無線通信装置
【課題】無線通信装置において、第1のデータ転送より高速の第2のデータ転送を遅滞なく行うことを目的とする。
【解決手段】第1の無線通信方式の物理層及びデータリンク層を用いて対向装置との間で第1の無線通信方式の第1のデータ転送を行い、かつ、第1の無線通信方式とは異なる第2の無線通信方式の物理層及びデータリンク層を用いて対向装置との間で第1の無線通信方式で第1のデータ転送より高速の第2のデータ転送を行い、更に、第2の無線通信方式の物理層及びデータリンク層を用いて対向装置との間で第2の無線通信方式の第3のデータ転送を行う無線通信装置であって、第2のデータ転送を指示されたとき、第2の無線通信方式の物理層及びデータリンク層が第3のデータ転送を行う動作を制限する動作制限手段を有する。
【解決手段】第1の無線通信方式の物理層及びデータリンク層を用いて対向装置との間で第1の無線通信方式の第1のデータ転送を行い、かつ、第1の無線通信方式とは異なる第2の無線通信方式の物理層及びデータリンク層を用いて対向装置との間で第1の無線通信方式で第1のデータ転送より高速の第2のデータ転送を行い、更に、第2の無線通信方式の物理層及びデータリンク層を用いて対向装置との間で第2の無線通信方式の第3のデータ転送を行う無線通信装置であって、第2のデータ転送を指示されたとき、第2の無線通信方式の物理層及びデータリンク層が第3のデータ転送を行う動作を制限する動作制限手段を有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動通信端末装置を含む無線通信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、2.4GHz帯はブルートゥース(登録商標)やWLAN(Wireless LAN:無線LAN)などの無線装置で利用されている。
【0003】
ブルートゥース(登録商標)3.0+HS(High Speed)は近距離無線通信方式であるブルートゥース(登録商標、以下「BT」と略す)の高速化規格である(非特許文献1参照)。BT3.0+HSは物理層及びデータリンク層に該当する部分で従来のBT方式とWLAN方式の両方を使えるようにしており、機器間で大容量データを高速転送する際はBTからWLANに切り替える。WLANについては非特許文献2で規格化されている。
【0004】
なお、BT3.0+HSは,WLANの通信方式を取り込むに当たって次の二つの技術を新たに採用している。第1はAMP(Alternate Media access control and Physical)であり、第2はPAL(Protocol Adaptation Layer)である。実際に大容量データを高速転送する場合、データを転送する機器間をBTで接続する。その後、機器間で大容量のデータを転送するためにアプリケーションが通信方式をBTからWLANに切り替える。この切り替え先となるのがAMPであり、AMPはBTアプリケーションとWLANの物理層との間でデータやコマンドをやりとりする。PALは送受信するデータやBTのコマンドをWLANで扱えるようにするための変換を行っている。
【0005】
ところで、コントローラー部でBT(BR/EDR)通信を実施し、BT(BR/EDR)とBT(WLAN)の信号に対して通信処理を実施する。そして、BT(BR/EDR)とBT(WLAN)のいずれかを選択し、管理部で送信信号を生成する。WLAN通信制御部では無線LAN送信信号とBT(WLAN)信号の送信制御を行い、WLAN無線部では無線LAN信号とBT(WLAN)信号を送受信する。WLAN無線部が受信した信号がBT(WLAN)信号である場合には管理部へ出力し、WLAN信号である場合にはブリッジ部へ出力する無線通信装置が提案されている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2011−35632号公報
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】Bluetooth Specification version3.0+HS
【非特許文献2】IEEE Std 802.11(2007)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
BT3.0+HSとWLANをサポートする移動通信端末装置において、WLANのMAC/PHY層はBT3.0+HSの高速モード(HSモード)とWLANの双方で動作する。ここで、図1に示すように、BT3.0+HSとWLANをサポートする移動通信端末装置1に対してBT3.0+HSとWLANをサポートする対向装置2から動画を送信しようとした場合について説明する。
【0009】
まず、対向装置2のBTの物理層及びデータリンク層であるBT LC/BB2aと移動通信端末装置1のBT LC/BB1aで接続確立を行う。その後、対向装置2のWLANの物理層及びデータリンク層であるWLAN MAC/PHY2bと移動通信端末装置1のWLAN MAC/PHY1bを接続して動画の送受信を行う。ところで、移動通信端末装置1は無線基地局4を介して例えば公衆網のインターネットネットワークに接続される。
【0010】
しかし、図2に示すように、対向装置2と移動通信端末装置1でBTの物理層及びデータリンク層の接続確立を行っている時点では、WLANをサポートする対向装置3のWLAN MAC/PHY3bから移動通信端末装置1のWLAN MAC/PHY1bが見えてしまう。このために、上記BTの物理層及びデータリンク層の接続確立の途中で対向装置3のWLAN MAC/PHY3bが移動通信端末装置1のWLAN MAC/PHY1bと接続する場合がある。この場合、上記BTの物理層及びデータリンク層の接続確立が終った後、対向装置2のWLAN MAC/PHY2bが移動通信端末装置1のWLAN MAC/PHY1bと接続することができない。あるいは、対向装置3のWLAN MAC/PHY3bが移動通信端末装置1のWLAN MAC/PHY1bとの接続を切断するまで待たなければ、対向装置2のWLAN MAC/PHY2bが移動通信端末装置1のWLAN MAC/PHY1bと接続できない等の問題があった。
【0011】
開示の無線通信装置は、第1のデータ転送より高速の第2のデータ転送を遅滞なく行うことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
開示の一実施形態による無線通信装置は、第1の無線通信方式の物理層及びデータリンク層を用いて対向装置との間で前記第1の無線通信方式の第1のデータ転送を行い、かつ、前記第1の無線通信方式とは異なる第2の無線通信方式の物理層及びデータリンク層を用いて対向装置との間で前記第1の無線通信方式で前記第1のデータ転送より高速の第2のデータ転送を行い、更に、前記第2の無線通信方式の物理層及びデータリンク層を用いて対向装置との間で前記第2の無線通信方式の第3のデータ転送を行う無線通信装置であって、
前記第2のデータ転送を指示されたとき、前記第2の無線通信方式の物理層及びデータリンク層が前記第3のデータ転送を行う動作を制限する動作制限手段を有する。
【発明の効果】
【0013】
本実施形態によれば、第1のデータ転送より高速の第2のデータ転送を遅滞なく行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】従来技術における課題を説明するための図である。
【図2】従来技術における課題を説明するための図である。
【図3】移動通信端末装置の一実施形態のハードウェア構成図である。
【図4】BT/WLAN処理機能の一実施形態の機能構成図である。
【図5】BT/WLANコアプロトコルの一実施形態の構成図である。
【図6】移動通信端末装置と対向装置との間をBT3.0+HSの高速モードで接続する第1実施形態のシーケンスを示す図である。
【図7】移動通信端末装置と対向装置との間をBT3.0+HSの高速モードで接続する第2実施形態のシーケンスを示す図である。
【図8】移動通信端末装置と対向装置との間をBT3.0+HSの高速モードで接続する第3実施形態のシーケンスを示す図である。
【図9】移動通信端末装置と対向装置との間をBT3.0+HSの高速モードで接続する第4実施形態のシーケンスを示す図である。
【図10】移動通信端末装置と対向装置との間をBT3.0+HSの高速モードで接続する第5実施形態のシーケンスを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面に基づいて実施形態を説明する。
【0016】
<移動通信端末装置のハードウェア構成>
図3は移動通信端末装置の一実施形態のハードウェア構成図を示す。図3において、移動通信端末装置10は、CPU11、記憶装置12、BT通信装置13、WLAN通信装置14、無線通信装置15、音声装置16、操作装置17、表示装置18を有している。これらの無線CPU11から表示装置18までのそれぞれはバス19により相互に接続されている。
【0017】
CPU11は記憶装置12に記憶されている各種処理プログラムを実行する。すなわち、装置各部の制御処理、送受信信号の符号化及び復号処理、BT通信装置13又はWLAN通信装置14を用いたBT/WLAN処理などである。また、CPU11は記憶装置12に送受信データや設定情報を含む各種情報を保存する。
【0018】
BT通信装置13は、パーソナルコンピュータ等の対向装置や他の移動通信端末装置のBT通信装置との間でブルートゥース(登録商標)による近距離無線通信でデータの送受信を行う。WLAN通信装置14はパーソナルコンピュータ等の対向装置との間でWLANによるデータの送受信を行う。
【0019】
無線通信装置15は基地局との無線通信を行う。無線通信装置15はCPU11又は音声装置16から供給される送信信号を変調して図示しないアンテナから基地局に送信し、また、アンテナで受信した基地局からの信号を復調してCPU11又は音声装置16に供給する。
【0020】
音声装置16はマイクロホンにて変換されたアナログ音声信号をデジタル化して無線通信装置15又はCPU11に供給し、また、無線通信装置15又はCPU11から供給されるデジタル音声信号をアナログ化してスピーカに発音させる。
【0021】
操作装置17は電話番号や文字等の入力を行うテンキー、通話キー、選択キー、決定キー、クリアキー等の各種キーを有しており、操作装置17の入力はCPU11に供給される。表示装置18はCPU11の制御により、各種文字情報や画像情報などの画面表示を行う。
【0022】
<BT/WLAN処理機能の構成>
図4はCPU11で動作するプログラムによって実行されるBT/WLAN処理機能の一実施形態の機能構成図を示す。図4において、端末制御部21は無線通信端末装置のソフトウェア全体を制御する。すなわち、端末制御部21は近距離無線制御部22、BT通信制御部23、WLAN通信制御部26、更には無線通信装置15をも制御する。
【0023】
近距離無線制御部22はBT制御部23とWLAN通信制御部26との排他制御を行う。すなわち、近距離無線制御部22はWLANとしての動作を期待する対向装置が自装置のBT3.0+HSの高速モードで動作するWLAN MAC/PHYに接続することがないよう制御する。また、近距離無線制御部22はBT3.0+HSの高速モードとしての動作を期待する対向装置が自装置のWLANモードで動作するWLAN MAC/PHYに接続を要求したりすることがないよう制御する。
【0024】
BT通信制御部23は、BT−BR/EDR通信制御部24とBT−HS通信制御部25の切り替え制御つまりAMPを行ってBT通信を行う。BT−BR/EDR通信制御部24は既存のBT2.1+BR(Basic Rate)/EDR(Enhanced Data Rate)通信を実現する。BT−HS通信制御部25はBT3.0+HSの高速通信を実現する。また、WLAN通信制御部26はIEEE802.11で規定されるWLAN通信の制御を行う。
【0025】
<BT/WLANコアプロトコルの構成>
図5はBT/WLANコアプロトコルの一実施形態の構成図を示す。図5において、B物理層及びデータリンク層であるBT LC/BB(BaseBand/Link Controller)31は物理層(PHY)で提供される電波を利用して、BT通信のベースとなる通信リンクを提供する。同様に、WLANの物理層及びデータリンク層であるWLAN MAC/PHY(Media Access Control/PHYsical)32はWLAN通信のベースとなる通信リンクを提供する。
【0026】
BT HCI(Host Controller Interface)33はBTプロトコル34をBT LC/BB31に接続する。上記のBT HCI33及びBTプロトコル34が図4のBT−BR/EDR通信制御部24を実現する。
【0027】
BT HCI(AMP)35はBTプロトコル34をWLAN MAC/PHY32に接続する。上記のBT HCI(AMP)35及びBTプロトコル34が図4のBT−HS通信制御部25を実現する。
【0028】
更に、WLAN HCI36はWLANプロトコル37をWLAN MAC/PHY32に接続する。上記のWLAN HCI36及びWLANプロトコル37が図4のWLAN通信制御部26を実現する。
【0029】
AMPマネージャ38は近距離無線制御部22の制御により、BT−BR/EDR通信制御部24つまりBT HCI33及びBTプロトコル34と、BT−HS通信制御部25つまりBT HCI(AMP)35及びBTプロトコル34との切り替えを行う。上記のAMPマネージャ38が図4のBT通信制御部23を実現する。
【0030】
<第1実施形態のシーケンス>
図6は移動通信端末装置と対向装置との間をBT3.0+HSの高速モードで接続する第1実施形態のシーケンスを示す。
【0031】
シーケンスSQ1では、移動通信端末装置10の操作装置17からBT3.0+HSサービス開始の指示が入力される。移動通信端末装置10の近距離無線制御部22はBT通信制御部23にBR/EDR接続を指示する。これにより、BT−BR/EDR通信制御部24は対向装置Xに対しBR/EDR接続要求を行う。対向装置Xとの間のBR/EDR接続が確立すると、BT通信制御部23はBR/EDR接続確立の応答を近距離無線制御部22に通知する。これにより、移動通信端末装置10と対向装置XとのBR/EDR接続が確立する。
【0032】
なお、移動通信端末装置10を自装置とも呼ぶ。また、シーケンスSQ1以前にWLAN通信制御部26はWLAN物理リンク確立要求のビーコンをWLAN MAC/PHY32からブロードキャストしている(Beaconing(WLAN))。ここで、ビーコンとはWLAN MAC/PHY32が送信する管理用フレームである。
【0033】
シーケンスSQ2では、近距離無線制御部22はBR/EDR接続を使用するプロファイルのBT3.0+HSの利用可否をチェックする。利用可能であれば近距離無線制御部22はAMP接続と判断する。なお、プロファイルはBTで通信する際に使用される機器の種類ごとに策定されたプロトコルの標準である。
【0034】
シーケンスSQ3では、AMP接続と判断したため、近距離無線制御部22はWLAN通信制御部26のWLAN MAC/PHY32にIEEE802.11で規定されるWLAN通信を停止させる。これにより、WLAN通信制御部26はWLAN MAC/PHY32からのビーコンのブロードキャストを停止する(Stop Beaconing(WLAN))。
【0035】
次に、シーケンスSQ4で、WLAN通信制御部26は対向装置Xと異なる他の対向装置YからWLANとしての接続要求があっても、このWLAN接続要求を拒否する。
【0036】
こののち、シーケンスSQ5では、近距離無線制御部22はBT通信制御部23にAMP接続を指示する。BT通信制御部23は対向装置Xとの間でAMP接続のためのネゴシエーションを行う。
【0037】
次に、シーケンスSQ6では、BT通信制御部23はBT−HS通信制御部25にWLAN物理リンク確立を指示する。これにより、BT−HS通信制御部25はWLAN物理リンク確立要求(Start Beaconing)のビーコンをWLAN MAC/PHY32からブロードキャストする。こののち、BT通信制御部23は対向装置Xに対しAMP要求を行う。そして、BT通信制御部23と対向装置XとのWLAN物理リンクが確立すると、BT通信制御部23はAMP接続確立の応答を近距離無線制御部22に通知する。これにより、移動通信端末装置10と対向装置XとのAMP接続が確立して、遅滞することなくBT3.0+HS通信が可能となる。
【0038】
<第2実施形態のシーケンス>
図7は移動通信端末装置と対向装置との間をBT3.0+HSの高速モードで接続する第2実施形態のシーケンスを示す。
【0039】
シーケンスSQ11では、移動通信端末装置10の操作装置17からBT3.0+HSサービス開始の指示が入力される。移動通信端末装置10の近距離無線制御部22はBT通信制御部23にBR/EDR接続を指示する。これにより、BT−BR/EDR通信制御部24は対向装置Xに対しBR/EDR接続要求を行う。対向装置Xとの間のBR/EDR接続が確立すると、BT通信制御部23はBR/EDR接続確立の応答を近距離無線制御部22に通知する。これにより、移動通信端末装置10と対向装置XとのBR/EDR接続が確立する。
【0040】
なお、シーケンスSQ11以前にWLAN通信制御部26はWLAN物理リンク確立要求のビーコンをWLAN MAC/PHY32からブロードキャストしている。
【0041】
シーケンスSQ12では、AMP接続と判断したため、近距離無線制御部22はBR/EDR接続を使用するプロファイルのBT3.0+HSの利用可否をチェックする。利用可能であれば近距離無線制御部22はAMP接続と判断する。
【0042】
シーケンスSQ13では、近距離無線制御部22はBT通信制御部23にAMP接続を指示する。BT通信制御部23は対向装置Xとの間でAMP接続のためのネゴシエーションを行い、ネゴシエーションが完了したことを近距離無線制御部22に通知する。
【0043】
シーケンスSQ14では、近距離無線制御部22はWLAN通信制御部26のWLAN MAC/PHY32にIEEE802.11で規定されるWLAN通信を停止させる。これにより、WLAN通信制御部26はWLAN MAC/PHY32からのビーコンのブロードキャストを停止する。
【0044】
次に、シーケンスSQ15で、WLAN通信制御部26は対向装置Xと異なる他の対向装置YからWLANとしての接続要求があっても、このWLAN接続要求を拒否する。
【0045】
こののち、シーケンスSQ16では、BT通信制御部23はBT−HS通信制御部25にWLAN物理リンク確立を指示する。これにより、BT−HS通信制御部25はWLAN物理リンク確立要求のビーコンをWLAN MAC/PHY32からブロードキャストする。こののち、BT通信制御部23は対向装置Xに対しAMP要求を行う。そして、BT通信制御部23と対向装置XとのWLAN物理リンクが確立すると、BT通信制御部23はAMP接続確立の応答を近距離無線制御部22に通知する。これにより、移動通信端末装置10と対向装置XとのAMP接続が確立して、遅滞することなくBT3.0+HS通信が可能となる。
【0046】
この実施形態では、先に、AMP接続のためのネゴシエーションを実行し、ネゴシエーションが成功したときにWLAN通信制御部26は他の対向装置YからのWLANとしての接続要求を拒否する。このため、対向装置XがAMP接続不可の場合に無駄に他の対向装置YからのWLANとしての接続要求を拒否することを避けることができる。
【0047】
<第3実施形態のシーケンス>
図8は移動通信端末装置と対向装置との間をBT3.0+HSの高速モードで接続する第3実施形態のシーケンスを示す。
【0048】
シーケンスSQ21では、移動通信端末装置10の操作装置17からBT3.0+HSサービス開始の指示が入力される。移動通信端末装置10の近距離無線制御部22はBT通信制御部23にBR/EDR接続を指示する。これにより、BT−BR/EDR通信制御部24は対向装置Xに対しBR/EDR接続要求を行う。対向装置Xとの間のBR/EDR接続が確立すると、BT通信制御部23はBR/EDR接続確立の応答を近距離無線制御部22に通知する。これにより、移動通信端末装置10と対向装置XとのBR/EDR接続が確立する。
【0049】
なお、シーケンスSQ21以前にWLAN通信制御部26はWLAN物理リンク確立要求のビーコンをWLAN MAC/PHY32からブロードキャストしている。
【0050】
シーケンスSQ22では、近距離無線制御部22はBR/EDR接続を使用するプロファイルのBT3.0+HSの利用可否をチェックする。利用可能であれば近距離無線制御部22はAMP接続と判断する。
【0051】
シーケンスSQ23では、AMP接続と判断したため、近距離無線制御部22はBT通信制御部23にAMP接続を指示する。BT通信制御部23は対向装置Xとの間でAMP接続のためのネゴシエーションを行い、ネゴシエーションが完了したことを近距離無線制御部22に通知する。
【0052】
シーケンスSQ24では、近距離無線制御部22はWLAN通信制御部26のWLAN MAC/PHY32にIEEE802.11で規定されるWLAN通信を停止させる。これにより、WLAN通信制御部26は対向装置YからWLAN機能が見えないように、BTのAMPとしてのSSIDだけをブロードキャストして公開する。なお、SSIDはWLANの識別名である。
【0053】
次に、シーケンスSQ25で、WLAN通信制御部26は対向装置Xと異なる他の対向装置YからWLANとしての接続要求があっても、このWLAN接続要求を拒否する。
【0054】
次に、シーケンスSQ26では、BT通信制御部23はBT−HS通信制御部25にWLAN物理リンク確立を指示する。これにより、BT−HS通信制御部25はWLAN物理リンク確立要求のビーコンをWLAN MAC/PHY32からブロードキャストする。こののち、BT通信制御部23は対向装置Xに対しAMP要求を行う。そして、BT通信制御部23と対向装置XとのWLAN物理リンクが確立すると、BT通信制御部23はAMP接続確立の応答を近距離無線制御部22に通知する。これにより、移動通信端末装置10と対向装置XとのAMP接続が確立して、遅滞することなくBT3.0+HS通信が可能となる。
【0055】
ところで、上記の第1〜第3実施形態では移動通信端末装置10がアクセスポイントつまり親機であり、対向装置Xがステーションつまり子機である場合について説明したが、以下に移動通信端末装置10がステーションで対向装置Xがアクセスポイントである場合について説明する。
【0056】
<第4実施形態のシーケンス>
図9は移動通信端末装置と対向装置との間をBT3.0+HSの高速モードで接続する第4実施形態のシーケンスを示す。この実施形態は図6の実施形態における移動通信端末装置10をアクセスポイントからステーションに置き換えている。
【0057】
シーケンスSQ31では、対向装置Xに対してBT3.0+HSサービス開始を指示する。これにより、対向装置Xは移動通信端末装置10のBT−BR/EDR通信制御部24に対しBR/EDR接続要求を行う。対向装置Xとの間のBR/EDR接続が確立すると、BT通信制御部23はBR/EDR接続確立の応答を近距離無線制御部22に通知する。これにより、移動通信端末装置10と対向装置XとのBR/EDR接続が確立する。
【0058】
なお、シーケンスSQ31以前にWLAN通信制御部26はWLAN MAC/PHY32をWLAN物理リンク確立要求のビーコンを受信するWLAN物理リンク確立要求待ち状態(Listening(WLAN))としている。
【0059】
シーケンスSQ32では、近距離無線制御部22はBR/EDR接続を使用するプロファイルのBT3.0+HSの利用可否をチェックする。利用可能であれば近距離無線制御部22はAMP接続と判断する。
【0060】
シーケンスSQ33では、AMP接続と判断したため、近距離無線制御部22はWLAN通信制御部26のWLAN MAC/PHY32にIEEE802.11で規定されるWLAN通信を停止させる。これにより、WLAN通信制御部26はWLAN MAC/PHY32のWLAN物理リンク確立要求の受信を停止させてWLAN物理リンク確立要求待ち状態を終了させる(Stop Listening(WLAN))。
【0061】
次に、シーケンスSQ34で、WLAN通信制御部26は対向装置Xと異なる他の対向装置YからWLANとしての接続要求があっても、このWLAN接続要求を拒否する。
【0062】
こののち、シーケンスSQ35では、近距離無線制御部22はBT通信制御部23にAMP接続を指示する。BT通信制御部23は対向装置Xとの間でAMP接続のためのネゴシエーションを行う。
【0063】
次に、シーケンスSQ36では、BT通信制御部23はBT−HS通信制御部25にWLAN物理リンク確立要求待ちを指示する。これにより、BT−HS通信制御部25はWLAN MAC/PHY32をWLAN物理リンク確立要求のビーコンの受信を開始させてWLAN物理リンク確立要求待ち状態を開始させる(Start Listening)。こののち、BT通信制御部23は対向装置Xに対しAMP要求を行う。そして、BT通信制御部23と対向装置XとのWLAN物理リンクが確立すると、BT通信制御部23はAMP接続確立の応答を近距離無線制御部22に通知する。これにより、移動通信端末装置10と対向装置XとのAMP接続が確立して、遅滞することなくBT3.0+HS通信が可能となる。
【0064】
<第5実施形態のシーケンス>
図10は移動通信端末装置と対向装置との間をBT3.0+HSの高速モードで接続する第5実施形態のシーケンスを示す。この実施形態は図8の実施形態における移動通信端末装置10をアクセスポイントからステーションに置き換えている。
【0065】
シーケンスSQ41では、対向装置Xに対してBT3.0+HSサービス開始を指示する。これにより、対向装置Xは移動通信端末装置10のBT−BR/EDR通信制御部24に対しBR/EDR接続要求を行う。対向装置Xとの間のBR/EDR接続が確立すると、BT通信制御部23はBR/EDR接続確立の応答を近距離無線制御部22に通知する。これにより、移動通信端末装置10と対向装置XとのBR/EDR接続が確立する。
【0066】
なお、シーケンスSQ41以前にWLAN通信制御部26はWLAN MAC/PHY32をWLAN物理リンク確立要求のビーコンを受信するWLAN物理リンク確立要求待ち状態としている。
【0067】
シーケンスSQ42では、近距離無線制御部22はBR/EDR接続を使用するプロファイルのBT3.0+HSの利用可否をチェックする。利用可能であれば近距離無線制御部22はAMP接続と判断する。
【0068】
シーケンスSQ43では、AMP接続と判断したため、近距離無線制御部22はBT通信制御部23にAMP接続を指示する。BT通信制御部23は対向装置Xとの間でAMP接続のためのネゴシエーションを行い、ネゴシエーションが完了したことを近距離無線制御部22に通知する。
【0069】
シーケンスSQ44では、近距離無線制御部22はWLAN通信制御部26のWLAN MAC/PHY32にIEEE802.11で規定されるWLAN通信を停止させる。これにより、WLAN通信制御部26は対向装置YからWLAN機能が見えないように、BTのAMPとしてのSSIDだけをブロードキャストする。
【0070】
次に、シーケンスSQ45で、WLAN通信制御部26は対向装置Xと異なる他の対向装置YからWLANとしての接続要求があっても、このWLAN接続要求を拒否する。
【0071】
次に、シーケンスSQ46では、BT通信制御部23はBT−HS通信制御部25にWLAN物理リンク確立要求待ちを指示する。これにより、BT−HS通信制御部25はWLAN MAC/PHY32をWLAN物理リンク確立要求のビーコンの受信を開始させてWLAN物理リンク確立要求待ち状態を開始させる。こののち、BT通信制御部23は対向装置Xに対しAMP要求を行う。そして、BT通信制御部23と対向装置XとのWLAN物理リンクが確立すると、BT通信制御部23はAMP接続確立の応答を近距離無線制御部22に通知する。これにより、移動通信端末装置10と対向装置XとのAMP接続が確立して、遅滞することなくBT3.0+HS通信が可能となる。
【0072】
上記実施形態によれば、BT3.0+HSとWLANをサポートする移動通信端末装置で、WLANとしての動作を期待する対向装置が自装置のBT3.0+HSの高速モードで動作するWLAN MAC/PHYに接続することがないように制御でき、BT3.0+HSの高速モードとしての動作を期待する対向装置が自装置のWLANモードで動作するWLAN MAC/PHYに接続を要求したりすることがないよう制御できる。
【0073】
なお、上記実施形態では移動通信端末装置を例に説明したが、移動通信端末装置に限らず、図6の近距離無線制御部22、BT通信制御部23、BT−BR/EDR通信制御部24、BT−HS通信制御部25、WLAN通信制御部26を有する無線通信装置であれば移動通信端末装置と同様に適用できる。
(付記1)
第1の無線通信方式の物理層及びデータリンク層を用いて対向装置との間で前記第1の無線通信方式の第1のデータ転送を行い、かつ、前記第1の無線通信方式とは異なる第2の無線通信方式の物理層及びデータリンク層を用いて対向装置との間で前記第1の無線通信方式で前記第1のデータ転送より高速の第2のデータ転送を行い、更に、前記第2の無線通信方式の物理層及びデータリンク層を用いて対向装置との間で前記第2の無線通信方式の第3のデータ転送を行う無線通信装置であって、
前記第2のデータ転送を指示されたとき、前記第2の無線通信方式の物理層及びデータリンク層が前記第3のデータ転送を行う動作を制限する動作制限手段
を有することを特徴とする無線通信装置。
(付記2)
付記1記載の無線通信装置において、
前記動作制限手段は、前記第2のデータ転送の指示により、前記第1の無線通信方式の第1のデータ転送を用いて前記対向装置との間で前記第2のデータ転送を行うためのネゴシエーションを行う前に、前記第2の無線通信方式の物理層及びデータリンク層が前記第3のデータ転送を行う動作を停止させる
ことを特徴とする無線通信装置。
(付記3)
付記1記載の無線通信装置において、
前記動作制限手段は、前記第2のデータ転送の指示により、前記第1の無線通信方式の第1のデータ転送を用いて前記対向装置との間で前記第2のデータ転送を行うためのネゴシエーションを行った後に、前記第2の無線通信方式の物理層及びデータリンク層が前記第3のデータ転送を行う動作を停止させる
ことを特徴とする無線通信装置。
(付記4)
付記1記載の無線通信装置において、
前記動作制限手段は、前記第2のデータ転送の指示により、前記第1の無線通信方式の第1のデータ転送を用いて前記対向装置との間で前記第2のデータ転送を行うためのネゴシエーションを行った後に、前記第2の無線通信方式の物理層及びデータリンク層に対する前記第3のデータ転送の要求を受け付けを拒否し、前記第2の無線通信方式の物理層及びデータリンク層に対する前記第2のデータ転送の要求を受け付ける
ことを特徴とする無線通信装置。
(付記5)
付記4記載の無線通信装置において、
前記動作制限手段は、前記第2のデータ転送のための前記第2の無線通信方式の物理層及びデータリンク層の識別名を前記対向装置に対して公開する
ことを特徴とする無線通信装置。
(付記6)
付記2又は3記載の無線通信装置において、
前記停止手段は、前記第2の無線通信方式の物理層及びデータリンク層からのリンク確立要求の送信を停止して前記第3のデータ転送を行う動作を停止させる
ことを特徴とする無線通信装置。
(付記7)
付記2又は3記載の無線通信装置において、
前記停止手段は、前記第2の無線通信方式の物理層及びデータリンク層でのリンク確立要求の受信を停止して前記第3のデータ転送を行う動作を停止させる
ことを特徴とする無線通信装置。
【符号の説明】
【0074】
10 移動通信端末装置
11 CPU
12 記憶装置
13 BT通信装置
14 WLAN通信装置
15 無線通信装置
16 音声装置
17 操作装置
18 表示装置
21 端末制御部
22 近距離無線制御部
23 BT制御部
24 BT−BR/EDR通信制御部
25 BT−HS通信制御部
26 WLAN通信制御部
31 BT LC/BB
32 WLAN MAC/PHY
33 BT HCI
34 BTプロトコル
35 BT HCI(AMP)
36 WLAN HCI
37 WLANプロトコル
38 AMPマネージャ
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動通信端末装置を含む無線通信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、2.4GHz帯はブルートゥース(登録商標)やWLAN(Wireless LAN:無線LAN)などの無線装置で利用されている。
【0003】
ブルートゥース(登録商標)3.0+HS(High Speed)は近距離無線通信方式であるブルートゥース(登録商標、以下「BT」と略す)の高速化規格である(非特許文献1参照)。BT3.0+HSは物理層及びデータリンク層に該当する部分で従来のBT方式とWLAN方式の両方を使えるようにしており、機器間で大容量データを高速転送する際はBTからWLANに切り替える。WLANについては非特許文献2で規格化されている。
【0004】
なお、BT3.0+HSは,WLANの通信方式を取り込むに当たって次の二つの技術を新たに採用している。第1はAMP(Alternate Media access control and Physical)であり、第2はPAL(Protocol Adaptation Layer)である。実際に大容量データを高速転送する場合、データを転送する機器間をBTで接続する。その後、機器間で大容量のデータを転送するためにアプリケーションが通信方式をBTからWLANに切り替える。この切り替え先となるのがAMPであり、AMPはBTアプリケーションとWLANの物理層との間でデータやコマンドをやりとりする。PALは送受信するデータやBTのコマンドをWLANで扱えるようにするための変換を行っている。
【0005】
ところで、コントローラー部でBT(BR/EDR)通信を実施し、BT(BR/EDR)とBT(WLAN)の信号に対して通信処理を実施する。そして、BT(BR/EDR)とBT(WLAN)のいずれかを選択し、管理部で送信信号を生成する。WLAN通信制御部では無線LAN送信信号とBT(WLAN)信号の送信制御を行い、WLAN無線部では無線LAN信号とBT(WLAN)信号を送受信する。WLAN無線部が受信した信号がBT(WLAN)信号である場合には管理部へ出力し、WLAN信号である場合にはブリッジ部へ出力する無線通信装置が提案されている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2011−35632号公報
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】Bluetooth Specification version3.0+HS
【非特許文献2】IEEE Std 802.11(2007)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
BT3.0+HSとWLANをサポートする移動通信端末装置において、WLANのMAC/PHY層はBT3.0+HSの高速モード(HSモード)とWLANの双方で動作する。ここで、図1に示すように、BT3.0+HSとWLANをサポートする移動通信端末装置1に対してBT3.0+HSとWLANをサポートする対向装置2から動画を送信しようとした場合について説明する。
【0009】
まず、対向装置2のBTの物理層及びデータリンク層であるBT LC/BB2aと移動通信端末装置1のBT LC/BB1aで接続確立を行う。その後、対向装置2のWLANの物理層及びデータリンク層であるWLAN MAC/PHY2bと移動通信端末装置1のWLAN MAC/PHY1bを接続して動画の送受信を行う。ところで、移動通信端末装置1は無線基地局4を介して例えば公衆網のインターネットネットワークに接続される。
【0010】
しかし、図2に示すように、対向装置2と移動通信端末装置1でBTの物理層及びデータリンク層の接続確立を行っている時点では、WLANをサポートする対向装置3のWLAN MAC/PHY3bから移動通信端末装置1のWLAN MAC/PHY1bが見えてしまう。このために、上記BTの物理層及びデータリンク層の接続確立の途中で対向装置3のWLAN MAC/PHY3bが移動通信端末装置1のWLAN MAC/PHY1bと接続する場合がある。この場合、上記BTの物理層及びデータリンク層の接続確立が終った後、対向装置2のWLAN MAC/PHY2bが移動通信端末装置1のWLAN MAC/PHY1bと接続することができない。あるいは、対向装置3のWLAN MAC/PHY3bが移動通信端末装置1のWLAN MAC/PHY1bとの接続を切断するまで待たなければ、対向装置2のWLAN MAC/PHY2bが移動通信端末装置1のWLAN MAC/PHY1bと接続できない等の問題があった。
【0011】
開示の無線通信装置は、第1のデータ転送より高速の第2のデータ転送を遅滞なく行うことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
開示の一実施形態による無線通信装置は、第1の無線通信方式の物理層及びデータリンク層を用いて対向装置との間で前記第1の無線通信方式の第1のデータ転送を行い、かつ、前記第1の無線通信方式とは異なる第2の無線通信方式の物理層及びデータリンク層を用いて対向装置との間で前記第1の無線通信方式で前記第1のデータ転送より高速の第2のデータ転送を行い、更に、前記第2の無線通信方式の物理層及びデータリンク層を用いて対向装置との間で前記第2の無線通信方式の第3のデータ転送を行う無線通信装置であって、
前記第2のデータ転送を指示されたとき、前記第2の無線通信方式の物理層及びデータリンク層が前記第3のデータ転送を行う動作を制限する動作制限手段を有する。
【発明の効果】
【0013】
本実施形態によれば、第1のデータ転送より高速の第2のデータ転送を遅滞なく行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】従来技術における課題を説明するための図である。
【図2】従来技術における課題を説明するための図である。
【図3】移動通信端末装置の一実施形態のハードウェア構成図である。
【図4】BT/WLAN処理機能の一実施形態の機能構成図である。
【図5】BT/WLANコアプロトコルの一実施形態の構成図である。
【図6】移動通信端末装置と対向装置との間をBT3.0+HSの高速モードで接続する第1実施形態のシーケンスを示す図である。
【図7】移動通信端末装置と対向装置との間をBT3.0+HSの高速モードで接続する第2実施形態のシーケンスを示す図である。
【図8】移動通信端末装置と対向装置との間をBT3.0+HSの高速モードで接続する第3実施形態のシーケンスを示す図である。
【図9】移動通信端末装置と対向装置との間をBT3.0+HSの高速モードで接続する第4実施形態のシーケンスを示す図である。
【図10】移動通信端末装置と対向装置との間をBT3.0+HSの高速モードで接続する第5実施形態のシーケンスを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面に基づいて実施形態を説明する。
【0016】
<移動通信端末装置のハードウェア構成>
図3は移動通信端末装置の一実施形態のハードウェア構成図を示す。図3において、移動通信端末装置10は、CPU11、記憶装置12、BT通信装置13、WLAN通信装置14、無線通信装置15、音声装置16、操作装置17、表示装置18を有している。これらの無線CPU11から表示装置18までのそれぞれはバス19により相互に接続されている。
【0017】
CPU11は記憶装置12に記憶されている各種処理プログラムを実行する。すなわち、装置各部の制御処理、送受信信号の符号化及び復号処理、BT通信装置13又はWLAN通信装置14を用いたBT/WLAN処理などである。また、CPU11は記憶装置12に送受信データや設定情報を含む各種情報を保存する。
【0018】
BT通信装置13は、パーソナルコンピュータ等の対向装置や他の移動通信端末装置のBT通信装置との間でブルートゥース(登録商標)による近距離無線通信でデータの送受信を行う。WLAN通信装置14はパーソナルコンピュータ等の対向装置との間でWLANによるデータの送受信を行う。
【0019】
無線通信装置15は基地局との無線通信を行う。無線通信装置15はCPU11又は音声装置16から供給される送信信号を変調して図示しないアンテナから基地局に送信し、また、アンテナで受信した基地局からの信号を復調してCPU11又は音声装置16に供給する。
【0020】
音声装置16はマイクロホンにて変換されたアナログ音声信号をデジタル化して無線通信装置15又はCPU11に供給し、また、無線通信装置15又はCPU11から供給されるデジタル音声信号をアナログ化してスピーカに発音させる。
【0021】
操作装置17は電話番号や文字等の入力を行うテンキー、通話キー、選択キー、決定キー、クリアキー等の各種キーを有しており、操作装置17の入力はCPU11に供給される。表示装置18はCPU11の制御により、各種文字情報や画像情報などの画面表示を行う。
【0022】
<BT/WLAN処理機能の構成>
図4はCPU11で動作するプログラムによって実行されるBT/WLAN処理機能の一実施形態の機能構成図を示す。図4において、端末制御部21は無線通信端末装置のソフトウェア全体を制御する。すなわち、端末制御部21は近距離無線制御部22、BT通信制御部23、WLAN通信制御部26、更には無線通信装置15をも制御する。
【0023】
近距離無線制御部22はBT制御部23とWLAN通信制御部26との排他制御を行う。すなわち、近距離無線制御部22はWLANとしての動作を期待する対向装置が自装置のBT3.0+HSの高速モードで動作するWLAN MAC/PHYに接続することがないよう制御する。また、近距離無線制御部22はBT3.0+HSの高速モードとしての動作を期待する対向装置が自装置のWLANモードで動作するWLAN MAC/PHYに接続を要求したりすることがないよう制御する。
【0024】
BT通信制御部23は、BT−BR/EDR通信制御部24とBT−HS通信制御部25の切り替え制御つまりAMPを行ってBT通信を行う。BT−BR/EDR通信制御部24は既存のBT2.1+BR(Basic Rate)/EDR(Enhanced Data Rate)通信を実現する。BT−HS通信制御部25はBT3.0+HSの高速通信を実現する。また、WLAN通信制御部26はIEEE802.11で規定されるWLAN通信の制御を行う。
【0025】
<BT/WLANコアプロトコルの構成>
図5はBT/WLANコアプロトコルの一実施形態の構成図を示す。図5において、B物理層及びデータリンク層であるBT LC/BB(BaseBand/Link Controller)31は物理層(PHY)で提供される電波を利用して、BT通信のベースとなる通信リンクを提供する。同様に、WLANの物理層及びデータリンク層であるWLAN MAC/PHY(Media Access Control/PHYsical)32はWLAN通信のベースとなる通信リンクを提供する。
【0026】
BT HCI(Host Controller Interface)33はBTプロトコル34をBT LC/BB31に接続する。上記のBT HCI33及びBTプロトコル34が図4のBT−BR/EDR通信制御部24を実現する。
【0027】
BT HCI(AMP)35はBTプロトコル34をWLAN MAC/PHY32に接続する。上記のBT HCI(AMP)35及びBTプロトコル34が図4のBT−HS通信制御部25を実現する。
【0028】
更に、WLAN HCI36はWLANプロトコル37をWLAN MAC/PHY32に接続する。上記のWLAN HCI36及びWLANプロトコル37が図4のWLAN通信制御部26を実現する。
【0029】
AMPマネージャ38は近距離無線制御部22の制御により、BT−BR/EDR通信制御部24つまりBT HCI33及びBTプロトコル34と、BT−HS通信制御部25つまりBT HCI(AMP)35及びBTプロトコル34との切り替えを行う。上記のAMPマネージャ38が図4のBT通信制御部23を実現する。
【0030】
<第1実施形態のシーケンス>
図6は移動通信端末装置と対向装置との間をBT3.0+HSの高速モードで接続する第1実施形態のシーケンスを示す。
【0031】
シーケンスSQ1では、移動通信端末装置10の操作装置17からBT3.0+HSサービス開始の指示が入力される。移動通信端末装置10の近距離無線制御部22はBT通信制御部23にBR/EDR接続を指示する。これにより、BT−BR/EDR通信制御部24は対向装置Xに対しBR/EDR接続要求を行う。対向装置Xとの間のBR/EDR接続が確立すると、BT通信制御部23はBR/EDR接続確立の応答を近距離無線制御部22に通知する。これにより、移動通信端末装置10と対向装置XとのBR/EDR接続が確立する。
【0032】
なお、移動通信端末装置10を自装置とも呼ぶ。また、シーケンスSQ1以前にWLAN通信制御部26はWLAN物理リンク確立要求のビーコンをWLAN MAC/PHY32からブロードキャストしている(Beaconing(WLAN))。ここで、ビーコンとはWLAN MAC/PHY32が送信する管理用フレームである。
【0033】
シーケンスSQ2では、近距離無線制御部22はBR/EDR接続を使用するプロファイルのBT3.0+HSの利用可否をチェックする。利用可能であれば近距離無線制御部22はAMP接続と判断する。なお、プロファイルはBTで通信する際に使用される機器の種類ごとに策定されたプロトコルの標準である。
【0034】
シーケンスSQ3では、AMP接続と判断したため、近距離無線制御部22はWLAN通信制御部26のWLAN MAC/PHY32にIEEE802.11で規定されるWLAN通信を停止させる。これにより、WLAN通信制御部26はWLAN MAC/PHY32からのビーコンのブロードキャストを停止する(Stop Beaconing(WLAN))。
【0035】
次に、シーケンスSQ4で、WLAN通信制御部26は対向装置Xと異なる他の対向装置YからWLANとしての接続要求があっても、このWLAN接続要求を拒否する。
【0036】
こののち、シーケンスSQ5では、近距離無線制御部22はBT通信制御部23にAMP接続を指示する。BT通信制御部23は対向装置Xとの間でAMP接続のためのネゴシエーションを行う。
【0037】
次に、シーケンスSQ6では、BT通信制御部23はBT−HS通信制御部25にWLAN物理リンク確立を指示する。これにより、BT−HS通信制御部25はWLAN物理リンク確立要求(Start Beaconing)のビーコンをWLAN MAC/PHY32からブロードキャストする。こののち、BT通信制御部23は対向装置Xに対しAMP要求を行う。そして、BT通信制御部23と対向装置XとのWLAN物理リンクが確立すると、BT通信制御部23はAMP接続確立の応答を近距離無線制御部22に通知する。これにより、移動通信端末装置10と対向装置XとのAMP接続が確立して、遅滞することなくBT3.0+HS通信が可能となる。
【0038】
<第2実施形態のシーケンス>
図7は移動通信端末装置と対向装置との間をBT3.0+HSの高速モードで接続する第2実施形態のシーケンスを示す。
【0039】
シーケンスSQ11では、移動通信端末装置10の操作装置17からBT3.0+HSサービス開始の指示が入力される。移動通信端末装置10の近距離無線制御部22はBT通信制御部23にBR/EDR接続を指示する。これにより、BT−BR/EDR通信制御部24は対向装置Xに対しBR/EDR接続要求を行う。対向装置Xとの間のBR/EDR接続が確立すると、BT通信制御部23はBR/EDR接続確立の応答を近距離無線制御部22に通知する。これにより、移動通信端末装置10と対向装置XとのBR/EDR接続が確立する。
【0040】
なお、シーケンスSQ11以前にWLAN通信制御部26はWLAN物理リンク確立要求のビーコンをWLAN MAC/PHY32からブロードキャストしている。
【0041】
シーケンスSQ12では、AMP接続と判断したため、近距離無線制御部22はBR/EDR接続を使用するプロファイルのBT3.0+HSの利用可否をチェックする。利用可能であれば近距離無線制御部22はAMP接続と判断する。
【0042】
シーケンスSQ13では、近距離無線制御部22はBT通信制御部23にAMP接続を指示する。BT通信制御部23は対向装置Xとの間でAMP接続のためのネゴシエーションを行い、ネゴシエーションが完了したことを近距離無線制御部22に通知する。
【0043】
シーケンスSQ14では、近距離無線制御部22はWLAN通信制御部26のWLAN MAC/PHY32にIEEE802.11で規定されるWLAN通信を停止させる。これにより、WLAN通信制御部26はWLAN MAC/PHY32からのビーコンのブロードキャストを停止する。
【0044】
次に、シーケンスSQ15で、WLAN通信制御部26は対向装置Xと異なる他の対向装置YからWLANとしての接続要求があっても、このWLAN接続要求を拒否する。
【0045】
こののち、シーケンスSQ16では、BT通信制御部23はBT−HS通信制御部25にWLAN物理リンク確立を指示する。これにより、BT−HS通信制御部25はWLAN物理リンク確立要求のビーコンをWLAN MAC/PHY32からブロードキャストする。こののち、BT通信制御部23は対向装置Xに対しAMP要求を行う。そして、BT通信制御部23と対向装置XとのWLAN物理リンクが確立すると、BT通信制御部23はAMP接続確立の応答を近距離無線制御部22に通知する。これにより、移動通信端末装置10と対向装置XとのAMP接続が確立して、遅滞することなくBT3.0+HS通信が可能となる。
【0046】
この実施形態では、先に、AMP接続のためのネゴシエーションを実行し、ネゴシエーションが成功したときにWLAN通信制御部26は他の対向装置YからのWLANとしての接続要求を拒否する。このため、対向装置XがAMP接続不可の場合に無駄に他の対向装置YからのWLANとしての接続要求を拒否することを避けることができる。
【0047】
<第3実施形態のシーケンス>
図8は移動通信端末装置と対向装置との間をBT3.0+HSの高速モードで接続する第3実施形態のシーケンスを示す。
【0048】
シーケンスSQ21では、移動通信端末装置10の操作装置17からBT3.0+HSサービス開始の指示が入力される。移動通信端末装置10の近距離無線制御部22はBT通信制御部23にBR/EDR接続を指示する。これにより、BT−BR/EDR通信制御部24は対向装置Xに対しBR/EDR接続要求を行う。対向装置Xとの間のBR/EDR接続が確立すると、BT通信制御部23はBR/EDR接続確立の応答を近距離無線制御部22に通知する。これにより、移動通信端末装置10と対向装置XとのBR/EDR接続が確立する。
【0049】
なお、シーケンスSQ21以前にWLAN通信制御部26はWLAN物理リンク確立要求のビーコンをWLAN MAC/PHY32からブロードキャストしている。
【0050】
シーケンスSQ22では、近距離無線制御部22はBR/EDR接続を使用するプロファイルのBT3.0+HSの利用可否をチェックする。利用可能であれば近距離無線制御部22はAMP接続と判断する。
【0051】
シーケンスSQ23では、AMP接続と判断したため、近距離無線制御部22はBT通信制御部23にAMP接続を指示する。BT通信制御部23は対向装置Xとの間でAMP接続のためのネゴシエーションを行い、ネゴシエーションが完了したことを近距離無線制御部22に通知する。
【0052】
シーケンスSQ24では、近距離無線制御部22はWLAN通信制御部26のWLAN MAC/PHY32にIEEE802.11で規定されるWLAN通信を停止させる。これにより、WLAN通信制御部26は対向装置YからWLAN機能が見えないように、BTのAMPとしてのSSIDだけをブロードキャストして公開する。なお、SSIDはWLANの識別名である。
【0053】
次に、シーケンスSQ25で、WLAN通信制御部26は対向装置Xと異なる他の対向装置YからWLANとしての接続要求があっても、このWLAN接続要求を拒否する。
【0054】
次に、シーケンスSQ26では、BT通信制御部23はBT−HS通信制御部25にWLAN物理リンク確立を指示する。これにより、BT−HS通信制御部25はWLAN物理リンク確立要求のビーコンをWLAN MAC/PHY32からブロードキャストする。こののち、BT通信制御部23は対向装置Xに対しAMP要求を行う。そして、BT通信制御部23と対向装置XとのWLAN物理リンクが確立すると、BT通信制御部23はAMP接続確立の応答を近距離無線制御部22に通知する。これにより、移動通信端末装置10と対向装置XとのAMP接続が確立して、遅滞することなくBT3.0+HS通信が可能となる。
【0055】
ところで、上記の第1〜第3実施形態では移動通信端末装置10がアクセスポイントつまり親機であり、対向装置Xがステーションつまり子機である場合について説明したが、以下に移動通信端末装置10がステーションで対向装置Xがアクセスポイントである場合について説明する。
【0056】
<第4実施形態のシーケンス>
図9は移動通信端末装置と対向装置との間をBT3.0+HSの高速モードで接続する第4実施形態のシーケンスを示す。この実施形態は図6の実施形態における移動通信端末装置10をアクセスポイントからステーションに置き換えている。
【0057】
シーケンスSQ31では、対向装置Xに対してBT3.0+HSサービス開始を指示する。これにより、対向装置Xは移動通信端末装置10のBT−BR/EDR通信制御部24に対しBR/EDR接続要求を行う。対向装置Xとの間のBR/EDR接続が確立すると、BT通信制御部23はBR/EDR接続確立の応答を近距離無線制御部22に通知する。これにより、移動通信端末装置10と対向装置XとのBR/EDR接続が確立する。
【0058】
なお、シーケンスSQ31以前にWLAN通信制御部26はWLAN MAC/PHY32をWLAN物理リンク確立要求のビーコンを受信するWLAN物理リンク確立要求待ち状態(Listening(WLAN))としている。
【0059】
シーケンスSQ32では、近距離無線制御部22はBR/EDR接続を使用するプロファイルのBT3.0+HSの利用可否をチェックする。利用可能であれば近距離無線制御部22はAMP接続と判断する。
【0060】
シーケンスSQ33では、AMP接続と判断したため、近距離無線制御部22はWLAN通信制御部26のWLAN MAC/PHY32にIEEE802.11で規定されるWLAN通信を停止させる。これにより、WLAN通信制御部26はWLAN MAC/PHY32のWLAN物理リンク確立要求の受信を停止させてWLAN物理リンク確立要求待ち状態を終了させる(Stop Listening(WLAN))。
【0061】
次に、シーケンスSQ34で、WLAN通信制御部26は対向装置Xと異なる他の対向装置YからWLANとしての接続要求があっても、このWLAN接続要求を拒否する。
【0062】
こののち、シーケンスSQ35では、近距離無線制御部22はBT通信制御部23にAMP接続を指示する。BT通信制御部23は対向装置Xとの間でAMP接続のためのネゴシエーションを行う。
【0063】
次に、シーケンスSQ36では、BT通信制御部23はBT−HS通信制御部25にWLAN物理リンク確立要求待ちを指示する。これにより、BT−HS通信制御部25はWLAN MAC/PHY32をWLAN物理リンク確立要求のビーコンの受信を開始させてWLAN物理リンク確立要求待ち状態を開始させる(Start Listening)。こののち、BT通信制御部23は対向装置Xに対しAMP要求を行う。そして、BT通信制御部23と対向装置XとのWLAN物理リンクが確立すると、BT通信制御部23はAMP接続確立の応答を近距離無線制御部22に通知する。これにより、移動通信端末装置10と対向装置XとのAMP接続が確立して、遅滞することなくBT3.0+HS通信が可能となる。
【0064】
<第5実施形態のシーケンス>
図10は移動通信端末装置と対向装置との間をBT3.0+HSの高速モードで接続する第5実施形態のシーケンスを示す。この実施形態は図8の実施形態における移動通信端末装置10をアクセスポイントからステーションに置き換えている。
【0065】
シーケンスSQ41では、対向装置Xに対してBT3.0+HSサービス開始を指示する。これにより、対向装置Xは移動通信端末装置10のBT−BR/EDR通信制御部24に対しBR/EDR接続要求を行う。対向装置Xとの間のBR/EDR接続が確立すると、BT通信制御部23はBR/EDR接続確立の応答を近距離無線制御部22に通知する。これにより、移動通信端末装置10と対向装置XとのBR/EDR接続が確立する。
【0066】
なお、シーケンスSQ41以前にWLAN通信制御部26はWLAN MAC/PHY32をWLAN物理リンク確立要求のビーコンを受信するWLAN物理リンク確立要求待ち状態としている。
【0067】
シーケンスSQ42では、近距離無線制御部22はBR/EDR接続を使用するプロファイルのBT3.0+HSの利用可否をチェックする。利用可能であれば近距離無線制御部22はAMP接続と判断する。
【0068】
シーケンスSQ43では、AMP接続と判断したため、近距離無線制御部22はBT通信制御部23にAMP接続を指示する。BT通信制御部23は対向装置Xとの間でAMP接続のためのネゴシエーションを行い、ネゴシエーションが完了したことを近距離無線制御部22に通知する。
【0069】
シーケンスSQ44では、近距離無線制御部22はWLAN通信制御部26のWLAN MAC/PHY32にIEEE802.11で規定されるWLAN通信を停止させる。これにより、WLAN通信制御部26は対向装置YからWLAN機能が見えないように、BTのAMPとしてのSSIDだけをブロードキャストする。
【0070】
次に、シーケンスSQ45で、WLAN通信制御部26は対向装置Xと異なる他の対向装置YからWLANとしての接続要求があっても、このWLAN接続要求を拒否する。
【0071】
次に、シーケンスSQ46では、BT通信制御部23はBT−HS通信制御部25にWLAN物理リンク確立要求待ちを指示する。これにより、BT−HS通信制御部25はWLAN MAC/PHY32をWLAN物理リンク確立要求のビーコンの受信を開始させてWLAN物理リンク確立要求待ち状態を開始させる。こののち、BT通信制御部23は対向装置Xに対しAMP要求を行う。そして、BT通信制御部23と対向装置XとのWLAN物理リンクが確立すると、BT通信制御部23はAMP接続確立の応答を近距離無線制御部22に通知する。これにより、移動通信端末装置10と対向装置XとのAMP接続が確立して、遅滞することなくBT3.0+HS通信が可能となる。
【0072】
上記実施形態によれば、BT3.0+HSとWLANをサポートする移動通信端末装置で、WLANとしての動作を期待する対向装置が自装置のBT3.0+HSの高速モードで動作するWLAN MAC/PHYに接続することがないように制御でき、BT3.0+HSの高速モードとしての動作を期待する対向装置が自装置のWLANモードで動作するWLAN MAC/PHYに接続を要求したりすることがないよう制御できる。
【0073】
なお、上記実施形態では移動通信端末装置を例に説明したが、移動通信端末装置に限らず、図6の近距離無線制御部22、BT通信制御部23、BT−BR/EDR通信制御部24、BT−HS通信制御部25、WLAN通信制御部26を有する無線通信装置であれば移動通信端末装置と同様に適用できる。
(付記1)
第1の無線通信方式の物理層及びデータリンク層を用いて対向装置との間で前記第1の無線通信方式の第1のデータ転送を行い、かつ、前記第1の無線通信方式とは異なる第2の無線通信方式の物理層及びデータリンク層を用いて対向装置との間で前記第1の無線通信方式で前記第1のデータ転送より高速の第2のデータ転送を行い、更に、前記第2の無線通信方式の物理層及びデータリンク層を用いて対向装置との間で前記第2の無線通信方式の第3のデータ転送を行う無線通信装置であって、
前記第2のデータ転送を指示されたとき、前記第2の無線通信方式の物理層及びデータリンク層が前記第3のデータ転送を行う動作を制限する動作制限手段
を有することを特徴とする無線通信装置。
(付記2)
付記1記載の無線通信装置において、
前記動作制限手段は、前記第2のデータ転送の指示により、前記第1の無線通信方式の第1のデータ転送を用いて前記対向装置との間で前記第2のデータ転送を行うためのネゴシエーションを行う前に、前記第2の無線通信方式の物理層及びデータリンク層が前記第3のデータ転送を行う動作を停止させる
ことを特徴とする無線通信装置。
(付記3)
付記1記載の無線通信装置において、
前記動作制限手段は、前記第2のデータ転送の指示により、前記第1の無線通信方式の第1のデータ転送を用いて前記対向装置との間で前記第2のデータ転送を行うためのネゴシエーションを行った後に、前記第2の無線通信方式の物理層及びデータリンク層が前記第3のデータ転送を行う動作を停止させる
ことを特徴とする無線通信装置。
(付記4)
付記1記載の無線通信装置において、
前記動作制限手段は、前記第2のデータ転送の指示により、前記第1の無線通信方式の第1のデータ転送を用いて前記対向装置との間で前記第2のデータ転送を行うためのネゴシエーションを行った後に、前記第2の無線通信方式の物理層及びデータリンク層に対する前記第3のデータ転送の要求を受け付けを拒否し、前記第2の無線通信方式の物理層及びデータリンク層に対する前記第2のデータ転送の要求を受け付ける
ことを特徴とする無線通信装置。
(付記5)
付記4記載の無線通信装置において、
前記動作制限手段は、前記第2のデータ転送のための前記第2の無線通信方式の物理層及びデータリンク層の識別名を前記対向装置に対して公開する
ことを特徴とする無線通信装置。
(付記6)
付記2又は3記載の無線通信装置において、
前記停止手段は、前記第2の無線通信方式の物理層及びデータリンク層からのリンク確立要求の送信を停止して前記第3のデータ転送を行う動作を停止させる
ことを特徴とする無線通信装置。
(付記7)
付記2又は3記載の無線通信装置において、
前記停止手段は、前記第2の無線通信方式の物理層及びデータリンク層でのリンク確立要求の受信を停止して前記第3のデータ転送を行う動作を停止させる
ことを特徴とする無線通信装置。
【符号の説明】
【0074】
10 移動通信端末装置
11 CPU
12 記憶装置
13 BT通信装置
14 WLAN通信装置
15 無線通信装置
16 音声装置
17 操作装置
18 表示装置
21 端末制御部
22 近距離無線制御部
23 BT制御部
24 BT−BR/EDR通信制御部
25 BT−HS通信制御部
26 WLAN通信制御部
31 BT LC/BB
32 WLAN MAC/PHY
33 BT HCI
34 BTプロトコル
35 BT HCI(AMP)
36 WLAN HCI
37 WLANプロトコル
38 AMPマネージャ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の無線通信方式の物理層及びデータリンク層を用いて対向装置との間で前記第1の無線通信方式の第1のデータ転送を行い、かつ、前記第1の無線通信方式とは異なる第2の無線通信方式の物理層及びデータリンク層を用いて対向装置との間で前記第1の無線通信方式で前記第1のデータ転送より高速の第2のデータ転送を行い、更に、前記第2の無線通信方式の物理層及びデータリンク層を用いて対向装置との間で前記第2の無線通信方式の第3のデータ転送を行う無線通信装置であって、
前記第2のデータ転送を指示されたとき、前記第2の無線通信方式の物理層及びデータリンク層が前記第3のデータ転送を行う動作を制限する動作制限手段
を有することを特徴とする無線通信装置。
【請求項2】
請求項1記載の無線通信装置において、
前記動作制限手段は、前記第2のデータ転送の指示により、前記第1の無線通信方式の第1のデータ転送を用いて前記対向装置との間で前記第2のデータ転送を行うためのネゴシエーションを行う前に、前記第2の無線通信方式の物理層及びデータリンク層が前記第3のデータ転送を行う動作を停止させる
ことを特徴とする無線通信装置。
【請求項3】
請求項1記載の無線通信装置において、
前記動作制限手段は、前記第2のデータ転送の指示により、前記第1の無線通信方式の第1のデータ転送を用いて前記対向装置との間で前記第2のデータ転送を行うためのネゴシエーションを行った後に、前記第2の無線通信方式の物理層及びデータリンク層が前記第3のデータ転送を行う動作を停止させる
ことを特徴とする無線通信装置。
【請求項4】
請求項1記載の無線通信装置において、
前記動作制限手段は、前記第2のデータ転送の指示により、前記第1の無線通信方式の第1のデータ転送を用いて前記対向装置との間で前記第2のデータ転送を行うためのネゴシエーションを行った後に、前記第2の無線通信方式の物理層及びデータリンク層に対する前記第3のデータ転送の要求を受け付けを拒否し、前記第2の無線通信方式の物理層及びデータリンク層に対する前記第2のデータ転送の要求を受け付ける
ことを特徴とする無線通信装置。
【請求項5】
請求項4記載の無線通信装置において、
前記動作制限手段は、前記第2のデータ転送のための前記第2の無線通信方式の物理層及びデータリンク層の識別名を前記対向装置に対して公開する
ことを特徴とする無線通信装置。
【請求項6】
請求項2又は3記載の無線通信装置において、
前記停止手段は、前記第2の無線通信方式の物理層及びデータリンク層からのリンク確立要求の送信を停止して前記第3のデータ転送を行う動作を停止させる
ことを特徴とする無線通信装置。
【請求項7】
請求項2又は3記載の無線通信装置において、
前記停止手段は、前記第2の無線通信方式の物理層及びデータリンク層でのリンク確立要求の受信を停止して前記第3のデータ転送を行う動作を停止させる
ことを特徴とする無線通信装置。
【請求項1】
第1の無線通信方式の物理層及びデータリンク層を用いて対向装置との間で前記第1の無線通信方式の第1のデータ転送を行い、かつ、前記第1の無線通信方式とは異なる第2の無線通信方式の物理層及びデータリンク層を用いて対向装置との間で前記第1の無線通信方式で前記第1のデータ転送より高速の第2のデータ転送を行い、更に、前記第2の無線通信方式の物理層及びデータリンク層を用いて対向装置との間で前記第2の無線通信方式の第3のデータ転送を行う無線通信装置であって、
前記第2のデータ転送を指示されたとき、前記第2の無線通信方式の物理層及びデータリンク層が前記第3のデータ転送を行う動作を制限する動作制限手段
を有することを特徴とする無線通信装置。
【請求項2】
請求項1記載の無線通信装置において、
前記動作制限手段は、前記第2のデータ転送の指示により、前記第1の無線通信方式の第1のデータ転送を用いて前記対向装置との間で前記第2のデータ転送を行うためのネゴシエーションを行う前に、前記第2の無線通信方式の物理層及びデータリンク層が前記第3のデータ転送を行う動作を停止させる
ことを特徴とする無線通信装置。
【請求項3】
請求項1記載の無線通信装置において、
前記動作制限手段は、前記第2のデータ転送の指示により、前記第1の無線通信方式の第1のデータ転送を用いて前記対向装置との間で前記第2のデータ転送を行うためのネゴシエーションを行った後に、前記第2の無線通信方式の物理層及びデータリンク層が前記第3のデータ転送を行う動作を停止させる
ことを特徴とする無線通信装置。
【請求項4】
請求項1記載の無線通信装置において、
前記動作制限手段は、前記第2のデータ転送の指示により、前記第1の無線通信方式の第1のデータ転送を用いて前記対向装置との間で前記第2のデータ転送を行うためのネゴシエーションを行った後に、前記第2の無線通信方式の物理層及びデータリンク層に対する前記第3のデータ転送の要求を受け付けを拒否し、前記第2の無線通信方式の物理層及びデータリンク層に対する前記第2のデータ転送の要求を受け付ける
ことを特徴とする無線通信装置。
【請求項5】
請求項4記載の無線通信装置において、
前記動作制限手段は、前記第2のデータ転送のための前記第2の無線通信方式の物理層及びデータリンク層の識別名を前記対向装置に対して公開する
ことを特徴とする無線通信装置。
【請求項6】
請求項2又は3記載の無線通信装置において、
前記停止手段は、前記第2の無線通信方式の物理層及びデータリンク層からのリンク確立要求の送信を停止して前記第3のデータ転送を行う動作を停止させる
ことを特徴とする無線通信装置。
【請求項7】
請求項2又は3記載の無線通信装置において、
前記停止手段は、前記第2の無線通信方式の物理層及びデータリンク層でのリンク確立要求の受信を停止して前記第3のデータ転送を行う動作を停止させる
ことを特徴とする無線通信装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【公開番号】特開2013−46240(P2013−46240A)
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−182810(P2011−182810)
【出願日】平成23年8月24日(2011.8.24)
【出願人】(310022372)富士通モバイルコミュニケーションズ株式会社 (219)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年8月24日(2011.8.24)
【出願人】(310022372)富士通モバイルコミュニケーションズ株式会社 (219)
【Fターム(参考)】
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