説明

無線電力充電システム

【課題】無線電力充電システムに関し、無接点で電力伝送を行うようにするとともに、1次側コアと2次側コアの遮蔽部材及び渦電流低減部材によって磁場から充電装置及びバッテリーパックを保護する。
【解決手段】伝送制御部12の制御によって共振コンバーター13を通じて1次側コア14で電力信号が無線発信されるようにする無線電力伝送装置10を設ける。無線電力伝送装置10の1次側コア14から発信される無線電力信号を2次側コア24を通じて受信し、受信制御部22の制御によってバッテリーセル21に電力が充電されるようにする無線電力受信装置20を設ける。無線電力受信装置20には2次側コア24側に受信遮蔽パネル25と渦電流低減部材26を設け、2次側コア24から発生する磁場を遮蔽する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は充電システムに関するものであり、より詳しくは無接点で電力伝送を行うこと
ができ、1次側コアと2次側コアの遮蔽部材及び渦電流低減部材によって磁場から充電装
置及びバッテリーパックが保護されるようにするための無線電力充電システムに関するも
のである。
【背景技術】
【0002】
一般的に携帯電話、PDA、PMP、DMB端末機、MP3またはノート・パソコンの
ようなポータブル装置は移動しながら使うため、一般家庭の電源に直接さして電源の供給
を受けることができず、使い捨てバッテリーを装着するとか充放電の可能なバッテリーが
装着されるのである。
【0003】
このようなポータブル装置のバッテリーに電気を充電させるための充電器は一般電源か
ら有線で電気の供給を受けてバッテリーに電源供給有線及び電源供給端子を通じてバッテ
リーパックに電源を供給する端子供給方式が利用されている。しかしこのように有線の端
子供給方式で電源を供給すれば、充電器とバッテリーがお互いに結合されるとか分離する
場合、両側の端子がお互いに違う電位差を持っていて端子部分で瞬間放電の現象が発生さ
れる。こういうわけで両側の端子にはますます異物が積もるようになって、これにより火
事が発生するおそれもあって、充電性能が低下することにもなる。また端子が空気に直接
に露出するので、湿気またはほこりがついて自然放電するなど、充電器及びバッテリーの
寿命と性能を低下させる問題点がある。
【0004】
このような端子供給方式の問題点を解決するために、無接点充電器が開発されたのであ
る。このような従来技術による無接点充電器は無接点充電器の1次コイルの上部に、充電
しようとするバッテリーを内在した端末機を位置させれば、バッテリーの2次コイルによ
って充電される。すなわち1次コイルで発生される磁場によって2次コイルでは誘導起電
力が発生することで、このように誘導される電気を充電するようになる。
【0005】
しかし、このような従来の無接点充電器は、ただポータブル端末機に電力を供給するだ
けであり、他の利用が限定されていて実用性に制限がある。
【0006】
さらに、1次コイルで発生する磁場に対して、金属が置かれると磁場の変化によって1
次コイルでの電力の損失が相当で無接点充電器が破損されるなどの問題点がある。特に1
次コイル及び2次コイルの間の磁場によって無接点充電器及びポータブル端末機、バッテ
リーなどの回路の構成部材が損傷されるおそれがあって、誤作動するおそれもあるなどの
問題点がある。
【特許文献1】大韓民国登録特許第0751635号公報
【特許文献2】大韓民国登録特許第0819604号公報
【特許文献3】大韓民国登録特許第0643941号公報
【特許文献4】大韓民国登録特許第0566220号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記のような問題点を解消するための本発明は無接点で充電装置とバッテリーパックま
たは移動端末機の間に電力伝送が成り立つように具備されて、端子接続による火事の危険
がなくて、端子接続の時の異物による接続不良がなく、電力伝送の効率を良好にさせる目
的がある。
【0008】
特に電力を送る無線電力伝送装置の1次側コア、無線電力受信装置の2次側コアにはそ
れぞれ遮蔽部材及び渦電流低減部材が具備されて、1次側コア及び2次側コアによって形
成される磁場から充電装置及びバッテリーパックを保護するようにする目的がある。
【0009】
すなわちバッテリーパックの温度が安定的になって、また500回の充放電試験でもバ
ッテリーパックの充電容量が低下されなくて充電装置及びバッテリーパックの充電性能を
良好する目的がある。

【課題を解決するための手段】
【0010】
上述のような目的を果たすための本発明による無線電力充電システムは、伝送制御部の
制御によって共振コンバーターを通じて1次側コアで電力信号が無線発信されるようにす
る無線電力伝送装置が具備されて、前記無線電力伝送装置の1次側コアから発信される無
線電力信号を2次側コアを通じて受信し、受信制御部の制御によってバッテリーセルに電
力が充電されるようにする無線電力受信装置が具備されて、前記無線電力受信装置には前
記2次側コア側に受信遮蔽パネルと渦電流低減部材が具備されて前記2次側コアから発生
される磁場が遮蔽されるように具備されることを特徴とする。
【0011】
ここに、前記無線電力受信装置の受信遮蔽パネルはセンダスト(Sendust)65〜75
重量部に対して25〜35重量部のポリウレタンを含んで備えることができる。
【0012】
また、前記無線電力受信装置の渦電流低減部材は網形状に形成されるポリエステルに渦
電流低減組成物がメッキされてなるが、前記渦電流低減組成物はニッケル55〜65重量
部に対して35〜45重量部の亜鉛を含んで備えることができる。
【0013】
そして、前記無線電力伝送装置は、前記1次側コア側で伝送遮蔽パネル15が具備され
て前記1次側コアから発生される磁場が遮蔽されるように具備されることができるし、前
記無線電力伝送装置の伝送遮蔽パネルはセンダスト55〜65重量部に対して35〜45
重量部のポリウレタンを具備することができる。
【0014】
さらに、前記無線電力伝送装置は、1次側コアから無線電力信号が発信されるようにす
るために電力を供給するための電源供給モジュールと、前記無線電力伝送装置の作動状態
及び前記無線電力受信装置の作動状態とバッテリーセルの充電の定度が表示されるディス
プレー部、そして伝送メモリー部とを備えることができるし、前記伝送制御部はメインコ
ントローラーの制御によって前記共振コンバーターを駆動するためのフリードライバーと
、前記1次側コアから感知された信号を受信し、前記メインコントローラーへ送るための
受信信号処理ブロックとを備えることができる。

【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明による無線電力充電システムに対する概略的な構成図である。
【0016】
【図2】本発明による無線電力充電システムの無線電力受信装置に対する概略的な構成図である。
【0017】
【図3】本発明による無線電力充電システムの遮蔽部材に対する概略的な構成図である。
【0018】
【図4】本発明による無線電力充電システムに対する実施試験に対するグラフである。
【0019】
【図5】本発明による無線電力充電システムの遮蔽部材に対する概略的な構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、添付図面を参照して詳しく説明すれば次のようである。
【0021】
図1は本発明による無線電力充電システムについての概略的な構成図であり、図2は本
発明による無線電力充電システムの無線電力受信装置についての概略的な構成図であり、
図3は本発明による無線電力充電システムの遮蔽部材についての概略的な構成図であり、
図4は本発明による無線電力充電システムについて実施した試験のグラフであり、図5は
本発明による無線電力充電システムの遮蔽部材についての概略的な構成図である。
【0022】
すなわち、本発明による無線電力充電システムAは、図1〜図4に示されるように、伝
送制御部12の制御によって、共振コンバーター13を通じて1次側コア14で電力信号
が無線発信されるようにする無線電力伝送装置10が具備されて、前記無線電力伝送装置
10の1次側コア14から発信される無線電力信号を2次側コア24を通じて受信し、受
信制御部22の制御によってバッテリーセル21に電力が充電されるようにする無線電力
受信装置20が具備される無線電力充電システムAに関する。
【0023】
このような無線電力充電システムAの無線電力伝送装置10は、1次側コア14で誘導
磁場による無線電力信号が発信されるように具備されるており、詳細構成をみると、無線
電力伝送装置10に電力を供給するための電源供給モジュール16、伝送制御部12の制
御によって前記無線電力伝送装置10の作動状態及び前記無線電力受信装置20の作動状
態とバッテリーセル21の充電の程度が表示されるディスプレー部17、そして伝送メモ
リー部18などが具備されることができる。
【0024】
そして前記伝送制御部12はメインコントローラー121の制御によって前記共振コン
バーター13を駆動するためのフリードライバー122、前記1次側コア14から感知さ
れた信号の受信を受けて前記メインコントローラー121に送るための受信信号処理ブロ
ック123などが具備されることができる。
【0025】
これに加えてこのような無線電力伝送装置10には、1次側コア14、電源供給モジュ
ール16、共振コンバーター13など、無線電力伝送装置10の構成部材の温度を感知し
て異常の有無の信号を伝送制御部12に送るための温度感知モジュール19が具備される
ことができる。
【0026】
また、無線電力伝送装置10はコンピューター、ノート・パソコンから供給される電源
、一般電源、自動車のような移動手段からの電源、発電装置または大容量の充電装置から
の電源などが供給されることができ、したがって無線電力伝送装置10の電源供給モジュ
ール16はこれらの中の何れかを選択的に選ぶよう構成することもでき、または復数の電
源供給手段がともに具備されることができる複合の構成にして具備されることもできる。
すなわちコンピューター、ノート・パソコンから供給される電源のためにUSB方式でコ
ネクターが具備されることができるし、また、それに合うようにコンバーターが電源供給
モジュール16にともに具備されることができる。そして一般電源の供給を受けるために
家庭用のコネクターまたは工場用コネクターなど(単相または三相など)、一般的な接続
のためのコネクターが具備されることができるし、また電源供給モジュール16にもこれ
に対するコンバーターが具備されることができる。そして自動車のような移動手段に対し
て、シガージャックのような専用コネクターが具備されることができるし、同じく電源供
給モジュール16にも自動車の電源を処理することができるコンバーターを内在させるこ
とができる。さらに発電装置または充電装置などによる場合には該当の部材と繋ぐことが
できるコネクターが具備され、該当する部材から供給される電源が安定的に供給されるた
めの該当コンバーターが具備されることができる。
【0027】
このように無線電力伝送装置10に供給されるための電源は一般的に利用されることが
できる多様な手段によって供給されることができるし、前記で察したとおりに、単一の供
給手段で構成されることもできるし、最近、よく利用されるマルチコネクター方式のよう
に多数の電源供給手段がともに具備されることもできる。
【0028】
このような電源供給モジュール16から供給される電源は共振コンバーター13に供給
されて、共振コンバーター13と繋がれる1次側コア14によって誘導磁場が発生される
ようにして無線電力信号が発信されるのである。
【0029】
もちろん、伝送制御部12の制御で、フリードライバー122で処理される発振信号に
よって共振コンバーター13で電力信号が伝送されることで、ここに共振コンバーター1
3はフルブリッジ共振型コンバーターが利用されることができるし、フリードライバー1
22はゲートドライバーなどが具備されることができる。もちろんこのような詳細の構成
に限定されて成り立つのではなく、本発明と係わる分野の多様な技術事項が付加するとか
置換されて適用されて利用されることができることは当然である。
【0030】
また、伝送制御部12には温度感知モジュール19から伝送される信号を処理してメイ
ンコントローラー121に送るための信号処理ブロック(図示せず)、伝送メモリー部18
と入出力されるデータを処理するためのデータ処理ブロック(図示せず)、無線電力伝送装
置10、無線電力受信装置20などの状態信号、非常信号など、ディスプレー部17側に
伝送される伝送信号を処理するためのディスプレー信号処理ブロック(図示せず)、電源供
給モジュール16との間の伝送信号を処理するための電源信号処理ブロック(図示せず)な
どをさらに具備させることもできる。
【0031】
そして、1次側コア14で感知された信号を処理する受信信号処理ブロック123は、
1次側コア14と無接点電力伝送される無線電力受信装置20から伝送される信号に対す
る感知信号を伝送制御部12に送るようになる。ここに、一般的に無線電力受信装置20
の電力受信作動の状態、制御状態及び電力受信によるバッテリーパックの充電状態などに
対する情報を受信して伝送制御部12に送るようになる。
【0032】
そして、伝送制御部12ではこれを判別した後、ディスプレー部17を通じて表示する
か、またはフリードライバー122、共振コンバーター13などを制御して1次側コア1
4で発信される無線電力信号を調節するように具備される。
【0033】
そして、このように無線電力伝送装置10から誘導磁場によって電力の受信を受ける無
線電力受信装置20は、2次側コア24を通じて誘導電力の状態で受信し、これを整流部
(Rectifier)231及びフィルター部(Filter)232などによって信号処理した後に
、受信制御部22の制御によってバッテリーセル21に電力が充電されるように構成され
る。ここに、無線電力伝送装置10と無線電力受信装置20はお互いに1次側コア14と
2次側コア24の間に発生される誘導磁場を利用して無線で電力を送受信したりするが、
これとともに制御及び通信用の信号も送受信するようになる。先に言及されたところのよ
うに無線電力伝送装置10側では1次側コア14と繋がれる受信信号処理ブロック123
を通じて無線電力受信装置20側で発信される信号を受信するようになる。また、無線電
力受信装置20側では2次側コア24と繋がれる受信信号処理ブロック(図示せず)が受信
制御部(22)に具備されることができるし、また整流部231及びフィルター部232
などと繋がれる部分で信号を感知することができて、これによって無線電力伝送装置10
側から伝送される信号を受信して判別することができる。
【0034】
このような無線電力伝送装置10には、最初の無線電力伝送の準備を完了した状態では
1次側コア14の近くに無線電力受信装置20があるかどうかを判別することができない
から、一定の間隔のパルス信号である感知信号を発信するようになる。このようなパルス
の感知信号は1次側コア14の近くに誘導磁場を形成するようになって、ここに無線電力
受信装置20が近付くようになれば誘導磁場が変形するから、これを1次側コア14を通
じて伝送制御部12では物体の接近の可否を判別することができる。このようなパルスの
感知信号には無線電力受信装置20側で固有IDに対する回答要請信号を一緒に送るよう
になることで、ここに無線電力受信装置20の受信制御部22では該当の無線電力受信装
置20の固有ID信号を回答信号で送るようになる。
【0035】
したがって、無線電力伝送装置10側では正常な無線電力受信装置20の固有ID信号
であることが判別されれば、電力用の無線電力信号を1次側コア14を通じて送るように
なる。
【0036】
そして、無線電力受信装置20側では2次側コア24を通じて受信される電力信号は整
流部231、フィルター部232などによって信号処理された後、充電ブロック(Charge
r IC)233を通じてバッテリーセル21に電力が充電されるようにして、ここにバッテ
リーセル21に充電される程度を保護回路部(Protection Circuit Module、PCM)2
34を通じて感知して受信制御部22に信号を送って、バッテリーセル21の満充電の状
態または充電の状態によって充電の程度を制御するようになる。そして、このような無線
電力受信装置20になるバッテリーパックで発信される充電状態または充電程度そしてバ
ッテリーパックの状態などに対する情報は無線電力伝送装置10で受信を受けるようにな
って、このような信号を判別してディスプレー部17に表示して使用者が分かるように具
備される。
【0037】
前記で察するところのように、無線電力伝送装置10及び無線電力受信装置20に具備
されることができる本発明による無線電力充電システムAでは1次側コア14及び2次側
コア24の間に誘導磁場が発生されて、電力伝送及びデータ信号の送受信になるのである

【0038】
もちろんこのような電力伝送及びデータ信号の送受信のためには無線電力伝送装置10
の伝送制御部12を含めた電力伝送の構成部材、そして無線電力受信装置20の受信制御
部22を含めた電力受信の構成部材が一緒に構成されなければならないのである。したが
って誘導磁場から無線電力伝送装置10及び無線電力受信装置20の構成部材たちを保護
するための遮蔽部材(HPES:Hanrim Postech Electro−Magnetic Shield)が具備さ
れるのである。このような遮蔽部材(HPES)では無線電力伝送装置10側では伝送遮
蔽パネル15(伝送HPES)が具備されることができるし、また無線電力受信装置20
側では受信遮蔽パネル25(受信1次HPES)、渦電流低減部材26(受信2次HPE
S)などが具備されることができる。
【0039】
すなわち、前記無線電力伝送装置10には1次側コア14側で伝送遮蔽パネル15が具
備されるようにして、前記1次側コア14、2次側コア24から発生される磁場が遮蔽さ
れるように具備される。
【0040】
このような前記無線電力伝送装置10の伝送遮蔽パネル15はセンダスト55〜75重
量部に対して25〜55重量部のポリウレタンを含んで備えることができる。
【0041】
また、前記無線電力受信装置20には誘導磁場から構成部材を保護するために、2次側
コア24側で受信遮蔽パネル25と渦電流低減部材26が具備されて1次側コア14と2
次側コア24から発生される磁場が遮蔽されるように具備される。
【0042】
もちろん、前記無線電力受信装置20の受信遮蔽パネル25もセンダスト55〜75重
量部に対して25〜55重量部のポリウレタンを含んで備えることができる。
【0043】
そして、前記無線電力受信装置20の渦電流低減部材26は網形状に形成されるポリエ
ステルに渦電流低減組成物がメッキされてなることで、前記渦電流低減組成物はニッケル
55〜65重量部に対して35〜45重量部の亜鉛を含んで備えることができる。
【0044】
ここに、センダストはアルミニウム、珪素、鉄などで造成されることで、高透磁率の合
金に当たるのである。このような遮蔽性能が卓越なセンダストとポリウレタンをともに造
成して伝送遮蔽パネル15を具備したのである。ここにセンダストが55重量部の以下な
らば遮蔽性能が低下されるおそれがあって、一方、75重量部の以上の場合には投与され
る量に比べて性能が向上しなくなる。特に、無線電力伝送装置10側は、無線電力受信装
置20側に比べて単位面積当たり密集される自己密度が小さいことがあって、センダスト
を55〜65重量部にして、ポリウレタンが35〜45重量部を含んで備えることもでき
る。好ましくはセンダスト60重量部とポリウレタン40重量部が含まれてなる。
【0045】
一方、無線電力受信装置20側は一側の2次側コア24及び1次側コア14によって容
易に磁場に露出することができるが、これを遮蔽することができなければ器機の情報損失
及び作動の間違いなどの問題が発生するだけでなく、ポータブルであるバッテリーパック
などの温度上昇を防止しなければならないから、概して遮蔽成分であるセンダストの含量
を高めて構成されることができる。すなわち無線電力受信装置20側の受信遮蔽パネル2
5でセンダストが65〜75重量部、ポリウレタンが25〜35重量部が含まれるように
具備されることができるし、好ましくはセンダスト70重量部にポリウレタン30重量部
が含まれてなる。
【0046】
このように、パネル形態を成しながらセンダストが含まれてなる伝送遮蔽パネル15に
よって1次側コア14から誘導される磁場が効果的に遮蔽されて、また受信遮蔽パネル2
5によって2次側コア24による磁場が効果的に遮蔽されることができる。
【0047】
これに加えて、前記無線電力受信装置20では渦電流が発生するおそれがあるから、こ
のような渦電流は渦電流低減部材26によって消滅するように具備されることができる。
【0048】
このような渦電流低減部材26は形態が網形状に形成されることで、網形状に形成され
るポリエステルに渦電流低減組成物がメッキされてなるのである。そして渦電流低減組成
物はニッケル55〜65重量部に対して35〜45重量部の亜鉛を含んで備えられること
ができる。
【0049】
したがって、ニッケルと亜鉛からなる渦電流低減組成物がポリエステルの表面にメッキ
されるため、結局渦電流低減部材26は金属網形状に形成されることで、1次側コア14
及び2次側コア24などによる磁場によって発生されることができる渦電流が渦電流低減
部材26である金属網のメッシュによって渦効果に減少されるようにして、無線電力受信
装置20が保護されるように具備される。すなわちこのような渦電流低減部材26の金属
網のメッシュによって、多くの数の金属網メッシュ別で渦電流が減少されるようにするか
ら、無線電力受信装置20であるバッテリーパックの全体的には磁場による渦電流が減少
されるのである。
【0050】
ここに、渦電流低減部材26は金属網形状に100メッシュないし200メッシュ程度
の金属網で、より好ましくは135メッシュでなる。
【0051】
さらに、本発明による無線電力充電システムAの無線電力受信装置20は1次側コア1
4及び2次側コア24の間に発生された磁場から無線電力受信装置20の回路及びバッテ
リーセル21を保護するために受信遮蔽パネル25(受信1次HPES)及び渦電流低減
部材26(受信2次HPES)を具備するが、このような受信1次HPES及びメッシュ
になる受信2次HPESがお互層に複数の層で多数が具備されることもできる。すなわち
図5のように一つの渦電流低減部材26(受信2次HPES)を中心にして受信1次HP
ESである受信遮蔽パネル25は渦電流低減部材26の下側に具備されることができるし
、これに加えて第2受信遮蔽パネル25’が渦電流低減部材26の上側に、さらに具備さ
れることができる。このような渦電流低減部材26にする受信2次HPES及び受信遮蔽
パネル25と第2受信遮蔽パネル25’になる受信1次HPESなどの層の構成及び個数
は無線電力伝送装置10及び無線電力受信装置20の種類、各コアの距離及び各装置の回
路の構成などによって、それに適する構成とすることができる。そしてそれぞれに適した
無線電力受信装置20の回路が安定的に作動するようにするだけでなく、バッテリーセル
21が過熱されないで安定的に充放電されるように具備されることができる。
(実施例)
本発明は、図3のように、本発明による無線電力充電システムAの無線電力伝送装置1
0側では1次側コア14の周りにパネル形状である伝送遮蔽パネル15が具備されること
で、ここに伝送遮蔽パネル15はセンダスト60重量部に対して40重量部のポリウレタ
ンが造成されて具備されることを例にした。
【0052】
そして、無線電力受信装置20はバッテリーパックにして試したことで、バッテリーパ
ック側では2次側コア24の周りにパネル形状である受信遮蔽パネル25とともに渦電流
低減部材26が具備されることで、受信遮蔽パネル25はセンダスト70重量部に対して
ポリウレタン30重量部が含まれるようにして、渦電流低減部材26はニッケル60重量
部に対して40重量部の亜鉛で造成される渦電流低減組成物がメッシュ網であるポリエス
テルにメッキされることで、135メッシュ網の金属網になってなることを例にした。し
たがって、本発明の実施例で遮蔽部材(HPES)で、無線電力伝送装置10側の伝送遮
蔽パネル15(伝送HPES)、無線電力受信装置20側の受信遮蔽パネル25(受信1
次HPES)、渦電流低減部材26(受信2次HPES)にして構成されることを例にし
た。
(試験例)
前記実施例で備えられた伝送遮蔽パネル(伝送HPES)15、受信遮蔽パネル(受信
1次HPES)25、渦電流低減部材(受信2次HPES)26などにする遮蔽部材(H
PES)が具備されて下記のような条件で試した。
【0053】
まず、無線電力伝送装置10での入力電圧は5.4V、電流は700mAにし、1次側
コア14と2次側コア24の間の間隔は3mmにして試した。
【0054】
1次側コア14と伝送遮蔽パネル15の径を、それぞれ50mm、55mmにして円形
形状で具備させ、2次側コア24の径が30mm、受信遮蔽パネル25の径を34mmに
して円形形状で具備した。温度はバッテリーセルの初期の温度と500回の充電及び放電
を実施した後の温度をそれぞれ測定した。そして本発明では遮蔽部材(HPES)が適用
された場合のことで、従来技術では遮蔽部材がない場合のバッテリーパックのバッテリー
セルに対する温度を測定した。
【0055】
【表1】

【0056】
前記表1のように、本発明による遮蔽部材(HPES)が具備された状態の実施例とと
もに、無線電力伝送装置及び無線電力受信装置に遮蔽部材が具備されない状態で充放電の
試験をし、最初の試験前にそれぞれのバッテリーセルの温度が30℃に測定されたが、5
00回の繰り返された充電放電の試験をした後に測定したそれぞれの温度が表1のように
、遮蔽部材がない従来の場合には50.5℃まで上昇した一方、遮蔽部材が備えられた本
発明の試験では40℃位に測定された。これは充放電を続くようになれば従来の技術の構
成によれば温度が継続的に上昇するようになって、結局バッテリーセルの爆発の原因にな
ることがあり、またバッテリーパックの故障の原因になることもある。一方、本発明では
40℃以上に上昇しないから安全にバッテリーを利用することができる長所がある。
【0057】
【表2】



【0058】
【表3】



【0059】
【表4】

【0060】
前記表2は充電装置とバッテリーパックが有線及び端子接続にして充電電力が伝送され
るようにした場合であり、表3は遮蔽部材が具備されなかった従来技術によって無線にし
て充電装置とバッテリーパックが充電されるように備えられた場合の試験である。そして
、表4では本発明による遮蔽部材(HPES)が具備された実施例での充放電の試験をし
たことで、それぞれの場合の充電容量(Capacity)を測定して試したのである。
【0061】
一般的な有線の端子接続の場合、最初の充電の時に832(Capacity)を見せているし
、500回の充放電の時には746(Capacity)の充電容量を見せていることで、これを
基準実施例にした。このような基準実施例と対比して、遮蔽部材がない従来の無線充電器
及びバッテリーパックの場合、最初の充電の時の834(Capacity)で基準実施例に似て
いるが、わずか360回が充放電された後には643(Capacity)もならない充電容量を
見せていて、これ以上にバッテリーパックで利用が不可能な状態なのが分かる。
一方、本発明による遮蔽部材(HPES)が具備された無線電力伝送装置及び無線電力受
信装置であるバッテリーパックが適用された場合には、最初の836(Capacity)に対し
て500回の充放電の試験の後にも713(Capacity)の充電容量を見せていて、基準実
施例になる表1と類似の程度の充放電の性能を見せているのである。
【0062】
すなわち、前記表2〜表4そしてこれをグラフで示した図4のように、充電装置とバッ
テリーパックがお互いに有線端子に接続される実験のように、本発明は優秀な充放電の特
性を持っていて充電性能が優秀さを分かる。一方有線端子で繋がれなかったから接点端子
での火事や発熱のおそれがなくて、接点不良による充放電の効率低下のおそれもない卓越
な長所があることを分かる。
【0063】
前記ように具備される本発明は無接点で充電装置とバッテリーパックまたは移動端末機
の間に電力伝送が成り立つように具備されて、端子接続による火事の危険がなくて、端子
接続の時に異物による接続不良がなくて電力伝送効率が良好にさせる長所がある。
【0064】
特に、電力を送る無線電力伝送装置の1次側コア、無線電力受信装置の2次側コアには
それぞれ遮蔽部材及び渦電流低減部材が具備されて、1次側コア及び2次側コアによって
形成される磁場から充電装置及びバッテリーパックを保護するようにする卓越な効果があ
る。
【0065】
すなわちバッテリーパックの温度が安定的になって、また500回の充放電試験でもバ
ッテリーパックの充電容量が低下せず、充電装置及びバッテリーパックの充電性能が良好
で安定的に利用することができる長所がある。
【0066】
前述のとおりに、本発明の好ましい実施例を参照して説明したが、本発明が属する技術
分野での通常の知識を有する者によって、特許請求範囲に記載した本発明の思想及び領域
から脱しない範囲内で本発明を多様に修正または変形して実施することができる。

【符号の説明】
【0067】
A:無線電力充電システム
10:無線電力伝送装置
12:伝送制御部
13:共振コンバーター
14:1次側コア
15:伝送遮蔽パネル
16:電源供給モジュール
17:ディスプレー部
20:無線電力受信装置
21:バッテリーセル
22:受信制御部
24:2次側コア
25:受信遮蔽パネル
26:渦電流低減部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
バッテリーセルと、
無線電力伝送装置の1次側コアと電磁的に接続され、前記バッテリーセルを充電するための前記1次側コアからの電力信号を受信する2次側コアと、
前記バッテリーセルが前記2次側コアで受信された電力信号で充電されるようにする受信制御部と、
前記2次側コア側に位置し、1次側コアと2次側コアとの間の電磁的な接続によって生成される渦電流を遮蔽するための網形状に形成された渦電流低減部材と
を備えることを特徴とする無線電力充電システム用バッテリーパック。
【請求項2】
さらに、前記受信制御部を前記バッテリーセルに接続し、バッテリーセルの充電状態を前記受信制御部に送信する保護回路部を備えていることを特徴とする請求項1記載の無線電力充電システム用バッテリーパック。
【請求項3】
前記受信制御部は、前記2次側コアを通じて、受信したバッテリーセルの充電状態を無線電力伝送装置へ送信するように構成されていることを特徴とする請求項2記載の無線電力充電システム用バッテリーパック。
【請求項4】
前記渦電流低減部材は、渦電流低減組成物がメッキされた100メッシュ〜200メッシュの網形状の部材であることを特徴とする請求項1記載の無線電力充電システム用バッテリーパック。
【請求項5】
前記網形状の部材がポリエステルからなることを特徴とする請求項4記載の無線電力充電システム用バッテリーパック。
【請求項6】
前記渦電流低減組成物は、ニッケル55〜65重量部に対して35〜45重量部の亜鉛を含んでなることを特徴とする請求項2記載の無線電力充電システム用バッテリーパック。
【請求項7】
さらに、前記2次側コアと前記渦電流低減部材の間に位置し、前記2次側コアから生成される磁場を遮蔽するための、前記伝送遮蔽パネルより小さい範囲の受信遮蔽パネルを具備していることを特徴とする請求項1記載の無線電力充電システム用バッテリーパック。
【請求項8】
前記受信遮蔽パネルがセンダスト65〜75重量部に対して25〜35重量部のポリウレタンからなることを特徴とする請求項7記載の無線電力充電システム用バッテリーパック。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−70067(P2013−70067A)
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−239011(P2012−239011)
【出願日】平成24年10月30日(2012.10.30)
【分割の表示】特願2008−178323(P2008−178323)の分割
【原出願日】平成20年7月8日(2008.7.8)
【出願人】(508206335)
【Fターム(参考)】