説明

無線通信端末

【課題】無線通信端末がどのような動作状態であっても、直ちに所望の動作状態に移ることが可能な無線通信端末を提供することを目的とする。
【解決手段】待受状態(ST−C1)からカメラが起動されてニュートラルな状態(ST−C2)に設定される。ニュートラルな状態からは、静止画撮影モード(ST−C3a)、TV電話モード(ST−C3b)、または動画撮影モード(ST−C3c)にモードを直ちに変更することが可能になる。ゆえに、TV電話モードで通話中に、突然、静止画を撮影する必要が生じた場合も、複雑な操作をせずに直ちにモードを変更することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、カメラを使用して、画像を撮影して記録するモードと、画像通信モード(特に、TV電話モード)を有する無線通信端末に関するものであり、各モードにしたがってカメラを設定する無線通信端末に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、カメラを有する無線通信端末において画像を撮影するには、キー操作により画像撮影モードを選択し、カメラを起動することで撮影モードに遷移していた。同様に、TV電話を実行する場合も、TV電話モードを選択することでカメラを起動し、TV電話モードに遷移していた。カメラを起動した時点で、カメラの用途が画像撮影またはTV電話に限定されることになる。
【0003】
また、TV電話終了時には、無線通信端末がオフされるように設定されていることが多い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
その結果、TV電話を実行しようとしてカメラを起動したが、TV電話の前にカメラに映し出されている画像を撮影しようとする場合、いったんTV電話モードを終了させ、その後、画像撮影モードを起動させなければならない。したがって、操作の手数が多く、手間がかかるという問題があった。また、モードを切り替えるために手間がかかるので、シャッターチャンスを逃してしまうという問題が生じる可能性がある。
【0005】
同様に、画像撮影モードとしてカメラを起動したが、TV電話を先に実行しようと思い直した場合も、一度、撮影モードを終了させなければならず、手間がかかるという問題がある。
【0006】
さらに、TV電話終了後にカメラがオフされてしまうと、すぐに画像を撮影しようとしても、カメラを起動することから動作を開始しなければならず、画像を撮影することができるようになるまで、操作手順が多く煩わしい。
【0007】
以上に説明したように、従来のカメラ付き無線通信端末で、カメラを起動するには、撮影モードか、TV電話モードを事前に選択しなければならない。ゆえに、カメラ起動中に別の機能を使う場合は、いったん現在起動中の機能を終了させなければならないため、手間がかかるという問題がある。
【0008】
また、カメラ起動時には用途が限定されてしまい、カメラが写している画像を見てから、カメラのモードを選択するということは不可能である。また、TV電話終了後および画像撮影終了後は、必ずカメラがオフされてしまうため、TV電話および画像撮影終了後、カメラを使った別の機能を使う場合、再度カメラを起動させなければならず、操作が煩わしいという問題がある。
【0009】
そこで、これら従来における問題に鑑み、この発明の目的は、無線通信端末がどのような動作状態であっても、直ちに所望の動作状態に移ることが可能な無線通信端末を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この発明の1つの観点によれば、基地局と無線回線によって接続される無線端末装置において、画像を取得するためのカメラと、このカメラを起動させる起動制御部と、前記起動制御部によって前記カメラが起動された後に、少なくとも静止画を取得して記憶部に記憶する第1のモードと動画を取得して記憶部に記憶する第2のモードの一方を動作させることで前記カメラに画像を取得させると共に、前記第1のモードまたは第2のモードのうちの前記一方のモードを用いて画像を取得した後、前記カメラが起動された状態を維持しつつ所定のキー操作に応じて前記第1のモードまたは第2のモードのうちの他方のモードに切り替えるモード制御手段とを具備する無線通信端末が提供される。
【発明の効果】
【0011】
この発明の無線通信端末によれば、無線通信端末がどのような動作状態であっても、直ちに所望の動作状態に移ることが可能である。
【0012】
たとえば、カメラを起動してから、TV電話モード、画像撮影モードを選択することができる。また、TV電話、画像撮影が終了しても、カメラの動作を停止せずに、直ちにほかのモードを選択してそのモードを実行することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】この発明の実施形態に係る無線通信端末の電気的な内部構成を示す機能ブロック図である。
【図2】図1に示される無線通信端末の外観と、無線通信端末に実装されるカメラと、カメラが回転する様子との一例を示す図である。
【図3】図2に示される無線通信端末の点線A−Bでの、カメラおよびカメラをオンオフするスイッチ機構の断面図である。
【図4】(A)図2に示される無線通信端末に実装されるカメラのレンズ部が、無線通信端末に格納されている状態を示す図である。 (B)図2に示される無線通信端末に実装されるカメラが回転して、レンズ部が無線通信端末から出現している状態を示す図である。
【図5】図2に示される無線通信端末に実装されるカメラが回転されて、ニュートラルな状態を経由して、テレビ電話モード、静止画撮影モード、および動画撮影モードのいずれかのモードに設定されるまでのフロー図を示す。
【図6】図5に示される各モードに移行する具体的な過程を示したフロー図である。
【図7】図5に示される各モードに移行する前後の過程を含む無線通信端末の状態を示す状態図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照しながらこの発明の実施形態に係る無線通信端末について説明する。
【0015】
図1は、この実施形態に係る無線通信端末の機能ブロック図である。図1において無線通信端末は、アンテナ11、無線部12、制御部13、受信信号復号化部14、送信信号符号化部15、表示部16、カメラ17、タイマ18、スピーカ19、メモリ20、マイク21、およびキー22から構成される。この無線通信端末1の特徴的な構成として、TV電話、画像撮影に使用されるカメラ17が設けられている。
【0016】
図1に示される無線通信端末1は、通信事業者が提供する基地局(BS)との間で無線信号を送受信する無線部12を備えている。無線部12は、アンテナ11に接続され、アンテナ11を介して無線信号が送受信される。受信された無線信号は、無線部12において、高周波増幅変換および周波数変換され、低雑音増幅される。周波数変換される際に、制御部13から周波数を指定する周波数指定信号が無線部12に与えられる。無線部12では、周波数指定信号に基づいて、受信された無線信号が中間周波信号またはベースバンド信号に周波数変換される。その後、周波数変換された無線信号がディジタル復調される。
【0017】
制御部13においては、通信プロトコルにしたがって基地局との間で通信チャネルを確立するための制御が実行される。通信チャネルが確立されると、制御部13が通話チャンネルの確立を検出して、着信音発生信号が生成される。そして、着信音発生信号が図示しないサウンダから着信音として出力されることによって、ユーザーに着信報知がなされる。なお、着信音に代えて、図示しないバイブレータを振動させて着信報知がなされてもよい。また、図示しない発光ダイオードが発光することによって、着信をユーザーに知らせることも可能である。
【0018】
また、上記の確立された通信チャネル上で無線部12から無線信号が入力される。その後、キー22から所定のキーをユーザーが押すと、通話チャンネルに基づいて通話が確立される。そして、無線部12でディジタル復調された復調信号がアナログ信号に変換される。アナログ信号がスピーカ19に出力され、スピーカ19から音声等が出力されることになる。
【0019】
音声情報を含む無線信号がアンテナ11から送信される送信時の動作を説明する。ユーザーがキー22を操作して、キー22からの信号に基づいて制御部13が無線通信端末1をオンする。そして、ユーザーがキー22を操作して、通信する予定の電話番号を入力する。制御部13において、電話番号情報を含む無線制御信号が生成される。生成された制御信号が制御部13から無線部12に出力される。制御部13において、通信プロトコルが制御されて、基地局との間で通信チャネルが確立される。そして、通信相手と通信可能な状態になる。通信可能な状態においては、マイク21に入力された音声が音声信号に変換される。音声信号は、無線部12においてディジタル変調されてディジタル変調信号に変換される。そして、ディジタル変調信号がアンテナ11を経由して基地局に送信される。
【0020】
画像データが送受信される場合は、通信チャネルが確立されるまでは、上記と同様であるので説明を省略する。通信チャネルが確立された後は、受信された無線信号が制御部13で検出される。検出された無線信号が画像データを含む場合には、制御部13において、画像データを処理するためにインターフェースが制御される。インターフェースが確立すると、制御部13から画像データを含むディジタル受信信号が受信信号復号化部14に出力される。受信信号復号化部14で受信信号中の画像データ信号が復号化(デコード)される。
【0021】
受信信号復号化部14において、画像データ信号がデコードされ、デコードされた画像データ信号がD/A変換(digital-to-analog conversion)されてアナログの画像データ信号に変換される。アナログ信号の画像データが表示部16に出力され、表示部16において画像データが表示される。
【0022】
画像データが送信される場合は、カメラ17によって画像が画像データ信号に変換される。カメラ17の代わりに、ビデオ等の画像入力装置が接続された画像入力端子を介して画像データ信号が入力されても良い。画像データ信号は、送信信号符号化部15に入力されてエンコードされ、画像データを含むディジタルな画像データ信号に変換される。そして、画像データ信号が制御部13に出力される。画像データ信号は、無線部12において変調される。アンテナ11から変調された画像データ信号が送信される。
【0023】
なお、無線通信端末1には、電話番号、着信履歴、画像データおよび音声データ等を記憶しておくためのメモリ20が設けられる。また、無線通信端末1には、録画時間、無操作状態の継続時間を監視するためにタイマ18が設けられている。また、予めメモリに任意の画像を記憶させておき、ユーザーの好みに応じて記憶された画像が表示されても良い。この画像は、図示しない入力端子にビデオ、デジタルカメラまたはパーソナルコンピュータ等の画像生成装置が接続されて、それらから取得されてもよい。さらに、通話中に、受信中の映像表示を要求する所定のキー22が押されると、受信した映像信号が復号化されて表示され、そのキー22が押されていない場合は、無線通信端末に記録されている映像が表示されても良い。
【0024】
図2は、カメラ17を起動する場合のイメージ図である。図2は、カメラ17を実装した無線通信端末の一例である。この実施形態では、カメラ17は、図2に示されるように円柱状であり、側面に被写体を撮影するためのレンズ部が設置されている。カメラ17は、円柱の上面と下面の中心を結ぶ直線を軸として回転することができるように、無線通信端末1に付属している。カメラ17を回転させて、レンズ部を無線通信端末本体に格納することができる。この実施形態では、図2に示されるように、無線通信端末1のアンテナ11が格納される面上で、かつ表示部16の上方に設置されている。
【0025】
図3は、図2に示される無線通信端末1の線分A―Bでの断面図である。カメラ17のレンズ部が格納されている状態を示している。カメラ17は、レンズ部が無線通信端末内に格納されると同時に、スイッチ機構23のスイッチがオンされるように設定されている。スイッチがオンされると、オンされたことを示す制御信号が制御部13に出力される。制御部13は、オンされたことを示す制御信号に基づいて、カメラ17の作動を停止する。一方、カメラ17のレンズ部が無線通信端末内に格納されている状態から回転によって動かされた場合は、スイッチ機構23のスイッチはオフされるように設定されている。スイッチがオフされると、オフされたことを示す制御信号が制御部13に出力される。制御部13は、オフされたことを示す制御信号に基づいて、カメラ17を起動する。
【0026】
スイッチ機構23は、力学的または電気的な機構に基づいてオンまたはオフの制御信号を生成して、制御部13に出力する。力学的なスイッチ機構23では、たとえば、レンズ部周辺に凹部または凸部などを設けて、その凹凸部に対応してスイッチ機構23にも凸部または凹部を設ける。そして、レンズ部周辺の凹凸部がスイッチ機構23の凸凹部に嵌合した場合に、上述のようにスイッチがオンされる。スイッチがオンされると、オンされたことを示す制御信号が制御部13に出力される。電気的なスイッチ機構23では、たとえば、カメラ17の回転角度を検出する検出回路がスイッチ機構23に組み込まれる。そして、レンズ部が無線通信端末内に格納される回転角度は、たとえば0、360、720度等と定まっているので、レンズ部が無線通信端末内に格納される特定の値に回転角度が検
出される場合に、スイッチがオンされる。スイッチがオンされると、オンされたことを示す制御信号が制御部13に出力される。
【0027】
このような力学的または電気的なスイッチ機構23に限定されない。レンズ部が無線通信端末内に格納される場合に自動的にカメラ17の作動を停止し、ユーザーがカメラ17を回転させることによってレンズ部が無線通信端末から出現した場合に自動的にカメラ17の作動を開始するスイッチ機構23であればよい。
【0028】
また、カメラ17のレンズ部が無線通信端末内に格納されていない状態でも、その状態が一定時間を経過した後に、自動的にカメラ17の動作を停止して、撮影を一時停止するように設定されている。時間は、タイマ18によって測定され、測定された時間に基づいて、制御部13から信号によってカメラ17の作動を停止させる。
【0029】
さらに、カメラ17と無線通信端末1との位置関係が変動した場合に、カメラ17が起動されるように設定される。この実施形態の無線通信端末では、上述したようにカメラ17の回転が検出されることによって、カメラ17と無線通信端末1との位置関係の変動が検出される。
【0030】
図4(A)は、カメラ17のレンズ部が無線通信端末内に格納されている状態を示している。また、図4(B)は、カメラ17のレンズ部が無線通信端末から出現している状態を示している。さらに、図5は、カメラ17が回転して、ニュートラル状態、TV電話モード、静止画撮影モード、および動画撮影モードに設定される動作を示すフロー図である。
【0031】
図4(A)に示されるカメラ17のレンズ部が無線通信端末内に格納されている状態である場合、カメラ17は作動していない。ユーザーがカメラ17を回転する(ST−A1)と、上述したスイッチ機構23が作動して、カメラ17が起動される(ST−A2)。カメラ17が回転した場合の外観が、図4(B)に示されている。カメラ17が回転してレンズ部分が無線通信端末から出現している状態である。
【0032】
カメラ17が起動されると直ちに、カメラ17はニュートラルな状態に設定される(ST−A3)。ニュートラルな状態とは、カメラ17が作動している状態であって、カメラ17を使用する複数の用途のいずれにも直ちにモードを切り替えることができる待機状態である。すなわち、カメラ17の作動モードを切り替えようとする場合、いったん無線通信端末の電源をオフし、ふたたび電源をオンして特定のキーを押してモードを切り替えたりする複数のステップを省略することが可能になる。たとえば、ニュートラルな状態からは、TV電話モード、静止画撮影モード、または動画撮影モードにモードを直ちに変更することが可能になる。ゆえに、TV電話モードで通話中に、突然、静止画を撮影する必要が生じた場合も、複雑な操作をせずに直ちにモードを変更することができる。具体的なステップは図6を参照して後述する。
【0033】
静止画撮影モードが設定されたか否かが判定される(ST−A4)。図4(B)に示されるシャッターボタン221が押下されれば、静止画撮影モードが設定されているとみなされる。すなわち、ステップST−A4では、シャッターボタン221が押下されたか否かが判定される。静止画撮影モードが設定されている場合は、カメラ17を静止画撮影モードに設定して、静止画の撮影ができるよう準備される(ST−A5)。その後、ほかのモードに遷移する場合は、いったんST−A3のニュートラル状態にステップが戻る。静止画撮影モードが設定されていない場合は、つぎのステップST−A6に進む。
【0034】
ステップST−A6では、動画撮影モードが設定されたか否かが判定される。図4(B)に示される録画ボタン222が押下されれば、動画撮影モードが設定されているとみなされる。すなわち、ステップST−A6では、録画ボタン222が押下されたか否かが判定される。動画撮影モードが設定されている場合は、カメラ17を動画撮影モードに設定して、動画の撮影ができるように準備される(ST−A7)。その後、ほかのモードに遷移する場合は、いったんST−A3のニュートラル状態にステップが戻る。動画撮影モードが設定されていない場合は、つぎのステップST−A8に進む。
【0035】
ステップST−A8では、TV電話モードが設定されたか否かが判定される。図4(B)に示されるダイヤルボタン223が押下されれば、TV電話モードが設定されているとみなされる。すなわち、ステップST−A8では、ダイヤルボタン223が押下されたか否かが判定される。TV電話モードが設定されている場合は、カメラ17をTV電話モードに設定して、撮影が開始される(ST−A9)。その後、ほかのモードに遷移する場合は、いったんST−A3のニュートラル状態にステップが戻る。TV電話モードが設定されていない場合は、つぎのステップST−A3のニュートラル状態に戻る。
【0036】
また、TV電話モードによる通信状態を終了するためには、カメラ17を無線通信端末内に格納することによって実現される。もちろん、カメラ17を格納せず、キー22の所定のキーを押下することによっても、通信状態を終了することができる。通信状態を終了するためのキーは、ユーザーが事前に任意に設定することができる。
【0037】
図6は、図5の具体的な過程の一例を示したフロー図である。
【0038】
無線通信端末1が、起動していて待ち受け状態にある場合、カメラ17が回転したか否かが制御部13によって監視されている(ST−B1)。カメラ17が回転した場合は、カメラ17が起動したとみなされ、つぎのステップST−B2に進む。カメラ17が回転していない場合は、引き続きカメラ17が回転するか否かが監視される。
【0039】
ステップST−B2では、カメラ17が回転されて起動されたら、カメラ17のレンズ部が取得する画像が表示部16に表示される。この表示状態が、上述したニュートラル状態に対応する。
【0040】
ステップST−B3では、図4(B)に示されるシャッターボタン221が押下されたか否かが制御部13によって判定される。シャッターボタン221が押下されたと判定された場合は、ステップST−B4に進む。シャッターボタン221が押下されていないと判定された場合は、ステップST−B5に進む。
【0041】
ステップST−B4では、静止画撮影モードが選択される。この場合は、カメラ17のレンズ部に写っている画像が、シャッターボタン221が押下された瞬間に静止画として取得される。取得された静止画は、メモリ20に格納される。
【0042】
ステップST−B5では、図4(B)に示される録画ボタン222が押下されたか否かが制御部13によって判定される。録画ボタン222が押下されたと判定された場合は、ステップST−B6に進む。録画ボタン222が押下されていないと判定された場合は、ステップST−B7に進む。
【0043】
ステップST−B6では、動画撮影モードが選択される。この場合は、カメラ17のレンズ部に写っている画像が、一定時間動画として取得される。取得された動画は、メモリ20に格納される。ここで、撮影される時間は、タイマ18によって測定される。撮影時間は、ユーザーがキー22によって設定することができる。
【0044】
ステップST−B7では、図4(B)に示されるダイヤルボタン223が押下されたか否かが制御部13によって判定される。ダイヤルボタン223が押下されたと判定された場合は、ステップST−B8に進む。ダイヤルボタン223が押下されていないと判定された場合は、ステップST−B2に戻る。
【0045】
ステップST−B8では、TV電話モードが選択されて、TV電話による発信が実行される。この場合は、カメラ17のレンズ部に写っている画像が、取得される。取得された画像は、通信相手に送信されて、相手の無線通信端末内の表示部に表示される。
【0046】
図7は、上述した各モードおよびニュートラルな状態に移行する様子を示している。すなわち、カメラ17起動後のニュートラルな状態から、TV電話、または画像撮影を実行し、終了後、ニュートラルな状態に戻る操作の流れを示している。
【0047】
ST−C1の待ち受け状態から、カメラ17のレンズ部を回転させカメラ17を起動することで、ST−C2のニュートラルな状態に遷移する。なお、カメラ17が収納されていない状態で待ち受けている場合は、キー22がユーザーにより操作されることによりカメラ17が起動される。
【0048】
この状態でシャッターボタン221が押されれば、ST−C3aで静止画を撮影し、ニュートラルな状態に戻る(ST−C7)。なお、ST−C7とST−C2は、同様な状態である。
【0049】
同様にST−C2の状態で、ダイヤルボタン223が押下されて、ダイヤル(電話番号)が入力されれば、ST−C3bの発信待ち状態に遷移する。ここで発信ボタンが押されれば、ST−C6のTV電話モードに遷移する。その後、TV電話を終了するために、終話ボタンが押下されると、ST−C7のニュートラルな状態に戻る。
【0050】
また、ST−C3bの状態で、メニューを表示させるための所定のキー22を押下すれば、メニューが表示される(ST−C4)。このメニューのうち、音声電話発信を選択すれば、ST−C5の音声電話モードに遷移し、カメラ17を起動したまま、音声通話を実行することが可能になる。
【0051】
同様にST−C2の状態で、録画ボタン222が押された場合は、ST−C3cで動画撮影が実行される。そして、キー22中の停止キーが押されるか、設定されている録画時間がタイマ18に計測されてタイムアウトになると、ST−C7のニュートラル状態に戻る。
【0052】
ST−C7のニュートラルな状態で、一定時間操作が行われなかった場合、またはカメラ17が収納されたされた場合は、ST−C8の待ち受け状態に遷移する。カメラ17が無線通信端末内に収納されると、カメラ17の動作は停止される。なお、ST−C8とST−C1は、同様な状態である。
【0053】
以上説明したように、カメラ17を起動した時点では、カメラ17で静止画を撮るのか、動画を撮るのか、TV電話に使用するのかを限定しないニュートラルな状態に無線通信端末が設定される。その後のボタン操作により、静止画撮影モード、動画撮影モード、またはTV電話モードを自動的に選択することが可能になる。また、動画または静止画の画像撮影、TV電話終了後は、カメラ17を起動した直後のニュートラルな状態に戻ることで、TV電話終了後、すぐに画像撮影等を実行することが可能になる。
【0054】
なお、この実施形態では、カメラ17のレンズ部を回転させて本体に収納しているが、スライドさせて収納するようにレンズ部が設定されていてもよい。
【0055】
また、上述のTV電話モードは、画像を送受信する画像通信モードとして使用されてもよい。このモードが上記3つのモードに付加されてもよい。画像通信モードは、TV電話モードにおいて音声がなく、画像データをメモリ20に格納したり、メモリ20から取り出したりすること以外は、TV電話モードに同様である。
【0056】
この発明は、カメラ17を起動してから、カメラ17の用途を選択するための手段として、用途を選択せずにカメラ17を起動する手段を設け、カメラ17が写している画像を表示部16に表示するだけのニュートラルな状態を持つことを特徴とする。ニュートラルな状態は、TV電話モード、画像撮影モードのアイドル状態(待機状態)である。また、TV電話、静止画および動画の画像の記録を終了後、待ち受け状態ではなく、カメラ17起動後のニュートラルな状態に戻ることを特徴とする。
【0057】
以上の実施形態によれば、TV電話を実行しようとしてカメラ17を起動したが、画像を撮影したくなった場合、すぐに撮影モードに設定することができる。
したがって、前のモードを終了させて、新たなモードを起動する等のキー操作がなくなる。また、それらのモードが終了または起動に要する時間も節約することができると期待される。さらに、ユーザーに、今まで感じていた手数がかかる操作によるストレスを感じさせなくすることができる。同様に、TV電話終了後、画像の記録を実行する操作も簡単にすることができる。その結果、TV携帯電話等のカメラ17を有する無線通信端末に応用すると、ユーザーにとって使いやすい操作性を持った携帯電話を提供することができる。
【0058】
カメラ17をスタンバイ状態に設定しているニュートラルな状態に遷移するように設定されている。したがって、カメラ17は直ちに所望の撮影モードに状態を移すことが可能になる。その結果、簡単な操作で、かつ迅速に撮影モードに移ることができる。
【0059】
この発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、その技術的範囲において種々変形して実施することができる。
【符号の説明】
【0060】
1 無線通信端末
11 アンテナ
12 無線部
13 制御部
14 受信信号復号化部
15 送信信号符号化部
16 表示部
17 カメラ
18 タイマ
19 スピーカ
20 メモリ
21 マイク
22 キー
23 スイッチ機構
221 シャッターボタン
222 録画ボタン
223 ダイヤルボタン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基地局と無線回線によって接続される無線端末装置において、
画像を取得するためのカメラと、
このカメラを起動させる起動制御部と、
前記起動制御部によって前記カメラが起動された後に、少なくとも静止画を取得して記憶部に記憶する第1のモードと動画を取得して記憶部に記憶する第2のモードの一方を動作させることで前記カメラに画像を取得させると共に、前記第1のモードまたは第2のモードのうちの前記一方のモードを用いて画像を取得した後、前記カメラが起動された状態を維持しつつ所定のキー操作に応じて前記第1のモードまたは第2のモードのうちの他方のモードに切り替えるモード制御手段と
を具備することを特徴とする無線通信端末。
【請求項2】
前記モード制御手段は、前記起動制御部によって前記カメラが起動された後に、前記第1のモード及び第2のモードのいずれも実行させない第3のモードで動作させるとともに、このカメラで取得した画像を表示部に表示させ、その後、前記第1のモードに対応する第1のキーまたは前記第2のモードに対応する第2のキーが操作されることに応じて、前記カメラを第1のモードまたは第2のモードで動作させることを特徴とする請求項1に記載の無線通信端末。
【請求項3】
前記モード制御手段は、前記起動制御部によって前記カメラが起動された後に、更に、前記カメラが取得した画像を用いてテレビ電話を実行する第4のモードで前記カメラを動作可能としたことを特徴とする請求項2に記載の無線通信端末。
【請求項4】
前記第3のモードで動作しているときにダイヤルキーによって電話番号が入力されると、前記モード制御手段は、前記第4のモードで前記カメラを動作させることを特徴とする
請求項3に記載の無線通信端末。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−257324(P2012−257324A)
【公開日】平成24年12月27日(2012.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−193557(P2012−193557)
【出願日】平成24年9月3日(2012.9.3)
【分割の表示】特願2001−214363(P2001−214363)の分割
【原出願日】平成13年7月13日(2001.7.13)
【出願人】(310022372)富士通モバイルコミュニケーションズ株式会社 (219)
【Fターム(参考)】