説明

無線通信ネットワークにおいてローミング中に行なうホームネットワーク探索

無線通信デバイスにおける方法に関する。この方法は、無線通信デバイスがホームネットワーク、例えばH−PLMN、以外のネットワークにおいて動作しているか否かを判定すること(410)と、ホームネットワークにおいて動作していないとき、移動体無線通信デバイスの動作しているネットワークに関連するネットワークレコード情報を参照情報と比較することにより、無線通信デバイスのホームネットワークを探索するか否かを判定すること(450)とを含む。一部の実施形態では、この無線通信デバイスはネットワークレコード情報に基づき、動作しているネットワーク、例えばローミングしているネットワーク、以外のネットワーク、例えば仮想ホームネットワークにおいて動作していると表示する(420)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は無線通信に関する。より詳細には、無線通信デバイス、例えば移動体セルラー電話機が、他のネットワークにおいて動作している場合、例えば仮想的なホーム公衆地上移動体ネットワーク(Home Public Land Mobile Network:H−PLMN)においてローミングしている場合に、その無線通信デバイスのホームネットワークを探索するか否かを判定すること及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
無線通信ネットワークオペレータが、例えば全国通話プランなど、そのサービスプランを提案するオペレータではなく、サードパーティのネットワークオペレータによりサービスの提供される地域におけるカバレッジを用いるサービスプランを提案することは、一般的である。このため、オペレータが実際にはネットワークインフラストラクチャを運営していない地域の加入者に対し、そのオペレータがサービスを提供できるように、ネットワークオペレータは他のネットワークオペレータとネットワーク共有に関する協定を結ぶ。
【0003】
一部の移動局では、実際には移動局はサードパーティオペレータネットワークに位置するとき、ディスプレイには、移動局がホームネットワークにおいて動作していると表示される。このため、実際には移動局がローミングしているとき、即ち、サードパーティネットワークにおいて動作しているとき、ユーザには、移動局がその移動局のホームネットワークに係留(camp)されているように見える。例えば、グローバル・システム・フォー・モバイル・コミュニケーションズ(Global System for Mobile Communications:GSM)規格では、拡張オペレータ名文字列(Extended Operator Name String:EONS)と呼ばれる機能が規定されている。この機能により、GSMの加入者識別モジュール(Subscriber Identification Module)(SIMカード)発行者、例えばネットワークオペレータは、表示されるアイドルモードのオペレータ名を一連の規則及びSIMカードに保存される関連する名前文字列を用いて制御できる。これらの規則はオペレータPLMNリスト(Operator PLMN List:OPL)として知られており、関連する名前文字列はPLMNネットワーク名(PLMN Network Name:PNN)リストとして知られている。EONS機能によって、移動局の動作している実際のネットワーク名以外の特定の名前を電話機が表示することが可能となる。一部のGSMネットワークオペレータはEONS機能を用いて、サードパーティネットワークの全体又は特定部分において移動局がそのオペレータの名前を表示するようにSIMをプログラムすることにより、「仮想的な」全国的カバレッジを提供する。そうした環境においては、移動局は「仮想」ホームネットワークに位置すると言える。
【0004】
サードパーティネットワークにおいて動作している無線通信デバイス、即ち、移動局は、その移動局の表示する内容にかかわらず、実際にはホームオペレータのネットワークの外においてローミングしている。ローミングしている移動局は、その移動局のホームネットワーク、例えばその移動局のホームPLMN(H−PLMN)を定期的に調査(scan)する。しかしながら、このネットワーク調査手続は電力を消費するので、移動局がローミングしておらず、その移動局のホームネットワークを調査していないときに消費される電力と比較して、著しくバッテリ寿命を短縮する。
【0005】
第3世代パートナーシッププロジェクト(3rd Generation Partnership Project:3GPP)GSM規格のリリース99では、ネットワークが一連の均等PLMN(equivalent PLMN)を指定することが可能となる。均等PLMNは受信側移動局により同じネットワークであるように扱われる。リリース99仕様では、移動局は、その移動局のH−PLMNと均等なネットワークに係留されているとき、定期的なH−PLMN探索を実行しない。しかしながら、リリース99仕様は完全に実装するには時間を必要とする大きな変更であり、近い将来に均等PLMN機能を利用することはほぼ不可能である。さらに、均等PLMN機能は、移動局からのロケーションエリア更新に応答するメッセージにて均等PLMNデータフィールドの利用を選択する、リリース99仕様に準拠したネットワークにおいてのみ利用可能である。詳細には、リリース99の均等PLMN機能は、ローミング中の移動局による不要なH−PLMN探索を減らすようにネットワーク情報を構成する、競合ネットワークオペレータに応じて異なる。ローミングしているPLMNがその移動局のホームPLMNと均等であるとの表示が存在しない場合、ローミング中の移動局は、その移動局のH−PLMNの探索を継続することになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
図1には、移動体通信デバイス、例えば図1の移動局102に無線通信サービスを提供する異なるオペレータにより運営される、第1の通信ネットワーク「A」及び第2の通信ネットワーク「B」を含む地域100を示す。例示的なネットワーク「A」及び「B」は重なり合う部分を含むが、一般にはこれらのネットワークが重なり合う必要はない。一部のネットワークは一つ以上のロケーションエリア(location area)を含んでおり、通常、このロケーションエリアは対応するネットワークオペレータにより規定される。例示的なネットワーク「B」は、ロケーションエリアコード:LAC 01,LAC 02,LAC 03を含む。無線通信デバイスはロケーションエリアの変更をネットワークに報告する。
【0007】
一般に、例示的な無線通信ネットワークは通信サブシステムを含む。通信サブシステムはコントローラを備える。このコントローラは、対応するエリア、例えばセルラーエリアにサービスのカバレッジを提供する、一つ以上のトランシーバ局と通信可能に接続されている。一部のネットワークアーキテクチャでは、一つ以上の通信サブシステムが、複数のロケーションエリアを含むネットワークにおいて相当するロケーションエリアにサービス提供する。通信ネットワークはサーキットサービス及びデータサービスのうちの1つ以上を提供することができる。例示的なセルラー通信ネットワークは、第2世代(2G)のグローバル・システム・フォー・モバイル・コミュニケーションズ(GSM)無線接続ネットワーク、第2.5世代のGSM及びCDMAネットワーク、第3世代(3G)のユニバーサル・モバイル・テレホン・システム(Universal Mobile Telephone System:UMTS)W−CDMAネットワーク、他の通信ネットワーク並びにこれらのネットワークの組み合わせを含む。これらのネットワーク及び他のネットワークのインフラストラクチャアーキテクチャは周知であるため、本明細書ではさらに説明しない。
【0008】
無線通信デバイスは、例えば、他のプロトコルに加え特に、例えば、TDMA,GSM,CDMA,UMTS W−CDMAの動作する通信ネットワークに対応する1つ以上の適用可能な通信プロトコルに準拠して動作する、移動体通信用ハンドセットである。さらに一般的には、無線通信デバイスは、パーソナル・デジタル・アシスタント、又は無線使用可能なラップトップコンピュータ若しくはノートブックコンピュータである。あるいは、例えば図1のネットワーク「A」及び「B」など、異なるネットワークにおいて動作するその他の無線通信デバイスである。
【0009】
通常、無線通信デバイス102は、例えば図1のネットワーク「A」など、一部の通信規格においてH−PLMNと呼ばれる対応するホームネットワークに関連している。一般的に、例えばホームネットワークオペレータが他のオペレータと結んだ契約協定により、無線通信デバイスはホームネットワーク以外のネットワークにおいて動作し得る。これにより、ローミング中の無線通信デバイスに対し、ほぼシームレスな通信サービスが提供される。また、一部の無線通信デバイス、例えば一部のGSM移動局は、その移動局がローミングしているときホームネットワークにおいて動作していると表示するようにプログラムされる。
【0010】
一部の実施形態では、無線通信デバイスは、着脱可能な集積回路(IC)カードに加入者識別子及び他の情報を含む、加入者情報モジュールを備える。一般的に「スマートカード」とも呼ばれる例示的な識別モジュールには、GSM加入者識別モジュール(SIM)、UMTS用SIM又はCDMA1x準拠デバイス及び他の通信デバイスにおいて用いられる均等のモジュールが含まれる。UMTS用SIMは、ユーザサービス識別モジュール又は汎用加入識別モジュール(Universal Subscription Identity Module:U−SIM)としても知られる。
【0011】
一部の加入者情報モジュールには、他の情報に加え特に、加入者デバイスを識別するために通信ネットワークにより用いられる無線通信デバイス識別情報、例えば国際移動体加入者識別子(International Mobile Subscriber Identity:IMSI)が含まれる。また、加入者情報モジュールには、ホームネットワーク以外のネットワークにおいて動作しているとき、即ち、ローミングしているときに移動局により用いられる、好適なサービスプロバイダ情報が含まれてよい。
【0012】
一実施形態では、無線通信デバイスは、そのデバイスに保存される拡張オペレータ名文字列情報を含む。この情報は、例えば無線通信デバイスのSIMカードその他のスマートカードに保存されてよい。図2には、オペレータPLMNリスト(OPL)情報を含む例示的な修正版GSM拡張オペレータ名文字列(EONS)を示し、図3には、例示的な修正版PLMNネットワーク名(PNN)情報を示す。GSMでは、EONS情報はSIMカードに保存される。他の実施形態では、同様の情報又は均等の情報は、他のスマートカード又は媒体に保存される。
【0013】
OPLでは、無線通信デバイスにどのネットワーク名を表示するかに関する規則が指定される。図2には、例示的なOPL情報ファイル200を、図示を容易にするためにテーブル形式で示す。図2において、対応するレコード番号210で識別される例示的なOPL情報ファイルレコードの各々は、例えばPLMN−IDなどのネットワーク識別情報220と、例えばロケーションエリア範囲などのロケーションエリア情報230と、対応するPNNレコード情報240に対する参照とを含む。一実施形態では、明示的なレコード番号データが存在しない場合、OPL情報ファイル200におけるレコードの順番がレコード番号を意味する。図3には、例示的なPNN情報ファイル300を、やはり図示を容易にするためにテーブル形式で示す。このファイルは、図3において対応するレコード番号310により識別される複数のレコードを含み、対応するネットワーク名情報320を有する。一実施形態では、明示的なレコード番号データが存在しない場合、PNN情報ファイル300におけるレコードの順番がレコード番号を意味する。
【0014】
OPL情報テーブル200のPNNレコード情報240を用いて、PNN情報テーブル300の対応する名前情報320を参照する。一般に、無線通信デバイスが動作しているネットワークの識別子は、そのネットワークから取得される。実際に、無線通信デバイスはネットワーク識別子及びいずれかのロケーションエリア情報を用いてOPLファイルの対応するレコードの位置を特定し、このレコードを用いて対応するPNNレコードを相互参照する。図2,3のEONS情報を用いて、例えば、PLMN−ID 318261のLAC 0002−0003において動作している無線通信デバイスは、PLMN−ID 318261に属する他のネットワーク名ではなく、ネットワーク名「A」を表示する。デバイスがPLMN−ID 318261のLAC 0001において動作しているとき、このデバイスはネットワーク名「B」を表示する。
【0015】
図1において、無線通信デバイス102は、ネットワーク「B」のロケーションエリアコード(LAC)03においてローミングしているとき、ホームネットワーク「A」が利用可能でないため、ホームネットワーク「A」を発見することはない。そうした環境においては、少なくとも一部の用途では、無線通信デバイスが、利用可能でないホームネットワークを探索する必要はない。ホームネットワークを探索しない少なくとも一つの理由は、例えばバッテリ電力など、リソースを節約するためである。
【0016】
本開示の一態様によれば、一部の用途において、その移動体無線通信デバイスのホームネットワーク以外のネットワークにおいて動作している移動体無線通信デバイスは、その移動体無線通信デバイスが動作しているネットワークに対応するネットワークレコード情報を参照情報と比較することにより、ローミング中にそのホームネットワークを探索するか否かを判定する。この例について以下でさらに説明する。
【0017】
図4の処理の図400に示す第1の特定の例示的な一実施形態では、ブロック410にて、無線通信デバイスは、その無線通信デバイスが例えばホーム公衆地上移動体ネットワーク(H−PLMN)など、そのホームネットワークその他のネットワークにおいて動作しているか否か、即ち、係留されているか否かを判定する。図4では、ブロック420にて、無線通信デバイスは、そのホームネットワークで動作しているとき、ホームネットワークを調査しない。ローミングを表示するローミングインジケータを無線通信デバイスが含む実施形態では、無線通信デバイスがそのホームネットワークにおいて動作しているとき、ローミングインジケータも無効化される。
【0018】
一実施形態では、その移動体無線通信デバイスのホームネットワーク以外のネットワークにおいて動作している移動体無線通信デバイスは、その移動体無線通信デバイスの動作しているネットワークに関連するネットワーク名情報を参照情報と比較することにより、そのホームネットワークを探索するか否かを判定する。このネットワーク名情報は、例えば、ローミング中にこの移動体無線通信デバイスに表示されるホームネットワーク名など、このデバイスが動作しているネットワークの名前以外のネットワーク名である。
【0019】
図4では、ブロック430にて、無線通信デバイスはネットワーク名情報を判定する。例えば図3では、無線通信デバイスは、図2のOPL情報200からのPNNレコード情報240を用いて、PNN情報300からPLMNネットワーク名(PNN)、例えば「A」,「B」,「C」などを取得する。図4では、ブロック440にて、無線通信デバイスは、例えばEONS情報、CPHS ONS、代替の名前テーブル情報又は他の情報などを用いて、参照ネットワークの名前を判定する。一実施形態では、参照ネットワーク名はホームネットワーク名である。ブロック450にて、ブロック430で取得した名前をブロック440で取得した参照名と比較する。これらの名前が同じである、即ち、一致する場合、ブロック420にて示したように、ローミング中に無線通信デバイスはそのホームネットワークを調査しない。そうした環境においては、ローミングインジケータも無効化される。
【0020】
従って、図4の例示的な処理の少なくとも一部の変形実施形態では、無線通信デバイスは、先行技術によるEONS情報を用いて、ローミング中にそのホームネットワークを調査するか否かを判定する。EONSを用いて表示されるネットワーク名が、例えばCPHS ONSファイルにより規定されるホームオペレータ名文字列に一致する場合、無線通信デバイスはそのH−PLMNを探索しない。ホームネットワークオペレータがSIMにEONSを提供するため、オペレータは移動体がそのホームネットワークを探索する必要がある場所及び探索する必要がない場所を認識する。
【0021】
代替の一実施形態では、ネットワーク名情報を、EONSファイルから取得される参照ネットワーク名情報と比較する。詳細には、ネットワーク名情報は、図4のブロック430に関連して上に述べたように、図2のOPL情報ファイル200を用いて図3のPNN情報ファイル300から取得される。この代替の実施形態では、一部の場合において、参照ネットワーク名は図2のOPL情報ファイル200から次のようにして取得される。即ち、無線通信デバイスはそのホームネットワーク識別、例えばそのH−PLMN識別子を用いて、図2のOPL情報テーブル200の対応するレコードを識別する。一実施形態では、H−PLMN IDは国際移動体加入者識別子(IMSI)から取得される。IMSIは、以前は国際移動局識別子(International Mobile Station Identity)として知られていた。参照ネットワーク名は、IMSIに関連するPNNレコード情報240を用いて、図3のPNN情報ファイル300においてネットワーク名320を参照することにより取得される。しかしながら、一部の例においては、PNN情報ファイルにおける対応するネットワーク名を参照する複数のレコードを、H−PLMN IDがOPL情報ファイル200に有することにより、PNN情報ファイルのネットワーク名に対する参照が不明瞭となる場合がある。
【0022】
別の代替の実施形態では、ネットワーク名情報を、無線通信デバイスのPLMNテキストテーブルから取得される参照ネットワーク名情報と比較する。PLMNテキストテーブルは周知であり、PLMN識別情報をネットワーク名情報と相関させ、対応するPLMNに位置するときに表示するために、先行技術において用いられている。この代替の実施形態では、無線通信デバイスはそのホームネットワーク識別、例えばそのH−PLMN識別子を用いて、PLMNテキストテーブルにおいて対応するレコードを識別する。また、ネットワーク名又はPLMNテキストテーブルのレコード番号を参照情報として用いる。
【0023】
図4において、一部の実施形態では、ブロック420にて、実際には無線通信デバイスデバイスがローミングしているとき、例えばLCDディスプレイには、その無線通信デバイスがそのホームネットワークにおいて動作していると表示される。一実施形態では、表示されるネットワーク名はOPLテーブル200を用いてPNNテーブル300から取得されるネットワーク名である。従って、図4の処理の少なくとも一部の変形実施形態では、無線通信デバイスがローミングしているときに仮想ホームネットワーク情報を表示するために用いられるのと同じ情報が、ローミング中にホームネットワークを探索するか否かを判定するためにも用いられる。一部の実施形態では、この同じ情報が、ローミングインジケータの状態を判定するためにも用いられる。
【0024】
図4では、ブロック460にて、ブロック430,440で取得した名前が一致しない場合、無線通信デバイスはそのホームネットワークを調査する。ブロック460にて、無線通信デバイスはこの無線通信デバイスがローミングしていることを表示し、ローミングしているネットワークの名前を表示する。
【0025】
図5の処理の図500に示す代替の一実施形態では、ブロック510にて、無線通信デバイスは、その無線通信デバイスが例えばホーム公衆地上移動体ネットワーク(H−PLMN)など、そのホームネットワークその他のネットワークにおいて動作しているか否か、即ち、係留されているか否かを判定する。ブロック520にて、無線通信デバイスは、そのホームネットワークで動作しているとき、ホームネットワークを調査しない。無線通信デバイスのローミングインジケータも無効化される。
【0026】
この代替の実施形態では、その移動体無線通信デバイスのホームネットワーク以外のネットワークにおいて動作している移動体無線通信デバイスは、その移動体無線通信デバイスの動作しているネットワークに関連するネットワークレコード情報を参照情報と比較することにより、ローミング中にそのホームネットワークを探索するか否かを判定する。一実施形態では、このネットワークレコード情報は、例えば、ローミング中にこの無線通信デバイスに表示される仮想ホームネットワーク情報に対応するレコード番号など、無線通信デバイスの動作しているネットワーク以外のネットワークのネットワークレコード番号である。
【0027】
図5の例示的な処理では、ブロック530にて、無線通信デバイスはネットワークレコード番号情報を判定する。例えば図2では、無線通信デバイスは、OPLファイルのPNNレコード情報240からPLMNネットワーク名(PNN)レコード番号、例えば「1」、「2」、「3」などを取得する。図5では、ブロック540にて、無線通信デバイスは、レコード番号を参照番号と比較することにより、レコード番号が参照番号と一致するか否かを判定する。一実施形態では、参照番号はホームネットワーク名に対応するレコード番号である。参照番号は、例えば製造中に不揮発性メモリに保存することにより、無線通信デバイスに保存されてもよく、あるいは、例えばSIM又はUSIMなど、スマートカードに保存されてもよい。より一般的には、無線通信デバイス又は無線通信デバイスのスマートカードに、複数の参照番号が保存されてよい。ネットワークレコード番号が複数の参照番号のうちのいずれかと一致する場合、ブロック520にて示したように、無線通信デバイスはそのホームネットワークを調査しない(又は、ローミングしていると表示しない)。
【0028】
従って、図5の例示的な処理の少なくとも一部の変形実施形態では、無線通信デバイスは、先行技術によるEONS情報を用いて、ローミング中にそのホームネットワークを調査するか否かを判定する。ローミングしているネットワークに対応するEONSネットワークレコード番号が少なくとも一つの参照番号と一致する場合、無線通信デバイスはそのH−PLMNを探索せず、ローミングインジケータも無効化される。
【0029】
図5において、一部の実施形態では、ブロック520にて、実際には無線通信デバイスがローミングしているとき、その無線通信デバイスは、そのホームネットワークにおいて動作していると表示する。一実施形態では、表示されるネットワーク名はEONS情報から取得されるネットワーク名である。従って、図5の処理の少なくとも一部の変形実施形態では、無線通信デバイスがローミングしているときに仮想ホームネットワーク情報を表示するために用いられるOPL情報及びPNN情報のうち一方又は両方のレコード番号は、ローミング中にホームネットワークを探索するか否かを判定するため、及び、任意のローミングインジケータの状態を制御するためにも用いられる。図5では、ブロック550にて、ブロック530で取得したレコード番号と参照番号とが一致しない場合、無線通信デバイスはそのホームネットワークを調査する。
【0030】
図6の処理の図600に示す別の代替の実施形態では、ブロック610にて、無線通信デバイスは、その無線通信デバイスが例えばホーム公衆地上移動体ネットワーク(H−PLMN)など、そのホームネットワークその他のネットワークにおいて動作しているか否か、即ち、係留されているか否かを判定する。ブロック620にて、無線通信デバイスは、ホームネットワークで動作しているとき、ホームネットワークを調査しない。
【0031】
図6の代替の実施形態では、その移動体無線通信デバイスのホームネットワーク以外のネットワークにおいて動作している移動体無線通信デバイスは、例えば2値フラグなど、その移動体無線通信デバイスが動作しているネットワークに関連するネットワークレコード情報に関連する探索情報に基づき、ローミング中にそのホームネットワークを探索するか否かを判定する。以下でさらに説明するように、この探索情報はスマートカードに保存されてよく、例えばEONS情報は無線通信デバイスのSIMカード又はUSIMカードに保存される。
【0032】
図6では、ブロック630にて、無線通信デバイスは、その無線通信デバイスの動作しているネットワークに関するネットワークレコード情報を判定する。一実施形態では、上述のように、図2のOPL情報ファイル200のレコードは、その無線通信デバイスの動作しているネットワークに対応して識別される。別の実施形態では、図3のPNN情報ファイル300のレコードがOPLファイルのPNNレコード情報240を用いて識別される。ブロック640にて、無線通信デバイスは、例えば無線通信デバイスのSIM、USIMなどスマートカードから、探索情報を取得する。
【0033】
一実施形態では、探索情報は、図2に示した修正版OPL情報ファイル200の一部である。この実施形態では、新たなOPL参照レコードデータフィールド250が利用される。この参照レコードデータフィールドには探索情報が格納される。探索情報は、例えば2値ビットであり、セットされること又はセットされないことにより、ホームネットワークを探索するか否かを示す。代替の一実施形態では、探索情報は、図3のPNN情報ファイル300の一部である新たなPNNレコードデータフィールド340に存在する。別の実施形態では、探索情報は、例えば明示的又は非明示的なレコード番号により、OPL情報ファイル及びPNN情報ファイルのうちの一方又は両方のレコードに対応する、複数のレコードを有する個別のファイルに存在する。
【0034】
図6では、ブロック650にて、無線通信デバイスは、ブロック640で取得した探索情報を解釈するとともに、その探索情報に基づき動作する。探索情報が2値フラグである例示的な実施形態では、その2値フラグの状態に応じて、無線通信デバイスはホームネットワークを探索するか、あるいは、ホームネットワークを探索しない。ホームネットワーク探索が必要でないと2値フラグが示す場合、アルゴリズムはブロック620に進む。一部の実施形態では、ブロック620にて、無線通信デバイスは、この無線通信デバイスがローミングしているとき、そのホームネットワークに位置していると表示してもよい。ホームネットワーク探索が必要であると2値フラグが示す場合、アルゴリズムはブロック660に進む。ブロック660にて、無線通信デバイスは、そのホームネットワークの調査を再開する。また、一部の実施形態では、この無線通信デバイスはローミング中であると表示してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】異なるサービスプロバイダにより運営される例示的な無線通信ネットワークの図。
【図2】例示的なオペレータネットワークリスト情報の一部を示す図。
【図3】例示的なオペレータネットワーク名リスト情報を示す図。
【図4】ホームネットワークを探索するか否かを判定するための第1の例示的な処理フロー図。
【図5】ホームネットワークを探索するか否かを判定するための第2の例示的な処理フロー図。
【図6】ホームネットワークを探索するか否かを判定するための第3の例示的な処理フロー図。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線通信デバイスにおける方法であって、
無線通信デバイスのホームネットワーク以外のネットワークにおいて動作する動作工程と、
ホームネットワークにおいて動作していないとき、移動体無線通信デバイスの動作しているネットワークに関連するネットワークレコード情報を参照情報と比較することにより、無線通信デバイスのホームネットワークを探索するか否かを判定する情報比較工程とからなる方法。
【請求項2】
無線通信デバイスの動作しているネットワークに関連するロケーションエリア情報を用いて、無線通信デバイスの動作しているネットワークに関連するネットワークレコード情報を識別する情報識別工程と、
無線通信デバイスの動作しているネットワークに関連するネットワークレコード情報を用いて、無線通信デバイスがいずれのネットワークにおいて動作しているかを無線通信デバイスにおいて表示する動作表示工程とを含む請求項1に記載の方法。
【請求項3】
情報比較工程はネットワークレコード番号を参照番号と比較する番号比較工程を含む請求項1に記載の方法。
【請求項4】
番号比較工程はオペレータ名文字列ネットワーク名レコード番号を参照番号と比較する工程を含む請求項3に記載の方法。
【請求項5】
番号比較工程はスマートカードモジュールの拡張オペレータ名文字列公衆地上移動体ネットワーク名レコード番号をスマートカードとは別のメモリに保存される参照番号と比較する工程を含む請求項3に記載の方法。
【請求項6】
番号比較工程はスマートカードに保存されるネットワーク名レコード番号をやはりスマートカードに保存される参照番号と比較する工程を含む請求項3に記載の方法。
【請求項7】
情報比較工程はネットワークレコード名を参照名と比較する名前比較工程を含む請求項1に記載の方法。
【請求項8】
名前比較工程は拡張オペレータ名文字列ネットワーク名を参照名と比較する工程を含む請求項7に記載の方法。
【請求項9】
名前比較工程は無線通信デバイスがいずれのネットワークにおいて動作しているかを表示するために用いられるネットワーク名を参照名と比較する工程を含む請求項7に記載の方法。
【請求項10】
名前比較工程はネットワークレコード名を共通パーソナル通信ネットワークハンドセット規格オペレータ名文字列情報と比較する工程を含む請求項7に記載の方法。
【請求項11】
情報比較工程はネットワークレコード情報を共通パーソナル通信ネットワークハンドセット規格オペレータ名文字列情報と比較する工程を含む請求項1に記載の方法。
【請求項12】
ネットワークレコード情報に基づき、無線通信デバイスの動作しているネットワーク以外のネットワークにおいて無線通信デバイスが動作していると表示する工程を含む請求項1に記載の方法。
【請求項13】
移動体無線通信デバイスの動作しているネットワークに関連するネットワークレコード情報を参照情報と比較することにより、無線通信デバイスがローミングしていると表示するか否かを判定する工程を含む請求項1に記載の方法。
【請求項14】
移動体無線通信デバイスにおける方法であって、
無線通信デバイスのホームネットワーク以外のネットワークにおいて動作する動作工程と、
ホームネットワーク以外のネットワークにおいて動作しているとき、無線通信デバイスの動作しているネットワーク以外のネットワークにおいて無線通信デバイスが動作していると表示するために用いられる情報に基づき、ホームネットワークを探索するか否かを判定する探索判定工程とからなる方法。
【請求項15】
ホームネットワーク以外のネットワークにおいて動作しているとき、無線通信デバイスの動作しているネットワーク以外のネットワークにおいて無線通信デバイスが動作していると表示するために用いられる情報を参照情報と比較することにより、ホームネットワークを探索するか否かを判定する工程を含む請求項14に記載の方法。
【請求項16】
無線通信デバイスの動作しているネットワーク以外のネットワークにおいて無線通信デバイスが動作していると表示するために用いられる情報に基づき、無線通信デバイスがローミングしていると表示するか否かを判定する工程を含む請求項14に記載の方法。
【請求項17】
探索判定工程はネットワーク名情報を参照名情報と比較する工程を含む請求項14に記載の方法。
【請求項18】
探索判定工程はネットワークレコード番号情報を参照情報情報と比較する工程を含む請求項14に記載の方法。
【請求項19】
移動体無線通信デバイスにおける方法であって、
無線通信デバイスの動作しているネットワークを識別するネットワーク識別工程と、
識別したネットワークに基づきネットワークレコード情報を判定する情報判定工程と、
識別したネットワークレコード情報に関連する探索情報に基づきローミング中にホームネットワークを探索するか否かを判定する探索判定工程とからなる方法。
【請求項20】
探索情報に関連するネットワークレコード情報に基づきローミング中にネットワーク情報を無線通信デバイスにおいて表示する工程を含む請求項19に記載の方法。
【請求項21】
情報判定工程は無線通信デバイスの動作しているネットワークに対応するオペレータ名文字列情報を判定する工程を含むことと、
オペレータ名文字列情報に関連する探索情報に基づきローミング中にホームネットワークを探索するか否かを判定する工程とを含む請求項19に記載の方法。
【請求項22】
オペレータ名文字列情報に関連するネットワーク名情報に関連する探索情報に基づきローミング中にホームネットワークを探索するか否かを判定する工程を含む請求項に21に記載の方法。
【請求項23】
情報判定工程は無線通信デバイスの動作しているネットワークに対応する拡張オペレータ名文字列情報を判定する工程を含むことと、
オペレータ名文字列情報に関連する探索情報に基づきローミング中にホームネットワークを探索するか否かを判定する工程とを含む請求項19に記載の方法。
【請求項24】
識別したネットワークレコード情報に関連する探索情報に基づきローミング中に無線通信デバイスにおいてローミングインジケータを提供するか否かを判定する工程を含む請求項19に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2007−513547(P2007−513547A)
【公表日】平成19年5月24日(2007.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−541226(P2006−541226)
【出願日】平成16年11月4日(2004.11.4)
【国際出願番号】PCT/US2004/036891
【国際公開番号】WO2005/053202
【国際公開日】平成17年6月9日(2005.6.9)
【出願人】(390009597)モトローラ・インコーポレイテッド (649)
【氏名又は名称原語表記】MOTOROLA INCORPORATED
【Fターム(参考)】