説明

無線通信方法、送信側通信装置、及び受信側通信装置

【課題】MIMO伝送方式に対応する/しない通信装置が混在する無線通信システムにおいて、通信能力のネゴシエーションを行う前における通信品質を改善できるようにする。
【解決手段】複数本の送信アンテナ101及び102を有する基地局BSは、送信アンテナ101及び102を介して、1又は複数本の受信アンテナを有する無線端末MSへの送信を行う送信部11と、無線端末MSとの間の接続シーケンスで通信能力のネゴシエーションが完了する前において、STBC方式によって送信を行うよう制御し、通信能力のネゴシエーションが完了した後において、該ネゴシエーションの結果に応じた伝送方式によって送信を行うよう制御する制御部30と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信システムの無線通信方法、送信側通信装置、及び受信側通信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、無線通信システムでは、周波数利用効率を高めて通信品質の向上を図るために、様々な多重化技術が実現されている。
【0003】
例えば、複数本の送信アンテナを介して複数のデータ信号を同一の時間・周波数リソースを用いて送信するとともに、複数本の受信アンテナを介して該複数のデータ信号を受信し、各データ信号に分離して復号する複数入力・複数出力(MIMO)伝送方式が知られている。
【0004】
MIMO伝送方式は、データ信号毎に異なる送信アンテナ又は異なる送信指向性を用いることによって、送信側と受信側との間に、空間的に分割される論理伝送路(「ストリーム」と称される)を複数形成する。このようなストリームは「レイヤ」と称されることもある。
【0005】
また、MIMO伝送方式は、例えば、次世代PHS(XGP)の現行規格であるXGP1.0は対応されていないが、XGP1.0よりも通信能力が向上されたXGP2.0はMIMO伝送方式に対応する予定である(非特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】ARIB STD−T95 Version 1.3
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、XGP1.0規格からXGP2.0規格への移行期においては、MIMO伝送方式に対応する通信装置(基地局又は無線端末)と、MIMO伝送方式に対応しない通信装置とが混在することになる。
【0008】
例えば、XGP1.0規格に従って構成された無線端末は、1本のアンテナしか有していないため、基地局がMIMO伝送方式に対応していてもMIMO伝送方式による送受信を行うことができない。
【0009】
このため、基地局と無線端末との間の接続シーケンスにおいて通信能力のネゴシエーションを行う前においては、送信側及び受信側のそれぞれが単一のアンテナを用いる単一入力・単一出力(SISO)伝送方式を適用することが考えられる。
【0010】
しかしながら、このような方法では、通信能力のネゴシエーションを行う前における通信品質は低いものになってしまうという問題がある。
【0011】
なお、このような問題は、XGPに限らず、MIMO伝送方式に対応する/しない通信装置が混在する全ての無線通信システムにおいて生じ得る。
【0012】
そこで、本発明は、MIMO伝送方式に対応する/しない通信装置が混在する無線通信システムにおいて、通信能力のネゴシエーションを行う前における通信品質を改善できる無線通信方法、送信側通信装置、及び受信側通信装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上述した課題を解決するために、本発明は以下のような特徴を有している。
【0014】
まず、本発明に係る無線通信方法の特徴は、複数本の送信アンテナを有する送信側通信装置(例えば、基地局BS)と、1又は複数本の受信アンテナを有する受信側通信装置(例えば、無線端末MS)との無線通信を行う無線通信方法であって、前記送信側通信装置と前記受信側通信装置との間の接続シーケンスにおいて、通信能力のネゴシエーションを行うネゴシエーション工程(例えば、ステップS104及びS105)と、前記通信能力のネゴシエーションが完了する前において、予め定められた特定の伝送方式によって、前記送信側通信装置と前記受信側通信装置との間で送受信を行う第1の送受信工程(例えば、ステップS102〜S105)と、前記通信能力のネゴシエーションが完了した後において、該ネゴシエーションの結果に応じた伝送方式によって、前記送信側通信装置と前記受信側通信装置との間で送受信を行う第2の送受信工程(ステップS106〜S114)と、を有し、前記特定の伝送方式は、前記複数本の送信アンテナを用いた送信ダイバーシティ方式であって、前記受信側通信装置の受信アンテナが1本であっても適用可能な方式であることを要旨とする。ここで、送信アンテナとは、送信専用のアンテナに限らず、受信と兼用のアンテナであってもよい。同様に、受信アンテナとは、受信専用のアンテナに限らず、送信と兼用のアンテナであってもよい。
【0015】
このような無線通信方法によれば、通信能力のネゴシエーションが完了する前において、複数本の送信アンテナを用いた送信ダイバーシティ方式であって、受信側通信装置の受信アンテナが1本であっても適用可能な方式によって送受信を行う。
【0016】
これにより、受信側通信装置の受信アンテナが1本の場合(すなわち、MIMO伝送方式に対応していない場合)であっても、送信側通信装置の送信アンテナが複数本の場合(すなわち、MIMO伝送方式に対応している場合)には、通信能力のネゴシエーションが完了する前においても、ダイバーシティ効果による通信品質の改善効果を得ることができる。
【0017】
よって、上述した特徴によれば、MIMO伝送方式に対応する/しない通信装置が混在する無線通信システムにおいて、通信能力のネゴシエーションを行う前における通信品質を改善できる。
【0018】
本発明に係る無線通信方法の他の特徴は、上述した特徴において、前記受信側通信装置が複数本の受信アンテナを有する場合、前記第2の送受信工程は、前記複数本の送信アンテナ及び前記複数本の受信アンテナを用いたMIMO伝送方式によって送受信を行うことを要旨とする。
【0019】
本発明に係る無線通信方法の他の特徴は、上述した特徴において、前記第1の送受信工程は、報知情報、接続要求メッセージ、接続要求応答メッセージ、又は通信能力ネゴシエーションメッセージのうち少なくとも1つを送受信することを要旨とする。
【0020】
本発明に係る送信側通信装置の特徴は、複数本の送信アンテナを有する送信側通信装置(例えば、基地局BS)であって、前記複数本の送信アンテナを介して、1又は複数本の受信アンテナを有する受信側通信装置への送信を行う送信部(例えば、送信部11)と、前記受信側通信装置との間の接続シーケンスで通信能力のネゴシエーションが完了する前において、予め定められた特定の伝送方式によって送信を行うよう制御し、前記通信能力のネゴシエーションが完了した後において、該ネゴシエーションの結果に応じた伝送方式によって送信を行うよう制御する制御部(例えば、制御部30)と、を有し、前記特定の伝送方式は、前記複数本の送信アンテナを用いた送信ダイバーシティ方式であって、前記受信側通信装置の受信アンテナが1本であっても適用可能な方式であることを要旨とする。
【0021】
本発明に係る送信側通信装置の他の特徴は、上述した特徴において、前記受信側通信装置が複数本の受信アンテナを有する場合、前記制御部は、前記通信能力のネゴシエーションが完了した後において、前記複数本の送信アンテナを用いたMIMO伝送方式によって送信を行うよう制御することを要旨とする。
【0022】
本発明に係る受信側通信装置の特徴は、1又は複数本の受信アンテナを有する受信側通信装置(例えば、無線端末MS)であって、前記1又は複数本の受信アンテナを介して、複数本の送信アンテナを有する送信側通信装置からの受信を行う受信部(例えば、受信部45)と、前記送信側通信装置との間の接続シーケンスで通信能力のネゴシエーションが完了する前において、予め定められた特定の伝送方式によって受信を行うよう制御し、前記通信能力のネゴシエーションが完了した後において、該ネゴシエーションの結果に応じた伝送方式によって受信を行うよう制御する制御部(例えば、制御部60)と、を有し、前記特定の伝送方式は、前記複数本の送信アンテナを用いた送信ダイバーシティ方式であって、前記受信側通信装置の受信アンテナが1本であっても適用可能な方式であることを要旨とする。
【0023】
本発明に係る受信側通信装置の他の特徴は、上述した特徴において、前記受信側通信装置が複数本の受信アンテナを有する場合、前記制御部は、前記通信能力のネゴシエーションが完了した後において、前記複数本の受信アンテナを用いたMIMO伝送方式によって受信を行うよう制御することを要旨とする。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、MIMO伝送方式に対応する/しない通信装置が混在する無線通信システムにおいて、通信能力のネゴシエーションを行う前における通信品質を改善できる無線通信方法、送信側通信装置、及び受信側通信装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の実施形態に係る無線通信システムの全体構成図である。
【図2】本発明の実施形態に係る基地局の機能ブロック図である。
【図3】本発明の実施形態に係る無線端末の機能ブロック図である。
【図4】本発明の実施形態に係る送信部及び受信部の機能ブロック図である。
【図5】2本の送信アンテナを有する送信側と1本の受信アンテナを有する受信側との間でSTBC伝送方式による無線通信を行う動作を説明するための図である。
【図6】1本の送信アンテナを有する送信側と1本の受信アンテナを有する受信側との間でSTBC伝送方式による無線通信を行う動作を説明するための図である。
【図7】本発明の実施形態に係る無線通信システムの接続シーケンスのシーケンス図である。
【図8】実施形態の変更例に係る送信側の概略構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図面を参照して、本発明の実施形態について、(1)無線通信システムの全体構成、(2)基地局及び無線端末の各構成、(3)無線通信システムの動作、(4)実施形態の効果及び比較例、(5)その他の実施形態の順に説明する。以下の実施形態における図面において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付す。
【0027】
以下においては、XGP規格に基づく無線通信システムに対して本発明を適用する一例を説明するが、本発明はXGP規格に基づく無線通信システムに限定されず、MIMO伝送方式に対応する/しない通信装置が混在する全ての無線通信システムに適用できることに留意すべきである。
【0028】
(1)無線通信システムの全体構成
図1は、本実施形態に係る無線通信システムの全体構成図である。
【0029】
図1に示すように、本実施形態に係る無線通信システムは、基地局BSと、基地局BSとの無線通信を行うように構成された無線端末MS(MS#1及びMS#2)とを有する。基地局BSは、上りリンクについては受信側通信装置に相当し、下りリンクについては送信側通信装置に相当する。無線端末MSは、上りリンクについては送信側通信装置に相当し、下りリンクについては受信側通信装置に相当する。
【0030】
基地局BSは、XGP2.0規格に従って構成されている。基地局BSは、無線信号の送受信に用いられる2本のアンテナ101及び102を有し、MIMO伝送方式に対応する。基地局BSは、XGP1.0規格に従って構成されていてもよい。この場合、基地局BSは、MIMO伝送方式に対応しない。
【0031】
無線端末MS#1は、XGP2.0規格に従って構成されている。無線端末MS#1は、無線信号の送受信に用いられる2本のアンテナ201及び202を有し、MIMO伝送方式に対応する。
【0032】
無線端末MS#2は、XGP1.0規格に従って構成されている。無線端末MS#2は、無線信号の送受信に用いられる1本のアンテナ201を有し、MIMO伝送方式に対応しない。
【0033】
基地局BSは、基地局BSの通信能力を示す情報を、報知チャネルであるBCCHを介して報知(ブロードキャスト)する。ここで、通信能力とは、MIMO伝送方式の対応有無を含む。また、通信能力は、MIMO伝送方式の対応有無に加え、対応する再送制御方式(HARQ方式)や、使用周波数帯を含んでもよい。
【0034】
無線端末MSは、複数の基地局BSから報知情報を受信すると、各報知情報に基づいて、通信可能な基地局BSを判断し、通信可能な基地局BSのうち、無線端末MSでの受信信号の電力が最も高いものに同期する。そして、何れかの基地局BSに同期した後、発呼又は着呼があった場合に、同期先の基地局BSに対して、タイミング補正チャネルであるTCCHを介してリンクチャネル割当要求(LCH Assignment Request)を送信する。LCH Assignment Requestの送信により、接続シーケンスが開始される。
【0035】
無線端末MSは、接続シーケンスにおいて、無線端末MSの通信能力を示す情報を、リンク確立要求(Link Setup Request)に含めて、個別制御チャネル(ICCH)を介して基地局BSに送信する。ここで、通信能力とは、MIMO伝送方式の対応有無を含む。また、通信能力は、MIMO伝送方式の対応有無に加え、対応するハイブリッド再送制御方式(HARQ方式)や、使用周波数帯を含んでもよい。
【0036】
基地局BSは、Link Setup Requestに含まれる無線端末MSの通信能力を示す情報に基づいて、無線端末MSとの無線通信に使用する各種方式を決定する。そして、基地局BSは、決定した内容を、リンク確立応答(Link Setup Response)に含めて、ICCHを介して無線端末MSに送信する。無線端末MSは、基地局BSから通知された内容に従って以降の無線通信を行う。
【0037】
このように、接続シーケンスにおいて、Link Setup Request及びLink Setup Responseを送受信することによって、基地局BSと無線端末MSとの間での通信能力のネゴシエーションが完了する。
【0038】
基地局BS及び無線端末MSは、通信能力のネゴシエーションが完了する前において、予め定められた特定の伝送方式によって送受信を行う。特定の伝送方式とは、複数本の送信アンテナを用いた送信ダイバーシティ方式であって、受信側の受信アンテナが1本であっても適用可能な方式である。このような伝送方式としては、例えば、時空間符号化(STBC)伝送方式や、巡回遅延ダイバーシティ(CDD)伝送方式、周波数空間ブロック符号(SFBC)伝送方式等が挙げられる。
【0039】
以下の実施形態においては、基地局BS及び無線端末MSは、通信能力のネゴシエーションが完了する前において、STBC伝送方式によって送受信を行うものとするが、複数本の送信アンテナを用いた送信ダイバーシティ方式であって受信側の受信アンテナが1本であっても適用可能な方式であれば、他の伝送方式を適用してもよい。なお、STBC伝送方式の詳細については後述する。
【0040】
無線端末MS#1及び基地局BSは、接続シーケンスにおいて、通信能力のネゴシエーションを行い、互いにMIMO伝送方式に対応していることが確認されると、それ以降はMIMO伝送方式による送受信を行う。これに対し、無線端末MS#2及び基地局BSは、接続シーケンスにおいて、通信能力のネゴシエーションを行い、無線端末MS#2がMIMO伝送方式に対応していないことが確認されると、それ以降はMIMO伝送方式以外の伝送方式による送受信を行う。
【0041】
通信能力のネゴシエーション完了前において、上述したような送信ダイバーシティ方式を適用することによって、ダイバーシティ効果により通信品質が改善される。これにより、例えば、無線端末MS#1及び基地局BSは、ネゴシエーション完了前及び完了後の何れにおいても良好な通信品質を得ることができるため、ネゴシエーション完了前の通信品質がボトルネックになることを回避できる。
【0042】
(2)基地局及び無線端末の各構成
次に、基地局BSの構成について説明する。図2は、基地局BSの機能ブロック図である。
【0043】
図2に示すように、基地局BSは、アンテナ101及び102と、無線通信部10と、ネットワーク通信部18と、記憶部20と、制御部30とを有する。
【0044】
アンテナ101及び102は無線信号の送受信に使用される。無線通信部10は、アンテナ101及び102を介して無線通信を行うように構成される。無線通信部10は、制御部30から入力されるベースバンド信号のアップコンバート及び増幅等を行って無線信号をアンテナ101及び102から出力する送信部11と、アンテナ101及び102から入力される受信信号の増幅及びダウンコンバート等を行った後、ベースバンド信号を制御部30に出力する受信部15とを含む。
【0045】
ネットワーク通信部18は、通信ネットワークに接続されており、通信ネットワーク側との通信を行う。記憶部20は、例えばメモリを用いて構成されており、制御部30による制御等に用いられる各種の情報を記憶する。制御部30は、例えばCPUを用いて構成されており、基地局BSの各種の機能を制御する。
【0046】
次に、無線端末MSの構成について説明する。無線端末MS#1及びMS#2は、アンテナ本数以外は同様の構成であるため、ここでは無線端末MS#1の構成を説明する。
【0047】
図3は、無線端末MS#1の機能ブロック図である。
【0048】
図3に示すように、無線端末MS#1は、アンテナ201及び202と、無線通信部40と、記憶部50と、制御部60とを有する。
【0049】
アンテナ201及び202は無線信号の送受信に使用される。無線通信部40は、アンテナ201及び202を介して無線通信を行うように構成される。無線通信部40は、制御部60から入力されるベースバンド信号のアップコンバート及び増幅等を行って無線信号をアンテナ201及び202から出力する送信部41と、アンテナ201及び202から入力される受信信号の増幅及びダウンコンバート等を行った後、ベースバンド信号を制御部60に出力する受信部45とを含む。
【0050】
記憶部50は、例えばメモリを用いて構成されており、制御部60による制御等に用いられる各種の情報を記憶する。制御部60は、例えばCPUを用いて構成されており、無線端末MS#1の各種の機能を制御する。
【0051】
次に、基地局BS及び無線端末MS#1のそれぞれの送信部・受信部の構成について説明する。無線端末MS#1の送信部41は基地局BSの送信部11と同様に構成され、無線端末MS#1の受信部45は基地局BSの受信部15と同様に構成されるため、ここでは、送信部11及び受信部15のそれぞれの構成を説明する。
【0052】
図4は、送信部11及び受信部15の機能ブロック図である。図4において、MAC(Media Access Control)/PHY(Physical) IF部31、レイヤ制御部32、及び、MAC/PHY IF部33は、制御部30に設けられる。送信部11及び受信部15のそれぞれは、MIMO伝送方式に従った信号処理とSTBC伝送方式に従った信号処理とを実行可能に構成されている。また、送信部11及び受信部15のそれぞれは、直交波周波数分割多重(OFDM)方式に従った信号処理を行うように構成されている。
【0053】
図4に示すように、送信部11は、MAC/PHY IF部31の出力が入力される巡回冗長検査(CRC)追加部111と、CRC追加部111の出力が入力されるスクランブリング部112と、スクランブリング部112の出力が入力されるチャネル符号化部113と、チャネル符号化部113の出力が入力されるビットインタリービング部114と、ビットインタリービング部114の出力が入力される一次変調部115とを含む。CRC追加部111、スクランブリング部112、チャネル符号化部113、ビットインタリービング部114、及び一次変調部115は、データ符号化部を構成する。
【0054】
CRC追加部111は、受信側でそのデータに誤りが有るか否かを判断する為に、データに誤り検出用のビットを追加するように構成される。スクランブリング部112は、暗号化とビットの平衡化とを実施するように構成される。チャネル符号化部113は、エラー耐性を強くするために、誤り訂正符号を加えるように構成される。ビットインタリービング部114は、誤り訂正能力を向上させるために、フェージングによって発生するバースト誤りをランダム誤りに変換するように構成される。一次変調部115は、ビットデータをシンボルデータに変更するように構成される。OFDM方式では、ビットデータをシンボルデータに変換することを1次変調、周波数領域から時間領域に変換することを2次変調と定義される。なお、SM−MIMOのように複数ストリーム分必要なMIMO方式の場合にはデータ符号化部が複数ストリーム分設けられる。
【0055】
さらに、送信部11は、既知信号生成部116と、既知信号生成部116の出力が入力される一次変調部117と、一次変調部117の出力が入力されるブースティング部118と、ガードシンボル変調部119と、一次変調部115、ブースティング部118、及びガードシンボル変調部119のそれぞれの出力が入力される合成部120と、合成部120の出力が入力されるレイヤマッピング部121と、レイヤマッピング部121の出力が入力される送信プリコーディング部122と、送信プリコーディング部122の出力が入力されるリソースマッピング部123と、リソースマッピング部123の出力が入力される逆高速フーリエ変換(IFFT)部124と、IFFT部124の出力が入力されるガードインターバル(GI)挿入部125と、GI挿入部125の出力が入力される有限インパルス応答(FIR)フィルタ部126と、FIRフィルタ部126の出力が入力されるディジタル/アナログ変換部(DAC)127と、DAC127の出力が入力される送信無線周波数(RF)処理部128とを含む。
【0056】
既知信号生成部116は、パイロット/トレーニング信号を生成するように構成される。パイロット/トレーニング信号は受信側でチャネル推定/RSSI/タイミング同期等に使用する為、受信側でも予め用意されている信号(既知信号)である。一次変調部117は、パイロット/トレーニング信号を一次変調するように構成される。ブースティング部118は、チャネル推定精度を向上させ、エラー耐性を強くするために、弱電界時にパイロット/トレーニング信号の電力をデータの電力よりも上げるように構成される。ガードシンボル変調部119は、基本的にデータ/パイロット/トレーニングで割り当てないシンボルとして使用するガードシンボルを変調するように構成される。合成部120は、データ、トレーニング、パイロットを合成するように構成される。レイヤマッピング部121は、データ、トレーニング、パイロットをどのレイヤにマッピングするか決めるように構成される。レイヤマッピング部121は、後述するSTBC符号化部(STBC Enc)としての機能も有する。送信プリコーディング部122は、SVD−MIMOのように送信ウェイトを掛ける場合に重み付け処理を行うように構成される。リソースマッピング部123は、割り当てられた領域(XGPでは、PRU)にマッピングするように構成される。IFFT部124は、逆フーリエ変換することで、周波数領域から時間領域に変換するように構成される。GI挿入部125は、マルチパス(遅延波)耐性を得るために、シンボル時間の一部をコピーして付加するように構成される。FIRフィルタ部126は、使用しない周波数帯を遮断する為にフィルターをかけるように構成される。DAC127は、ディジタル信号をアナログ信号に変換するように構成される。送信RF処理部128は、アナログ信号をアップコンバータし、該当の無線周波数で送信するように構成される。
【0057】
なお、レイヤ制御部32は、レイヤ制御を行うように構成され、MIMO伝送時にどのレイヤにトレーニングとパイロットを割り当てるのかを指示するように構成される。
【0058】
次に、受信部15の構成を説明する。図4に示すように、受信部15は、受信RF処理部151と、受信RF処理部151の出力が入力されるアナログ/ディジタル変換部(ADC)152と、ADC152の出力が入力されるFIRフィルタ部153と、FIRフィルタ部153の出力が入力されるGI除去部154と、GI除去部154の出力が入力される高速フーリエ変換(FFT)部155と、FFT部155の出力が入力されるデサブチャネライゼーション部156と、参照パイロット/トレーニングシンボル保持部157と、デサブチャネライゼーション部156及び参照パイロット/トレーニングシンボル保持部157のそれぞれの出力が入力されるチャネル推定部158と、デサブチャネライゼーション部156及びチャネル推定部158のそれぞれの出力が入力されるMIMO復号部(チャネル等化部)159とを含む。
【0059】
受信RF処理部151は、受信した無線信号をダウンコンバートし、ベースバンド周波数に変換するように構成される。ADC152は、アナログ信号をディジタル信号に変換するように構成される。FIRフィルタ部153は、使用しない周波数帯を遮断する為にフィルターをかけるように構成される。GI除去部154は、GIを除去するように構成される。FFT部155は、時間信号を周波数信号に変換するように構成される。デサブチャネライゼーション部156は、XGPでいうところのPRU毎に抜き出すように構成される。参照パイロット/トレーニングシンボル保持部157は、参照パイロット/トレーニングシンボルを予め保持するように構成される。チャネル推定部158は、受信したトレーニング/パイロット信号と既知のトレーニング/パイロット信号とから、データシンボルのチャネル推定を行うように構成される。なお、チャネル推定部158は、MIMO伝送の場合、どのレイヤにトレーニングかパイロットが割り当てられているか知る必要があるため、レイヤ制御部32から情報をもらうように構成される。MIMO復号部159は、MIMO伝送時にそれぞれの送信アンテナから異なる信号が合成されて受信信号に入ってくる為、このブロックでこれらの信号を分離し、信号を等化するように構成される。MIMO復号部159は、後述するSTBC復号部(STBC Dec)としての機能も有する。
【0060】
さらに、受信部15は、MIMO復号部159の出力が入力されるシンボルデマッピング部160と、シンボルデマッピング部160の出力が入力されるデビットインタリービング部161と、デビットインタリービング部161の出力が入力されるチャネル復号部162と、チャネル復号部162の出力が入力されるデスクランブリング部163と、デスクランブリング部163の出力が入力されるCRC部164とを含む。
【0061】
シンボルデマッピング部160は、シンボルをビット(硬判定ビット/軟判定ビット)に変換するように構成される。デビットインタリービング部161は、送信側でビットインタリーブをかけたので、受信側で元に戻す作業を行うように構成される。チャネル復号部162は、送信側で誤り訂正符号をかけたので、受信側で誤り訂正復号をかけるように構成される。デスクランブリング部163は、送信側でスクランブルをしたので、受信側で元に戻す作業を行うように構成される。CRC部164は、CRCを計算し、このデータに誤りがないか検出するように構成される。CRC部164の出力は、MAC/PHY IF部33に入力される。
【0062】
(3)無線通信システムの動作
次に、本実施形態に係る無線通信システムの動作を説明する。図5は、2本の送信アンテナを有する送信側と1本の受信アンテナを有する受信側との間でSTBC伝送方式による無線通信を行う動作を説明するための図である。送信側は、基地局BS又は無線端末MSの何れか一方であり、受信側は、基地局BS又は無線端末MSの何れか他方である。
【0063】
図5に示すように、送信側のSTBC符号化部(STBC Enc)は、入力される送信信号S1, S2を、送信アンテナ#1についてはS1, S2*、送信アンテナ#2についてはS2,-S1*にエンコードして送信する。ここで”*”は複素共役を表す。送信アンテナ#1から受信アンテナへの伝搬路特性をH1,H3、送信アンテナ#2から受信アンテナへの伝搬路特性をH2, H4とする。
【0064】
受信信号Y1 、Yは送信アンテナ#1から出された信号と送信アンテナ#2から出された信号との合成信号である為、以下の式で表すことができる。
【0065】
Y1= H1・S1 + H2・S2 (式1)
Y2= H3・S2* - H4・S1* (式2)
ここで、式2は以下のように変形できる。
【0066】
Y2*= - H4*・S1+ H3*・S2 (式3)
式1及び式3を行列式に変更すると、以下のように表すことができる。
【0067】
【数1】

S1, S2を求める為には、式4の両辺から、
【0068】
【数2】

の逆行列を求めればよい。
【0069】
【数3】

このように、受信アンテナ1本でも、STBC復号部(STBC Dec)は復号を行うことができ、送信ダイバーシティの効果が得られる。
【0070】
なお、一般的な文献ではH1=H3、H2=H4で記述されているが、実際の環境では、異なる伝搬路特性になる為、異なるパラメータで記載している。H1=H3、H2=H4の場合はフルダイバーシティを取ることが可能である。
【0071】
上述したように、本実施形態では、通信能力のネゴシエーションが完了する前においては、一律にSTBC伝送方式が適用される。よって、送信側の送信アンテナが1本(MIMO非対応)、受信側の受信アンテナが1本(MIMO非対応)という組み合わせにおいても、STBC伝送方式が適用されることになるが、以下のように構成すれば、そのような組み合わせに対してもSTBC伝送方式を適用可能である。
【0072】
図6は、1本の送信アンテナを有する送信側と1本の受信アンテナを有する受信側との間でSTBC伝送方式による無線通信を行う動作を説明するための図である。送信側は、基地局BS又は無線端末MSの何れか一方であり、受信側は、基地局BS又は無線端末MSの何れか他方である。
【0073】
図6に示すように、送信アンテナが1本しかない為、受信側でみると、H2=H4=0とみなすことができる。式5に代入すると、
【0074】
【数4】

となり、1本送信でも受信側では同じアルゴリズムにより計算することが可能である。
【0075】
次に、本実施形態に係る無線通信システムの接続シーケンスについて説明する。図7は、本実施形態に係る無線通信システムの接続シーケンスのシーケンス図である。
【0076】
図7に示すように、ステップS101において、無線端末MSは、アイドル状態又はスリープ状態である。ここで、無線端末MSで発呼があったものとし、以下において接続シーケンスが開始される。
【0077】
ステップS102において、無線端末MSは、TCCHを介して、LCHの割り当てを要求するためのメッセージであるLCH Assignment Requestを、STBC伝送方式によって基地局BSに送信する。基地局BSは、LCH Assignment Requestを受信する。
【0078】
ステップS103において、基地局BSは、SCCHを介して、LCH Assignment Requestに対する応答メッセージであるLCH Assignment Responseを、STBC伝送方式によって無線端末MSに送信する。無線端末MSは、LCH Assignment Responseを受信する。ここで、無線端末MSは、割り当てられたLCHに対するキャリアセンスを行い、当該LCHに対する干渉が小さく、通信に利用可能であると判断したものとする。
【0079】
ステップS104において、無線端末MSは、ICCHを介して、通信の開始を通知するためのメッセージであるLink Setup Requestを、STBC伝送方式によって基地局BSに送信する。その際、無線端末MSは、通信能力情報と端末IDとをLink Setup Requestに含めて送信する。基地局BSは、Link Setup Requestを受信する。
【0080】
ステップS105において、基地局BSは、ICCHを介して、無線端末MSとの通信において使用する機能(各種方式)を通知するためのメッセージであるLink Setup Responseを、STBC伝送方式によって無線端末MSに送信する。無線端末MSは、Link Setup Responseを受信する。
【0081】
本実施形態では、ステップS104及びステップS105は、通信能力のネゴシエーションを行うネゴシエーション工程に相当する。また、ステップS102〜ステップS105は、通信能力のネゴシエーションが完了する前において送受信を行う第1の送受信工程に相当する。
【0082】
ステップS106以降の各ステップにおいては、通信能力のネゴシエーション結果に応じた伝送方式で送受信が行われることになる。すなわち、本実施形態では、ステップS106以降の各ステップは、通信能力のネゴシエーションが完了した後において送受信を行う第2の送受信工程に相当する。例えば、無線端末MS及び基地局BSの何れもMIMO伝送方式に対応している場合には、ステップS106以降の各ステップにおいてMIMO伝送方式によって送受信が行われる。これに対し、無線端末MS及び基地局BSの少なくとも一方がMIMO伝送方式に対応していない場合には、ステップS106以降の各ステップにおいてもSTBC伝送方式によって送受信が行われてもよい。
【0083】
ステップS106〜ステップS112の各ステップにおいては、通信に使用される認証情報や鍵情報等が送受信されるが、当該各ステップの詳細については非特許文献1を参照されたい。
【0084】
その後、無線端末MSはアクティブ状態に移行し(ステップS113)、無線端末MS及び基地局BSは通信を行う(ステップS114)。
【0085】
(4)実施形態の効果及び比較例
以上説明したように、本実施形態によれば、基地局BS及び無線端末MSは、通信能力のネゴシエーションが完了する前において、STBC伝送方式によって送受信を行う。これにより、受信側の受信アンテナが1本の場合(すなわち、MIMO空間多重伝送方式に対応していない場合)であっても、送信側の送信アンテナが複数本の場合(すなわち、MIMO空間多重伝送方式に対応している場合)には、通信能力のネゴシエーションが完了する前においても、ダイバーシティ効果による通信品質の改善効果を得ることができる。
【0086】
よって、本実施形態によれば、MIMO空間多重伝送方式に対応する/しない基地局BS及び無線端末MSが混在する無線通信システムにおいて、通信能力のネゴシエーションを行う前における通信品質を改善できる。
【0087】
また、送信アンテナ本数が何本でも受信側のアルゴリズムは一つでよいので、受信側の処理が共通化でき、コストや処理量を削減できる。さらに、受信側のアンテナ本数が多いほど、受信ダイバーシティ効果によって通信品質は向上する。
【0088】
次に、本実施形態の効果を明確にするために、比較例を挙げて説明する。
【0089】
比較例1は、図7のLCH Assignment Request(ステップS102)において、無線端末MSがMIMO伝送方式に対応しているか否かに応じて信号パターンを異ならせる方法である。比較例1によれば、基地局BSは、無線端末MSがMIMO伝送方式に対応しているか否かを早期に知ることができるものの、そのような信号パターンは有限であるため、1つの基地局BSに多数のMIMO対応端末が接続するような場合には信号パターンが不足し、TCCHの全体容量が減ってしまう。
【0090】
比較例2は、図7のLCH Assignment Response(ステップS103)で、非MIMO方式かMIMO方式かを強制的に無線端末MSに指示する方法である。比較例2においては、無線端末MSがMIMO方式に対応していない場合、Link Setup Requestを基地局BSが受信できないので、無線端末MSは別の基地局と通信するか、当該基地局BSで別の伝送方式に変更するよう基地局BSに要求する必要があるため、接続遅延が発生してしまう。
【0091】
(5)その他の実施形態
上記のように、本発明は実施形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施形態、実施例及び運用技術が明らかとなる。
【0092】
例えば、上述した実施形態では、基地局BSと無線端末MSとの無線通信を主として説明したが、基地局BSと無線端末MSとの間に無線中継装置(リレーノード)が設けられる場合には、基地局BSと無線中継装置との無線通信に本発明を適用してもよく、無線端末MSと無線中継装置との無線通信に本発明を適用してもよい。
【0093】
上述した実施形態では、送信アンテナが2本の構成を主として説明したが、送信アンテナの本数は3以上であってもよい。図8は、実施形態の変更例に係る送信側の概略構成を示す図である。
【0094】
図8に示すように、送信側は4本の送信アンテナを有し、かつ、STBC符号化部(STBC Enc)の出力はアンテナコーディング部に入力される。アンテナコーディング部は、STBC符号をかけた後にアンテナコーディングを行うように構成される。アンテナコーディング方法は様々な方法がある。受信アンテナに向けてビームフォーミングを行って利得を稼ぐ方法(この方式は逆側のリンクのフィードバック情報が必要)や、フラットフェージング環境では周波数ダイバーシティの効果を得る為に送信アンテナ毎に遅延量を変える方法などがある。つまり送信アンテナ本数が増えれば、ダイバーシティ利得を稼ぐことが可能である一方、STBC符号化を2レイヤで行っている為、受信側のSTBC復号部は式5のように復号できる。なお、アンテナ本数が4本以上ある場合は、4レイヤフォーマットも可能であるが、これは1レイヤあたりの既知信号の数が少なくなる。もしくは、2レイヤフォーマットと同等の既知信号を確保する為には送る情報量が減ってしまうという問題が発生する。既知信号が減ってしまうと、チャネル推定誤差の品質による劣化が大きくなる。これは高速移動している端末に対してかなりの不利益を与える。
【0095】
このように本発明は、ここでは記載していない様々な実施形態等を包含するということを理解すべきである。
【符号の説明】
【0096】
BS…基地局、MS…無線端末、10…無線通信部、11…送信部、15…受信部、18…ネットワーク通信部、20…記憶部、30…制御部、31…MAC/PHY IF部、32…レイヤ制御部、33…MAC/PHY IF部、40…無線通信部、41…送信部、45…受信部、50…記憶部、60…制御部、101,102…アンテナ、111…CRC追加部、112…スクランブリング部、113…チャネル符号化部、114…ビットインタリービング部、115…一次変調部、116…既知信号生成部、117…一次変調部、118…ブースティング部、119…ガードシンボル変調部、120…合成部、121…レイヤマッピング部、122…送信プリコーディング部、123…リソースマッピング部、124…IFFT部、125…GI挿入部、126…FIRフィルタ部、127…DAC、128…処理部、151…処理部、152…ADC、153…FIRフィルタ部、154…GI除去部、155…FFT部、156…デサブチャネライゼーション部、157…参照パイロット/トレーニングシンボル保持部、158…チャネル推定部、159…MIMO復号部、160…シンボルデマッピング部、161…デビットインタリービング部、162…チャネル復号部、163…デスクランブリング部、164…CRC部、201,202…アンテナ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数本の送信アンテナを有する送信側通信装置と、1又は複数本の受信アンテナを有する受信側通信装置との無線通信を行う無線通信方法であって、
前記送信側通信装置と前記受信側通信装置との間の接続シーケンスにおいて、通信能力のネゴシエーションを行うネゴシエーション工程と、
前記通信能力のネゴシエーションが完了する前において、予め定められた特定の伝送方式によって、前記送信側通信装置と前記受信側通信装置との間で送受信を行う第1の送受信工程と、
前記通信能力のネゴシエーションが完了した後において、該ネゴシエーションの結果に応じた伝送方式によって、前記送信側通信装置と前記受信側通信装置との間で送受信を行う第2の送受信工程と、
を有し、
前記特定の伝送方式は、前記複数本の送信アンテナを用いた送信ダイバーシティ方式であって、前記受信側通信装置の受信アンテナが1本であっても適用可能な方式であることを特徴とする無線通信方法。
【請求項2】
前記受信側通信装置が複数本の受信アンテナを有する場合、前記第2の送受信工程は、前記複数本の送信アンテナ及び前記複数本の受信アンテナを用いたMIMO伝送方式によって送受信を行うことを特徴とする請求項1に記載の無線通信方法。
【請求項3】
前記第1の送受信工程は、報知情報、接続要求メッセージ、接続要求応答メッセージ、又は通信能力ネゴシエーションメッセージのうち少なくとも1つを送受信することを特徴とする請求項1又は2に記載の無線通信方法。
【請求項4】
複数本の送信アンテナを有する送信側通信装置であって、
前記複数本の送信アンテナを介して、1又は複数本の受信アンテナを有する受信側通信装置への送信を行う送信部と、
前記受信側通信装置との間の接続シーケンスで通信能力のネゴシエーションが完了する前において、予め定められた特定の伝送方式によって送信を行うよう制御し、前記通信能力のネゴシエーションが完了した後において、該ネゴシエーションの結果に応じた伝送方式によって送信を行うよう制御する制御部と、
を有し、
前記特定の伝送方式は、前記複数本の送信アンテナを用いた送信ダイバーシティ方式であって、前記受信側通信装置の受信アンテナが1本であっても適用可能な方式であることを特徴とする送信側通信装置。
【請求項5】
前記受信側通信装置が複数本の受信アンテナを有する場合、前記制御部は、前記通信能力のネゴシエーションが完了した後において、前記複数本の送信アンテナを用いたMIMO伝送方式によって送信を行うよう制御することを特徴とする請求項4に記載の送信側通信装置。
【請求項6】
1又は複数本の受信アンテナを有する受信側通信装置であって、
前記1又は複数本の受信アンテナを介して、複数本の送信アンテナを有する送信側通信装置からの受信を行う受信部と、
前記送信側通信装置との間の接続シーケンスで通信能力のネゴシエーションが完了する前において、予め定められた特定の伝送方式によって受信を行うよう制御し、前記通信能力のネゴシエーションが完了した後において、該ネゴシエーションの結果に応じた伝送方式によって受信を行うよう制御する制御部と、
を有し、
前記特定の伝送方式は、前記複数本の送信アンテナを用いた送信ダイバーシティ方式であって、前記受信側通信装置の受信アンテナが1本であっても適用可能な方式であることを特徴とする受信側通信装置。
【請求項7】
前記受信側通信装置が複数本の受信アンテナを有する場合、前記制御部は、前記通信能力のネゴシエーションが完了した後において、前記複数本の受信アンテナを用いたMIMO伝送方式によって受信を行うよう制御することを特徴とする請求項6に記載の受信側通信装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−231340(P2012−231340A)
【公開日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−98820(P2011−98820)
【出願日】平成23年4月26日(2011.4.26)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】