無線通信装置及び無線通信システム
【課題】無線通信装置の通信品質を向上することが可能な技術を提供する。
【解決手段】無線リソース割り当て部15は、通信端末に対して、当該通信端末との通信に使用される無線通信方式についての利用可能帯域の空き帯域から、当該通信端末との通信に使用される使用帯域を割り当てる。占有率決定部17は、無線通信部10が通信端末と通信する場合に、当該通信端末との通信で使用される無線通信方式についての利用可能帯域に空き帯域がないときには、当該利用可能帯域についての占有率を大きくすることによって、当該利用可能帯域に空き帯域を確保する。
【解決手段】無線リソース割り当て部15は、通信端末に対して、当該通信端末との通信に使用される無線通信方式についての利用可能帯域の空き帯域から、当該通信端末との通信に使用される使用帯域を割り当てる。占有率決定部17は、無線通信部10が通信端末と通信する場合に、当該通信端末との通信で使用される無線通信方式についての利用可能帯域に空き帯域がないときには、当該利用可能帯域についての占有率を大きくすることによって、当該利用可能帯域に空き帯域を確保する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一つのシステム帯域を複数の無線通信方式で共用する無線通信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から無線通信に関して様々な技術が提案されている。例えば特許文献1には、基地局と通信端末との間の通信に複数の無線通信方式、具体的にはUTRA(UMTS Terrestrial Radio Access)−FDD(Frequency Division Duplex)方式及びUTRA−TDD(Time Division Duplex)方式が使用される無線通信システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−358644号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
さて、無線通信システムにおいては、当該無線通信システムで使用される無線通信装置の通信性能を向上することが望まれている。
【0005】
そこで、本発明は上述の点に鑑みて成されたものであり、無線通信装置の通信性能を向上することが可能な技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、システム帯域を複数の無線通信方式で共用する無線通信システムが備える無線通信装置であって、前記システム帯域は、前記複数の無線通信方式においてそれぞれ利用することが可能な複数の利用可能帯域を含み、前記複数の無線通信方式を用いて複数の通信相手装置と無線通信することが可能な無線通信部と、前記無線通信部が通信相手装置との通信で使用する無線通信方式を前記複数の無線通信方式から決定する通信方式決定部と、前記複数の利用可能帯域のそれぞれについての前記システム帯域での占有率を決定する占有率決定部と、前記無線通信部が通信する通信相手装置に対して、当該無線通信部が当該通信相手装置との通信に使用する無線通信方式についての利用可能帯域の空き帯域から、当該無線通信部が当該通信相手装置との通信に使用する使用帯域を割り当てる無線リソース割り当て部とを備え、前記占有率決定部は、前記無線通信部が通信相手装置と通信する場合に、当該無線通信部が当該通信相手装置との通信に使用する無線通信方式についての利用可能帯域に空き帯域がないときには、当該利用可能帯域についての前記占有率を大きくすることによって、当該利用可能帯域に空き帯域を確保する。
【0007】
また、本発明に係る無線通信装置の一態様では、前記通信方式決定部は、前記無線通信部が通信相手装置と通信する場合に、当該無線通信部が当該通信相手装置との通信に使用する無線通信方式についての利用可能帯域に空き帯域がなく、かつ前記占有率決定部が当該利用可能帯域についての前記占有率を大きくすることができないときには、当該無線通信部が当該通信相手装置との通信に使用する無線通信方式と同じ無線通信方式で通信している他の通信相手装置との通信に使用する無線通信方式を変更することによって、当該利用可能帯域に空き帯域を確保する。
【0008】
また、本発明に係る無線通信装置の一態様では、前記無線リソース割り当て部は、前記無線通信部が通信相手装置と通信する場合に、当該無線通信部が当該通信相手装置との通信に使用する無線通信方式についての利用可能帯域に空き帯域がないときには、当該無線通信部が当該通信相手装置との通信に使用する無線通信方式と同じ無線通信方式で通信している他の通信相手装置に割り当てる使用帯域を狭くすることによって、当該利用可能帯域に空き帯域を確保できるか否かを判断し、前記無線リソース割り当て部において、当該空き帯域を確保できると判断された場合には、前記無線リソース割り当て部は、当該他の通信相手装置に割り当てる使用帯域を狭くして当該空き帯域を確保し、前記無線リソース割り当て部において、当該空き帯域を確保できないと判断された場合には、前記占有率決定部は、当該利用可能帯域についての前記占有率を大きくすることによって当該空き帯域を確保する。
【0009】
また、本発明に係る無線通信装置は、システム帯域を複数の無線通信方式で共用する無線通信システムが備える無線通信装置であって、前記システム帯域は、前記複数の無線通信方式においてそれぞれ利用することが可能な複数の利用可能帯域を含み、前記複数の無線通信方式を用いて通信相手装置と無線通信することが可能な無線通信部と、前記無線通信部が通信相手装置との通信で使用する無線通信方式を前記複数の無線通信方式から決定する通信方式決定部と、前記無線通信部が通信する通信相手装置に対して、当該無線通信部が当該通信相手装置との通信に使用する無線通信方式についての利用可能帯域の空き帯域から、当該無線通信部が当該通信相手装置との通信に使用する使用帯域を割り当てる無線リソース割り当て部とを備え、前記通信方式決定部は、前記無線通信部が通信相手装置と通信する場合に、当該無線通信部が当該通信相手装置との通信に使用する無線通信方式についての利用可能帯域に空き帯域がないときには、当該無線通信部が当該通信相手装置との通信に使用する無線通信方式と同じ無線通信方式で通信している他の通信相手装置との通信に使用する無線通信方式を変更することによって、当該利用可能帯域に空き帯域を確保する。
【0010】
また、本発明に係る無線通信装置の一態様では、前記無線通信部が、前記複数の無線通信方式で通信することが可能な通信相手装置と通信する場合に、当該複数の無線通信方式のそれぞれについて、当該無線通信方式で当該無線通信部が当該通信相手装置と通信する際の通信品質を取得する通信品質取得部がさらに設けられ、前記通信方式決定部は、前記無線通信部が、前記複数の無線通信方式で通信することが可能な通信相手装置との通信に使用する無線通信方式を、当該複数の無線通信方式のうち前記通信品質取得部で取得された通信品質が最も良い無線通信方式とする。
【0011】
また、本発明に係る無線通信装置の一態様では、前記占有率決定部は、前記複数の無線通信方式のうちのある無線通信方式の利用可能帯域についての利用率がしきい値よりも小さくなると、当該利用可能帯域の占有率を小さくする。
【0012】
また、本発明に係る無線通信装置の一態様では、前記通信方式決定部は、前記無線通信部が、前記複数の無線通信方式で通信することが可能な通信相手装置と、当該複数の無線通信方式のうちの一つの無線通信方式を用いて通信している場合において、当該一つの無線通信方式の利用可能帯域についての利用率が第1のしきい値よりも大きく、かつ他の無線通信方式の利用可能帯域についての利用率が当該第1のしきい値以下の第2のしきい値よりも小さい状態となると、当該無線通信部が当該通信相手装置との通信に使用する無線通信方式を、当該一つの無線通信方式から当該他の無線通信方式に変更する。
【0013】
また、本発明に係る無線通信システムは、システム帯域を複数の無線通信方式で共用する無線通信システムであって、第1無線通信装置と、前記第1無線通信装置と無線通信する複数の第2無線通信装置とを備え、前記システム帯域は、前記複数の無線通信方式においてそれぞれ利用することが可能な複数の利用可能帯域を含み、前記第1無線通信装置は、前記複数の無線通信方式を用いて前記複数の第2無線通信装置と無線通信することが可能な無線通信部と、前記無線通信部が第2無線通信装置との通信で使用する無線通信方式を前記複数の無線通信方式から決定する通信方式決定部と、前記複数の利用可能帯域のそれぞれについての前記システム帯域での占有率を決定する占有率決定部と、前記無線通信部が通信する第2無線通信装置に対して、当該無線通信部が当該第2無線通信装置との通信に使用する無線通信方式についての利用可能帯域の空き帯域から、当該無線通信部が当該第2無線通信装置との通信に使用する使用帯域を割り当てる無線リソース割り当て部とを有し、前記占有率決定部は、前記無線通信部が第2無線通信装置と通信する場合に、当該無線通信部が当該第2無線通信装置との通信に使用する無線通信方式についての利用可能帯域に空き帯域がないときには、当該利用可能帯域についての前記占有率を大きくすることによって、当該利用可能帯域に空き帯域を確保する。
【0014】
また、本発明に係る無線通信システムは、システム帯域を複数の無線通信方式で共用する無線通信システムであって、第1無線通信装置と、前記第1無線通信装置と無線通信する複数の第2無線通信装置とを備え、前記システム帯域は、前記複数の無線通信方式においてそれぞれ利用することが可能な複数の利用可能帯域を含み、前記第1無線通信装置は、前記複数の無線通信方式を用いて第2無線通信装置と無線通信することが可能な無線通信部と、前記無線通信部が第2無線通信装置との通信で使用する無線通信方式を前記複数の無線通信方式から決定する通信方式決定部と、前記無線通信部が通信する第2無線通信装置に対して、当該無線通信部が当該第2無線通信装置との通信に使用する無線通信方式についての利用可能帯域の空き帯域から、当該無線通信部が当該第2無線通信装置との通信に使用する使用帯域を割り当てる無線リソース割り当て部とを有し、前記通信方式決定部は、前記無線通信部が第2無線通信装置と通信する場合に、当該無線通信部が当該第2無線通信装置との通信に使用する無線通信方式についての利用可能帯域に空き帯域がないときには、当該無線通信部が当該第2無線通信装置との通信に使用する無線通信方式と同じ無線通信方式で通信している他の第2無線通信装置との通信に使用する無線通信方式を変更することによって、当該利用可能帯域に空き帯域を確保する。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、無線通信装置の通信性能を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】無線通信システムの構成を示す図である。
【図2】システム帯域の一例を示す図である。
【図3】システム帯域の一例を示す図である。
【図4】システム帯域の一例を示す図である。
【図5】基地局の構成を示す図である。
【図6】各利用可能帯域の占有率の一例を示す図である。
【図7】使用可能方式特定テーブルの一例を示す図である。
【図8】使用方式特定テーブルの一例を示す図である。
【図9】占有率テーブルの一例を示す図である。
【図10】利用率テーブルの一例を示す図である。
【図11】複数方式端末の構成を示す図である。
【図12】単一方式端末の構成を示す図である。
【図13】基地局の動作を示すフローチャートである。
【図14】基地局の動作を示すフローチャートである。
【図15】基地局の動作を示すフローチャートである。
【図16】基地局の変形例の構成を示す図である。
【図17】基地局の変形例の動作を示すフローチャートである。
【図18】基地局の変形例の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1は本実施の形態に係る無線通信システム100の構成を示す図である。本実施の形態に係る無線通信システム100では、複数の無線通信方式、例えば2つの無線通信方式が使用される。具体的には、例えば、UTRA−TDD方式とLTE(Long Term Evolution)のTDD方式の組み合わせ、UTRA−TDD方式とUTRA−FDD方式の組み合わせ、あるいはLTEのTDD方式とLTEのFDD方式の組み合わせが使用される。以後、本実施の形態に係る無線通信システム100が使用する2つの無線通信方式を「第1方式」及び「第2方式」と呼ぶ。
【0018】
また、本実施の形態に係る無線通信システム100では、システム帯域500が複数の無線通信方式で共用されている。つまり、システム帯域500は、第1方式を用いた通信で利用することが可能な利用可能帯域と、第2方式を用いた通信で利用することが可能な利用可能帯域とで構成されている。以後、前者の利用可能帯域を「第1方式利用可能帯域」と呼び、後者の利用可能帯域を「第2方式利用可能帯域」と呼ぶ。また、第1及び第2方式利用可能帯域を特に区別する必要がない場合には、それぞれを単に「利用可能帯域」と呼ぶ。また、無線通信方式を単に「通信方式」と呼ぶ。
【0019】
図2はシステム帯域500の一例を示している。図2に示されるように、システム帯域500は、周波数軸上で連続しており、第1方式利用可能帯域501と第2方式利用可能帯域502とで構成されている。本実施の形態では、後述するように、システム帯域500における各利用可能帯域の占有率(システム帯域500において各利用可能帯域が占める割合)は変更可能となっている。例えば、第1及び第2方式利用可能帯域の占有率をそれぞれ40%及び60%としたり、第1及び第2方式利用可能帯域の占有率をそれぞれ30%及び70%としたりすることができる。
【0020】
なお図3に示されるように、システム帯域500は、周波数軸上で互いに離れて配置された複数の部分周波数帯域500a,500bで構成されても良い。この場合には、第1及び第2方式利用可能帯域のそれぞれは、複数の部分周波数帯域500a,500bのうちの一方あるいは両方に配置されることになる。
【0021】
また、各利用可能帯域は、図2の例のように周波数軸上で連続している必要はなく、図4に示されるように、周波数軸上で互いに離れて配置された複数の部分周波数帯域で構成されても良い。図4の例では、第1方式利用可能帯域501は周波数軸上で互いに離れて配置された2つの部分周波数帯域501a,501bで構成されており、第2方式利用可能帯域502は周波数軸上で互いに離れて配置された2つの部分周波数帯域502a,502bで構成されている。
【0022】
図1に戻って、無線通信システム100は、無線通信装置である複数の基地局1を備えている。各基地局1は、複数の通信方式を使用して、無線通信装置である複数の通信端末2と双方向の無線通信を行うことが可能である。各基地局1のサービスエリア150は、周辺基地局1のサービスエリア150と部分的に重なっている。図1では、4つの基地局1だけしか示されていないため、1つの基地局1に対して周辺基地局1が2つあるいは3つだけしか存在していないが、実際には、1つの基地局1に対して例えば6つの周辺基地局1が存在することがある。
【0023】
複数の基地局1は、図示しないネットワークに接続されており、当該ネットワークを通じて互いに通信可能となっている。また、ネットワークには図示しないサーバ装置が接続されており、各基地局1は、ネットワークを通じてサーバ装置と通信可能となっている。
【0024】
<基地局の構成>
図5は各基地局1の構成を示す図である。図5に示されるように、基地局1は、複数の通信方式を用いて複数の通信端末2と無線通信することが可能な無線通信部10と、当該無線通信部10を制御する制御部13とを備えている。
【0025】
無線通信部10は、第1方式を用いて通信端末2と無線通信する第1通信部11と、第2方式を用いて通信端末2と無線通信する第2通信部12とで構成されている。第1通信部11は、第1方式を用いて通信する通信端末2からの送信信号をアンテナ11aで受信する。そして、第1通信部11は、アンテナ11aでの受信信号に対して増幅処理、ダウンコンバート及びA/D変換処理等を行って、ベースバンドの受信信号を生成して出力する。
【0026】
同様に、第2通信部12は、第2方式を用いて通信する通信端末2からの送信信号をアンテナ12aで受信する。そして、第2通信部12は、アンテナ12aでの受信信号に対して増幅処理、ダウンコンバート及びA/D変換処理等を行って、ベースバンドの受信信号を生成して出力する。
【0027】
また、第1通信部11は、制御部13で生成される、第1方式に応じたベースバンドの送信信号に対して、D/A変換処理、アップコンバート及び増幅処理等を行って、搬送帯域の送信信号を生成する。そして、第1通信部11は、生成した搬送帯域の送信信号をアンテナ11aから無線送信する。
【0028】
同様に、第2通信部12は、制御部13で生成される、第2方式に応じたベースバンドの送信信号に対して、D/A変換処理、アップコンバート及び増幅処理等を行って、搬送帯域の送信信号を生成する。そして、第2通信部12は、生成した搬送帯域の送信信号をアンテナ12aから無線送信する。
【0029】
制御部13は、CPU(Central Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)及びメモリなどで構成されている。制御部13には、CPU及びDSPがメモリ内のプログラムを実行することによって、送受信処理部14、無線リソース割り当て部15、通信方式決定部16、占有率決定部17、利用率算出部18及び記憶部19などの機能ブロックが形成される。
【0030】
送受信処理部14は、第1通信部11から出力される受信信号に対して復調処理等を行って、当該受信信号に含まれる制御データやユーザデータなどを取得する。送受信処理部14は、第2通信部12から出力される受信信号に対して復調処理等を行って、当該受信信号に含まれる制御データやユーザデータなどを取得する。
【0031】
また送受信処理部14は、第1方式を用いて通信する通信端末2に送信する、第1方式に応じた送信信号を生成する。そして、送受信処理部14は、生成した送信信号に対して変調処理等を行ってベースバンドの送信信号を生成し、当該ベースバンドの送信信号を第1通信部11に入力する。これにより、基地局1からは、第1方式を用いて通信する通信端末2に対して、第1方式に応じた送信信号が無線送信される。
【0032】
また送受信処理部14は、第2方式を用いて通信する通信端末2に送信する、第2方式に応じた送信信号を生成する。そして、送受信処理部14は、生成した送信信号に対して変調処理等を行ってベースバンドの送信信号を生成し、当該ベースバンドの送信信号を第2通信部12に入力する。これにより、基地局1からは、第2方式を用いて通信する通信端末2に対して、第2方式に応じた送信信号が無線送信される。
【0033】
無線リソース割り当て部15は、無線通信部10が通信する通信端末2に対して、無線通信部10が当該通信端末2との通信(より詳細には個別通信)で使用する無線リソースを割り当てる。具体的には、無線リソース割り当て部15は、無線通信部10が通信する通信端末2に対して、無線通信部10が当該通信端末2との通信に使用する使用帯域及び使用時間帯等を割り当てる。無線リソース割り当て部15は、通信端末2に対して使用帯域を割り当てる場合には、当該通信端末2が通信に使用する通信方式についての利用可能帯域(第1方式利用可能帯域あるいは第2方式利用可能帯域)の空き帯域から当該使用帯域を割り当てる。
【0034】
送受信処理部14は、無線リソース割り当て部15が通信端末2に割り当てた無線リソースに基づいて、当該通信端末2に送信すべき送信信号を生成するとともに、当該無線リソースに基づいたタイミングで当該送信信号を無線通信部10に入力する。これにより、通信端末2に送信すべき送信信号が、当該通信端末2に割り当てられた無線リソースを用いて無線通信部10から送信される。
【0035】
また送受信処理部14は、無線リソース割り当て部15が通信端末2に割り当てた無線リソースを当該通信端末2に通知するための制御データを含む送信信号を生成して出力する。これにより、通信端末2は、基地局1との間の下り通信及び上り通信で使用する無線リソースを知ることができる。よって、通信端末2は、基地局1からの自装置宛ての信号を適切に受信することができるとともに、基地局1において自装置に割り当てられた無線リソースを用いて信号を送信することができる。
【0036】
通信方式決定部16は、無線通信部10が通信端末2との通信で使用する通信方式を決定する。ここで、本実施の形態では、第1方式及び第2方式のうちの一方の通信方式だけしか使用することができない通信端末2と、第1方式及び第2方式の両方を使用することが可能な通信端末2とが存在する。以後、前者の通信端末2を「単一方式端末2a」と呼び、後者の通信端末2を「複数方式端末2b」と呼ぶ。通信方式決定部16は、無線通信部10が単一方式端末2aと通信する場合には、無線通信部10が当該単一方式端末2aとの通信で使用する通信方式を、当該単一方式端末2aが通信に使用する通信方式(第1方式あるいは第2方式)とする。一方で、通信方式決定部16は、無線通信部10が複数方式端末2bと通信する場合には、無線通信部10が当該複数方式端末2bとの通信で使用する通信方式を、当該複数方式端末2bが通信に使用することが可能な複数の通信方式(第1及び第2方式)から選択する。
【0037】
送受信処理部14は、無線通信部10が複数方式端末2bと通信する場合に、通信方式決定部16が決定した、無線通信部10が当該複数方式端末2bとの通信で使用する通信方式を当該複数方式端末2bに通知するための制御データを含む送信信号を生成して出力する。これにより、複数方式端末2bに対しては、基地局1との通信に使用する通信方式が通知され、当該複数方式端末2bは当該通信方式を用いて基地局1と通信する。
【0038】
占有率決定部17は、第1方式利用可能帯域及び第2方式利用可能帯域のそれぞれについてのシステム帯域での占有率を決定する。例えば、占有率決定部17は、第1方式利用可能帯域の占有率を70%とし、第2方式利用可能帯域の占有率を30%とする。図6は、第1方式利用可能帯域501及び第2方式利用可能帯域502の占有率がそれぞれ70%及び30%に設定されている様子を示す図である。図6の例では、無線通信部10は、第2方式を使用する通信端末2と通信する場合よりも、第1方式を使用する通信端末2と通信する場合の方が、より多くの周波数帯域を利用することができる。なお、占有率決定部17は、第1方式利用可能帯域及び第2方式利用可能帯域のそれぞれの占有率の初期値として例えば50%を採用する。
【0039】
利用率算出部18は、第1方式利用可能帯域及び第2方式利用可能帯域のそれぞれについての利用率を求める。つまり、利用率算出部18は、第1方式利用可能帯域及び第2方式利用可能帯域のそれぞれについて、無線通信部10が通信端末2との通信で使用している周波数帯域の割合を求める。利用率算出部18では、例えば、第1方式利用可能帯域についての利用率が40%、第2方式利用可能帯域についての利用率が60%と求められる。
【0040】
記憶部19は、使用可能方式特定テーブル19a、使用方式特定テーブル19b、占有率テーブル19c及び利用率テーブル19dを記憶している。図7〜10は、これらのテーブルをそれぞれ示す図である。
【0041】
使用可能方式特定テーブル19aには、基地局1が通信する各通信端末2が、第1及び第2方式のうちのどの通信方式を使用することが可能かどうかが記述されている。具体的には、図7に示されるように、使用可能方式特定テーブル19aには、基地局1が通信する各通信端末2について、通信端末2の端末ID(通信端末2を識別するための識別情報)と、当該通信端末2が使用することが可能な通信方式とが対応付けられて登録されている。図7の例では、端末IDが“1”の通信端末2は第1方式だけが使用可能であって、端末IDが“2”及び“4”の通信端末2は第2方式だけが使用可能であって、端末IDが“3”の通信端末2は第1及び第2方式の両方が使用可能である。
【0042】
使用方式特定テーブル19bには、無線通信部10が現在通信している各通信端末2について、無線通信部10が当該通信端末2との通信で使用している通信方式が記述されている。具体的には、図8に示されるように、使用方式特定テーブル19bには、無線通信部10が通信している各通信端末2について、通信端末2の端末IDと、当該通信端末2との通信で無線通信部10が使用している通信方式とが対応付けられて登録されている。図8の例では、端末IDが“1”の通信端末2は第1方式を使用しており、端末IDが“2”、“3”及び“4”の通信端末2は第2方式を使用している。
【0043】
占有率テーブル19cには、図9に示されるように、占有率決定部17で決定された、第1方式利用可能帯域及び第2方式利用可能帯域のそれぞれについての占有率が記述されている。
【0044】
利用率テーブル19dには、図10に示されるように、利用率算出部18で求められた、第1方式利用可能帯域及び第2方式利用可能帯域のそれぞれでの利用率が記述されている。なお、利用率算出部18は、上述の使用方式特定テーブル19bまたは占有率テーブル19cが更新されると、第1方式利用可能帯域及び第2方式利用可能帯域のそれぞれでの利用率を求め、利用率テーブル19dを更新する。
【0045】
本実施の形態に係る基地局1では、通信方式決定部16は、記憶部19に記憶されている各種テーブルを参照して、無線通信部10が通信端末2との通信で使用する通信方式を決定する。また、占有率決定部17は、記憶部19に記憶されている各種テーブルを参照して、第1方式利用可能帯域及び第2方式利用可能帯域のそれぞれについての占有率を決定する。通信方式決定部16及び占有率決定部17の動作については後で詳細に説明する。
【0046】
<通信端末の構成>
図11は複数方式端末2bの構成を示す図である。図11に示されるように、複数方式端末2bは、基地局1と無線通信を行う無線通信部20と、当該無線通信部20を制御する制御部23とを備えている。
【0047】
無線通信部20は、第1方式を用いて基地局1と無線通信する第1通信部21と、第2方式を用いて基地局1と無線通信する第2通信部22とで構成されている。第1通信部21は、基地局1から第1方式を用いて送信される送信信号をアンテナ21aで受信する。そして、第1通信部21は、アンテナ21aでの受信信号に対して増幅処理、ダウンコンバート及びA/D変換処理等を行って、ベースバンドの受信信号を生成して出力する。
【0048】
同様に、第2通信部22は、基地局1が第2方式を用いて送信する送信信号をアンテナ22aで受信する。そして、第2通信部22は、アンテナ22aでの受信信号に対して増幅処理、ダウンコンバート及びA/D変換処理等を行って、ベースバンドの受信信号を生成して出力する。
【0049】
また、第1通信部21は、制御部23で生成される、第1方式に応じたベースバンドの送信信号に対して、D/A変換処理、アップコンバート及び増幅処理等を行って、搬送帯域の送信信号を生成する。そして、第1通信部21は、生成した搬送帯域の送信信号をアンテナ21aから無線送信する。
【0050】
同様に、第2通信部22は、制御部23で生成される、第2方式に応じたベースバンドの送信信号に対して、D/A変換処理、アップコンバート及び増幅処理等を行って、搬送帯域の送信信号を生成する。そして、第2通信部22は、生成した搬送帯域の送信信号をアンテナ22aから無線送信する。
【0051】
制御部23は、CPU、DSP及びメモリなどで構成されている。制御部23での各種機能は、CPU及びDSPがメモリ内のプログラムを実行することによって実現される。制御部23は、基地局1から第1方式を使用することが通知されていると、第1通信部21から出力される受信信号に対して復調処理等を行って、当該受信信号に含まれる制御データやユーザデータなどを取得する。一方で、制御部23は、基地局1から第2方式を使用することが通知されていると、第2通信部22から出力される受信信号に対して復調処理等を行って、当該受信信号に含まれる制御データやユーザデータなどを取得する。
【0052】
また制御部23は、基地局1から第1方式を使用することが通知されていると、第1方式に応じた送信信号を生成する。そして、制御部23は、生成した送信信号に対して変調処理等を行ってベースバンドの送信信号を生成し、当該ベースバンドの送信信号を第1通信部21に入力する。これにより、複数方式端末2bからは、第1方式に応じた送信信号が基地局1に無線送信される。一方で、制御部23は、基地局1から第2方式を使用することが通知されていると、第2方式に応じた送信信号を生成する。そして、制御部23は、生成した送信信号に対して変調処理等を行ってベースバンドの送信信号を生成し、当該ベースバンドの送信信号を第2通信部22に入力する。これにより、複数方式端末2bからは、第2方式に応じた送信信号が基地局1に無線送信される。
【0053】
このように、複数方式端末2bは、基地局1が当該複数方式端末2bとの通信で使用することを決定した通信方式を用いて基地局1と通信を行う。
【0054】
図12は単一方式端末2aの構成を示す図である。図12に示されるように、単一方式端末2aは、基地局1と無線通信を行う無線通信部25と、当該無線通信部25を制御する制御部26とを備えている。
【0055】
無線通信部25は、自身が使用可能な通信方式を用いて基地局1が送信する送信信号をアンテナ25aで受信する。そして、無線通信部25は、アンテナ25aでの受信信号に対して増幅処理、ダウンコンバート及びA/D変換処理等を行って、ベースバンドの受信信号を生成して出力する。また、無線通信部25は、制御部26で生成されるベースバンドの送信信号に対して、D/A変換処理、アップコンバート及び増幅処理等を行って、搬送帯域の送信信号を生成する。そして、無線通信部25は、生成した搬送帯域の送信信号をアンテナ25aから無線送信する。
【0056】
制御部26は、CPU、DSP及びメモリなどで構成されている。制御部26での各種機能は、CPU及びDSPがメモリ内のプログラムを実行することによって実現される。制御部26は、無線通信部25から出力される受信信号に対して復調処理等を行って、当該受信信号に含まれる制御データやユーザデータなどを取得する。また制御部26は、使用可能な通信方式に応じた送信信号を生成する。そして、制御部26は、生成した送信信号に対して変調処理等を行ってベースバンドの送信信号を生成し、当該ベースバンドの送信信号を無線通信部25に入力する。これにより、単一方式端末2aは、使用可能な通信方式(第1方式あるいは第2方式)を使用して基地局1に信号を送信する。
【0057】
<基地局での単一方式端末との接続動作>
次に基地局1が単一方式端末2aと接続を行う際の当該基地局1での動作について説明する。図13は基地局1での当該動作を示すフローチャートである。以後、説明対象の単一方式端末2aを「対象単一方式端末2a」と呼ぶ。
【0058】
基地局1が対象単一方式端末2aと接続を行う際には、図13に示されるように、ステップs1において、通信方式決定部16は、対象単一方式端末2aが使用可能な通信方式を確認し、当該通信方式を無線通信部10が対象単一方式端末2aとの通信に使用する通信方式として決定する。以後、無線通信部10が通信端末2との通信に使用すると決定する通信方式を「使用通信方式」と呼ぶ。対象単一方式端末2aは、基地局1と通信を開始する際に(基地局1との初期接続時に)、自装置が使用可能な通信方式を基地局1に通知する。
【0059】
次にステップs2において、通信方式決定部16は、記憶部19内の使用可能方式特定テーブル19aに対して、対象単一方式端末2aの端末IDと、対象単一方式端末2aが使用可能な通信方式とを対応付けて登録する。これにより、使用可能方式特定テーブル19aが更新される。
【0060】
次にステップs3において、無線リソース割り当て部15は、対象単一方式端末2aについての使用通信方式の利用可能帯域(第1方式利用可能帯域あるいは第2方式利用可能帯域)に空き帯域があるか否かを判定する。ステップs3において空き帯域があると判定されると、ステップs4において、通信方式決定部16は、使用方式特定テーブル19bに対して、対象単一方式端末2aの端末ID及び使用通信方式を対応付けて登録する。これにより、使用方式特定テーブル19bが更新される。無線リソース割り当て部15は、対象単一方式端末2aについての使用通信方式の利用可能帯域の空き帯域がある場合には、対象単一方式端末2aと基地局1が通信可能であると判断して、当該空き帯域から対象単一方式端末2aに対して使用帯域を割り当てる。
【0061】
一方で、ステップs3において空き帯域がないと判定されると、ステップs5において、基地局1は、対象単一方式端末2aについての使用通信方式の利用可能帯域に空き帯域を確保するための空き帯域確保処理を行う。図14は当該空き帯域確保処理を示すフローチャートである。
【0062】
図14に示されるように、空き帯域確保処理では、まずステップs51において、占有率決定部17は、対象単一方式端末2aについての使用通信方式の利用可能帯域についての占有率(以後、「対象占有率」と呼ぶ)を大きくできるか否かを判定する。
【0063】
ここで、本実施の形態では、基地局1が、第1方式で通信する通信端末2及び第2方式で通信する通信端末2の一方と全く通信することができないことを防止するために、第1及び第2方式利用可能帯域のそれぞれの占有率について、これ以上小さくすることができない最低占有率が定められている。最低占有率は例えば20%に設定される。占有率決定部17は、占有率テーブル19cを参照して、対象単一方式端末2aについての使用通信方式以外の通信方式の利用可能帯域についての占有率がすべて最低占有率の場合には、対象占有率を大きくすることができないと判定する。
【0064】
さらに、占有率決定部17は、利用率テーブル19dを参照して、対象単一方式端末2aについての使用通信方式以外の通信方式の利用可能帯域についての利用率がすべて100%である場合には、対象占有率を大きくすることができないと判定する。
【0065】
一方で、占有率決定部17は、対象単一方式端末2aについての使用通信方式以外の通信方式の利用可能帯域において占有率が最低占有率となっていない利用可能帯域が存在し、かつ当該使用通信方式以外の通信方式の利用可能帯域において利用率が100%ではない利用可能帯域が存在する場合には、対象占有率を大きくすることができると判定する。
【0066】
ステップs51において、対象占有率を大きくすることができると判定されると、ステップs52において、占有率決定部17は、対象単一方式端末2aについての使用通信方式以外の通信方式であって、利用可能帯域についての占有率が最低占有率ではなく、かつ利用可能帯域についての利用率が100%ではない通信方式の利用可能帯域についての占有率を小さくする。このとき、当該利用可能帯域において使用されている周波数帯域を確保しつつ、当該利用可能帯域についての占有率が最低占有率よりも小さくならないように、当該利用可能帯域についての占有率を小さくする。そして、占有率決定部17は、基地局1が使用可能な複数の通信方式の利用可能帯域についての占有率の総和が100%となるように、対象占有率を大きくする。例えば、対象単一方式端末2aについての使用通信方式が第1方式であって、ステップs52の実行前において、第1及び第2方式利用可能帯域の占有率がともに50%であるとすると、ステップs52では、例えば、第2方式利用可能帯域の占有率が50%から40%に変更されて、第1方式利用可能帯域の占有率(対象占有率)が50%から60%に変更される。
【0067】
このように、対象単一方式端末2aについての使用通信方式の利用可能帯域に空き帯域が無い場合に、当該利用可能帯域の占有率を大きくすることによって、当該利用可能帯域に空き帯域を確保することができる。よって、基地局1は当該空き帯域を利用して対象単一方式端末2aと通信することができる。その結果、基地局1の通信性能が向上する。無線リソース割り当て部15は、対象単一方式端末2aについての使用通信方式の利用可能帯域において、このように確保された空き帯域から、対象単一方式端末2aに対して使用帯域を割り当てる。
【0068】
ステップs52が実行されると、ステップs53において、占有率決定部17は、ステップs52での占有率の変更に基づいて占有率テーブル19cを更新する。
【0069】
次にステップs54において、通信方式決定部16は、使用方式特定テーブル19bに対して、対象単一方式端末2aの端末ID及び使用通信方式を対応付けて登録する。これにより、使用方式特定テーブル19bが更新される。
【0070】
上述のステップs51において、対象占有率が大きくできないと判定されると、ステップs55において、占有率決定部17は、記憶部19内の使用可能方式特定テーブル19aを参照して、基地局1が通信中の通信端末2が単一方式端末2aのみかを判定する。ステップs55において、基地局1が通信中の通信端末2が単一方式端末2aのみではないと判定されると、つまり、基地局1が通信中の通信端末2に複数方式端末2bが存在すると判定されると、ステップs56において、通信方式決定部16は、対象単一方式端末2aについての使用通信方式と同じ通信方式を使用して通信している複数方式端末2bについての使用通信方式を変更できるか否かを判定する。言い換えれば、通信方式決定部16は、対象単一方式端末2aについての使用通信方式と同一の通信方式を使用して基地局1と通信する複数方式端末2bが使用する利用可能帯域を、対象単一方式端末2aについての使用通信方式の利用可能帯域から、当該使用通信方式以外の通信方式の利用可能帯域に変更できるか否かを判定する。
【0071】
ステップs56において、通信方式決定部16は、対象単一方式端末2aについての使用通信方式以外の通信方式の利用可能帯域についての利用率がすべて100%のときには、当該使用通信方式と同じ通信方式を使用して通信している複数方式端末2bについての使用通信方式を変更できないと判定する。一方で、通信方式決定部16は、対象単一方式端末2aについての使用通信方式以外の通信方式の利用可能帯域において、利用率が100%ではない利用可能帯域が存在する場合には、当該使用通信方式と同じ通信方式を使用して通信している複数方式端末2bについての使用通信方式を変更できると判定する。
【0072】
ステップs56において、対象単一方式端末2aについての使用通信方式と同じ通信方式を使用して通信している複数方式端末2bについての使用通信方式を変更できないと判定されると、対象単一方式端末2aについての使用通信方式の利用可能帯域には空き帯域が確保されずに、空き帯域確保処理が終了する。この場合には、対象単一方式端末2aは基地局1に接続できないことになる。
【0073】
一方で、ステップs56において、対象単一方式端末2aについての使用通信方式と同じ通信方式を使用して通信している複数方式端末2bについての使用通信方式を変更できる判定されると、ステップs57において、通信方式決定部16は、対象単一方式端末2aの使用通信方式と同じ通信方式を使用して通信している少なくとも一つの複数方式端末2bについての使用通信方式を変更する。例えば、対象単一方式端末2aについての使用通信方式が第1方式である場合には、通信方式決定部16は、第1方式を用いて無線通信部10と通信している少なくとも一つの複数方式端末2bについての使用通信方式を第1方式から第2方式に変更する。
【0074】
このように、対象単一方式端末2aについての使用通信方式の利用可能帯域に空き帯域が無い場合において、当該使用通信方式と同じ通信方式を使用して通信している複数方式端末2bについての使用通信方式を変更することによって、当該複数方式端末2bが、対象単一方式端末2aについての使用通信方式と同じ通信方式を使用して通信する際に使用していた周波数帯域が使用されなくなり、対象単一方式端末2aについての使用通信方式の利用可能帯域に空き帯域が確保されることになる。よって、基地局1は、当該空き帯域を利用して対象単一方式端末2aと通信することが可能となる。その結果、基地局1の通信性能が向上する。無線リソース割り当て部15は、対象単一方式端末2aについての使用通信方式の利用可能帯域において、このように確保された空き帯域から、対象単一方式端末2aに対して使用帯域を割り当てる。また、無線リソース割り当て部15は、使用通信方式を変更した複数方式端末2bに対して、変更後の使用通信方式の利用可能帯域の空き帯域から使用帯域を割り当てる。
【0075】
上述のステップs55において、基地局1が通信中の通信端末2が単一方式端末2aのみであると判定されると、複数方式端末2bの使用通信方式を変更することはできないことから、対象単一方式端末2aについての使用通信方式の利用可能帯域に空き帯域が確保されずに、空き帯域確保処理が終了する。この場合には、対象単一方式端末2aは基地局1に接続できないことになる。
【0076】
ステップs57が実行されると、ステップs58において、通信方式決定部16は、ステップs58で行われた、複数方式端末2bの使用通信方式の変更に基づいて使用方式特定テーブル19bを更新する。さらに、通信方式決定部16は、使用方式特定テーブル19bに対して対象単一方式端末2aの端末ID及び使用通信方式を対応付けて登録し、使用方式特定テーブル19bを更新する。
【0077】
ステップs57において、複数方式端末2bの使用通信方式が変更されると、送受信処理部14は、当該複数方式端末2bに対して、変更後の使用通信方式(新たに決定された使用通信方式)を通知するための制御データを含む送信信号を生成して出力する。これにより、当該複数方式端末2bに対しては変更後の使用通信方式が通知され、以後、当該複数方式端末2bは当該変更後の使用通信方式を用いて基地局1と通信する。
【0078】
なお、図14の例において、ステップs55〜s58は実行されなくても良い。この場合には、ステップs51において対象占有率が大きくできないと判定されると、対象単一方式端末2aは基地局1に接続できないことになり、空き帯域確保処理が終了する。
【0079】
また、図14の例において、ステップs51〜s54は実行されなくても良い。この場合の空き帯域確保処理では、まずステップs55が実行されることになる。
【0080】
また、複数方式端末2bの使用通信方式を変更することによって、対象単一方式端末2aの使用通信方式についての利用可能帯域に空き帯域を確保する場合には、上述のように、基地局1は当該複数方式端末2bに対して変更後の使用通信方式を通知し、当該複数方式端末2bは基地局1からの指示に基づいて使用通信方式を変更する必要がある。
【0081】
これに対して、対象単一方式端末2aの使用通信方式についての利用可能帯域の占有率を大きくすることによって、当該利用可能帯域に空き帯域を確保する場合には、当該空き帯域の確保にともなって、基地局1は通信端末2を特に制御する必要はなく、通信端末2は特別な処理を行う必要はない。よって、この場合の方が、基地局1及び通信端末2での処理を少なくすることができる。
【0082】
<基地局での複数方式端末との接続動作>
次に基地局1が複数方式端末2bと接続を行う際の当該基地局1での動作について説明する。図15は基地局1での当該動作を示すフローチャートである。以後、説明対象の複数方式端末2bを「対象複数方式端末2b」と呼ぶ。
【0083】
基地局1が対象複数方式端末2bと接続を行う際には、図15に示されるように、ステップs11において、通信方式決定部16は、対象複数方式端末2bから通知される、対象複数方式端末2bが使用可能な複数の通信方式(第1及び第2方式)を確認する。以後、対象複数方式端末2bが使用可能な通信方式を「使用可能通信方式」と呼ぶ。そして、ステップs12において、通信方式決定部16は、記憶部19内の使用可能方式特定テーブル19aに対して、対象複数方式端末2bの端末IDと、対象複数方式端末2bについての複数の使用可能通信方式とを対応付けて登録する。これにより、使用可能方式特定テーブル19aが更新される。
【0084】
次にステップs13において、通信方式決定部16は、利用率テーブル19dを参照して、対象複数方式端末2bについての複数の使用可能通信方式の利用可能帯域において、空き帯域を有する利用可能帯域が存在するか否かを判定する。ステップs13において、対象複数方式端末2bについての複数の使用可能通信方式の利用可能帯域において、空き帯域を有する利用可能帯域が存在しないと判定された場合には、対象複数方式端末2bは基地局1に接続できないことになる。
【0085】
一方で、ステップs13において、対象複数方式端末2bについての複数の使用可能通信方式の利用可能帯域において、空き帯域を有する利用可能帯域が存在すると判定された場合には、ステップs14において、通信方式決定部16は、当該複数の使用可能通信方式の利用可能帯域において、空き帯域を有する利用可能帯域が一つか否かを判定する。
【0086】
ステップs14において、対象複数方式端末2bについての複数の使用可能通信方式の利用可能帯域において、空き帯域を有する利用可能帯域が一つであると判定された場合には、ステップs15において、通信方式決定部16は、当該空き帯域を有する利用可能帯域に対応する通信方式を、対象複数方式端末2bについての使用通信方式とする。そして、通信方式決定部16は、使用方式特定テーブル19bに対して、対象複数方式端末2bの端末ID及び使用通信方式とを対応付けて登録する。これにより、使用方式特定テーブル19bが更新される。
【0087】
一方で、ステップs14において、対象複数方式端末2bについての複数の使用可能通信方式の利用可能帯域において、空き帯域を有する利用可能帯域が一つではないと判定された場合には、つまり、対象複数方式端末2bについての複数の使用可能通信方式の利用可能帯域において、空き帯域を有する複数の利用可能帯域が存在すると判定されると、通信方式決定部16は、利用率テーブル19dを参照して、当該複数の利用可能帯域のうち、利用率が最低の利用可能帯域に対応する通信方式を選択する。例えば、第1及び第2方式利用可能帯域の両方に空き帯域が存在する場合であって、第1方式利用可能帯域の利用率が第2方式利用可能帯域の利用率よりも小さい場合には、利用率が小さい方の第1方式利用可能帯域に対応する第1方式を選択する。そして、通信方式決定部16は、選択した通信方式を、対象複数方式端末2bについての使用通信方式とする。その後、通信方式決定部16は、ステップs15を実行して、使用方式特定テーブル19bに対して、対象複数方式端末2bの端末ID及び使用通信方式を対応付けて登録する。
【0088】
このように、本実施の形態では、対象複数方式端末2bについての複数の使用可能通信方式の利用可能帯域において、空き帯域を有する複数の利用可能帯域が存在する場合には、当該複数の利用可能帯域のうち利用率が最小の利用可能帯域に対応する通信方式を対象複数方式端末2bについての使用通信方式としている。そのため、基地局1が使用することが可能な複数の通信方式の利用可能帯域の間において利用率の差が大きくなることを抑制できる。よって、基地局1において、特定の通信方式を用いて通信する通信端末2と接続しにくくなることを抑制することができる。
【0089】
<利用率が小さくなった利用可能帯域の占有率の変更>
本実施の形態に係る基地局1では、占有率決定部17が、無線通信部10が使用可能な複数の通信方式のうちのある通信方式の利用可能帯域についての利用率がしきい値よりも小さくなると、当該利用可能帯域の占有率を小さくするようになっている。占有率決定部17は、例えば、ある通信方式の利用可能帯域についての利用率が20%よりも小さくなると、当該利用可能帯域の占有率を20%だけ小さくする。
【0090】
ある通信方式の利用可能帯域についての利用率が小さい場合には、基地局1の周辺には、当該ある通信方式を用いて通信する通信端末2はあまり存在しないと考えることができる。このような場合に、当該ある通信方式の利用可能帯域の占有率を小さくすることによって、当該ある通信方式とは別の通信方式の利用可能帯域の占有率を大きくすることができるため、システム帯域を有効利用することができる。例えば、第1方式利用可能帯域の利用率が20%よりも小さくなった場合には、第1方式利用可能帯域の占有率を20%だけ小さくし、第2方式利用可能帯域の占有率を20%だけ大きくすることによって、システム帯域を有効利用する。
【0091】
<利用可能帯域の利用率に基づいた複数方式端末の使用通信方式の変更>
本実施の形態に係る基地局1では、通信方式決定部16が、無線通信部10が通信する複数方式端末2bの使用通信方式の利用可能帯域についての利用率が第1のしきい値よりも大きく、かつ当該複数方式端末2bが通信に使用することが可能な、使用通信方式以外の通信方式の利用可能帯域についての利用率が当該第1のしきい値以下の第2のしきい値よりも小さい状態となると、当該複数方式端末2bの使用通信方式を当該他の通信方式に変更するようになっている。
【0092】
通信方式決定部16は、例えば、無線通信部10が通信する複数方式端末2bが通信に使用する第1方式の利用可能帯域(第1方式利用可能帯域)についての利用率が80%よりも大きく、かつ第2方式の利用可能帯域(第2方式利用可能帯域)についての利用率が20%よりも小さい状態となると、当該複数方式端末2bの使用通信方式を第1方式から第2方式に変更するようになっている。
【0093】
このように、無線通信部10が通信している複数方式端末2bについて、当該複数方式端末2bについての現在の使用通信方式の利用可能帯域の利用率が大きい場合に、当該複数方式端末2bの使用通信方式を、利用率が小さい利用可能帯域に対応する他の通信方式に変更することによって、システム帯域を有効利用することができる。よって、基地局1において、特定の通信方式を用いて通信する通信端末2と接続しにくくなることを抑制することができる。
【0094】
<各種変形例>
<第1変形例>
上述の図14に示される空き帯域確保処理では、まず、ステップs51において対象占有率が大きくできるか否かを判定していたが、ステップs51の前に、基地局1の無線リソース割り当て部15は、無線通信部10が対象単一方式端末2aの使用通信方式と同じ通信方式で通信している他の通信端末2に割り当てる使用帯域を狭くすることによって、対象単一方式端末2aの使用通信方式の利用可能帯域に空き帯域を確保できるか否かを判定しても良い。
【0095】
具体的には、無線リソース割り当て部15は、まず、無線通信部10が対象単一方式端末2aの使用通信方式と同じ通信方式で通信している各通信端末2について、現在割り当てられている使用帯域が最小必要帯域となっているか否かを確認する。ここで、最小必要帯域とは、通信対象の通信端末2に対して最低限割り当てるべき使用帯域を意味している。無線リソース割り当て部15は、通信端末2ごとに最小必要帯域を決定する。例えば、基地局1との間で動画データの通信を行う通信端末2についての最小必要帯域は比較的大きな値となり、基地局1との間で音声データの通信を行う通信端末2についての最小必要帯域は比較的小さい値となる。
【0096】
無線リソース割り当て部15は、無線通信部10が対象単一方式端末2aの使用通信方式と同じ通信方式で通信している各通信端末2に現在割り当てられている使用帯域がすべて最小必要帯域である場合には、対象単一方式端末2aの使用通信方式の利用可能帯域に空き帯域を確保できないと判定する。
【0097】
一方で、無線リソース割り当て部15は、無線通信部10が対象単一方式端末2aの使用通信方式と同じ通信方式で通信している各通信端末2において、現在割り当てられている使用帯域が最小必要帯域ではない通信端末2が存在する場合には、対象単一方式端末2aの使用通信方式の利用可能帯域に空き帯域を確保できると判定する。
【0098】
無線リソース割り当て部15が対象単一方式端末2aの使用通信方式の利用可能帯域に空き帯域を確保できないと判定すると、上述のステップs51が実行されて、占有率決定部17は、対象占有率を大きくできるか否かを判定する。以後、図14での処理と同様の処理が行われる。
【0099】
他方、無線リソース割り当て部15は、対象単一方式端末2aの使用通信方式の利用可能帯域に空き帯域を確保できると判定すると、無線通信部10が対象単一方式端末2aの使用通信方式と同じ通信方式で通信している通信端末2であって、現在割り当てられている使用帯域が最小必要帯域ではない通信端末2に割り当てる使用帯域を狭くして、対象単一方式端末2aの使用通信方式の利用可能帯域に空き帯域を確保する。そして、無線リソース割り当て部15は、対象単一方式端末2aについての使用通信方式の利用可能帯域に確保された空き帯域から、対象単一方式端末2aに対して使用帯域を割り当てる。
【0100】
このように、対象単一方式端末2aについての使用通信方式の利用可能帯域に空き帯域が無い場合に、無線通信部10が対象単一方式端末2aの使用通信方式と同じ通信方式で通信している他の通信端末2に割り当てる使用帯域を狭くすることによって、対象単一方式端末2aの使用通信方式の利用可能帯域に空き帯域を確保し、基地局1は当該空き帯域を利用して対象単一方式端末2aと通信することができる。その結果、基地局1の通信性能が向上する。
【0101】
<第2変形例>
上述の説明では、基地局1が複数方式端末2bと接続を行う際には、当該複数方式端末2bについての複数の使用可能通信方式のうち、利用率が最低の利用可能帯域に対応する使用可能通信方式を当該複数方式端末2bの使用通信方式としたが、通信品質が最も良い使用可能通信方式を当該複数方式端末2bの使用通信方式としても良い。以下に本変形例に係る基地局1について説明する。
【0102】
図16は、本変形例に係る基地局1の構成を示すブロック図である。図16に示されるように、本変形例に係る基地局1は、上述の図5に示される基地局1において、制御部13が機能ブロックとして通信品質取得部50をさらに備えるものである。
【0103】
通信品質取得部50は、無線通信部10が複数方式端末2bと通信する場合には、当該複数方式端末2bについての複数の使用可能通信方式のそれぞれについて、当該使用可能通信方式で無線通信部10が当該複数方式端末2bと通信する際の通信品質を取得する。例えば、通信品質取得部50は、送受信処理部14及び無線通信部10を通じて、複数方式端末2bに対して一つの使用可能通信方式で通信するように指示する。そして、通信品質取得部50は、一つの使用可能通信方式で通信する複数方式端末2bからの受信信号に基づいて通信品質を求める。通信品質取得部50は、この処理を、複数方式端末2bの複数の使用可能通信方式のそれぞれについて行う。なお、通信品質としては、例えば、SINR(Signal to Interference and Noise power Ratio、信号対干渉雑音電力比)あるはEVM(Error Vector Magnitude)などが求められる。
【0104】
図17は、本変形例に係る基地局1が対象複数方式端末2bと接続を行う際の当該基地局1での動作を示すフローチャートである。図17に示されるように、基地局1では、上述のステップs11と同様に、ステップs21において、通信方式決定部16が、対象複数方式端末2bから通知される、対象複数方式端末2bについての複数の使用可能通信方式を確認する。次にステップs22において、通信方式決定部16は、使用可能方式特定テーブル19aに対して、対象複数方式端末2bの端末IDと、対象複数方式端末2bについての複数の使用可能通信方式とを対応付けて登録する。
【0105】
次にステップs23において、通信品質取得部50は、対象複数方式端末2bについての複数の使用可能通信方式のそれぞれについて、当該使用可能通信方式で無線通信部10が当該複数方式端末2bと通信する際の通信品質を取得する。
【0106】
次にステップs24において、通信方式決定部16は、対象複数方式端末2bについての複数の使用可能通信方式のうち、ステップs23で取得された通信品質が最も良い使用可能通信方式(以後、「最良通信方式」と呼ぶ)の利用可能帯域に空き帯域があるか否かを判定する。
【0107】
ステップs24において最良通信方式の利用可能帯域に空き帯域があると判定されると、ステップs25において、通信方式決定部16は、最良通信方式を、無線通信部10が対象複数方式端末2bとの通信で使用する使用通信方式とする。そして、通信方式決定部16は、使用方式特定テーブル19bに対して、対象複数方式端末2bの端末ID及び使用通信方式を対応付けて登録する。
【0108】
一方で、ステップs24において最良通信方式の利用可能帯域に空き帯域が無いと判定されると、ステップs26において、基地局1は、最良通信方式の利用可能帯域に空き帯域を確保するための空き帯域確保処理を行う。図18はステップs26での空き帯域確保処理を示すフローチャートである。
【0109】
図18に示されるように、ステップs26での空き帯域確保処理では、まずステップs261において、占有率決定部17は、上述のステップs51と同様にして、対象複数方式端末2bの最良通信方式の利用可能帯域についての占有率を大きくできるか否かを判定する。
【0110】
ステップs261において、対象複数方式端末2bの最良通信方式の利用可能帯域についての占有率を大きくすることができると判定されると、ステップs262において、通信方式決定部16は、対象複数方式端末2bの最良通信方式を、対象複数方式端末2bの使用通信方式とする。そして、ステップs263において、占有率決定部17は、上述のステップs52と同様にして、対象複数方式端末2bについての使用通信方式(最良通信方式)以外の通信方式であって、利用可能帯域についての占有率が最低占有率ではなく、かつ利用可能帯域についての利用率が100%ではない通信方式の利用可能帯域についての占有率を小さくする。そして、占有率決定部17は、基地局1が使用可能な複数の通信方式の利用可能帯域についての占有率の総和が100%となるように、対象複数方式端末2bの最良通信方式の利用可能帯域についての占有率を大きくする。
【0111】
このように、対象複数方式端末2bについての最良通信方式の利用可能帯域に空き帯域が無い場合に、当該利用可能帯域の占有率を大きくすることによって、当該利用可能帯域に空き帯域を確保することができる。よって、基地局1は当該空き帯域を利用して対象複数方式端末2bと通信することができる。無線リソース割り当て部15は、対象複数方式端末2bについての使用通信方式(最良通信方式)の利用可能帯域において、このように確保された空き帯域から、対象複数方式端末2bに対して使用帯域を割り当てる。
【0112】
ステップs263が実行されると、ステップs264において、占有率決定部17は、ステップs263での占有率の変更に基づいて占有率テーブル19cを更新する。次にステップs265において、通信方式決定部16は、使用方式特定テーブル19bに対して、対象複数方式端末2bの端末ID及び使用通信方式を対応付けて登録する。
【0113】
上述のステップs261において、対象複数方式端末2bについての最良通信方式の利用可能帯域の占有率が大きくできないと判定されると、ステップs266において、占有率決定部17は、使用可能方式特定テーブル19aを参照して、基地局1が通信中の通信端末2が単一方式端末2aのみかを判定する。ステップs266において、基地局1が通信中の通信端末2が単一方式端末2aのみではないと判定されると、ステップs267において、通信方式決定部16は、上述のステップs56と同様にして、無線通信部10が対象複数方式端末2bについての使用通信方式と同じ通信方式を使用して通信している複数方式端末2bについての使用通信方式を変更できるか否かを判定する。
【0114】
ステップs267において、対象複数方式端末2bについての使用通信方式と同じ通信方式を使用して通信している複数方式端末2bについての使用通信方式を変更できると判定されると、ステップs268において、通信方式決定部16は、対象複数方式端末2bの最良通信方式を、対象複数方式端末2bの使用通信方式とする。そして、ステップs269において、通信方式決定部16は、上述のステップs57と同様にして、対象複数方式端末2bの使用通信方式と同じ通信方式を使用して通信している少なくとも一つの複数方式端末2bについての使用通信方式を変更する。
【0115】
このように、対象複数方式端末2bについての最良通信方式の利用可能帯域に空き帯域が無い場合において、当該最良通信方式と同じ通信方式を使用して通信している複数方式端末2bについての使用通信方式を変更することによって、当該複数方式端末2bが、対象複数方式端末2bについての使用通信方式と同じ通信方式を使用して通信する際に使用していた周波数帯域が使用されなくなり、対象複数方式端末2bについての使用通信方式の利用可能帯域に空き帯域が生じることになる。よって、基地局1は、当該空き帯域を利用して対象複数方式端末2bと通信することが可能となる。無線リソース割り当て部15は、対象複数方式端末2bについての使用通信方式(最良通信方式)の利用可能帯域において、このように確保された空き帯域から、対象複数方式端末2bに対して使用帯域を割り当てる。また、無線リソース割り当て部15は、使用通信方式を変更した複数方式端末2bに対して、変更後の使用通信方式の利用可能帯域の空き帯域から使用帯域を割り当てる。
【0116】
ステップs269が実行されると、ステップs270において、通信方式決定部16は、ステップs269で行われた、複数方式端末2bの使用通信方式の変更に基づいて使用方式特定テーブル19bを更新する。さらに、通信方式決定部16は、使用方式特定テーブル19bに対して、対象複数方式端末2bの端末ID及び使用通信方式を対応付けて登録する。
【0117】
ステップs269において、複数方式端末2bの使用通信方式が変更されると、送受信処理部14は、当該複数方式端末2bに対して、変更後の使用通信方式を通知するための制御データを含む送信信号を生成して出力する。これにより、当該複数方式端末2bに対しては、変更後の使用通信方式が通知され、その後、当該複数方式端末2bは当該変更後の使用通信方式を用いて基地局1と通信する。
【0118】
上述のステップs266において、基地局1が通信中の通信端末2が単一方式端末2aのみであると判定された場合と、上述のステップs267において、対象複数方式端末2bについての使用通信方式と同じ通信方式を使用して通信している複数方式端末2bについての使用通信方式を変更できないと判定された場合には、基地局1ではステップs271が実行される。
【0119】
ステップs271では、通信方式決定部16が、対象複数方式端末2bについての複数の使用可能通信方式において、最良通信方式以外の使用可能通信方式であって、利用可能帯域に空き帯域が存在する使用可能通信方式を、対象複数方式端末2bの使用通信方式に決定する。このとき、利用可能帯域に空き帯域が存在する使用可能通信方式が複数存在する場合には、それらの使用可能通信方式のうち、ステップs23で取得された通信品質が最も良い使用可能通信方式を、対象複数方式端末2bの使用通信方式に決定しても良い。
【0120】
なお、対象複数方式端末2bについての複数の使用可能通信方式において、最良通信方式以外の使用可能通信方式であって、利用可能帯域に空き帯域が存在する使用可能通信方式が存在しないような場合には、対象複数方式端末2bは基地局1に接続できないことになる。
【0121】
ステップs271において、対象複数方式端末2bの使用通信方式が決定されると、ステップs272において、通信方式決定部16は、使用方式特定テーブル19bに対して、対象複数方式端末2bの端末ID及び使用通信方式を対応付けて登録する。
【0122】
以上のように、複数方式端末2bについての複数の使用可能通信方式のうち、通信品質が最も良い使用可能通信方式を当該複数方式端末2bの使用通信方式とすることによって、基地局1と当該複数方式端末2bとの間の通信性能をさらに向上することができる。
【0123】
なお、図18の例においても、ステップs266〜s270は実行されなくても良い。この場合には、ステップs261において、対象複数方式端末2bの最良通信方式の利用可能帯域についての占有率が大きくできないと判定されると、ステップs271が実行されることになる。
【0124】
また、図18の例において、ステップs261〜s265は実行されなくても良い。この場合の空き帯域確保処理では、まずステップs266が実行されることになる。
【0125】
また、上述の第1変形例と同様に、ステップs261の前に、基地局1の無線リソース割り当て部15は、無線通信部10が対象複数方式端末2bの最良通信方式と同じ通信方式で通信している他の通信端末2に割り当てる使用帯域を狭くすることによって、当該最良通信方式の利用可能帯域に空き帯域を確保できるか否かを判定しても良い。この場合には、無線リソース割り当て部15が対象複数方式端末2bの最良通信方式の利用可能帯域に空き帯域を確保できないと判定すると、上述のステップs261が実行されて、以後、図18での処理と同様の処理が行われる。一方で、無線リソース割り当て部15が対象複数方式端末2bの最良通信方式の利用可能帯域に空き帯域を確保できると判定すると、当該最良通信方式が対象複数方式端末2bの使用通信方式となる。無線リソース割り当て部15は、無線通信部10が当該最良通信方式と同じ通信方式で通信している通信端末2であって、現在割り当てられている使用帯域が最小必要帯域ではない通信端末2に割り当てる使用帯域を狭くして、当該最良通信方式の利用可能帯域に空き帯域を確保する。そして、無線リソース割り当て部15は、対象複数方式端末2bについての最良通信方式の利用可能帯域に確保された空き帯域から、対象複数方式端末2bに対して使用帯域を割り当てる。
【0126】
また、対象複数方式端末2bについての複数の使用可能通信方式に関して、通信品質取得部50が取得する通信品質の差があまり無い場合には、ステップs24〜s26を実行せずに、上述の図15に示されるように、対象複数方式端末2bについての複数の使用可能通信方式において、利用率が最低の利用可能帯域に対応する使用可能通信方式を対象複数方式端末2bの使用通信方式としても良い。
【0127】
<その他の変形例>
上記の例では、基地局1は通信端末2との通信に2つの通信方式を使用することが可能であったが、3つ以上の通信方式を使用することが可能であっても良い。例えば、基地局1は通信端末2との通信に、UTRA−TDD方式、LTEのTDD方式及びLTEのFDD方式の3つの通信方式を使用することが可能であっても良い。
【0128】
また上記の説明では、本願発明を基地局1と通信端末2とを備える無線通信システム100に適用する場合について説明したが、本願発明はこれに限定されず、本願発明は複数の無線通信装置を備えるような無線通信システムであれば適用することができる。
【符号の説明】
【0129】
1 基地局
2 通信端末
10 無線通信部
15 無線リソース割り当て部
16 通信方式決定部
17 占有率決定部
50 通信品質取得部
100 無線通信システム
500 システム帯域
501 第1方式利用可能帯域
502 第2方式利用可能帯域
【技術分野】
【0001】
本発明は、一つのシステム帯域を複数の無線通信方式で共用する無線通信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から無線通信に関して様々な技術が提案されている。例えば特許文献1には、基地局と通信端末との間の通信に複数の無線通信方式、具体的にはUTRA(UMTS Terrestrial Radio Access)−FDD(Frequency Division Duplex)方式及びUTRA−TDD(Time Division Duplex)方式が使用される無線通信システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−358644号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
さて、無線通信システムにおいては、当該無線通信システムで使用される無線通信装置の通信性能を向上することが望まれている。
【0005】
そこで、本発明は上述の点に鑑みて成されたものであり、無線通信装置の通信性能を向上することが可能な技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、システム帯域を複数の無線通信方式で共用する無線通信システムが備える無線通信装置であって、前記システム帯域は、前記複数の無線通信方式においてそれぞれ利用することが可能な複数の利用可能帯域を含み、前記複数の無線通信方式を用いて複数の通信相手装置と無線通信することが可能な無線通信部と、前記無線通信部が通信相手装置との通信で使用する無線通信方式を前記複数の無線通信方式から決定する通信方式決定部と、前記複数の利用可能帯域のそれぞれについての前記システム帯域での占有率を決定する占有率決定部と、前記無線通信部が通信する通信相手装置に対して、当該無線通信部が当該通信相手装置との通信に使用する無線通信方式についての利用可能帯域の空き帯域から、当該無線通信部が当該通信相手装置との通信に使用する使用帯域を割り当てる無線リソース割り当て部とを備え、前記占有率決定部は、前記無線通信部が通信相手装置と通信する場合に、当該無線通信部が当該通信相手装置との通信に使用する無線通信方式についての利用可能帯域に空き帯域がないときには、当該利用可能帯域についての前記占有率を大きくすることによって、当該利用可能帯域に空き帯域を確保する。
【0007】
また、本発明に係る無線通信装置の一態様では、前記通信方式決定部は、前記無線通信部が通信相手装置と通信する場合に、当該無線通信部が当該通信相手装置との通信に使用する無線通信方式についての利用可能帯域に空き帯域がなく、かつ前記占有率決定部が当該利用可能帯域についての前記占有率を大きくすることができないときには、当該無線通信部が当該通信相手装置との通信に使用する無線通信方式と同じ無線通信方式で通信している他の通信相手装置との通信に使用する無線通信方式を変更することによって、当該利用可能帯域に空き帯域を確保する。
【0008】
また、本発明に係る無線通信装置の一態様では、前記無線リソース割り当て部は、前記無線通信部が通信相手装置と通信する場合に、当該無線通信部が当該通信相手装置との通信に使用する無線通信方式についての利用可能帯域に空き帯域がないときには、当該無線通信部が当該通信相手装置との通信に使用する無線通信方式と同じ無線通信方式で通信している他の通信相手装置に割り当てる使用帯域を狭くすることによって、当該利用可能帯域に空き帯域を確保できるか否かを判断し、前記無線リソース割り当て部において、当該空き帯域を確保できると判断された場合には、前記無線リソース割り当て部は、当該他の通信相手装置に割り当てる使用帯域を狭くして当該空き帯域を確保し、前記無線リソース割り当て部において、当該空き帯域を確保できないと判断された場合には、前記占有率決定部は、当該利用可能帯域についての前記占有率を大きくすることによって当該空き帯域を確保する。
【0009】
また、本発明に係る無線通信装置は、システム帯域を複数の無線通信方式で共用する無線通信システムが備える無線通信装置であって、前記システム帯域は、前記複数の無線通信方式においてそれぞれ利用することが可能な複数の利用可能帯域を含み、前記複数の無線通信方式を用いて通信相手装置と無線通信することが可能な無線通信部と、前記無線通信部が通信相手装置との通信で使用する無線通信方式を前記複数の無線通信方式から決定する通信方式決定部と、前記無線通信部が通信する通信相手装置に対して、当該無線通信部が当該通信相手装置との通信に使用する無線通信方式についての利用可能帯域の空き帯域から、当該無線通信部が当該通信相手装置との通信に使用する使用帯域を割り当てる無線リソース割り当て部とを備え、前記通信方式決定部は、前記無線通信部が通信相手装置と通信する場合に、当該無線通信部が当該通信相手装置との通信に使用する無線通信方式についての利用可能帯域に空き帯域がないときには、当該無線通信部が当該通信相手装置との通信に使用する無線通信方式と同じ無線通信方式で通信している他の通信相手装置との通信に使用する無線通信方式を変更することによって、当該利用可能帯域に空き帯域を確保する。
【0010】
また、本発明に係る無線通信装置の一態様では、前記無線通信部が、前記複数の無線通信方式で通信することが可能な通信相手装置と通信する場合に、当該複数の無線通信方式のそれぞれについて、当該無線通信方式で当該無線通信部が当該通信相手装置と通信する際の通信品質を取得する通信品質取得部がさらに設けられ、前記通信方式決定部は、前記無線通信部が、前記複数の無線通信方式で通信することが可能な通信相手装置との通信に使用する無線通信方式を、当該複数の無線通信方式のうち前記通信品質取得部で取得された通信品質が最も良い無線通信方式とする。
【0011】
また、本発明に係る無線通信装置の一態様では、前記占有率決定部は、前記複数の無線通信方式のうちのある無線通信方式の利用可能帯域についての利用率がしきい値よりも小さくなると、当該利用可能帯域の占有率を小さくする。
【0012】
また、本発明に係る無線通信装置の一態様では、前記通信方式決定部は、前記無線通信部が、前記複数の無線通信方式で通信することが可能な通信相手装置と、当該複数の無線通信方式のうちの一つの無線通信方式を用いて通信している場合において、当該一つの無線通信方式の利用可能帯域についての利用率が第1のしきい値よりも大きく、かつ他の無線通信方式の利用可能帯域についての利用率が当該第1のしきい値以下の第2のしきい値よりも小さい状態となると、当該無線通信部が当該通信相手装置との通信に使用する無線通信方式を、当該一つの無線通信方式から当該他の無線通信方式に変更する。
【0013】
また、本発明に係る無線通信システムは、システム帯域を複数の無線通信方式で共用する無線通信システムであって、第1無線通信装置と、前記第1無線通信装置と無線通信する複数の第2無線通信装置とを備え、前記システム帯域は、前記複数の無線通信方式においてそれぞれ利用することが可能な複数の利用可能帯域を含み、前記第1無線通信装置は、前記複数の無線通信方式を用いて前記複数の第2無線通信装置と無線通信することが可能な無線通信部と、前記無線通信部が第2無線通信装置との通信で使用する無線通信方式を前記複数の無線通信方式から決定する通信方式決定部と、前記複数の利用可能帯域のそれぞれについての前記システム帯域での占有率を決定する占有率決定部と、前記無線通信部が通信する第2無線通信装置に対して、当該無線通信部が当該第2無線通信装置との通信に使用する無線通信方式についての利用可能帯域の空き帯域から、当該無線通信部が当該第2無線通信装置との通信に使用する使用帯域を割り当てる無線リソース割り当て部とを有し、前記占有率決定部は、前記無線通信部が第2無線通信装置と通信する場合に、当該無線通信部が当該第2無線通信装置との通信に使用する無線通信方式についての利用可能帯域に空き帯域がないときには、当該利用可能帯域についての前記占有率を大きくすることによって、当該利用可能帯域に空き帯域を確保する。
【0014】
また、本発明に係る無線通信システムは、システム帯域を複数の無線通信方式で共用する無線通信システムであって、第1無線通信装置と、前記第1無線通信装置と無線通信する複数の第2無線通信装置とを備え、前記システム帯域は、前記複数の無線通信方式においてそれぞれ利用することが可能な複数の利用可能帯域を含み、前記第1無線通信装置は、前記複数の無線通信方式を用いて第2無線通信装置と無線通信することが可能な無線通信部と、前記無線通信部が第2無線通信装置との通信で使用する無線通信方式を前記複数の無線通信方式から決定する通信方式決定部と、前記無線通信部が通信する第2無線通信装置に対して、当該無線通信部が当該第2無線通信装置との通信に使用する無線通信方式についての利用可能帯域の空き帯域から、当該無線通信部が当該第2無線通信装置との通信に使用する使用帯域を割り当てる無線リソース割り当て部とを有し、前記通信方式決定部は、前記無線通信部が第2無線通信装置と通信する場合に、当該無線通信部が当該第2無線通信装置との通信に使用する無線通信方式についての利用可能帯域に空き帯域がないときには、当該無線通信部が当該第2無線通信装置との通信に使用する無線通信方式と同じ無線通信方式で通信している他の第2無線通信装置との通信に使用する無線通信方式を変更することによって、当該利用可能帯域に空き帯域を確保する。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、無線通信装置の通信性能を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】無線通信システムの構成を示す図である。
【図2】システム帯域の一例を示す図である。
【図3】システム帯域の一例を示す図である。
【図4】システム帯域の一例を示す図である。
【図5】基地局の構成を示す図である。
【図6】各利用可能帯域の占有率の一例を示す図である。
【図7】使用可能方式特定テーブルの一例を示す図である。
【図8】使用方式特定テーブルの一例を示す図である。
【図9】占有率テーブルの一例を示す図である。
【図10】利用率テーブルの一例を示す図である。
【図11】複数方式端末の構成を示す図である。
【図12】単一方式端末の構成を示す図である。
【図13】基地局の動作を示すフローチャートである。
【図14】基地局の動作を示すフローチャートである。
【図15】基地局の動作を示すフローチャートである。
【図16】基地局の変形例の構成を示す図である。
【図17】基地局の変形例の動作を示すフローチャートである。
【図18】基地局の変形例の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1は本実施の形態に係る無線通信システム100の構成を示す図である。本実施の形態に係る無線通信システム100では、複数の無線通信方式、例えば2つの無線通信方式が使用される。具体的には、例えば、UTRA−TDD方式とLTE(Long Term Evolution)のTDD方式の組み合わせ、UTRA−TDD方式とUTRA−FDD方式の組み合わせ、あるいはLTEのTDD方式とLTEのFDD方式の組み合わせが使用される。以後、本実施の形態に係る無線通信システム100が使用する2つの無線通信方式を「第1方式」及び「第2方式」と呼ぶ。
【0018】
また、本実施の形態に係る無線通信システム100では、システム帯域500が複数の無線通信方式で共用されている。つまり、システム帯域500は、第1方式を用いた通信で利用することが可能な利用可能帯域と、第2方式を用いた通信で利用することが可能な利用可能帯域とで構成されている。以後、前者の利用可能帯域を「第1方式利用可能帯域」と呼び、後者の利用可能帯域を「第2方式利用可能帯域」と呼ぶ。また、第1及び第2方式利用可能帯域を特に区別する必要がない場合には、それぞれを単に「利用可能帯域」と呼ぶ。また、無線通信方式を単に「通信方式」と呼ぶ。
【0019】
図2はシステム帯域500の一例を示している。図2に示されるように、システム帯域500は、周波数軸上で連続しており、第1方式利用可能帯域501と第2方式利用可能帯域502とで構成されている。本実施の形態では、後述するように、システム帯域500における各利用可能帯域の占有率(システム帯域500において各利用可能帯域が占める割合)は変更可能となっている。例えば、第1及び第2方式利用可能帯域の占有率をそれぞれ40%及び60%としたり、第1及び第2方式利用可能帯域の占有率をそれぞれ30%及び70%としたりすることができる。
【0020】
なお図3に示されるように、システム帯域500は、周波数軸上で互いに離れて配置された複数の部分周波数帯域500a,500bで構成されても良い。この場合には、第1及び第2方式利用可能帯域のそれぞれは、複数の部分周波数帯域500a,500bのうちの一方あるいは両方に配置されることになる。
【0021】
また、各利用可能帯域は、図2の例のように周波数軸上で連続している必要はなく、図4に示されるように、周波数軸上で互いに離れて配置された複数の部分周波数帯域で構成されても良い。図4の例では、第1方式利用可能帯域501は周波数軸上で互いに離れて配置された2つの部分周波数帯域501a,501bで構成されており、第2方式利用可能帯域502は周波数軸上で互いに離れて配置された2つの部分周波数帯域502a,502bで構成されている。
【0022】
図1に戻って、無線通信システム100は、無線通信装置である複数の基地局1を備えている。各基地局1は、複数の通信方式を使用して、無線通信装置である複数の通信端末2と双方向の無線通信を行うことが可能である。各基地局1のサービスエリア150は、周辺基地局1のサービスエリア150と部分的に重なっている。図1では、4つの基地局1だけしか示されていないため、1つの基地局1に対して周辺基地局1が2つあるいは3つだけしか存在していないが、実際には、1つの基地局1に対して例えば6つの周辺基地局1が存在することがある。
【0023】
複数の基地局1は、図示しないネットワークに接続されており、当該ネットワークを通じて互いに通信可能となっている。また、ネットワークには図示しないサーバ装置が接続されており、各基地局1は、ネットワークを通じてサーバ装置と通信可能となっている。
【0024】
<基地局の構成>
図5は各基地局1の構成を示す図である。図5に示されるように、基地局1は、複数の通信方式を用いて複数の通信端末2と無線通信することが可能な無線通信部10と、当該無線通信部10を制御する制御部13とを備えている。
【0025】
無線通信部10は、第1方式を用いて通信端末2と無線通信する第1通信部11と、第2方式を用いて通信端末2と無線通信する第2通信部12とで構成されている。第1通信部11は、第1方式を用いて通信する通信端末2からの送信信号をアンテナ11aで受信する。そして、第1通信部11は、アンテナ11aでの受信信号に対して増幅処理、ダウンコンバート及びA/D変換処理等を行って、ベースバンドの受信信号を生成して出力する。
【0026】
同様に、第2通信部12は、第2方式を用いて通信する通信端末2からの送信信号をアンテナ12aで受信する。そして、第2通信部12は、アンテナ12aでの受信信号に対して増幅処理、ダウンコンバート及びA/D変換処理等を行って、ベースバンドの受信信号を生成して出力する。
【0027】
また、第1通信部11は、制御部13で生成される、第1方式に応じたベースバンドの送信信号に対して、D/A変換処理、アップコンバート及び増幅処理等を行って、搬送帯域の送信信号を生成する。そして、第1通信部11は、生成した搬送帯域の送信信号をアンテナ11aから無線送信する。
【0028】
同様に、第2通信部12は、制御部13で生成される、第2方式に応じたベースバンドの送信信号に対して、D/A変換処理、アップコンバート及び増幅処理等を行って、搬送帯域の送信信号を生成する。そして、第2通信部12は、生成した搬送帯域の送信信号をアンテナ12aから無線送信する。
【0029】
制御部13は、CPU(Central Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)及びメモリなどで構成されている。制御部13には、CPU及びDSPがメモリ内のプログラムを実行することによって、送受信処理部14、無線リソース割り当て部15、通信方式決定部16、占有率決定部17、利用率算出部18及び記憶部19などの機能ブロックが形成される。
【0030】
送受信処理部14は、第1通信部11から出力される受信信号に対して復調処理等を行って、当該受信信号に含まれる制御データやユーザデータなどを取得する。送受信処理部14は、第2通信部12から出力される受信信号に対して復調処理等を行って、当該受信信号に含まれる制御データやユーザデータなどを取得する。
【0031】
また送受信処理部14は、第1方式を用いて通信する通信端末2に送信する、第1方式に応じた送信信号を生成する。そして、送受信処理部14は、生成した送信信号に対して変調処理等を行ってベースバンドの送信信号を生成し、当該ベースバンドの送信信号を第1通信部11に入力する。これにより、基地局1からは、第1方式を用いて通信する通信端末2に対して、第1方式に応じた送信信号が無線送信される。
【0032】
また送受信処理部14は、第2方式を用いて通信する通信端末2に送信する、第2方式に応じた送信信号を生成する。そして、送受信処理部14は、生成した送信信号に対して変調処理等を行ってベースバンドの送信信号を生成し、当該ベースバンドの送信信号を第2通信部12に入力する。これにより、基地局1からは、第2方式を用いて通信する通信端末2に対して、第2方式に応じた送信信号が無線送信される。
【0033】
無線リソース割り当て部15は、無線通信部10が通信する通信端末2に対して、無線通信部10が当該通信端末2との通信(より詳細には個別通信)で使用する無線リソースを割り当てる。具体的には、無線リソース割り当て部15は、無線通信部10が通信する通信端末2に対して、無線通信部10が当該通信端末2との通信に使用する使用帯域及び使用時間帯等を割り当てる。無線リソース割り当て部15は、通信端末2に対して使用帯域を割り当てる場合には、当該通信端末2が通信に使用する通信方式についての利用可能帯域(第1方式利用可能帯域あるいは第2方式利用可能帯域)の空き帯域から当該使用帯域を割り当てる。
【0034】
送受信処理部14は、無線リソース割り当て部15が通信端末2に割り当てた無線リソースに基づいて、当該通信端末2に送信すべき送信信号を生成するとともに、当該無線リソースに基づいたタイミングで当該送信信号を無線通信部10に入力する。これにより、通信端末2に送信すべき送信信号が、当該通信端末2に割り当てられた無線リソースを用いて無線通信部10から送信される。
【0035】
また送受信処理部14は、無線リソース割り当て部15が通信端末2に割り当てた無線リソースを当該通信端末2に通知するための制御データを含む送信信号を生成して出力する。これにより、通信端末2は、基地局1との間の下り通信及び上り通信で使用する無線リソースを知ることができる。よって、通信端末2は、基地局1からの自装置宛ての信号を適切に受信することができるとともに、基地局1において自装置に割り当てられた無線リソースを用いて信号を送信することができる。
【0036】
通信方式決定部16は、無線通信部10が通信端末2との通信で使用する通信方式を決定する。ここで、本実施の形態では、第1方式及び第2方式のうちの一方の通信方式だけしか使用することができない通信端末2と、第1方式及び第2方式の両方を使用することが可能な通信端末2とが存在する。以後、前者の通信端末2を「単一方式端末2a」と呼び、後者の通信端末2を「複数方式端末2b」と呼ぶ。通信方式決定部16は、無線通信部10が単一方式端末2aと通信する場合には、無線通信部10が当該単一方式端末2aとの通信で使用する通信方式を、当該単一方式端末2aが通信に使用する通信方式(第1方式あるいは第2方式)とする。一方で、通信方式決定部16は、無線通信部10が複数方式端末2bと通信する場合には、無線通信部10が当該複数方式端末2bとの通信で使用する通信方式を、当該複数方式端末2bが通信に使用することが可能な複数の通信方式(第1及び第2方式)から選択する。
【0037】
送受信処理部14は、無線通信部10が複数方式端末2bと通信する場合に、通信方式決定部16が決定した、無線通信部10が当該複数方式端末2bとの通信で使用する通信方式を当該複数方式端末2bに通知するための制御データを含む送信信号を生成して出力する。これにより、複数方式端末2bに対しては、基地局1との通信に使用する通信方式が通知され、当該複数方式端末2bは当該通信方式を用いて基地局1と通信する。
【0038】
占有率決定部17は、第1方式利用可能帯域及び第2方式利用可能帯域のそれぞれについてのシステム帯域での占有率を決定する。例えば、占有率決定部17は、第1方式利用可能帯域の占有率を70%とし、第2方式利用可能帯域の占有率を30%とする。図6は、第1方式利用可能帯域501及び第2方式利用可能帯域502の占有率がそれぞれ70%及び30%に設定されている様子を示す図である。図6の例では、無線通信部10は、第2方式を使用する通信端末2と通信する場合よりも、第1方式を使用する通信端末2と通信する場合の方が、より多くの周波数帯域を利用することができる。なお、占有率決定部17は、第1方式利用可能帯域及び第2方式利用可能帯域のそれぞれの占有率の初期値として例えば50%を採用する。
【0039】
利用率算出部18は、第1方式利用可能帯域及び第2方式利用可能帯域のそれぞれについての利用率を求める。つまり、利用率算出部18は、第1方式利用可能帯域及び第2方式利用可能帯域のそれぞれについて、無線通信部10が通信端末2との通信で使用している周波数帯域の割合を求める。利用率算出部18では、例えば、第1方式利用可能帯域についての利用率が40%、第2方式利用可能帯域についての利用率が60%と求められる。
【0040】
記憶部19は、使用可能方式特定テーブル19a、使用方式特定テーブル19b、占有率テーブル19c及び利用率テーブル19dを記憶している。図7〜10は、これらのテーブルをそれぞれ示す図である。
【0041】
使用可能方式特定テーブル19aには、基地局1が通信する各通信端末2が、第1及び第2方式のうちのどの通信方式を使用することが可能かどうかが記述されている。具体的には、図7に示されるように、使用可能方式特定テーブル19aには、基地局1が通信する各通信端末2について、通信端末2の端末ID(通信端末2を識別するための識別情報)と、当該通信端末2が使用することが可能な通信方式とが対応付けられて登録されている。図7の例では、端末IDが“1”の通信端末2は第1方式だけが使用可能であって、端末IDが“2”及び“4”の通信端末2は第2方式だけが使用可能であって、端末IDが“3”の通信端末2は第1及び第2方式の両方が使用可能である。
【0042】
使用方式特定テーブル19bには、無線通信部10が現在通信している各通信端末2について、無線通信部10が当該通信端末2との通信で使用している通信方式が記述されている。具体的には、図8に示されるように、使用方式特定テーブル19bには、無線通信部10が通信している各通信端末2について、通信端末2の端末IDと、当該通信端末2との通信で無線通信部10が使用している通信方式とが対応付けられて登録されている。図8の例では、端末IDが“1”の通信端末2は第1方式を使用しており、端末IDが“2”、“3”及び“4”の通信端末2は第2方式を使用している。
【0043】
占有率テーブル19cには、図9に示されるように、占有率決定部17で決定された、第1方式利用可能帯域及び第2方式利用可能帯域のそれぞれについての占有率が記述されている。
【0044】
利用率テーブル19dには、図10に示されるように、利用率算出部18で求められた、第1方式利用可能帯域及び第2方式利用可能帯域のそれぞれでの利用率が記述されている。なお、利用率算出部18は、上述の使用方式特定テーブル19bまたは占有率テーブル19cが更新されると、第1方式利用可能帯域及び第2方式利用可能帯域のそれぞれでの利用率を求め、利用率テーブル19dを更新する。
【0045】
本実施の形態に係る基地局1では、通信方式決定部16は、記憶部19に記憶されている各種テーブルを参照して、無線通信部10が通信端末2との通信で使用する通信方式を決定する。また、占有率決定部17は、記憶部19に記憶されている各種テーブルを参照して、第1方式利用可能帯域及び第2方式利用可能帯域のそれぞれについての占有率を決定する。通信方式決定部16及び占有率決定部17の動作については後で詳細に説明する。
【0046】
<通信端末の構成>
図11は複数方式端末2bの構成を示す図である。図11に示されるように、複数方式端末2bは、基地局1と無線通信を行う無線通信部20と、当該無線通信部20を制御する制御部23とを備えている。
【0047】
無線通信部20は、第1方式を用いて基地局1と無線通信する第1通信部21と、第2方式を用いて基地局1と無線通信する第2通信部22とで構成されている。第1通信部21は、基地局1から第1方式を用いて送信される送信信号をアンテナ21aで受信する。そして、第1通信部21は、アンテナ21aでの受信信号に対して増幅処理、ダウンコンバート及びA/D変換処理等を行って、ベースバンドの受信信号を生成して出力する。
【0048】
同様に、第2通信部22は、基地局1が第2方式を用いて送信する送信信号をアンテナ22aで受信する。そして、第2通信部22は、アンテナ22aでの受信信号に対して増幅処理、ダウンコンバート及びA/D変換処理等を行って、ベースバンドの受信信号を生成して出力する。
【0049】
また、第1通信部21は、制御部23で生成される、第1方式に応じたベースバンドの送信信号に対して、D/A変換処理、アップコンバート及び増幅処理等を行って、搬送帯域の送信信号を生成する。そして、第1通信部21は、生成した搬送帯域の送信信号をアンテナ21aから無線送信する。
【0050】
同様に、第2通信部22は、制御部23で生成される、第2方式に応じたベースバンドの送信信号に対して、D/A変換処理、アップコンバート及び増幅処理等を行って、搬送帯域の送信信号を生成する。そして、第2通信部22は、生成した搬送帯域の送信信号をアンテナ22aから無線送信する。
【0051】
制御部23は、CPU、DSP及びメモリなどで構成されている。制御部23での各種機能は、CPU及びDSPがメモリ内のプログラムを実行することによって実現される。制御部23は、基地局1から第1方式を使用することが通知されていると、第1通信部21から出力される受信信号に対して復調処理等を行って、当該受信信号に含まれる制御データやユーザデータなどを取得する。一方で、制御部23は、基地局1から第2方式を使用することが通知されていると、第2通信部22から出力される受信信号に対して復調処理等を行って、当該受信信号に含まれる制御データやユーザデータなどを取得する。
【0052】
また制御部23は、基地局1から第1方式を使用することが通知されていると、第1方式に応じた送信信号を生成する。そして、制御部23は、生成した送信信号に対して変調処理等を行ってベースバンドの送信信号を生成し、当該ベースバンドの送信信号を第1通信部21に入力する。これにより、複数方式端末2bからは、第1方式に応じた送信信号が基地局1に無線送信される。一方で、制御部23は、基地局1から第2方式を使用することが通知されていると、第2方式に応じた送信信号を生成する。そして、制御部23は、生成した送信信号に対して変調処理等を行ってベースバンドの送信信号を生成し、当該ベースバンドの送信信号を第2通信部22に入力する。これにより、複数方式端末2bからは、第2方式に応じた送信信号が基地局1に無線送信される。
【0053】
このように、複数方式端末2bは、基地局1が当該複数方式端末2bとの通信で使用することを決定した通信方式を用いて基地局1と通信を行う。
【0054】
図12は単一方式端末2aの構成を示す図である。図12に示されるように、単一方式端末2aは、基地局1と無線通信を行う無線通信部25と、当該無線通信部25を制御する制御部26とを備えている。
【0055】
無線通信部25は、自身が使用可能な通信方式を用いて基地局1が送信する送信信号をアンテナ25aで受信する。そして、無線通信部25は、アンテナ25aでの受信信号に対して増幅処理、ダウンコンバート及びA/D変換処理等を行って、ベースバンドの受信信号を生成して出力する。また、無線通信部25は、制御部26で生成されるベースバンドの送信信号に対して、D/A変換処理、アップコンバート及び増幅処理等を行って、搬送帯域の送信信号を生成する。そして、無線通信部25は、生成した搬送帯域の送信信号をアンテナ25aから無線送信する。
【0056】
制御部26は、CPU、DSP及びメモリなどで構成されている。制御部26での各種機能は、CPU及びDSPがメモリ内のプログラムを実行することによって実現される。制御部26は、無線通信部25から出力される受信信号に対して復調処理等を行って、当該受信信号に含まれる制御データやユーザデータなどを取得する。また制御部26は、使用可能な通信方式に応じた送信信号を生成する。そして、制御部26は、生成した送信信号に対して変調処理等を行ってベースバンドの送信信号を生成し、当該ベースバンドの送信信号を無線通信部25に入力する。これにより、単一方式端末2aは、使用可能な通信方式(第1方式あるいは第2方式)を使用して基地局1に信号を送信する。
【0057】
<基地局での単一方式端末との接続動作>
次に基地局1が単一方式端末2aと接続を行う際の当該基地局1での動作について説明する。図13は基地局1での当該動作を示すフローチャートである。以後、説明対象の単一方式端末2aを「対象単一方式端末2a」と呼ぶ。
【0058】
基地局1が対象単一方式端末2aと接続を行う際には、図13に示されるように、ステップs1において、通信方式決定部16は、対象単一方式端末2aが使用可能な通信方式を確認し、当該通信方式を無線通信部10が対象単一方式端末2aとの通信に使用する通信方式として決定する。以後、無線通信部10が通信端末2との通信に使用すると決定する通信方式を「使用通信方式」と呼ぶ。対象単一方式端末2aは、基地局1と通信を開始する際に(基地局1との初期接続時に)、自装置が使用可能な通信方式を基地局1に通知する。
【0059】
次にステップs2において、通信方式決定部16は、記憶部19内の使用可能方式特定テーブル19aに対して、対象単一方式端末2aの端末IDと、対象単一方式端末2aが使用可能な通信方式とを対応付けて登録する。これにより、使用可能方式特定テーブル19aが更新される。
【0060】
次にステップs3において、無線リソース割り当て部15は、対象単一方式端末2aについての使用通信方式の利用可能帯域(第1方式利用可能帯域あるいは第2方式利用可能帯域)に空き帯域があるか否かを判定する。ステップs3において空き帯域があると判定されると、ステップs4において、通信方式決定部16は、使用方式特定テーブル19bに対して、対象単一方式端末2aの端末ID及び使用通信方式を対応付けて登録する。これにより、使用方式特定テーブル19bが更新される。無線リソース割り当て部15は、対象単一方式端末2aについての使用通信方式の利用可能帯域の空き帯域がある場合には、対象単一方式端末2aと基地局1が通信可能であると判断して、当該空き帯域から対象単一方式端末2aに対して使用帯域を割り当てる。
【0061】
一方で、ステップs3において空き帯域がないと判定されると、ステップs5において、基地局1は、対象単一方式端末2aについての使用通信方式の利用可能帯域に空き帯域を確保するための空き帯域確保処理を行う。図14は当該空き帯域確保処理を示すフローチャートである。
【0062】
図14に示されるように、空き帯域確保処理では、まずステップs51において、占有率決定部17は、対象単一方式端末2aについての使用通信方式の利用可能帯域についての占有率(以後、「対象占有率」と呼ぶ)を大きくできるか否かを判定する。
【0063】
ここで、本実施の形態では、基地局1が、第1方式で通信する通信端末2及び第2方式で通信する通信端末2の一方と全く通信することができないことを防止するために、第1及び第2方式利用可能帯域のそれぞれの占有率について、これ以上小さくすることができない最低占有率が定められている。最低占有率は例えば20%に設定される。占有率決定部17は、占有率テーブル19cを参照して、対象単一方式端末2aについての使用通信方式以外の通信方式の利用可能帯域についての占有率がすべて最低占有率の場合には、対象占有率を大きくすることができないと判定する。
【0064】
さらに、占有率決定部17は、利用率テーブル19dを参照して、対象単一方式端末2aについての使用通信方式以外の通信方式の利用可能帯域についての利用率がすべて100%である場合には、対象占有率を大きくすることができないと判定する。
【0065】
一方で、占有率決定部17は、対象単一方式端末2aについての使用通信方式以外の通信方式の利用可能帯域において占有率が最低占有率となっていない利用可能帯域が存在し、かつ当該使用通信方式以外の通信方式の利用可能帯域において利用率が100%ではない利用可能帯域が存在する場合には、対象占有率を大きくすることができると判定する。
【0066】
ステップs51において、対象占有率を大きくすることができると判定されると、ステップs52において、占有率決定部17は、対象単一方式端末2aについての使用通信方式以外の通信方式であって、利用可能帯域についての占有率が最低占有率ではなく、かつ利用可能帯域についての利用率が100%ではない通信方式の利用可能帯域についての占有率を小さくする。このとき、当該利用可能帯域において使用されている周波数帯域を確保しつつ、当該利用可能帯域についての占有率が最低占有率よりも小さくならないように、当該利用可能帯域についての占有率を小さくする。そして、占有率決定部17は、基地局1が使用可能な複数の通信方式の利用可能帯域についての占有率の総和が100%となるように、対象占有率を大きくする。例えば、対象単一方式端末2aについての使用通信方式が第1方式であって、ステップs52の実行前において、第1及び第2方式利用可能帯域の占有率がともに50%であるとすると、ステップs52では、例えば、第2方式利用可能帯域の占有率が50%から40%に変更されて、第1方式利用可能帯域の占有率(対象占有率)が50%から60%に変更される。
【0067】
このように、対象単一方式端末2aについての使用通信方式の利用可能帯域に空き帯域が無い場合に、当該利用可能帯域の占有率を大きくすることによって、当該利用可能帯域に空き帯域を確保することができる。よって、基地局1は当該空き帯域を利用して対象単一方式端末2aと通信することができる。その結果、基地局1の通信性能が向上する。無線リソース割り当て部15は、対象単一方式端末2aについての使用通信方式の利用可能帯域において、このように確保された空き帯域から、対象単一方式端末2aに対して使用帯域を割り当てる。
【0068】
ステップs52が実行されると、ステップs53において、占有率決定部17は、ステップs52での占有率の変更に基づいて占有率テーブル19cを更新する。
【0069】
次にステップs54において、通信方式決定部16は、使用方式特定テーブル19bに対して、対象単一方式端末2aの端末ID及び使用通信方式を対応付けて登録する。これにより、使用方式特定テーブル19bが更新される。
【0070】
上述のステップs51において、対象占有率が大きくできないと判定されると、ステップs55において、占有率決定部17は、記憶部19内の使用可能方式特定テーブル19aを参照して、基地局1が通信中の通信端末2が単一方式端末2aのみかを判定する。ステップs55において、基地局1が通信中の通信端末2が単一方式端末2aのみではないと判定されると、つまり、基地局1が通信中の通信端末2に複数方式端末2bが存在すると判定されると、ステップs56において、通信方式決定部16は、対象単一方式端末2aについての使用通信方式と同じ通信方式を使用して通信している複数方式端末2bについての使用通信方式を変更できるか否かを判定する。言い換えれば、通信方式決定部16は、対象単一方式端末2aについての使用通信方式と同一の通信方式を使用して基地局1と通信する複数方式端末2bが使用する利用可能帯域を、対象単一方式端末2aについての使用通信方式の利用可能帯域から、当該使用通信方式以外の通信方式の利用可能帯域に変更できるか否かを判定する。
【0071】
ステップs56において、通信方式決定部16は、対象単一方式端末2aについての使用通信方式以外の通信方式の利用可能帯域についての利用率がすべて100%のときには、当該使用通信方式と同じ通信方式を使用して通信している複数方式端末2bについての使用通信方式を変更できないと判定する。一方で、通信方式決定部16は、対象単一方式端末2aについての使用通信方式以外の通信方式の利用可能帯域において、利用率が100%ではない利用可能帯域が存在する場合には、当該使用通信方式と同じ通信方式を使用して通信している複数方式端末2bについての使用通信方式を変更できると判定する。
【0072】
ステップs56において、対象単一方式端末2aについての使用通信方式と同じ通信方式を使用して通信している複数方式端末2bについての使用通信方式を変更できないと判定されると、対象単一方式端末2aについての使用通信方式の利用可能帯域には空き帯域が確保されずに、空き帯域確保処理が終了する。この場合には、対象単一方式端末2aは基地局1に接続できないことになる。
【0073】
一方で、ステップs56において、対象単一方式端末2aについての使用通信方式と同じ通信方式を使用して通信している複数方式端末2bについての使用通信方式を変更できる判定されると、ステップs57において、通信方式決定部16は、対象単一方式端末2aの使用通信方式と同じ通信方式を使用して通信している少なくとも一つの複数方式端末2bについての使用通信方式を変更する。例えば、対象単一方式端末2aについての使用通信方式が第1方式である場合には、通信方式決定部16は、第1方式を用いて無線通信部10と通信している少なくとも一つの複数方式端末2bについての使用通信方式を第1方式から第2方式に変更する。
【0074】
このように、対象単一方式端末2aについての使用通信方式の利用可能帯域に空き帯域が無い場合において、当該使用通信方式と同じ通信方式を使用して通信している複数方式端末2bについての使用通信方式を変更することによって、当該複数方式端末2bが、対象単一方式端末2aについての使用通信方式と同じ通信方式を使用して通信する際に使用していた周波数帯域が使用されなくなり、対象単一方式端末2aについての使用通信方式の利用可能帯域に空き帯域が確保されることになる。よって、基地局1は、当該空き帯域を利用して対象単一方式端末2aと通信することが可能となる。その結果、基地局1の通信性能が向上する。無線リソース割り当て部15は、対象単一方式端末2aについての使用通信方式の利用可能帯域において、このように確保された空き帯域から、対象単一方式端末2aに対して使用帯域を割り当てる。また、無線リソース割り当て部15は、使用通信方式を変更した複数方式端末2bに対して、変更後の使用通信方式の利用可能帯域の空き帯域から使用帯域を割り当てる。
【0075】
上述のステップs55において、基地局1が通信中の通信端末2が単一方式端末2aのみであると判定されると、複数方式端末2bの使用通信方式を変更することはできないことから、対象単一方式端末2aについての使用通信方式の利用可能帯域に空き帯域が確保されずに、空き帯域確保処理が終了する。この場合には、対象単一方式端末2aは基地局1に接続できないことになる。
【0076】
ステップs57が実行されると、ステップs58において、通信方式決定部16は、ステップs58で行われた、複数方式端末2bの使用通信方式の変更に基づいて使用方式特定テーブル19bを更新する。さらに、通信方式決定部16は、使用方式特定テーブル19bに対して対象単一方式端末2aの端末ID及び使用通信方式を対応付けて登録し、使用方式特定テーブル19bを更新する。
【0077】
ステップs57において、複数方式端末2bの使用通信方式が変更されると、送受信処理部14は、当該複数方式端末2bに対して、変更後の使用通信方式(新たに決定された使用通信方式)を通知するための制御データを含む送信信号を生成して出力する。これにより、当該複数方式端末2bに対しては変更後の使用通信方式が通知され、以後、当該複数方式端末2bは当該変更後の使用通信方式を用いて基地局1と通信する。
【0078】
なお、図14の例において、ステップs55〜s58は実行されなくても良い。この場合には、ステップs51において対象占有率が大きくできないと判定されると、対象単一方式端末2aは基地局1に接続できないことになり、空き帯域確保処理が終了する。
【0079】
また、図14の例において、ステップs51〜s54は実行されなくても良い。この場合の空き帯域確保処理では、まずステップs55が実行されることになる。
【0080】
また、複数方式端末2bの使用通信方式を変更することによって、対象単一方式端末2aの使用通信方式についての利用可能帯域に空き帯域を確保する場合には、上述のように、基地局1は当該複数方式端末2bに対して変更後の使用通信方式を通知し、当該複数方式端末2bは基地局1からの指示に基づいて使用通信方式を変更する必要がある。
【0081】
これに対して、対象単一方式端末2aの使用通信方式についての利用可能帯域の占有率を大きくすることによって、当該利用可能帯域に空き帯域を確保する場合には、当該空き帯域の確保にともなって、基地局1は通信端末2を特に制御する必要はなく、通信端末2は特別な処理を行う必要はない。よって、この場合の方が、基地局1及び通信端末2での処理を少なくすることができる。
【0082】
<基地局での複数方式端末との接続動作>
次に基地局1が複数方式端末2bと接続を行う際の当該基地局1での動作について説明する。図15は基地局1での当該動作を示すフローチャートである。以後、説明対象の複数方式端末2bを「対象複数方式端末2b」と呼ぶ。
【0083】
基地局1が対象複数方式端末2bと接続を行う際には、図15に示されるように、ステップs11において、通信方式決定部16は、対象複数方式端末2bから通知される、対象複数方式端末2bが使用可能な複数の通信方式(第1及び第2方式)を確認する。以後、対象複数方式端末2bが使用可能な通信方式を「使用可能通信方式」と呼ぶ。そして、ステップs12において、通信方式決定部16は、記憶部19内の使用可能方式特定テーブル19aに対して、対象複数方式端末2bの端末IDと、対象複数方式端末2bについての複数の使用可能通信方式とを対応付けて登録する。これにより、使用可能方式特定テーブル19aが更新される。
【0084】
次にステップs13において、通信方式決定部16は、利用率テーブル19dを参照して、対象複数方式端末2bについての複数の使用可能通信方式の利用可能帯域において、空き帯域を有する利用可能帯域が存在するか否かを判定する。ステップs13において、対象複数方式端末2bについての複数の使用可能通信方式の利用可能帯域において、空き帯域を有する利用可能帯域が存在しないと判定された場合には、対象複数方式端末2bは基地局1に接続できないことになる。
【0085】
一方で、ステップs13において、対象複数方式端末2bについての複数の使用可能通信方式の利用可能帯域において、空き帯域を有する利用可能帯域が存在すると判定された場合には、ステップs14において、通信方式決定部16は、当該複数の使用可能通信方式の利用可能帯域において、空き帯域を有する利用可能帯域が一つか否かを判定する。
【0086】
ステップs14において、対象複数方式端末2bについての複数の使用可能通信方式の利用可能帯域において、空き帯域を有する利用可能帯域が一つであると判定された場合には、ステップs15において、通信方式決定部16は、当該空き帯域を有する利用可能帯域に対応する通信方式を、対象複数方式端末2bについての使用通信方式とする。そして、通信方式決定部16は、使用方式特定テーブル19bに対して、対象複数方式端末2bの端末ID及び使用通信方式とを対応付けて登録する。これにより、使用方式特定テーブル19bが更新される。
【0087】
一方で、ステップs14において、対象複数方式端末2bについての複数の使用可能通信方式の利用可能帯域において、空き帯域を有する利用可能帯域が一つではないと判定された場合には、つまり、対象複数方式端末2bについての複数の使用可能通信方式の利用可能帯域において、空き帯域を有する複数の利用可能帯域が存在すると判定されると、通信方式決定部16は、利用率テーブル19dを参照して、当該複数の利用可能帯域のうち、利用率が最低の利用可能帯域に対応する通信方式を選択する。例えば、第1及び第2方式利用可能帯域の両方に空き帯域が存在する場合であって、第1方式利用可能帯域の利用率が第2方式利用可能帯域の利用率よりも小さい場合には、利用率が小さい方の第1方式利用可能帯域に対応する第1方式を選択する。そして、通信方式決定部16は、選択した通信方式を、対象複数方式端末2bについての使用通信方式とする。その後、通信方式決定部16は、ステップs15を実行して、使用方式特定テーブル19bに対して、対象複数方式端末2bの端末ID及び使用通信方式を対応付けて登録する。
【0088】
このように、本実施の形態では、対象複数方式端末2bについての複数の使用可能通信方式の利用可能帯域において、空き帯域を有する複数の利用可能帯域が存在する場合には、当該複数の利用可能帯域のうち利用率が最小の利用可能帯域に対応する通信方式を対象複数方式端末2bについての使用通信方式としている。そのため、基地局1が使用することが可能な複数の通信方式の利用可能帯域の間において利用率の差が大きくなることを抑制できる。よって、基地局1において、特定の通信方式を用いて通信する通信端末2と接続しにくくなることを抑制することができる。
【0089】
<利用率が小さくなった利用可能帯域の占有率の変更>
本実施の形態に係る基地局1では、占有率決定部17が、無線通信部10が使用可能な複数の通信方式のうちのある通信方式の利用可能帯域についての利用率がしきい値よりも小さくなると、当該利用可能帯域の占有率を小さくするようになっている。占有率決定部17は、例えば、ある通信方式の利用可能帯域についての利用率が20%よりも小さくなると、当該利用可能帯域の占有率を20%だけ小さくする。
【0090】
ある通信方式の利用可能帯域についての利用率が小さい場合には、基地局1の周辺には、当該ある通信方式を用いて通信する通信端末2はあまり存在しないと考えることができる。このような場合に、当該ある通信方式の利用可能帯域の占有率を小さくすることによって、当該ある通信方式とは別の通信方式の利用可能帯域の占有率を大きくすることができるため、システム帯域を有効利用することができる。例えば、第1方式利用可能帯域の利用率が20%よりも小さくなった場合には、第1方式利用可能帯域の占有率を20%だけ小さくし、第2方式利用可能帯域の占有率を20%だけ大きくすることによって、システム帯域を有効利用する。
【0091】
<利用可能帯域の利用率に基づいた複数方式端末の使用通信方式の変更>
本実施の形態に係る基地局1では、通信方式決定部16が、無線通信部10が通信する複数方式端末2bの使用通信方式の利用可能帯域についての利用率が第1のしきい値よりも大きく、かつ当該複数方式端末2bが通信に使用することが可能な、使用通信方式以外の通信方式の利用可能帯域についての利用率が当該第1のしきい値以下の第2のしきい値よりも小さい状態となると、当該複数方式端末2bの使用通信方式を当該他の通信方式に変更するようになっている。
【0092】
通信方式決定部16は、例えば、無線通信部10が通信する複数方式端末2bが通信に使用する第1方式の利用可能帯域(第1方式利用可能帯域)についての利用率が80%よりも大きく、かつ第2方式の利用可能帯域(第2方式利用可能帯域)についての利用率が20%よりも小さい状態となると、当該複数方式端末2bの使用通信方式を第1方式から第2方式に変更するようになっている。
【0093】
このように、無線通信部10が通信している複数方式端末2bについて、当該複数方式端末2bについての現在の使用通信方式の利用可能帯域の利用率が大きい場合に、当該複数方式端末2bの使用通信方式を、利用率が小さい利用可能帯域に対応する他の通信方式に変更することによって、システム帯域を有効利用することができる。よって、基地局1において、特定の通信方式を用いて通信する通信端末2と接続しにくくなることを抑制することができる。
【0094】
<各種変形例>
<第1変形例>
上述の図14に示される空き帯域確保処理では、まず、ステップs51において対象占有率が大きくできるか否かを判定していたが、ステップs51の前に、基地局1の無線リソース割り当て部15は、無線通信部10が対象単一方式端末2aの使用通信方式と同じ通信方式で通信している他の通信端末2に割り当てる使用帯域を狭くすることによって、対象単一方式端末2aの使用通信方式の利用可能帯域に空き帯域を確保できるか否かを判定しても良い。
【0095】
具体的には、無線リソース割り当て部15は、まず、無線通信部10が対象単一方式端末2aの使用通信方式と同じ通信方式で通信している各通信端末2について、現在割り当てられている使用帯域が最小必要帯域となっているか否かを確認する。ここで、最小必要帯域とは、通信対象の通信端末2に対して最低限割り当てるべき使用帯域を意味している。無線リソース割り当て部15は、通信端末2ごとに最小必要帯域を決定する。例えば、基地局1との間で動画データの通信を行う通信端末2についての最小必要帯域は比較的大きな値となり、基地局1との間で音声データの通信を行う通信端末2についての最小必要帯域は比較的小さい値となる。
【0096】
無線リソース割り当て部15は、無線通信部10が対象単一方式端末2aの使用通信方式と同じ通信方式で通信している各通信端末2に現在割り当てられている使用帯域がすべて最小必要帯域である場合には、対象単一方式端末2aの使用通信方式の利用可能帯域に空き帯域を確保できないと判定する。
【0097】
一方で、無線リソース割り当て部15は、無線通信部10が対象単一方式端末2aの使用通信方式と同じ通信方式で通信している各通信端末2において、現在割り当てられている使用帯域が最小必要帯域ではない通信端末2が存在する場合には、対象単一方式端末2aの使用通信方式の利用可能帯域に空き帯域を確保できると判定する。
【0098】
無線リソース割り当て部15が対象単一方式端末2aの使用通信方式の利用可能帯域に空き帯域を確保できないと判定すると、上述のステップs51が実行されて、占有率決定部17は、対象占有率を大きくできるか否かを判定する。以後、図14での処理と同様の処理が行われる。
【0099】
他方、無線リソース割り当て部15は、対象単一方式端末2aの使用通信方式の利用可能帯域に空き帯域を確保できると判定すると、無線通信部10が対象単一方式端末2aの使用通信方式と同じ通信方式で通信している通信端末2であって、現在割り当てられている使用帯域が最小必要帯域ではない通信端末2に割り当てる使用帯域を狭くして、対象単一方式端末2aの使用通信方式の利用可能帯域に空き帯域を確保する。そして、無線リソース割り当て部15は、対象単一方式端末2aについての使用通信方式の利用可能帯域に確保された空き帯域から、対象単一方式端末2aに対して使用帯域を割り当てる。
【0100】
このように、対象単一方式端末2aについての使用通信方式の利用可能帯域に空き帯域が無い場合に、無線通信部10が対象単一方式端末2aの使用通信方式と同じ通信方式で通信している他の通信端末2に割り当てる使用帯域を狭くすることによって、対象単一方式端末2aの使用通信方式の利用可能帯域に空き帯域を確保し、基地局1は当該空き帯域を利用して対象単一方式端末2aと通信することができる。その結果、基地局1の通信性能が向上する。
【0101】
<第2変形例>
上述の説明では、基地局1が複数方式端末2bと接続を行う際には、当該複数方式端末2bについての複数の使用可能通信方式のうち、利用率が最低の利用可能帯域に対応する使用可能通信方式を当該複数方式端末2bの使用通信方式としたが、通信品質が最も良い使用可能通信方式を当該複数方式端末2bの使用通信方式としても良い。以下に本変形例に係る基地局1について説明する。
【0102】
図16は、本変形例に係る基地局1の構成を示すブロック図である。図16に示されるように、本変形例に係る基地局1は、上述の図5に示される基地局1において、制御部13が機能ブロックとして通信品質取得部50をさらに備えるものである。
【0103】
通信品質取得部50は、無線通信部10が複数方式端末2bと通信する場合には、当該複数方式端末2bについての複数の使用可能通信方式のそれぞれについて、当該使用可能通信方式で無線通信部10が当該複数方式端末2bと通信する際の通信品質を取得する。例えば、通信品質取得部50は、送受信処理部14及び無線通信部10を通じて、複数方式端末2bに対して一つの使用可能通信方式で通信するように指示する。そして、通信品質取得部50は、一つの使用可能通信方式で通信する複数方式端末2bからの受信信号に基づいて通信品質を求める。通信品質取得部50は、この処理を、複数方式端末2bの複数の使用可能通信方式のそれぞれについて行う。なお、通信品質としては、例えば、SINR(Signal to Interference and Noise power Ratio、信号対干渉雑音電力比)あるはEVM(Error Vector Magnitude)などが求められる。
【0104】
図17は、本変形例に係る基地局1が対象複数方式端末2bと接続を行う際の当該基地局1での動作を示すフローチャートである。図17に示されるように、基地局1では、上述のステップs11と同様に、ステップs21において、通信方式決定部16が、対象複数方式端末2bから通知される、対象複数方式端末2bについての複数の使用可能通信方式を確認する。次にステップs22において、通信方式決定部16は、使用可能方式特定テーブル19aに対して、対象複数方式端末2bの端末IDと、対象複数方式端末2bについての複数の使用可能通信方式とを対応付けて登録する。
【0105】
次にステップs23において、通信品質取得部50は、対象複数方式端末2bについての複数の使用可能通信方式のそれぞれについて、当該使用可能通信方式で無線通信部10が当該複数方式端末2bと通信する際の通信品質を取得する。
【0106】
次にステップs24において、通信方式決定部16は、対象複数方式端末2bについての複数の使用可能通信方式のうち、ステップs23で取得された通信品質が最も良い使用可能通信方式(以後、「最良通信方式」と呼ぶ)の利用可能帯域に空き帯域があるか否かを判定する。
【0107】
ステップs24において最良通信方式の利用可能帯域に空き帯域があると判定されると、ステップs25において、通信方式決定部16は、最良通信方式を、無線通信部10が対象複数方式端末2bとの通信で使用する使用通信方式とする。そして、通信方式決定部16は、使用方式特定テーブル19bに対して、対象複数方式端末2bの端末ID及び使用通信方式を対応付けて登録する。
【0108】
一方で、ステップs24において最良通信方式の利用可能帯域に空き帯域が無いと判定されると、ステップs26において、基地局1は、最良通信方式の利用可能帯域に空き帯域を確保するための空き帯域確保処理を行う。図18はステップs26での空き帯域確保処理を示すフローチャートである。
【0109】
図18に示されるように、ステップs26での空き帯域確保処理では、まずステップs261において、占有率決定部17は、上述のステップs51と同様にして、対象複数方式端末2bの最良通信方式の利用可能帯域についての占有率を大きくできるか否かを判定する。
【0110】
ステップs261において、対象複数方式端末2bの最良通信方式の利用可能帯域についての占有率を大きくすることができると判定されると、ステップs262において、通信方式決定部16は、対象複数方式端末2bの最良通信方式を、対象複数方式端末2bの使用通信方式とする。そして、ステップs263において、占有率決定部17は、上述のステップs52と同様にして、対象複数方式端末2bについての使用通信方式(最良通信方式)以外の通信方式であって、利用可能帯域についての占有率が最低占有率ではなく、かつ利用可能帯域についての利用率が100%ではない通信方式の利用可能帯域についての占有率を小さくする。そして、占有率決定部17は、基地局1が使用可能な複数の通信方式の利用可能帯域についての占有率の総和が100%となるように、対象複数方式端末2bの最良通信方式の利用可能帯域についての占有率を大きくする。
【0111】
このように、対象複数方式端末2bについての最良通信方式の利用可能帯域に空き帯域が無い場合に、当該利用可能帯域の占有率を大きくすることによって、当該利用可能帯域に空き帯域を確保することができる。よって、基地局1は当該空き帯域を利用して対象複数方式端末2bと通信することができる。無線リソース割り当て部15は、対象複数方式端末2bについての使用通信方式(最良通信方式)の利用可能帯域において、このように確保された空き帯域から、対象複数方式端末2bに対して使用帯域を割り当てる。
【0112】
ステップs263が実行されると、ステップs264において、占有率決定部17は、ステップs263での占有率の変更に基づいて占有率テーブル19cを更新する。次にステップs265において、通信方式決定部16は、使用方式特定テーブル19bに対して、対象複数方式端末2bの端末ID及び使用通信方式を対応付けて登録する。
【0113】
上述のステップs261において、対象複数方式端末2bについての最良通信方式の利用可能帯域の占有率が大きくできないと判定されると、ステップs266において、占有率決定部17は、使用可能方式特定テーブル19aを参照して、基地局1が通信中の通信端末2が単一方式端末2aのみかを判定する。ステップs266において、基地局1が通信中の通信端末2が単一方式端末2aのみではないと判定されると、ステップs267において、通信方式決定部16は、上述のステップs56と同様にして、無線通信部10が対象複数方式端末2bについての使用通信方式と同じ通信方式を使用して通信している複数方式端末2bについての使用通信方式を変更できるか否かを判定する。
【0114】
ステップs267において、対象複数方式端末2bについての使用通信方式と同じ通信方式を使用して通信している複数方式端末2bについての使用通信方式を変更できると判定されると、ステップs268において、通信方式決定部16は、対象複数方式端末2bの最良通信方式を、対象複数方式端末2bの使用通信方式とする。そして、ステップs269において、通信方式決定部16は、上述のステップs57と同様にして、対象複数方式端末2bの使用通信方式と同じ通信方式を使用して通信している少なくとも一つの複数方式端末2bについての使用通信方式を変更する。
【0115】
このように、対象複数方式端末2bについての最良通信方式の利用可能帯域に空き帯域が無い場合において、当該最良通信方式と同じ通信方式を使用して通信している複数方式端末2bについての使用通信方式を変更することによって、当該複数方式端末2bが、対象複数方式端末2bについての使用通信方式と同じ通信方式を使用して通信する際に使用していた周波数帯域が使用されなくなり、対象複数方式端末2bについての使用通信方式の利用可能帯域に空き帯域が生じることになる。よって、基地局1は、当該空き帯域を利用して対象複数方式端末2bと通信することが可能となる。無線リソース割り当て部15は、対象複数方式端末2bについての使用通信方式(最良通信方式)の利用可能帯域において、このように確保された空き帯域から、対象複数方式端末2bに対して使用帯域を割り当てる。また、無線リソース割り当て部15は、使用通信方式を変更した複数方式端末2bに対して、変更後の使用通信方式の利用可能帯域の空き帯域から使用帯域を割り当てる。
【0116】
ステップs269が実行されると、ステップs270において、通信方式決定部16は、ステップs269で行われた、複数方式端末2bの使用通信方式の変更に基づいて使用方式特定テーブル19bを更新する。さらに、通信方式決定部16は、使用方式特定テーブル19bに対して、対象複数方式端末2bの端末ID及び使用通信方式を対応付けて登録する。
【0117】
ステップs269において、複数方式端末2bの使用通信方式が変更されると、送受信処理部14は、当該複数方式端末2bに対して、変更後の使用通信方式を通知するための制御データを含む送信信号を生成して出力する。これにより、当該複数方式端末2bに対しては、変更後の使用通信方式が通知され、その後、当該複数方式端末2bは当該変更後の使用通信方式を用いて基地局1と通信する。
【0118】
上述のステップs266において、基地局1が通信中の通信端末2が単一方式端末2aのみであると判定された場合と、上述のステップs267において、対象複数方式端末2bについての使用通信方式と同じ通信方式を使用して通信している複数方式端末2bについての使用通信方式を変更できないと判定された場合には、基地局1ではステップs271が実行される。
【0119】
ステップs271では、通信方式決定部16が、対象複数方式端末2bについての複数の使用可能通信方式において、最良通信方式以外の使用可能通信方式であって、利用可能帯域に空き帯域が存在する使用可能通信方式を、対象複数方式端末2bの使用通信方式に決定する。このとき、利用可能帯域に空き帯域が存在する使用可能通信方式が複数存在する場合には、それらの使用可能通信方式のうち、ステップs23で取得された通信品質が最も良い使用可能通信方式を、対象複数方式端末2bの使用通信方式に決定しても良い。
【0120】
なお、対象複数方式端末2bについての複数の使用可能通信方式において、最良通信方式以外の使用可能通信方式であって、利用可能帯域に空き帯域が存在する使用可能通信方式が存在しないような場合には、対象複数方式端末2bは基地局1に接続できないことになる。
【0121】
ステップs271において、対象複数方式端末2bの使用通信方式が決定されると、ステップs272において、通信方式決定部16は、使用方式特定テーブル19bに対して、対象複数方式端末2bの端末ID及び使用通信方式を対応付けて登録する。
【0122】
以上のように、複数方式端末2bについての複数の使用可能通信方式のうち、通信品質が最も良い使用可能通信方式を当該複数方式端末2bの使用通信方式とすることによって、基地局1と当該複数方式端末2bとの間の通信性能をさらに向上することができる。
【0123】
なお、図18の例においても、ステップs266〜s270は実行されなくても良い。この場合には、ステップs261において、対象複数方式端末2bの最良通信方式の利用可能帯域についての占有率が大きくできないと判定されると、ステップs271が実行されることになる。
【0124】
また、図18の例において、ステップs261〜s265は実行されなくても良い。この場合の空き帯域確保処理では、まずステップs266が実行されることになる。
【0125】
また、上述の第1変形例と同様に、ステップs261の前に、基地局1の無線リソース割り当て部15は、無線通信部10が対象複数方式端末2bの最良通信方式と同じ通信方式で通信している他の通信端末2に割り当てる使用帯域を狭くすることによって、当該最良通信方式の利用可能帯域に空き帯域を確保できるか否かを判定しても良い。この場合には、無線リソース割り当て部15が対象複数方式端末2bの最良通信方式の利用可能帯域に空き帯域を確保できないと判定すると、上述のステップs261が実行されて、以後、図18での処理と同様の処理が行われる。一方で、無線リソース割り当て部15が対象複数方式端末2bの最良通信方式の利用可能帯域に空き帯域を確保できると判定すると、当該最良通信方式が対象複数方式端末2bの使用通信方式となる。無線リソース割り当て部15は、無線通信部10が当該最良通信方式と同じ通信方式で通信している通信端末2であって、現在割り当てられている使用帯域が最小必要帯域ではない通信端末2に割り当てる使用帯域を狭くして、当該最良通信方式の利用可能帯域に空き帯域を確保する。そして、無線リソース割り当て部15は、対象複数方式端末2bについての最良通信方式の利用可能帯域に確保された空き帯域から、対象複数方式端末2bに対して使用帯域を割り当てる。
【0126】
また、対象複数方式端末2bについての複数の使用可能通信方式に関して、通信品質取得部50が取得する通信品質の差があまり無い場合には、ステップs24〜s26を実行せずに、上述の図15に示されるように、対象複数方式端末2bについての複数の使用可能通信方式において、利用率が最低の利用可能帯域に対応する使用可能通信方式を対象複数方式端末2bの使用通信方式としても良い。
【0127】
<その他の変形例>
上記の例では、基地局1は通信端末2との通信に2つの通信方式を使用することが可能であったが、3つ以上の通信方式を使用することが可能であっても良い。例えば、基地局1は通信端末2との通信に、UTRA−TDD方式、LTEのTDD方式及びLTEのFDD方式の3つの通信方式を使用することが可能であっても良い。
【0128】
また上記の説明では、本願発明を基地局1と通信端末2とを備える無線通信システム100に適用する場合について説明したが、本願発明はこれに限定されず、本願発明は複数の無線通信装置を備えるような無線通信システムであれば適用することができる。
【符号の説明】
【0129】
1 基地局
2 通信端末
10 無線通信部
15 無線リソース割り当て部
16 通信方式決定部
17 占有率決定部
50 通信品質取得部
100 無線通信システム
500 システム帯域
501 第1方式利用可能帯域
502 第2方式利用可能帯域
【特許請求の範囲】
【請求項1】
システム帯域を複数の無線通信方式で共用する無線通信システムが備える無線通信装置であって、
前記システム帯域は、前記複数の無線通信方式においてそれぞれ利用することが可能な複数の利用可能帯域を含み、
前記複数の無線通信方式を用いて複数の通信相手装置と無線通信することが可能な無線通信部と、
前記無線通信部が通信相手装置との通信で使用する無線通信方式を前記複数の無線通信方式から決定する通信方式決定部と、
前記複数の利用可能帯域のそれぞれについての前記システム帯域での占有率を決定する占有率決定部と、
前記無線通信部が通信する通信相手装置に対して、当該無線通信部が当該通信相手装置との通信に使用する無線通信方式についての利用可能帯域の空き帯域から、当該無線通信部が当該通信相手装置との通信に使用する使用帯域を割り当てる無線リソース割り当て部と
を備え、
前記占有率決定部は、前記無線通信部が通信相手装置と通信する場合に、当該無線通信部が当該通信相手装置との通信に使用する無線通信方式についての利用可能帯域に空き帯域がないときには、当該利用可能帯域についての前記占有率を大きくすることによって、当該利用可能帯域に空き帯域を確保する、無線通信装置。
【請求項2】
請求項1に記載の無線通信装置であって、
前記通信方式決定部は、前記無線通信部が通信相手装置と通信する場合に、当該無線通信部が当該通信相手装置との通信に使用する無線通信方式についての利用可能帯域に空き帯域がなく、かつ前記占有率決定部が当該利用可能帯域についての前記占有率を大きくすることができないときには、当該無線通信部が当該通信相手装置との通信に使用する無線通信方式と同じ無線通信方式で通信している他の通信相手装置との通信に使用する無線通信方式を変更することによって、当該利用可能帯域に空き帯域を確保する、無線通信装置。
【請求項3】
請求項1に記載の無線通信装置であって、
前記無線リソース割り当て部は、前記無線通信部が通信相手装置と通信する場合に、当該無線通信部が当該通信相手装置との通信に使用する無線通信方式についての利用可能帯域に空き帯域がないときには、当該無線通信部が当該通信相手装置との通信に使用する無線通信方式と同じ無線通信方式で通信している他の通信相手装置に割り当てる使用帯域を狭くすることによって、当該利用可能帯域に空き帯域を確保できるか否かを判断し、
前記無線リソース割り当て部において、当該空き帯域を確保できると判断された場合には、前記無線リソース割り当て部は、当該他の通信相手装置に割り当てる使用帯域を狭くして当該空き帯域を確保し、
前記無線リソース割り当て部において、当該空き帯域を確保できないと判断された場合には、前記占有率決定部は、当該利用可能帯域についての前記占有率を大きくすることによって当該空き帯域を確保する、無線通信装置。
【請求項4】
システム帯域を複数の無線通信方式で共用する無線通信システムが備える無線通信装置であって、
前記システム帯域は、前記複数の無線通信方式においてそれぞれ利用することが可能な複数の利用可能帯域を含み、
前記複数の無線通信方式を用いて通信相手装置と無線通信することが可能な無線通信部と、
前記無線通信部が通信相手装置との通信で使用する無線通信方式を前記複数の無線通信方式から決定する通信方式決定部と、
前記無線通信部が通信する通信相手装置に対して、当該無線通信部が当該通信相手装置との通信に使用する無線通信方式についての利用可能帯域の空き帯域から、当該無線通信部が当該通信相手装置との通信に使用する使用帯域を割り当てる無線リソース割り当て部と
を備え、
前記通信方式決定部は、前記無線通信部が通信相手装置と通信する場合に、当該無線通信部が当該通信相手装置との通信に使用する無線通信方式についての利用可能帯域に空き帯域がないときには、当該無線通信部が当該通信相手装置との通信に使用する無線通信方式と同じ無線通信方式で通信している他の通信相手装置との通信に使用する無線通信方式を変更することによって、当該利用可能帯域に空き帯域を確保する、無線通信装置。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれか一つに記載の無線通信装置であって、
前記無線通信部が、前記複数の無線通信方式で通信することが可能な通信相手装置と通信する場合に、当該複数の無線通信方式のそれぞれについて、当該無線通信方式で当該無線通信部が当該通信相手装置と通信する際の通信品質を取得する通信品質取得部をさらに備え、
前記通信方式決定部は、前記無線通信部が、前記複数の無線通信方式で通信することが可能な通信相手装置との通信に使用する無線通信方式を、当該複数の無線通信方式のうち前記通信品質取得部で取得された通信品質が最も良い無線通信方式とする、無線通信装置。
【請求項6】
請求項1乃至請求項3のいずれか一つに記載の無線通信装置であって、
前記占有率決定部は、前記複数の無線通信方式のうちのある無線通信方式の利用可能帯域についての利用率がしきい値よりも小さくなると、当該利用可能帯域の占有率を小さくする、無線通信装置。
【請求項7】
請求項1乃至請求項6のいずれか一つに記載の無線通信装置であって、
前記通信方式決定部は、前記無線通信部が、前記複数の無線通信方式で通信することが可能な通信相手装置と、当該複数の無線通信方式のうちの一つの無線通信方式を用いて通信している場合において、当該一つの無線通信方式の利用可能帯域についての利用率が第1のしきい値よりも大きく、かつ他の無線通信方式の利用可能帯域についての利用率が当該第1のしきい値以下の第2のしきい値よりも小さい状態となると、当該無線通信部が当該通信相手装置との通信に使用する無線通信方式を、当該一つの無線通信方式から当該他の無線通信方式に変更する、無線通信装置。
【請求項8】
システム帯域を複数の無線通信方式で共用する無線通信システムであって、
第1無線通信装置と、
前記第1無線通信装置と無線通信する複数の第2無線通信装置と
を備え、
前記システム帯域は、前記複数の無線通信方式においてそれぞれ利用することが可能な複数の利用可能帯域を含み、
前記第1無線通信装置は、
前記複数の無線通信方式を用いて前記複数の第2無線通信装置と無線通信することが可能な無線通信部と、
前記無線通信部が第2無線通信装置との通信で使用する無線通信方式を前記複数の無線通信方式から決定する通信方式決定部と、
前記複数の利用可能帯域のそれぞれについての前記システム帯域での占有率を決定する占有率決定部と、
前記無線通信部が通信する第2無線通信装置に対して、当該無線通信部が当該第2無線通信装置との通信に使用する無線通信方式についての利用可能帯域の空き帯域から、当該無線通信部が当該第2無線通信装置との通信に使用する使用帯域を割り当てる無線リソース割り当て部と
を有し、
前記占有率決定部は、前記無線通信部が第2無線通信装置と通信する場合に、当該無線通信部が当該第2無線通信装置との通信に使用する無線通信方式についての利用可能帯域に空き帯域がないときには、当該利用可能帯域についての前記占有率を大きくすることによって、当該利用可能帯域に空き帯域を確保する、無線通信システム。
【請求項9】
システム帯域を複数の無線通信方式で共用する無線通信システムであって、
第1無線通信装置と、
前記第1無線通信装置と無線通信する複数の第2無線通信装置と
を備え、
前記システム帯域は、前記複数の無線通信方式においてそれぞれ利用することが可能な複数の利用可能帯域を含み、
前記第1無線通信装置は、
前記複数の無線通信方式を用いて第2無線通信装置と無線通信することが可能な無線通信部と、
前記無線通信部が第2無線通信装置との通信で使用する無線通信方式を前記複数の無線通信方式から決定する通信方式決定部と、
前記無線通信部が通信する第2無線通信装置に対して、当該無線通信部が当該第2無線通信装置との通信に使用する無線通信方式についての利用可能帯域の空き帯域から、当該無線通信部が当該第2無線通信装置との通信に使用する使用帯域を割り当てる無線リソース割り当て部と
を有し、
前記通信方式決定部は、前記無線通信部が第2無線通信装置と通信する場合に、当該無線通信部が当該第2無線通信装置との通信に使用する無線通信方式についての利用可能帯域に空き帯域がないときには、当該無線通信部が当該第2無線通信装置との通信に使用する無線通信方式と同じ無線通信方式で通信している他の第2無線通信装置との通信に使用する無線通信方式を変更することによって、当該利用可能帯域に空き帯域を確保する、無線通信システム。
【請求項1】
システム帯域を複数の無線通信方式で共用する無線通信システムが備える無線通信装置であって、
前記システム帯域は、前記複数の無線通信方式においてそれぞれ利用することが可能な複数の利用可能帯域を含み、
前記複数の無線通信方式を用いて複数の通信相手装置と無線通信することが可能な無線通信部と、
前記無線通信部が通信相手装置との通信で使用する無線通信方式を前記複数の無線通信方式から決定する通信方式決定部と、
前記複数の利用可能帯域のそれぞれについての前記システム帯域での占有率を決定する占有率決定部と、
前記無線通信部が通信する通信相手装置に対して、当該無線通信部が当該通信相手装置との通信に使用する無線通信方式についての利用可能帯域の空き帯域から、当該無線通信部が当該通信相手装置との通信に使用する使用帯域を割り当てる無線リソース割り当て部と
を備え、
前記占有率決定部は、前記無線通信部が通信相手装置と通信する場合に、当該無線通信部が当該通信相手装置との通信に使用する無線通信方式についての利用可能帯域に空き帯域がないときには、当該利用可能帯域についての前記占有率を大きくすることによって、当該利用可能帯域に空き帯域を確保する、無線通信装置。
【請求項2】
請求項1に記載の無線通信装置であって、
前記通信方式決定部は、前記無線通信部が通信相手装置と通信する場合に、当該無線通信部が当該通信相手装置との通信に使用する無線通信方式についての利用可能帯域に空き帯域がなく、かつ前記占有率決定部が当該利用可能帯域についての前記占有率を大きくすることができないときには、当該無線通信部が当該通信相手装置との通信に使用する無線通信方式と同じ無線通信方式で通信している他の通信相手装置との通信に使用する無線通信方式を変更することによって、当該利用可能帯域に空き帯域を確保する、無線通信装置。
【請求項3】
請求項1に記載の無線通信装置であって、
前記無線リソース割り当て部は、前記無線通信部が通信相手装置と通信する場合に、当該無線通信部が当該通信相手装置との通信に使用する無線通信方式についての利用可能帯域に空き帯域がないときには、当該無線通信部が当該通信相手装置との通信に使用する無線通信方式と同じ無線通信方式で通信している他の通信相手装置に割り当てる使用帯域を狭くすることによって、当該利用可能帯域に空き帯域を確保できるか否かを判断し、
前記無線リソース割り当て部において、当該空き帯域を確保できると判断された場合には、前記無線リソース割り当て部は、当該他の通信相手装置に割り当てる使用帯域を狭くして当該空き帯域を確保し、
前記無線リソース割り当て部において、当該空き帯域を確保できないと判断された場合には、前記占有率決定部は、当該利用可能帯域についての前記占有率を大きくすることによって当該空き帯域を確保する、無線通信装置。
【請求項4】
システム帯域を複数の無線通信方式で共用する無線通信システムが備える無線通信装置であって、
前記システム帯域は、前記複数の無線通信方式においてそれぞれ利用することが可能な複数の利用可能帯域を含み、
前記複数の無線通信方式を用いて通信相手装置と無線通信することが可能な無線通信部と、
前記無線通信部が通信相手装置との通信で使用する無線通信方式を前記複数の無線通信方式から決定する通信方式決定部と、
前記無線通信部が通信する通信相手装置に対して、当該無線通信部が当該通信相手装置との通信に使用する無線通信方式についての利用可能帯域の空き帯域から、当該無線通信部が当該通信相手装置との通信に使用する使用帯域を割り当てる無線リソース割り当て部と
を備え、
前記通信方式決定部は、前記無線通信部が通信相手装置と通信する場合に、当該無線通信部が当該通信相手装置との通信に使用する無線通信方式についての利用可能帯域に空き帯域がないときには、当該無線通信部が当該通信相手装置との通信に使用する無線通信方式と同じ無線通信方式で通信している他の通信相手装置との通信に使用する無線通信方式を変更することによって、当該利用可能帯域に空き帯域を確保する、無線通信装置。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれか一つに記載の無線通信装置であって、
前記無線通信部が、前記複数の無線通信方式で通信することが可能な通信相手装置と通信する場合に、当該複数の無線通信方式のそれぞれについて、当該無線通信方式で当該無線通信部が当該通信相手装置と通信する際の通信品質を取得する通信品質取得部をさらに備え、
前記通信方式決定部は、前記無線通信部が、前記複数の無線通信方式で通信することが可能な通信相手装置との通信に使用する無線通信方式を、当該複数の無線通信方式のうち前記通信品質取得部で取得された通信品質が最も良い無線通信方式とする、無線通信装置。
【請求項6】
請求項1乃至請求項3のいずれか一つに記載の無線通信装置であって、
前記占有率決定部は、前記複数の無線通信方式のうちのある無線通信方式の利用可能帯域についての利用率がしきい値よりも小さくなると、当該利用可能帯域の占有率を小さくする、無線通信装置。
【請求項7】
請求項1乃至請求項6のいずれか一つに記載の無線通信装置であって、
前記通信方式決定部は、前記無線通信部が、前記複数の無線通信方式で通信することが可能な通信相手装置と、当該複数の無線通信方式のうちの一つの無線通信方式を用いて通信している場合において、当該一つの無線通信方式の利用可能帯域についての利用率が第1のしきい値よりも大きく、かつ他の無線通信方式の利用可能帯域についての利用率が当該第1のしきい値以下の第2のしきい値よりも小さい状態となると、当該無線通信部が当該通信相手装置との通信に使用する無線通信方式を、当該一つの無線通信方式から当該他の無線通信方式に変更する、無線通信装置。
【請求項8】
システム帯域を複数の無線通信方式で共用する無線通信システムであって、
第1無線通信装置と、
前記第1無線通信装置と無線通信する複数の第2無線通信装置と
を備え、
前記システム帯域は、前記複数の無線通信方式においてそれぞれ利用することが可能な複数の利用可能帯域を含み、
前記第1無線通信装置は、
前記複数の無線通信方式を用いて前記複数の第2無線通信装置と無線通信することが可能な無線通信部と、
前記無線通信部が第2無線通信装置との通信で使用する無線通信方式を前記複数の無線通信方式から決定する通信方式決定部と、
前記複数の利用可能帯域のそれぞれについての前記システム帯域での占有率を決定する占有率決定部と、
前記無線通信部が通信する第2無線通信装置に対して、当該無線通信部が当該第2無線通信装置との通信に使用する無線通信方式についての利用可能帯域の空き帯域から、当該無線通信部が当該第2無線通信装置との通信に使用する使用帯域を割り当てる無線リソース割り当て部と
を有し、
前記占有率決定部は、前記無線通信部が第2無線通信装置と通信する場合に、当該無線通信部が当該第2無線通信装置との通信に使用する無線通信方式についての利用可能帯域に空き帯域がないときには、当該利用可能帯域についての前記占有率を大きくすることによって、当該利用可能帯域に空き帯域を確保する、無線通信システム。
【請求項9】
システム帯域を複数の無線通信方式で共用する無線通信システムであって、
第1無線通信装置と、
前記第1無線通信装置と無線通信する複数の第2無線通信装置と
を備え、
前記システム帯域は、前記複数の無線通信方式においてそれぞれ利用することが可能な複数の利用可能帯域を含み、
前記第1無線通信装置は、
前記複数の無線通信方式を用いて第2無線通信装置と無線通信することが可能な無線通信部と、
前記無線通信部が第2無線通信装置との通信で使用する無線通信方式を前記複数の無線通信方式から決定する通信方式決定部と、
前記無線通信部が通信する第2無線通信装置に対して、当該無線通信部が当該第2無線通信装置との通信に使用する無線通信方式についての利用可能帯域の空き帯域から、当該無線通信部が当該第2無線通信装置との通信に使用する使用帯域を割り当てる無線リソース割り当て部と
を有し、
前記通信方式決定部は、前記無線通信部が第2無線通信装置と通信する場合に、当該無線通信部が当該第2無線通信装置との通信に使用する無線通信方式についての利用可能帯域に空き帯域がないときには、当該無線通信部が当該第2無線通信装置との通信に使用する無線通信方式と同じ無線通信方式で通信している他の第2無線通信装置との通信に使用する無線通信方式を変更することによって、当該利用可能帯域に空き帯域を確保する、無線通信システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
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【図7】
【図8】
【図9】
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【図11】
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【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2013−30902(P2013−30902A)
【公開日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−164353(P2011−164353)
【出願日】平成23年7月27日(2011.7.27)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年7月27日(2011.7.27)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】
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