報はIEEE802.16(e)プロトコルのRNG−RSPメッセージを用いて送信されてもよい。エンドポイントは、ステップ860にて説明したfBSと同様にして、この情報の正当性を確認し得る。この確認に成功した場合、エンドポイントは、例えばステップ810にて格納された情報など、fBSに関する格納パラメータを検索し得る。一部の実施形態において、検索された格納パラメータを用い、fBS及びエンドポイントはネットワーク参入手順を完了させ、ステップ880にて、エンドポイントがネットワークと通信することが可能になる。これは、格納パラメータの検索により、fBS及びエンドポイントが格納パラメータの交換に要する時間を省略することができ、エンドポイントがネットワークに、通常のレンジングセッション及びネットワーク参入手順より速く参入することを可能にし得る。正当性の確認に成功しなかった場合、エンドポイントはfBSとの通信セッションを終了させ得る。
【0094】
一部の実施形態において、図8A及び8Bに関連して説明した手順例は多様な手法で用いられてもよい。例えば、図3A及び3Bにおいてのようにレンジングコードセットを送信しようとするエンドポイントは、エンドポイントのネットワーク参入手順を強化するために、図8A及び8Bのうちの1つ以上の実施形態を用いてもよい。例えば、レンジングコードセットが適切に識別されず、エンドポイントが単に、該エンドポイントがレンジングコードセットではなく1つのレンジングコードのみを送信したかのような割当てメッセージをfBSから受信した場合、該エンドポイントは、強化されたネットワーク参入手順の恩恵を受けるために、ステップ850−880を用いて処理を進めてもよい。従って、この例において、図8A及び8Bにて説明した実施形態は、優先サービスを得るための他の形態が成功しなかったときの代替シナリオとして用いられ得る。
【0095】
幾つかの実施形態を例示し、詳細に説明したが、認識されるように、請求項の主旨及び範囲を逸脱することなく、様々な改変及び代用が可能である。
【0096】
以上の説明に関し、更に以下の付記を開示する。
【0097】
(付記1) 基地局にて、優先エンドポイントにネットワークへのアクセスを提供する段階と、
前記基地局にて、前記優先エンドポイントに少なくとも1つの暗号パラメータを送信する段階と、
前記基地局にて、前記優先エンドポイントに前記ネットワークへのアクセスを提供することを止めた後に、前記優先エンドポイントから複数のレンジングコードを受信する段階と、
前記基地局にて、前記受信した複数のレンジングコードが、前記少なくとも1つの暗号パラメータを用いて決定した所定のレンジングコードセットの複数のレンジングコードと一致するかを決定する段階と、
前記基地局にて、前記受信した複数のレンジングコードが前記所定のレンジングコードセットの前記複数のレンジングコードと一致すると決定したことに応答して、前記優先エンドポイントに前記ネットワークへの参入を与える段階と
を有する無線通信方法。
(付記2) 前記受信した複数のレンジングコードが所定のレンジングコードセットの複数のレンジングコードと一致するかを決定する段階は更に、(a)第1の受信レンジングコードに関する時間遅延が第2の受信レンジングコードに関する時間遅延に略等しいことを決定する段階を有し、且つ
前記ネットワークへの参入を与える段階は更に、前記(a)の段階における決定に応じて、前記ネットワークへの参入を与えることを有する、
付記1に記載の方法。
(付記3) 前記受信した複数のレンジングコードが所定のレンジングコードセットの複数のレンジングコードと一致するかを決定する段階は更に、前記受信した複数のレンジングコードのレンジングスロットが、前記所定のレンジングコードセットの前記複数のレンジングコードのレンジングスロットと一致することを決定することを有する、付記1に記載の方法。
(付記4) 前記少なくとも1つの暗号パラメータは、少なくとも1つの暗号的に安全な疑似乱数発生器信用証明を有する、付記1に記載の方法。
【0098】
(付記5) 前記受信した複数のレンジングコードが前記所定のレンジングコードセットの前記複数のレンジングコードと一致すると決定したことに応答して、前記優先エンドポイントが優先的なものであることを決定する段階と、
前記所定のレンジングコードセットを、第2のエンドポイントから受信した少なくとも1つのレンジングコードと比較したことに応答して、前記第2のエンドポイントが優先的なものでないことを決定する段階と
を更に有し、
前記優先エンドポイントに前記ネットワークへの参入を与える段階は、前記第2のエンドポイントに参入を与えるかを決定する前に、前記優先エンドポイントに前記ネットワークへの参入を与えることを有する、
付記1に記載の方法。
(付記6) 前記優先エンドポイントから複数のレンジングコードを受信する段階に先立って、前記優先エンドポイントの1つ以上のパラメータを格納する段階と、
前記受信した複数のレンジングコードが前記所定のレンジングコードセットの前記複数のレンジングコードと一致すると決定したことに応答して、前記優先エンドポイントが前記ネットワークに参入するのに要する時間量を短縮するよう前記1つ以上のパラメータを使用する段階と
を更に有する付記1に記載の方法。
(付記7) 優先エンドポイントにて、該優先エンドポイントにネットワークへのアクセスを提供する基地局との通信セッションに参加する段階と、
前記優先エンドポイントにて、前記通信セッション中に、前記基地局から少なくとも1つの暗号パラメータを受信する段階と、
前記優先エンドポイントにて、前記基地局との前記通信セッションを終了させた後に、前記少なくとも1つの暗号パラメータを用いて一組のレンジングコードを生成する段階と、
前記優先エンドポイントにて、前記基地局に前記一組のレンジングコードを送信する段階と、
前記優先エンドポイントにて、前記一組のレンジングコードを送信したことに応答して、前記基地局から、前記ネットワークに参入する優先アクセスを受信する段階と、
前記優先エンドポイントにて、前記基地局を介して前記ネットワークに参入する段階と
を有する無線通信方法。
(付記8) 前記優先エンドポイントにて、前記基地局との前記通信セッションを終了させた後に、前記少なくとも1つの暗号パラメータを用いて一組のレンジングスロットを生成する段階を更に有し、
前記一組のレンジングコードを送信する段階は、前記基地局に前記一組のレンジングスロットにて前記一組のレンジングコードを送信することを有する、
付記7に記載の方法。
(付記9) 前記少なくとも1つの暗号パラメータは、少なくとも1つの暗号的に安全な疑似乱数発生器信用証明を有する、付記7に記載の方法。
【0099】
(付記10) 前記優先エンドポイントにて、前記基地局との前記通信セッションを終了させることに先立って、前記基地局の1つ以上のパラメータを格納する段階と、
前記基地局から前記ネットワークに参入する優先アクセスを受信したことに応答して、前記優先エンドポイントが前記ネットワークに参入するのに要する時間量を短縮するよう前記1つ以上のパラメータを使用する段階と
を更に有する付記7に記載の方法。
【0100】
(付記11) 前記暗号パラメータを用いて乱数を生成する段階を更に有し、
前記一組のレンジングコードを生成する段階は、前記一組のレンジングコードの各レンジングコードを、前記乱数の異なる部分を用いて生成することを有する、
付記7に記載の方法。
(付記12) 無線機と1つ以上のプロセッサとを有し、
前記無線機は、
優先エンドポイントにネットワークへのアクセスを提供し、
前記優先エンドポイントに少なくとも1つの暗号パラメータを送信し、且つ
基地局が前記優先エンドポイントに前記ネットワークへのアクセスを提供することを止めた後に、前記優先エンドポイントから複数のレンジングコードを受信する
よう動作し、
前記1つ以上のプロセッサは、
前記受信した複数のレンジングコードが、前記少なくとも1つの暗号パラメータを用いて決定された所定のレンジングコードセットの複数のレンジングコードと一致するかを決定し、且つ
前記受信した複数のレンジングコードが前記所定のレンジングコードセットの前記複数のレンジングコードと一致すると決定したことに応答して、前記優先エンドポイントに前記ネットワークへの参入を与える
よう動作する、
無線通信システム。
(付記13) 前記受信した複数のレンジングコードが所定のレンジングコードセットの複数のレンジングコードと一致するかを決定することは更に、(a)第1の受信レンジングコードに関する時間遅延が第2の受信レンジングコードに関する時間遅延に略等しいことを決定する段階を有し、且つ
前記ネットワークへの参入を与えることは更に、前記(a)の段階における決定に応じて、前記ネットワークへの参入を与えることを有する、
付記12に記載のシステム。
【0101】
(付記14) 前記受信した複数のレンジングコードが所定のレンジングコードセットの複数のレンジングコードと一致するかを決定することは更に、前記受信した複数のレンジングコードのレンジングスロットが、前記所定のレンジングコードセットの前記複数のレンジングコードのレンジングスロットと一致することを決定することを有する、付記12に記載のシステム。
【0102】
(付記15) 前記少なくとも1つの暗号パラメータは、少なくとも1つの暗号的に安全な疑似乱数発生器信用証明を有する、付記12に記載のシステム。
【0103】
(付記16) 前記1つ以上のプロセッサは更に、
前記受信した複数のレンジングコードが前記所定のレンジングコードセットの前記複数のレンジングコードと一致すると決定したことに応答して、前記優先エンドポイントが優先的なものであることを決定し、
前記所定のレンジングコードセットを、第2のエンドポイントから受信した少なくとも1つのレンジングコードと比較したことに応答して、前記第2のエンドポイントが優先的なものでないことを決定する
よう動作し、且つ
前記優先エンドポイントに前記ネットワークへの参入を与えることは、前記第2のエンドポイントに参入を与えるかを決定する前に、前記優先エンドポイントに前記ネットワークへの参入を与えることを有する、
付記12に記載のシステム。
【0104】
(付記17) 前記1つ以上のプロセッサは更に、
前記優先エンドポイントから複数のレンジングコードを受信することに先立って、前記優先エンドポイントの1つ以上のパラメータを格納し、且つ
前記受信した複数のレンジングコードが前記所定のレンジングコードセットの前記複数のレンジングコードと一致すると決定したことに応答して、前記優先エンドポイントが前記ネットワークに参入するのに要する時間量を短縮するよう前記1つ以上のパラメータを使用する
よう動作する、付記12に記載のシステム。
【0105】
(付記18) 無線機と1つ以上のプロセッサとを有し、
前記無線機は、
ネットワークへのアクセスを提供する基地局との通信セッションに参加し、且つ
前記通信セッション中に、前記基地局から少なくとも1つの暗号パラメータを受信する
よう動作し、
前記1つ以上のプロセッサは、
前記基地局との前記通信セッションを終了させた後に、前記少なくとも1つの暗号パラメータを用いて一組のレンジングコードを生成し、
前記基地局に前記一組のレンジングコードを送信し、
前記一組のレンジングコードを送信したことに応答して、前記基地局から、前記ネットワークに参入する優先アクセスを受信し、且つ
前記基地局を介して前記ネットワークに参入する
よう動作する、
無線通信システム。
(付記19) 前記1つ以上のプロセッサは更に、前記基地局との前記通信セッションを終了させた後に、前記少なくとも1つの暗号パラメータを用いて一組のレンジングスロットを生成するよう動作し、且つ
前記一組のレンジングコードを送信することは、前記基地局に前記一組のレンジングスロットにて前記一組のレンジングコードを送信することを有する、
付記18に記載のシステム。
【0106】
(付記20) 前記少なくとも1つの暗号パラメータは、少なくとも1つの暗号的に安全な疑似乱数発生器信用証明を有する、付記18に記載のシステム。
【0107】
(付記21) 前記1つ以上のプロセッサは更に、
前記基地局との前記通信セッションを終了させることに先立って、前記基地局の1つ以上のパラメータを格納し、且つ
前記基地局から前記ネットワークに参入する優先アクセスを受信したことに応答して、前記優先エンドポイントが前記ネットワークに参入するのに要する時間量を短縮するよう前記1つ以上のパラメータを使用する
よう動作する、付記18に記載のシステム。
【0108】
(付記22) 前記1つ以上のプロセッサは更に、前記暗号パラメータを用いて乱数を生成するよう動作し、
前記一組のレンジングコードを生成することは、前記一組のレンジングコードの各レンジングコードを、前記乱数の異なる部分を用いて生成することを有する、
付記18に記載のシステム。
【符号の説明】
【0109】
100、200 通信システム
110、205 ネットワーク
120 マクロ基地局
140、270 エンドポイント
150、290 無線接続
160 有線リンク
170 ノード
180、251 ネットワークアクセス装置
190、250 フェムト基地局
224、232 サーバ
226、234 ゲートウェイ
252、272 無線機
254、274 PHY/HWブロック
257、277 MAC/SWブロック
280 アナログ−デジタル変換器
282 高速フーリエ変換
284−294 相関器
296 比較器
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基地局にて、優先エンドポイントにネットワークへのアクセスを提供する段階と、
前記基地局にて、前記優先エンドポイントに少なくとも1つの暗号パラメータを送信する段階と、
前記基地局にて、前記優先エンドポイントに前記ネットワークへのアクセスを提供することを止めた後に、前記優先エンドポイントから複数のレンジングコードを受信する段階と、
前記基地局にて、前記受信した複数のレンジングコードが、前記少なくとも1つの暗号パラメータを用いて決定した所定のレンジングコードセットの複数のレンジングコードと一致するかを決定する段階と、
前記基地局にて、前記受信した複数のレンジングコードが前記所定のレンジングコードセットの前記複数のレンジングコードと一致すると決定したことに応答して、前記優先エンドポイントに前記ネットワークへの参入を与える段階と
を有する無線通信方法。
【請求項2】
前記受信した複数のレンジングコードが所定のレンジングコードセットの複数のレンジングコードと一致するかを決定する段階は更に、(a)第1の受信レンジングコードに関する時間遅延が第2の受信レンジングコードに関する時間遅延に略等しいことを決定する段階を有し、且つ
前記ネットワークへの参入を与える段階は更に、前記(a)の段階における決定に応じて、前記ネットワークへの参入を与えることを有する、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記受信した複数のレンジングコードが所定のレンジングコードセットの複数のレンジングコードと一致するかを決定する段階は更に、前記受信した複数のレンジングコードのレンジングスロットが、前記所定のレンジングコードセットの前記複数のレンジングコードのレンジングスロットと一致することを決定することを有する、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記受信した複数のレンジングコードが前記所定のレンジングコードセットの前記複数のレンジングコードと一致すると決定したことに応答して、前記優先エンドポイントが優先的なものであることを決定する段階と、
前記所定のレンジングコードセットを、第2のエンドポイントから受信した少なくとも1つのレンジングコードと比較したことに応答して、前記第2のエンドポイントが優先的なものでないことを決定する段階と
を更に有し、
前記優先エンドポイントに前記ネットワークへの参入を与える段階は、前記第2のエンドポイントに参入を与えるかを決定する前に、前記優先エンドポイントに前記ネットワークへの参入を与えることを有する、
請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記優先エンドポイントから複数のレンジングコードを受信する段階に先立って、前記優先エンドポイントの1つ以上のパラメータを格納する段階と、
前記受信した複数のレンジングコードが前記所定のレンジングコードセットの前記複数のレンジングコードと一致すると決定したことに応答して、前記優先エンドポイントが前記ネットワークに参入するのに要する時間量を短縮するよう前記1つ以上のパラメータを使用する段階と
を更に有する請求項1に記載の方法。
【請求項6】
優先エンドポイントにて、該優先エンドポイントにネットワークへのアクセスを提供する基地局との通信セッションに参加する段階と、
前記優先エンドポイントにて、前記通信セッション中に、前記基地局から少なくとも1つの暗号パラメータを受信する段階と、
前記優先エンドポイントにて、前記基地局との前記通信セッションを終了させた後に、前記少なくとも1つの暗号パラメータを用いて一組のレンジングコードを生成する段階と、
前記優先エンドポイントにて、前記基地局に前記一組のレンジングコードを送信する段階と、
前記優先エンドポイントにて、前記一組のレンジングコードを送信したことに応答して、前記基地局から、前記ネットワークに参入する優先アクセスを受信する段階と、
前記優先エンドポイントにて、前記基地局を介して前記ネットワークに参入する段階と
を有する無線通信方法。
【請求項7】
前記優先エンドポイントにて、前記基地局との前記通信セッションを終了させた後に、前記少なくとも1つの暗号パラメータを用いて一組のレンジングスロットを生成する段階を更に有し、
前記一組のレンジングコードを送信する段階は、前記基地局に前記一組のレンジングスロットにて前記一組のレンジングコードを送信することを有する、
請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記暗号パラメータを用いて乱数を生成する段階を更に有し、
前記一組のレンジングコードを生成する段階は、前記一組のレンジングコードの各レンジングコードを、前記乱数の異なる部分を用いて生成することを有する、
請求項6に記載の方法。
【請求項9】
無線機と1つ以上のプロセッサとを有し、
前記無線機は、
優先エンドポイントにネットワークへのアクセスを提供し、
前記優先エンドポイントに少なくとも1つの暗号パラメータを送信し、且つ
基地局が前記優先エンドポイントに前記ネットワークへのアクセスを提供することを止めた後に、前記優先エンドポイントから複数のレンジングコードを受信する
よう動作し、
前記1つ以上のプロセッサは、
前記受信した複数のレンジングコードが、前記少なくとも1つの暗号パラメータを用いて決定された所定のレンジングコードセットの複数のレンジングコードと一致するかを決定し、且つ
前記受信した複数のレンジングコードが前記所定のレンジングコードセットの前記複数のレンジングコードと一致すると決定したことに応答して、前記優先エンドポイントに前記ネットワークへの参入を与える
よう動作する、
無線通信システム。
【請求項10】
無線機と1つ以上のプロセッサとを有し、
前記無線機は、
ネットワークへのアクセスを提供する基地局との通信セッションに参加し、且つ
前記通信セッション中に、前記基地局から少なくとも1つの暗号パラメータを受信する
よう動作し、
前記1つ以上のプロセッサは、
前記基地局との前記通信セッションを終了させた後に、前記少なくとも1つの暗号パラメータを用いて一組のレンジングコードを生成し、
前記基地局に前記一組のレンジングコードを送信し、
前記一組のレンジングコードを送信したことに応答して、前記基地局から、前記ネットワークに参入する優先アクセスを受信し、且つ
前記基地局を介して前記ネットワークに参入する
よう動作する、
無線通信システム。
【請求項1】
基地局にて、優先エンドポイントにネットワークへのアクセスを提供する段階と、
前記基地局にて、前記優先エンドポイントに少なくとも1つの暗号パラメータを送信する段階と、
前記基地局にて、前記優先エンドポイントに前記ネットワークへのアクセスを提供することを止めた後に、前記優先エンドポイントから複数のレンジングコードを受信する段階と、
前記基地局にて、前記受信した複数のレンジングコードが、前記少なくとも1つの暗号パラメータを用いて決定した所定のレンジングコードセットの複数のレンジングコードと一致するかを決定する段階と、
前記基地局にて、前記受信した複数のレンジングコードが前記所定のレンジングコードセットの前記複数のレンジングコードと一致すると決定したことに応答して、前記優先エンドポイントに前記ネットワークへの参入を与える段階と
を有する無線通信方法。
【請求項2】
前記受信した複数のレンジングコードが所定のレンジングコードセットの複数のレンジングコードと一致するかを決定する段階は更に、(a)第1の受信レンジングコードに関する時間遅延が第2の受信レンジングコードに関する時間遅延に略等しいことを決定する段階を有し、且つ
前記ネットワークへの参入を与える段階は更に、前記(a)の段階における決定に応じて、前記ネットワークへの参入を与えることを有する、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記受信した複数のレンジングコードが所定のレンジングコードセットの複数のレンジングコードと一致するかを決定する段階は更に、前記受信した複数のレンジングコードのレンジングスロットが、前記所定のレンジングコードセットの前記複数のレンジングコードのレンジングスロットと一致することを決定することを有する、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記受信した複数のレンジングコードが前記所定のレンジングコードセットの前記複数のレンジングコードと一致すると決定したことに応答して、前記優先エンドポイントが優先的なものであることを決定する段階と、
前記所定のレンジングコードセットを、第2のエンドポイントから受信した少なくとも1つのレンジングコードと比較したことに応答して、前記第2のエンドポイントが優先的なものでないことを決定する段階と
を更に有し、
前記優先エンドポイントに前記ネットワークへの参入を与える段階は、前記第2のエンドポイントに参入を与えるかを決定する前に、前記優先エンドポイントに前記ネットワークへの参入を与えることを有する、
請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記優先エンドポイントから複数のレンジングコードを受信する段階に先立って、前記優先エンドポイントの1つ以上のパラメータを格納する段階と、
前記受信した複数のレンジングコードが前記所定のレンジングコードセットの前記複数のレンジングコードと一致すると決定したことに応答して、前記優先エンドポイントが前記ネットワークに参入するのに要する時間量を短縮するよう前記1つ以上のパラメータを使用する段階と
を更に有する請求項1に記載の方法。
【請求項6】
優先エンドポイントにて、該優先エンドポイントにネットワークへのアクセスを提供する基地局との通信セッションに参加する段階と、
前記優先エンドポイントにて、前記通信セッション中に、前記基地局から少なくとも1つの暗号パラメータを受信する段階と、
前記優先エンドポイントにて、前記基地局との前記通信セッションを終了させた後に、前記少なくとも1つの暗号パラメータを用いて一組のレンジングコードを生成する段階と、
前記優先エンドポイントにて、前記基地局に前記一組のレンジングコードを送信する段階と、
前記優先エンドポイントにて、前記一組のレンジングコードを送信したことに応答して、前記基地局から、前記ネットワークに参入する優先アクセスを受信する段階と、
前記優先エンドポイントにて、前記基地局を介して前記ネットワークに参入する段階と
を有する無線通信方法。
【請求項7】
前記優先エンドポイントにて、前記基地局との前記通信セッションを終了させた後に、前記少なくとも1つの暗号パラメータを用いて一組のレンジングスロットを生成する段階を更に有し、
前記一組のレンジングコードを送信する段階は、前記基地局に前記一組のレンジングスロットにて前記一組のレンジングコードを送信することを有する、
請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記暗号パラメータを用いて乱数を生成する段階を更に有し、
前記一組のレンジングコードを生成する段階は、前記一組のレンジングコードの各レンジングコードを、前記乱数の異なる部分を用いて生成することを有する、
請求項6に記載の方法。
【請求項9】
無線機と1つ以上のプロセッサとを有し、
前記無線機は、
優先エンドポイントにネットワークへのアクセスを提供し、
前記優先エンドポイントに少なくとも1つの暗号パラメータを送信し、且つ
基地局が前記優先エンドポイントに前記ネットワークへのアクセスを提供することを止めた後に、前記優先エンドポイントから複数のレンジングコードを受信する
よう動作し、
前記1つ以上のプロセッサは、
前記受信した複数のレンジングコードが、前記少なくとも1つの暗号パラメータを用いて決定された所定のレンジングコードセットの複数のレンジングコードと一致するかを決定し、且つ
前記受信した複数のレンジングコードが前記所定のレンジングコードセットの前記複数のレンジングコードと一致すると決定したことに応答して、前記優先エンドポイントに前記ネットワークへの参入を与える
よう動作する、
無線通信システム。
【請求項10】
無線機と1つ以上のプロセッサとを有し、
前記無線機は、
ネットワークへのアクセスを提供する基地局との通信セッションに参加し、且つ
前記通信セッション中に、前記基地局から少なくとも1つの暗号パラメータを受信する
よう動作し、
前記1つ以上のプロセッサは、
前記基地局との前記通信セッションを終了させた後に、前記少なくとも1つの暗号パラメータを用いて一組のレンジングコードを生成し、
前記基地局に前記一組のレンジングコードを送信し、
前記一組のレンジングコードを送信したことに応答して、前記基地局から、前記ネットワークに参入する優先アクセスを受信し、且つ
前記基地局を介して前記ネットワークに参入する
よう動作する、
無線通信システム。
【図1】
【図2】
【図2A】
【図3A】
【図3B】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図8A】
【図8B】
【図2】
【図2A】
【図3A】
【図3B】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図8A】
【図8B】
【公開番号】特開2010−109984(P2010−109984A)
【公開日】平成22年5月13日(2010.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−251215(P2009−251215)
【出願日】平成21年10月30日(2009.10.30)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年5月13日(2010.5.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年10月30日(2009.10.30)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】
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