説明

無線通信網の構成要素管理システム

本発明は、無線通信網の構成要素である基地局、制御局などを効率よく管理するための構成要素管理システム及びその方法に関する。
本発明による無線通信網の構成要素管理システムは、運用者との整合機能を遂行するグラフィックユーザーインターフェース部、上記グラフィックユーザーインターフェース部からコマンドを受信し該コマンドをソケットハンドラーに伝送するコマンド管理部、及び上記コマンド管理部から伝送されたコマンドを構成要素管理サーバーに伝送するソケットハンドラーを含む構成要素管理クライアント、及び上記構成要素管理クライアントとの整合機能を遂行するシステムフロントエンド機能部、無線通信網の構成要素との整合機能を遂行する構成要素インターフェース部、及び上記システムフロントエンド機能部から伝送されたコマンドを処理して上記無線通信網の構成要素に対する構成管理機能、障害管理機能、ダウンロード管理機能、診断及びテスト管理機能、統計管理機能、性能管理機能の少なくとも一つを遂行するシステムバックエンド機能部を含む構成要素管理サーバーを備えることにより、基地局、制御局などの無線通信網構成要素を効率よく管理することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信網の構成要素管理システムに係り、より詳しくは、無線通信網の構成要素である基地局、制御局などを効率よく管理するための構成要素管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電子/通信技術の発達に伴い、移動通信、ポータブル・インターネットなどのように無線通信網(Wireless Network)を利用した様々な通信サービスが提供されている。無線通信網は、図1に示すように、ネットワーク構成要素(network element)として携帯端末(PSS:Portable Subscriber Station)、基地局(RAS:Radio Access Station)、制御局(ACR:Access Control Router)などを含み、ここで、携帯端末は、無線通信チャンネルを介して基地局と通信を行なうことにより、基地局と連動する制御局から提供される様々な通信サービスを利用することができる。
【0003】
これら構成要素の具体的機能について説明すれば、例えば、無線通信網においてポータブル・インターネットサービスを提供するために、携帯端末は、ポータブル・インターネット無線接続機能、IP基盤サービス接続機能、IP移動性機能、端末/ユーザー認証及びセキュリティ機能、マルチキャストサービス受信機能、他の網との連動機能などを遂行する。そして、基地局は、ポータブル・インターネット無線接続機能、無線資源管理及び制御機能、移動性(ハンドオフ)支援機能、認証及びセキュリティ機能、サービス品質管理機能、ダウンリンクマルチキャスト機能、課金及び統計情報生成と通報機能などを遂行し、制御局は、IPルーティング及び移動性管理機能、認証及びセキュリティ機能、サービス品質管理機能、課金サービス提供機能、制御局内の基地局間移動性制御機能、資源管理及び制御機能などを遂行する。
【0004】
一方、ポータブル・インターネットサービスを安定して提供するためには、ネットワークの構成要素(network element)である制御局及び基地局に対する管理が必要であり、例えば、構成(Configuration)管理、障害(Fault)管理、状態(Status)管理、セキュリティ(Security)管理、ダウンロード(Download)管理、統計(Statistics)管理、診断及びテスト(Diagnostics & Test)管理、性能(Performance)管理などを効率よく遂行することができる構成要素管理システムが求められる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、前述したような要求に応じるためになされたものであって、その目的は、無線通信サービスを安定して提供するためにネットワーク構成要素である基地局、制御局などを効率よく管理する無線通信網の構成要素管理システムを提供することにある。
【0006】
本発明の他の目的は、構成要素管理サーバーを各機能毎にモジュール化して実現し、これらを物理的に分離配置することにより、後からの機能の追加及び変更が容易となるようにしたモジュール化構造の構成要素管理サーバーを提供することにある。
【0007】
本発明のまた他の目的は、構成要素管理サーバーと構成要素管理クライアントのコマンド伝送及び制御経路を効率よく実現し、構成要素管理サーバー内のロードを軽減させることができる構成要素管理システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明による無線通信網の構成要素管理システムは、運用者との整合機能を遂行するグラフィックユーザーインターフェース部と、該グラフィックユーザーインターフェース部からコマンドを受信し該コマンドをソケットハンドラーに伝送するコマンド管理部、及び該コマンド管理部から伝送されたコマンドを構成要素管理サーバーに伝送するソケットハンドラーとを含む構成要素管理クライアント、及び上記構成要素管理クライアントとの整合機能を遂行するシステムフロントエンド機能部と、無線通信網の構成要素との整合機能を遂行する構成要素インターフェース部、及び上記システムフロントエンド機能部から伝送されたコマンドを処理して前記無線通信網の構成要素に対する構成管理機能、障害管理機能、ダウンロード管理機能、診断及びテスト管理機能、統計管理機能、性能管理機能の少なくとも一つを遂行するシステムバックエンド機能部とを含む構成要素管理サーバーと、からなることを特徴とする。
【0009】
また、本発明による無線通信網の構成要素管理サーバーは、構成要素管理クライアントに接続されたGUIアダプタを備え、上記構成要素管理クライアントとの整合機能を遂行するシステムフロントエンド機能部と、上記構成要素管理クライアントから受信したコマンドに応答して上記構成要素に対する構成管理機能、障害管理機能、ダウンロード管理機能、診断及びテスト管理機能の少なくとも一つの機能を遂行するシステムバックエンド機能部、及び上記無線通信網の構成要素にコマンドを伝送し、上記構成要素からメッセージ及び上記機能の遂行に必要な各データを受信する構成要素インターフェース部と、を含むことを特徴とする。
【0010】
好ましくは、上記構成要素管理サーバーは、無線通信網のネットワーク管理システムのEMSマネージャーと連動するEMSエージェントを備え、上記ネットワーク管理システムとの整合機能を遂行するNMSインターフェース部を更に含む。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、無線通信網にネットワーク構成要素を管理する構成要素管理システムを備えることによりネットワーク構成要素である基地局、制御局などを効率よく管理し、無線通信サービスを安定して提供することができるという効果を奏する。
【0012】
また、本発明によれば、構成要素管理サーバーを構成する要素を機能毎にモジュール化して実現し、これらを物理的に分離配置することにより、後からの機能の追加及び変更を容易にするという効果を奏する。
【0013】
さらに、本発明によれば、構成要素管理サーバーと構成要素管理クライアントの情報伝送及び制御経路を効率よく実現し、構成要素管理サーバー内のロードを軽減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明による無線通信網の階層構造を例示する図である。
【図2】本発明による構成要素管理システムと他のシステムとの連動関係を説明する図である。
【図3】本発明の一実施形態による構成要素管理サーバーの詳細構成図である。
【図4】本発明による構成要素管理サーバーにおいて構成要素管理のためのコマンドを処理する方法のフローチャートである。
【図5】本発明の一実施形態による構成要素管理クライアントの詳細構成図である。
【図6】本発明による構成要素管理サーバーの内部インターフェースを例示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、添付した図面及び好適な実施形態を参照して本発明について詳しく説明する。なお、下記の説明では、本発明の要旨を不要に曖昧にし得る公知の機能及び構成についての詳細な説明は省略した。
【0016】
先ず、本発明による無線通信網の階層構造について説明すれば、図1に示すように、ネットワーク構成要素の運用環境の設定、有無線資源管理、状態確認などのためのアクセスネットワーク領域(Access Network Domain)と、移動通信/ポータブル・インターネットサービスの提供、加入者管理などのためのサービスプロバイダー領域(Service Provider Domain)に分けられる。そして、アクセスネットワーク領域は、ネットワーク構成要素階層(Network Element layer:NEL)(L1)及び構成要素管理階層(Element Management layer:EML)(L2)からなり、サービスプロバイダー領域は、ネットワーク管理階層(Network Management layer:NML)(L3)、サービス管理階層(Service Management layer:SML)(L4)及びビジネス管理階層(Business Management layer:BML)(L5)からなる。
【0017】
ネットワーク構成要素階層(L1)には、携帯端末(PSS)700、基地局(RAS)400、制御局(ACR)300などのようにネットワークを構成する構成要素(Network Element)が位置し、構成要素管理階層(L2)には、上記携帯端末(PSS)、基地局(RAS)、制御局(ACR)などを管理する構成要素管理サーバー(Element Management System Server:EMS Server)100及び構成要素管理クライアント(EMS Client)200が位置する。
【0018】
一方、構成要素管理サーバー100は、ネットワーク管理階層(L3)に位置するネットワーク管理システム(NMS:Network Management System)500に接続され、サービスプロバイダーがネットワーク管理システムを介してネットワーク構成要素を管理できるようにする。
【0019】
図2は、本発明による構成要素管理システムと他のシステムとの連動関係を説明する図である。
本発明による構成要素管理システムは、構成要素管理サーバー(EMSサーバー)100と構成要素管理クライアント(EMSクライアント)200を含み、構成要素管理サーバー100は、制御局300、基地局400などのネットワーク構成要素と直接連動しこれを管理する機能を遂行し、構成要素管理クライアント200は、運用者が構成要素管理サーバーを介して制御局300、基地局400などを統合的にモニタリングし制御できるようにユーザーインターフェースを提供する。
【0020】
先ず、構成要素管理サーバー100について説明すれば、図2に示すように、本発明による構成要素管理サーバーは、システム資源管理部110、システムバックエンド機能部120、システムフロントエンド機能部130、構成要素インターフェース部140、NMSインターフェース部150、データベース部160などを含む。
【0021】
システム資源管理部110は、システムバックエンド機能部、システムフロントエンド機能部、構成要素インターフェース部、NMSインターフェース部及びデータベース部と連動して、システム初期化、システム資源管理、システムメンテナンスなどの機能を遂行する。具体的には、周期的にまたは運用者の要求に応じて構成要素管理サーバーのCPU負荷率、メモリ使用率、ファイルシステム使用率、ネットワーク利用率などに関するデータを収集し照会して構成要素管理サーバーを全般的に管理し、構成要素管理サーバーにおいて使用するデータベースの使用現況を収集してデータベースを管理し、構成要素管理サーバーのすべての応用プロセスに対する状態照会、駆動中止、再駆動などの機能を遂行する。また、プロセッサが任意にダウンしたり、各種の使用率が予め設定しておいた閾値を超えると、アラーム発生情報を構成要素管理クライアントに伝送し、逆に閾値以下に落ちると、アラーム解除情報を構成要素管理クライアントに伝送することで運用者に知らせる。
【0022】
システムバックエンド機能部120は、運用者のコマンドを処理するコマンド制御(Command control)機能やネットワーク構成要素である基地局、制御局などに対する構成(Configuration)管理、障害(Fault)管理、ダウンロード(Download)管理、診断及びテスト(Diagnostics & Test)管理、統計(Statistics)管理、性能(Performance)管理などの機能を遂行する。
【0023】
システムフロントエンド機能部130は、構成要素管理クライアントと連動して運用者との整合機能及びログ(Log)管理機能を遂行する。図2に示すように、システムフロントエンド機能部は、構成要素管理クライアント200のTCPソケットアダプタに接続されるGUI(Graphical User Interface)アダプタを備え、これを介して、構成要素管理クライアントからコマンドを受けたり、または、構成要素からのイベントを構成要素管理クライアントに伝送したりする。
【0024】
構成要素インターフェース部140は、ネットワーク構成要素である基地局、制御局などとの整合機能を遂行する。例えば、構成要素インターフェース部は、TCP(Transmission Control Protocol)、SNMP(Simple Network Management Protocol)、FTP(File Transfer Protocol)/TFTP(Trivial FTP)などを用いて基地局及び制御局とメッセージ、データなどをやり取りする。
【0025】
NMSインターフェース部150は、構成要素管理サーバーの上位システムであるネットワーク管理システム(NMS)との整合機能を遂行する。このために、NMSインターフェース部はEMSエージェントを含み、ネットワーク管理システムは上記EMSエージェントに接続されたEMSマネージャーを介して構成要素管理サーバーを管理する。EMSマネージャーとEMSエージェント間では、SOAP(Simple Object Access Protocol)を用いた通信を遂行することが好ましい。また、NMSインターフェース部は、サービス事業者のOSS(Operation Support System)と連動するためにOSSインターフェースを含んでよい。OSSインターフェースは、NMSインターフェースから分離自在に構成され、サービス事業者がOSSを備えているか否かに応じて、実際の実行時に選択的に適用することができる。
【0026】
データベース部160は、システム資源管理部及びシステムバックエンド機能部などと連動し、構成要素管理サーバーにより管理される各構成要素(基地局、制御局など)に関するパッケージ情報、構成情報、障害情報、統計情報、履歴情報などを格納する機能を遂行する。
【0027】
図3は、本発明の好適な実施形態による構成要素管理サーバーを示し、以下では、図3を参照して本発明による構成要素管理サーバーについてより詳しく説明する。参考として、図3では、図面が複雑化することを回避するために構成要素管理クライアント及びネットワーク構成要素に係る事項を主に示し、システム資源管理部とNMSインターフェース部は図示していない。
【0028】
説明の便宜のためにシステムフロントエンド機能部130について先に説明することにする。本実施形態によるシステムフロントエンド機能部は、運用者との整合機能を遂行するユーザーインターフェースモジュール131とログ管理機能を遂行するログ管理モジュール132を含む。
【0029】
ユーザーインターフェースモジュール131は、構成要素管理クライアントから運用者のコマンドを受信し、該受信したコマンドをシステムバックエンド機能部または構成要素インターフェース部に伝送する。ユーザーインターフェースモジュールは、該コマンドに対する応答を受信し、該受信した応答を当該構成要素管理クライアントに伝送する。また、ネットワーク構成要素からリアルタイムで伝送されるイベントを受信し、該イベントを構成要素管理クライアントに伝送する機能を遂行する。このために、ユーザーインターフェースモジュールは、GUIアダプタ(GUI adaptor)131a、ディスパッチャー(dispatcher)131b、イベントハンドラー(event handler)131c、ブロードキャストレシーバー131d、フォーマッタ(Formatter)131e、ログセンダー(Log sender)131fを含む。
【0030】
新規な構成要素管理クライアントがTCPを介して構成要素管理サーバーに接続したとき、上記GUIアダプタ131aは、新規な構成要素管理クライアントが接続可能なIPアドレスを持っているか否か、新規な構成要素管理クライアントが接続可能なIPアドレスの範囲内にあるか否か、または、新規な構成要素管理クライアントが同時接続者の数を超えているか否かなどを検査し、その後、新規な構成要素管理クライアントの構成要素管理サーバーへの接続を許可する。上記GUIアダプタ131aは、構成要素管理クライアントの正常または異常終了の際、当該構成要素管理クライアントに関するセッション情報を削除する。そして、構成要素管理クライアントから伝送される運用者コマンドをディスパッチャーに伝送し、必要に応じて、整形化された入力フォーマットの画面またはログ出力のためにフォーマッタに伝送する。なお、ディスパッチャーを介してネットワーク構成要素から運用者コマンドに関する応答を受信し、該応答を構成要素管理クライアントに伝送する。
【0031】
ディスパッチャー131bは、GUIアダプタに接続され、GUIアダプタを介して構成要素管理クライアントから受信したコマンドを分類してシステムバックエンド機能部または構成要素インターフェース部に伝送する。ディスパッチャー131bは、運用者コマンドに対する応答を受信し、該応答をGUIアダプタを介して構成要素管理クライアントに伝送する。具体的に、ディスパッチャーは、構成要素管理クライアントから受信したコマンドが一つの構成要素に関する単純処理コマンドである場合、該コマンドを構成要素インターフェース部のコマンドレシーバーに伝送し、上記コマンドが隣接セル登録のように多くの構成要素に関連しているかまたはデータベースに予め登録された多くのコマンドを読み出して処理すべきバッチコマンドの遂行のような複合処理コマンドである場合、応答をシステムバックエンド機能部のコマンド制御モジュールに伝送する。参考として、本発明における「単純処理コマンド」とは、構成要素の状態照会/変更コマンド、構成要素のパラメータ照会/変更コマンド、その他、照会コマンドなどのようにシステムバックエンド機能部の遂行を不要とするコマンドのことをいい、これは、ユーザーインターフェースモジュールから構成要素インターフェース部に直接伝送されるため、サーバーの負荷を軽減することができる。逆に、「複合処理コマンド」とは、運用者コマンドの遂行のためにシステムバックエンド機能部の少なくとも一つの機能モジュールの動作を必要とするコマンドのことをいう。
【0032】
イベントハンドラー131cは、システムにおいて発生したイベントをシステムバックエンド機能部の障害管理モジュールのデータプロセッサから受信し、該受信したイベントを構成要素管理クライアントに伝送する。また、イベントハンドラー131cは、運用者により設定された性能閾値を超えたときに発生するQoSアラームメッセージを統計管理モジュールと性能管理モジュールから受信し、該受信したメッセージを構成要素管理クライアントに伝送する。一方、ブロードキャストレシーバー131dは、構成要素インターフェース部のブロードキャストセンダーからメッセージを受信し、該メッセージをフォーマッタに伝送し、フォーマッタ131eは、ブロードキャストレシーバーまたはディスパッチャーからメッセージを受信し、該受信したメッセージのフォーマットを変形(CLIコマンドにより整形化された入出力メッセージフォーマッティング)して、運用者画面出力のために該フォーマットしたメッセージをログセンダー131fに伝送するとともに、ログファイルの格納のためにログ管理モジュールのレシーバーに伝送する。
【0033】
ログ管理モジュール(Log Management Module)132は、構成要素インターフェース部を介して伝送される各種のメッセージを受信し、該受信したメッセージをログファイル(Log File)として格納し管理する機能を遂行する。このために、ログ管理モジュールは、レシーバー(Receiver)132a、ロガー(Logger)132b、ファインダ(Finder)132cを含む。レシーバー132aは、ユーザーインターフェースモジュールのフォーマッタ131eからのメッセージを受信し、該受信したメッセージをロガーに伝送し、ロガー132bは、該受信したメッセージに基づいてログファイルを生成して格納し管理する。一方、ログファイルに格納された情報が必要である場合、ファインダ132cがそれを検索して読み出す。
【0034】
システムバックエンド機能部120は、ネットワーク構成要素を管理する構成要素管理サーバーの具体的な動作または機能を遂行するもので、コマンド制御(Command control)モジュール、構成(Configuration)管理モジュール、障害(Fault)管理モジュール、ダウンロード(Download)管理モジュール、診断及びテスト(Diagnostics & Test)管理モジュール、統計(Statistics)管理モジュール、性能(Performance)管理モジュールなどを含む。
【0035】
先ず、コマンド制御モジュール121は、構成要素管理クライアントが予め登録しておいたバッチ処理コマンドをデータベースから読み込み、該コマンドを当該ネットワーク構成要素に伝送し、その後、該コマンドに対する応答を受信し、該応答を構成要素管理クライアントに提供する機能を遂行する。このために、コマンド制御モジュールは、マネージャープロセッサ(Manager Processor)121a、バッチプロセッサ(Batch Processor)121b、スケジューラ(Scheduler)121cを含む。ユーザーインターフェースモジュールのディスパッチャーから運営者のバッチジョブに関するリクエストを受信すると、マネージャープロセッサ121aは、該リクエストをバッチプロセッサに伝送する。その後、マネージャープロセッサは、バッチプロセッサからバッチジョブに属した個別コマンドをディスパッチャーに伝送し、当該ネットワーク構成要素により生成されたコマンドに対する応答をディスパッチャーから受信し、該応答をデータベースに格納できるようにバッチプロセッサに伝送し、最終コマンドの遂行が終わると、バッチ遂行終了応答をユーザーインターフェースモジュールに伝送する。バッチプロセッサ122bは、マネージャープロセッサまたはスケジューラからのバッチジョブ(Batch Job)のリクエストに対し、データベースから予め登録しておいたコマンドを順次読み込み、当該ネットワーク構成要素に該コマンドを伝送することでジョブを遂行する。一方、スケジューラは、所定の時間になると、データベースに格納されているバッチジョブを読み込んでバッチプロセッサに伝送し、バッチプロセッサは、該ジョブに係るコマンドを当該ネットワーク構成要素に伝送する。
【0036】
構成管理モジュール122は、ネットワーク構成要素である基地局、制御局などの物理的形状管理、運営パラメータの設定、隣接セル/隣接基地局/隣接制御局の設定などの機能を遂行する。具体的に、構成管理モジュールは、構成要素管理クライアントから受信した構成関連リクエストメッセージに対し、当該基地局または制御局からの処理結果を構成要素インターフェース部を介してイベントメッセージの形式で受信し、これをデータベースに格納可能なデータに変更してデータベースに格納し、ネットワーク構成要素の実装状態(Equipment Status)や管理状態(Administration State)が変更された場合、状態変更メッセージをユーザーインターフェースモジュールを介して構成要素管理クライアントに伝送する。上記物理的形状管理には、制御局/基地局の増減設置、基地局のFA(Frequency Assignment)/セクター(Sector)/カード(Card)の増減設置などがあり、運営パラメータの設定には、システムタイマー(System Timer)パラメータ、アップリンク(Uplink)/ダウンリンク(Downlink)チャンネルに対するOFDMA PHY(Physical layer)及びMAC(Medium Access Control layer)パラメータ、セキュリティ関連PKM(Primary Key Management)パラメータ、QoS(quality of service)のためのサービスクラス(Service Class)パラメータ、各種のRF(Radio Frequency)パラメータ、IPプール(Pool)、DHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)パラメータ、過負荷閾値などがある。
【0037】
障害管理モジュールは、ネットワーク構成要素である基地局、制御局などからリアルタイムで障害情報を受信した後、可視、可聴情報を発生する機能を遂行する。具体的には、構成要素インターフェース部を介して基地局、制御局などから障害の種類(ハードウェアの特定部分またはソフトウェアの特定機能など)に相応する障害発生メッセージを受信し、または障害解除メッセージ受信すれば、該メッセージをデータベースに格納し、上記障害発生メッセージまたは障害解除メッセージをユーザーインターフェースモジュールを介して構成要素管理クライアントにブロードキャスティングすることによりアラーム機能を遂行する。
【0038】
ダウンロード管理モジュールは、ネットワーク構成要素である基地局、制御局などで用いるソフトウェア(OS & Application)と構成ファイル(Configuration File)を当該ネットワーク構成要素にダウンロードし、上記ネットワーク構成要素で実行される構成ファイルをバックアップする機能を遂行する。具体的には、運用者要求やシステムの初期化時または予約ジョブ登録を通じてネットワーク構成要素毎に使用されるソフトウェア及び構成ファイルを当該構成要素にダウンロードし、その履歴情報をデータベースに格納する。上記ソフトウェア及び構成ファイルは、構成要素管理クライアントのパッケージ管理モジュールにおいて登録することができる。そして、運用者要求や予約ジョブ登録を通じて当該ネットワーク構成要素で現在遂行中のソフトウェア及びネットワーク構成要素に格納されている構成ファイルを構成要素管理サーバーにバックアップ(Backup)し、その履歴情報をデータベースに格納する。
【0039】
診断及びテスト管理モジュールは、ネットワーク構成要素である基地局、制御局などのシステム資源に対してテストを行い、障害有無を判断する機能を遂行する。具体的には、運用者の予約テスト設定によって当該時間に基地局、制御局などの資源に対してテストを行い、不安全な資源が発見されると、それをユーザーインターフェースモジュールを介して運用者に知らせる。そして、新規な装置や取り替えられた装置がある場合、サービスを遂行する前に当該装置に対する機能テストを行い、既に動作している構成要素である場合、当該システムに対する診断を始める前にその資源に対してはサービスを中断させる。
【0040】
一方、前述した構成管理モジュール、障害管理モジュール、ダウンロード管理モジュール、診断及びテスト管理モジュールは、それぞれレシーバー(Receiver)、データプロセッサ(Data Processor)、コマンドプロセッサ(Command Processor)を含んでなる(図3参照)。各機能モジュールにおけるレシーバーは、構成要素インターフェース部のルーターから関連データを受信し、該受信したデータをデータプロセッサに伝送する。また、データプロセッサは、レシーバーからのデータを当該モジュールの機能に符合するように処理し、該結果データをデータベースに格納する。そして、各機能モジュールにおけるコマンドプロセッサは、ユーザーインターフェースモジュールのディスパッチャーからのコマンドを処理し、構成管理、障害管理、ダウンロード管理、診断及びテスト管理機能を遂行する。
【0041】
統計管理モジュールは、ネットワーク構成要素である基地局、制御局などのサービス及び障害に関する統計関連データを周期的(例えば、60分)に収集し、所定期間毎(毎日、毎週、毎月など)に統計データを生成する機能を遂行する。具体的には、構成要素インターフェース部を介して基地局、制御局などから性能データ及び障害データを受信し、所定期間毎に性能統計データ(例えば、ハンドオーバー統計、呼処理及びトラフィック統計、無線チャンネル品質統計、装備プロセッサ負荷統計など)及び障害統計データを生成してデータベースに格納し、統計データが性能閾値を超えると、QoSアラームを生成し、該QoSアラームをユーザーインターフェースモジュールのイベントハンドラーに伝送する。
【0042】
性能管理モジュールは、ネットワーク構成要素である基地局、制御局などに対する性能関連データを周期的(例えば、5分)に収集しモニタリングする機能を遂行する。具体的には、性能関連データが入っている5分統計ファイルを基地局、制御局などから受信してモニタリング項目データを抽出した後、予め設定された閾値を適用して性能モニタリングデータを生成する。そして、上記性能モニタリングデータをデータベースに格納して管理し、上記性能モニタリングデータが閾値を超えた場合、QoSアラームメッセージを生成して履歴として格納し、該メッセージをユーザーインターフェースモジュールを介して構成要素管理クライアントに伝送する。上記性能関連データには、基地局及び制御局のプロセッサCPU負荷率、トラフィック伝送率/エラー率、接続された携帯端末の数、ハンドオーバー失敗率などが含まれてよい。
【0043】
一方、前述した統計管理モジュール及び性能管理モジュールは、それぞれレシーバー(Receiver)、データプロセッサ(Data Processor)、データベースローダー(DB Loader)を含んでなり(図3参照)、各機能モジュールにおけるレシーバーは、構成要素インターフェース部のルーターから関連データを受信し、該受信したデータをデータプロセッサに伝送する機能を遂行し、各データプロセッサは、これを当該モジュールの機能に符合するように処理し、該処理データをデータベースローダーに伝送し、データベースローダーは、データプロセッサで処理されたデータをデータベースに格納する。
【0044】
以下では、構成要素インターフェース部140について説明する。前述したように、構成要素インターフェース部140は、ネットワーク構成要素である基地局、制御局などと様々な通信プロトコル方式(TCP、SNMP、FTP/TFTPなど)によって直接接続されており、データを収集し、データを受信し、運用者リクエストやコマンドを伝送する機能を遂行する。このために、構成要素インターフェース部は、ネットワーク構成要素との通信のためのTCPインターフェース141、SNMPインターフェース142、FTP/TFTPインターフェース143、コマンドレシーバー144、ネットワーク構成要素ハンドラー145、ネットワーク構成要素活性検査器146、ブロードキャストセンダー147、統計情報コレクタ148a、パーサー148b、ルーター149などを含む。
【0045】
先ず、ネットワーク構成要素との通信のためのインターフェースとしては、TCPインターフェース、SNMPインターフェース、FTP/TFTPインターフェースなどが挙げられる。
【0046】
TCPインターフェース141は、ネットワーク構成要素である基地局、制御局などとの通信のためにTCP(Transmission Control Protocol)を用いるインターフェースである。構成要素管理サーバーは、TCPインターフェースを介してネットワーク構成要素に対して運用、管理、メンテナンスのためのリクエスト/応答メッセージなどを送受信し、障害情報と状態情報などを受信する。本発明では、迅速なメッセージの伝送とメッセージ遺失防止などのためにTCP基盤のIPC(Inter Processor Communication)通信を行うように実現される。
【0047】
SNMPインターフェース142は、ネットワーク構成要素である基地局、制御局などとの通信のためにSNMP(Simple Network Management Protocol)を用いるインターフェースである。このために、構成要素管理サーバー(具体的には、構成要素インターフェース部)はSNMPマネージャーを含み、当該ネットワーク構成要素はSNMPエージェントを含む。SNMPマネージャーは、ネットワーク構成要素のSNMPエージェントに「Get/Get Next/Get Bulk/Set」コマンドを伝送した後、該コマンドに対する応答を受信して構成要素の状態と設定情報などを収集し、構成要素のSNMPエージェントからイベントとアラーム情報を「Trap」を介して受信する。また、SNMPマネージャーは、MIB(Management Information Base)同期化モジュール(図示せず)からのリクエストに応じてSNMPエージェントのMIBを収集し同期化させる。
【0048】
FTP/TFTPインターフェース143は、ネットワーク構成要素である基地局、制御局などとの通信のためにFTP(File Transfer Protocol)/TFTP(Trivial FTP)を用いるインターフェースである。構成要素管理サーバーは、ソフトウェアファイルの伝送、構成情報ファイルの伝送、統計データファイルの伝送などと主にデータ量の多いファイルの伝送にFTP/TFTPインターフェースを用いる。図3では、円滑な運用のために構成要素管理サーバーが別途のサブサーバー(sub server)の形態でFTP/TFTPサーバーを備えたことを示している。
【0049】
コマンドレシーバー(Command Receiver)144は、ユーザーインターフェースモジュールから運用者のコマンドを受信し、該コマンドを当該ネットワーク構成要素に伝送する機能を遂行する。具体的には、ユーザーインターフェースモジュールのディスパッチャーは、構成要素管理クライアントからコマンドを受信すれば、それを分類してシステムバックエンド機能部のコマンド制御モジュールまたは構成要素インターフェース部のコマンドレシーバーに伝送する。前述したように、システムバックエンド機能部の処理を必要とする複合処理コマンドである場合は、該複合処理コマンドをコマンド制御モジュールに伝送し、システムバックエンド機能部の処理を必要としない単純処理コマンドである場合は、該単純処理コマンドがコマンドレシーバーに直接伝送される。すると、コマンドレシーバーは、TCPインターフェースまたはSNMPインターフェースのうちの好適のインターフェースを介してネットワーク構成要素にコマンドを伝送し、該コマンドに対する応答を受信してユーザーインターフェースモジュールのディスパッチャーに伝送する。一方、コマンドレシーバーは、既存に通信していたインターフェース(例えば、TCPインターフェース、SNMPインターフェース)に異常がある場合、ネットワーク構成要素との通信が可能な他のインターフェースに変更してコマンドを伝送する。
【0050】
図4は、構成要素管理サーバーにおいてコマンドが処理される過程をまとめたフローチャートであって、これについて簡略に説明すれば、先ず、ユーザーインターフェースモジュールのGUIアダプタは、構成要素管理クライアントからコマンドを受信し、これをディスパッチャーに伝送する(S410)。すると、ユーザーインターフェースモジュールのディスパッチャーは、上記受信したコマンドを予め設定された基準に基づいて分類する(S420)。上記分類基準は、運用者によって設定及び変更可能なものであって、本実施形態では、前述したようにシステムバックエンド機能部の遂行を必要とする複合処理コマンドとシステムバックエンド機能部の遂行を必要としない単純処理コマンドの2つに大別した。しかし、これは例示的な区分に過ぎず、コマンドの種類と等級などを予め設定することにより利用可能な経路を予め設定することができる。ユーザーインターフェースモジュールのディスパッチャーは、上記コマンドが単純処理コマンドである場合、これを構成要素インターフェース部のコマンドレシーバーに伝送し、上記コマンドが複合処理コマンドである場合、これをシステムバックエンド機能部のコマンド制御モジュールに伝送する。一方、システムバックエンド機能部のコマンド制御モジュールは、ディスパッチャーから受信したコマンドを処理し、また上記コマンドの一部コンテンツが構成要素に伝送される必要性がある場合は、該コマンドを構成要素インターフェース部のコマンドレシーバーに伝送する(S430)。構成要素インターフェース部のコマンドレシーバーは、ユーザーインターフェースモジュールからのコマンドを当該ネットワーク構成要素に伝送する(S440)。そして、構成要素インターフェース部は、上記ネットワーク構成要素からコマンドに対する応答を受信すれば、これをユーザーインターフェースモジュールに伝送する。最後に、ユーザーインターフェースモジュールは、上記応答を構成要素管理クライアントに伝送することで該応答を運用者に知らせる(S450)。
【0051】
再び図3を参照すれば、ネットワーク構成要素ハンドラー(Network Element Handler)145は、ネットワーク構成要素である基地局、制御局などの追加/削除を管理する機能を遂行する。具体的には、構成要素管理クライアントからのコマンドによって基地局または制御局を追加し、または削除する場合、当該基地局または制御局と構成要素管理サーバーとのTCPまたはSNMP基盤の接続を断続すればよい。そして、当該基地局または制御局のデータと構成要素管理サーバーのデータとを同期化する。
【0052】
ネットワーク構成要素活性検査器(Network Element Alive Checker)146は、ネットワーク構成要素である基地局、制御局などの活性(Alive)有無を周期的に検査し、構成要素とのTCPまたはSNMP基盤のメッセージ通信のリンク状態を感知し、該結果メッセージを障害管理モジュールに知らせる機能を遂行する。具体的には、構成要素管理サーバーが管理している基地局、制御局などに対して周期的に予め設定された活性保持メッセージ(Keep Alive Message)通信を用いて構成要素の状態を検査し、構成要素の状態検査の結果、通信不能または通信が再開された場合、障害発生または障害解除に関するメッセージを障害管理モジュールに伝送する。
【0053】
ブロードキャストセンダー(Broadcast Sender)147は、TCPインターフェースを介してネットワーク構成要素から受信したメッセージを各機能モジュールに伝送するために、該メッセージをユーザーインターフェースモジュールのブロードキャストレシーバーに伝送する。
【0054】
統計情報収集器148aは、FTP/TFTPインターフェースを介して受信した統計ファイル(例えば、5分統計ファイル、60分統計ファイル)を読み込み、ライン(Line)単位でパーサー148bに伝送し、パーサー148bは、それを詳細統計項目単位に分析してルーターに伝送する。
【0055】
ルーター(Router)149は、TCPインターフェース、SNMPインターフェース、パーサーなどを介してネットワーク構成要素から受信したメッセージまたはデータをシステムバックエンド機能部の当該機能モジュールにルーティングする機能を遂行する。このために、構成要素インターフェース部は、構成関連データを構成管理モジュールにルーティングする構成管理ルーター、障害関連データを障害管理モジュールにルーティングする障害管理ルーター、構成要素からアップロードされるデータをダウンロード管理モジュールにルーティングするダウンロード管理ルーター、診断及びテスト関連データを診断及びテスト管理モジュールにルーティングする診断及びテスト管理ルーター、統計関連データを統計管理モジュールにルーティングする統計管理ルーター、性能関連データを性能モニタリングモジュールにルーティングする性能モニタリングルーターを含む。
【0056】
図5は、本発明の好適な実施形態による構成要素管理クライアントを示しており、以下では、図5を参照して本発明による構成要素管理クライアントについて説明する。
同図に示すように、構成要素管理クライアント200は、ユーザーインターフェース部210、アップデート管理部220、イベント管理部230、コマンド管理部240、データベースハンドラー250、ソケットハンドラー260などを含む。
【0057】
先ず、グラフィックユーザーインターフェース部210は、ユーザーまたは運用者との整合機能を遂行する。グラフィックユーザーインターフェース部は、項目毎のGUIコンポーネントと当該データを管理するデータモデルで構成され、GUIコンポーネントは、データモデルを当該画面に好適にレンダリング(rendering)して示す機能を遂行し、データモデルは、装備またはシステムの構成情報、状態情報、履歴情報などに関するデータを格納する機能を遂行する。グラフィックユーザーインターフェース部は、外部的にはGUIコンポーネントを通じてグラフィックユーザーインターフェースを提供し、内部的にはアップデート管理部、イベント管理部、コマンド管理部とデータモデルを通じてインターフェースを実現する。参考として、図5では、ビュー(View)211、構成(Configuration)212、パッケージ(Package)213、アラーム(Alarm)214、レポート(Report)215、ツール(Tools)216、運営支援(Admin)217などに関するグラフィックユーザーインターフェースを例示する。
【0058】
アップデート管理部220は、ネットワーク構成要素をモニタリングして装備の詳細な履歴及び状態を周期的に収集し反映する機能を遂行する。このために、アップデート管理部は、タイマー(Timer)221、マネージャープロセッサ(Manager Processor)222、ディスパッチャー(Dispatcher)223などを含む。アップデート管理部は、性能の最適化のために現在窓で活性化されているGUIと関連データモデルのみを集中的にアップデートするように実現されることが好ましく、アップデートされたデータモデルのデータは、イベント処理により当該GUIコンポーネントに反映される。
【0059】
イベント管理部230は、ネットワーク構成要素から障害情報及び状態変更情報を構成要素管理サーバーを介してリアルタイムで受信し、障害の発生または障害解除イベント時にアラームを生成または解除することで可視、可聴警報を発生または解除する。このために、イベント管理部は、レシーバー(receiver)231とマネージャープロセッサ(Manager Processor)233を含む。レシーバー231は、ソケットハンドラー260を介して構成要素管理サーバーから送られてくるイベントを受信してマネージャープロセッサ(233)に伝送し、マネージャープロセッサ233は、送られてきたイベントを処理してグラフィックユーザーインターフェース部210に伝送する。
【0060】
コマンド管理部240は、運用者コマンドをキュー(Queue)処理してソケットハンドラーに伝送し、コマンドに対する遂行応答をソケットハンドラーから受信してグラフィックユーザーインターフェース部に伝送する機能を遂行する。このために、コマンド管理部240は、トランシーバー(Transceiver)241及びマネージャープロセッサ(Manager Processor)242を含む。マネージャープロセッサ242は、グラフィックユーザーインターフェース部から運用者コマンドを受信してキュー(Queue)処理を施し、コマンドキューから個別コマンドを取り出してトランシーバーに伝送する。トランシーバーは、ソケットハンドラーを介して構成要素管理サーバーに運用者コマンドを伝送し、同様に、コマントに対する応答を受信してマネージャープロセッサに伝送する。
【0061】
データベースハンドラー(DB Handler)250は、ネットワーク構成要素の情報、状態、履歴などのデータを取り込んでアップデート管理部に伝送する機能を遂行する。このために、データベースハンドラーは、データベースアダプタ(DB Adaptor)251とデータベースラッパー(DB Wrapper)252を含み、上記データベースアダプタ251は、構成要素管理サーバーのデータベース部からネットワーク構成要素の情報を獲得し且つデータベース部に対してデータを追加、削除、変更し、データベースラッパー252は、データベース部から獲得したデータを管理部毎にラッピング(Wrapping)する。
【0062】
ソケットハンドラー(Socket Handler)260は、構成要素管理サーバーに運用者コマンドを伝送し、アラームイベントとコマンド処理応答などを受信して当該管理部に伝送する機能を遂行する。本発明では、構成要素管理サーバーとの通信のためにTCPを用い、図5では、TCPソケットアダプタ261を介して構成要素管理サーバーに接続された構造を示している。
【0063】
図6は、前述した構成要素管理サーバーの内部インターフェースを例示する図である。参考として、図6では、図面の簡略化のために構成要素管理サーバーのシステム資源管理部、システムバックエンド機能部、システムフロントエンド機能部、構成要素インターフェース部、NMSインターフェース部などに備えられたプロセッサを中心に相互間のインターフェースを示しており、また、インターフェースの区分のために必要な最小のプロセッサだけを示している。このため、構成要素管理サーバーを構成する実際のプロセッサの数は異なることがあり、例えば、システムバックエンド機能部のように各機能モジュール毎にプロセッサを備える場合、同じレベルのプロセッサは同じインターフェースを使用する。
【0064】
図6を参照すれば、本発明による構成要素管理サーバーにおいて使用する内部インターフェースは4つに大別されており、これに関する定義は次のとおりである。
先ず、構成要素管理サーバーと構成要素管理クライアント間の通信のためのインターフェースとして「Uインターフェース」を使用し、これは、構成要素管理クライアントにより伝送されたメッセージがシステム機能部を経由せずユーザーインターフェース部から構成要素インターフェース部に直接伝送される場合であってTCP通信を用いる。
【0065】
そして、システムバックエンド機能部とシステムフロントエンド機能部または構成要素インターフェース部間の通信のためのインターフェースとしては「Fインターフェース」を使用し、本実施形態では同様にTCP通信を用いる。
【0066】
一方、構成要素管理サーバーの内部プロセッサ間の通信のためのインターフェースとしては「Pインターフェース」を使用する。本実施形態において、構成要素管理サーバーの内部プロセッサ、特にシステムバックエンド機能部の各機能モジュール内のプロセッサは、シャドウメモリ(Shadow Memory)を利用したメッセージキュー(Message Queue)通信を行い、これによって相互間に処理すべきデータなどを共有することで迅速なデータの呼び出しが可能である。
【0067】
最後に、構成要素管理サーバー内部のマネージャープロセッサとサーブプロセッサ間のインターフェースとして「Hインターフェース」を使用する。これは、UDP(User Datagram Protocol)通信を用いる。
【0068】
参考として、上記構成要素管理サーバーは、サーバー−クライアントアーキテクチャーを基盤に実現し、クライアントは、Javaを基盤に開発することで特定のOS(Operating System)に対する従属性がないようにし、また、マルチ−ティアモデル(Multi−Tier Model:Client Tier/Business Logic Tier/Database Tier)とMVC(Model−View−Control)アーキテクチャーを充実に実現することでシステムの拡張や分散配置、システム機能に対する要求変更などに対し迅速且つ柔軟に対処できるようにすることが好ましい。例えば、上記構成要素管理サーバーのシステムバックエンド機能部の各機能モジュールは、個別にまたは幾つのモジュールをグループ化して物理的に分離された別途のサブサーバー形態で実現することもできる。
【0069】
以上、本発明を好適な実施形態を参照して詳しく説明したが、本発明はその技術的思想や必須特徴を変更せずに他の具体的な形態に実施することができるため、本発明の属する技術分野における当業者であれば、以上で記述した実施形態はすべての面において例示的なものに過ぎず、本発明を限定するためのものではないことが理解できるであろう。
また、本発明の範囲は上記詳細な説明よりは特許請求の範囲によって特定され、特許請求の範囲の意味及び範囲、そしてその等価概念から導き出せるすべての変更または変形形態も本発明の範囲に含まれるものと理解されるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線通信網の構成要素管理システムであって、
運用者との整合機能を遂行するグラフィックユーザーインターフェース部、該グラフィックユーザーインターフェース部からコマンドを受信し該コマンドをソケットハンドラーに伝送するコマンド管理部、及び該コマンド管理部から伝送されたコマンドを構成要素管理サーバーに伝送するソケットハンドラーを含む構成要素管理クライアントと、
前記構成要素管理クライアントとの整合機能を遂行するシステムフロントエンド機能部、無線通信網の構成要素との整合機能を遂行する構成要素インターフェース部、及び前記システムフロントエンド機能部から伝送されたコマンドを処理して前記無線通信網の構成要素に対する構成管理機能、障害管理機能、ダウンロード管理機能、診断及びテスト管理機能、統計管理機能、性能管理機能の少なくとも一つを遂行するシステムバックエンド機能部を含む構成要素管理サーバーと、
を備える無線通信網の構成要素管理システム。
【請求項2】
前記構成要素管理サーバーのシステムフロントエンド機能部は、前記構成要素管理クライアントから伝送されたコマンドを分類して、前記コマンドが単純処理コマンドである場合に前記構成要素インターフェース部に伝送し、前記コマンドが複合処理コマンドである場合に前記システムバックエンド機能部に伝送することを特徴とする請求項1に記載の無線通信網の構成要素管理システム。
【請求項3】
前記構成要素インターフェース部は、前記システムフロントエンド機能部よりコマンドを受信し、該コマンドを無線通信網の当該構成要素に伝送するコマンドレシーバーを含むことを特徴とする請求項1に記載の無線通信網の構成要素管理システム。
【請求項4】
前記構成要素管理サーバーは、ネットワーク管理システム(NMS:Network Management System)との整合機能を遂行するNMSインターフェース部を更に含むことを特徴とする請求項1に記載の無線通信網の構成要素管理システム。
【請求項5】
前記構成要素インターフェース部は、TCPインターフェースと、SNMPインターフェースと、FTP/TFTPインターフェースの少なくとも一つを備えることを特徴とする請求項1に記載の無線通信網の構成要素管理システム。
【請求項6】
無線通信網の構成要素管理サーバーであって、
構成要素管理クライアントに接続されたGUIアダプタを備え、前記構成要素管理クライアントとの整合機能を遂行するシステムフロントエンド機能部と、
前記構成要素管理クライアントから受信したコマンドに応答して前記構成要素に対する構成管理機能、障害管理機能、ダウンロード管理機能、診断及びテスト管理機能の少なくとも一つの機能を遂行するシステムバックエンド機能部と、
前記無線通信網の構成要素にコマンドを伝送し、前記構成要素からメッセージ及び前記機能の遂行に必要な各データを受信する構成要素インターフェース部と、
を含む無線通信網の構成要素管理サーバー。
【請求項7】
無線通信網のネットワーク管理システムのEMSマネージャーと連動するEMSエージェントを備え、前記ネットワーク管理システムとの整合機能を遂行するNMSインターフェース部を更に含むことを特徴とする請求項6に記載の無線通信網の構成要素管理サーバー。
【請求項8】
前記NMSインターフェース部は、OSS(Operation Support System)と連動するOSSインターフェースを含み、該OSSインターフェースは、前記NMSインターフェース部から分離自在に構成されることを特徴とする請求項7に記載の無線通信網の構成要素管理サーバー。
【請求項9】
前記システムフロントエンド機能部は、前記構成要素インターフェース部を介して伝送されるメッセージを受信してログファイルとして格納し管理するログ管理モジュールを含むことを特徴とする請求項6に記載の無線通信網の構成要素管理サーバー。
【請求項10】
前記システムフロントエンド機能部は、前記構成要素管理クライアントから伝送されたコマンドを分類して前記システムバックエンド機能部または前記構成要素インターフェース部に伝送するユーザーインターフェースモジュールを含むことを特徴とする請求項6に記載の無線通信網の構成要素管理サーバー。
【請求項11】
前記ユーザーインターフェースモジュールは、前記システムバックエンド機能部から伝送されたイベントを構成要素管理クライアントに伝送するイベントハンドラーと、前記構成要素インターフェース部から受信したメッセージのメッセージフォーマットを変形して前記構成要素管理クライアントに伝送するフォーマッタの少なくとも一つを含むことを特徴とする請求項10に記載の無線通信網の構成要素管理サーバー。
【請求項12】
前記ユーザーインターフェースモジュールは、前記構成要素管理クライアントから伝送されたコマンドが単純処理コマンドである場合に該コマンドを前記構成要素インターフェース部に伝送し、前記構成要素管理クライアントから伝送されたコマンドが複合処理コマンドである場合に該コマンドを前記システムバックエンド機能部に伝送するディスパッチャーを含むことを特徴とする請求項10に記載の無線通信網の構成要素管理サーバー。
【請求項13】
前記システムバックエンド機能部は、前記ユーザーインターフェースモジュールから複合処理コマンドを受信し処理するコマンド制御モジュールを含むことを特徴とする請求項6に記載の無線通信網の構成要素管理サーバー。
【請求項14】
前記コマンド制御モジュールは、バッチジョブのリクエストによってデータベースから予め登録されたコマンドを順次に読み出すバッチプロセッサを含むことを特徴とする請求項13に記載の無線通信網の構成要素管理サーバー。
【請求項15】
前記コマンド制御モジュールは、前記ディスパッチャーとの関連コマンドを送受信するマネージャープロセッサを含むことを特徴とする請求項13に記載の無線通信網の構成要素管理サーバー。
【請求項16】
前記システムバックエンド機能部は、
前記構成要素の構成管理機能を遂行する構成管理モジュールと、
前記構成要素の障害管理機能を遂行する障害管理モジュールと、
前記構成要素のダウンロード管理機能を遂行するダウンロード管理モジュールと、
前記構成要素の診断及びテスト管理機能を遂行する診断及びテスト管理モジュールと、
の少なくとも一つを含むことを特徴とする請求項6に記載の無線通信網の構成要素管理サーバー。
【請求項17】
前記ダウンロード管理モジュールは、前記構成要素インターフェース部に直接接続された前記無線通信網の構成要素に対するソフトウェア及び構成ファイルを管理し、前記ソフトウェア及び構成ファイルを前記無線通信網の構成要素に直接ダウンロードすることを特徴とする請求項16に記載の構成要素管理サーバー。
【請求項18】
前記モジュールは、それぞれ前記構成要素インターフェース部から受信したデータを処理するデータプロセッサ、及び前記ユーザーインターフェースモジュールのディスパッチャーから受信したコマンドを処理するコマンドプロセッサを含むことを特徴とする請求項16に記載の無線通信網の構成要素管理サーバー。
【請求項19】
前記モジュールは、シャドウメモリ(Shadow Memory)を利用したメッセージキュー(Message Queue)通信を遂行することを特徴とする請求項16に記載の無線通信網の構成要素管理サーバー。
【請求項20】
前記システムバックエンド機能部は、
前記構成要素の統計管理機能を遂行する統計管理モジュール、及び
前記構成要素の性能管理機能を遂行する性能管理モジュールの少なくとも一つを含むことを特徴とする請求項6に記載の無線通信網の構成要素管理サーバー。
【請求項21】
前記モジュールは、それぞれ前記構成要素インターフェース部から受信したデータを処理してデータベースローダーに伝送するデータプロセッサ、及び前記データプロセッサから伝送されたデータをデータベースに格納するデータベースローダーを含むことを特徴とする請求項20に記載の無線通信網の構成要素管理サーバー。
【請求項22】
前記構成要素インターフェース部は、TCP通信を支援するTCPインターフェース、SNMP通信を支援するSNMPインターフェース、及びFTP/TFTP通信を支援するFTP/TFTPインターフェースを含むことを特徴とする請求項6に記載の無線通信網の構成要素管理サーバー。
【請求項23】
前記構成要素インターフェース部は、前記コマンドを送受信するコマンドレシーバーを含み、該コマンドレシーバーは、TCP、SNMP、FTP/TFTP通信の少なくとも一つの通信を支援することを特徴とする請求項6に記載の無線通信網の構成要素管理サーバー。
【請求項24】
前記構成要素インターフェース部は、
無線通信網の構成要素の追加及び削除を管理するネットワーク構成要素ハンドラーと、
前記無線通信網の構成要素の活性(alive)有無を検査するネットワーク構成要素活性検査器と、
前記無線通信網の構成要素から受信したメッセージを前記システムフロントエンド機能部に伝送するブロードキャストセンダーの少なくとも一つを含むことを特徴とする請求項6に記載の無線通信網の構成要素管理サーバー。
【請求項25】
前記無線通信網の構成要素は、基地局と制御局を含み、前記基地局と制御局は、前記構成要素インターフェース部に直接接続されたことを特徴とする請求項6に記載の無線通信網の構成要素管理サーバー。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2010−500843(P2010−500843A)
【公表日】平成22年1月7日(2010.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−524560(P2009−524560)
【出願日】平成19年8月16日(2007.8.16)
【国際出願番号】PCT/KR2007/003922
【国際公開番号】WO2008/020721
【国際公開日】平成20年2月21日(2008.2.21)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.JAVA
【出願人】(508190908)ポスデータ カンパニー リミテッド (5)
【Fターム(参考)】