説明

無線通信機

【課題】スピーカマイク(SP・MIC)ユニットの接続が可能なトランシーバ等の無線通信機において、GPS機能を付加する場合に、ユニットシステムとして使用形態の自由度が大きい構成を実現する。
【解決手段】GPS用のアンテナと受信回路を内蔵したGPSユニット60を独立のユニットとする。通信機本体10とSP・MICユニット50のユニット本体部51における各筐体の上面部にそれぞれGPSユニット60側のコネクタ62が接続されるコネクタ11,54を設け、また通信機本体10のコネクタ11はSP・MICユニット50のケーブル端に設けたコネクタ52の接続用も兼ねたものとする。通信機本体10に対し、SP・MICユニット50を介して、又は直接にGPSユニット60を接続できる。また、通信機本体10単独や、SP・MICユニット50だけを接続した従来の使用形態も当然に可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は無線通信機に係り、特に通信機本体に対してスピーカマイクユニットを接続できる無線通信機において、GPS(Global Positioning System)情報の取得機能を持たせる上での改良に関する。
【背景技術】
【0002】
GPSは人工衛星を利用して自分が地球上の何処にいるのかを正確に割り出すシステムであり、最近ではカーナビゲーションシステム等の様々な民生機器に組み込まれて位置情報を利用した多様なサービスを実現しているが、トランシーバ等の無線通信機においてもGPSが利用されるようになりつつある。
具体的には、無線通信機にGPS用のアンテナと受信回路を内蔵させておき、自局の正確な位置情報を表示させると共に、その情報を通信の相手方にそのまま通知できるという付加機能を実現している。
【0003】
その場合、無線通信機自体への内蔵方式だけでなく、下記特許文献1に開示されているように、通信機本体にコネクタでケーブル接続されるスピーカマイクユニット(以下、「SP・MICユニット」という)にGPS用のアンテナ等を内蔵させたものも実施されている。
このSP・MICユニットにGPS用のアンテナ等を内蔵させる構成には次のような利点がある。
(1) 通信機本体への内蔵方式では、GPS衛星との間に障害物(特に、携帯型の無線通信機では人体が障害物となる)が介在してGPS電波の受信状態が悪くなる場合が生じ易いが、それを回避させて良好な受信状態を得ることができる。
(2) 通信機本体への内蔵方式では、無線通信機を一般的な通信業務だけにしか利用しない場合のように位置情報の取得が不要な場合であってもGPS用のアンテナと受信回路が組み込まれているため、本体部の筐体が大きくなり、また重くなると共に、製品価格が高くなって利用者に無駄な負担を負わせることになるのに対して、SP・MICユニットをGPS対応のものと通常のものとのオプション部品としておけば、それらの不利・不具合な点が解消できる。
【0004】
【特許文献1】特許第3130461号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記特許文献1の発明ようにGPS用のアンテナ等をSP・MICユニットに内蔵させる方式は、無線通信機にとって機能面や価格面で一定の有利さをもたらすものであるが、位置情報を取得したい場合には、常にSP・MICユニットを通信機本体に接続させていなければならないという問題点がある。
即ち、携帯型トランシーバ等では本体筐体内にスピーカとマイクロホンを内蔵させており、それらを用いて無線通話を行いながら自局の位置情報も相手局へ送信するような場合や、自局の位置情報だけを相手局へ送信し続けるような使用態様の場合にも、GPS対応のSP・MICユニットを通信機本体に接続させておく必要があり、SP・MICユニットのスピーカとマイクロホンを利用しないにも拘わらず、比較的大きくて重い同ユニットを通信機本体と共に携帯していなければならない。
また、SP・MICユニットについてGPS対応のものと通常のものとをオプションとして用意しておくことは商品ラインナップの増加となり、開発工数も増えて、結果的にユーザに無駄な負担を負わせることになる。
【0006】
そこで、本発明は、本体部にSP・MICユニットを接続する方式の無線通信機において、前記のような問題点を生じさせないで、GPS情報の取得機能を持たせることが可能な構成を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、通信機本体と、筐体にスピーカとマイクロホンを内蔵し、ケーブルを介して前記通信機本体にコネクタ接続されるSP・MICユニットとからなる無線通信機において、GPS対応のアンテナと受信回路を内蔵すると共に、前記受信回路を前記通信機本体又は前記SP・MICユニットに接続させるためのコネクタを有するGPSユニットを備え、前記SP・MICユニットの筐体部分に前記GPSユニットのコネクタが接続されるコネクタを設けると共に、前記SP・MICユニットのケーブル側のコネクタが接続される前記通信機本体のコネクタを前記GPSユニットのコネクタに対しても共用接続可能な構成とし、前記GPSユニットを前記SP・MICユニットに、また前記SP・MICユニットを前記通信機本体にコネクタ接続した状態では、前記GPSユニットの受信回路と前記SP・MICユニットのスピーカとマイクロホンとがそれぞれ前記通信機本体の対応端子に接続され、前記GPSユニットを前記通信機本体にコネクタ接続した状態では、前記GPSユニットの受信回路が前記通信機本体の対応端子に接続されるようにしたことを特徴とする無線通信機に係る。
【0008】
本発明の無線通信機によれば、ユニットシステムの構成に基づいて、通信機本体単独での通信や、通信機本体にSP・MICユニットを接続してそのユニットのスピーカとマイクロホンを利用した通信のような従来からの使用形態の他に、GPSユニットを用いて位置情報の取得機能を持たせる場合には、GPSユニットをSP・MICユニットに接続させ、SP・MICユニットを介して通信機本体に接続させる使用形態と、SP・MICユニットを使用しないで、GPSユニットを通信機本体に直接接続させる使用形態を採用できる。
即ち、GPS対応のアンテナと受信回路を外部ユニット化し、そのGPSユニットを通信機本体又はSP・MICユニットに対して選択的にコネクタ接続できるようにしたことにより、特許文献1の携帯用無線通信機の構成とは異なり、SP・MICユニットが接続されていなくてもGPS情報を取得することができる。また、前記の選択的接続はコネクタの着脱操作だけで行えるため、無線通信機の使用形態を簡単且つ迅速に変更できる。
【0009】
尚、前記発明においては、通信機本体に、前記各ユニットが接続されるコネクタからの入力信号に基づいて前記SP・MICユニットと前記GPSユニットの接続/非接続状態を判定する判定手段を設けておき、前記判定手段の判定結果に基づいて動作モードを設定することが望ましい。
更には、前記発明においては、前記GPSユニットと前記SP・MICユニットと前記通信機本体の各コネクタに共通設定されている各配線系統中の一系統を前記GPSユニットの受信回路に対する電源回路とし、前記GPSユニットが前記通信機本体から動作電力の供給を受けるようにすれば合理的である。また、その場合には、GPSユニットとSP・MICユニットにおいて前記電源回路の電圧をそれぞれ異なる電圧レベルに分圧するための分圧回路を設け、その各分圧電圧を配線系統中の他の系統を通じて通信機本体に入力させて各ユニットの接続/非接続状態の判定を行うようにすれば、前記判定手段を簡単に構成できる。
【発明の効果】
【0010】
本発明の無線通信機は、以上の構成を備えていることにより、次のような効果を奏する。
通信機本体に必要に応じてSP・MICユニットをコネクタ接続させて通信を行う無線通信機において、GPS対応のアンテナと受信回路をユニット化し、通信機本体に接続された状態のSP・MICユニットにGPSユニットをコネクタ接続させた使用形態、又は通信機本体におけるSP・MICユニット接続用コネクタに直接接続させた使用形態でGPS情報を取得できるようにしたことにより、簡単なコネクタ着脱操作だけで多くの使用形態を自由に選択でき、特に、SP・MICユニットを用いない場合であってもGPS情報の取得が可能になる。
また、SP・MICユニットと同様にGPSユニットもオプション部品の取り扱いにできるため、ユーザは実際の使用形態に応じてそれらオプション部品を選択的に購入すればよく、無駄な出費を抑制できるという利点もある。
尚、特許文献1の発明の場合、前記のユーザに対する配慮をするには、SP・MICユニットについてGPS対応のものと通常のものとをオプション部品として用意しておく必要があるが、本発明では当然にその必要はない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の無線通信機に係る実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
先ず、図1は実施形態に係る携帯型トランシーバのユニットシステムとしての概略構成図である。
同図に示すように、このユニットシステムは通信機本体10とSP・MICユニット50とGPSユニット60とからなる。
そして、この実施形態の携帯型トランシーバは、GPSユニット60がSP・MICユニット50を介して通信機本体10に接続された状態、又は通信機本体10に直接接続された状態で、通信機本体10がGPSユニット60から得られる情報を処理して自局の位置情報を表示させ、またその情報を通信の相手局に送信する。
【0012】
従って、通信機本体10と各ユニット50,60は次のような特徴を備えている。
通信機本体10は、その筐体内に送受信部や表示部や操作部等のトランシーバとして必要な回路や部品を内蔵していると共に、筐体の上面部にはSP・MICユニット50との接続及びGPSユニット60との接続に共用されるコネクタ11が設けられている。
【0013】
SP・MICユニット50は、筐体内にスピーカとマイクロホンとPTT(Push To Talk)回路を内蔵しているユニット本体部51と、通信機本体10のコネクタ11との接続用コネクタ52と、ユニット本体部51とコネクタ52を接続しているケーブル52とからなり、更にユニット本体部51の上面部にはGPSユニット60との接続用コネクタ54が設けられている。
【0014】
GPSユニット60は、平板状の筐体部分61にGPS用のアンテナと受信回路を内蔵すると共に、その筐体部分61の側面に通信機本体10のコネクタ11との接続用コネクタ62が設けられている。
【0015】
一方、図2は、通信機本体10と各ユニット50,60についての概略的な回路構成を示すと共に、GPSユニット60がSP・MICユニット50を介して通信機本体10に接続された状態における各コネクタ11,52,54,62の各配線系統と各内部回路や部品との接続関係を示す。
図示されるように、通信機本体10は、コネクタ11を備えていると共に、トランシーバが利用する周波数帯域での送受信用アンテナ21と、受信回路部22と、スピーカアンプ回路23と、スピーカアンプ回路23の出力を内蔵スピーカ26又はSP・MICユニット50側のスピーカ55のいずれに出力させるかを選択するためのスイッチ回路24,25と、内蔵スピーカ26と、内蔵マイクロホン27と、マイクアンプ回路28と、送信回路部29と、マイクアンプ回路28への入力信号を内蔵マイクロホン27からの音声信号又はSP・MICユニット50側のマイクロホン56からの音声信号のいずれにするかを選択するスイッチ回路30,31と、操作部32と、表示部(液晶表示部)33と、自動電圧調整回路34と、スイッチ回路24,30をスイッチ回路25,31と逆のON/OFF設定状態にするインバータ回路35と、プルダウン抵抗R3と、マイクロコンピュータ回路(以下、「マイコン回路」という)36とを備えている。そして、それらは図示するような関係で接続されており、マイコン回路35が各ユニット50,60の接続状態を判断してスイッチ回路(24,25),(30,31)を制御すると共に、トランシーバとしての通常の無線通信機能に係る制御とGPS情報の処理・表示制御等、システム全体の統括的制御を実行する。
【0016】
SP・MICユニット50は、上記のようにユニット本体部51が外部スピーカ55と外部マイクロホン56とPTT回路57を内蔵しており、同本体部51のコネクタ54及びケーブル53・コネクタ52の各配線系統に対して図示するような関係で接続されている。尚、抵抗R1はプルアップ抵抗であり、通信機本体10のプルダウン抵抗R3よりも十分に小さい抵抗値に設定されている。
【0017】
また、GPSユニット60は、上記のようにGPS用のアンテナ63と受信回路64を内蔵しており、受信回路64がコネクタ62の各配線系統に対して図示するように接続されている。
【0018】
ここで、コネクタ11,52,54,62における各配線系統[1]〜[7]の有する属性は、[1]は接地回路、[2]は電源電圧回路(通信機本体10の自動電圧調整回路34から電圧Vbを供給)、[3]はGPS信号の転送回路、[4]はGPS受信回路64への機能動作設定回路、[5]は接続状態の検出回路、[6]はコネクタ11とコネクタ52の関係では外部スピーカ55への音声信号の出力回路であり、コネクタ11とコネクタ62の接続関係及びコネクタ54とコネクタ62の接続関係では非配線、[7]はコネクタ11とコネクタ52の接続関係ではマイクロホン56の音声信号及びPTT信号の入力回路であり、コネクタ11とコネクタ62の接続関係及びコネクタ54とコネクタ62の接続関係では非配線となっている。
【0019】
以上の構成において、図2の接続状態(GPSユニット60−SP・MICユニット50−通信機本体10)では、マイコン回路36のGPS SAVE/EXT MIC SENS端子には配線系統[5]を通じて“H”信号(≒[R3/(R1+R3)]*Vb)が入力されており、マイコン回路36はその“H”レベルを検知して「SP・MICユニット50の接続あり」と判断し、SPEAKER・MIC SELECT端子から“H”信号を出力させて、スイッチ回路24,30をOFFに、スイッチ回路25,31をONにそれぞれ設定する。
【0020】
それにより、内蔵スピーカ26が非動作状態に、また内蔵マイクロホン27の出力が無効にされ、逆に、受信回路部22からスピーカアンプ回路23を介して得られる受信音声信号がスイッチ回路25から配線系統[6]を通じてSP・MICユニット50の内蔵スピーカ55へ出力され、SP・MICユニット50の内蔵マイクロホン56の音声信号が配線系統[7]からスイッチ回路31とマイクアンプ回路28を通じて送信回路部29へ出力される。
【0021】
また、GPSユニット60には配線系統[2]を通じて動作電圧Vbが供給されていると共に、マイコン回路36はGPS TX DATA端子から配線系統[4]を通じて機能動作設定信号を送ることによりGPSユニット60を動作させるが、GPS受信回路64で得られたGPS信号は配線系統[3]を通じてマイコン回路36のGPS RX DATA端子に入力され、マイコン回路36はGPS信号の入力により「GPSユニット60の接続あり」と判断し、その信号を処理して自局の位置情報を表示部33に表示させる。
また、操作部32からの指示入力に応じて、マイコン回路36が自局の位置情報を送信回路部29へ転送し、通信の相手局へ送信させて自局の位置を通知することもできる。
尚、配線系統[3],[4]を使用したGPS信号のやりとりが開始されると、GPS SAVE/EXT MIC SENS端子はGPSユニット60の制御出力端子に切り換えられ、必要に応じてGPSユニット60を間欠動作状態にして通信機本体10の電池の消費電力を抑制する。
【0022】
次に、GPSユニット60を用いずに、通信機本体10にSP・MICユニット50だけを接続して通信を行う場合には、マイコン回路36に配線系統[5]を通じて“H”信号が入力されることは前記接続状態の場合と同様であるが、GPS TX DATA端子から配線系統[4]を通じて機能動作設定信号を送っても配線系統[3]からGPS RX DATA端子にGPS信号が入力されないため、マイコン回路36は「GPSユニット60の接続なし」と判断する。
従って、この場合には、従来からのSP・MICユニット50を利用した通信状態となる。
【0023】
また、通信機本体10にSP・MICユニット50もGPSユニット60も接続されていない場合には、SP・MICユニット50のプルアップ抵抗R1によって“H”電位になっていた配線系統[5]は通信機本体10のプルダウン抵抗R3によって“L”電位となり、マイコン回路36はGPS SAVE/EXT MIC SENS端子でその“L”レベルを検知して「SP・MICユニット50の接続なし」と判断する。
そして、マイコン回路36はSPEAKER・MIC SELECT端子から“L”信号を出力させて、スイッチ回路24,30をONに、スイッチ回路25,31をOFFにそれぞれ設定し、受信回路部22からスピーカアンプ回路23を介して得られる受信音声信号がスイッチ回路24から内蔵スピーカ26へ出力され、内蔵マイクロホン27の音声信号がスイッチ回路30とマイクアンプ回路28を通じて送信回路部29へ出力される。
即ち、従来からの通信機本体10単独での内蔵マイクロホン27と内蔵スピーカ26を用いた通常の通信状態となる。
【0024】
ところで、図1で説明したように、この実施形態の携帯型トランシーバでは、通信機本体10のコネクタ11がSP・MICユニット50との接続及びGPSユニット60との接続に共用できるようになっており、SP・MICユニット50を使用しない場合においても、図3に示すように通信機本体10のコネクタ11にGPSユニット60を直接接続させることができ、相手局との通信を実行しながらGPS情報の取得が可能な構成になっている。
【0025】
その場合、マイコン回路36は、GPS SAVE/EXT MIC SENS端子から配線系統[5]が“L”レベルになっていることを検知して「SP・MICユニット50の接続なし」と判断し、前記の通信機本体10にSP・MICユニット50もGPSユニット60も接続されていない場合と同様に、SPEAKER・MIC SELECT端子から“L”信号を出力させて、スイッチ回路24,30をONに、スイッチ回路25,31をOFFにそれぞれ設定し、受信回路部22からの受信音声信号を内蔵スピーカ26へ出力させ、内蔵マイクロホン27の音声信号を送信回路部29へ出力させる。
【0026】
一方、GPSユニット60のGPS受信回路64に対しては配線系統[2]を介して動作電圧Vbが供給されており、マイコン回路36がGPS TX DATA端子から配線系統[4]を通じて機能動作設定信号を送るとGPS受信回路64が動作し、GPS信号が配線系統[3]を通じてマイコン回路36のGPS RX DATA端子へ入力される。
従って、マイコン回路36は「GPSユニット60の直接接続あり」と判断し、GPS信号を処理して自局の位置情報を表示させ、また操作部32からの指示入力に基づいてその位置情報を通信の相手局へ送信する。
【0027】
以上のように、この実施形態の携帯型トランシーバによれば、従来からの通信機本体10単独での使用形態や通信機本体10にSP・MICユニット50を接続した状態での使用形態の他に、GPSユニット60を用いてGPS情報を得る場合に、GPSユニット60がSP・MICユニット50を介して通信機本体10に接続された状態での使用形態や、GPSユニット60を通信機本体10に直接接続させた状態での使用形態が可能になる。
そのため、従来技術(上記特許文献1の発明)のようにGPSアンテナやGPS受信回路をSP・MICユニットに内蔵させた構成に対して、GPSユニット60として独立させたことにより、使用形態に自由度が増し、SP・MICユニットを用いない状態でもGPS情報を取得することができる。また、ユーザが携帯型トランシーバを購入する場合においても、GPS情報の表示や送信を行う必要があるか否か、SP・MICユニットを使用するか否かを考慮して必要なユニットのみを購入すればよく、余分な出費を避けることができる。
【0028】
尚、以上の実施形態では携帯型トランシーバの場合について説明したが、本願発明はモービルタイプの無線通信機についても同様に適用できる。
【産業上の利用可能性】
【0029】
本発明は、通信機本体が内蔵するマイクロホンやスピーカを使用した無線通話だけでなく、SP・MICユニットを接続させて外部のマイクロホンやスピーカを使用した無線通話が可能なトランシーバ等の無線通信機に対してGPS情報の取得機能を具備させる場合に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の実施形態に係る携帯型トランシーバのユニットシステムとしての概略構成図である。
【図2】携帯型トランシーバの通信機本体とSP・MICユニットとGPSユニットの概略的な回路構成を示すと共に、通信機本体とSP・MICユニットの間及びSP・MICユニットとGPSユニットの間を接続するコネクタの配線系統と各内部回路や部品との接続関係を示す図である。
【図3】通信機本体にGPSユニットを直接接続させた場合におけるコネクタの配線系統と各内部回路や部品との接続関係を示す図である。
【符号の説明】
【0031】
10…通信機本体、11…コネクタ、21…アンテナ、22…受信回路部、23…スピーカアンプ回路、24,25…スイッチ回路、26…スピーカ、27…マイクロホン、28…マイクアンプ回路、29…送信回路部、30,31…スイッチ回路、32…操作部、33…表示部、34…自動電圧調整回路、35…インバータ回路、36…マイコン回路、50…SP・MICユニット、51…ユニット本体部、52…コネクタ、53…ケーブル、54…コネクタ、55…スピーカ、56…マイクロホン、57…PTT(Push To Talk)回路、60…GPSユニット、61…筐体部分、62…コネクタ、63…GPS用のアンテナ、64…GPS受信回路、R1,R2,R3…抵抗。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信機本体と、筐体にスピーカとマイクロホンを内蔵し、ケーブルを介して前記通信機本体にコネクタ接続されるスピーカマイクユニットとからなる無線通信機において、
GPS(Global Positioning System)対応のアンテナと受信回路を内蔵すると共に、前記受信回路を前記通信機本体又は前記スピーカマイクユニットに接続させるためのコネクタを有するGPSユニットを備え、
前記スピーカマイクユニットの筐体部分に前記GPSユニットのコネクタが接続されるコネクタを設けると共に、前記スピーカマイクユニットのケーブル側のコネクタが接続される前記通信機本体のコネクタを前記GPSユニットのコネクタに対しても共用接続可能な構成とし、
前記GPSユニットを前記スピーカマイクユニットに、また前記スピーカマイクユニットを前記通信機本体にコネクタ接続した状態では、前記GPSユニットの受信回路と前記スピーカマイクユニットのスピーカとマイクロホンとがそれぞれ前記通信機本体の対応端子に接続され、前記GPSユニットを前記通信機本体にコネクタ接続した状態では、前記GPSユニットの受信回路が前記通信機本体の対応端子に接続されるようにしたことを特徴とする無線通信機。
【請求項2】
前記通信機本体が、前記各ユニットが接続されるコネクタからの入力信号に基づいて前記スピーカマイクユニットと前記GPSユニットの接続/非接続状態を判定する判定手段を備え、前記判定手段の判定結果に基づいて動作モードを設定することとした請求項1に記載の無線通信機。
【請求項3】
前記GPSユニットと前記スピーカマイクユニットと前記通信機本体の各コネクタに共通設定されている各配線系統中の一系統を前記GPSユニットの受信回路に対する電源回路とし、前記GPSユニットが前記通信機本体から動作電力の供給を受けるようにした請求項1又は請求項2に記載の無線通信機。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate