説明

無線通信装置、プログラム、無線通信方法、および無線通信システム

【課題】接続先の無線通信装置を適切に判断することが可能な、新規かつ改良された無線通信装置、プログラム、無線通信方法、および無線通信システムを提供する。
【解決手段】応答要求信号を受信する受信部と、前記応答要求信号に対する応答信号を送信する送信部と、前記受信部による前記応答要求信号の受信電力を継続的に測定する測定部と、前記応答要求信号の受信電力が閾値を上回った場合に、前記応答要求信号の送信元の無線通信装置に前記送信部から前記応答信号を送信させる通信制御部と、を備える無線通信装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信装置、プログラム、無線通信方法、および無線通信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、IEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)802.11に代表される無線LAN(Local Area Network)システムは、機器の自由度が高い等の利点から、有線ネットワークに代わり普及しつつある。例えば、特許文献1に記載されているように、IEEE802.11で規定される無線LANシステムは、親機として動作するアクセスポイント、および子機として動作する複数のステーションからなる無線通信装置のグループで構成され、1のアクセスポイントは複数のステーションが接続される。
【0003】
また、Wi−Fi AllianceではWi−Fiダイレクトが策定中であり、このWi−Fiダイレクトでは、複数の無線通信装置が互いの存在を検出し(Device Discovery、Service Discovery)、WPS(Wi−Fi Protected Setup)で機器認証を行うことにより直接的な接続を確立する。また、このWi−Fiダイレクトでは、複数の無線通信装置が親機(Group Owner)または子機(Client)のいずれとしての役割を担うかを決定して通信グループを形成する。なお、このように無線通信装置がアクセスポイントを介さずに直接通信する技術は例えば特許文献1および特許文献2などに記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第4307227号公報
【特許文献2】特開2005−136897号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、Wi−Fi電波の伝送距離は長いので、ある無線通信装置により多数の無線通信装置が検出される場合がある。このため、検出された無線通信装置を接続先の候補として含む選択画面を無線通信装置に表示させ、ユーザによる選択操作に基づいて接続先を決定する方法も考えられるが、この方法にはいくつかの問題がある。例えば、多数の無線通信装置が接続先の候補として含まれる選択画面から接続先を選択することはユーザにとって煩雑である。
【0006】
また、ユーザAの無線通信装置により隣室(または隣家など)の無線通信装置が検出された場合、隣室の無線通信装置であるか否かを判断することは困難であるので、隣室の無線通信装置も接続先の候補として選択画面に表示される。このため、ユーザAが誤って隣室の無線通信装置を接続先として選択してしまう場合が想定される。この場合、隣室の無線通信装置に接続確認画面が表示されるが、隣室のユーザBも誤って接続を許可する操作を行うと、双方の無線通信装置が接続されてしまうという問題がある。
【0007】
また、隣室の無線通信装置に誤って接続確認画面が表示されてしまうことも問題である。例えば、隣室のユーザBが接続確認画面において接続要求を却下したとしても、ユーザAが誤って隣家の無線通信装置を接続先として選択していることに気づかない場合、ユーザAが接続を何度も試みることにより、隣室の無線通信装置に何度も接続確認画面が表示されてしまうことも懸念される。
【0008】
この問題に関し、ユーザAの無線通信装置により検出された周囲の無線通信装置がユーザAと同室または近くに存在するか否かを、周囲の無線通信装置から送信された無線信号の受信電力(RSSI)に基づいて判断することも考えられる。しかし、受信電力は距離に応じて単調的に変化するものでない。このため、受信電力から双方の無線通信装置の位置関係を特定することは困難である。
【0009】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、接続先の無線通信装置を適切に判断することが可能な、新規かつ改良された無線通信装置、プログラム、無線通信方法、および無線通信システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、応答要求信号を受信する受信部と、前記応答要求信号に対する応答信号を送信する送信部と、前記受信部による前記応答要求信号の受信電力を継続的に測定する測定部と、前記応答要求信号の受信電力が閾値を上回った場合に、前記応答要求信号の送信元の無線通信装置に前記送信部から前記応答信号を送信させる通信制御部と、を備える無線通信装置が提供される。
【0011】
前記通信制御部は、前記受信部により複数の無線通信装置から前記応答要求信号が受信される状態において、1の無線通信装置から送信された前記応答要求信号の受信電力が、閾値を上回っており、かつ、他の無線通信装置から送信された前記応答要求信号の受信電力との差分が設定値を上回っている場合、前記1の無線通信装置に前記送信部から前記応答信号を送信させてもよい。
【0012】
前記通信制御部は、さらに、前記応答要求信号の受信電力が前記閾値を下回った後に前記送信部から前記応答信号を送信させてもよい。
【0013】
前記通信制御部は、前記応答要求信号の受信電力が増加傾向で前記閾値を上回り、減少傾向で前記閾値を下回った場合に前記送信部から前記応答信号を送信させてもよい。
【0014】
前記通信制御部は、前記送信部から前記応答信号を送信させた後、前記応答要求信号の送信元の無線通信装置と接続を確立するための通信を制御し、前記無線通信装置は、前記通信制御部による接続確立が完了した場合に当該接続確立を通知する通知部をさらに備えてもよい。
【0015】
前記無線通信装置は、前記通信制御部により接続確立のための通信が開始される際に、ユーザに接続確立の可否を確認する画面を表示する表示部をさらに備えてもよい。
【0016】
前記通信制御部は、平均値処理が施された前記応答要求信号の受信電力に基づいて前記送信部からの前記応答信号の送信を制御してもよい。
【0017】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、コンピュータを、応答要求信号を受信する受信部と、前記応答要求信号に対する応答信号を送信する送信部と、前記受信部による前記応答要求信号の受信電力を継続的に測定する測定部と、前記応答要求信号の受信電力が閾値を上回った場合に、前記応答要求信号の送信元の無線通信装置に前記送信部から前記応答信号を送信させる通信制御部と、として機能させるためのプログラムが提供される。
【0018】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、応答要求信号を受信するステップと、前記応答要求信号の受信電力を継続的に測定するステップと、前記応答要求信号の受信電力が閾値を上回った場合に、前記応答要求信号の送信元の無線通信装置に応答信号を送信するステップと、を含む無線通信方法が提供される。
【0019】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、応答要求信号を間欠的に送信する第1の無線通信装置と、前記応答要求信号を受信する受信部、前記応答要求信号に対する応答信号を送信する送信部、前記受信部による前記応答要求信号の受信電力を継続的に測定する測定部、および、前記応答要求信号の受信電力が閾値を上回った場合に、前記応答要求信号の送信元の無線通信装置に前記送信部から前記応答信号を送信させる通信制御部、を有する第2の無線通信装置と、を備える無線通信システムが提供される。
【発明の効果】
【0020】
以上説明したように本発明によれば、接続先の無線通信装置を適切に判断することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の実施形態による無線通信システムの構成を示した説明図である。
【図2】Wi−Fiダイレクトによるダイレクト接続の確立手順の一例を示した説明図である。
【図3】接続選択画面の具体例を示した説明図である。
【図4】画面遷移の具体例を示した説明図である。
【図5】電波の伝送モデルを示した説明図である。
【図6】2波伝搬モデルによる送受信アンテナ間の伝送損失の算出例を示した説明図である。
【図7】2波伝搬モデルによる伝送損失、隣室からの電波の伝送損失として、2波伝搬モデルによる伝送損失に8dB(壁の透過損失の仮定値)を加えた伝送損失の算出例を示した説明図である。
【図8】本発明の実施形態による携帯電話の構成を示した機能ブロック図である。
【図9】2波伝搬モデルによる送受信アンテナ間の伝送損失の算出例を示した説明図である。
【図10】本発明の実施形態による表示装置の構成を示した機能ブロック図である。
【図11】本発明の実施形態による無線通信システムの第1の動作例を示したシーケンス図である。
【図12】携帯電話における画面遷移を示した説明図である。
【図13】本発明の実施形態による無線通信システムの第2の動作例を示したシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0023】
また、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する複数の構成要素を、同一の符号の後に異なるアルファベットを付して区別する場合もある。例えば、実質的に同一の機能構成を有する複数の構成を、必要に応じて表示装置30A、30Xおよび30Yのように区別する。ただし、実質的に同一の機能構成を有する複数の構成要素の各々を特に区別する必要がない場合、同一符号のみを付する。例えば、表示装置30A、30Xおよび30Yを特に区別する必要が無い場合には、単に表示装置30と称する。
【0024】
また、以下に示す項目順序に従って当該「発明を実施するための形態」を説明する。
1.無線通信システムの構成
2.本発明の実施形態による携帯電話および表示装置の構成
3.本発明の実施形態による無線通信システムの動作
3−1.第1の動作例
3−2.第2の動作例
4.まとめ
【0025】
<1.無線通信システムの構成>
まず、図1を参照し、本発明の実施形態による無線通信システムの構成を説明する。
【0026】
図1は、本発明の実施形態による無線通信システムの構成を示した説明図である。図1に示したように、本発明の実施形態による無線通信システムは、携帯電話20と、表示装置30A、30Xおよび30Yを備える。表示装置30Aは、携帯電話20のユーザの自室に設置されており、表示装置30Xは隣室Xに設置されており、表示装置30Yは隣室Yに設置されている。
【0027】
携帯電話20および各表示装置30は、無線通信機能を有する無線通信装置である。これらの無線通信装置は、通信グループを形成し、アクセスポイントを介することなく直接通信することができる。例えば、携帯電話20と表示装置30Aが通信グループを形成した場合、携帯電話20が表示装置30Aにコンテンツデータを直接送信することにより、携帯電話20に記憶されているコンテンツデータを表示装置30Aに表示させることが可能である。
【0028】
なお、図1においては無線通信装置の一例として携帯電話20および表示装置30を示しているが、無線通信装置はかかる例に限定されない。例えば、無線通信装置は、PC(Personal Computer)、携帯型音楽再生装置、家庭用映像処理装置(DVDレコーダ、ビデオデッキなど)、家庭用映像表示装置、PDA(Personal Digital Assistants)、家庭用ゲーム機器、家電機器、携帯用映像処理装置、撮像装置、携帯用ゲーム機器などの情報処理装置であってもよい。
【0029】
また、無線通信装置間で送受信されるコンテンツデータとしては、音楽、講演およびラジオ番組などの音声データや、映画、テレビジョン番組、ビデオプログラム、写真、文書、絵画および図表などの映像データや、ゲームおよびソフトウェアなどの多様なデータが挙げられる。
【0030】
(Wi−Fiダイレクト)
上記のように、無線通信装置同士が直接通信するための通信規格の一例として、Wi−Fiダイレクトが知られている。このWi−Fiダイレクトでは、複数の無線通信装置が互いの存在を検出し(Device Discovery、Service Discovery)、WPS(Wi−Fi Protected Setup)で機器認証を行うことによりダイレクト接続を確立する。また、このWi−Fiダイレクトでは、複数の無線通信装置が親機(Group Owner)または子機(Client)のいずれとしての役割を担うかを決定して通信グループを形成する。以下、このようなWi−Fiダイレクトによる通信グループの形成手順について図2を参照して具体的に説明する。
【0031】
図2は、Wi−Fiダイレクトによるダイレクト接続の確立手順の一例を示した説明図である。図2に示したように、まず、ダイレクト接続を行うアプリケーションの開始を携帯電話のユーザにより指示されると(S102)、携帯電話はS104〜S110に示すDevice Discoveryを行う。具体的には、携帯電話は、プローブリクエスト(応答要求信号)を送信し(S106)、このプローブリクエストに対するプローブリスポンス(応答信号)を表示装置から受信することにより(S108)、表示装置の存在を発見する。
【0032】
その後、携帯電話は、S112〜S118に示すService Discoveryを行う。具体的には、携帯電話は、Device Discoveryで発見した表示装置が対応しているサービスを問い合わせるService Discovery Queryを送信する(S114)。そして、携帯電話は、Service Discovery Responseを表示装置から受信することにより(S118)、表示装置が対応しているサービスを把握する。
【0033】
続いて、携帯電話は、一例として図3に示す接続選択画面を表示し、当該接続選択画面において表示装置を示す「xxxx」がユーザにより選択されると(S120)、表示装置との間で、S122〜S140に示すGroup Formationを行う。具体的には、携帯電話と表示装置は、Group Ownerとして動作すべき優先度を示す情報を交換し(S124、S130)、当該優先度の高い方がGroup Ownerとして動作することを決定する。図2では、表示装置がGroup Ownerとして動作し、携帯電話がClientとして動作することが決定された例を示している。
【0034】
その後、携帯電話と表示装置は、preAuthentication、WPS exchange、Authentication、4 way handshakeなどの認証/接続処理を行うことにより(S142〜S152)、ダイレクト接続を確立する(S154)。
【0035】
なお、WPSを進めるために、表示装置においても接続の意思確認を行うための接続確認画面を表示してもよい。以下、図4を参照して接続確認画面の具体例を説明する。
【0036】
図4は、表示装置による画面遷移例を示した説明図である。図4に示したように、表示装置は、携帯電話からGroup Formation Requestを受信すると(S126)、携帯電話との接続確認画面80−1を表示する。この接続確認画面80−1においてユーザにより「許可」が選択されると(S138)、この選択をWPSのPush Buttonの押圧と等価に扱うことにより(S140)、携帯電話と表示装置との接続処理が行われる。
【0037】
表示装置は、接続処理が行われている間、ダイレクト接続を実行中である旨を示すメッセージを含む画面80−2を表示する。その後、携帯電話と表示装置とのダイレクト接続が確立されると、表示装置は、携帯電話から受信されるコンテンツの再生画面80−3を表示する。
【0038】
(接続先に関する課題)
図1に示した例において、携帯電話20のユーザが、携帯電話20と表示装置30Aのダイレクト接続を所望したとする。しかし、Wi−Fi電波の伝送距離は長いので、図2を参照して説明したDevice Discoveryでは、表示装置30Aだけでなく、隣室Xの表示装置30Xや隣室Yの表示装置30Yも検出されてしまうことが考えられる。
【0039】
この場合、検出された複数の表示装置30を接続先の候補として含む接続選択画面を携帯電話20に表示させ、ユーザによる選択操作に基づいて接続先を決定する方法も考えられるが、この方法にはいくつかの問題がある。例えば、多数の接続先の候補が含まれる接続選択画面から接続先を選択することはユーザにとって煩雑である。
【0040】
また、ユーザが誤って隣室の表示装置30Xまたは30Yを接続先として選択してしまう場合が想定される。この場合、隣室の表示装置30Xまたは30Yに接続確認画面が表示されるが、隣室のユーザも誤って接続を許可する操作を行うと、携帯電話20と表示装置30Xまたは30Yが接続されてしまうという問題がある。
【0041】
また、隣室の表示装置30Xまたは30Yに接続確認画面が誤って表示されてしまうことも問題である。例えば、隣室のユーザが接続確認画面において接続要求を却下したとしても、携帯電話20のユーザが誤って隣家の無線通信装置を接続先として選択していることに気づかない場合、携帯電話20のユーザが接続を何度も試みることにより、隣室の表示装置30Xまたは30Yに何度も接続確認画面が表示されてしまうことも懸念される。
【0042】
この点に関し、携帯電話20により検出された周囲の無線通信装置が携帯電話20と同室または近くに存在するか否かを、周囲の無線通信装置から送信された無線信号の受信電力(RSSI)に基づいて判断することも考えられる。しかし、受信電力は距離に応じて単調的に変化するものでない。このため、受信電力から双方の無線通信装置間の距離を特定することは困難である。以下、この理由を説明する。
【0043】
図5は、電波の伝送モデルを示した説明図である。図5に示したように、送信アンテナから受信アンテナにより受信される電波には、送信アンテナから受信アンテナに直接達する直接波(direct wave)だけでなく、床面で反射された反射波(reflected wave)も含まれる。近距離で壁から離れた状態での通信では、図5に示したように、直接波と床面による反射波が支配的となるので、このような通信は2波伝搬モデルと呼ばれる伝送モデルを用いて近似的に表現することが可能である。
【0044】
図6は、2波伝搬モデルによる送受信アンテナ間の伝送損失の算出例を示した説明図である。なお、送信アンテナおよび受信アンテナの高さ=床面から1m、床面の反射率=50%を算出条件として用いた。
【0045】
図6から確認されるように、伝送損失は、距離に応じて単調増加するのでなく、振動的に増加と減少を繰り返すものである。これは、直接波と反射波の伝送距離の差分による位相差により、直接波と反射波が強めあったり弱めあったりすることに起因する。このため、受信電力を測定するだけでは、送信アンテナと受信アンテナ間の距離を高精度で判断することは困難である。同様に、図7を参照して説明するように、受信電力を測定するだけでは、送信元の無線通信装置が自室内に存在するか否かを判断することも困難である。
【0046】
図7は、2波伝搬モデルによる伝送損失、隣室からの電波の伝送損失として、2波伝搬モデルによる伝送損失に8dB(壁の透過損失の仮定値)を加えた伝送損失の算出例を示した説明図である。図7に示したように、例えば距離A離れた自室内の無線通信装置から発せられた電波は、隣室内の距離3m程度または4m程度離れた無線通信装置から発せられた電波よりも伝送損失が大きくなる場合がある。このため、各無線通信装置からの無線信号の受信電力の大小関係を単に比較するだけでは、いずれの無線通信装置が自室内に存在するのかを正確に判断することは困難である。
【0047】
そこで、上記事情を一着眼点にして本発明の実施形態を創作するに至った。本発明の実施形態による携帯電話20および表示装置30は、接続先の無線通信装置を適切に判断することが可能である。以下、このような携帯電話20および表示装置30の構成について詳細に説明する。
【0048】
<2.本発明の実施形態による携帯電話および表示装置の構成>
(携帯電話の構成)
図8は、携帯電話20の構成を示した機能ブロック図である。図8に示したように、携帯電話20は、通信部210と、通信制御部220と、記憶部230と、表示部240と、音声出力部250と、操作部260と、RSSI判断部270と、を備える。
【0049】
通信部210は、受信処理を行う受信部、送信処理を行う送信部、および受信信号のRSSIを測定する測定部としての機能を有する。例えば、通信部210は、通信制御部220からの要求に応じて各種データフレーム、データパケットを作成し、各種データヘッダやFCS(Frame Check Sequence)などの誤り検出符号の付加などの処理を行う。さらに、通信部210は、当該処理後のデータから搬送波の周波数帯の変調信号を生成し、変調信号を無線信号に変換して送信する。
【0050】
また、通信部210は、無線信号を受信すると、無線信号をダウンコンバージョンし、ビット列に変換することにより各種データフレームを復号する。そして、通信部210は、各種データフレームに付加されているヘッダを解析し、誤り検出符号に基づいてデータフレームに誤りがあるか否かを検出する。また、通信部210は、この受信処理の際に無線信号のRSSIを測定する。
【0051】
通信制御部220は、通信部210による受信処理および送信処理などを制御する。例えば、通信制御部220は、利用周波数の決定、制御メッセージの作成や送信命令、制御メッセージの解釈、接続処理制御などの動作を行う。なお、制御メッセージとしては、ビーコン、ビーコンの受信応答、プローブリクエスト、プローブレスポンスなどの報知情報、Service Discovery Query、Service Discovery Responseなどがあげられる。
【0052】
記憶部230は、通信制御部220によるデータ処理の作業領域としての役割、または各種コンテンツデータを保持する記憶媒体としての機能を有する。この記憶部230は、不揮発性メモリ、磁気ディスク、光ディスク、およびMO(Magneto Optical)ディスクなどの記憶媒体であってもよい。不揮発性メモリとしては、例えば、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read−Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable ROM)があげられる。また、磁気ディスクとしては、ハードディスクおよび円盤型磁性体ディスクなどがあげられる。また、光ディスクとしては、CD(Compact Disc、DVD−R(Digital Versatile Disc Recordable)およびBD(Blu−Ray Disc(登録商標))などがあげられる。
【0053】
表示部240は、ダイレクト接続に関する多様な画面を表示する。表示部240が表示する画面については「3.本発明の実施形態による無線通信システムの動作」において具体的に説明する。
【0054】
音声出力部250は、本実施形態によるダイレクト接続が確立された場合に、ダイレクト接続の確立をユーザに通知する通知部として機能する。例えば、音声出力部250は、ダイレクト接続が確立された場合にビープ音や専用音楽を再生する。
【0055】
なお、本実施形態においては通知部の一例として音声出力部250を示しているが、通知部は音声出力部250に限定されない。例えば、状態表示用のLEDの発光、または表示部240のフラッシングなどによりダイレクト接続の確立をユーザに通知することも可能である。
【0056】
操作部260は、ユーザ操作を受け付けるための構成である。この操作部260は、例えば、マウス、キーボード、タッチパネル、ボタン、マイクロフォン、スイッチまたはレバーであってもよい。
【0057】
RSSI判断部270は、通信部210により測定されたRSSIが閾値を上回るか否かを判断する。ここで、閾値を適切に設定することにより、RSSIが閾値を上回る無線信号の送信元装置は携帯電話20と同室内に存在すると判断することが可能となる。以下、この閾値について図9を参照して説明する。
【0058】
携帯電話20と、表示装置30Xまたは30Yなどの隣室の装置とは壁を隔てて存在するので、通常の使用条件では携帯電話20と隣室の装置との距離が例えば0.5m以下になることは想定しにくい。このため、隣室からの電波の最大値は図9に示したように距離0.5m付近における最大値(−29dB程度)と考えることができる。
【0059】
そこで、隣室からの電波の最大値よりも大きな値、例えば図9に示したように同室における0.3m程度の距離でのRSSIを閾値として設定してもよい。かかる構成により、RSSIが閾値を上回るか否かに応じて無線信号の送信元装置が携帯電話20の同室内に存在するか否かを的確に判断することが可能となる。
【0060】
このように、本実施形態においては、RSSI判断部270が、間欠的に送信されるプローブリクエストのRSSIが閾値を上回るか否かを継続的に判断する。そして、RSSI判断部270によりプローブリクエストのRSSIが閾値を上回ると判断された場合、通信制御部220は、プローブリクエストの送信元装置に対して通信部210からプローブリスポンスを送信させる。すなわち、通信制御部220は、RSSI判断部270によりプローブリクエストのRSSIが閾値を上回ると判断された場合に、プローブリクエストの送信元装置とダイレクト接続するための処理を行う。
【0061】
したがって、ユーザは、携帯電話20を例えば同室内の表示装置30Aに近接させるというフィジカルで分かりやすい操作を行うことにより、携帯電話20と表示装置30Aをダイレクト接続させることができる。
【0062】
(補足および変形例)
なお、RSSIの閾値は、通信部210のRSSIの飽和値(上限値)の10dB以内の値であってもよい。RSSIが飽和すると検出精度が落ちることが懸念されるので、精度が落ちない上記の範囲で閾値を設定することが有効である。
【0063】
また、複数の無線通信装置からプローブリクエストが送信される場合、RSSI判断部270は、閾値を上回っており、かつ、他の無線通信装置のRSSIとの差分が設定値を上回るRSSIである無線通信装置を判断してもよい。この場合、通信制御部220は、RSSI判断部により判断された無線通信装置に対して通信部210からプローブリスポンスを送信させる。かかる構成により、ユーザが意図しない無線通信装置とのダイレクト接続が行われてしまう場合を一層防止することができる。
【0064】
また、通信制御部220は、プローブリクエストのRSSIが増加傾向で閾値を上回り、減少傾向で閾値を下回った場合に通信部210からプローブレスポンスを送信させてもよい。このように、単に携帯電話20とプローブリクエストの送信元装置との距離が小さいというだけでなく、携帯電話20とプローブリクエストの送信元装置とが近付いて離れていったという変化を検出してプローブレスポンスの送信を制御することも効果的である。
【0065】
また、RSSI判断部270は、通信部210により測定されたRSSIの値をそのまま判断に用いるのでなく、移動平均、最大値検出、または包絡線検波などに基づく平均値処理が施されたRSSIを判断に用いてもよい。
【0066】
(表示装置の構成)
以上、本発明の実施形態による携帯電話20の構成を説明した。続いて、図10を参照して表示装置30の構成を説明する。
【0067】
図10は、本発明の実施形態による表示装置30の構成を示した機能ブロック図である。図10に示したように、表示装置30は、通信部310と、通信制御部320と、表示部340と、音声出力部350と、操作部360と、RSSI判断部370と、再生部380と、を備える。
【0068】
表示装置30の多くの構成は、携帯電話20の構成と共通する。例えば、表示装置30の通信部310と携帯電話20の通信部210、表示装置30の通信制御部320と携帯電話20の通信制御部220、表示装置30のRSSI判断部370と携帯電話20のRSSI判断部270は実質的に同一に構成することができる。
【0069】
すなわち、表示装置30は、詳細な説明は割愛するが、携帯電話20からプローブリクエストが受信される場合、プローブリクエストのRSSIを継続的に測定し、プローブリクエストのRSSIが閾値を上回った場合にプロープレスポンスを携帯電話20に送信する。
【0070】
また、再生部380は、携帯電話20とのダイレクト接続の確立後に携帯電話20から受信されるコンテンツデータを再生する。表示部340は、再生部380により得られるコンテンツデータの再生画面を表示する。
【0071】
<3.本発明の実施形態による無線通信システムの動作>
以上、本発明の実施形態による携帯電話20および表示装置30の構成を説明した。続いて、本発明の実施形態による携帯電話20および表示装置30からなる無線通信システムの動作を説明する。
【0072】
(3−1.第1の動作例)
図11は、本発明の実施形態による無線通信システムの第1の動作例を示したシーケンス図である。まず、表示部240に表示される図12に示したアプリケーションの選択画面40−1においてユーザによりダイレクト接続が選択されると(S302)、携帯電話20はS304〜S320に示すDevice Discoveryを開始する。
【0073】
また、携帯電話20の表示部240は、このDevice Discoveryの開始に伴い、図12に示した、ユーザによる近接操作を誘導する画面40−2を表示する。ユーザは、この画面40−2の誘導に従って携帯電話20を表示装置30に近づけ始める(S306)。
【0074】
そして、携帯電話20は、Device Discoveryにおいて、プローブレスポンス(応答信号)が受信されるまでプローブリクエスト(応答要求信号)を送信する(S308、S312)。一方、表示装置30は、携帯電話20から受信されるプローブリクエストのRSSIを継続的に測定する(S310、S314)。そして、表示装置30は、携帯電話20と表示装置30の近接により、携帯電話20から受信されるプローブリクエストのRSSIが閾値を上回った場合に、携帯電話20にプローブレスポンスを送信する(S318)。
【0075】
携帯電話20は、表示装置30からのプローブレスポンスの受信により表示装置30の存在を発見すると、S322〜S328に示すService Discoveryを開始する。具体的には、携帯電話20は、Device Discoveryで発見した表示装置30が対応しているサービスを問い合わせるService Discovery Queryを送信する(S324)。そして、携帯電話20は、Service Discovery Responseを表示装置30から受信することにより(S326)、表示装置30が対応しているサービスを把握する。
【0076】
また、携帯電話20の表示部240は、Service Discoveryの開始に伴い、ダイレクト接続を実行中である旨を示すメッセージを含む画面40−3を表示する(図12)。
【0077】
続いて、携帯電話20は、表示装置30との間で、S330〜S340に示すGroup Formationを行う。具体的には、携帯電話20と表示装置30は、Group Ownerとして動作すべき優先度を示す情報を交換し(S332、S334)、当該優先度の高い方がGroup Ownerとして動作することを決定する。図11では、表示装置30がGroup Ownerとして動作し、携帯電話20がClientとして動作することが決定された例を示している。
【0078】
その後、携帯電話20と表示装置30は、preAuthentication(S342)、WPS exchange(S344)、Authentication(S354)、4 way handshake(S356)などの認証/接続処理を行うことにより、ダイレクト接続を確立する(S358)。このダイレクト接続は、携帯電話20と表示装置30との距離が離れた場合にも継続される。
【0079】
なお、携帯電話20の表示部240および表示装置30の表示部340は、WPSが終了すると、ダイレクト接続が確立された旨を示す完了通知画面40−4を表示する(S348、S352)。
【0080】
また、携帯電話20と表示装置30が近接された状態では、携帯電話20のユーザは完了通知画面40−4を視認し難いと考えられる。この点に鑑み、携帯電話20の音声出力部250からもダイレクト接続が完了した旨を示すビープ音や専用音楽などを再生してもよい。
【0081】
以上説明したように、第1の動作例によれば、携帯電話20と表示装置30との近接をWPS Push Buttonの押圧と等価に扱うことができる。このため、ユーザは、携帯電話20を例えば同室内の表示装置30Aに近接させるというフィジカルで分かりやすい操作を行うことにより、携帯電話20と表示装置30Aをダイレクト接続させることができる。また、携帯電話20と表示装置30Aとの近接を適切なRSSIの適切な閾値に基づいて検出することにより、携帯電話20と隣室の表示装置30Xなどが誤ってダイレクト接続されてしまう場合を防止することが可能である。
【0082】
(3−2.第2の動作例)
続いて、図13を参照し、本発明の実施形態による無線通信システムの第2の動作例を説明する。第2の動作例は、以下に詳細に説明するように、携帯電話20と表示装置30が双方向にプローブリクエストなどを送信する点で第1の動作例と異なる。
【0083】
図13は、本発明の実施形態による無線通信システムの第2の動作例を示したシーケンス図である。図13に示したように、まず、携帯電話20の表示部240に表示されるアプリケーションの選択画面40−1においてユーザによりダイレクト接続が選択されると(S402A)、携帯電話20はS404A〜S420Aに示すDevice Discoveryを開始する。同様に、表示装置30の表示部340に表示されるアプリケーションの選択画面40−1においてユーザによりダイレクト接続が選択されると(S402B)、表示装置30はS404B〜S420Bに示すDevice Discoveryを開始する。
【0084】
また、携帯電話20の表示部20は、このDevice Discoveryの開始に伴い、図12に示した、ユーザによる近接操作を誘導する画面40−2を表示する。ユーザは、この画面40−2の誘導に従って携帯電話20を表示装置30に近づけ始める(S406)。
【0085】
そして、携帯電話20および表示装置30は、Device Discoveryにおいて、プローブレスポンス(応答信号)が受信されるまでプローブリクエスト(応答要求信号)を送信する(S408A、S412A、S408B、S412B)。なお、携帯電話20は、表示装置30からのプローブリクエストの受信により表示装置30のMACアドレスを把握できるので、このMACアドレスを宛先として記載することにより表示装置30に対してプローブリクエストを送信してもよい。かかる構成によれば、表示装置30以外がこのプローブリクエストに誤って反応してしまうことを防止できる。
【0086】
また、携帯電話20および表示装置30は、受信されるプローブリクエストのRSSIを継続的に測定する(S410A、S414A、S410B、S414B)。そして、携帯電話20および表示装置30は、携帯電話20と表示装置30の近接により、プローブリクエストのRSSIが閾値を上回った場合に、プローブレスポンスを送信する(S418A、418B)。
【0087】
なお、携帯電話20は、表示装置30に対して送信するプローブリクエストの頻度を、表示装置30から受信されるプローブリクエストのRSSIに応じて制御してもよい。例えば、RSSIが閾値より十分に小さい場合には、RSSIが閾値を上回るまでに時間がかかると考えられる。そこで、携帯電話20は、表示装置30から受信されるプローブリクエストのRSSIが小さいほど、表示装置30に対して送信するプローブリクエストの頻度を低めてもよい。具体的には、携帯電話20は、RSSIとプローブリクエストの送信頻度の関係を、数式またはテーブルに基づいて決定してもよい。かかる構成により、ダイレクト接続のためのトラフィックを抑制することが可能となる。
【0088】
その後、携帯電話20は、表示装置30からのプローブレスポンスの受信により表示装置30の存在を発見すると、S422A〜S428Aに示すService Discoveryを行う。同様に、表示装置30は、携帯電話20からのプローブレスポンスの受信により携帯電話20の存在を発見すると、S422B〜S428Bに示すService Discoveryを行う。
【0089】
なお、携帯電話20は、表示装置30からのプローブレスポンスの受信により表示装置30の存在を発見した場合、表示装置30とダイレクト接続の可否をユーザに確認するための確認画面を表示してもよい。かかる構成により、携帯電話20がユーザの意図しない装置と接続されてしまうことをより確実に防止することが可能となる。
【0090】
続いて、携帯電話20は、表示装置30との間で、S430〜S440に示すGroup Formationを行う。具体的には、携帯電話20と表示装置30は、Group Ownerとして動作すべき優先度を示す情報を交換し(S432、S434)、当該優先度の高い方がGroup Ownerとして動作することを決定する。図13では、表示装置30がGroup Ownerとして動作し、携帯電話20がClientとして動作することが決定された例を示している。
【0091】
その後、携帯電話20と表示装置30は、preAuthentication(S442)、WPS exchange(S444)、Authentication(S454)、4 way handshake(S456)などの認証/接続処理を行うことにより、ダイレクト接続を確立する(S458)。
【0092】
<4.まとめ>
以上説明したように、本発明の実施形態による携帯電話20または表示装置30などの無線通信装置は、連続的に送信されるプローブリクエストのRSSIが閾値を上回るか否かを継続的に判断する。そして、本発明の実施形態による無線通信装置は、プローブリクエストのRSSIが閾値を上回ると判断した場合、プローブリクエストの送信元装置に対して通信部210からプローブリスポンスを送信させる。すなわち、無線通信装置は、プローブリクエストのRSSIが閾値を上回ると判断した場合に、プローブリクエストの送信元装置とダイレクト接続するための処理を行う。
【0093】
したがって、ユーザは、携帯電話20を例えば同室内の表示装置30Aに近接させるというフィジカルで分かりやすい操作を行うことにより、携帯電話20と表示装置30Aをダイレクト接続させることができる。
【0094】
また、RSSIの閾値を適切に設定することにより、ユーザが意図しない無線通信装置とのダイレクト接続が行われてしまう場合を抑制することが可能である。具体的には、隣室や隣家から到来する電波の想定最大値よりも閾値を大きな値に設定することが効果的である。
【0095】
なお、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0096】
例えば、上記ではプローブリクエストのRSSIを測定し、測定結果に応じてプローブレスポンスを送信する例を説明したが、本発明はかかる例に限定されない。変形例として、Service Discovery QueryのRSSIを測定し、測定結果に応じてService Discovery Responseを送信してもよい。
【0097】
また、本明細書の無線通信システムの処理における各ステップは、必ずしもシーケンス図として記載された順序に沿って時系列に処理する必要はない。例えば、無線通信システムの処理における各ステップは、シーケンス図として記載した順序と異なる順序で処理されても、並列的に処理されてもよい。
【0098】
また、携帯電話20および表示装置30に内蔵されるCPU、ROMおよびRAMなどのハードウェアを、上述した携帯電話20および表示装置30の各構成と同等の機能を発揮させるためのコンピュータプログラムも作成可能である。また、該コンピュータプログラムを記憶させた記憶媒体も提供される。
【符号の説明】
【0099】
20 携帯電話
30、30A、30X、30Y 表示装置
210、310 通信部
220、320 通信制御部
230 記憶部
240、340 表示部
250、350 音声出力部
260、360 操作部
270、370 RSSI判断部
280 再生部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
応答要求信号を受信する受信部と;
前記応答要求信号に対する応答信号を送信する送信部と;
前記受信部による前記応答要求信号の受信電力を継続的に測定する測定部と;
前記応答要求信号の受信電力が閾値を上回った場合に、前記応答要求信号の送信元の無線通信装置に前記送信部から前記応答信号を送信させる通信制御部と;
を備える、無線通信装置。
【請求項2】
前記通信制御部は、前記受信部により複数の無線通信装置から前記応答要求信号が受信される状態において、1の無線通信装置から送信された前記応答要求信号の受信電力が、閾値を上回っており、かつ、他の無線通信装置から送信された前記応答要求信号の受信電力との差分が設定値を上回っている場合、前記1の無線通信装置に前記送信部から前記応答信号を送信させる、請求項1に記載の無線通信装置。
【請求項3】
前記通信制御部は、さらに、前記応答要求信号の受信電力が前記閾値を下回った後に前記送信部から前記応答信号を送信させる、請求項2に記載の無線通信装置。
【請求項4】
前記通信制御部は、前記応答要求信号の受信電力が増加傾向で前記閾値を上回り、減少傾向で前記閾値を下回った場合に前記送信部から前記応答信号を送信させる、請求項3に記載の無線通信装置。
【請求項5】
前記通信制御部は、前記送信部から前記応答信号を送信させた後、前記応答要求信号の送信元の無線通信装置と接続を確立するための通信を制御し、
前記無線通信装置は、前記通信制御部による接続確立が完了した場合に当該接続確立を通知する通知部をさらに備える、請求項4に記載の無線通信装置。
【請求項6】
前記無線通信装置は、前記通信制御部により接続確立のための通信が開始される際に、ユーザに接続確立の可否を確認する画面を表示する表示部をさらに備える、請求項5に記載の無線通信装置。
【請求項7】
前記通信制御部は、平均値処理が施された前記応答要求信号の受信電力に基づいて前記送信部からの前記応答信号の送信を制御する、請求項6に記載の無線通信装置。
【請求項8】
コンピュータを、
応答要求信号を受信する受信部と;
前記応答要求信号に対する応答信号を送信する送信部と;
前記受信部による前記応答要求信号の受信電力を継続的に測定する測定部と;
前記応答要求信号の受信電力が閾値を上回った場合に、前記応答要求信号の送信元の無線通信装置に前記送信部から前記応答信号を送信させる通信制御部と;
として機能させるための、プログラム。
【請求項9】
応答要求信号を受信するステップと;
前記応答要求信号の受信電力を継続的に測定するステップと;
前記応答要求信号の受信電力が閾値を上回った場合に、前記応答要求信号の送信元の無線通信装置に応答信号を送信するステップと;
を含む、無線通信方法。
【請求項10】
応答要求信号を間欠的に送信する第1の無線通信装置と;
前記応答要求信号を受信する受信部、
前記応答要求信号に対する応答信号を送信する送信部、
前記受信部による前記応答要求信号の受信電力を継続的に測定する測定部、および、
前記応答要求信号の受信電力が閾値を上回った場合に、前記応答要求信号の送信元の無線通信装置に前記送信部から前記応答信号を送信させる通信制御部、
を有する第2の無線通信装置と;
を備える、無線通信システム。






【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate