説明

無菌容器を成形するための装置

シート材料(2)から容器(35)を得るための装置は、前記シート材料(2)を加工するための作用ユニット(12,24)を備え、前記作用ユニット(12,24)は、前記シート材料(2)の上面(16)に相互作用する上側作用部(15,31)と、前記シート材料(2)の下面(18)に相互作用する下側作用部(17,32)と、を備えている。前記装置(1)はさらに、前記シート材料(2)の上方および下方に略無菌環境(59,159)を形成するよう、前記上側作用部(15,31)および前記下側作用部(17,32)に隣接する空間を殺菌する殺菌手段(67,68,167,168)を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シート材料から無菌容器を成形するための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
無菌容器を得るための、成形ユニットを備えた製造ラインが知られている。成形ユニットにおいて、シート材料上に多数の収容キャビティが得られる。成形ユニットの下流には、収容キャビティを所望の製品で充填するための充填ユニットが配置されている。充填ユニットの下流に配置された閉鎖ユニットが、収容キャビティに閉鎖フィルムを接着する。
【0003】
シート材料は、前進システムによって製造ラインを通って進められる。前進システムは、シート材料の端部に係合するグリップエレメントを支持する一対のチェーンを含んでいる。チェーンは、シート材料の2つの対向する端部を把持するよう、シート材料の両側に配置されている。チェーンおよびグリップエレメントは、汚染物質、細菌およびバクテリアがシート材料の一側から他側へ通り抜けるのを防ぐよう、封止的にシート材料に係合している。この場合、シート材料は、シート材料の上方の空間とシート材料の下方の空間との間の障壁として機能する。シート材料の上方の空間において、パッケージされる製品が加工されるが、このシート材料の上方の空間は、製品の汚染を防ぐよう無菌状態に保たれている。一方、シート材料の下方の空間は殺菌されておらず、シート材料の下方の空間は、外部環境に存在しうる物質だけでなく、製造ラインにおいて基礎をなす作用システムから来るオイルおよびグリースの粒子によっても汚染され得る。
【0004】
既知の製造ラインの欠点は、これらのラインが、非常に複雑な構造を有しており、かつ、長く骨の折れる設計作業および取付作業を必要とすることである。とりわけ、シート材料を前進させるための前進システムは、シート材料の下方の空間がシート材料の上方の空間から完全に隔離されるよう特別に設計される必要がある。
【0005】
このことが、既知の製造ラインを、無菌容器を製造する上で非常に柔軟性に欠けるものにしている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、無菌容器を製造するための製造ラインを改善することである。
【0007】
さらなる目的は、無菌容器を製造するための製造ラインの構造を単純にし、かつ柔軟性を改善することである。
【発明を解決するための手段】
【0008】
本発明によれば、シート材料から容器を得るための装置であって、前記シート材料を加工するための作用ユニットを備え、前記作用ユニットは、前記シート材料の上面に相互作用する上側作用部と、前記シート材料の下面に相互作用する下側作用部と、を備え、前記装置は、前記シート材料の上方および下方に略無菌環境を形成するよう前記上側作用部および前記下側作用部に隣接する空間を殺菌する殺菌手段を備えたことを特徴とする装置がもたらされる。
【0009】
本発明によれば、無菌容器を製造するための装置の構造を単純にすることができる。シート材料の上方および下方に略無菌環境を生成することにより、シート材料の上方の空間を下方の空間から隔離する必要性が取り除かれる。このことは、シート材料の端部に封止的に係合しない前進システム、例えば従来のタイプの前進用の把持具を使用することを可能にする。
【0010】
さらに、殺菌手段は、作用ユニットの各々、例えば成形ユニット、充填ユニットまたは閉鎖ユニットが、略無菌環境において囲まれる、ということを可能にする。このことは、作用ユニットの各々が、所望のレイアウトに沿って配置されるということを可能にし、これによって、大きな柔軟性を有する製造ラインを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は、無菌容器を製造するための装置の側面図である。
【図2】図2は、図1の装置に含まれる成形ステーションの断面図である。
【図3】図3は、図2の成形ステーションの下側半型であって、第1の作用位置にある下側半型の部分断面図である。
【図4】図4は、図3と同様の図であり、第2の作用位置にある下側半型を示している。
【図5】図5は、図2の成形ステーションに含まれるガイドスリーブを示す断面図である。
【図6】図6は、図2の成形ステーションの上側半型を示す部分断面図である。
【図7】図7は、図2の成形ステーションの上側半型および下側半型の断面図であって、第1の作用形態にある上側半型および下側半型の断面図である。
【図8】図8は、図7と同様の図であり、第2の作用形態にある上側半型および下側半型を示す断面図である。
【図9】図9は、図7と同様の図であり、第3の作用形態にある上側半型および下側半型を示す断面図である。
【図10】図10は、図1の装置に含まれる溶着ステーションの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明は、添付の図を参照することによってより理解され実施され得る。図は、本発明の形態を、非限定的な例によって示している。
【0013】
図1は、無菌容器を材料シート2から製造するための装置1を示している。装置1により製造される容器は、腐敗性食料製品、衛生用品または薬用製品を含むためにとりわけ適している。
【0014】
シート材料2は、熱成形可能な高分子材料のフィルムからなっていてもよい。この場合、容器は熱成形により得られる。またはシート材料2は、金属材料、たとえばアルミニウムからなっていてもよい。この場合、容器は冷間変形により得られる。
【0015】
装置1は、シート材料2のリール4を支持するためのリール保持器3を備えている。シート材料2は、図示されていない前進エレメントによって、リール4からほどかれ、また一定の間隔で特定の動作を繰り返す方式により前進方向Fにおいて前進させられる。前進エレメントは、例えば、1つまたはそれよりも多い把持具のペアを備えていてもよい。把持具のペアは、シート材料2の対向する端部を把持するのに適したものとなっている。
【0016】
装置1は、シート材料2が変形される前にシート材料2を殺菌するために配置された殺菌ユニット5を備えている。殺菌ユニット5はチャンバー6を備えており、チャンバー6の内側にはタンク7が配置されている。タンク7は、殺菌用液体、例えば過酸化水素により充填されている。シート材料2を殺菌用液体に浸すため、ガイドローラー8であって、その上にシート材料2が巻きつけられているガイドローラー8が、タンク7において殺菌用液体の液面の下方に配置されている。
【0017】
タンク7の上方において、シート材料2の2つの対向する面に相互作用する塗布ローラー9が配置されており、これによって、当該面上に殺菌用液体を均一に塗布することができる。殺菌用液体は、タンク7を離れるシート材料2に付着したままとなっている。
【0018】
殺菌ユニット5は、シート材料2の対向する面のそれぞれと相互作用するよう塗布ローラー9よりも非常に高いところに配置された一対のノズル10をさらに備えている。ノズル10は、シート材料2上に位置する殺菌用液体の存在しうる残留物を乾燥させるため、高温かつ清浄な空気のシート材料2への噴射を施すよう用いられる。シート材料2は、ノズル10からの高温の空気の噴射により乾燥された後、無菌のものとしてみなされ得る。
【0019】
チャンバー6は、シート材料2が殺菌された後、外部環境に存在しうる汚染物質がシート材料2に接触するようになるのを防ぐよう、封止的に囲まれている。
【0020】
チャンバー6からの出口において、閉鎖チャンネル11が設けられている。閉鎖チャンネル11は、前進方向Fに沿って延びる一種のトンネルを形成している。閉鎖チャンネル11は、殺菌ユニット5において殺菌された後にシート材料2が閉鎖チャンネル11の内側を、つながっている作用ユニットに向かって進むときにシート材料2の汚染を防ぐため、外部環境から隔離されている。
【0021】
閉鎖チャンネル11は、殺菌ユニット5を作用ユニット12に連結している。作用ユニット12は、シート材料2上に複数の収容キャビティ14を得るのに適した成形ステーション13を備えている。成形ステーション13は、シート材料2の上面16に相互作用する上側半型15を含む上側作用部を備えている。成形ステーションは、シート材料2の下面18に相互作用する下側半型17を含む下側作用部をさらに備えている。上側半型15および下側半型17は、成形位置と開放位置との間で互いに対して移動可能となっている。成形位置において、シート材料2は、上側半型15と下側半型17との間で把持され、上側半型15および下側半型17が、シート材料2上に収容キャビティ14を得るよう、シート材料2を変形させる。開放位置において、上側半型15および下側半型17は、シート材料2が前進方向Fにおいて自由に前進できるよう、互いに離間されている。
【0022】
成形位置から開放位置へ動くよう、またはその逆に動くよう、上側半型15および/または下側半型17は、前進方向Fに対して交差する移動方向Yにおいて動く。移動方向Yは、前進方向Fに直交していてもよい。
【0023】
作用ユニット12は、材料シート2を、この材料が軟化して成形ステーション13において容易に変形され得るよう予熱するために成形ステーション13の上流に配置された予熱ステーション19を備えていてもよい。予熱ステーション19は、シート材料2の上面16に面している上側プレート20と、下面18に面している下側プレート21とを備えている。
【0024】
下側プレート21および上側プレート20は、図示されていないワーク位置と図1に示す休止位置との間において、移動方向Yに平行に互いに対して移動可能となっている。ワーク位置において、下側プレート21および上側プレート20は、シート材料2を所望の温度まで加熱するよう、シート材料2に接触している、またはシート材料2の近傍にある。休止位置において、下側プレート21および上側プレート20は、シート材料2が前進方向Fにおいて自由に前進できるよう、シート材料2から離間されている。
【0025】
収容キャビティ14を成形する前にシート材料2が予熱される必要がない場合、例えばシート材料2が金属材料からなる場合、予熱ステーション19は設けられていなくてもよい。
【0026】
成形ステーション13および予熱ステーション19が設けられている場合、成形ステーション13および予熱ステーション19は、成形ステーション13および予熱ステーション19を外部環境から隔離するハウジング22によって囲まれている。ハウジング22の中には、シート材料2の上方および下方に略無菌環境を生成するため、上側半型15、下側半型17、上側プレート20および下側プレート21に隣接する空間を殺菌するための殺菌手段が設けられている。殺菌手段は、以下に詳細に開示される。
【0027】
ハウジング22の下流において、前進方向Fに延び、作用ユニット12をさらなる作用ユニット24に連結する閉鎖チャンネル23が設けられている。さらなる作用ユニット24は、例えば、収容キャビティ14を閉鎖するよう閉鎖フィルム26を収容キャビティ14に溶着するための溶着ステーション25を備えている。
【0028】
成形ステーション13と溶着ステーション25との間において、更なる閉鎖チャンネル23に沿って配置され得る充填ユニット27が置かれている。充填ユニット27は貯蔵器28を備えており、貯蔵器28の内側には、収容キャビティ14に充填するのに適している製品29が含まれている。製品29は、流動性を有する製品、例えば液体、ペースト状のもの、または粒剤であってもよい。貯蔵器28は、材料シート2の上方に配置されている。充填ユニットは、添加手段30をさらに備えている。添加手段30は、収容キャビティ14の中に添加される量の製品29を導入するため、例えばカニューレの形状を有している。
【0029】
添加手段30は、材料シート2を外部環境から隔離する更なる閉鎖チャンネル23の内側に通じている。このため、材料シート2および材料シート2の上に得られる収容キャビティ14が、成形ステーション13から溶着ステーション25への通過の間、または製品29の充填作業の間に汚染されるのを防ぐことができる。
【0030】
充填ユニット27の下流に溶着ステーション25が配置されている。溶着ステーション25は、上側溶着エレメント31を含む上側作用部と、下側対照エレメント32を含む下側作用部と、を備えている。上側溶着エレメント31および下側対照エレメント32は、溶着位置と不活性位置との間で、移動方向Yに平行に互いに対して移動可能となっている。溶着位置において、材料シート2および閉鎖フィルム26は、上側溶着エレメント31と下側対照エレメント32との間で把持される。上側溶着エレメント31および下側対照エレメント32は、予め設定された端部領域に沿って、例えば熱溶着または超音波溶着によって、閉鎖フィルム26を材料シート2に接合させる。不活性位置において、上側溶着エレメント31および下側対照エレメント32は、材料シート2から離間されており、また閉鎖フィルム26から離間されている。従って、材料シート2および閉鎖フィルム26は、溶着ステーション25を通って前進させられ得る。
【0031】
溶着ステーション25は更なるハウジング33の内側に配置されている。ハウジング33は、製品29の汚染、または収容キャビティ14の汚染、またはさらに閉鎖フィルム26の汚染を防ぐため、溶着ステーション25を外部環境から隔離する機能を有している。更なるハウジング33の内側において、上側溶着エレメント31および下側対照エレメント32に隣接する空間を殺菌する殺菌手段が設けられている。これによって、材料シート2および閉鎖フィルム26の上方および下方に略無菌空間を生成することができる。
【0032】
閉鎖フィルム26は、図示されていないリールからほどかれ、そして図示されていない殺菌ユニットであって材料シート2を殺菌する殺菌ユニット5と同様の殺菌ユニットにおいて殺菌された後、溶着ステーション25に達する。殺菌ユニットからの出口において、閉鎖フィルム26が、各閉鎖チャンネル34に入る。閉鎖チャンネル34の一部が図1に示されている。閉鎖チャンネル34は、閉鎖フィルム26が外部環境に存在しうる汚染剤に接触するのを防ぐ。従って、閉鎖フィルム26が、殺菌された後であって溶着ステーション25に入る前に再び汚染される、ということが防がれている。閉鎖フィルム26がほどかれるリールは、閉鎖フィルム26が初期に前進方向Fに略直交している経路に沿って動くよう、図1に示されている成形ラインの背後に配置されていてもよい。その後、閉鎖フィルム26は、約90度でそらされ、そして、材料シート2に重ねられる。
【0033】
閉鎖フィルム26が材料シート2に溶着された後、閉鎖フィルム26は、材料シート2に重ねられた閉鎖フィルム26の平坦部分によって共に接合された容器35を画定するよう、収容キャビティ14を密封して閉鎖する。この時、製品29の汚染の危険はもはや存在せず、また、容器35は、無菌環境の中で加工され得る。例えば、溶着ステーション25の下流において、容器35を互いに分離するため、既知のタイプのせん断ステーションが設けられていてもよい。
【0034】
図2は、成形ステーション13を区分して示している。上側半型15および下側半型17が、外部環境から隔離された略無菌環境59の内側に配置されている。略無菌環境59は、傾けられた下側壁60によって制限されている。下側壁60は、上側壁61および後側壁62から下方へ傾けられている。略無菌環境59は、周囲の壁に封止的に係合するドア63によって閉鎖されている。ドア63は、作業者が略無菌環境59を監視することができるよう、少なくとも部分的に、ガラスまたはその他の透明材料から形成されている。
【0035】
下側壁60が、略無菌環境59を下側駆動領域64から分離している。下側駆動領域64においては、下側半型17を動かすために駆動デバイスが配置されている。一方、上側壁61が、略無菌環境59を上側駆動領域65から分離している。上側駆動領域65においては、上側半型15を動かすために駆動デバイスが配置されている。最後に、後側壁62が支持プレート66に固定されている。支持プレート66は、略鉛直になっており、また支持プレート66は、下側半型17および対応する駆動デバイス、および、上側半型15および対応する駆動デバイスの双方を支持する機能を有している。
【0036】
支持プレート66の後側において、剛化包装材96が配置されている。剛化包装材96は、作業中に生成される大きな力による成形ステーション13の構成要素の起こりうる変形を制限するために利用される。
【0037】
図示されていない一形態において、剛化包装材96は、C形状であってもよい。すなわち、剛化包装材96は、各々が下側駆動領域64および上側駆動領域65に隣接する2つの厚い周囲部分であって、厚い中央部分にともに接合される周囲部分を有していてもよい。
【0038】
上記に示されているように、収容キャビティ14の成形の間に環境59が略無菌となることを確実にするため、環境の内側に殺菌手段が配置されている。殺菌手段は、1つまたはそれよりも多い殺菌用流体を分配するための分配手段を備えていてもよい。分配手段は、殺菌用液体、例えば過酸化水素を噴射するための1つまたはそれよりも多い噴射器67を環境59の内側に備えていてもよい。噴射器67は、殺菌用液体を、環境59の中に供給される非常に小さい液滴に分割するよう構成されている。
【0039】
分配手段はまた、洗浄用溶液、熱蒸気、殺菌用空気などの殺菌用物質を環境59の中に導入するため、1つまたはそれよりも多いスプレー68、例えばボールタイプのもの(いわゆる“スプレーボールタイプ”)を備えていてもよい。
【0040】
図2において1つのスプレー68および1つの噴射器67のみが設けられている。しかしながら、殺菌用流体を環境59全体に均一に分配するよう、材料シート2の上方および下方の様々な位置に配置された複数のスプレー68および噴射器67を用いることができる、ということが理解される。
【0041】
下側半型17は、収容キャビティ14を成形するための少なくとも1つの凹部36を有している。示されている例において、下側半型17は2つの凹部36を有している。下側半型17は、2つの部分からなっている。すなわち下側半型17は、2つの別個の構成要素から形成されており、そして下側半型17は、図3に詳細に示されているように、ベース部37と上側本体部38とを備えている。ベース部37の上面に、各凹部36の底面39が得られている。一方、上側本体部38の厚みによって、各凹部36の側面40が得られている。
【0042】
下側半型17は、駆動デバイスにより作動される一対のシャフト41によって支持されている。シャフト41は、下側半型17を、成形位置と開放位置との間で移動方向Yにおいて動かす。示されている例において、移動方向Yは鉛直方向となっている。駆動デバイスは、横材44に固定されたホイール43に係合するカム42を備えている。シャフト41の下側部分はそれぞれ、横材44の対向する端部に固定されている。カム42の回転によって横材44が移動方向Yにおいて動かされるとき、シャフト41もまた移動方向Yに沿って同時に動き、各ガイドスリーブ45の内側を摺動する。
【0043】
図2の左側から見てとれるように、各シャフト41の内側において、ステム94が摺動により移動可能となっている。また図3から見てとれるように、ステム94は、上側本体部38に固定された第1端部を有している。ステム94はベース部37を通っている。またステム94は、ベース部37に対して摺動してもよい。第1端部に対向するステム94の第2端部は、移動方向Yにおいてステム94を移動させるための作動デバイスに結合されている。示されている例において、作動デバイスは、横材44に固定されたエアシリンダー46を備えている。
【0044】
エアシリンダー46は、図3に示される収縮位置と図4に示される拡張位置との間でステム94が動かされることを可能にする。収縮位置において、上側本体部38は、凹部36を画定するようベース部37にほぼ接触している。この位置において、ベース部37と上側本体部38との間に、材料シート2の成形の間に通気孔として作用する薄いギャップ47が画定されている。薄いギャップ47の寸法は、ギャップ47が成形の間に材料シート2の変形を引き起こさない程度に小さくなっている。
【0045】
拡張位置において、上側本体部38は、殺菌用液体のための通路48を画定するようベース部37から離間されている。殺菌用液体は、以下においてより詳細に開示されるように、成形ステーション13を殺菌するために配置されている。
【0046】
各ガイドスリーブ45は、図5に示される構造を有している。各ガイドスリーブ45はフランジ50を備えている。フランジ50からは、対応するシャフト41の長手軸Aの周りを延びる管状部分49が突出している。フランジ50は、長手軸Aに対して横方向に延びており、このフランジ50は、成形ステーション13において所定の位置に配置されているプレート51に結合されている。
【0047】
管状部分49とシャフト41との間において、2つの軸受筒52が挿入されている。軸受筒52は、例えば、低い摩擦係数を有するプラスチックから形成されている。軸受筒52は、管状のチャンバー53を画定するよう、長手軸Aに沿って互いに離間されている。管状のチャンバー53は、軸受筒52に加えて、管状部分49の内面およびシャフト41の外面によって制限されている。
【0048】
スリーブ45は、管状のチャンバー53の中に通じる入口導管54を有している。入口導管54は、汚染抑制流体を管状のチャンバー53の中に導くためのものである。スリーブ45はさらに、汚染抑制流体が管状のチャンバー53から排出されるのを可能にする出口導管55を有している。入口導管54および出口導管55の双方は、中間部分57を管状のチャンバー53に結合するよう、フランジ50において延びる第1部分56と、管状部分49において長手軸Aに平行に延びる中間部分57と、管状部分49において長手軸Aに対して横方向に延びる第2部分58と、を有している。
【0049】
入口導管54を介して管状のチャンバー53の中に供給され、出口導管55を介して排出された汚染抑制流体は、管状のチャンバー53における過圧を生成する圧縮空気であってもよい。この過圧により、下側駆動領域64に存在しうる汚染物質、例えばカム42から来るオイルおよびグリースが、ガイドスリーブ45およびシャフト41を通って侵入することにより略無菌環境59に到達するのを防ぐことができる。
【0050】
または、汚染抑制流体は、加圧された熱蒸気であってもよい。熱蒸気は、管状のチャンバー53の内側で過圧を生成することに加えて、その高い温度による殺菌作用を及ぼす。
【0051】
図6に示されているように、上側半型15は、内側に収容キャビティ14を形成するための少なくとも1つのパンチ69を備えている。示されている例においては、2つのパンチ69が設けられており、各パンチ69は、対応する凹部36により受けられる。
【0052】
パンチ69は、各駆動デバイスによって移動方向Yにおいて移動可能となっている制御シャフト70に結合されている。駆動デバイスは、シートの面に直交するよう延びるとともに、図示されていないアクチュエータにより回転させられるレバー71を備えていてもよい。
【0053】
制御シャフト70が、スリーブ72の内側において、移動方向Yに沿って摺動可能となっている。スリーブ72は上側部分73を有しており、上側部分73は、制御シャフト70の外径にほぼ等しくなっている内径を有している。さらに、スリーブ72は下側部分74を有しており、下側部分74は、下側部分74と制御シャフト70との間に管状のチャンバー75を画定するよう、制御シャフト70の外径よりも大きくなっている内径を有している。入口孔95が管状のチャンバー75の中に通じており、この入口孔95は、スリーブ72の厚みによって形成されている。入口孔95は、管状のチャンバー75の中に洗浄液を導入するため、図示されていない回路のパイプに結合されていてもよい。
【0054】
一形態において、スリーブ72の上方において、汚染抑制流体を分配するための分配エレメントが設けられていてもよい。分配エレメントは分配リング76を有していてもよく、この分配リング76は、分配リング76の内面と制御シャフト70との間に汚染抑制流体を導入するための入口孔77を有していてもよい。出口孔78が、この流体が排出されるのを可能にする。汚染抑制流体は、上側駆動領域65に存在する汚染物質が管状のチャンバー75を介して略無菌環境59に到達するのを防ぐため、制御シャフト70と分配リング76との間に過圧を生成する。汚染抑制流体は、過圧を生成するのに加えて、その高い温度による殺菌効果を有する加圧された熱蒸気であってもよい。
【0055】
上側半型15は、上方および横方向でパンチ69を閉鎖するために配置された鐘状体79をさらに備えている。鐘状体79は支持ディスク80に固定されており、支持ディスク80は、成形ステーション13の更なるプレート82にねじ込まれる、フランジがつけられたリング81に対して摺動可能となっている。
【0056】
支持ディスク80上において、第1ピストン83と第2ピストン84とを備えた作動デバイスが作動する。第1ピストン83および第2ピストン84は、制御シャフト70の軸Zに沿って連続して配置されている。第1ピストン83および第2ピストン84は、第1孔85を介して供給される第1作用流体、および第2孔86を介して供給される第2作用流体により、各シリンダーの内側で移動可能となっている。支柱87が、鐘状体79を支持するのを補助している。
【0057】
成形ステーション13は、鐘状体79の内側に成形用流体、例えば圧縮空気を導入するため、鐘状体79の内側に通じる導管88をさらに備えている。成形用流体は、材料シート2の変形を容易にする。導管88は、第1ピストン83、第2ピストン84および支持ディスク80を通るパイプにより得られている。
【0058】
成形ステーション13は、図2に示される、ドア63の上側領域の近傍に配置された吸引外套89を含む吸引手段をさらに備えている。吸引外套89は、ドア63から出る可能性のある蒸気を吸引するための吸引パイプ90に結合されている。
【0059】
下側壁60において、洗浄液または殺菌用液体を略無菌環境59から排出するよう、図示されていないバルブにより閉鎖可能な排出導管91が得られている。
【0060】
図10は、成形ステーション13の下側駆動領域64と同様の下側駆動領域164を備えた溶着ステーション25を示している。
【0061】
溶着ステーション25の下側対照エレメント32は、図3および図4において成形ステーション13の下側半型17を参照して示されているように、2つの部分から形成されている。下側対照エレメント32は、図5に示されるガイドスリーブ45と同様の各ガイドスリーブ145の内側で摺動する2つのシャフト141によって、移動方向Yに平行に駆動される。
【0062】
上側溶着エレメント31は板状エレメント92を備えており、この板状エレメント92から、閉鎖フィルム26に接触するよう意図されている隆起部93が突出している。閉鎖フィルム26は、材料シート2とともに、隆起部93と下側対照エレメント32との間で、収容キャビティ14を囲む端部領域に沿って閉鎖フィルム26を材料シート2に封止するよう押圧される。隆起部93は、端部領域に対応する管状の意図された形状を有している。
【0063】
溶着ステーション25が鐘状体79を備えていないので、上側溶着エレメント31を駆動することが、成形ステーション13の上側半型17を駆動することに比べて容易化される。特に、上側溶着エレメント31のため、上側駆動領域165に配置された駆動デバイスが、下側対照エレメント32の駆動デバイスと同様に使用され得る。
【0064】
一形態において、上側溶着エレメント31は、成形ステーション13の制御シャフト70と同様の1つまたはそれよりも多いシャフトにより駆動され得る。すなわち、シャフトがスリーブの中で摺動可能となっており、このスリーブの中には洗浄液が送られ得る。
【0065】
上側溶着エレメント31および下側対照エレメント32は、成形ステーション13の略無菌環境59と同様の略無菌環境159の内側に配置されている。略無菌環境159において、1つまたはそれよりも多い噴射器167および1つまたはそれよりも多いスプレー168が、溶着ステーションのために設けられているものと同様に設けられている。
【0066】
また、閉鎖チャンネル11、更なる閉鎖チャンネル23および各閉鎖チャンネル34は、殺菌手段、例えば噴射器67およびスプレー68を含む殺菌手段を備えていてもよい。
【0067】
作業の間、作用ユニット12,24、および閉鎖チャンネル11,23,34を洗浄する工程が予備的に行われる。この工程の間、装置1には材料シート2または閉鎖フィルム26のいずれも存在しない。
【0068】
洗浄工程は洗浄液を用いて実施される。洗浄液は、酸性溶液およびソーダ溶液またはその他の洗浄用溶液を備えることができる。洗浄液は、閉鎖チャンネル11,23,34に加えて、洗浄用溶液を環境59,159に送るスプレー68,168によって分配される。
【0069】
洗浄液は、上側半型15および場合によっては上側溶着エレメント31を洗浄するよう、環境59の中へ、および場合によっては環境159の中へ、入口孔95および管状のチャンバー75を介してさらに導入される。
【0070】
最後に、洗浄液は、シャフト41を洗浄するよう、入口導管56および管状のチャンバー53を介して環境59に送られる。このことは、成形ステーション13、予熱ステーション19および溶着ステーション25において行われてもよい。
【0071】
この工程において、成形ステーション13のステム94および溶着ステーション25の対応するステムは、凹部36を洗浄した後に洗浄液が通路48を介して下側半型17から出ることができるようまたは下側対照エレメント32から出ることができるよう、図4に示される拡張位置にある。
【0072】
余分な洗浄液は、下側壁60の傾きにより、下側壁60に沿って流れる。また余分な洗浄液は、この工程においては開放されている排出導管91を介して環境59から排出される。
【0073】
同様の状況が溶着ステーション25においても生じる。
【0074】
洗浄工程の後、スプレー68,168を介して熱蒸気を分配することによって乾燥工程が行われる。熱蒸気は、洗浄液の残留物が乾燥されるのを可能にする。
【0075】
この時、材料シート2が作用ユニット12および更なる作用ユニット24の内側を進む間、材料シート2が略水平面を画定するよう、材料シート2および閉鎖フィルム26が装置1の内側に導入される。作用ユニット12のドア63は、溶着ステーション25のドアと同様に閉じられている。
【0076】
細菌およびバクテリアを取り除くため、噴射器67,167を介して、殺菌用液体、例えば過酸化水素が分配される。殺菌用液体は、予熱ステーション19および成形ステーション13を殺菌するため作用ユニット12の中に導入され、また、溶着ステーション25を殺菌するため更なる作用ユニット24の中に導入される。殺菌用液体は、さらに、閉鎖チャンネル11,23,34に送られる。
【0077】
材料シート2を全てのサイドで囲む環境59,159を殺菌するよう、噴射器67,167およびスプレー68,168が、流体をそれぞれ材料シート2の上方および下方の双方に送る、ということが留意される。
【0078】
殺菌用液体の導入の後、スプレー68,168が、できるかぎり高温の蒸気を送る。蒸気は、殺菌用液体を乾燥させ、また、材料シート2、閉鎖フィルム26および周囲環境を殺菌する過酸化水素の蒸気を形成する。
【0079】
装置1は、このとき無菌状態になっており、また、容器を製造するための準備ができている。
【0080】
製造の間、装置1を無菌状態に保つよう、無菌の空気が、作用ユニット12のスプレー68、更なる作用ユニット24のスプレー168および閉鎖チャンネル11,23,34の図示されてないスプレーを介して常に送られる。
【0081】
リール4からほどかれた材料シート2は、一定の間隔で特定の動作を繰り返す方式により前進方向Fにおいて前進させられ、そして殺菌ユニット5に運ばれる。殺菌ユニット5から材料シート2が略無菌状態の中に出る。その後、閉鎖チャンネル11を介して、材料シート2が予熱ステーション19に到達する。予熱ステーション19において、材料シート2が所望の軟化温度まで予熱される。前進デバイスが、その後、材料シート2を成形ステーション13へ前進させる。成形ステーション13において、下側半型17および上側半型15は、当初は図1に示す開放位置にある。
【0082】
一方、材料シート2は成形ステーション13において静止しており、図7に示されるように下側半型17が材料シート2の下面18に対して隣接するまで、カム42が下側半型17を上方へ移動させる。パンチ69および鐘状体79の双方は、材料シート2の上面16から離間されている。
【0083】
この時、第1ピストン83および第2ピストン84は、図8に示されるように鐘状体79の下端が材料シート2の上面16に対して隣接するよう、鐘状体79を下方へ押す。鐘状体79の下端がパンチ69に対してわずかに突出しているので、パンチ69は、材料シート2の上面16にまだ接触していない。
【0084】
図8に示す配置において、材料シート2を下側半型17に対して押圧している鐘状体79が、材料シート2の周りの空間を封止的に閉鎖する。
【0085】
成形用流体、例えば圧縮空気が、導管88を介して材料シート2に送られ得る。成形用流体は、材料シート2を変形させ、そして成形用流体を凹部36の壁に押しつけ、これによってその成形を容易化する。
【0086】
その後、制御シャフト70が、パンチ69を下方へ移動させる。パンチ69は、凹部36の内側に入り込み、そして材料シート2を変形させ、これによって収容キャビティ14を生じさせる。このようにして、図9に示される成形位置に達する。
【0087】
成形工程の最後に、下側半型17および上側半型15が互いに離れ、そして、その上に収容キャビティ14が得られた材料シート2が更なる閉鎖チャンネル23を通って前進させられる。
【0088】
収容キャビティ14はここで、充填ユニット27の添加手段30により製品29で充填される。
【0089】
その後、製品29により充填された収容キャビティ14を有する材料シート2が溶着ステーション25へ前進させられる。溶着ステーション25において、材料シート2が、前もって殺菌されている閉鎖フィルム26に接合される。
【0090】
この時、製品29が無菌容器35に封止される。無菌容器35は、その後に無菌環境の中で加工され得る。例えば、無菌容器35を材料シート2から無菌でない環境の中で分離することができる。
【0091】
装置1は、無菌容器が容易な方法で得られることを可能にする。特に、材料シート2および閉鎖フィルム26を両面から囲む略無菌環境により、材料シート2および閉鎖フィルム26を、従来の前進デバイス、例えば把持具タイプの前進デバイスを用いることによって動かすことが可能となる。従って、従来技術における複雑な前進デバイスは必要ではない。
【0092】
さらに、個々の作用ユニットを採用することにより、装置1に非常に柔軟性の高いモジュール構造を与えることが可能となる。例えば、作用ユニット12と更なる24との間において、1つよりも多い充填ユニット、または、特定の機能を実施するために意図されたその他のタイプのデバイスを挿入することが可能となる。さらに、装置1を構成する様々な作用ユニットが、所望のレイアウトに従って配置され得る。
【0093】
最後に装置1は、凹部36が得られている下側半型17の構成要素およびパンチ69が得られている上側半型15の構成要素を単に置き換えることによって、様々な形状および寸法の製造用容器35に容易に適合され得る。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート材料(2)から容器(35)を得るための装置であって、
前記シート材料(2)を加工するための作用ユニット(12,24)を備え、
前記作用ユニット(12,24)は、前記シート材料(2)の上面(16)に相互作用する上側作用部(15,31)と、前記シート材料(2)の下面(18)に相互作用する下側作用部(17,32)と、を備え、
前記装置(1)は、前記シート材料(2)の上方および下方に略無菌環境(59,159)を形成するよう、前記上側作用部(15,31)および前記下側作用部(17,32)に隣接する空間を殺菌する殺菌手段(67,68,167,168)を備えたことを特徴とする装置。
【請求項2】
前記殺菌手段が、前記環境(59,159)に存在しうる汚染を取り除く流体を分配するための分配手段(67,68,167,168)を備えたことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記分配手段(67,68,167,168)が、殺菌用液体を前記環境(59,159)に散布するスプレー手段(68,168)を備えたことを特徴とする請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記分配手段(67,68,167,168)が、洗浄用溶液、殺菌用空気、蒸気から選択される流体を前記環境(59,159)に噴射するための噴射手段(67,167)を備えたことを特徴とする請求項2または3に記載の装置。
【請求項5】
前記分配手段(67,68,167,168)が、前記材料シート(2)の上方および下方に配置されていることを特徴とする請求項2乃至4のいずれかに記載の装置。
【請求項6】
前記環境(59,159)が、前記上側作用部(15,31)を駆動するために設けられた上側駆動領域(65,165)と、前記下側作用部(17,32)を駆動するために設けられた下側駆動領域(64,164)との間に置かれていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の装置。
【請求項7】
前記環境(59,159)の側部が支持構造部(66,96)により制限されており、
前記上側駆動領域(65,165)および前記下側駆動領域(64,164)が、前記支持構造部(66,96)から突出していることを特徴とする請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記環境(59,159)が、正面においてドア(63)により閉鎖されており、
前記ドア(63)の近傍に、前記環境(59,159)に存在する可能な蒸気を吸引するための吸引手段(89)が設けられていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の装置。
【請求項9】
前記環境(59,159)が、傾けられた下側壁(60)によって制限されていることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の装置。
【請求項10】
前記下側壁(60)において、前記殺菌手段(67,68,167,168)により前記環境(59)の中に分配される液体を排出するため選択的に開放可能および閉鎖可能となっている排出孔(91)が得られていることを特徴とする請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記下側作用部(17,32)が、容器(35)の収容キャビティ(14)を収容するための少なくとも1つの凹部(36)を有し、
前記少なくとも1つの凹部(36)が、前記下側作用部(17,32)の2つの別個の構成要素(37,38)により画定されていることを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載の装置。
【請求項12】
前記2つの構成要素(37,38)の間に、前記殺菌手段(67,68,167,168)により前記少なくとも1つの凹部(36)の中に導入される液体を排出するための通路(48)を画定するよう、前記2つの構成要素(37,38)を互いに離れるよう移動させるための移動手段(46,94)をさらに備えたことを特徴とする請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記2つの構成要素(37,38)が、その上に前記少なくとも1つの凹部(36)の下面が得られるベース部(37)と、前記少なくとも1つの凹部(36)の側面が得られる上側本体部(38)と、を備えたことを特徴とする請求項11または12に記載の装置。
【請求項14】
前記下側作用部(17,32)および/または前記上側作用部(15,31)を移動させるためのシャフト部材(41,70,141)をさらに備え、
前記シャフト部材(41,70,141)は、管状のエレメント(45,76)の内側で摺動可能となっていることを特徴とする請求項1乃至13のいずれかに記載の装置。
【請求項15】
前記シャフト部材(41,70,141)と前記管状のエレメント(45,76)との間に侵入する汚染物質により前記下側作用部(17,32)および/または前記上側作用部(15,31)が汚染されるのを防ぐため、前記シャフト部材(41,70,141)と前記管状のエレメント(45,76)との間に、汚染抑制流体が供給される管状のチャンバー(53)が設けられていることを特徴とする請求項14に記載の装置。
【請求項16】
前記汚染抑制流体が、加圧された殺菌用空気および熱蒸気から選択されることを特徴とする請求項15に記載の装置。
【請求項17】
前記上側作用部(15,31)が、スリーブ(72)の内側で摺動可能なシャフト(70)により支持されており、
前記シャフト(70)と前記スリーブ(72)との間に管状のチャンバー(75)が画定されており、
前記管状のチャンバー(75)は、前記上側作用部(15,31)に向けられる洗浄用溶液を前記管状のチャンバー(75)に供給するための回路に結合されていることを特徴とする請求項1乃至16のいずれかに記載の装置。
【請求項18】
前記作用ユニット(12,24)が、前記材料シート(2)上に前記収容キャビティ(14)を得るための成形ステーションを備えていることを特徴とする請求項1乃至17のいずれかに記載の装置。
【請求項19】
前記上側作用部(15,31)が、前記収容キャビティ(14)を得るよう前記材料シート(2)を変形させる少なくとも1つのパンチ(69)を備えていることを特徴とする請求項18に記載の装置。
【請求項20】
前記上側作用部(15,31)が鐘状体(79)を備えており、
前記鐘状体(79)の内側において、前記少なくとも1つのパンチ(69)が移動可能となっていることを特徴とする請求項19に記載の装置。
【請求項21】
前記材料シート(2)を前記鐘状体(79)と前記下側作用部(17,32)との間で把持するよう前記鐘状体(79)を前記下側作用部(17,32)に押し付けるための作動デバイス(83,84)をさらに備えていることを特徴とする請求項20に記載の装置。
【請求項22】
前記作動デバイス(83,84)が、前記材料シート(2)の上方に配置されていることを特徴とする請求項21に記載の装置。
【請求項23】
前記作動デバイス(83,84)が、第1作動シリンダー(83)と第2作動シリンダー(84)とを備え、
前記第1作動シリンダー(83)および第2作動シリンダー(84)は、前記鐘状体(79)の移動方向(Y)に沿って連続して配置されていることを特徴とする請求項21または22に記載の装置。
【請求項24】
前記鐘状体(79)と前記材料シート(2)との間に前記材料シート(2)を変形させる成形用流体を供給するための供給デバイス(88)をさらに備えていることを特徴とする請求項20乃至23のいずれかに記載の装置。
【請求項25】
前記成形ステーション(13)が、ハウジング(22)の内側に配置されていることを特徴とする請求項18乃至24のいずれかに記載の装置。
【請求項26】
前記材料シート(2)を殺菌するため前記成形ステーション(13)の上流に配置された殺菌ユニット(5)を備えていることを特徴とする請求項18乃至25のいずれかに記載の装置。
【請求項27】
前記殺菌ユニット(5)が、前記材料シート(2)のための無菌の経路を画定する閉鎖チャンネル(11)を介して前記ハウジング(22)に結合されていることを特徴とする請求項26に記載の装置。
【請求項28】
前記作用ユニット(12,24)が、前記材料シート(2)を予熱するための予熱ステーション(19)を備えていることを特徴とする請求項1乃至27のいずれかに記載の装置。
【請求項29】
請求項25に付け加えられているように、前記予熱ステーション(19)は、前記成形ステーション(13)が配置されているのと同一のハウジング(22)の内側に配置されていることを特徴とする請求項28に記載の装置。
【請求項30】
前記容器(35)を閉鎖するため、前記作用ユニット(12,24)が、前記材料シート(2)に閉鎖フィルム(26)を溶着するための溶着ステーション(25)を備えていることを特徴とする請求項1乃至29のいずれかに記載の装置。
【請求項31】
前記上側作用部(15,31)が、前記閉鎖フィルム(26)の選択された領域に接触させるための少なくとも1つの隆起部(93)を有する溶着エレメント(31)を備え、これによって、前記選択された領域で前記閉鎖フィルム(26)が前記材料シート(2)に接合されることを特徴とする請求項30に記載の装置。
【請求項32】
前記下側作用部(17,32)が、前記溶着エレメント(31)により押圧される前記材料シート(2)および前記閉鎖フィルム(26)を支持しながら受け入れるための収縮エレメント(32)を備えていることを特徴とする請求項31に記載の装置。
【請求項33】
請求項30が請求項25に付け加えられているように、前記溶着ステーション(25)が、更なるハウジング(33)の内側に配置されており、
前記ハウジング(33)は、前記材料シート(2)のための無菌の経路を画定する更なる閉鎖チャンネル(23)によって前記ハウジング(22)に結合されていることを特徴とする請求項30乃至32のいずれかに記載の装置。
【請求項34】
製品(29)を前記容器(35)の中に分配するために前記更なる閉鎖チャンネル(23)の中に至る添加手段(30)を有する充填ユニット(27)を備えていることを特徴とする請求項33に記載の装置。
【請求項35】
前記閉鎖フィルム(26)を殺菌するための殺菌デバイスをさらに備え、
前記殺菌デバイスは、前記閉鎖フィルム(26)のための無菌の経路を画定する各閉鎖チャンネル(34)によって前記更なるハウジング(33)に結合されていることを特徴とする請求項33または34に記載の装置。
【請求項36】
前記材料シート(2)が略水平面を画定するよう前記材料シート(2)を前進方向(F)において前進させるための前進デバイスをさらに備えていることを特徴とする請求項1乃至35のいずれかに記載の装置。
【請求項37】
前記前進デバイスが、前記材料シート(2)の対向する端部分に係合するのに適した一対の把持具を備え、
前記一対の把持具は、前記前進方向(F)において、前記作用ユニット(12,25)の長さよりも小さい長さを有することを特徴とする請求項36に記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公表番号】特表2011−515291(P2011−515291A)
【公表日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−501309(P2011−501309)
【出願日】平成21年3月23日(2009.3.23)
【国際出願番号】PCT/IB2009/000569
【国際公開番号】WO2009/118597
【国際公開日】平成21年10月1日(2009.10.1)
【出願人】(504201132)サロング ソシエタ ペル アツィオニ (1)
【Fターム(参考)】