無線通信装置、プロジェクタ装置、無線通信システム及び無線通信方法
【課題】アクセスポイント装置同士の通信を容易に確立するための無線LANのための無線通信装置等を提供する。
【解決手段】無線LANのSSID文字列に所定のネットワーク識別情報とアクセスポイント装置識別情報を含めることで、スキャンにより作成されるSSIDリストから所望のアクセスポイント装置を検出し、接続に必要な情報を取得することが可能となる。その情報をアクセスポイント装置間無線通信リストに登録することで、接続設定を手入力で行うことなくアクセスポイント装置間無線通信の接続を確立することができる。
【解決手段】無線LANのSSID文字列に所定のネットワーク識別情報とアクセスポイント装置識別情報を含めることで、スキャンにより作成されるSSIDリストから所望のアクセスポイント装置を検出し、接続に必要な情報を取得することが可能となる。その情報をアクセスポイント装置間無線通信リストに登録することで、接続設定を手入力で行うことなくアクセスポイント装置間無線通信の接続を確立することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、無線LANのための無線通信装置、プロジェクタ装置、無線通信システム及び無線通信方法に関し、特に、無線LANのアクセスポイント装置間無線通信の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、IEEE802.11規格準拠の無線LAN(Local Area Network)が普及している。無線LANは、そのアクセスポイント装置(AP:Access Point)と無線端末装置(STA:STAtion)から構成され、各無線端末装置はインフラストラクチャモードでアクセスポイント装置と接続される。各アクセスポイント装置が構成するネットワークはSSID(Service Set Identifier)により識別される。また、無線LANの範囲を拡大させるために、アクセスポイント装置を無線通信用の中継装置として動作させ、複数のアクセスポイント装置間で無線通信を行う方法がある(例えば、特許文献1参照)。このとき、SSIDは拡大された無線LANで共通になるように設定する場合と、異なるように設定する場合とがある。
【0003】
アクセスポイント装置間無線通信のために、ユーザーは通信相手のアクセスポイント装置のMAC(Media Access Control)アドレスを登録し、両方のアクセスポイント装置に共通のセキュリティ(暗号化方式及び暗号鍵)を登録する。また、無線LAN接続設定のうち、暗号化方式と暗号鍵については自動化された方法がある(例えば、特許文献2参照)。しかし、この方法においても通信相手のMACアドレスは登録する必要がある。すなわち、ユーザーはそれぞれのアクセスポイント装置毎に無線LAN接続設定を手入力で行う。
【0004】
以下、従来技術に係るアクセスポイント装置間無線通信を確立するための接続方法について、図22を用いて説明する。図22は従来技術に係る無線LAN接続方法における無線LANアクセスポイント装置間の無線通信接続処理を示すフローチャートである。
【0005】
まず、ユーザーは無線LAN接続設定を行う。すなわち、図22のステップS101において、ユーザーは通信相手のMACアドレスを入力装置により入力し、要求側アクセスポイント装置はそのMACアドレスを登録する。
【0006】
ステップS102において、自己のMACアドレスを送信元アドレスとしたプローブ要求フレームを送信する。ステップS112において、応答側アクセスポイント装置はプローブ要求フレームを受信し、送信元のMACアドレスを検出する。ステップS113において、応答側アクセスポイント装置は要求側アクセスポイント装置のMACアドレスを宛先アドレスとし、応答側アクセスポイント装置のMACアドレスを送信元アドレスとしたプローブ応答フレームを送信する。
【0007】
ステップS103において、要求側アクセスポイント装置は応答側アクセスポイント装置のMACアドレスを検出する。次に、ステップS104において、要求側アクセスポイント装置は検出されたMACアドレスが登録済みのMACアドレスと同じか否かを照合する。検出されたMACアドレスが登録済みのMACアドレスであると判定されたなら、セキュリティが確保されたアクセスポイント装置間の無線通信接続が確立される(ステップS105)。
【0008】
各アクセスポイント装置はそれぞれ前記のプローブ要求の処理を行うことにより、登録されていたアクセスポイント装置との無線通信接続を確立させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2006−186526号公報
【特許文献2】特開2006−050372号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上述のように、アクセスポイント装置間の無線通信接続を確立させるためには、ユーザーがそれぞれのアクセスポイント装置毎に無線LAN接続設定を手入力で行う必要があった。すなわち、ユーザーはそれぞれのアクセスポイント装置毎に、MACアドレス、暗号化方式及び暗号鍵を手入力する。しかしながら、通信を行うすべてのアクセスポイント装置に対して、前記情報の入力を手入力にて行う操作は非常に煩雑な作業であった。
【0011】
本開示の目的は以上の問題点を解決し、従来技術に比較して、無線LANアクセスポイント装置間無線通信の接続を容易に確立することができる無線通信装置、プロジェクタ装置、無線通信システム及び無線通信方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本開示の無線通信装置は、無線LAN用中継器の機能を有する複数のアクセスポイント装置間で無線通信を行う無線LANのための無線通信装置において、
前記無線LANに属することを示す所定のネットワーク識別情報を記憶するネットワーク識別情報記憶手段と、
アクセスポイント装置固有の情報からアクセスポイント装置識別情報を生成するアクセスポイント装置情報生成手段と、
前記ネットワーク識別情報とアクセスポイント装置識別情報とを含むSSIDを生成するSSID生成手段と、
プローブ要求信号を受信して、前記プローブ要求信号に応答して、前記SSIDを含むプローブ応答信号を送信するとともに、プローブ要求信号を送信し、前記プローブ要求信号に対するプローブ応答信号を受信する無線送受信部と、
前記受信したプローブ応答信号から前記ネットワーク識別情報を検出するネットワーク識別情報検出手段と、
前記受信したプローブ応答信号から送信元のMACアドレスを検出するMACアドレス検出手段と、
前記プローブ応答信号の送信元である無線通信装置と無線通信接続を確立する接続確立手段と、
を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本開示に係る無線通信装置によれば、無線LAN接続設定を自動化しつつ、当該無線LANシステムに属さないアクセスポイント装置が存在するような環境においても、当該アクセスポイント装置のみを抽出して無線通信接続を確立するので、無線LAN接続設定を手入力で行わなくてよく、無線LAN接続設定を容易にすることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】実施の形態1に係る無線LANシステムの構成を示す斜視図である。
【図2】図1のアクセスポイント装置10(101,102,103)の構成を示すブロック図である。
【図3】図1のアクセスポイント装置101,102,103間の無線通信接続処理を示すフローチャートである。
【図4】図3のサブルーチンであるSSID生成処理(ステップS11)を示すフローチャートである。
【図5】無線LANシステムにおいて無線通信接続を確立するためにアクセスポイント装置間で通信されるIEEE802.11に準拠したプローブ要求のMACフレームの構成を示す構成図である。
【図6】無線LANシステムにおいて無線通信接続を確立するためにアクセスポイント装置間で通信されるIEEE802.11に準拠したプローブ応答のMACフレームの構成を示す構成図である。
【図7A】図1のアクセスポイント装置101のSSIDリスト31の一例を示す表である。
【図7B】図1のアクセスポイント装置102のSSIDリスト31の一例を示す表である。
【図7C】図1のアクセスポイント装置103のSSIDリスト31の一例を示す表である。
【図8A】図1のアクセスポイント装置101に格納されたアクセスポイント装置間無線通信リストの一例を示す表である。
【図8B】図1のアクセスポイント装置102に格納されたアクセスポイント装置間無線通信リストの一例を示す表である。
【図8C】図1のアクセスポイント装置103に格納されたアクセスポイント装置間無線通信リストの一例を示す表である。
【図9】実施の形態1及び2に係る無線端末装置2の構成を示すブロック図である。
【図10】図9の無線端末装置2により実行される無線通信接続処理を示すフローチャートである。
【図11】図9の無線端末装置2のSSIDリスト31の一例を示す表である。
【図12】図9の無線端末装置2のアクセスポイント装置リスト33の一例を示す表である。
【図13】実施の形態2に係る無線LANシステムの構成を示す斜視図である。
【図14】図13の無線LANアクセスポイント装置を搭載したプロジェクタ装置1(1a,1b)の構成を示すブロック図である。
【図15】図14のプロジェクタ装置1により実行されるアクセスポイント装置間の無線通信接続処理を示すフローチャートである。
【図16A】図14のプロジェクタ装置1aのSSIDリストの一例を示す表である。
【図16B】図14のプロジェクタ装置1bのSSIDリストの一例を示す表である。
【図17A】図14のプロジェクタ装置1aのアクセスポイント装置間無線通信リスト32の一例を示す表である。
【図17B】図14のプロジェクタ装置1bのアクセスポイント装置間無線通信リスト32の一例を示す表である。
【図18】図13の無線端末装置2により実行される無線通信接続処理を示すフローチャートである。
【図19】図13の無線端末装置2のSSIDリスト31の一例を示す表である。
【図20】図13の無線端末装置2のプロジェクタ装置リスト34の一例を示す表である。
【図21】図13の無線端末装置2のディスプレイ254に表示されるプロジェクタ装置選択画面の一例を示す正面図である。
【図22】従来技術に係るアクセスポイント装置間無線通信の接続処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、各実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下の各実施形態において、同様の構成要素については同一の符号を付している。
【0016】
(実施の形態1)
図1は実施の形態1に係る無線LANシステムの構成を示す斜視図である。図1において、無線LANシステムは、4個のアクセスポイント装置101,102,103,104と、無線端末装置2とを備えて構成される。ここで、アクセスポイント装置101、102及び103は本実施の形態に係る無線LAN接続を行うアクセスポイント装置であり、アクセスポイント装置間無線通信で接続され、無線ネットワークである無線LANを構成する。アクセスポイント装置104は従来技術に係る構成を有するアクセスポイント装置である。無線端末装置2はアクセスポイント装置101とインフラストラクチャモードで接続され、無線LANに接続される。
【0017】
図2は図1のアクセスポイント装置101,102,103(総称して、符号10を付す。)の構成を示すブロック図である。図2において、本実施の形態に係るアクセスポイント装置10は、CPU(Central Processing Unit)151、RAM(Random Access Memory)152及びROM(Read Only Memory)153から構成されるネットワーク制御部15と、無線LAN接続のための無線送信信号を送信しかつ無線受信信号を受信する無線LANインタフェース16と、アンテナ17と、電界強度測定部18とを備えて構成される。ROM153にはアクセスポイント装置間無線通信の接続処理に関するプログラムとプログラムの実行に必要なデータが格納されている。ここで、無線LANインタフェース16は、無線LAN用無線送信回路(無線送信部又は無線送信手段)及び無線LAN用無線受信回路(無線受信部又は無線受信手段)を備えて構成される。アクセスポイント装置10から送信される送信信号は無線LANインタフェース16、アンテナ17を介して電波3に重畳されて放射される。電波3に重畳されてアクセスポイント装置10により受信される受信信号はアンテナ17、無線LANインタフェース16を介してネットワーク制御部15に入力される。上記受信信号は無線LANインタフェース16から電界強度測定部18に入力され、受信信号の電界強度の値をネットワーク制御部15へ出力する。
【0018】
各アクセスポイント装置101,102,103のROM153には、MACアドレス及び対応可能な暗号化方式が格納されている。ここでは、MACアドレスを次の通りとする。アクセスポイント装置101のMACアドレスは「12345611111a」、アクセスポイント装置102のMACアドレスは「12345622222b」、アクセスポイント装置103のMACアドレスは「12345633333c」、アクセスポイント装置104のMACアドレスは「12345644444d」である。また、対応可能な暗号化方式を次の通りとする。アクセスポイント装置101の対応可能な暗号化方式は「WEP」、アクセスポイント装置102の対応可能な暗号化方式は「WEP、TKIP、AES」、アクセスポイント装置103の対応可能な暗号化方式は「WEP、TKIP、AES」、アクセスポイント装置104の対応可能な暗号化方式は「WEP、TKIP、AES」である。
【0019】
さらに、本実施の形態に係るアクセスポイント装置101、102及び103のROM153にはネットワーク識別情報が格納されている。ここでは、そのネットワーク識別情報を「ABCD」とする。
【0020】
図3は図1のアクセスポイント装置101,102,103間の無線通信接続処理を示すフローチャートである。図3において、最初に、各アクセスポイント装置はSSID生成処理を行う(ステップS11)。
【0021】
図4は図3のサブルーチンであるSSID生成処理(ステップS11)を示すフローチャートである。図4のステップS31において、自己のアクセスポイント装置に固有の識別情報を生成する。すなわち、アクセスポイント装置に関連した情報を基にアクセスポイント装置識別情報を生成する。関連情報として自己のMACアドレス、製造番号などのコードを使用する。生成される識別情報は基のコードと同一であってもよいし、基のコードの一部分であってもよい。また、基のコードを入力として乱数を発生させ、その乱数の値又はその一部分のコードであってもよい。ここでは、MACアドレスのコードの下位4桁のコードをアクセスポイント装置識別情報とする。例えば、アクセスポイント装置101の識別情報は「111a」である。
【0022】
次いで、図4のステップS32において、ネットワーク識別情報とアクセスポイント装置識別情報を結合させる。ステップS33において、パリティを付加してSSIDのコードを生成する。例えば、アクセスポイント装置101のパリティは「FE」である。ここで、各アクセスポイント装置101,102,103のSSIDは次のようになる。アクセスポイント装置101のSSIDは「ABCD111aFE」、アクセスポイント装置102のSSIDは「ABCD222b02」、アクセスポイント装置103のSSIDは「ABCD333c06」である。
【0023】
以下、アクセスポイント装置101がプローブ要求を行ってからアクセスポイント装置間無線通信の接続が確立するまでについて説明する。
【0024】
図3のステップS12において、要求側アクセスポイント装置101は図5に示すプローブ要求フレームを送信する。図5はIEEE802.11のプローブ要求のMACフレームの構成を示す構成図である。図5に示すように、MACフレームはMACヘッダ111、ペイロード112及びFCS(Frame Check Sequence)113から構成される。MACヘッダ111は宛先アドレスフィールド114、送信元アドレスフィールド115及びBSS(Basic Service Set)IDフィールド116から構成される。送信元アドレスフィールド115には送信元のアクセスポイント装置のMACアドレス「12345611111a」が格納される。また、ペイロード112のSSIDフィールド117には「Null」が格納される。
【0025】
当該プローブ要求のMACフレームの信号を応答側アクセスポイント装置102が受信すると(ステップS22)、アクセスポイント装置102は応答側の処理を行う。このとき、アクセスポイント装置102は図4のSSID生成処理によりすでに前記のSSIDが生成されているものとする。ステップS22において、アクセスポイント装置102は受信信号から送信元のMACアドレス「12345611111a」を検出する。
【0026】
図3のステップS23において、アクセスポイント装置102は図6に示すプローブ応答フレームを送信する。図6は、無線LANシステムにおいて無線通信接続を確立するためにアクセスポイント装置間で通信されるIEEE802.11に準拠したプローブ応答のMACフレームの構成を示す構成図である。図6において、宛先アドレスフィールド114は「12345611111a」、送信元アドレスフィールド115は「12345622222b」、BSSIDフィールド116は「12345622222b」、SSIDフィールド117は「ABCD222b02」である。ペイロード112のRSN(Robust Security Network)フィールド118にはアクセスポイント装置102が対応可能な最強の暗号化方式として「AES」の情報が格納されている。
【0027】
図3のステップS13において、アクセスポイント装置101はこのプローブ応答フレームを受信し、受信信号から送信元のMACアドレス「12345622222b」、SSID「ABCD222b02」及び対応可能な暗号化方式「AES」を検出する。
【0028】
図7Aは図1のアクセスポイント装置101のSSIDリスト31の一例を示す表であり、図7Bは図1のアクセスポイント装置102のSSIDリスト31の一例を示す表であり、図7Cは図1のアクセスポイント装置103のSSIDリスト31の一例を示す表である。なお、SSIDリスト31は、各アクセスポイント装置101,102,103のRAM152に格納される。
【0029】
要求側アクセスポイント装置101は、図3のステップS13において検出された情報をSSIDリスト31に登録する。図7A、図7B及び図7Cに示すように、SSID毎にMACアドレス、暗号化方式が登録される。また、電界強度測定部18が測定した受信電波の電界強度もSSIDリスト31に登録される。アクセスポイント装置101のSSIDリスト31を示す図7Aにおいて、アクセスポイント装置102からの信号を受信した際の電界強度が「−65dB」であったことを示している。また、図7Aには、アクセスポイント装置103及びアクセスポイント装置104からの信号を受信した場合も示している。アクセスポイント装置103のSSIDは前記の「ABCD333c06」であり、従来技術に係るアクセスポイント装置104のSSIDは「123456789」とした。SSIDリスト31に登録される受信信号は電界強度の強い順番でソートされて登録される。
【0030】
要求側アクセスポイント装置101は、図3のステップS14において、アクセスポイント装置101は検出されたSSIDに含まれているネットワーク識別情報と格納されているネットワーク識別情報とが一致するか否かを照合する。これら2つのネットワーク識別情報が一致すると、SSIDコードのパリティチェックを行う。例えば、図7AのSSIDが「ABCD222b02」及び「ABCD333c06」のアクセスポイント装置について、ネットワーク識別情報が一致し、パリティチェックOKとなる。一方、SSIDが「123456789」のアクセスポイント装置はネットワーク識別情報が一致しない。パリティチェックOKのアクセスポイント装置については接続処理を続け、次のステップS15に進む。
【0031】
ステップS15において、アクセスポイント装置101はアクセスポイント装置102との無線通信における暗号化方式を自動的に選択する。暗号化方式は、両方のアクセスポイント装置が対応可能な暗号化方式の中から最高のセキュリティレベルの方式が選択される。アクセスポイント装置101はWEPに対応可能であり、アクセスポイント装置102はWEP、TKIP及びAESに対応可能であるので、両方共が対応可能な「WEP」が自動的に選択される。
【0032】
ステップS16において、アクセスポイント装置101はアクセスポイント装置102との通信における暗号鍵を生成する。暗号鍵は両方のSSIDのコードを基に所定の暗号鍵生成アルゴリズムにより生成される。例えば、暗号鍵生成アルゴリズムは両方のアクセスポイント装置識別情報を入力として乱数を発生させて生成する。ここでは、「111a」と「222b」を入力にして乱数「A1z5b9Y2C7x0d」が発生するものとした。
【0033】
図8Aは図1のアクセスポイント装置101に格納されたアクセスポイント装置間無線通信リスト32の一例を示す表であり、図8Bは図1のアクセスポイント装置102に格納されたアクセスポイント装置間無線通信リスト32の一例を示す表であり、図8Cは図1のアクセスポイント装置103に格納されたアクセスポイント装置間無線通信リスト32の一例を示す表である。なお、無線通信リスト32は各アクセスポイント装置101,102,103のRAM152に格納される。図8A、図8B及び図8Cに示すように、通信相手毎にMACアドレス、暗号化方式及び暗号鍵が登録されている。ステップS17において、アクセスポイント装置101は、このアクセスポイント装置間無線通信リスト32に基づき、当該無線通信リスト32に記載された暗号化方式及び暗号化鍵を用いて、アクセスポイント装置102との無線通信接続を確立させる。
【0034】
以上説明したように、本実施形態によれば、アクセスポイント装置101がプローブ要求を行ってから無線通信接続を確立するまでについて説明した。アクセスポイント装置102及び103がプローブ要求を行ってから接続確立するまでの処理も同様である。図8A、図8B及び図8Cに示すように、アクセスポイント装置間無線通信のペアは同じ暗号化方式となり、同じ暗号鍵が生成される。
【0035】
アクセスポイント装置に接続できるアクセスポイント装置の台数が制限されている場合は、SSIDリスト31に登録されたアクセスポイント装置のうち電界強度の強いものから順番に登録可能数のアクセスポイント装置を選択し、アクセスポイント装置間無線通信リスト32に登録する。
【0036】
図9は実施の形態1及び2に係る無線端末装置2の構成を示すブロック図である。図9を参照して無線端末装置2の無線接続処理について説明する。
【0037】
図9において、無線端末装置2は、CPU251と、RAM252と、HDD(Hard Disk Drive)253と、ディスプレイ254と、キーボードやマウス等の入力装置255と、無線LANインタフェース26と、アンテナ27と、電界強度測定部28とを備えて構成される。ここで、無線LANインタフェース26は、無線LANインタフェース16と同様に構成され、無線LAN用無線送信回路(無線送信部又は無線送信手段)及び無線LAN用無線受信回路(無線受信部又は無線受信手段)を備えて構成される。
【0038】
HDD253には、無線端末装置2とアクセスポイント装置10とを無線LANで接続するための無線設定及び通信ソフトウェアであるプログラムがインストールされている。このプログラムにはネットワーク識別情報としてコード「ABCD」が記述されている。このプログラムは無線端末装置2の起動時にRAM252にロードされて実行される。送信信号は無線LANインタフェース26、アンテナ27を介して電波3に重畳されて放射される。電波3に重畳された受信信号はアンテナ27、無線LANインタフェース26を介してRAM252に入力される。無線LANインタフェース26から受信信号が電界強度測定部28に入力され、受信信号の電界強度の値をRAM252へ出力される。
【0039】
図10は図9の無線端末装置2により実行される無線通信接続処理を示すフローチャートである。図10のステップS41において、無線端末装置2はプローブ要求フレームを送信する。当該プローブ要求フレームの信号を受信したアクセスポイント装置はプローブ応答フレームの信号を送信する。次いで、ステップS42において、無線端末装置2はプローブ応答フレームの信号を受信し、受信信号から送信元のMACアドレス、SSID及び暗号化方式を検出する。
【0040】
無線端末装置2は、図10のステップS42において検出された情報をSSIDリスト31に登録する。図11は図9の無線端末装置2のSSIDリスト31の一例を示す表である。図11に示すように、SSIDリスト31にはSSID毎にMACアドレス、暗号化方式が登録される。また、電界強度測定部28が測定した受信電波の電界強度も登録される。電界強度の強い順番に、アクセスポイント装置101、102、103及び104の情報が並ぶ。
【0041】
図10のステップS43において、無線端末装置2は検出されたSSIDに含まれているネットワーク識別情報とプログラムに記述されているネットワーク識別情報とが一致するか否かを照合する。ネットワーク識別情報が一致すると、SSIDコードのパリティチェックを行う。図11のSSIDが「ABCD111aFE」、「ABCD222b02」及び「ABCD333c06」のアクセスポイント装置について、ネットワーク識別情報が一致し、パリティチェックOKとなる。一方、SSIDが「123456789」のアクセスポイント装置はネットワーク識別情報が一致しない。パリティチェックOKのアクセスポイント装置については接続処理を続け、次のステップS44に進む。
【0042】
図10のステップS44において、無線端末装置2は暗号鍵を生成する。ここでは、暗号鍵はSSIDのコードをシードとして生成される乱数とする。図12は図9の無線端末装置2のアクセスポイント装置リスト33の一例を示す表である。図12に示すように、アクセスポイント装置リスト33には、ネットワーク識別情報が一致したアクセスポイント装置識別情報、SSID、暗号化方式、暗号鍵及び電界強度が登録されている。無線端末装置2はアクセスポイント装置リスト33から表示データを抽出し、ディスプレイ254にアクセスポイント装置の一覧を表示する。
【0043】
図10のステップS45において、ユーザーは入力装置255を用いて、ディスプレイ254上に表示されたアクセスポイント装置の中から通信をするアクセスポイント装置を選択する。通信するアクセスポイント装置が複数の場合、無線端末装置2は電界強度が最も強いアクセスポイント装置を選択し、そのアクセスポイント装置をインフラストラクチャモードで接続する通信相手とする。
【0044】
次いで、ステップS46において、無線端末装置2はインフラストラクチャモードの通信相手のアクセスポイント装置との無線通信接続を確立させる。ここでは、無線端末装置2はアクセスポイント装置101とインフラストラクチャモードで接続される。アクセスポイント装置101はアクセスポイント装置102及び103と接続しているので、無線端末装置2はアクセスポイント装置101を介してアクセスポイント装置102及び103と通信することが可能になる。
【0045】
以上説明したように、本実施の形態によれば、SSIDの中にネットワーク識別情報とアクセスポイント装置識別情報を含むようにすることにより、ユーザーが接続設定を手入力で行うことなくアクセスポイント装置間無線通信の接続処理を行うこととなり、無線LANアクセスポイント装置間の無線通信接続を従来技術に比較して容易に確立することができる。
【0046】
(実施の形態2)
図13は実施の形態2に係る無線LANシステムの構成を示す斜視図である。本実施の形態に係る無線LANシステムは、2つのプロジェクタ装置1a,1bと、無線端末装置2と、アクセスポイント装置6とを備えて構成される。ここで、プロジェクタ装置1a,1bは、詳細後述する光源12、液晶パネル3及び投射レンズ14を含み例えば無線受信された画像データの画像を拡大して投射する光学プロジェクタ部を備え、さらには、無線LANのアクセスポイント装置機能を搭載している。プロジェクタ装置1a及び1bは互いに電波3bを送受信してアクセスポイント装置間無線通信を行う。無線端末装置2は例えばノート型パーソナルコンピュータであり、電波3aを送受信してインフラストラクチャモードでプロジェクタ装置1aと接続されている。プロジェクタ装置1a,1bはそれぞれ、無線端末装置2からプレゼンテーション資料などの情報を入手し、その画像をスクリーン4a及びスクリーン4bに投射する。プロジェクタ装置1a,1bはそれぞれ、操作部5により電源がオンオフされる。無線端末装置2はプロジェクタ装置1aの近くに設置されている。また、アクセスポイント装置6は従来技術に係るアクセスポイント装置である。
【0047】
図14は図13の無線LANアクセスポイント装置を搭載したプロジェクタ装置1a,1b(総称して符号1を付す。)の構成を示すブロック図である。図14において、プロジェクタ装置1は、プロジェクタ装置1に関する制御を行うメイン制御部11と、光源12と、画像を表示する液晶パネル13と、光源12の光が液晶パネル13で変調された画像を拡大して投射する投射レンズ14と、無線LANに関する制御を行うネットワーク制御部15と、無線信号を送信し受信する無線LANインタフェース16と、アンテナ17と、電界強度測定部18とを備えて構成される。ここで、ネットワーク制御部15は、図2に示すCPU151と、RAM152と、ROM153などとを備えて構成される。また、ネットワーク制御部15は、所定のネットワーク識別情報と他のプロジェクタ装置とを識別するためのプロジェクタ装置識別情報を格納する情報格納部15aと、受信信号から前記所定のネットワーク識別情報を検出するネットワーク識別情報検出部15bと、アクセスポイント装置間無線通信に必要な設定を行うネットワーク接続部15cと、画像生成部15dとを備えて構成される。ここで、画像生成部15dは、無線LANインタフェース16、アンテナ17を経由して無線端末装置2から受け取ったTCP/IPデータから画像を生成する。
【0048】
無線端末装置2は、図9と同様の構成を有する。無線端末装置2は、核である制御手段であるCPU251と、主記憶メモリであるRAM252と、HDD253と、表示手段であるディスプレイ254と、キーボードやマウス等の入力装置255と、無線LANインタフェース26と、アンテナ27と、電界強度測定部28とを備えて構成される。
【0049】
ここで、HDD253には、プロジェクタ装置1と無線端末装置2とを無線LANを介して接続するための無線設定及び通信ソフトウェアであるプログラム(ワイヤレスマネージャ(WM)という。)が予めインストールされている。このソフトウェアは後からインストールすることも可能である。このプログラムにはネットワーク識別情報が格納されている。無線端末装置2を起動すると、このプログラムはRAM252にロードされ、実行される。プログラムが実行され、プロジェクタ装置1に接続すると画像データが生成され、その画像データはTCP/IPデータとして無線LANインタフェース26を介してプロジェクタ装置1に無線伝送される。
【0050】
まず、プロジェクタ装置1a,1b同士の無線通信について説明する。プロジェクタ装置1a,1b及びアクセスポイント装置6にはMACアドレス及び対応可能な暗号化方式が格納されている。ここでは、MACアドレスを次の通りとする。プロジェクタ装置1aのMACアドレスは「12345611111a」、プロジェクタ装置1bのMACアドレスは「12345622222b」、アクセスポイント装置6のMACアドレスは「12345644444d」である。また、対応可能な暗号化方式を次の通りとする。プロジェクタ装置1aの対応可能な暗号化方式は「WEP」、プロジェクタ装置1bの対応可能な暗号化方式は「WEP、TKIP、AES」、アクセスポイント装置6の対応可能な暗号化方式は「WEP、TKIP、AES」である。さらに、プロジェクタ装置1a及び1bにはネットワーク識別情報が格納されている。ここでは、そのネットワーク識別情報を「ABCD」とする。
【0051】
図15は図14のプロジェクタ装置1により実行されるアクセスポイント装置間の無線通信接続処理を示すフローチャートである。ここで、図15はプロジェクタ装置1aと1bが接続するまでの処理を示し、プローブ要求側プロジェクタ装置1の無線通信接続処理を示している。
【0052】
図15において、操作部5によりプロジェクタ装置1aとプロジェクタ装置1bの電源がオンされると、ステップS51においてメイン制御部11が起動され、ステップS52においてメイン制御部11からネットワーク制御部15が起動される。ステップS53において、ネットワーク制御部15はROMからOS(Operating System)をRAMにロードし、ステップS54においてOSが起動される。ステップS55において、OSはROMからRAMにユーザープログラムをロードし、ステップS56において、OSによりユーザープログラムが実行される。
【0053】
次いで、ステップS57において、OSにより実行されたユーザープログラムがSSID生成処理を実行する。このSSID生成処理は前述の図4に示す処理と同じであるので、説明を省略する。生成されたSSIDは次のようになる。プロジェクタ装置1aのSSIDは「ABCD111aFE」、プロジェクタ装置1bのSSIDは「ABCD222b02」。ここで、「ABCD」は共通のネットワーク識別情報であり、「111a」及び「222b」はそれぞれプロジェクタ装置1a及び1bの識別情報である。「FE」及び「02」はパリティである。
【0054】
次いで、ステップS58において、プローブ要求側プロジェクタ装置1は無線送受信を行い、プロジェクタ装置1の検索を行う。無線送受信は、ネットワーク接続部15c、無線LANインタフェース16、アンテナ17及び電波3を介して行う。プロジェクタ装置1aとプロジェクタ装置1bはすべてのチャンネル(例えば、ch1〜ch11)にプローブ要求フレームを送信し、その応答であるプローブ応答フレームを受信することでスキャン処理を行い、SSIDリストを作成して登録する。プローブ要求フレーム及びプローブ応答フレームはそれぞれ前述の図5及び図6と同じであるので、説明を省略する。
【0055】
図16Aは図14のプロジェクタ装置1aのSSIDリストの一例を示す表であり、図16Bは図14のプロジェクタ装置1bのSSIDリストの一例を示す表である。図16A及び図16Bに示すように、検索されたSSID、MACアドレス、暗号化方式及び電界強度から構成され、電界強度の大きい順番に並べられる。ここで、SSID、MACアドレス、暗号化方式はプローブ応答フレームから得られ、電界強度は電界強度測定部18が、プローブ応答フレームを含む無線信号の電波の電界強度を測定することによって得られる。図16Aから明らかなように、プロジェクタ装置1bとアクセスポイント装置6からのプローブ応答フレームを含む無線信号を受信している。また、図16Bから明らかなように、プロジェクタ装置1aとアクセスポイント装置6からのプローブ応答フレームを含む無線信号を受信している。
【0056】
次いで、図15のステップS59において、ステップS58で作成したSSIDリストに従って、ネットワーク識別情報を持つ所望のプロジェクタ装置の探索を開始する。
【0057】
図15のステップS60において、SSIDリストにチェックすべきSSIDデータが存在するか否かを判定する。もし、チェックすべきSSIDデータが存在すると(「Yes」の場合)、次にステップS61において、ネットワーク識別情報検出部15bがSSIDリストの上位から未チェックのリストを抽出し、ステップS62において、SSIDにネットワーク識別情報「ABCD」を含んでいるか否かを判定する。もし、ネットワーク識別情報「ABCD」を含んでいると(「Yes」の場合)、次にステップS63において、SSIDからチェックサムを算出し、パリティを判定する。もし、パリティチェックOKであれば(「Yes」の場合)、次にステップS64において、MACアドレスがアクセスポイント装置間無線通信リストに登録済か否かを判定する。アクセスポイント装置間無線通信リストは図17A及び図17Bに示すように、アクセスポイント装置間無線通信を行うプロジェクタ装置1のMACアドレス、暗号化方式、暗号鍵から構成される。
【0058】
ステップS64において、もし、MACアドレスが登録されていなければ(「Yes」の場合)、次にステップS65において、自身の暗号化方式との比較を行い、ステップS66において、両方のプロジェクタ装置1でサポートされる暗号化方式に決定する。例えば、暗号化方式の低い方に合わせることで、両方のプロジェクタ装置1でサポートされる暗号化方式をとることが可能である。次にステップS67において、両方のプロジェクタ装置1のプロジェクタ装置識別情報又はSSID文字列を組み合わせた文字列をシードとして生成される乱数を暗号鍵として設定する。次にステップS68において、アクセスポイント装置間無線通信リストにMACアドレス、暗号化方式(セキュリティ)、暗号鍵を登録し、ステップS60に戻る。
【0059】
図17Aは図14のプロジェクタ装置1aのアクセスポイント装置間無線通信リスト32の一例を示す表であり、図17Bは図14のプロジェクタ装置1bのアクセスポイント装置間無線通信リスト32の一例を示す表である。図17A及び図17Bに示すように、通信相手毎にMACアドレス、暗号化方式及び暗号鍵が登録されている。図17Aの無線通信リスト32において、プロジェクタ装置1bが登録されている。また、図17Bの無線通信リスト32において、プロジェクタ装置1aが登録されている。
【0060】
これにより、プロジェクタ装置1aとプロジェクタ装置1bは、無線通信を行うことが可能となる。また、ステップS58からステップS68までを繰り返すことにより、その後から別のプロジェクタ装置が起動したとしても、無線通信を行うことが可能となる。すなわち、図15において、ステップS60でNOのときは、ステップS58に戻り、ステップS58及びS59の処理を繰り返し、ステップS62、S63及びS64でNOであれば、ステップS60に戻り、その後の処理を繰り返す。
【0061】
図18は図13の無線端末装置2により実行される無線通信接続処理を示すフローチャートである。図18を用いて、無線端末装置2からプロジェクタ装置1aとプロジェクタ装置1bに接続し同じ画像を表示させるまでの動作を説明する。
【0062】
図18の無線通信接続処理において、無線端末装置2の電源をオンすると、ステップS71において、OSが起動される。次にステップS72においてワイヤレスマネージャのプログラムを実行すると、プログラムがHDD253からRAM252にロードされ、ワイヤレスマネージャが起動して、検索動作が開始される。すなわち、無線LANインタフェース26及びアンテナ27を介して、電波3を放射して、プロジェクタ装置1の検索を開始する。まず、ステップS73において、ワイヤレスマネージャはすべてのチャンネル(例えば、ch1〜ch11)にプローブ要求フレームを送信し、その応答であるプローブ応答フレームを受信することでスキャン処理を行い、SSIDリストを作成して登録する。
【0063】
図19は図13の無線端末装置2のSSIDリスト31の一例を示す表である。ここで、SSIDリスト31は、検索されたSSID、MACアドレス、暗号化方式、電界強度から構成され、電界強度の大きい順番に並べられる。ここで、SSID、MACアドレス、暗号化方式はプローブ応答フレームから得られ、電界強度は電界強度測定部28が、プローブ応答フレームを含む無線信号の電波の電界強度を測定することによって得られる。電界強度の強い順番に、プロジェクタ装置1a、プロジェクタ装置1b、アクセスポイント装置6の情報が並置される。
【0064】
次いで、図18のステップS74において、ステップS73で作成したSSIDリストに従って、ネットワーク識別情報「ABCD」を持つ所望の無線プロジェクタ装置の探索を行い、規定のネットワーク識別情報「ABCD」を含むSSIDが検出された場合には、SSID文字列からチェックサムを算出しパリティチェックを行うことで、プロジェクタ装置リスト34を作成して登録する。プロジェクタ装置リスト34は図20に示すように、プロジェクタ装置識別情報、SSID、暗号化方式、暗号鍵、電界強度から構成され、電界強度の大きい順番に並べられる。
【0065】
図20は図13の無線端末装置2のプロジェクタ装置リスト34の一例を示す表である。ここで、SSID、暗号化方式はプローブ応答フレームから得られる。また、プロジェクタ装置識別情報、暗号鍵情報はSSID文字列から得られる。
【0066】
次いで、図18のステップS75において、ステップS74で作成したプロジェクタ装置リスト34に従って、ワイヤレスマネージャ上にプロジェクタ装置一覧を表示する。プロジェクタ装置一覧は図21に示すように、プロジェクタ装置識別情報を用いて無線端末装置2のディスプレイ254に表示される。図21は図13の無線端末装置2のディスプレイ254に表示されるプロジェクタ装置選択画面の一例を示す正面図である。さらに、図18のステップS76において、ユーザーがステップS75で表示したプロジェクタ装置一覧から接続する1つ又は複数のプロジェクタ装置を選択する。ステップS77においては、無線LANインタフェース26に対して、ステップS76で選択されたプロジェクタ装置のうち電界強度の強い方のプロジェクタ装置と同じSSID、暗号化方式、暗号鍵を設定する。ここで暗号鍵はSSIDの文字列をシードとして生成される乱数を設定する。
【0067】
例えば、ユーザーがプロジェクタ装置1a(プロジェクタ装置識別情報は「111a」)とプロジェクタ装置1b(プロジェクタ装置識別情報は「222b」)の両方を選択すると、電界強度はプロジェクタ装置1aの方が強いので、無線端末装置2はプロジェクタ装置1aと同じSSID、暗号化方式を設定し、同じ暗号鍵を生成する。これにより、無線端末装置2はプロジェクタ装置1aが形成する無線LANに参加することとなり、無線端末装置2はプロジェクタ装置1aと通信することが可能となる。また、プロジェクタ装置1aはプロジェクタ装置1bと通信することが可能であることから、無線端末装置2はプロジェクタ装置1aを介してプロジェクタ装置1bと通信を行うことが可能となる。ステップS78において、IPレベルでプロジェクタ装置と接続し、無線端末装置2はプロジェクタ装置1a及びプロジェクタ装置1bに対して画像データの送信を開始する。
【0068】
以上説明したように、本実施の形態に係るプロジェクタ装置1は、プロジェクタ装置1がアクセスポイント装置10として動作し、規定のネットワーク識別情報と個々のプロジェクタ装置毎に異なるプロジェクタ装置識別情報を組み合わせた文字列をSSIDとして無線端末装置と無線LANを形成する。その際、暗号化方式はそのプロジェクタ装置1において最も強度の高い暗号化方式、暗号鍵はSSID文字列をシードとして生成される乱数を設定する。無線LANの形成後、プロジェクタ装置1は、すべてのチャンネルでプローブ要求フレームの送信を行い、その応答であるプローブ応答フレームを受信することでプロジェクタ装置の通信範囲(電波の到達する範囲)に存在する他のプロジェクタ装置1のSSIDを検索し、SSIDリストを作成して登録する。その際、プローブ応答フレームから取得可能である送信者のMACアドレス、暗号化方式と応答電波の強度から取得可能である送信者の電界強度をリストに加える。その後、そのSSIDリストから規定のネットワーク識別情報を含むSSIDを探索し、検出された場合にはパリティの判定を行う。この判定結果に基づいて、送信元のMACアドレスをアクセスポイント装置間無線通信リストに登録する。その際、暗号化方式に関しては、登録する側のプロジェクタ装置1と登録される側のプロジェクタ装置1の暗号化方式の暗号強度を比較し低い方を登録する。また、暗号鍵に関しては、登録する側のプロジェクタ装置1のSSID文字列と登録される側のプロジェクタ装置1のSSID文字列との組み合わせの文字列をシードとして生成される乱数を登録する。これにより、アクセスポイント装置10として動作するプロジェクタ装置1同士で接続することが可能となる。
【0069】
このように、本実施の形態に係るプロジェクタ装置1によれば、プロジェクタ装置1のSSID文字列に規定のネットワーク識別情報を含めることにより、スキャンにより作成されるSSIDリストから所望のプロジェクタ装置1を検出し、通信相手のMACアドレスなどの情報を取得することが可能であるため、アクセスポイント装置間無線通信に必要な設定を手入力で行うことなく、アクセスポイント装置10として動作するプロジェクタ装置1同士を接続することができる。
【0070】
なお、実施の形態2において、アクセスポイント装置間無線通信を行うプロジェクタ装置1の数は2台の場合について説明したが、プロジェクタ装置1の数が3台の場合は実施の形態1の場合と同様である。また、4台以上のプロジェクタ装置1を設けてもよい。すなわち、アクセスポイント装置間無線通信を行うペア毎に暗号化方式を選択し、暗号鍵を生成するので、無線LANを形成しているところに、後からプロジェクタ装置1を追加すると、追加されたプロジェクタ装置1と既設の各プロジェクタ装置1との間でそれぞれ前述の接続処理が行われる。このように、接続設定を手入力で行わなくても、無線LANを拡大させることができる。
【0071】
以上の各実施の形態において、アクセスポイント装置10(101,102,103)と、無線端末装置2と、プロジェクタ装置1(1a,1b)において、
(A)プローブ要求フレームを送信し、プローブ応答フレームを受信する要求側装置と、
(B)プローブ要求フレームを受信し、プローブ応答フレームを送信する応答側装置と、
を1つの装置で構成しているが、要求側装置と応答側装置とを分けて構成してもよい。
【0072】
また、以上の各実施の形態において、複数のアクセスポイント装置101,102,103を備えて無線LANを構成しているが、例えば、複数のアクセスポイント装置101,102,103などの複数個の無線通信装置を備えて無線通信システムを構成してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0073】
本開示は、無線LANに接続された無線端末装置がアクセスポイント装置として動作する複数のプロジェクタ装置と通信を行う場合に有用である。
【符号の説明】
【0074】
1,1a,1b…プロジェクタ装置、
2…無線端末装置(ノート型パーソナルコンピュータ)、
3,3a,3b…電波、
4a,4b…スクリーン、
5…操作部、
6,10,101,102,103,104…アクセスポイント装置、
11…メイン制御部、
12…光源、
13…液晶パネル、
14…投射レンズ
15…ネットワーク制御部、
15a…情報格納部、
15b…ネットワーク識別情報検出部、
15c…ネットワーク接続部、
15d…画像生成部、
16,26…無線LANインタフェース、
17,27…アンテナ、
18,28…電界強度測定部、
31…SSIDリスト、
32…アクセスポイント装置間無線通信リスト、
33…アクセスポイント装置リスト、
34…プロジェクタ装置リスト、
151,251…CPU、
152,252…RAM、
153…ROM、
253…HDD、
254…ディスプレイ、
255…入力装置。
【技術分野】
【0001】
本開示は、無線LANのための無線通信装置、プロジェクタ装置、無線通信システム及び無線通信方法に関し、特に、無線LANのアクセスポイント装置間無線通信の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、IEEE802.11規格準拠の無線LAN(Local Area Network)が普及している。無線LANは、そのアクセスポイント装置(AP:Access Point)と無線端末装置(STA:STAtion)から構成され、各無線端末装置はインフラストラクチャモードでアクセスポイント装置と接続される。各アクセスポイント装置が構成するネットワークはSSID(Service Set Identifier)により識別される。また、無線LANの範囲を拡大させるために、アクセスポイント装置を無線通信用の中継装置として動作させ、複数のアクセスポイント装置間で無線通信を行う方法がある(例えば、特許文献1参照)。このとき、SSIDは拡大された無線LANで共通になるように設定する場合と、異なるように設定する場合とがある。
【0003】
アクセスポイント装置間無線通信のために、ユーザーは通信相手のアクセスポイント装置のMAC(Media Access Control)アドレスを登録し、両方のアクセスポイント装置に共通のセキュリティ(暗号化方式及び暗号鍵)を登録する。また、無線LAN接続設定のうち、暗号化方式と暗号鍵については自動化された方法がある(例えば、特許文献2参照)。しかし、この方法においても通信相手のMACアドレスは登録する必要がある。すなわち、ユーザーはそれぞれのアクセスポイント装置毎に無線LAN接続設定を手入力で行う。
【0004】
以下、従来技術に係るアクセスポイント装置間無線通信を確立するための接続方法について、図22を用いて説明する。図22は従来技術に係る無線LAN接続方法における無線LANアクセスポイント装置間の無線通信接続処理を示すフローチャートである。
【0005】
まず、ユーザーは無線LAN接続設定を行う。すなわち、図22のステップS101において、ユーザーは通信相手のMACアドレスを入力装置により入力し、要求側アクセスポイント装置はそのMACアドレスを登録する。
【0006】
ステップS102において、自己のMACアドレスを送信元アドレスとしたプローブ要求フレームを送信する。ステップS112において、応答側アクセスポイント装置はプローブ要求フレームを受信し、送信元のMACアドレスを検出する。ステップS113において、応答側アクセスポイント装置は要求側アクセスポイント装置のMACアドレスを宛先アドレスとし、応答側アクセスポイント装置のMACアドレスを送信元アドレスとしたプローブ応答フレームを送信する。
【0007】
ステップS103において、要求側アクセスポイント装置は応答側アクセスポイント装置のMACアドレスを検出する。次に、ステップS104において、要求側アクセスポイント装置は検出されたMACアドレスが登録済みのMACアドレスと同じか否かを照合する。検出されたMACアドレスが登録済みのMACアドレスであると判定されたなら、セキュリティが確保されたアクセスポイント装置間の無線通信接続が確立される(ステップS105)。
【0008】
各アクセスポイント装置はそれぞれ前記のプローブ要求の処理を行うことにより、登録されていたアクセスポイント装置との無線通信接続を確立させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2006−186526号公報
【特許文献2】特開2006−050372号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上述のように、アクセスポイント装置間の無線通信接続を確立させるためには、ユーザーがそれぞれのアクセスポイント装置毎に無線LAN接続設定を手入力で行う必要があった。すなわち、ユーザーはそれぞれのアクセスポイント装置毎に、MACアドレス、暗号化方式及び暗号鍵を手入力する。しかしながら、通信を行うすべてのアクセスポイント装置に対して、前記情報の入力を手入力にて行う操作は非常に煩雑な作業であった。
【0011】
本開示の目的は以上の問題点を解決し、従来技術に比較して、無線LANアクセスポイント装置間無線通信の接続を容易に確立することができる無線通信装置、プロジェクタ装置、無線通信システム及び無線通信方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本開示の無線通信装置は、無線LAN用中継器の機能を有する複数のアクセスポイント装置間で無線通信を行う無線LANのための無線通信装置において、
前記無線LANに属することを示す所定のネットワーク識別情報を記憶するネットワーク識別情報記憶手段と、
アクセスポイント装置固有の情報からアクセスポイント装置識別情報を生成するアクセスポイント装置情報生成手段と、
前記ネットワーク識別情報とアクセスポイント装置識別情報とを含むSSIDを生成するSSID生成手段と、
プローブ要求信号を受信して、前記プローブ要求信号に応答して、前記SSIDを含むプローブ応答信号を送信するとともに、プローブ要求信号を送信し、前記プローブ要求信号に対するプローブ応答信号を受信する無線送受信部と、
前記受信したプローブ応答信号から前記ネットワーク識別情報を検出するネットワーク識別情報検出手段と、
前記受信したプローブ応答信号から送信元のMACアドレスを検出するMACアドレス検出手段と、
前記プローブ応答信号の送信元である無線通信装置と無線通信接続を確立する接続確立手段と、
を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本開示に係る無線通信装置によれば、無線LAN接続設定を自動化しつつ、当該無線LANシステムに属さないアクセスポイント装置が存在するような環境においても、当該アクセスポイント装置のみを抽出して無線通信接続を確立するので、無線LAN接続設定を手入力で行わなくてよく、無線LAN接続設定を容易にすることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】実施の形態1に係る無線LANシステムの構成を示す斜視図である。
【図2】図1のアクセスポイント装置10(101,102,103)の構成を示すブロック図である。
【図3】図1のアクセスポイント装置101,102,103間の無線通信接続処理を示すフローチャートである。
【図4】図3のサブルーチンであるSSID生成処理(ステップS11)を示すフローチャートである。
【図5】無線LANシステムにおいて無線通信接続を確立するためにアクセスポイント装置間で通信されるIEEE802.11に準拠したプローブ要求のMACフレームの構成を示す構成図である。
【図6】無線LANシステムにおいて無線通信接続を確立するためにアクセスポイント装置間で通信されるIEEE802.11に準拠したプローブ応答のMACフレームの構成を示す構成図である。
【図7A】図1のアクセスポイント装置101のSSIDリスト31の一例を示す表である。
【図7B】図1のアクセスポイント装置102のSSIDリスト31の一例を示す表である。
【図7C】図1のアクセスポイント装置103のSSIDリスト31の一例を示す表である。
【図8A】図1のアクセスポイント装置101に格納されたアクセスポイント装置間無線通信リストの一例を示す表である。
【図8B】図1のアクセスポイント装置102に格納されたアクセスポイント装置間無線通信リストの一例を示す表である。
【図8C】図1のアクセスポイント装置103に格納されたアクセスポイント装置間無線通信リストの一例を示す表である。
【図9】実施の形態1及び2に係る無線端末装置2の構成を示すブロック図である。
【図10】図9の無線端末装置2により実行される無線通信接続処理を示すフローチャートである。
【図11】図9の無線端末装置2のSSIDリスト31の一例を示す表である。
【図12】図9の無線端末装置2のアクセスポイント装置リスト33の一例を示す表である。
【図13】実施の形態2に係る無線LANシステムの構成を示す斜視図である。
【図14】図13の無線LANアクセスポイント装置を搭載したプロジェクタ装置1(1a,1b)の構成を示すブロック図である。
【図15】図14のプロジェクタ装置1により実行されるアクセスポイント装置間の無線通信接続処理を示すフローチャートである。
【図16A】図14のプロジェクタ装置1aのSSIDリストの一例を示す表である。
【図16B】図14のプロジェクタ装置1bのSSIDリストの一例を示す表である。
【図17A】図14のプロジェクタ装置1aのアクセスポイント装置間無線通信リスト32の一例を示す表である。
【図17B】図14のプロジェクタ装置1bのアクセスポイント装置間無線通信リスト32の一例を示す表である。
【図18】図13の無線端末装置2により実行される無線通信接続処理を示すフローチャートである。
【図19】図13の無線端末装置2のSSIDリスト31の一例を示す表である。
【図20】図13の無線端末装置2のプロジェクタ装置リスト34の一例を示す表である。
【図21】図13の無線端末装置2のディスプレイ254に表示されるプロジェクタ装置選択画面の一例を示す正面図である。
【図22】従来技術に係るアクセスポイント装置間無線通信の接続処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、各実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下の各実施形態において、同様の構成要素については同一の符号を付している。
【0016】
(実施の形態1)
図1は実施の形態1に係る無線LANシステムの構成を示す斜視図である。図1において、無線LANシステムは、4個のアクセスポイント装置101,102,103,104と、無線端末装置2とを備えて構成される。ここで、アクセスポイント装置101、102及び103は本実施の形態に係る無線LAN接続を行うアクセスポイント装置であり、アクセスポイント装置間無線通信で接続され、無線ネットワークである無線LANを構成する。アクセスポイント装置104は従来技術に係る構成を有するアクセスポイント装置である。無線端末装置2はアクセスポイント装置101とインフラストラクチャモードで接続され、無線LANに接続される。
【0017】
図2は図1のアクセスポイント装置101,102,103(総称して、符号10を付す。)の構成を示すブロック図である。図2において、本実施の形態に係るアクセスポイント装置10は、CPU(Central Processing Unit)151、RAM(Random Access Memory)152及びROM(Read Only Memory)153から構成されるネットワーク制御部15と、無線LAN接続のための無線送信信号を送信しかつ無線受信信号を受信する無線LANインタフェース16と、アンテナ17と、電界強度測定部18とを備えて構成される。ROM153にはアクセスポイント装置間無線通信の接続処理に関するプログラムとプログラムの実行に必要なデータが格納されている。ここで、無線LANインタフェース16は、無線LAN用無線送信回路(無線送信部又は無線送信手段)及び無線LAN用無線受信回路(無線受信部又は無線受信手段)を備えて構成される。アクセスポイント装置10から送信される送信信号は無線LANインタフェース16、アンテナ17を介して電波3に重畳されて放射される。電波3に重畳されてアクセスポイント装置10により受信される受信信号はアンテナ17、無線LANインタフェース16を介してネットワーク制御部15に入力される。上記受信信号は無線LANインタフェース16から電界強度測定部18に入力され、受信信号の電界強度の値をネットワーク制御部15へ出力する。
【0018】
各アクセスポイント装置101,102,103のROM153には、MACアドレス及び対応可能な暗号化方式が格納されている。ここでは、MACアドレスを次の通りとする。アクセスポイント装置101のMACアドレスは「12345611111a」、アクセスポイント装置102のMACアドレスは「12345622222b」、アクセスポイント装置103のMACアドレスは「12345633333c」、アクセスポイント装置104のMACアドレスは「12345644444d」である。また、対応可能な暗号化方式を次の通りとする。アクセスポイント装置101の対応可能な暗号化方式は「WEP」、アクセスポイント装置102の対応可能な暗号化方式は「WEP、TKIP、AES」、アクセスポイント装置103の対応可能な暗号化方式は「WEP、TKIP、AES」、アクセスポイント装置104の対応可能な暗号化方式は「WEP、TKIP、AES」である。
【0019】
さらに、本実施の形態に係るアクセスポイント装置101、102及び103のROM153にはネットワーク識別情報が格納されている。ここでは、そのネットワーク識別情報を「ABCD」とする。
【0020】
図3は図1のアクセスポイント装置101,102,103間の無線通信接続処理を示すフローチャートである。図3において、最初に、各アクセスポイント装置はSSID生成処理を行う(ステップS11)。
【0021】
図4は図3のサブルーチンであるSSID生成処理(ステップS11)を示すフローチャートである。図4のステップS31において、自己のアクセスポイント装置に固有の識別情報を生成する。すなわち、アクセスポイント装置に関連した情報を基にアクセスポイント装置識別情報を生成する。関連情報として自己のMACアドレス、製造番号などのコードを使用する。生成される識別情報は基のコードと同一であってもよいし、基のコードの一部分であってもよい。また、基のコードを入力として乱数を発生させ、その乱数の値又はその一部分のコードであってもよい。ここでは、MACアドレスのコードの下位4桁のコードをアクセスポイント装置識別情報とする。例えば、アクセスポイント装置101の識別情報は「111a」である。
【0022】
次いで、図4のステップS32において、ネットワーク識別情報とアクセスポイント装置識別情報を結合させる。ステップS33において、パリティを付加してSSIDのコードを生成する。例えば、アクセスポイント装置101のパリティは「FE」である。ここで、各アクセスポイント装置101,102,103のSSIDは次のようになる。アクセスポイント装置101のSSIDは「ABCD111aFE」、アクセスポイント装置102のSSIDは「ABCD222b02」、アクセスポイント装置103のSSIDは「ABCD333c06」である。
【0023】
以下、アクセスポイント装置101がプローブ要求を行ってからアクセスポイント装置間無線通信の接続が確立するまでについて説明する。
【0024】
図3のステップS12において、要求側アクセスポイント装置101は図5に示すプローブ要求フレームを送信する。図5はIEEE802.11のプローブ要求のMACフレームの構成を示す構成図である。図5に示すように、MACフレームはMACヘッダ111、ペイロード112及びFCS(Frame Check Sequence)113から構成される。MACヘッダ111は宛先アドレスフィールド114、送信元アドレスフィールド115及びBSS(Basic Service Set)IDフィールド116から構成される。送信元アドレスフィールド115には送信元のアクセスポイント装置のMACアドレス「12345611111a」が格納される。また、ペイロード112のSSIDフィールド117には「Null」が格納される。
【0025】
当該プローブ要求のMACフレームの信号を応答側アクセスポイント装置102が受信すると(ステップS22)、アクセスポイント装置102は応答側の処理を行う。このとき、アクセスポイント装置102は図4のSSID生成処理によりすでに前記のSSIDが生成されているものとする。ステップS22において、アクセスポイント装置102は受信信号から送信元のMACアドレス「12345611111a」を検出する。
【0026】
図3のステップS23において、アクセスポイント装置102は図6に示すプローブ応答フレームを送信する。図6は、無線LANシステムにおいて無線通信接続を確立するためにアクセスポイント装置間で通信されるIEEE802.11に準拠したプローブ応答のMACフレームの構成を示す構成図である。図6において、宛先アドレスフィールド114は「12345611111a」、送信元アドレスフィールド115は「12345622222b」、BSSIDフィールド116は「12345622222b」、SSIDフィールド117は「ABCD222b02」である。ペイロード112のRSN(Robust Security Network)フィールド118にはアクセスポイント装置102が対応可能な最強の暗号化方式として「AES」の情報が格納されている。
【0027】
図3のステップS13において、アクセスポイント装置101はこのプローブ応答フレームを受信し、受信信号から送信元のMACアドレス「12345622222b」、SSID「ABCD222b02」及び対応可能な暗号化方式「AES」を検出する。
【0028】
図7Aは図1のアクセスポイント装置101のSSIDリスト31の一例を示す表であり、図7Bは図1のアクセスポイント装置102のSSIDリスト31の一例を示す表であり、図7Cは図1のアクセスポイント装置103のSSIDリスト31の一例を示す表である。なお、SSIDリスト31は、各アクセスポイント装置101,102,103のRAM152に格納される。
【0029】
要求側アクセスポイント装置101は、図3のステップS13において検出された情報をSSIDリスト31に登録する。図7A、図7B及び図7Cに示すように、SSID毎にMACアドレス、暗号化方式が登録される。また、電界強度測定部18が測定した受信電波の電界強度もSSIDリスト31に登録される。アクセスポイント装置101のSSIDリスト31を示す図7Aにおいて、アクセスポイント装置102からの信号を受信した際の電界強度が「−65dB」であったことを示している。また、図7Aには、アクセスポイント装置103及びアクセスポイント装置104からの信号を受信した場合も示している。アクセスポイント装置103のSSIDは前記の「ABCD333c06」であり、従来技術に係るアクセスポイント装置104のSSIDは「123456789」とした。SSIDリスト31に登録される受信信号は電界強度の強い順番でソートされて登録される。
【0030】
要求側アクセスポイント装置101は、図3のステップS14において、アクセスポイント装置101は検出されたSSIDに含まれているネットワーク識別情報と格納されているネットワーク識別情報とが一致するか否かを照合する。これら2つのネットワーク識別情報が一致すると、SSIDコードのパリティチェックを行う。例えば、図7AのSSIDが「ABCD222b02」及び「ABCD333c06」のアクセスポイント装置について、ネットワーク識別情報が一致し、パリティチェックOKとなる。一方、SSIDが「123456789」のアクセスポイント装置はネットワーク識別情報が一致しない。パリティチェックOKのアクセスポイント装置については接続処理を続け、次のステップS15に進む。
【0031】
ステップS15において、アクセスポイント装置101はアクセスポイント装置102との無線通信における暗号化方式を自動的に選択する。暗号化方式は、両方のアクセスポイント装置が対応可能な暗号化方式の中から最高のセキュリティレベルの方式が選択される。アクセスポイント装置101はWEPに対応可能であり、アクセスポイント装置102はWEP、TKIP及びAESに対応可能であるので、両方共が対応可能な「WEP」が自動的に選択される。
【0032】
ステップS16において、アクセスポイント装置101はアクセスポイント装置102との通信における暗号鍵を生成する。暗号鍵は両方のSSIDのコードを基に所定の暗号鍵生成アルゴリズムにより生成される。例えば、暗号鍵生成アルゴリズムは両方のアクセスポイント装置識別情報を入力として乱数を発生させて生成する。ここでは、「111a」と「222b」を入力にして乱数「A1z5b9Y2C7x0d」が発生するものとした。
【0033】
図8Aは図1のアクセスポイント装置101に格納されたアクセスポイント装置間無線通信リスト32の一例を示す表であり、図8Bは図1のアクセスポイント装置102に格納されたアクセスポイント装置間無線通信リスト32の一例を示す表であり、図8Cは図1のアクセスポイント装置103に格納されたアクセスポイント装置間無線通信リスト32の一例を示す表である。なお、無線通信リスト32は各アクセスポイント装置101,102,103のRAM152に格納される。図8A、図8B及び図8Cに示すように、通信相手毎にMACアドレス、暗号化方式及び暗号鍵が登録されている。ステップS17において、アクセスポイント装置101は、このアクセスポイント装置間無線通信リスト32に基づき、当該無線通信リスト32に記載された暗号化方式及び暗号化鍵を用いて、アクセスポイント装置102との無線通信接続を確立させる。
【0034】
以上説明したように、本実施形態によれば、アクセスポイント装置101がプローブ要求を行ってから無線通信接続を確立するまでについて説明した。アクセスポイント装置102及び103がプローブ要求を行ってから接続確立するまでの処理も同様である。図8A、図8B及び図8Cに示すように、アクセスポイント装置間無線通信のペアは同じ暗号化方式となり、同じ暗号鍵が生成される。
【0035】
アクセスポイント装置に接続できるアクセスポイント装置の台数が制限されている場合は、SSIDリスト31に登録されたアクセスポイント装置のうち電界強度の強いものから順番に登録可能数のアクセスポイント装置を選択し、アクセスポイント装置間無線通信リスト32に登録する。
【0036】
図9は実施の形態1及び2に係る無線端末装置2の構成を示すブロック図である。図9を参照して無線端末装置2の無線接続処理について説明する。
【0037】
図9において、無線端末装置2は、CPU251と、RAM252と、HDD(Hard Disk Drive)253と、ディスプレイ254と、キーボードやマウス等の入力装置255と、無線LANインタフェース26と、アンテナ27と、電界強度測定部28とを備えて構成される。ここで、無線LANインタフェース26は、無線LANインタフェース16と同様に構成され、無線LAN用無線送信回路(無線送信部又は無線送信手段)及び無線LAN用無線受信回路(無線受信部又は無線受信手段)を備えて構成される。
【0038】
HDD253には、無線端末装置2とアクセスポイント装置10とを無線LANで接続するための無線設定及び通信ソフトウェアであるプログラムがインストールされている。このプログラムにはネットワーク識別情報としてコード「ABCD」が記述されている。このプログラムは無線端末装置2の起動時にRAM252にロードされて実行される。送信信号は無線LANインタフェース26、アンテナ27を介して電波3に重畳されて放射される。電波3に重畳された受信信号はアンテナ27、無線LANインタフェース26を介してRAM252に入力される。無線LANインタフェース26から受信信号が電界強度測定部28に入力され、受信信号の電界強度の値をRAM252へ出力される。
【0039】
図10は図9の無線端末装置2により実行される無線通信接続処理を示すフローチャートである。図10のステップS41において、無線端末装置2はプローブ要求フレームを送信する。当該プローブ要求フレームの信号を受信したアクセスポイント装置はプローブ応答フレームの信号を送信する。次いで、ステップS42において、無線端末装置2はプローブ応答フレームの信号を受信し、受信信号から送信元のMACアドレス、SSID及び暗号化方式を検出する。
【0040】
無線端末装置2は、図10のステップS42において検出された情報をSSIDリスト31に登録する。図11は図9の無線端末装置2のSSIDリスト31の一例を示す表である。図11に示すように、SSIDリスト31にはSSID毎にMACアドレス、暗号化方式が登録される。また、電界強度測定部28が測定した受信電波の電界強度も登録される。電界強度の強い順番に、アクセスポイント装置101、102、103及び104の情報が並ぶ。
【0041】
図10のステップS43において、無線端末装置2は検出されたSSIDに含まれているネットワーク識別情報とプログラムに記述されているネットワーク識別情報とが一致するか否かを照合する。ネットワーク識別情報が一致すると、SSIDコードのパリティチェックを行う。図11のSSIDが「ABCD111aFE」、「ABCD222b02」及び「ABCD333c06」のアクセスポイント装置について、ネットワーク識別情報が一致し、パリティチェックOKとなる。一方、SSIDが「123456789」のアクセスポイント装置はネットワーク識別情報が一致しない。パリティチェックOKのアクセスポイント装置については接続処理を続け、次のステップS44に進む。
【0042】
図10のステップS44において、無線端末装置2は暗号鍵を生成する。ここでは、暗号鍵はSSIDのコードをシードとして生成される乱数とする。図12は図9の無線端末装置2のアクセスポイント装置リスト33の一例を示す表である。図12に示すように、アクセスポイント装置リスト33には、ネットワーク識別情報が一致したアクセスポイント装置識別情報、SSID、暗号化方式、暗号鍵及び電界強度が登録されている。無線端末装置2はアクセスポイント装置リスト33から表示データを抽出し、ディスプレイ254にアクセスポイント装置の一覧を表示する。
【0043】
図10のステップS45において、ユーザーは入力装置255を用いて、ディスプレイ254上に表示されたアクセスポイント装置の中から通信をするアクセスポイント装置を選択する。通信するアクセスポイント装置が複数の場合、無線端末装置2は電界強度が最も強いアクセスポイント装置を選択し、そのアクセスポイント装置をインフラストラクチャモードで接続する通信相手とする。
【0044】
次いで、ステップS46において、無線端末装置2はインフラストラクチャモードの通信相手のアクセスポイント装置との無線通信接続を確立させる。ここでは、無線端末装置2はアクセスポイント装置101とインフラストラクチャモードで接続される。アクセスポイント装置101はアクセスポイント装置102及び103と接続しているので、無線端末装置2はアクセスポイント装置101を介してアクセスポイント装置102及び103と通信することが可能になる。
【0045】
以上説明したように、本実施の形態によれば、SSIDの中にネットワーク識別情報とアクセスポイント装置識別情報を含むようにすることにより、ユーザーが接続設定を手入力で行うことなくアクセスポイント装置間無線通信の接続処理を行うこととなり、無線LANアクセスポイント装置間の無線通信接続を従来技術に比較して容易に確立することができる。
【0046】
(実施の形態2)
図13は実施の形態2に係る無線LANシステムの構成を示す斜視図である。本実施の形態に係る無線LANシステムは、2つのプロジェクタ装置1a,1bと、無線端末装置2と、アクセスポイント装置6とを備えて構成される。ここで、プロジェクタ装置1a,1bは、詳細後述する光源12、液晶パネル3及び投射レンズ14を含み例えば無線受信された画像データの画像を拡大して投射する光学プロジェクタ部を備え、さらには、無線LANのアクセスポイント装置機能を搭載している。プロジェクタ装置1a及び1bは互いに電波3bを送受信してアクセスポイント装置間無線通信を行う。無線端末装置2は例えばノート型パーソナルコンピュータであり、電波3aを送受信してインフラストラクチャモードでプロジェクタ装置1aと接続されている。プロジェクタ装置1a,1bはそれぞれ、無線端末装置2からプレゼンテーション資料などの情報を入手し、その画像をスクリーン4a及びスクリーン4bに投射する。プロジェクタ装置1a,1bはそれぞれ、操作部5により電源がオンオフされる。無線端末装置2はプロジェクタ装置1aの近くに設置されている。また、アクセスポイント装置6は従来技術に係るアクセスポイント装置である。
【0047】
図14は図13の無線LANアクセスポイント装置を搭載したプロジェクタ装置1a,1b(総称して符号1を付す。)の構成を示すブロック図である。図14において、プロジェクタ装置1は、プロジェクタ装置1に関する制御を行うメイン制御部11と、光源12と、画像を表示する液晶パネル13と、光源12の光が液晶パネル13で変調された画像を拡大して投射する投射レンズ14と、無線LANに関する制御を行うネットワーク制御部15と、無線信号を送信し受信する無線LANインタフェース16と、アンテナ17と、電界強度測定部18とを備えて構成される。ここで、ネットワーク制御部15は、図2に示すCPU151と、RAM152と、ROM153などとを備えて構成される。また、ネットワーク制御部15は、所定のネットワーク識別情報と他のプロジェクタ装置とを識別するためのプロジェクタ装置識別情報を格納する情報格納部15aと、受信信号から前記所定のネットワーク識別情報を検出するネットワーク識別情報検出部15bと、アクセスポイント装置間無線通信に必要な設定を行うネットワーク接続部15cと、画像生成部15dとを備えて構成される。ここで、画像生成部15dは、無線LANインタフェース16、アンテナ17を経由して無線端末装置2から受け取ったTCP/IPデータから画像を生成する。
【0048】
無線端末装置2は、図9と同様の構成を有する。無線端末装置2は、核である制御手段であるCPU251と、主記憶メモリであるRAM252と、HDD253と、表示手段であるディスプレイ254と、キーボードやマウス等の入力装置255と、無線LANインタフェース26と、アンテナ27と、電界強度測定部28とを備えて構成される。
【0049】
ここで、HDD253には、プロジェクタ装置1と無線端末装置2とを無線LANを介して接続するための無線設定及び通信ソフトウェアであるプログラム(ワイヤレスマネージャ(WM)という。)が予めインストールされている。このソフトウェアは後からインストールすることも可能である。このプログラムにはネットワーク識別情報が格納されている。無線端末装置2を起動すると、このプログラムはRAM252にロードされ、実行される。プログラムが実行され、プロジェクタ装置1に接続すると画像データが生成され、その画像データはTCP/IPデータとして無線LANインタフェース26を介してプロジェクタ装置1に無線伝送される。
【0050】
まず、プロジェクタ装置1a,1b同士の無線通信について説明する。プロジェクタ装置1a,1b及びアクセスポイント装置6にはMACアドレス及び対応可能な暗号化方式が格納されている。ここでは、MACアドレスを次の通りとする。プロジェクタ装置1aのMACアドレスは「12345611111a」、プロジェクタ装置1bのMACアドレスは「12345622222b」、アクセスポイント装置6のMACアドレスは「12345644444d」である。また、対応可能な暗号化方式を次の通りとする。プロジェクタ装置1aの対応可能な暗号化方式は「WEP」、プロジェクタ装置1bの対応可能な暗号化方式は「WEP、TKIP、AES」、アクセスポイント装置6の対応可能な暗号化方式は「WEP、TKIP、AES」である。さらに、プロジェクタ装置1a及び1bにはネットワーク識別情報が格納されている。ここでは、そのネットワーク識別情報を「ABCD」とする。
【0051】
図15は図14のプロジェクタ装置1により実行されるアクセスポイント装置間の無線通信接続処理を示すフローチャートである。ここで、図15はプロジェクタ装置1aと1bが接続するまでの処理を示し、プローブ要求側プロジェクタ装置1の無線通信接続処理を示している。
【0052】
図15において、操作部5によりプロジェクタ装置1aとプロジェクタ装置1bの電源がオンされると、ステップS51においてメイン制御部11が起動され、ステップS52においてメイン制御部11からネットワーク制御部15が起動される。ステップS53において、ネットワーク制御部15はROMからOS(Operating System)をRAMにロードし、ステップS54においてOSが起動される。ステップS55において、OSはROMからRAMにユーザープログラムをロードし、ステップS56において、OSによりユーザープログラムが実行される。
【0053】
次いで、ステップS57において、OSにより実行されたユーザープログラムがSSID生成処理を実行する。このSSID生成処理は前述の図4に示す処理と同じであるので、説明を省略する。生成されたSSIDは次のようになる。プロジェクタ装置1aのSSIDは「ABCD111aFE」、プロジェクタ装置1bのSSIDは「ABCD222b02」。ここで、「ABCD」は共通のネットワーク識別情報であり、「111a」及び「222b」はそれぞれプロジェクタ装置1a及び1bの識別情報である。「FE」及び「02」はパリティである。
【0054】
次いで、ステップS58において、プローブ要求側プロジェクタ装置1は無線送受信を行い、プロジェクタ装置1の検索を行う。無線送受信は、ネットワーク接続部15c、無線LANインタフェース16、アンテナ17及び電波3を介して行う。プロジェクタ装置1aとプロジェクタ装置1bはすべてのチャンネル(例えば、ch1〜ch11)にプローブ要求フレームを送信し、その応答であるプローブ応答フレームを受信することでスキャン処理を行い、SSIDリストを作成して登録する。プローブ要求フレーム及びプローブ応答フレームはそれぞれ前述の図5及び図6と同じであるので、説明を省略する。
【0055】
図16Aは図14のプロジェクタ装置1aのSSIDリストの一例を示す表であり、図16Bは図14のプロジェクタ装置1bのSSIDリストの一例を示す表である。図16A及び図16Bに示すように、検索されたSSID、MACアドレス、暗号化方式及び電界強度から構成され、電界強度の大きい順番に並べられる。ここで、SSID、MACアドレス、暗号化方式はプローブ応答フレームから得られ、電界強度は電界強度測定部18が、プローブ応答フレームを含む無線信号の電波の電界強度を測定することによって得られる。図16Aから明らかなように、プロジェクタ装置1bとアクセスポイント装置6からのプローブ応答フレームを含む無線信号を受信している。また、図16Bから明らかなように、プロジェクタ装置1aとアクセスポイント装置6からのプローブ応答フレームを含む無線信号を受信している。
【0056】
次いで、図15のステップS59において、ステップS58で作成したSSIDリストに従って、ネットワーク識別情報を持つ所望のプロジェクタ装置の探索を開始する。
【0057】
図15のステップS60において、SSIDリストにチェックすべきSSIDデータが存在するか否かを判定する。もし、チェックすべきSSIDデータが存在すると(「Yes」の場合)、次にステップS61において、ネットワーク識別情報検出部15bがSSIDリストの上位から未チェックのリストを抽出し、ステップS62において、SSIDにネットワーク識別情報「ABCD」を含んでいるか否かを判定する。もし、ネットワーク識別情報「ABCD」を含んでいると(「Yes」の場合)、次にステップS63において、SSIDからチェックサムを算出し、パリティを判定する。もし、パリティチェックOKであれば(「Yes」の場合)、次にステップS64において、MACアドレスがアクセスポイント装置間無線通信リストに登録済か否かを判定する。アクセスポイント装置間無線通信リストは図17A及び図17Bに示すように、アクセスポイント装置間無線通信を行うプロジェクタ装置1のMACアドレス、暗号化方式、暗号鍵から構成される。
【0058】
ステップS64において、もし、MACアドレスが登録されていなければ(「Yes」の場合)、次にステップS65において、自身の暗号化方式との比較を行い、ステップS66において、両方のプロジェクタ装置1でサポートされる暗号化方式に決定する。例えば、暗号化方式の低い方に合わせることで、両方のプロジェクタ装置1でサポートされる暗号化方式をとることが可能である。次にステップS67において、両方のプロジェクタ装置1のプロジェクタ装置識別情報又はSSID文字列を組み合わせた文字列をシードとして生成される乱数を暗号鍵として設定する。次にステップS68において、アクセスポイント装置間無線通信リストにMACアドレス、暗号化方式(セキュリティ)、暗号鍵を登録し、ステップS60に戻る。
【0059】
図17Aは図14のプロジェクタ装置1aのアクセスポイント装置間無線通信リスト32の一例を示す表であり、図17Bは図14のプロジェクタ装置1bのアクセスポイント装置間無線通信リスト32の一例を示す表である。図17A及び図17Bに示すように、通信相手毎にMACアドレス、暗号化方式及び暗号鍵が登録されている。図17Aの無線通信リスト32において、プロジェクタ装置1bが登録されている。また、図17Bの無線通信リスト32において、プロジェクタ装置1aが登録されている。
【0060】
これにより、プロジェクタ装置1aとプロジェクタ装置1bは、無線通信を行うことが可能となる。また、ステップS58からステップS68までを繰り返すことにより、その後から別のプロジェクタ装置が起動したとしても、無線通信を行うことが可能となる。すなわち、図15において、ステップS60でNOのときは、ステップS58に戻り、ステップS58及びS59の処理を繰り返し、ステップS62、S63及びS64でNOであれば、ステップS60に戻り、その後の処理を繰り返す。
【0061】
図18は図13の無線端末装置2により実行される無線通信接続処理を示すフローチャートである。図18を用いて、無線端末装置2からプロジェクタ装置1aとプロジェクタ装置1bに接続し同じ画像を表示させるまでの動作を説明する。
【0062】
図18の無線通信接続処理において、無線端末装置2の電源をオンすると、ステップS71において、OSが起動される。次にステップS72においてワイヤレスマネージャのプログラムを実行すると、プログラムがHDD253からRAM252にロードされ、ワイヤレスマネージャが起動して、検索動作が開始される。すなわち、無線LANインタフェース26及びアンテナ27を介して、電波3を放射して、プロジェクタ装置1の検索を開始する。まず、ステップS73において、ワイヤレスマネージャはすべてのチャンネル(例えば、ch1〜ch11)にプローブ要求フレームを送信し、その応答であるプローブ応答フレームを受信することでスキャン処理を行い、SSIDリストを作成して登録する。
【0063】
図19は図13の無線端末装置2のSSIDリスト31の一例を示す表である。ここで、SSIDリスト31は、検索されたSSID、MACアドレス、暗号化方式、電界強度から構成され、電界強度の大きい順番に並べられる。ここで、SSID、MACアドレス、暗号化方式はプローブ応答フレームから得られ、電界強度は電界強度測定部28が、プローブ応答フレームを含む無線信号の電波の電界強度を測定することによって得られる。電界強度の強い順番に、プロジェクタ装置1a、プロジェクタ装置1b、アクセスポイント装置6の情報が並置される。
【0064】
次いで、図18のステップS74において、ステップS73で作成したSSIDリストに従って、ネットワーク識別情報「ABCD」を持つ所望の無線プロジェクタ装置の探索を行い、規定のネットワーク識別情報「ABCD」を含むSSIDが検出された場合には、SSID文字列からチェックサムを算出しパリティチェックを行うことで、プロジェクタ装置リスト34を作成して登録する。プロジェクタ装置リスト34は図20に示すように、プロジェクタ装置識別情報、SSID、暗号化方式、暗号鍵、電界強度から構成され、電界強度の大きい順番に並べられる。
【0065】
図20は図13の無線端末装置2のプロジェクタ装置リスト34の一例を示す表である。ここで、SSID、暗号化方式はプローブ応答フレームから得られる。また、プロジェクタ装置識別情報、暗号鍵情報はSSID文字列から得られる。
【0066】
次いで、図18のステップS75において、ステップS74で作成したプロジェクタ装置リスト34に従って、ワイヤレスマネージャ上にプロジェクタ装置一覧を表示する。プロジェクタ装置一覧は図21に示すように、プロジェクタ装置識別情報を用いて無線端末装置2のディスプレイ254に表示される。図21は図13の無線端末装置2のディスプレイ254に表示されるプロジェクタ装置選択画面の一例を示す正面図である。さらに、図18のステップS76において、ユーザーがステップS75で表示したプロジェクタ装置一覧から接続する1つ又は複数のプロジェクタ装置を選択する。ステップS77においては、無線LANインタフェース26に対して、ステップS76で選択されたプロジェクタ装置のうち電界強度の強い方のプロジェクタ装置と同じSSID、暗号化方式、暗号鍵を設定する。ここで暗号鍵はSSIDの文字列をシードとして生成される乱数を設定する。
【0067】
例えば、ユーザーがプロジェクタ装置1a(プロジェクタ装置識別情報は「111a」)とプロジェクタ装置1b(プロジェクタ装置識別情報は「222b」)の両方を選択すると、電界強度はプロジェクタ装置1aの方が強いので、無線端末装置2はプロジェクタ装置1aと同じSSID、暗号化方式を設定し、同じ暗号鍵を生成する。これにより、無線端末装置2はプロジェクタ装置1aが形成する無線LANに参加することとなり、無線端末装置2はプロジェクタ装置1aと通信することが可能となる。また、プロジェクタ装置1aはプロジェクタ装置1bと通信することが可能であることから、無線端末装置2はプロジェクタ装置1aを介してプロジェクタ装置1bと通信を行うことが可能となる。ステップS78において、IPレベルでプロジェクタ装置と接続し、無線端末装置2はプロジェクタ装置1a及びプロジェクタ装置1bに対して画像データの送信を開始する。
【0068】
以上説明したように、本実施の形態に係るプロジェクタ装置1は、プロジェクタ装置1がアクセスポイント装置10として動作し、規定のネットワーク識別情報と個々のプロジェクタ装置毎に異なるプロジェクタ装置識別情報を組み合わせた文字列をSSIDとして無線端末装置と無線LANを形成する。その際、暗号化方式はそのプロジェクタ装置1において最も強度の高い暗号化方式、暗号鍵はSSID文字列をシードとして生成される乱数を設定する。無線LANの形成後、プロジェクタ装置1は、すべてのチャンネルでプローブ要求フレームの送信を行い、その応答であるプローブ応答フレームを受信することでプロジェクタ装置の通信範囲(電波の到達する範囲)に存在する他のプロジェクタ装置1のSSIDを検索し、SSIDリストを作成して登録する。その際、プローブ応答フレームから取得可能である送信者のMACアドレス、暗号化方式と応答電波の強度から取得可能である送信者の電界強度をリストに加える。その後、そのSSIDリストから規定のネットワーク識別情報を含むSSIDを探索し、検出された場合にはパリティの判定を行う。この判定結果に基づいて、送信元のMACアドレスをアクセスポイント装置間無線通信リストに登録する。その際、暗号化方式に関しては、登録する側のプロジェクタ装置1と登録される側のプロジェクタ装置1の暗号化方式の暗号強度を比較し低い方を登録する。また、暗号鍵に関しては、登録する側のプロジェクタ装置1のSSID文字列と登録される側のプロジェクタ装置1のSSID文字列との組み合わせの文字列をシードとして生成される乱数を登録する。これにより、アクセスポイント装置10として動作するプロジェクタ装置1同士で接続することが可能となる。
【0069】
このように、本実施の形態に係るプロジェクタ装置1によれば、プロジェクタ装置1のSSID文字列に規定のネットワーク識別情報を含めることにより、スキャンにより作成されるSSIDリストから所望のプロジェクタ装置1を検出し、通信相手のMACアドレスなどの情報を取得することが可能であるため、アクセスポイント装置間無線通信に必要な設定を手入力で行うことなく、アクセスポイント装置10として動作するプロジェクタ装置1同士を接続することができる。
【0070】
なお、実施の形態2において、アクセスポイント装置間無線通信を行うプロジェクタ装置1の数は2台の場合について説明したが、プロジェクタ装置1の数が3台の場合は実施の形態1の場合と同様である。また、4台以上のプロジェクタ装置1を設けてもよい。すなわち、アクセスポイント装置間無線通信を行うペア毎に暗号化方式を選択し、暗号鍵を生成するので、無線LANを形成しているところに、後からプロジェクタ装置1を追加すると、追加されたプロジェクタ装置1と既設の各プロジェクタ装置1との間でそれぞれ前述の接続処理が行われる。このように、接続設定を手入力で行わなくても、無線LANを拡大させることができる。
【0071】
以上の各実施の形態において、アクセスポイント装置10(101,102,103)と、無線端末装置2と、プロジェクタ装置1(1a,1b)において、
(A)プローブ要求フレームを送信し、プローブ応答フレームを受信する要求側装置と、
(B)プローブ要求フレームを受信し、プローブ応答フレームを送信する応答側装置と、
を1つの装置で構成しているが、要求側装置と応答側装置とを分けて構成してもよい。
【0072】
また、以上の各実施の形態において、複数のアクセスポイント装置101,102,103を備えて無線LANを構成しているが、例えば、複数のアクセスポイント装置101,102,103などの複数個の無線通信装置を備えて無線通信システムを構成してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0073】
本開示は、無線LANに接続された無線端末装置がアクセスポイント装置として動作する複数のプロジェクタ装置と通信を行う場合に有用である。
【符号の説明】
【0074】
1,1a,1b…プロジェクタ装置、
2…無線端末装置(ノート型パーソナルコンピュータ)、
3,3a,3b…電波、
4a,4b…スクリーン、
5…操作部、
6,10,101,102,103,104…アクセスポイント装置、
11…メイン制御部、
12…光源、
13…液晶パネル、
14…投射レンズ
15…ネットワーク制御部、
15a…情報格納部、
15b…ネットワーク識別情報検出部、
15c…ネットワーク接続部、
15d…画像生成部、
16,26…無線LANインタフェース、
17,27…アンテナ、
18,28…電界強度測定部、
31…SSIDリスト、
32…アクセスポイント装置間無線通信リスト、
33…アクセスポイント装置リスト、
34…プロジェクタ装置リスト、
151,251…CPU、
152,252…RAM、
153…ROM、
253…HDD、
254…ディスプレイ、
255…入力装置。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線LAN用中継器の機能を有する複数のアクセスポイント装置間で無線通信を行う無線LANのための無線通信装置において、
前記無線LANに属することを示す所定のネットワーク識別情報を記憶するネットワーク識別情報記憶手段と、
アクセスポイント装置固有の情報からアクセスポイント装置識別情報を生成するアクセスポイント装置情報生成手段と、
前記ネットワーク識別情報とアクセスポイント装置識別情報とを含むSSIDを生成するSSID生成手段と、
プローブ要求信号を受信して、前記プローブ要求信号に応答して、前記SSIDを含むプローブ応答信号を送信する無線送受信部と、
を備えることを特徴とする無線通信装置。
【請求項2】
無線LAN用中継器の機能を有する複数のアクセスポイント装置間で無線通信を行う無線LANのための無線通信装置において、
前記無線LANに属することを示す所定のネットワーク識別情報を記憶するネットワーク識別情報記憶手段と、
アクセスポイント装置固有の情報からアクセスポイント装置識別情報を生成するアクセスポイント装置情報生成手段と、
前記ネットワーク識別情報とアクセスポイント装置識別情報とを含むSSIDを生成するSSID生成手段と、
プローブ要求信号を送信し、前記プローブ要求信号に対するプローブ応答信号を受信する無線送受信部と、
前記受信したプローブ応答信号から前記ネットワーク識別情報を検出するネットワーク識別情報検出手段と、
前記受信したプローブ応答信号から送信元のMACアドレスを検出するMACアドレス検出手段と、
前記プローブ応答信号の送信元である無線通信装置と無線通信接続を確立する接続確立手段と、
を備えることを特徴とする無線通信装置。
【請求項3】
無線LAN用中継器の機能を有する複数のアクセスポイント装置間で無線通信を行う無線LANのための無線通信装置において、
前記無線LANに属することを示す所定のネットワーク識別情報を記憶するネットワーク識別情報記憶手段と、
アクセスポイント装置固有の情報からアクセスポイント装置識別情報を生成するアクセスポイント装置情報生成手段と、
前記ネットワーク識別情報とアクセスポイント装置識別情報とを含むSSIDを生成するSSID生成手段と、
プローブ要求信号を受信して、前記プローブ要求信号に応答して、前記SSIDを含むプローブ応答信号を送信するとともに、プローブ要求信号を送信し、前記プローブ要求信号に対するプローブ応答信号を受信する無線送受信部と、
前記受信したプローブ応答信号から前記ネットワーク識別情報を検出するネットワーク識別情報検出手段と、
前記受信したプローブ応答信号から送信元のMACアドレスを検出するMACアドレス検出手段と、
前記プローブ応答信号の送信元である無線通信装置と無線通信接続を確立する接続確立手段と、
を備えることを特徴とする無線通信装置。
【請求項4】
前記アクセスポイント装置固有の情報は、前記アクセスポイント装置に付与されているMACアドレスであることを特徴とする請求項1から3までのうちのいずれか1つに記載の無線通信装置。
【請求項5】
前記SSIDは、前記ネットワーク識別情報と、前記アクセスポイント装置識別情報と、所定のパリティとを含むことを特徴とする請求項1から3までのうちのいずれか1つに記載の無線通信装置。
【請求項6】
前記アクセスポイント装置固有の情報は、前記アクセスポイント装置に付与されているMACアドレスであることを特徴とする請求項1から3までのうちのいずれか1つに記載の無線通信装置。
【請求項7】
受信された画像データの画像を拡大して投射する光学プロジェクタ部を備えるプロジェクタ装置において、
請求項1から3までのうちのいずれか1つに記載の無線通信装置を備えることを特徴とするプロジェクタ装置。
【請求項8】
請求項1から3までのうちのいずれか1つに記載の無線通信装置を複数備えることを特徴とする無線通信システム。
【請求項9】
無線LAN用中継器の機能を有する複数のアクセスポイント装置間で無線通信を行う無線LANのための無線通信方法において、
前記無線LANに属することを示す所定のネットワーク識別情報を記憶装置に記憶するステップと、
アクセスポイント装置固有の情報からアクセスポイント装置識別情報を生成するステップと
前記ネットワーク識別情報とアクセスポイント装置識別情報とを含むSSIDを生成するステップと、
プローブ要求信号を受信して、前記プローブ要求信号に応答して、前記SSIDを含むプローブ応答信号を送信するステップと、
を含むことを特徴とする無線通信方法。
【請求項10】
無線LAN用中継器の機能を有する複数のアクセスポイント装置間で無線通信を行う無線LANのための無線通信方法において、
前記無線LANに属することを示す所定のネットワーク識別情報を記憶装置に記憶するステップと、
アクセスポイント装置固有の情報からアクセスポイント装置識別情報を生成するステップと、
前記ネットワーク識別情報とアクセスポイント装置識別情報とを含むSSIDを生成するステップと、
プローブ要求信号を送信し、前記プローブ要求信号に対するプローブ応答信号を受信するステップと、
前記受信したプローブ応答信号から前記ネットワーク識別情報を検出するステップと、
前記受信したプローブ応答信号から送信元のMACアドレスを検出するステップと、
前記プローブ応答信号の送信元である無線通信装置と無線通信接続を確立するステップと、
を含むことを特徴とする無線通信方法。
【請求項11】
無線LAN用中継器の機能を有する複数のアクセスポイント装置間で無線通信を行う無線LANのための無線通信方法において、
前記無線LANに属することを示す所定のネットワーク識別情報を記憶するステップと、
アクセスポイント装置固有の情報からアクセスポイント装置識別情報を生成するステップと、
前記ネットワーク識別情報とアクセスポイント装置識別情報とを含むSSIDを生成するステップと、
プローブ要求信号を受信して、前記プローブ要求信号に応答して、前記SSIDを含むプローブ応答信号を送信するとともに、プローブ要求信号を送信し、前記プローブ要求信号に対するプローブ応答信号を受信するステップと、
前記受信したプローブ応答信号から前記ネットワーク識別情報を検出するステップと、
前記受信したプローブ応答信号から送信元のMACアドレスを検出するステップと、
前記プローブ応答信号の送信元である無線通信装置と無線通信接続を確立するステップと、
を含むことを特徴とする無線通信方法。
【請求項1】
無線LAN用中継器の機能を有する複数のアクセスポイント装置間で無線通信を行う無線LANのための無線通信装置において、
前記無線LANに属することを示す所定のネットワーク識別情報を記憶するネットワーク識別情報記憶手段と、
アクセスポイント装置固有の情報からアクセスポイント装置識別情報を生成するアクセスポイント装置情報生成手段と、
前記ネットワーク識別情報とアクセスポイント装置識別情報とを含むSSIDを生成するSSID生成手段と、
プローブ要求信号を受信して、前記プローブ要求信号に応答して、前記SSIDを含むプローブ応答信号を送信する無線送受信部と、
を備えることを特徴とする無線通信装置。
【請求項2】
無線LAN用中継器の機能を有する複数のアクセスポイント装置間で無線通信を行う無線LANのための無線通信装置において、
前記無線LANに属することを示す所定のネットワーク識別情報を記憶するネットワーク識別情報記憶手段と、
アクセスポイント装置固有の情報からアクセスポイント装置識別情報を生成するアクセスポイント装置情報生成手段と、
前記ネットワーク識別情報とアクセスポイント装置識別情報とを含むSSIDを生成するSSID生成手段と、
プローブ要求信号を送信し、前記プローブ要求信号に対するプローブ応答信号を受信する無線送受信部と、
前記受信したプローブ応答信号から前記ネットワーク識別情報を検出するネットワーク識別情報検出手段と、
前記受信したプローブ応答信号から送信元のMACアドレスを検出するMACアドレス検出手段と、
前記プローブ応答信号の送信元である無線通信装置と無線通信接続を確立する接続確立手段と、
を備えることを特徴とする無線通信装置。
【請求項3】
無線LAN用中継器の機能を有する複数のアクセスポイント装置間で無線通信を行う無線LANのための無線通信装置において、
前記無線LANに属することを示す所定のネットワーク識別情報を記憶するネットワーク識別情報記憶手段と、
アクセスポイント装置固有の情報からアクセスポイント装置識別情報を生成するアクセスポイント装置情報生成手段と、
前記ネットワーク識別情報とアクセスポイント装置識別情報とを含むSSIDを生成するSSID生成手段と、
プローブ要求信号を受信して、前記プローブ要求信号に応答して、前記SSIDを含むプローブ応答信号を送信するとともに、プローブ要求信号を送信し、前記プローブ要求信号に対するプローブ応答信号を受信する無線送受信部と、
前記受信したプローブ応答信号から前記ネットワーク識別情報を検出するネットワーク識別情報検出手段と、
前記受信したプローブ応答信号から送信元のMACアドレスを検出するMACアドレス検出手段と、
前記プローブ応答信号の送信元である無線通信装置と無線通信接続を確立する接続確立手段と、
を備えることを特徴とする無線通信装置。
【請求項4】
前記アクセスポイント装置固有の情報は、前記アクセスポイント装置に付与されているMACアドレスであることを特徴とする請求項1から3までのうちのいずれか1つに記載の無線通信装置。
【請求項5】
前記SSIDは、前記ネットワーク識別情報と、前記アクセスポイント装置識別情報と、所定のパリティとを含むことを特徴とする請求項1から3までのうちのいずれか1つに記載の無線通信装置。
【請求項6】
前記アクセスポイント装置固有の情報は、前記アクセスポイント装置に付与されているMACアドレスであることを特徴とする請求項1から3までのうちのいずれか1つに記載の無線通信装置。
【請求項7】
受信された画像データの画像を拡大して投射する光学プロジェクタ部を備えるプロジェクタ装置において、
請求項1から3までのうちのいずれか1つに記載の無線通信装置を備えることを特徴とするプロジェクタ装置。
【請求項8】
請求項1から3までのうちのいずれか1つに記載の無線通信装置を複数備えることを特徴とする無線通信システム。
【請求項9】
無線LAN用中継器の機能を有する複数のアクセスポイント装置間で無線通信を行う無線LANのための無線通信方法において、
前記無線LANに属することを示す所定のネットワーク識別情報を記憶装置に記憶するステップと、
アクセスポイント装置固有の情報からアクセスポイント装置識別情報を生成するステップと
前記ネットワーク識別情報とアクセスポイント装置識別情報とを含むSSIDを生成するステップと、
プローブ要求信号を受信して、前記プローブ要求信号に応答して、前記SSIDを含むプローブ応答信号を送信するステップと、
を含むことを特徴とする無線通信方法。
【請求項10】
無線LAN用中継器の機能を有する複数のアクセスポイント装置間で無線通信を行う無線LANのための無線通信方法において、
前記無線LANに属することを示す所定のネットワーク識別情報を記憶装置に記憶するステップと、
アクセスポイント装置固有の情報からアクセスポイント装置識別情報を生成するステップと、
前記ネットワーク識別情報とアクセスポイント装置識別情報とを含むSSIDを生成するステップと、
プローブ要求信号を送信し、前記プローブ要求信号に対するプローブ応答信号を受信するステップと、
前記受信したプローブ応答信号から前記ネットワーク識別情報を検出するステップと、
前記受信したプローブ応答信号から送信元のMACアドレスを検出するステップと、
前記プローブ応答信号の送信元である無線通信装置と無線通信接続を確立するステップと、
を含むことを特徴とする無線通信方法。
【請求項11】
無線LAN用中継器の機能を有する複数のアクセスポイント装置間で無線通信を行う無線LANのための無線通信方法において、
前記無線LANに属することを示す所定のネットワーク識別情報を記憶するステップと、
アクセスポイント装置固有の情報からアクセスポイント装置識別情報を生成するステップと、
前記ネットワーク識別情報とアクセスポイント装置識別情報とを含むSSIDを生成するステップと、
プローブ要求信号を受信して、前記プローブ要求信号に応答して、前記SSIDを含むプローブ応答信号を送信するとともに、プローブ要求信号を送信し、前記プローブ要求信号に対するプローブ応答信号を受信するステップと、
前記受信したプローブ応答信号から前記ネットワーク識別情報を検出するステップと、
前記受信したプローブ応答信号から送信元のMACアドレスを検出するステップと、
前記プローブ応答信号の送信元である無線通信装置と無線通信接続を確立するステップと、
を含むことを特徴とする無線通信方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図8A】
【図8B】
【図8C】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16A】
【図16B】
【図17A】
【図17B】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図7C】
【図8A】
【図8B】
【図8C】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16A】
【図16B】
【図17A】
【図17B】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【公開番号】特開2013−66175(P2013−66175A)
【公開日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−188896(P2012−188896)
【出願日】平成24年8月29日(2012.8.29)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年8月29日(2012.8.29)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
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